(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072777
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】生産設備情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185423
(22)【出願日】2021-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】592089205
【氏名又は名称】久米機電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100189876
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 将晴
(72)【発明者】
【氏名】久米 隆司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生産設備に係る製造者と使用者とからなる複数企業の一団において、個々の生産設備の個々の固有情報を、その固有情報の共有必要性に応じて、その生産設備に係る製造者と使用者との間で秘密保持又は情報共有できる生産設備情報共有システムを提供する。
【解決手段】インターネットに接続される専用サーバ100を、利用者情報管理手段110と固有情報共有手段120として機能させ、個々の生産設備の個々の固有情報を、その固有情報の共有必要性に応じて、その生産設備に係る製造者と使用者との間で秘密保持又は情報共有できる生産設備情報共有システム1であって、故障対応、メンテナンス対応を容易にさせると共に、消耗品等の注文管理と履歴管理とを容易にさせた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産設備に係る製造者と使用者とからなる複数企業の一団に適用され、個々の生産設備に係る製造者と使用者との間で、前記生産設備の個々の固有情報を情報共有させる生産設備情報共有システムにおいて、
前記一団に属する専用サーバと、通信手段と、通知手段とを備え、前記専用サーバが、利用者情報管理手段と固有情報共有手段として機能される生産設備情報共有システムであって、
前記生産設備の製造者と使用者のユーザが、特定ユーザとされ、
前記利用者情報管理手段が、アクセス権限管理手段と固有情報処理権限管理手段とを有し、
前記アクセス権限管理手段が、前記生産設備への前記特定ユーザのアクセス権限を管理し、
前記固有情報処理権限管理手段が、前記特定ユーザに前記固有情報の編集と閲覧の権限を管理し、
前記固有情報共有手段が、特定ユーザの表示手段を、製造者専用表示手段、使用者専用表示手段又は共有表示手段として機能させ、
前記特定ユーザのうち製造者に属する製造者ユーザには、製造者専用表示手段と共有表示手段へのアクセスを許可し、
前記特定ユーザのうち使用者に属する使用者ユーザには、使用者専用表示手段と共有表示手段へのアクセスを許可し、
前記アクセス権限と固有情報処理権限とが許可された範囲において、前記特定ユーザに前記固有情報の編集、閲覧を許可し、
前記通知手段が、前記専用サーバにおいて前記固有情報が編集されたことを、前記固有情報へのアクセス権限を有する全ての特定ユーザに、前記通信手段を介して通知させる、
ことを特徴とする生産設備情報共有システム。
【請求項2】
前記固有情報共有手段が、前記固有情報を、製造者専用表示手段と使用者専用表示手段と共有表示手段のいずれに表示させる情報とするかを、特定ユーザの判断に応じて区分けさせることを可能とさせている、
ことを特徴とする請求項1に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項3】
前記固有情報処理権限管理手段が、前記固有情報について、編集と閲覧を可能とする第1権限、閲覧のみ可能とする第2権限、編集と閲覧のいずれも不可とする第3権限のいずれかを前記特定ユーザに付与する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項4】
前記使用者専用表示手段又は前記製造者専用表示手段に表示される専用情報と、共有表示手段に表示される共有情報とが同時に表示されない、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項5】
前記利用者情報管理手段が、製造者別統括管理手段と使用者別統括管理手段を備え、
前記製造者別統括管理手段が、前記生産設備の中から、前記製造者ユーザが登録された生産設備の群を抽出可能とさせ、
前記使用者別統括管理手段が、前記生産設備の中から、前記使用者ユーザが登録された生産設備の群を抽出可能とさせる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項6】
前記固有情報に、所望の期日を指定した予告が登録可能とされ、
前記通知手段が、前記所望の期日の到来時期に、前記特定ユーザに予告を通知させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項7】
前記固有情報に、消耗品の在庫情報が含まれ、
前記通知手段が、予め設定された所望の在庫数よりも少なくなった場合又は在庫切れの状態から入荷がされた場合に、前記在庫情報が編集されたときに、前記特定ユーザに通知させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項8】
前記共有表示手段に表示させる固有情報に、消耗品の注文情報と注文履歴情報とが含まれ、
前記注文情報が、前記使用者ユーザの表示手段には、消耗品の発注管理に適した発注情報として表示され、前記製造者ユーザの表示手段には、消耗品の発送管理に適した発送情報として表示され、
前記固有情報共有手段が、前記注文情報が編集される毎に、製造者と使用者の特定ユーザに情報共有させると共に、その注文情報を前記注文履歴情報に追加編集させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【請求項9】
前記使用者に前記生産設備を仲介した販売代理店が、前記製造者に含まれて適用される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の生産設備情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備に係る製造者と使用者により、生産設備の固有情報が適正に登録・閲覧され、そごがない信頼性が高い情報として専用サーバに管理され、固有情報を円滑に活用できる生産設備情報共有システムに関する。
【0002】
詳細には、特定の企業又は企業グループへの帰属にかかわらず、製造者又は使用者が利用しやすく、両者に必要で有用な生産設備に係る固有情報が、その共有必要性に応じて、製造者側又は使用者側のユーザに秘密保持又は情報共有され、その固有情報の履歴が適正に管理される生産設備情報共有システムに関する。ここで固有情報とは、機器仕様書、図面、写真、契約書等の一般情報に限定されず、故障、修理対応、部品・消耗品の在庫、定期メンテナンス時期、更新予定、運転状況、見積、未公開改良技術等の情報を含むとよい。
【背景技術】
【0003】
企業においては、スケジュール管理・発注等の情報共有を容易にするため、その職員のみが利用可能なグループウェアが使われている。グループウェアとは、業務の効率化をめざし、企業内のネットワークに接続された夫々のコンピュータの間で情報の交換・共有、スケジュール管理等を行うアプリケーションをいう。
【0004】
