(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072905
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】飲料注出装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/12 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
B67D1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185617
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 佐紀
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082BB03
3E082CC03
3E082CC04
3E082CC10
3E082DD01
3E082EE05
3E082FF03
(57)【要約】
【課題】炭酸水と飲料原液とを飲用容器内で炭酸飲料として注出する飲料注出装置において、炭酸水が飲用容器内の氷と接触して過剰に泡立たないようにする。
【解決手段】飲料注出装置10は、飲料を注出する注出部210に設けられて飲料の原液となる飲料原液を供給するための第1供給路212を開閉する第1供給路開閉弁212aと、注出部210に設けられて炭酸水を供給するための第2供給路213を開閉する第2供給路開閉弁213aと、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉する開閉機構部とを備え、開閉機構部により第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開放することによって飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出するものであり、開閉機構部は第1供給路開閉弁212aを開放させて飲料原液を注出開始させてから第2供給路開閉弁213aを開放させて炭酸水を注出開始させるようにした。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を注出する注出部に設けられて飲料の原液となる飲料原液を供給するための第1供給路を開閉する第1供給路開閉弁と、
前記注出部に設けられて炭酸水を供給するための第2供給路を開閉する第2供給路開閉弁と、
前記第1及び第2供給路開閉弁を開閉する開閉機構部とを備え、
前記開閉機構部により前記第1及び第2供給路開閉弁を開放することによって飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出する飲料注出装置であって、
前記開閉機構部は前記第1供給路開閉弁を開放させて前記第1供給路から飲料原液を注出開始させてから前記第2供給路開閉弁を開放させて前記第2供給路から炭酸水を注出開始させるようにしたことを特徴とする飲料注出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料注出装置において、
前記開閉機構部は、
前記注出部にて前記第1供給路開閉弁を閉止させている閉止位置と前記第1供給路開閉弁を開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて前記第1供給路開閉弁を開閉させる第1供給路開閉レバーと、
前記注出部にて前記第2供給路開閉弁を閉止させている閉止位置と前記第2供給路開閉弁を開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて前記第2供給路開閉弁を開閉させる第2供給路開閉レバーと、
前記注出部にて前記第1供給路開閉レバーを前記閉止位置から前記開放位置に移動させる第1操作部と前記第2供給路開閉レバーを前記閉止位置から前記開放位置に移動させる第2操作部とを有して前記第1及び第2供給路開閉レバーを前記閉止位置から前記開放位置に移動させる操作をする移動操作部材とを備え、
前記移動操作部材は、前記第1及び第2供給路開閉レバーを前記閉止位置から前記開放位置に移動させるときに、前記第1操作部が先に前記第1供給路開閉レバーに接近して前記閉止位置から前記開放位置に移動開始させてから、前記第2操作部が後で前記第2供給路開閉レバーに接近して前記閉止位置から前記開放位置に移動させるようにしたことを特徴とする飲料注出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の飲料注出装置において、
前記第1及び第2供給路開閉弁は電磁弁を採用したものであり、
前記開閉機構部は前記第1及び第2供給路開閉弁の開閉を制御する開閉制御部を備え、
前記開閉制御部は前記第1供給路開閉弁を開放開始させてから前記第2供給路開閉弁を開放開始させるように制御したことを特徴とする飲料注出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料の原液となる飲料原液と炭酸水とをグラスやジョッキ等の飲用容器に炭酸飲料として注出する飲料注出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはビール等の発泡性飲料と炭酸飲料とを自動注出する飲料自動注出装置が開示されている。この飲料自動注出装置は、装置本体の右側にビール等の発泡性飲料を注出する第1自動注出ユニットと、装置本体の左側に炭酸飲料を注出する第2自動注出ユニットとを備えている。第1自動注出ユニットは、ビール等の発泡性飲料を注出する注出コックと、コック操作装置と、容器受台装置と、受台傾動装置とを備えている。