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特開2023-7293長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007293
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20230111BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20230111BHJP
   H01M 10/054 20100101ALI20230111BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20230111BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/166 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/547 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 50/54 20210101ALI20230111BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230111BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230111BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230111BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20230111BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20230111BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20230111BHJP
   H01G 11/72 20130101ALI20230111BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20230111BHJP
   H01M 50/145 20210101ALI20230111BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/052
H01M10/054
H01M10/0566
H01M50/103
H01M50/119
H01M50/166
H01M50/176
H01M50/503
H01M50/547 101
H01M50/553
H01M50/54
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6556
H01G11/18
H01G11/76
H01G11/78
H01G11/72
H01G11/74
H01M50/145
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144555
(22)【出願日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】21182750
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521392561
【氏名又は名称】マインド キャップス スマート スーパーキャパシタース エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】MIND CAPS SMART SUPERCAPACITORS S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】メリノ ゴンザレス,カミロ
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァッロ ロメロ,エンリケ
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H029
5H031
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA03
5E078AA11
5E078AB01
5E078FA21
5E078HA05
5E078HA23
5E078KA01
5E078KA06
5E078KA07
5H011AA03
5H011AA13
5H011CC06
5H011DD11
5H011EE06
5H029AJ02
5H029AJ14
5H029BJ02
5H029DJ02
5H029DJ05
5H031AA00
5H031EE01
5H031KK08
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA08
5H043DA20
5H043EA36
5H043EA38
5H043JA02D
5H043JA02E
5H043JA11D
5H043JA11E
5H043JA14D
5H043JA14E
5H043JA26D
5H043JA26E
5H043KA11D
5H043KA11E
5H043LA21D
