(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073218
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】自動車の窓用のブラインド装置
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20230518BHJP
A47H 23/00 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B60J3/00 F
B60J3/00 J
A47H23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179661
(22)【出願日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2021185604
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521421654
【氏名又は名称】森田 裕一
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森田 裕一
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA06
2E182AB03
2E182AC01
2E182BB04
2E182BB09
2E182CC01
2E182DF02
(57)【要約】
【課題】自動車の窓枠に簡便に着脱可能であって、走行時の振動や車内温度の上昇で容易に外れたりせず、且つ車内や窓枠に傷をつけたりすることもなく、確実に車内の目隠しを行うことが可能な自動車の窓用のブラインド装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる自動車の窓用のブラインド装置は、自動車の窓枠2に対して表面が車内を向くように車内側から取り付けられて車内の目隠しを行うシート体3と、シート体3の縁に設けられた接合部4Fと、基端側が接合部4Fに接合し且つ先端側がシート体3の縁から突出状となるように配設される取り付け片9とを有し、取り付け片9の先端部が、車内側において窓枠2と窓ガラス5との隙間に差し込まれることで、窓枠2にシート体3が取り付く構造とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の窓枠に対して表面が車内を向くように車内側から取り付けられて車内の目隠しを行うシート体と、前記シート体の縁に設けられた接合部と、基端側が前記接合部に接合し且つ先端側が前記シート体の縁から突出状となるように配設される取り付け片とを有し、
前記取り付け片の先端部が、車内側において窓枠と窓ガラスとの隙間に差し込まれることで、前記窓枠にシート体が取り付く構造とされている
ことを特徴とする自動車の窓用のブラインド装置。
【請求項2】
前記接合部は、前記シート本体の表面の全周縁に設けられた面ファスナであり、
前記取り付け片は、前記面ファスナの少なくとも1箇所以上に配設されることを特徴とする請求項1に記載の自動車の窓用のブラインド装置。
【請求項3】
前記取り付け片は、前記シート体の全周縁の少なくとも1箇所以上に、直接取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車の窓用のブラインド装置。
【請求項4】
前記シート体には、当該シート体の保形を図るための芯材が1又は複数箇所に取り付けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動車の窓用のブラインド装置。
【請求項5】
前記シート体が布体で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の自動車の窓用のブラインド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車の窓やトラックの運転室の窓等に取付けることで、車内を覗き見られることを防いだり、外部から侵入する光や熱線を遮蔽したりするブラインド装置であり、窓に対して着脱自在とされているブラインド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用車やトラック(以降、総称して自動車と呼ぶ)の窓の内側に設置されるカーテンとしては、窓ガラスの上縁に沿って設けた吊金具にレース編み等のカーテン本体を通したものがあった。このカーテンにより、車外からの覗き見や光の侵入などをある程度、防ぐことが可能となっていた。
