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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073013
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】自動車保険料見積もりシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185806
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】509161705
【氏名又は名称】イーデザイン損害保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 隆
(72)【発明者】
【氏名】寺島 千恵
(72)【発明者】
【氏名】前田 朋子
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】自動車保険の見積もり時のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】自動車保険料見積もりシステム10は、端末70を介してユーザUから見積もりに必要な複数の入力情報を取得する情報取得部20と、見積もりに使用する複数のデータを保持するデータ記憶部30と、複数の入力情報及び複数のデータに基づいて保険料の見積もり額を算出する算出部40とを含み、算出部40は、複数の入力情報の中にユーザUから正確な情報が得られない未確定の入力情報が含まれる場合に、それに代えて仮設定情報を使用して保険料の見積もり額を算出する。これにより、ユーザUから正確に取得できない入力情報があったとしても、仮設定情報を使用して見積もり額を算出することができるため、ユーザUが情報を思い出す必要や、保険証券等を手元に用意する必要なく、ユーザUの負担を軽減しながら、手軽に自動車保険の見積もりを行うことが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車保険の保険料の見積もりを行うシステムであって、
端末を介してユーザから見積もりに必要な複数の入力情報を取得する情報取得部と、
見積もりに使用する複数のデータを保持するデータ記憶部と、
前記複数の入力情報及び前記複数のデータに基づいて、保険料の見積もり額を算出する算出部と、を含み、
該算出部は、前記複数の入力情報の中にユーザから正確な情報が得られない未確定の入力情報が含まれる場合に、該未確定の入力情報に代えて、ユーザの選択により或いは事前に設定される仮設定情報を使用して、保険料の見積もり額を算出することを特徴とする自動車保険料見積もりシステム。
【請求項2】
車両の型式が前記未確定の入力情報である場合に、
前記情報取得部は、車両メーカーの一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記車両メーカーを選択させた後、ユーザにより選択された前記車両メーカーが製造する車名の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記車名を選択させ、更にユーザにより選択された前記車名の車両で取り扱われている仕様の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記仕様を選択させ、
前記算出部は、前記データ記憶部により保持されている車両の複数の型式データのうち、ユーザにより選択された前記車両メーカーと前記車名と前記仕様との全てに合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用することを特徴とする請求項1記載の自動車保険料見積もりシステム。
【請求項3】
前記情報取得部は、ユーザの車両の初度登録年月をユーザから取得し、
車両の前記仕様が前記未確定の入力情報である場合に、前記算出部は、前記複数の型式データの中で、ユーザにより選択された前記車両メーカー及び前記車名に該当する型式データのうち、ユーザから取得された前記初度登録年月に合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用することを特徴とする請求項2記載の自動車保険料見積もりシステム。
【請求項4】
車両の前記初度登録年月が前記未確定の入力情報である場合に、
前記情報取得部は、車両の複数年毎の年式の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記年式を選択させ、
前記算出部は、前記複数の型式データの中で、ユーザにより選択された前記車両メーカー及び前記車名に該当する型式データのうち、ユーザにより選択された前記年式に合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用することを特徴とする請求項3記載の自動車保険料見積もりシステム。
【請求項5】
前記未確定の入力情報がノンフリート等級である場合に、
前記情報取得部は、自動車保険への加入年数の一覧をユーザに提示してユーザの自動車保険への前記加入年数を選択させ、