第1自動注出ユニットからビール等の発泡性飲料を注出するときには、容器受台装置にジョッキ等の飲用容器を載置した後で、自動注出スイッチを押動操作して自動注出プログラムを実行すると、受台傾動装置によって受台に載置した飲用容器を傾斜させてから、コック操作装置により注出コックの操作レバーを前側に傾動させることで弁機構部を液用開放状態で開放させる。発泡性飲料は、注出コックの注出ノズルから受台にて傾斜させた飲用容器に液状態で自動注出され、飲用容器に一定量の発泡性飲料が注出されると、受台傾動装置によって傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して飲用容器を起立させ、コック操作装置により注出コックの操作レバーを後側に傾動させることで弁機構部を泡用開放状態で開放させ、発泡性飲料は起立させたジョッキ等の飲用容器の上部で注出ノズルから液状態の発泡性飲料の上側にきめ細かな泡状態で自動注出される。
【0003】
また、第2自動注出ユニットは、飲料原液と炭酸水をジョッキ等の飲用容器に炭酸飲料として注出する注出コックと、コック操作装置と、容器受台装置と、受台傾動装置とを備えている。第2自動注出ユニットの注出コックは、別々に供給される飲料原液と炭酸水とを炭酸飲料として飲用容器内に注出するものであり、飲料原液供給路を開閉する第1供給路開閉弁と、炭酸水供給路を開閉する第2供給路開閉弁とを備え、第1及び第2供給路開閉弁の各々にはこれらを開閉するための第1及び第2供給路開閉レバーが設けられている。第1及び第2供給路開閉レバーは左右に並べて配置されており、第1及び第2供給路開閉レバーの直ぐ後側にはスリーブがブラケットによって前後に揺動可能に設けられている。スリーブには操作レバーが設けられており、スリーブは操作レバーによって前後に移動操作される。操作レバーによってスリーブを前側に移動させると、第1及び第2供給路開閉レバーの上部が前側に移動して第1及び第2供給路開閉弁が開放され、飲料原液供給路から飲料原液と炭酸水供給路から炭酸水とがジョッキ等の飲用容器に炭酸飲料として注出される。
【0004】
第2自動注出ユニットから炭酸飲料を注出するときには、容器受台装置にジョッキ等の飲用容器を載置した後で、自動注出スイッチを押動操作して自動注出プログラムを実行すると、受台傾動装置によって受台に載置した飲用容器を傾斜させてから、コック操作装置により操作レバーを前側に傾動させることで第1及び第2供給路開閉レバーの上部が前側に移動して第1及び第2供給路開閉弁を開放させる。飲料原液供給路から供給される飲料原液と炭酸水供給路から炭酸水とが注出ノズルから受台で傾斜させたジョッキ等の飲用容器に炭酸飲料として自動注出される。ジョッキ等の飲用容器に一定量の炭酸飲料が注出されると、受台傾動装置によって傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して飲用容器を起立させ、起立した飲用容器に飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料が所定量となるまで継続して注出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の飲料自動注出装置の第2自動注出ユニットにおいては、コック操作装置により操作レバーを前側に傾動させたときに、第1及び第2供給路開閉レバーの上部が同時に前側に移動し、第1及び第2供給路開閉弁が同時に開放され、飲料原液と炭酸水が同時に飲用容器に注出される。この種の飲料自動注出装置で炭酸飲料を注出するときには、ジョッキ等の飲用容器に氷を予め入れた状態で飲料原液と炭酸水とを炭酸飲料として注出することが多い。炭酸水等の炭酸を含んだ液体は氷と接触すると泡立ちやすく、飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料がジョッキ等の飲用容器内で泡立つと飲用容器から溢出するおそれがある。本発明は、炭酸水と飲料原液とを飲用容器内で炭酸飲料として注出する飲料注出装置において、炭酸水が飲用容器内の氷と接触して過剰に泡立たないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、飲料を注出する注出部に設けられて飲料の原液となる飲料原液を供給するための第1供給路を開閉する第1供給路開閉弁と、注出部に設けられて炭酸水を供給するための第2供給路を開閉する第2供給路開閉弁と、第1及び第2供給路開閉弁を開閉する開閉機構部とを備え、開閉機構部により第1及び第2供給路開閉弁を開放することによって飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出する飲料注出装置であって、開閉機構部は第1供給路開閉弁を開放させて第1供給路から飲料原液を注出開始させてから第2供給路開閉弁を開放させて第2供給路から炭酸水を注出開始させるようにしたことを特徴とする飲料注出装置を提供するものである。
【0008】
上記のように構成した飲料注出装置においては、開閉機構部により第1及び第2供給路開閉弁を開放することによって第1及び第2飲料供給路から飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出するときに、開閉機構部は第1供給路開閉弁を開放させて第1供給路から飲料原液を注出開始させてから第2供給路開閉弁を開放させて第2供給路から炭酸水を注出開始させるようにしている。飲用容器内に氷が入った状態で炭酸飲料を注出するときに、注出部から飲料容器に飲料原液が注出開始されてから炭酸水が注出されるようになるので、飲用容器内の氷は先に注出開始される飲料原液によって表面が融けて滑らかな状態となり、飲料原液の注出開始後に注出開始される炭酸水は表面が融けて滑らかな状態となった氷と接触するようになるので、炭酸水が飲用容器内で過剰に泡立つのを防ぐことができる。
