(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073235
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】オートゼロ区間最適化を用いたアナログ-デジタルコンバーターを用いた回路、及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H04N 25/78 20230101AFI20230518BHJP
【FI】
H04N5/378
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182188
(22)【出願日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0156902
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0049493
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068855
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】17/971690
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 在 熏
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CY42
5C024GY39
5C024GY41
5C024HX17
5C024HX23
5C024HX29
5C024HX35
5C024HX40
5C024HX48
5C024HX51
(57)【要約】
【課題】オートゼロ区間最適化を利用して消費電力を低減したアナログ-デジタルコンバーター、その動作方法、それを含むイメージセンサを提供する。
【解決手段】第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整し、第1の動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2の動作区間に前記ピクセル信号のイメージ信号を前記ランプ信号と比較して第1の出力信号を生成する第1の増幅器(アンプ)と、第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、前記第1の動作区間及び前記第2の動作区間に前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する第2の増幅器と、を備える。前記第2のオートゼロ区間が終了した後、前記第1の動作区間が始まるまで、前記第2の増幅器は動作が停止される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整し、第1の動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2の動作区間に前記ピクセル信号のイメージ信号を前記ランプ信号と比較して第1の出力信号を生成する第1の増幅器(アンプ)と、
第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、前記第1の動作区間及び前記第2の動作区間に前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する第2の増幅器(アンプ)と、を備え、
前記第2のオートゼロ区間が終了した後に前記第1の動作区間が開始される前まで、前記第2の増幅器は動作が停止される、ことを特徴とする回路。
【請求項2】
前記第2のオートゼロ区間の長さは、前記キャパシタに電荷が完全に充電されるのにかかる時間に基づいて決定され、前記第1のオートゼロ区間の長さよりも短い、ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第2の増幅器は、
前記第1の出力信号に応答して前記第2の出力信号が出力される第1の出力ノードに電源電圧を供給する第1のトランジスタと、
前記第2のオートゼロ信号に応答してターンオンされ、バイアスノードを介して前記キャパシタに連結される第2のトランジスタと、
前記第1の出力ノードを介して前記第1のトランジスタに連結され、前記バイアスノードを介して前記キャパシタ及び前記第2のトランジスタに連結され、前記キャパシタによって保持される前記バイアスノードの電圧レベルに基づいて電源電流を生成する電流源と、
パワーダウン信号に応答してターンオフされることによって前記第2の増幅器の動作を停止させる第3のトランジスタと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記パワーダウン信号は、前記第2のオートゼロ区間が終了するときに活性化され、前記第1の動作区間が開始されるとき非活性化される、ことを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記第1のトランジスタ及び前記第3のトランジスタはPMOSトランジスタであり、前記第2のトランジスタはNMOSトランジスタである、ことを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項6】
前記第2の増幅器は、
前記第1の出力ノードに連結され、前記第2の出力信号又は前記第2の出力信号に基づく信号を入力されて前記電源電流を制御するためのフィードバック信号を出力するフィードバック回路と、
第2の出力ノードを介して前記電流源に連結され、前記フィードバック信号に応答して前記第1の出力ノードを前記第2の出力ノードに連結する第4のトランジスタと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項7】
前記フィードバック回路は、前記第2の出力信号及びフィードバック活性信号に基づいて前記フィードバック信号を出力する論理ゲートを含み、
前記第4のトランジスタは、前記フィードバック信号に応答してターンオフされる、ことを特徴とする請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記第4のトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記論理ゲートはNANDゲートである、ことを特徴とする請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記第2の増幅器は、制御信号に応答して制御電流を出力する制御回路をさらに含み、
前記制御回路は、
前記制御信号に応答して、前記電源電圧に基づいて前記制御電流を生成する第5のトランジスタと、
バイアス信号に応答して前記制御電流を前記第1の出力ノードに供給する第6のトランジスタと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1の動作区間又は前記第2の動作区間の間に前記ランプ信号がランプされ始めるとき、前記制御電流を前記第1の出力ノード及び前記第2の出力ノードを介して前記電流源に出力する、ことを特徴とする請求項9に記載の回路。
【請求項11】
アナログ-デジタルコンバーターの回路動作方法であって、
第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して、第1の増幅器の入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整する段階と、
第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答して第2の増幅器のキャパシタに電荷を充電する段階と、
前記第2のオートゼロ区間が終了した後、第1の動作区間が始まる前まで前記第2の増幅器の動作を停止する段階と、
前記第1の動作区間中にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号とランプ信号とを比較し、第2の動作区間中に前記ピクセル信号のイメージ信号と前記ランプ信号とを比較して第1の出力信号を生成する段階と、
前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する段階と、を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記第2のオートゼロ区間の長さは、前記キャパシタに電荷が完全に充電されるのにかかる時間に基づいて決定され、前記第1のオートゼロ区間の長さより短く、
前記第2の増幅器の動作を停止する段階は、
前記第2のオートゼロ区間が終了するときに活性化され、前記第1の動作区間が開始されるときに非活性化されるパワーダウン信号に応答して前記第2の増幅器の動作を停止する段階を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の出力信号を用いて前記アナログ-デジタルコンバーターの電源電流を制御する段階と、をさらに備え、
前記電源電流を制御する段階は、前記第1の動作区間及び前記第2の動作区間のうち、少なくとも1つの動作区間の間に遂行される、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電源電流を制御する段階は、
