(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073171
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】折り畳み文書作成システム
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20230518BHJP
B42D 15/04 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B42D15/00 341E
B42D15/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021197358
(22)【出願日】2021-11-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ミウラ折り
(71)【出願人】
【識別番号】591048139
【氏名又は名称】三浦 公亮
(71)【出願人】
【識別番号】521528942
【氏名又は名称】齊藤 忠光
(71)【出願人】
【識別番号】521528953
【氏名又は名称】三浦 律
(72)【発明者】
【氏名】三浦 公亮
(57)【要約】 (修正有)
【課題】二次元の広がりを本質とする文書(地図、図形情報等)を主対象とし、それを折り畳み文書に変換するシステム。
【解決手段】地図を代表とする二次元の情報データを、ソースからユーザーパソコンにダウンロードし、これを本質的にミウラ折りに変換容易に加工されたプリント用紙に印刷し、素手でミウラ折り(登録商標)への変換を可能とし、本質的に紙の物理的移動なしに、地図等の二次元情報を、折り畳み文書に変換するシステムを提供する。
・データをダウンロードするユーザー・コンピュータと、同データを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換する。
・ユーザー・コンピュータに記録された二次元情報のデータを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元情報のデータを、折り畳み文書に変換する課題にたいして、データをダウンロードするユーザー・コンピュータと、同データを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換する。
【請求項2】
ユーザー・コンピュータに記録された二次元情報のデータを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元の広がりを本質とする文書(地図、図形情報等)を主対象とし、それを折り畳み文書に変換するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙での展開構造物の研究過程で、独特の展開特性を有する多面体面、Developable Double Corrugation Surface(DDC面)が発見された。(非特許文献1、2)。その説明のため作られた紙モデルが、Olivetti社のSPAZIOにVeneziaの地図として掲載され、そのモデルは、ICA-Tokyo 1989で配布された。ICAに参加した英国のレポーターにより科学誌に、折畳み地図、Miura-ori と紹介された。本明細書では、DDC面とミウラ折りとが混在するが、それは力学的に見る場合はDDC,利用を考えるときはミウラ折りとしよう。
【0003】
ミウラ折りiは、その優れた折り畳み特性により、紙地図の一ジャンルとして、受け入れられてきた。しかし、互いに連動する折りの製造過程は難しく、量産は低いレベルに留まっている。この主題に関連して、2017年の本誌に、齊藤は、「紙地図の供給にミウラ折り地図を考える」(非特許文献3)と題する随想・意見の中で、ミウラ折りとデジタル・マッピングの連携する、ビジネス・モデルの構想を述べている。この概念は、ミウラ折りを独立したものではなく、大きなシステムの中で、その特性を生かすという方向に、一つの指針を示した。
【0004】
しかし、そのビジネス・モデルにしても、システムの中に、物の物理的移動の要素が存在し、対する電子的移動のシステムの優位は動かない。 視認性、携帯性、書き込み可能等の紙地図 そして、折り畳み地図、の可能性は無いのだろうか。
【0005】
本発明の目的は、すでに発表された、特殊なプリント用紙によって、二次元情報(地図、画像、図面等)を、物の物理的移動無で、ユーザーのデスク上のパソコン、プリンターで出力し、直ちにミウラ折りに変換できるシステムを提供するにある。
【0006】
【0007】
【0008】
【非特許文献1】Miura,K & Pellegrino,S.Forms and Concepts for Lightweight Structures,Cambridge University Press、2020,Chapter 7.
【0009】
【非特許文献2】Miura,K.(1978).The fan of map folding:a novel design by Euclidian geometry,(地図を折る楽しみ),SPAZIO,vol.9,No.3,Olivetti Japan.
