(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073014
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】事故発生時行動支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230518BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20230518BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230518BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20230518BHJP
G16Y 10/50 20200101ALI20230518BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08B21/00 U
G08B25/04 C
G08B25/10 D
G16Y10/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185807
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】509161705
【氏名又は名称】イーデザイン損害保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 竜太朗
(72)【発明者】
【氏名】野阪 雄大
(72)【発明者】
【氏名】菅原 啓太
(72)【発明者】
【氏名】齊木 詠仁
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA34
5C086BA22
5C086CA06
5C086CA21
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB11
5C087BB18
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG35
5C087GG66
5C087GG70
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】自動車事故発生時における運転者の行動を支援する。
【解決手段】事故発生時行動支援システム10は、車両70への衝撃を検知するセンサー20と、保険会社で使用されシステム10を管理及び制御する管理制御部30と、運転者60の携帯端末80で動作し、センサー20及び管理制御部30と通信しながら、運転者60とシステム10との間のインタフェースの役割を果たすインタフェース部40とを含み、インタフェース部40は、センサー20から衝撃を検知したことを受信したときに、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを運転者60に提示し、事故の発生が入力された場合に、事故が発生したことを運転者60を特定可能な情報と共に管理制御部30へ送信する。これにより、運転者60は、携帯端末80への簡単な入力のみで、保険会社へ事故の発生を確実に通知することができ、運転者60の行動が支援されることとなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車保険の契約者の車両を運転する、前記契約者及びその家族を含む運転者が自動車事故に遭った際の、前記運転者の行動を支援するシステムであって、
前記車両に設置され、該車両に対する衝撃を検知するセンサーと、
前記自動車保険を販売する保険会社において使用され、当該システムを管理及び制御する管理制御部と、
前記運転者の携帯端末において動作し、前記センサー及び前記管理制御部と通信しながら、前記運転者と当該システムとの間のインタフェースの役割を果たすインタフェース部と、を含み、
前記インタフェース部は、前記センサーから該センサーが衝撃を検知したことの通知を受信したときに、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを前記運転者に提示し、その結果として事故が発生したことが入力された場合に、事故が発生したことを前記運転者を特定可能な情報と共に前記管理制御部へ送信することを特徴とする事故発生時行動支援システム。
【請求項2】
前記携帯端末がスマートフォンであり、
前記インタフェース部は、前記スマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを前記運転者に提示することを特徴とする請求項1記載の事故発生時行動支援システム。
【請求項3】
前記インタフェース部は、事故が発生したことを前記管理制御部へ送信した後、前記車両を修理するための修理予約を行うか否かを確認するメッセージを前記運転者に提示し、その結果として修理予約を行うことが入力された場合に、前記保険会社と提携する複数の提携修理工場から前記運転者により修理工場が選択される又は前記運転者により任意の修理工場が入力され、前記複数の提携修理工場から修理工場が選択された場合に、該修理工場を予約するための予約画面を提示することを特徴とする請求項1又は2記載の事故発生時行動支援システム。
