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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072946
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230518BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20230518BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230518BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20230518BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230518BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 E
G03B17/02
H04N5/225 700
H04N5/232 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185701
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 勇樹
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AE06
2H100BB11
2K005CA34
5C122EA01
5C122FB03
5C122FC00
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE17
5C122GE19
(57)【要約】
【課題】複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板が四散することを抑制する。
【解決手段】固定体16と、光学モジュール12と、複数枚重ねて配置されるとともに光学モジュール12に一端が接続されるフレキシブル配線基板51と、光学モジュール12を収容し、光学モジュール12とフレキシブル配線基板51とを固定体16に対して揺動可能に保持するホルダ22と、ホルダ22に対してフレキシブル配線基板51を固定する固定部70と、を備え、固定部70は、ホルダ22の固定面72aに形成された突起90と、突起90と嵌合する孔部91が形成された平板部60と、を有し、固定面72aと平板部60とでフレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で挟んで固定する光学ユニット10。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定体と、
光学モジュールと、
複数枚重ねて配置されるとともに前記光学モジュールに一端が接続されるフレキシブル配線基板と、
前記光学モジュールを収容し、前記光学モジュールと前記フレキシブル配線基板とを前記固定体に対して揺動可能に保持するホルダと、
前記ホルダに対して前記フレキシブル配線基板を固定する固定部と、
を備え、
前記固定部は、
前記ホルダの固定面に形成された突起と、前記突起と嵌合する孔部が形成された平板部と、を有し、
前記固定面と前記平板部とで前記フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で挟んで固定することを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記固定部は、前記固定面としての第1面及び前記第1面と交差する第2面において、前記フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で固定することを特徴とする光学ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光学ユニットにおいて、
前記平板部は、前記第1面に対向する第1平板部と、前記第2面に対向する第2平板部と、を有する1つの部材で構成されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の光学ユニットにおいて、
前記平板部は、前記第1面に対向する第1平板部と、前記第1平板部とは別部材で構成され前記第2面に対向する第2平板部と、を有することを特徴とする光学ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の光学ユニットにおいて、
前記平板部は、前記フレキシブル配線基板に貼り付けられていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板は、前記平板部に貼り付けられておらず、
前記平板部が前記固定面に固定されることで、前記フレキシブル配線基板が前記固定面に固定されることを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記固定部は、前記ホルダに前記平板部が圧入されることで前記ホルダに前記平板部が固定される構成であることを特徴とする光学ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記固定部は、前記突起と前記孔部とを複数備えることを特徴とする光学ユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記突起は、前記孔部に嵌められた状態において前記孔部から抜けることを抑制する抜け止め形状が形成されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記突起は、前記孔部に嵌められた状態において前記孔部に対して回転することを抑制する回転防止形状が形成されていることを特徴とする光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学モジュール及びフレキシブル配線基板を備える様々な光学ユニットが使用されている。