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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073062
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】バンドスリッター
(51)【国際特許分類】
   B26B 1/02 20060101AFI20230518BHJP
   B26D 1/02 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B26B1/02 B
B26D1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185881
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】505221236
【氏名又は名称】石川 祥啓
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】石川 祥啓
【テーマコード(参考)】
3C027
3C061
【Fターム(参考)】
3C027BB05
3C027BB09
3C061AA03
3C061AA26
3C061BA03
3C061BA30
3C061EE01
(57)【要約】
【課題】複数の種類の分割ができ、かつ、容易に等分できると共に、真っ直ぐにきれいに安全に切断することができるバンドスリッターを提供する。
【解決手段】バンドスリッター1は、バンド状テープを摺動載置する、平面視が略矩形状の下ユニット2と、下ユニット2の上に揺動自在に配置されて組み合わされる、平面視が下ユニットと略同じサイズの矩形状の上ユニット4と、下ユニット2の上に上ユニット4を引き付ける4つの引きバネ6a~6dと、上ユニット4に装着される1枚の第1の替え刃10aおよび2枚一組の第2の替え刃10bおよび10cとを備えている。下ユニット2は、バンド状テープを長さ方向Yに沿って摺動載置する底板20を有する。上ユニット4は、バンド状テープの弛みを防止する天板40を有する。第1の替え刃10aは、上ユニット4の第3の端部46の側に配置され、第2の替え刃10bおよび10cは、上ユニット4の第4の端部48の側に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド状テープを摺動載置する、平面視が略矩形状の下ユニットと、
前記下ユニットの上に揺動自在に配置されて組み合わされる、平面視が矩形状の上ユニットと、
前記下ユニットの上に前記上ユニットを弾性的に連結する複数の弾性体と、
前記上ユニットに装着される、第1の替え刃、および、前記第1の替え刃の数と異なる数の第2の替え刃と、を備え、
前記下ユニットは、バンド状テープを摺動載置する底板と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側部および第2の側部と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端部および第2の端部と、を含み、
前記上ユニットは、バンド状テープの弛みを防止する天板と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第3の側部および第4の側部と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端部および第4の端部と、を含み、
前記上ユニットの長さ方向において、前記第1の替え刃は前記上ユニットの第3の端部側に配置され、前記第2の替え刃は前記上ユニットの第4の端部側に配置され、
前記下ユニットの長さ方向において、前記底板に形成されたバンド状テープの摺動載置路の一方の端部は、前記下ユニットの第1の端部に形成された第1の開口に延びるように配置され、バンド状テープの前記摺動載置路の他方の端部は、前記下ユニットの第2の端部に形成された第2の開口に延びるように配置されていること、を特徴とする、バンドスリッター。
【請求項2】
前記下ユニットは、前記長さ方向において、前記第1の側部の中央部に第1の支柱受け部を設けると共に、前記第2の側部の中央部に第2の支柱受け部を設け、
前記上ユニットは、前記長さ方向において、前記第3の側部の中央部に第1の支柱部を設けると共に、前記第4の側部の中央部に第2の支柱部を設け、
前記上ユニットが、前記下ユニットの上に配置されて組み合わされるとき、前記第1の支柱部が前記第1の支柱受け部に挿入されると共に、前記第2の支柱部が前記第2の支柱受け部に挿入されて、前記第1の支柱受け部に挿入された前記第1の支柱部の先端部と前記第2の支柱受け部に挿入された前記第2の支柱部の先端部とを通る軸を支軸にして揺動可能であること、を特徴とする、請求項1に記載のバンドスリッター。
【請求項3】
前記下ユニットは、正面視において、前記第1の側部および前記第2の側部が、それぞれ、中央部が頂点の三角形であり、
前記上ユニットは、正面視において、前記第3の側部および前記第4の側部が、それぞれ、前記長さ方向において長い矩形であり、
前記上ユニットの搖動によって、前記長さ方向において、
前記上ユニットの前記第3の側部の下面の前記第3の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第1の側部の上面の前記第1の端部の側の略半分に接触し、かつ、前記上ユニットの前記第4の側部の下面の前記第3の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第2の側部の上面の前記第1の端部の側の略半分に接触すると共に、前記上ユニットの前記第3の側部の下面の前記第4の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第1の側部の上面の前記第2の端部の側の略半分から離れ、かつ、前記上ユニットの前記第4の側部の下面の前記第4の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第2の側部の上面の前記第2の端部の側の略半分から離れるとき、前記第1の替え刃は前記バンド状テープを前記長さ方向に沿って切断可能であり、前記第2の替え刃は前記バンド状テープから遠ざかり、もしくは、
前記上ユニットの前記第3の側部の下面の前記第3の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第1の側部の上面の前記第1の端部の側の略半分から離れ、かつ、前記上ユニットの前記第4の側部の下面の前記第3の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第2の側部の上面の前記第1の端部の側の略半分から離れると共に、前記上ユニットの前記第3の側部の下面の前記第4の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第1の側部の上面の前記第2の端部の側の略半分に接触し、かつ、前記上ユニットの前記第4の側部の下面の前記第4の端部の側の略半分が、前記下ユニットの前記第2の側部の上面の前記第2の端部の側の略半分に接触するとき、前記第1の替え刃は前記バンド状テープから遠ざかり、前記第2の替え刃は前記バンド状テープを前記長さ方向に沿って切断可能であること、を特徴とする、請求項1または請求項2に記載のバンドスリッター。
【請求項4】
前記第1の替え刃が1枚であり、前記第2の替え刃が2枚1組であること、を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のバンドスリッター。
【請求項5】
前記弾性体が引きバネおよびコイルバネおよびキックバネおよび板バネのうちのいずれかであり、前記弾性体の一端部は前記上ユニットに固定され、前記弾性体の他端部は前記下ユニットに固定されること、を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のバンドスリッター。
【請求項6】
前記第1の替え刃および前記第2の替え刃が、それぞれ、スペーサーを介在させて前記上ユニットに装着されること、を特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のバンドスリッター。
【請求項7】
前記第1の替え刃および前記第2の替え刃が、それぞれ、前記バンド状テープを長さ方向に等分割すること、を特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のバンドスリッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、バンド状(帯状)のPP(ポリプロピレン)テープおよびナイロンテープなどの樹脂テープ、あるいは、バンド状の厚紙テープなどを長さ方向にカットする、バンドスリッターに関する。
【背景技術】
【0002】
バンド状の樹脂テープや厚紙テープを、長さ方向に所定の幅で切断する場合、通常、特許文献1および特許文献2に示すようなカッターナイフ支持治具、あるいは、特許文献3に示すようなカッターナイフが使用されている。そして、特許文献1~特許文献3に使用されているカッターナイフは、カッター刃が1枚であって、テープを長さ方向に2分割(2本割き)するものが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-188087号公報
【特許文献2】特許第4601021号公報
【特許文献3】実用新案登録第3171128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、このようなカッターナイフは、カッター刃を1枚しか持たないため、テープを長さ方向に2分割するだけであった。従って、テープを長さ方向に2分割(2本割き)および3分割(3本割き)する必要がある場合には柔軟に対応できなかった。
【0005】
また、従来のカッターナイフ支持治具およびカッターナイフは、テープを長さ方向に2等分または3等分することが困難であった。たとえば、特許文献2の治具のように、カッターナイフの刃の位置を調整してテープを2等分できても、その調整は煩雑であった。さらに、特許文献2の治具によってテープを3等分することは、非常に煩雑であるという不具合があった。
【0006】
さらに、特許文献1のカッターナイフ支持治具および特許文献3のカッターナイフは、テープを搬送する際のガイドが無いため、テープの長さ方向に沿って切断する場合、蛇行し易く、真っ直ぐにきれいに切断することが困難であるという不具合があった。
【0007】
また、特許文献1のカッターナイフ支持治具および特許文献3のカッターナイフは、カッターナイフの刃が露出した状態で使用されるため、不注意で作業者の手を切る危険があった。
【0008】
それゆえに、本発明の主たる目的は、複数の種類の分割ができ、かつ、容易に等分できると共に、真っ直ぐにきれいに安全に切断することができるバンドスリッターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るバンドスリッターは、
バンド状テープを摺動載置する、平面視が略矩形状の下ユニットと、
下ユニットの上に揺動自在に配置されて組み合わされる、平面視が矩形状の上ユニットと、
下ユニットの上に上ユニットを弾性的に連結する複数の弾性体と、
上ユニットに装着される、第1の替え刃、および、第1の替え刃の数と異なる数の第2の替え刃と、を備え、