【0009】
上記のように構成した飲料注出装置の一実施形態として、開閉機構部は、注出部にて第1供給路開閉弁を閉止させている閉止位置と第1供給路開閉弁を開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて第1供給路開閉弁を開閉させる第1供給路開閉レバーと、注出部にて第2供給路開閉弁を閉止させている閉止位置と第2供給路開閉弁を開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて第2供給路開閉弁を開閉させる第2供給路開閉レバーと、注出部にて第1供給路開閉レバーを閉止位置から開放位置に移動させる第1操作部と第2供給路開閉レバーを閉止位置から開放位置に移動させる第2操作部とを有して第1及び第2供給路開閉レバーを閉止位置から開放位置に移動させる操作をする移動操作部材とを備え、移動操作部材は、第1及び第2供給路開閉レバーを閉止位置から開放位置に移動させるときに、第1操作部が先に第1供給路開閉レバーに接近して閉止位置から開放位置に移動開始させてから、第2操作部が後で第2供給路開閉レバーに接近して閉止位置から開放位置に移動させるようにしてもよい。
【0010】
上記のように構成した飲料注出装置の他の実施形態として、第1及び第2供給路開閉弁は電磁弁を採用したものであり、開閉機構部は第1及び第2供給路開閉弁の開閉を制御する開閉制御部を備え、開閉制御部は第1供給路開閉弁を開放開始させてから第2供給路開閉弁を開放開始させるように制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】左右方向の中央部の前後方向に沿った縦方向断面図である。
【
図3】第1自動注出ユニットの飲料経路の概略図である。
【
図4】第2自動注出ユニットの飲料経路の概略図である。
【
図5】第2自動注出ユニットの前後方向に沿った縦方向断面図である。
【
図6】第2自動注出ユニットの注出コックの斜視図(a)、カバーを取り外した状態の斜視図(b)である。
【
図7】第2自動注出ユニットの注出コックの平面図(a)、A-A断面図(b)、B-B断面図(c)である。
【
図8】
図6(b)の斜視図でスリーブと供給路開閉レバーが見えるように一部を破断した斜視図(a)、操作レバーを左側に移動させた斜視図(b)、操作レバーを右側に移動させた斜視図(c)である。
【
図9】操作レバーを前側に少し傾倒させて第1操作部の突部が第1供給路開閉レバーの上部を押動させたときのA-A断面図(a)、B-B断面図(b)である。
【
図10】
図9の状態から操作レバーをさらに前側に傾倒させて第2操作部の突部が第2供給路開閉レバーの上部を押動させたときのA-A断面図(c)、B-B断面図(d)である。
【
図13】第2自動注出ユニットの制御装置と各機器との接続を示すブロック図である。
【
図14】他の実施形態の第2自動注出ユニットを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の飲料注出装置の実施形態を図面を参照して説明する。この実施形態の飲料注出装置10は、注出コックからグラスやジョッキ等の飲用容器にビール等の発泡性飲料と、ハイボール等の炭酸飲料を自動注出するものである。
図1に示したように、この実施形態の飲料注出装置10は、装置本体11の前部の右側に第1自動注出ユニット12Rと、左側に第2自動注出ユニット12Lとを備えている。
【0013】
図1及び
図3に示したように、右側に配置される第1自動注出ユニット12Rはビール等の発泡性飲料をグラスやジョッキ等の飲用容器に自動注出するものであり、注出コック110、コック操作装置120、容器受台装置130及び受台傾動装置140を備えている。
図1及び
図4に示したように、左側に配置される第2自動注出ユニット12Lはビールのように発泡しないものの炭酸ガスが含まれるハイボール等の炭酸飲料をジョッキ等の飲用容器に自動注出するものであり、注出コック210、コック操作装置220、容器受台装置230及び受台傾動装置240を備えている。この明細書では、炭酸飲料を注出する第2自動注出ユニット12Lを中心に説明する。
【0014】
図2に示したように、飲料注出装置10は、装置本体11内の上部に冷却水を貯えた冷却水槽13と、装置本体11の下部の機械室に冷却水槽13内の冷却水を冷却する冷凍装置14とを備えている。
図2及び
図3に示したように、冷却水槽13内には飲料冷却管15が設けられており、飲料冷却管15は上述した第1自動注出ユニット12Rで注出するビール等の発泡性飲料を冷却する。飲料冷却管15は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、発泡性飲料は飲料冷却管15を通過するときに冷却水によって冷却される。飲料冷却管15の導入端部は飲料供給管T1を介してビア樽等の発泡性飲料容器Tに接続されており、飲料冷却管15の導出端部は装置本体11の右側上部に設けた第1自動注出ユニット12Rの注出コック110に接続されている。発泡性飲料容器Tにはガス供給管G1を介してガスボンベ(ガス供給源)Gが接続されており、発泡性飲料容器T内の発泡性飲料はガスボンベGから供給される炭酸ガスの圧力によって飲料冷却管15を通って注出コック110に送られる。
【0015】
図2及び
図4に示したように、冷却水槽13内には炭酸水生成装置20を構成する炭酸水生成タンク21が設けられており、炭酸水生成タンク21は第2自動注出ユニット12Lにて注出するハイボール等の炭酸飲料の原料となる炭酸水を生成するものである。炭酸水生成タンク21は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、炭酸水生成タンク21内にて生成された炭酸水は冷却水槽13内の冷却水によって冷却されている。炭酸水生成タンク21にはガス供給管G2を介してガスボンベGが接続されており、炭酸水生成タンク21内はガスボンベGから送られる炭酸ガスが供給されることで加圧されている。炭酸水生成タンク21内には水位センサ22が設けられており、水位センサ22は炭酸水生成タンク21内の上限水位と下限水位とを検知する。
