(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072981
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】給水装置
(51)【国際特許分類】
F04B 49/10 20060101AFI20230518BHJP
F04D 15/00 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
F04B49/10 311
F04D15/00 E
F04D15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185751
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
【テーマコード(参考)】
3H020
3H145
【Fターム(参考)】
3H020AA01
3H020AA05
3H020BA15
3H020BA29
3H020CA01
3H020DA28
3H020EA02
3H020EA12
3H020EA14
3H145AA23
3H145BA30
3H145BA41
3H145CA01
3H145DA43
3H145DA46
(57)【要約】
【課題】 バックアップ用の制御基板によるポンプ制御に切り替わった直後において、給水が停止又は給水量が低下してしまうことを抑制する。
【解決手段】 第1ポンプ制御部51と第2ポンプ制御部52とが同時並行的に同一の制御処理を実行し、切替制御部4に制御信号を選択して駆動部3に送信する。このため、第1ポンプ制御部51による制御処理と第1ポンプ制御部51による制御処理とは同一となる。したがって、第1ポンプ制御部51に異常が発生して第2ポンプ制御部52による制御に切り替わっても、切り替わる前の制御処理と切り替わった後の制御処理との連続性が維持され得る。延いては、第1ポンプ制御部51による電動ポンプ2の制御から第2ポンプ制御部52による電動ポンプ2の制御に切り替わった直後であっても、給水の停止又は給水量の急激な低下もしくは上昇といった給水特性の不連続といった不具合が発生し難い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水用の電動ポンプと、
前記電動ポンプの吐出し圧を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの検出信号を利用した前記電動ポンプを制御するための処理(以下、制御処理という。)を実行可能な第1ポンプ制御部と、
前記第1ポンプ制御部と同一の制御処理が実行可能な第2ポンプ制御部であって、前記第1ポンプ制御部と同時並行的に当該制御処理を実行可能な第2ポンプ制御部と、
前記第1ポンプ制御部にて前記電動ポンプを制御する場合と前記第2ポンプ制御部にて前記電動ポンプを制御する場合とを切り替える切替制御が実行可能な切替制御部とを備え、
前記切替制御は、前記第1ポンプ制御部及び前記第2ポンプ制御部のうち現実に前記電動ポンプを制御しているポンプ制御部に異常が発生したときに、他方のポンプ制御部による制御に切り替える制御である給水装置。
【請求項2】
前記電動ポンプを駆動する駆動部を備え、
前記第1ポンプ制御部は、制御処理の実行時には前記駆動部を制御するための信号を当該駆動部に向けて送出し、
前記第2ポンプ制御部は、制御処理の実行時には前記駆動部を制御するための信号を当該駆動部に向けて送出しており、
さらに、前記切替制御部は、前記第1制御信号及び前記第2制御信号のうちいずれの制御信号を前記駆動部に入力させる請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記切替制御が実行されたときには、前記他方のポンプ制御部は、異常が発生した旨を外部に発信する請求項1又は2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記切替制御部は、前記電動ポンプを現実に制御するポンプ制御部を予め決められた時間毎に切り替える第2の切替制御が実行可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項5】
給水用の電動ポンプと、
前記電動ポンプの吐出し圧を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの検出信号を利用した前記電動ポンプを制御するための処理(以下、制御処理という。)を実行可能な第1ポンプ制御部と、
前記第1ポンプ制御部と同一の制御処理が実行可能な第2ポンプ制御部であって、前記第1ポンプ制御部と同時並行的に当該制御処理を実行可能な第2ポンプ制御部と、
前記第1ポンプ制御部にて前記電動ポンプを制御する場合と前記第2ポンプ制御部にて前記電動ポンプを制御する場合とを決められた時間毎に切り替える切替制御が実行可能な切替制御部と
を備える給水装置。
【請求項6】
給水用の第2の電動ポンプと、
前記第2の電動ポンプを制御するための制御処理を実行可能な第3ポンプ制御部と、
前記第3ポンプ制御部と同一の制御処理が実行可能な第4ポンプ制御部であって、前記第3ポンプ制御部と同時並行的に当該制御処理を実行可能な第4ポンプ制御部と、