下ユニットは、バンド状テープを摺動載置する底板と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側部および第2の側部と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端部および第2の端部と、を含み、
上ユニットは、バンド状テープの弛みを防止する天板と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第3の側部および第4の側部と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第3の端部および第4の端部と、を含み、
上ユニットの長さ方向において、第1の替え刃は上ユニットの第3の端部側に配置され、第2の替え刃は上ユニットの第4の端部側に配置され、
下ユニットの長さ方向において、底板に形成されたバンド状テープの摺動載置路の一方の端部は、下ユニットの第1の端部に形成された第1の開口に延びるように配置され、バンド状テープの摺動載置路の他方の端部は、下ユニットの第2の端部に形成された第2の開口に延びるように配置されていること、を特徴とする、バンドスリッターである。
【0010】
また、本発明に係るバンドスリッターは、下ユニットが、長さ方向において、第1の側部の中央部に第1の支柱受け部を設けると共に、第2の側部の中央部に第2の支柱受け部を設け、
上ユニットが、長さ方向において、第3の側部の中央部に第1の支柱部を設けると共に、第4の側部の中央部に第2の支柱部を設け、
上ユニットが、下ユニットの上に配置されて組み合わされるとき、第1の支柱部が第1の支柱受け部に挿入されると共に、第2の支柱部が第2の支柱受け部に挿入されて、第1の支柱受け部に挿入された第1の支柱部の先端部と第2の支柱受け部に挿入された第2の支柱部の先端部とを通る軸を支軸にして揺動可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るバンドスリッターは、下ユニットが、正面視において、第1の側部および第2の側部が、それぞれ、中央部が頂点の三角形であり、
上ユニットが、正面視において、第3の側部および第4の側部が、それぞれ、長さ方向において長い矩形であり、
上ユニットの搖動によって、長さ方向において、
(ア)上ユニットの第3の側部の下面の第3の端部の側の略半分が、下ユニットの第1の側部の上面の第1の端部の側の略半分に接触し、かつ、上ユニットの第4の側部の下面の第3の端部の側の略半分が、下ユニットの第2の側部の上面の第1の端部の側の略半分に接触すると共に、上ユニットの第3の側部の下面の第4の端部の側の略半分が、下ユニットの第1の側部の上面の第2の端部の側の略半分から離れ、かつ、上ユニットの第4の側部の下面の第4の端部の側の略半分が、下ユニットの第2の側部の上面の第2の端部の側の略半分から離れるとき、第1の替え刃はバンド状テープを長さ方向に沿って切断可能であり、第2の替え刃はバンド状テープから遠ざかり、もしくは、
(イ)上ユニットの第3の側部の下面の第3の端部の側の略半分が、下ユニットの第1の側部の上面の第1の端部の側の略半分から離れ、かつ、上ユニットの第4の側部の下面の第3の端部の側の略半分が、下ユニットの第2の側部の上面の第1の端部の側の略半分から離れると共に、上ユニットの第3の側部の下面の第4の端部の側の略半分が、下ユニットの第1の側部の上面の第2の端部の側の略半分に接触し、かつ、上ユニットの第4の側部の下面の第4の端部の側の略半分が、下ユニットの第2の側部の上面の第2の端部の側の略半分に接触するとき、第1の替え刃はバンド状テープから遠ざかり、第2の替え刃はバンド状テープを長さ方向に沿って切断可能であること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るバンドスリッターは、第1の替え刃が1枚であり、第2の替え刃が2枚1組であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るバンドスリッターは、弾性体が引きバネおよびコイルバネおよびキックバネおよび板バネのうちのいずれかであり、弾性体の一端部は上ユニットに固定され、弾性体の他端部は下ユニットに固定されることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係るバンドスリッターは、第1の替え刃および第2の替え刃が、それぞれ、スペーサーを介在させて上ユニットに装着されることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るバンドスリッターは、第1の替え刃および第2の替え刃が、それぞれ、バンド状テープを長さ方向に等分割することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の種類の分割ができ、かつ、容易に等分できると共に、真っ直ぐにきれいに安全に切断することができる。
【0017】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るバンドスリッターの第1の実施の形態を示す外観斜視図である。
図2図1のバンドスリッターによるバンド状テープの長さ方向の2分割を示す斜視図である。
図3図1のバンドスリッターによるバンド状テープの長さ方向の3分割を示す斜視図である。
図4図1のバンドスリッターの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図である。
図5図1のバンドスリッターの組み立て斜視図である。
図6】バンドスリッターの図4のA-A断面図である。
図7】バンドスリッターの図4のB-B断面図であって、(A)は待機時を示し、(B)はバンド状テープの2分割時を示す。
図8】バンドスリッターの図4のC-C断面図である。
図9】バンドスリッターの図4のD-D断面図である。
図10】バンドスリッターの図4のE-E断面図である。
図11】下ユニットの平面斜視図である。
図12】下ユニットの底面斜視図である。
図13】下ユニットの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はF-F断面図である。
図14】上ユニットの平面斜視図である。
図15】上ユニットの底面斜視図である。
図16】上ユニットの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図であり、(F)はG-G断面図であり、(G)はH-H断面図である。
図17】スペーサーの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図である。
図18】替え刃の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は左側面図である。
図19】本発明に係るバンドスリッターの第2の実施の形態を示す外観斜視図である。
図20図19のバンドスリッターによるバンド状テープの長さ方向の2分割を示す斜視図である。
図21図19のバンドスリッターによるバンド状テープの長さ方向の3分割を示す斜視図である。
図22図19のバンドスリッターの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図である。
図23】バンドスリッターの組み立て斜視図である。
図24】バンドスリッターの図22のA-A断面図である。
図25】バンドスリッターの図22のB-B断面図であって、(A)は待機時を示し、(B)はバンド状テープの2分割時を示す。
図26】バンドスリッターの図22のC-C断面図である。
図27】バンドスリッターの図22のD-D断面図である。
図28】バンドスリッターの図22のE-E断面図である。
図29】バンドスリッターの図22のF-F断面図である。
図30】下ユニットの平面斜視図である。
図31】下ユニットの底面斜視図である。
図32】下ユニットの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はG-G断面図である。
図33】上ユニットの平面斜視図である。
図34】上ユニットの底面斜視図である。
図35】上ユニットの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はH-H断面図であり、(F)はI-I断面図である。
図36】スペーサーの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は背面図である。
図37】別のスペーサーの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は背面図である。
図38】弾性体の変形例を示す模式透視図であって、(A)は引きバネを示し、(B)はコイルバネを示し、(C)はキックバネを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.第1の実施の形態
図1は、バンドスリッターの第1の実施の形態を示すものであり、バンド状テープBTを等分に分割するバンドスリッターを示す外観斜視図である。図4は、図1に示したバンドスリッターの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図である。図5は、バンドスリッターの組み立て斜視図である。図6は、図4のA-A断面図である。図7は、図4のB-B断面図である。図8は、図4のC-C断面図である。図9は、図4のD-D断面図である。図10は、図4のE-E断面図である。
【0020】
バンドスリッター1は、バンド状テープBTを摺動載置する、平面視が略矩形状の下ユニット2と、下ユニット2の上に揺動自在に配置されて組み合わされる、平面視が下ユニットと略同じサイズの矩形状の上ユニット4と、下ユニット2の上に上ユニット4を弾性的に連結する4つの弾性体(引きバネ)6aおよび6bおよび6cおよび6dと、上ユニット4に装着される1枚の第1の替え刃10aおよび2枚一組の第2の替え刃10bおよび10cと、を備えている。なお、上ユニット4の平面視は、下ユニット2と略同じサイズの矩形状でなくてもよい。
【0021】
また、バンドスリッター1の下ユニット2および上ユニット4を積み重ねた方向をZ方向(高さ方向Zとも称する)と定義し、Z方向に直交する方向をX方向(幅方向Xとも称する)と定義し、Z方向およびX方向に直交する方向をY方向(長さ方向Yとも称する)と定義する。
【0022】
本実施の形態の場合、バンドスリッター1は掌サイズで小型であり、携帯使用できる。その寸法は、例えば長さ方向Yが100mmであり、幅方向Xが35mmであり、高さ方向Zが28mmであるけれども、特に限定されない。ただし、バンドスリッター1は、長さ方向Yの寸法が幅方向Xの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
【0023】
このバンドスリッター1には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、バンドスリッター1の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、バンドスリッター1の隣接する2面が交わる部分のことである。
【0024】
(A)下ユニット
以下、下ユニット2の構造について、図11および図12および図13を参照して詳細に説明する。図11は、下ユニット2の平面斜視図である。図12は、下ユニット2の底面斜視図である。図13は、下ユニット2の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はF-F断面図である。
【0025】