また、フレキシブル配線基板を備える様々な装置などにおいては、フレキシブル配線基板を固定する様々な構成も開示されている。例えば、特許文献1には、フレキシブルプリント配線板を2つの押さえ板で挟む構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-9224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学モジュール及びフレキシブル配線基板を備える光学ユニットにおいては、光学モジュールを固定体に対して揺動させる場合がある。このような場合、光学モジュールの固定体に対する揺動に伴ってフレキシブル配線基板も揺動する。フレキシブル配線基板の構成には様々な構成があるが、フレキシブル配線基板が揺動しやすいように、フレキシブル配線基板を複数枚重ねて配置させる場合がある。しかしながら、フレキシブル配線基板を複数枚重ねて配置させると、フレキシブル配線基板の揺動に伴い、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板が四散する(ばらばらになる)場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学ユニットは、固定体と、光学モジュールと、複数枚重ねて配置されるとともに前記光学モジュールに一端が接続されるフレキシブル配線基板と、前記光学モジュールを収容し、前記光学モジュールと前記フレキシブル配線基板とを前記固定体に対して揺動可能に保持するホルダと、前記ホルダに対して前記フレキシブル配線基板を固定する固定部と、を備え、前記固定部は、前記固定面に形成された突起と、前記突起の嵌合する孔部が形成された平板部と、を有し、前記固定面と前記平板部とで前記フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で挟んで固定することを特徴とする。
【0006】
本態様によれば、固定部は、固定面に形成された突起と、突起の嵌合する孔部が形成された平板部と、を有し、固定面と平板部とでフレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で挟んで固定する。すなわち、このような構成とすることで、突起と孔部で固定された平板部と固定面とにより、フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で確りと挟んで固定することができ、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板が四散することを効果的に抑制することができる。
【0007】
本発明の光学ユニットにおいては、前記固定部は、前記ホルダの固定面としての第1面及び前記第1面と交差する第2面において、前記フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で固定することができる。複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板は、ホルダを揺動させることに伴い、折り曲げられた状態とされることで四散しやすい。しかしながら、このような構成とすることで、折り曲げられた状態のフレキシブル配線基板を、複数の固定面において各々フレキシブル配線基板を複数枚重ねた状態で固定することができ、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板が四散することを特に効果的に抑制することができる。
【0008】
本発明の光学ユニットにおいては、前記平板部は、前記第1面に対向する第1平板部と、前記第2面に対向する第2平板部と、を有する1つの部材で構成されていてもよい。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板をホルダに対して簡単に固定させることができる。
【0009】
本発明の光学ユニットにおいては、前記平板部は、前記第1面に対向する第1平板部と、前記第1平板部とは別部材で構成され前記第2面に対向する第2平板部と、を有する構成とすることができる。このような構成とすることで、平板部の構成を簡単にすることができ、固定部を簡単に構成することができる。
【0010】
本発明の光学ユニットにおいては、前記平板部は、前記フレキシブル配線基板に貼り付けられている構成とすることができる。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板を簡単かつ正確に位置決めしてホルダに固定することができる。
【0011】
本発明の光学ユニットにおいては、前記フレキシブル配線基板は、前記平板部に貼り付けられておらず、前記平板部が前記固定面に固定されることで、前記フレキシブル配線基板が前記固定面に固定される構成とすることができる。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板のホルダに対する固定位置を簡単に変更することができる。
【0012】
本発明の光学ユニットにおいては、前記固定部は、前記ホルダに前記平板部が圧入されることで前記ホルダに前記平板部が固定される構成とすることができる。このような構成とすることで、ホルダに平板部を簡単かつ確りと固定することができる。
【0013】
本発明の光学ユニットにおいては、前記固定部は、前記突起と前記孔部とを複数備える構成とすることができる。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板をホルダに対して特に確りと固定させることができる。
【0014】
