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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072898
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】情報提供システム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20230518BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230518BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230518BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q10/04
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185605
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山川 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】小林 岳大
(72)【発明者】
【氏名】川島 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 太路
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC11
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】車両事故に関する多様な情報を利用して高度な情報提供を行うこと。
【解決手段】情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理部と、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析し、前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供する分析部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理部と、
前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析し、前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供する分析部と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記分析部は、
前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び車両の装備を前記車両事故の種別ごとに分析して事故モデル情報を生成し、
前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報の項目と前記事故モデル情報の項目との一致度合いから前記相関を分析することを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記ユーザ情報の属性と、前記車両事故に係る運転者の属性の項目として、加入している保険を示す項目を含み、
前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する保険を出力することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記車両装備情報と、前記車両事故に係る車両の装備は、車両購入後に追加変更可能な装備であり、
前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する装備を出力することを特徴とする情報提供システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記分析部は、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性とユーザ情報との相関を分析するとともに、前記車両事故に係る車両の装備と前記車両装備情報との相関を分析し、前記ユーザ情報及び前記車両装備情報の総合的な評価値を求めることを特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報提供システムであって、
総合的な評価値に応じた特典を前記ユーザに提供することを特徴とする情報提供システム。
【請求項7】
請求項5に記載の情報提供システムであって、
前記分析部は、前記ユーザの運転操作をさらに分析し、前記総合的な評価値に反映させることを特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記ユーザ情報の属性と、前記車両事故に係る運転者の属性の項目として、加入している保険を示す項目を含み、
前記車両装備情報と、前記車両事故に係る車両の装備は、車両購入後に追加変更可能な装備であり、
前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する装備と、当該装備の搭載を条件として推奨する保険とを出力することを特徴とする情報提供システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報提供システムであって、
前記車両事故の発生時に連絡を受けるコールセンタから前記事故入電情報を取得することを特徴とする情報提供システム。
【請求項10】
情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理ステップと、
前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析するステップと、
前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供するステップと
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両事故の予防、対処、保険等の側面から様々な情報提供が行われている。
例えば、特許文献1には、「車両保険を現状に応じて選定することで、より適切な車両保険を提供することが可能な情報処理装置、情報処理方法、プログラム、およびシステムを提供する。」「設定された車両保険条件と、車両およびユーザの属性情報と、移動経路情報を含む車両の実時間の特性情報とに基づいて算出された1または複数の保険から、前記車両に適用する保険を選定する選定部を備える」との記載がある。
【0003】
