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特開2023-73240出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換回路及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073240
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換回路及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/772 20230101AFI20230518BHJP
【FI】
H04N5/3745 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182703
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0156707
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059766
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】17/985642
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】田 在熏
(72)【発明者】
【氏名】尹 範洙
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CY42
5C024GY31
5C024HX11
5C024HX17
5C024HX23
5C024HX29
5C024HX32
5C024HX35
5C024HX40
5C024HX44
5C024HX48
(57)【要約】
【課題】出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換回路及びその動作方法を提供する。
【解決手段】本開示の実施形態による回路は、第1電源電圧に基づいて動作し、第1動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2動作区間に前記ピクセル信号の画像信号を前記ランプ信号と比較して第1出力信号を生成する第1増幅器と、前記第1電源電圧に基づいて動作し、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成する第2増幅器と、第2電源電圧に基づいて動作し、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含み、前記第1電源電圧のレベルは前記第2電源電圧のレベルより高く、前記第2増幅器は前記第2出力信号の電圧レベルがローレベルから前記第2電源電圧のレベル以下までのみ増加するように調節する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源電圧に基づいて動作し、第1動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2動作区間に前記ピクセル信号の画像信号を前記ランプ信号と比較して第1出力信号を生成する第1増幅器と、
前記第1電源電圧に基づいて動作し、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成する第2増幅器と、
第2電源電圧に基づいて動作し、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含み、
前記第1電源電圧のレベルは前記第2電源電圧のレベルより高く、
前記第2増幅器は前記第2出力信号の電圧レベルがローレベルから前記第2電源電圧のレベル以下までのみ増加するように調節する、回路。
【請求項2】
前記第2増幅器は、
前記第1出力信号に応答して前記第2出力信号が出力される第1出力ノードに電源電圧を提供する第1トランジスタと、
電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に連結され、前記電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に電圧降下を起こすことで前記第2出力信号の電圧レベルを調節するクリッピング回路と、
前記第1出力ノードを介して前記第1トランジスタと連結され、電源電流を生成する電流ソースと、を含む請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記クリッピング回路は第2トランジスタと第3トランジスタとを含み、
前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタそれぞれのドレイン端子とゲート端子は互いに連結される請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記クリッピング回路は、前記第2トランジスタのドレイン端子と前記第3トランジスタのソース端子との間に連結されるスイッチを更に含む請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記クリッピング回路は、前記第3トランジスタのドレイン端子とソース端子との間に連結されるスイッチを更に含む請求項3に記載の回路。
【請求項6】
前記クリッピング回路は前記第3トランジスタのゲート端子に連結されるスイッチを更に含み、前記第3トランジスタは前記ゲート端子に印加されるイネーブル信号に応答して動作する請求項3に記載の回路。
【請求項7】
前記クリッピング回路は、前記第2トランジスタの第1ゲート端子に連結される第1スイッチと、前記第3トランジスタの第2ゲート端子に連結される第2スイッチとを更に含み、
前記第2トランジスタは前記第1ゲート端子に印加される第1イネーブル信号に応答して動作し、前記第3トランジスタは前記第2ゲート端子に印加される第2イネーブル信号に応答して動作する請求項3に記載の回路。
【請求項8】
前記クリッピング回路は抵抗を含む請求項2に記載の回路。
【請求項9】
前記第2増幅器は制御信号に応答して制御電流を出力する制御回路を更に含み、
前記制御回路は、
前記制御信号に応答し、前記電源電圧に基づいて前記制御電流を生成する第2トランジスタと、
バイアス信号に応答して前記制御電流を前記第1出力ノードに提供する第3トランジスタと、を含む請求項2に記載の回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1動作区間または前記第2動作区間の間に前記ランプ信号がランピングされ始める際、前記制御電流を前記第1出力ノードを介して前記電流ソースに出力する請求項9に記載の回路。
【請求項11】
第1電源電圧に基づいて動作し、第1オートゼロ区間に第1オートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを同じに調整し、第1動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2動作区間に前記ピクセル信号の画像信号を前記ランプ信号と比較して第1出力信号を生成する第1増幅器と、
前記第1電源電圧に基づいて動作し、第2オートゼロ区間に第2オートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充填し、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成する第2増幅器と、
第2電源電圧に基づいて動作し、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含み、
前記第1電源電圧のレベルは前記第2電源電圧のレベルより高く、
前記第2増幅器は前記第2出力信号の電圧レベルがローレベルから前記第2電源電圧のレベル以下までのみ増加するように調節し、
前記第1動作区間及び前記第2動作区間のうち少なくとも一方の動作区間の間、前記第2出力信号は前記第2増幅器の電源電流を制御し、そして
前記第2オートゼロ区間が終了された後、前記第1動作区間が開始される前まで前記第2増幅器は動作が中断される、回路。
【請求項12】
前記第2増幅器は、
前記第1出力信号に応答して前記第2出力信号が出力される第1出力ノードに電源電圧を提供する第1トランジスタと、
電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に連結され、前記電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に電圧降下を起こすことで前記第2出力信号の電圧レベルを調節するクリッピング回路と、
前記第2オートゼロ信号に応答してターンオンされ、バイアスノードを介してキャパシタと連結される第2トランジスタと、
パワーダウン信号に応答してターンオフされることで前記第2増幅器の動作を中断する第3トランジスタと、
前記第1出力ノードを介して前記第1トランジスタと連結され、前記バイアスノードを介して前記キャパシタ及び前記第2トランジスタと連結され、前記キャパシタによって維持される前記バイアスノードの電圧レベルに基づいて前記電源電流を生成する電流ソースと、
