(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072833
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】リファイナ及びリファイナの叩解方法
(51)【国際特許分類】
D21D 1/38 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
D21D1/38
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185514
(22)【出願日】2021-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000202235
【氏名又は名称】相川鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】後 藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴 木 周
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055CB13
4L055EA26
4L055FA30
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、ローター叩解部のモータの回転数を可変制御して、原料に対応するようにしたリファイナ及びリファイナの叩解方法を提供するものである。
【解決手段】
リファイナの叩解方法は、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間に原料を供給し、原料を叩解するリファイナの叩解方法であって、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間tの調整ではなく、ローター叩解部1のモータ4の回転数を可変制御して、前記原料に対応するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナの叩解方法であって、
前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナの叩解方法。
【請求項2】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ロータの端面の外周に設けられた第1の回転刃と、前記ロータの端面であって前記第1の回転刃の内側に設けられた第2の回転刃とを有し、
前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部にスリットを介して配置された固定刃であり、前記ステーター叩解部の固定刃は、前記第1の回転刃と前記第2の回転刃との間に位置し、
第1のリング形状体の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩解された原料を排出するスリットを有する第2のリング形状体を位置させ、
前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項3】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ローターの端部に放射状に設けられた回転刃であり、
前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に放射状に設けられた固定刃で、この固定刃と前記回転刃は対向し、
前記回転刃及び前記固定刃の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩解された原料を排出するスリットを有するリング形状体を位置させ、
前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項4】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ロータの端面に前記ローター叩解部の内方に前記原料を取り入れる原料供給口、前記ロータの側面にスリットを介して回転刃が、それぞれ設けられ、
前記ステーター叩解部は、円筒形状体の側面にスリットを介して配置された固定刃であり、
前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項5】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
このローター叩解部のモータの回転を前記モータ制御部により制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項6】
回転軸は、磁気軸受で支持され、モータの回転数は、4000rpm以上である
ことを特徴とする請求項2~5のいずれかに記載のリファイナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リファイナ及びリファイナの叩解方法に係り、特に、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、ローター叩解部のモータの回転を可変制御して、原料に対応するようにしたリファイナ及びリファイナの叩解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パルプの叩解を行う装置としてリファイナがある(例えば、特許文献1記載のもの)。
このリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整を図って、原料を叩解している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっては、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整では限界があり、対応できなかった。
本件発明者は、試行錯誤の結果、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、ローター叩解部のモータの回転を可変制御することに着目して、原料に対応することを見出した。
【0005】
本発明は、上記実情を考慮してなされたもので、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、ローター叩解部のモータの回転を可変制御して、原料に対応するようにしたリファイナ及びリファイナの叩解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のリファイナの叩解方法は、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナの叩解方法であって、前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【0007】