前記算出部は、ユーザにより選択された前記加入年数から想定されるノンフリート等級を、ノンフリート等級の前記仮設定情報として使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の自動車保険料見積もりシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車保険の保険料の見積もりを行う自動車保険料見積もりシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車保険の保険料の見積もりは、対面や電話だけでなく、ユーザの端末を介して、見積もりの依頼や見積もり結果の確認が行われるようになっている。例えば、特許文献1には、ユーザの端末のカメラで撮影された自動車保険の保険証券や車検証の画像を取得して、自動車保険の保険料の見積もり作業を支援するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-248550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、端末を介した自動車保険の見積もりの際に、ユーザは、見積もりに必要な様々な情報を端末に入力しなければならず、ユーザが覚えていない情報については、自動車保険の保険証券や車検証などから確認する必要があった。特に、自動車の型式は、ユーザが覚えていないことが多く、車検証などから確認したとしても、数字やアルファベットの羅列で表される型式を、多くの選択肢の中から選択或いは入力することはユーザの負担になっていた。また、上述した自動車保険の保険証券や車検証の画像を利用する方法であっても、結局はそれらを手元に用意しなければならないといった煩わしさがあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車保険の見積もり時のユーザの負担を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)自動車保険の保険料の見積もりを行うシステムであって、端末を介してユーザから見積もりに必要な複数の入力情報を取得する情報取得部と、見積もりに使用する複数のデータを保持するデータ記憶部と、前記複数の入力情報及び前記複数のデータに基づいて、保険料の見積もり額を算出する算出部と、を含み、該算出部は、前記複数の入力情報の中にユーザから正確な情報が得られない未確定の入力情報が含まれる場合に、該未確定の入力情報に代えて、ユーザの選択により或いは事前に設定される仮設定情報を使用して、保険料の見積もり額を算出することを特徴とする自動車保険料見積もりシステム。
【0007】
本項に記載の自動車保険料見積もりシステムは、情報取得部、データ記憶部、及び算出部を含み、情報取得部は、保険対象の車両の型式やノンフリート等級といった、自動車保険の保険料の見積もりに必要な複数の入力情報を、端末を介してユーザから取得するためのものである。データ記憶部は、取り扱い可能な車両の型式データの一覧やその他の種々のデータといった、自動車保険の保険料の見積もりに使用する複数のデータを保持するものであって、そのようなデータがデータ記憶部に予め入力されている。算出部は、情報取得部によりユーザから取得された複数の入力情報と、データ記憶部により予め保持されている複数のデータとに基づいて、自動車保険の保険料の見積もり額を算出するものであり、その見積もり額の算出結果が端末を介してユーザへ提示される。
【0008】
また、算出部は、ユーザから得るべき複数の入力情報の中に、正確ではない未確定の情報が含まれる場合に、そのような未確定の入力情報に代えて、ユーザの選択により設定される或いは事前に設定される仮設定情報を使用して、保険料の見積もり額を算出するものである。これにより、ユーザが覚えていない、ユーザの手元に保険証券や車検証がないといった理由によって、ユーザから正確に取得できない入力情報があったとしても、算出部は、仮設定情報を使用して見積もり額を問題なく算出するものとなる。このため、ユーザが情報を思い出す必要や、保険証券や車検証を手元に用意する必要なく、ユーザの負担が軽減されながら、手軽に自動車保険の見積もりが行われるものとなる。
【0009】
(2)上記(1)項において、車両の型式が前記未確定の入力情報である場合に、前記情報取得部は、車両メーカーの一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記車両メーカーを選択させた後、ユーザにより選択された前記車両メーカーが製造する車名の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記車名を選択させ、更にユーザにより選択された前記車名の車両で取り扱われている仕様の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記仕様を選択させ、前記算出部は、前記データ記憶部により保持されている車両の複数の型式データのうち、ユーザにより選択された前記車両メーカーと前記車名と前記仕様との全てに合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用する自動車保険料見積もりシステム。
【0010】
本項に記載の自動車保険料見積もりシステムは、ユーザから正確に得られない未確定の入力情報が、保険対象となるユーザの車両の型式である場合に対応するものである。このような場合に、情報取得部は、まず、データ記憶部に保持されているデータを利用して、車両メーカーの一覧をユーザに対して提示し、その中からユーザの車両を製造している車両メーカーをユーザに選択させる。次に、情報取得部は、データ記憶部に保持されているデータを利用して、ユーザにより選択された車両メーカーが製造している車名の一覧をユーザに対して提示し、その中からユーザの車両に該当する車名をユーザに選択させる。続いて、情報取得部は、データ記憶部に保持されているデータを利用して、ユーザにより選択された車名の車両で取り扱われているグレードなどの仕様の一覧をユーザに対して提示し、その中からユーザの車両に対応する仕様をユーザに選択させる。