本発明の光学ユニットにおいては、前記突起は、前記孔部に嵌められた状態において前記孔部から抜けることを抑制する抜け止め形状が形成されている構成とすることができる。このような構成とすることで、平板部が突起から抜けてフレキシブル配線基板が四散するということを効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明の光学ユニットにおいては、前記突起は、前記孔部に嵌められた状態において前記孔部に対して回転することを抑制する回転防止形状が形成されている構成とすることができる。このような構成とすることで、孔部に対して突起が回転してフレキシブル配線基板がホルダに対して位置ずれすることを抑制することができるとともに、孔部に対して突起を正確に位置決めできることでフレキシブル配線基板をホルダに対して正確に位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光学ユニットは、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板が四散することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る光学ユニットの平面図である。
図2】本発明の実施例1に係る光学ユニットの斜視図である。
図3】本発明の実施例1に係る光学ユニットの分解斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定体を透明化して表した斜視図である。
図5】本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定部近傍を表す斜視図である。
図6】本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定部近傍を表す側面断面図である。
図7】本発明の実施例1例に係る光学ユニットにおけるフレキシブル配線基板の配置を表す概略側面図である。
図8】本発明の実施例2に係る光学ユニットの内部の斜視図であって、平板部を溝部に挿入する前の状態を表す図である。
図9】本発明の実施例2に係る光学ユニットの内部の斜視図であって、平板部を溝部に挿入した後の状態を表す図である。
図10】本発明の実施例3に係る光学ユニットの固定部近傍を表す斜視図である。
図11】本発明の実施例4に係る光学ユニットの固定部近傍を表す斜視図である。
図12】本発明の実施例5に係る光学ユニットの固定部近傍を表す斜視図である。
図13】本発明の実施例6に係る光学ユニットの固定部近傍を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施例1]
最初に、本発明の実施例1に係る光学ユニット10について図1から図7を用いて説明する。なお、図2及び図3において、符号Lが付された一点鎖線は光軸を示し、符号L1が付された一点鎖線は光軸と交差する第1軸線を示し、符号L2が付された一点鎖線は光軸L及び第1軸線L1と交差する第2軸線L2を示している。そして、R方向は光軸周り方向である。また、各図において、Z軸方向は光軸方向であり、X軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとヨーイングの軸方向であり、Y軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとピッチングの軸方向である。
【0019】
<光学ユニットの全体構成の概略>
図1から図4を用いて、本実施例に係る光学ユニット10の構成についての概略を説明する。光学ユニット10は、レンズ12aなどの光学モジュール12及び撮像素子50を備える可動体14と、Y軸方向を回転軸(揺動軸)とする方向(ピッチング方向)及びX軸方向を回転軸(揺動軸)とする方向(ヨーイング方向)に変位可能な状態で保持する固定体16と、を備えている。また、可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に駆動する回転駆動機構18と、固定体16に対して可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に回転(揺動)可能に支持する支持機構20とを備えている。さらに、光学ユニット10は、第1軸線L1周りに回動可能に可動体14を支持する第1支持部19aを第1支持部用延設部27aに備えると共に、第2軸線L2周りに固定体16側の部材に回動可能に支持される第2支持部19bを第2支持部用延設部27bに備えるジンバル機構21を備えている(図3参照)。
【0020】
また、本実施例の光学ユニット10は、図3で表されるように、可動ユニット100と、可動ユニット100を収容するケース200と、を備えている。ここで、図3で表されるように、光学モジュール12、撮像素子50、撮像素子50に接続されるフレキシブル配線基板51、などにより、可動ユニット100を構成している。可動ユニット100は可動体14の一部を構成する。そして、可動体14を揺動可能に収容する収容部である固定枠28、フレキシブル配線基板51を固定する固定部70を有するホルダ22、などにより、可動ユニット100を収容するケース200を構成している。なお、ホルダ22は、ケース200の一部を構成するが、光学モジュール12とともに固定体16(固定枠28)に対して揺動するので、可動体14の一部を構成するとみなすことができる。
【0021】
<光学モジュールについて>
本実施例において、光学モジュール12は略矩形筐体状に形成されており、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール12は、被写体側にレンズ12aを備え、矩形筐体状のハウジング12bの内部に撮像を行うための光学機器等が内蔵されている。本実施例における光学モジュール12は、一例として、光学モジュール12に生じたピッチングの振れ(Y軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)及びヨーイングの振れ(X軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)の補正を行うアクチュエーターを内蔵し、ピッチングの振れの補正及びヨーイングの振れの補正が可能な構成となっている。
