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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072867
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】送風制御装置および送風制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20230518BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230518BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20230518BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20230518BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F11/46
F24F11/80
F24F11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185562
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】714006510
【氏名又は名称】株式会社マーベックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】向畠 香奈子
(72)【発明者】
【氏名】木戸 稔人
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB07
3L260BA03
3L260BA04
3L260BA07
3L260BA41
3L260BA61
3L260BA73
3L260CA12
3L260CA24
3L260CB62
3L260CB63
3L260FA02
3L260FA03
3L260FA07
3L260FB04
3L260FC04
(57)【要約】
【課題】多くの手間を要することなく、対象部屋の室温を適切に調整することができる送風制御装置および送風制御方法を提供する。
【解決手段】送風制御装置は、対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御する制御部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御する制御部とを備える、送風制御装置。
【請求項2】
前記送風機は複数設けられ、
前記第2センサは、複数の送風機にそれぞれ対応して複数設けられ、
前記制御部は、制御対象である前記送風機に対応する前記第2センサにより得られた前記第2計測結果に基づいて、対応の前記送風機の風量を制御する、請求項1に記載の送風制御装置。
【請求項3】
前記非居住空間は床下である、請求項1または請求項2に記載の送風制御装置。
【請求項4】
前記送風機は複数設けられ、
前記制御部は、換気装置から前記非居住空間へ供給される空気の供給量と、複数の前記送風機の風量の合計値との比較結果に基づいて、各前記送風機の風量を補正する、請求項1から請求項3のいずれか1稿に記載の送風制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記第1計測結果に基づいて、前記非居住空間の温度を調整するエアコンの運転モードを選択する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の送風制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2計測結果と、前記対象部屋の温度の前記目標値とに基づいて、前記非居住空間の温度を調整するエアコンのパワーおよび風量の少なくともいずれか一方を制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送風制御装置。
【請求項7】
送風制御装置における送風制御方法であって、
対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得するステップと、
取得した前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御するステップとを含む、送風制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風制御装置および送風制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室内の温度が適温となるように、送風機の風量を制御する技術が開発されている。たとえば、特許文献1(特開2021-55927号公報)には、送風機の制御システムが、ファンと、ファンを駆動するモータと、第1室内温度を検出する温度センサと、室内の空調を行う室内機から、室内機で検出された第2室内温度および室内機に設定されている目標温度の少なくともいずれかを取得する取得部と、第1室内温度と、取得部で取得された第2室内温度および目標温度の少なくともいずれかとに基づいて、モータを制御する制御装置とを備える、送風機の制御システムが開示されている。すなわち、特許文献1に記載の制御システムでは、送風機を運転させることにより、室内の空気を攪拌(かくはん)させて、室内の温度を調整している。
【0003】
また、非特許文献1(“戸建住宅向け全館空調システムにVAV制御を搭載 部屋ごとの温度設定、大幅な省エネが可能に”、[online]、[令和3年10月13日検索]、インターネット<URL:https://www.azbil.com/jp/news/161108.html>)には、複数の部屋へダクトを介して空気を供給することにより、複数の部屋の温度をまとめて調整する全館空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-55927号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“戸建住宅向け全館空調システムにVAV制御を搭載 部屋ごとの温度設定、大幅な省エネが可能に”、[online]、[令和3年10月13日検索]、インターネット<URL:https://www.azbil.com/jp/news/161108.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、各部屋を所望の温度に設定するためには、各部屋に設置されたコントローラを操作して部屋ごとの設定を行う必要があり、多くの手間を要する。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、多くの手間を要することなく、対象部屋の室温を適切に調整することができる送風制御装置および送風制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる送風制御装置は、対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御する制御部とを備える。
【0009】
このような構成により、対象部屋の室温が目標値に近づくように、送風機の風量を適切に制御することができるため、多くの手間を要することなく、対象部屋の室温を適切に調整することができる。また、非居住空間から対象部屋へ供給される空気の温度の計測結果を用いた制御を行う構成により、対象部屋の室温をより正確に調整することができる。
【0010】
また、非特許文献1に記載のように、複数の部屋へダクトを介して空気を供給するシステムでは、ダクト内において、結露によるカビの発生等が生じる可能性がある。これに対して、ダクトと比較して広い領域を有する非居住空間の空気を対象部屋へ供給する構成により、メンテナンス性を高めることができる。
【0011】
(2)好ましくは、前記送風機は複数設けられ、前記第2センサは、複数の送風機にそれぞれ対応して複数設けられ、前記制御部は、制御対象である前記送風機に対応する前記第2センサにより得られた前記第2計測結果に基づいて、対応の前記送風機の風量を制御する。