【請求項4】
前記インタフェース部は、前記複数の提携修理工場から前記運転者に選択させる際に、事前に前記管理制御部に登録されている前記契約者指定の住所の近隣、或いは、前記運転者から入力される任意の住所の近隣にある、前記提携修理工場を優先的に提示することを特徴とする請求項3記載の事故発生時行動支援システム。
【請求項5】
前記インタフェース部は、前記提携修理工場の予約画面において、前記車両の引き取り希望日、前記車両の引き取り希望時間帯、修理期間中の代車の要否、及び代車のタイプのうち、少なくとも1つを入力可能に前記運転者に提示することを特徴とする請求項3又は4記載の事故発生時行動支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車保険の契約者の車両を運転する、契約者及びその家族を含む運転者が自動車事故に遭った際の、運転者の行動を支援する事故発生時行動支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車事故に遭った場合は、救急センターや警察、保険会社などに連絡をとる必要があり、状況に応じて車両を修理に出す必要もある。例えば、特許文献1には、事故発生時の様々な情報や被害者の情報を、自動車に搭載された車両デバイスから救急センターへ送信して、被害者の早期救済を図る救急救命システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、事故発生時の自動車保険会社への連絡は、通常、Webサイトや保険証券などに記載された連絡先へ電話することにより行われる。しかしながら、自動車事故に遭った人物は、気が動転していることが多いため、救急センターや警察への連絡先を忘れることはないとしても、自動車保険会社への連絡先を調べたり記憶しておいたりして連絡することは困難であると考えられる。また、上記のような連絡などを含み、事故の際にどのように行動すべきかが、そもそも分からないことも想定される。なお、上述した救急救命システムは、事故を検知する方法が不明であり、取り扱う情報の種類も異なるため、自動車保険会社への連絡にそのまま転用することはできない。
【0005】
更に、車両の修理を依頼する場合の修理工場は、従来、自動車保険会社へ連絡して担当者と会話した後に決定され、その際に具体的な修理依頼日程なども決定される。従って、保険会社の担当者と連絡が取れないと修理の手配を進められないため、修理開始までの所要日数が増えてしまうことが懸念される。また、保険会社提携の工場へ修理を依頼できるものの、その際に立地や空き状況などの様々な条件を考慮して、運転者自身で工場を選択することはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車事故発生時における運転者の行動を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)自動車保険の契約者の車両を運転する、前記契約者及びその家族を含む運転者が自動車事故に遭った際の、前記運転者の行動を支援するシステムであって、前記車両に設置され、該車両に対する衝撃を検知するセンサーと、前記自動車保険を販売する保険会社において使用され、当該システムを管理及び制御する管理制御部と、前記運転者の携帯端末において動作し、前記センサー及び前記管理制御部と通信しながら、前記運転者と当該システムとの間のインタフェースの役割を果たすインタフェース部と、を含み、前記インタフェース部は、前記センサーから該センサーが衝撃を検知したことの通知を受信したときに、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを前記運転者に提示し、その結果として事故が発生したことが入力された場合に、事故が発生したことを前記運転者を特定可能な情報と共に前記管理制御部へ送信する事故発生時行動支援システム。
【0008】
本項に記載の事故発生時行動支援システムは、自動車保険の契約者及びその家族を含む運転者が、自動車事故に遭った場合の運転者の行動を支援するものであって、センサー、管理制御部、及びインタフェース部を含んでいる。センサーは、運転者の車両毎に設置されるものであり、設置先の車両が衝撃を受けた場合にその衝撃を検知するように、各車両に設置される。管理制御部は、契約者へ自動車保険を販売した保険会社において使用され、事故発生時行動支援システムを管理及び制御するものである。インタフェース部は、運転者と事故発生時行動支援システムとの間のインタフェースの役割を果たすものであって、運転者が所持する携帯端末において動作する。すなわち、インタフェース部は、携帯端末の入出力機能を利用して、運転者からの情報の入力及び運転者への情報の提示を行うと共に、携帯端末の通信機能を利用して、センサー及び管理制御部と通信を行う。
【0009】
