(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072870
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】坑道内の掘削物運搬システム
(51)【国際特許分類】
E21F 13/02 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
E21F13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185567
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平塚 啓悟
(72)【発明者】
【氏名】川合 一成
(72)【発明者】
【氏名】寺田 紳一
(72)【発明者】
【氏名】植竹 正明
(57)【要約】
【課題】屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【解決手段】坑道内の掘削物運搬システムは、坑道内を走行可能な第1車両と、前記第1車両の上部に支持され、前記第1車両の上下方向と交差する第1運搬方向に掘削物を運搬可能な第1コンベヤと、前記第1車両に対して揺動自在に連結された第2車両と、前記第2車両の上部に支持され、前記第2車両の上下方向と交差する第2運搬方向に前記掘削物を運搬可能な第2コンベヤと、前記第1コンベヤ及び前記第2コンベヤを相対的に移動可能な移動装置と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑道内を走行可能な第1車両と、
前記第1車両の上部に支持され、前記第1車両の上下方向と交差する第1運搬方向に掘削物を運搬可能な第1コンベヤと、
前記第1車両に対して揺動自在に連結された第2車両と、
前記第2車両の上部に支持され、前記第2車両の上下方向と交差する第2運搬方向に前記掘削物を運搬可能な第2コンベヤと、
前記第1コンベヤ及び前記第2コンベヤを相対的に移動可能な移動装置と、を備える
坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項2】
前記移動装置は、
前記第1コンベヤを前記第1コンベヤの長手方向に移動可能な第1長手移動機構と、
前記第2コンベヤを前記第2コンベヤの長手方向に移動可能な第2長手移動機構と、を備える
請求項1に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項3】
前記移動装置は、
前記第1コンベヤを前記第1車両の幅方向に移動可能な第1左右移動機構と、
前記第2コンベヤを前記第2車両の幅方向に移動可能な第2左右移動機構と、を備える
請求項1又は2に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項4】
前記第1車両の上下方向と直交する面と前記第1コンベヤが前記第1運搬方向に前記掘削物を運搬する運搬面とのなす第1傾斜角度は、前記第2車両の上下方向と直交する面と前記第2コンベヤが前記第2運搬方向に前記掘削物を運搬する運搬面とのなす第2傾斜角度と同じ角度である
請求項1から3の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項5】
前記第2コンベヤの前記第1車両側の上端は、前記第1コンベヤの前記第2車両側の下端よりも下側に配置される
請求項1から4の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項6】
前記移動装置は、
前記第1コンベヤを前記第1車両の上下方向に沿う第1軸線を中心として回転可能な第1回転機構と、
前記第2コンベヤを前記第2車両の上下方向に沿う第2軸線を中心として回転可能な第2回転機構と、を備える
請求項1から5の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項7】
前記移動装置は、
前記第1車両の上下方向と直交する方向に前記第1コンベヤを移動可能に前記第1車両と前記第1コンベヤとを連結する第1油圧シリンダと、
前記第2車両の上下方向と直交する方向に前記第2コンベヤを移動可能に前記第2車両と前記第2コンベヤとを連結する第2油圧シリンダと、を備える
請求項1から6の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項8】
前記第1車両及び前記第2車両は、積み込んだ前記掘削物を上側から均すことが可能なブレードを備える
請求項1から7の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項9】
前記第1車両の高さは、前記第2車両の高さよりも高い
請求項1から8の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項10】
前記第1コンベヤの前記第1運搬方向における最下流端は、前記第2コンベヤの前記第2運搬方向における最上流端よりも後側に配置される
請求項1から9の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項11】
前記第1車両及び前記第2車両は、前記第1車両及び前記第2車両の車輪を前記第1車両及び前記第2車両の上下方向と直交する方向に回転可能なボギー機構を備える
請求項1から10の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【請求項12】
前記第1車両及び前記第2車両の車輪を支持する軌条と、
前記軌条を境に区画され、鉛直方向において前記軌条の上端以上に配置される複数の覆工板と、を更に備える
請求項1から11の何れか一項に記載の坑道内の掘削物運搬システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、坑道内の掘削物運搬システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、岩盤掘削用のトンネル掘削機(TBM: Tunnel Boring Machine)における掘削ずりの排土方法として下記が開示されている。
(1)トンネル内に線路を敷設するとともに、この線路上を走行するずり搬送用トロッコにより排土を行う方法。
(2)トンネル内に線路を敷設するとともに、この線路上を走行するシャトルカーにより排土を行う方法。
(3)掘進に合わせて自動的に引出される連続ベルトコンベヤにより排土を行う方法。
上記のうち、連続ベルトコンベヤにより排土を行う方法は、特許文献2に開示されている。特許文献2には、トンネル掘削機の後方に敷設されたレール上に後続台車を連行させ、トンネル掘削機で掘削されたずりを、後続台車の上部に支持されたベルトコンベヤにより後続台車の後方側まで輸送する方法が開示されている。特許文献2では、ベルトコンベヤは、後続台車を超えて後方側まで延在して設けられている。ベルトコンベヤは、トンネル長手方向に沿って区間長さが可変自在とされる。後続台車からさらに後方に延在して設けられたベルトコンベヤの張出区間は、コンベヤ受け台車およびズリ鋼車により分担して支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-82100号公報
【特許文献2】特開2001-152789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ベルトコンベヤの張出区間をコンベヤ受け台車およびズリ鋼車により分担して支持する構造であると、車両が屈曲したトンネルを走行する場合に、トンネルの屈曲部における対応が困難である。そのため、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬する上で改善の余地がある。
【0005】
そこで本発明は、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる坑道内の掘削物運搬システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る坑道内の掘削物運搬システムは、坑道内を走行可能な第1車両と、前記第1車両の上部に支持され、前記第1車両の上下方向と交差する第1運搬方向に掘削物を運搬可能な第1コンベヤと、前記第1車両に対して揺動自在に連結された第2車両と、前記第2車両の上部に支持され、前記第2車両の上下方向と交差する第2運搬方向に前記掘削物を運搬可能な第2コンベヤと、前記第1コンベヤ及び前記第2コンベヤを相対的に移動可能な移動装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る坑道内の掘削物運搬システムの側面図。
【
図2】第1実施形態に係る第2の運搬車両群の側面図。
【
図3】第1実施形態に係る第2の運搬車両群の上面図。
【
図4】第1実施形態に係る第1車両、第1コンベヤ及び第1移動機構の分解斜視図。
【
図5】第1実施形態に係るボギー機構の配置説明図。
【
図6】第1実施形態に係る複数の覆工板の配置説明図。
【
図8】第1実施形態に係る掘削物の積み込み方法の一例を示す図。
【
図9】
図8に続く、掘削物の積み込み方法の一例を示す図。
【
図10】
図9に続く、掘削物の積み込み方法の一例を示す図。
【
図11】第1実施形態に係る掘削物の積み込み方法の他の例を示す図。
【
図12】第2実施形態に係る第1車両、第1コンベヤ及び第1移動機構の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、坑道内の掘削物運搬システムの一例として、屈曲した坑道を含む坑道内を軌条に沿って走行し、掘削ずり等の掘削物を運搬する例を挙げて説明する。
【0010】
<第1実施形態>
<掘削物運搬システム>
図1は、第1実施形態に係る坑道内の掘削物運搬システムの側面図である。
図1に示すように、掘削物運搬システム1は、掘削物を掘削し運搬する掘削運搬車両2を備える。掘削運搬車両2は、前後方向に延びている。掘削運搬車両2は、掘削機3と、後続台車群4と、を備える。
【0011】
例えば、掘削機3は、岩盤掘削用のトンネル掘削機(TBM: Tunnel Boring Machine)である。掘削機3は、掘削運搬車両2において切羽(掘削)側に配置されている。掘削機3は、所定の軸線回りに回転可能なカッタヘッド5を備える。掘削機3は、カッタヘッド5の回転により岩盤等を掘削する。掘削機3には、牽引ビーム6の前端部が接続されている。牽引ビーム6の後端部は、最先端の後続台車の前端部に接続されている。