下ユニット2は、バンド状テープBTを長さ方向Yに沿って摺動載置する底板20と、幅方向Xに相対する第1の側部22および第2の側部24と、長さ方向Yに相対する第1の端部26および第2の端部28とを有する。第1の側部22および第2の側部24は、幅方向Xに所定の幅寸法を有している。
【0026】
下ユニット2の長さ方向Yに沿って延びる、中央部に位置する底板20は、その上面がバンド状テープBTの摺動載置路20aとして形成されている。摺動載置路20aの一方の端部は、下ユニット2の第1の端部26に形成された第1の開口34aに延びるように配置され、摺動載置路20aの他方の端部は、下ユニット2の第2の端部28に形成された第2の開口34bに延びるように配置されている。
【0027】
底板20の摺動載置路20aの第1の端部26寄りの位置には、すだれ状の細長い3本の第1の替え刃挿入用穴32aが幅方向Xに並設されている。第1の替え刃挿入用穴32aは、底板20に対して有底穴として形成されている。
【0028】
底板20の下面側の内部は空洞36aを有している。底板20の下面の第1の替え刃挿入用穴32aに対応する領域には、第1の替え刃挿入用穴32aを囲むように箱形状の保護カバー33aが設けられている。従って、バンド状テープBTを第1の替え刃10aによって切断する際に、第1の替え刃10aが、第1の替え刃挿入用穴32aの1つ(第1の実施の形態の場合は幅方向Xの中央の穴)に挿入されても、第1の替え刃10aの刃先が保護カバー33aによって覆われているため、不注意で作業者の手を切る心配がなく、安全設計である。
【0029】
同様に、底板20の摺動載置路20aの第2の端部28寄りの位置には、すだれ状の細長い3本の第2の替え刃挿入用穴32bが幅方向Xに並設されている。第2の替え刃挿入用穴32bは、底板20に対して有底穴として形成されている。
【0030】
底板20の下面の第2の替え刃挿入用穴32bに対応する領域には、第2の替え刃挿入用穴32bを囲むように箱形状の保護カバー33bが設けられている。従って、バンド状テープBTを第2の替え刃10bおよび10cによって切断する際に、第2の替え刃10bおよび10cが、第2の替え刃挿入用穴32bの2つ(第1の実施の形態の場合は幅方向Xの両側の穴)に挿入されても、第2の替え刃10bおよび10cの刃先が保護カバー33bによって覆われているため、不注意で作業者の手を切る心配がなく、安全設計である。
【0031】
また、下ユニット2は、正面視において、第1の側部22および第2の側部24が、それぞれ、中央部が頂点の三角形である。下ユニット2は、正面視において、第1の側部22および第2の側部24が、それぞれ、中央部が頂点の略2等辺三角形であることが好ましい。幅方向Xにおいて、第1の側部22と第2の側部24との間には摺動載置路20aが配設されており、摺動載置路20aの上に載置されたバンド状テープBTは、第1の側部22および第2の側部24によって両側からガイドされる。従って、バンド状テープBTは、第1の替え刃10a、または、第2の替え刃10bおよび10cによって、真っ直ぐにきれいに切断されながら、摺動載置路20aの上を摺動搬送される。
【0032】
第1の側部22の上面22aは、長さ方向Yにおいて、右肩上がりの傾斜上面122と、第1の支柱受け部29aと、右肩下がりの傾斜上面123とを有している。第1の支柱受け部29aは、右肩上がりの傾斜上面122と右肩下がりの傾斜上面123との間、すなわち、第1の側部22の中央部に位置しており、横断面が矩形のめくら穴になっている。第1の側部22の内部は、空洞36bを形成している。
【0033】
第1の側部22の傾斜上面122の第1の端部26寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30aが、円弧部を第1の端部26の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30aの幅方向Xの直線部分には、下ユニット2の下面に延びる仕切り板137aが形成されている。仕切り板137aの下部には、引きバネ用固定材31aが設けられている。
【0034】
同様に、第1の側部22の傾斜上面123の第2の端部28寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30cが、円弧部を第2の端部28の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30cの幅方向Xの直線部分には、下ユニット2の下面の延びる仕切り板137cが形成されている。仕切り板137cの下部には、引きバネ用固定材31cが設けられている。
【0035】
また、第2の側部24の上面24aは、長さ方向Yにおいて、右肩上がりの傾斜上面125と、第2の支柱受け部29bと、右肩下がりの傾斜上面126とを有している。第2の支柱受け部29bは、右肩上がりの傾斜上面125と右肩下がりの傾斜上面126との間、すなわち、第2の側部24の中央部に位置しており、横断面が矩形のめくら穴になっている。第2の支柱受け部29bは、第1の支柱受け部29aと等しい形状である。第2の側部24の内部は、空洞36cを形成している。
【0036】
第2の側部24の傾斜上面125の第1の端部26寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30bが、円弧部を第1の端部26の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30bの幅方向Xの直線部分には、下ユニット2の下面の延びる仕切り板137bが形成されている。仕切り板137bの下部には、引きバネ用固定材31bが設けられている。
【0037】
同様に、第2の側部24の傾斜上面126の第2の端部28寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30dが、円弧部を第2の端部28の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30dの幅方向Xの直線部分には、下ユニット2の下面の延びる仕切り板137dが形成されている。仕切り板137dの下部には、引きバネ用固定材31dが設けられている。
【0038】
下ユニット2は、底板20の下面側の空洞36aおよび第1の側部22の空洞36bおよび第2の側部24の空洞36cによって軽量化されている。
【0039】
さらに、下ユニット2は、底板20と第1の側部22との間の仕切り板135a、および、底板20と第2の側部24との間の仕切り板135b、および、仕切り板137a、および、仕切り板137b、および、仕切り板137c、および、仕切り板137dによって機械的強度が確保されている。すなわち、長さ方向Yに延びる仕切り板135aおよび135bは、幅方向Xに延びる仕切り板137aおよび137bおよび137cおよび137dに直交しており、強い機械的強度を発揮する。
【0040】
(B)上ユニット
次に、上ユニット4の構造について、図14および図15および図16を参照して詳細に説明する。
【0041】
図14は、上ユニット4の平面斜視図である。図15は、上ユニット4の底面斜視図である。図16は、上ユニット4の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図であり、(F)はG-G断面図であり、(G)はH-H断面図である。
【0042】
上ユニット4は、バンド状テープBTの弛みを防止する天板40と、高さ方向Zに直交する幅方向Xに相対する第3の側部42および第4の側部44と、高さ方向Zおよび幅方向Xに直交する長さ方向Yに相対する第3の端部46および第4の端部48とを有する。天板40は、第3の側部42と第4の側部44との間に配置されている。第3の側部42および第4の側部44は、それぞれ、幅方向Xに所定の幅寸法を有している。
【0043】
上ユニット4の長さ方向Yに沿って延びる、中央部に位置する天板40は、その上面が、第3の側部42の上面42aおよび第4の側部44の上面44aと同一面を形成している。天板40の長さ方向Yの中央には、長さ方向Yに長い矩形用のめくら凹部52が形成されている。めくら凹部52の内側底面は、長さ方向Yの中央に位置する、幅方向に延びる最底線を境にして逆方向に傾斜している。めくら凹部52の最底線は、第3の側部42の下面42bおよび第4の側部44の下面44bから下方に突出して設けられている。
【0044】
第3の側部42の下面42bおよび第4の側部44の下面44bおよびと第3の端部46の下面46bおよび第4の端部48の下面48bは、同一面を形成している。
【0045】
すなわち、図15に示すように、上ユニット4を底面側から見ると、めくら凹部52の外側底面53は、長さ方向Yの中央位置を最底線120にして、第3の端部46の方向に延びる左肩下がりの傾斜面54aと、第4の端部48の方向に延びる右肩下がりの傾斜面54bとを有している。後述するように、これらの傾斜面54aおよび傾斜面54bは、バンド状テープBTの搬送時の弛みを防止して円滑な切断を可能にする役割を有する。
【0046】
天板40は、長さ方向Yにおいて、めくら凹部52を間にして矩形状の第1の替え刃装着穴56と、第1の替え刃装着穴56の矩形サイズより若干大きい第2の替え刃装着穴58とを設けている。第1の替え刃装着穴56は、第3の端部46の側で、かつ、第3の側部42の方向に若干寄った位置に配設されている。第2の替え刃装着穴58は第4の端部48の側で、かつ、中央の位置に配設されている。
【0047】
第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板のうち、幅方向Xに対向する仕切り板の高さ方向Zの中央部には、後述の替え刃10aおよびスペーサー8aを装着するための断面が十字の横支軸64aおよび64bが設けられる共に、長さ方向Yに対向する仕切り板の底部には、スペーサー8aを係止するための段差部56aおよび56bが設けられている。
【0048】
横支軸64bの長さは、横支軸64aの長さより長く設定されている。横支軸64bは、替え刃10aの取付け穴100に通されると共に、スペーサー8aの脚部82aおよび82bの付け根が跨り、替え刃10aおよびスペーサー8aの両方を支持する必要があるからである。一方、横支軸64aは、スペーサー8aの脚部82aおよび82bの付け根が跨るだけであり、スペーサー8aを支持するだけでよいからである。
【0049】
また、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板のうち、幅方向Xに対向する仕切り板の高さ方向Zの中央部には、後述の替え刃10bおよび替え刃10cおよびスペーサー8bを装着するための断面が十字形の横支軸64cおよび64dが設けられる共に、長さ方向Yに対向する仕切り板の底部には、スペーサー8bを係止するための段差部58aおよび58bが設けられている。
【0050】
横支軸64cの長さおよび横支軸64dの長さは、横支軸64bと同じ長さに設定されている。横支軸64cは、替え刃10bの取付け穴100に通されると共に、スペーサー8bの脚部82aおよび82bの付け根が跨り、替え刃10bおよびスペーサー8bの両方を支持する必要があるからである。横支軸64dも、替え刃10cの取付け穴100に通されると共に、スペーサー8bの脚部82aおよび82bの付け根が跨り、替え刃10cおよびスペーサー8bの両方を支持する必要があるからである。
【0051】
天板40の第3の端部46の近傍には、矢印の2分割標識14が形成され、第4の端部48の近傍には、矢印の3分割標識15が形成されている。2分割標識14が形成されている天板40の裏面側には横断面が矩形の仕切り板57が、第3の端部46に隣接して設けられている。仕切り板57は、第3の端部46の下面から所定寸法だけ突出している。