そして、インタフェース部は、上記のようなセンサーとの通信の結果、センサーから車両に対する衝撃を検知したことの通知を受信したときに、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを運転者に対して提示する。その結果、携帯端末を介して運転者から自動車事故が発生したことが入力された場合に、インタフェース部は、入力を行った運転者を特定可能な情報と共に、自動車事故が発生したことを、管理制御部に対して送信する。これにより、携帯端末への簡単な入力のみで、管理制御部を使用している保険会社に対して、自動車事故が発生したことが通知されることとなる。このため、自動車事故が発生した直後の状況でありながらも、Webサイトや保険証券などから保険会社の連絡先が調べられたりする必要なく、保険会社へ事故発生の通知が確実に行われて、運転者の行動が支援されるものである。更に、保険会社は、自社の自動車保険に加入している契約者又はその家族が、自動車事故に遭ったことを迅速に把握することとなる。
【0010】
(2)上記(1)項において、前記携帯端末がスマートフォンであり、前記インタフェース部は、前記スマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを前記運転者に提示する事故発生時行動支援システム。
本項に記載の事故発生時行動支援システムは、インタフェース部が動作する運転者の携帯端末がスマートフォンであって、インタフェース部は、そのスマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを運転者に対して提示する。これにより、プッシュ通知によってメッセージに対する運転者の認識度を高めながら、運転者へ事故確認の操作が促されるため、保険会社への事故発生の連絡がより確実に行われるものとなる。
【0011】
(3)上記(1)(2)項において、前記インタフェース部は、事故が発生したことを前記管理制御部へ送信した後、前記車両を修理するための修理予約を行うか否かを確認するメッセージを前記運転者に提示し、その結果として修理予約を行うことが入力された場合に、前記保険会社と提携する複数の提携修理工場から前記運転者により修理工場が選択される又は前記運転者により任意の修理工場が入力され、前記複数の提携修理工場から修理工場が選択された場合に、該修理工場を予約するための予約画面を提示する事故発生時行動支援システム。
本項に記載の事故発生時行動支援システムは、インタフェース部が、自動車事故の発生通知を管理制御部へ送信した後に、事故に遭った運転者の車両を修理するための修理予約を行うか否かを確認するメッセージを、運転者に対して提示するものである。
【0012】
そして、そのようなメッセージを提示した結果、運転者から携帯端末を介して修理予約を行うことが入力された場合に、インタフェース部は、修理工場を予約するための予約画面を運転者に対して提示する。このとき、インタフェース部は、保険会社と提携する複数の提携修理工場を提示し、それらの中から運転者によって選択された修理工場を予約するための画面を提示する。これにより、保険会社の担当者が介されることなく、迅速かつ円滑に車両の修理予約が行われるものとなり、また、立地条件などを踏まえた任意の修理工場が、運転者によって選定されるものとなる。また、インタフェース部は、複数の提携修理工場に含まれていない修理工場での修理を運転者が希望する場合に、上記のような予約画面の提示に代えて、運転者が希望する任意の修理工場の情報入力を受けてもよい。この場合は、運転者が希望する修理工場の情報が、保険会社によって迅速に把握されるものとなる。
【0013】
(4)上記(3)項において、前記インタフェース部は、前記複数の提携修理工場から前記運転者に選択させる際に、事前に前記管理制御部に登録されている前記契約者指定の住所の近隣、或いは、前記運転者から入力される任意の住所の近隣にある、前記提携修理工場を優先的に提示する事故発生時行動支援システム。
本項に記載の事故発生時行動支援システムは、インタフェース部が、保険会社と提携する複数の提携修理工場の中から、運転者に希望の修理工場を選択させる際に、以下のような提携修理工場を優先的に提示するものである。すなわち、インタフェース部は、事前に管理制御部に登録されている契約者指定の住所の近隣にある提携修理工場、或いは、運転者が希望する場合に運転者から入力される任意の住所の近隣にある提携修理工場を、画面の上方に表示するなどして優先的に提示する。これにより、運転者に対して、契約者指定の自宅などの住所の近隣にある提携修理工場や、例えば事故現場などの現在位置といった運転者が希望する任意の住所の近隣にある提携修理工場が、優先的に提示されるため、特に立地条件が加味された利便性の良い提携修理工場が、運転者に優先的に認識されるものとなる。
【0014】
(5)上記(3)(4)項において、前記インタフェース部は、前記提携修理工場の予約画面において、前記車両の引き取り希望日、前記車両の引き取り希望時間帯、修理期間中の代車の要否、及び代車のタイプのうち、少なくとも1つを入力可能に前記運転者に提示する事故発生時行動支援システム。