【0012】
このような構成により、たとえば、非居住空間内の複数の箇所における温度が互いに異なる場合であっても、各送風機により供給される空気の温度を把握したうえで、各送風機の風量を適切に制御することができる。
【0013】
(3)好ましくは、前記非居住空間は床下である。
【0014】
このような構成により、たとえば、送風機および第2センサを床下に設ける場合、送風機および第2センサの施工および管理等が行いやすく、かつ床下の広い空間を有効に利用することができる。
【0015】
(4)好ましくは、前記送風機は複数設けられ、前記制御部は、換気装置から前記非居住空間へ供給される空気の供給量と、複数の前記送風機の風量の合計値との比較結果に基づいて、各前記送風機の風量を補正する。
【0016】
このような構成により、たとえば、各送風機により非居住空間から対象部屋へ供給される空気の合計値が、換気装置から非居住空間へ供給される空気の供給量を超えないように、各送風機の風量を適切な値に補正することができる。
【0017】
(5)好ましくは、前記制御部は、さらに、前記第1計測結果に基づいて、前記非居住空間の温度を調整するエアコンの運転モードを選択する。
【0018】
このような構成により、たとえば、エアコンを冷房運転、暖房運転または送風運転で動作させることにより、非居住空間から対象部屋へ供給される空気の温度を調整して、対象部屋の室温を効率よく調整することができる。
【0019】
(6)好ましくは、前記制御部は、前記第2計測結果と、前記対象部屋の温度の前記目標値とに基づいて、前記非居住空間の温度を調整するエアコンのパワーおよび風量の少なくともいずれか一方を制御する。
【0020】
このような構成により、たとえば、エアコンのパワーおよび風量を上げて、エアコンによる非居住空間の温度調整が効果的に行われるように調整したり、エアコンのパワーおよび風量を下げて、エアコンによる不要な電力消費を抑えたりすることができる。
【0021】
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる送風制御方法は、送風制御装置における送風制御方法であって、対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得するステップと、取得した前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御するステップとを含む。
【0022】
このような方法により、対象部屋の室温が目標値に近づくように、送風機の風量を適切に制御することができるため、多くの手間を要することなく、対象部屋の室温を適切に調整することができる。また、非居住空間から対象部屋へ供給される空気の温度の計測結果を用いた制御を行う方法により、対象部屋の室温をより正確に調整することができる。
【0023】
また、非特許文献1に記載のように、複数の部屋へダクトを介して空気を供給するシステムでは、ダクト内において、結露によるカビの発生等が生じる可能性がある。これに対して、ダクトと比較して広い領域を有する非居住空間の空気を対象部屋へ供給する方法により、メンテナンス性を高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、多くの手間を要することなく、対象部屋の室温を適切に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る送風システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X1の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X2の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X3の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X4の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X5の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X6の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置の動作の全体の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、送風機の風量を決定する際の動作の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、換気装置の風量および送風機の風量を補正する際の動作の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例1)を示すフローチャートである。
図13図13は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例2)を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例3)を示すフローチャートである。
図15図15は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンのパワーおよび風量を決定する際の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0027】
<構成および基本動作>
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る送風システムの構成を示す図である。
【0028】
図1を参照して、送風システム201は、たとえば住宅などの建物における対象部屋である部屋Rに設けられる1または複数のセンサ151と、非居住空間に設けられる1または複数のセンサ152と、非居住空間から部屋Rへ空気を供給する1または複数の送風機10と、送風制御装置101と、エアコン121と、換気装置131とを備える。非居住空間は、建物の床下または天井などである。
【0029】
図1では、一例として、建物に含まれる5つの部屋Rである部屋R1~R5と、5つの部屋R1~R5にそれぞれ設けられる5つのセンサ151A~151Eと、床下に設けられる5つのセンサ152A~152Eと、5つのセンサ152A~152Eにそれぞれ対応する5つの送風機10A~10Eとを示している。
【0030】
なお、1つの部屋Rに1つの送風機10が設けられている構成に限定されず、たとえば、1つの部屋Rに複数の送風機10が設けられてもよい。
【0031】
また、各部屋Rには、給気口Msと、排気口Meとが設けられている。給気口Msおよび排気口Meは、たとえば、送風システム201の製造者により施工される。図1では、一例として、各部屋Rの給気口Msは床に設けられ、床下と部屋Rとを連結する。
【0032】
各センサ151は、自己が設けられた部屋Rの室温Trを計測し、計測結果を示す室温情報を無線通信または有線通信によって送風制御装置101へ送信する。より詳細には、各センサ151は、たとえば、自己の識別情報、および対応する部屋Rの室温Trの計測結果を示す室温情報を、無線通信または有線通信によって定期的または不定期に送風制御装置101へ送信する。
【0033】
各送風機10は、たとえば、ファンであり、送風用の羽根を含む。図1に示す例では、送風機10A~10Eは、それぞれ、部屋R1~R5の給気口Ms付近に設けられている。各送風機10は、自己の羽根を回転させることにより、床下の空気を給気口Ms経由で対応する部屋Rへ供給する。各部屋Rにおいては、給気口Msからの空気が流入した場合、排気口Meを経由して当該部屋Rの空気が排気される。
【0034】
各センサ152は、対応する送風機10付近に設けられ、送風機10により床下から部屋Rへ供給される空気の温度(以下、「供給温度Ts」と称する。)を計測し、計測結果を示す供給温度情報を無線通信または有線通信によって送風制御装置101へ送信する。より詳細には、各センサ152は、たとえば、自己の識別情報、および供給温度Tsの計測結果を示す供給温度情報を、無線通信または有線通信によって定期的または不定期に送風制御装置101へ送信する。
