IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 永田 明郎の特許一覧

<>
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図1
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図2
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図3
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図4
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図5
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図6
  • 特開-土嚢運搬ハンドル 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007291
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】土嚢運搬ハンドル
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/04 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
E02B3/04 301
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021133691
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】521364155
【氏名又は名称】永田 明郎
(72)【発明者】
【氏名】永田 明郎
【テーマコード(参考)】
2D118
【Fターム(参考)】
2D118BA04
2D118BA07
2D118GA46
(57)【要約】
【課題】 土砂の詰まった土嚢の運搬を力の弱い人でも行えるようにした土嚢運搬器具を実現する。
【解決手段】 棒状の素材を圧縮ばね状に曲げて輪を作り、左右の翼部と中央の輪部で構成される本体(1)と、板状の止め金具を先端部に付けた吊り下げハンドル(2)で構成される運搬器具。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属または樹脂、又は樹脂と金属の複合体を原材料とする棒状の素材を圧縮ばね状に曲げて輪を作り、隙間のある輪部と左右の翼部で構成される本体(1)と、金属又は金属と樹脂の複合体で構成される板状金具の中央部に金属または金属と樹脂で構成される取っ手が取り付けられた吊り下げハンドル(2)で構成される運搬器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木工事現場や建築現場や災害等においてガレキや土砂やへどろ等(以下まとめて「土砂」という)を土嚢に詰めて運搬する土嚢運搬作業に関する。
【背景技術】
【0002】
河川改修や護岸工事等の各種土木工事、災害の発生時や災害が予想される場所において、掘削した土砂を土嚢に詰めて運搬する作業が随所で行われている。掘削した土砂やへどろ等を土嚢に詰める作業についてはいくつかの方法が提案されているが運搬方法についても一輪車や専用運搬車等が提案されているが整地されて平らな地面での使用を前提としており、荒れ地や斜面、階段、非整地面ではほぼ使えない状況であり人力によって一袋づつ手で運ぶしか無いのが現状である。
【先行技術文献】
【0003】
国際特許分類 B65G 7/00:重い荷物の動かし 傾け装置について参照すると B65G 7/12:荷物運搬のため修正された荷物運搬具として 20061130”牽引具”や 20191031”万能運搬ベルト”等があるがいづれも箱等の容器を運搬する手段を述べたものであり袋状の物を運搬する発明ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土嚢は約20Kgの重量があるため袋の上部を片手で掴んで運搬するには大きな握力が必要になり握力の弱い人では持ち上げることすら困難である。また持ち手の指に土嚢の荷重が集中するために痛みが生じて長時間の作業が出来ない不具合がある。両手で持てば負荷は半分になるが足場の悪い所では転倒等の危険が増加する。本発明は、この作業を握力の弱い人でも行えるようにして土砂の運搬作業を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の本体(1)中央の隙間を使って輪の中に土嚢袋の上部を通してから折り曲げて本体(1)と土嚢を一体化する。次に止め金具が折り曲げた土嚢袋の上部に重なるように吊り下げハンドルを本体(1)の輪の中に通す。吊り下げハンドルの取っ手部を持ち上げれば止め金具と本体(1)が土嚢袋の上部を挟んで固定するので土嚢を持ち上げることができる様になり、適当なグリップ部を付けることで土嚢の荷重が分散するので握力の弱い人でも楽に土嚢を運搬することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、運搬人の手の痛みを伴う土嚢運搬作業が比較的楽に作業できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の本体(1)を示す正面図である。