前記第2の出力信号及びフィードバック活性信号に基づいてフィードバック信号を出力する段階と、
前記フィードバック信号に応答して前記電源電流を流さないように制御する段階と、を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
オートゼロ区間にオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、動作区間に出力信号を生成する回路であって、
前記回路は、
前記出力信号が出力される第1の出力ノードに電源電圧を供給する第1のトランジスタと、
前記オートゼロ信号に応答してターンオンされ、バイアスノードを介して前記キャパシタに連結される第2のトランジスタと、
前記第1の出力ノードを介して前記第1のトランジスタに連結され、前記バイアスノードを介して前記キャパシタ及び前記第2のトランジスタに連結され、前記キャパシタによって保持される前記バイアスノードの電圧レベルに基づいて電源電流を生成する電流源と、
パワーダウン信号に応答してターンオフされることによって前記回路の動作を停止する第3のトランジスタと、を備える、ことを特徴とする回路。
【請求項16】
前記パワーダウン信号は、前記オートゼロ区間が終了するとき活性化され、前記動作区間が開始されるとき非活性化され、
前記オートゼロ区間の長さは、前記キャパシタに電荷が完全に充電されるのにかかる時間に基づいて決定され、
前記オートゼロ区間が終了した後、前記動作区間が始まる前まで動作が停止される、ことを特徴とする請求項15に記載の回路。
【請求項17】
前記第1のトランジスタ及び前記第3のトランジスタはPMOSトランジスタであり、前記第2のトランジスタはNMOSトランジスタである、ことを特徴とする請求項15に記載の回路。
【請求項18】
前記第1の出力ノードに連結され、前記出力信号又は前記出力信号に基づく信号を入力されて前記電源電流を制御するためのフィードバック信号を出力するフィードバック回路と、
第2の出力ノードを介して前記電流源に連結され、前記フィードバック信号に応答して前記第1の出力ノードを前記第2の出力ノードに連結する第4のトランジスタと、をさらに備える、ことを特徴とする請求項15に記載の回路。
【請求項19】
前記フィードバック回路は、前記出力信号及びフィードバック活性信号に基づいて前記フィードバック信号を出力する論理ゲートを含み、
前記第4のトランジスタは、前記フィードバック信号に応答してターンオフされる、ことを特徴とする請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記第4のトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記論理ゲートはNANDゲートである、ことを特徴とする請求項19に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアナログ-デジタルコンバーターに係り、より詳しくはオートゼロ区間最適化を利用するアナログ-デジタルコンバーター及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサの種類として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサCISなどがある。CMOSイメージセンサは、CMOSトランジスタで構成されるピクセルを含み、各ピクセルに含まれる光電変換素子を用いて光エネルギーを電気信号に変換する。CMOSイメージセンサは、各ピクセルから生成される電気信号を用いて撮影イメージに関する情報を獲得する。
【0003】
アナログ-デジタルコンバーター(ADC:Analog-to-Digital Converter)は、ピクセルから生成されるアナログ入力電圧を受信し、それをデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は他の装置に転送される。ADCは多様な信号処理装置において使用される。最近の信号処理装置の性能が向上するにつれて、アナログ信号に対する改善された分解能が要求される。したがって、同じ時間内に多くの信号を処理したり、各信号に対して改善された分解能を提供したりできるADCが使用されているが、消費電力が増加するという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10,491,845号明細書
【特許文献2】米国特許第10,616,518号明細書
【特許文献3】米国特許第9,554,072号明細書
【特許文献4】米国特許第10,840,936号明細書
【特許文献5】米国特許第10,594,333号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2021/0134854号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2020/0228740号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2020/0266785号明細書
【特許文献9】特開第2019-146016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、オートゼロ区間最適化を利用して消費電力を低減したアナログ-デジタルコンバーター、その動作方法、並びにそれを含むイメージセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による回路は、第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整し、第1の動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2の動作区間に前記ピクセル信号のイメージ信号を前記ランプ信号と比較して第1の出力信号を生成する第1の増幅器(アンプ)と、第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、前記第1の動作区間及び前記第2の動作区間に前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する第2の増幅器と、を備える。前記第2のオートゼロ区間が終了した後、前記第1の動作区間が始まる前まで、前記第2の増幅器は動作が停止される。
【0007】
本発明の実施形態によるアナログ-デジタルコンバーターの回路動作方法は、第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して第1の増幅器の入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整する段階と、第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答して第2の増幅器のキャパシタに電荷を充電する段階と、前記第2のオートゼロ区間が終了してから第1の動作区間が始まるまで前記第2の増幅器の動作を停止する段階と、前記第1の動作区中にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号とランプ信号とを比較し、第2の動作区間に前記ピクセル信号のイメージ信号と前記ランプ信号とを比較して第1の出力信号を比較して第1の出力信号を生成する段階と、前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する段階と、を備える。
【0008】
本発明の実施形態によるイメージセンサは、光を電気信号に変換してピクセル信号を生成するピクセルアレイと、ランプ信号を生成するランプ信号発生器と、前記ピクセル信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタルコンバーターと、を備える。前記アナログ-デジタルコンバーターは、第1のオートゼロ区間に第1のオートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整し、第1の動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号を前記ランプ信号と比較し、第2の動作区間に前記ピクセル信号のイメージ信号を前記ランプ信号と比較して第1の出力信号を生成する第1の増幅器と、第2のオートゼロ区間に第2のオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、前記第1の動作区間及び前記第2の動作区間に前記第1の出力信号に基づいて第2の出力信号を生成する第2の増幅器と、前記第2の出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含む。前記第2のオートゼロ区間が終了した後、前記第1の動作区間が始まる前まで、前記第2の増幅器は動作を停止する。
【0009】