【0011】
そして、算出部は、データ記憶部により保持されている車両の複数の型式データのうち、上記のように情報取得部を介してユーザにより選択された、ユーザの車両の車両メーカー、車名、及び仕様の全てに合致する型式データを、型式の仮設定情報として使用する。このように、ユーザの車両の車両メーカー、車名、及び仕様をユーザに選択させることで、ユーザの車両の型式に一致する型式データが仮設定情報として使用されるため、保険料の見積もり額が精度よく算出されるものとなる。また、特にユーザの車両が外国車である場合は、従来、車両メーカーの選択後にユーザが型式を選択する方式であったものが、本項に記載の自動車保険料見積もりシステムでは、更に車名や仕様を介して型式が絞られるため、ユーザの負担がより軽減されるものとなる。なお、ユーザの車両の車両メーカー、車名、及び仕様がユーザに選択されて設定される型式の仮設定情報は、通常、ユーザの車両の正式な型式へと一意に絞られることが想定されるため、正式な型式として利用してもよい。
【0012】
(3)上記(2)項において、前記情報取得部は、ユーザの車両の初度登録年月をユーザから取得し、車両の前記仕様が前記未確定の入力情報である場合に、前記算出部は、前記複数の型式データの中で、ユーザにより選択された前記車両メーカー及び前記車名に該当する型式データのうち、ユーザから取得された前記初度登録年月に合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用する自動車保険料見積もりシステム。
本項に記載の自動車保険料見積もりシステムは、上記(2)項に続いて、ユーザの車両の型式が未確定の入力情報である場合に対応するものであり、情報取得部は、ユーザの車両の初度登録年月をユーザから取得する。
【0013】
そして、算出部は、ユーザによってユーザの車両の車両メーカー及び車名が選択されたものの、ユーザの車両の仕様が未確定の入力情報である場合に、データ記憶部により保持されている車両の複数の型式データの中から、以下のような型式データを選定する。すなわち、算出部は、複数の型式データの中で、ユーザにより選択された車両メーカー及び車名に該当する型式データに絞り、更にその中でユーザから取得された車両の初度登録年月に合致する型式データ、換言すれば、その初度登録年月の時期に販売されていた型式に相当する型式データを、型式の仮設定情報として使用する。これにより、ユーザの車両の型式及び仕様の双方が不明であっても、ユーザの車両の車両メーカー、車名、及び初度登録年月によって絞られた型式データが使用されるため、保険料の見積もり額が精度よく算出されるものである。
【0014】
(4)上記(3)項において、車両の前記初度登録年月が前記未確定の入力情報である場合に、前記情報取得部は、車両の複数年毎の年式の一覧をユーザに提示してユーザの車両の前記年式を選択させ、前記算出部は、前記複数の型式データの中で、ユーザにより選択された前記車両メーカー及び前記車名に該当する型式データのうち、ユーザにより選択された前記年式に合致する型式データを、型式の前記仮設定情報として使用する自動車保険料見積もりシステム。
本項に記載の自動車保険料見積もりシステムは、上記(3)項に続いて、ユーザの車両の型式及び仕様が未確定の入力情報であり、更にユーザの車両の初度登録年月が未確定の入力情報である場合に対応するものである。
【0015】
このような場合に、情報取得部は、車両の任意に設定される複数年毎の年式の一覧をユーザに対して提示し、その中からユーザの車両の年式をユーザに選択させる。そして、算出部は、データ記憶部により保持されている車両の複数の型式データの中から、ユーザにより選択された車両メーカー及び車名に該当する型式データに絞り、更にその中でユーザにより選択された年式に合致する型式データを、型式の仮設定情報として使用する。これにより、ユーザの車両の型式、仕様、及び初度登録年月が不明であるにも関わらず、ユーザの車両の車両メーカー、車名、及び年式によって絞られた型式データが使用されるため、保険料の見積もり額が問題なく算出されるものである。
【0016】
(5)上記(1)から(4)項において、前記未確定の入力情報がノンフリート等級である場合に、前記情報取得部は、自動車保険への加入年数の一覧をユーザに提示してユーザの自動車保険への前記加入年数を選択させ、前記算出部は、ユーザにより選択された前記加入年数から想定されるノンフリート等級を、ノンフリート等級の前記仮設定情報として使用する自動車保険料見積もりシステム。
本項に記載の自動車保険料見積もりシステムは、ユーザから正確に得られない未確定の入力情報が、ユーザのノンフリート等級である場合に対応するものである。このような場合に、情報取得部は、自動車保険への加入年数の一覧をユーザに提示し、その中から他社を含むユーザの自動車保険への加入年数を選択させる。そして、算出部は、ユーザにより選択された加入年数から想定されるノンフリート等級を、ノンフリート等級の仮設定情報として使用するものである。これにより、ユーザのノンフリート等級が不明であっても、自動車保険への加入年数から想定されるノンフリート等級が使用されて保険料の見積もり額が算出されるため、概算として問題のない範囲で見積もり額が算出されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明はこのように構成したので、自動車保険の見積もり時のユーザの負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】自動車保険料見積もりシステムにより自動車保険料の見積もりを行う際の手順の一例を示すフロー図である。
