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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007325
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】平面印刷アンテナおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01P 11/00 20060101AFI20230111BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20230111BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20230111BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20230111BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H01P11/00
H05K3/00 N
H05K3/12 610P
H05K1/03 610H
H01Q1/38
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187704
(22)【出願日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】202110726740.3
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520480382
【氏名又は名称】富佳生技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 凱
(72)【発明者】
【氏名】古 健佑
(72)【発明者】
【氏名】王 裕民
【テーマコード(参考)】
5E343
5J046
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA16
5E343AA18
5E343AA33
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB58
5E343BB62
5E343BB71
5E343DD01
5E343FF01
5E343GG02
5E343GG20
5J046AA19
5J046AB06
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射面積を大きくでき、マザ一ボードのスペースを必要以上に占用することがなく、パッケージ製品全体の軽薄短小化に有利な平面印刷アンテナの製造方法を提供する。
【解決手段】アンテナの製造方法は、基板1における第1金属領域21と第2金属領域22との間の領域に折り曲げ領域23を形成し、印刷パターンが設けられたスクリーンと、フレームと、複合ヘテロメッシュを用意し、基板に複合ヘテロメッシュを設け、第1金属領域21、第2金属領域22及びフィードイン端子24を含む放射金属層2を形成し、折り曲げ領域23において折れ線4を形成する複数の折線穴を形成し、フィードイン端子24に固定され、且つ、電気的に接続される給電線5を用意し、第1金属領域21に対して第2金属領域22を折れ線4に沿って折り曲げて平面印刷アンテナを得る。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された第1表面および第2表面を有する基板を用意するステップと、
フレームと、前記フレームの内側に設けられた連結枠と、前記連結枠の前記フレームから遠い側に設けられ且つ印刷パターンが設けられたスクリーンとを含む複合ヘテロメッシュを用意するステップと、
前記第1表面に前記複合ヘテロメッシュを設けて、平面印刷の方法によって前記第1表面に前記印刷パターンを印刷して、第1金属領域と、前記第1金属領域と電気的に接続された少なくとも1つの第2金属領域と、前記第1金属領域と電気的に接続されたフィードイン端子とを含む放射金属層を形成し、前記基板における前記第1金属領域と前記第2金属領域との間の領域に折り曲げ領域を形成するステップと、
前記折り曲げ領域において折れ線を形成する複数の折線穴を形成するステップと、
給電線を用意して、前記給電線を1つの固定部を介して前記フィードイン端子に固定して電気的に接続するステップと、
前記折れ線に沿って前記第1金属領域に対して前記第2金属領域を折り曲げることにより、前記平面印刷アンテナを得るステップと、を備え、
前記連結枠の硬度は、前記スクリーンの硬度よりも小さいことを特徴とする平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項2】
前記連結枠の材質は高分子ポリマーであり、前記スクリーンの材質は金属であることを特徴とする請求項1に記載の平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項3】
前記折線穴の孔径は、0.05~0.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項4】
前記折線穴は、レーザー穴あけの方法により形成されることを特徴とする請求項1に記載の平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項5】
前記固定部は、導電性接着剤又は半田であることを特徴とする請求項1に記載の平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項6】
前記基板の材質は、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートのうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載の平面印刷アンテナの製造方法。
【請求項7】
基板と、放射金属層と、複数の折線穴と、給電線とを備え、
前記基板は、対向して配置された第1表面と第2表面とを含み、
前記放射金属層は、前記第1表面に設けられており、且つ第1金属領域と、前記第1金属領域に電気的に接続された少なくとも1つの第2金属領域と、前記第1金属領域に電気的に接続されたフィードイン端子とを含み、
前記基板における前記第1金属領域と前記第2金属領域との間の領域には、折り曲げ領域が形成され、
前記複数の折線穴は、前記折り曲げ領域に設けられて、折れ線を形成し、
前記第2金属領域は、前記折れ線に沿って前記第1金属領域に対して折り曲げ可能であり、
前記給電線と前記フィードイン端子は、1つの固定部により固定され且つ電気的に接続されていることを特徴とする平面印刷アンテナ。
【請求項8】
前記折線穴の孔径は、0.05~0.5mmであることを特徴とする請求項7に記載の平面印刷アンテナ。
【請求項9】
前記基板の材質は、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートのうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の平面印刷アンテナ。