本発明の実施形態によるコンバーター回路は、オートゼロ区間にオートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充電し、動作区間に出力信号を生成し、前記出力信号が出力される第1の出力ノードに電源電圧を提供する第1のトランジスタと、前記オートゼロ信号に応答してターンオンされ、バイアスノードを介して前記キャパシタに連結される第2のトランジスタと、前記第1の出力ノードを介して前記第1のトランジスタに連結され、前記バイアスノードを介して前記キャパシタ及び前記第2のトランジスタに連結され、前記キャパシタによって保持される前記バイアスノードの電圧レベルに基づいて電源電流を生成する電流源(電流ソース)と、パワーダウン信号に応答してターンオフすることによって前記回路の動作を停止する第3のトランジスタと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、オートゼロ区間を最適化することによってアナログ-デジタルコンバーターの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態によるイメージ処理ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1のイメージセンサの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2のピクセルアレイのピクセルグループのうち、いずれか1つの例を示す回路図である。
【
図4】
図2のアナログ-デジタル変換器ADCの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図4の第1の増幅器(アンプ)の一例を示す回路図である。
【
図6】
図4の第2の増幅器の一例を示す回路図である。
【
図7】
図4のアナログ-デジタル変換器ADCの回路の動作を示すタイミング図の一例である。
【
図8】
図2のアナログ-デジタル変換器ADCの回路の構成の他の例を示す図である。
【
図9】
図8の第2の増幅器の他の例を示す回路図である。
【
図10a】
図9のフィードバック回路の動作による
図4のADC回路の動作を示すタイミング図の一例である。
【
図10b】
図9のオートゼロ区間最適化、及びフィードバック回路の動作による
図4のADC回路の動作を示すタイミング図の例である。
【
図11】
図8の第2の増幅器の他の例を示す回路図である。
【
図12】本発明の実施形態によるオートゼロ区間最適化を利用するアナログ-デジタル変換器ADCの回路動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の実施形態が明確かつ詳細に記載する。
【0013】
詳しい説明で使用する~部又はユニット(unit)、モジュール(module)、ブロック(block)、~器(~or、~er)などの用語を参照して説明される構成要素及び図面に示す機能ブロックは、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせの形で実施される。例として、ソフトウェアは、機械コード、ファームウェア、エンベデッドコード、及びアプリケーションソフトウェアであり得る。例えば、ハードウェアは、電気回路、電子回路、プロセッサ、コンピュータ、集積回路、集積回路コア、圧力センサ、慣性センサ、メムス(microelectromechanical system:MEMS)、受動素子、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0014】
図1は、本発明の実施形態によるイメージ処理ブロック10の構成の一例を示す。イメージ処理ブロック10は、スマートフォン、デジタルカメラ、ラップトップ、デスクトップなどの多様な電子機器の一部として実装される。イメージ処理ブロック10は、レンズ12、イメージセンサ14、ISPフロントエンドブロック(Image Signal Processor front end block)16及びイメージ信号プロセッサ18を含み得る。
【0015】
光は、撮影の対象となるオブジェクト、風景などによって反射され、レンズ12は反射される光を受け取ることができる。イメージセンサ14は、レンズ12を通して受信される光に基づいて電気信号を生成することができる。例えば、イメージセンサ14は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどで実現されてもよい。例えば、イメージセンサ14は、デュアルピクセル(dual pixel)構造又はテトラセル(tetracell)構造を有するマルチピクセル(multi pixel)イメージセンサであり得る。
【0016】
イメージセンサ14は、ピクセルアレイを含み得る。ピクセルアレイのピクセルは、光を電気信号に変換してピクセル値を生成することができる。さらに、イメージセンサ14は、ピクセル値に対して相関二重サンプリング(Correlation Double Sampling:CDS)を遂行するためのアナログ-デジタルコンバーター(Analog-to-Digital Converter:ADC)の回路を含み得る。イメージセンサ14の構成は、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0017】
ISPフロントエンドブロック16は、イメージセンサ14から出力される電気信号に対して前処理を行い、イメージ信号プロセッサ18が処理するのに適した形態に加工することができる。
【0018】
イメージ信号プロセッサ18は、ISPフロントエンドブロック16によって加工された電気信号を適切に処理して、撮影されたオブジェクト、風景などに関連されるイメージデータを生成することができる。このためには、イメージ信号プロセッサ18は、色補正(color correction)、自動白色補正(auto white correction)、ガンマ補正(gamma correction)、色の飽和度補正(color saturation correction)、不良ピクセル補正(bad pixel correction)、色相補正(hue correction)のような多様な処理を行うことができる。
【0019】
図1は、1つのレンズ12と1つのイメージセンサ14を示す。しかし、他の実施形態では、イメージ処理ブロック10は、複数のレンズ、複数のイメージセンサ及び複数のISPフロントエンドブロックを含み得る。この場合、複数のレンズは、それぞれ異なる画角を有し得る。さらに、複数のイメージセンサは、異なる機能、異なる性能及び/又は異なる特性を有することができ、異なる構成のピクセルアレイを含み得る。
【0020】
図2は、
図1のイメージセンサ14の構成の一例を示す。イメージセンサ100は、ピクセルアレイ110、ロードライバ120、ランプ信号発生器130、電圧バッファ140、ADC回路150、タイミングコントローラ160及びバッファ170を含み得る。
【0021】
ピクセルアレイ110は、行と列に沿ってマトリックス状に配置される複数のピクセルを含み得る。複数のピクセルのそれぞれは、光電変換素子を含み得る。例えば、光電変換素子は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート又はピンドフォトダイオード(pinned photodiode)などを含み得る。
【0022】
ピクセルアレイ110は、複数のピクセルグループPGを含み得る。各ピクセルグループPGは、2つ以上の複数のピクセルを含み得る。ピクセルグループを構成する複数のピクセルは、1つのフローティング拡散領域(floating diffusion region)又は複数のフローティング拡散領域を共有し得る。
図2のピクセルアレイ110は、4つの行と4つの列(すなわち、4×4)のピクセルグループPGを含むように示されているが、本発明はこれに限定されない。
【0023】
ピクセルグループPGは、同じ色のピクセルを含み得る。例えば、ピクセルグループPGは、赤色スペクトル領域の光を電気信号に変換させるレッドピクセル、緑色スペクトル領域の光を電気信号に変換させるグリーンピクセル、又は青色スペクトル領域の光を電気信号に変換させるブルーピクセルを含み得る。例えば、ピクセルアレイ110を構成するピクセルは、テトラ-バイヤーパターン(Tetra-Bayer Pattern)の形態で配置されることがある。
【0024】
ピクセルアレイ110の複数のピクセルのそれぞれは、外部から受光された光の強度又は光の量に応じてカラムラインCL1~CL4に沿ってピクセル信号を出力することができる。例えば、ピクセル信号は、外部から受光された光の強度又は光の量に対応するアナログ信号であり得る。ピクセル信号は、電圧バッファ(例えば、ソースフォロワ)を通過してカラムラインCL1~CL4を介してADC回路150に提供されてもよい。
【0025】
行(ロー)ドライバ120は、ピクセルアレイ110の行を選択して駆動することができる。行ドライバ120は、タイミングコントローラ160によって生成されるアドレス及び/又は制御信号をデコーディングして、ピクセルアレイ110の行を選択及び駆動するための制御信号を生成することができる。例えば、制御信号は、ピクセルを選択するための信号又はフローティング拡散領域をリセットするための信号などを含み得る。
【0026】