また、特許文献2には、「複数の車両それぞれの車両の状況情報と、前記複数の車両それぞれに対する運転履歴情報を収集して蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段にて蓄積された情報を用いて、メンテナンスを行うべきタイミングを特定するために用いられる指標情報を生成する生成手段と、メンテナンスの対象となる対象車両の状況情報および運転履歴情報の少なくともいずれかに基づいて、当該対象車両の状態を推定する第1の推定手段と、前記対象車両の状況情報に基づいて、当該対象車両のユーザーのメンテナンスの傾向を推定する第2の推定手段と、前記対象車両の状況情報および運転履歴情報の少なくともいずれかに基づいて、前記生成手段にて生成された指標情報の中から、当該対象車両のメンテナンスを行うべきタイミングを特定する際に用いる指標情報を選択し、前記第1の推定手段にて推定された状態と、前記第2の推定手段にて推定された前記対象車両のユーザーのメンテナンスの傾向と、前記推定された指標情報を用いて前記対象車両のメンテナンスを行うべきタイミングおよび内容を特定する特定手段と、前記特定手段にて特定したメンテナンスを行うべきタイミングおよび内容に基づき、当該メンテナンスに関する通知を行う通知手段とを有する。」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2017/168883
【特許文献2】特許第6802359号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、十分な情報提供ができないケースがあった。例えば、車両事故に関する情報は、コールセンタに事故入電情報として蓄積されているが、このような事故入電情報は、ユーザの加入する保険や車両に搭載する装備に反映されていなかった。
そこで、本発明では、車両事故に関する多様な情報を利用して高度な情報提供を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明の情報提供システムの一つは、情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理部と、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析し、前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供する分析部とを備えたことを特徴とする。
また、代表的な本発明の情報提供方法の一つは、情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理ステップと、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析するステップと、前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両事故に関する多様な情報を利用して高度な情報提供を行うことができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の自動車アフターメンテレコメンドシステムの構成例について概要を示した図である。
図2】本発明の自動車アフターメンテレコメンドシステムを利用して、顧客属性値と車両属性値を算出するフローチャートである。
図3】本発明の顧客属性値から推奨保険IDを算出するフローチャートである。
図4】本発明の車両属性値から推奨部品IDを算出するフローチャートである。
図5】本発明の顧客属性値かと車両属性値から総合属性値を算出するフローチャートである。
図6】本発明の事故入電情報111のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図7】本発明の事故モデル情報112のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図8】本発明の損害保険プラン情報113のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図9】本発明の自動車部品情報114のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図10】本発明の搭載パーツ情報115のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図11】本発明のドライバ個人情報116のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図12】本発明の顧客属性値情報117のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図13】本発明の車両属性値情報118のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図14】本発明のインセンティブ情報119のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図15】本発明のレコメンド情報120のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
図16】本発明の顧客属性値と車両属性値を基とした自動車パーツと保険プラン及び顧客インセンティブ情報表示画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0010】
<システム構成全体>
本実施例では、情報提供システムの一形態として、自動車アフターメンテレコメンドシステムを例示して説明を行う。
図1は、本発明の自動車アフターメンテレコメンドシステムの構成例について概要を示した図である。
自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、PCやサーバ装置などの計算機によって実装され、分析用データベース110、分析用サーバ121の各部により構成される。また、自動車アフターメンテレコメンドシステム100に予め最新の情報を保持していないものについては、ネットワークを介してコールセンタシステム130、損害保険商品管理システム140および自動車の販売実績等を管理する自動車販売管理システム150などの外部システムからデータを取得する。上記自動車アフターメンテレコメンドシステム100とサーバとの間の通信や、上記携帯端末とサーバとの間の通信は、有線、無線を問わず一般的な公衆回線網、例えば、「多数同時接続」、「超低遅延」を可能とした第5世代移動通信システム、いわゆる5G(5th Generation)を用いることができる。
【0011】
分析用データベース110は、情報提供対象のユーザ(ドライバ)に関して1又は複数の属性を示すユーザ情報(ドライバ個人情報116)と、ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報(搭載パーツ情報115)と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報111とを管理するデータ管理部である。
