IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図1
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図2
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図3
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図4
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図5
  • 特開-洗車機、および洗車機の制御方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072948
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】洗車機、および洗車機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/06 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
B60S3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185704
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛大
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA02
3D026AA13
3D026AA25
3D026AA35
3D026AA40
3D026AA75
(57)【要約】
【課題】洗車機により洗浄される車両の自走の判定の精度を向上させる。
【解決手段】洗車機は、車両(X)に対する前後方向への相対移動により車両を洗浄する洗車機本体(4)と、車両の自走を判定する自走判定部(54)とを備える。自走判定部は、車両を洗浄するブラシ(16)が車両の第1部分(XA)に当接した時点から第1センサ(50)が車両の第1部分を検出する時点までに洗車機本体が移動した距離である第1距離に応じて車両の自走を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗浄する洗車機本体と、
前記洗車機本体を制御する制御部と、
前記車両の自走を判定する自走判定部とを備え、
前記洗車機本体は、前記車両を洗浄するブラシと、前記車両を検出する第1センサとを含み、
前記制御部は、前記洗車機本体を前記車両に対する前後方向の何れか一方に相対移動させつつ前記洗車機本体に前記車両を洗浄させるとき、前記ブラシを前記車両の第1部分に当接させ、かつ、前記第1センサに前記第1部分を検出させるように制御し、
前記自走判定部は、前記ブラシが前記第1部分に当接した時点から前記第1センサが前記第1部分を検出する時点までに前記洗車機本体が移動した距離である第1距離に応じて前記車両の自走を判定する洗車機。
【請求項2】
前記ブラシは、前記車両の側表面の少なくとも一部と平行な回転軸を含む、前記車両の側表面の少なくとも一部を洗浄するサイドブラシを含み、
前記自走判定部は、前記サイドブラシと前記車両との当接を、前記回転軸の傾きから判定する請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
前記第1センサは前記ブラシよりも前記洗車機本体の前後方向における後方側に位置し、
前記第1部分は前記車両の前端に位置し、
前記制御部は、前記洗車機本体を前記車両の前側から後側に相対移動させつつ前記洗車機本体に前記車両を洗浄させる請求項1または2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記第1センサは、洗車場からの前記車両の退出を検出する請求項3に記載の洗車機。
【請求項5】
前記洗車機本体は、前記ブラシよりも前記洗車機本体の前後方向における前方側に位置し、前記車両を検出する第2センサを備え、
前記制御部は、前記第1センサが前記前端を検出した後に、前記洗車機本体を前記車両の後側から前側に相対移動させつつ前記洗車機本体に前記車両を洗浄させるとき、前記ブラシを前記車両の後端に当接させ、かつ、前記第2センサに前記後端を検出させるように制御し、
前記自走判定部は、前記ブラシが前記後端に当接した時点から前記第2センサが前記後端を検出する時点までに前記洗車機本体が移動した距離である第2距離に応じて前記車両の自走を判定する請求項3または4に記載の洗車機。
【請求項6】
前記第1センサは前記ブラシよりも前記洗車機本体の前後方向における前方側に位置し、
前記第1部分は前記車両の後端に位置し、
前記制御部は、前記洗車機本体を前記車両の後側から前側に相対移動させつつ前記洗車機本体に前記車両を洗浄させる請求項1または2に記載の洗車機。
【請求項7】
車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗浄する洗車機本体を備えた洗車機の制御方法であって、
前記洗車機本体は、前記車両を洗浄するブラシと、前記車両を検出する第1センサとを含み、
前記洗車機本体を前記車両に対する前後方向の何れか一方に相対移動させつつ前記車両の洗浄を行う洗浄工程を含み、
前記洗浄工程は、
前記ブラシを前記車両の第1部分に当接させる当接工程と、
前記第1センサに前記第1部分を検出させる検出工程と、
前記ブラシが前記第1部分に当接した時点から前記第1センサが前記第1部分を検出する時点までに前記洗車機本体が移動した距離である第1距離に応じて前記車両の自走を判定する自走判定工程とを含む洗車機の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両を洗浄する洗車機、および当該洗車機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に対し相対移動しつつ当該車両を洗浄する洗車機が、車両の自走を判断する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-210007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術によって車両の自走を判断するためには、洗車機本体を移動させつつ、車形センサによる車両の検出の有無を確認する必要がある。ここで、一般に、洗車機本体による車両の洗浄の前に車両の形状を特定することを目的として、車形センサは洗車機本体の前面側に設置されていることが多い。したがって、車両の停止位置によっては洗車機本体による車両の洗浄前に既に車両の前端が車形センサより洗車機本体の内部側に位置している場合がある。
【0005】
この場合、洗車機本体が車両を洗浄するために車両に対し相対移動を開始した後に、自走の判断の基準となる車両の前端等を車形センサによって正しく検出することができない。ゆえに、特許文献1に記載された技術では、車両の自走を正しく判断することができない場合がある。
【0006】