【0022】
なお、本実施例において、光学モジュール12は、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れの補正が可能な構成としたが、この構成に限定はされず、例えば、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れのいずれか一方のみの補正が可能な構成でもよい。なお、撮像素子50も光学モジュール12の一部を構成するとみなすことができる。
【0023】
<可動体について>
図1から図4において、可動体14は、光学モジュール12と、ホルダ22と、磁石24A及び24Bとを備えている。ホルダ22は、光学モジュール12のレンズ12aが設けられる前面(被写体側の面)と、反対側の後面を除く、残りの4面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材として構成されている。本実施例のホルダ22は、一例として光学モジュール12を着脱可能に構成されている。ただし、光学モジュール12とホルダ22とが一体的に構成されていてもよい。ホルダ22において固定体16と対向する2面を利用して、ピッチング及びヨーイングの補正用の磁石24A及び24Bがこれらの外面に取り付けられている。
【0024】
<固定体について>
図1から図4において、固定体16は、固定枠28と、コイル32A及び32Bと、を備えている。本実施例において、固定枠28は、光軸周り方向(R方向)において可動体14のホルダ22の少なくとも3面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材128と、X軸方向に沿って外側に延設される壁部228a、壁部228b、壁部228c及び壁部228dを有する延設部228と、から構成されている。ここで、壁部228aは前面(被写体側の面)を覆う壁部であり、壁部228b及び壁部228cはY軸方向を覆う壁部であり、壁部228dはX軸方向における可動体14が配置される側とは反対側を覆う壁部である。なお、図1から図4では省略されているが、Z軸方向において壁部228aと対向する側にも壁部が設けられる。
【0025】
なお、本実施例の固定体16は、後述するフレキシブル配線基板51を壁部228a、壁部228b、壁部228c、壁部228d及び壁部228aと対向する側の不図示の壁部でカバー可能な構成になっており、該フレキシブル配線基板51のY軸方向及びZ軸方向における位置を位置決めする位置決め部52(図4参照)が設けられている。本実施例の光学ユニット10のように、フレキシブル配線基板51の少なくとも一部を覆うカバーを備えることで、フレキシブル配線基板51が他の構成部材などと接触して損傷することを抑制できる。
【0026】
図2などに示すように、コイル取付け部28aには、コイル32A及び32Bがそれぞれ取り付けられている。本実施例において、コイル32A及びコイル32Bは一例として巻線コイルとして構成されているが、コイルをパターンとして基板配線内に取り込んだパターン基板(コイル基板)としてもよい。
【0027】
本実施例において可動体14が固定体16内に配置された状態において、磁石24Aとコイル32A、磁石24Bとコイル32B、は対向状態となる。また、本実施例において、磁石24Aとコイル32Aとの対、磁石24Bとコイル32Bとの対は、回転駆動機構18を構成している。回転駆動機構18により、可動体14のピッチング及びヨーイングの補正が行われる。
【0028】
また、ピッチング及びヨーイングの補正は以下のように行われる。光学ユニット10にピッチング方向とヨーイング方向の両方向又はいずれか一方向の振れが発生すると、不図示の磁気センサー(ホール素子)によって振れを検出し、その結果に基づいて回転駆動機構18を駆動させる。或いは、振れ検出センサ(ジャイロスコープ)などを用いて、光学ユニット10の振れを検出してもよい。振れの検出結果に基づいて、回転駆動機構18がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット10の振れを打ち消す方向に可動体14を動かすように各コイル32A及び32Bに電流が流され、これにより振れが補正される。
【0029】
このように、本実施例の光学ユニット10においては、可動体14を固定体16に対して、ピッチングの軸方向及びヨーイングの軸方向を回転軸として、回転させる回転駆動機構18を備えている。ここで、回転駆動機構18は、可動体14に対してX軸方向のうちのフレキシブル配線基板51が配置されている側(+X方向側)以外の位置に配置されていることが好ましい。回転駆動機構18をフレキシブル配線基板51が形成されていない側に配置できるので、回転駆動機構18とフレキシブル配線基板51との接触を抑制するために光学ユニット10を大きくする必要が無くなり、光学ユニット10を小型化できるためである。なお、本明細書における「回転」とは、360°回転することを要せず、回転方向に揺動する場合を含む意味である。
【0030】
なお、振れを補正する動作のための駆動源としては、回転駆動機構18のようなコイル32A及び32Bと、磁石24A及び24Bと、の各対により構成されるボイスコイルモーターに限定されない。他の駆動源としてステッピングモーターやピエゾ素子等を利用したものを使用することも可能である。
【0031】
<支持機構について>
支持機構20は、光学ユニット10の外側に向けて半球状の凸曲面を形成する板金20aと、光学ユニット10の内側に向けて半球状の凸曲面を形成する板金20bと、を有している。そして、板金20aは固定体16の矩形枠状の部材128の4隅のうちの対向する2か所に配置され、板金20bは矩形枠状の可動体14の4隅にうちの対向する2か所に配置される。なお、矩形枠状の部材128と矩形枠状の可動体14とは4隅の位置が揃うように配置され、板金20a及び板金20bは該4隅に1つずつ配置される。
