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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072796
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20230518BHJP
   C02F 1/66 20230101ALI20230518BHJP
【FI】
D06F39/08 311
D06F39/08 301
C02F1/66 510R
C02F1/66 522A
C02F1/66 522F
C02F1/66 522J
C02F1/66 522R
C02F1/66 530C
C02F1/66 530D
C02F1/66 530P
C02F1/66 540E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185450
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】517103290
【氏名又は名称】株式会社wash-plus
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】高梨 健太郎
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AB22
3B166AC21
3B166AE02
3B166AE05
3B166BA52
3B166BA53
3B166BA82
3B166CA01
3B166CA06
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB12
3B166CB13
3B166CC02
3B166CD03
3B166CD05
3B166DA03
3B166DA05
3B166DA06
3B166DC03
3B166DC12
3B166DC43
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166EA03
3B166EA12
3B166EB24
3B166FB01
3B166GA12
3B166HA01
3B166HA51
(57)【要約】
【課題】洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することが可能となった。
【解決手段】洗浄システム201は、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽(水槽13)と、前記アルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整(pH調整)を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤槽205、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽と、
前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部と、
前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、
を備えることを特徴とする洗浄システム。
【請求項2】
アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽をそれぞれ備える複数の洗濯機と、
前記複数の洗濯機の前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を纏めて行う排水部と、
前記複数の洗濯機の前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、
を備えることを特徴とする洗浄システム。
【請求項3】
アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽をそれぞれ備えるとともに、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部をそれぞれ備える複数の洗濯機と、
前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記複数の洗濯機の前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、
を備えることを特徴とする洗浄システム。
【請求項4】
前記排水部は、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁と、油捨て用の排油弁と、当該排油弁を介して当該排水弁に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプとを備え、
前記水素イオン指数調整剤注入手段は、前記排油弁を介して水素イオン指数調整剤を注入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等を洗濯するための洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅やコインランドリーで使用される洗濯機は、例えば特許文献1に示すように、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられ被洗浄物が収容されるドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水部とを備え、洗剤を用いて水洗いをすることで洗濯を行う。この際、合成洗剤に使用されている界面活性剤による肌刺激やアレルギーの発症が問題になっている。
【0003】
また、環境や公害への影響も懸念されている。
このことに対応して、特許文献2には、洗剤の使用が少量で済むように、食塩水を電気分解から生成したアルカリイオン水と酸性イオン水を用いて環境汚染及び公害問題を低減する洗濯装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3では、コインランドリー施設ごとに、アルカリイオン水発生装置を設けたランドリーシステムが開示されている。
また、水に溶かすことでアルカリ性の洗濯水を発生するアルカリ性の洗剤も普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-115379号公報
【特許文献2】特開2003-144793号公報