【0003】
さて、昨今のキャンプブームには眼を見張るものがあり、キャンプを楽しむ人が増加していることは周知の通りである。キャンプといっても森や海岸などにテントを設営して寝泊まりする人だけではなく、バン型の車に車中泊をする人も増え、キャンピングカーの普及も目覚ましいものとなっている。
【0004】
これら自動車に車中泊をする際に、夜間など外部からの覗き見を防ぎ、車内のプライバシーを維持するために、窓にカーテンをすることが行われている。このカーテンは、単に外部からの覗き見を防止するのみならず、昼間であれば、太陽光を遮断して車内の温度上昇を防ぐことにも寄与するものとなる。
【0005】
このようなカーテン(ブラインド装置)に関する技術として、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1には、ゴム又はプラスチックを主材料とする適宜厚さのシ-トを、自動車の窓枠をほぼ覆い、窓枠の横幅よりも若干長目に裁断して成るシ-トの両端に適宜幅の面ファスナを取り付けた構造を有するカーテンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたカーテンは、このカーテンの両端に適宜幅の面ファスナを取り付けた構造を有していて、窓枠側に接着剤などで貼り付けられた面ファスナに対して取り付くことで、窓にカーテンを設置することが可能になっているものである。
【0008】
とはいえ、面ファスナのような「カーテンを設置するための部材」を車に接着剤や粘着テープで取り付けるに際しては、以下に示す難点が存在する。
【0009】
例えば、(1)車内の熱(特に真夏時)による接着剤や粘着テープの軟化による剥がれや脱落などが発生する。(2)窓枠側の面ファスナを何度も繰り返して外したり、付け替えたりすることができず、微妙な位置調整などを行うには不都合が生じる。(3)窓枠に設けられた面ファスナを取り外し後に、粘着剤や粘着テープの痕や残留物が残り、除去が困難となる等がある。
【0010】
一方で、カーテン自体やカーテンを吊るすためのレールなどを窓枠に取り付ける事も考えられる。この場合、窓枠にレールをビスやネジで取り付ける必要性が生じる。ビス止めやネジ止めを行う際の難点としては、以下に示すものがある。
【0011】
例えば、(1)ビスやネジでレールを取り付け、それによりカーテンを吊るす構造とすることは確実な取り付けとなるが、ビスやネジを使用するため、取り付け穴やネジ痕が残り、車自体の資産価値が下がる。(2)取り付けに器具や工具が必要であり、加えて施工者のスキルが必要で、専門店への依頼が必要な場合が発生する等がある。
【0012】
また、従来からよく用いられる方法に、カーテン自体やカーテンを吊るすレールを、ゴム吸盤などを用いて窓枠に取り付けるものがある。吸盤を用いる難点としては、以下に示すものがある。
【0013】
例えば、(1)吸盤の不良、劣化による剥がれや脱落の虞が大きい。(2)車内の熱(例えば、真夏時における車内温度の上昇)による吸盤の軟化が起こり、この軟化に伴う剥がれや脱落が発生する。(3)吸盤の吸着面や窓枠側の取り付け面の汚れ(油分、水分、埃)による吸着不良による剥がれや脱落が発生する。(4)窓枠側の取り付け面の起伏、凹凸による吸盤の吸着不良による剥がれや脱落、特に窓のガラス面には、場所によりアンテナ線、結露防止用電熱線の埋設がある為、凹凸が大きい。(5)吸盤自体の耐荷重はそれほど大きくはなく、自重の重い生地で作成されたカーテンを吊り下げることは困難である。そのため、カーテンとして使用される材質に制約が生じ(スポンジやキルト材が主流なものとなっている)、デザインを自由なものにできず、カーテンのバリエーションを増やすことが難しいことになる。
【0014】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、自動車の窓枠に簡便に着脱可能であって、走行時の振動や車内温度の上昇で容易に外れたりせず、且つ車内や窓枠に傷をつけたりすることもなく、確実に車内の目隠しを行うことが可能な自動車の窓用のブラインド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明のブラインド装置は以下の技術的手段を講じている。
【0016】