また、車形センサを含むセンサは、水しぶきまたは異物等の付着により、車両の検出を誤る可能性がある。したがって、特許文献1に記載された車両の自走の判断方法では、車両が自走していなくとも自走していると誤って判断する、または、車両が自走していても自走していないと誤って判断する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る洗車機は、車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗浄する洗車機本体と、前記洗車機本体を制御する制御部と、前記車両の自走を判定する自走判定部とを備え、前記洗車機本体は、前記車両を洗浄するブラシと、前記車両を検出する第1センサとを含み、前記制御部は、前記洗車機本体を前記車両に対する前後方向の何れか一方に相対移動させつつ前記洗車機本体に前記車両を洗浄させるとき、前記ブラシを前記車両の第1部分に当接させ、かつ、前記第1センサに前記第1部分を検出させるように制御し、前記自走判定部は、前記ブラシが前記第1部分に当接した時点から前記第1センサが前記第1部分を検出する時点までに前記洗車機本体が移動した距離である第1距離に応じて前記車両の自走を判定する。
【0008】
また、本開示の一態様に係る洗車機の制御方法は、車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗浄する洗車機本体を備えた洗車機の制御方法であって、前記洗車機本体は、前記車両を洗浄するブラシと、前記車両を検出する第1センサとを含み、前記洗車機本体を前記車両に対する前後方向の何れか一方に相対移動させつつ前記車両の洗浄を行う洗浄工程を含み、前記洗浄工程は、前記ブラシを前記車両の第1部分に当接させる当接工程と、前記第1センサに前記第1部分を検出させる検出工程と、前記ブラシが前記第1部分に当接した時点から前記第1センサが前記第1部分を検出する時点までに前記洗車機本体が移動した距離である第1距離に応じて前記車両の自走を判定する自走判定工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
洗車機が洗浄中の車両の自走を精度よく判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る第1洗浄工程における洗車機の制御方法を説明するための工程側面図である。
図2】実施形態に係る洗車機を示す概略側面図、および概略正面図である。
図3】実施形態に係る洗車機の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図4】実施形態に係る第1洗浄工程における洗車機の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図5】実施形態に係る第2洗浄工程における洗車機の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図6】実施形態に係る第2洗浄工程における洗車機の制御方法を説明するための工程側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
<洗車機の概要>
図2は、本実施形態に係る洗車機2が備える、洗車機本体4とリモートパネル6との概略側面2S、および洗車機本体4の概略正面4Fを示す模式図である。本実施形態に係る洗車機2は、図2に示すように、被洗浄車両である車両Xの洗車を行う洗車機本体4を備える。洗車機2は、さらに、洗車機本体4による車両Xの洗車条件を取得するリモートパネル6を備える。概略側面2Sにおいては、車両Xがリモートパネル6よりも、紙面に向かって奥側に位置することを示すために、車両Xの外形を点線にて示す。
【0012】
概略正面4Fに示すように、洗車機本体4は、例えば、2つのフレーム8と、当該2つのフレーム8の上端同士を連結する天井部10とを備える。洗車機本体4は、概略側面2Sに示す、車両Xの進入方向DAに沿って、車両Xが、フレーム8および天井部10によって囲まれた空間4Sを通過できる構造を有している。なお、本明細書において、進入方向DAは、洗車機本体4の前面4Aから後面4Bに向かう方向とする。なお、本実施形態において、前面4Aは、例えば、後述する操作パネル42が備えられる面である。
【0013】
洗車機本体4は、フレーム8のそれぞれの下部に車輪12を有し、図示しない駆動部によって当該車輪12を回転駆動することにより、地面Gに配されたレールRに沿って、車両Xに対し前後方向に相対移動する。レールRは、例えば、進入方向DAに沿って形成されている。ここで、洗車機本体4は、車両Xに対する相対移動を行いつつ、空間4S中の車両Xに対する洗浄を実施する。
【0014】
洗車機本体4には、清掃部の1つとして、車両X上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。例えば、洗車機本体4が備える回転ブラシは、それぞれが回転モータ(不図示)によって回転するトップブラシ14、サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18を含む。トップブラシ14は、車両Xの上面に沿って摺動し、車両Xの上面を洗浄する。サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18は、車両Xの両側面を洗浄する。
【0015】
本実施形態に係るサイドブラシ16は、例えば、地面Gに対し略垂直方向に延伸する回転軸16Sと、当該回転軸16Sに形成された複数の毛材16Tとを含む。換言すれば、サイドブラシ16は、車両Xの側表面の少なくとも一部と平行な回転軸16Sを含み、回転軸16S回りに回転する毛材16Tを車両Xの側表面の少なくとも一部に当接させて、当該側表面を洗浄するブラシである。さらに、サイドブラシ16は、回転軸16Sを支持し、不図示の動力部により車両Xの左右方向に回転軸16Sを移動させるアーム16Aを含んでいてもよい。
【0016】
洗車機本体4の側部には、洗剤またはワックス等を含む各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部20が配される。タンク収納部20の上方には、市水を含む水、または各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部22が設けられる。分配配管部22からは、清掃部に含まれる、第1浄水ノズル24、第2浄水ノズル26、第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30、撥水コートノズル32、およびワックスノズル34がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
【0017】
第1浄水ノズル24、および第2浄水ノズル26は、洗車機本体4の各フレーム8の前面4A側、および後面4B側にそれぞれ配され、車両Xに対して市水を含む水を噴射する。第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30は、各フレーム8の前面4A側、および後面4B側にそれぞれ配され、車両Xに対してシャンプー等を含む洗浄液を噴射する。撥水コートノズル32およびワックスノズル34は洗車機本体4の後面4Bに配される。撥水コートノズル32は車両Xに対して撥水コート剤の液剤を噴射する。ワックスノズル34は車両Xに対してワックスを噴射する。
【0018】
また、洗車機本体4には、気流を発生して車両Xを乾燥させるブロワ36が設けられる。ブロワ36にはトップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40が接続される。トップ送風ノズル38は、洗車機本体4の中央上部に設けられ、車両Xの天井面に向けて送風する。サイド送風ノズル40は、洗車機本体4の両側部に設けられ、車両Xの側面に向けて送風する。洗車機本体4は、トップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40の送風によって、洗浄後の車両Xを乾燥させる。