また、請求項2記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ロータの端面の外周に設けられた第1の回転刃と、前記ロータの端面であって前記第1の回転刃の内側に設けられた第2の回転刃とを有し、前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部にスリットを介して配置された固定刃であり、前記ステーター叩解部の固定刃は、前記第1の回転刃と前記第2の回転刃との間に位置し、第1のリング形状体の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩解された原料を排出するスリットを有する第2のリング形状体を位置させ、前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【0008】
また、請求項3記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ローターの端部に放射状に設けられた回転刃であり、前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に放射状に設けられた固定刃で、この固定刃と前記回転刃は対向し、前記回転刃及び前記固定刃の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩解された原料を排出するスリットを有するリング形状体を位置させ、前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【0009】
また、請求項4記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ロータの端面に前記ローター叩解部の内方に前記原料を取り入れる原料供給口、前記ロータの側面にスリットを介して回転刃が、それぞれ設けられ、前記ステーター叩解部は、円筒形状体の側面にスリットを介して配置された固定刃であり、前記ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【0010】
また、請求項5記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、このローター叩解部のモータの回転を前記モータ制御部により制御して、前記原料を叩解するものである。
【0011】
また、請求項6記載のリファイナは、請求項2~5のいずれかに記載のリファイナにおいて、回転軸は、磁気軸受で支持され、モータの回転数は、4000rpm以上である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のリファイナの叩解方法によれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、ローター叩解部のモータの回転を可変に制御して、原料を叩解することができる。
【0013】
また、請求項2記載のリファイナによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター叩解部のモータの回転をモータ制御部により可変に制御して、原料を叩解することができ、ステーター叩解部の固定刃は、第1の回転刃と第2の回転刃との間に位置しているため、原料の叩解効果を増大させることができる。
【0014】
また、請求項3記載のリファイナによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター叩解部のモータの回転をモータ制御部により可変に制御して、原料を叩解することができる。
【0015】
また、請求項4記載のリファイナによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部とローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター叩解部のモータの回転をモータ制御部により可変に制御して、原料を叩解することができ、原料は前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との間の隙間に直接導かれるものとは別に、前記ローター叩解部の原料供給口から前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との間の隙間にも導かれる分、原料の叩解効果を増大させることができる。
【0016】
また、請求項5記載のリファイナによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、モータ制御部によりモータの回転を可変に制御して、原料を叩解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1(a)は、本発明の一実施例のリファイナの概略的斜視図、
図1(b)は、
図1(a)の概略的正面図、
図1(c)は、
図1(b)の概略的右側面図である。
【
図3】
図3(a)は、
図1のリファイナの要部の概略的正面図、
図3(b)は、
図3(a)のA-A線による概略的断面図、
図3(c)は、
図3(a)を分解して示す概略的分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の実施例と異なる他の実施例のリファイナを示すもので、
図4(a)は、概略的正面図、
図4(b)は、
図4(a)のA-A線による概略的断面図、
図4(c)は、
図4(a)を分解して示す概略的分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4の原料流れを示すもので、
図5(a)は、
図4(b)における原料流れを示す概略的断面図、
図5(b)は、
図5(a)を斜め方向から見た概略的斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4の実施例と異なる他の実施例のリファイナを示すもので、
図6(a)は、概略的正面図、
図6(b)は、
図6(a)のA-A線による概略的断面図、
図6(c)は、
図6(a)を分解して示す概略的分解斜視図、
図6(d)は、
図6(c)を異なる方向から見た概略的分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6の実施例と異なる他の実施例のリファイナを示すもので、
図7(a)は、概略的正面図、
図7(b)は、
図7(a)のA-A線による概略的断面図、
図7(c)は、
図7(a)を分解して示す概略的分解斜視図、
図7(d)は、
図7(c)を異なる方向から見た概略的分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施例のリファイナ及びリファイナの叩解方法を図面を参照して説明する。
【0019】
(実施例1
図1~
図3)