前記第3ポンプ制御部及び前記第4ポンプ制御部のうち現実に前記第2の電動ポンプを制御しているポンプ制御部に異常が発生したときに、他方のポンプ制御部による制御に切り替える第2の切替制御部とを備え、
前記第1ポンプ制御部及び前記第2ポンプ制御部のうち少なくとも一方のポンプ制御部は、前記第3ポンプ制御部及び前記第4ポンプ制御部のうち少なくとも一方のポンプ制御部と通信可能である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ装置等の給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の給水装置では、電動ポンプを制御するための制御基板を2つ備えるとともに、第1の制御基板にて電動ポンプを制御している際に、当該第1の制御基板に異常が発生したときに、第2の制御基板によるバックアップ運転に切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の給水装置では、第1の制御基板によるポンプ制御にて給水をしているときに、第2の制御基板によるポンプ制御に切り替わると、切り替わった直後において、給水が停止又は給水量が低下してしまうという不具合が発生するおそれがある。
【0005】
本開示は、上記点に鑑み、上記不具合の発生を抑制可能な給水装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
給水装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、給水用の電動ポンプ(2)と、電動ポンプ(2)の吐出し圧を検出する圧力センサ(S1)と、圧力センサ(S1)の検出信号を利用した電動ポンプ(2)を制御するための処理(以下、制御処理という。)を実行可能な第1ポンプ制御部(51)と、第1ポンプ制御部(51)と同一の制御処理が実行可能な第2ポンプ制御部(52)であって、第1ポンプ制御部(51)と同時並行的に当該制御処理を実行可能な第2ポンプ制御部(52)と、第1ポンプ制御部(51)にて電動ポンプ(2)を制御する場合と第2ポンプ制御部(52)にて電動ポンプ(2)を制御する場合とを切り替える切替制御が実行可能な切替制御部(4)とを備え、切替制御は、第1ポンプ制御部(51)及び第2ポンプ制御部(52)のうち現実に電動ポンプ(2)を制御しているポンプ制御部に異常が発生したときに、他方のポンプ制御部による制御に切り替える制御であることである。
【0007】
これにより、当該給水装置では、仮に、第1ポンプ制御部(51)にて電動ポンプ(2)を制御している場合においても、第2ポンプ制御部(52)は、第1ポンプ制御部(51)と同じ制御処理を実行することができる。
【0008】
そして、第2ポンプ制御部(52)が同時並行的に第1ポンプ制御部(51)と同じ制御処理を実行している状態においては、第1ポンプ制御部(51)による制御処理と第2ポンプ制御部(52)による制御処理とは同一となり得る。
【0009】
したがって、第1ポンプ制御部(51)に異常が発生して第2ポンプ制御部(52)()による制御に切り替わっても、切り替わる前の制御処理と切り替わった後の制御処理との連続性が維持され得る。
【0010】
延いては、例えば、第1ポンプ制御部(51)による電動ポンプ(2)の制御から第2ポンプ制御部(52)による電動ポンプ(2)の制御に切り替わった直後であっても、給水の停止又は給水量の急激な低下もしくは上昇といった給水特性の不連続が発生し難い。
【0011】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る給水装置を示す図である。
【
図2】第2実施形態に係る給水装置を示す図である。
【
図3】第3実施形態に係る給水装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0014】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された給水装置は、少なくとも符号が付されて説明された構成要素、図示された構造部位、及び制御装置等を備える。
【0015】
(第1実施形態)
<1.給水装置の概要>
本実施形態は、例えば、マンションや商業ビル等の建物に適用される給水装置に本開示に係る給水装置の一例が適用されたものである。
図1に示されるように、本実施形態に係る給水装置1は、電動ポンプ2、駆動部3、切替制御部4及び制御装置5等を少なくとも備える。
【0016】
電動ポンプ2は、電動モータ(図示せず。)にて駆動される給水用のポンプである。制御装置5は、電動ポンプ2の停止及び稼働を制御するコントローラである。当該制御装置5は、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52、並びに圧力センサS1及び流量センサS2等を少なくとも有する。
【0017】
駆動部3は、電動ポンプ2を駆動する駆動回路である。当該駆動部3の作動は、制御装置5により制御される。具体的には、駆動部3は、電動ポンプ2の電動モータを駆動するための駆動電流を当該電動モータに供給する。このため、電動ポンプ2は、駆動部3を介して制御装置5により制御される。