【0019】
なお、図2においては、図示の簡単のために、上述した、洗車機本体4が備える、車両Xの洗浄のための各装置に関する図示を省略している場合がある。また、図2に示す、洗車機本体4が備える各装置は、単なる例示であり、洗車機本体4は、上述した装置の他、従来公知の構成を含む、車両Xの洗浄のための装置、および当該洗浄を補助する装置を、フレーム8または天井部10に備えていてもよい。
【0020】
洗車機本体4の一方のフレーム8の前面には操作パネル42が配される。操作パネル42は洗車条件を設定する操作ボタン(不図示)を備える。例えば、車両Xから降車したユーザ、またはその他の技術者等は、操作ボタンを操作して、洗車条件の設定等を行ってもよい。
【0021】
さらに、洗車機2は、洗車機本体4を制御する制御部44を備える。特に、制御部44は、洗車機本体4のレールRに沿った移動、および、清掃部の各部の動作を制御することにより、洗車機本体4による車両Xの洗浄を制御する。制御部44は、図2に示すように、洗車機本体4に備えられていてもよく、あるいは、洗車機本体4の外部に位置していてもよい。制御部44は、不図示の通信装置等により、洗車機本体4または後述するリモートパネル6との間における情報の送受信を行い、洗車機本体4を制御してもよい。制御部44は、例えば、CPU等のプロセッサで構成され、メモリに格納された制御プログラムがプロセッサ上で実行されることにより、各制御が実現される。
【0022】
リモートパネル6は、例えば、洗車機本体4の前方側に位置し、おおよそ洗車機本体4の移動方向に沿って配置される。また、リモートパネル6は、図2に示すように、その正面が、洗車機本体4により洗浄される前、換言すれば、洗車機本体4の内部に進入する前の車両Xの側面と対向するように配置される。このため、図2においては、リモートパネル6の背面を図示している。
【0023】
図2に示すように、リモートパネル6は、筐体46と、地面Gに立設された、筐体46を支持する支持柱48とを備える。リモートパネル6は、筐体46に設けられた、不図示のタッチパネルまたはボタン等の操作により、洗車機本体4による車両Xの洗車条件の少なくとも一部を取得してもよい。制御部44は、リモートパネル6が取得した洗車条件の少なくとも一部に基づいて、洗車機本体4を制御し、車両Xを洗浄してもよい。
【0024】
洗車機本体4は、さらに、第1センサとしての出口センサ50と第2センサとしての車形センサ52とを備える。出口センサ50は、上述したサイドブラシ16よりも洗車機本体4の後面4Bの側に位置し、車形センサ52は、サイドブラシ16よりも洗車機本体4の前面4Aの側に位置する。
【0025】
ここで、一般に、洗車機2が位置する洗車場に車両Xが進入し停止する際、図2に示すように、車両Xは洗車機本体4の前側に、かつ、洗車機本体4に前方を向けて停止する。このため、一般に、車両Xは洗車機本体4の前面4Aから後面4Bへの方向に前方を向けた状態において、洗車機本体4により洗浄される。したがって、洗車機本体4による車両Xの洗浄の間、図2に示すように、出口センサ50はサイドブラシ16よりも車両Xの前後方向における前方側に位置し、車形センサ52はサイドブラシ16よりも車両Xの前後方向における後方側に位置する。
【0026】
出口センサ50は、洗車機本体4による車両Xの洗浄が完了した後、洗車場から車両Xが退出したか否かを検出するセンサである。出口センサ50は、例えば、光軸センサであってもよい。換言すれば、出口センサ50は、ある光学素子から出射された赤外線等の電磁波を、当該光学素子に対応する光学センサが検出するか否かを判定することにより、当該光学素子および光学センサの間に物体が存在するか否かを判定するセンサであってもよい。この場合、出口センサ50は、光学素子からの電磁波等が光学センサによって検出されなかった場合、当該光学素子および光学センサの間に車両Xが存在していると判定してもよい。
【0027】
例えば、制御部44は、洗車機本体4による車両Xの洗浄が完了した後、洗車機本体4を車両Xの後方付近に移動させた後、洗車機本体4のスピーカからの音声または洗車機本体4のモニターの映像等により車両X内のユーザに退出を案内してもよい。ここで、車両Xの洗浄完了後における洗車機本体4の位置は、出口センサ50が車両Xを検出する位置であってもよい。この場合、ユーザが車両Xを洗車場の外に移動させた場合、出口センサ50は車両Xを検出しなくなる。なお、車両Xは前進して洗車機本体4の後面4B側に空間4Sを通り抜けることにより洗車場から退出してもよい。あるいは、車両Xは後進して洗車機本体4の前面4A側に向かって空間4Sから出ることにより洗車場から退出してもよい。
【0028】
したがって、出口センサ50は、車両Xの洗浄完了後、車両Xを検出しなくなったことから、洗車場からの車両Xの退出を検出してもよい。制御部44は、出口センサ50が洗車場からの車両Xの退出を検出した後、次の車両Xの洗浄を受け付けるために洗車機本体4の移動を含む各部の制御を行ってもよい。
【0029】
車形センサ52は、洗浄する対象である車両Xの外形を測定するためのセンサである。例えば、車形センサ52は、洗車機本体4のフレーム8のそれぞれの前面側かつ空間4S側において、上下方向に複数形成された光軸センサを含むエリアセンサであってもよい。この場合、車形センサ52は、例えば、洗車機本体4が車両Xの前側から後側に相対移動する間、車両Xを検出する光軸センサの個数を確認してもよい。
【0030】
これにより、洗車機本体4は、車形センサ52が含む光軸センサのうち車両Xを検出する光軸センサの個数の変化から、平面視における位置ごとに車両Xの高さを推定することができる。換言すれば、車形センサ52は、車両Xの形状の少なくとも一部を推定するための情報を生成する。これにより、車形センサ52は、平面視における位置ごとに車両Xの外形の少なくとも一部を割り出してもよい。制御部44は、車形センサ52により割り出された車両Xの外形に基づいて、清掃部の各部を制御し車両Xの洗浄を行ってもよい。
【0031】
洗車機本体4は、さらに、自走判定部54を備える。自走判定部54は、車両Xが自走しているか否かを判定する。特に、自走判定部54は車両Xの自走の判定を、洗車機本体4が車両Xに対し相対移動しつつ車両Xを洗浄する間に行う。自走判定部54による車両Xの自走の判定方法、および自走判定部54により車両Xが自走していると判定された場合における制御部44による洗車機本体4の制御については後に詳述する。
【0032】
<洗車方法の概要および受付工程>
洗車機2を用いた車両Xの洗浄方法について、図3を参照し、当該洗車機2の制御方法を説明することにより説明する。図3は、洗車機2の制御方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る洗車機2の制御方法においては、はじめに、受付工程として、制御部44が洗車機本体4またはリモートパネル6の各部を制御し、車両Xのユーザ等からの車両Xの洗浄を受け付ける(ステップS2)。例えば、制御部44が、リモートパネル6または操作パネル42を制御し、上記ユーザからのリモートパネル6または操作パネル42等の操作を受け付ける。これにより、洗車機2は、車両Xの洗車条件の設定、および洗車料金の支払い等の情報をユーザから取得することにより車両Xの洗浄を受け付ける。
【0033】
<第1洗浄工程>