【0012】
分析用サーバ121は、事故入電情報に示された車両事故に係る運転者の属性及び/又は車両事故に係る車両の装備と、ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析し、相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報をユーザに提供する分析部である。
【0013】
なお、ユーザ情報(ドライバ個人情報116)の属性には、ユーザの年齢、性別、年収、既婚か否か、趣味などの他、加入している保険など、受けているサービスを項目として含むことができる。
また、車両の装備は、車両購入後に追加変更可能な装備である。例えば、タイヤ、バンパー、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダーなど、交換や後付けによって車両の機能の向上に寄与するものが好適である。また、コーナーセンサやオートクルーズなどを含めてもよい。また、オイル交換などの消耗品の交換や保守を含めてもよい。
【0014】
コールセンタシステム130は、事故入電情報131を保持する。
損害保険商品管理システム140は、損害保険プラン情報141を保持する。
自動車販売管理システム150は、自動車パーツ情報151を保持する。
ドライバアプリ160はドライバ個人情報161とレコメンド情報162を保持する。
分析用データベース110は事故入電情報111、事故モデル情報112、損害保険プラン情報113、自動車部品情報114、搭載パーツ情報115、ドライバ個人情報116、顧客属性値情報117、車両属性値情報118、インセンティブ情報119、レコメンド情報120を含んで構成される。
分析用サーバ121は傾向分析処理122を含むよう構成される。
【0015】
<傾向分析処理>
本システムにおける根幹をなす傾向処理分析の仕組みについて説明する。
傾向処理分析はコールセンタ入電情報、保険プラン情報、自動車パーツ情報等を組合せ、顧客毎の属性値(事故別の発生確率)と車両毎の属性値を算出する処理である。
【0016】
始めに、顧客属性値の算出フローについて説明する。
予め自動車アフターメンテレコメンドシステムに蓄積しておいたドライバ個人情報116を1レコード読み取る。次に読み込んだ1件のドライバ個人情報116とN件のレコードを保持する事故モデル情報112の情報を比較していき、比較度合いを算出する。
例えば事故モデル情報112によると、ガードレール破壊を起こす人物の属性値として、性別:男、年収:500万、独身という設定が行われており、ドライバ個人情報116から読み込んだN件のレコードが属性値として合致する項目の数だけ点数を加算していく。
上記処理により、ドライバの事故の種類別における発生確率(顧客属性値)が算出可能となる。
【0017】
次に、車両属性値の算出フローについて説明する。基本的な流れは顧客属性値と同様である。
予め自動車アフターメンテレコメンドシステムに蓄積しておいた自動車部品情報114を1レコード読み取る。次に読み込んだ1件の自動車部品情報114とN件のレコードを保持する事故モデル情報112の情報を比較していき、比較度合いを算出する。
【0018】
<処理フロー>
図2はコールセンタ入電情報・ドライバアプリ情報・自動車パーツ情報を突合して顧客属性値と車両属性値を算出するフローチャートである。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、初めにドライバ個人情報テーブルの情報を1レコード読み込む(ステップS200)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、読み込んだドライバ個人情報と事故モデル情報112のデータを発生した事故区分をキーに突合する(ステップS202)。突合の結果、各事故区分別に属性値を出し(ステップS203)、顧客属性テーブルへ登録していく(ステップS204)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、S202~S203をレコード件数分ループし(ステップS201)、レコードなしとなった場合にステップS204に進む。
【0019】
ステップS204では、自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、車両情報についても同様に、自動車部品情報114を1レコード読み込む。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、読み込んだ自動車部品情報114と事故モデル情報112のデータを発生した事故区分をキーに突合する(ステップS206)。突合の結果、各事故区分別に属性値を算出し、車両属性テーブルへ登録していく(ステップS207)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、S206~S207をレコード件数分ループし(ステップS205)、レコードなしとなった場合に処理を終了する。
【0020】
図3は推奨保険IDの算出を行うフローチャートである。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、初めに顧客属性値情報117より1レコードを読み取る(ステップS300)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、読み取ったレコードの顧客属性値が最も高いカラム名を読み取り一時的に保持しておく(ステップS302)。次に損害保険プラン情報113のレコードを1レコードずつ読み込んでいき(ステップS303)、事前に保持したカラム名と推奨対策事故名を突合していく(ステップS304)。
【0021】
突合の結果、一致しなければ、自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、次のレコードを読み取って(ステップS305)、ステップS304に戻る。一致したならば、推奨事故対策名と対応する保険IDが顧客へ推奨する保険IDとなる。具体的には、プランコードとプラン名が返却される(ステップS306)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、S302~S305をレコード件数分ループし(ステップS301)、レコードなしとなった場合に処理を終了する。
【0022】