5H043LA21E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コレクタはアノードとカソードとの間におけるイオン流動と同じ方向に向かい、内部抵抗をかなり減少させることが可能な電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】電気化学デバイスは、直線状長方形の平行6面体の形態で頑丈な筐体を備え、中空金属ロッド(5)は、基部(1)の金属基板(14)の上で伸び、及び基部(1)の貫通孔(16)を通って伸び、中空金属ロッド(5)のそれぞれ1つに、正極が挿入され、続いて、セパレート要素等がある一方、他の中空金属バー(5)は負極に挿入され、続いて、デバイスの中心構造を形成する基部(1)に適合する電極スタック(6)を形成するセパレート要素等があり、中空金属ロッド(5)は電流コレクタとして働く。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
狭いスタック幾何学形状の長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイスであって、
機械的強度を有し酸化状態に耐性がある材料から作られた直線状で頑丈な長方形の平行6面体状の筐体(4)を備え、前記筐体(4)は密閉する必要があり、構成要素の他の部分を収容し、頑強な前記筐体(4)は、
基部(1)の底部における金属基板(14)の上を伸び及び前記基部の貫通孔(16)を通って伸びる2つの中空金属ロッド(5)を有する、基部(1)であって、正極が挿入され、続いて、セパレート要素等がある一方で、他の中空金属バー(5)によって、負極が挿入され、続いて、セパレート要素等があり、必要な数の電極は小さなスペース内で積み重ねられることができ、狭いスタック幾何学形状の電極スタック(6)を形成し、前記電極スタック(6)は、前記電気化学デバイスの中心構造を形成する前記基部(1)に適合し、前記中空金属ロッド(5)は電流コレクタとして働く、基部(1)と、
金属板(2)が組み込まれた内側(8)に穴を有する、2つの前面(4.1)及び後面(4.2)であって、前記金属板(2)に、金属イオンシート(13)を有し、前記金属イオンシート(13)の取付具として、グリッド(3)を使用して、前記金属イオンシート(13)は前記金属板(2)にねじ締めされ、前記金属イオンシート(13)に対して相互に挟着する、2つの中央穴を有する前記金属板(2)は、金属ピンによって前記金属イオンシート(13)の外部接続部(9)を形成する役割をする、2つの前面(4.1)及び後面(4.2)と、
カバー(7)と、から成る、電気化学デバイス。
【請求項2】
前記電気化学デバイスは、リチウム、ナトリウム、またはエネルギー蓄積デバイスに適切ないずれかの種類の金属の金属イオンシート(13)を有することを特徴とする、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項3】
アノードとして働く前記電極は前記ロッド上で連続して挿入され、残りの全てのフラップが同じ側にあり、カソードとして働く電極は、全て、反対側のロッド上で挿入され、これにより、前記ロッドの一方は全てのアノードを相互接続させ、前記ロッドの他方は全てのカソードを相互接続させる、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項4】
前記グリッド(3)は、前記金属イオンシート(13)を、前記チャンバ(8)に組み込まれている前記金属板(2)に対して押し、前記前記金属板(2)は外部コレクタ(9)の1つに接触し、これにより、電流をベースラインコレクタ(9)の1つに印加するとき、均等な電流分布が前記金属イオンシート(13)に至るまで発生し、前記金属シートは前記電気化学デバイスの内側で作用し始め、前記グリッド(3)は、角の端に存在する4つの穴によって前記金属板(2)にねじ締めされ、前記金属イオンシート(13)は前記金属板(2)と前記グリッド(3)との間で挟着される、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項5】
前記金属板(2)の2つの中央穴は、前記金属イオンシート(13)の前記外部接続部(9)を形成する役割をしており、前記外部接続部は、ねじ、ピン、もしくはいずれかの他の同様の金属要素によって作られる、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項6】
いったん金属イオンシート(13)が前記電気化学デバイスのサイドカバー(4.1、4.2)に組み込まれると、前記サイドカバー(4.1、4.2)は、前記サイドカバーの内側で前記電気化学デバイスの前記中心構造を適合させることによって密閉され、前記中心構造は、不活性雰囲気で前記金属イオンプレート(13)の酸化を防止する前記スタック及び金属貫通ロッド(5)と、最後に、前記電解液とを含み、また全てが、不活性雰囲気で前記上部カバー(7)を密閉する、請求項5に記載の電気化学デバイス。
【請求項7】
係る幾何学形状は、前記電気化学デバイスを再度開く必要がなく、電解質界面を作成するのに必要な事前金属化段階と、前記電気化学デバイスで後続の循環段階とを実行することを可能にし、この理由として、前記サイドカバー(4.1)及び(4.2)に位置する前記コレクタ(9)は、前記事前金属化段階を実行することを可能にし、負電流コレクタとして働くためであり、前記コレクタ(9)は電源の陰極及び前記金属貫通ロッド(5)に接続される必要があり、前記金属貫通ロッド(5)は前記電気化学デバイスのアノードとして働く全ての電極を電流の陽極に相互接続し、アノード材料の構造でイオンインターカレーションプロセスを生じさせ、固体電解質界面(SEI)の作成をもたらし、前記電気化学デバイスを開く必要はないが、前記電気化学デバイスの前記アノード及び前記カソードが前記貫通ロッド(5)によって直接接続されることにより、充電及び放電の循環プロセスが前記アノードと前記カソードとの間で行われる、請求項6に記載の電気化学デバイス。
【請求項8】