しかし、従来のグループウェアは利用者全員に情報を開示することになるため、秘密情報が漏出しないように、取引先企業の担当者等の外部関係者をグループウェアに参加させることはなかった。生産設備のメンテナンス、消耗品の交換、見積等の情報は、企業のいずれかの担当者を通して、電子メール・電話等の手段によって情報交換により情報共有がされていた。
【0005】
ところが、生産設備の使用者に属する昼勤・夜勤別の担当者から別々に、製造者に問合せがある場合もある。製造者においても、窓口担当者が不在で緊急を要する場合等には、窓口担当者とは別の者が臨時で対応することもある。そのような場合には、複数の問合せ・回答が混在しやすく、そごが発生する可能性があった。
【0006】
使用者、製造者のいずれも、生産設備についての独自の機密情報は他社に共有させないで、夫々自社内のサーバに保存したいというニーズがある反面、両者間で共有すべき情報については、速やかにそごなく情報共有を図りたいというニーズもある。
【0007】
特許文献1には、異なるグループウェアにより管理されている情報・メンバーが、企業・団体の枠組みを超えて情報共有を可能とし、外部関係者との情報共有を効率化できるグループウェアシステムの技術が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、企業間で協業をする際に、進捗状況、質問に対する回答、会議予定日の管理、会議参加者等の情報を共有できるとされている。
【0008】
特許文献1に記載の技術は、協業をする企業が使用するグループウェアを同期させるシステムとされ、各社に備えられたサーバに、グループウェアを使って、社内だけの社内情報と、他社にも共有させる共有情報とを別々に記憶させ、共有情報のみを他社と共有させるシステムとされている。
【0009】
一方の企業のサーバに、共有情報が新規登録されたときには、グループウェアにより情報共有を行う他社のサーバに共有情報を送信し、各社のサーバで管理されている共有情報を同期させるとしている。そのため、共有情報だけを協業をする特定の企業だけと共有することができ、情報共有の効率化が図れるとされている。
【0010】
しかし、企業ごとに使用しているグループウェアの種類が異なる場合には、企業間のグループウェアを統一しなければ情報を共有することができない。グループウェアを統一したとしても、同期エラーにより、共有情報の一部が欠落・変更される可能性があった。また自社のサーバに共有情報エリアを割りあて、他社の端末機器からアクセスさせることにすると、不測の情報漏洩の可能性もあり、システムを導入しにくいという課題があった。
【0011】
特許文献2には、電子メールのやり取りに関する情報を、社内で情報共有できる掲示板に登録して共有し、外部関係者との情報共有を効率化させるとする電子メール共有システムの技術が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、電子メールに含まれる定型文から自動的に掲示板を作成し、担当者以外の従業員は、電子メールの内容を掲示板で確認することにより情報共有をすることができるとされている。
【0012】
しかし、特許文献2に記載の技術は、外部関係者から送られる電子メールのcc欄(Carbon Copy欄)等に掲示板のアドレスを記載すること、メール本文に定型文を入れることの2つが必須要件とされている。この技術によれば、外部関係者には定型文等をメールに入れる煩雑な作業を強いると共に、定型文の記載漏れがある場合には情報共有が図れないという課題があった。
【0013】
特許文献3には、秘匿性を保持した環境下で情報を蓄積し、情報の秘匿性の度合いに応じて公開の度合いを選択して複数のユーザの間で、電子掲示板形式で情報を共有し、外部関係者との情報共有を効率化させるとする情報共有システムの技術が開示されている。
【0014】
特許文献3に記載の技術によれば、電子掲示板に書き込まれる情報は、情報を分類するためのルールを規定した分類定義ファイルに従って、全てのユーザが閲覧できる情報、自社のみが閲覧できる情報、システム管理者だけが閲覧できる情報の3段階に分類されて管理されている。
【0015】
しかし、分類定義ファイルに基づいて情報を分類しているため、個々の情報の共有必要性に応じて、共有の分類を変えようとしても、分類定義ファイルを変えなければならず、個々の情報の共有の分類を任意に設定することはできなかった。特許文献3の技術によれば、個々の情報に応じて、情報が管理できないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
特許文献1:特開2004-246537号
特許文献2:特開2005-84844号
特許文献3:特開2008-204241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、生産設備に係る製造者と使用者により、生産設備の固有情報が適正に登録・閲覧され、そごがない信頼性が高い情報として専用サーバに管理され、固有情報を円滑に活用できる生産設備情報共有システムを提供することを課題としている。詳細には、特定の企業又は企業グループへの帰属にかかわらず、製造者又は使用者が利用しやすく、両者に必要で有用な生産設備に係る固有情報が、その共有必要性に応じて、製造者側又は使用者側のユーザに秘密保持又は情報共有され、その固有情報の履歴が適正に管理される生産設備情報共有システムを提供することを課題としている。
【0018】
「共有必要性に応じて」とは、情報の種類・性質だけでなく、製造者と使用者との協議に応じて設定される。具体的には、個々の生産設備に係る情報であっても、仕様書、図面、写真は製造者と使用者の共有情報とさせるに適している。
【0019】
しかし生産ラインにおける生産設備の更新予定や運転状況等は、使用者の秘密情報とさせるに適している。生産設備の未公開改良情報は、製造者の秘密情報とさせるに適しているが、生産設備の改良発明等の情報をいずれの秘密情報とさせるか又は共有情報とさせるかは、両者の契約に応じて決定されるべきである。
【0020】
また、不具合の情報の場合には、例えば、不適切な使用方法により発生し、簡単に対応できた不具合は、故障とはしないで「機器運転注意」という種類の使用者専用情報とし、定期的に発生する不具合は「故障関連」の製造者と使用者との共有情報とする。一方、重要部品の交換が必要であるが、まだ発生していない不具合は、一時的に「要観察」という製造者専用情報とする等、不具合の情報だけでも、現場の状況に応じて、共有必要性が任意に設定されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の発明は、生産設備に係る製造者と使用者とからなる複数企業の一団に適用され、個々の生産設備に係る製造者と使用者との間で、前記生産設備の個々の固有情報を情報共有させる生産設備情報共有システムにおいて、前記一団に属する専用サーバと、通信手段と、通知手段とを備え、前記専用サーバが、利用者情報管理手段と固有情報共有手段として機能される生産設備情報共有システムであって、前記生産設備の製造者と使用者の利用者が、特定ユーザとされ、前記利用者情報管理手段が、アクセス権限管理手段と固有情報処理権限管理手段とを有し、前記アクセス権限管理手段が、前記生産設備への前記特定ユーザのアクセス権限を管理し、前記固有情報処理権限管理手段が、前記特定ユーザに前記固有情報の編集と閲覧の権限を管理し、前記固有情報共有手段が、特定ユーザの表示手段を、製造者専用表示手段、使用者専用表示手段又は共有表示手段として機能させ、前記特定ユーザのうち製造者に属する製造者ユーザには、製造者専用表示手段と共有表示手段へのアクセスを許可し、前記特定ユーザのうち使用者に属する使用者ユーザには、使用者専用表示手段と共有表示手段へのアクセスを許可し、前記アクセス権限と固有情報処理権限とが許可された範囲において、前記特定ユーザに前記固有情報の編集、閲覧を許可し、前記通知手段が、前記専用サーバにおいて前記固有情報が編集されたことを、前記固有情報へのアクセス権限を有する全ての特定ユーザに、前記通信手段を介して通知させることを特徴としている。