図3図2に引き続き、自動車保険料の見積もりを行う際の手順の一例を示すフロー図である。
図4】自動車保険料見積もりシステムによりユーザに対して提示する、自動車が国産車である場合の選択肢一覧の例であり、(a)がメーカーの一覧、(b)が車名の一覧、(c)が仕様の一覧である。
図5】自動車保険料見積もりシステムによりユーザに対して提示する、自動車が外国車である場合の選択肢一覧の例であり、(a)がメーカーの一覧、(b)が車名の一覧、(c)が仕様の一覧である。
図6】自動車保険料見積もりシステムによりユーザに対して提示する選択肢一覧の例であり、(a)が車両の年式の一覧、(b)が自動車保険の加入年数の一覧である。
図7】自動車保険料見積もりシステムによる自動車保険料の見積もり結果の一例を示す表示イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。また、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10の構成の一例を示している。ここでは、自動車保険料見積もりシステム10の各構成要素の役割について簡単に説明するものとし、詳細については後述する図2及び図3のフロー図を参照しながら説明する。なお、自動車保険料見積もりシステム10の構成は、図1のブロック図に限定されるものではなく、例えば状況などに応じて、図1に示した構成要素の一部が削除、変更、ないし適宜追加された構成であってもよいものである。
【0020】
図1に示すように、自動車保険料見積もりシステム10は、情報取得部20、データ記憶部30、算出部40、及び制御部50を含み、ネットワークNを介して接続される各ユーザUの端末70と通信しながら、自動車保険の見積もりを行うものである。具体的に、情報取得部20は、端末70を介して、ユーザUから見積もりに使用する複数の入力情報を受信して取得すると共に、ユーザUに対して様々な情報を送信して提示する。すなわち、情報取得部20は、自動車保険料見積もりシステム10とユーザUの端末70との間のインタフェースの役割を果たし、例えば、端末70にインストールされたウェブブラウザや専用アプリケーションを介して、情報の受け渡しを行う。
【0021】
データ記憶部30は、自動車保険の見積もりに必要な複数のデータを保持するものである。そのようなデータには、自動車保険の対象となる国産車及び外国車を含む車両の型式のリストデータ、車両メーカーのリストデータ、各車両メーカーで製造している車両の車名のリストデータ、それらの車名毎に存在するグレードなどの仕様のリストデータなどが含まれる。また、データ記憶部30は、情報取得部20によってユーザUから取得された入力情報の少なくとも一部を保持してもよい。データ記憶部30によって保持されている各データは、必要に応じて情報取得部20や算出部40などにより参照されて使用される。
【0022】
算出部40は、情報取得部20によりユーザUから取得された複数の入力情報と、データ記憶部30により保持されている複数のデータとを使用して、自動車保険料の見積もり額を算出するものである。すなわち、算出部40は、ユーザUから見積もりに必要な情報が収集された後に、それらとデータ記憶部30内のデータとを組み合わせて、ユーザU毎の最終的な見積もり額を算出する。
制御部50は、自動車保険料見積もりシステム10全体の制御を行うものであって、その中には、上述した他の構成要素の制御も含まれていてよい。
【0023】
ここで、上述したような自動車保険料見積もりシステム10の各構成要素は、説明の便宜のために機能的な単位で分けられたものであり、自動車保険料見積もりシステム10を実際に構築するソフトウェアやハードウェア単位で分けたものではない。このため、上述したような全ての構成要素を、1つのハードウェアで実現してもよく、複数のハードウェアで実現してもよく、それらに使用するハードウェアも任意である。そして、各ハードウェアへ割り当てる具体的な機能やソフトウェア、ハードウェア間で通信するデータ内容などは、各構成要素の機能を満たす範囲で任意に設定される。
【0024】
なお、ユーザUの端末70は、ネットワークNを介して自動車保険料見積もりシステム10と接続可能なものであれば任意の端末であってよく、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータなどであってよい。ネットワークNには、インターネット、イントラネット、専用に構築されたネットワークなど、任意のネットワークが含まれてよく、それらが有線及び/又は無線で実現されてよい。また、図1での図示は控えているが、自動車保険料見積もりシステム10には、自動車保険料見積もりシステム10の管理者などが使用する管理者端末が、直接的或いはネットワークNなどを介して間接的に接続され、様々な設定や入力が行われるようになっている。
【0025】