ランプ信号発生器130は、タイミングコントローラ160の制御下でランプ信号RAMPを生成することができる。例えば、ランプ信号発生器130は、ランプイネーブル信号のような制御信号の下で動作することができる。ランプイネーブル信号が活性化されると、ランプ信号発生器130は、所定値(例えば、スタートレベル、終了レベル、傾きなど)に従ってランプ信号RAMPを生成することができる。言い換えれば、ランプ信号RAMPは、特定の時間にわたって所定の傾きに応じて増加又は減少する信号であり得る。ランプ信号RAMPは、電圧バッファ140を通過してADC回路150に提供され得る。
【0027】
ADC回路150は、ピクセルアレイ110の複数のピクセルからカラムラインCL1~CL4を介してピクセル信号を受信することができ、ランプ信号発生器130から電圧バッファ140を介してランプ信号RAMPを受信することができる。ADC回路150は、受信したピクセル信号に対してリセット信号及びイメージ信号を獲得し、その差を有効な信号成分に抽出する相関二重サンプリングCDS技法に基づいて動作することができる。ADC回路150は、複数のコンパレータCOMP及びカウンタCNTを含み得る。
【0028】
具体的には、コンパレータCOMPは、ピクセル信号のリセット信号とランプ信号RAMPとを比較し、ピクセル信号のイメージ信号とランプ信号RAMPとを比較して相関二重サンプリングCDSを行うことができる。カウンタCNTは、相関二重サンプリングが行われた信号のパルスをカウントしてデジタル信号として出力することができる。なお、本発明のADC回路150は、オートゼロ区間最適化及び/又は出力フィードバックを利用して電力消費を減らすことができるように実施され得る。
図2のADC回路150は、4つの比較器(コンパレータ)COMP及び4つのカウンタCNTを含むように示されているが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
タイミングコントローラ160は、ロー(行)ドライバ120、ランプ信号発生器130、及びADC回路150のそれぞれの動作及び/又はタイミングを制御するための制御信号及び/又はクロックを生成することができる。
【0030】
バッファ170は、メモリMEM及びセンスアンプ(感知増幅器))SAを含み得る。メモリMEMは、ADC回路150の対応するカウンタCNTから出力されたデジタル信号を記憶することができる。センスアンプSAは、記憶されたデジタル信号をセンス及び増幅することができる。センスアンプSAは、増幅されたデジタル信号をイメージデータIDATとして出力することができ、イメージデータIDATは、
図1のISPフロントエンドブロック16に転送され得る。
【0031】
図3は、
図2のピクセルアレイ110のピクセルグループPGのうちいずれか1つの例を示す回路図である。例えば、ピクセルグループPGは、ピクセルPX1~PX4、光電変換素子PD1~PD4、転送トランジスタTx1~Tx4、リセットトランジスタRST、デュアルコンバージョントランジスタDC、駆動トランジスタDx及び選択(セレクト)トランジスタSELを含み得る。
図3のピクセルグループPGは、4つのピクセルPX1~PX4がそれぞれ光電変換素子PD1~PD4を含むテトラセル構造を有するものとして示されているが、本発明はこれに限定されず、ピクセルグループPGは他の多様な構造を有するように実施される。
【0032】
第1のピクセルPX1は、第1の光電変換素子PD1及び第1の転送トランジスタTx1を含むことができ、他のピクセルPX2、PX3、PX4も同様の構成要素をそれぞれ含み得る。ピクセルPX1~PX4のそれぞれは、リセットトランジスタRST、デュアルコンバージョントランジスタDC、駆動トランジスタDx及び選択トランジスタSELを共有し得る。なお、ピクセルPX1~PX4のそれぞれは、第1のフローティング拡散領域FD1を共有し得る。リセットトランジスタRST及びデュアルコンバージョントランジスタDCは、第2のフローティング拡散領域を共有し得る。
【0033】
第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2は、入射した光量に対応する電荷を蓄積することができる。転送信号VT1~VT4によって転送トランジスタTx1~Tx4がそれぞれターンオンされている間、第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2は、光電変換素子PD1~PD4から電荷を受け取って蓄積することができる。第1のフローティング拡散領域FD1は、ソースフォロワアンプとして駆動される駆動トランジスタDxのゲート端に連結されることがあるため、第1のフローティング拡散領域FD1に蓄積された電荷に対応する電圧が形成され得る。例えば、第1のフローティング拡散領域FD1の静電容量は、第1のキャパシタンスCFD1で表すことができる。
【0034】
デュアルコンバージョントランジスタDCは、デュアルコンバージョン信号VDCによって駆動される。デュアルコンバージョントランジスタDCがターンオフされる場合、第1のフローティング拡散領域FD1の静電容量は第1のキャパシタンスCFD1に対応し得る。一般的な環境では、第1のフローティング拡散領域FD1は容易に飽和されないため、第1のフローティング拡散領域FD1の静電容量(すなわち、CFD1)を増やす必要性は要求されない可能性があり、デュアルコンバージョントランジスタDCは、ターンオフされる可能性がある。
【0035】
しかしながら、高照度環境では、第1のフローティング拡散領域FD1を容易に飽和させることができる。このような飽和を防ぐために、デュアルコンバージョントランジスタDCをターンオンすることができ、第1のフローティング拡散領域FD1は第2のフローティング拡散領域FD2と電気的に連結され、フローティング拡散領域FD1、FD2の静電容量は、第1のキャパシタンスCFD1と第2のキャパシタンスCFD2の和に拡張され得る。
【0036】
転送トランジスタTx1~Tx4は、それぞれ転送信号VT1~VT4によって駆動され、光電変換素子PD1~PD4によって生成された電荷を第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2に転送することができる。例えば、転送トランジスタTx1~Tx4の一端を光電変換素子PD1~PD4にそれぞれ連結することができ、他端を第1のフローティング拡散領域FD1に連結することができる。
【0037】
リセットトランジスタRSTは、リセット信号VRSTによって駆動され、第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2に電源電圧VDDを提供することができる。これにより、第1のフローティング拡散領域FD1又は第2の拡張フローティング拡散領域FD2に蓄積された電荷は、電源電圧VDD端に移動することができ、第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2の電圧はリセットされてもよい。
【0038】
駆動トランジスタDxは、第1のフローティング拡散領域FD1又は第2のフローティング拡散領域FD2の電圧を増幅してピクセル信号PIXを生成することができる。選択(セレクト)トランジスタSELは選択信号VSELによって駆動され、行(ロー)単位で読み取るピクセルを選択することができる。選択トランジスタSELがターンオンされる場合、ピクセル信号PIXはカラムラインCLを介して
図2のADC回路150に出力される。
【0039】
図4は、
図2のアナログ-デジタル変換器ADCの回路150の構成の一例を示す。ADC回路150は、コンパレータ151及びカウンタ152を含み得る。ADC回路150は、ピクセルアレイ110から出力されるアナログ信号であるピクセル信号PIXをデジタル信号DSに変換して出力することができる。明確な説明と図面の簡潔化のために、
図4のピクセルアレイ110は1つのピクセルについてのみ示されており、ピクセルアレイ110の構成及び機能は
図3を参照して説明した通りである。
【0040】
具体的には、
図2を参照して説明したように、コンパレータ151は、ピクセル信号のリセット信号とランプ信号RAMPとを比較し、ピクセル信号のイメージ信号とランプ信号RAMPとを比較して相関二重サンプリングCDSを遂行することができ、カウンタ152は、相関二重サンプリングが行われた信号のパルスをカウントしてデジタル信号として出力することができる。以下で、
図4とともに、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0041】
例えば、コンパレータ151は、2つの増幅器(第1の増幅器151_1及び第2の増幅器151_2)含む2段(two-stage)構造を有することができ、第1の増幅器151_1及び第2の増幅器151_2は、オペレーショナル・トランスコンダクタンス・アンプ(Operational Transconductance Amplifier:OTA)として実施されることがあるが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンパレータ151は、より多くの増幅器(アンプ)を含む構造を有することもできる。なお、ADC回路150は複数のコンパレータ及びカウンタを含み得るが、明確に説明するために、
図5では1つのコンパレータ151と1つのカウンタ152を示すことにする。
【0042】