【0022】
第1の発明の生産設備情報共有システムにおいては、特定ユーザの端末機器と、インターネットを通信手段とする生産設備情報共有システムを、専用サーバ用コンピュータ(以下、単に専用サーバという。)が統括して全体を機能させている。そのため、個々の製造者・使用者の秘密情報が他の者に漏洩されず、異なる企業グループに属する製造者・使用者であっても、システムを導入しやすい。製造者に販売代理店を含めて本システムが適用されてもよい。
【0023】
不特定数の製造者・使用者がシステムを導入し、生産設備の固有情報を共有できることにより、生産ラインをなす個々の生産設備の固有情報を統括して管理することができ、製造者は複数の使用者に提供した生産設備を効率的に管理し、使用者は複数の製造者に提供された生産設備がなす生産ラインの無駄のない更新計画をすることができ、複数事業者間の情報共有を円滑に行うことができる。
【0024】
固有情報とは、生産設備毎に異なる固有の情報であり、少なくとも生産設備の保守情報と消耗品情報を含んでいると好適である。保守情報の例としては、定期メンテナンスの期日、過去の修理履歴、メンテナンス担当者の連絡先情報、メンテナンスに係る見積等である。
【0025】
消耗品情報の例としては、消耗品の交換期日、消耗品の在庫情報、消耗品の生産終了情報、消耗品に係る見積、消耗品交換の際の注意情報等である。固有情報には、これら以外に、機器仕様書、図面、写真、不具合と修理対応、部品の在庫、定期メンテナンス時期、作業見積、更新予定、運転状況、未公開改良技術、同型の生産設備の配置情報、契約書等の様々な情報を含んでいてもよい。
【0026】
利用者情報管理手段は、製造者と使用者のユーザのアクセス権限管理手段と固有情報処理権限管理手段を有している。アクセス権限管理手段では、特定ユーザ登録、ログイン判定等がされればよく、固有情報処理権限管理手段では、特定ユーザの固有情報の編集と閲覧の権限が管理される。固有情報の共有必要性に応じて、固有情報が、製造者専用情報、使用者専用情報、共有情報に区分され、その生産設備についての特定ユーザの編集と閲覧の権限が管理されればよい。
【0027】
利用者情報管理手段としての登録、判定等の処理は、専用サーバに備えられる記憶手段、制御手段により処理されればよく、入出力は、通信手段によりサーバと通信された特定ユーザに最寄りの端末機器における入力手段、表示手段において処理されればよい。
【0028】
固有情報共有手段は、その個々の生産設備の製造者の利用者(以下、製造者ユーザという。)又は使用者の利用者(以下、使用者ユーザという)に限定して、その個々の固有情報の閲覧・編集を可能とさせている。端末機器の表示装置がなす、製造者専用表示手段、使用者専用表示手段又は共有表示手段においては、両者の間で交流がある情報については、例えば電子掲示板のように議題ごとにスレッド分けされて表示されるとよい。
【0029】
各々のスレッドにおいて過去のコメントを時系列順に並べて永続的に保持させ、新規のコメントを追記できる形式で閲覧・編集できるとよい。コメントには書き込んだ利用者名が付記されると、過去の対応業務を行った利用者が特定しやすい。議題は、定期メンテナンス管理、消耗品管理、見積管理等で振り分けられるとよい。
【0030】
また、通知手段が、固有情報が編集されると、その固有情報へのアクセス権限を有する全ての製造者と使用者の特定ユーザに通知させる。通知は電子メールであってもよく、ソーシャルネットワーキングサービスの通知であってもよい。通知を送る対象は、全ての議題で一律に製造者と使用者とに送り、閲覧漏れがないようにさせるとよい。
【0031】
本発明の第1の発明によれば、個々の生産設備の個々の固有情報は、製造者と使用者の特定ユーザだけが編集・閲覧可能とされ、固有情報が編集されたことが適時に通知され、更新情報が速やかに共有される。企業を限定しないで、その生産設備の特定ユーザが個々の固有情報を、登録・閲覧・共有しやすく、そごのない信頼性が高い情報が管理され、生産設備を適正に円滑に管理できるという従来にない有利な効果を奏する。
【0032】
本発明の第2の発明は、第1の発明の生産設備情報共有システムであって、前記固有情報共有手段が、前記固有情報を、製造者専用表示手段と使用者専用表示手段と共有表示手段のいずれに表示させる情報とするかを、特定ユーザの判断に応じて区分けさせることを可能とさせていることを特徴としている。
【0033】
第2の発明によれば、固有情報のうち、製造者専用情報は製造者専用表示手段に、使用者専用情報は使用者専用表示手段に、共有情報は共有表示手段に、共有必要性に応じて特定ユーザの判断に応じて区分して表示させればよい。例えば、生産設備に関する改良発明を一律に製造者に属する情報としないで、契約に基づく共有情報とし、使用者からの新しい着想等の提供を受けるようにしてもよい。第2の発明によれば、生産設備に関して秘密を保持しつつ、製造者と使用者の間で有益な情報を共有することができる。
【0034】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明の生産設備情報共有システムであって、前記固有情報処理権限管理手段が、前記固有情報について、編集と閲覧を可能とする第1権限、閲覧のみ可能とする第2権限、編集と閲覧のいずれも不可とする第3権限のいずれかを前記特定ユーザに付与することを特徴としている。
【0035】
第3の発明によれば、特定ユーザが編集・閲覧できる情報を限定させることができる。特定ユーザ毎に編集・閲覧権限を制限することにより、固有情報の改ざんのリスクが減少すると共に、自分が担当していない多くの生産設備の情報が表示されないため、情報の編集・閲覧が容易となり、生産設備の管理業務が簡略化されるという効果を奏する。
【0036】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の生産設備情報共有システムであって、前記使用者専用表示手段又は前記製造者専用表示手段に表示される専用情報と、共有表示手段に表示される共有情報とが同時に表示されないことを特徴としている。
【0037】
使用者の専用情報としては、使用者だけで解決できる簡単なトラブル対応の履歴、生産ラインにおける増設計画、廃棄計画等が好適である。製造者と使用者との共有情報と、互いに秘密を保持したい専用情報とを、生産設備毎に割りあてておけばよい。第4の発明によれば、専用情報と共有情報とが同時に表示されないため、専用情報を誤って共有情報に更新することがなく、生産設備に関して、より確実に秘密を保持することが可能になる。
【0038】
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明の生産設備情報共有システムであって、前記利用者情報管理手段が、製造者別統括管理手段と使用者別統括管理手段を備え、前記製造者別統括管理手段が、前記生産設備の中から、前記製造者ユーザが登録された生産設備の群を抽出可能とさせ、前記使用者別統括管理手段が、前記生産設備の中から、前記使用者ユーザが登録された生産設備の群を抽出可能とさせることを特徴としている。
【0039】
使用者別統括管理手段は、使用者ユーザが端末機器から通信手段をなすインターネットを介して生産設備情報共有システムにログインすると、その使用者ユーザが特定ユーザとして登録されている生産設備の群を抽出させる。抽出した生産設備の群は、一覧表として端末機器に表示させればよい。その使用者ユーザは複数の製造者から提供された生産設備であっても、固有情報を統括管理することができる。
【0040】