次に、図2及び図3に示すフロー図の流れに沿って、図1に示した自動車保険料見積もりシステム10を利用した自動車保険料の見積もり方法について説明する。自動車保険料見積もりシステム10の構成については、適宜、図1を参照のこと。なお、図2及び図3に示すフロー図は、自動車保険料の見積もり方法を説明するための手順の流れの一例を示したものである。従って、自動車保険料の見積もり方法は、これらのフロー図に限定されるものではなく、例えば、自動車保険料見積もりシステム10の構成や状況などに応じて、図2及び図3に示したステップの一部が削除、変更、ないし適宜追加されたフローであってもよいものである。また、図2のフロー図は、端末70を操作するユーザUによって、見積もりを開始する操作が為された後に開始されるものとし、図2のフロー図と図3のフロー図とは、ポイントAにおいて接続されるものとする。
【0026】
S10(車両の型式取得):情報取得部20により、ユーザUからユーザUの車両の型式を取得する。このため、ユーザUの端末70に、ユーザUが自分の車両の型式を把握しているか否かを把握するための選択肢やチェックボックスなどを提示する。
S20(型式把握判定):上記S10での選択肢などの提示の結果、ユーザUが型式を把握していないことを選択した場合(YES)はS30へ移行し、ユーザUが型式を把握していることを選択した場合(NO)はS110へ移行する。
【0027】
S30(メーカーの一覧提示):情報取得部20により、ユーザUの車両を製造している車両メーカーを選択させるために、データ記憶部30からデータを参照して、車両メーカーの一覧を端末70に提示する。例えば、図4(a)には、日本の車両メーカーを中心とした一覧の表示例を示し、図5(a)には、外国の車両メーカー一覧の一部の表示例を示しており、このような表示を端末70に提示する。なお、図4(a)~(c)及び図5(a)~(c)に示している車両のメーカー名、車名、及び仕様には、登録商標が含まれている。
S40(メーカー選択):ユーザUが端末70を操作して、上記S30で提示された車両メーカーの一覧から、保険の対象とする車両を製造している車両メーカーを選択する。そして、この選択の結果を情報取得部20により取得する。
【0028】
S50(車名の一覧提示):情報取得部20により、ユーザUの車両の車名を選択させるために、データ記憶部30からデータを参照して、上記S40でユーザUに選択された車両メーカーで製造している車名の一覧を、端末70に提示する。例えば、国産車の例を示す図4(b)には、上記S40で車両メーカーとして「トヨタ(登録商標)」が選択された場合の、トヨタで製造している車名一覧の一部の表示例を示している。また、外国車の例を示す図5(b)には、上記S40で車両メーカーとして「メルセデスベンツ(登録商標)」が選択された場合の、メルセデスベンツで製造している車名一覧の一部の表示例を示している。このような表示を端末70に提示する。
S60(車名選択):ユーザUが端末70を操作して、上記S50で提示された車名の一覧から、保険の対象とする車両の車名を選択する。そして、この選択の結果を情報取得部20により取得する。
【0029】
S70(仕様の一覧提示):情報取得部20により、ユーザUの車両の仕様を選択させるために、データ記憶部30からデータを参照して、上記S60でユーザUに選択された車名に用意されているグレードなどの仕様の一覧を、端末70に提示する。例えば、国産車の例を示す図4(c)には、上記S60で車名として「アクア(登録商標)」が選択された場合の、アクアに用意されている仕様の一覧及び仕様に対応する型式の一覧の表示例を示している。また、外国車の例を示す図5(c)には、上記S60で車名として「Aクラス」が選択された場合の、Aクラスに用意されている仕様一覧及び仕様に対応する型式一覧の一部の表示例を示している。更に、これらの仕様一覧には、ユーザUが仕様を把握していない場合の選択肢も含めるものとし、図4(c)に表示されている「わからない」がこれに相当する。このような表示を端末70に提示する。
【0030】
S80(仕様把握判定):上記S70での提示の結果、ユーザUが仕様を把握していないことを選択した場合(YES)はS90へ移行し、ユーザUが提示された何れかの仕様を選択した場合(NO)はS100へ移行する。
S90(仕様不明のフラグON):制御部50により、ユーザUが見積もりをしようとしている車両の仕様が不明であることを保持しておくために、仕様不明のフラグをONにする。
S100(型式仮設定):制御部50により、上記S40で選択された車両メーカー、上記S60で選択された車名、及び上記S80で選択された仕様の、全てに合致する型式データを、データ記憶部30に保持されている型式データの一覧から選定する。そして、選定した型式データを、型式の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。なお、ここで型式データが一意に定まる場合は、その型式データを正式な型式として確定してもよい。
【0031】
S110(型式入力又は選択):ユーザUが自分の車両の型式を把握しているため、情報取得部20により、型式を入力する欄や型式を選択する一覧などを端末70に提示して、ユーザUから型式を取得する。このとき、上記S30~S60などと同様の手順を経て、ユーザUに選択させるべき型名をある程度絞ってから、型式の選択肢を提示して選択させてもよい。
S120(型式確定):上記S110でのユーザUの選択などにより、ユーザUの車両の正確な型式が取得されたため、型式の正式な情報として見積もり額の算出に使用するために、情報取得部20から算出部40へ伝達する。
【0032】
S130(初度登録年月取得):情報取得部20により、ユーザUからユーザUの車両の初度登録年月を取得する。このため、ユーザUの端末70に、ユーザUが自分の車両の初度登録年月を把握しているか否かを把握するための選択肢やチェックボックスなどを提示する。