第1の増幅器151_1は、ピクセルアレイ110からカラムラインCLを介してピクセル信号PIXを受信することができ、ランプ信号発生器130から電圧バッファ140を介してランプ信号RAMPを受信することができる。第1の増幅器151_1は、受信した信号に基づいて第1の出力信号OTA1_OUTを出力することができる。例えば、第1の増幅器151_1は、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより高い区間の間、ハイレベルを有する第1の出力信号OTA1_OUTを出力することができ、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより低い区間の間、ローレベルを有する第1の出力信号OTA1_OUTを出力することができる。なお、上述した第1の増幅器151_1の比較動作は、ピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとの間、及びピクセル信号PIXのイメージ信号とランプ信号RAMPとの間に対してすべて行われる。
【0043】
第2の増幅器151_2は、第1の出力信号OTA1_OUTを増幅して比較信号である第2の出力信号OTA2_OUTを出力することができる。例えば、第2の出力信号OTA2_OUTは、第1の出力信号OTA1_OUTが反転された信号であり得る。言い換えれば、第2の増幅器151_2は、第1の出力信号OTA1_OUTがハイレベルを有する間、ローレベルを有する第2の出力信号OTA2_OUTを出力し、第1の出力信号OTA1_OUTがローレベルを有する間、ハイレベルを有する第2の出力信号OTA2_OUTを出力するように実施され得る。
【0044】
以下の説明では、コンパレータ151が比較動作を行い、第1の出力信号OTA1_OUT又は第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがハイレベルからローレベルに変わること、又はローレベルからハイレベルに変わることをADC回路150の判定(decision)と称することにする。言い換えれば、「回路150の判定が終わった後」ということは、「第1の出力信号OTA1_OUT又は第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがハイレベルからローレベルに変わった後、又はローレベルからハイレベルに変わった後」を意味することができる。
【0045】
比較器151は、比較動作が遂行される前のオートゼロ区間でオートゼロ信号に応答して初期化され、比較動作を再び遂行することができる。具体的には、第1の増幅器151_1は第1のオートゼロ信号AZ_OTA1に応答して初期化され、第2の増幅器151_2は第2のオートゼロ信号AZ_OTA2に応答して初期化される。
【0046】
以下の説明では、第1の増幅器151_1のオートゼロ区間を第1のオートゼロ区間と表し、第2の増幅器151_2のオートゼロ区間を第2のオートゼロ区間と表すことにする。例えば、第1のオートゼロ区間及び第2のオートゼロ区間の間、第1の増幅器151_1及び第2の増幅器151_2の入力ノード及び/又は出力ノードの電圧レベルは等しくなり得る。
【0047】
なお、第1の増幅器151_1が初期化されるのにかかる時間と、第2の増幅器151_2が初期化されるのにかかる時間とは互いに異なる場合がある。例えば、第1の増幅器151_1が初期化されるのにかかる時間は、第2の増幅器151_2が初期化されるのに要する時間よりも長くなれる。この場合、第2の増幅器151_2の初期化が完了すると、対応する第2のオートゼロ信号AZ_OTA2は、もはや第2の増幅器151_2に印加されなくてもよい。
【0048】
言い換えれば、第2の増幅器151_2の初期化が第1の増幅器151_1の初期化より早く完了した場合、第1のオートゼロ区間の残りの長さに関係なく第2のオートゼロ区間が終了するように調整されうる。すなわち、本発明の第2のオートゼロ区間は、第2の増幅器151_2の初期化が完了した時点で終了するように最適化されうる。例えば、第2のオートゼロ区間が終了すると、第2の増幅器151_2は、第1の増幅器151_1の比較動作が行われる前まで電力を消費しないように実現されてもよい。このために、第2の増幅器151_2は、第2のオートゼロ区間の終了に応答して電力消費を一時的に停止するためのスイッチを含み得る。このようなオートゼロ区間最適化によって、ADC回路150の消費電力を低減することができる。
【0049】
カウンタ152は、タイミングコントローラ160の制御下で動作することができ、対応する第2の出力信号OTA2_OUTのパルスをカウントしてデジタル信号DSとして出力することができる。例えば、カウンタ152は、カウンタクロック信号CNT_CLK及びカウンタ152の内部ビットを反転させる反転信号CONVなどのような制御信号下で動作することができる。
【0050】
例えば、カウンタ152は、アップ/ダウンカウンタ(Up/Down Counter)及びビットワイズインバージョンカウンタ(Bit-wise Inversion Counter)などを含み得る。ビットワイズインバージョンカウンタは、アップ/ダウンカウンタと同様の動作を遂行することができる。例えば、ビットワイズインバージョンカウンタは、アップカウントのみを遂行する機能と、特定の信号が入るとカウンタ内部のすべてのビットを反転して1の補数(1’s complement)にする機能とを遂行することができる。ビットワイズインバージョンカウンタは、リセットカウント(reset count)を遂行した後、その結果を反転して1の補数(すなわち、負数)の値に変換することができる。
【0051】
図5は、
図4の第1の増幅器151_1の一例を示す回路図である。第1の増幅器200は、複数のトランジスタTR11~TR16、複数のスイッチSW1~SW2及び第1の電流源210を含み得る。例えば、第1のトランジスタTR11、第2のトランジスタTR12、第5のトランジスタTR15及び第6のトランジスタTR16はNMOSトランジスタであり、第3のトランジスタTR13及び第4のトランジスタTR14はPMOSトランジスタであり得る。しかし、本発明はこれに限定されず、第1~第6のトランジスタTR11~TR16は、
図5に示すものとは異なる種類のトランジスタであり得る。
【0052】
図5を参照すると、第1のトランジスタTR11のゲート端子にはランプ信号RAMPが入力され、第2のトランジスタTR12のゲート端子にはピクセル信号PIXが入力される。第1及び第2のトランジスタTR11、TR12のソース端子は、第1の電流源210と共通ノードCOMMで連結される。例えば、第3及び第4のトランジスタTR13、TR14は、カレントミラー(current mirror)の形態で接続されうる。第1及び第2のトランジスタTR11、TR12に流れる電流の和は、第1の電源電流ISS1と同じであり得る。
【0053】
第3のトランジスタTR13のゲート端子とドレイン端子、及び第1のトランジスタTR11のドレイン端子は第2の出力ノードOUT12に共通に連結され、第4のトランジスタTR14のドレイン端子及び第2のトランジスタTR12のドレイン端子は、第1の出力ノードOUT11に共通に連結される。第5のトランジスタTR15は、第1の出力ノードOUT11と第2の出力ノードOUT12との間に連結されてもよい。例えば、第5のトランジスタTR15は、第1の出力ノードOUT11から出力される信号の電圧レベルを制限することができる。
【0054】
第1の出力ノードOUT11から第1の出力信号OTA1_OUTが出力され、第2の出力ノードOUT12から反転された第1の出力信号OTA1_OUT`が出力される。例えば、第1の出力信号OTA1_OUTは、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより高い区間の間、ハイレベルを有することができ、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルよりも低い区間の間、ローレベルを有し得る。第1の出力信号OTA1_OUTは、
図4の第2の増幅器151_2に提供されてもよい。
【0055】
第1の電流源210は、第6のトランジスタTR16を含み得る。第6のトランジスタTR16は接地電圧VSSに連結され、第1のバイアス信号BIAS1に基づいて第1の電源電流ISS1を生成することができる。
【0056】
一方、第1のオートゼロ区間の間に、第1のオートゼロ信号AZ_OTA1に応答してスイッチSW1、SW2をターンオンすることができる。スイッチSW1、SW2がターンオンされると、第2の入力ノードIN12と第1の出力ノードOUT11とが互いに連結され、第1の入力ノードIN11と第2の出力ノードOUT12が互いに連結される。したがって、第1のオートゼロ区間の間に、第1の入力ノードIN11、第2の入力ノードIN12、第1の出力ノードOUT11及び第2の出力ノードOUT12のレベルを互いに等しくなれる。図示していないが、第1の入力ノードIN11に連結された第1のキャパシタはランプ信号RAMPを受信することができ、第2の入力ノードIN12に連結された第2のキャパシタはピクセル信号PIXを受信することができる。例えば、第1及び第2のキャパシタは、オートゼロレベルサンプリングキャパシタとして動作することができる。
【0057】