すなわち、本発明のブラインド装置は、自動車の窓枠に対して表面が車内を向くように車内側から取り付けられて車内の目隠しを行うシート体と、前記シート体の縁に設けられた接合部と、基端側が前記接合部に接合し且つ先端側が前記シート体の縁から突出状となるように配設される取り付け片とを有し、前記取り付け片の先端部が、車内側において窓枠と窓ガラスとの隙間に差し込まれることで、前記窓枠にシート体が取り付く構造とされていることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記接合部は、前記シート本体の表面の全周縁に設けられた面ファスナであり、前記取り付け片は、前記面ファスナの少なくとも1箇所以上に配設されるとよい。
【0018】
好ましくは、前記取り付け片は、前記シート体の全周縁の少なくとも1箇所以上に、直接取り付けられているとよい。
【0019】
好ましくは、前記シート体には、当該シート体の保形を図るための芯材が1又は複数箇所に取り付けられているとよい。
【0020】
好ましくは、前記シート体が布体で構成されているとよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のブラインド装置は、自動車の窓枠に簡便に着脱可能であって、走行時の振動や車内温度の上昇で容易に外れたりせず、且つ車内や窓枠に傷をつけたりすることもなく、確実に車内の目隠しを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】本発明のブラインド装置を巻き取った際の状況を示した斜視図である。
【
図3】本発明のブラインド装置を窓枠に取りつけた状態の断面図である。
【
図4】本発明のブラインド装置を窓枠に取りつける方法を示した図である。
【
図5】本発明のブラインド装置を窓枠に取りつけた状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明のブラインド装置を窓枠に取りつけた状態を示す斜視図である(幅狭版)。
【
図7A】第2実施形態のブラインド装置を表面側から見た図であり、そのブラインド装置の一部を拡大した画像である。
【
図7B】第2実施形態のブラインド装置を裏面側から見た図であり、そのブラインド装置の一部を拡大した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のブラインド装置の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
[第1実施形態]
図1には、本実施形態にかかるブラインド装置1(以下、単にカーテン1と呼ぶこともある)の全体が示されている。カーテン1は、バン型の乗用車の後方且つ左右両側の窓枠2に取り付けられるものとなっている。とはいえ、取り付けられる窓の位置は限定されるものではなく、取り付けられる自動車の車種も限定されない。普通車や軽自動車やトラッ
クなどでも良く、大型のキャンピングカーであってもよい。
【0024】
図1に示すように、カーテン1は、バン型の乗用車の後方の窓枠2にピタリと嵌まり込む形状のシート材(カーテン本体3)を有している。
図1の例では四隅が円弧状となった略長方形状である。このカーテン本体3の素材は、デニム素材や帆布素材などの布体であり、引っ張り力に強くカーテン本体3自体で形状を維持可能なものとなっている。言い換えれば、レース状の薄手の布地はあまり好ましいものではない。
【0025】
カーテン本体3の周縁部は強度確保やほつれ防止のため、縁を折り返して縫い付けられていたり、帯状の布テープが縫い付けられている。
【0026】
このようなカーテン本体3の表面(窓取り付け時において車内を向く面)の周縁に沿って、面ファスナ4F(雌の面ファスナ4F)が配設されるものとなっている。本実施の形態では、幅1cmほどの面ファスナ4Fがカーテン本体3の全周縁に沿って無端状に接着されている。
【0027】
一方で、本実施形態のカーテン1には、カーテン本体3(シート体)を窓枠2に取り付けるための取り付け片9が配設されている。この取り付け片9はプラスチックの板材で構成されており、横幅5~25cm、縦幅3cm~8cmの長方形状を有する舌片である。この取り付け片9は厚さ数ミリであり、厚さ方向には撓み可能となっている。なお、取り付け片9の大きさ、厚みはこれに限定はされない。
【0028】
この取り付け片9は、車の窓枠2において窓ガラス5と窓枠2(車内の窓枠2)との間に差し込み可能なものとなっている。差し込まれた取り付け片9は容易に外れることはないものの、所定の力で引っ張ることで、窓ガラス5と窓枠2との隙間から外れるものとなっている。自動車の走行による振動などで不用意に外れないように、取り付け片9の先端部分に摩擦発生部(例えば、エンボス加工)等が形成されていることが好ましい。
【0029】
