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  • 特開-曲面支持棒体の固着に適した固着具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072743
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】曲面支持棒体の固着に適した固着具
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20230518BHJP
   F16B 7/08 20060101ALI20230518BHJP
   E04F 11/18 20060101ALN20230518BHJP
【FI】
F16B5/02 Y
F16B7/08
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185358
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】592046851
【氏名又は名称】株式会社高垣製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】高垣 正雄
【テーマコード(参考)】
2E301
3J001
3J039
【Fターム(参考)】
2E301FF01
2E301LL15
2E301LL17
3J001FA18
3J001GB01
3J001GC09
3J001GC12
3J001HA02
3J001HA09
3J001JA03
3J001KA19
3J001KA21
3J039AA04
3J039BB04
3J039GA02
3J039GA04
(57)【要約】
【課題】固着箇所の耐荷重強度や耐久性に優れ、かつ、当該曲面支持棒体の垂直姿勢での固着作業も容易となる、曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供すること。
【解決手段】曲面支持棒体の固着に適した固着具1は、曲面支持棒体の外側周面に沿う凹み曲面形状をした曲面周接部10と、曲面周接部10の両端部から凹み方向に折り曲げ延設した脚部20と、曲面周接部10の幅方向中央位置かつ長さ方向の各端部寄りに各1個設け、曲面周接部10よりも肉厚であるネジ体螺合部30と、備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面支持棒体の外側周面に沿う凹み曲面形状の曲面周接部と、
前記曲面周接部の両端部から凹み方向に配設する脚部と、
を少なくとも備える曲面支持棒体の固着に適した固着具。
【請求項2】
前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差(a1)よりも、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と前記脚部の最先端部との高低差(a2)の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の曲面支持棒体の固着に適した固着具。
【請求項3】
さらに、前記曲面周接部の幅方向中央位置に設ける1又は複数個のネジ体螺合部を付加した請求項1又は請求項2の曲面支持棒体の固着に適した固着具。
【請求項4】
前記ネジ体螺合部を、前記曲面周接部の長さ方向両端部寄りに各1個配設した請求項3に記載の曲面支持棒体の固着に適した固着具。
【請求項5】
前記曲面周接部の厚み(b1)よりも前記ネジ体螺合部の厚み(b2)の方を厚くしたことを特徴とする請求項3又は請求項4いずれかに記載の曲面支持棒体の固着に適した固着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、円筒形や円柱形の様な外側周面を曲面で構成する支柱又は手すり支持棒体を含む支持棒体(以下、「曲面支持棒体」と呼ぶ。)を、架台等の構造物に固着するのに適した固着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の手すり支柱(本願の曲面支持棒体に相当。)の取付構造は、手すり支柱をささら桁の側面に罫書きをして、罫書きに支柱の下端部を一致させて、支柱の下端部をその位置に保持して、支柱とささら桁の当接点を各種溶接により固定していた(特許文献1の段落0002)。
【0003】
また、従来の手すり支柱の取付構造の問題点を解決するものとして、手すり支柱の下端部に取付突起を形成し、かつ、桁側に前記突起に対応した円形の貫通孔を形成し、前記貫通孔に前記突起を挿入し隙間を溶接で固定する構造も開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-112083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の手すり支柱の取付構造は、支柱の取付位置が明確になり、また溶接前に、手すり支柱の保持が容易となるので、作業効率が高まる優れた取付構造であるが、手すり支柱側及び手すり支柱を固定する構造物側のいずれにも加工を施す必要があるものと考える。
【0006】
また、特に、曲面支持棒体を架台の平面箇所に固着する場合、固着箇所の耐荷重強度や耐久性がどうしても弱く(低く)なってしまいがちであること、当該曲面支持棒体を垂直姿勢のまま維持し固着する作業が容易ではないこと等の問題点も存在していた。
【0007】
そこで、固着箇所の耐荷重強度や耐久性に優れ、かつ、当該曲面支持棒体の固着作業も容易となる曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供することを課題とした。なお、少なくとも、曲面支持棒体を固定する構造物側への加工を施さないでもよい固着具となる様にも配慮した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、上述の課題を解決するために、曲面支持棒体の外側周面に沿う凹み曲面形状の曲面周接部と、前記曲面周接部の両端部から凹み方向に配設する脚部と、を少なくとも備える曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供する。
【0009】
本願発明は、上述の課題を解決するために、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差よりも、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と前記脚部の最先端部との高低差の方が大きい曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供する。
【0010】
本願発明は、上述の課題を解決するために、さらに、前記曲面周接部の幅方向中央位置に設ける1又は複数個のネジ体螺合部を付加した曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供する。
【0011】
本願発明は、上述の課題を解決するために、前記ネジ体螺合部を、前記曲面周接部の長さ方向両端部寄りに各1個配設した曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供する。
【0012】