【0035】
なお、図1に示す例では、送風制御装置101は、建物内に設けられているが、建物外に設けられてもよい。この場合、各センサ151は、たとえばインターネット等の外部ネットワークを介して室温情報を送風制御装置101へ送信する。また、この場合、各センサ152は、たとえば外部ネットワークを介して供給温度情報を送風制御装置101へ送信する。
【0036】
エアコン121は、非居住空間の温度を調整する。より詳細には、エアコン121は、たとえば、部屋R1に設けられ、部屋R1の床に設けられた供給口Maを介して床下へ空気を供給する。これにより、床下の空気の温度が、エアコン121により調整される。
【0037】
換気装置131は、建物外の空気を建物内へ供給する。より詳細には、たとえば、建物外と、建物の床下とを連結する換気口Mbが設けられている。換気装置131は、たとえばファンを含み、当該ファンの羽根を回転させることにより風力を生じさせて、建物外の空気を換気口Mb経由で建物の床下へ供給する。
【0038】
なお、換気装置131は、建物外からの空気の温度を調整し、調整後の空気を建物内へ供給する熱交換機であってもよい。
【0039】
送風制御装置101は、センサ151から送信された室温情報、およびセンサ152から送信された供給温度情報を受信し、受信した室温情報および供給温度情報に基づいて、送風機10の風量Vaを制御する。
【0040】
[送風制御装置の構成]
図2は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置の構成を示す図である。
【0041】
図2を参照して、送風制御装置101は、取得部51と、制御部52と、記憶部53とを備える。制御部52は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサにより実現される。記憶部53は、たとえば不揮発性メモリである。
【0042】
取得部51は、各センサ151から送信された室温情報を受信し、受信した室温情報を記憶部53に保存する。たとえば、取得部51は、室温情報の示す識別情報を確認して、新たに受信した室温情報の送信元と同一であるセンサ151からの室温情報が既に記憶部53に保存されている場合、保存されている室温情報を破棄して、新たに受信した室温情報を記憶部53に保存する。
【0043】
また、取得部51は、各センサ152から送信された供給温度情報を受信し、受信した供給温度情報を記憶部53に保存する。たとえば、取得部51は、供給温度情報の示す識別情報を確認して、新たに受信した供給温度情報の送信元と同一であるセンサ152からの供給温度情報が既に記憶部53に保存されている場合、保存されている供給温度情報を破棄して、新たに受信した供給温度情報を記憶部53に保存する。
【0044】
記憶部53には、各部屋Rの温度の目標値(以下、「目標温度Tt」と称する。)が、たとえばユーザにより予め登録されている。
【0045】
制御部52は、記憶部53に保存された、室温情報の示す室温Tr、供給温度情報の示す供給温度Ts、および目標温度Ttに基づいて、送風機10の風量Va、換気装置131の風量Vb、ならびにエアコン121のパワーおよび風量Vcを制御する。
【0046】
(a)送風機の風量の制御の詳細
(a-1)送風機を運転させるか否かの決定
図3は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X1の一例を示す図である。
【0047】
図3を参照して、記憶部53には、たとえば、部屋Rの室温Tr、床下から当該部屋Rへ供給される空気の供給温度Ts、および当該部屋Rの目標温度Ttの大小関係と、床下の空気を当該部屋Rへ供給する送風機10の動作との対応関係を示す対応表X1が保存されている。
【0048】
制御部52は、記憶部53に保存されている対応表X1を参照して、部屋Rごとに、室温Tr、供給温度Tsおよび目標温度Ttの大小関係に基づいて、送風機10を運転させるか否かを決定する。
【0049】
たとえば、室温Trと、供給温度Tsと、目標温度Ttとの大小関係が、対応表X1における「No.1」の関係、すなわち「Ts<Tt<Tr」であるとする。この場合、制御部52は、室温Trよりも低い供給温度Tsの床下の空気を部屋Rへ供給して室温Trを下げるために、送風機10を運転させることを決定する。
【0050】
また、たとえば、室温Trと、供給温度Tsと、目標温度Ttとの大小関係が、対応表X1における「No.2」の関係、すなわち「Ts<Tt≒Tr」であるとする。この場合、制御部52は、室温Trが目標温度Ttと同一または略同一であるため、室温Trよりも低い供給温度Tsの床下の空気を部屋Rへ供給する必要がなく、送風機10を停止させることを決定する。なお、制御部52は、送風機10を停止させることを決定する代わりに、送風機10の風量Vaを微風にすることを決定してもよい。
【0051】
また、たとえば、室温Trと、供給温度Tsと、目標温度Ttとの大小関係が、対応表X1における「No.17」の関係、すなわち「Tr<Ts<Tt」であるとする。この場合、制御部52は、室温Trよりも高い供給温度Tsの床下の空気を部屋Rへ供給して室温Trを上げるために、送風機10を運転させることを決定する。
【0052】
(a-2)送風機の風量の決定
制御部52は、送風機10を運転させることを決定した場合、室温Trと目標温度Ttとの差の絶対値である差Dt(=|Tr-Tt|)を算出する。
【0053】
なお、制御部52は、送風機10を運転させることを決定した場合であり、かつ供給温度Tsが室温Trと目標温度Ttとの間の値である場合、供給温度Tsと室温Trとの差の絶対値(|Ts-Tr|)を差Dtとして算出してもよい。
【0054】
図4は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X2の一例を示す図である。図5は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X3の一例を示す図である。
【0055】
図4を参照して、記憶部53には、たとえば、差Dtと、送風機10の風量レベルF1~F5との対応関係を示す対応表X2が保存されている。
【0056】
図5を参照して、記憶部53には、たとえば、風量レベルF0~F5と、送風機10の風量Vaと、送風機10における羽根を回転させるためのモータの回転数との対応関係を示す対応表X3が保存されている。風量レベルF0~F5は、風量Va=0m^3/h,20m^3/h,40m^3/h,60m^3/h,80m^3/h,100m^3/hにそれぞれ対応している。また、風量レベルF0~F5は、モータの回転数0rpm,120rpm,210rpm,300rpm,400rpm,500rpmにそれぞれ対応している。なお、演算子「^」は、べき乗を表す。
【0057】
制御部52は、算出した差Dtが1℃未満である場合(Dt<1℃)、送風機10の風量レベルとして「F1」を決定し、当該送風機10の風量Vaが風量レベルF1に対応する20m^3/hとなるように、モータの回転数を120rpmに決定する。
【0058】
また、制御部52は、たとえば、差Dtが1℃以上であり、かつ2℃未満である場合(1℃≦Dt<2℃)、送風機10の風量レベルとして「F2」を決定し、当該送風機10の風量Vaが風量レベルF2に対応する40m^3/hとなるように、モータの回転数を210rpmに決定する。
【0059】
また、制御部52は、たとえば、差Dtが2℃以上であり、かつ3℃未満である場合(2℃≦Dt<3℃)、送風機10の風量レベルとして「F3」を決定し、当該送風機10の風量Vaが風量レベルF3に対応する60m^3/hとなるように、モータの回転数を300rpmに決定する。
【0060】