取り付け片9の基部側であって、カーテン本体3に設けられた雌の面ファスナ4Fに対面する位置には、雄の面ファスナ4Mが縫製により縫い付けてあり、雄の面ファスナ4Mを雌の面ファスナ4Fに貼り付けることで、取り付け片9がカーテン本体3の表面の周縁部にカーテン本体3から突出するように配備されることになる。この突出した部分が取り付け片9の先端部である。
【0030】
なお、取り付け片9に対する雄の面ファスナ4Mの取り付け方法は、カラー糸で縫い付けステッチを入れたり、リベット止めを行って機械感を出し無骨さを演出したりすることも可能である。また、雄の面ファスナ4Mを接着剤によって取り付け片9に固定してもよい。
【0031】
図1に示すように、本実施形態のカーテン1においては、カーテン本体3の表面(取り付けた際に車内を向く側)には、小物を入れるためのポケット部6が、カーテン本体3の表面下部側に設けられており、表面上部側にはモールシステム7が設けられている。
【0032】
モールシステム7(MOLLE System)とは、「Modular Light Load-carrying Equipment System」(モジュラー軽量耐荷重機器の頭文字による略称)で、バックパックなどにポーチなどの装備を個別に取り付けるのではなく、あらかじめ等間隔で縫いつけられた丈夫なナイロン製などの帯(モール)にカラビナなどを用いて取り付けることにより、装備の多様化を図るシステムのことである。このモールシステム7にメガネなどを引っ掛けることも可能である。本実施形態の場合、カーテン本体3の表面の左上側に三本の帯布が配置され、その両側がカーテン本体3に縫い付けられている。帯布の中途部は5~10cm程度の間隔をもって縫い付けられており、縫い付け部の間に物を引っ掛けることが可能となっている。
【0033】
なお、カーテン本体3の表面に、ポケット部6を設けたりモールシステム7を設けたりするかは自由であり、カーテン本体3における配置場所も適宜変更可能である。
【0034】
一方で、カーテン本体3の裏面(取り付けた際に車外を向く側)には、太陽光を反射するような反射膜(アルミコーティング基材)を配備しておくことは好ましい。このようにすることで、太陽光を反射し、車内の温度が上昇することをより防ぐことが可能となる。
【0035】
なお、カーテン本体3の表面と裏面との間に空間を設けて(二枚張り合わせるように配備して二層構造とし)空気の層を形成し、保温・断熱効果を得るようにしてもよい。
【0036】
また、
図1に示すように、本実施形態のカーテン1においては、カーテン本体3が左右によったり、上下に縮んできたり、捩れたりすることを防ぎ、長方形の形状を保持できる(保形できる)ように、カーテン本体3の表面に上下方向を向く芯材8が複数本配備されている。
【0037】
本実施形態の場合は、複数本(4~6本)の木製の芯材8(直径6mm程度の円柱)カーテン本体3の上端から下端に亘ってカーテン本体3と一体となるように取り付けている。カーテン本体3の左右方向における芯材8の配置は、略均等配置とされている。芯材8とカーテン本体3とを一体に配設するために接着剤を用いてもよいが、本実施形態の場合、当該芯材8が嵌まり込む程度の内径を有する上下方向にトンネル状となった袋体を、カーテン本体3の表面に形成し、この袋体内に芯材8を貫通状に差し入れるようにしている。
【0038】
袋体は上端が有底とされ、下端が開口とされているため、下側から芯材8を差し込むこととしている。このように芯材8を下側から入れることで、カーテン本体3が下側へずれてきたとしても、芯材8は袋体の上部の有底部分に引っかかることになり、芯材8のみがカーテン本体3から抜け出ることを防止できるようになる。
【0039】
なお、芯材の直径は6mmには限定されず、それよりも大きくても逆に小さくても、カーテン本体3の保形が可能であれば問題はない。また、芯材の材質も木製に限定されず、アルミパイプのような金属、プラスチック樹脂、カーボンファイバーなど様々な素材を採用可能である。
【0040】
図2に示すように、本発明のカーテン1を使用しない場合には、取り付け片9を面ファスナ4Fから取り外し、カーテン本体3を断面が渦巻状となるように巻き取ることが可能となる。こうすることで、収納時におけるカーテン1の嵩を小さくすることが可能となる。また、芯材8がカーテン本体3に配設されているため、巻き取ったカーテン本体3を再び広げた際にも、カーテン本体3の形を元の状態へ容易に戻すことができるものとなっている。
【0041】
以上述べたようなカーテン1(ブラインド装置)使用するに際しては、以下のように、自動車の窓にカーテン1を取り付ける。
【0042】
図3、