前記クリッピング回路と連結され、前記第2出力信号に基づく信号を入力されて前記電源電流を制御するためのフィードバック信号を出力するフィードバック回路と、
第2出力ノードを介して前記電流ソースと連結され、前記フィードバック信号に応答して前記第1出力ノードを前記第2出力ノードと連結する第4トランジスタと、を含む請求項11に記載の回路。
【請求項13】
前記クリッピング回路は第5トランジスタと第6トランジスタとを含み、
前記第5トランジスタ及び前記第6トランジスタそれぞれのドレイン端子とゲート端子は互いに連結される請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記フィードバック回路は前記第5トランジスタと前記第6トランジスタとの間の第3出力ノードと連結され、前記第3出力ノードの電圧レベル及びフィードバック活性信号に基づいて前記フィードバック信号を出力する論理ゲートを含み、そして
前記第4トランジスタは前記フィードバック信号に応答してターンオフされる請求項13に記載の回路。
【請求項15】
前記論理ゲートはNANDゲートである請求項14に記載の回路。
【請求項16】
前記パワーダウン信号は前記第2オートゼロ区間が終了される際に活性化され、前記第1動作区間が開始される際に非活性化される請求項12に記載の回路。
【請求項17】
第1電源電圧に基づいて動作し、動作区間に出力信号を生成する回路において、
前記回路は、
前記出力信号が出力される第1出力ノードに電源電圧を提供する第1トランジスタと、
電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に連結され、前記電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に電圧降下を起こすことで前記出力信号の電圧レベルが前記第1電源電圧のレベルより低くなるように調節するクリッピング回路と、
前記第1出力ノードを介して前記第1トランジスタと連結され、電源電流を生成する電流ソースと、を含む回路。
【請求項18】
前記クリッピング回路は第2トランジスタと第3トランジスタとを含み、
前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタそれぞれのドレイン端子とゲート端子は互いに連結される請求項17に記載の回路。
【請求項19】
前記第1トランジスタはPMOSトランジスタであり、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタはNMOSトランジスタである請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、及び前記第3トランジスタはPMOSトランジスタである請求項18に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はアナログデジタルコンバータに関し、より詳しくは、出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換回路及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像センサの種類として、CCD(Charge Coupled Device)画像センサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)画像センサ(CIS)などがある。CMOS画像センサはCMOSトランジスタで構成されるピクセルを含み、各ピクセルに含まれる光電変換素子を利用して光エネルギーを電気信号に変換する。CMOS画像センサは、各ピクセルから発生した電気信号を利用して撮影画像に関する情報を獲得する。
【0003】
アナログデジタルコンバータ(ADC; Analog-to-Digital Converter)はピクセルから発生したアナログ入力電圧を受信し、それをデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は他の装置に伝送される。ADCは多様な信号処理装置で使用される。最近、信号処理装置の性能が向上されるにつれ、アナログデジタル信号に対する向上された分解能が求められている。それによって、同じ時間内に多くの信号を処理するか各信号に対する向上された分解能を提供し得るADCが使用されているが、消費電力が増加するという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、出力電圧クリッピングを利用して減少された消費電力を有するアナログデジタル変換回路及びその動作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態による回路は、第1電源電圧に基づいて動作し、第1動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2動作区間に前記ピクセル信号の画像信号を前記ランプ信号と比較して第1出力信号を生成する第1増幅器と、前記第1電源電圧に基づいて動作し、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成する第2増幅器と、第2電源電圧に基づいて動作し、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含み、前記第1電源電圧のレベルは前記第2電源電圧のレベルより高く、前記第2増幅器は前記第2出力信号の電圧レベルがローレベルから前記第2電源電圧のレベル以下までのみ増加するように調節する。
【0006】
本開示の実施形態による回路は、第1電源電圧に基づいて動作し、第1オートゼロ区間に第1オートゼロ信号に応答して入力ノード及び出力ノードの電圧レベルを同じに調整し、第1動作区間にピクセルアレイから出力されるピクセル信号のリセット信号をランプ信号と比較し、第2動作区間に前記ピクセル信号の画像信号を前記ランプ信号と比較して第1出力信号を生成する第1増幅器と、前記第1電源電圧に基づいて動作し、第2オートゼロ区間に第2オートゼロ信号に応答してキャパシタに電荷を充填し、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成する第2増幅器と、第2電源電圧に基づいて動作し、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するカウンタと、を含み、前記第1電源電圧のレベルは前記第2電源電圧のレベルより高く、前記第2増幅器は前記第2出力信号の電圧レベルがローレベルから前記第2電源電圧のレベル以下までのみ増加するように調節し、前記第1動作区間及び前記第2動作区間のうち少なくとも一方の動作区間の間、前記第2出力信号は前記第2増幅器の電源電流を制御し、そして前記第2オートゼロ区間が終了された後、前記第1動作区間が開始される前まで前記第2増幅器は動作が中断される。
【0007】
本開示の実施形態による回路は、第1電源電圧に基づいて動作し、動作区間に出力信号を生成し、前記出力信号が出力される第1出力ノードに電源電圧を提供する第1トランジスタと、電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に配置され、前記電源電圧端子と前記第1トランジスタとの間に電圧降下を起こすことで前記出力信号の電圧レベルが前記第1電源電圧のレベルより低くなるように調節するクリッピング回路と、前記第1出力ノードを介して前記第1トランジスタと連結されて電源電流を生成する電流ソースと、を含む。
【0008】
本開示の実施形態によるアナログデジタル変換回路の動作方法は、ピクセルアレイから出力されたピクセル信号とランプ信号を比較して第1出力信号を生成するステップと、前記第1出力信号に基づいて第2出力信号を生成するステップと、前記第2出力信号の電圧レベルをクリッピングするステップと、前記第2出力信号のパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によると、出力電圧クリッピングを利用することでアナログデジタル変換回路の消費電力を減少させることができる。また、本開示の実施形態によると、アナログデジタル変換回路においてカウンタが占める面積が減少し、比較動作を行う際にピーク電流の値が減少される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態による画像処理ブロックの構成の例を示す図である。
図2図1の画像センサの構成の例を示す図である。
図3図2のピクセルアレイのピクセルグループのうちいずれか一つの例を示す回路図である。
図4図2のアナログデジタル変換(ADC)回路の構成の例を示す図である。
図5図4の第1増幅器の例を示す回路図である。
図6図4の第2増幅器の例を示す回路図である。
図7図4のアナログデジタル変換(ADC)回路の動作を示すタイミング図の例である。
図8図6の第2増幅器の電源電流を示すタイミング図の例である。