本項に記載の事故発生時行動支援システムは、インタフェース部が、保険会社と提携する各提携修理工場の予約画面において、運転者の車両の引き取り希望日、運転者の車両の引き取り希望時間帯、修理期間中の代車の要否、及び代車が必要な場合の代車のタイプのうち、少なくとも1つを運転者に対して入力可能に提示するものである。これにより、運転者によって、車両の修理に関連する様々な条件が入力されるため、立地条件などが考慮された提携修理工場の選択だけでなく、運転者の希望に沿った修理対応も実現されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、自動車事故発生時における運転者の行動を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】事故発生時行動支援システムにより自動車事故発生時の行動を支援する際の手順の一例を示すフロー図である。
【
図3】
図2の手順においてインタフェース部により運転者に対して提示する、携帯端末の表示画面の一例である。
【
図4】
図3に引き続き、
図2の手順においてインタフェース部により運転者に対して提示する、携帯端末の表示画面の一例である。
【
図5】
図4に引き続き、
図2の手順においてインタフェース部により運転者に対して提示する、携帯端末の表示画面の一例である。
【
図6】
図5に引き続き、
図2の手順においてインタフェース部により運転者に対して提示する、携帯端末の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。また、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10の構成の一例を示している。ここでは、事故発生時行動支援システム10の各構成要素の役割について簡単に説明するものとし、詳細については後述する
図2のフロー図を参照しながら説明する。なお、事故発生時行動支援システム10の構成は、
図1のブロック図に限定されるものではなく、例えば状況などに応じて、
図1に示した構成要素の一部が削除、変更、ないし適宜追加された構成であってもよいものである。
【0018】
図1に示すように、事故発生時行動支援システム10は、自動者保険の契約者又はその家族が運転者60として運転する、保険対象の車両70の各々に設置されるセンサー20と、運転者60の各々が所有する携帯端末80において動作するインタフェース部40と、管理制御部30とを含んでいる。センサー20の各々は、設置先の車両70に対する衝撃を検知するように、車両70の内部などの適切な位置に取り付けられる。また、センサー20は、車両70に対する衝撃を検知すると、衝撃を検知したことをインタフェース部40へ送信するように、インタフェース部40と通信可能に接続されている。センサー20には、衝撃の検知及びインタフェース部40との通信が可能な、任意のセンサー機器を利用できる。
【0019】
ここで、本実施形態において、携帯端末80は、運転者60が所有するスマートフォンであって、インタフェース部40は、そのスマートフォンで動作するアプリケーションプログラムとして構成されている。このため、インタフェース部40は、許容される範囲でスマートフォンの様々な機能を利用するようになっており、例えば、携帯端末80としてのスマートフォンの通信機能を利用して、センサー20と通信を行うようになっている。本実施形態では、例えば、センサー20が携帯端末80とブルートゥース(登録商標)でペアリングされることで、センサー20とインタフェース部40との間が通信可能に設定される。なお、契約者及びその家族を含む複数の運転者60が、同一の車両70を運転する場合においては、その車両70に設置されたセンサー20と、複数の運転者60の各々の携帯端末80とをペアリングさせればよい。
【0020】
更に、インタフェース部40の各々は、携帯端末80(スマートフォン)の通信機能を利用して、ネットワークNを介して、管理制御部30と通信するように構成されている。また、インタフェース部40は、携帯端末80を構成するスマートフォンのタッチパネルなどの入出力機能を利用して、運転者60から入力される情報を取得すると共に、運転者60に対して情報を提示するようになっている。このため、インタフェース部40は、運転者60から取得した情報を管理制御部30などへ送信したり、管理制御部30から送信された情報などを運転者60へ提示したりして、運転者60と事故発生時行動支援システム10との間のインタフェースの役割を果たすものである。
【0021】
一方、管理制御部30は、契約者に対して自動車保険を販売した自動車保険会社において使用され、事故発生時行動支援システム10全体を管理及び制御するものであって、運転者60から取得した情報の管理や、運転者60に提示する情報の管理なども行う。また、管理制御部30は、保険会社側の管理者などによって、事故発生時行動支援システム10に関連する様々な設定や入力が行われるようになっている。管理制御部30は、任意の単数又は複数のハードウェア及びソフトウェアで構成され、保険会社で使用されているCRMシステムなどの他のシステムと連携してもよいものである。
【0022】
ここで、ネットワークNには、インターネット、電話回線網、イントラネット、専用に構築されたネットワークなど、任意のネットワークが含まれてよく、それらが有線及び/又は無線で実現されてよい。また、
図1では、二人の運転者60に係るセンサー20及びインタフェース部40しか図示されていないが、事故発生時行動支援システム10には、当該システム10を利用する自動車保険会社の、該当する自動車保険に加入している全ての契約者及びその家族を含む運転者60に係るセンサー20及びインタフェース部40が含まれる。なお、センサー20及びインタフェース部40の数量などに応じて、センサー20及びインタフェース部40を複数のグループに分け、各グループに管理制御部30が割り当てられるように、管理制御部30が複数設けられてもよい。