図4は推奨部品IDの算出を行うフローチャートである。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、初めに車両属性値情報118より1レコードを読み取る(ステップS400)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、読み取ったレコードの車両属性値が最も高いカラム名を読み取り一時的に保持しておく(ステップS402)。次に自動車部品情報114のレコードを1レコードずつ読み込んでいき(ステップS403)、事前に保持したカラム名と推奨対策事故名を突合していく(ステップS404)。
【0023】
突合の結果、一致しなければ、自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、次のレコードを読み取って(ステップS405)、ステップS404に戻る。一致したならば、推奨事故対策名と対応する部品IDが顧客へ推奨する部品IDとなる。具体的には、部品IDと部品名が返却される(ステップS406)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、S402~S405をレコード件数分ループし(ステップS401)、レコードなしとなった場合に処理を終了する。
【0024】
図5は総合属性値を算出するフローチャートである。総合属性値は顧客属性値と車両属性値を加算することで、ドライバが事故を誘発する確率を総合的に評価した値である。
自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、初めに顧客属性値情報117から1レコードを読み取り(ステップS500)、各属性値の和を算出する(ステップS502)。その後、次のレコードを読み取る(ステップS503)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、ステップS502~503をレコード件数分ループし(ステップS501)、レコードなしとなった場合にステップS504に移行する。
【0025】
ステップS504では、自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、顧客IDより対応する車両IDを取得する(ステップS504)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、取得した車両IDの各属性値の和を車両属性値情報118より算出し(ステップS506)、次のレコードを読み取る(ステップS507)。自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、ステップS506~507をレコード件数分ループし(ステップS505)、レコードなしとなった場合にステップS508に移行する。ステップS508において、自動車アフターメンテレコメンドシステム100は、顧客属性値情報の和、車両属性値情報の和を合算し、総合属性値を算出する(ステップS508)。
【0026】
図6は事故入電情報111のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。
事故入電情報111はコールセンタへ実際に入電した情報を保持するテーブルである。例えば対物事故が発生した際、事故の種類(ガードレール破壊・電柱衝突等)や事故を起こしたドライバの個人情報(年齢・性別等)や車両の情報(取り付けパーツ等)の情報を保持する。
車台番号・顧客コードは事故を引き起こした車両と顧客を一意に特定するためのデータである。事故区分1・事故区分2は事故の種別を指し、この事故区分1・事故区分2をキーとして事故モデル情報112が作成される。所有者は自動車のドライバを指す。年齢・性別・年収・未婚or既婚・加入保険・バンパー・ホイールは事故モデル情報112を作成する元データとして利用される。
【0027】
図7は事故モデル情報112のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。事故モデル情報112は事故入電情報111の情報を基に、事故の種類に応じたドライバの情報、自動車パーツの情報を一般化したテーブルである。例えばガードレール破壊を引き起こす傾向のあるドライバの年齢・性別やパーツの情報が本テーブルからわかる。
【0028】
事故入電情報111の事故区分1・事故区分2のキー値として付随するデータである年齢・性別・年収・未婚or既婚・加入保険・バンパー・ホイールの平均値を算出した値が事故モデル情報112の年齢・性別・年収・未婚or既婚・加入保険・バンパー・ホイールである。
【0029】
図8は損害保険プラン情報113のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。損害保険プラン情報113は顧客へ推奨予定の損害保険プランの全データを保持する。各保険には推奨対策事故が設定されており、顧客属性値情報117のデータと突合し顧客への推奨保険プランを決定する際に使用する。プランコードは各保険商品を一意に特定するコードであり、プラン名はプランコードに紐づく保険商品名である。
【0030】
図9は自動車部品情報114のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。自動車部品は部品IDは各部品を一意に特定するIDである。各部品IDに対し、1つの推奨対策事故が設定される。推奨対策事故は本部品搭載により対策が有効と考えられる事故である。
【0031】
図10は搭載パーツ情報115のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。搭載パーツ情報115は車両毎の搭載されているパーツ情報を保持する。車両IDは車両を一意に特定するための情報である。搭載パーツ1・搭載パーツ2・搭載パーツ3は各車両に搭載されている搭載パーツを表す。本搭載パーツについて、傾向分析処理により車両属性情報(事故の発生確率)を算出する。
【0032】
図11はドライバ個人情報116のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。ドライバ個人情報116はドライバアプリ160に蓄積されているドライバの個人情報(氏名・所有者・年齢・性別等)を保持する。本データと事故モデル情報112の情報を突合することで、各ドライバに応じた推奨保険プラン・交換パーツを算出する。顧客コードは顧客を一意に特定するための項目である。顧客名は顧客コードに紐づく顧客の氏名を指す。所有者・年齢・性別・年収・未婚or既婚・加入保険・趣味も同様に顧客コードに紐づく付帯情報であり、事故モデル情報112を作成する基データとなる。
【0033】
図12は顧客属性値情報117のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。顧客属性値情報117はドライバ毎に各事故の属性値を保持する。顧客コードは各顧客を一意に特定するためのデータであり、ガードレール破壊属性値・追突事故属性値は顧客コードに紐づく属性値であり、傾向分析処理により算出する。本値が高い程、事故確率が高いことを表す。