製造者別統括管理手段も、使用者別統括管理手段と同様に、製造者ユーザが特定ユーザとして登録されている生産設備の群を抽出させ、抽出した生産設備の群を一覧表として端末機器に表示させればよい。その製造者ユーザは複数の使用者に提供した生産設備であっても、個々の生産設備の固有情報を混在させることなく、統括管理させることができる。
【0041】
各々の生産設備の固有情報は、特定ユーザしか閲覧・編集できないため、生産設備を統括管理させても、その生産設備の固有情報は第三者が閲覧することはできない。一覧表は、主分類と従分類との階層構造で表示させるとよい。階層構造の組み合わせは限定されないが、主分類を生産設備の配備された場所、例えば、A工場、B工場とし、従分類をメーカー名及び生産設備名とすると判別しやすくてよい。
【0042】
例えば、製造者が保守作業の見積を提出するときに、統括管理している他の生産設備の見積情報を参考にすれば、使用者に適正な見積を提示しやすく、情報共有が容易である。第5の発明によれば、使用者が複数の生産設備からなる生産ラインを管理する場合、製造者が複数の使用者に提供した同型の生産設備を管理する場合であっても、管理が容易になるという有利な効果を奏する。
【0043】
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明の生産設備情報共有システムであって、前記固有情報に、所望の期日を指定した予告が登録可能とされ、前記通知手段が、前記所望の期日の到来時期に、前記特定ユーザに予告を通知させることを特徴としている。
【0044】
第6の発明によれば、固有情報に、所望の期日を指定した予告が登録可能とされ、所望の期日の到来時期に通知を行うことができる。到来時期とは、当日に限定されず、前後であってもよい。製造者は所望の期日として、定期メンテナンス期日、消耗品の交換期日、消耗品の生産終了情報等を通知させる予告を登録させておけば、期日管理作業の負担を軽減させることができると共に、期日を失念することがないという有利な効果を奏する。
【0045】
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明の生産設備情報共有システムであって、前記固有情報に、消耗品の在庫情報が含まれ、前記通知手段が、予め設定された所望の在庫数よりも少なくなった場合又は在庫切れの状態から入荷がされた場合に、前記在庫情報が編集されたときに、前記特定ユーザに通知させることを特徴としている。
【0046】
製造者が在庫数を編集させたときに、在庫に余裕があるにも拘わらず通知がされると、通知が頻繁に送られることになり、却って業務に支障をきたす可能性がある。第7の発明によれば、使用者に在庫数に応じた在庫数情報だけが通知され、在庫状況が速やかに把握できるという有利な効果を奏する。
【0047】
本発明の第8の発明は、第1から第7の発明の生産設備情報共有システムであって、前記共有表示手段に表示させる固有情報に、消耗品の注文情報と注文履歴情報とが含まれ、前記注文情報が、前記使用者ユーザの表示手段には、消耗品の発注管理に適した発注情報として表示され、前記製造者ユーザの表示手段には、消耗品の発送管理に適した発送情報として表示され、前記固有情報共有手段が、前記注文情報が編集される毎に、製造者と使用者の特定ユーザに情報共有させると共に、その注文情報を前記注文履歴情報に追加編集させることを特徴としている。
【0048】
第8の発明によれば、消耗品の注文情報は、使用者が管理しやすい発注情報、または製造者が管理しやすい発送情報として表示されると共に、注文情報の全ての編集履歴が注文履歴情報として専用サーバに記憶される。発注情報は、例えば発注する消耗品を特定する情報と、その消耗品の発注数量と、発注の確定情報とされる。発注の確定情報が編集されたときには、固有情報共有手段が製造者ユーザに発注情報を共有させる。発送情報は、共有させた前記発注情報と、消耗品発送の確定情報とされる。
【0049】
注文情報が編集されると、固有情報共有手段が、それまでの注文履歴情報に、その注文情報を追加編集させるため、過去の発注状況等も永続的に記録を残すことができる。これにより、消耗品の注文管理と履歴管理とが容易になるという効果を奏する。
【0050】
本発明の第9の発明は、第1から第8の発明の生産設備情報共有システムであって、前記使用者に前記生産設備を仲介した販売代理店が、前記製造者に含まれて適用されることを特徴としている。第9の発明によれば、使用者に生産設備を仲介した販売代理店も、生産設備情報共有システムにより情報共有でき、円滑な設備管理に寄与するという効果を奏する。
【発明の効果】
【0051】
・本発明の第1の発明によれば、企業を限定しないで、その生産設備の特定ユーザが個々の固有情報を、登録・閲覧・共有しやすく、そごのない信頼性が高い情報が管理され、生産設備を適正に円滑に管理できるという従来にない有利な効果を奏する。
・本発明の第2の発明によれば、生産設備に関して秘密を保持しつつ、製造者と使用者の間で有益な情報を共有することができる。
・本発明の第3の発明によれば、編集・閲覧権限を特定ユーザに限定することにより、固有情報の改ざんのリスクが減少すると共に、自分が担当していない多くの生産設備の情報が表示されないため、情報の編集・閲覧が容易となり、生産設備の管理業務が簡略化されるという効果を奏する。
【0052】
・本発明の第4の発明によれば、専用情報と共有情報とが同時に表示されないため、専用情報を誤って共有情報に更新することがなく、生産設備に関して、より確実に秘密を保持することが可能になる。
・本発明の第5の発明によれば、使用者が複数の生産設備からなる生産ラインを管理する場合、製造者が複数の使用者に提供した同型の生産設備を管理する場合であっても、管理が容易になるという有利な効果を奏する。
【0053】
・本発明の第6の発明によれば、期日管理作業の負担を軽減させることができると共に、期日を失念することがないという有利な効果を奏する。
・本発明の第7の発明によれば、使用者に在庫数に応じた在庫数情報だけが通知され、在庫状況が速やかに把握できるという有利な効果を奏する。
・本発明の第8の発明によれば、消耗品の注文管理と履歴管理とが容易になるという効果を奏する。
・本発明の第9の発明によれば、使用者に生産設備を仲介した販売代理店も、生産設備情報共有システムにより情報共有でき、円滑な設備管理に寄与するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】生産設備情報共有システムと複数企業の一団の説明図(実施例1)。
【
図3】生産設備情報共有システムのブロック図(実施例1)。
【
図4】固有情報処理権限管理の具体例(実施例1)。
【
図5】固有情報の専用・共有区分設定の具体例(実施例1)。
【
図6】共有表示と生産設備の一覧表示の具体例(実施例1)。
【
図13】データベースの構成の説明図(実施例2)。
【
図14】製造者に販売代理店を含む場合の生産設備情報共有システムの説明図(実施例2)。
【
図15】固有情報処理権限管理の具体例(実施例2)。
【
図16】固有情報の専用・共有区分設定の具体例(実施例2)。
【
図19】使用者、製造者、販売代理店の夫々が編集したスレッドの具体例(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0055】
インターネットに接続される専用サーバ100を、利用者情報管理手段110と固有情報共有手段120として機能させ、個々の生産設備の個々の固有情報を、その固有情報の共有必要性に応じて、その生産設備に係る製造者と使用者との間で秘密保持又は情報共有できる生産設備情報共有システムとした。
【実施例0056】
実施例1では、製造者に販売代理店が含まれていない生産設備情報共有システム1を
図1から
図12を参照して説明する。
図1は、生産設備情報共有システム1の概要を示し、
図2は生産設備情報共有システム1をなすデータベースの構成を示している。