【0023】
次に、
図2に示すフロー図の流れに沿って、
図1に示した事故発生時行動支援システム10を利用した事故発生時行動支援方法について説明する。事故発生時行動支援システム10の構成については、適宜、
図1を参照のこと。なお、
図2に示すフロー図は、事故発生時行動支援方法を説明するための手順の流れの一例を示したものである。従って、事故発生時行動支援方法は、これらのフロー図に限定されるものではなく、例えば、事故発生時行動支援システム10の構成や状況などに応じて、
図2に示したステップの一部が削除、変更、ないし適宜追加されたフローであってもよいものである。
【0024】
S10(衝撃検知判定):センサー20により、設置先の車両70に対する衝撃を検知したか否か判定する。その結果、衝撃を検知した場合(YES)はS20へ移行し、衝撃を検知していない場合(NO)は、衝撃を検知するまで本ステップを繰り返し実行する。
S20(衝撃検知送信):センサー20により、設置先の車両70に対する衝撃を検知したことを、運転者60が所有する携帯端末80(スマートフォン)のインタフェース部40へ送信する。このとき、センサー20は、複数の運転者60の携帯端末80と通信可能に設定されている場合は、現在運転している運転者60を識別し、その識別した運転者60の携帯端末80のインタフェース部40へ、衝撃を検知したことを送信する。
【0025】
S30(事故確認メッセージ表示):センサー20から衝撃を検知したことを受信したら、インタフェース部40により、自動車事故が発生したか否かを確認するメッセージを、携帯端末80を介して運転者60へ表示する。本実施形態では、携帯端末80を構成するスマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、例えば
図3(a)に示すようなメッセージを提示し、その結果タップ操作が行われたら、更に
図3(b)に示すようなメッセージを提示する。
S40(事故発生判定):上記S30でのメッセージ表示の結果、携帯端末80に対して運転者60から自動車事故が発生したことの入力が行われた場合(YES)は、S50へ移行する。これに対し、自動車事故が発生していないことが入力された場合(NO)は、センサー20が事故ではない衝撃を検知したものとして、上記S10へ復帰して再び衝撃の検知を待機する状態になる。
【0026】
S50(事故発生通知送信):インタフェース部40により、携帯端末80の通信機能を利用して、自動車事故が発生したことの通知を管理制御部30へ送信する。このとき、インタフェース部40は、携帯端末80の所有者である事故に遭った運転者60を特定可能な何らかの情報も、管理制御部30へ送信する。これによって、管理制御部30を使用している保険会社は、自動車事故の発生及びその事故に遭った運転者60を把握する。なお、車両70への衝撃に加えて、事故発生時の様々な情報をセンサー20や他のセンサーなどで検知し、その結果を事故発生通知と共に管理制御部30へ送信して、事故の状況報告などに使用してもよい。
【0027】
S60(対応ナビ判定):インタフェース部40により、例えば
図3(c)に示すようなメッセージを運転者60へ表示して、事故連絡を受け付けたことを運転者60へ提示すると共に、運転者60が事故現場での対応のナビゲートを希望しているか否かを把握する。その結果、ナビゲートを希望していることが入力された場合(YES)はS70へ移行し、ナビゲートを希望していないことが入力された場合(NO)はS80へ移行する。
S70(対応ナビ表示):インタフェース部40により、自動車事故発生時の対応をナビゲートするための様々な情報を運転者60へ表示するが、ここでの詳しい説明は省略する。
【0028】
S80(修理確認メッセージ表示):インタフェース部40により、例えば
図4(a)に示すようなメッセージを運転者60へ表示して、事故に遭った車両70を修理するために修理工場を予約するか否かを確認する。
S90(修理予約判定):上記S80でのメッセージ表示の結果、修理工場を予約することが入力された場合(YES)はS100へ移行し、修理工場を予約することが入力されなかった場合(NO)は、このルートでの事故発生時行動支援方法の説明は終了となる。なお、ここでは、
図4(a)のメッセージでも表示しているように、修理を検討中の場合も、修理予約と同じくS100へ移行するものとする。
【0029】
S100(予約開始画面表示):インタフェース部40により、例えば
図4(b)に示すような画面を運転者60へ表示して、修理工場の予約手続きを開始する。本実施形態では、保険会社と提携する複数の提携修理工場(セレクトガレージ)から運転者60により選択された修理工場の予約が行われる。なお、運転者60が上記のような提携修理工場以外の修理工場で修理を希望する場合は、その希望する任意の修理工場の情報を取得するようにしてもよい。以降は、複数の提携修理工場から修理工場が選択される場合を例にして、説明を続ける。
S110(提携修理工場表示):インタフェース部40によって、例えば
