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  • 特開-タッチペン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072855
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】タッチペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185546
(22)【出願日】2021-11-15
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】591103298
【氏名又は名称】アサヒリサーチ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521500362
【氏名又は名称】東海ルフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅博
(57)【要約】
【課題】 タッチパネルへの入力精度を高めることができるタッチペンを提供する。
【解決手段】 タッチペン1のペン先20に導電性のディスク21を設けた。ディスク21の外径は8.7mm以上とするとよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式のタッチペンであって、ペン先に導電性のディスクを設けた、タッチペン。
【請求項2】
前記ディスクの外径が8.7mm以上である、請求項1のタッチペン。
【請求項3】
前記ディスクの先端側が平坦な当接面である、請求項1のタッチペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット端末、PDA、スマートフォン等のタッチパネル式の電子機器への情報入力に使用可能なタッチペンに関する。タッチペンは、スタイラスペン、多機能筆記具等と呼ばれる場合もある。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の電子機器の普及が進んでいる。例えば、文部科学省のギガスクール構想では、各生徒に配布したタッチパネル式の電子機器を用いて授業を行うことが検討されている。
【0003】
タッチパネル式の電子機器では、タッチパネル上での指先のタッチで各種入力操作が可能である。また、ペン先に導電性の芯を設けたタッチペンを用いると、通常の筆記具感覚で入力が可能になり、及び/又は、指先より高い精度の入力検出が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-102531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、学校の授業でタッチパネルを使用するには、文字や線図等の入力のため、ある程度の高い検出精度(又は、認識精度/入力精度/分解能)が望まれる。しかし、タッチパネルのスペック等によっては、タッチペンを使ったとしても十分な検出精度が得られない場合がある。現在学校現場で使用されているタッチパネルでも、この問題が実際に生じている。
【0006】
本発明は、タッチパネルの検出精度を高めることができるタッチペンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願には、静電容量式のタッチペンであって、ペン先に導電性のディスクを設けた、タッチペンが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態のタッチペン1を示す。(a)はペン先20が挿入されたタッチペン1。(b)はペン先20が取り外されたタッチペン1。
図2】(a)は胴部10側からペン先20を示す。(b)は先端側からペン先20を示す。
図3】ペン先20の側断面図を示す。(a)は軸22が垂直のペン先20、(b)は軸22が傾斜したペン先20。
図4】特に好ましいペン先20を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の一実施形態のタッチペン1を示す。タッチペン1は、好ましくは、静電容量式(又は、静電式)のタッチペンである。タッチペン1は胴部10とペン先20を有する。図のように、タッチペン1は、ボールペンと同様の形状にするのがよい。胴部10は、アルミニウム等の金属で形成するとよい。胴部10は、導電性であることが好ましい。胴部10の外周は絶縁被膜を有してよい。
【0010】
図2はペン先20を示す。ペン先20は導電性のディスク21を有する。ディスク21の先端側の当接面21aは平坦がよい。発明者らの実験により、このようなディスク21を設けることで、タッチパネル(不図示)の検出精度が顕著に向上することが確認された。ディスク21の形状は円盤状がよい。他の形状も可能である。
【0011】
発明者らは、8.7mm以上の外径のディスク21を使用することでタッチパネルの検出精度が顕著に向上することを実験的に確認した。外径9mmのディスク21を使用した場合、8.5mmのディスク21と比較して検出精度が顕著に向上することを実験的に確認した。ディスク21の外径は8.5mm以上がよく、8.7mm以上がさらによく、9mm以上が特によい。視認性からは、10mm以下がよく、9.5mm以下がさらによい。
【0012】
ディスク21の厚さは0.2~0.5mmがよい。
【0013】
ディスク21は、銅、黄銅、アルミ等の導電性金属で形成するとよい。金メッキした快削黄銅が特によい。
【0014】
ペン先20は、軸22と芯先23を有し、胴部10の先端は、軸22を挿入可能な開口11(図1(b))を有するとよく、これにより、ペン先20と胴部10が取り外し可能になる(ペン先20が交換可能になる)。
【0015】
軸22は、銅、黄銅、アルミ等の金属で形成するとよい。クロームメッキした快削黄銅が特によい。軸22は、導電性であることが好ましい。
【0016】
芯先23は、図3(a)、(b)のように、ディスク21に対して軸22を傾斜可能に接続する。傾斜可能のため、ディスク21の当接面21aをタッチパネルに平行に当てたままでタッチペン1が傾斜自在とできる。好ましくは、胴部10とディスク21は軸22(及び芯先23)を介して電気的に(少なくとも静電的に)接続される。それにより、手指の静電容量が胴部10からディスク21に伝達され、タッチパネルでの検出が可能になる。
【0017】
図2,3のように、ディスク21に凹部及び貫通孔を設け、軸22を中空筒体とし、芯先23の上下に抜け防止ロックのための大径部23a,23bを設けてディスク21及び軸22に貫通させた構造とすると、接続が容易及び/又は強固になる。
【0018】
図4は、特に好ましいペン先20を示す。軸22は、クロームメッキした快削黄銅性の中空筒である。軸22の傾斜を円滑にするため、ディスク21の上面と軸22の接触部位は、キャンバーローリング構造とした。ディスク21の当接面21aは、PETよりなる先端フィルム24で保護するとよい。先端フィルム24は導電性がよいが、非導電性にすることも考えられる。参考として、図中に好ましい寸法(mm)を記入した。図中の寸法の±20%、特に±10%の範囲が好ましい。
【0019】
芯先23は、タッチパネルへの信号入力機能も併有し得る。芯先23はシリコンゴムなどの導電性弾性材料で形成するとよい。ボール継手等でもよい。
【0020】
本発明のタッチペン1によれば、タッチパネルの検出精度を顕著に向上させることができる。低スペックのタッチパネルであっても、学校の授業等での使用に十分な検出精度を得ることができる。通常又は高スペックのタッチパネルに使用すれば、検出精度がさらに向上し得る。
【0021】
タッチペン1は、不使用時等にペン先20を保護するキャップ30を有するとよい。キャップ30は使用時等に胴部10の後端部12に取り付け可能とするとよい。
【0022】
上記実施形態に記載したタッチペン1やその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。本発明のタッチペンは、タッチパネルの種類/スペックにより限定されない。
【符号の説明】
【0023】
1・・・タッチペン
10・・・胴部
11・・・開口
12・・・後端部
20・・・ペン先
21・・・ディスク
21a・・・当接面
22・・・軸
23・・・芯先
23a,23b・・・大径部
24・・・先端フィルム
30・・・キャップ
図1
図2
図3
図4