S140(初度登録年月把握判定):上記S130での選択肢などの提示の結果、ユーザUが初度登録年月を把握していないことを選択した場合(YES)はS150へ移行し、ユーザUが初度登録年月を把握していることを選択した場合(NO)はS200へ移行する。
【0033】
S150(年式の一覧提示):情報取得部20により、ユーザUの車両の年式を選択させるために、例えば図6(a)に示すような、車両の複数年毎の年式の一覧を、端末70に提示する。このとき、データ記憶部30に保持されているデータを利用して、上記S60で選択された車名の車両に対応する年式の一覧、すなわち、ユーザUの車両の車名に有り得る年式の一覧を提示してもよい。
S160(年式選択):ユーザUが端末70を操作して、上記S150で提示された年式の一覧から、保険の対象とする車両に該当すると思われる年式を選択する。そして、この選択の結果を情報取得部20により取得する。
S170(初度登録年月仮設定):制御部50により、上記S160で選択された年式から想定される初度登録年月を仮設定し、仮選定した初度登録年月を、初度登録年月の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
【0034】
S180(仕様不明のフラグ判定):制御部50により、仕様不明のフラグがONであるか否かを判定する。その結果、上記S90を経由して仕様不明のフラグがONであると判定した場合(YES)はS190へ移行し、仕様不明のフラグがONでないと判定した場合(NO)はS240へ移行する。
S190(型式仮設定):制御部50により、上記S40で選択された車両メーカー、上記S60で選択された車名、及び上記S170で仮設定された初度登録年月の、全てに合致する型式データを、データ記憶部30に保持されている型式データの一覧から選定する。そして、選定した型式データを、型式の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
【0035】
S200(初度登録年月入力又は選択):ユーザUが自分の車両の初度登録年月を把握しているため、情報取得部20により、初度登録年月を入力する欄や選択する一覧などを端末70に提示して、ユーザUから初度登録年月を取得する。
S210(初度登録年月確定):上記S200でのユーザUの選択などにより、ユーザUの車両の正確な初度登録年月が取得されたため、初度登録年月の正式な情報として見積もり額の算出に使用するために、情報取得部20から算出部40へ伝達する。
S220(仕様不明のフラグ判定):制御部50により、仕様不明のフラグがONであるか否かを判定する。その結果、上記S90を経由して仕様不明のフラグがONであると判定した場合(YES)はS230へ移行し、仕様不明のフラグがONでないと判定した場合(NO)はS240へ移行する。
【0036】
S230(型式仮設定):制御部50により、上記S40で選択された車両メーカー、上記S60で選択された車名、及び上記S210で確定した初度登録年月の、全てに合致する型式データを、データ記憶部30に保持されている型式データの一覧から選定する。そして、選定した型式データを、型式の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
S240(保険開始日取得):情報取得部20により、ユーザUからユーザUが希望する保険開始日を取得する。このため、ユーザUの端末70に、保険開始日が決まっているか否かをユーザUから把握するための選択肢やチェックボックスなどを提示する。
【0037】
S250(保険開始日決定判定):上記S240での選択肢などの提示の結果、保険開始日が決まっていないことをユーザUが選択した場合(YES)はS260へ移行し、保険開始日が決まっていることをユーザUが選択した場合(NO)はS270へ移行する。
S260(保険開始日仮設定):制御部50により、現在の日付に基づいて保険開始日を仮設定する。本実施形態では、例えば現在の日付から30日後を保険開始日として仮設定する。そして、仮選定した保険開始日を、保険開始日の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
【0038】
S270(保険開始日入力又は選択):ユーザUが希望する保険開始日が決まっているため、情報取得部20により、保険開始日を入力する欄や選択する一覧などを端末70に提示して、ユーザUから保険開始日を取得する。
S280(保険開始日確定):上記S270でのユーザUの選択などにより、ユーザUが希望する保険開始日が取得されたため、保険開始日の正式な情報として見積もり額の算出に使用するために、情報取得部20から算出部40へ伝達する。
S290(ノンフリート等級取得):情報取得部20により、ユーザUからユーザUのノンフリート等級を取得する。このため、ユーザUの端末70に、ユーザUが自分のノンフリート等級を把握しているか否かを把握するための選択肢やチェックボックスなどを提示する。
【0039】
S300(ノンフリート等級把握判定):上記S290での選択肢などの提示の結果、ユーザUがノンフリート等級を把握していないことを選択した場合(YES)はS310へ移行し、ユーザUがノンフリート等級を把握していることを選択した場合(NO)はS340へ移行する。
S310(加入年数の一覧提示):情報取得部20により、他社を含む自動車保険への加入年数をユーザUに選択させるために、例えば図6(b)に示すような、契約年数及びそこから想定されるノンフリート等級の一覧を、端末70に提示する。