図9a図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9b図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9c図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9d図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9e図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9f図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9g図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9h図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図9i図4の第2増幅器の他の例を示す回路図である。
図10図2のアナログデジタル変換(ADC)回路の構成の他の例を示す図である。
図11図10の第2増幅器の例を示す回路図である。
図12】本開示の実施形態による出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換(ADC)回路の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の技術分野における通常の知識を有する者が本開示を容易に実施し得る程度に、本開示の実施形態を明確で詳細に記載する。
【0012】
詳細な説明で使用される部またはユニット(unit)、モジュール(module)、ブロック(block)、~器(~or、~er)などの用語を参照して説明される構成要素及び図面に示した機能ブロックは、ソフトウェアまたはハードウェア、またはそれらの組み合わせの形態で具現される。例示的に、ソフトウェアは、機械コード、ファームウェア、埋め込みコード、及びアプリケーションソフトウェアである。例えば、ハードウェアは、電気回路、電子回路、プロセッサ、コンピュータ、集積回路、集積回路コア、圧力センサ、慣性センサ、MEMS(microelectromechanical system)、受動素子、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
図1は、本開示の実施形態による画像処理ブロック10の構成の例を示す図である。画像処理ブロック10は、スマートフォン、デジタルカメラ、ラップトップ、デスクトップのような多様な電子装置の一部として具現される。画像処理ブロック10は、レンズ12と、画像センサ14と、ISPフロントエンドブロック(Image Signal Processor front end block)16と、画像信号プロセッサ18とを含む。
【0014】
光は撮影の対象となるオブジェクト、風景などによって反射し、レンズ12は反射された光を受信する。画像センサ14はレンズ12を介して受信される光に基づいて電気信号を生成する。例えば、画像センサ14はCMOS画像センサなどで具現される。例えば、画像センサ14は、デュアルピクセル(dual pixel)構造またはテトラセル(tetracell)構造を有するマルチピクセル(multi pixel)画像センサである。
【0015】
画像センサ14はピクセルアレイを含む。ピクセルアレイのピクセルは光を電気信号に変換してピクセル値を生成する。なお、画像センサ14はピクセル値に対して相関二重サンプリング(Correlation Double Sampling;CDS)を行うためのアナログデジタル変換回路(Analog-to-Digital Converting(ADC) Circuit)を含む。画像センサ14の構成は図2を参照してより詳細に説明する。
【0016】
ISPフロントエンドブロック16は、画像センサ14から出力された電気信号に対して前処理を行い、画像信号プロセッサ18が処理するのに適合した形態に加工する。
画像信号プロセッサ18は、ISPフロントエンドブロック16によって加工された電気信号を適切に処理し、撮影されたオブジェクト、風景などに関する画像データを生成する。そのために、画像信号プロセッサ18は、色補正(color correction)、自動ホワイトバランス(auto white balance)、ガンマ補正(gamma correction)、色飽和補正(color saturation correction)、不良ピクセル補正(bad pixel correction)、色相補正(hue correction)のような多様な処理を行う。
【0017】
図1は一つのレンズ12及び一つの画像センサ14を示す。しかし、他の実施形態において、画像処理ブロック10は複数のレンズ、複数の画像センサ、及び複数のISPフロントエンドブロックを含んでもよい。この場合、複数のレンズはそれぞれ異なる画角を有する。また、複数の画像センサは異なる機能、異なる性能、及び/または異なる特性を有し、異なる構成のピクセルアレイを含む。
【0018】
図2は、図1の画像センサ14の構成の例を示す図である。画像センサ100は、ピクセルアレイ110と、ロードライバ120と、ランプ信号生成器130と、電圧バッファ140と、ADC回路150と、タイミングコントローラ160と、バッファ170とを含む。
【0019】
ピクセルアレイ110は、行と列に沿ってマトリックス状に配置される複数のピクセルを含む。複数のピクセルそれぞれは光電変換素子を含む。例えば、光電変換素子は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、またはピン留めフォトダイオード(pinned photodiode)などを含む。
【0020】
ピクセルアレイ110は複数のピクセルグループPGを含む。各ピクセルグループPGは2つ以上またはそれ以上の複数のピクセルを含む。ピクセルグループを構成する複数のピクセルは、一つのフローティング拡散領域(floating diffusion region)または複数のフローティング拡散領域を共有する。図2のピクセルアレイ110は4つの行と4つの列(つまり、4×4)のピクセルグループPGを含むと示されているが、本開示はこれに限らない。
【0021】
ピクセルグループPGは同じカラーのピクセルを含む。例えば、ピクセルグループPGは、赤色スペクトル領域の光を電気信号に変換する赤ピクセル、緑色スペクトル領域の光を電気信号に変換する緑ピクセル、または青色スペクトル領域の光を電気信号に変換する青ピクセルを含む。例えば、ピクセルアレイ110を構成するピクセルはテトラ-ベイヤーパターン(Tetra-Bayer Pattern)の形態に配置される。
【0022】
ピクセルアレイ110の複数のピクセルそれぞれは、外部から受光された光の強度または量によってカラムラインCL1~CL4に沿ってピクセル信号を出力する。例えば、ピクセル信号は外部から受光された光の強度または光の量に対応するアナログ信号である。ピクセル信号は、電圧バッファ(例えば、ソースフォロワ)を通ってカラムラインCL1~CL4を介してADC回路150に提供される。
【0023】
ロードライバ120はピクセルアレイ110の行を選択し駆動する。ロードライバ120はタイミングコントローラ160によって生成されたアドレス及び/または制御信号をデコーディングし、ピクセルアレイ110の行を選択し駆動するための制御信号を生成する。例えば、制御信号はピクセルを選択するための信号またはフローティング拡散領域をリセットするための信号などを含む。
【0024】
ランプ信号生成器130は、タイミングコントローラ160の制御の下でランプ信号RAMPを生成する。例えば、ランプ信号生成器130はランプイネーブル信号のような制御信号の下で動作する。ランプイネーブル信号が活性化されると、ランプ信号生成器130は予め決められた値(例えば、開始レベル、終了レベル、勾配など)によってランプ信号RAMPを生成する。言い換えれば、ランプ信号RAMPは特定時間の間に予め決められた勾配によって増加または減少する信号である。ランプ信号RAMPは電圧バッファ140を通ってADC回路150に提供される。
【0025】
ADC回路150はピクセルアレイ110の複数のピクセルからカラムラインCL1~CL4を介してピクセル信号を受信し、ランプ信号生成器130から電圧バッファ140を介してランプ信号RAMPを受信する。ADC回路150は受信されたピクセル信号に対してリセット信号及び画像信号を獲得し、その差を有効な信号成分として抽出する相関二重サンプリング(CDS)技法に基づいて動作する。ADC回路150は複数の比較器COMPとカウンタCNTとを含む。
【0026】
詳しくは、比較器COMPはピクセル信号のリセット信号とランプ信号RAMPを比較し、ピクセル信号の画像信号とランプ信号RAMPを比較して、相関二重サンプリング(CDS)を行う。カウンタCNTは相関二重サンプリングが行われた信号のパルスをカウントしてデジタル信号として出力する。また、本開示のADC回路150は、出力電圧クリッピング、オートゼロ区間の最適化、及び/または出力フィードバックを利用して電力消費を減らすように具現される。例えば、比較器COMPは出力電圧クリッピングを行うためのクリッピング回路を含む。図2のADC回路150は4つの比較器COMP及び4つのカウンタCNTを含むと示されているが、本開示はこれに限らない。
【0027】