図3は生産設備情報共有システム1のブロック図を示している。
図4は、固有情報処理権限管理の具体例を示し、
図5は、固有情報の専用・共有区分設定の具体例を示している。
【0057】
図6は、共有表示の具体例として生産設備の基本情報を示している。
図7は、部品変更案等を含む製造者専用表示の具体例を示し、
図8は、生産設備レイアウト等を含む使用者専用表示の具体例を示している。
図9は、共有掲示の具体例として消耗品発注の打合せ例を示している。
図10は部品の姿図を含む部品管理の具体例を示し、
図11はメンテナンスの予告管理を含むメンテナンス管理の具体例を示している。
図12は消耗品発注を含む消耗品管理の具体例を示している。
【0058】
図1(A)図は、生産設備に係る製造者200と使用者300とからなる複数企業の一団が利用する、専用サーバ100で機能される生産設備情報共有システム1の全体概要図を示している。生産設備情報共有システム1は、制御手段101と記憶手段102とを含んだ専用サーバ100と、生産設備に係る製造者と使用者に属する特定ユーザの端末機器140とを、インターネットを通信手段150として通信させ、個々の生産設備400の個々の固有情報を管理させるようにしている。
【0059】
図1(B)図は、複数企業の一団に含まれる使用者300を「User(以下Uという)1,U2,U3」とし、製造者200を「Maker(以下Mという)1,M2,M3」とし、製造者と使用者が個々の生産設備Kに係わっている状態を示している。製造者及び使用者を特定する識別符号は、任意のx、yでよいことは勿論のことであり、桁数、数字又は文字も限定されず、相互が識別可能であればよい。
【0060】
「Kxyz」で示される生産設備400は、使用者「x」が使用し、製造者「y」が製造し、使用者の「z」番目の生産設備「K」であることを示している(
図1(B)図参照)。「G-U(x)」は、使用者U(x)が使用する生産設備の群「G」を統括管理させる使用者別統括管理手段410を示している。「G-M(y)」は、製造者M(y)が生産した生産設備の群「G」を統括管理させる製造者別統括管理手段420を示している。
【0061】
使用者別統括管理手段「G-U(x)」410は、使用者U(x)が使用している生産設備Kの群「G」を並べ替え又は抽出可能に統括管理し、その群「G」に属する生産設備「K」の個々の固有情報について、使用者の立場から管理を容易にさせている。製造者別統括管理手段420「G-M(y)」は、製造者M(y)が製造した生産設備Kの群「G」を並べ替え又は抽出可能に統括管理し、その群に属する生産設備Kの個々の固有情報について製造者の立場から管理を容易にさせている。
【0062】
生産設備情報共有システム1のデータベースの構成を、
図2を参照して説明する。生産設備情報共有システム1における専用サーバ100に記憶される個々のデータは、製造者データ10、製造者ユーザデータ11、使用者データ12、使用者ユーザテータ13と、権限データ14と、生産設備データ15と、固有情報データ16と、専用・共有区分データ17とからなり、それらが夫々の識別IDにより関連付けられ一体のデータベースをなし、専用サーバの記憶手段102に記憶される(
図2参照)。
【0063】
製造者データ10、製造者ユーザデータ11は製造者により登録され、専用サーバに記憶される。製造者データ10には、製造者200を識別させる製造者IDが、製造者の名称等の情報と、製造者パスワード等の製造者情報と共に記憶されている。製造者ユーザデータ11には、製造者ユーザIDと製造者IDと製造者ユーザ情報と、その生産設備への固有情報処理権限を規定する権限IDとが共に記憶されている。製造者ユーザ情報とは、特定ユーザの氏名、所属、生体情報又はパスワードなどの個人識別情報、電子メールアドレス等であればよい。
【0064】
その生産設備情報へのアクセス権限が認められた製造者ユーザには、予め登録された権限データ14に区分された権限IDに応じて、予め閲覧・編集可能な第1権限、閲覧のみ可能な第2権限、編集・閲覧のいずれも不可の第3権限のいずれかの固有情報処理権限が付与され、その権限の範囲で生産設備400の固有情報を処理する。
【0065】
使用者データ12、使用者ユーザデータ13は使用者により登録され、専用サーバに記憶される。使用者データ12、使用者ユーザデータ13に登録される使用者ユーザ情報等は、製造者200側と同様である。生産設備情報へのアクセスが認められた使用者ユーザ13に付与される3種類の固有情報処理権限も、製造者ユーザ11と同様である。
【0066】
生産設備データ15は、生産設備毎に登録され、製造者、使用者又は生産設備情報共有システムの運用者のいずれかにより登録されればよい。登録された生産設備にアクセス権限を有する製造者ユーザ11と使用者ユーザ13とからなる特定ユーザが、自己に付与された固有情報処理権限の範囲において固有情報を処理できる。一つの生産設備にアクセスできる製造者ユーザ11又は使用者ユーザ13の数は限定されず複数であってもよい。
【0067】
生産設備データ15には、生産設備を特定する生産設備IDと、それを製造した製造者に属する製造者ユーザIDと、それを使用している使用者に属する使用者ユーザIDと、その生産設備が配置されている製造工場情報と、生産設備種別情報等とが一体に、専用サーバに記憶されればよい。
【0068】
固有情報データ16には、一つの生産設備400に複数の固有情報が登録可能とされる。一つの生産設備IDに、固有情報IDと専用・共有IDと共に固有情報が登録され、専用サーバに記憶される。専用・共有区分データ17は、固有情報共有手段120をなし、専用・共有IDに応じて、個々の固有情報を製造者又は使用者の専用表示とするか、又は共有表示とするか区分させ、専用サーバに記憶させる(
図5参照)。
【0069】
ここで生産設備情報共有システム1の構成を、
図3を参照して説明する。生産設備情報共有システム1は、専用サーバ100と、端末機器140と、それらをインターネットさせる通信手段150とからなっている。専用サーバ100に備えられる制御手段101と記憶手段102とが、利用者情報管理手段110、固有情報共有手段120、通知手段130として機能される(
図3参照)。
【0070】
制御手段101は、中央演算処理装置(CPU)であればよく、記憶手段102はハードディスク、SSD等であればよい。なお、専用サーバ100は、クラウドコンピューティングサービスによる仮想コンピュータであってもよい。各々の特定ユーザに最寄りの端末機器140は、夫々がインターネットに接続可能な通信手段、表示手段、入力手段を備えた機器であればよく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等に限定されない。
【0071】
制御手段と記憶手段がなす利用者情報管理手段110は、アクセス権限管理手段111と固有情報処理権限管理手段112として機能される。アクセス権限管理手段111をなす制御手段と記憶手段においては、特定ユーザがログインするためのアクセス権限の処理、ログイン判定処理が管理されると共に、製造者と使用者の区分処理がされ、アクセス権限と、製造者と使用者の区分と、特定ユーザ判定情報とが記憶される。
【0072】
固有情報処理権限管理手段112をなす制御手段と記憶手段においては、特定ユーザ毎の第1から第3権限の付与処理がされ、特定ユーザ毎の処理権限を記憶させる。特定ユーザ毎に、個々の固有情報毎の編集・閲覧区分が記憶され、個々の固有情報毎にいずれかの編集・閲覧権限を有するかが判定処理される。固有情報処理権限管理手段112においては、上位の特定ユーザを権限付与者として、下位の特定ユーザに第1権限から第3権限のいずれかを設定できるようにさせればよい(
図4参照)。
【0073】