【特許文献3】特開2015-181765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2及び3に記載の技術やアルカリ性の洗剤を使用する方法では、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流(マンションや一軒家等の配管、下水道を含む)において、アルカリ性の洗濯水の影響により、耐用年数が低下する等の問題が生じていた。
【0007】
本発明は、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することができる洗浄システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の洗浄システムは、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽と、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明の洗浄システムは、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽をそれぞれ備える複数の洗濯機と、前記複数の洗濯機の前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を纏めて行う排水部と、前記複数の洗濯機の前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明の洗浄システムは、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽をそれぞれ備えるとともに、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部をそれぞれ備える複数の洗濯機と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記複数の洗濯機の前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明の洗浄システムは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗浄システムであって、前記排水部は、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁と、油捨て用の排油弁と、当該排油弁を介して当該排水弁に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプとを備え、前記水素イオン指数調整剤注入手段は、前記排油弁を介して水素イオン指数調整剤を注入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明における洗浄システムによって、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る洗浄システムを示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る洗浄システムを示す右側方から見た断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る洗浄システムを示す前方から見た断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る洗浄システムの排水パイプの上流側の断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る洗浄システムを示す前方から見た断面図である。
図6】本発明の第5の実施形態に係る洗浄システムを示す説明図である。
図7】本発明の第8の実施形態に係る洗浄システムを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
以下、図1乃至図4を用いて本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
<第1の実施形態の構成>
【0016】
図1乃至図4は本発明の第1の実施形態に係り、図1は、洗浄システムを示す斜め上方から見た斜視図である。図2は、洗浄システムを示す右側方から見た断面図である。図3は、洗浄システムを示す前方から見た断面図である。図4は、洗浄システムの排水パイプの上流側の断面図である。
【0017】
<洗浄システムの概要構成>
図1において、本発明の第1の実施形態に係る洗浄システム1は、例えばコインランドリー等のランドリー店舗内に設置されるランドリー機器であり、ドラム式洗濯乾燥機2と強アルカリイオン水給水器3とから構成される。ランドリー店舗内には、複数の洗浄システム1と、利用者による入金によって個別の洗浄システム1を可動可能にする複数の制御ユニットが配置される。
【0018】
このドラム式洗濯乾燥機2は、外箱開口部21を有する外箱(筐体)11を備える。外箱11の前面部の大部分は前パネル22からなり、外箱11の底部は底台23を備えている。底台23の四隅には、ドラム式洗濯乾燥機2を安定に設置するためのゴム脚61が設けられている(図2参照)。また、外箱11にはドア12がヒンジで開閉自在に取り付けられている。このドア12により外箱開口部21が開閉される。
【0019】
また、外箱11の上部には、洗剤、漂白剤および柔軟剤を収容する洗剤ケース24と、操作キーや表示部を有する操作部25とが設けられている。この操作部25の裏側(外箱11の内部側)には、ドラム式洗濯乾燥機2の動作を制御する制御回路27(図2参照)を配置している。また、外箱11の天面の後部には、その天面の前部よりも低い段部26が設けられている。
【0020】
また、外箱11の天面においては、フィルタ収納ケース55の上面が露出している。この露出している上面には、取っ手部55aが設けられている。ユーザはその取っ手部55aをつかんで、フィルタ収納ケース55を外箱11から容易に取り出せるようになっている。
【0021】
強アルカリイオン水給水器3は、外箱71の上面に給水口72を備え、ドラム式洗濯乾燥機2の外箱11の上面に取り付けられる。また、外箱71の上面には、後述のアルカリ性電解水槽77(図2参照)にアルカリ性電解水Aを補填するための扉71aが設けられている。
【0022】
給水口72には、ホースを介して水道水が給水される。
強アルカリイオン水給水器3は、給水口72からの水道水を強アルカリイオン水に変えてドラム式洗濯乾燥機2に給水する。
【0023】
<洗浄システムの詳細構成>
次に、洗浄システム1のドラム式洗濯乾燥機2について詳細に説明する。
図2において、ドラム式洗濯乾燥機2は、外箱11内に配置された有底筒形状の水槽(外槽)13と、この水槽13内に回転自在に配置され、洗濯物を収容する有底円筒形状のドラム(内槽)14と、水槽13の後部に取り付けられ、ドラム14を回転駆動するモータ15と、洗濯物を乾燥させるための乾燥システム16と、水槽13の後部を弾性支持する2本のダンパ17とを備えている。