図4に示す如く、自動車の車内から窓ガラス5に貼り付けるように、カーテン本体3を窓枠2内に嵌め込むようにする。その際に、カーテン本体3にある面ファスナ4Fが窓枠2の縁近傍に沿うようにカーテン本体3を皺なく伸ばし広げておく。その後、取り付け片9の先端を窓枠2と窓ガラス5との間に差し入れ、取り付け片9がはずれないような深さまで押し込む。その後、取り付け片9の基端であって車外を向く側に配備された面ファスナ4M(雄)をカーテン本体3の面ファスナ4F(雌)と係合させる。
図1に示すように、本実施形態の場合、上辺と下辺とには5個の取り付け片9が入りつけられている。カーテン本体3の右辺と左辺とには3乃至は4個の取り付け片9が取り付けられている。取り付け片9は、カーテン本体3の四隅の角部に取り付けられていても良い。
【0043】
このとき、取り付け片9は芯材8の端部に覆いかぶさるように配備されても良い。芯材8に取り付け片9が覆い被さるように配備することで、カーテン本体3の保形性が向上することになる。
【0044】
上記したように、取り付け片9を配備したカーテン本体3を、車内側から窓に取り付けることになる。具体的には、取り付け片9の先端部を窓枠2と窓ガラス5との間に差し込み、差し込んだ際の摩擦力により取り付け片9が外れないようにする。1つのカーテン本体3は10個程度またはそれ以上の取り付け片9で固定されるため、窓枠2に確実に固定され、車などの走行による振動などでは、容易に外れないものとなる。
【0045】
さらに、カーテン本体3の表面(車内を向く側)には、ポケット部6やモールシステム7などが形成されているため、
図5に示すように、ポケット部6内に携帯電話や財布などを格納しておくことができる。ポーチやかばんを、このモールシステム7にカラビナなどを用いて吊り下げておくこともできるし、メガネなどを差し入れておくこともできる。
【0046】
なお、本発明のブラインド装置1(カーテン1)を取り付ける他の方法としては、以下のものも考えられる。
【0047】
まず、平坦な場所にカーテン本体3を表面が上方を向くように平らに広げる。その後、カーテン本体3の表面の周縁に設けられた面ファスナ4F(雌)に、取り付け片9の基端側にある面ファスナ4M(雄)を貼り付け、カーテン本体3の周縁から取り付け片9の先端が外方へ突出するように貼り付ける。この作業は、慣れれば、わざわざ平坦な場所にカーテン本体3を載置して行う必要はなく、手で保持した状態でも行うことが可能である。
【0048】
上記したように、取り付け片9を配備したカーテン本体3を、車内側から窓に取り付けることになる。具体的には、取り付け片9の先端部を窓枠2と窓ガラス5との間に差し込み、差し込んだ際の摩擦力により取り付け片9が外れないようにする。1つのカーテン本体3は10個程度またはそれ以上の取り付け片9で固定されるため、窓枠2に確実に固定され、車などの走行による振動などでは、容易に外れないものとなる。
【0049】
以上述べたように、本発明のブラインド装置1は、自動車の窓枠2に裏面が車外を向くように車内側から取り付けられて車内の目隠しを行うシート体と、シート体の表面の縁に設けられた係合具と、係合具の基端側がシート体の縁に係合し且つ先端側がシート体の周縁から突出状となるように配設された取り付け片9とを有し、取り付け片9の先端部が、車内側において窓枠2と窓ガラス5との隙間に差し込まれることで、窓枠2にシート体が取り付く構造とされているため、自動車の窓枠2に簡便に着脱可能であって、走行時の振動や車内温度の上昇で容易に外れたりせず、且つ車内や窓枠2に傷をつけたりすることもなく、確実に車内の目隠しを行うことが可能となる。
[第2実施形態]
本発明のブラインド装置1(カーテン1)の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
図7Aは、第2実施形態のカーテン1を表面側から見た図であり、そのカーテン1の一部を拡大した画像である。
図7Bは、第2実施形態のカーテン1を裏面側から見た図であり、そのカーテン1の一部を拡大した画像である。
【0050】
本実施形態のカーテン1が第1実施形態と異なる点は、取り付け片9の固定の仕方にある。この点が、本実施形態の特徴である。なお、本実施形態のカーテン1のその他の構成については、第1実施形態と略同様の構成であり、共通する構成についての説明は省略する。
【0051】
図7A、
図7Bに示すように、本実施形態のブラインド装置1(カーテン1)は、取り付け片9がカーテン本体3(シート体)の全周縁3aの少なくとも1箇所以上に、直接取り付けられている。この取り付け片9は、カーテン本体3の縁3aから外側に突出するように、直接取り付けられている。
【0052】