【0012】
以下、掘削機3が掘削しながら車両が進行する方向を「車両前方」、車両前方とは反対方向を車両後方と称する。掘削機3が掘削しながら車両が進行する方向に対して右手を右側、掘削機3が掘削しながら車両が進行する方向に対して左手を左側と称する。車両の左右方向を「幅方向」と称する。車両の上下方向は、車両の前後方向及び幅方向と直交する方向である。車両下側は、車両の上下方向において車輪の付いている側である。車両上側は、車両の上下方向において車輪の付いている側とは反対側である。図の例では、車両は、水平面に配置されている。車両上下方向、車両上方及び車両下方は、車両が水平面に配置された状態の上下方向(鉛直方向)、鉛直上方及び鉛直下方とそれぞれ一致する。以下の説明では、左側の要素の末尾に符号Lを付し、右側の要素の末尾に符号Rを付す場合がある。
【0013】
後続台車群4は、第1の運搬車両群10と、第2の運搬車両群20と、牽引車25と、を備える。第1の運搬車両群10の各車両間及び第2の運搬車両群20の各車両間は、連結ロッド及び牽引ブラケット等の牽引部材により接続されている。なお、第1の運搬車両群10と第2の運搬車両群20との間は、牽引部材により接続されていない。
【0014】
第1の運搬車両群10は、掘削機3と第2の運搬車両群20との間に配置されている。例えば、第1の運搬車両群10は、機材置場、オペレータ席、オイルタンク、油圧ポンプ、集塵機、集塵機用水処理タンク、制御盤、インバータ盤、トランス、ケーブル置場等を搭載していてもよい。
【0015】
図の例では、第1の運搬車両群10は、1番車両11から7番車両17までの計7台の車両により構成されている。1番車両11は、第1の運搬車両群10において最先端の後続台車である。牽引ビーム6の後端部は、1番車両11の前端部に接続されている。
【0016】
カッタヘッド5の回転により掘削された掘削物は、カッタヘッド5の裏面側でホッパ(不図示)に取り込まれる。ホッパに取り込まれた掘削物は、ベルトコンベヤ9により後方へ運搬される。ベルトコンベヤ9は、第1の運搬車両群10の上部等に支持されている。ベルトコンベヤ9は、ホッパから1番車両11の上方位置まで延びた後、第1の運搬車両群10の上方を通って7番車両17の上方位置後方まで延びている。ベルトコンベヤ9により運搬された掘削物は、第2の運搬車両群20の最先端の後続台車が支持するコンベヤに運搬される。図の例では、ベルトコンベヤ9は、各台車間で分断されており、後ろ上がりの傾斜を持ったベルトコンベヤが各台車上に搭載されて、掘削物が順次運搬される。
【0017】
図2は、第1実施形態に係る第2の運搬車両群の側面図である。
図の例では、第2の運搬車両群20は、計3台の車両により構成されている。
図2に示すように、第2の運搬車両群20は、第1車両21と、第2車両22と、第3車両23と、を備える。第1車両21は、第2の運搬車両群20の最先端の後続台車である。ベルトコンベヤ9により運搬された掘削物は、第1車両21が支持する第1コンベヤ31に運搬される。第1コンベヤ31は、第1車両21の上部に支持されている。第1コンベヤ31は、第1車両21の上下方向と直交する第1運搬方向V1に掘削物を運搬可能である。
【0018】
第1車両21の高さH1は、第2車両22の高さH2よりも高い。第1車両21の高さH1は、第1車両21の車輪の下端から第1車両21の上端までの第1車両21の上下方向の長さを意味する。第2車両22の高さH2は、第2車両22の車輪の下端から第2車両22の上端までの第2車両22の上下方向の長さを意味する。
【0019】
第2車両22は、第1車両21に対して揺動自在に連結されている。第2車両22の第1車両21側の上端は、第1車両21の第2車両22側の上端よりも下方に配置されている。第2コンベヤ32は、第2車両22の上部に支持されている。第2コンベヤ32は、第2車両22の上下方向と直交する第2運搬方向V2に掘削物を運搬可能である。第2コンベヤ32は、第1車両21側の上端32aが第1コンベヤ31の第2車両22側の下端31aよりも下方に配置されている。
【0020】
第1コンベヤ31の第1運搬方向V1における最下流端31bは、第2コンベヤ32の第2運搬方向V2における最上流端32bよりも後側に配置される。図の例では、第1コンベヤ31が第1運搬方向V1において最も下流側へ移動した状態を実線で示し、第2コンベヤ32が第2運搬方向V2において最も上流側へ移動した状態を2点鎖線で示している。
【0021】
第1車両21の上下方向と直交する面と第1コンベヤ31が第1運搬方向V1に掘削物を運搬する運搬面とのなす第1傾斜角度K1は、第2車両22の上下方向と直交する面と第2コンベヤ32が第2運搬方向V2に掘削物を運搬する運搬面とのなす第2傾斜角度K2と同じ角度である(K1=K2)。図の例では、第1傾斜角度K1がゼロの場合の第1コンベヤ31及び第2傾斜角度K2がゼロの場合の第2コンベヤ32を実線で示し、第1傾斜角度K1がゼロより大きい場合(後ろ上がりの傾斜を持った場合)の第1コンベヤ31の運搬面及び第2傾斜角度K2がゼロより大きい場合(後ろ上がりの傾斜を持った場合)の第2コンベヤ32の運搬面を2点鎖線で示している。
【0022】
第3車両23は、第2車両22に対して揺動自在に連結されている。第3車両23の高さH3は、第2車両22の高さH2と同じである。第3車両23の高さH3は、第3車両23の車輪の下端から第3車両23の上端までの第3車両23の上下方向の長さを意味する。第3車両23は、第2車両22側の上端が第2車両22の第3車両23側の上端と同じ高さに配置されている。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る第2の運搬車両群の上面図である。
図3に示すように、第1車両21、第2車両22及び第3車両23は、幅方向においてそれぞれ同じ長さである。図の例では、第1車両21、第2車両22及び第3車両23は、前後方向に並んでいる。ベルトコンベヤ9、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、幅方向においてそれぞれ同じ幅である。ベルトコンベヤ9、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、幅方向において第1車両21、第2車両22及び第3車両23よりも短い。図の例では、ベルトコンベヤ9、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、車両幅方向中心線CL上に配置されている。
【0024】
図3の上面視で、ベルトコンベヤ9の後部は、第1コンベヤ31の前部と重なっている。
図3の上面視で、第1コンベヤ31の後部は、第2コンベヤ32の前部と重なっている。
図3の上面視で、ベルトコンベヤ9、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、前後方向に連続するように配置されている。
【0025】
図1に示すように、掘削運搬車両2の後側には、牽引車25が配置されている。牽引車25は、第2の運搬車両群20を牽引可能である。牽引車25は、第3車両23に対して揺動自在に連結されている。牽引車25は、掘削運搬車両2において坑口(地上)側に配置されている。牽引車25は、自走可能である。第2の運搬車両群20は、牽引車25の駆動により、坑道内を軌条に沿って走行可能である。牽引車25は、第2の運搬車両群20の各車両に電力を供給可能なバッテリを備える。
【0026】
<移動装置>
第2の運搬車両群20は、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を相対的に移動可能な移動装置40を備える。移動装置40は、第1車両21の上下方向と直交する方向に第1コンベヤ31を移動可能な第1移動機構41と、第2車両22の上下方向と直交する方向に第2コンベヤ32を移動可能な第2移動機構42と、を備える。以下、第1移動機構41について詳しく説明する。第2移動機構42は、第1移動機構41と同様の構成を有するため、その詳細説明は省略する。
【0027】
図4は、第1実施形態に係る第1車両、第1コンベヤ及び第1移動機構の分解斜視図である。
図4に示すように、第1移動機構41は、第1車両21に設けられている。
【0028】
<第1車両>
第1車両21は、キャリア50と、車体フレーム51と、ブレード52と、ボギー機構53A,53Bと、を備える。
キャリア50は、掘削ずり等の掘削物を積み込み可能な収容空間60を有する。キャリア50は、上方に開口する箱状である。キャリア50は、底壁61と、前壁62と、後壁63と、左壁64と、右壁65と、を備える。収容空間60は、底壁61、前壁62、後壁63、左壁64及び右壁65により囲まれた空間である。
【0029】
底壁61は、キャリア50の底部に設けられている。底壁61は、前後方向及び車両幅方向に延びている。
前壁62は、底壁61の前端部から上方へ起立している。後壁63は、底壁61の後端部から上方へ起立している。前壁62及び後壁63の車両幅方向外縁辺は、前後方向から見て、底壁61側から上方に向かうに従って車両幅方向外側に位置するように傾斜して延びた後、上方に延びている。
【0030】
左壁64は、底壁61の左端部から上方へ起立している。右壁65は、底壁61の右端部から上方へ起立している。左壁64及び右壁65は、前後方向から見て、前壁62及び後壁63の車両幅方向外縁辺に沿うように延びている。左壁64及び右壁65は、前後方向から見て、底壁61側から上方に向かうに従って車両幅方向外側に位置するように傾斜して延びた後、上方に延びている。
【0031】
左壁64及び右壁65の上部における前後方向中央部は、車両幅方向に延びる横架部材66により連結されている。横架部材66は、左壁64及び右壁65の上部の車両幅方向の間を、車両幅方向に連続して延びている。横架部材66は、収容空間60の上方空間を前後方向に区画している。
【0032】
例えば、キャリア50の下部の左右外側には、資材の保管スペース67が設けられていてもよい。図の例では、左外側の保管スペース67を2点鎖線で示している。本実施形態では、キャリア50の下部の左右側部を構成する左壁64及び右壁65が、前後方向から見て、底壁61側から上方に向かうに従って車両幅方向外側に位置するように傾斜して延びている。このため、キャリア50の下部の左右外側のスペースを、資材の保管スペース67として有効に活用することができる。