【0016】
炭酸水生成タンク21の上部には給水管23が接続され、炭酸水生成タンク21の底部には炭酸水送出管27が接続されている。給水管23は水道等の給水源の水を炭酸水生成タンク21に送出するものであり、炭酸水生成タンク21内に送出された水はガスボンベGから送られた炭酸ガスが溶けて炭酸水となる。給水管23には給水源側となる上流側から給水弁24と送水ポンプ25と逆止弁26が介装されている。給水管23の逆止弁26より下流側は炭酸水生成タンク21とともに冷却水槽13の冷却水に浸漬されており、給水源の水は給水管23を通過するときに冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて炭酸水生成タンク21に送られる。給水弁24は給水管23を開閉するものであり、給水源の水は給水弁24の開放によって給水管23を通過可能となる。送水ポンプ25は炭酸ガスによって加圧状態の炭酸水生成タンク21に給水管23から供給される水を圧送する。水位センサ22により下限水位を検知すると、給水弁24が開放されるとともに送水ポンプ25が作動するように制御され、水位センサ22により上限水位を検知すると、給水弁24が閉止されるとともに送水ポンプ25の作動が停止されるように制御されている。逆止弁26は加圧状態の炭酸水生成タンク21から炭酸ガスが給水管23に流入するのを防いでいる。
【0017】
また、炭酸水送出管27は炭酸水生成タンク21内にて生成した炭酸水を第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に送出するものであり、炭酸水送出管27の導出端部は第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に接続されている。炭酸水送出管27は炭酸水生成タンク21とともに冷却水槽13の冷却水に浸漬されており、炭酸水生成タンク21内にて生成した炭酸水は炭酸水送出管27を通過するときにも冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて注出コック210に送られる。
【0018】
冷却水槽13内には飲料原液冷却管16が設けられており、飲料原液冷却管16は第2自動注出ユニット12Lにて注出するハイボール等の炭酸飲料の原料となるウイスキー等の飲料原液(以下、主に飲料原液と記載する。)を冷却する。飲料原液冷却管16は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、飲料原液は飲料原液冷却管16を通過するときに冷却水によって冷却される。飲料原液冷却管16の導入端部は飲料原液供給管B1を介してウイスキーボトル等の飲料原液容器Bに接続されており、飲料原液冷却管16の導出端部は装置本体11の左側上部に設けた第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に接続されている。
【0019】
飲料原液供給管B1にはガスポンプPが介装されており、ガスポンプPにはガス供給管G3を介してガスボンベGが接続されている。ガスポンプPは、飲料原液容器B内の飲料原液を飲料原液供給管B1に送出するものであり、ガスボンベGから供給される炭酸ガスの圧力でピストンが駆動するものである。注出コック210の後述する第1供給路開閉弁212aが閉止された状態では、ガスポンプP内のピストンは飲料原液の圧力が炭酸ガスの圧力に応じた値まで上昇して駆動停止した状態となる。注出コック210の第1供給路開閉弁212aが開放されると、ガスポンプP内の飲料原液の圧力が低下して、ガスポンプP内の飲料原液の圧力が炭酸ガスの圧力に応じた値まで上昇するまでピストンが駆動して、飲料原液容器Bの飲料原液は飲料原液供給管B1を通って飲料原液冷却管16に送られるようになる。飲料原液冷却管16に送られた飲料原液は冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて注出コック210に送られる。
【0020】
図1、
図2、
図4及び
図5に示したように、装置本体11の左側には第2自動注出ユニット12Lが設けられており、第2自動注出ユニット12Lは装置本体11の左側の前面上部に注出コック(注出部)210を備えている。第2自動注出ユニット12Lの注出コック210は飲用容器に主としてハイボール等の炭酸飲料を注出するものである。
図6及び
図7に示したように、注出コック210は、ベースプレート211とカバー211aを備え、ベースプレート211の後部上面には飲料原液を供給するための第1供給路212と炭酸水を供給するための第2供給路213が設けられている。第1供給路212は飲料原液冷却管16に接続され、第2供給路213は炭酸水送出管27に接続されている。
【0021】
図7(b)、(c)に示したように、第1供給路212と第2供給路213の各々には第1及び第2供給路開閉弁212a,213aが左右に並んだ位置で介装されている。第1及び第2供給路開閉弁212a,213aには第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bが設けられており、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aは第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの上部を前側に押動させると開放される。