【0032】
本実施例の支持機構20は、外側を向いた板金20aの半球状の凸曲面の内側に、ジンバル機構21の第1支持部用延設部27aに設けられた第1支持部19aが配置される。支持機構20は、このような構成で固定体16に対してジンバル機構21を支持している。また、内側を向いた板金20bの半球状の凸曲面の内側に、ジンバル機構21の第2支持部用延設部27bに設けられた第2支持部19bが配置される。支持機構20は、このような構成で可動体14に対してジンバル機構21を支持している。すなわち、本実施例の支持機構20は、光軸方向(Z軸方向)と交差する1または複数の方向(X軸方向及びY軸方向の少なくとも1方向)を回転軸方向として可動体14を固定体16に対して回転可能に支持可能な構成となっている。なお、本実施例の支持機構20は、ピッチングの軸方向を回転軸とする可動体14の回転及びヨーイングの軸方向を回転軸とする可動体14の回転を許容する構成になっているが、可動体14のローリング方向の回転も許容する構成としてもよい。
【0033】
<ジンバル機構>
ジンバル機構21は、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されるバネ性を兼ね備えた機構である。具体的には、ジンバル機構21は、一例として被写体側に設けられるジンバルフレーム部25と、ジンバルフレーム部25の四方のコーナー部から光軸方向に90°折り曲げられて形成される第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bと、を備えることによって構成されている。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bについては、必ずしもその全部が板状でなくてもよく、その一部のみを板状に形成してバネ性を発揮させるようにしてもよい。また、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bの一方を板状以外の他の形状(例えばロッド形状等)にすることも可能である。
【0034】
<撮像素子>
図3及び図4に示すように、光学モジュール12は、被写体側とは反対側に撮像素子50を備えている。そして、図4で表されるように、撮像素子50の接続部50aには、フレキシブル配線基板51が接続されている。ここで、本実施例の撮像素子50の接続部50aは、延設部228側に形成されており、延設部228の壁部228a、壁部228b及び壁部228cで被写体側とは反対側以外の方向においてフレキシブル配線基板51をカバーする構成になっている。なお、フレキシブル配線基板51の接続部50aは、撮像素子50に設けられていなくてもよく、可動体14の撮像素子50以外の部分に設けられていてもよい。
【0035】
<フレキシブル配線基板>
図4に示すように、フレキシブル配線基板51は、可動体14に設けられた接続部50aに一端が接続されている。そして、上記のように、フレキシブル配線基板51は、可動体14に対して+X方向側に配置されている。ここで、フレキシブル配線基板51の一端側(接続部50a側)には、フレキシブル配線基板51の面510に2つの平板部60(第1平板部60A及び第2平板部60B)が接着されることにより固定され、該2つの平板部60が固定部70においてホルダ22に形成された取付部72に固定されている。また、フレキシブル配線基板51の他端側(位置決め部52側)は、位置決め部52により延設部228に固定されることで、固定枠28に対して位置決めされている。なお、本実施例のフレキシブル配線基板51は、複数の層(3層)が重ねられて構成されている(図6参照)。
【0036】
<固定部>
以下に、図1から図4に加えて、図5から図7を用いて、固定部70のさらに詳細な構成について説明する。図5及び図6などで表されるように、固定部70は、ホルダ22に形成される取付部72と、2つの平板部60と、を備えている。取付部72は、フレキシブル配線基板51を平板状の第1平板部60Aとホルダ22の取付部72の載置面72aとで挟んだ状態とし、平板状の第1平板部60Aに形成された孔部91をホルダ22の取付部72に形成された突起90に嵌めて圧入することで、フレキシブル配線基板51をホルダ22に固定する。なお、図6及び図7で表されるように、フレキシブル配線基板51には、突起90を挿入可能な孔部51hが設けられている。
【0037】
また、取付部72は、平板状の第2平板部60Bをフレキシブル配線基板51とともに+Y方向側及び-Y方向側の両側に形成された溝部71で挟み込むことで、ホルダ22の取付部72の接触面72bにフレキシブル配線基板51を接触させ、フレキシブル配線基板51をホルダ22に固定する。詳細には、溝部71はZ軸方向に延設され、第2平板部60Bの端部61が溝部71に嵌るように溝部71に対して+Z方向に第2平板部60Bを挿入(圧入)することで、第2平板部60Bは固定部70に固定される。なお、取付部72の溝部71を構成する+Z方側の先端部には、溝部71に対して端部61を挿入しやすいように斜面71aが形成されている。本実施例においては、第1平板部60Aのみに突起90を設けるとともに載置面72aのみに孔部91を設ける構成としたが、第2平板部60Bのみに突起90を設けるとともに接触面72bのみに孔部91を設ける構成としてもよいし、第1平板部60A及び第2平板部60Bの両方に突起90を設けるとともに載置面72a及び接触面72bの両方に孔部91を設ける構成としてもよい。
【0038】
第1平板部60A及び第2平板部60Bがホルダ22に圧入されることで、フレキシブル配線基板51は、一端側(接続部50a側)が可動体14を構成するホルダ22に固定される。一方、上記のように、フレキシブル配線基板51は、他端側(位置決め部52側)が固定体16を構成する固定枠28に固定される。したがって、フレキシブル配線基板51は、可動体14が固定体16に対して揺動することに伴って変位する。フレキシブル配線基板51が短いと可動体14が固定体16に対して揺動することの妨げになるため、フレキシブル配線基板51は、延設部228の内部でS字にカーブして長さが長くなるよう構成されており、可動体14が固定体16に対して揺動することの妨げにならないように構成されている。なお、上記のように本実施例のフレキシブル配線基板51は3層で構成されているので、Z軸方向にフレキシブル配線基板51を折り曲げて長さを長くするのは困難である。