【0033】
車体フレーム51は、第1車両21の骨格部材である。車体フレーム51は、キャリア50を支持する。第1車両21は、車体フレーム51を介して前後方向に隣り合う車両に接続される。車体フレーム51の前側下部には、第1車両21の前方に隣り合う車両と接続するための前側接続ブラケット70が設けられている。
【0034】
本実施形態では、第1車両21は、前側接続ブラケット70を介して7番車両17(
図1参照)に接続されていない。前側接続ブラケット70は、上下方向に間隔をあけて一対設けられている。前側接続ブラケット70は、上下方向に開口する貫通孔を有する。
本実施形態では、第2車両22は、前側接続ブラケット70を介して、第1車両21に対して揺動自在に連結されている。第3車両23は、前側接続ブラケット70を介して、第2車両22に対して揺動自在に連結されている。牽引車25は、前側接続ブラケット70を介して、第3車両23に対して揺動自在に連結されている。
【0035】
図示はしないが、車体フレーム51の後側下部には、第1車両21の後方に隣り合う車両と接続するための後側接続ブラケットが設けられている。本実施形態では、第1車両21は、後側接続ブラケットを介して第2車両22(
図1参照)に接続される。後側接続ブラケットは、前側接続ブラケット70と同様、上下方向に間隔をあけて一対設けられていてもよい。第1車両21は、後側接続ブラケットを介して、第2車両22に対して揺動自在に連結されている。
【0036】
図4に示すように、車体フレーム51は、底側フレーム71と、前側フレーム72と、後側フレーム73と、を備える。底側フレーム71は、上下方向から見て、前後方向に延びる矩形枠状である。底側フレーム71は、前後方向においてキャリア50よりも長い。底側フレーム71は、キャリア50の前後方向外端部よりも前後方向外側に延びている。
【0037】
前側フレーム72は、底側フレーム71の前部とキャリア50の前側上部とを連結する。前側フレーム72は、底側フレーム71の前部の車両幅方向中央部から上方に延びた後に屈曲してキャリア50の前側上部に向けて延びている。前側フレーム72は、車両上下方向と直交する方向に沿う平面状の前側上面72aを有する。後側フレーム73は、底側フレーム71の後部とキャリア50の後側上部とを連結する。後側フレーム73は、車両上下方向と直交する方向に沿う平面状の後側上面73aを有する。
【0038】
前側上面72a及び後側上面73aは、互いに同じ高さ位置(車両上下方向の位置)に配置される。前側上面72a及び後側上面73aは、第1コンベヤ31の下面に対向する。前側上面72a及び後側上面73aは、上面視で、前後方向外側に上底を有する台形状である。
【0039】
例えば、前側上面72a、後側上面73a及び横架部材66には、第1コンベヤ31の回転時の摩擦(摺動摩擦)を低減するための摩擦低減部材が設けられていてもよい。これにより、第1コンベヤ31をスムーズに回転させることができる。
【0040】
例えば、底側フレーム71の後部上における後側フレーム73の左側には、モータ、インバータ、油圧ポンプ等の駆動系統を含むパワーユニット75が設けられていてもよい。例えば、パワーユニット75に隣り合う位置には、パワーユニット75の構成要素を制御する制御装置76が設けられていてもよい。これにより、後側フレーム73の左側のスペースを有効に活用して、パワーユニット75及び制御装置76を配置することができる。
【0041】
ブレード52は、収容空間60内の掘削物を上側から均すための部材である。ブレード52は、上下方向及び車両幅方向に延びている。ブレード52は、収容空間60の上方空間を前後方向に移動可能な形状である。ブレード52の上端縁辺52aは、車両幅方向に延びる直線状である。ブレード52の上端縁辺52aは、前側上面72a及び後側上面73aの高さ位置以下に配置されている。ブレード52は、第1コンベヤ31の回転軌跡よりも下側に配置されている。ブレード52は、横架部材66の下をくぐって横架部材66よりも後方まで掘削物を押し均せる形状でもよい。
【0042】
ブレード52の下部の外形は、前後方向から見て、下側に上底を有する台形状である。ブレード52の下端縁辺52bは、車両幅方向に延びる直線状である。これにより、ブレード52を前後方向に移動させることで、収容空間60内に積み込んだ掘削物を上側から平らに均すことができる。
【0043】
キャリア50の前壁62には、ブレード52を前後方向に移動可能なブレード用油圧シリンダ55L,55Rが設けられている。ブレード用油圧シリンダ55L,55Rは、前後方向に延びている。ブレード用油圧シリンダ55L,55Rは、前側フレーム72を介して前壁62の上部の左右両側に設けられている。ブレード用油圧シリンダ55L,55Rは、前壁62を前後方向に開口する貫通孔に挿通されている。ブレード用油圧シリンダ55L,55Rの後端部(ピストンロッド先端部)は、前壁62の貫通孔を通じてブレード52の左右端部に連結されている。ブレード用油圧シリンダ55L,55Rは、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。
【0044】
キャリア50の左壁64及び右壁65には、ブレード52を前後方向に案内するガイド部材56が設けられている。ガイド部材56は、左壁64及び右壁65の上部内側に配置されている。ガイド部材56は、前後方向に延びている。ブレード52の車両幅方向の端部は、ガイド部材56上に配置されている。ブレード52は、ブレード用油圧シリンダ55L,55Rの駆動により、ガイド部材56に沿って矢印A1方向に移動する。
【0045】
キャリア50には、収容空間60内の掘削物を排出するための排出孔(不図示)が設けられている。排出孔は、キャリア50の底壁61を上下方向に開口している。例えば、排出孔は、底壁61に1カ所大きくあけてある。
【0046】
キャリア50には、排出孔を開閉可能に移動可能なゲート部材57L,57Rが設けられている。ゲート部材57L,57Rは、左右一対設けられている。図の例では、左右のゲート部材57L,57Rが排出孔を閉じている状態を示す。ゲート部材57L,57Rは、前面視で、下側に円弧を有する扇形状である。ゲート部材57L,57Rは、排出孔を閉じるように、扇形状の下部から後方に向かって延びている。ゲート部材57L,57Rは、前後方向に沿う軸線を中心として回転可能である。
【0047】
キャリア50の前側には、ゲート部材57L,57Rを移動可能なゲート用油圧シリンダ58が設けられている。ゲート用油圧シリンダ58は、車両幅方向に延びている。ゲート用油圧シリンダ58の左端部(ピストンロッド先端部)は、左側のゲート部材57Lに連結されている。ゲート用油圧シリンダ58は、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。
【0048】
右側のゲート部材57Rは、左側のゲート部材57Lに接触している。右側のゲート部材57Rは、左側のゲート部材57Lに連動する。左右のゲート部材57L,57Rは、ゲート用油圧シリンダ58の駆動により、各軸線を中心として排出孔を開閉可能に回転する。
【0049】
キャリア50の後側には、第1コンベヤ31を回転可能に支持するピボット部材68が設けられている。ピボット部材68は、キャリア50の後壁63の上部における車両幅方向中央部から前側に突出している。ピボット部材68は、第1車両21の上下方向に沿う第1軸線D1上にピボット孔を有する。ピボット孔は、上下方向から見て円形状である。
図3の上面視で、第1軸線D1は、車両左右中心線CL上に配置されている。
【0050】
図4に示すように、第1車両21の車輪は、ボギー機構53A,53Bにより支持されている。ボギー機構53A,53Bは、第1車両21の車輪を第1車両21の上下方向と直交する方向に回転可能である。ボギー機構53A,53Bは、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。前後一対のボギー機構53A,53Bは、前輪用ボギー機構53Aと、後輪用ボギー機構53Bと、である。前輪用ボギー機構53Aは、第1車両21の前輪を第1車両21の上下方向と直交する方向に回転可能である。後輪用ボギー機構53Bは、第1車両21の後輪を第1車両21の上下方向と直交する方向に回転可能である。以下、前輪用ボギー機構53Aについて詳しく説明する。後輪用ボギー機構53Bは、前輪用ボギー機構53Aと同様の構成を有するため、その詳細説明は省略する。
【0051】
前輪用ボギー機構53Aは、スイングフレーム80と、ピッチングフレーム81L,81Rと、を備える。
スイングフレーム80は、車体フレーム51に対して揺動自在に連結されている。スイングフレーム80は、左右の軌条90L,90Rの間をわたすように延びている。スイングフレーム80において左右の軌条90L,90Rの間の中央部は、上下方向に沿う軸線を中心として回転可能に、車体フレーム51に対して連結されている。
【0052】
図5は、第1実施形態に係るボギー機構の配置説明図である。
図5は、第1車両21を上方から見た上面図に相当する。
図5においては、第1車両21の外形及び車体フレーム51の底側フレーム71を2点鎖線で示している。
図5の上面視で、スイングフレーム80の回転中心は、車体フレーム51の車両幅方向中心線CL上に配置されている。
【0053】
ピッチングフレーム81L,81Rは、スイングフレーム80の左右端部に連結されている。ピッチングフレーム81L,81Rは、左右の軌条90L,90R上に設けられている。ピッチングフレーム81L,81Rは、第1車両21の車輪を回転可能に支持する。
【0054】
前輪用ボギー機構53Aのスイングフレーム80は、車体フレーム51の底側フレーム71の前部に連結されている。一方、後輪用ボギー機構53Bのスイングフレーム80は、底側フレーム71の後部に連結されている。
【0055】
前輪用ボギー機構53Aのピッチングフレーム81L,81Rは、第1車両21の前輪を回転可能に支持する。図の例では、前輪は、左右一対の前側前輪85L,85Rと、左右一対の後側前輪86L,86Rとの計4つ設けられている。第1車両21の前輪85L,85R,86L,86Rは、前輪用ボギー機構53Aとともに、車体フレーム51の前部に対して第1車両21の上下方向と直交する方向に独立して回転可能である。
【0056】