図3を参照すると、洗車の受付が完了した後、制御部44が洗車機本体4の各部を制御することにより、洗車機2は第1洗浄工程を実行する(ステップS4、洗浄工程)。第1洗浄工程における洗車機2の各部の制御方法について、図1および図4を参照してより詳細に説明する。図1および図4は、それぞれ、第1洗浄工程における洗車機2の各部の制御方法について説明するための工程側面図およびフローチャートである。本実施形態においては、図1および図4を参照して、第1洗浄工程における車両Xの自走を判定するための洗車機2の制御方法についても説明する。
【0034】
なお、図1においては、説明の簡単のため、洗車機2の各部のうち一部のみを抜き出して説明する。特に、図1においては、洗車機本体4の各部のうち、フレーム8を示し、また、サイドブラシ16、出口センサ50、車形センサ52、および自走判定部54についてのみフレーム8を透過して示す。さらに、図1においては、車両Xを点線にて示し、洗車機本体4と車両Xとが洗車機本体4の側方からみて重なる場合、車両Xについて洗車機本体4を透過して示す。また、図1に示す洗車機本体4および車両Xの各部は、図2等に示す洗車機本体4および車両Xの各部と比較して形状を簡略化している場合がある。
【0035】
例えば、第1洗浄工程の実行直前において、洗車機本体4は車両Xの前方側に位置する。図4に示すように、第1洗浄工程においては、はじめに、制御部44が洗車機本体4を制御し、洗車機本体4の前進を開始させる(ステップS4-2)。このため、図1のステップS4-2に示すように、洗車機本体4は車両Xの前方から前進方向D1に向かって移動し始める。
【0036】
この後、第1洗浄工程において制御部44が洗車機本体4を前進方向D1に移動させつつ洗浄部の各部を制御することにより、洗車機本体4は空間4S内部を通過する車両Xの表面の洗浄を行う。ここで、制御部44は、車形センサ52を制御し、洗車機本体4の移動方向における位置ごとに車両Xの形状を算出してもよい。これにより、制御部44は、車形センサ52により得られた車両Xの形状情報を車両Xの位置情報と紐づけた情報に基づいて、清掃部を制御し車両Xの洗浄を行ってもよい。
【0037】
特に言及しない限り、後の各ステップにおいても、洗車機本体4の移動および洗車機本体4による車両Xの表面の洗浄は継続している。ただし、制御部44は、清掃部による車両Xの洗浄の内容によって、第1洗浄工程の間、洗車機本体4の移動速度を適宜変動させてもよく、また、洗車機本体4の移動を適宜一時停止してもよい。
【0038】
図4の参照に戻ると、次いで、制御部44は洗車機本体4を制御し、サイドブラシ16を車両Xの第1部分である前端XAに当接させる(ステップS4-4、当接工程)。例えば、制御部44は、ステップS4-2の後、アーム16Aを制御しサイドブラシ16を空間4Sの中央側まで移動させた状態において洗車機本体4の前進させることにより、サイドブラシ16を前端XAに当接させてもよい。その後、制御部44は洗車機本体4を制御し、洗車機本体4の移動を一旦停止した状態において、車両Xの前面をサイドブラシ16によって洗浄した後、洗車機本体4の前進を再開してもよい。
【0039】
なお、図1において点線にて示す位置A1は、ステップS4-4、換言すれば、サイドブラシ16が車両Xの前端XAに当接した時点において、洗車機本体4の移動方向における前端XAが存在する位置を示す。換言すれば、ステップS4-4以降、車両Xが自走していない場合、車両Xの前端XAは位置A1上に存在し続ける。なお、図1に示す各ステップは、洗車機本体4の移動方向における位置A1の位置が変わらないように図示されている。
【0040】
ここで、例えば、自走判定部54は、サイドブラシ16の前端XAへの当接を判定する。例えば、自走判定部54は、サイドブラシ16の前端XAへの当接を、回転軸16Sの傾きから判定してもよい。サイドブラシ16が前端XAに当接すると、サイドブラシ16が車両Xに押され、回転軸16Sが傾斜する。ここで、例えば、アーム16Aに形成された不図示の傾斜センサによりアーム16Aが洗車機本体4の前後方向に傾斜したことを検出してもよい。さらに、自走判定部54は、当該傾斜センサの検出結果から、回転軸16Sの傾きが変化したことを確認し、サイドブラシ16が前端XAに当接したと判定してもよい。
【0041】
制御部44は、サイドブラシ16を前端XAに当接させる際、サイドブラシ16により車両Xの前面の洗浄を行う際と比較して、サイドブラシ16をより強く前端XAに押し当てるように洗車機本体4を制御してもよい。これにより、サイドブラシ16が前端XAに当接した際に、サイドブラシ16の回転軸16Sがより傾斜し、自走判定部54によるサイドブラシ16の前端XAへの当接の判定精度が向上する。
【0042】
また、本実施形態においては、自走判定部54は、サイドブラシ16が前端XAへの当接を判定した時点から、洗車機本体4の移動距離を測定し始める。ここで、サイドブラシ16が前端XAへの当接を判定した時点における、洗車機本体4の移動方向における洗車機本体4の前面4Aの位置A2を、図1において一点鎖線にて示す。例えば、サイドブラシ16が前端XAへの当接を判定した時点からの洗車機本体4の移動距離は、位置A2から前面4Aが移動した距離に等しい。なお、図1に示す各ステップは、洗車機本体4の移動方向における位置A2の位置が変わらないように図示されている。
【0043】
自走判定部54は、例えば、洗車機本体4の移動距離を車輪12の回転角度から算出してもよい。例えば、洗車機本体4は、車輪12の回転角度を測定するロータリーエンコーダを備えていてもよく、自走判定部54は、例えば、ロータリーエンコーダの測定結果から洗車機本体4の移動距離を算出してもよい。
【0044】
また、自走判定部54は、例えば、サイドブラシ16が前端XAへの当接を判定した時点から、当該時点からの経過時間および洗車機本体4の移動速度から洗車機本体4の移動距離を算出してもよい。自走判定部54は、例えば、洗車機本体4が備えるタイマーにより時間を測定してもよい。また、自走判定部54は、例えば、洗車機本体4の移動速度を、制御部44による洗車機本体4の制御内容から算出してもよい。
【0045】
図4の参照に戻ると、次いで、制御部44は洗車機本体4を制御し、出口センサ50に前端XAを検出させる(ステップS4-6、検出工程)。例えば、制御部44は、ステップS4-4の完了時点から、出口センサ50による前端XAの検出の有無を確認し続ける。例えば、図1のステップS4-6に示すように、洗車機本体4の側方からみて、出口センサ50と前端XAとが重なるまで洗車機本体4が前進すると、出口センサ50により前端XAが検出される。
【0046】
<第1距離>
次いで、図4に示すように、自走判定部54は、後工程における車両Xの自走の判定のために、ステップS4-4の実行時点からステップS4-6の実行時点までにおける、洗車機本体4の移動距離である第1距離を算出する(ステップS4-8)。換言すれば、自走判定部54は、サイドブラシ16が前端XAに当接した時点から出口センサ50が前端XAを検出する時点までに、洗車機本体4が移動した距離である第1距離を算出する。
【0047】
例えば、上記第1距離は、ステップS4-6の実行時点における、位置A2から洗車機本体4の前面4Aまでの距離に等しい。例えば、ステップS4-4の実行時点から車両Xが自走していない場合、図1のステップS4-6に示すように、上記第1距離は理想的には距離R1となる。ここで、洗車機本体4の移動方向においてサイドブラシ16はほとんど移動しないため、サイドブラシ16と出口センサ50との間の距離は略不変である。したがって、距離R1は理想的には不変かつ既知の値とすることができる。