【0052】
3分割標識15が形成されている天板40の裏面側には横断面が矩形の仕切り板59が、第4の端部48に隣接して設けられている。仕切り板59は、第4の端部48の下面から所定寸法だけ突出している。
【0053】
上ユニット4は、図7の(A)に示すように、長さ方向Yに沿って、めくら凹部52の外側底面53の傾斜面54a、および、第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板57の底面が、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1を有している。
【0054】
同様に、上ユニット4は、めくら凹部52の外側底面53の傾斜面54b、および、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板59の底面が、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2を有している。
【0055】
また、上ユニット4は、正面視において、第3の側部42および第4の側部44が、それぞれ、長さ方向Yにおいて長い矩形である。幅方向Xにおいて、第3の側部42と第4の側部44との間には、めくら凹部52および第1の替え刃装着穴56および第2の替え刃装着穴58が配設されている。
【0056】
第3の側部42は、長さ方向Yの中央部において、内部が空洞の第1の支柱部49aが、上面42aから下面42bの方向(高さ方向Z)に、下面42bから突出して延びるように設けられている。
【0057】
第1の支柱部49aは、横断面が矩形であり、長さ方向Yに対向する面90aと90bとが先端に向かって先細りしている。さらに、第1の支柱部49aの先端部94の外形寸法は、下ユニットの第1の支柱受け部29aの内形寸法より若干小さい相似形寸法である。第3の側部42の内部は、空洞55aを形成している。
【0058】
第1の支柱部49aは、上ユニット4の下面44bから突出して下方に延びるように設けられている。しかし、第1の支柱部49aの先端部94は、めくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央位置の最底線120には達せず、それよりは高い位置に設定されている。なお、第1の支柱部49aの先端部94は、めくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央位置の最底線120を超えて、それよりは低い位置に設定されてもよい。
【0059】
第3の側部42の第3の端部46寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50aが、円弧部を第3の端部46の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50aの幅方向Xの直線部分には、上ユニット4の下面に延びる仕切り板147aが形成されている。仕切り板147aの上部には、引きバネ用固定材51aが設けられている。
【0060】
同様に、第3の側部42の第4の端部48寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50cが、円弧部を第4の端部48の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50cの幅方向Xの直線部分には、上ユニット4の下面に延びる仕切り板147cが形成されている。仕切り板147cの上部には、引きバネ用固定材51cが設けられている。
【0061】
また、第4の側部44は、長さ方向Yの中央部において、内部が空洞の第2の支柱部49bが、上面44aから下面44bの方向(高さ方向Z)に、下面44bから突出して延びるように設けられている。
【0062】
第2の支柱部49bは、横断面が矩形であり、長さ方向Yに対向する面92aと92bとが先端に向かって先細りしている。さらに、第2の支柱部49bの先端部96の外形寸法は、下ユニットの第2の支柱受け部29bの内形寸法より若干小さい相似形寸法である。第4の側部44の内部は、空洞55bを形成している。
【0063】
第2の支柱部49bは、上ユニット4の下面44bから突出して下方に延びるように設けられている。しかし、第2の支柱部49bの先端部96は、めくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央位置の最底線120には達せず、それよりは高く位置に設定されている。なお、第2の支柱部49bの先端部96は、めくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央位置の最底線120を超えて、それよりは低い位置に設定されてもよい。第2の支柱部49bは、第1の支柱部49aと等しい形状である。
【0064】
第4の側部44の第3の端部46寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50bが、円弧部を第3の端部46の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50bの幅方向Xの直線部分には、上ユニット4の下面に延びる仕切り板147bが形成されている。仕切り板147bの上部には、引きバネ用固定材51bが設けられている。
【0065】
同様に、第4の側部44の第4の端部48寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50dが、円弧部を第4の端部48の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50dの幅方向Xの直線部分には、上ユニット4の下面に延びる仕切り板147dが形成されている。仕切り板147dの上部には、引きバネ用固定材51dが設けられている。
【0066】
上ユニット4は、天板40のめくら凹部52、および、第3の側部42の内部に形成された空洞55a、および、第4の側部44の内部に形成された空洞55b、および、天板40の下面側の矩形の仕切り板57および59がそれぞれ形成している空洞55cおよび55dによって軽量化される。
【0067】
さらに、上ユニット4は、長さ方向Yに延びるめくら凹部52、および、矩形の仕切り板57および59、および、幅方向Xに延びる仕切り板147aおよび147bおよび147cおよび147dによって機械的強度が確保されている。
【0068】
以上の構成から成る上ユニット4が、下ユニット2の上に配置されて組み合わされるとき、図6に示すように、上ユニット4の第1の支柱部49aが下ユニット2の第1の支柱受け部29aに挿入されると共に、第2の支柱部49bが第2の支柱受け部29bに挿入される。そして、上ユニット4は、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして揺動可能である。
【0069】
さらに、上ユニット4が、下ユニット2の上に配置されて組み合わされるとき、上ユニット4のめくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央位置の最底線120は、下ユニット2のバンド状テープBTを長さ方向Yに沿って摺動載置する底板20の上面との間に、バンド状テープBTの厚み寸法より若干大きい寸法の隙間が形成されるように設計されている(図7の(A)を参照)。これにより、バンドスリッター1の待機中、バンド状テープBTは、上ユニット4の天板40の下面と下ユニット2の底板20の上面との間を円滑に摺動することができる。
【0070】
(C)スペーサー
次に、スペーサー8aおよび8b(以下、スペーサー8とも称する)について、図17を参照して説明する。図17は、スペーサー8の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図である。
【0071】
スペーサー8は、略矩形状の胴部80と、胴部80の1辺の縁部に組み合された略逆V字形状を形成する一対の脚部82aおよび82bとを有する。胴部80の中央部80aは、4辺の縁部を残して正面側および背面側が凹んでおり、肉厚が薄くなっている。
【0072】
一対の脚部82aおよび82bは、脚部82aと82bとの付け根を支点にして開閉自在である。また、一対の脚部82aおよび82bは、それぞれ、先端部に爪部84aおよび84bを設けている。
【0073】
(D)替え刃
次に、第1の替え刃10a並びに第2の替え刃10bおよび10c(以下、替え刃10とも称する)について、図18を参照して説明する。図18は、替え刃10の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は左側面図である。
【0074】
替え刃10は、胴部が矩形の切り出しタイプのカッターであって、傾斜刃102が先端に形成されている。替え刃10の中央部には、バンドスリッター1の上ユニット4に装着するための円形の取付け穴100が設けられている。
【0075】
第1の替え刃10aは、上ユニット4の第3の端部46の側に配置されている第1の替え刃装着穴56の中に、傾斜刃102を長さ方向Yに平行かつ内側に向けて、前述のスペーサー8aと共に装着される。第1の替え刃10aは、幅方向Xにおいて、バンド状テープBTの中央を切るように配置される。
第2の替え刃10bおよび10cは、上ユニット4の第4の端部48の側に配置されている第2の替え刃装着穴58の中に、傾斜刃102を長さ方向Yに平行かつ内側に向けて、前述のスペーサー8bを間に介在させて装着される。第2の替え刃10bおよび10cは、幅方向Xにおいて、バンド状テープBTの1/3の幅の位置を切るように配置される。第1の替え刃10aと第2の替え刃10bおよび10cとは、傾斜刃102が向き合うように配置される。
【0076】
より具体的には、図7の(A)に示すように、第1の替え刃10aは、下ユニット2の第1の替え刃挿入用穴32aの中央の穴の上方に配置されるように、取付け穴100が横支軸64bに通される。
【0077】
その後、スペーサー8aが、その脚部82aおよび82bの付け根が横支軸64bに跨るように、第1の替え刃装着穴56の中に圧入され、爪部84aおよび84bがそれぞれ第1の替え刃装着穴56の段差部56aおよび56bに係止され、第1の替え刃10aおよびスペーサー8aの両方を横支軸64bに支持固定する。一方、横支軸64aは、スペーサー8aの脚部82aおよび82bの付け根が跨るだけであり、スペーサー8aだけを支持する。すなわち、スペーサー8aは、横支軸64aおよび64bによって支持されている。
【0078】
第2の替え刃10bは、下ユニット2の第2の替え刃挿入用穴32bの第1の側部22の側の穴の上方に配置されるように、取付け穴100が横支軸64cに通される。
【0079】
第2の替え刃10cは、下ユニット2の第2の替え刃挿入用穴32bの第2の側部24の側の穴の上方に配置されるように、取付け穴100が横支軸64dに通される。
【0080】
その後、スペーサー8bが、その脚部82aおよび82bの付け根が横支軸64cおよび64dに跨るように、かつ、第2の替え刃10bと10cとの間に配置されるように、第2の替え刃装着穴58の中に圧入され、爪部84aおよび84bがそれぞれ第2の替え刃装着穴58の段差部58aおよび58bに係止され、第2の替え刃10bおよび10cとスペーサー8bとを横支軸64cおよび64dに支持固定する。すなわち、スペーサー8bは、横支軸64cおよび64dによって支持されている。
【0081】