タイミングコントローラ160は、ロードライバ120、ランプ信号生成器130、及びADC回路150それぞれの動作及び/またはタイミングを制御するための制御信号及び/またはクロックを生成する。
【0028】
バッファ170はメモリMEM及びセンスアンプSAを含む。メモリMEMはADC回路150の対応するカウンタCNTから出力されるデジタル信号を保存する。センスアンプSAは保存されたデジタル信号を感知及び増幅する。センスアンプSAは増幅されたデジタル信号を画像データIDATとして出力し、画像データIDATは図1のISPフロントエンドブロック16に伝送される。
【0029】
図3は、図2のピクセルアレイ110のピクセルグループPGのうちいずれか一つの例を示す回路図である。例えば、ピクセルグループPGは、ピクセルPX1乃至PX4と、光電変換素子PD1乃至PD4と、転送トランジスタTx1乃至Tx4と、リセットトランジスタRSTと、デュアルコンバージョントランジスタDCと、駆動トランジスタDxと、選択トランジスタSELとを含む。図3のピクセルグループPGは4つのピクセルPX1乃至PX4がそれぞれ光電変換素子PD1乃至PD4を含むテトラセル構造を有すると示されているが、本開示はこれに限らず、ピクセルグループPGは多様な構造を有するように具現されてもよい。
【0030】
第1ピクセルPX1は第1光電変換素子PD1及び第1転送トランジスタTx1を含み、他のピクセルPX2、PX3、PX4も類似した構成要素をそれぞれ含む。ピクセルPX1乃至PX4それぞれは、リセットトランジスタRST、デュアルコンバージョントランジスタDC、駆動トランジスタDx、及び選択トランジスタSELを共有する。また、ピクセルPX1乃至PX4それぞれは第1フローティング拡散領域FD1を共有する。
【0031】
第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2は入射した光の量に対応する電荷を蓄積する。転送信号VT1乃至VT4によって転送トランジスタTx1乃至Tx4がそれぞれターンオンされる間、第1フローティング拡散領域FD1及び第2フローティング拡散領域FD2は光電変換素子PD1乃至PD4から電荷を提供されて蓄積する。第1フローティング拡散領域FD1はソースフォロワ増幅器として駆動される駆動トランジスタDxのゲート端と連結されるため、第1フローティング拡散領域FD1に蓄積された電荷に対応する電圧が形成される。例えば、第1フローティング拡散領域FD1の静電容量は第1キャパシタンスCFD1で表される。
【0032】
デュアルコンバージョントランジスタDCはデュアルコンバージョン信号VDCによって駆動される。デュアルコンバージョントランジスタDCがターンオフされる場合、第1フローティング拡散領域FD1の静電容量は第1キャパシタンスCFD1に対応する。一般的な環境において、第1フローティング拡散領域FD1は容易に飽和されないため、第1フローティング拡散領域FD1の静電容量(つまり、CFD1)を増やす必要性は求められず、デュアルコンバージョントランジスタDCはターンオフされる。
【0033】
しかし、高照度環境において第1フローティング拡散領域FD1は容易に飽和される。このような飽和を防止するためにデュアルコンバージョントランジスタDCがターンオンされて、第1フローティング拡散領域FD1は第2フローティング拡散領域FD2と電気的に連結され、フローティング拡散領域FD1、FD2の静電容量は第1キャパシタンスCFD1と第2キャパシタンスCFD2の和に拡張される。
【0034】
転送トランジスタTx1乃至Tx4はそれぞれ転送信号VT1乃至TV4によって駆動され、光電変換素子PD1乃至PD4によって生成された電荷を第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2に転送する。例えば、転送トランジスタTx1乃至Tx4の一方の端は光電変換素子PD1乃至PD4にそれぞれ連結され、他方の端は第1フローティング拡散領域FD1に連結される。
【0035】
リセットトランジスタRSTはリセット信号VRSTによって駆動され、第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2に電源電圧VDDを提供する。これによって第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2に蓄積された電荷は電源電圧VDD端に移動し、第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2の電圧はリセットされる。
【0036】
駆動トランジスタDxは第1フローティング拡散領域FD1または第2フローティング拡散領域FD2の電圧を増幅してピクセル信号PIXを生成する。選択トランジスタSELは選択信号VSELによって駆動され、行単位に読み出すピクセルを選択する。選択トランジスタSELがターンオンされると、ピクセル信号PIXはカラムラインCLを介して図2のADC回路150に出力される。
【0037】
図4は、図2のアナログデジタル変換(ADC)回路150の構成の例を示す図である。ADC回路150は比較器151及びカウンタ152を含む。ADC回路150は、ピクセルアレイ110から出力されるアナログ信号であるピクセル信号PIXをデジタル信号DSに変換して出力する。明確な説明と図面の簡潔化のために、図4のピクセルアレイ110は一つのピクセルに対してのみ示されており、ピクセルアレイ110の構成及び機能は図3を参照して説明したとおりである。また、ADC回路150は複数の比較器及びカウンタを含むが、明確な説明のために、図4には一つの比較器151と一つのカウンタ152を示すことにする。
【0038】
詳しくは、図2を参照して説明したように、比較器151はピクセル信号のリセット信号とランプ信号RAMPを比較し、ピクセル信号の画像信号とランプ信号RAMPを比較して相関二重サンプリング(CDS)を行い、カウンタ152は相関二重サンプリングが行われた信号のパルスをカウントしてデジタル信号として出力する。以下、図4と共に、図2及び図3を参照して説明する。
【0039】
例えば、比較器151は2つの増幅器(第1増幅器151_1及び第2増幅器151_2)を含む2段(two-stage)構造を有し、第1増幅器151_1及び第2増幅器151_2は演算トランスコンダクタンス増幅器(Operational Transconductance Amplifier;OTA)として具現されるが、本開示はこれに限らない。例えば、比較器151はより多数の増幅器を含む構造を有してもよい。第1増幅器151_1及び第2増幅器151_2はアナログ入力電圧VDDAに基づいて動作する。
【0040】
第1増幅器151_1はピクセルアレイ110からカラムラインCLを介してピクセル信号PIXを受信し、ランプ信号生成器130から電圧バッファ140を介してランプ信号RAMPを受信する。第1増幅器151_1は受信した信号に基づいて第1出力信号OTA1_OUTを出力する。例えば、第1増幅器151_1は、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより高い区間の間にハイレベルを有する第1出力信号OTA1_OUTを出力し、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより低い区間の間にローレベルを有する第1出力信号OTA1_OUTを出力する。また、上述した第1増幅器151_1の比較動作は、ピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとの間、及びピクセル信号PIXの画像信号とランプ信号RAMPとの間に対していずれも行われる。
【0041】
第2増幅器151_2は第1出力信号OTA1_OUTを増幅して比較信号である第2出力信号OTA2_OUTを出力する。例えば、第2出力信号OTA2_OUTは第1出力信号OTA1_OUTが反転した信号である。言い換えれば、第2増幅器151_2は、第1出力信号OTA1_OUTがハイレベルを有する間にローレベルを有する第2出力信号OTA2_OUTを出力し、第1出力信号OTA1_OUTがローレベルを有する間にハイレベルを有する第2出力信号OTA2_OUTを出力するように具現される。一般に、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはアナログ入力電圧VDDAのレベルまで到達する。
【0042】
以下の説明において、比較器151が比較動作を行って第1出力信号OTA1_OUTまたは第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがハイレベルからローレベルに変わること、またはローレベルからハイレベルに変わることをADC回路150の判断(decision)と称する。言い換えれば、「回路150の判断が終わった後」とは、「第1出力信号OTA1_OUTまたは第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがハイレベルからローレベルに変わった後、またはローレベルからハイレベルに変わった後」を意味する。比較器151は比較動作が行われる前のオートゼロ(auto-zero)区間にオートゼロ信号に応答して初期化され、比較動作を更に行う。