【0024】
外箱11の段部26は水平面26aと鉛直面26bとで構成されている。この水平面26aには、水槽13に強アルカリイオン水給水器3からの強アルカリイオン水を給水するための給水口51が設けられている。この給水口51は、給水ダクト30を介して水槽13に接続されている。
【0025】
給水ダクト30には、強アルカリイオン水給水器3からの強アルカリイオン水の供給を制御する給水弁53が設けられている。また、給水ダクト30は洗剤ケース24(図1参照)を経由している。これにより、給水ダクト30内の強アルカリイオン水は洗剤ケース24内の洗剤や柔軟剤を含んで水槽13内に流入できるようになっている。また、給水ダクト30内の強アルカリイオン水は、洗剤や柔軟剤を含まずにそのまま水槽13に流入することもできるようになっている。
【0026】
水槽13の前面部には水槽開口部28が設けられている。水槽開口部28の開口縁には、ゴムや軟質樹脂等の弾性体からなるパッキン29が固着されている。これにより、ドア12を閉じると、ドア12がパッキン29に密着して、水槽13内の洗濯水が水槽13の外へ漏れ出るのを防ぐようになっている。また、水槽13は、水槽開口部28が外箱開口部21に対向するように横向きに配置され、水槽13の中心軸は水平方向に対して5°~30°の角度をなすように傾斜している。
【0027】
そして、水槽13の上部には給水ダクト30の先端部(図3参照)が接続されている。一方、水槽13の下部には排水ダクト31の上端部が接続されている。また、排水ダクト31の下端部は、パイプ101、排水弁102及び油捨て用の排油弁103を介して排水パイプ104に接続されている。水槽13内の洗濯水(強アルカリイオン水)は、排水ダクト31、パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104及び排水ホース32(図3参照)を介して外箱11外へ排出される。排水ホース32(図3参照)は、ゴムや軟質樹脂のような弾性を有する材料で形成される。
【0028】
ドラム14の前面部には、外箱開口部21および水槽開口部28に対向するドラム開口部36が設けられている。ドラム開口部36は水槽開口部28よりも小さい径を有している。また、ドラム14の周壁には多数の小孔37が全周にわたって設けられている。この小孔37は、水槽13とドラム14との間の空間と、ドラム14内の空間との間で洗濯水や乾燥空気を流通させるためのものである。
【0029】
また、ドラム14の内壁面には、半径方向内側に向かって突出するバッフル38が設けられている。バッフル38は、周方向に例えば120°間隔で3ヶ所に配置されている。このバッフル38はドラム14の回転に伴って、洗濯物の持上げと落下とを繰り返す働きをする。
【0030】
また、ドラム14にドラム開口部36を外側から取り囲む液体バランサ39を設けて、ドラム14の回転時に、洗濯物および洗濯水(強アルカリイオン水)の偏りにより生じようとするアンバランスを、液体バランサ39の内部の封入液体の移動によって打消すようになっている。
【0031】
ダンパ17の水槽13とは反対側の端部つまり下端部は、ダンパ支持金具18のダンパ取付部40に取り付けられている。乾燥システム16は、水槽13とドラム14との間の空間に連通する空気経路42を有している。
【0032】
空気経路42は、外箱11の後部と水槽13の後部との間の空間、および、外箱11の上部と水槽13の上部との間の空間に設けられている。また、空気経路42内を流れる空気は、送風機41と、除湿経路43と、ヒータ48とを経由するようになっている。
【0033】
また、フィルタ収納ケース55を外箱11に装着すると、フィルタ収納ケース55の下端部が空気経路42の一部となる。また、フィルタ収納ケース55を外箱11に装着することにより、空気経路42内の空間は空気経路42の両端を除いて密閉された空間となる。
【0034】
送風機41は、水槽13の上部および外箱11に取り付けられている。また、送風機41は、ファンケース44と、羽根45と、羽根45を回転するファンモータ46とで構成されている。
【0035】
除湿経路43は、図示しない給水ダクトを介して給水口51に接続されていて、強アルカリイオン水を冷却水として用いて、除湿経路43内の空気を除湿できるようになっている。また、除湿経路43の下端部は、水槽13の後部における下側の部分に設けられた開口部59に接続されている。
【0036】
ヒータ48は、送風機41内に収容されており、羽根45の下流側に位置している。このヒータ48で加熱された空気は、乾燥用フィルタ54、風量測定用ファン56および送風ダクト49を経由するようになっている。
【0037】
乾燥用フィルタ54は空気中の糸屑等の異物を捕獲する。また、ユーザは、外箱11からフィルタ収納ケース55を取り外して、乾燥用フィルタ54の清掃または交換を行うことができる。
【0038】
フィルタ収納ケース55の下端部は、乾燥用フィルタ54を下流側に有する。また、収納ケース55の下端部において、上流側の部分、つまり、乾燥用フィルタ54に対向する部分は、格子状となっている。
【0039】
これにより、フィルタ収納ケース55を外箱11に装着すると、送風機41からの空気が、上記格子状の部分と、乾燥用フィルタ54とを経由して、ドラム14内へ向かって流れることができる。
【0040】
風量測定用ファン56の回転による電圧は制御回路27に入力される。そして、制御回路27が、その電圧に基づいて、空気経路42内の風量を検出するようになっている。
【0041】
上記構成のドラム式洗濯機によれば、乾燥運転時、乾燥システム16が稼働し、送風機41の羽根45が回転する。そうすると、矢印で示すように、ドラム14内の空気が、水槽13外に出て空気経路42を流れてドラム14内に戻るように循環する。
【0042】
送風機41は、ヒータ48で加熱された高温低湿の乾燥用空気を吹き出す。この乾燥用空気は、乾燥用フィルタ54、風量測定用ファン56および送風ダクト49を経由して、ドラム開口部36の上縁近傍にある送風口50から、ドラム14内の下部空間に向かって吹き出す。
【0043】
これにより、ドラム14内の洗濯物の水分が蒸発する。その水分を含んだ高温高湿の空気は、小孔37からドラム14外に出て、水槽13の開口部59から除湿経路43に吸い込まれる。この除湿経路43内において、冷却水が高温高湿の空気を冷却して、その空気が含む水分が凝縮する。
【0044】
すなわち、上記高温低湿の空気は除湿経路43で低温低湿の空気となる。この低温低湿の空気は、開口部58からファンケース44内に入り、ヒータ48で再び加熱されて高温低湿の乾燥用空気となり、ドラム14内へ向って流れる。このような空気の流れの循環によって、ドラム14内にある洗濯物を乾燥させることができる。