図4(c)に示すような、提携修理工場を選択させるための画面を運転者60へ表示する。ここでは、
図4(b)の下方に示されているような予め管理制御部30に登録されている住所の、近隣にある提携修理工場が、
図4(c)の画面の上方に優先的に表示されるようになっている。このとき、インタフェース部40により携帯端末80を介して運転者60から任意の住所(例えば運転者60の現在位置など)の入力を受け、この住所の近隣にある提携修理工場が、
図4(c)のような画面の上方に優先的に表示されるように、設定変更可能又は設定されていてもよい。
【0030】
S120(修理工場選択):上記S110で表示された複数の提携修理工場の中から、運転者60によって希望の修理工場が選択される。なお、
図4(c)のような画面において提携修理工場が選択されたときに、
図5(a)に示すように、選択された提携修理工場の詳細内容をインタフェース部40によって表示する。
S130(依頼内容判定):提携修理工場が選択されたら、例えば
図5(b)に示すような画面をインタフェース部40により運転者60へ表示し、その画面の上方に示されているように、修理工場への依頼内容が修理か出張見積かを運転者60に選択させる。その結果、依頼内容が修理の場合(YES)はS140へ移行し、依頼内容が見積の場合(NO)はS200へ移行する。
【0031】
S140(引取希望日入力):インタフェース部40により、
図5(b)の下方や
図5(c)の上方に示されるような、修理のための車両70の希望引取日を入力させる画面を表示する。これによって運転者60に希望引取日の入力を促し、運転者60から希望引取日を取得する。
S150(引取希望時間帯入力):インタフェース部40により、
図5(c)の下方に示されるような、車両70の希望引取時間帯を入力させる画面を表示する。これによって運転者60に希望引取時間帯の入力を促し、運転者60から希望引取時間帯を取得する。
S160(代車要否入力):インタフェース部40により、
図6(a)の上方に示されるような、修理期間中の代車の要否を入力させる画面を表示する。これによって運転者60に代車の要否の入力を促し、運転者60から代車の要否を取得する。
【0032】
S170(代車タイプ入力):インタフェース部40により、
図6(a)の上下方向中央近傍に示されるような、代車が必要な場合の代車のタイプを入力させる画面を表示する。これによって運転者60に代車のタイプの入力を促し、運転者60から希望する代車のタイプを取得する。
S180(予約確認画面表示):修理工場の予約に必要な情報を取得したら、インタフェース部40により、例えば
図6(b)に示すような画面を運転者60へ表示して、運転者60に予約内容の確認を行わせる。
【0033】
S190(予約完了):上記S180での表示の結果、運転者60により予約内容に問題がないことが確認されて送信の入力が行われたら、インタフェース部40により、例えば
図6(c)に示すような画面を運転者60へ表示して、修理工場の予約が完了したことを伝達する。同時に、上記S120で選択された提携修理工場に、修理の予約が行われたこと及びその予約内容が送信される。ここまでにより、このルートでの事故発生時行動支援方法の説明は終了となる。
S200(修理見積依頼):上記S120で選択された提携修理工場に、インタフェース部40などを介して、修理の出張見積の依頼が送信される。それに先立ち、出張見積の依頼に必要な情報を、運転者60からインタフェース部40により取得してもよい。これにより、このルートでの事故発生時行動支援方法の説明は終了となる。
【0034】
ここで、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、上述したような構成に限定されるものではなく、別の構成であってもよい。例えば、運転者60の携帯端末80は、インタフェース部40が動作可能及び携帯可能なものであれば、スマートフォンに限定されるものではなく、タブレット型コンピュータや携帯電話などであってもよい。また、インタフェース部40により携帯端末80を利用して表示する各種の画面構成も、
図3~
図6に示した画面に限定されるものではなく、構成要素の一部が削除、変更、移動、ないし適宜追加された構成であってもよい。
【0035】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、自動車保険の契約者及びその家族を含む運転者60が自動車事故に遭った場合の運転者60の行動を支援するものであって、
図1に示すように、センサー20、管理制御部30、及びインタフェース部40を含んでいる。センサー20は、運転者60の車両70毎に設置されるものであり、設置先の車両70が衝撃を受けた場合にその衝撃を検知するように、各車両70に設置される。管理制御部30は、契約者へ自動車保険を販売した保険会社において使用され、事故発生時行動支援システム10を管理及び制御するものである。
【0036】