例えば、取り付け片9は、カーテン本体3の長辺の縁3aに2箇所以上に直接、縫い付けて取り付けられるとともに、短辺の縁3aに少なくとも1箇所以上に直接、縫い付けて取り付けられていると好ましい。つまり、確実に車内の目隠しなどをすることができるように、カーテン本体3の全周縁3aに直接、複数の取り付け片9が固定されていると良い(例えば、
図1などを参照)。
【0053】
すなわち、本実施形態のカーテン1は、第1実施形態で説明したカーテン本体3の全周縁3aに設けられる面ファスナ4M,4Fを介さずに、取り付け片9が直接カーテン本体3(シート体)の縁3aに、例えば縫い付けて取り付けられている。
【0054】
詳しくは、カーテン本体3の構造を二枚の布体を張り合わせるように配備した二層構造とし、その二枚の布体の縁3a部分の間に取り付け片9を挟み込んで、カーテン本体3の縁3aに直接縫い付けて配備する構造が好ましい。また、取り付け片9は、カーテン本体3に設けた枠状の縁3aに直接縫い付ける構造でもよい。
【0055】
なお、取り付け片9をカーテン本体3の縁3aに直接固定する方法については、縫い付けに限らず、確実に固定できるものであれば特に限定はしない。また、本実施形態の取り付け片9は、第1実施形態で説明した大きさ・材質と同じであることが好ましい。
【0056】
本実施形態のカーテン1を自動車の窓枠2に取り付ける場合、取り付け片9が取り付けられたカーテン本体3の縁3aを少し外側(裏面側)に折り曲げて、取り付け片9を窓ガラス5と車内の窓枠2との間に差し込み、縁3aの折り曲げを戻してカーテン本体3を窓枠2に取り付ける。
【0057】
このように、本実施形態のカーテン1を自動車の窓枠2に取り付けたとき、カーテン本体3の縁3aに直接固定された取り付け片9が窓枠2に嵌っていることにより、ポケット部6やモールシステム7などの強度が保たれている。また、取り付け片9が窓枠2に確実に差し込まれているため、カーテン本体3は窓枠2から容易に外れることはない。
【0058】
さらに、本実施形態のカーテン1は、窓枠2の構造などが特殊な場合でも対応可能な構造となっている。例えば、近年販売が伸びている軽自動車のキャンピングカーなどでは、窓枠2の構造などが車ごとに異なっており、本実施形態のカーテン1は、それらに合わせて作成することが可能となっている。
【0059】
また、本実施形態のカーテン1は、カーテン本体3が窓枠2に隙間なく取り付けられているので、確実に車内の目隠しや遮光などもできるようになっている。また、本実施形態のカーテン1は、高い強度を備えながら、よりシンプルな構造となっており、製造のコスト面でも有利になっている。
【0060】
なお、本実施形態のカーテン1を窓枠2から取り外す場合は、前述の作業を逆に行えばよく、所定の力でカーテン本体3を引っ張ることで縁3aが曲がって、取り付け片9が窓ガラス5と窓枠2との隙間から外れることで、窓ガラス5や窓枠2などの車内に傷をつけたりすることもなく、カーテン本体3が外れるものとなっている。また例えば、芯材8を折り目として、カーテン本体3を畳んで、カーテン1をコンパクトに収容することもできる。このように、本発明のブラインド装置1は、車中泊を選択する際に好適なものである。
【0061】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、使用条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
【0062】
例えば、本発明のブラインド装置1のカーテン本体3は、バン型の自動車の窓枠2に対応するために横長であった。しかしながら、ブラインド装置1は他の自動車にも適用可能である。
【0063】
図6は、軽自動車の後部側方の窓に本発明のブラインド装置1を設置した状態を示している。
図6から明らかなように、軽自動車の窓枠2のサイズに対応すべく、カーテン本体3は横幅が短く、それに対応してカーテン本体3の自重も軽くなるため、取り付け片9の数も少ないものとなっている。このように、様々な自動車の様々な窓に対しても適用可能である。
【0064】
また、面ファスナに関し、上記した実施の形態では、カーテン本体3側に雌の面ファスナ4Fが配設され、取り付け片9側に雄の面ファスナ4Mが配設されていたが、この構成には限定されず、逆の配備(カーテン本体3側に雄の面ファスナ4M、取り付け片9側に雌の面ファスナ4F)としても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0065】
1 ブラインド装置
2 窓枠
3 カーテン本体
4M 面ファスナ(雌)
4F 面ファスナ(雄)
5 窓ガラス
6 ポケット部
7 モールシステム
8 芯材
9 取り付け片