【0022】
図6~
図8に示したように、ベースプレート211の後部には第1及び第2供給路212,213の上側にブラケット214が前後に揺動可能となるように水平軸線回りに回動可能に設けられており、ブラケット214はばね部材214aによって後側に付勢されている。ブラケット214には左右に延びるシャフト214bが設けられており、シャフト214bには第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの直ぐ後側に円筒形のスリーブ(移動操作部材)215がシャフト214bの軸線方向(左右)に移動可能かつシャフト214bの周方向に対して回動可能に設けられている。スリーブ215には操作レバー216が設けられており、スリーブ215は操作レバー216によって前側に傾動操作と左右方向に移動操作される。なお、スリーブ215は、操作レバー216によって前側に傾動操作されたときに、シャフト214bに対して前側に回動しながらブラケット214とともに前側に傾動される。
【0023】
図8に示したように、シャフト214bにはスリーブ215の左右両側にばね部材214cが設けられており、スリーブ215はばね部材214cによって左右の中央にて両方の第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの両方の直ぐ後側に位置するように付勢されている。
図8に示したように、スリーブ215がばね部材214cによって第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの後側に付勢された状態で、スリーブ215の第1供給路開閉レバー212bの後側(スリーブ215の左側部)は第1供給路開閉レバー212bの上部を前側に移動させる第1操作部215aとなり、スリーブ215の第2供給路開閉レバー213bの後側(スリーブ215の右側部)は第2供給路開閉レバー213bの上部を前側に移動させる第2操作部215cとなっている。
【0024】
第1操作部215aには径方向外側に突出する突部215bが設けられており、第2操作部215cにも径方向外側に突出する突部215dが設けられている。第1操作部215aは第2操作部215cに対してスリーブ215の周方向に異なる位置に設けられており、操作レバー216を鉛直方向に起立させた状態で、第1操作部215aの突部215bは
図7に示す右側から見た状態でスリーブ215の周方向にて約10時より少し手前の位置に設けられ、第2操作部215cの突部215dは
図7に示す右側から見た状態で突部215bより上側にてスリーブ215の周方向にて約11時より少し手前の位置に設けられている。第1及び第2操作部215a,215cの突部215b,215dは第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを異なるタイミングで開放させることを目的として周方向にて異なる位置に配置され、第1操作部215aの突部215bが先に第1供給路開閉レバー212bを前側に押動して第1供給路開閉弁212aを開放させ、第2操作部215cの突部215dが後で第2供給路開閉レバー213bを前側に押動して第2供給路開閉弁213aを開放させる。
【0025】
図9(a)、(b)に示したように、
図7(b)、(c)に示した位置から操作レバー216を少し前側に傾動操作させたときには、スリーブ215がシャフト214bに対して少し前側に回動しながらブラケット214とともに少し前側に傾動する。このとき、
図9(a)に示したように、スリーブ215の第1操作部215aの突部215bが先ず第1供給路開閉レバー212bの上部を前側に押動して第1供給路開閉弁212aを開放させるのに対し、
図9(b)に示したように、スリーブ215の第2操作部215cの突部215dは第2供給路開閉レバー213bの上部を前側に押動せずに第2供給路開閉弁213aを開放させていない。
【0026】
図10(a)、(b)に示したように、
図9(a)、(b)に示した位置からさらに操作レバー216を前側に傾動操作したときには、スリーブ215がシャフト214bに対してさらに前側に回動しながらブラケット214とともに前側に傾動する。このとき、
図10(b)に示したように、スリーブ215の第2操作部215cの突部215dが第2供給路開閉レバー213bの上部を前側に押動して第2供給路開閉弁213aを開放させるようになる。このように、操作レバー216を前側に傾動操作したときには、注出コック210の第1供給路212から飲料原液が先に注出開始され、第2供給路213から炭酸水が後で注出開始される。
【0027】
図8に示したように、スリーブ215の第1操作部215aと第2操作部215cとの間(スリーブ215の左右方向の中央部)は第3操作部215eとなっており、第3操作部215eには第1及び第2操作部215a,215cと異なり突部が設けられていない。この第3操作部215eは、操作レバー216を左右に移動操作したときに、第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの後側に配置される。
図8(b)に示したように、操作レバー216を左側に移動操作したときには、第3操作部215eは第1供給路開閉レバー212bの後側に配置され、第1及び第2操作部215a,215cは第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの後側に配置されない。この状態から操作レバー216を前側に傾動操作すると、スリーブ215がシャフト214bに対してさらに前側に回動しながらブラケット214とともに前側に傾動し、第3操作部215eが第1供給路開閉レバー212bの上部を前側に押動して第1供給路開閉弁212aだけを開放させ、第1供給路212から飲料原液だけが供給される。