【0045】
このような構成において、操作部25(図1)から洗濯物の量や材質、および乾燥の程度等が設定され、起動が指令されると、制御回路27は、操作部25からの出力と、風量測定用ファン56等の各種センサの出力をうけて、給水弁53、モータ15、排水弁102、乾燥システム16などを制御し、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程およびドラム清掃工程等を順次、実行する。
【0046】
次に、強アルカリイオン水給水器3について詳細に説明する。
図2において、強アルカリイオン水給水器3は、外箱71と、給水口72と、パイプ73、74、75、76と、アルカリ性電解水槽77と、ポンプ78と、アルカリ性電解水希釈部79と、送水口80とから構成されている。
【0047】
給水口72は、パイプ73を介してアルカリ性電解水希釈部79の上流側に接続さる。アルカリ性電解水希釈部79の下流側は、パイプ74を介して送水口80に接続される。アルカリ性電解水槽77は、パイプ75を介してポンプ78の吸い込み口に接続されている。ポンプ78の吐き出し口は、パイプ76を介してアルカリ性電解水希釈部79に接続される。送水口80は、ドラム式洗濯乾燥機2の給水口51に接続される。
【0048】
アルカリ性電解水槽77は、水道水や食塩水を電気分解することで生成された、高濃度のアルカリ性電解水A(例えばpH(水素イオン指数)が13)を貯水している。
【0049】
ポンプ78は、図示しない配線を介して、ドラム式洗濯乾燥機2の制御回路27に接続されている。制御回路27は、給水弁53の開放と同期してポンプ78の駆動制御を行う。ポンプ78は、制御回路27の制御に基づいて、アルカリ性電解水槽77に貯水されたアルカリ性電解水Aをアルカリ性電解水希釈部79に供給する。
【0050】
アルカリ性電解水希釈部79は、ポンプ78により供給された高濃度のアルカリ性電解水A(例えばpHが13)を給水口72から供給される水道水で希釈し、強アルカリイオン水(例えばpHが11)として、パイプ74を介して送水口80からドラム式洗濯乾燥機2の給水口51に給水する。
【0051】
以下、ドラム式洗濯乾燥機2の排水経路について詳細に説明する。
アルカリ排水中和剤槽105は、排水ダクト31から流れる使用済みの強アルカリイオン水(例えばpHが13)を中和するアルカリ排水中和剤B(塩酸や硫酸などの酸性水溶液)を貯留している。
【0052】
アルカリ排水中和剤槽105には、パイプ106の一端側が挿入されている。パイプ106の他端側は、ポンプ107の吸い込み口に接続されている。ポンプ107の吐き出し口は、パイプ108を介して排油弁103に接続される。
【0053】
排油弁103は、パイプ109を介して排水経路の油を排油槽110に排油する。
【0054】
ポンプ107は、ドラム式洗濯乾燥機2の制御回路27に接続されている。制御回路27は、排水弁102の開放と同期してポンプ107の駆動制御を行う。ポンプ107は、制御回路27の制御に基づいて、アルカリ排水中和剤槽105に貯留されたアルカリ排水中和剤Bを排油弁103から排水パイプ104に供給する。
【0055】
排水パイプ104の上流側の内周には、螺旋状の図4に示すフィン121が形成されている。
【0056】
これにより、排水パイプ104の上流に流れる強アルカリイオン水とアルカリ排水中和剤Bは、フィン121により回転されることで、混ぜ合されて中和され、pHが7.0程度の排水となり、排水パイプ104の中流から下流へ流れ、さらに排水ホース32を介して外箱11外へ排出される。
【0057】
排水パイプ104の中間にはU字状の排水トラップ111が設けられている。U字状の排水トラップ111の上流側には、排水トラップ111内の掃除(土砂・生ゴミ・グリス・可燃性液体の除去)を行うためのキャップ112が取り付けられている。
【0058】
本発明に係る第1の実施形態を纏めて説明すると、洗浄システム1は、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽(水槽13)と、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤(アルカリ排水中和剤B)を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:アルカリ排水中和剤槽105、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)とを備える。
【0059】
洗浄システム1は、洗濯槽(水槽13)と、強アルカリイオン水を前記洗濯槽に給水するための強アルカリイオン水給水手段(強アルカリイオン水給水器3)と、前記強アルカリイオン水給水手段による強アルカリイオン水の給水制御を実行する給水制御手段(制御回路27)と、前記洗濯槽から強アルカリイオン水の排水を行う排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)と、前記洗濯槽からの強アルカリイオン水を中和するアルカリ排水中和剤を、前記排水部に注入するアルカリ排水中和剤注入手段(アルカリ排水中和剤槽105、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)とを備える。
【0060】
前記排水部は、強アルカリイオン水の流れの制御を行う排水弁102と、油捨て用の排油弁103と、当該排油弁103を介して当該排水弁102に接続され、強アルカリイオン水を外部へ排水する排水パイプ104とを備え、前記アルカリ排水中和剤注入手段は、前記排油弁103を介してアルカリ排水中和剤を注入する。
【0061】
前記強アルカリイオン水給水手段(強アルカリイオン水給水器3)は、アルカリ性電解水Aを貯蔵するアルカリ性電解水貯蔵手段(アルカリ性電解水槽77)を備え、前記アルカリ性電解水貯蔵手段からのアルカリ性電解水Aを水道水で希釈することで、強アルカリイオン水を生成して前記洗濯槽(水槽13)に給水する。
【0062】
前記排水部に強アルカリイオン水とアルカリ排水中和剤を混ぜ合わせるフィン121を設けている。
【0063】
図4に示すように、フィン121は、前記排水部の内周(排水パイプ104の内周)において、強アルカリイオン水とアルカリ排水中和剤の流れに沿って螺旋状に形成されている。
【0064】
<第1の実施形態の作用及び効果>