本願発明は、上述の課題を解決するために、前記曲面周接部の厚みよりも前記ネジ体螺合部の厚みの方を厚くした曲面支持棒体の固着に適した固着具を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、曲面支持棒体の外側周面に沿う凹み曲面形状の曲面周接部と、前記曲面周接部の両端部から凹み方向に配設する脚部とを備えるため、固着箇所の耐荷重強度や耐久性に優れ、かつ、当該曲面支持棒体の垂直姿勢での固着作業も容易となる。
【0014】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差よりも、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と前記脚部の最先端部との高低差の方が大きいため、固着作業の際に、前記曲面周接部の凹みが深い位置に隙間が確保されより固着作業が容易となる。
【0015】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、さらに、前記曲面周接部の幅方向中央位置に設ける1又は複数個のネジ体螺合部を付加したため、ボルトによるネジ止め固着が可能となる。
【0016】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、前記ネジ体螺合部を、前記曲面周接部の長さ方向両端部寄りに各1個配設したため、固着箇所の耐荷重強度や耐久性を保ちつつコスト面でも優れる。
【0017】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、前記曲面周接部の厚みよりも前記ネジ体螺合部の厚みの方を厚くしたため、ボルトによるネジ止め固着を確実に行える。また、より強固となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は実施例1の固着具の全体構成を示す構成図である。
図2図2は実施例1の固着具の斜視図である。
図3図3はネジ体螺合部のその他の例(1つ孔)を示す斜視図である。
図4図4はネジ体螺合部のその他の例(3つ孔)を示す斜視図である。
図5図5は固着具を架台に装着した状態を示すイメージ図である。
図6図6は固着具を介して手すり支持棒体と架台とを固着した状態を示す拡大断面図である。
図7図7は固着具を介して手すり支持棒体をボルトで架台に固着した状態を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
架台等に円筒形の手すり支持棒体等の曲面支持棒体を固着する際に使用する。
【実施例0020】
まずは、曲面支持棒体の固着に適した固着具の構成について、図1から図4に従い説明する。
【0021】
曲面支持棒体の固着に適した固着具(1)は、円筒形の手すり支持棒体(A)の外側周面に沿う凹み曲面形状をした曲面周接部(10)と、前記曲面周接部の両端部を凹み方向に折り曲げ延設する脚部(20)と、前記曲面周接部の幅方向中央位置かつ高さ方向両端部寄りに各1個配設するネジ体螺合部(30)と、で構成する(図1及び図2)。
【0022】
前記曲面周接部(10)に関し、手すり支持棒体の外側周面に沿う凹み曲面形状にとは、当該手すり支持棒体の外側周面に沿う、すなわち当該外側周面と均一に当接する形状を指すものとする(図1及び図2)。
【0023】
前記曲面周接部(10)の最も凹みが浅い位置と前記脚部(20)の最先端部との高低差(a2)に関して、前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差(a1)と同一であっても機能し得るが、手すり支持体を固着する際の作業性やボルトの長さ等を考慮すると前記曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差よりも大きい方が好ましい(図1)。
【0024】
なお、本実施例では、前記曲面周接部(10)の最も凹みが浅い位置と前記脚部(20)の最先端部との高低差(a2)と、脚部の長さとは一致(同一)している(図1)。
【0025】
前記脚部(20)に関し、前記曲面周接部(10)の両端部の凹み方向に配設するとは、前記曲面周接部(10)の凹んでいる方向に脚部が向いていることを指し、当該脚部の部材を当該方向へ接続する構成も含まれているが、コスト面や固着具自体の強度を考慮すると当該方向へ折り曲げて延設する方が好ましいものと考える(図1)。
【0026】
なお、前記脚部(20)の最先端部(開放側端部)は、架台等に溶接を行い固定する箇所となる。
【0027】
前記ネジ体螺合部(30)は、ボルトなどのネジ体を螺入して固定を可能とするため前記曲面周接部(10)のうち所定箇所に穿孔及び雌ネジ溝の成形を行うことを要するが、前記曲面周接部自体の厚み(b1)よりも厚くなるような加工をも施し肉厚(b2)とする方が好ましい(図1又は図2)。
【0028】
前記ネジ体螺合部(30)を設ける位置及び個数について、手すり支持棒体を固着した際に相当程度の強度や耐久性を保つことができれば前記曲面周接部(10)の幅方向及び長さ方向の中央位置に1個(図3で示す構成。)あるいは、前記曲面周接部の幅方向中央位置に均等に3個(図4で示す構成。)とすることも可能であるが、強度や耐久性とコスト面のバランスを考慮すると、実施例1の様な前記曲面周接部の幅方向中央位置かつ長さ方向両端部寄りに各1個(合計2個)が好ましいものと考える(図2)。
【0029】
前記ネジ体螺合部(30)に関し、前記曲面周接部(10)の長さ方向とは、前記曲面支持棒体(A)を前記曲面支持棒体の固着に適した固着具(1)を介して固着する際に前記曲面支持棒体(A)の棒体長と同一方向を指す(図2)。
【0030】
なお、曲面支持棒体の固着に適した固着具(1)の材質について、すべて金属で構成している。
【0031】
次に、食品生地製造設備の上方に設けた架台に作業者落下防止用の手すりを設ける場合の作業様子について、図5から図7に従い説明する。
【0032】
まずは、食品生地製造設備(B)の上方に設けた架台(C)の相当位置(手すり支持棒体を配設する位置)に、曲面支持棒体の固着に適した固着具(1)を、脚部側を当接させながら当該箇所の溶接を行い固定する(図5)。
【0033】
次に、前記固着具(1)に手すり支持棒体(A)を沿わせながら垂直に維持し、ボルト(D)を前記手すり支持棒体及び前記固着具を貫通螺合して、前記手すり支持棒体を架台(C)に固着する(図6及び図7)。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本願発明の曲面支持棒体の固着に適した固着具は、強度や耐久性を確保しつつ固着作業をも容易にする優れた固着具であるため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0035】
1 曲面支持棒体の固着に適した固着具
10 曲面周接部
20 脚部
30 ネジ体螺合部
A 手すり支持棒体
B 食品生地製造装置
C 架台
D ボルト(ネジ体)
a1 曲面周接部の最も凹みが浅い位置と最も凹みが深い位置との高低差
a2 曲面周接部の最も凹みが浅い位置と脚部の最先端部との高低差
b1 曲面周接部の厚み
b2 ネジ体螺合部の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7