【0043】
カウンタ152はタイミングコントローラ160の制御の下で動作し、対応する第2出力信号OTA2_OUTのパルスをカウントしてデジタル信号DSとして出力する。例えば、カウンタ152は、カウンタクロック信号CNT_CLK及びカウンタ152の内部ビットを反転する反転信号CONVなどのような制御信号の下で動作する。また、カウンタ152はデジタル入力電圧VDDDに基づいて動作する。
【0044】
例えば、カウンタ152は、アップ/ダウンカウンタ(Up/Down Counter)、及びビット-ワイズカウンタ(Bit-wise Inversion Counter)などを含む。ビット-ワイズカウンタはアップ/ダウンカウンタと類似した動作を行う。例えば、ビット-ワイズカウンタはアップカウントのみ行う機能と、特定信号が入ってきたらカウンタ内部の全てのビットを反転して1の補数(1’s complement)にする機能を行う。ビット-ワイズカウンタは、リセットカウント(reset conut)を行った後、その結果を反転して1の補数(つまり、負数)値に変換する。
【0045】
一方、デジタル入力電圧VDDDに基づいて動作するカウンタ152がアナログ入力電圧VDDAに基づいて動作する第2増幅器151_2から出力された第2出力信号OTA2_OUTのパルスをカウントするために、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはデジタル入力電圧VDDDのレベル以内に調節されるべきである。一般に、アナログ入力電圧VDDAのレベルがデジタル入力電圧VDDDのレベルより高く設定されるため、カウンタ152はアナログ入力電圧VDDAのレベルまで到達した第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルをデジタル入力電圧VDDDのレベルに下げるための構成要素(例えば、レベルダウンシフタ)を含むように具現されるべきである。
【0046】
しかし、この場合、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルを変換するための構成要素を含むことでカウンタ152が占める面積が増加し、ADC回路150の寄生キャパシタンスが増加するなどの問題が発生し得る。
【0047】
上述した問題を解決するために、本開示の第2増幅器151_2はADC回路150の判断が行われる際、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがローレベルからアナログ入力電圧VDDAのレベルまで増加する代わりに、デジタル入力電圧VDDDのレベル以下まで増加するよう、第2出力信号OTA2_OUTに対してクリッピングを行う。このような出力電圧クリッピング動作を行うために、第2増幅器151_2はクリッピング回路を含む。
【0048】
第2増幅器151_2の出力電圧クリッピング動作を介して、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルを変換するための別途の構成要素(例えば、レベルダウンシフタ)が求められなくなる。よって、カウンタ152が占める面積が減少し、ADC回路150の寄生キャパシタンスも減少する。また、第2出力信号OTA2_OUTのパルスがカウントされない現象も防止し、ADC回路150の消費電力も減少される。本開示の一実施形態による第2増幅器151_2の出力電圧クリッピング動作は、以下で図6を参照してより詳細に説明する。
【0049】
図5は、図4の第1増幅器151_1の例を示す回路図である。第1増幅器200は、複数のトランジスタTR11~TR16と、複数のスイッチSW1、SW2と、第1電流ソース210とを含む。例えば、第1トランジスタTR11、第2トランジスタTR12、第5トランジスタTR15、及び第6トランジスタTR16はNMOSトランジスタであり、第3トランジスタTR13及び第4トランジスタTR14はPMOSトランジスタである。しかし、本開示はこれに限らず、第1乃至第6トランジスタTR11~TR16は図5の図示とは異なる型のトランジスタであってもよい。
【0050】
図5を参照すると、第1トランジスタTR11のゲート端子にランプ信号RAMPが入力され、第2トランジスタTR12のゲート端子にピクセル信号PIXが入力される。第1及び第2トランジスタTR11、TR12のソース端子は第1電流ソース210と共通ノードCOMMで連結される。例えば、第3及び第4トランジスタTR13、TR14は電流ミラー(current mirror)の形態に接続される。第1及び第2トランジスタTR11、TR12に流れる電流の和は第1電源電流ISS1と同じである。
【0051】
第3トランジスタTR13のゲート端子とドレイン端子、及び第1トランジスタTR11のドレイン端子は第2出力ノードOUT12に共通に連結され、第4トランジスタTR14のドレイン端子及び第2トランジスタTR12のドレイン端子は第1出力ノードOUT11に共通に連結される。第5トランジスタTR15は第1及び第2出力ノードOUT11、OUT12の間に連結される。例えば、第5トランジスタTR15は第1出力ノードOUT11から出力される信号の電圧レベルを制限する。
【0052】
第1出力ノードOUT11から第1出力信号OTA1_OUTが出力され、第2出力ノードOUT12から反転された第1出力信号OTA1_OUT’が出力される。例えば、第1出力信号OTA1_OUTは、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより高い区間の間にハイレベルを有し、ランプ信号RAMPのレベルがピクセル信号PIXのレベルより低い区間の間にローレベルを有する。第1出力信号OTA1_OUTは図4の第2増幅器151_2に提供される。
【0053】
第1電流ソース210は第6トランジスタTR16を含む。第6トランジスタTR16は接地電圧VSSに連結され、第1バイアス信号BIAS1に基づいて第1電源電流ISS1を生成する。
【0054】
一方、オートゼロ区間の間、オートゼロ信号AZに応答してスイッチSW1、SW2がターンオンされる。スイッチSW1、SW2がターンオンされると、第2入力ノードIN12と第1出力ノードOUT11が互いに連結され、第1入力ノードIN11と第2出力ノードOUT12が互いに連結される。よって、オートゼロ区間の間に第1入力ノードIN11、第2入力ノードIN12、第1出力ノードOUT11、及び第2出力ノードOUT12のレベルが互いに同じになる。
【0055】
図6は、図4の第2増幅器151_2の例を示す回路図である。第2増幅器300は複数のトランジスタTR21~TR25と、キャパシタC1と、スイッチング回路310と、電流ソース320と、クリッピング回路330とを含む。例えば、第7トランジスタTR21はPMOSトランジスタであり、第8乃至第11トランジスタTR22~TR25はNMOSトランジスタである。しかし、本開示はこれに限らず、第7乃至第11トランジスタTR21~TR25は図6の図示とは異なる型のトランジスタであってもよい。
【0056】
第7トランジスタTR21は入力として図4の第1増幅器151_1から第1出力信号OTA1_OUTを受信し、第1出力信号OTA1_OUTに応答して動作する。例えば、第2増幅器300は反転増幅器として動作する。詳しくは、第1出力信号OTA1_OUTの電圧レベルがハイレベルであれば、第7トランジスタTR21はターンオフされ、第3出力ノードOUT21に電流が流れなくなることで第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはローレベルになる。逆に、第1出力信号OTA1_OUTの電圧レベルがローレベルであれば、第7トランジスタTR21はターンオンされ、第3出力ノードOUT21に電流が流れることで第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルが増加する。一般に、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはアナログ入力電圧VDDAのレベルまで到達するが、本開示の第2出力信号OTA2_OUTはクリッピング回路330の動作によってデジタル入力電圧VDDDのレベル以下まで増加するように具現される。
【0057】
スイッチング回路310は、第3出力ノードOUT21とバイアスノードBNとの間に連結される第8トランジスタTR22を含む。オートゼロ区間の間、第8トランジスタTR22はオートゼロ信号AZに応答して動作し、活性化されたオートゼロ信号AZに応答してターンオンされる。第8トランジスタTR22がターンオンされると、バイアスノードBNの電圧レベルは第3出力ノードOUT21の電圧レベルと同じになり、バイアスノードBNと連結されたキャパシタC1に電荷が充填される。それに対し、図4のADC回路150が比較動作を行う間にオートゼロ信号AZが非活性化されて第8トランジスタTR22がターンオフされると、第3出力ノードOUT21の電圧レベルと同じになったバイアスノードBNの電圧レベルはキャパシタC1によって維持され、それによって電流ソース320が動作する。
【0058】