第1の実施形態の洗浄システム1によれば、アルカリ排水中和剤注入手段(アルカリ排水中和剤槽105、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)が、洗濯槽(水槽13)からの強アルカリイオン水を中和するアルカリ排水中和剤を、排水部(排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)に注入するので、洗濯槽から強アルカリイオン水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流(ランドリー店舗、クリーニング業者、マンションや一軒家等の配管、下水道を含む)において、強アルカリイオン水の影響を低減することが可能になる。
【0065】
また、第1の実施形態の洗浄システム1によれば、特にランドリー店舗、クリーニング業者等の施設では、排水のpHの規制を容易にクリアすることができ、業者にとって非常に都合のよいものとなる。
【0066】
また、U字状の排水トラップ111より上流において、アルカリ排水中和剤を注入することで、排水が長時間滞留するU字状の排水トラップ111のダメージを抑制することができる。
【0067】
[第2の実施形態]
以下、図1乃至図4を代用して本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
<第2の実施形態の構成>
第2の実施形態の洗浄システム1(図1乃至図4参照)において、アルカリイオン水給水部(強アルカリイオン水給水器3、図1参照)は、強アルカリイオン水を発生するアルカリイオン水発生手段を備え、前記アルカリイオン水発生手段が発生した強アルカリイオン水を前記洗濯槽(水槽13、図2及び図3参照)に給水する。
【0069】
尚、アルカリイオン水発生手段としては、電解水槽に貯留した電解水(食塩水)を電解してアルカリ性電解水を生成し、アルカリ性電解水を水道水で希釈することで強アルカリイオン水を発生するもの、水道水を直接電解して強アルカリイオン水を発生するもの等、各種適用可能である。
【0070】
また、第2の実施形態の洗浄システム1は、強アルカリイオン水の流れの制御を行う排水弁102(図3参照)と、当該排水弁102に接続され、強アルカリイオン水を外部へ排水する排水パイプ104(図3参照)とを備え、前記排水パイプ104には、排水経路の途中を水で遮断する排水トラップ111(図3参照)が形成され、前記排水トラップ111には、キャップ112(図3参照)が取り付けられ、前記アルカリ排水中和剤注入手段(アルカリ排水中和剤槽105、パイプ106、ポンプ107、パイプ108、図3参照)は、前記キャップ112を介してアルカリ排水中和剤を注入する。
【0071】
<第2の実施形態の作用及び効果>
このような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
[第3の実施形態]
以下、図5を用いて本発明の第3の実施形態について説明する。
【0073】
<第3の実施形態の構成>
図5は本発明の第3の実施形態に係る洗浄システムを示す前方から見た断面図である。図5を用いた第3の実施形態の説明において、図1乃至図4に示した第1の実施形態と同様の構成要素には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】
図5において、第3の実施形態の洗浄システム201は、洗濯機202のみで構成され、図3に示した強アルカリイオン水給水器3を備えていない。
【0075】
洗濯機202の水槽13は、アルカリ性の洗剤を水に溶かすことで生成したアルカリ性の洗濯水溜めることが可能になっている。
【0076】
pH調整剤槽205は、排水ダクト31から流れる使用済みのアルカリ性の洗濯水(排水)のpH調整(水素イオン指数調整:中性よりの例えばpHが9以下)を行うpH調整剤C(水素イオン指数調整剤:塩酸、硫酸、クエン酸、火山灰、各種の工場排水、その他の酸性の排水)を貯留している。
【0077】
pH調整剤槽205には、パイプ106の一端側が挿入されている。パイプ106の他端側は、ポンプ107の吸い込み口に接続されている。ポンプ107の吐き出し口は、パイプ108を介して排油弁103に接続される。
【0078】
以上に説明した以外の第3の実施形態の洗浄システム201の構成は、図1乃至図4に示した第1の実施形態と同様になっている。
【0079】
本発明に係る第3の実施形態を纏めて説明すると、洗浄システム201は、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽(水槽13)と、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整(pH調整)を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽205、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)とを備える。
【0080】
前記排水部は、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁102と、油捨て用の排油弁103と、当該排油弁103を介して当該排水弁102に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプ104とを備え、前記水素イオン指数調整剤注入手段は、前記排油弁103を介して水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を注入する。
【0081】
前記排水部にアルカリ性の洗濯水と水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を混ぜ合わせるフィン121を設けている。
【0082】
図4に示すように、フィン121は、前記排水部の内周(排水パイプ104の内周)において、アルカリ性の洗濯水と水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)の流れに沿って螺旋状に形成されている。
【0083】
<第3の実施形態の作用及び効果>
第3の実施形態の洗浄システム1によれば、水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤槽105、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)が、洗濯槽(水槽13)からのアルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整(pH調整)を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤)を、排水部(排油弁103、排水パイプ104、排水ホース32)に注入するので、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流(ランドリー店舗、クリーニング業者、マンションや一軒家等の配管、下水道を含む)において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することが可能になる。
