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  • 特開-水陸両用船 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073173
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】水陸両用船
(51)【国際特許分類】
   B63H 5/02 20060101AFI20230518BHJP
   B60F 3/00 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B63H5/02
B60F3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021198123
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】521531436
【氏名又は名称】株式会社新製品開発研究所
(72)【発明者】
【氏名】守分 巧
(57)【要約】
【課題】水害時のような泥水及び低水深、水中の突起物が想定されるような状況下では従来の船外機、ウオータージェット推進を用いた船を運用する事が困難である。また直接陸上に上がる事が出来ないため救助者の揚陸にも時間が掛かる。
【解決手段】本発明は上述の問題点を解決すべく駆動車輪と一体になった水掻羽を設ける事により、水上も陸上も走行可能な船を用いて解決しようとするものである。また柔軟性を持った水掻羽により万一水中の突起物と接触しても損傷の可能性が少なく、旋回半径も小さくする事を特徴とするものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に車輪を設け、その車輪と一体になった水掻羽を設ける事により推進力を得る事を特徴とする水陸両用船。
【請求項2】
水掻羽の材質に柔軟性を持たせる事により、水上及び陸上走行時に異物と接触しても損傷を受けない事を特徴とした請求項1の水陸両用船。
【請求項3】
水掻車の外側部に任意の角度を設けることにより回転時に横方向の推力を得る事を特徴とした請求項1の水陸両用船
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に水害時において孤立した人員の救助に使用する事を目的とした水陸両用船に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水害時の救助活動において良く目にするのは被災者を載せたゴムボートを数名の救助者が腰の辺りまで水に漬かりながら引っ張ったり押したりして移動している光景であるが、これは水面下にマンホールの蓋が開いていたり溝があったりで危険な作業である事が現状である。
【0003】
この様な現場では泥水及び低水深、水中の突起物が想定され従来の船外機は突起物との接触は勿論、泥水が冷却系統に入ってオーバーヒートする可能性があり、ウオータージェット推進でも同様で吸入口から異物を吸い込んだり、同じくオーバーヒートの可能性があるので使用する事が難しい。
【0004】
また救助者を揚陸させる場合、ボートから陸上まで、抱き抱えたり背負ったりして救助している現状がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の問題点を解決して、より安全により効率良く救助活動行う事を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の問題点を解決すべく駆動車輪と一体になった水掻羽を設ける事により、水上も陸上も走行可能な船を用いて解決しようとするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は水上では駆動車輪と一体になった水掻羽の推力で前後進及び旋回を行うと共に、被災者を揚陸させる場合は、そのまま斜路を利用して車輪により陸上に上る事が出来る為、救助活動をより効率よく行う事を可能とするものである。
【0008】
また万一水上走行時に水中の突起物等と接触した場合でもタイヤと柔軟性を持った水掻羽を持つ事により衝撃も少なく、推進装置が破損する可能性が低い。
【0009】
水害の浸水時における泥水の中を走行する場合でも冷却水を水中から取って無いため、エンジンのオーバーヒートの心配が無い。またウオータージェット推進のように給水口から異物を吸い込む事も無い。
【0010】
特に災害時の水面走行で説明したが、この様な特徴を持つ為、荷物の運搬及び港湾工事等に於いても有効な事は言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】は本発明を実施した状態の水陸両用船の平面図
図2】は水陸両用船の水上走行時の側面図
図3】は水陸両用船の陸上時を表す側面図
図4】は車輪及び水掻羽の斜視図
図5】は水掻羽の横方向に推力を発生した状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例0012】
以下本発明を実施例によって説明する。
図1は本発明を実施した状態の水陸両用船の平面図で、船体1にエンジン2、油圧ポンプ3が設けられ、船体後方に油圧モーター4、駆動輪5、駆動輪5には水掻羽6が取り付けられて、それが回転することにより推力を得ることが出来ると共に陸上走行を可能にする。また前方には操舵輪7が取付けられている。
【0013】
図2は水陸両用船の水上走行時を表す側面図で水掻羽6が回転する事により推力を得て前進及び後進する。言うまでも無く、左右の駆動輪5は左右別々に任意の速度で回転することも可能である。
【0014】
図3は水陸両用船の陸上走行時を表す側面図で駆動輪5、操舵輪7により陸上走行を可能とする。
【0015】
図4は駆動輪5と水掻羽6の状態を表す斜視図で、実施例では駆動輪5の外側に水掻羽6が取付けられた状態で説明するが、駆動輪5の内側に水掻羽6が取付けられた状態でも良いことは言うまでもない。
【0016】
イは水掻羽6の先端が任意の角度に稼働出来るようにした状態を表す斜視図で、この状態で回転する事により側方に推力を発生する事が出来、急激な旋回を可能とする。
【0017】
ロは水掻羽6の先端部を更に柔軟性を持たせる事により、その回転時に水掻羽がしなり、それにより横方向の視力をえた状態を示す斜視図である。
【0018】
本実施例では駆動輪5を油圧で駆動する例で説明したが、電動等で駆動しても良いことは言うまでもない。またその駆動部を前方に設けたり、前後に設けて全輪駆動にしても良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
上述のように本発明を実施した水陸両用船は泥水及び低水深の中でも自由に動く事が出来ると共に陸上にも上がる事が出来るので水害時の救助船として非常に有用であると共に作業船としての使用も有効である。
【符号の説明】
【0020】
1 船体
2 エンジン
3 油圧ポンプ
4 油圧モーター
5 駆動輪
6 水掻羽
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1】は本発明を実施した状態の水陸両用船の平面図
図2】は水陸両用船の水上走行時の側面図
図3】は水陸両用船の陸上時を表す側面図
図4】は車輪及び水掻羽の斜視図