編集・閲覧のいずれも不可とする第3権限は、退職・離職した特定ユーザに付与すればよく、閲覧のみを可とする第2権限は、オンジョブトレーニング中の職員に付与するようにすればよい。退職・離職者が編集した固有情報でも、編集されない状態で永続的に履歴を残すことにより、業務の継続性を維持することができる。
【0074】
利用者情報管理手段110が、製造者と使用者別に判定・記憶処理されることにより、専用サーバ100が製造者別統括管理手段420「G-M(y)」及び使用者別統括管理手段410「G-U(x)」として機能される(
図1(B)図参照)。製造者別統括管理手段420「G-M(y)」においては、製造者ユーザIDに応じて抽出させた情報から、使用者IDを主分類とし、生産設備IDを副分類とする階層構造として、製造者ユーザの表示手段のサイドバーに、使用者等と生産設備を一覧表示させると好適である(
図6(A)図参照)。
【0075】
使用者別統括管理手段410「G-U(x)」も同様に、使用者ユーザIDに応じて抽出させた情報から、製造工場又は製造ライン等を主分類とし、生産設備IDを副分類とする階層構造として、使用者ユーザの表示手段のサイドバーに、製造工場等と生産設備等を表示させると好適である(
図6(B)図参照)。
【0076】
固有情報共有手段120をなす制御手段と記憶手段においては、個々の固有情報の表示を、製造者専用表示、使用者専用表示、共有表示のいずれとするかの固有情報の区分処理がされ、表示区分と個々の固有情報が記憶される。いずれの区分とするかを特定ユーザの判断により決定させてもよい。固有情報共有手段120により決定された表示区分により、特定ユーザに付与された権限の範囲に応じた固有情報が、端末機器140の表示手段に表示され、必要な情報が製造者ユーザと使用者ユーザとで共有される。一方、相互に秘密を要する固有情報は相手方には公開されない。
【0077】
通知手段130をなす制御手段と記憶手段においては、予告日の記憶、在庫の記憶、期日判定の処理、在庫管理の処理、通知の処理がされる。固有情報が編集されると、それと同時に固有情報へのアクセス権限を有する全ての特定ユーザに通知をさせ、情報の閲覧を促している。特定ユーザがログインしたときに、トップバー、サイドバー、固有情報欄に、通知マーク60(
図9参照)、通知数61(
図9参照)を表示させ、編集された固有情報の閲覧を促す(
図6から
図9、
図10から
図12参照)。通知マーク60又は通知数61が選択されたときには、編集された固有情報の編集箇所が表示され、編集箇所を容易に確認することができる。
【0078】
通知手段130は、固有情報を編集する際に、予告を投稿する期日を記憶させておき、所望の期日の到来時期に、特定ユーザに通知させるようにしてもよい。なお、通知に応じて特定ユーザがログインするように、電子メールによる通知を促すようにすれば好適である。
【0079】
ここで特定ユーザの登録について説明する。図は省略しているが、未登録ユーザはインターネットにより端末機器140で専用サーバ100にアクセスし、端末機器の表示手段に利用者登録画面を表示させ、利用者登録処理をスタートさせる。未登録ユーザは、利用者登録画面の製造者又は使用者のいずれに属する特定ユーザかを選択し、製造者ID又は使用者IDが決定される。
【0080】
製造者又は使用者には、予め一意な製造者ID又は使用者IDを取得させておけばよい。入力された製造者ID又は使用者IDに対応する事業者名称が表示処理されればよい。そして事業者IDと共に、特定ユーザの氏名、電子メールアドレス、一意な特定ユーザ識別情報等の特定ユーザの情報が入力されて、特定ユーザの登録が選択されると、特定ユーザの情報が専用サーバに登録され、特定ユーザ識別情報が特定ユーザの判定情報として記憶される。
【0081】
特定ユーザに、製造者ID又は使用者IDと、一意な特定ユーザ識別情報が併せて登録されることにより、正当でない特定ユーザによる登録が排除される。一意な特定ユーザ識別情報は、生体情報が好適であるが限定されない。特定ユーザがログインするときには、端末機器から入力された特定ユーザ識別情報と、専用サーバに記憶されている特定ユーザの判定情報との同一性が判定される。専用サーバが、アクセス権限を有すると判定したときは、生産設備情報共有システム1へのログインが許可される。
【0082】
固有情報処理権限管理の具体例を、
図4を参照して説明する。
図4では、製造者のいずれかが、権限付与者をなす上位の特定ユーザ20とされ、下位の特定ユーザ21毎に固有情報処理権限を付与する具体例を示している。また、図中では上位の特定ユーザを「権限付与者」と表示し、編集・閲覧のいずれも不可とする第3権限付与者を「凍結者」と表示している。図は省略するが、使用者においても同様に使用者ユーザのアクセス権限が付与されればよい。
【0083】
まず、絞込条件選択欄22では、生産設備絞込欄23で、使用者又は生産設備のいずれを優先表示させるかを選択し、無権限設備欄24で、特定ユーザが権限を有さない設備を非表示とするか、網掛け表示とするかを選択し、旧生産設備欄25で旧生産設備を非表示とするか、網掛け表示とするかを選択する。使用者優先で絞り込みする場合には、使用者選択欄26で先に使用者を特定し、その使用者に係る生産設備だけを生産設備選択欄27に表示させる。無権限設備等が網掛け表示とされている場合には、特定ユーザが権限を有しない設備等の情報は網掛けされた状態で表示される。
【0084】
固有情報処理権限を付与するときには、上位の製造者ユーザ20が、権限付与の管理画面を表示させ(
図4参照)、生産設備の群の中から、下位の製造者ユーザ21にアクセス権限を付与する生産設備を選択する。ここでは、使用者選択欄26で使用者を絞込み、生産設備選択欄27で生産設備を選択させる例を示している。権限付与の管理画面において、生産設備を選択させ、予め登録させておいた製造者ユーザを表示させ、閲覧権限、編集権限の付与が選択可能とされる。登録させるユーザは複数であってもよい。
【0085】
上位の製造者ユーザ20は、既に登録されている下位の製造者ユーザ21に権限を付与する場合には、下位の製造者ユーザ20毎に閲覧権限者の欄、編集権限者の欄、凍結者の欄を選択し、第1権限から第3権限のいずれかを付与させる。その生産設備にアクセス可能な製造者ユーザを追加させる場合には、ユーザ追加ボタンを選択して追加させるようにすればよい。
【0086】
図5では、区分設定が固定された4つの上位区分30と、区分設定を任意に設定できる下位区分31とに分けて示し、個々の固有情報の専用・共有区分設定の具体例を説明している。上位区分30のうち、必須の固有情報である「基本情報32」は予め共有表示に固定される。製造者専用掲示板33と使用者専用掲示板34は、予め専用表示に固定され、共有掲示板35は予め共有表示に固定される。製造者と使用者との契約等により、専用表示が不要な案件では、各専用表示の選択を外して、共有区分だけを残せばよい。
【0087】
下位区分31は、利用頻度の高い固有情報等を、上位区分30から独立させて管理させる小分類である。例えば、消耗品36の固有情報は、共有掲示板の一情報としてもよいが、利用頻度も高く、速やかに情報共有がなされることが望ましいため、下位区分として独立管理させるに適している。不具合情報37の固有情報も、共有掲示板の一情報としてもよいが、不具合情報の一部を秘密情報として管理したいというニーズもある。
【0088】
そこで、不具合情報を一括りとしないで、例えば故障・修理情報を主とする不具合情報37、使用者ユーザだけで秘密保持させる機器運転注意情報38、製造者ユーザだけで秘密保持させる要観察情報39の下位区分を追加し、夫々に適した区分を設定させれば、案件毎に秘密保持の範囲を任意に設定することができる。これらの専用・共有区分設定に応じて、個々の固有情報がタブ分けされて、特定ユーザの端末機器に表示される(
図6から