図6は、
図4の第2の増幅器151_2の一例を示す回路図である。第2の増幅器300は、複数のトランジスタTR21~TR24、キャパシタC1、スイッチング回路310及び電流源320を含み得る。例えば、第7及び第10のトランジスタTR21、TR24はPMOSトランジスタであり、第8~第9のトランジスタTR22、TR23はNMOSトランジスタであり得る。しかし、本発明はこれに限定されず、第7~第10のトランジスタTR21~TR24は、
図6に示すものとは異なる種類のトランジスタであり得る。
【0058】
第7のトランジスタTR21は、入力として
図4の第1の増幅器151_1から第1の出力信号OTA1_OUTを受信することができ、第1の出力信号OTA1_OUTに応答して動作することができる。例えば、第1の出力信号OTA1_OUTの電圧レベルがハイレベルの場合、第7のトランジスタTR21はターンオフされ、第3の出力ノードOUT21に電流が流れないことにより第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはローレベルになれる。逆に、第1の出力信号OTA1_OUTの電圧レベルがローレベルの場合、第7のトランジスタTR21はターンオンされ、第3の出力ノードOUT21に電流が流れることにより第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルは、ハイレベルになれる。言い換えれば、第2の増幅器300は反転増幅器として動作することができる。すなわち、第1の出力信号OTA1_OUTの電圧レベルが増加すると、第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルが減少することができる。
【0059】
スイッチング回路310は、第3の出力ノードOUT21とバイアスノードBNとの間に連結される第8のトランジスタTR22を含み得る。第2のオートゼロ区間の間、第8のトランジスタTR22は、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2に応答して動作することができ、活性化された第2のオートゼロ信号AZ_OTA2に応答してターンオンされうる。第8のトランジスタTR22がターンオンされると、バイアスノードBNの電圧レベルは第3の出力ノードOUT21の電圧レベルと等しくなれ、バイアスノードBNに連結されたキャパシタC1に電荷が充電されうる。
【0060】
キャパシタC1に電荷が完全に充電されると、第2の増幅器300の初期化が完了し、第2のオートゼロ区間を終了することができる。すなわち、第2のオートゼロ区間の長さは、バイアスノードBNに連結されたキャパシタC1に電荷が充電されるまでにかかる時間に基づいて最適化される。
図4を参照して説明したように、最適化された第2のオートゼロ区間の長さは、第1のオートゼロ区間の長さよりも短い可能性がある。
【0061】
一方、
図4のADC回路150が比較動作を遂行するうちに、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2が非活性化されて第8のトランジスタTR22がターンオフされると、第3の出力ノードOUT21の電圧レベルに等しくなるバイアスノードBNの電圧レベルは、キャパシタC1によって維持され、それによって電流源320が動作することができる。
【0062】
電流源320は、第3の出力ノードOUT21に連結される第9のトランジスタTR23を含み得る。第9のトランジスタTR23は、バイアスノードBNの電圧、すなわちキャパシタC1の一端の電圧に基づいて電源電流ISS2を生成することができる。
【0063】
前述したように、バイアスノードBNに連結されるキャパシタC1に電荷が完全に充電されると、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2を非活性化され、第2のオートゼロ区間は終了される。このとき、第10のトランジスタTR24は、活性化されたパワーダウン信号PDに応答してターンオフされることによって、第2の増幅器300の動作が一時的に停止されるように(すなわち、一時的にパワーダウンされるように)できる。すなわち、第10のトランジスタTR24は、第2の増幅器300のパワーダウンスイッチとして動作することができる。
【0064】
第2の増幅器300の動作は、第1の増幅器200が比較動作を遂行する前まで停止されうる。言い換えれば、第1の増幅器200の第1のオートゼロ区間が終了すると(すなわち、第1のオートゼロ信号AZ_OTA1が非活性化されると)、パワーダウン信号PDは非活性化され、第10のトランジスタTR24はターンオンされ、第2の増幅器300は再び動作し始める。
【0065】
言い換えれば、第2のオートゼロ区間及び比較動作区間の間に、第10のトランジスタTR24は、ローレベルのパワーダウン信号PDに応答してターンオンされ、第2のオートゼロ区間と比較動作区間との間に、ハイレベルのパワーダウン信号PDに応答してターンオフされうる。このような第10のトランジスタTR24の動作によって第2の増幅器300は、第2のオートゼロ区間と比較動作区間との間に消費電力が減少することができる。
【0066】
図7は、
図4のアナログ-デジタル変換器ADCの回路150の動作を示すタイミング図の一例である。
図7を参照すると、t0時点からt2時点まではオートゼロ区間(第1のオートゼロ区間及び第2のオートゼロ区間を含む)と定義され、t2時点からt11時点まで比較動作区間と定義される。より詳しくは、t3時点又はt4時点からt6時点までは第1の動作区間と定義され、t6時点又はt9時点からt10時点までは第2の動作区間と定義され、t0時点からt2時点までは第1のオートゼロ区間と定義され、t0時点からt1時点までは第2のオートゼロ区間と定義される。そして、t1時点からt2時点まではパワーダウン区間と定義される。
【0067】
t0時点前に選択信号VSELが活性化され、
図2のピクセルアレイの複数のピクセルグループ(例えば、
図3に示すようなピクセルグループ)からピクセル信号PIXが出力される。なお、t0時点前に活性化されたリセット信号VRSTによって電源電圧を提供することができる。実施形態では、ピクセル信号PIXのレベル及びランプ信号RAMPのレベルは、t0時点前及びt11時点以降の回路(図示せず)によって決定され得る。以下、
図7と共に、
図4~
図6を参照して説明する。
【0068】
第1のオートゼロ信号AZ_OTA1は、t0時点からt2時点まで活性化される。第2のオートゼロ信号AZ_OTA2は、t0時点からt1時点まで活性化され、t1時点からt2時点まで非活性化される。第1の増幅器151_1は、第1のオートゼロ区間の間(t0時点からt2の時点まで)、第1のオートゼロ信号AZ_OTA1に応答して初期化されてもよく、第2の増幅器151_2は第2のオートゼロ区間の間(t0時点からt1時点まで)、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2に応答して初期化される。
【0069】
図6を参照して説明したように、第2のオートゼロ区間の長さは、第2の増幅器151_2が含むキャパシタ(例えば、
図6のC1)に電荷を完全に充電するのにかかる時間に基づいて決定される。第2の増幅器151_2の初期化が完了すると、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2を非活性化され、第2のオートゼロ区間は終了することができる。
【0070】
このとき、パワーダウン信号PDが活性化されて第2の増幅器151_2のパワーダウンスイッチ(例えば、
図6のTR24)をターンオフすることにより、t1時点からt2時点まで第2の増幅器151_2の動作を一時的に停止することができる。これによって、t1時点からt2時点まで第2の増幅器151_2の消費電力を低減することができ、ADC回路150全体の消費電力もまた低減することができる。パワーダウン信号PDは、第1のオートゼロ区間が終了し、比較動作区間が始まると再び非活性化される。
【0071】
ピクセル信号PIXのリセット信号のデジタル変換のために、t3時点でランプ信号RAMPにオフセットを加えることができ、t4時点からランプ信号RAMPが減少することができる。カウンタ152は、t4時点から第2の増幅器151_2の出力である第2の出力信号OTA2_OUTの極性が変化するt5時点までカウンティングクロック信号CNT_CLKをカウントすることができる。
【0072】
リセット信号のデジタル変換が終了すると、t6時点でピクセル信号PIXのイメージ信号をデジタル信号に変換するために、t6時点でランプ信号RAMPに再びオフセットが加えられ、t7時点で反転信号CONVに応答して、カウンタ152のビットが反転される。t8時点で、転送信号VTが活性化され、その間に光電変換素子PDによって蓄積された電荷によってピクセル信号PIXが受信される第1の増幅器151_1の入力ノードの電圧レベルは変わることができる。
【0073】
イメージ信号のデジタル変換のために、t9時点でランプ信号RAMPのレベルが減少することができる。カウンタ152は、t9時点から第2の増幅器151_2の出力である第2の出力信号OTA2_OUTの極性が変化するt10時点までカウントクロック信号CNT_CLKをカウントすることができる。例えば、