また、制御部52は、たとえば、差Dtが3℃以上であり、かつ4℃未満である場合(3℃≦Dt<4℃)、送風機10の風量レベルとして「F4」を決定し、当該送風機10の風量Vaが風量レベルF4に対応する80m^3/hとなるように、モータの回転数を400rpmに決定する。
【0061】
また、制御部52は、たとえば、差Dtが4℃以上である場合(4℃≦Dt)、送風機10の風量レベルとして「F5」を決定し、当該送風機10の風量Vaが風量レベルF5に対応する100m^3/hとなるように、モータの回転数を500rpmに決定する。
【0062】
なお、冬季において、部屋Rへ床下の温かい空気を供給し、当該部屋Rの室温Trを高めて目標温度Ttに近づける場合、送風機10の風量Vaを上げることにより、当該部屋Rにいるユーザが寒さを感じる可能性がある。このため、制御部52は、冬季においては、たとえば、風量レベルを「F0」~「F3」までとして、差Dtが3℃以上であっても、風量レベルを「F3」に決定する構成であってもよい。
【0063】
(b)送風機の風量および換気装置の風量の補正および制御
制御部52は、上記のように、部屋Rごとに対応する送風機10の風量Vaを決定した後、床下から各部屋Rへ供給される空気の合計値として、各送風機10の風量Vaの合計値FVaを算出する。そして、制御部52は、算出した合計値FVaと、換気装置131の風量Vbとを比較し、比較結果に基づいて、各送風機10の風量Vaおよび換気装置131の風量Vbを補正する。
【0064】
すなわち、制御部52は、各送風機10の風量Vaの合計値FVaが、換気装置131から床下への空気の供給量を超えないように、各送風機10の風量Vaおよび換気装置131の風量Vbを補正する。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X4の一例を示す図である。
【0066】
より詳細には、図6を参照して、記憶部53には、たとえば、換気装置131の風量レベルK0~K6と、換気装置131の風量Vbと、換気装置131におけるファンの羽根を回転させるためのモータの回転数との対応関係を示す対応表X4が保存されている。
【0067】
風量レベルK0~K6は、風量Vb=0m^3/h,40m^3/h,80m^3/h,120m^3/h,160m^3/h,200m^3/h,240m^3/hにそれぞれ対応している。また、風量レベルK0~K6は、モータの回転数0rpm,300rpm,570rpm,800rpm,1070rpm,1330rpm,1600rpmにそれぞれ対応している。
【0068】
また、記憶部53には、たとえば、換気装置131の風量Vbの初期値Vb0が予め登録されている。換気装置131は、たとえば、制御部52による風量Vbの補正が行われていない初期状態において、風量Vb=Vb0となるように動作している。
【0069】
制御部52は、算出した合計値FVaが換気装置131の現在の風量Vb以上である場合(FVa≧Vb)、換気装置131の風量Vbを第1所定値大きくする補正を行う。たとえば、第1所定値は40m^3/hであり、制御部52は、換気装置131の風量レベルを1つ上げる。
【0070】
具体的には、換気装置131の初期状態において、風量Vb=Vb0=160m^3/hであり、風量レベルは「K4」であるとする。制御部52は、合計値FVaと風量Vbとの関係が上述した「FVa≧Vb」である場合、換気装置131の風量レベルを1つ上げて「K5」に決定し、換気装置131の風量Vbが風量レベルK5に対応する200m^3/hとなるように、モータの回転数を1330rpmに決定する。
【0071】
また、合計値FVaと風量Vbとの関係が「FVa≧Vb」であり、かつ現在の換気装置131の風量レベルが最高レベルである「K6」、すなわち風量Vb=240m^3/hであるとする。この場合、制御部52は、送風機10の風量Vaを補正する。
【0072】
具体的には、制御部52は、たとえば、送風機10A~10Eにそれぞれ対応する風量Va1~Va5のうち、風量Va1,Va2,Va3,Va4,Va5の順で優先的に第2所定値ずつ小さくする補正を行う。第2所定値は、たとえば20m^3/hである。
【0073】
すなわち、制御部52は、風量Va1を20m^3/h小さくする補正を行い、図5に示す対応表X3を参照して、送風機10Aの風量Va1が補正後の値となるように、モータの回転数を決定する。
【0074】
そして、制御部52は、合計値FVaを再び算出し、新たに算出した合計値FVaと風量Vbとを比較し、合計値FVaと風量Vbとの関係が依然として「FVa≧Vb」である場合、送風機10Bの風量Va2の値を20m^3/h小さくする補正を行う。そして、制御部52は、送風機10Bの風量Va2が補正後の値となるように、モータの回転数を決定する。
【0075】
そして、制御部52は、合計値FVaと風量Vbとの関係が「Vb>FVa」になるまで、上記のような処理を繰り返し、各送風機10の風量Vaおよび換気装置131の風量Vbを決定する。
【0076】
また、制御部52は、決定した換気装置131のモータの回転数を示す制御情報を、無線通信または有線通信によって換気装置131へ送信する。
【0077】
また、制御部52は、決定した送風機10のモータの回転数を示す制御情報を、無線通信または有線通信によって、対応する送風機10へ送信する。
【0078】
また、制御部52は、上述したとおり、送風機10を停止させることを決定した場合、運転停止を指示する制御情報を、無線通信または有線通信によって、対応する送風機10へ送信する。
【0079】
また、制御部52は、上述したとおり、送風機10の風量Vaを微風にすることを決定した場合、たとえば、モータの回転数を120rpmよりも小さい値にすることを指示する制御情報を、無線通信または有線通信によって、対応する送風機10へ送信する。
【0080】
(c)エアコンの制御の詳細
(c-1)運転モードの選択
制御部52は、各部屋Rの室温Trに基づいて、エアコン121の運転モードを選択する。より詳細には、制御部52は、各部屋Rの室温Trに基づいて、エアコン121の冷房運転、暖房運転、送風運転、または運転停止を選択する。
【0081】
(c-1-1)例1
制御部52は、たとえば、複数の部屋Rのうち、差(Tr-Tt)が1℃よりも大きい部屋Rの数と、差(Tr-Tt)が-1℃以上かつ1℃未満である部屋Rの数と、差(Tr-Tt)が-1℃よりも小さい部屋Rの数とを比較する。
【0082】
そして、制御部52は、複数の部屋Rのうち、室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)が1℃よりも大きい部屋Rが最も多い場合、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する。
【0083】
また、制御部52は、複数の部屋Rのうち、差(Tr-Tt)が、-1℃以上かつ1℃未満である部屋Rが最も多い場合、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する。
【0084】
また、制御部52は、複数の部屋Rのうち、差(Tr-Tt)が-1℃よりも小さい部屋Rが最も多い場合、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する。
【0085】
そして、制御部52は、選択した運転モードで動作することを指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0086】
なお、制御部52は、エアコン121が、選択された運転モードで既に動作している場合には、制御情報の送信を行わなくてもよい。
【0087】
(c-1-2)例2
制御部52は、各部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)の平均値Ave(Tr-Tt)を算出し、算出した平均値Ave(Tr-Tt)を用いて、エアコン121の運転モードを選択してもよい。
【0088】
たとえば、制御部52は、平均値Ave(Tr-Tt)が1℃よりも大きい場合、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する。
【0089】