カソードとして働く前記全ての電極を相互接続する前記金属ロッド(5)は、前記電源の前記陽極に接続される、請求項6に記載の電気化学デバイス。
【請求項9】
前記電気化学デバイスの内部挙動の監視を実施するために、補助接続部が前記コレクタ(9)のいずれかに作られる、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項10】
この狭いスタックの幾何学形状設定は、いずれかの種類のエネルギー蓄積デバイス、いずれかの電池、電気コンデンサまたはハイブリッドコンデンサに有効である、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項11】
前記中空金属ロッド(5)は、空気または冷却液を前記中空金属ロッド(5)の中空内部を通して循環させるとき、アセンブリを冷却する手段として働く、請求項1に記載の電気化学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関連する業種は、電気エネルギー貯蔵デバイス、特に、電池、電気コンデンサまたはハイブリッドコンデンサの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
幾何分布は、エネルギー蓄積デバイスの特性及び挙動の両方に最大の影響を与えるパラメータの1つである。
【0003】
イオン流動と電流コレクタとの間の最大距離またはコレクタ間の距離等のパラメータは、デバイスの電気化学応答に影響を及ぼすことが証明されている。
【0004】
また、パッキング密度、セル内部体積の利用、内部抵抗、または熱挙動等の他の要因は、デバイスの幾何学形状に依存する。
【0005】
電極間の長い距離は、電気抵抗を増加させることによって、イオンの移動及び拡散を制限することが照明されている。したがって、適切な電気化学セルの機能を確実にする最適な幾何学的設計は重要である。
【0006】
現在、既知の最先端のエネルギー蓄積デバイス設計は以下のとおりである。
【0007】
-コインセルまたはボタンセルの設計:この種類のデバイスは円状幾何学形状10mmの直径を有し、主に、そのデバイスの容易な取り扱い、速い組み立て、及び低コストに起因して、そのデバイスの研究が注目されている。当該デバイスは、正極、セパレータ、及び負極を有する。この種類のデバイスは、いずれかの種類の安全通気口を含まず、急速充電を可能にしない。その主な用途は、医療インプラント、時計、補聴器、車のキー、及びメモリ記憶デバイスである。
【0008】
-円筒形セルの設計:このパッケージデザインは、現在、最も一般的に使用される設計の1つである。その設計の利点の一部は、組み立ての単純性及び優れた機械的安定性があることである。
【0009】
外側筐体は、変形がなく高い内部圧力を可能にする。
【0010】
この種類の設計は、セパレータと一緒に、円筒状筐体の内側に巻かれる両方の電極の単一プレートを有する。この種類のセルの標準寸法が存在するが、その設計は所望のサイズに適応できる。
【0011】
この種類の設計は長期のライフサイクルをもたらし、手頃な価格である。しかしながら、その設計は、電極を巻くときに作成されるチャンバにより、大きく扱いにくくなり、パッキング密度が低くなる。
【0012】
この種類のデバイスの最も一般的な用途は、工具、医療デバイス、またはラップトップコンピュータに給電することである。
【0013】
-ポーチセルまたは角柱セルの設計:また、この設計は、両方の電極の単一プレートから成る。その設計は、当業界で最も広く使用される設計であり、現在、ハイブリッド車及び電気自動車の最も評判が良い設計である。プレートは可撓性のバッグの中で丸められる。このパッケージは、円筒状セルと比較して、スペースの使用を改善する。しかしながら、その設計は、製造するのにより費用がかかり、熱管理が低効率になり、ライフサイクルが短くなることもある。これらのセルは、片側に「ガスバッグ」で一時的に追加する必要がある。この補充の機能は、第1の充電サイクルにおける固体電解質界面の作成中に作られたガスを収集することである。この種類の設計は標準寸法がなく、用途に応じて、カスタムメイドできる。上記の全ての場合、設計または幾何学形状は変わるが、概念は同じである。セパレータ及び2つの単一コレクタを有する2つの単極は外部と接触する。
【0014】
電流コレクタはプレートの端に位置し、これは、セルによって提供されるエネルギーを引き込むことができる唯一の点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これらのシステムに関して、以下に示すいくつかの問題を提起する。
-セルの内部抵抗の増加。
-これらの設計の全てにおいて、電流コレクタは、2つの電極間のイオン輸送によって生じるエネルギー密度の流れに垂直である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの問題の全ては、本発明によって提案された長方形の幾何学的設計によって解決され、その幾何学的設計は、全ての電極を通過する2つの金属貫通ロッドである電流コレクタによって技術的に構築される。
【0017】
コレクタは、アノードとカソードとの間におけるイオン流動と同じ方向に向かう。
【0018】
さらに、コレクタと電極との間でそれらの各1つと個々に直接接触し、均等な電流分布を確実にする。これにより、内部抵抗をかなり減少させ、ひいては、デバイスから引き込まれた電流はより高くなる。
【0019】
本発明は、電極の中心部によって電極を垂直に積み重ねることを可能にし、サイドチャンバに金属板を含む、特定の長方形の幾何学形状を有する長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイスである。