【0084】
[第4の実施形態]
以下、図5を代用して本発明の第4の実施形態について説明する。
【0085】
<第4の実施形態の構成>
第4の実施形態の洗浄システムは、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁102(図5参照)と、当該排水弁102に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプ104(図5参照)とを備え、前記排水パイプ104には、排水経路の途中を水で遮断する排水トラップ111(図5参照)が形成され、前記排水トラップ111には、キャップ112(図5参照)が取り付けられ、前記水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽205、パイプ106、ポンプ107、パイプ108、図5参照)は、前記キャップ112を介して水素イオン指数調整剤(pH調整剤)を注入する。
【0086】
<第4の実施形態の作用及び効果>
このような第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
[第5の実施形態]
以下、図6を用いて本発明の第5の実施形態について説明する。
【0088】
<第5の実施形態の構成>
図6は本発明の第5の実施形態に係る洗浄システムを示す説明図である。
【0089】
図6において、第5の実施形態の洗浄システム301は、コインランドリー、クリーニング店舗、クリーニング工場等に用いられるシステムであり、複数の洗濯機302-1、302-2…302-nと、複数の洗濯機302-1、302-2…302-nの洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を纏める排水パイプ303と、排水パイプ303からの洗濯水の浄化を行う浄化槽304とを備えている。
【0090】
複数の洗濯機302-1、302-2…302-nの洗濯槽(水槽)は、アルカリ性の洗剤を水に溶かすことで生成したアルカリ性の洗濯水溜めることが可能になっている。
【0091】
浄化槽304の下端部は、パイプ305、排水弁306及び油捨て用の排油弁307を介して排水パイプ308に接続されている。水槽13内の洗濯水(強アルカリイオン水)は、浄化槽304、パイプ305、排水弁306、排油弁307、排水パイプ308を介して下水へ排出される。
【0092】
pH調整剤槽309は、パイプ305から流れる使用済みのアルカリ性の洗濯水(排水)の水素イオン指数調整(pH調整:中性よりの例えばpHが9以下)を行うpH調整剤C(水素イオン指数調整剤:塩酸、硫酸、クエン酸、火山灰、各種の工場排水、その他の酸性の排水)を貯留している。
【0093】
pH調整剤槽309には、パイプ310の一端側が挿入されている。パイプ310の他端側は、ポンプ311の吸い込み口に接続されている。ポンプ311の吐き出し口は、パイプ312を介して排油弁307に接続される。
排油弁307は、パイプ313を介して排水経路の油を排油槽314に排油する。
【0094】
ポンプ311は、洗浄システム301を管理する管理装置に接続されている。管理装置は、排水弁306の開放と同期してポンプ311の駆動制御を行う。ポンプ311は、管理装置の制御に基づいて、pH調整剤槽309に貯留されたpH調整剤Cを排油弁307から排水パイプ308に供給する。
【0095】
排水パイプ308の上流側の内周には、螺旋状のフィン321が形成されている。
【0096】
これにより、排水パイプ308の上流に流れる前記アルカリ性の洗濯水とpH調整剤Cは、フィン321により回転されることで、混ぜ合されて中和され、pHが9.0程度の排水となり、排水パイプ308の中流から下流へ流れ、下水へ排出される。
【0097】
排水パイプ308の中間にはU字状の排水トラップ315が設けられている。U字状の排水トラップ315の上流側には、排水トラップ315内の掃除(土砂・生ゴミ・グリス・可燃性液体の除去)を行うためのキャップ316が取り付けられている。
【0098】
本発明に係る第5の実施形態を纏めて説明すると、洗浄システム301は、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な複数の洗濯機302-1、302-2…302-nの洗濯槽と、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部(パイプ305、排水弁306、排油弁307、排水パイプ308、排水パイプ315)と、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整(pH調整)を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤)を、前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽309、パイプ310、ポンプ311、パイプ312)とを備える。
【0099】
前記排水部は、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁306と、油捨て用の排油弁307と、当該排油弁307を介して当該排水弁306に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプ308とを備え、前記水素イオン指数調整剤注入手段は、前記排油弁307を介して水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を注入する。
【0100】
前記排水部に前記アルカリ性の洗濯水と水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を混ぜ合わせるフィン321を設けている。
【0101】
フィン321は、前記排水部の内周(排水パイプ308の内周)において、アルカリ性の洗濯水と水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)の流れに沿って螺旋状に形成されている。
【0102】
<第5の実施形態の作用及び効果>