一方、後輪用ボギー機構53Bのピッチングフレーム81L,81Rは、第1車両21の後輪を回転可能に支持する。図の例では、後輪は、左右一対の前側後輪87L,87Rと、左右一対の後側後輪88L,88Rとの計4つ設けられている。第1車両21の後輪87L,87R,88L,88Rは、後輪用ボギー機構53Bとともに、車体フレーム51の後部に対して第1車両21の上下方向と直交する方向に独立して回転可能である。
【0057】
<第1コンベヤ>
図2に示すように、第1コンベヤ31は、第1車両21の上部に支持されている。第1コンベヤ31は、第1車両21の上下方向と直交する第1運搬方向V1に掘削物を運搬可能である。
図4に示すように、第1コンベヤ31は、コンベヤユニット100と、サポートフレーム101と、を備える。
【0058】
コンベヤユニット100は、コンベヤ本体103と、コンベヤフレーム104と、を備える。
コンベヤ本体103は、第1運搬方向V1を長手方向とする。コンベヤ本体103は、ベルトコンベヤである。図の例では、コンベヤ本体103の長手方向は、第1車両21の前後方向と平行である。図の例では、コンベヤ本体103の短手方向は、第1車両21の幅方向と平行である。
【0059】
コンベヤフレーム104は、コンベヤ本体103を支持する。コンベヤフレーム104は、コンベヤ本体103と同様に、第1運搬方向V1を長手方向とする。コンベヤフレーム104は、サポートフレーム101に対して長手方向に摺動自在に支持される。コンベヤフレーム104は、長手方向においてコンベヤ本体103よりも長い。コンベヤフレーム104は、コンベヤ底板105と、第1コンベヤ第1側板106と、第1コンベヤ第2側板107と、を備える。
【0060】
コンベヤ底板105は、第1運搬方向V1を長手方向とする矩形板状である。
第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107は、コンベヤ底板105の短手方向の端部から上方に起立している。第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107の起立高さ位置(車両上下方向の位置)は、互いに同じである。第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107は、コンベヤ本体103の短手方向において互いに間隔をあけて配置されている。第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107は、長手方向において互いに平行に延びている。第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107は、長手方向において互いに同じ長さである。
【0061】
第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107には、コンベヤ本体103の短手方向において外側に突出する一対の凸部108,109が設けられている。一対の凸部108,109は、中央側凸部108と、端部側凸部109と、である。
【0062】
中央側凸部108は、第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107の下端縁の長手方向中央部に設けられている。図の例では、第1コンベヤ第1側板106側の中央側凸部108を示している。
【0063】
端部側凸部109は、第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107の下端縁の長手方向端部に設けられている。図の例では、端部側凸部109は、第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107の前端部に配置されている。中央側凸部108及び端部側凸部109の突出高さ位置(コンベヤ本体103の短手方向の位置)は、互いに同じである。
【0064】
サポートフレーム101は、コンベヤユニット100を支持する。サポートフレーム101は、第1車両21に対して揺動自在に連結されている。サポートフレーム101は、第1運搬方向V1を長手方向とする。図の例では、サポートフレーム101の長手方向は、コンベヤ本体103と同様に、第1運搬方向V1を長手方向とする。サポートフレーム101の短手方向は、コンベヤ本体103の短手方向と平行である。
【0065】
サポートフレーム101は、長手方向から見てU字状である。サポートフレーム101は、サポート底板110と、第1サポート側板111と、第2サポート側板112と、を備える。
【0066】
サポート底板110は、第1運搬方向V1を長手方向とする板状である。サポート底板110は、第1車両21の上下方向に沿う第1軸線D1上に軸孔113を有する。軸孔113は、上下方向から見て円形状である。軸孔113は、サポート底板110の長手方向の一端側に配置されている。図の例では、軸孔113は、サポート底板110の後端側に配置されている。軸孔113は、上下方向から見て、ピボット部材68のピボット孔と重なる。例えば、サポート底板110は、ピン等の軸部材115を介してピボット部材68に連結される。サポートフレーム101は、第1軸線D1を中心として回転可能である。
【0067】
第1サポート側板111及び第2サポート側板112は、サポート底板110の短手方向の端部から上方に起立している。第1サポート側板111及び第2サポート側板112の起立高さ位置(車両上下方向の位置)は、互いに同じである。第1サポート側板111及び第2サポート側板112は、サポート底板110の長手方向において互いに平行に延びている。第1サポート側板111及び第2サポート側板112は、サポート底板110の長手方向において互いに同じ長さである。第1サポート側板111及び第2サポート側板112は、サポート底板110の短手方向において第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107よりも外側に配置される。
【0068】
サポート底板110の短手方向において、第1サポート側板111及び第2サポート側板112の間隔は、第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107における凸部108,109の突出高さ位置以上である。
【0069】
例えば、一対の凸部108,109には、コンベヤユニット100の移動時の摩擦(摺動摩擦)を低減するための摩擦低減部材が設けられていてもよい。これにより、サポートフレーム101に対してコンベヤユニット100をスムーズに移動させることができる。
【0070】
サポート底板110は、掘削物が通過可能な大きさの開口部114を有する。開口部114は、上下方向から見て矩形状である。開口部114は、サポート底板110の長手方向の他端側に配置されている。図の例では、開口部114は、サポート底板110の前端側に配置されている。開口部114は、サポート底板110の長手方向において軸孔113とは反対側に配置されている。開口部114は、サポートフレーム101に対するコンベヤユニット100の長手方向の移動により、開閉される。開口部114は、掘削物の通過時には上下方向に開口し、収容空間60と連通する。
【0071】
<第1移動機構>
第1移動機構41は、第1車両21の上下方向と直交する方向に第1コンベヤ31を移動可能である。第1移動機構41は、第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動可能な第1長手移動機構120を備える。第1長手移動機構120は、サポートフレーム101に設けられている。
【0072】
第1長手移動機構120は、サポート底板110の長手方向に延びる長手移動用油圧シリンダ121L,121Rを備える。長手移動用油圧シリンダ121L,121Rは、サポート底板110の短手方向に間隔をあけて一対設けられている。長手移動用油圧シリンダ121L,121Rの長手方向第1端部(ピストンロッド先端部)は、第1コンベヤ第1側板106及び第1コンベヤ第2側板107の長手方向中央部に連結されている。長手移動用油圧シリンダ121L,121Rの長手方向第2端部(ピストンロッド先端部とは反対側の端部)は、第1サポート側板111及び第2サポート側板112の長手方向中央部近傍に連結されている。長手移動用油圧シリンダ121L,121Rは、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。コンベヤユニット100は、長手移動用油圧シリンダ121L,121Rの駆動により、サポートフレーム101に沿って矢印B1方向に移動する。
【0073】
第1移動機構41は、第1コンベヤ31を第1車両21の幅方向に移動可能な第1左右移動機構130を備える。第1左右移動機構130は、第1車両21と第1コンベヤ31との間に配置されている。
【0074】
第1左右移動機構130は、第1車両21の上下方向と直交する方向に第1コンベヤ31を移動可能に第1車両21と第1コンベヤ31とを連結する第1油圧シリンダ131L,131Rを備える。第1油圧シリンダ131L,131Rは、第1車両21の幅方向に間隔をあけて一対設けられている。一対の第1油圧シリンダ131L,131Rは、キャリア50の左壁64及び右壁65の上部とサポートフレーム101とを連結している。
【0075】
図の例では、一対の第1油圧シリンダ131L,131Rは、第1車両21の幅方向に延びている。左側の第1油圧シリンダ131Lの長手方向第1端部(ピストンロッド先端部)は、第1サポート側板111の長手方向中央部近傍に連結されている。第1サポート側板111に対する左側の第1油圧シリンダ131Lの連結位置は、サポートフレーム101の長手方向において軸孔113と開口部114との間に配置されている。左側の第1油圧シリンダ131Lの長手方向第1端部は、第1サポート側板111の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0076】
左側の第1油圧シリンダ131Lの長手方向第2端部(ピストンロッド先端部とは反対側の端部)は、キャリア50の左壁64の上端部に連結されている。キャリア50の左壁64に対する左側の第1油圧シリンダ131Lの連結位置は、上下方向から見て、横架部材66の左端部近傍に配置されている。左側の第1油圧シリンダ131Lの長手方向第2端部は、左壁64の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0077】