従って、スペーサー8および替え刃10を容易に取り替えることができる。なお、第1の替え刃の枚数および第2の替え刃の枚数は、第1の実施の形態に限定されるものではなくそれぞれ任意である。
【0082】
(E)弾性体(引きバネ)
以下、弾性体(引きバネ)6aおよび6bおよび6cおよび6d(以下、引きバネ6とも称する)について、図5および図6および図9を参照して説明する。
【0083】
引きバネ6は、コイル軸方向に伸縮するコイル部70と、コイル部70の上端部に設けた取付け輪72aと、コイル部70の下端部に設けた取付け輪72bとを有している。引きバネ6aは、コイル部70が伸びた状態で高さ方向Zに平行にして、取付け輪72aを上ユニット4の引きバネ用固定材51aに引掛けられ、取付け輪72bを下ユニット2の引きバネ用固定材31aに引掛けられる。
【0084】
同様にして、引きバネ6bは、コイル部70が伸びた状態で高さ方向Zに平行にして、取付け輪72aを上ユニット4の引きバネ用固定材51bに引掛けられ、取付け輪72bを下ユニット2の引きバネ用固定材31bに引掛けられる。引きバネ6cは、コイル部70が伸びた状態で高さ方向Zに平行にして、取付け輪72aを上ユニット4の引きバネ用固定材51cに引掛けられ、取付け輪72bを下ユニット2の引きバネ用固定材31cに引掛けられる。引きバネ6dは、コイル部70が伸びた状態で高さ方向Zに平行にして、取付け輪72aを上ユニット4の引きバネ用固定材51dに引掛けられ、取付け輪72bを下ユニット2の引きバネ用固定材31dに引掛けられる。
【0085】
こうして、4つの引きバネ6は、バンドスリッター1の4つの角部を引き付けることができるため、下ユニット2の上に上ユニット4を安定して載置することができる。
【0086】
(F)バンドスリッターによるバンド状テープの切断方法
以上の構成からなるバンドスリッター1を用いて、バンド状テープBTを切断する手順を、図2および図3および図7を参照して説明する。
【0087】
図2は、バンドスリッター1によるバンド状テープBTの長さ方Y向の2等分割を示す斜視図である。図3は、バンドスリッター1によるバンド状テープBTの長さ方向Yの3等分割を示す斜視図である。図7は、バンドスリッター1の図4のB-B断面図であって、(A)は待機時を示し、(B)はバンド状テープBTの2等分割時を示す。
【0088】
図7の(A)に示すように、バンドスリッター1は、待機時、上ユニット4が引きバネ6aおよび6bおよび6cおよび6dによって平衡状態を維持している。すなわち、上ユニット4は、めくら凹部52の外側底面53の長さ方向Yの中央に位置する最底線120に対して、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1の傾きと、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2の傾きとが対称になっている。
【0089】
めくら凹部52の外側底面53の最底線120は、下ユニット2の底板20の上面との間に、バンド状テープBTの厚み寸法より若干大きい寸法の隙間が形成されているため、バンドスリッター1の待機中、バンド状テープBTは、上ユニット4の天板40の下面と下ユニット2の底板20の上面との間を円滑に摺動することができる。
【0090】
そして、2等分割時には、作業者が、上ユニット4の天板40の2分割標識14と下ユニット2の第1の端部26の側の底面とを手で挟んで握ることによって、図2および図7の(B)に示すように、上ユニット4は、引きバネ6aおよび6bのコイルが縮み、かつ、引きバネ6cおよび6dのコイルが伸びて、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして、第3の端部46の側に傾斜する。
【0091】
より具体的には、バンドスリッター1は、長さ方向Yにおいて、上ユニット4の第3の側部42の下面42bの第3の端部46の側の略半分、および、第3の端部46の下面46bの第3の側部42の側の一部が、下ユニット2の第1の側部22の上面22aの第1の端部26の側の略半分に接触し、上ユニット4の第4の側部44の下面44bの第3の端部46の側の略半分、および、第3の端部46の下面46bの第4の側部44の側の一部が、下ユニット2の第2の側部24の上面24aの第1の端部26の側の略半分に接触する。
【0092】
一方、上ユニット4の第3の側部42の下面42bの第4の端部48の側の略半分が、下ユニット2の第1の側部22の上面22aの第2の端部28の側の略半分から離れ(遠ざかり)、上ユニット4の第4の側部44の下面44bの第4の端部48の側の略半分が、下ユニット2の第2の側部24の上面24aの第2の端部28の側の略半分から離れる(遠ざかる)。
【0093】
従って、第1の替え刃10aの刃先は、下ユニット2の第1の替え刃挿入用穴32aの幅方向Xの中央の穴に挿入され、底板20の面より下に貫通することになる。よって、バンド状テープBTを、上ユニット4の第4の端部48と下ユニット2の第2の端部28とが開口している側から、摺動載置路20aの上に差し込んで、もう一方の上ユニット4の第3の端部46と下ユニット2の第1の端部26とが開口している側からバンド状テープBTが出てきた後、前記同様に作業者が、上ユニット4の天板40の2分割標識14と下ユニット2の第1の端部26側の底面とを手で挟んで握り、バンド状テープBTを上ユニット4の第3の端部46と下ユニット2の第1の端部26の方向に引っ張ることによって、第1の替え刃10aによって長さ方向Yに沿って切断可能である。一方、第2の替え刃10bおよび10cは、バンド状テープBTから遠ざかる。
【0094】
上ユニット4のめくら凹部52の外側底面53の傾斜面54a、および、第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板57の底面が形成する、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1は、底板20の上面との間にバンド状テープTBの厚みより若干大きい隙間を有している。この隙間は、バンド状テープTBを撓ませること無く差し込んで押して引っ張ることができる摺動載置路20aを形成する。
【0095】
また、3等分割時には、作業者が、上ユニット4の天板40の3分割標識15と下ユニット2の第2の端部28の側の底面とを手で挟んで握ることによって、図3に示すように、上ユニット4は、引きバネ6aおよび6bのコイルが伸び、かつ、引きバネ6cおよび6dのコイルが縮んで、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして、第4の端部48の側に傾斜する。
【0096】
より具体的には、バンドスリッター1は、長さ方向Yにおいて、上ユニット4の第3の側部42の下面42bの第3の端部46の側の略半分が、下ユニット2の第1の側部22の上面22aの第1の端部26の側の略半分から離れ(遠ざかり)、上ユニット4の第4の側部44の下面44bの第3の端部46の側の略半分が、下ユニット2の第2の側部24の上面24aの第1の端部26の側の略半分から離れる(遠ざかる)。
【0097】
一方、上ユニット4の第3の側部42の下面42bの第4の端部48の側の略半分、および、第4の端部48の下面48bの第3の側部42の側の一部が、下ユニット2の第1の側部22の上面22aの第2の端部28の側の略半分に接触し、上ユニット4の第4の側部44の下面44bの第4の端部48の側の略半分、および、第4の端部48の下面48bの第4の側部44の側の一部が、下ユニット2の第2の側部24の上面24aの第2の端部28の側の略半分に接触する。
【0098】
従って、第1の替え刃10aの刃先は、バンド状テープBTから遠ざかる。一方、第2の替え刃10bおよび10cは、下ユニット2の第2の替え刃挿入用穴32bの幅方向Xの両端の穴にそれぞれ挿入され、底板20を貫通して、摺動載置路20aの上のバンド状テープBTを、差し込む方向(長さ方向Y)に沿って切断可能である。
【0099】
上ユニット4のめくら凹部52の外側底面53の傾斜面54b、および、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板59の底面が形成する、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2は、底板20の上面との間にバンド状テープTBの厚みより若干大きい隙間を有している。この隙間は、バンド状テープTBを撓ませること無く差し込んで押して引っ張ることができる摺動載置路20aを形成する。
【0100】
この結果、バンドスリッター1は、バンド状テープBTの差し込む方向を変えるだけで2等分割(2本割き)および3等分割(3本割き)ができる。
【0101】
以上のように、バンドスリッター1は、設置および組立および調整をする必要なく、バンド状テープBTを摺動載置路20aに差し込み、押して引っ張るだけで手軽に切断加工でき、使い方が簡単である。
【0102】
2.第2の実施の形態
図19は、バンドスリッターの第2の実施の形態を示すものであり、バンド状テープBTを等分に分割するバンドスリッターを示す外観斜視図である。図22は、図19のバンドスリッターの図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)は左側面図である。図23は、バンドスリッターの組み立て斜視図である。図24は、図22のA-A断面図である。図25は、図22のB-B断面図である。図26は、図22のC-C断面図である。図27は、図22のD-D断面図である。図28は、図22のE-E断面図である。図29は、図22のF-F断面図である。
【0103】
なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態のバンドスリッターと同一部品および同一の部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0104】
バンドスリッター401は、バンド状テープBTを摺動載置する、平面視が略矩形状の下ユニット402と、下ユニット402の上に揺動自在に配置されて組み合わされる、平面視が下ユニットと略同じサイズの矩形状の上ユニット404と、下ユニット402の上に上ユニット404を弾性的に連結する4つの弾性体(引きバネ)6aおよび6bおよび6cおよび6dと、上ユニット404に装着される1枚の第1の替え刃10aおよび2枚一組の第2の替え刃10bおよび10cと、を備えている。なお、上ユニット404の平面視は、下ユニットと略同じサイズの矩形状でなくてもよい。
【0105】
(A)下ユニット
以下、下ユニット402の構造について、図30および図31および図32を参照して詳細に説明する。図30は、下ユニット402の平面斜視図である。図31は、下ユニット402の底面斜視図である。図32は、下ユニット402の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はG-G断面図である。
【0106】
下ユニット402は、バンド状テープBTを長さ方向Yに沿って摺動載置する底板20と、幅方向Xに相対する第1の側部22および第2の側部24と、長さ方向Yに相対する第1の端部26および第2の端部28とを有する。第1の側部22および第2の側部24は、幅方向Xに所定の幅寸法を有している。
【0107】
下ユニット402の長さ方向Yに沿って延びる、中央部に位置する底板20は、その上面がバンド状テープBTの摺動載置路20aとして形成されている。摺動載置路20aの一方の端部は、下ユニット402の第1の端部26に形成された第1の開口34aに延びるように配置され、摺動載置路20aの他方の端部は、下ユニット402の第2の端部28に形成された第2の開口34bに延びるように配置されている。