【0028】
図8(c)に示したように、操作レバー216を右側に移動操作したときには、第3操作部215eは第2供給路開閉レバー213bの後側に配置され、第1及び第2操作部215a,215cは第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bの後側に配置されない。この状態から操作レバー216を前側に傾動操作すると、スリーブ215がシャフト214bに対してさらに前側に回動しながらブラケット214とともに前側に傾動し、第3操作部215eが第2供給路開閉レバー213bの上部を前側に押動して第2供給路開閉弁213aだけを開放させ、第2供給路213から炭酸水だけが供給される。
【0029】
図11及び
図12に示したように、ベースプレート211の前部には円形孔211bが形成されており、ベースプレート211の前部には円形孔211bの上側に第1供給路212と第2供給路213を炭酸飲料用注出ノズル218に接続する接続部217が設けられている。接続部217は下側に開口した円筒部217aと、円筒部217aの径方向の中央部で下方に延びる飲料原液供給管部217bとを備えている。
図12に示したように、飲料原液供給管部217bには第1供給路212と連通する連通口217b1が開口している。円筒部217aと飲料原液供給管部217bとの間には円筒状空間217cが形成されており、円筒状空間217cには第2供給路213と連通する連通口217c1が開口している。
【0030】
円筒状空間217cには減圧機構を構成する円筒状コーン219が内装されており、円筒状コーン219は外コーン219aと、外コーン219aの内側に隙間空間を介して配置される内コーン219bを備えている。外コーン219aはOリングよりなるシール材を介して円筒部217aの内周面に嵌合されている。内コーン219bはOリングよりなるシール材を介して飲料原液供給管部217bの外周面に嵌合されている。円筒状空間217cの上部に流入した炭酸水は外コーン219aと内コーン219bの間の隙間空間を通過するときに減圧される。
【0031】
ベースプレート211の前部には接続部217の下側に飲料原液と炭酸水とを炭酸飲料として注出する炭酸飲料用注出ノズル218が取り付けられている。炭酸飲料用注出ノズル218は筒形をしたノズル本体218aを備えており、ノズル本体218aは下端に炭酸水注出口218cを有する鉛直方向に直線状に延びる炭酸水通路218bを備えている。炭酸水通路218b内には円筒状コーン219の下側に筒状のディフューザ219cが配設されており、円筒状コーン219を通過して減圧させた炭酸水は炭酸水通路218b内を通るときにディフューザ219cによって整流されて流れ落ちる。
【0032】
ノズル本体218aの上端部にはエラストマーよりなるシール部218dが一体的に設けられており、シール部218dの上面には上側に突出する2つの環状突部が形成されている。シール部218dの2つの環状突部が接続部217の円筒部217aの外周部に弾性変形して密着することにより、ノズル本体218aは接続部217に液密にシールされた状態で取り付けられている。
【0033】
ノズル本体218aの下部には炭酸水通路218bの内部に管状の飲料原液通路218eが設けられており、飲料原液通路218eの上端は飲料原液供給管部217bに接続されている。飲料原液通路218eは炭酸水通路218b内に延びる鉛直部218fと、鉛直部218fの下端から斜め前下方に延びる傾斜部218gとを備えている。鉛直部218fはノズル本体218aの炭酸水通路218b内で上下方向の中間部より少し下側から下部まで延びている。飲料原液通路218eの傾斜部218gの先端はノズル本体218aの外周面で開口する飲料原液注出口218hとなっており、飲料原液注出口218hは前方にて斜め下方に開くように形成されている。
【0034】
図5に示したように、コック操作装置220は操作レバー216を前側に傾動操作することで、注出コック210の第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作するものである。コック操作装置220は装置本体11の前部で上下に移動可能に支持されている。コック操作装置220が下側位置にあるときには、注出コック210の操作レバー216を自動で操作可能な自動操作位置(
図1に示した)となっており、コック操作装置220を持ち上げて上側位置にあるときには、注出コック210の操作レバー216を手動操作可能な手動操作位置となる。コック操作装置220は筐体221内に注出コック210の操作レバー216を前側に傾動させる操作機構部222を有しており、操作機構部222によって操作レバー216を前側に傾動させることで第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作させる。操作機構部222はサーボモータ223と、前後に移動可能に支持されたスライダ224とを備えている。操作機構部222は、サーボモータ223の駆動によってスライダ224を前後に移動させ、操作レバー216を前後に移動するスライダ224により前側に傾動させることで、第1供給路212と第2供給路213を開閉する第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作している。
【0035】
図5に示したように、容器受台装置230は、注出コック210から注出されるハイボール等の炭酸飲料の原料となる炭酸水から炭酸ガスが抜けないようにすることを目的として、飲用容器を前後方向に傾斜可能としている。容器受台装置230は、上端部が装置本体11の前部に設けたブラケット231a(