第5の実施形態の洗浄システム301によれば、水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤槽309、パイプ310、ポンプ311、パイプ312)が、複数の洗濯機302-1、302-2…302-nの洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水のpH調整を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を、排水部(排油弁307、排水パイプ308、排水パイプ315)に注入するので、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流(ランドリー店舗、クリーニング業者、マンションや一軒家等の配管、下水道を含む)において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することが可能になる。
【0103】
[第6の実施形態]
以下、図6を代用して本発明の第6の実施形態について説明する。
【0104】
<第6の実施形態の構成>
【0105】
第6の実施形態の洗浄システムは、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁306(図6参照)と、当該排水弁306に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプ308(図6参照)とを備え、前記排水パイプ308には、排水経路の途中を水で遮断する排水トラップ315(図6参照)が形成され、前記排水トラップ315には、キャップ316(図6参照)が取り付けられ、前記水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤槽309、パイプ310、ポンプ311、パイプ312、図6参照)は、前記キャップ316を介して水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を注入する。
【0106】
<第6の実施形態の作用及び効果>
このような第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0107】
[第7の実施形態]
以下、図6を代用して本発明の第7の実施形態について説明する。
【0108】
<第7の実施形態の構成>
第7の実施形態の洗浄システムは、前記水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤槽309、パイプ310、ポンプ311、パイプ312、図6参照)は、浄化槽304に水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を注入する。
【0109】
<第7の実施形態の作用及び効果>
このような第7の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0110】
[第8の実施形態]
以下、図7を用いて本発明の第8の実施形態について説明する。
【0111】
<第8の実施形態の構成>
図7は本発明の第8の実施形態に係る洗浄システムを示す説明図である。
【0112】
図7において、第8の実施形態の洗浄システム401は、コインランドリー、クリーニング店舗、クリーニング工場等に用いられるシステムであり、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nと、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nの洗濯槽(水槽13)からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水パイプ403と、pH調整剤槽411と、パイプ412と、ポンプ413と、パイプ414、複数のパイプ415-1、415-2…415-nとから構成される。
【0113】
複数の洗濯機402-1、402-2…402-nは、図5の洗濯機202からpH調整剤槽205を取り除いたものである。
【0114】
pH調整剤槽411は、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nの排水ダクト31(図5参照)から流れる使用済みのアルカリ性の洗濯水(排水)のpH調整(水素イオン指数調整:中性よりの例えばpHが9以下)を行うpH調整剤C(水素イオン指数調整剤:塩酸、硫酸、クエン酸、火山灰、各種の工場排水、その他の酸性の排水)を貯留している。
【0115】
pH調整剤槽411には、パイプ412の一端側が挿入されている。パイプ412の他端側は、ポンプ413の吸い込み口に接続されている。ポンプ413の吐き出し口は、パイプ414を介して複数のパイプ415-1、415-2…415-nの一端側に接続される。複数のパイプ415-1、415-2…415-nの他端側は、それぞれ複数の洗濯機402-1、402-2…402-nのパイプ106(図5参照)の一端側に接続されている。
【0116】
複数のパイプ415-1、415-2…415-nの接続される洗濯機に近接した位置には、それぞれ洗濯機の交換の際に使用される複数の元栓416-1、416-2…416-nが設けられている。
【0117】
ポンプ413は、洗浄システム401を管理する管理装置に接続されている。管理装置は、洗濯機402-1、402-2…402-nの制御回路27(図2参照)に接続され、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nのいずれかの排水弁102(図5参照)の開放と同期してポンプ413の駆動制御を行う。ポンプ413(図5参照)は、管理装置の制御に基づいて、pH調整剤槽411に貯留されたpH調整剤Cを、パイプ414及び複数のパイプ415-1、415-2…415-nを介して、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nのパイプ106(図5参照)の一端側に導く。
【0118】
洗濯機402-1、402-2…402-nのポンプ107(図5参照)は、洗濯機402-1、402-2…402-nの制御回路27(図2参照)に接続されている。制御回路27(図2参照)は、排水弁102(図5参照)の開放と同期してポンプ107(図5参照)の駆動制御を行う。ポンプ107(図5参照)は、制御回路27(図2参照)の制御に基づいて、複数のパイプ415-1、415-2…415-nの内、接続されたパイプからのpH調整剤Cを排油弁103(図5参照)から排水パイプ104(図5参照)に供給する。
【0119】
本発明に係る第8の実施形態を纏めて説明すると、洗浄システム401は、アルカリ性の洗濯水を溜めることが可能な洗濯槽(水槽13)をそれぞれ備えるとともに、前記洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水パイプ403)をそれぞれ備える複数の洗濯機402-1、402-2…402-nと、前記アルカリ性の洗濯水の水素イオン指数調整を行う水素イオン指数調整剤を、前記複数の洗濯機の前記排水部に注入する水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽411、パイプ412、ポンプ413、パイプ414、複数のパイプ415-1、415-2…415-n、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)とを備える。