【0048】
距離R1は、適切な方法により測定し予め既知の値とすることができる。距離R1は、例えば、サイドブラシ16のうち前端XAと当接する部分から出口センサ50による検出位置までの、洗車機本体4の移動方向における距離から測定してもよい。ただし、距離R1は、サイドブラシ16と前端XAとの接触による回転軸16Sの傾斜、および毛材16Tの変形を考慮して測定されてもよい。また、距離R1は、例えば、事前に自走していないことが分かっている車両Xに対し数度洗車機2による洗浄を行い、それぞれ測定された第1距離の平均をとることにより測定してもよい。
【0049】
ここで、ステップS4-4の実行時点から車両Xが前進自走していた場合、図1のステップS4-6Aに示すように、上記第1距離は距離R1より短い距離R1Aとなる。さらに、ステップS4-4の実行時点から車両Xが後進自走していた場合、図1のステップS4-6Bに示すように、上記第1距離は距離R1より長い距離R1Bとなる。したがって、上記第1距離の長さを算出し、既知の距離R1からのずれを算出することにより、自走判定部54は車両Xの自走距離を算出することができる。
【0050】
<第1洗浄工程における自走判定工程>
次いで、洗車機2は、自走判定部54がステップS4-8にて算出した第1距離に応じて自走を判定する、自走判定工程を実行する。洗車機2は、車両Xの自走の有無、および車両Xの自走距離によって、後述するように洗車機本体4の動作を適宜変更する。
【0051】
例えば、自走判定工程において、はじめに、図4に示すように、自走判定部54は、第1距離が第1上限値以下かつ第1下限値以上であるか否かを判定する(ステップS4-10)。第1上限値は、例えば、第1距離がそれよりも短い場合には車両Xの後進自走はしていないと判断できる距離である。第1下限値は、例えば、第1距離がそれよりも長い場合には車両Xの前進自走はしていないと判断できる距離である。第1上限値および第1下限値は、車両Xが自走していないと判断できる、第1距離の距離R1からのずれの最大値から決定されてもよい。
【0052】
このため、ステップS4-10において、自走判定部54が第1距離を第1上限値以下かつ第1下限値以上であると判定した場合、自走判定部54は車両Xが自走していないと判定する。したがって、ステップS4-10において、自走判定部54により車両Xが自走していないと判定された場合、制御部44は、例えば、得られた車両Xの形状情報および位置情報を基に、通常通り洗車機本体4を制御する。これにより、図4に示すように、制御部44は洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を継続する(ステップS4-12)。
【0053】
ステップS4-10において、自走判定部54が第1距離を第1上限値以下かつ第1下限値以上ではないと判定した場合、自走判定部54は車両Xが自走していると判定する。ステップS4-10において、自走判定部54により車両Xが自走していると判定された場合、図4に示すように、自走判定部54は、次いで、第1距離が第2上限値以下かつ第2下限値以上であるか否かを判定する(ステップS4-14)。ここで、第2上限値は第1上限値よりも長く、第2下限値は第1下限値よりも短い。
【0054】
ここで、第2上限値は、例えば、第1距離がそれよりも短い場合に、車両Xが後進自走をしていたとしても、自走距離を考慮し車両Xの位置情報を変更すれば洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が行える距離である。第2下限値は、例えば、第1距離がそれよりも長い場合に、車両Xが前進自走をしていたとしても、自走距離を考慮し車両Xの位置情報を変更すれば洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が行える距離である。
【0055】
したがって、第1距離が第1上限値以下かつ第1下限値以上ではないものの、第2上限値以下かつ第2下限値以上である場合には、制御部44による洗車機本体4の制御内容を適切に変更することにより、洗車機本体4による車両Xの洗浄を適切に行える。第2上限値および第2下限値は、制御部44による洗車機本体4の制御内容を適切に変更することにより、洗車機本体4による車両Xの洗浄を適切に行えると判断できる、第1距離の距離R1からのずれの最大値から決定されてもよい。
【0056】
したがって、ステップS4-14において、自走判定部54が第1距離を第2上限値以下かつ第2下限値以上であると判定した場合、図4に示すように、制御部44は、第1距離に応じて車両Xの位置情報を修正する(ステップS4-16)。また、ステップS4-16において、制御部44は、修正された車両Xの位置情報を車両Xの形状情報と再度紐づけて、洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を継続する。
【0057】
第1距離が第2上限値以下かつ第2下限値以上ではない場合には、制御部44による洗車機本体4の制御内容の変更によっても、洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が困難である。このため、ステップS4-14において、自走判定部54が第1距離を第2上限値以下かつ第2下限値以上ではないと判定した場合、図4に示すように、制御部44は、洗車機本体4の動作を停止する(ステップS4-18)。ステップS4-18により、洗車機本体4による適切でない車両Xの洗浄が継続することを低減できる。
【0058】
例えば、制御部44は、次いで、洗車機本体4のスピーカまたは洗車機本体4のモニターを制御し、車両X内のユーザに、車両Xが自走していることを知らせ、車両Xを停止させるよう案内してもよい。また、制御部44は、洗車機本体4またはリモートパネル6の各部を制御し、車両Xのユーザ等からの操作を受け付け、当該操作に基づき洗車機本体4を制御して、洗車機本体4による車両Xの洗浄を再開してもよい。
【0059】
第1洗浄工程は、例えば、洗車機本体4が車両Xの後方に移動するまで洗車機本体4による車両Xの洗浄が完了した時点において終了してもよい。ここで、ステップS4-6の実行時点から洗車機本体4が前進方向D1に移動し続ける場合、出口センサ50は、ステップS4-6の実行時点から洗車機本体4が車両Xの後方に移動するまで、車両Xを検出し続けてもよい。この場合、制御部44は、例えば、出口センサ50が車両Xを検出しなくなったことを確認した時点にて、洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を停止することにより、第1洗浄工程を完了してもよい。
【0060】
<第2洗浄工程>
図3の参照に戻ると、第1洗浄工程が完了した後、制御部44が洗車機本体4の各部を制御することにより、洗車機2は第2洗浄工程を実行する(ステップS6、洗浄工程)。第2洗浄工程における洗車機2の各部の制御方法について、図5および図6を参照してより詳細に説明する。図5および図6は、それぞれ、第2洗浄工程における洗車機2の各部の制御方法について説明するためのフローチャートおよび工程側面図である。本実施形態においては、図5および図6を参照して、第2洗浄工程における車両Xの自走を判定するための洗車機2の制御方法についても説明する。
【0061】
なお、図6においても、図1と同じく、説明の簡単のため、洗車機2の各部のうち一部のみを抜き出して説明する。図6においても、車両Xを点線にて示し、洗車機本体4と車両Xとが洗車機本体4の側方からみて重なる場合、車両Xについて洗車機本体4を透過して示す。