図1において、Rはリファイナで、リファイナRは、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間に原料(原料は、例えば、セルロース)を供給し、原料を叩解(叩解は、例えば、セルロースを機械的にナノサイズに叩解し、セルロースナノファイバーにする。)するものである。
本体10内には、回転軸3が設けられている。この回転軸3には、ローター叩解部2が取付部材60により取り付けられている。
【0020】
4は、回転軸3を駆動するモータ(モータは、例えば、スピンドルモータ)で、モータ4の回転は、モータ制御部5により制御される。モータ4の高回転域は、例えば、4000rpm~60000rpmで、この幅広い可変領域は、モータ制御部5により制御される。
6は、回転軸3を磁気浮上によって支持する磁気軸受(ラジアル磁気軸受)、7は、回転軸3を磁気浮上によって支持する磁気軸受(アキシアルラジアル磁気軸受)で、これら磁気軸受(ラジアル磁気軸受)6、磁気軸受(アキシアルラジアル磁気軸受)7は、磁気軸受制御部8により、高速回転する回転軸3が磁気軸受6、7に接触しないように、電磁力により回転軸3と磁気軸受6、7との間に隙間を形成するように制御される。
【0021】
そして、上述したステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間t(
図2参照)は、可変できない一定寸法であり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間tの調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転を可変制御(例えば、4000rpm~60000rpmの範囲)して、原料を叩解するようにしている。
つまり、モータ4の回転では、原料の叩解が十分でない場合には、モータ制御部5によりモータ4の回転をより高速化して、原料を叩解するものである。
なお、ローター叩解部2は、
図3に示すように、円筒形状体で、この円筒形状体の側面に回転刃21が設けられ、また、ステーター叩解部1は、円筒形状体で、この円筒形状体の側面にスリットS1を介して配置された固定刃11であり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転を(例えば、4000rpm~60000rpmの範囲の高速域)可変に制御して、原料を叩解する。
【0022】
従って、原料入口20から供給された原料は、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間で叩解され、叩解された原料は、原料出口30から本体10外へと排出される。
このリファイナ(リファイナの叩解方法)Rによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間tの調整ではなく、ローター叩解部1のモータ4の回転をモータ制御部5により高速に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応して叩解することができる。
【0023】
(実施例2
図4~
図5)
本発明のリファイナRは、上述した
図1乃至
図3のリファイナRに限らず、
図4及び
図5記載のものでも良い。
即ち、
図4及び
図5記載のリファイナRも上述の実施例のリファイナRと同様、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間に原料(原料は、例えば、セルロース)を供給し、原料を叩解(叩解は、例えば、セルロースを機械的にナノサイズに叩解し、セルロースナノファイバーにする。)するものである。
リファイナRは、回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたローター叩解部2と、回転軸2を駆動するモータ4と、このモータ4の回転数を制御するモータ制御部5とを備えている。
ステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間tは、可変できない一定寸法であり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転数を可変に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応できるものである。
ローター叩解部2は、
図5に示すように、円筒形状体で、この円筒形状体の端面にローター叩解部2の内方に原料を取り入れる原料供給口22、前記円筒形状体の側面に回転刃が21、それぞれ設けられ、ステーター叩解部1は、円筒形状体で、この円筒形状体の側面にスリットS2を介して配置された固定刃[
図4(c)]である。
図4及び
図5記載のリファイナRは、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転をモータ制御部5により高速に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応して原料を叩解することができることは、勿論のこと、原料はステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間に直接導かれるものとは別に、ローター叩解部2の原料供給口22からステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間にも導かれる分、原料の叩解効果を増大させることができる。
【0024】
(実施例3
図6)
本発明のリファイナRは、上述した
図1乃至
図5のリファイナRに限らず、
図6記載のものでも良い。
即ち、
図6記載のリファイナRも上述の実施例のリファイナRと同様、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間に原料(原料は、例えば、セルロース)を供給し、原料を叩解(叩解は、例えば、セルロースを機械的にナノサイズに叩解し、セルロースナノファイバーにする。)するものである。
リファイナRは、回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたローター叩解部2と、回転軸2を駆動するモータ4と、このモータ4の回転を制御するモータ制御部5とを備えている。
ステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間tは、可変できない一定寸法であり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転を可変に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応できるものである。
ローター叩解部2は、ローターの端部に放射状に設けられた回転刃21’であり、ステーター叩解部1は、第1のリング形状体の端部に放射状に設けられた固定刃11’で、この固定刃11’と回転刃21’は、対向している。