図2】本発明の本体(1)を示す上面図である。
図3】本発明の吊り下げハンドル(2)を示す正面図である。
図4】土嚢を本体(1)と組付けた時の正面図である。
図5】土嚢と本体(1)と吊り下げハンドルを組付けた説明図である。
図6】吊り下げハンドルを持ったときの土嚢の持ち方説明図である。
図7】土嚢2袋を天秤棒を使って持った時の参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の本体(1)の輪の中に土嚢袋の上部を通して折り曲げることで本体(1)と土嚢を一体化し土嚢の荷重を本体(1)に加担させる事が出来るようになる。輪に袋を通すときに本体(1)の輪に設けた隙間を使って袋上部を通すので土嚢の入り口の閉じ紐を巻いたままで良く、気にする必要がない。その時に本体(1)の翼部が上方向になるようにする。次に円盤部が折り曲げた土嚢袋の上部に重なるように吊り下げハンドル(2)を本体(1)の隙間に通してから吊り下げハンドル2をひねると吊り下げハンドル(2)が本体(1)の輪の中に通る。吊り下げハンドル(2)の取っ手部を持ち上げれば反対側に取付けた止め金具と本体(1)が土嚢袋の上部を挟んで土嚢の重量で袋の上部を固定するので袋がずれることが無く土嚢を持ち上げて運搬することが出来る。
【実施例0009】
本発明の実施例を図面により説明する。図1は本体(1)の正面図、図2は本体(1)の上面図、図3は吊り下げハンドル(2)の正面図、図4は土嚢を本体(1)と組付けた時の正面図、図5は本体(1)と吊り下げハンドル(2)の組付け図、図6は土嚢の持ち方説明図、図7は土嚢を2袋運ぶ時の参考説明図である。
本体(1)は金属、樹脂、あるいはそれらの複合材で構成する。本体(1)の輪の内径は土嚢の袋上部が通せる寸法とし、翼長は邪魔にならない寸法にする。本体(1)の太さは土嚢の荷重を受けて変形しない強度を保てる寸法とする。吊り下げハンドル(2)は本体(1)の隙間に通る事を考慮した太さと土嚢の荷重を受け止めても変形しない強度と構造を保有する様にする。例をあげれば本体(1)の長辺の長さは50から150mmとし、本体(1)の輪の内径は20から40mmとする。本体(1)の太さは6から15mmとする。吊り下げハンドル2は板状の止め金具の直径が30から70mmで厚さは2から50mmとし、樹脂等で保護すれば3から60mmとしても良い。板状止め金具の形状は円盤状でも多角形でもよい。ハンドル部の長さは100から200mmとし、止め金具とハンドル部の距離は60から200mmにする。グリップ部の太さは樹脂等を含めて6から30mmとする。
【0010】
本発明の本体(1)の構成について例をあげると、本体(1)は異形棒鋼を圧縮ばね状に加工した後1.5から2ターンで切り取り、翼部の曲がりを伸ばす様に加工するのが良い。この時ハンドル部が通るように隙間を調整する。
本体(1)の強度は土嚢の重量が隙間を圧縮しても荷重が無くなった時にハンドルが通る隙間を確保出来る事が必要である。
【0011】
吊り下げハンドル(2)の構成について例をあげると長さ約250mmで直径約8mmの金属丸棒の先端に外径40から70mmの円盤状の止め金具を取り付ける。円盤状の板は多角形でも良く、取り付け方法はねじ止めや溶接やカシメ等でハンドル軸と円盤を固定しても良いがハンドル先端を太くして止め金具が抜けないように加工しても良い。この時止め金具は自由に回転できるがハンドル軸に対して斜めにならないように止め金具の内径を調整し厚みを確保しなければならない。ハンドル軸は止め金具から約30mmで約120度角度を付けた後約150度から180度の角度までU字形に折り返してハンドル部を形成する。
【0012】
つぎにこの土嚢運搬作業方法を図面により説明する。
先ず土嚢袋を準備し土砂約20kg投入し袋の入り口を紐で縛る。次に本体(1)の隙間(図2)に土嚢上部の布を広げながら通して袋の入り口を輪の中に通して曲げる(図4)。次に本体(1)の隙間に吊り下げハンドル(2)の中央を通してから捻れば止め金具が袋の上部を押さえた状態になる(図5)。そのままハンドルを持ち上げれば土嚢は本体(1)の輪と吊り下げハンドルの止め金具によって固定されるので土嚢を持ち上げることができる(図6)。参考として別途に天秤棒とロープを用意して、吊り下げハンドルを天秤棒で担ぐ形にすれば2袋の土嚢をほとんど手を使わずに運ぶ事ができるようになる(図7)。
【産業上の利用可能性】
【0013】
水を満たした防水の袋を内袋に別途使えば災害地での水の運搬に利用できる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体
2 吊り下げハンドル
3 止め金具
4 グリップ
5 土嚢
6 ロープ
7 天秤棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7