図4のカウンタ152は、t10時点でデジタル信号DSを出力することができる。イメージ信号のデジタル変換が終了すると、次の比較動作(すなわち、相関二重サンプリング)のためにADC回路150を初期化することができる。
【0074】
図7を参照してADC回路150の動作タイミングを説明したが、本発明はこれに限定されず、ADC回路150の実施方法(例えば、第1の増幅器151_1及び第2の増幅器151_2の構造など)によって、信号のタイミングを変更することができる。
【0075】
図8は、
図2のアナログ-デジタル変換器ADCの回路150の構成の他の例を示す。
図8を参照すると、第2の出力信号OTA2_OUTは第2の増幅器151_2にフィードバックされてもよい。第2の増幅器151_2にフィードバックされた第2の出力信号OTA2_OUTは、第2の増幅器151_2の電源(例えば電流源)を制御することができ、ADC回路150の消費電力を低減することができる。このような第2の増幅器151_2の出力フィードバック動作は、第1の増幅器151_1がピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとの間の比較動作を行うときと、ピクセル信号PIXのイメージ信号とランプ信号RAMPとの間の比較動作を実行するときにすべて遂行され得る。
【0076】
すなわち、
図8のADC回路150は、オートゼロ区間最適化だけでなく出力フィードバック動作をさらに行うことで、
図4のADC回路150に比べて消費電力がさらに低減することができる。
図8のADC回路150は、前述した出力フィードバック動作を除けば、
図4を参照して説明したのと同じ機能を遂行することができるため、重複する説明は省略する。
【0077】
図9は、
図8の第2の増幅器151_2の他の例を示す回路図である。第2の増幅器300aは、第11のトランジスタTR25及びフィードバック回路330をさらに含み得る。例えば、第11のトランジスタTR25はNMOSトランジスタであり得る。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第11のトランジスタTR25は、
図9に示すものとは異なる種類のトランジスタであり得る。
図9を参照すると、第7のトランジスタTR21がターンオンされると、第11のトランジスタTR25にも電流が流れることができる。第2の出力信号OTA2_OUTは、フィードバック回路330に転送され得る。
【0078】
フィードバック回路330は、第2の出力信号OTA2_OUT及びフィードバック活性信号FB_ENに基づいて電流源320を制御することができる。このような出力フィードバック動作を遂行するために、フィードバック回路330は論理ゲート331を含み得る。例えば、論理ゲート331はNANDゲートであり得る。
【0079】
論理ゲート331は、第2の出力信号OTA2_OUT及びフィードバック活性信号FB_ENに応答してフィードバック信号FBを出力することができる。例えば、論理ゲート331は、フィードバック活性信号FB_ENの電圧レベル及び第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルすべてがハイレベルである場合、フィードバック信号FBの電圧レベルはローレベルになれるように実施され得る。
【0080】
フィードバック信号FBの電圧レベルがハイレベルである場合、第11のトランジスタTR25はターンオンされ、電源電流ISS2は第11のトランジスタTR25を介して流れることができる。しかしながら、フィードバック信号FBの電圧レベルがローレベルである場合、第11のトランジスタTR25はターンオフされ、電源電流ISS2は第11のトランジスタTR25を介して流れることができなくなる。
【0081】
具体的には、ランプ信号RAMPとピクセル信号PIXとの比較動作が終了した後、第1の出力信号OTA1_OUTの電圧レベルはローレベルである可能性があり、第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはハイレベルである可能性がある。このとき、フィードバック活性信号FB_ENが活性化される前には、フィードバック信号FBはハイレベルである可能性があり、第11のトランジスタTR25はターンオン状態である可能性があり、電源電流ISS2は第11のトランジスタTR25を介して流れることができる。
【0082】
一方、フィードバック活性信号FB_ENが活性化されると(すなわち、フィードバック活性信号FB_ENの電圧レベルがハイレベルになると)、フィードバック信号FBはローレベルになれ、第11のトランジスタTR25がターンオフされることにより、電源電流ISS2は第11のトランジスタTR25を介して流れることができなくなる。これにより、比較動作が終了した後に出力フィードバックを利用することで、第2の増幅器300の消費電力を低減することができ、さらにADC回路150の消費電力もまた低減することができる。
【0083】
比較動作を遂行する前後の消費電力の差が持続するにつれて、イメージセンサの性能(例えば、ピクセル信号をデジタル信号に変換するADC回路の性能)が劣化する可能性がある。前述したフィードバック回路330の動作により比較動作が行われた後、電源電流ISS2が出力ノードOUT21、OUT22を介して流れることができなくなると、比較動作を行う前後の消費電力の差が減少することができる。したがって、フィードバック回路330の動作により、イメージセンサの性能劣化の問題を改善することができる。
【0084】
一方、
図9の論理ゲート331はNANDゲートであると示されているが、本発明はこれに限定されず、フィードバック回路330は、第2の出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがハイレベルになったときに、フィードバック信号FBの電圧レベルがローレベルになれるようにする任意の他の構成として(例えば、NORゲート及び反転増幅器として)実施されることもあり得る。
【0085】
なお、
図9のフィードバック回路330は、第2の出力信号OTA2_OUTを直接入力されることで示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図9のフィードバック回路330は、第2の出力信号OTA2_OUTに基づく他の信号を受信することもできる。例えば、第2の増幅器300aは、第7のトランジスタTR21と第3の出力ノードOUT21との間に連結されるトランジスタ、スイッチ、インバータ又は論理ゲートをさらに含み得る。このような場合、フィードバック回路330の論理ゲート331は、第2の出力信号OTA2_OUTが第7のトランジスタTR21と第3の出力ノードOUT21との間に連結されるトランジスタ、スイッチ、インバータ又は論理ゲートを通過した信号を受け取ることができ、前述したような比較動作を行うことができる。
【0086】
言い換えれば、フィードバック回路330は、第2の出力信号OTA2_OUTをそのまま入力されるか、又は第2の出力信号OTA2_OUTが第7のトランジスタTR21と第3の出力ノードOUT21との間のトランジスタ、スイッチ、インバータ又は論理ゲートを通過した信号を受け取ることができる。
【0087】
結論として、
図9の第2の増幅器300aは、第2のオートゼロ区間の最適化による第10のトランジスタTR24の動作及びフィードバック回路330の動作の両方を使用することにより、
図6の第2の増幅器300に比して、消費電力がさらに減少する可能性がある。
図9に示す第2の増幅器300aの構成及び機能は、前述したフィードバック回路330の動作を除けば、
図6の第2の増幅器300の構成及び機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0088】
図10aは、
図9のフィードバック回路330の動作による
図4のADC回路150の動作を示すタイミング図の例であり、
図10bは、
図9のオートゼロ区間最適化及びフィードバック回路330の動作に応じた
図4のADC回路150の動作を示すタイミング図の一例である。すなわち、
図10aは、
図9の第2の増幅器300aが出力フィードバック動作のみを使用する場合に対応し、
図10bは
図9の第2の増幅器300aがオートゼロ区間最適化及び出力フィードバック動作の両方を使用する場合に対応する。また、
図10aの場合、第2のオートゼロ区間の長さが最適化されず、第1のオートゼロ区間の長さと類似であると仮定し、パワーダウン信号PDは活性化されないと仮定する。
【0089】
図10a、
図10bを参照すると、区間T0はオートゼロ区間に対応することができ、区間T1~区間T3は、比較器(コンパレータ)151がピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとを比較する区間に対応することができ、区間T4~区間T6は、比較器151がピクセル信号PIXのイメージ信号とランプ信号RAMPとを比較する区間に対応することができる。フィードバック活性信号FB_ENは、ADC回路150の判定が終了するとき(すなわち、区間T2及び区間T5が終了するとき)に活性化される。例えば、フィードバック活性信号FB_ENの電圧レベルは、ランプ信号RAMPがランプされる区間T2~T3、及び/又は区間T5~T6の間にハイレベルに維持される。