回転刃21’及び固定刃11’の外側にステーター叩解部1とローター叩解部2で叩解された原料を排出するスリットS3を有するリング形状体40を位置させ、ローター叩解部2のモータ4の回転を可変に制御して、原料を叩解するものである。
このリファイナRによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転をモータ制御部5により可変に制御して、原料を叩解することができる。
【0025】
(実施例4
図7)
本発明のリファイナRは、上述した
図1乃至
図6のリファイナRに限らず、
図7記載のものでも良い。
即ち、
図7記載のリファイナRも上述の実施例のリファイナRと同様、ステーター叩解部1とローター叩解部2との間に原料(原料は、例えば、セルロース)を供給し、原料を叩解(叩解は、例えば、セルロースを機械的にナノサイズに叩解し、セルロースナノファイバーにする。)するものである。
リファイナRは、回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたローター叩解部2と、回転軸3を駆動するモータ4と、このモータ4の回転数を制御するモータ制御部5とを備えている。
ステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間tは、可変できない一定寸法であり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転を可変に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応できるものである。
ローター叩解部2は、ロータの端面の外周に設けられた第1の回転刃21と、前記ロータの端面であって第1の回転刃21の内側に環状に設けられた第2の回転刃23とを有し、第1の回転刃21、第2の回転刃23は、ローター叩解部本体2Aに設けられている。
ステーター叩解部1は、第1のリング形状体の端部にスリットS2を介して配置された固定刃11であり、この固定刃11は、第1の回転刃21と第2の回転刃23との間に位置している。また、前記第1のリング形状体の外側にステーター叩解部1とローター叩解部2で叩解された原料を排出するスリットS4を有する第2のリング形状体50を位置させている。
このリファイナRによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっても、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部2のモータ4の回転をモータ制御部5により可変に制御して、原料を叩解することができ、ステーター叩解部1の固定刃11は、第1の回転刃21と第2の回転刃23との間に位置しているため、原料の叩解効果を増大させることができる。
【0026】
【符号の説明】
【0027】
R リファイナ
S1 スリット
S2 スリット
S3 スリット
1 ステーター叩解部
2 ローター叩解部
3 回転軸
4 モータ
5 モータ制御部
6 磁気軸受
7 磁気軸受
8 磁気軸受制御部
10 本体
20 原料入口
30 原料出口
40 リング形状体
50 第2のリング形状体
60 取付部材
【手続補正書】
【提出日】2022-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記
原料を排出するリファイナの叩解方法であって、
前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター
叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものであり、
前記ローター叩解部の回転軸は、磁気軸受で支持され、前記モータの回転数は、4000rpm以上である
ことを特徴とするリファイナの叩解方法。
【請求項2】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記
原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ロータの端面の外周に設けられた複数の第1の回転刃と、前記ロータの端面であって前記第1の回転刃の内側に設けられた複数の第2の回転刃とを有し、
隣接する前記第1の回転刃の間に回転側第1のスリットが位置し、
隣接する前記第2の回転刃の間に回転側第2のスリットが位置し、
前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に配置された複数の第1の固定刃と、第2のリング形状体の端部に配置された複数の第2の固定刃とを有し、
隣接する前記第1の固定刃の間に固定側第1のスリットが位置し、
隣接する前記第2の固定刃の間に固定側第2のスリットが位置し、
前記第1の固定刃は、前記第1の回転刃と前記第2の回転刃との間に位置し、
前記第1のリング形状体の外側に前記第2のリング形状体が位置し、
前記第1の回転刃の外側に前記第2の固定刃が位置し、
前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項3】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記
原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ローターの端部に放射状に設けられた回転刃であり、
前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に放射状に設けられた固定刃で
、この固定刃と前記回転刃は対向し、
前記回転刃及び前記固定刃の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩
解された原料を排出するスリットを有するリング形状体を位置させ、
前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項4】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記
原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記ローター叩解部は、ロータの端面に前記ローター叩解部の内方に前記原料を取り
入れる原料供給口、前記ロータの側面に複数の回転刃が、それぞれ設けられ、
隣接する前記回転刃の間に回転側スリットが設けられ、
前記ステーター叩解部は、前記ローター叩解部の外側に位置し、円筒形状体の側面に複数の固定刃が設けられ、
隣接する前記固定刃の間に固定側スリットが設けられ、
前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項5】
ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記
原料を排出するリファイナであって、
回転軸と、
この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、
前記回転軸を駆動するモータと、
このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、
前記回転軸は、磁気軸受で支持され、前記モータの回転数は、4000rpm以上であり、
前記ローター叩解部の前記モータの回転を前記モータ制御部により制御して、前記原料を叩解する
ことを特徴とするリファイナ。
【請求項6】
回転軸は、磁気軸受で支持され、モータの回転数は、4000rpm以上である
ことを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載のリファイナ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1記載のリファイナの叩解方法は、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナの叩解方法であって、前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部との隙間の調整ではなく、前記ローター
叩解部のモータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものであり、前記ローター叩解部の回転軸は、磁気軸受で支持され、前記モータの回転数は、4000rpm以上である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、請求項2記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ロータの端面の外周に設けられた複数の第1の回転刃と、前記ロータの端面であって前記第1の回転刃の内側に設けられた複数の第2の回転刃とを有し、隣接する前記第1の回転刃の間に回転側第1のスリットが位置し、隣接する前記第2の回転刃の間に回転側第2のスリットが位置し、前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に配置された複数の第1の固定刃と、第2のリング形状体の端部に配置された複数の第2の固定刃とを有し、隣接する前記第1の固定刃の間に固定側第1のスリットが位置し、隣接する前記第2の固定刃の間に固定側第2のスリットが位置し、前記第1の固定刃は、前記第1の回転刃と前記第2の回転刃との間に位置し、前記第1のリング形状体の外側に前記第2のリング形状体が位置し、前記第1の回転刃の外側に前記第2の固定刃が位置し、前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、請求項3記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ローターの端部に放射状に設けられた回転刃であり、前記ステーター叩解部は、第1のリング形状体の端部に放射状に設けられた固定刃で、この固定刃と前記回転刃は対向し、前記回転刃及び前記固定刃の外側に前記ステーター叩解部と前記ローター叩解部で叩解された原料を排出するスリットを有するリング形状体を位置させ、前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、請求項4記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記ローター叩解部は、ロータの端面に前記ローター叩解部の内方に前記原料を取り入れる原料供給口、前記ロータの側面に複数の回転刃が、それぞれ設けられ、隣接する前記回転刃の間に回転側スリットが設けられ、前記ステーター叩解部は、前記ローター叩解部の外側に位置し、円筒形状体の側面に複数の固定刃が設けられ、隣接する前記固定刃の間に固定側スリットが設けられ、前記ローター叩解部の前記モータの回転を可変に制御して、前記原料を叩解するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、請求項5記載のリファイナは、ステーター叩解部とローター叩解部との間に供給した原料を叩解し、叩解された前記原料を排出するリファイナであって、回転軸と、この回転軸に取り付けられたローター叩解部と、前記回転軸を駆動するモータと、このモータの回転を可変に制御するモータ制御部とを備え、前記回転軸は、磁気軸受で支持され、前記モータの回転数は、4000rpm以上であり、前記ローター叩解部の前記モータの回転を前記モータ制御部により制御して、前記原料を叩解するものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、請求項6記載のリファイナは、請求項2~4のいずれかに記載のリファイナに
おいて、回転軸は、磁気軸受で支持され、モータの回転数は、4000rpm以上である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
(実施例4
図7)
本発明のリファイナRは、上述した
図1乃至
図6のリファイナRに限らず、
図7記載
のものでも良い。
即ち、
図7記載のリファイナRも上述の実施例のリファイナRと同様、ステーター叩
解部1とローター叩解部2との間に原料(原料は、例えば、セルロース)を供給し、原料
を叩解(叩解は、例えば、セルロースを機械的にナノサイズに叩解し、セルロースナノフ
ァイバーにする。)するものである。
リファイナRは、回転軸3と、この回転軸3に取り付けられたローター叩解部2と、
回転軸3を駆動するモータ4と、このモータ4の回転数を制御するモータ制御部5とを備
えている。
ステーター叩解部1とローター叩解部2との間の隙間tは、可変できない一定寸法で
あり、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部
2のモータ4の回転を可変に制御して、繊維が短いもの、腰がない等の原料に対応できる
ものである。
ローター叩解部2は、ロータの端面の外周に設けられた第1の回転刃21と、前記ロ
ータの端面であって第1の回転刃21の内側に環状に設けられた第2の回転刃23とを有
し、第1の回転刃21、第2の回転刃23は、ローター叩解部本体2Aに設けられている
。
ステーター叩解部1は、第1のリング形状体の端部にスリットS2を介して配置され
た固定刃11であり、この固定刃11は、第1の回転刃21と第2の回転刃23との間に
位置している。また、前記第1のリング形状体の外側にステーター叩解部1とローター叩
解部2で叩解された原料を排出するスリットS4を有する第2のリング形状体
40を位置
させている。
このリファイナRによれば、原料が、例えば、繊維が短いもの、腰がないものにあっ
ても、ステーター叩解部1とローター叩解部2との隙間の調整ではなく、ローター叩解部
2のモータ4の回転をモータ制御部5により可変に制御して、原料を叩解することができ
、ステーター叩解部1の固定刃11は、第1の回転刃21と第2の回転刃23との間に位
置しているため、原料の叩解効果を増大させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】