【0062】
例えば、第1洗浄工程の完了時点において、洗車機本体4は車両Xの後方側に位置する。図5に示すように、第2洗浄工程においては、はじめに、制御部44が洗車機本体4を制御し、洗車機本体4の後進を開始させる(ステップS6-2)。このため、図6のステップS6-2に示すように、洗車機本体4は車両Xの後方から後進方向D2に向かって移動し始める。
【0063】
この後、第2洗浄工程において制御部44が洗車機本体4を後進方向D2に移動させつつ洗浄部の各部を制御することにより、洗車機本体4は空間4S内部を通過する車両Xの表面の洗浄を再度行う。ここで、制御部44は、第1洗浄工程にて得られた車両Xの形状情報を車両Xの位置情報と紐づけた情報に基づいて、清掃部を制御し車両Xの洗浄を行ってもよい。ステップS6-16にて車両Xの位置情報が修正された場合、制御部44は、修正された車両Xの位置情報に車両Xの形状情報を紐づけた情報に基づいて、清掃部を制御してもよい。
【0064】
特に言及しない限り、後の各ステップにおいても、洗車機本体4の移動および洗車機本体4による車両Xの表面の洗浄は継続している。ただし、制御部44は、清掃部による車両Xの洗浄の内容によって、第2洗浄工程の間、洗車機本体4の移動速度を適宜変動させてもよく、また、洗車機本体4の移動を適宜一時停止してもよい。
【0065】
本実施形態においては、出口センサ50が車両Xを検出しなくなった時点にて第1洗浄工程を完了し、第2洗浄工程は車両Xの後方に洗車機本体4が位置している状態から開始する例を挙げた。しかしながら、これに限られず、例えば、サイドブラシ16による車両Xの後面の洗浄が完了した時点にて第1洗浄工程は終了してもよい。あるいは、洗車機2は、第1洗浄工程において、車形センサ52が車両Xを検出している間の洗車機本体4の移動距離から車両Xの車長を算出してもよい。また、第1洗浄工程において、制御部44は、当該車長と洗車機本体4の移動距離とから車両Xの洗浄が完了したことを検出した時点において、洗車機本体4の移動を停止してもよい。換言すれば、第1洗浄工程の終了時点において出口センサ50は車両Xを検出したままであってもよい。この場合、第2洗浄工程は出口センサ50が既に車両Xを検出している状態から開始されてもよい。
【0066】
図5の参照に戻ると、次いで、制御部44は洗車機本体4を制御し、サイドブラシ16を車両Xの後端XBに当接させる(ステップS6-4、当接工程)。例えば、制御部44は、ステップS6-2の後、アーム16Aを制御しサイドブラシ16を空間4Sの中央側まで移動させた状態において洗車機本体4の後進させることにより、サイドブラシ16を後端XBに当接させてもよい。その後、制御部44は洗車機本体4を制御し、洗車機本体4の移動を一旦停止した状態において、車両Xの後面をサイドブラシ16によって洗浄した後、洗車機本体4の後進を再開してもよい。
【0067】
なお、図6において点線にて示す位置B1は、ステップS6-4、換言すれば、サイドブラシ16が車両Xの後端XBに当接した時点において、洗車機本体4の移動方向における後端XBが存在する位置を示す。換言すれば、ステップS6-4以降、車両Xが自走していない場合、車両Xの後端XBは位置B1上に存在し続ける。なお、図6に示す各ステップは、洗車機本体4の移動方向における位置B1の位置が変わらないように図示されている。
【0068】
ここで、例えば、自走判定部54は、サイドブラシ16の後端XBへの当接を判定する。例えば、自走判定部54は、サイドブラシ16の後端XBへの当接を、サイドブラシ16の前端XAへの当接の判定方法と同じく、回転軸16Sの傾きから判定してもよい。また、本実施形態においては、自走判定部54は、サイドブラシ16が後端XBへの当接を判定した時点から、洗車機本体4の移動距離を測定し始める。
【0069】
ここで、サイドブラシ16が後端XBへの当接を判定した時点における、洗車機本体4の移動方向における洗車機本体4の前面4Aの位置B2を、図6において一点鎖線にて示す。例えば、サイドブラシ16が後端XBへの当接を判定した時点からの洗車機本体4の移動距離は、位置B2から前面4Aが移動した距離に等しい。なお、図6に示す各ステップは、洗車機本体4の移動方向における位置B2の位置が変わらないように図示されている。
【0070】
図5の参照に戻ると、次いで、制御部44は洗車機本体4を制御し、車形センサ52に後端XBを検出させる(ステップS6-6、検出工程)。例えば、制御部44は、ステップS6-4の完了時点から、車形センサ52による後端XBの検出の有無を確認し続ける。例えば、図6のステップS6-6に示すように、洗車機本体4の側方からみて、車形センサ52と後端XBとが重なるまで洗車機本体4が後進すると、車形センサ52により後端XBが検出される。
【0071】
<第2距離>
次いで、図5に示すように、自走判定部54は、後工程における車両Xの自走の判定のために、ステップS6-4の実行時点からステップS6-6の実行時点までにおける、洗車機本体4の移動距離である第2距離を算出する(ステップS6-8)。換言すれば、自走判定部54は、サイドブラシ16が後端XBに当接した時点から車形センサ52が後端XBを検出する時点までに、洗車機本体4が移動した距離である第2距離を算出する。
【0072】
例えば、上記第2距離は、ステップS6-6の実行時点における、位置B2から洗車機本体4の前面4Aまでの距離に等しい。例えば、ステップS6-4の実行時点から車両Xが自走していない場合、図6のステップS6-6に示すように、上記第2距離は理想的には距離R2となる。ここで、洗車機本体4の移動方向においてサイドブラシ16はほとんど移動しないため、サイドブラシ16と車形センサ52との間の距離は略不変である。したがって、距離R2は理想的には不変かつ既知の値とすることができる。距離R2は、例えば、距離R1の測定方法と同一の原理を用いて測定し、予め既知の値としてもよい。
【0073】
ここで、ステップS6-4の実行時点から車両Xが前進自走していた場合、図6のステップS6-6Aに示すように、上記第2距離は距離R2より長い距離R2Aとなる。さらに、ステップS6-4の実行時点から車両Xが後進自走していた場合、図6のステップS6-6Bに示すように、上記第2距離は距離R2より短い距離R2Bとなる。したがって、上記第2距離の長さを算出し、既知の距離R2からのずれを算出することにより、車両Xの自走距離を算出することができる。
【0074】
<第2洗浄工程における自走判定工程>
次いで、洗車機2は、自走判定部54がステップS6-8にて算出した第2距離に応じて自走を判定する、自走判定工程を実行する。洗車機2は、車両Xの自走の有無、および車両Xの自走距離によって、後述するように洗車機本体4の動作を適宜変更する。
【0075】
例えば、自走判定工程において、はじめに、図5に示すように、自走判定部54は、第2距離が第3上限値以下かつ第3下限値以上であるか否かを判定する(ステップS6-10)。第3上限値は、例えば、第2距離がそれよりも短い場合には車両Xの前進自走はしていないと判断できる距離である。第3下限値は、例えば、第2距離がそれよりも長い場合には車両Xの後進自走はしていないと判断できる距離である。
【0076】