【0120】
前記排水部は、アルカリ性の洗濯水の流れの制御を行う排水弁102と、油捨て用の排油弁103と、当該排油弁103を介して当該排水弁102に接続され、アルカリ性の洗濯水を外部へ排水する排水パイプ104とを備え、前記水素イオン指数調整剤注入手段は、前記排油弁103を介して水素イオン指数調整剤を注入する。
【0121】
<第8の実施形態の作用及び効果>
第8の実施形態の洗浄システム401によれば、水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽411、パイプ412、ポンプ413、パイプ414、複数のパイプ415-1、415-2…415-n、パイプ106、ポンプ107、パイプ108)が、複数の洗濯機402-1、402-2…402-nの洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水のpH調整を行う水素イオン指数調整剤(pH調整剤C)を、排水部(パイプ101、排水弁102、排油弁103、排水パイプ104、排水パイプ403)に注入するので、洗濯槽からのアルカリ性の洗濯水の排水を行う排水部や、当該排水部より下流(ランドリー店舗、クリーニング業者、マンションや一軒家等の配管、下水道を含む)において、アルカリ性の洗濯水の影響を低減することが可能になる。
【0122】
[第9の実施形態]
以下、図5及び図7を代用して本発明の第6の実施形態について説明する。
【0123】
<第9の実施形態の構成>
第9の実施形態の洗浄システム401は、強アルカリイオン水の流れの制御を行う排水弁102(図5参照)と、当該排水弁102に接続され、強アルカリイオン水を外部へ排水する排水パイプ104(図5参照)とを備え、前記排水パイプ104には、排水経路の途中を水で遮断する排水トラップ111(図5参照)が形成され、前記排水トラップ111には、キャップ112(図5参照)が取り付けられ、水素イオン指数調整剤注入手段(pH調整剤注入手段:pH調整剤槽411、パイプ412、ポンプ413、パイプ414、複数のパイプ415-1、415-2…415-n、パイプ106、ポンプ107、パイプ108、図5及び図7参照)は、前記キャップ112(図5参照)を介して水素イオン指数調整剤を注入する。
【0124】
<第9の実施形態の作用及び効果>
このような第9の実施形態によれば、第8の実施形態と同様の効果が得られる。
【0125】
尚、本発明の、構造、システム、プログラム、材料、各部材の連結、化学物質、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0126】
例えば、ドラム式洗濯乾燥機2と強アルカリイオン水給水器3を一体化して、一つの洗濯乾燥機とするこしが可能である。
【0127】
また、第1乃至第9の実施形態の排水トラップ111、315は、U字状の排水トラップに限らず、ベルトトラップ、Sトラップ等、各種適用可能である。
さらに、外箱11の底部を一体化し、別体の底部を設けない構造とすることも可能である。排水パイプ104は、外箱11の底部より上を経由して排水を行うことも可能である。
【0128】
第1乃至第9の実施形態の洗浄システム1、201、301、401は、ランドリー店舗内に設置されるランドリー機器に限らず、業務用の洗濯機や家庭用の洗濯機にも適用可能である。
【0129】
材質も、金属、プラスチック、FRP、木材等を自由に選択することが可能である。
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
【0130】
また、上記第1乃至第9の実施形態は、あくまでも、現在のところの最良またはそれに近い形態の9つにすぎない。
【0131】
また、制御などは、より上位の制御部分によって制御されても良いし、より末端の制御部分によって制御されても良い。
また、制御の順序なども、所定の効果を有するのであれば、適宜変更可能である。
【0132】
<定義等>
本発明における洗浄システムとしては、洗濯乾燥機以外にも、洗濯機、コインランドリーシステム等、各種適用可能である。
【符号の説明】
【0133】
1…洗浄システム
2…ドラム式洗濯乾燥機
3…強アルカリイオン水給水器
11…外箱
12…ドア
13…水槽
14…ドラム
15…モータ
16…乾燥システム
17…ダンパ
18…ダンパ支持金具
21…外箱開口部
22…前パネル
23…底台
24…洗剤ケース
25…操作部
26…段部
26a…水平面
26b…鉛直面
27…制御回路
28…水槽開口部
29…パッキン
30…給水ダクト
31…排水ダクト
32…排水ホース
36…ドラム開口部
37…小孔
38…バッフル
39…液体バランサ
40…ダンパ取付部
41…送風機
42…空気経路
43…除湿経路
44…ファンケース
45…羽根
46…ファンモータ
48…ヒータ
49…送風ダクト
50…送風口
51…給水口
53…給水弁
54…乾燥用フィルタ
55…フィルタ収納ケース
56…風量測定用ファン
58…開口部
59…開口部
61…ゴム脚
71…外箱
72…給水口
73、74、75、76…パイプ
77…アルカリ性電解水槽
78…ポンプ
79…アルカリ性電解水希釈部
80…送水口
101…パイプ
102…排水弁
103…排油弁
104…排水パイプ
105…アルカリ排水中和剤槽
106、108、109…パイプ
107…ポンプ
110…排油槽
111…U字状の排水トラップ
112…キャップ
121…フィン
201…洗浄システム
205…pH調整剤槽
301…洗浄システム
302-1、302-2…302-n…複数の洗濯機
303…排水パイプ
304…浄化槽
305…パイプ
306…排水弁
307…排油弁
308…排水パイプ
309…pH調整剤槽
310、312、313…パイプ
311…ポンプ
314…排油槽
315…U字状の排水トラップ
316…キャップ
321…フィン
401…洗浄システム
402-1、402-2…402-n…洗濯機
403…排水パイプ
411…pH調整剤槽
412…パイプ
413…ポンプ
414…パイプ
415-1、415-2…415-n…パイプ
411…pH調整剤槽
412…パイプ
413…ポンプ
414…パイプ
415-1、415-2…415-n…パイプ
416-1、416-2…416-n…元栓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7