また、制御部52は、平均値Ave(Tr-Tt)が、-1℃以上かつ1℃以下である場合、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する。
【0090】
また、制御部52は、平均値Ave(Tr-Tt)が-1℃よりも小さい場合、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する。
【0091】
(c-1-3)例3
制御部52は、各部屋Rの室温Trの平均値AveTrを算出し、算出した平均値AveTtと外気温Toutとを比較することにより、エアコン121の運転モードを選択してもよい。
【0092】
より詳細には、取得部51は、たとえば、図示しない温度センサにより計測された外気温Toutの計測結果を示す外気温情報を受信し、受信した外気温情報を制御部52へ出力する。
【0093】
制御部52は、各部屋Rの室温Trの平均値AveTrと、取得部51から受けた外気温情報の示す外気温Toutとの差Tu(=Tout-AveTr)が1℃よりも大きい場合、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する。
【0094】
また、制御部52は、差Tuが-1℃以上かつ1℃以下である場合、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する。
【0095】
また、制御部52は、差Tuが-1℃よりも小さい場合、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する。
【0096】
(c-2)エアコンのパワーおよび風量の制御
制御部52は、各部屋Rの供給温度Tsおよび目標温度Ttに基づいて、エアコン121の冷暖房の能力であるパワーおよび風量の少なくともいずれか一方を決定し、決定したパワーおよび風量で動作するようにエアコン121を制御する。
【0097】
図7は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X5の一例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置における記憶部に保存されている対応表X6の一例を示す図である。
【0098】
図7を参照して、記憶部53には、たとえば、エアコン121のパワーレベルと、最大能力に対する割合をパーセント表示したパワーとの対応関係を示す対応表X5が保存されている。パワーレベルは、たとえば、「Off」「弱」「中」「強」「Full」を含み、パワー0%,25%,50%,75%,100%にそれぞれ対応している。
【0099】
図8を参照して、また、記憶部53には、たとえば、エアコン121の風量レベルと、風量Vcとの対応関係を示す対応表X5が保存されている。風量レベルは、たとえば、「切」「静」「弱」「中」「強」を含み、風量Vc=0m^3/h,5m^3/h,10m^3/h,20m^3/h,40m^3/hにそれぞれ対応している。
【0100】
たとえば、制御部52は、部屋Rごとに、供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値Ds(=|Ts-Tt|)を算出する。そして、制御部52は、算出した部屋Rごとの絶対値Dsのうちの最小値MinDsが2℃よりも小さい場合、エアコン121による床下の温度調整が効果的に行われるように、エアコン121のパワーレベルとして「Full」を決定し、エアコン121の風量レベルとして「強」を決定する。
【0101】
そして、制御部52は、対応表X5,X6を参照して、エアコン121のパワーが、パワーレベル「Full」に対応する100%となり、エアコン121の風量Vcが、風量レベル「強」に対応する40m^3/hとなるように指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0102】
また、制御部52は、たとえば、最小値MinDsが2℃以上かつ3℃未満である場合、エアコン121のパワーレベルとして「強」を決定し、エアコン121の風量レベルとして「中」を決定する。
【0103】
そして、制御部52は、対応表X5,X6を参照して、エアコン121のパワーが、パワーレベル「強」に対応する75%となり、エアコン121の風量Vcが、風量レベル「中」に対応する20m^3/hとなるように指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0104】
また、制御部52は、たとえば、最小値MinDsが3℃以上かつ4℃未満である場合、エアコン121のパワーレベルとして「中」を決定し、エアコン121の風量レベルとして「弱」を決定する。
【0105】
そして、制御部52は、対応表X5,X6を参照して、エアコン121のパワーが、パワーレベル「中」に対応する50%となり、エアコン121の風量Vcが、風量レベル「弱」に対応する10m^3/hとなるように指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0106】
また、制御部52は、最小値MinDsが4℃以上かつ5℃未満である場合、エアコン121のパワーレベルとして「弱」を決定し、エアコン121の風量レベルとして「静」を決定する。
【0107】
そして、制御部52は、対応表X5,X6を参照して、エアコン121のパワーが、パワーレベル「弱」に対応する25%となり、エアコン121の風量Vcが、風量レベル「静」に対応する5m^3/hとなるように指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0108】
また、制御部52は、最小値MinDsが5℃以上である場合、エアコン121のパワーレベルとして「Off」を決定し、エアコン121の風量レベルとして「切」を決定する。
【0109】
そして、制御部52は、対応表X5,X6を参照して、エアコン121のパワーが、パワーレベル「Off」に対応する0%となり、エアコン121の風量Vcが、風量レベル「切」に対応する0m^3/hとなるように指示する制御情報を、無線通信または有線通信によってエアコン121へ送信する。
【0110】
なお、制御部52は、エアコン121のパワーおよび風量Vcの両方を制御する構成に限らず、たとえば、エアコン121の風量Vcの制御を行わない構成であってもよい。
【0111】
また、制御部52は、エアコン121から床下へ供給される空気量、および換気装置131から床下へ供給される空気量の合計値と、床下から各部屋Rへ供給される空気の合計値とのバランスをとるために、たとえば、エアコン121の風量Vcに応じて、換気装置131の風量Vbを下げる補正を行ってもよい。
【0112】
また、制御部52は、換気装置131の風量Vbの制御を行わない構成であってもよい。この場合、送風システム201は、換気装置131を備えなくてもよい。
【0113】
また、この場合、エアコン121のパワーおよび風量Vcの制御を行わない構成であってもよい。この場合、送風システム201は、エアコン121を備えなくてもよい。
【0114】
<動作の流れ>
本発明の実施の形態に係る送風制御装置は、記憶部を含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該記憶部から読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0115】
[全体の流れ]
図9は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置の動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【0116】
図9を参照して、まず、たとえば、ユーザは、各部屋Rの目標温度Tt、および換気装置131の風量Vbの初期値Vb0を送風制御装置101に登録する。ユーザにより登録された各部屋Rの目標温度Tt、および換気装置131の風量Vbの初期値Vb0は、記憶部53に保存される(ステップS11)。
【0117】