【0040】
S320(加入年数選択):ユーザUが端末70を操作して、上記S310で提示された契約年数の一覧から、該当すると思われる契約年数を選択する。そして、この選択の結果を情報取得部20により取得する。
S330(ノンフリート等級仮設定):制御部50により、上記S320で選択された契約年数から想定されるノンフリート等級を仮設定し、仮選定したノンフリート等級を、ノンフリート等級の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
【0041】
S340(ノンフリート等級入力又は選択):ユーザUが自分のノンフリート等級を把握しているため、情報取得部20により、ノンフリート等級を入力する欄や選択する一覧などを端末70に提示して、ユーザUからノンフリート等級を取得する。
S350(ノンフリート等級確定):上記S340でのユーザUの選択などにより、ユーザUの正確なノンフリート等級が取得されたため、ノンフリート等級の正式な情報として見積もり額の算出に使用するために、情報取得部20から算出部40へ伝達する。
S360(事故有係数適用期間取得):情報取得部20により、ユーザUからユーザUの事故有係数適用期間を取得する。このため、ユーザUの端末70に、ユーザUが自分の事故有係数適用期間を把握しているか否かを把握するための選択肢やチェックボックスなどを提示する。
【0042】
S370(事故有係数適用期間把握判定):上記S360での選択肢などの提示の結果、ユーザUが事故有係数適用期間を把握していないことを選択した場合(YES)はS380へ移行し、ユーザUが事故有係数適用期間を把握していることを選択した場合(NO)はS390へ移行する。
S380(事故有係数適用期間仮設定):制御部50により、事故有係数適用期間を仮設定する。本実施形態では、例えば事故有係数適用期間を0年として仮設定する。そして、仮選定した事故有係数適用期間を、事故有係数適用期間の仮設定情報として見積もり額の算出に使用するために、算出部40へ伝達する。
【0043】
S390(事故有係数適用期間入力又は選択):ユーザUが自分の事故有係数適用期間を把握しているため、情報取得部20により、事故有係数適用期間を入力する欄や選択する一覧などを端末70に提示して、ユーザUから事故有係数適用期間を取得する。
S400(事故有係数適用期間確定):上記S390でのユーザUの選択などにより、ユーザUの正確な事故有係数適用期間が取得されたため、事故有係数適用期間の正式な情報として見積もり額の算出に使用するために、情報取得部20から算出部40へ伝達する。
S410(他の入力情報取得):情報取得部20により、保険料の見積もりに必要な他の入力情報があれば、それらをユーザUから取得する。そのような情報には、例えば、保険対象の車両の所有者、車両の前年の走行距離、現在契約中の保険内容などが含まれ、それらの情報に仮設定情報を用いることとしてもよい。なお、これらの入力情報を含み、ユーザUから入力情報を取得する順序は、必要に応じて任意に設定してよい。
【0044】
S420(見積もり額算出):算出部40により、ここまでに確定或いは仮設定した各種の入力情報と、データ記憶部30に保持されているデータとを使用して、自動車保険の保険料の見積もり額を算出する。
S430(見積もり額提示):算出部40によって算出された見積もり額を、情報取得部20によりユーザUの端末70に提示する。例えば、図7には、型式、初度登録年月、ノンフリート等級、及び事故有係数適用期間に仮設定情報を使用して、見積もり額を算出した場合の表示例を示している。本ステップまでにより、自動車保険料の見積もり方法の説明が終了となる。
【0045】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10は、図1に示すように、情報取得部20、データ記憶部30、及び算出部40を含み、情報取得部20は、保険対象の車両の型式やノンフリート等級といった、自動車保険の保険料の見積もりに必要な複数の入力情報を、端末70を介してユーザUから取得するためのものである。データ記憶部30は、取り扱い可能な車両の型式データの一覧やその他の種々のデータといった、自動車保険の保険料の見積もりに使用する複数のデータを保持するものであって、そのようなデータがデータ記憶部30に予め入力されている。算出部40は、情報取得部20によりユーザUから取得された複数の入力情報と、データ記憶部30により予め保持されている複数のデータとに基づいて、自動車保険の保険料の見積もり額を算出するものであり、その見積もり額の算出結果が端末70を介してユーザUへ提示される。
【0046】
また、算出部40は、ユーザUから得るべき複数の入力情報の中に、正確ではない未確定の情報が含まれる場合に、そのような未確定の入力情報に代えて、ユーザUの選択により設定される或いは事前に設定される仮設定情報を使用して、保険料の見積もり額を算出するものである。これにより、ユーザUが覚えていない、ユーザUの手元に保険証券や車検証がないといった理由によって、ユーザUから正確に取得できない入力情報があったとしても、算出部40は、仮設定情報を使用して見積もり額を問題なく算出することができる。このため、ユーザUが情報を思い出す必要や、保険証券や車検証を手元に用意する必要なく、ユーザUの負担を軽減しながら、手軽に自動車保険の見積もりを行うことが可能となる。
【0047】