図1及び
図2に示した)に水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板231と、傾動基板231に取り付けた受台232とを備えている。
【0036】
図5に示したように、受台傾動装置240は、傾動基板231を起立姿勢から傾斜姿勢の間で傾動させることで、受台232に載置した飲用容器を傾斜姿勢に傾動させるものである。受台傾動装置240は、サーボモータ241と、サーボモータ241の駆動によって前後に回動するアーム242とを有している。受台傾動装置240は、サーボモータ241によりアーム242を前方に延びるように回動させて、容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を前方に押し出して起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させる。受台傾動装置240は、サーボモータ241によりアーム242を後方に退避させるように回動させて容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を後方に戻して、容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる。
【0037】
受台傾動装置240はマイクロスイッチ243を備え、マイクロスイッチ243は傾動基板231が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知することにより、受台232に載置した飲用容器が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知する。この実施形態では、傾動基板231の傾斜姿勢は鉛直方向から20°に傾斜する角度に設定されており、マイクロスイッチ243は傾動基板231が20°に傾斜すると傾斜姿勢であると検知する。受台傾動装置240はマイクロスイッチ243による傾動基板231の傾斜姿勢の角度を20°以外の角度にも設定可能となっている。なお、マイクロスイッチ243を用いずにサーボモータ241の回動角度を制御することによって、傾動基板231及び飲用容器の傾斜姿勢の角度を制御してもよい。傾動基板231及び飲用容器の傾斜姿勢は20°に限られるものでなく、20°以外の角度であってもよい。
【0038】
図13に示したように、第2自動注出ユニット12Lは飲用容器に炭酸飲料を注出するのを制御する制御装置250を備えている。第2自動注出ユニット12Lの制御装置250は、炭酸水生成装置20の水位センサ22と給水弁24と送水ポンプ25と、コック操作装置220のサーボモータ223と、受台傾動装置240のサーボモータ241とマイクロスイッチ243と、に接続されている。第2自動注出ユニット12Lのコック操作装置220の前面には操作パネル251が設けられており、操作パネル251は制御装置250に接続されている。第2自動注出ユニット12Lの制御装置250のメモリにはハイボール等の炭酸飲料を自動注出する第2自動注出プログラムが記憶されており、第2自動注出プログラムの注出条件は飲用容器や炭酸飲料(飲料原液及び炭酸水)の種類に応じて設定可能となっている。
【0039】
操作パネル251の自動注出スイッチを操作して、第2自動注出ユニット12Lの第2自動注出プログラムを実行するときには、制御装置250は受台傾動装置240により傾動基板231を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させて受台232に載置した飲用容器を傾斜させ、コック操作装置220により注出コック210の操作レバー216を前側に傾動させると、第1供給路開閉弁212aが開放開始されてから第2供給路開閉弁213aが開放される。第1供給路開閉弁212aの開放によって、飲料原液容器B内の飲料原液は飲料原液冷却管16を通過するときに冷却され、炭酸飲料用注出ノズル218の飲料原液注出口218hから飲用容器内に注出される。飲用容器内に入れた氷は始めに注出される飲料原料によって表面が融け滑らか状態となる。第2供給路開閉弁213aの開放によって、炭酸水生成タンク21内にて生成された炭酸水は炭酸水送出管27を通過するときにさらに冷却され、炭酸飲料用注出ノズル218の炭酸水注出口218cから飲用容器内に注出される。
【0040】
炭酸水注出口218cから注出される炭酸水は飲用容器の周壁内面に沿って流れ落ちるので飲用容器内で泡立ちが抑えられた状態で注出される。また、第1供給路開閉弁212aが開放された後で第2供給路開閉弁213aが開放されることで、炭酸水注出口218cから飲用容器内に注出される炭酸水は表面が融けて滑らかな状態となった氷と接触するので、炭酸水が飲用容器内で過剰に泡立ちにくい。傾斜させた飲用容器に6~7割の飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料が注出されると、制御装置250は、受台傾動装置240により傾動基板231を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して受台232に載置した飲用容器を起立させ、起立した飲用容器に8~9割の飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料が注出されると、コック操作装置220により注出コック210の操作レバー216を元の位置に戻し、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを閉止させ、第2自動注出プログラムを終了する。
【0041】