次に、取得部51は、各センサ151から送信された室温情報を受信し、受信した室温情報を記憶部53に保存する。取得部51は、室温情報を受信するたびに、記憶部53に保存されている室温情報を更新する。
【0118】
また、取得部51は、各センサ152から送信された供給温度情報を受信し、受信した供給温度情報を記憶部53に保存する。取得部51は、供給温度情報を受信するたびに、記憶部53に保存されている供給温度情報を更新する(ステップS12)。
【0119】
次に、制御部52は、記憶部53に保存されている、室温情報の示す室温Tr、供給温度情報の示す供給温度Ts、および各部屋Rの目標温度Ttに基づいて、複数の送風機10の風量Vaを決定する(ステップS13)。
【0120】
次に、制御部52は、換気装置131の現在の風量Vbと、ステップS13において決定した各送風機10の風量Vaとに基づいて、換気装置131の風量Vbおよび各送風機10の風量Vaを補正する。
【0121】
そして、制御部52は、補正後の風量Vaで動作するように、各送風機10へ制御情報を無線通信または有線通信によって送信する。また、制御部52は、補正後の風量Vbで動作するように、換気装置131へ制御情報を無線通信または有線通信によって送信する(ステップS14)。
【0122】
次に、制御部52は、エアコン121の動作を制御可能であるか否かを確認する(ステップS15)。
【0123】
次に、制御部52は、エアコン121の動作を制御可能である場合(ステップS15において「YES」)、ステップS12において取得した各部屋Rの室温Trに基づいて、エアコン121の運転モードを選択する(ステップS16)。
【0124】
次に、制御部52は、ステップS12において取得した各部屋Rの供給温度Tsおよび目標温度Ttに基づいて、エアコン121のパワーおよび風量Vcを決定する。そして、制御部52は、決定した動作内容でエアコン121が動作するように、エアコン121へ制御情報を無線通信または有線通信によって送信する(ステップS17)。
【0125】
次に、制御部52は、たとえば、換気装置131へ制御情報を送信してから所定時間が経過した後、換気装置131の風量Vbが、記憶部53に保存されている初期値Vb0に戻るように、換気装置131へ制御情報を無線通信または有線通信によって送信する(ステップS18)。そして、送風制御装置101は、ステップS13以降の動作を再び行う。
【0126】
また、制御部52は、エアコン121の動作を制御可能ではない場合(ステップS15において「NO」)、エアコン121の運転モードの選択(ステップS16)、ならびにエアコン121のパワーおよび風量Vcの決定および制御(ステップS17)を行うことなく、ステップS18の動作を行う。
【0127】
[送風機の風量の決定動作]
図10は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、送風機の風量を決定する際の動作の流れを示すフローチャートである。図10は、図9に示すステップS13の動作の詳細を示している。
【0128】
図10を参照して、まず、制御部52は、たとえば、図示しないカウンタのカウント値nをリセットする(ステップS21)。
【0129】
次に、制御部52は、カウント値nをインクリメントし(ステップS22)、カウント値nに対応する部屋Rnの室温Tr、供給温度Tsおよび目標温度Ttを記憶部53から取得する。
【0130】
すなわち、部屋R1~R5は、それぞれカウント値n=1~5に対応する。たとえば、制御部52は、カウント値n=1である場合、部屋R1の室温Tr、供給温度Tsおよび目標温度Ttを記憶部53から取得する。また、たとえば、制御部52は、カウント値n=2である場合、部屋R2の室温Tr、供給温度Tsおよび目標温度Ttを記憶部53から取得する(ステップS23)。
【0131】
次に、制御部52は、取得した室温Tr、供給温度Tsおよび目標温度Ttに基づいて、カウント値nに対応する送風機10、すなわちカウント値nに対応する部屋Rに対応する送風機10を運転させるか否かを決定する。
【0132】
より詳細には、制御部52は、上述のとおり、図3に示す対応表X1を参照して、室温Trと、供給温度Tsと、目標温度Ttとの大小関係を確認し、当該大小関係に基づいて、対応する送風機10を運転させるか否かを決定する(ステップS24)。
【0133】
次に、制御部52は、カウント値nに対応する部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差の絶対値である差Dtを算出し、図4に示す対応表X2を参照して、上述のとおり、算出した差Dtに基づいて、対応する送風機10の風量レベルを決定する。そして、制御部52は、図5に示す対応表X3を参照して、上述のとおり、決定した風量レベルに対応する風量Vaおよびモータの回転数を決定する(ステップS25)。
【0134】
次に、制御部52は、すべての送風機10に対して風量Vaを決定したか否か、すなわちカウント値nが部屋Rの数Zと等しいか否かを確認する(ステップS26)。
【0135】
そして、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Z未満である場合(ステップS26において「NO」)、ステップS22以降の動作を再び行う。
【0136】
一方、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しい場合(ステップS26において「YES」)、図9に示すステップS14以降の動作を行う。
【0137】
[換気装置の風量および送風機の風量の補正動作]
図11は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、換気装置の風量および送風機の風量を補正する際の動作の流れを示すフローチャートである。図11は、図9に示すステップS14の動作の詳細を示している。
【0138】
図11を参照して、まず、制御部52は、たとえば、換気装置131に対して現在の風量Vbの通知を要求する。換気装置131は、送風制御装置101からの当該要求に応じて、現在の風量Vbを示す風量情報を送風制御装置101へ送信する。
【0139】
送風制御装置101における取得部51は、換気装置131から送信された風量情報を受信し、受信した風量情報を制御部52へ出力する。これにより、制御部52は、換気装置131の現在の風量Vbを取得する(ステップS31)。
【0140】
次に、制御部52は、図10に示すステップS25において決定した各送風機10の風量Vaの合計値FVaを算出する(ステップS32)。
【0141】
次に、制御部52は、算出した合計値FVaが換気装置131の現在の風量Vb未満であるか否かを確認する(ステップS33)。
【0142】
次に、制御部52は、合計値FVaが風量Vb以上である場合(Vb≦FVa)(ステップS33において「NO」)、たとえば図6に示す対応表X4を参照して、現在の風量Vbが、換気装置131の風量Vbの最大値であるか否かを確認する(ステップS34)。
【0143】
次に、制御部52は、現在の風量Vbが、換気装置131の風量Vbの最大値ではない場合(ステップS34において「NO」)、たとえば、換気装置131の風量Vbを40m^3/h大きくする補正を行う(ステップS35)。そして、制御部52は、ステップS31以降の動作を再び行う。
【0144】
一方、制御部52は、現在の風量Vbが、換気装置131の風量Vbの最大値である場合(ステップS34において「YES」)、たとえば、予め定められた優先順位に従って、複数の送風機10のうちのいずれか1つの送風機10の風量Vaを20m^3/h小さくする補正を行う。
【0145】
具体的には、制御部52は、たとえば、送風機10Aの風量Va1を補正していない場合、送風機10Aの風量Va1を20m^3/h小さくする補正を行う。また、制御部52は、送風機10Aの風量Va1を補正済であり、かつ送風機10Bの風量Va2を補正していない場合、送風機10Bの風量Va2を20m^3/h小さくする補正を行う。
【0146】