右側の第1油圧シリンダ131Rの長手方向第1端部(ピストンロッド先端部)は、第2サポート側板112の長手方向中央部近傍に連結されている。第2サポート側板112に対する右側の第1油圧シリンダ131Rの連結位置は、サポートフレーム101の長手方向において軸孔113と開口部114との間に配置されている。右側の第1油圧シリンダ131Rの長手方向第1端部は、第2サポート側板112の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0078】
右側の第1油圧シリンダ131Rの長手方向第2端部(ピストンロッド先端部とは反対側の端部)は、キャリア50の右壁65の上端部に連結されている。キャリア50の右壁65に対する右側の第1油圧シリンダ131Rの連結位置は、上下方向から見て、横架部材66の右端部近傍に配置されている。右側の第1油圧シリンダ131Rの長手方向第2端部は、右壁65の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0079】
第1油圧シリンダ131L,131Rは、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。第1コンベヤ31は、第1油圧シリンダ131L,131Rの駆動により、第1軸線D1を中心に回転する。
【0080】
例えば、左側の第1油圧シリンダ131Lが所定長さよりも伸び、右側の第1油圧シリンダ131Rが所定長さよりも縮むと、第1コンベヤ31は第1軸線D1を中心に矢印R1方向に回転する。一方、左側の第1油圧シリンダ131Lが所定長さよりも縮み、右側の第1油圧シリンダ131Rが所定長さよりも伸びると、第1コンベヤ31は第1軸線D1を中心に矢印R1方向とは反対方向に回転する。
【0081】
このように、第1左右移動機構130は、第1軸線D1を中心として第1コンベヤ31を回転可能である。第1左右移動機構130は、第1コンベヤ31を第1車両21の上下方向に沿う第1軸線D1を中心として回転可能な第1回転機構140に相当する。第1左右移動機構130は、左右の第1油圧シリンダ131L,131Rと、ピボット部材68のピボット孔及び軸孔113を通る軸部材115とが連携することにより、第1回転機構140として機能する。
【0082】
<第2移動機構>
図1に示すように、第2移動機構42は、第2車両22に設けられている。第2車両22は、
図4に示す第1車両21と同様に、キャリア50と、フレーム51と、ブレード52と、ボギー機構53A,53Bと、を備える。
第2車両22では、キャリア50の前側に、第2コンベヤ32を回転可能に支持する第2ピボット部材(不図示)が設けられている。第2ピボット部材は、第1車両21のピボット部材68とは前後方向において反対側に配置されている。第2ピボット部材は、キャリア50の前壁62の上部における車両幅方向中央部から後側に突出している。第2ピボット部材は、第2車両22の上下方向に沿う第2軸線D2上にピボット孔を有する。
図3の上面視で、第2軸線D2は、車両左右中心線CL上に配置されている。
【0083】
第2移動機構42は、第2コンベヤ32を第2コンベヤ32の長手方向に移動可能な第2長手移動機構(不図示)を備える。第2長手移動機構は、第2コンベヤ32のサポートフレーム101に設けられている。第2長手移動機構は、
図4に示す第1長手移動機構120と同様の構成を有するため詳細説明は省略する。
【0084】
第2移動機構42は、第2コンベヤ32を第2車両22の幅方向に移動可能な第2左右移動機構(不図示)を備える。第2左右移動機構は、第2車両22と第2コンベヤ32との間に配置されている。第2左右移動機構は、
図4に示す第1左右移動機構130と同様の構成を有するため詳細説明は省略する。
【0085】
第2左右移動機構は、第2車両22の上下方向と直交する方向に第2コンベヤ32を移動可能に第2車両22と第2コンベヤ32とを連結する第2油圧シリンダ(不図示)を備える。第2油圧シリンダは、
図4に示す第1油圧シリンダ131L,131Rと同様の構成を有するため詳細説明は省略する。
【0086】
第2油圧シリンダは、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。第2コンベヤ32は、第2油圧シリンダの駆動により、第2軸線D2を中心に回転する。第2左右移動機構は、第2軸線D2を中心として第2コンベヤ32を回転可能である。第2左右移動機構は、第2コンベヤ32を第2車両22の上下方向に沿う第2軸線D2を中心として回転可能な第2回転機構に相当する。第2回転機構は、
図4に示す第1回転機構140と同様の構成を有するため詳細説明は省略する。
【0087】
<覆工板>
図6は、第1実施形態に係る複数の覆工板の配置説明図である。
図6は。トンネル断面に相当する図である。
図6に示すように、掘削物運搬システム1は、軌条90L,90Rと、複数の覆工板91,92と、を備える。
軌条90L,90Rは、
図1に示す掘削運搬車両2の車輪(第1車両21及び第2車両22の車輪を含む。)を支持する。軌条90L,90Rは、枕木95に支持されている。
図6の断面視で、枕木95は、U字状である。枕木95は、
図6の紙面奥行き方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0088】
図1に示すように、複数の覆工板91,92は、軌条90L,90Rを境に区画されている。複数の覆工板91,92は、鉛直方向において軌条90L,90Rの上端以上に配置されている。複数の覆工板91,92の上面は、それぞれ実質的に同一の平面上に配置されている。
【0089】
複数の覆工板91,92は、センタブロック91と、サイドブロック92L,92Rと、を含む。センタブロック91は、一対の軌条90L,90Rの間に配置されている。センタブロック91は、枕木95の左右内側間にまたがるように設けられている。サイドブロック92L,92Rは、一対の軌条90L,90Rの外側に配置されている。サイドブロック92L,92Rは、センタブロック91を介して左右一対配置されている。
【0090】
左側のサイドブロック92Lにおけるセンタブロック91側の上端は、鉛直方向においてセンタブロック91の左側上端と実質的に同じ位置に配置されている。右側のサイドブロック92Rにおけるセンタブロック91側の上端は、鉛直方向においてセンタブロック91の右側上端と実質的に同じ位置に配置されている。
【0091】
<移動装置の作用>
図7は、第1実施形態に係る移動装置の作用説明図である。
図7に示すように、第1コンベヤ31は、第1車両21の後側において、第1軸線D1を中心に回転可能である。第2コンベヤ32は、第2車両22の前側において、第2軸線D2を中心として回転可能である。図の例では、回転前の第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を2点鎖線で示し、回転後の第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を実線で示している。例えば、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、それぞれの回転時にトンネルの壁面と干渉しないように回転角度が制限されてもよい。
【0092】
第1車両21及び第2車両22が屈曲したトンネルを走行する場合、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、移動装置40の作用により、車両上下方向と直交する方向に移動する。例えば、第1車両21及び第2車両22が進行方向に対して左曲がりの屈曲部を通る場合、第1コンベヤ31は
図7に示す矢印R1方向に回転し、第2コンベヤ32は
図7に示す矢印R2方向に回転する。一方、第1車両21及び第2車両22が進行方向に対して右曲がりの屈曲部を通る場合、第1コンベヤ31は
図7に示す矢印R1方向とは反対方向に回転し、第2コンベヤ32は
図7に示す矢印R2方向とは反対方向に回転する。
【0093】
本実施形態では、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32は、移動装置40の作用により、それぞれの長手方向に移動可能であるとともに、それぞれの車両幅方向に移動可能である。そのため、第1車両21及び第2車両22が屈曲したトンネルを走行する場合でも、第1コンベヤ31の7番車両17側の端部は、ベルトコンベヤ9の第1車両21側の端部と上面視で重なることが可能であり、第1コンベヤ31の第2車両22側の端部は、第2コンベヤ32の第1車両21側の端部と上面視で重なることが可能である。
【0094】
<掘削物の積み込み方法の一例>
図8は、第1実施形態に係る掘削物の積み込み方法の一例を示す図である。
図9は、
図8に続く、掘削物の積み込み方法の一例を示す図である。
図10は、
図9に続く、掘削物の積み込み方法の一例を示す図である。
図8から
図10を用いて、掘削物の積み込み方法の一例を説明する。
例えば、
図8に示すように、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を通じて第3車両23に向けて掘削物を運搬する(図の矢印W11,W12,W13,W14,W15方向)。次に、第3車両23のキャリアの収容空間内に、掘削物を積み込む。掘削物が収容空間内において局所的に盛り上がった場合は、ブレード52を移動させて収容空間内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第3車両23に積み込んでいく。
【0095】
図9に示すように、第3車両23に掘削物を所定量積み込んだ後は、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31を通じて第2コンベヤ32に掘削物を運搬し、第2車両22のキャリアの収容空間内に、第2コンベヤ32前側の開口部を通じて掘削物を積み込む(図の矢印W21,W22,W23方向)。掘削物が収容空間内において局所的に盛り上がった場合は、ブレード52を移動させて収容空間内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第2車両22に積み込んでいく。
【0096】