上記のように構成した飲料注出装置10の第2自動注出ユニット12Lは、飲料を注出する注出コック(注出部)210に設けられて飲料の原液となる飲料原液を供給するための第1供給路212を開閉する第1供給路開閉弁212aと、注出コック210に設けられて炭酸水を供給するための第2供給路213を開閉する第2供給路開閉弁213aと、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉する開閉機構部とを備えている。第2自動注出ユニット12Lにおいては、開閉機構部は、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開放することによって飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出するものであり、第1供給路開閉弁212aを開放させて飲料原液を注出開始させてから第2供給路開閉弁213aを開放させて炭酸水を注出開始させるようにしている。
【0042】
第1供給路開閉弁212aを開放させて飲料原液を注出開始させてから第2供給路開閉弁213aを開放させて炭酸水を注出開始させるようにするために、この実施形態の飲料注出装置10の第2自動注出ユニット12Lの開閉機構部は、注出コック210にて第1供給路開閉弁212aを閉止させている閉止位置と第1供給路開閉弁212aを開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて第1供給路開閉弁212aを開閉させる第1供給路開閉レバー212bと、注出コック210にて第2供給路開閉弁213aを閉止させている閉止位置と第2供給路開閉弁213aを開放させる開放位置との間で移動可能に設けられて第2供給路開閉弁213aを開閉させる第2供給路開閉レバー213bとを備えている。また、開閉機構部は、注出コック210にて第1供給路開閉レバー212bを閉止位置から開放位置に移動させる第1操作部215aと第2供給路開閉レバー213bを閉止位置から開放位置に移動させる第2操作部215cとを有して第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bを閉止位置から開放位置に移動させる操作をする移動操作部材としてスリーブ215を備えている。
【0043】
スリーブ215の第1操作部215aには径方向外側に突出する突部215bが設けられ、スリーブ215の第2操作部215cには径方向外側に突出する突部215dが設けられており、第1操作部215aの突部215bは第2操作部215cの突部215dと周方向の異なる位置に設けられている。操作レバー216を前側に傾動させることによりスリーブ215を前側に回動させながら前側に傾動させるようにして、第1及び第2供給路開閉レバー212b,213bを閉止位置から開放位置に移動させるときに、第1操作部215aの突部215bが先に第1供給路開閉レバー212bに接近して閉止位置から開放位置に移動開始させてから第2操作部215cの突部215dが後で第2供給路開閉レバー213bに接近して閉止位置から開放位置に移動させるようにしている。
【0044】
この飲料注出装置10の第2自動注出ユニット12Lにおいては、ジョッキ等の飲用容器内に氷を入れた状態で炭酸飲料を注出するときに、注出コック210からジョッキ等の飲料容器に飲料原液が注出開始されてから炭酸水が注出されるようになるので、飲用容器内の氷は先に注出開始される飲料原液によって表面が融けて滑らかな状態となり、飲料原液の注出開始後に注出開始される炭酸水は表面が融けて滑らかな状態となった氷と接触するようになるので、炭酸水が飲用容器内で過剰に泡立つのを防ぐことができる。なお、開閉機構部は、スリーブ215の第1及び第2操作部215a,215cに突部215b,215dを設けたものに限られるものでなく、スリーブ215の第1及び第2操作部215a,215c(またはシャフト214b)に中心から円周までの距離が一定でない第1及び第2カム部材を設け、第1及び第2カム部材によって第1供給路開閉レバー212bを先に閉止位置から開放位置に移動開始させてから、第2供給路開閉レバー213bを後から閉止位置から開放位置に移動させるようにしてもよい。
【0045】
次に、他の実施形態の飲料注出装置10について説明する。他の実施形態の飲料注出装置10の第2自動注出ユニット12Lにおいては、注出コック210は、飲料の原液となる飲料原液を供給するための第1供給路212を開閉する電磁弁よりなる第1供給路開閉弁212aと、炭酸水を供給するための第2供給路213を開閉する電磁弁よりなる第2供給路開閉弁213aとを備え、開閉機構部は制御装置250に第1及び第2供給路開閉弁212a,213aの開閉を制御する開閉制御部252を備えるようにし、制御装置250の開閉制御部252は第1供給路開閉弁212aを開放開始させてから第2供給路開閉弁213aを開放させるように制御するようにしてもよい。
【0046】
この実施形態の飲料注出装置10の第2自動注出ユニット12Lにおいても、ジョッキ等の飲用容器内に氷を入れた状態で炭酸飲料を注出するときに、注出コック210からジョッキ等の飲料容器に飲料原液が注出開始されてから炭酸水が注出されるようになるので、飲用容器内の氷は先に注出開始される飲料原液によって表面が融けて滑らかな状態となり、飲料原液の注出開始後に注出開始される炭酸水は表面が融けて滑らかな状態となった氷と接触するようになるので、炭酸水が飲用容器内で過剰に泡立つのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0047】
10…飲料注出装置、210…注出部(注出コック)、212a…第1供給路開閉弁、212b…第1供給路開閉レバー、213a…第2供給路開閉弁、213b…第2供給路開閉レバー、215…移動操作部材(スリーブ)、215a…第1操作部、215c…第2操作部、252…開閉制御部。