【0020】
このように、電極及び金属の両方は電流コレクタと接触し、接続によって、事前の電気化学的金属化プロセスまたは電極間の電荷移動は、電解液を加えるためにデバイスを開かないで実行できる。
【0021】
特定の長方形の電気化学セルの幾何学形状は、革新的であることに加えて、既存デバイスのエネルギー効率をかなり改善する実施形態を構成する。
【0022】
本デバイスは、電池、2つの電極間の超コンデンサまたはハイブリッドコンデンサ等のいずれかの種類の電気化学設定に有効である。
【0023】
この研究課題の説明に言及される発明は、電極の中心部によって電極を垂直に積み重ねることを可能にし、サイドチャンバに金属板を含む、特定の長方形の幾何学形状(いわゆる、狭いスタック幾何学形状)を有する長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイスである。
【0024】
したがって、電極及び金属の両方は電流コレクタと接触し、接続によって、事前の電気化学的金属化プロセスまたは電極間の電荷移動を実行できる。
【0025】
特定の長方形の電気化学セルの幾何学形状は、革新的であることに加えて、既存デバイスのエネルギー効率をかなり改善する実施形態を構成する。
【0026】
本発明によって提案される幾何学形状は、その幾何学形状の内部に、外部の金属化が必要な場合、金属の堆積が意図されるスペースを組み込むことによって、この問題を解決することが意図される。したがって、セル体積の内部に、主電極及び金属の両方を含み得る。
【0027】
現在、高多孔性の炭素質材料が使用されているが、固体電解質界面(SEI)の形成によって生じるデバイスの容量損失の問題がある。
【0028】
この問題はアノードを金属化することによって解決される。このプロセスを実施するために、外部回路によって、陽極材料を金属と接続する必要がある。既存の電気化学セルの設計により、このアノードの金属化は、セルの内側に、2つの電極のための場所だけが存在するため、形成段階以外の段階で行われる必要がある。
【0029】
さらに、外部金属化が要求される場合、外部電気回路を金属だけに接続し、電極を金属化する必要がある。このプロセスは固体電解質界面の形成によって生じる容量損失をなくす。この理由として、いったんこの層が形成されると、外部電気回路は主電極を相互に接続し、充電及び放電のサイクルの実行を開始するためである。
【0030】
このセル設計によってもたらされる別の利点は電流を引き込む点である。一般に、電流コレクタは、電極の一端と接触し、イオン流動に垂直な方向で外向きに流出する。
【0031】
今回、電流コレクタは、全ての電極を通過する2つの金属貫通ロッドである。
【0032】
コレクタは、アノードとカソードとの間におけるイオン流動と同じ方向に向かう。
【0033】
さらに、コレクタと電極との間でそれらの各1つと個々に直接接触し、均等な電流分布を確実にする。
【0034】
これにより、内部抵抗をかなり減少させ、ひいては、デバイスから引き込まれた電流はより高くなる。
【0035】
なされている説明を補完するために及び本発明の特徴の良好な理解を補助するために、この記述的報告書に2つのシートの図面を一体部分として追加し、要素は同一の参照記号によって示され、限定ではないが、以下に表されているものを含む。
【0036】
そして、これらの図では、同じ要素は同一の番号付けによって識別される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】デバイス及びその構成要素部の切断図である。
図2】垂直に積み重ねられた電極の幾何学的配列及び貫通ロッド(狭いスタック幾何学形状)の等角図である。
図3】デバイスが取り付けられた状態の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
この記述的報告書に言及される本発明は、電気化学デバイスの中心部に垂直に電極を積み重ねることを可能にする長方形の幾何学的セル(いわゆる、狭いスタック幾何学形状)の新しい配列によって電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイスである。
【0039】
好ましい実施形態では、長方形の幾何学的セルに電気エネルギーを貯蔵するための電気化学デバイスは、密閉でき、構成要素の他の部分を収容する頑強な直線状の長方形平行6面体状の筐体(4)から形成される。
【0040】
頑強な筐体(4)は、基部(1)、2つの前側(4.1)ならびに後側(4.2)、及びカバー(7)によって形成される。
【0041】
基部(1)において、中空金属ロッド(5)は基部(1)の端において穴(16)を通って伸びる。金属貫通ロッド(5)の機能は電流コレクタとして働き、電極は金属基板(14)で堆積する。さらに、重要な機能として、中空金属ロッド(5)はアセンブリを冷却するための手段として働き、それにより、空気または冷却流体はアセンブリの内側で循環し得る。
【0042】
電極は連続して堆積し、同じ一連のものが続く。
【0043】
中空金属ロッド(5)では、正極が挿入され、次に、セパレート要素(紙であり得る)、正極のセパレート要素等がある。
【0044】
他の中空金属ロッド(5)では、負極が挿入され、次に、セパレート要素(紙であり得る)、負極のセパレート要素等がある。
【0045】
厚さに応じて、多数または少数の電極を積み重ねでき、本デバイスは、縮小スペース内で多数の電極を重ねることができ、高性能を確実にする。
【0046】
全ての電極は金属基板(14)に堆積し、使用される材料に応じて、デバイスのアノードまたはカソードとして働く。