このため、ステップS6-10において、自走判定部54が第2距離を第3上限値以下かつ第3下限値以上であると判定した場合、自走判定部54は車両Xが自走していないと判定する。したがって、ステップS6-10において、自走判定部54により車両Xが自走していないと判定された場合、制御部44は、例えば、得られた車両Xの形状情報および位置情報を基に、通常通り洗車機本体4を制御する。これにより、図5に示すように、制御部44は洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を継続する(ステップS6-12)。
【0077】
ステップS6-10において、自走判定部54が第2距離を第3上限値以下かつ第3下限値以上ではないと判定した場合、自走判定部54は車両Xが自走していると判定する。ステップS6-10において、自走判定部54により車両Xが自走していると判定された場合、図5に示すように、自走判定部54は、次いで、第2距離が第4上限値以下かつ第4下限値以上であるか否かを判定する(ステップS6-14)。ここで、第4上限値は第3上限値よりも長く、第4下限値は第3下限値よりも短い。
【0078】
ここで、第4上限値は、例えば、第2距離がそれよりも短い場合に、車両Xが前進自走をしていたとしても、自走距離を考慮し車両Xの位置情報を変更すれば洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が行える距離である。第4下限値は、例えば、第2距離がそれよりも長い場合に、車両Xが後進自走をしていたとしても、自走距離を考慮し車両Xの位置情報を変更すれば洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が行える距離である。したがって、第2距離が第3上限値以下かつ第3下限値以上ではないものの、第4上限値以下かつ第4下限値以上である場合には、制御部44による洗車機本体4の制御内容を適切に変更することにより、洗車機本体4による車両Xの洗浄を適切に行える。
【0079】
したがって、ステップS6-14において、自走判定部54が第2距離を第4上限値以下かつ第4下限値以上であると判定した場合、図5に示すように、制御部44は、第2距離に応じて車両Xの位置情報を修正する(ステップS6-16)。また、ステップS6-16において、制御部44は、修正された車両Xの位置情報を車両Xの形状情報と再度紐づけて、洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を継続する。
【0080】
第2距離が第4上限値以下かつ第4下限値以上ではない場合には、制御部44による洗車機本体4の制御内容の変更によっても、洗車機本体4による適切な車両Xの洗浄が困難である。このため、ステップS6-14において、自走判定部54が第2距離を第4上限値以下かつ第4下限値以上ではないと判定した場合、図5に示すように、制御部44は、洗車機本体4の動作を停止する(ステップS6-18)。ステップS6-18により、洗車機本体4による適切でない車両Xの洗浄が継続することを低減できる。制御部44は、ステップS6-18に次いで、洗車機本体4を制御し、ステップS4-18に次ぐユーザへの車両Xの自走の報知および洗車機本体4による車両Xの洗浄を再開と同一の動作を洗車機本体4に実行させてもよい。
【0081】
第2洗浄工程は、例えば、洗車機本体4が車両Xの前方に移動するまで洗車機本体4による車両Xの洗浄が完了した時点において終了してもよい。ここで、ステップS6-6の実行時点から洗車機本体4が後進方向D2に移動し続ける場合、車形センサ52は、ステップS6-6の実行時点から洗車機本体4が車両Xの前方に移動するまで、車両Xを検出し続けてもよい。この場合、制御部44は、例えば、車形センサ52が車両Xを検出しなくなったことを確認した時点にて、洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの洗浄を停止することにより、第2洗浄工程を完了してもよい。
【0082】
<乾燥工程>
図3を参照すると、第2洗浄工程が完了した後、制御部44が洗車機本体4の各部を制御することにより、洗車機2は乾燥工程を実行する(ステップS8)。例えば、第2洗浄工程の完了時点において、洗車機本体4は車両Xの前方側に位置する。乾燥工程においては、制御部44が洗車機本体4を制御し洗車機本体4を前進させつつ、ブロワ36を制御して各送風ノズルから車両Xの表面に送風することにより、洗車機本体4による車両Xの乾燥を実行する。ステップS4-16およびステップS6-16の何れかが実行され、車両Xの位置情報が修正された場合には、制御部44が修正された車両Xの位置情報に基づいて洗車機本体4の各部を制御することにより、洗車機本体4による車両Xの乾燥が行われてもよい。
【0083】
乾燥工程は、例えば、洗車機本体4が車両Xの後方に移動するまで洗車機本体4による車両Xの乾燥が完了した時点において終了してもよい。ここで、乾燥工程において洗車機本体4が前進し続ける場合、例えば、出口センサ50が車両Xを検出しなくなったことを確認した時点にて、洗車機本体4を制御し、洗車機本体4による車両Xの乾燥を停止することにより、乾燥工程を完了してもよい。あるいは、制御部44は、乾燥工程において、上述した方法により測定した車長と洗車機本体4の移動距離とから車両Xの乾燥が完了したことを検出し、洗車機本体4の移動および車両Xへの送風を停止してもよい。乾燥工程の完了をもって、洗車機2を用いた車両Xの洗浄方法は完了してもよい。
【0084】
なお、乾燥工程の完了後、制御部44は、ユーザに洗車場からの退出を案内してもよい。乾燥工程の完了時点において、出口センサ50が車両Xを検出している状態である場合、制御部44は、出口センサ50が車両Xを検出しなくなった時点にて、洗車場から車両Xが退出したと判断し、洗車機本体4を制御して、次の車両の洗浄を受け付けてもよい。また、乾燥工程の完了時点において、出口センサ50が車両Xを検出していない状態である場合、制御部44は、乾燥工程の完了後、洗車機本体4を制御して、出口センサ50が車両Xを検出する位置まで再度洗車機本体4を移動させてもよい。
【0085】
<まとめ>
本実施形態に係る洗車機2は、サイドブラシ16が前端XAに当接した時点から出口センサ50が前端XAを検出する時点までに洗車機本体4が移動した第1距離に応じて車両Xの自走を判定する自走判定部54を備える。このため、洗車機2は、車両Xの洗浄工程における車両Xの自走を判定するための第1距離を測定するための基準を決定するために、サイドブラシ16と車両Xとの物理的な接触を利用している。したがって、洗車機2は、光軸センサ等を用いた車両Xの検出のみを利用して車両Xの自走を判定する場合と比較して、車両の自走をより精度よく判定することができる。
【0086】
特に、洗車機2を用いて車両Xの洗浄を行った場合、車両Xの洗浄に用いた市水等の水しぶきが当該光軸センサに付着する場合があり、また、車両Xの表面から除去された汚れ等を含む異物が当該光軸センサに付着する場合がある。このため、洗車機2が光軸センサ等を用いた車両Xの検出のみを利用して車両Xの自走を判定する場合、光軸センサが車両Xを誤検出する場合があり、自走の誤判定につながる。本実施形態に係る洗車機2は、サイドブラシ16と車両Xとの物理的な接触を利用して車両Xの自走を判定するため、車両を検出するセンサを使用する回数が減り、自走の誤判定を低減することができる。
【0087】
また、法令等の規制により、一般に、洗車機に設置する光軸センサの地面からの高さには所定の下限がある。また、一般に、車両の前端は当該車両の下部側に位置するバンパー等を含む。このため、車両の前端を光軸センサによって正確に検出するためには、広角センサ等通常のセンサよりも高額なセンサが必要となる場合がある。本実施形態に係る洗車機2は、一般的に利用される洗車機2のサイドブラシ16を利用して車両Xの自走を判定するため、車両Xの自走の判定を行うために必要な洗車機2のコストの増大を低減できる。