【0018】
なお、本実施形態に係る駆動部3は、インバータ方式の駆動回路(以下、インバータ回路という。)31、及び当該インバータ回路31を制御する制御部32等を有する。インバータ回路31は、制御部32により制御されて交流駆動電流を生成して電動モータに供給する。
【0019】
制御部32は、制御装置5からの指令に従った周波数の交流駆動電流をインバータ回路31に生成させる。なお、制御部32は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成されている。そして、インバータ回路31の制御を実行するためのソフトウェアは、ROM等の不揮発性記憶部に予め記憶されている。
【0020】
<2.制御装置>
制御装置5は、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52、並びに圧力センサS1及び流量センサS2等を有して構成されている。圧力センサS1は、電動ポンプ2の吐出し圧を検出する。流量センサS2は、給水量(本実施形態では、電動ポンプ2の吐出し流量)を検出する。
【0021】
<ポンプ制御部>
第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれは、互いに独立して電動ポンプ2の作動を制御可能である。第1ポンプ制御部51と第2ポンプ制御部52とは同一仕様のコントローラである。
【0022】
つまり、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれは、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成されている。電動ポンプ2を制御するためのソフトウェアは、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれに設けられた不揮発性記憶部に予め記憶されている。
【0023】
そして、第1ポンプ制御部51の不揮発性記憶部に予め記憶されている当該ソフトウェアと第2ポンプ制御部52の不揮発性記憶部に予め記憶されている当該ソフトウェアとは、同一のソフトウェアである。
【0024】
このため、第1ポンプ制御部51と第2ポンプ制御部52とは、同一の制御処理が実行可能である。制御処理とは、圧力センサS1及び流量センサS2の検出信号を利用した電動ポンプ2を制御するための処理をいう。
【0025】
第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれには、圧力センサS1の検出信号、及び流量センサS2の検出信号が入力されている。つまり、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれは、同一の検出信号を利用して同一の制御処理を実行する。
【0026】
そして、2つのポンプ制御部51、52それぞれは、同時並行的に同一の検出信号を利用して同一の制御処理を実行する。このため、各ポンプ制御部51、52は、同一タイミングで同一の制御信号を駆動部3に送信することができ得る。
【0027】
なお、2つのポンプ制御部51、52が同時並行的に同一の制御処理を実行するとは、例えば、給水装置1の電源スイッチの投入と共に2つのポンプ制御部51、52が同時に起動して同一の制御処理を開始することをいう。
【0028】
因みに、圧力センサS1の検出値(以下、検出圧力という。)を利用した制御処理とは、例えば、目標圧力制御処理及び起動制御処理である。流量センサS2の検出値(以下、検出流量という。)を利用した制御処理とは、例えば、小水量停止制御処理である。
【0029】
目標圧力制御処理は、検出圧力が目標とする圧力となるように電動ポンプ2の回転数を制御するための処理である。なお、目標とする圧力は、予め決められた値、又は給水量の関数値として決定される値等である。
【0030】
起動制御処理は、電動ポンプ2が停止している状態において、検出圧力が予め決められた圧力以下となったときに電動ポンプ2を起動させる処理である。小水量停止制御処理は、給水量が予め決められた流量以下となったときに、電動ポンプ2を停止させる処理である。
【0031】
なお、本実施形態では、2つのポンプ制御部51、52それぞれに対応した表示設定部61、62が設けられている。表示設定部61、62は、制御処理に必要なパラメータの入力の受付機能、及び給水装置の情報を表示する機能等を有する。
【0032】
<切替制御部>
切替制御部4は、第1ポンプ制御部51にて電動ポンプ2を制御する場合と第2ポンプ制御部52にて電動ポンプ2を制御する場合とを切り替える制御を実行するための制御部である。
【0033】
すなわち、切替制御部4は、切替回路41及び制御部42等を有するとともに、第1切替制御及び第2切替制御が実行可能である。切替回路41は、第1制御信号を制御部32、つまり駆動部3に入力させる場合と第2制御信号を駆動部3に入力させる場合と切り替える。
【0034】
切替回路41は、制御装置5と切替制御部4との通信回線を切り替える。なお、第1制御信号とは、第1ポンプ制御部51が駆動部3に送信する制御信号をいう。第2制御信号とは、第2ポンプ制御部52が駆動部3に送信する制御信号をいう。