図10に示すように、第2車両22に掘削物を所定量積み込んだ後は、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31に掘削物を運搬し、第1車両21のキャリア50の収容空間60内に、第1コンベヤ31前側の開口部114を通じて掘削物を積み込む(図の矢印W31方向)。掘削物が収容空間60内において局所的に盛り上がった場合は、ブレード52を矢印X1方向に移動させて収容空間60内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第1車両21に積み込んでいく。
以上により、第1車両21、第2車両22及び第3車両23に掘削物を積み込むことができる。
【0097】
このように、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を後ろの車両から積み込んでいくことにより、前側の容量の大きな車両で積載量を調整することができる。システム冗長性の観点からも、掘削物を坑口側に先に積み込むことで、万が一、掘削やベルトコンベヤに不具合があっても、既に積み込みを終了した部分の掘削物は搬送することができる。
【0098】
<掘削物の積み込み方法の他の例>
図11は、第1実施形態に係る掘削物の積み込み方法の他の例を示す図である。
図11を用いて、掘削物の積み込み方法の他の例を説明する。
例えば、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31に掘削物を運搬し、第1車両21のキャリア50の収容空間60内に、第1コンベヤ31前側の開口部114を通じて掘削物を積み込む(図の矢印W31方向)。前側の開口部114を通じて掘削物を積み込んでいくと、掘削物が収容空間60内の前方空間において局所的に盛り上がる場合がある。この場合は、ブレード52を前後方向に移動させる(図の矢印X1方向)。これにより、収容空間60内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第1車両21に積み込んでいく。
【0099】
第1車両21に掘削物を所定量積み込んだ後は、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31を通じて第2コンベヤ32に掘削物を運搬し、第2車両22のキャリアの収容空間内に、第2コンベヤ32前側の開口部を通じて掘削物を積み込む(図の矢印W21,W22,W23方向)。掘削物が収容空間内において局所的に盛り上がった場合は、ブレード52を移動させて収容空間内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第2車両22に積み込んでいく。
【0100】
第2車両22に掘削物を所定量積み込んだ後は、ベルトコンベヤ9から第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を通じて第3車両23に向けて掘削物を運搬する(図の矢印W13,W14,W15方向)。次に、第3車両23のキャリアの収容空間内に、掘削物を積み込む。掘削物が収容空間内において局所的に盛り上がった場合は、ブレード52を移動させて収容空間内の掘削物を上側から均す。このようにして、ベルトコンベヤ9から運搬される掘削物を第3車両23に積み込んでいく。
以上により、第1車両21、第2車両22及び第3車両23に掘削物を積み込むことができる。
【0101】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の坑道内の掘削物運搬システム1は、坑道内を走行可能な第1車両21と、第1車両21の上部に支持され、第1車両21の上下方向と直交する第1運搬方向V1に掘削物を運搬可能な第1コンベヤ31と、第1車両21に対して揺動自在に連結された第2車両22と、第2車両22の上部に支持され、第2車両22の上下方向と直交する第2運搬方向V2に掘削物を運搬可能な第2コンベヤ32と、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を相対的に移動可能な移動装置40と、を備える。
この構成によれば、移動装置40により第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を相対的に移動させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を坑道の屈曲部に対応した配置に変えることができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【0102】
本実施形態では、移動装置40は、第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動可能な第1長手移動機構120と、第2コンベヤ32を第2コンベヤ32の長手方向に移動可能な第2長手移動機構と、を備える。
この構成によれば、第1長手移動機構120により第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動させるとともに、第2長手移動機構により第2コンベヤ32を第2コンベヤ32の長手方向に移動させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32の長手方向の位置ずれを吸収することができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【0103】
本実施形態では、移動装置40は、第1コンベヤ31を第1車両21の幅方向に移動可能な第1左右移動機構130と、第2コンベヤ32を第2車両22の幅方向に移動可能な第2左右移動機構と、を備える。
この構成によれば、第1左右移動機構130により第1コンベヤ31を第1車両21の幅方向に移動させるとともに、第2左右移動機構により第2コンベヤ32を第2車両22の幅方向に移動させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1車両21及び第2車両22の幅方向に対する第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32の位置ずれを吸収することができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【0104】
本実施形態では、第1車両21の上下方向と直交する面と第1コンベヤ31が第1運搬方向V1に掘削物を運搬する運搬面とのなす第1傾斜角度K1は、第2車両22の上下方向と直交する面と第2コンベヤ32が第2運搬方向V2に掘削物を運搬する運搬面とのなす第2傾斜角度K2と同じ角度である。
この構成によれば、第1傾斜角度K1が第2傾斜角度K2とは異なる角度である場合と比較して、第1コンベヤ31から第2コンベヤ32に掘削物をスムーズに運搬することができる。
【0105】
本実施形態では、第2コンベヤ32の第1車両21側の上端32aは、第1コンベヤ31の第2車両22側の下端31aよりも下方に配置される。
この構成によれば、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32を相対的に移動させる際に、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32が互いに干渉することを回避することができる。加えて、第1コンベヤ31から第2コンベヤ32に掘削物を運搬する際は、掘削物の落下を利用して掘削物を効率的に運搬することができる。
【0106】
本実施形態では、移動装置40は、第1コンベヤ31を第1車両21の上下方向に沿う第1軸線D1を中心として回転可能な第1回転機構140と、第2コンベヤ32を第2車両22の上下方向に沿う第2軸線D2を中心として回転可能な第2回転機構と、を備える。
この構成によれば、第1回転機構140により第1軸線D1を中心として第1コンベヤ31を回転させるとともに、第2回転機構により第2軸線D2を中心として第2コンベヤ32を回転させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32の回転方向の位置ずれを吸収することができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【0107】
本実施形態では、移動装置40は、第1車両21の上下方向と直交する方向に第1コンベヤ31を移動可能に第1車両21と第1コンベヤ31とを連結する第1油圧シリンダ131L,131Rと、第2車両22の上下方向と直交する方向に第2コンベヤ32を移動可能に第2車両22と第2コンベヤ32とを連結する第2油圧シリンダと、を備える。
この構成によれば、第1油圧シリンダ131L,131Rにより第1車両21の上下方向と直交する方向に第1コンベヤ31を移動させるとともに、第2油圧シリンダにより第2車両22の上下方向と直交する方向に第2コンベヤ32を移動させることができる。このため、ベルト駆動及びチェーン駆動等の駆動機構を備える場合と比較して、部品点数を削減するとともに、簡素な構成とすることができる。
【0108】
本実施形態では、第1車両21及び第2車両22は、積み込んだ掘削物を上側から均すことが可能なブレード52を備える。
この構成によれば、第1車両21及び第2車両22に掘削物を積み込む場合に、掘削物が局所的に盛り上がることを抑制することができる。したがって、第1車両21及び第2車両22に掘削物を効率的に積み込むことができる。
【0109】
本実施形態では、第1車両21の高さH1は、第2車両22の高さH2よりも高い。
この構成によれば、第1車両21の高さH1が第2車両22の高さH2以下の高さである場合と比較して、第2コンベヤ32の第1車両21側の上端32aを第1コンベヤ31の第2車両22側の下端31aよりも下方に配置しやすい。
【0110】
本実施形態では、第1コンベヤ31の第1運搬方向V1における最下流端31bは、第2コンベヤ32の第2運搬方向V2における最上流端32bよりも後側に配置される。
この構成によれば、第1コンベヤ31から第2コンベヤ32に掘削物を運搬する際に、第1コンベヤ31から運搬される掘削物は第2コンベヤ32上に落下する。したがって、掘削物の落下を利用して掘削物をより効率的に運搬することができる。
【0111】
本実施形態では、第1車両21及び第2車両22は、第1車両21及び第2車両22の車輪を第1車両21及び第2車両22の上下方向と直交する方向に回転可能なボギー機構53A,53Bを備える。