【0010】
【非特許文献3】三浦公亮:ミウラ折り変換の発見と紙地図、地
図54(3):62-67
【0011】
【非特許文献4】齊藤忠光:紙地図の供給にミウラ折り地図を考える、地
図55、(2):33-36
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
1:二次元情報のデータソースを、ユーザー・コンピュータにロードする。2:プリンターで用紙に印刷、3。印刷後、ミウラ折り形態に変換するシステムを課題とする。
【発明の開示】
【発明が解決する為の手段】
【0013】
二次元情報のデータを、折り畳み文書に変換する課題にたいして、データをダウンロードするユーザー・コンピュータと、同データを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換して、課題を解決する。
【0014】
ユーザー・コンピュータに記録された二次元情報のデータを印刷するプリンターと、ミウラ折り変換を容易にする特殊プリント用紙、からなるシステムにより、プリント出力をミウラ折りに変換して、課題を解決する。
【発明の効果】
【0015】
上記システムを、簡単な抽象図形で示す(
図1)。
図中、データの電気的移動を破線で、物理的流れを直線でしめす。一覧して、全体の流れは自明であるが、そのステップを一応説明する。
1.データソースから、データをパソコンにダウンロードする。
2.同データを、プリンターにより、特殊プリント用紙に印刷する。
3.印刷された用紙を、マニュアルでミウラ折りに変換する。
(パソコンにすでに内蔵するデータは、最初のステップは省略される。)
【0016】
前記特殊プリント用紙とは、特願2021-127827、及び、実願―2021-3322に記載されている、プリント用紙である(
図2)。その「変換」の性質の説明は、前記、特許文献1及び2に詳細に述べられている。
【0017】
しかし、また別の視点で、変換を説明することは、内蔵する現象の理解に参考になると思われるので、ここに述べる。これまで、手動でも、機械でも、ミウラ折り制作を難しくしてきた最大の理由は、「折り目=ヒンジ」という幻想と思われる。ミウラ折りの原点となったDDC面は、限りなく薄い、つまり板厚ゼロの平板の解である。従って、空間的に稜線あるいは谷間の「折り目」の剛性はゼロである。換言すれば理論的な折り目は、完璧な回転ヒンジ、しかも抵抗が無いのである。
【0018】
その故、その一部に加えられた変形(折り)は、DDC面の本質である1自由度の性質により瞬時に減衰しないで、全領域に広がる。通常の折り紙モデルでは、その一部での変形は、その近傍にしか伝わらない。その理由は、「折り目」は理想的な回転ヒンジではないからである。この事実を認識すれば、一つの効果的な手法が見えてくる。つまり折り目の位置を、スリット加工により、回転ヒンジ特性を明確に持たせることである。前記特許文献1及び2に記載された、プリント用紙は、そのように設計されている。その結果は、該プリント用紙は、プリント後、その一部を折ることにより、理想的に全域とはいかないが、近傍の折り目にしかるべき山折り、谷折りの選択を示す。これにより、容易にミウラ折りを折り進めることが出来るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例0019】
図1:本発明のシステム図である。
図2:用紙の平行四辺形群のすべての辺が、スリットで形成されている。(平面図)
図3:ミウラ折り変換の推移を示す斜視図である。
ウエブ地図は、現在の優れた情報技術により、すでに大きな広がりを持ち、またその使い方も多様に進化しつつある。その一つの例として、YAMAPという、ビジネスサイトが存在する。登山前に地図をスマホにダウンロードしておけば、山も自分の位置が確認出来る等で、評判がよい。また、フルカラーで等高線が見易い地図を見ることがきる。しかし、スマホ等の小さい画面では、全体像を見ることが出来ない。そこで、通常はダウンロードした画像を紙にプリントアウトする機能が使える。そこで、この地図を大きくプリントし、これを本発明に示される地図用紙にプリントし、個人でミウラ折りに変換して携帯すれば非常に便利である。これまでは、それを単に普通に折り畳むことしか考えられないが、本発明による用紙にプリントすれば、これを直ちにミウラ折りに変換できる。
二次元情報のデータを、折り畳み文書に変換する課題に答える、データをダウンロードするコンピューターと、同データを印刷するプリンターと、ミウラ折りの折り目相当位置全てに筋押し加工した用紙の構成により、プリンター出力の、ユーザーによる容易なミウラ折り変換を可能とするシステム。
二次元情報のデータを、折り畳み文書に変換する課題に答える、データを内蔵するコンピューターと、同データを印刷するプリンターと、ミウラ折りの折り目相当位置全てに筋押し加工した用紙の構成により、プリンター出力の、ユーザーによる容易なミウラ折り変換を可能とするシステム。