インタフェース部40は、運転者60と事故発生時行動支援システム10との間のインタフェースの役割を果たすものであって、運転者60が所持する携帯端末80において動作する。すなわち、インタフェース部40は、携帯端末80の入出力機能を利用して、運転者60からの情報の入力及び運転者60への情報の提示を行うと共に、携帯端末80の通信機能を利用して、センサー20及び管理制御部30と通信を行う。そして、インタフェース部40は、上記のようなセンサー20との通信の結果、センサー20から車両70に対する衝撃を検知したことの通知を受信したときに、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを運転者60に対して提示する(
図2のS30参照)。その結果、携帯端末80を介して運転者60から自動車事故が発生したことが入力された場合に、インタフェース部40は、入力を行った運転者60を特定可能な情報と共に、自動車事故が発生したことを、管理制御部30に対して送信する(
図2のS50参照)。
【0037】
これにより、運転者60は、携帯端末80への簡単な入力のみで、管理制御部30を使用している保険会社に対して、自動車事故が発生したことを通知することができる。このため、自動車事故が発生した直後の状況でありながらも、Webサイトや保険証券などから保険会社の連絡先を調べたりする必要なく、保険会社へ事故発生の通知を確実に行うことができ、運転者60の行動を支援することが可能となる。更に、保険会社は、自社の自動車保険に加入している契約者又はその家族が、自動車事故に遭ったことを迅速に把握することができる。
【0038】
また、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、インタフェース部40が動作する運転者60の携帯端末80がスマートフォンであって、インタフェース部40は、そのスマートフォンのプッシュ通知機能を利用して、自動車事故の発生の有無を確認するメッセージを運転者60に対して提示する。これにより、プッシュ通知によってメッセージに対する運転者60の認識度を高めることができ、運転者60へ事故確認の操作を促すことができるため、保険会社への事故発生の連絡をより確実に行うことが可能となる。
【0039】
更に、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、インタフェース部40が、自動車事故の発生通知を管理制御部30へ送信した後に、事故に遭った運転者60の車両70を修理するための修理予約を行うか否かを確認するメッセージを、運転者60に対して提示するものである(
図2のS80参照)。そして、そのようなメッセージを提示した結果、運転者60から携帯端末80を介して修理予約を行うことが入力された場合に、インタフェース部40は、修理工場を予約するための予約画面を運転者60に対して提示する(
図2のS100参照)。このとき、インタフェース部40は、保険会社と提携する複数の提携修理工場を提示し(
図2のS110参照)、それらの中から運転者60によって選択された修理工場を予約するための画面を提示する。これにより、運転者60は、保険会社の担当者を介することなく、迅速かつ円滑に車両70の修理予約を行うことができ、また、立地条件などを踏まえた任意の修理工場を選定することもできる。また、インタフェース部40は、複数の提携修理工場に含まれていない修理工場での修理を運転者60が希望する場合に、上記のような予約画面の提示に代えて、運転者60が希望する任意の修理工場の情報入力を受けてもよい。この場合は、運転者60が希望する修理工場の情報を、保険会社が迅速に把握することができる。
【0040】
また、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、インタフェース部40が、保険会社と提携する複数の提携修理工場の中から、運転者60に希望の修理工場を選択させる際に、以下のような提携修理工場を優先的に提示するものである。すなわち、インタフェース部40は、事前に管理制御部30に登録されている契約者指定の住所の近隣にある提携修理工場、或いは、運転者60が希望する場合に運転者60から入力される任意の住所の近隣にある提携修理工場を、画面の上方に表示するなどして優先的に提示する。これにより、運転者60に対して、契約者指定の自宅などの住所の近隣にある提携修理工場や、例えば事故現場などの現在位置といった運転者60が希望する任意の住所の近隣にある提携修理工場を、優先的に提示することができるため、運転者60は、特に立地条件が加味された利便性の良い提携修理工場を、優先的に認識して選択することができる。
【0041】
加えて、本発明の実施の形態に係る事故発生時行動支援システム10は、インタフェース部40が、保険会社と提携する各提携修理工場の予約画面において、運転者60の車両70の引き取り希望日、運転者60の車両70の引き取り希望時間帯、修理期間中の代車の要否、及び代車が必要な場合の代車のタイプのうち、少なくとも1つを運転者60に対して入力可能に提示するものである(
図2のS140~S170参照)。これにより、運転者60は、車両70の修理に関連する様々な条件を入力することができるため、立地条件などを考慮した提携修理工場の選択だけでなく、運転者60の希望に沿った修理対応を受けることも可能となる。
【符号の説明】
【0042】
10:事故発生時行動支援システム、20:センサー、30:管理制御部、40:インタフェース部、60:運転者、70:車両、80:携帯端末