このように、制御部52は、送風機10A~10Eの順で優先的に風量Vaを補正する(ステップS36)。そして、制御部52は、ステップS31以降の動作を再び行う。
【0147】
また、制御部52は、合計値FVaが風量Vb未満である場合(Vb>FVa)(ステップS33において「YES」)、図9に示すステップS15以降の動作を行う。
【0148】
[エアコンの運転モードの選択]
(例1)
図12は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例1)を示すフローチャートである。図12は、図9に示すステップS16の動作の詳細の一例を示している。
【0149】
図12を参照して、まず、制御部52は、たとえば、図示しない4つのカウンタのそれぞれのカウント値n,C,H,Jをすべてリセットする(ステップS41)。
【0150】
次に、制御部52は、カウント値nをインクリメントし(ステップS42)、カウント値nに対応する部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)を算出する(ステップS43)。
【0151】
次に、制御部52は、算出した差(Tr-Tt)が1℃よりも大きいか否かを確認し(ステップS44)、差(Tr-Tt)が1℃よりも大きい場合(ステップS44において「YES」)、カウント値Cをインクリメントする(ステップS45)。
【0152】
一方、制御部52は、差(Tr-Tt)が1℃以下である場合(ステップS44において「NO」)、差(Tr-Tt)が-1℃未満であるか否かを確認する(ステップS46)。
【0153】
次に、制御部52は、差(Tr-Tt)が-1℃未満である場合(ステップS46において「YES」)、カウント値Hをインクリメントする(ステップS47)。
【0154】
一方、制御部52は、差(Tr-Tt)が-1℃以上である場合、すなわち差(Tr-Tt)が-1℃以上かつ1℃以下である場合(ステップS46において「NO」)、カウント値Jをインクリメントする(ステップS48)。
【0155】
次に、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しいか否かを確認する(ステップS49)。そして、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Z未満である場合(ステップS49において「NO」)、ステップS42以降の動作を再び行う。
【0156】
一方、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しい場合(ステップS49において「YES」)、カウント値C,H,Jのうちの最大であるカウント値を確認する(ステップS50)。
【0157】
そして、制御部52は、カウント値C,H,Jのうちカウント値Cが最大である場合(ステップS50において「C」)、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する(ステップS51)。
【0158】
また、制御部52は、カウント値C,H,Jのうちカウント値Jが最大である場合(ステップS50において「J」)、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する(ステップS52)。
【0159】
また、制御部52は、カウント値C,H,Jのうちカウント値Hが最大である場合(ステップS50において「H」)、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する(ステップS53)。そして、制御部52は、図9に示すステップS17以降の動作を行う。
【0160】
なお、制御部52は、カウント値C,H,Jのうちの少なくともいずれか2つが同じ値であり、かつ最大である場合、たとえば、カウント値J,C,Hの順で優先的に、最大のカウント値であるとしてエアコン121の運転モードを選択する。
【0161】
(例2)
図13は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例2)を示すフローチャートである。図13は、図9に示すステップS16の動作の詳細の一例を示している。
【0162】
制御部52は、後述するように、各部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)の合計値σ(Tr-Tt)を算出する。制御部52による合計値σ(Tr-Tt)の算出が1度も行われていない初期状態においては、たとえば合計値σ(Tr-Tt)としてゼロが記憶部53に保存されている。初期状態以外においては、制御部52により算出された合計値σ(Tr-Tt)が記憶部53に保存されている。
【0163】
図13を参照して、まず、制御部52は、たとえば、図示しないカウンタのカウント値nをリセットする。また、制御部52は、記憶部53に保存されている合計値σ(Tr-Tt)をゼロにする(ステップS61)。
【0164】
次に、制御部52は、カウント値nをインクリメントし(ステップS62)、カウント値nに対応する部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)を算出する(ステップS63)。
【0165】
次に、制御部52は、記憶部53に保存されている合計値σ(Tr-Tt)に、算出した差(Tr-Tt)を加算する(ステップS64)。
【0166】
次に、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しいか否かを確認する(ステップS65)。そして、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Z未満である場合(ステップS65において「NO」)、ステップS62以降の動作を再び行う。
【0167】
一方、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しい場合(ステップS65において「YES」)、合計値σ(Tr-Tt)を部屋Rの数Zで割ることにより、各部屋Rの室温Trと目標温度Ttとの差(Tr-Tt)の平均値Ave(Tr-Tt)を算出する(ステップS66)。
【0168】
次に、制御部52は、算出した平均値Ave(Tr-Tt)の大きさを確認して(ステップS67)、平均値Ave(Tr-Tt)が1℃よりも大きい場合(ステップS67において「1<Ave(Tr-Tt)」)、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する(ステップS68)。
【0169】
また、制御部52は、平均値Ave(Tr-Tt)が-1℃以上かつ1℃以下である場合(ステップS67において「-1≦Ave(Tr-Tt)≦1」)、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する(ステップS69)。
【0170】
また、制御部52は、平均値Ave(Tr-Tt)が-1℃よりも小さい場合(ステップS67において「Ave(Tr-Tt)<-1」)、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する(ステップS70)。そして、制御部52は、図9に示すステップS17以降の動作を行う。
【0171】
(例3)
図14は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンの運転モードを選択する際の動作の流れ(例3)を示すフローチャートである。図14は、図9に示すステップS16の動作の詳細の一例を示している。
【0172】
制御部52は、後述するように、各部屋Rの室温Trの合計値σTrを算出する。制御部52による合計値σTrの算出が1度も行われていない初期状態においては、たとえば合計値σTrとしてゼロが記憶部53に保存されている。初期状態以外においては、制御部52により算出された合計値σTrが記憶部53に保存されている。
【0173】
図14を参照して、まず、制御部52は、たとえば、図示しないカウンタのカウント値nをリセットする。また、制御部52は、記憶部53に保存されている合計値σTrをゼロにする(ステップS71)。