【0088】
例えば、第1洗浄工程において、車形センサ52が前端XAを検出した時点からサイドブラシ16が車両Xの前端XAに当接する間に洗車機本体4が移動した距離を用いて車両Xの自走の判定を行う場合を考える。この場合、例えば、受付工程において、第1洗浄工程の開始時に既に車形センサ52が前端XAを検出するような位置に車両Xが停止した場合、上記距離を正確に算出することは困難であり、ひいては正確な自走の判定が困難である。
【0089】
本実施形態に係る洗車機2は、サイドブラシ16が車両Xの前端XAに当接した後に出口センサ50が前端XAを検出し、その間に洗車機本体4が移動した第1距離を用いて車両Xの自走の判定を行っている。このため、第1洗浄工程の開始時に既に車形センサ52が前端XAを検出している場合においても、第1距離をより正確に算出でき、車両Xの自走の判定精度を向上させることができる。
【0090】
本実施形態に係る洗車機2は、サイドブラシ16を車両Xの前端XAに当接させてから出口センサ50に前端XAを検出させ、この間に洗車機本体4が移動した第1距離を基に自走の判定を行う。このため、サイドブラシ16が車両Xの前後方向中央側の部分へ当接した時点から出口センサ50が当該部分を検出するまでに洗車機本体4が移動した距離を基に自走の判定を行う場合と比較して、洗車機2は、自走の判定を洗浄工程のより早期に実行できる。したがって、洗車機2は、車両Xの自走により洗車機本体4による車両Xの洗浄が不適切となる期間を短縮することができる。
【0091】
さらに、サイドブラシ16が車両Xの中央側の何れかの部分に当接したことを検出するためには、サイドブラシ16の位置が車両Xの表面の凹凸によってわずかに変化することを検出する必要がある。この場合、サイドブラシ16が車両Xと当接したことを検出することが困難となり、また、洗車機本体4の移動の際の振動等によりサイドブラシ16と車両Xとの当接を誤って検出する可能性がある。
【0092】
本実施形態において、自走判定部54は、サイドブラシ16の前端XAへの当接の判定を行うことにより、サイドブラシ16と車両Xとの当接の判定を行う。これにより、サイドブラシ16を車両Xの中央部に当接した時点を基準にする場合と比較して、自走判定部54は、サイドブラシ16の車両Xへの当接の判定を、より簡素または正確に行うことができる。
【0093】
また、出口センサ50が車両Xの中央部を検出する場合、車両Xの表面の凹凸を検出できる光反射センサ等の高性能のセンサを出口センサ50に採用する必要がある。このため、出口センサ50が車両Xの前端XAを検出するため、車両Xの存在の有無を検出する程度の光軸センサ等の安価なセンサを出口センサ50に使用することができる。
【0094】
本実施形態に係る洗車機2は、車両Xの自走の判定のために用いるセンサとして、出口センサ50を使用する。このため、洗車機2は、洗車場からの車両Xの退出を検出するための出口センサ50を、車両Xの自走の判定のために用いるセンサとしても利用でき、車両Xの自走の判定を行うために必要な洗車機2のコストの増大を低減できる。
【0095】
また、一般に、出口センサ50は、車形センサ52と比較して、洗車機本体4の清掃部から離れた位置に形成されることが多く、水しぶきまたは異物の付着による誤検出の可能性が低い。したがって、本実施形態に係る洗車機2は、車形センサ52等、洗車機本体4の前面4A側に位置するセンサにより自走を判定する場合と比較して、車両Xの自走の誤判定を低減できる。
【0096】
本実施形態に係る自走判定部54は、さらに、サイドブラシ16が車両Xの後端XBに当接した時点から車形センサ52が後端XBを検出する時点までに洗車機本体4が移動した第2距離に応じて車両Xの自走を判定する。このため、本実施形態に係る洗車機2は、洗車機本体4が車両Xの後方から前方に移動する第2洗浄工程においても、車両Xの自走の判定を行うことができる。
【0097】
また、上記構成により、サイドブラシ16が車両Xの中央側の部分へ当接した時点から車形センサ52が当該部分を検出するまでに洗車機本体4が移動した距離を基に自走の判定を行う場合と比較して、自走の判定を洗浄工程のより早期に実行できる。したがって、洗車機2は、車両Xの自走により洗車機本体4による車両Xの洗浄が不適切となる期間を短縮することができる。
【0098】
さらに、サイドブラシ16を車両Xの中央部に当接した時点を基準にする場合と比較して、自走判定部54は、サイドブラシ16の車両Xへの当接の判定を、より簡素または正確に行うことができる。また、車形センサ52が車両Xの後端XBを検出するため、車両Xの存在の有無を検出する程度の光軸センサ等の安価なセンサを車形センサ52に使用することができる。
【0099】
上述の通り、第2洗浄工程の開始時においては、出口センサ50が既に車両Xを検出している場合がある。しかしながら、第2洗浄工程において、自走判定部54は、出口センサ50による車両Xの検出によらず車両Xの自走を判定する。したがって、洗車機2は、第2洗浄工程の開始時に既に出口センサ50が後端XBを検出している場合においても、第2距離をより正確に算出でき、車両Xの自走の判定精度を向上させることができる。
【0100】
なお、本実施形態においては、第1洗浄工程と第2洗浄工程とのそれぞれにおいて、車両Xの自走の判定が実行される。ただし、本実施形態においてはこれに限られず、第1洗浄工程と第2洗浄工程との何れか一方においてのみ車両Xの自走の判定が実行されてもよい。ここで、第2洗浄工程においてのみ車両Xの自走の判定が実行される場合、洗車機本体4は第1センサとして車形センサ52を備えていてもよく、車両Xの第1部分として車両Xの後端XBを検出してもよい。
【0101】
また、本実施形態においては、第1洗浄工程において洗車機本体4が車両Xの前方側から移動を開始し、前進方向D1に移動しつつ車両Xの洗浄を行う。ただし、本実施形態においてはこれに限られず、第1洗浄工程において、洗車機本体4が車両Xの後方側から移動を開始し、後進方向D2に移動しつつ車両Xの洗浄を行ってもよい。この場合、洗車機本体4は第1センサとして車形センサ52を備えていてもよく、車両Xの第1部分として車両Xの後端XBを検出してもよい。
【0102】
本実施形態に係る洗車機2は、洗浄工程における車両Xの自走を判定することにより、適切でない車両Xの洗浄が実行されることを低減できる。このため、本実施形態に係る洗車機2は、例えば、洗浄工程において市水または洗浄液等を誤った位置に噴射することを低減でき、ひいては当該市水または洗浄液を無駄に消費することを低減できる。したがって、本実施形態に係る洗車機2は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標6「安全な水とトイレを世界中に」、および目標12「つくる責任つかう責任」の達成に貢献できる。
【0103】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された異なる技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
2 洗車機
4 洗車機本体
16 サイドブラシ(ブラシ)
16S 回転軸
44 制御部
50 出口センサ(第1センサ)
52 車形センサ(第1センサ・第2センサ)
54 自走判定部

図1
図2
図3
図4
図5
図6