【0108】
底板20の摺動載置路20aの第1の端部26寄りの位置には、すだれ状の細長い3本の第1の替え刃挿入用穴32aが幅方向Xに並設されている。第1の替え刃挿入用穴32aは、底板20に対して有底穴として形成されている。
【0109】
底板20の下面側の内部は空洞36aを有している。底板20の下面の第1の替え刃挿入用穴32aに対応する領域には、第1の替え刃挿入用穴32aを囲むように箱形状の保護カバー433aが設けられている。従って、バンド状テープBTを第1の替え刃10aによって切断する際に、第1の替え刃10aが、第1の替え刃挿入用穴32aの1つ(第2の実施の形態の場合は幅方向Xの中央の穴)に挿入されても、第1の替え刃10aの刃先が保護カバー433aによって覆われているため、不注意で作業者の手を切る心配がなく、安全設計である。
【0110】
保護カバー433aは、第1の実施の形態の場合の保護カバー33aと異なり、摺動載置路20aの第1の端部26に延びる延在部435aを有している。延在部435aは、中央部の円筒部436aと、円筒部436aから四方向に延びる支え板とで構成されている。延在部435aは、保護カバー433aと一緒に、底面側にフラット面を形成している。
【0111】
同様に、底板20の摺動載置路20aの第2の端部28寄りの位置には、すだれ状の細長い3本の第2の替え刃挿入用穴32bが幅方向Xに並設されている。第2の替え刃挿入用穴32bは、底板20に対して有底穴として形成されている。
【0112】
底板20の下面の第2の替え刃挿入用穴32bに対応する領域には、第2の替え刃挿入用穴32bを囲むように箱形状の保護カバー433bが設けられている。従って、バンド状テープBTを第2の替え刃10bおよび10cによって切断する際に、第2の替え刃10bおよび10cが、第2の替え刃挿入用穴32bの2つ(第2の実施の形態の場合は幅方向Xの両側の穴)に挿入されても、第2の替え刃10bおよび10cの刃先が保護カバー433bによって覆われているため、不注意で作業者の手を切る心配がなく、安全設計である。
【0113】
保護カバー433bは、第1の実施の形態の場合の保護カバー33bと異なり、摺動載置路20aの第2の端部28に延びる延在部435bを有している。延在部435bは、中央部の円筒部436bと、円筒部436bから四方向に延びる支え板とで構成されている。延在部435bは、保護カバー433bと一緒に、底面側にフラット面を形成している。
【0114】
延在部435aおよび延在部435bは、第1の実施の形態のバンドスリッター1の不具合を解消するために設けられている。すなわち、第1の実施の形態のバンドスリッター1の場合、替え刃10をバンド状テープBTに押し込むとき、上ユニット4の分割標識14または15と、下ユニット2の底面とを手で握ると、下ユニット2の底面の押し込む面が細い(小さい)ため、指が痛くなるという不具合が生じる。そこで、第2の実施の形態では、延在部435aおよび延在部435bを設けることによって、下ユニット402の底面を肉盛りして広面積のフラット面を新たに形成した。
【0115】
第1の側部22の上面22aは、長さ方向Yにおいて、右肩上がりの傾斜上面122と、第1の支柱受け部29aと、右肩下がりの傾斜上面123とを有している。第1の支柱受け部29aは、右肩上がりの傾斜上面122と右肩下がりの傾斜上面123との間、すなわち、第1の側部22の中央部に位置しており、横断面が矩形のめくら穴になっている。第1の側部22の内部は、空洞36bを形成している。
【0116】
第1の側部22の傾斜上面122の第1の端部26寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30aが、円弧部を第1の端部26の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30aの幅方向Xの直線部分には、下ユニット402の下面に延びる仕切り板137aが形成されている。仕切り板137aの下部には、引きバネ用固定材31aが設けられている。
【0117】
同様に、第1の側部22の傾斜上面123の第2の端部28寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30cが、円弧部を第2の端部28の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30cの幅方向Xの直線部分には、下ユニット402の下面の延びる仕切り板137cが形成されている。仕切り板137cの下部には、引きバネ用固定材31cが設けられている。
【0118】
また、第2の側部24の上面24aは、長さ方向Yにおいて、右肩上がりの傾斜上面125と、第2の支柱受け部29bと、右肩下がりの傾斜上面126とを有している。第2の支柱受け部29bは、右肩上がりの傾斜上面125と右肩下がりの傾斜上面126との間、すなわち、第2の側部24の中央部に位置しており、横断面が矩形のめくら穴になっている。第2の支柱受け部29bは、第1の支柱受け部29aと等しい形状である。第2の側部24の内部は、空洞36cを形成している。
【0119】
第2の側部24の傾斜上面125の第1の端部26寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30bが、円弧部を第1の端部26の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30bの幅方向Xの直線部分には、下ユニット402の下面の延びる仕切り板137bが形成されている。仕切り板137bの下部には、引きバネ用固定材31bが設けられている。
【0120】
同様に、第2の側部24の傾斜上面126の第2の端部28寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴30dが、円弧部を第2の端部28の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴30dの幅方向Xの直線部分には、下ユニット402の下面の延びる仕切り板137dが形成されている。仕切り板137dの下部には、引きバネ用固定材31dが設けられている。
【0121】
(B)上ユニット
次に、上ユニット404の構造について、図33および図34および図35を参照して詳細に説明する。
【0122】
図33は、上ユニット404の平面斜視図である。図34は、上ユニット404の底面斜視図である。図35は、上ユニット404の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は底面図であり、(D)は右側面図であり、(E)はH-H断面図であり、(F)はI-I断面図である。
【0123】
上ユニット404は、バンド状テープBTの弛みを防止する天板440と、高さ方向Zに直交する幅方向Xに相対する第3の側部42および第4の側部44と、高さ方向Zおよび幅方向Xに直交する長さ方向Yに相対する第3の端部46および第4の端部48とを有する。天板440は、第3の側部42と第4の側部44との間に配置されている。第3の側部42および第4の側部44は、それぞれ、幅方向Xに所定の幅寸法を有している。
【0124】
上ユニット404の長さ方向Yに沿って延びる、中央部に位置する天板440は、その上面が、第3の側部42の上面42aおよび第4の側部44の上面44aと同一面を形成している。
【0125】
第3の側部42の下面42bおよび第4の側部44の下面44bおよび第3の端部46の下面46bおよび第4の端部48の下面48bは、同一面を形成している。
【0126】
図34に示すように、上ユニット404を底面側から見ると、天板440の底面側は、長さ方向Yに延びる3枚の仕切り板452aおよび452bおよび452cを設けている。仕切り板452a~452cは、下部(図34では上部)が略2等辺三角形になっている。中央に位置する仕切り板452bは、3つの円筒部456aおよび456bおよび456cに連接している。3つの円筒部456aおよび456bおよび456cからは、それぞれ、幅方向Xに延びる3枚の仕切り板454aおよび454bおよび454cが、仕切り板452bと一緒に四方に延びている。
【0127】
仕切り板452a~452c、および、円筒部456a~456c、および、仕切り板454a~454cは、長さ方向Yの中央位置を最底線120にして、第3の端部46の方向に延びる左肩下がりの傾斜面453aと、第4の端部48の方向に延びる右肩下がりの傾斜面453bとを有している。最底線120は、第3の側部42の下面42bおよび第4の側部44の下面44bから下方に突出して設けられている。後述するように、これらの傾斜面453aおよび傾斜面453bは、バンド状テープBTの搬送時の弛みを防止して円滑な切断を可能にする役割を有する。
【0128】
天板440は、長さ方向Yにおいて、矩形状の第1の替え刃装着穴56と、第1の替え刃装着穴56の矩形サイズより若干小さい第2の替え刃装着穴58とを設けている。第1の替え刃装着穴56は、第3の端部46の側に配設されている。第2の替え刃装着穴58は第4の端部48の側に配設されている。
【0129】
第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板のうち、長さ方向Yに対向する仕切り板の底部には、後述の第1のスペーサー308aおよび308bを係止するための一対の段差部56aおよび56bが設けられている。
【0130】
また、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板のうち、長さ方向Yに対向する仕切り板の底部には、後述の第2のスペーサー338を係止するための段差部58aおよび58bが設けられている。
【0131】
天板440の第3の端部46の近傍には、丸印の2分割標識414が形成されている。丸印の2分割標識414は、バンド状テープBTを2分割する際に、作業者が手で握る側の位置を表わしている。天板440の第4の端部48の近傍には、丸印の3分割標識415が形成されている。丸印の3分割標識415は、バンド状テープBTを3分割する際に、作業者が手で握る側の位置を表わしている。第1の実施の形態のバンドスリッター1の矢印の分割標識14および15の場合は、方向を示しているため、バンド状テープBTを押し込む方向を表わしているのか、または引き出す方向を表わしているのかが判明し難く、2分割されるのか3分割されるのか判別が困難であるという不具合があるからである。
【0132】
2分割標識414が形成されている天板440の裏面側には横断面が矩形の仕切り板57が、第3の端部46に隣接して設けられている。仕切り板57は、第3の端部46の下面から所定寸法だけ突出している。
【0133】
3分割標識415が形成されている天板440の裏面側には横断面が矩形の仕切り板59が、第4の端部48に隣接して設けられている。仕切り板59は、第4の端部48の下面から所定寸法だけ突出している。
【0134】
上ユニット404は、図25の(A)に示すように、長さ方向Yに沿って、天板440の底面の第3の端部46の方向に延びる左肩上がりの傾斜面453a、および、第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板57の底面が、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1を有している。
【0135】