また、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10は、ユーザUから正確に得られない未確定の入力情報が、保険対象となるユーザUの車両の型式である場合に、以下のように対応するものである。このような場合に、情報取得部20は、まず、データ記憶部30に保持されているデータを利用して、車両メーカーの一覧(図4(a)及び図5(a)参照)をユーザUに対して提示し(図2のS30参照)、その中からユーザUの車両を製造している車両メーカーをユーザUに選択させる(図2のS40参照)。次に、情報取得部20は、データ記憶部30に保持されているデータを利用して、ユーザUにより選択された車両メーカーが製造している車名の一覧(図4(b)及び図5(b)参照)をユーザUに対して提示し(図2のS50参照)、その中からユーザUの車両に該当する車名をユーザUに選択させる(図2のS60参照)。続いて、情報取得部20は、データ記憶部30に保持されているデータを利用して、ユーザUにより選択された車名の車両で取り扱われているグレードなどの仕様の一覧(図4(c)及び図5(c)参照)をユーザUに対して提示し(図2のS70参照)、その中からユーザUの車両に対応する仕様をユーザUに選択させる(図2のS80参照)。
【0048】
そして、算出部40は、データ記憶部30により保持されている車両の複数の型式データのうち、上記のように情報取得部20を介してユーザUにより選択された、ユーザUの車両の車両メーカー、車名、及び仕様の全てに合致する型式データを、型式の仮設定情報として使用する(図2のS100参照)。このように、ユーザUの車両の車両メーカー、車名、及び仕様をユーザUに選択させることで、ユーザUの車両の型式に一致する型式データを仮設定情報として使用することができるため、保険料の見積もり額を精度よく算出することが可能となる。また、特にユーザUの車両が外国車である場合は、従来、車両メーカーの選択後にユーザUが型式を選択する方式であったものが、自動車保険料見積もりシステム10では、更に車名や仕様を介して型式を絞ることができるため、ユーザUの負担をより軽減することができる。
【0049】
更に、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10は、情報取得部20が、ユーザUの車両の初度登録年月をユーザUから取得する(図2のS200参照)。そして、算出部40は、ユーザUによってユーザUの車両の車両メーカー及び車名が選択されたものの、ユーザUの車両の仕様が未確定の入力情報である場合に、データ記憶部30により保持されている車両の複数の型式データの中から、以下のような型式データを選定する。すなわち、算出部40は、複数の型式データの中で、ユーザUにより選択された車両メーカー及び車名に該当する型式データに絞り、更にその中でユーザUから取得された車両の初度登録年月に合致する型式データ、換言すれば、その初度登録年月の時期に販売されていた型式に相当する型式データを、型式の仮設定情報として使用する(図2のS230参照)。これにより、ユーザUの車両の型式及び仕様の双方が不明であっても、ユーザUの車両の車両メーカー、車名、及び初度登録年月によって絞られた型式データを使用することができるため、保険料の見積もり額を精度よく算出することができる。
【0050】
また、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10は、更にユーザUの車両の初度登録年月が未確定の入力情報である場合に対応するものである。このような場合に、情報取得部20は、例えば図6(a)のような車両の複数年毎の年式の一覧をユーザUに対して提示し(図2のS150参照)、その中からユーザUの車両の年式をユーザUに選択させる(図2のS160参照)。そして、算出部40は、データ記憶部30により保持されている車両の複数の型式データの中から、ユーザUにより選択された車両メーカー及び車名に該当する型式データに絞り、更にその中でユーザUにより選択された年式に合致する型式データを、型式の仮設定情報として使用する(図2のS190参照)。これにより、ユーザUの車両の型式、仕様、及び初度登録年月が不明であるにも関わらず、ユーザUの車両の車両メーカー、車名、及び年式によって絞られた型式データを使用することができるため、保険料の見積もり額を問題なく算出することが可能となる。
【0051】
加えて、本発明の実施の形態に係る自動車保険料見積もりシステム10は、ユーザUから正確に得られない未確定の入力情報が、ユーザUのノンフリート等級である場合にも対応するものである。このような場合に、情報取得部20は、自動車保険への加入年数の一覧(図6(b)参照)をユーザUに提示し(図3のS310参照)、その中から他社を含むユーザUの自動車保険への加入年数を選択させる(図3のS320参照)。そして、算出部40は、ユーザUにより選択された加入年数から想定されるノンフリート等級を、ノンフリート等級の仮設定情報として使用するものである(図3のS330参照)。これにより、ユーザUのノンフリート等級が不明であっても、自動車保険への加入年数から想定されるノンフリート等級を使用して保険料の見積もり額を算出することができるため、概算として問題のない範囲で見積もり額を算出することが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10:自動車保険料見積もりシステム、20:情報取得部、30:データ記憶部、40:算出部、70:端末、U:ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7