電流ソース320は第3出力ノードOUT21に連結される第9トランジスタTR23を含む。第9トランジスタTR23はバイアスノードBNの電圧、つまり、キャパシタC1の一端の電圧に基づいて電源電流ISS2を生成する。
【0059】
クリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結される第10トランジスタTR24と第11トランジスタTR25とを含む。第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25それぞれのゲート端子とドレイン端子は互いに連結される。言い換えれば、第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はダイオード結合(diode-connected)されたトランジスタである。このようにダイオード連結されるトランジスタは抵抗のように動作する。
【0060】
つまり、第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25は電圧降下を起こすことで、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがアナログ入力電圧VDDAのレベルより低くなるようにクリッピングする。クリッピング回路330は第2出力信号OTA2_OUTに対してクリッピング動作を行い、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがローレベルからデジタル入力電圧VDDDのレベル以下まで増加するように調節する。次に、第2出力信号OTA2_OUTはカウンタ152に提供される。
【0061】
たとえ図6でクリッピング回路330が2つのダイオード連結されるトランジスタTR24、TR25を含むと示されていても、本開示はこれに限らず、クリッピング回路330は図6の図示とは異なる数のダイオード結合されるトランジスタを含んでもよい。また、クリッピング回路330は図6の図示とは異なるようにPMOSトランジスタを含んでもよく(例えば、図9b)、抵抗を含んでもよく(例えば、図9g)、トランジスタと連結されるスイッチを更に含んでもよい(例えば、図9c乃至図9f)。なお、クリッピング回路330は第7トランジスタTR21と電源電圧VDDAとの間ではなく、第7トランジスタTR21と第3出力ノードOUT21との間に連結されてもよく、他のところに連結されてもよい(例えば、図9h乃至図9i)。
【0062】
図7は、図4のアナログデジタル変換(ADC)回路150の動作を示すタイミング図の例である。以下、図7と共に、図6を参照して説明する。区間T0はオートゼロ区間に対応し、区間T1乃至区間T3は比較器151がピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPを比較する区間に対応し、区間T4乃至区間T6は比較器151がピクセル信号PIXの画像信号とランプ信号RAMPを比較する区間に対応する。
【0063】
区間T3及び区間T6において、ADC回路150が判断を行って、第1出力信号OTA1_OUTの電圧レベルは減少し、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルは増加する。この際、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはクリッピング回路330の動作によってアナログ入力電圧VDDAのレベルではなく、デジタル入力電圧VDDDのレベル以下まで増加する。つまり、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはアナログ入力電圧VDDAのレベルからデジタル入力電圧VDDDのレベルにクリッピングされる。
【0064】
図8は、図6の第2増幅器151_2の電源電流ISS2を示すタイミング図の例である。時点t1は図7における区間T3の開始時点に対応し、時点t2は図7における区間T6の開始時点に対応する。時点t1及び時点t2は第1出力信号OTA1_OUTの電圧レベルが減少し、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルが増加し始める時点に対応する。この際、出力電圧クリッピングを行う場合のピーク電流(B、D:約11mA)は、出力電圧クリッピングを行わない場合のピーク電流(A、C:約15mA)に比べ減少する。つまり、出力電圧クリッピングによってADC回路150の消費電力が減少する。
【0065】
図9aは、図4の第2増幅器151_2の他の例を示す回路図である。第2増幅器300aは制御回路340を更に含む。制御回路340は制御電流ICNの出力を調節し、比較動作を行う前と行った後の第2増幅器300aの消費電力の差を緩和する。制御回路340は電源電圧VDDAと第3出力ノードOUT21との間に連結され、第7トランジスタTR21と並列に連結される第12乃至第13トランジスタTR26、TR27を含む。
【0066】
第12トランジスタTR26は制御信号CNに応答して動作し、第13トランジスタTR27は第2バイアス信号BIAS2に応答して動作する。例えば、第12乃至第13トランジスタTR26、TR27はNMOSトランジスタである。しかし、本開示はこれに限らず、第12乃至第13トランジスタTR26、TR27は図9aの図示とは異なる型のトランジスタであってもよい。
【0067】
制御信号CNが非活性化されると第12トランジスタTR26はターンオフされ、第13トランジスタTR27を介して制御電流ICNが流れなくなる。一方、制御信号CNが活性化されて第12トランジスタTR26がターンオンされ、第2バイアス信号BIAS2が印加されて第13トランジスタTR27もターンオンされると、第12トランジスタTR26及び第13トランジスタTR27を介して第3出力ノードOUT21に制御電流ICNが流れる。
【0068】
ランプ信号RAMPのレベルとピクセル信号PIXのレベルとの間の大小関係に関する判断が終わった後、電源電流ISS2のレベルは高くなり、比較動作が行われた後も電力が消費され続ける。このように、比較動作を行う前と行った後の消費電力の差が持続されることで、画像センサの性能が劣化する恐れがある。
【0069】
制御回路340はこのような画像センサの性能劣化を防止するために動作する。ランプ信号RAMPがランピングされ始めた後、制御信号CN及び第2バイアス信号BIAS2が活性化されることで、上述したように第12乃至第13トランジスタTR26、TR27を介して第3出力ノードOUT21に制御電流ICNが流れて、電源電流ISS2のレベルは制御電流ICNのレベルだけ増加する。
【0070】
例えば、ランプ信号RAMPがランピングされ始めた後、制御電流ICNのレベルだけ増加した電源電流ISS2のレベル(以下、第2レベルと称する)は、比較動作が行われる前の電源電流ISS2のレベル(以下、第1レベルと称する)よりは高く、比較動作が行われた後(つまり、ランプ信号RAMPの電圧レベルとピクセル信号PIXの電圧レベルの大小関係に関する判断が終わった後)の電源電流ISS2のレベル(以下、第3レベルと称する)よりは低い。
【0071】
このような制御回路340の動作によって、第1レベルと第2レベルとの差、そして第2レベルと第3レベルとの差はいずれも第1レベルと第3レベルとの差より小さい。これによって、第2増幅器300aの比較動作前後の消費電力の差が緩和され、画像センサの性能劣化が改善される。図9aに示した制御回路340は、以下図9b乃至図9i、及び図11の回路上にも具現される。
【0072】
図9b乃至図9iは、図4の第2増幅器151_2の他の例を示す回路図である。クリッピング回路330の構成を除いては、図9b乃至図9iに示した第2増幅器の構成及び動作は図6を参照して説明した第2増幅器300の構成及び動作と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0073】
図9bを参照すると、第2増幅器300bのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24と第11トランジスタTR25とを含む。図9bの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はPMOSトランジスタである。
【0074】
図9cを参照すると、第2増幅器300cのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と、第10トランジスタTR24のドレイン端子と第11トランジスタTR25のソース端子との間に連結されるスイッチSWとを含む。図9cの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はNMOSトランジスタである。
【0075】
第2増幅器300cのスイッチSWはクリッピング回路330の動作を活性化または非活性化する。スイッチSWがターンオンされると、クリッピング回路330は出力電圧クリッピング動作を行って第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがデジタル入力電圧VDDDの電圧レベル以下までのみ到達するように調節する。それに対し、スイッチSWがターンオフされると、クリッピング回路330は出力電圧クリッピング動作を行わず、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはアナログ入力電圧VDDAの電圧レベル以下まで到達する。