【0090】
フィードバック活性信号FB_EN及び第2の出力信号OTA2_OUTに基づいて、フィードバック回路330はフィードバック信号FBを出力することができる。ローレベルのフィードバック信号FBに応答して、電流源320と出力ノードとの間のトランジスタ(例えば、
図9の第11のトランジスタTR25)はターンオフされ、電源電流ISS2が流れない可能性がある。
【0091】
したがって、フィードバック回路330の動作によって、区間T1~T3及び区間T4~T6にかけて電源電流ISS2のレベルはほぼ等しく維持される。例えば、区間T1~T3及び区間T4~T6にかけて電源電流ISS2のレベルはゼロに近い可能性がある。これによって、ADC回路150の消費電力は減少することができる。
【0092】
一方、
図10bを参照すると、オートゼロ区間であるT0は、第1のオートゼロ信号AZ_OTA1が活性化される第1のオートゼロ区間、及び第2のオートゼロ信号AZ_OTA2が活性化される第2のオートゼロ区間に細分化される。
図4及び
図6を参照して説明したように、第2のオートゼロ区間は、第2の増幅器151_2が含むキャパシタ(例えば、
図6のキャパシタC1)に電荷が完全に充電された後に終了する。
【0093】
そして、第2のオートゼロ区間が終了すると、パワーダウン信号PDが活性化され、比較動作区間が始まる前まで第2の増幅器151_2の動作を一時的に停止させることができる。したがって、パワーダウン信号PDが活性化されているうちに電源電流ISS2が流れることができず、ADC回路150の消費電力は減少することができる。結論として、
図10bを参照すると、オートゼロ区間最適化を通じて第2の増幅器151_2が初期化され、比較動作区間が始まる前まで電源電流ISS2のレベルが0に近づくことにより、
図10aに比べてADC回路150の消費電力がさらに減少し得る。
【0094】
図11は、
図8の第2の増幅器151_2の他の例を示す回路図である。第2の増幅器300bは、制御回路340をさらに含み得る。制御回路340は、制御電流ICNの出力を調整して、比較動作を遂行する前後の第2の増幅器300bの消費電力の差を軽減することができる。制御回路340は、電源電圧VDDと第3の出力ノードOUT21との間に連結され、第7のトランジスタTR21及び第10のトランジスタTR24と並列に連結される第12~第13のトランジスタTR26、TR27を含み得る。
【0095】
第12のトランジスタTR26は制御信号CNに応答して動作することができ、第13のトランジスタTR27は第2のバイアス信号BIAS2に応答して動作することができる。ここで、制御信号CNは、
図2のタイミングコントローラ160から生成される。実施形態では、第13のトランジスタTR27のゲートは、バイアスノードBNに連結される。例えば、第12~第13のトランジスタTR26、TR27は、NMOSトランジスタであり得る。しかし、本発明はこれに限定されず、第12~第13のトランジスタTR26、TR27は、
図11に示すものとは異なる種類のトランジスタであり得る。
【0096】
制御信号CNが非活性化される場合、第12のトランジスタTR26はターンオフされ、第13のトランジスタTR27を介して制御電流ICNが流れないことがある。一方、制御信号CNが活性化されて第12のトランジスタTR26がターンオンされ、第2のバイアス信号BIAS2が印加されて第13のトランジスタTR27もターンオンされる場合、第12のトランジスタTR26及び第13のトランジスタTR27を介して出力ノードOUT21、OUT22に制御電流ICNが流れることができる。
【0097】
ランプ信号RAMPのレベルとピクセル信号PIXのレベルとの間の大小関係の判定が終わった後、電源電流ISS2のレベルは高くなることがあり、比較動作が行われた後も電力が消費され続けることができる。前述したように比較動作を遂行する前後の消費電力の差が持続されるにつれて、イメージセンサの性能が劣化する可能性がある。
【0098】
制御回路340は、このようなイメージセンサの性能の劣化を防ぐために動作することができる。ランプ信号RAMPがランプし始めた後、制御信号CN及び第2のバイアス信号BIAS2が活性化されるにつれて、前述したように第12~第13のトランジスタTR26、TR27を介して出力ノードOUT21、OUT22に制御電流ICNが流れることができ、電源電流ISS2のレベルは制御電流ICNのレベルだけ増加することができる。
【0099】
例えば、ランプ信号RAMPがランプし始めた後に、制御電流ICNのレベルだけ増加した電源電流ISS2のレベル(以下、第2のレベルと称する)は、比較動作が行われる前の電源電流ISS2のレベル(以下、第1のレベルと称する)よりも高く、比較動作が行われた後(すなわち、ランプ信号RAMPの電圧レベルとピクセル信号PIXの電圧レベルとの大小関係に関する判断が終わった後)電源電流ISS2のレベル(以下、第3のレベルと称する)よりは低い可能性がある。
【0100】
このような制御回路340の動作により、第1のレベルと第2のレベルとの差、及び第2のレベルと第3のレベルとの差は、両方とも第1のレベルと第3のレベルとの差より小さい可能性がある。これによって、第2の増幅器300の比較動作前後の消費電力差を緩和することができ、イメージセンサの性能劣化を改善することができる。したがって、比較動作を遂行する前後の消費電力の違いによるイメージセンサの性能劣化は、前述したフィードバック回路330の動作又は制御回路340の動作によって改善され得る。
【0101】
結論として、
図11の第2の増幅器300bは、第2のオートゼロ区間の最適化による第10のトランジスタTR24の動作だけでなく、フィードバック回路330の動作又は制御回路340の動作のうちいずれか1つを使用することにより、
図6の第2の増幅器300に比べて消費電力をさらに低減することができる。
図11に示す第2の増幅器300bの構成及び機能は、前述した制御回路340の動作を除けば、
図6の第2の増幅器300及び
図9の第2の増幅器300aの構成及び機能と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0102】
図12は、本発明の実施形態によるオートゼロ区間最適化を用いたアナログ-デジタル変換器ADCの回路の動作方法を示すフローチャートである。以下、
図12と共に、
図2、
図4~
図6を参照して説明する。
【0103】
段階S110において、第1の増幅器151_1は、第1のオートゼロ信号AZ_OTA1に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを等しく調整することができる。段階S120において、第2の増幅器151_2は、第2のオートゼロ信号AZ_OTA2に応答してキャパシタに電荷を充電することができる。段階S130において、第2のオートゼロ区間が終了した後、比較動作区間が始まる前まで、第2の増幅器151_2の動作は一時的に停止され得る。
【0104】
段階S140において、第1の増幅器151_1は、比較動作区間中にピクセルアレイ110から出力されるピクセル信号PIXとランプ信号RAMPとを比較して第1の出力信号OTA1_OUTを生成することができる。具体的には、第1の増幅器151_1は、第1の動作区間中にピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとを比較し、第2の動作区間中にピクセル信号PIXのイメージ信号とランプ信号RAMPを比較して相関二重サンプリングCDSを遂行することができる。
【0105】
段階S150において、第2の増幅器151_2は、第1の出力信号OTA1_OUTに基づいて第2の出力信号OTA2_OUTを生成することができる。例えば、第2の出力信号OTA2_OUTは、第1の出力信号OTA1_OUTが反転される信号であり得る。
【0106】
前述した内容は、本発明を実施するための具体的な実施形態である。本発明は、前述した実施形態だけでなく、単に設計変更されるか、又は容易に変更できる実施形態もまた含む。なお、本発明は、実施形態を用いて容易に変形して実施することができる技術もまた含む。したがって、本発明の範囲は、前述した実施形態に限定してはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本発明の特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0107】
10 イメージ処理ブロック
12 レンズ
14 イメージセンサ
16 ISPフロントエンドブロック
18 イメージ信号プロセッサ
100 イメージセンサ
110 ピクセルアレイ
120 ロードライバ
130 ランプ信号発生器
140 電圧バッファ
150 ADC 回路
151 コンパレータ
151_1 第1のアンプ(増幅器)
151_2 第2のアンプ(増幅器)
152 カウンタ
160 タイミングコントローラ
170 バッファ
200 第1の増幅器
210 第1の電流源
300、300a、300b 第2の増幅器
310 スイッチング回路
320 電流源
330 フィードバック回路
331 論理ゲート
340 制御回路