この構成によれば、ボギー機構53A,53Bにより第1車両21及び第2車両22の車輪を第1車両21及び第2車両22の上下方向と直交する方向に回転させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1車両21及び第2車両22の車輪を第1車両21及び第2車両22の上下方向と直交する方向に互いに独立して回転させることができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても第1車両21及び第2車両22をスムーズに走行させることができる。
【0112】
本実施形態では、坑道内の掘削物運搬システム1は、第1車両21及び第2車両22の車輪を支持する軌条90L,90Rと、軌条90L,90Rを境に区画され、鉛直方向において軌条90L,90Rの上端以上に配置される複数の覆工板91,92と、を備える。
例えば仮に、複数の覆工板91,92が鉛直方向において軌条90L,90Rの上端よりも低く配置される場合、軌条90L,90Rは一般車両やホイール式資機材運搬車両、人員移動用車両等の他の車両の走行の邪魔になる可能性がある。これに対し本実施形態では、複数の覆工板91,92が鉛直方向において軌条90L,90Rの上端以上に配置されることで、軌条90L,90Rは他の車両の走行の邪魔にならない。したがって、軌条90L,90R上の第1車両21及び第2車両22の走行と、覆工板91,92上の他の車両の走行とを両立することができる。
加えて、本実施形態では、複数の覆工板91,92の上面は、それぞれ同一の平面上に配置されている。このため、複数の覆工板91,92の上面がそれぞれ異なる平面上に配置されている場合と比較して、複数の覆工板91,92上において他の車両をスムーズに走行させることができる。
【0113】
本実施形態では、キャリア50の底壁61は、収容空間60内の掘削物を排出するための排出孔を有する。
この構成によれば、ボトムダンプ式を採用するため、収容空間60内の掘削物を下方向に落下させることができ、効率的に排土を行うことができる。加えて、車両上部にコンベヤが支持される場合であっても、掘削物の排出に際して干渉しないため、好適である。
【0114】
<第2実施形態>
第1実施形態では、第1長手移動機構120がサポート底板110の長手方向に延びる長手移動用油圧シリンダ121L,121Rを備える例(
図4参照)を挙げて説明した。第2実施形態では、
図12に示すように、第1長手移動機構220は、ラックアンドピニオン機構221と、駆動装置222と、を備える点で第1実施形態と相違している。ラックアンドピニオン機構221は、駆動装置222の駆動により、第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動可能である。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0115】
図12は、第2実施形態に係る第1車両、第1コンベヤ及び第1移動機構の分解斜視図である。
図13は、
図12のXIII-XIII断面を含む図である。
図12に示すように、ラックアンドピニオン機構221は、ラック機構230及びピニオン機構231を備える。ラック機構230は、サポート底板110の短手方向に間隔をあけて一対設けられている。一対のラック機構230は、互いに同じ高さ位置(車両上下方向の位置)に配置されている。ラック機構230は、第1サポート側板111及び第2サポート側板112に連結されている。
【0116】
図13に示すように、ラック機構230は、ピンギア232と、ギア支持部材233と、を備える。ギア支持部材233は、第1サポート側板111及び第2サポート側板112の長手方向に沿って延びている。
図13の断面視で、ギア支持部材233は、L字形状である。ギア支持部材233は、第1サポート側板111及び第2サポート側板112の内側面に連結されている。ピンギア232は、サポート底板110の短手方向と平行に延びている。ピンギア232は、ギア支持部材233の長手方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0117】
ピニオン機構231は、ピニオンギア234と、シャフト235と、を備える。ピニオンギア234は、ピンギア232と噛み合っている。ピニオンギア234は、一対のラック機構230に対応して一対設けられている。シャフト235は、一対のピニオンギア234を連結している。シャフト235は、サポート底板110の短手方向と平行に延びている。シャフト235は、コンベヤフレーム104の長手方向に対して定位置に支持されている。
【0118】
図13の断面視で、シャフト235及び駆動装置222は、コンベヤ本体103の上下方向間に配置されている。
図13の断面視で、駆動装置222は、コンベヤフレーム104の短手方向間に配置されている。
【0119】
駆動装置222は、モータ236と、動力伝達機構237と、を備える。
モータ236は、シャフト235と平行に延びている。モータ236は、シャフト235と平行な軸線の回りに回転可能な出力軸を備える。モータ236の出力軸は、動力伝達機構237を介してシャフト235に接続されている。
【0120】
動力伝達機構237は、コンベヤフレーム104の第1コンベヤ第2側板107に連結されている。動力伝達機構237は、モータ236の出力軸の回転動力をシャフト235に伝達する。モータ236の出力軸の回転により、ピニオンギア234は、シャフト235と一体に回転する。コンベヤユニット100は、モータ236の駆動によりピニオンギア234が回転して複数のピンギア232と噛み合うことにより、サポートフレーム101に沿って
図12の矢印B1方向に移動する。
【0121】
第1実施形態では、第1油圧シリンダ131L,131Rは、第1車両21の幅方向に間隔をあけて一対設けられている例(
図4参照)を挙げて説明した。第2実施形態では、
図12に示すように、第1油圧シリンダ131Lは、第1車両21の幅方向の一方のみに設けられている。第1油圧シリンダ131Lは、キャリア50の左壁64の上部とサポートフレーム101とを連結している。
【0122】
図の例では、第1油圧シリンダ131Lは、第1車両21の幅方向に延びている。第1油圧シリンダ131Lの長手方向第1端部(ピストンロッド先端部)は、第1サポート側板111の長手方向中央部近傍に連結されている。第1油圧シリンダ131Lの長手方向第1端部は、第1サポート側板111の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0123】
第1油圧シリンダ131Lの長手方向第2端部(ピストンロッド先端部とは反対側の端部)は、キャリア50の左壁64の上端部に連結されている。第1油圧シリンダ131Lの長手方向第2端部は、左壁64の連結部位において上下方向に沿う軸線を中心として回転可能とされている。
【0124】
第1油圧シリンダ131Lは、油圧ポンプから供給される作動油により駆動される。第1コンベヤ31は、第1油圧シリンダ131Lの駆動により、第1軸線D1を中心に回転する。例えば、第1油圧シリンダ131Lが所定長さよりも伸びると、第1コンベヤ31は第1軸線D1を中心に矢印R1方向に回転する。一方、第1油圧シリンダ131Lが所定長さよりも縮むと、第1コンベヤ31は第1軸線D1を中心に矢印R1方向とは反対方向に回転する。このように、第1油圧シリンダ131Lを1つのみ備える場合でも、第1軸線D1を中心として第1コンベヤ31を回転可能である。
【0125】
<作用効果>
第2実施形態では、第1長手移動機構120は、ラックアンドピニオン機構221と、駆動装置222と、を備える。ラックアンドピニオン機構221は、駆動装置222の駆動により、第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動可能である。
この構成によれば、ラックアンドピニオン機構221により第1コンベヤ31を第1コンベヤ31の長手方向に移動させることができる。このため、第1車両21及び第2車両22が屈曲した坑道を走行する場合でも、第1コンベヤ31及び第2コンベヤ32の長手方向の位置ずれを吸収することができる。したがって、屈曲した坑道を含む坑道内においても掘削物を効率的に運搬することができる。
【0126】
例えば仮に、1本の油圧シリンダをサポートフレーム101の短手方向中心線上に配置した場合、上下方向においてサポートフレーム101とコンベヤユニット100との間に油圧シリンダの配置スペースを要するため、第1コンベヤ31の高さが増加してしまう可能性がある。これに対し第2実施形態では、ラックアンドピニオン機構221の配置により、上下方向においてサポートフレーム101とコンベヤユニット100との間に油圧シリンダの配置スペースを要しない。したがって、第1コンベヤ31の高さが増加することを抑制することができる。
【0127】
第2実施形態では、第1油圧シリンダ131Lは、第1車両21の幅方向の一方のみに設けられている。
この構成によれば、第1油圧シリンダ131L,131Rが一対設けられている場合(
図4参照)と比較して、部品点数を削減するとともに、簡素な構成とすることができる。
【0128】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、坑道内の掘削物運搬システムは、第1車両の上下方向と直交する第1運搬方向に掘削物を運搬可能な第1コンベヤと、第2車両の上下方向と直交する第2運搬方向に掘削物を運搬可能な第2コンベヤと、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1コンベヤは、第1車両の上下方向に対して斜めに交差する第1運搬方向に掘削物を運搬可能であってもよい。例えば、第2コンベヤは、第2車両の上下方向に対して斜めに交差する第2運搬方向に掘削物を運搬可能であってもよい。例えば、坑道内の掘削物運搬システムは、第1車両の上下方向と交差する第1運搬方向に掘削物を運搬可能な第1コンベヤと、第2車両の上下方向と交差する第2運搬方向に掘削物を運搬可能な第2コンベヤと、を備えていればよい。例えば、第1コンベヤ及び第2コンベヤにおける掘削物の運搬態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0129】