図9、
図10から
図12参照)。
【0089】
次に、端末機器に表示される具体的な画面構成を、
図6から
図12を参照して説明する。画面構成は、トップバー40が識別情報、サイドバー41が生産設備一覧の表示領域とされ(
図6太枠部分)、中央表示部が固有情報表示領域42(
図6斜線部分)とされる。
図6(A)図は、製造者ユーザに表示される画面の具体例を示し、
図6(B)図は、使用者ユーザに表示される画面の具体例を示している。
図6以下では、固有情報表示領域42に並列表示されたタブに係る表示画面を以下順に説明する。個々の固有情報を閲覧するときには、固有情報表示領域42の表示だけが置き換わり、トップバー40とサイドバー41の表示は変化しない(
図6から
図12の太枠部分参照)。
【0090】
固有情報表示領域42には、専用・共有区分設定に対応して、その特定ユーザがアクセス可能な区分のタブが上方に並列表示され、タブに対応する個々の固有情報が下方に表示される。例えば、基本情報のタブが選択されたときには、選択した生産設備の種別、ID、導入日、設置場所、仕様書、写真等の固有情報が表示される(
図6参照)。基本情報は、共有表示に区分されるため、製造者ユーザと使用者ユーザの画面の固有情報表示領域42には、同一の基本情報が表示される(
図6斜線部参照)。
【0091】
固有情報表示領域42に表示された固有情報は、特定ユーザに第1権限が付与されている場合には、編集が許可され、第2権限が付与されている場合には、閲覧だけに機能制限される。第2権限が付与された者に編集を制限させるためには、第1権限が付与された特定ユーザだけに編集ボタン43を表示させるようにすればよい。
【0092】
トップバー40の識別情報には、事業者名と、特定ユーザの氏名・部署、固有情報の文字検索欄、通知マーク等が表示される。サイドバー41の生産設備一覧には、製造者別統括管理手段420又は使用者別統括管理手段410(
図1(B)図参照)により抽出された生産設備の群が一覧表示され、各々の生産設備に通知数61が表示される。サイドバー41には、閲覧中の生産設備K111が強調表示される(枠表示部参照)。一方、アクセス権限のない生産設備K113は、設備名等が網掛け表示され(斜線部参照)、詳細な固有情報の閲覧が制限される。なお、アクセス権限のない生産設備K113を非表示としてもよい。
【0093】
製造者ユーザの表示手段のサイドバー41には、主分類を使用者とし、副分類を個々の生産機器とした階層構造で表示させるとよい(
図6(A)図参照)。副分類は表示順を任意に配列可能としておくと好適である。使用者ユーザの表示手段のサイドバー45には、主分類を工場及び生産ラインとし、副分類を個々の生産機器と製造者名称で表示させるとよい(
図6(B)図参照)。
【0094】
次に、専用表示と共有表示の具体例を、
図7から
図9を参照して説明する。
図7は製造者専用掲示板タブ50を選択した表示の具体例を示し、
図8は設置状況タブ51を選択した表示の具体例を示している。
図9(A)図は共有掲示板タブ52を選択した表示の具体例を示し、
図9(B)図は、
図9(A)図に示した「メンテナンス打合せ」名のスレッド53を選択した場合に表示される全体スレッドの具体例を示している。
【0095】
製造者専用掲示板タブ50は、製造者専用表示に区分させたため、製造者ユーザの画面として機能される固有情報表示領域42だけにタブが表示され、使用者ユーザには秘匿される(
図7参照)。固有情報表示領域42に製造者専用掲示板が表示されているときには、共有情報は同時には表示されない。特定ユーザは夫々独自の専用情報のタブを表示させた状態で専用情報を編集させるため、誤操作によって秘密情報が相手の特定ユーザに開示されることがない。
【0096】
製造者専用掲示板(
図7参照)は、部品変更案、修理対応案、要観察情報等のスレッド毎に専用のスレッドが作成された電子掲示板であり、製造者ユーザだけに共有される秘密情報を集約させている。スレッド名を選択することにより、そのスレッドに対応した詳細な投稿履歴が表示される。スレッドの画面構成の態様は、後述する共有掲示板(
図9)と同様である。
【0097】
設置状況タブ51は、使用者専用表示に区分させたため、使用者ユーザの画面として機能される固有情報表示領域42だけにタブが表示され、その固有情報は製造者ユーザには秘匿される(
図8参照)。設置状況には、例えば、その生産設備の写真だけでなく、隣接する生産設備の写真、注意喚起情報を登録させるとよい。また隣接した生産設備における製品の受け渡し速度、待機時間等も示しておくと、生産ラインの更新計画の検討にも好適である。注意喚起情報は、隣接する生産設備の老朽化情報、旧設備を交換した事由等であればよいが、これに限定されない。
【0098】
共有掲示板タブ52は、共有表示に区分させたため、製造者ユーザと使用者ユーザのいずれの画面として機能される固有情報表示領域42にもタブが表示される(
図9(A)図,
図8参照)。共有表示の固有情報であっても、専用サーバだけに記憶された唯一のデータが直接に編集されるため、製造者と使用者の特定ユーザが編集操作をしても、同期エラーが起こり得ない。そのため、共有情報の一部が欠落・変更されることがなく、そごのない情報共有がされる。
【0099】
共有掲示板は、不具合情報、修理依頼、メンテナンス打合せ、消耗品の発注等毎にスレッド53が作成された電子掲示板とされ、製造者と使用者の特定ユーザで速やかに共有すべき固有情報が集約される(
図9(A)図参照)。各スレッド53には、件名、更新日時、作成日時、更新の通知61が表示される。例えばメンテナンス打合せのスレッドを選択すると、その議題を集約したスレッドが表示される。
【0100】
スレッド全体の表示構成(
図9(B)図参照)は、上部は編集履歴がスライド表示される履歴表示領域54とされ、下部はコメント欄を入力する編集用領域55とされる。履歴表示領域54には、特定ユーザによる全ての投稿内容56が、特定ユーザの名称、投稿日時と共に時系列順に保存されている。ここでは、新規投稿を速やかに確認できるように、履歴を時系列降順で表示させている。編集用領域55では、コメント入力・写真等の添付・予告投稿日時の設定が可能とされるとよい。予告投稿日時を入力したときには、スレッドに備忘のための予告が所望の日時にも投稿される。スレッドの画面構成は、ほかの議題でも共通であればよい。
【0101】
次に、共有掲示板に集約させてもよいが、利用頻度が高く下位区分として独立管理させるに適している固有情報の具体例を、
図10から
図12を参照して説明する。
図10は、生産設備の部品管理の具体例を示している。
図11は、定期的なメンテナンス管理の具体例を示している。
図12は、消耗品の受注・発注管理の具体例を示している。
【0102】
部品タブ57は、共有表示に区分させたため、製造者と使用者の特定ユーザの表示手段にタブが表示される(
図10参照)。部品タブ57の画面として機能される固有情報表示領域42には、各部品の名称・種類・図等を纏めた一覧表が表示される。この一覧表を製造者と使用者とが共有することにより、予め故障部品をそごなく特定することができ、修理作業を速やかに行うことができる。
【0103】
メンテナンスタブ58も、部品タブを選択した場合と同様に、製造者と使用者の特定ユーザの固有情報表示領域42に表示される(
図8、
図11参照)。メンテナンスタブ58には、生産設備の導入日、メンテナンス周期と共に、定期メンテナンス毎の個別情報を表示させるとよい。個別情報として、実施状況、実施回数、概要、日時が示され、報告書が添付ファイルとされるとよい。また定期メンテナンスの実施後に、将来の定期メンテナンス期日を指定した予告期日59を登録させ(
図11太枠内日時)、予告期日の到来にあわせて、製造者と使用者の特定ユーザに通知させると、期日管理が容易となる。
【0104】