【0076】
図9dを参照すると、第2増幅器300dのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と、第11トランジスタTR25のドレイン端子とソース端子との間に連結されるスイッチSWとを含む。図9dの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はNMOSトランジスタである。
【0077】
図9dのスイッチSWは第11トランジスタTR25の動作のみを活性化または非活性化することで、クリッピングされる電圧レベルの大きさを調節する。スイッチSWがターンオンされて第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25がいずれも動作する場合、スイッチSWがターンオフされて第10トランジスタTR24のみ動作する場合に比べ電圧降下がより多く起こり、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルはより多くクリッピングされる。
【0078】
図9eを参照すると、第2増幅器300eのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と、第11トランジスタTR25のゲート端子に連結されるスイッチSWとを含む。図9eの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はNMOSトランジスタである。
【0079】
図9eのスイッチSWは、図9dと同じく第11トランジスタTR25の動作のみを活性化または非活性化する。但し、図9dとは異なって、図9eの第11トランジスタTR25の動作はスイッチSWがターンオンされてイネーブル信号ENが活性化されている場合にのみ活性化される。スイッチSWがターンオフされるか、またはスイッチSWがターンオンされてもイネーブル信号ENが非活性化されていたら、第11トランジスタTR25の動作は非活性化され、第10トランジスタTR24のみ動作する。
【0080】
図9fを参照すると、第2増幅器300fのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と、第10トランジスタTR24のゲート端子に連結される第1スイッチSWと、第11トランジスタTR25のゲート端子に連結される第2スイッチSW2とを含む。図9fの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25はNMOSトランジスタである。
【0081】
図9fの第1スイッチSW1は第10トランジスタTR24の動作を活性化または非活性化し、第2スイッチSW2は第11トランジスタTR25の動作を活性化または非活性化する。第10トランジスタTR24の動作は第1スイッチSW1がターンオンされて第1イネーブル信号EN1が活性化されている場合にのみ活性化され、第11トランジスタTR25の動作は第2スイッチSW2がターンオンされて第2イネーブル信号EN2が活性化されている場合にのみ活性化される。
【0082】
よって、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2のターンオン/ターンオフと、第1イネーブル信号EN1及び第2イネーブル信号EN2の活性化/非活性化によって、第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25の動作が選択的に活性化または非活性化され、それによってクリッピングされる電圧レベルの大きさが決定される。
【0083】
図9gを参照すると、第2増幅器300fのクリッピング回路330は、電源電圧VDDAと第7トランジスタTR21との間に連結される抵抗R1を含む。図6を参照して説明したように、抵抗の動作とダイオード結合されるトランジスタの動作は同じであるため、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルは抵抗の大きさによって決定される電圧降下の大きさによってクリッピングされる。
【0084】
図9hを参照すると、第2増幅器300hのクリッピング回路330は、第3出力ノードOUT21と第9トランジスタTR23のソース端子との間に連結され、ダイオード結合される第10トランジスタTR24を含む。図9hの第10トランジスタTR24はNMOSトランジスタである。クリッピング回路330の連結関係を除いては、第2増幅器300hの構成及び動作は図6を参照して説明した第2増幅器300の構成及び動作と同じである。
【0085】
図9iを参照すると、第2増幅器300iのクリッピング回路330は、第3出力ノードOUT21と第7トランジスタTR21のソース端子との間に連結され、それぞれがダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と、反転イネーブル信号ENBに応答してターンオンまたはターンオフされる第12トランジスタTR26とを含む。図9iの第10乃至第12トランジスタTR24~TR26はPMOSトランジスタである。また、反転イネーブル信号ENBは、図9e乃至図9fに示したイネーブル信号EN、EN1、EN2と位相が逆の信号である。
【0086】
ダイオード結合される第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25は図9bの第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25と同じ動作を行い、第12トランジスタTR26は第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25の動作を活性化または非活性化するスイッチとしての役割をする。活性化された反転イネーブル信号ENBに応答して第12トランジスタTR26がターンオンされると、第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25の動作は活性化され、第2出力信号OTA2_OUTはクリッピングされる。しかし、第12トランジスタTR26がターンオフされると、第10トランジスタTR24及び第11トランジスタTR25の動作は非活性化され、第2出力信号OTA2_OUTはクリッピングされない。
【0087】
これまで図6図9a乃至図9iを参照してクリッピング回路を含む図4の第2増幅器151_2の多様な実施形態を説明した。しかし、本開示はこれに限らず、図6図9a乃至図9iの図示とは異なるように具現されるクリッピング回路を含んでもよい。
【0088】
図10は、図2のアナログデジタル変換(ADC)回路150の構成の他の例を示す図である。図10を参照すると、第1増幅器151_1は第1オートゼロ信号AZ_OTA1に応答して初期化され、第2増幅器151_2は第2オートゼロ信号AZ_OTA2に応答して初期化される。第1増幅器151_1のオートゼロ区間を第1オートゼロ区間と示し、第2増幅器151_2のオートゼロ区間を第2オートゼロ区間と示すことにする。
【0089】
第2増幅器151_2の初期化が第1増幅器151_1の初期化より先に完了されると、第1オートゼロ区間の残りの長さとは関係なく第2オートゼロ区間が終了するように調整される。つまり、本開示の第2オートゼロ区間は第2増幅器151_2の初期化が完了される時点に終了するように最適化される。例えば、第2オートゼロ区間が終了されると、第2増幅器151_2は第1増幅器151_1の比較動作が行われる前まで電力を消費しないように具現される。そのために、第2増幅器151_2は第2オートゼロ区間が終了されることに応答して、電力消費を一時的に中断するためのスイッチを含む。
【0090】
また、図10を参照すると、第2出力信号OTA2_OUTは第2増幅器151_2にフィードバックされる。第2増幅器151_2にフィードバックされた第2出力信号OTA2_OUTは、第2増幅器151_2の電源(例えば、電流ソース)を制御し、ADC回路150の消費電力を減少させる。このような第2増幅器151_2の出力フィードバック動作は第1増幅器151_1がピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPとの間の比較動作を行う際と、ピクセル信号PIXの画像信号とランプ信号RAMPとの間の比較動作を行う際にいずれも行われる。
【0091】
つまり、図10のADC回路150は出力電圧クリッピングだけでなく、オートゼロ区間の最適化、及び/または出力フィードバック動作を更に行うことで、図4のADC回路150に比べ消費電力が更に減少する。図10のADC回路150は上述したオートゼロ区間の最適化及び出力フィードバック動作を除いては図4を参照して説明したものと同じ機能を行うため、重複する説明は省略する。
【0092】