同様に、上ユニット404は、天板440の底面の第4の端部48の方向に延びる右肩上がりの傾斜面453b、および、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板59の底面が、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2を有している。
【0136】
また、上ユニット404は、正面視において、第3の側部42および第4の側部44が、それぞれ、長さ方向Yにおいて長い矩形である。幅方向Xにおいて、第3の側部42と第4の側部44との間には、第1の替え刃装着穴56および第2の替え刃装着穴58が配設されている。
【0137】
第3の側部42は、長さ方向Yの中央部において、内部が空洞の第1の支柱部49aが、上面42aから下面42bの方向(高さ方向Z)に、下面42bから突出して延びるように設けられている。
【0138】
第1の支柱部49aは、横断面が矩形であり、長さ方向Yに対向する面90aと90bとが先端に向かって先細りしている。さらに、第1の支柱部49aの先端部94の外形寸法は、下ユニット402の第1の支柱受け部29aの内形寸法より若干小さい相似形寸法である。第3の側部42の内部は、空洞55aを形成している。
【0139】
第1の支柱部49aは、上ユニット404の下面42bから突出して下方に延びるように設けられている。しかし、第1の支柱部49aの先端部94は、上ユニット404の長さ方向Yの中央位置の最底線120には達せず、それよりは高い位置に設定されている。なお、第1の支柱部49aの先端部94は、上ユニット404の長さ方向Yの中央位置の最底線120を超えて、それよりは低い位置に設定されてもよい。
【0140】
第3の側部42の第3の端部46寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50aが、円弧部を第3の端部46の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50aの幅方向Xの直線部分には、上ユニット404の下面に延びる仕切り板147aが形成されている。仕切り板147aの上部には、引きバネ用固定材51aが設けられている。
【0141】
同様に、第3の側部42の第4の端部48寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50cが、円弧部を第4の端部48の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50cの幅方向Xの直線部分には、上ユニット404の下面に延びる仕切り板147cが形成されている。仕切り板147cの上部には、引きバネ用固定材51cが設けられている。
【0142】
また、第4の側部44は、長さ方向Yの中央部において、内部が空洞の第2の支柱部49bが、上面44aから下面44bの方向(高さ方向Z)に、下面44bから突出して延びるように設けられている。
【0143】
第2の支柱部49bは、横断面が矩形であり、長さ方向Yに対向する面92aと92bとが先端に向かって先細りしている。さらに、第2の支柱部49bの先端部96の外形寸法は、下ユニットの第2の支柱受け部29bの内形寸法より若干小さい相似形寸法である。第4の側部44の内部は、空洞55bを形成している。
【0144】
第2の支柱部49bは、上ユニット404の下面44bから突出して下方に延びるように設けられている。しかし、第2の支柱部49bの先端部96は、上ユニット404の長さ方向Yの中央位置の最底線120には達せず、それよりは高い位置に設定されている。なお、第2の支柱部49bの先端部96は、上ユニット404の長さ方向Yの中央位置の最底線120を超えて、それよりは低い位置に設定されてもよい。第2の支柱部49bは、第1の支柱部49aと等しい形状である。
【0145】
第4の側部44の第3の端部46寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50bが、円弧部を第3の端部46の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50bの幅方向Xの直線部分には、上ユニット404の下面に延びる仕切り板147bが形成されている。仕切り板147bの上部には、引きバネ用固定材51bが設けられている。
【0146】
同様に、第4の側部44の第4の端部48寄りの位置には、半長円形の引きバネ用穴50dが、円弧部を第4の端部48の側に向けて設けられている。半長円形の引きバネ用穴50dの幅方向Xの直線部分には、上ユニット404の下面に延びる仕切り板147dが形成されている。仕切り板147dの上部には、引きバネ用固定材51dが設けられている。
【0147】
上ユニット404は、仕切り板452a~452cと円筒部456a~456cと仕切り板454a~454cの内部に形成された複数の空洞、および、第3の側部42の内部に形成された空洞55a、および、第4の側部44の内部に形成された空洞55b、および、天板40の下面側の矩形の仕切り板57および59がそれぞれ形成している空洞55cおよび55dによって軽量化される。
【0148】
さらに、上ユニット404は、仕切り板452a~452cと円筒部456a~456cと仕切り板454a~454cとで形成された補強仕切り構造、および、矩形の仕切り板57および59、および、幅方向Xに延びる仕切り板147aおよび147bおよび147cおよび147dによって機械的強度が確保されている。
【0149】
以上の構成から成る上ユニット404が、下ユニット402の上に配置されて組み合わされるとき、図24に示すように、上ユニット404の第1の支柱部49aが下ユニット402の第1の支柱受け部29aに挿入されると共に、第2の支柱部49bが第2の支柱受け部29bに挿入される。そして、上ユニット404は、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして揺動可能である。
【0150】
さらに、上ユニット404が、下ユニット402の上に配置されて組み合わされるとき、上ユニット404の天板440の下面の長さ方向Yの中央位置の最底線120は、下ユニット402のバンド状テープBTを長さ方向Yに沿って摺動載置する底板20の上面との間に、バンド状テープBTの厚み寸法より若干大きい寸法の隙間が形成されるように設計されている(図25の(A)を参照)。これにより、バンドスリッター401の待機中、バンド状テープBTは、上ユニット404の天板440の下面と下ユニット402の底板20の上面との間を円滑に摺動することができる。
【0151】
(C)スペーサー
次に、第1のスペーサー308aおよび308b(以下、第1のスペーサー308とも称する)について、図36を参照して説明する。図36は、第1のスペーサー308の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は背面図である。
【0152】
第1のスペーサー308は、略矩形状の胴部318と、胴部318の1辺の縁部に組み合された略逆V字形状を形成する一対の脚部320aおよび320bとを有する。胴部318の中央部318aは、4辺の縁部を残して正面側が凹んでおり、肉厚が薄くなっている。
【0153】
一対の脚部320aおよび320bは、脚部320aと320bとの付け根を支点にして開閉自在である。胴部318の背面側の脚部320aと320bとの付け根の位置には、第1の替え刃10aを装着するための半円形の横支軸324が設けられている。また、一対の脚部320aおよび320bは、それぞれ、先端部に爪部322aおよび322bを設けている。
【0154】
次に、第2のスペーサー338について、図37を参照して説明する。図37は、第2のスペーサー338の図面であって、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は右側面図であり、(D)は背面図である。
【0155】
第2のスペーサー338は、略矩形状の胴部348と、胴部348の1辺の縁部に組み合された略逆V字形状を形成する一対の脚部350aおよび350bとを有する。胴部348の中央部348aは、4辺の縁部を残して正面側および背面側が凹んでおり、肉厚が薄くなっている。
【0156】
一対の脚部350aおよび350bは、脚部350aと350bとの付け根を支点にして開閉自在である。胴部348の正面側および背面側の脚部350aと350bとの付け根の位置には、第2の替え刃10bおよび10cを装着するための断面が十字形の横支軸354aおよび354bが設けられている。また、一対の脚部350aおよび350bは、それぞれ、先端部に爪部352aおよび352bを設けている。
【0157】
(D)替え刃
第1の替え刃10a並びに第2の替え刃10bおよび10c(以下、替え刃10とも称する)は、第1の実施の形態で説明したものと同様のものであり、その構成については省略する。
【0158】
図23に示すように、第1の替え刃10aは、第1のスペーサー308aと308bとの間に挟まれた状態で、上ユニット404の第3の端部46の側に配置されている第1の替え刃装着穴56の中に、傾斜刃102を長さ方向Yに平行かつ内側に向けて装着される。第1の替え刃10aは、下ユニット2の第1の替え刃挿入用穴32aの中央の穴の上方に、幅方向Xにおいてバンド状テープBTの中央を切るように配置される。
【0159】
第2の替え刃10bおよび10cは、その間に第2のスペーサー338を挟んだ状態で、上ユニット404の第4の端部48の側に配置されている第2の替え刃装着穴58の中に、傾斜刃102を長さ方向Yに平行かつ内側に向けて装着される。第2の替え刃10bおよび10cは、幅方向Xにおいて、バンド状テープBTの1/3の幅の位置を切るように配置される。第1の替え刃10aと第2の替え刃10bおよび10cとは、傾斜刃102が向き合うように配置される。
【0160】
より具体的には、第1の替え刃10aは、背面側が向い合せになっている第1のスペーサー308aおよび308bとの間に配置され、第1のスペーサー308aおよび308bのそれぞれの半円形の横支軸324に、取付け穴100が通される。背面側が向い合せになっている第1のスペーサー308aおよび308bのそれぞれの半円形の横支軸324は、組み合わさって円形の横支軸を形成する。
【0161】
その後、第1のスペーサー308aおよび308bと一緒に第1の替え刃10aが、第1の替え刃装着穴56の中に圧入され、爪部322aおよび322bがそれぞれ第1の替え刃装着穴56の段差部56aおよび56bに係止され、上ユニット404に支持固定される。
【0162】
一方、第2の替え刃10bは、下ユニット2の第2の替え刃挿入用穴32bの第1の側部22の側の穴の上方に配置される。第2の替え刃10cは、下ユニット2の第2の替え刃挿入用穴32bの第2の側部24の側の穴の上方に配置される。そして、第2の替え刃10bは、第2のスペーサー338の横支軸354aに取付け穴100が通され、第2の替え刃10cは、第2のスペーサー338の横支軸354bに取付け穴100が通される。
【0163】
その後、第2のスペーサー338と一緒に第2の替え刃10bおよび10cが、第2の替え刃装着穴58の中に圧入され、爪部352aおよび352bがそれぞれ第2の替え刃装着穴58の段差部58aおよび58bに係止され、上ユニット404に支持固定される。
【0164】
従って、替え刃10を容易に取り替えることができる。なお、第1の替え刃の枚数および第2の替え刃の枚数は、第2の実施の形態に限定されるものではなくそれぞれ任意である。
【0165】
(E)弾性体(引きバネ)
弾性体(引きバネ)6は、第1の実施の形態で説明したものと同様のものであり、その構成については省略する。