【0039】
また、図6で表されるように、固定部70には、第1平板部60A及び第2平板部60Bを取り付けるための取付部72がホルダ22に形成されている。取付部72は、第1平板部60Aが接着された領域512においてフレキシブル配線基板51の面513(面510とは反対側の面)を載置する載置面72aと、フレキシブル配線基板51における第2平板部60Bが接着された領域511の面513と接触する接触面72bと、を有している。固定部70がこのような構成をしているため、接続部50aに接続されるフレキシブル配線基板51は、他端側に向かって、第1曲げ部51b、第2曲げ部51c及び平面領域51aが形成される。
【0040】
ここで、このように、複数層重ねて構成されるフレキシブル配線基板51が、接続部50a側から他端側に向かって第1曲げ部51b、第2曲げ部51c及び平面領域51aが形成される構成である場合、平面領域51aにおいて四散し易い。しかしながら、本実施例の固定部70は、平面領域51aにおいて第1平板部60Aと載置面72aとで複数層重ねて構成されるフレキシブル配線基板51を挟み込み、突起90と孔部91とで確りと固定する。このため、複数層重ねて構成されるフレキシブル配線基板51が平面領域51aにおいて四散することを効果的に抑制することができる。
【0041】
なお、本実施例においては、溝部71はZ軸方向に沿う方向である。このため、領域511は領域512(平面領域51a)に対して垂直方向になっている。ただし、このような構成に限定されない。溝部71の延設方向(第2平板部60Bの端部61の挿入方向)を平面領域51aに対して垂直方向とは異なる方向としてもよい。別の表現をすると、溝部71の延設方向を調整することで、領域511の平面領域51aに対する角度を調整できる。
【0042】
図6及び図7で表されるように、平面領域51aは、載置面72aに沿う方向に延設される。そして、図7で表されるように、平面領域51aの-X方向における延長線M上には、光学モジュール12を有する可動体14の揺動中心C1(ピッチングの回転軸及びヨーイングの回転軸の位置)がある配置となっている。別の表現をすると、載置面72aの-X方向における延長線M上には、光学モジュール12を有する可動体14の揺動中心C1がある配置となっている。このように、フレキシブル配線基板51の平面領域51aの延長線M上に光学モジュール12の揺動中心C1が位置するようにフレキシブル配線基板51を配置することで、光学モジュール12を固定体16に対して揺動させた際のフレキシブル配線基板51にかかる負荷を低減することができる。ただし、このような構成に限定されない。
【0043】
ここで一旦まとめると、本実施例の光学ユニット10は、固定体16と、光学モジュール12と、複数枚重ねて配置されるとともに光学モジュール12に一端が接続されるフレキシブル配線基板51と、を備えている。さらに、本実施例の光学ユニット10は、光学モジュール12を収容し、光学モジュール12とフレキシブル配線基板51とを固定体16に対して揺動可能に保持するホルダ22と、ホルダ22に対してフレキシブル配線基板51を固定する固定部70と、を備えている。ここで、固定部70は、固定面としての載置面72aに形成された突起90と、突起90の嵌合する孔部91が形成された平板部60(第1平板部60A)と、を有している。また、固定部70は、固定面(載置面72a)と平板部60(第1平板部60A)とでフレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で挟んで固定する。
【0044】
本実施例の光学ユニット10は、このような構成としていることで、突起90と孔部91で固定された平板部60と載置面72aとにより、フレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で確りと挟んで固定することができる。すなわち、本実施例の光学ユニット10は、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板51が四散することを効果的に抑制することができる。また、フレキシブル配線基板51に孔部51hを設け、孔部51hを通した突起90と孔部91とで平板部60とホルダ22とを固定することで、ホルダ22に対してフレキシブル配線基板51を正確に位置決めすることもできる。
【0045】
また、上記のように、本実施例の光学ユニット10においては、固定部70は、ホルダ22の固定面としての第1面(載置面72a)及び第1面と交差する第2面(接触面72b)において、フレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で固定する。一般的に、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板51は、ホルダ22を揺動させることに伴い、折り曲げられた状態とされることで四散しやすい。しかしながら、本実施例の光学ユニット10は、上記のような構成とすることで、折り曲げられた状態のフレキシブル配線基板51を、複数の固定面(載置面72a及び接触面72b)において各々フレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で固定することができ、複数枚重ねて配置されるフレキシブル配線基板51が四散することを特に効果的に抑制することができる。なお、第1面と第2面とでフレキシブル配線基板51を複数枚重ねた状態で固定する場合、本実施例の光学ユニット10のように第1面(載置面72a)においてのみ突起90と孔部91とで平板部60とホルダ22とを固定する構成としてもよいが、第2面(接触面72b)においても突起90と孔部91とで平板部60とホルダ22とを固定してもよい。このような構成の場合、接触面72bを第1面、載置面72aを第2面とみなすことができる。