【0034】
図13は車両属性値情報118のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。車両属性値情報118は車両毎に各事故の属性値を保持する。車両IDは各車両を一意に特定するためのデータであり、バンパー破壊属性値・バックミラー破壊属性値は車両IDに紐づく属性値であり、傾向分析処理により算出する。本値が高い程、事故確率が高いことを表す。
【0035】
図14はレコメンド情報120のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。レコメンド情報120は傾向分析処理によって得られた顧客ID・車両IDをキーとして推奨する保険商品の情報と推奨する自動車パーツの情報を保持する。
【0036】
図15はインセンティブ情報119のデータ構成と具体的なデータの例について示した図である。インセンティブ情報119はドライバへ提供するインセンティブの情報を保持する。インセンティブは総合属性値によって決定する。顧客属性値は顧客属性値情報117のデータと突合することにより、ドライバ各々の顧客属性値を決定する。
【0037】
図16は本発明の顧客属性値と車両属性値を基とした自動車パーツと保険プラン及びインセンティブ表示画面の例である。ドライバ別に推奨する保険商品と自動車パーツをドライバアプリ上で表示する。加えて、総合属性値より算出したドライバ別のインセンティブの情報も表示する。
【0038】
これまでの説明では、顧客属性値と車両属性値を合算して総合属性値を求めていたが、ドライバの運転操作をさらに分析し、総合的な評価値である総合属性値に反映させてもよい。例えば、急ハンドルや急ブレーキの履歴、道路に設定された制限速度の情報と車両の走行速度などを取得してドライバの運転操作を評価し、顧客属性値に対する係数を求めてもよい。ドライバの運転操作が安全運転の基準に沿っていれば係数が小さくなるよう設定することで、ドライバが安全運転を心がけるほど、係数を乗算した顧客属性値と車両属性値との合算である総合属性値を小さくすることができる。
【0039】
また、推奨パーツと推奨保険を連携させてもよい。例えば、もらい事故が多い傾向を示すドライバに対しては、推奨パーツとしてドライブレコーダーを提示し、推奨したドライブレコーダーの搭載を条件として提供可能な保険を提示することができる。
【0040】
上述してきたように、開示の情報提供システムは、情報提供対象のユーザに関して1又は複数の属性を示すユーザ情報と、前記ユーザが運転する車両に搭載された装備を示す車両装備情報と、車両事故に関する入電の内容を示す事故入電情報とを管理するデータ管理部と、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び/又は前記車両事故に係る車両の装備と、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報との相関を分析し、前記相関の低下に寄与する属性及び/又は装備に関する情報を前記ユーザに提供する分析部とを備えたことを特徴とする。
一例として、前記分析部は、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性及び車両の装備を前記車両事故の種別ごとに分析して事故モデル情報を生成し、前記ユーザ情報及び/又は前記車両装備情報の項目と前記事故モデル情報の項目との一致度合いから前記相関を分析する。
このように、事故入電情報とユーザ情報や車両装備情報を比較して評価するので、車両事故に関する多様な情報を利用して高度な情報提供を行うことができる。
【0041】
また、開示のシステムは、前記ユーザ情報の属性と、前記車両事故に係る運転者の属性の項目として、加入している保険を示す項目を含み、前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する保険を出力する。
このため、事故入電情報を利用して推奨する保険を選択し、出力することができる。
【0042】
また、開示のシステムにおいて、前記車両装備情報と、前記車両事故に係る車両の装備は、車両購入後に追加変更可能な装備であり、前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する装備を出力することを特徴とする。
このため、事故入電情報からユーザが車両に搭載すべき装備を推奨することができる。
【0043】
また、前記分析部は、前記事故入電情報に示された前記車両事故に係る運転者の属性とユーザ情報との相関を分析するとともに、前記車両事故に係る車両の装備と前記車両装備情報との相関を分析し、前記ユーザ情報及び前記車両装備情報の総合的な評価値を求めることを特徴とする。
そして、総合的な評価値に応じた特典を前記ユーザに提供することができる。
また、前記分析部は、前記ユーザの運転操作をさらに分析し、前記総合的な評価値に反映させることもできる。
このように、ユーザの運転と車両の装備を総合的に評価し、安全運転に対する動機づけを行い、車両事故の予防に寄与することができる。
【0044】
また、開示のシステムは、前記ユーザ情報の属性と、前記車両事故に係る運転者の属性の項目として、加入している保険を示す項目を含み、前記車両装備情報と、前記車両事故に係る車両の装備は、車両購入後に追加変更可能な装備であり、前記分析部は、前記ユーザに対して推奨する装備と、当該装備の搭載を条件として推奨する保険とを出力することを特徴とする。
このように、推奨する装備と保険を有機的に連携させることで、実態に沿った適切な組み合わせを提案することができる。
【0045】
また、事故入電情報は、車両事故の発生時に連絡を受けるコールセンタから取得することができる。
【0046】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
例えば、コールセンタのシステムに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
100:自動車アフターメンテレコメンドシステム、110:分析用データベース、111:事故入電情報、112:事故モデル情報、113:損害保険プラン情報、114:自動車部品情報、115:搭載パーツ情報、116:ドライバ個人情報、117:顧客属性値情報、118:車両属性値情報、119:インセンティブ情報、120:レコメンド情報、121:分析用サーバ、122:傾向分析処理、130:コールセンタシステム、131:事故入電情報、140:損害保険商品管理システム、141:損害保険プラン情報、150:自動車販売管理システム、151:自動車パーツ情報、160:ドライバアプリ、161:ドライバ個人情報、162:レコメンド情報
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