図11は、図10の第2増幅器151_2の例を示す回路図である。第2増幅器300jは複数のトランジスタTR21~TR27と、キャパシタC1と、スイッチング回路310と、電流ソース320と、クリッピング回路330と、フィードバック回路340とを含む。例えば、第7及び第12トランジスタTR21、TR26はPMOSトランジスタであり、第8乃至第11トランジスタ、及び第13トランジスタTR22~TR25、TR27はNMOSトランジスタである。しかし、本開示はこれに限らず、第7乃至第13トランジスタTR21~TR27は図11の図示とは異なる型のトランジスタであってもよい。図11の第2増幅器300jの構成及び動作は第12トランジスタTR26及びフィードバック回路340の動作を除いては図6の第2増幅器300の構成及び動作と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0093】
バイアスノードBNと連結されるキャパシタC1に電荷が完全に充填されると、第2オートゼロ信号AZ_OTA2は非活性化され、第2オートゼロ区間は終了される。この際、第12トランジスタTR26は活性化されたパワーダウン信号PDに応答してターンオフされることで、第2増幅器300jの動作が一時的に中断されるように(つまり、一時的にパワーダウンされるように)する。つまり、第12トランジスタTR26は第2増幅器300jのパワーダウンスイッチとして動作する。
【0094】
第2増幅器300jの動作は図10の第1増幅器151_1が比較動作を行う前まで中断される。言い換えれば、図10の第1増幅器151_1の第1オートゼロ区間が終了されると(つまり、第1オートゼロ信号AZ_OTA1が非活性化されると)パワーダウン信号PDは非活性化され、第12トランジスタTR26はターンオンされて第2増幅器300jが更に動作し始める。
【0095】
言い換えれば、第12トランジスタTR26は、第2オートゼロ区間の間及び比較動作区間の間はローレベルのパワーダウン信号PDに応答してターンオンされ、第2オートゼロ区間と比較動作区間との間はハイレベルのパワーダウン信号PDに応答してターンオフされる。このような第12トランジスタTR26の動作によって、第2増幅器300jは第2オートゼロ区間と比較動作区間との間で消費電力が減少される。
【0096】
第13トランジスタTR27は第3出力ノードOUT21と第4出力ノードOUT22との間に連結される。第13トランジスタTR27は出力フィードバック動作を制御するフィードバック回路340の出力に応答して動作する。例えば、第13トランジスタTR27がターンオフされると、電源電流ISS2が第13トランジスタTR27を介して流れず、第2増幅器300jの消費電力は減少する。
【0097】
しかし、本開示はこれに限らず、第13トランジスタTR27は図11の図示とは異なるように連結されるように具現されてもよい。なお、第13トランジスタTR27はNMOSトランジスタであると示されているが、PMOSトランジスタと論理ゲート(例えば、ANDゲート)の組み合わせで具現されてもよい。
【0098】
フィードバック回路340は、第2出力信号OTA2_OUT及びフィードバック活性信号FB_ENに基づいて電流ソース320を制御する。このような出力フィードバック動作を行うために、フィードバック回路340は論理ゲート341を含む。例えば、論理ゲート341はNANDゲートである。
【0099】
論理ゲート341は、第2出力信号OTA2_OUTに関する信号及びフィードバック活性信号FB_ENに応答してフィードバック信号FBを出力する。例えば、論理ゲート341は、フィードバック活性信号FB_ENの電圧レベル及び第5出力ノードOUT23の電圧レベルがいずれもハイレベルである場合に、フィードバック信号FBの電圧レベルがローレベルになるように具現される。
【0100】
詳しくは、ランプ信号RAMPとピクセル信号PIXの比較動作が終了された後の第1出力信号OTA1_OUTの電圧レベルはローレベルであり、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルが増加することで第5出力ノードOUT23の電圧レベルはハイレベルである。この際、フィードバック活性信号FB_ENが活性化される前は、フィードバック信号FBはハイレベルであり、第13トランジスタTR27はターンオンされた状態であって、電源電流ISS2は第13トランジスタTR27を介して流れる。
それに対し、フィードバック活性信号FB_ENが活性化されると(つまり、フィードバック活性信号FB_ENの電圧レベルがハイレベルになると)、フィードバック信号FBはローレベルになり、第13トランジスタTR27がターンオフされることで電源電流ISS2は第13トランジスタTR27を介して流れなくなる。これによって、比較動作が終了されてから出力フィードバックを利用することで第2増幅器300jの消費電力が減少され、更にADC回路150の消費電力も減少される。
【0101】
比較動作を行う前と行った後の消費電力の差が持続されることで、画像センサの性能(例えば、ピクセル信号をデジタル信号に変換するADC回路の性能)が劣化する恐れがある。上述したフィードバック回路340の動作によって、比較動作が行われた後に電源電流ISS2が出力ノードOUT21、OUT23を介して流れなくなったら、比較動作を行う前と行った後の電力の差が減少する。よって、フィードバック回路340の動作によって画像センサの性能劣化の問題が改善される。
【0102】
一方、図11の論理ゲート341はNANDゲートであると示されているが、本開示はこれに限らず、フィードバック回路340は、第2出力信号OTA2_OUTに関連する信号の電圧レベル(例えば、第5出力ノードOUT23の電圧レベル)がハイレベルになった際にフィードバック信号FBの電圧レベルがローレベルになるようにする任意の他の構成として(例えば、NORゲート及び反転増幅器として)具現されてもよい。また、図11の論理ゲート341は第2出力信号OTA2_OUTに関連する信号として第5出力ノードOUT23の電圧レベルを入力として受信すると示されているが、本開示はこれに限らず、論理ゲート341は第2出力信号OTA2_OUT及び第2出力信号OTA2_OUTに基づく他の信号を入力として受信してもよい。
【0103】
結論的に、図11の第2増幅器300jはクリッピング回路330の動作だけでなく、第2オートゼロ区間の最適化による第12トランジスタTR26の動作及びフィードバック回路340の動作をいずれも使用することで、図6の第2増幅器300に比べ消費電力が更に多く減少される。
【0104】
図12は、本開示の実施形態による出力電圧クリッピングを利用するアナログデジタル変換(ADC)回路の動作方法を示すフローチャートである。ステップS110及びステップS120はアナログ電源電圧VDDAに基づいて行われ、ステップS140はデジタル電源電圧VDDDに基づいて行われる。以下、図12と共に、図2図4、及び図6を参照して説明する。
【0105】
ステップS110において、第1増幅器151_1は、ピクセルアレイ110から出力されたピクセル信号PIXとランプ信号RAMPを比較して第1出力信号OTA1_OUTを生成する。詳しくは、ステップS110において、第1増幅器151_1はピクセル信号PIXのリセット信号とランプ信号RAMPを比較し、ピクセル信号PIXの画像信号とランプ信号RAMPを比較して、相関二重サンプリング(CDS)を行う。ステップS120において、第2増幅器151_2は第1出力信号OTA1_OUTに基づいて第2出力信号OTA2_OUTを生成する。例えば、第2出力信号OTA2_OUTは第1出力信号OTA1_OUTが反転した信号である。
【0106】
ステップS130において、第2増幅器151_2は第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルをクリッピングする。詳しくは、第2増幅器151_2はクリッピング回路(例えば、図6の330)を含むが、クリッピング回路330は第2出力信号OTA2_OUTに対してクリッピング動作を行い、第2出力信号OTA2_OUTの電圧レベルがローレベルからデジタル入力電圧VDDDのレベル以下まで増加するように調節する。ステップS140において、カウンタ152は第2出力信号OTA2_OUTのパルスをカウントし、カウントした結果をデジタル信号として出力する。
【0107】
上述した内容は本開示を実施するための具体的な実施形態である。本開示は上述した実施形態だけでなく、単純に設計変更されるか容易に変更し得る実施形態も含む。また、本開示には実施形態を利用して容易に変形して実施し得る技術も含まれる。よって、本開示の範囲は上述した実施形態に限って決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本発明の特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0108】
100:画像センサ
110:ピクセルアレイ
120:ロードライバ
130:ランプ信号生成器
140:電圧バッファ
150:ADC回路
151:比較器
151_1:第1増幅器
151_2:第2増幅器
152:カウンタ
160:タイミングコントローラ
170:バッファ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図9h
図9i
図10
図11
図12