【0046】
また、上記のように、本実施例の光学ユニット10においては、固定部70は、第1平板部60A及び第2平板部60Bともに、平板部60がホルダ22に圧入されることでホルダ22に平板部60が固定される構成となっている。このような構成とすることで、ホルダ22に平板部60を簡単かつ確りと固定することができる。ただし、このような構成に限定されず、第1平板部60A及び第2平板部60Bの少なくともいずれか1つがホルダ22に圧入されることでホルダ22に平板部60が固定される構成となっていなくてもよい。
【0047】
また、本実施例の光学ユニット10のように、平板部60は、第1面としての載置面72aに対向する第1平板部60Aと、第1平板部60Aとは別部材で構成され第2面としての接触面72bに対向する第2平板部60Bと、を有する構成とすることができる。このような構成とすることで、平板部60の構成を略直方体の平板にするなど簡単にすることができ、固定部70を簡単に構成することができる。
【0048】
また、本実施例の光学ユニット10のように、平板部60は、フレキシブル配線基板51に貼り付けられている構成とすることができる。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板51を簡単かつ正確に位置決めしてホルダ22に固定することができる。
【0049】
[実施例2]
ただし、実施例1の光学ユニット10のような構成に本発明は限定されない。以下に、実施例2の光学ユニット10について図8及び図9を参照して説明する。なお、本実施例の光学ユニット10は、固定部70以外の構成は実施例1の光学ユニット10と同様の構成をしている。このため、本実施例の光学ユニット10は、下記で説明する部分以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の特徴を有している。また、図8及び図9では、実施例1の光学ユニット10の構成部材に対応する構成部材については同じ符号で表している。
【0050】
図8及び図9で表される本実施例の光学ユニット10は、平板部60は、1つの部材で構成されている。このように、平板部60は、第1面としての載置面72aに対向する第1平板部60Aと、第2面としての接触面72bに対向する第2平板部60Bと、を有する1つの部材で構成されていてもよい。このような構成とすることで、平板部60の取付部72に対する取り付け(圧入など)が容易となり、フレキシブル配線基板51をホルダ22に対して簡単に固定させることができる。
【0051】
ここで、本実施例の光学ユニット10においては、フレキシブル配線基板51は、平板部60に貼り付けられておらず、平板部60が固定面(載置面72a及び接触面72b)に固定されることでフレキシブル配線基板51が該固定面に固定される構成である。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板51のホルダ22に対する固定位置を簡単に変更することができる。
【0052】
[実施例3]
以下に、実施例3の光学ユニット10について図10を参照して説明する。なお、本実施例の光学ユニット10は、固定部70以外の構成は実施例1及び実施例2の光学ユニット10と同様の構成をしている。このため、本実施例の光学ユニット10は、下記で説明する部分以外は、実施例1及び実施例2の光学ユニット10と同様の特徴を有している。また、図10では、実施例1及び実施例2の光学ユニット10の構成部材に対応する構成部材については同じ符号で表している。
【0053】
図10で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、固定部70は、突起90と孔部91とを2つずつ備えている。このように、固定部70が、突起90と孔部91とを複数備える構成とすることができる。このような構成とすることで、フレキシブル配線基板51をホルダ22に対して特に確りと固定させることができる。
【0054】
[実施例4]
以下に、実施例4の光学ユニット10について図11を参照して説明する。なお、本実施例の光学ユニット10は、固定部70以外の構成は実施例1から実施例3の光学ユニット10と同様の構成をしている。このため、本実施例の光学ユニット10は、下記で説明する部分以外は、実施例1から実施例3の光学ユニット10と同様の特徴を有している。また、図11では、実施例1から実施例3の光学ユニット10の構成部材に対応する構成部材については同じ符号で表している。
【0055】
図11で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、突起90は、孔部91に対する挿入方向(+Z方向)と交差する方向に出っ張る出っ張り902と、孔部91に対する挿入方向に延びる複数の溝901と、が形成されている。このため、突起90をフレキシブル配線基板51の孔部51h及び平板部60の孔部91に対して挿入する際には出っ張り902が縮み、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には出っ張り902が出っ張るようになっている。このため、本実施例の光学ユニット10は、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には、平板部60が取付部72から抜け難くなっている。
【0056】
[実施例5]
以下に、実施例5の光学ユニット10について図12を参照して説明する。なお、本実施例の光学ユニット10は、固定部70以外の構成は実施例1から実施例4の光学ユニット10と同様の構成をしている。このため、本実施例の光学ユニット10は、下記で説明する部分以外は、実施例1から実施例4の光学ユニット10と同様の特徴を有している。また、図12では、実施例1から実施例4の光学ユニット10の構成部材に対応する構成部材については同じ符号で表している。