【0174】
次に、制御部52は、カウント値nをインクリメントし(ステップS72)、記憶部53に保存されている合計値σTrに、カウント値nに対応する部屋Rの室温Trを加算する(ステップS73)。
【0175】
次に、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しいか否かを確認する(ステップS74)。そして、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Z未満である場合(ステップS74において「NO」)、ステップS72以降の動作を再び行う。
【0176】
一方、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しい場合(ステップS74において「YES」)、合計値σTrを部屋Rの数Zで割ることにより、各部屋Rの室温Trの平均値AveTrを算出する(ステップS75)。
【0177】
次に、制御部52は、たとえば、建物外に設けられた図示しない温度センサに対して外気温Toutの計測結果を要求する。当該温度センサは、送風制御装置101からの当該要求に応じて、外気温Toutの計測結果を示す外気温情報を送風制御装置101へ送信する。
【0178】
送風制御装置101における取得部51は、当該温度センサから送信された外気温情報を受信し、受信した外気温情報を制御部52へ出力する。そして、制御部52は、取得部51から受けた外気温情報の示す外気温Toutと、ステップS75において算出した各部屋Rの室温Trの平均値AveTrとの差Tu(=Tout-AveTr)を算出する(ステップS76)。
【0179】
次に、制御部52は、算出した差Tuの大きさを確認して(ステップS77)、差Tuが1℃よりも大きい場合(ステップS77において「1<Tu」)、エアコン121の運転モードとして冷房運転を選択する(ステップS78)。
【0180】
また、制御部52は、差Tuが-1℃以上かつ1℃以下である場合(ステップS77において「-1≦Tu≦1」)、エアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択する(ステップS79)。
【0181】
また、制御部52は、差Tuが-1℃よりも小さい場合(ステップS77において「Tu<-1」)、エアコン121の運転モードとして暖房運転を選択する(ステップS80)。そして、制御部52は、図9に示すステップS17以降の動作を行う。
【0182】
[エアコンのパワーおよび風量の決定動作]
図15は、本発明の実施の形態に係る送風制御装置による、エアコンのパワーおよび風量を決定する際の動作の流れを示すフローチャートである。図15は、図9に示すステップS17の動作の詳細を示している。
【0183】
図15を参照して、まず、制御部52は、たとえば、図示しないカウンタのカウント値nをリセットする(ステップS91)。
【0184】
次に、制御部52は、カウント値nをインクリメントし(ステップS92)、図9に示すステップS16において決定したエアコン121の運転モードを確認する(ステップS93)。
【0185】
次に、制御部52は、ステップS16においてエアコン121の運転モードとして冷房運転を選択した場合(ステップS93において「冷」)、カウント値nに対応する部屋Rの供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値Ds(=|Ts-Tt|)を算出する。このとき、制御部52は、供給温度Tsが目標温度Ttよりも大きい場合(Ts>Tt)、絶対値Dsの算出結果をゼロにする(ステップS94)。
【0186】
また、制御部52は、ステップS16においてエアコン121の運転モードとして暖房運転を選択した場合(ステップS93において「暖」)、カウント値nに対応する部屋Rの供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値Dsを算出する。このとき、制御部52は、目標温度Ttが供給温度Tsよりも大きい場合(Tt>Ts)、絶対値Dsの算出結果をゼロにする(ステップS95)。
【0187】
次に、制御部52は、ステップS94またはステップS95において絶対値Dsを算出した後、カウント値nが部屋Rの数Zと等しいか否かを確認する(ステップS96)。そして、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Z未満である場合(ステップS96において「NO」)、ステップS92以降の動作を再び行う。
【0188】
一方、制御部52は、カウント値nが部屋Rの数Zと等しい場合(ステップS96において「YES」)、算出した部屋Rごとの絶対値Dsのうちの最小値MinDsを特定する(ステップS97)。
【0189】
次に、制御部52は、図7に示す対応表X5および図8に示す対応表X6を参照して、上述したとおり、特定した最小値MinDsに基づいてエアコン121のパワーレベルおよび風量Vcを決定する。
【0190】
すなわち、制御部52は、最小値MinDsが2℃よりも小さい場合、パワー100%および風量Vc=40m^3/hを決定する。また、制御部52は、最小値MinDsが2℃以上かつ3℃未満である場合、パワー75%および風量Vc=20m^3/hを決定する。また、制御部52は、最小値MinDsが3℃以上かつ4℃未満である場合、パワー50%および風量Vc=10m^3/hを決定する。
【0191】
また、制御部52は、最小値MinDsが4℃以上かつ5℃未満である場合、パワー25%および風量Vc=5m^3/hを決定する。また、制御部52は、最小値MinDsが5℃以上である場合、パワー0%および風量Vc=0m^3/hを決定する。そして、制御部52は、図9に示すステップS18以降の動作を行う。
【0192】
また、制御部52は、ステップS16においてエアコン121の運転モードとして送風運転または運転停止を選択した場合(ステップS93において「切」)、図9に示すステップS18以降の動作を行う。
【0193】
なお、本発明の実施の形態に係る送風制御装置101の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本発明の実施の形態に係る送風制御装置101が、複数のサーバによって構成されるクラウドサーバであってもよい。
【0194】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0195】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
対象部屋の室温を計測する第1センサの第1計測結果、および非居住空間から前記対象部屋へ供給される空気の温度を計測する第2センサの第2計測結果を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1計測結果および前記第2計測結果、ならびに前記対象部屋の温度の目標値に基づいて、前記非居住空間から前記対象部屋へ空気を供給する送風機の風量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1計測結果、前記第2計測結果および前記目標値の大小関係に基づいて、前記送風機を運転させるか否かを決定し、前記送風機を運転させることを決定した場合、前記第1計測結果と前記目標値との差、または前記第1計測結果と前記第2計測結果との差に基づいて、前記送風機の風量を決定する、送風制御装置。
【符号の説明】
【0196】
10,10A~10E 送風機
51 取得部
52 制御部
53 記憶部
101 送風制御装置
151,151A~151E センサ
152,152A~152E センサ
121 エアコン
131 換気装置
201 送風システム
R,R1~R5 部屋
Ma 供給口
Mb 換気口
Me 排気口
Ms 給気口
X1~X6 対応表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15