上述した実施形態では、移動装置は、第1コンベヤを第1コンベヤの長手方向に移動可能な第1長手移動機構と、第2コンベヤを第2コンベヤの長手方向に移動可能な第2長手移動機構と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、移動装置は、第1長手移動機構及び第2長手移動機構を備えていなくてもよい。例えば、移動装置は、第1コンベヤ及び第2コンベヤの長手方向に対して交差する方向に第1コンベヤ及び第2コンベヤを移動可能な移動機構を備えていてもよい。例えば、移動装置の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0130】
上述した実施形態では、移動装置は、第1コンベヤを第1車両の幅方向に移動可能な第1左右移動機構と、第2コンベヤを第2車両の幅方向に移動可能な第2左右移動機構と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、移動装置は、第1車両及び第2車両の幅方向に対して交差する方向に第1コンベヤ及び第2コンベヤを移動可能な移動機構を備えていてもよい。例えば、移動装置の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0131】
上述した実施形態では、第1車両の上下方向と直交する面と第1コンベヤが第1運搬方向に掘削物を運搬する運搬面とのなす第1傾斜角度は、第2車両の上下方向と直交する面と第2コンベヤが第2運搬方向に掘削物を運搬する運搬面とのなす第2傾斜角度と同じ角度である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1傾斜角度は、第2傾斜角度とは異なる角度であってもよい。例えば、第1傾斜角度及び第2傾斜角度は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0132】
上述した実施形態では、第2コンベヤの第1車両側の上端は、第1コンベヤの第2車両側の下端よりも下方に配置される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第2コンベヤの第1車両側の上端は、第1コンベヤの第2車両側の下端よりも下方に配置されていなくてもよい。例えば、第2コンベヤの第1車両側の上端は、第1コンベヤの第2車両側の下端よりも上方に配置されていてもよい。例えば、第1コンベヤ及び第2コンベヤの配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0133】
上述した実施形態では、移動装置は、第1コンベヤを第1車両の上下方向に沿う第1軸線を中心として回転可能な第1回転機構と、第2コンベヤを第2車両の上下方向に沿う第2軸線を中心として回転可能な第2回転機構と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、移動装置は、第1回転機構及び第2回転機構を備えていなくてもよい。例えば、移動装置は、第1コンベヤ及び第2コンベヤの回転方向における接線方向(所定の一方向)に第1コンベヤ及び第2コンベヤを移動可能な移動機構を備えていてもよい。例えば、移動装置の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0134】
上述した実施形態では、移動装置は、第1車両の上下方向と直交する方向に第1コンベヤを移動可能に第1車両と第1コンベヤとを連結する第1油圧シリンダと、第2車両の上下方向と直交する方向に第2コンベヤを移動可能に第2車両と第2コンベヤとを連結する第2油圧シリンダと、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1油圧シリンダ及び第2油圧シリンダを備えていなくてもよい。例えば、移動装置は、ベルト駆動及びチェーン駆動等の駆動機構を備えていてもよい。例えば、移動装置の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0135】
上述した実施形態では、第1車両及び第2車両は、積み込んだ掘削物を上側から均すことが可能なブレードを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1車両及び第2車両は、ブレードを備えていなくてもよい。例えば、第1車両及び第2車両の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0136】
上述した実施形態では、第1車両の高さは、第2車両の高さよりも高い例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1車両の高さは、第2車両の高さよりも高くなくてもよい。例えば、第1車両の高さは、第2車両の高さ以下の高さであってもよい。例えば、第1車両及び第2車両の高さは、要求仕様に応じて変更することができる。
【0137】
上述した実施形態では、第1コンベヤの第1運搬方向における最下流端は、第2コンベヤの第2運搬方向における最上流端よりも後側に配置される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1コンベヤの第1運搬方向における最下流端は、第2コンベヤの第2運搬方向における最上流端よりも後側に配置されていなくてもよい。例えば、第1コンベヤの第1運搬方向における最下流端は、第2コンベヤの第2運搬方向における最上流端よりも前側に配置されていてもよい。例えば、第1コンベヤ及び第2コンベヤの配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0138】
上述した実施形態では、第1車両及び第2車両は、第1車両及び第2車両の車輪を第1車両及び第2車両の上下方向と直交する方向に回転可能なボギー機構を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1車両及び第2車両は、ボギー機構を備えていなくてもよい。例えば、第1車両及び第2車両の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0139】
上述した実施形態では、坑道内の掘削物運搬システムは、第1車両及び第2車両の車輪を支持する軌条と、軌条を境に区画され、鉛直方向において軌条の上端以上に配置される複数の覆工板と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、坑道内の掘削物運搬システムは、軌条と、複数の覆工板と、を備えていなくてもよい。例えば、坑道内の掘削物運搬システムの構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0140】
上述した実施形態では、複数の覆工板は、鉛直方向において軌条の上端以上に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の覆工板は、鉛直方向において軌条の上端以上に配置されていなくてもよい。例えば、複数の覆工板は、鉛直方向において軌条の上端よりも低く配置されていてもよい。例えば、鉛直方向において軌条の上端に対する複数の覆工板の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0141】
上述した実施形態では、複数の覆工板の上面は、それぞれ同一の平面上に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の覆工板の上面は、それぞれ同一の平面上に配置されていなくてもよい。例えば、複数の覆工板の上面は、それぞれ異なる平面上に配置されていてもよい。例えば、複数の覆工板の上面の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0142】
上述した実施形態では、第1の運搬車両群は、1番車両から7番車両までの計7台の車両により構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第1の運搬車両群は、6台以下又は8台以上の車両により構成されていてもよい。例えば、第1の運搬車両群を構成する車両の台数は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0143】
上述した実施形態では、第2の運搬車両群は、第1車両から第3車両までの計3台の車両により構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第2の運搬車両群は、第1車両及び第2車両のみにより構成されていてもよいし、第4車両以上を含む4台以上の車両により構成されていてもよい。例えば、第2の運搬車両群を構成する車両の台数は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0144】
上述した実施形態では、第2車両では、キャリアの前側に、第2コンベヤを回転可能に支持する第2ピボット部材が設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第2車両では、キャリアの後側に、第2コンベヤを回転可能に支持する第2ピボット部材が設けられていてもよい。例えば、第2ピボット部材は、第1車両のピボット部材と前後方向において同じ側に配置されていてもよい。例えば、第1車両及び第2車両におけるピボット部材の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0145】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0146】
1…掘削物運搬システム、21…第1車両、22…第2車両、31…第1コンベヤ、31a…第1コンベヤの第2車両側の下端、31b…第1コンベヤの第1運搬方向における最下流端、32…第2コンベヤ、32a…第2コンベヤの第1車両側の上端、32b…第2コンベヤの第2運搬方向における最上流端、40,240…移動装置、52…ブレード、53A…前輪用ボギー機構(ボギー機構)、53B…後輪用ボギー機構(ボギー機構)、85L,85R…前側前輪(車輪)、86L,86R…後側前輪(車輪)、87L,87R…前側後輪(車輪)、88L,88R…後側後輪(車輪)、90…軌条、91…センタブロック(覆工板)、92L,92R…サイドブロック(覆工板)、120,220…第1長手移動機構(第2長手移動機構)、130…第1左右移動機構(第2左右移動機構)、131L,131R…第1油圧シリンダ(第2油圧シリンダ)、140…第1回転機構、D1…第1軸線、D2…第2軸線、H1…第1車両の高さ、H2…第2車両の高さ、K1…第1傾斜角度、K2…第2傾斜角度、V1…第1運搬方向、V2…第2運搬方向