【0035】
制御部42は、切替回路41の作動を制御する。なお、本実施形態に係る制御部42は、制御部32を兼ねている。つまり、制御部32では、インバータ回路31を制御するためのソフトウェアに加えて、切替制御を実行するためのソフトウェアも実行される。
【0036】
なお、切替制御部4、つまり制御部42と各ポンプ制御部51、52とは互いに通信可能である。そして、制御部42と各ポンプ制御部51、52との通信方法、及び制御部32とインバータ回路31との通信方法は不問である。
【0037】
<第1切替制御>
第1切替制御とは、第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52のうち現実に電動ポンプ2を制御しているポンプ制御部に異常が発生したときに、他方のポンプ制御部による制御に切り替える切替制御である。
【0038】
つまり、第1制御信号が駆動部3に入力されている状態において、切替制御部4、つまり制御部42が第1ポンプ制御部51に異常が発生したと判断すると、制御部42は、切替回路41を作動させて、第2制御信号を駆動部3に入力させるとともに、第1制御信号の入力を停止させる。
【0039】
また、第2制御信号が駆動部3に入力されている状態において、制御部42が第2ポンプ制御部52に異常が発生したと判断すると、制御部42は、切替回路41を作動させて、第1制御信号を駆動部3に入力させるとともに、第2制御信号の入力を停止させる。
【0040】
なお、第1切替制御が実行されたときには、他方のポンプ制御部は、異常が発生した旨を外部に発信する。つまり、例えば、第1ポンプ制御部51に異常が発生したときには、第2ポンプ制御部52から異常が発生した旨を外部に発信される。
【0041】
<第2切替制御>
第2切替制御とは、電動ポンプ2を現実に制御するポンプ制御部を予め決められた時間(例えば、10秒)毎に切り替える切替制御である。つまり、第1制御信号と第2制御信号とが当該時間毎で交番して駆動部3に入力される。
【0042】
<3.本実施形態に係る給水装置の特徴>
本実施形態に係る給水装置1では、仮に、第1ポンプ制御部51にて電動ポンプ2を制御している場合においても、第2ポンプ制御部52は、第1ポンプ制御部51と同じ制御処理を実行できる。
【0043】
そして、第2ポンプ制御部52が同時並行的に第1ポンプ制御部51と同じ制御処理を実行している状態においては、第1ポンプ制御部51による制御処理と第2ポンプ制御部52による制御処理とは同一となる。
【0044】
したがって、第1ポンプ制御部51に異常が発生して第2ポンプ制御部52による制御に切り替わっても、切り替わる前の制御処理と切り替わった後の制御処理との連続性が維持され得る。
【0045】
延いては、例えば、第1ポンプ制御部51による電動ポンプ2の制御から第2ポンプ制御部52による電動ポンプ2の制御に切り替わった直後であっても、給水の停止又は給水量の急激な低下もしくは上昇といった給水特性の不連続が発生し難い。
【0046】
切替回路41は、切替制御部4と各ポンプ制御部51、52との通信回線を切り替える。このため、異常が発生したポンプ制御部の通信線の遮断や電源遮断を実行する必要がないため、回路構成を簡略化できる。
【0047】
第1切替制御が実行されたときには、他方のポンプ制御部は、異常が発生した旨を外部に発信する。これにより、一方のポンプ制御部に異常が発生した場合であっても、確実に当該異常を送信できる。
【0048】
つまり、仮に、異常が発生したときに、その異常が発生したポンプ制御部から異常の発生を送信する構成であると、当該異常を外部に送信できない可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、他方のポンプ制御部は、異常が発生した旨を外部に発信するので、確実に異常を外部に送信できる。
【0049】
切替制御部4は、現実に電動ポンプ2を制御するポンプ制御部を予め決められた時間毎に切り替える。これにより、仮に、第1切替制御の作動タイミングが遅れた場合であって確実にポンプ制御部を切り替えることができ得る。
【0050】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係る給水装置1は、1台の電動ポンプ2を有する構成であった。これに対して、本実施形態に係る給水装置1は、
図2に示されるように、複数(例えば、2台)の電動ポンプ2を備える構成である。これに伴って、本実施形態では、電動ポンプ2と同数個の駆動部3、切替制御部4及び流量センサS2を備える。
【0051】
複数の電動ポンプ2それぞれは、同一の電動ポンプである。第1の流量センサS2は第1の電動ポンプ2の吐出し流量を検出する。第2の流量センサS2は第2の電動ポンプ2の吐出し流量を検出する。
【0052】
第1ポンプ制御部51及び第2ポンプ制御部52それぞれは、目標圧力制御処理の実行時に1つ又は複数の電動ポンプ2の作動を制御する。なお、本実施形態に係る起動制御処理の実行時には、第1の電動ポンプ2と第2の電動ポンプ2とが交互に起動される。
【0053】
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0054】
(第3実施形態)