【0166】
4つの引きバネ6は、バンドスリッター401の4つの角部を引き付けることができるため、下ユニット402の上に上ユニット404を安定して載置することができる。
【0167】
(F)バンドスリッターによるバンド状テープの切断方法
以上の構成からなるバンドスリッター401を用いて、バンド状テープBTを切断する手順を、図20および図21および図25を参照して説明する。
【0168】
図20は、バンドスリッター401によるバンド状テープBTの長さ方Y向の2等分割を示す斜視図である。図21は、バンドスリッター401によるバンド状テープBTの長さ方向Yの3等分割を示す斜視図である。図25は、バンドスリッター401の図22のB-B断面図であって、(A)は待機時を示し、(B)はバンド状テープBTの2等分割時を示す。
【0169】
図25の(A)に示すように、バンドスリッター401は、待機時、上ユニット404が引きバネ6aおよび6bおよび6cおよび6dによって平衡状態を維持している。すなわち、上ユニット404は、長さ方向Yの中央に位置する最底線120に対して、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1の傾きと、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2の傾きとが対称になっている。
【0170】
最底線120は、下ユニット402の底板20の上面との間に、バンド状テープBTの厚み寸法より若干大きい寸法の隙間が形成されているため、バンドスリッター401の待機中、バンド状テープBTは、上ユニット404の天板440の下面と下ユニット402の底板20の上面との間を円滑に摺動することができる。
【0171】
そして、2等分割時には、作業者が、上ユニット404の天板440の丸印の2分割標識414と下ユニット402の第1の端部26の側の底面とを手で挟んで握ることによって、図20および図25の(B)に示すように、上ユニット404は、引きバネ6aおよび6bのコイルが縮み、かつ、引きバネ6cおよび6dのコイルが伸びて、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして、第3の端部46の側に傾斜する。
【0172】
より具体的には、バンドスリッター401は、長さ方向Yにおいて、上ユニット404の第3の側部42の下面42bの第3の端部46の側の略半分、および、第3の端部46の下面46bの第3の側部42の側の一部が、下ユニット402の第1の側部22の上面22aの第1の端部26の側の略半分に接触し、上ユニット404の第4の側部44の下面44bの第3の端部46の側の略半分、および、第3の端部46の下面46bの第4の側部44の側の一部が、下ユニット402の第2の側部24の上面24aの第1の端部26の側の略半分に接触する。
【0173】
一方、上ユニット404の第3の側部42の下面42bの第4の端部48の側の略半分が、下ユニット402の第1の側部22の上面22aの第2の端部28の側の略半分から離れ(遠ざかり)、上ユニット404の第4の側部44の下面44bの第4の端部48の側の略半分が、下ユニット402の第2の側部24の上面24aの第2の端部28の側の略半分から離れる(遠ざかる)。
【0174】
従って、第1の替え刃10aの刃先は、下ユニット402の第1の替え刃挿入用穴32aの幅方向Xの中央の穴に挿入され、底板20を貫通する。そして、バンド状テープBTを、上ユニット404の第4の端部48と下ユニット402の第2の端部28とが開口している側から、摺動載置路20aの上に差し込んで、第1の替え刃10aによって長さ方向Yに沿って切断可能である。一方、第2の替え刃10bおよび10cは、バンド状テープBTから遠ざかる。
【0175】
上ユニット404の天板440の底面の第3の端部46の方向に延びる左肩上がりの傾斜面453a、および、第1の替え刃装着穴56を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板57の底面が形成する、第3の端部46の方向に延びる同一の左肩上がりの第1の傾斜面S1は、底板20の上面との間にバンド状テープTBの厚みより若干大きい隙間を有している。この隙間は、バンド状テープTBを撓ませること無く差し込んで押して引っ張ることができる摺動載置路20aを形成する。
【0176】
また、3等分割時には、作業者が、上ユニット404の天板440の3分割標識415と下ユニット402の第2の端部28の側の底面とを手で挟んで握ることによって、図21に示すように、上ユニット404は、引きバネ6aおよび6bのコイルが伸び、かつ、引きバネ6cおよび6dのコイルが縮んで、第1の支柱受け部29aに挿入された第1の支柱部49aの先端部94と第2の支柱受け部29bに挿入された第2の支柱部49bの先端部96とを通る軸(幅方向Xに平行な軸)GKを支軸にして、第4の端部48の側に傾斜する。
【0177】
より具体的には、バンドスリッター401は、長さ方向Yにおいて、上ユニット404の第3の側部42の下面42bの第3の端部46の側の略半分が、下ユニット402の第1の側部22の上面22aの第1の端部26の側の略半分から離れ(遠ざかり)、上ユニット404の第4の側部44の下面44bの第3の端部46の側の略半分が、下ユニット402の第2の側部24の上面24aの第1の端部26の側の略半分から離れる(遠ざかる)。
【0178】
一方、上ユニット404の第3の側部42の下面42bの第4の端部48の側の略半分、および、第4の端部48の下面48bの第3の側部42の側の一部が、下ユニット402の第1の側部22の上面22aの第2の端部28の側の略半分に接触し、上ユニット404の第4の側部44の下面44bの第4の端部48の側の略半分、および、第4の端部48の下面48bの第4の側部44の側の一部が、下ユニット402の第2の側部24の上面24aの第2の端部28の側の略半分に接触する。
【0179】
従って、第1の替え刃10aの刃先は、バンド状テープBTから遠ざかる。一方、第2の替え刃10bおよび10cは、下ユニット402の第2の替え刃挿入用穴32bの幅方向Xの両端の穴にそれぞれ挿入され、底板20を貫通して、摺動載置路20aの上のバンド状テープBTを、差し込む方向(長さ方向Y)に沿って切断可能である。
【0180】
上ユニット404の天板440の底面の第4の端部48の方向に延びる右肩上がりの傾斜面453b、および、第2の替え刃装着穴58を形成する略矩形の仕切り板の底面、および、横断面が矩形の仕切り板59の底面が形成する、第4の端部48の方向に延びる同一の右肩上がりの第2の傾斜面S2は、底板20の上面との間にバンド状テープTBの厚みより若干大きい隙間を有している。この隙間は、バンド状テープTBを撓ませること無く差し込んで押して引っ張ることができる摺動載置路20aを形成する。
【0181】
この結果、バンドスリッター401は、バンド状テープBTの差し込む方向を変えるだけで2等分割(2本割き)および3等分割(3本割き)ができる。
【0182】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。例えば、図38は、弾性体の変形例を示す模式透視正面図であって、(A)は図1に示した引きバネを示し、(B)はコイルバネを示し、(C)はキックバネを示す。なお、弾性体は、樹脂成型形状でもよい。
【0183】
図38の(B)のコイルバネ206を使用したバンドスリッター1Aの場合は、コイルバネ206が縮んだ状態で下ユニット2の上に上ユニット4を安定して載置する。下ユニット2と上ユニット4とは、ピボット軸200を介して組み付けられ、上ユニット4は、下ユニット2の上にピボット軸200を支軸にして揺動可能である。
【0184】
図38の(C)のキックバネ(または板バネ)216を使用したバンドスリッター1Bの場合は、キックバネ216が圧縮した状態で下ユニット2の上に上ユニット4を安定して載置する。下ユニット2と上ユニット4とは、ピボット軸210を介して組み付けられ、上ユニット4は、下ユニット2の上にピボット軸210を支軸にして揺動可能である。
【0185】
また、本実施の形態は、バンド状テープを長さ方向に等分割する例について説明したけれども、バンド状テープを長さ方向に不等分割するものであってもよい。
【0186】
また、バンド状テープは、摺動載置路20aの幅と略同じ幅を有するものに限定されず、摺動載置路20aより幅の小さいものであってもよい。
【0187】
さらに、第1の替え刃および第2の替え刃は、スペーサーを介在させて上ユニットに装着されているが、これに限定されず、上ユニットと一体に固着されていてもよい。
【符号の説明】
【0188】
1、1A、1B バンドスリッター
2 下ユニット
4 上ユニット
6a、6b、6c、6d 引きバネ
8a、8b スペーサー
10a 第1の替え刃
10b、10c 第2の替え刃
14 2分割標識
15 3分割標識
20 底板
20a 摺動載置路
22 第1の側部
22a 上面
24 第2の側部
24a 上面
26 第1の端部
28 第2の端部
29a 第1の支柱受け部
29b 第2の支柱受け部
30a、30b、30c、30d 引きバネ用穴
31a、31b、31c、31d 引きバネ用固定材
32a 第1の替え刃挿入用穴
32b 第2の替え刃挿入用穴
33a、33b 保護カバー
34a 第1の開口
34b 第2の開口
36a、36b、36c 空洞
40 天板
42 第3の側部
42a 上面
42b 下面
44 第4の側部
44a 上面
44b 下面
46 第3の端部
46b 下面
48 第4の端部
48b 下面
49a 第1の支柱部
49b 第2の支柱部
50a、50b、50c、50d 引きバネ用穴
51a、51b、51c、51d 引きバネ用固定材
52 めくら凹部
53 外側底面
54a、54b 傾斜面
55a、55b、55c、55d 空洞
56 第1の替え刃装着穴
56a、56b 段差部
57 仕切り板
58 第2の替え刃装着穴
58a、58b 段差部
59 仕切り板
64a、64b、64c、64d 横支軸
70 コイル部
72a、72b 取付け輪
80 胴部
80a 胴部の中央部
82a、82b 脚部
84a、84b、爪部
90a、90b、92a、92b 対向する面
94 第1の支柱部の先端部
96 第2の支柱部の先端部
100 取付け穴
102 傾斜刃
120 最底線
122、123、125、126 傾斜上面
135a、135b 仕切り板
137a、137b、137c、137d 仕切り板
147a、147b、147c、147d 仕切り板
200、210 ピボット軸
206 コイルバネ
216 キックバネ(または板バネ)
308a、308b 第1のスペーサー
318 胴部
318a 胴部の中央部
320a、320b 脚部
322a、322b 爪部
324 横支軸
338 第2のスペーサー
348 胴部
348a 胴部の中央部
350a、350b 脚部
352a、352b 爪部
354a、354b 横支軸
401 バンドスリッター
402 下ユニット
404 上ユニット
414 2分割標識
415 3分割標識
433a、433b 保護カバー
435a、435b 延在部
436a、436b 円筒部
440 天板
452a、452b、452c 仕切り板
453a、453b 傾斜面
454a、454b、454c 仕切り板
456a、456b、456c 円筒部
BT バンド状テープ
GK 軸
S1 第1の傾斜面
S2 第2の傾斜面
X 幅方向
Y 長さ方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38