【0047】
アノードとして働く電極は当該ロッド上で連続して挿入され、全てのフラップが同じ側にあり、カソードとして働く電極は、全て、反対側のロッド上で挿入される。このように、ロッドの1つは、全てのアノード及び他の全てのカソードを相互接続する。
【0048】
このように組み立てられた電極スタック(6)は、いわゆる「狭いスタック」の幾何学形状を構成するものであり、デバイスの中心構造を形成する基部(1)に適合する。
【0049】
2つの側面(4.1)及び側面(4.2)で及び側面(4.1)及び側面(4.2)の内側に、金属板(2)が組み込まれるチャンバ(8)が存在し、係る金属板上に、リチウム、ナトリウム、またはエネルギー蓄積デバイスに適切ないずれかの種類の金属等の、この種類のデバイスに適切な金属イオンシート(13)が続く。グリッド(3)を使用して、金属イオンシート(13)を固定する。
【0050】
グリッド(3)は金属イオンシート(13)のための支持部として働き、同時に、中央スタックの電極の1つと直接接触するとき、金属シート(2)が落下することと、デバイスで潜在的な短絡を生じさせることとを防止する。
【0051】
同様に、グリッド(3)を使用して、金属イオンシート(13)をチャンバ(8)の内部に組み込まれる金属板(2)に対して押し、金属板(2)は外部コレクタ(9)の1つと接触する。したがって、電流はベースラインコレクタ(9)の1つに印加するとき、均等な電流分布は金属イオンシートに至るまで発生し、金属イオンシートはデバイスの内側で作用し始める。
【0052】
グリッド(3)は角の端の4つの穴によって金属板(2)にねじ締めされ、金属イオンシート(13)は2つの穴の間にロックされる。
【0053】
金属板(2)の2つの中央穴は、金属イオンシート(13)の外部接続部(9)を作る働きをする。この接続は、金属性である場合、貫通ねじ、ピン、またはいずれかの他の要素のいずれかによって実行できる。
【0054】
いったん金属イオンシート(13)がサイドカバー(4.1)及びサイドカバー(4.2)に組み込まれると、デバイス、2つのサイドカバーは密閉されるはずであり、スタック及び金属貫通ロッド(5)を含むデバイスの中心構造は内側で適合するはずである。この全ては、金属イオン酸化を防止するために不活性雰囲気で行われる必要がある。
【0055】
最後に、電解液を取り込み、上部カバー(7)は密閉され、この全ても不活性雰囲気の状態である。
【0056】
サイドカバー(4.1)ならびにサイドカバー(4.2)及び上部カバー(7)は、両方とも、変形及び高圧を防ぐために、酸化状態に耐性があり、機械抵抗が優れている材料である必要がある。
【0057】
材料はプラスチックまたはこれらの期待を満足するいずれかの他の種類の材料であるが、潜在的な短絡を生じさせ得、デバイスの動作を妨げる、2つの金属ロッド(5)の間における接触、2つの金属ロッド(5)の間における接触またはサイドコレクタ(9)との接触のいずれかを防止するために、導電体でないことが望ましい。
【0058】
本デバイスを動作させるための接続は以下のとおりである。
【0059】
長方形の狭いスタック幾何学形状を有する電極スタック(6)は、デバイスを再度開くことなく、SEIを作成するのに必要な事前金属化段階と、当該デバイスで後続の循環段階とを実施することを可能にする。
【0060】
一般に、事前金属化段階を実施し、次に、デバイスを開き、より多くの電解液を取り込む必要がある。この理由として、この段階で電解液の一部を消費するので、この段階を実施するために、ベースライン電極を接続することを可能にするデバイスがないためである。
【0061】
サイドカバー(4.1)及びサイドカバー(4.2)に位置するコレクタ(9)は、事前金属化段階を実行することを可能にし、負電流コレクタとして働く。
【0062】
この場合、コレクタ(9)は電源の陰極及び金属ロッド(5)に接続される必要があり、金属ロッド(5)は、デバイスのアノードとして働く全ての電極を電流の陽極に相互接続する。このように、イオンインターカレーションのプロセスは、アノード材料の構造において発生し、固体電解質界面(SEI)の作成をもたらす。
【0063】
この段階が完了するとき、既存のエネルギー蓄積デバイスとしてデバイスを開く必要がないが、貫通ロッド(5)によってデバイスのアノード及びカソードに直接接続することが可能であり、これにより、充電及び放電の循環プロセスがアノードとカソードとの間で行われる。
【0064】
この場合、アノードとして働く全ての電極を相互接続する金属ロッド(5)は電源の陰極に接続され、カソードとして働く全ての電極を相互接続する金属ロッド(5)は電源の陽極に接続されるはずである。
【0065】
また、コレクタ(9)のいずれかへの補助接続部を作り、ベースライン電極に対するデバイスの内部挙動を監視することが可能になる。
【0066】
この種類の狭いスタックの設定は、いずれかの種類のエネルギー蓄積デバイス(電池、電気コンデンサまたはハイブリッドコンデンサ)に有効である。
【0067】
本発明の本質及び本発明の実施態様の様態が十分に説明されているが、上記に提示され、添付図で表された機能により、前述の段落で提示され以下の「特許請求の範囲」で要約される本発明の基本原理が変わらない限り、機能は詳細に変更する可能性があることに留意されたい。
【符号の説明】
【0068】
1 骨格構造
2 金属板
3 金属支持グリッド
4 密閉された頑強な筐体
4.1 前側
4.2 後側
5 中空金属貫通ロッド
6 電極スタック
7 コンテナの上部カバー
8 金属チャンバ
9 電極接続部
10 正極
11 負極
12 セパレート紙
13 金属イオンシート
14 金属基板
16 貫通孔
図1
図2
図3