上述の実施形態に係る給水装置1は、1つの制御装置5を備える構成であった。本実施形態は、
図3に示されるように、複数(例えば、2台)の電動ポンプ2、並びに電動ポンプ2と同数の制御装置5、切替制御部4及び駆動部3を備える。
【0055】
つまり、第1実施形態(
図1)に示された構成をポンプ装置としたとき、本実施形態に係る給水装置1は、電動ポンプ2と同数のポンプ装置を備えた構成である。但し、表示設定部61、62は、ポンプ装置と同数である。
【0056】
なお、紙面左側のポンプ装置を第1ポンプ装置とし、紙面右側のポンプ装置を第2ポンプ装置としたとき、以下、第1ポンプ装置の第1ポンプ制御部51を第1ポンプ制御部と記し、第1ポンプ装置の第2ポンプ制御部52を第2ポンプ制御部と記す。
【0057】
第2ポンプ装置の第1ポンプ制御部51を第3ポンプ制御部と記し、第2ポンプ装置の第2ポンプ制御部52を第4ポンプ制御部と記す。なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。
【0058】
そして、本実施形態に係る給水装置1では、第1ポンプ制御部及び第2ポンプ制御部のうち少なくとも一方のポンプ制御部は、第3ポンプ制御部及び第4ポンプ制御部のうち少なくとも一方のポンプ制御部と通信可能となっている。
【0059】
なお、本実施形態では、第1ポンプ制御部~第4ポンプ制御部それぞれが相互にいずれかのポンプ制御部と通信可能であって、かつ、その通信方法は、不問である。なお、各ポンプ制御部間では、少なくとも起動制御処理にて起動させる電動ポンプ2を示す情報が通信される。
【0060】
そして、2台の電動ポンプ2が同時に稼働する際には、第1ポンプ装置のポンプ制御部と第2ポンプ装置のポンプ制御部と協働してそれら2台の電動ポンプ2の作動を制御する。稼働電動ポンプが1台の場合には、第1ポンプ装置又は第2ポンプ装置が稼働する。
【0061】
なお、第1ポンプ装置のみが稼働している際には、第3ポンプ制御部及び第4ポンプ制御部は停止している。第2ポンプ装置のみが稼働している際には、第1ポンプ制御部及び第2ポンプ制御部は停止している。
【0062】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、切替制御部4の制御部42と駆動部3の制御部32とが共通であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、切替制御部4の制御部42と駆動部3の制御部32とがそれぞれ別々に設けられた構成であってよい。
【0063】
上述の実施形態では、第1ポンプ制御部51、第2ポンプ制御部52及び切替制御部4それぞれが別々の制御基板で構成され、かつ、それらが通信可能に接続されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0064】
すなわち、当該開示は、例えば、1枚の制御基板に第1ポンプ制御部51、第2ポンプ制御部52及び切替制御部4が実装された構成であってもよい。このような構成であれば、それらを通信可能に接続するためのインタフェース(通信ポート)が不要となる。
【0065】
上述の実施形態では、切替制御部4にてポンプ制御部に異常が発生したか否かを監視する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、各ポンプ制御部自らが自身を監視する構成、又は監視専用の監視部が設けられた構成であってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、切替回路41が駆動部3と別の基板であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、切替制御部4と駆動部3とが同一の基板にて構成されていてもよい。
【0067】
上述の実施形態に係る切替制御部4は、第1切替制御及び第2切替制御のいずれも実行可能であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1切替制御及び第2切替制御のうちいずれか一方の切替制御のみ実行可能な構成であってもよい。
【0068】
上述の実施形態に係る切替制御部4は、ハードウェアである切替回路41を制御して制御信号の入力切替を実行する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ソフトウェアにて制御信号の入力切替を実行する構成であってもよい。
【0069】
上述の実施形態では、マンションや商業ビル等の建物に適用される給水装置に本開示に係る給水装置が適用された。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、水等の液体を循環させるポンプ装置にも適用可能である。
【0070】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1… 給水装置 2…電動ポンプ 3… 駆動部
4… 切替制御部 5…制御装置 31… インバータ回路
32… 制御部 41…切替回路 42… 制御部 51… 第1ポンプ制御部
52… 第2ポンプ制御部 61…表示設定部 S1… 圧力センサ
S2… 流量センサ