消耗品タブ70も、メンテナンスタブ58、部品タブ57と同様に、製造者と使用者の特定ユーザの固有情報表示領域42に表示される(
図12参照)。消耗品タブ70の画面として機能される固有情報表示領域42には、消耗品情報と共に、消耗品の発注情報と発送情報からなる注文情報を表示させるとよい。消耗品情報は、例えば、ヒータ刃等の消耗品名称、型番、使用数、交換周期、前回交換日、次回交換日等とされる。消耗品タブ70の画面として機能される固有情報表示領域42には、大部分の情報が同一に表示されるが、製造者ユーザ又は使用者ユーザの利便を応えるように一部が異なった表示とされる。
【0105】
使用者ユーザにとっては、消耗品の発注管理に適するように、注文情報を示す「発注/発送状況欄71」には消耗品の発注数量欄72と、発注情報を確定させる発注ボタン73が表示される(
図12(A)図参照)。前記発注数量欄72に数量が入力され、発注ボタン73が選択され、確認されることにより発注が確定される(
図12(A)図参照)。
【0106】
製造者ユーザにとっては、消耗品の発送管理に適するように、注文情報を示す「発注/発送状況欄」には、消耗品の発送数量欄74と、発送情報を確定させる発送ボタン75が表示される(
図12(B)図参照)。消耗品が発注されると、製造者ユーザの発送数量欄74に、発注数量が共有されると共に、消耗品の発送を促す通知76が表示される(
図12(B)図参照)。製造者ユーザが、消耗品の発送を完了させて、発送ボタン75が選択されると、発送情報が確定され、使用者ユーザの掲示板の発注数量欄72と製造者ユーザの掲示板の発送数量欄74とが空欄に戻る。
【0107】
消耗品の発注・発送がされたときには、共有掲示板に注文履歴情報をなす消耗品発注のスレッドが作成され、その注文情報が注文履歴情報に追加編集されるとよい(
図9(A)図、消耗品発注スレッド参照)。この追加編集に併せて、通知手段が通知マーク60により特定ユーザに通知を発して注文履歴情報の閲覧を促す。そのため、特定ユーザは、通知に従って注文履歴情報を閲覧すれば、発注・発送状況を速やかに情報共有することができ、重複した発注、連絡遅延が予防され、消耗品管理にかかる負担が軽減される。
【0108】
また、消耗品タブ70の画面として機能される固有情報表示領域42には、品名等のほか、交換周期、前回交換日、次回交換日が、消耗品情報とが表示される。交換実施ボタン77が選択されると、前回交換日の欄78の期日が次回交換日の欄79の期日に置換され、交換周期を反映させた期日が次回交換日に表示されると共に、次回交換日の欄79が枠取りされる。次回交換日の欄79は、交換期日の到来に合わせて予告通知が登録され、使用者ユーザに消耗品の発注を促す(
図12(A)図太枠日時参照)。
実施例2の生産設備情報共有システム2においても、実施例1と同様に、生産設備データ15は、個々の生産設備毎に登録される。生産設備データ15は、製造者、使用者、販売代理店又は生産設備情報共有システムの運用者のいずれかにより登録されればよい。しかし一つの販売代理店が複数の製造者を、複数の使用者に仲介する実態があるため、生産設備の登録ミスが防止されるように、生産設備情報共有システム2の運用者により登録されるようにするとよい。
登録された生産設備401には、生産設備毎にアクセス権限を有する製造者ユーザと使用者ユーザと販売代理店ユーザとからなる特定ユーザが、自己に付与されたアクセス権限と固有情報処理権限の範囲において固有情報にアクセス可能とされる。
生産設備データ15では、特定ユーザIDをなす販売代理店ユーザIDが、製造者ユーザID、使用者ユーザID等と共に記憶される。一つの生産設備を製造者側の立場で、製造者ユーザと販売代理店ユーザと情報共有できるように、アクセス権限が付与される。図は省略しているが、改良発明等を製造者ユーザのみで管理したい場合には、販売代理店ユーザに閲覧・編集権限を認めない製造者専用掲示板を表示させるようにすればよい。
販売代理店データ18には、販売代理店を識別させる販売代理店IDが、販売代理店情報と共に記憶されている。販売代理店を仲介しないで製造者が使用者に生産設備を提供した場合には、販売代理店の欄の値に「販売代理店なし」が登録され、販売代理店を選択する際に選択可能とされればよい。
販売代理店ユーザデータ19には、製造者ユーザデータ18と同様に、販売代理店ユーザIDが、その販売代理店IDと、権限IDと、販売代理店ユーザ情報と共に記憶され、販売代理店ユーザを一意に特定させている。販売代理店ユーザの権限データ14は、使用者等の権限データ14と同様に、第1権限から第3権限のいずれかが生産設備毎に登録される。
例えば、生産設備K111に販売代理店S1を登録させると、生産設備K111の情報が製造者M1と販売代理店S1とに共有される。販売代理店ユーザが生産設備情報共有システムにログインしたときには、製造者M1の製造者別統括管理手段(G-M1)と製造者M2の製造者別統括管理手段(G-M2)に係る全体の生産設備の中から、選択した製造者M1又は製造者M2のいずれかに限定させた生産設備を表示させる態様として機能される(G-S1)。
前記の態様で機能された製造者別統括管理手段(G-S1)により、販売代理店ユーザが特定ユーザとして登録された生産設備が抽出される。そのため、販売代理店ユーザは、生産設備を仲介した複数の使用者のいずれとも、製造者が異なる生産設備の中から、製造者を特定した生産設備の固有情報を情報共有しやすく、生産設備を管理することが容易である。
図は省略しているが、製造者ユーザの固有情報処理権限の権限付与の管理画面は、製造者選択欄28を代理店選択欄として生産設備を特定するようにすればよい。使用者ユーザの固有情報処理権限の権限付与の管理画面は、使用者選択欄26を代理店選択欄として、生産設備を特定するようにすればよい。生産設備を絞り込み、上位の製造者ユーザ又は上位の使用者ユーザは、夫々管轄する下位の製造者ユーザ又は下位の使用者ユーザの固有情報処理権限を付与すればよい。
販売代理店が仲介しない場合に応じて、製造者ユーザと使用者ユーザの管理画面において、販売代理店欄に、予め「販売代理店なし」の選択肢を設けておき、「販売代理店なし」を選択したうえで、使用者又は製造者を選択するようにすればよいことは勿論のことである。
サイドバー45に示された生産設備のリストの中から、例えば生産設備K111を選択すると、その生産設備が枠取りされ、その基本情報が固有情報表示領域42に表示される。表示される内容は実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略している。
販売代理店ユーザ又は製造者ユーザが選択されると、それに応じた使用者の生産設備のリストがサイドバー45に表示される。サイドバー45に表示された生産設備の中から、例えば生産設備K111を選択すると、その生産設備が枠取りされ、生産設備K111に係る共有掲示板が固有情報表示領域42に表示される。
固有情報表示領域42に示される共有掲示板には、共有すべきと判断された消耗品発注等の情報が、スレッド分けされて表示され、使用者、製造者、販売代理店の三者で情報共有される。三者のいずれかにより情報が更新された場合には、通知マーク60に通知数61を表示させ、他の特定ユーザに通知させることは実施例1と同様であり、説明は省略している。
使用者ユーザは、消耗品の交換が完了したら交換実施ボタン77を選択すればよく、交換に伴い不備が発生した場合には、製造者ユーザに通知手段により通知をし、製造者ユーザが消耗品を交換し生産設備が正常に作動したら、製造者ユーザが交換実施ボタン77を選択するようにすればよい。消耗品が交換されたら、共有掲示板の履歴表示領域54に追加編集され、次回交換日の欄に交換周期を反映させた期日を表示させると共に、次回交換日の欄79が枠取りさせ、特定ユーザに通知させればよいことは実施例1と同様である。