【0057】
図12で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、突起90は、孔部91に対する挿入方向(+Z方向)と交差する方向に出っ張る出っ張り902が形成されている。また、フレキシブル配線基板51の孔部51hには溝51iが形成されているとともに平板部60の孔部91には溝91iが形成されている。突起90並びに孔部51h及び孔部91がこのような構成をしていることにより、突起90は、孔部51h及び孔部91に対して挿入可能であるとともに、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には出っ張り902が孔部91に対して-Z方向に引っ掛かるようになっている。このため、本実施例の光学ユニット10は、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には、平板部60が取付部72から抜け難くなっている。
【0058】
[実施例6]
以下に、実施例6の光学ユニット10について図13を参照して説明する。なお、本実施例の光学ユニット10は、固定部70以外の構成は実施例1から実施例5の光学ユニット10と同様の構成をしている。このため、本実施例の光学ユニット10は、下記で説明する部分以外は、実施例1から実施例5の光学ユニット10と同様の特徴を有している。また、図13では、実施例1から実施例5の光学ユニット10の構成部材に対応する構成部材については同じ符号で表している。
【0059】
図13で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、突起90は、略線形にX軸方向に延設され、孔部91に対する挿入方向(+Z方向)と交差する方向に出っ張る出っ張り902が形成されている。また、フレキシブル配線基板51にはX軸方向に延設される略線形の孔部51hが形成され、平板部60にはX軸方向に延設される略線形の孔部91が形成されている。そして、孔部51hのX軸方向の両端には溝51iが形成され、孔部91のX軸方向の両端には溝91iが形成されている。突起90並びに孔部51h及び孔部91がこのような構成をしていることにより、突起90は、孔部51h及び孔部91に対して挿入可能であるとともに、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には出っ張り902が孔部91に対して-Z方向に引っ掛かるようになっている。このため、本実施例の光学ユニット10は、突起90を孔部91に対して挿入し終えた際には、平板部60が取付部72から抜け難くなっている。なお、例えば本実施例のように、突起90並びに孔部51h及び孔部91を円形以外の形状(例えば線形や多角形)にすることで、Z軸方向を回転軸としてフレキシブル配線基板51がホルダ22に対して変位(回転)することを抑制することもできる。
【0060】
上記のように、実施例4から実施例6の光学ユニット10においては、突起90は、孔部91に嵌められた状態において孔部91から抜けることを抑制する抜け止め形状が形成されている。このような構成とすることで、平板部60が突起90から抜けてフレキシブル配線基板51が四散するということを効果的に抑制することができる。なお、抜け止め形状の構成は、上記実施例4から実施例6の光学ユニット10における抜け止め構成に限定されない。例えば、実施例1から実施例3のような構成の突起90を備える光学ユニット10において、突起90を孔部91に対して挿入し終えた後に突起90の先端を加熱しながら押圧して潰し、抜け止め形状を形成してもよい。
【0061】
なお、上記のように、突起90及び孔部91を円形以外の形状(例えば、線形や、三角形や四角形などの多角形)にすることで、Z軸方向を回転軸としてフレキシブル配線基板51がホルダ22に対して変位(回転)することを抑制することもできる。すなわち、別の表現をすると、突起90は、孔部91に嵌められた状態において孔部91に対して回転することを抑制する回転防止形状が形成されている構成とすることができる。このような構成とすることで、孔部91に対して突起90が回転してフレキシブル配線基板51がホルダ22に対して位置ずれすることを抑制することができるとともに、孔部91に対して突起90を正確に位置決めできることでフレキシブル配線基板51をホルダ22に対して正確に位置決めすることができる。
【0062】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10…光学ユニット、12…光学モジュール、14…可動体、16…固定体、18…回転駆動機構、19a…第1支持部、19b…第2支持部、20…支持機構、20a…板金、20b…板金、21…ジンバル機構、22…ホルダ、24A…磁石、24B…磁石、25…ジンバルフレーム部、27a…第1支持部用延設部、27b…第2支持部用延設部、28…固定枠、28a…コイル取付け部、32A…コイル、32B…コイル、50…撮像素子、50a…接続部、51…フレキシブル配線基板、51a…平面領域、51b…第1曲げ部、51c…第2曲げ部、51d…領域、51e…表面、51h…孔部、51i…溝、52…位置決め部、60…平板部、60A…第1平板部、60B…第2平板部、61…端部、70…固定部、71…溝部、71a…斜面、72…取付部、72a…載置面(固定面、第1面)、72b…接触面(固定面、第2面)、90…突起、91…孔部、91i…溝、100…可動ユニット、128…矩形枠状の部材、200…ケース、228a…壁部、228b…壁部、228c…壁部、228d…壁部、510…面、511…領域、512…領域、513…面、901…溝、902…出っ張り、C1…揺動中心(揺動軸の位置)、L…光軸、M…延長線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13