【請求項10】
前記固定部は、導電性接着剤又は半田であることを特徴とする請求項7に記載の平面印刷アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面印刷アンテナおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアンテナは、主にPCBやFPCプロセスを用いてアンテナの金属放射面を作り、さらに金属放射面のフィードイン端子に給電線を半田付けして、給電線の他端に通信モジュールを接続して、信号を伝送するという目的を達成している。
【0003】
しかし、従来のFPCやPCBプロセスは、金属のエッチング、めっき、水洗い等のステップを含み、プロセスが複雑であり、コストが高い。また、従来のFPCやPCBプロセスで作製したアンテナは、可撓性が悪く、折り曲げ時に折り曲げ領域の反りや金属と基板との分離などの不良があった。また、従来のアンテナは、放射面積を大きくするために、金属放射面の面積が比較的大きく作製され、パッケージ金属板において大きなスペースを占用してしまい、パッケージ金属板の軽薄短小化に不利であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、上記少なくとも1つの欠点を解決するために、平面印刷アンテナを提案する必要がある。
【0005】
また、本発明は、平面印刷アンテナの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る平面印刷アンテナの製造方法は、対向配置された第1表面および第2表面を有する基板を用意するステップと、
フレームと、前記フレームの内側に設けられた連結枠と、前記連結枠の前記フレームから遠い側に設けられ且つ印刷パターンが設けられたスクリーンとを含む複合ヘテロメッシュを用意するステップと、
前記第1表面に前記複合ヘテロメッシュを設けて、平面印刷の方法によって前記第1表面に前記印刷パターンを印刷して、第1金属領域と、前記第1金属領域と電気的に接続された少なくとも1つの第2金属領域と、前記第1金属領域と電気的に接続されたフィードイン端子とを含む放射金属層を形成し、前記基板における前記第1金属領域と前記第2金属領域との間の領域に折り曲げ領域を形成するステップと、
前記折り曲げ領域において折れ線を形成する複数の折線穴を形成するステップと、
給電線を用意して、前記給電線を1つの固定部を介して前記フィードイン端子に固定して電気的に接続するステップと、
前記折れ線に沿って前記第1金属領域に対して前記第2金属領域を折り曲げることにより、前記平面印刷アンテナを得るステップと、を備え、
前記連結枠の硬度は、前記スクリーンの硬度よりも小さい。
【0007】
本願の実施形態では、前記連結枠の材質は高分子ポリマーであり、前記スクリーンの材質は金属である。
【0008】
本願の実施形態では、前記折線穴の孔径は0.05~0.5mmである。
【0009】
本願の実施形態では、前記折線穴は、レーザー穴あけにより形成される。
【0010】
本願の実施形態では、前記固定部は、導電性接着剤又は半田である。
【0011】
本願の実施形態では、前記基板の材質は、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートのうちの1つである。
【0012】
また、本発明に係る平面印刷アンテナは、基板と、放射金属層と、複数の折線穴と、給電線とを備える。基板は、対向する第1表面と第2表面とを含み、前記第1表面には放射金属層が設けられる。前記放射金属層は、第1金属領域と、前記第1金属領域に電気的に接続された少なくとも1つの第2金属領域と、前記第1金属領域に電気的に接続されたフィードイン端子とを含み、前記基板における前記第1金属領域と前記第2金属領域との間の領域には、折り曲げ領域が形成され、複数の前記折線穴は、前記折り曲げ領域に設けられて、折れ線を形成し、前記第2金属領域は、前記折れ線に沿って前記第1金属領域に対して折り曲げ可能であり、前記給電線と前記フィードイン端子は、1つの固定部により固定され、且つ電気的に接続されている。
【0013】
本願の実施形態では、前記折線穴の孔径は0.05~0.5mmである。
【0014】
本願の実施形態では、前記基板の材質は、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートのうちの1つである。
【発明の効果】
【0015】
本願の実施形態では、固定部は、導電性接着剤又は半田である。従来の技術と比較して、本発明の平面印刷アンテナは、フレキシブルな基板上に複合ヘテロメッシュ(Composite heterogeneous screen)を用いて平面印刷により放射金属層を形成し、プロセスが簡単で、成形サイクルが短く、効率が高く、コストが低く、エネルギー消費が低く、環境に優しく、かつ平面印刷の幅に制限がなく、複数の放射金属層を同時に印刷して複数の平面印刷アンテナを作製でき、効率が高い。複合ヘテロメッシュは、印刷精度が高い。折線穴の設計は、平面印刷アンテナの折り曲げに有利であり、かつ放射金属層の信号伝送に影響せず、折り曲げエリアの金属層の反り、放射金属層と基板との分離などの不良を低減できる。上記の設計は、平面印刷アンテナの放射面積を大きくでき、またマザ一ボードのスペースを必要以上に占用することがなく、パッケージ製品全体の軽薄短小化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による基板及び複合ヘテロメッシュの模式図である。
図2】本発明の一実施形態による複合ヘテロメッシュの概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態による複合ヘテロメッシュの断面図である。
図4図1の基板上に放射金属層を形成した構造の模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る折り曲げ領域の断面構造を示す図である。
図6図4に示された放射金属層に給電線を接続して平面印刷アンテナを形成した構成を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態で提供される平面印刷アンテナの構成を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る平面印刷アンテナのゲイン試験結果を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る平面印刷アンテナのゲイン試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態における発明を、本発明の図面に合せて明確にかつ完全に記載する。説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の一部の実施形態にすぎないことは明らかである。
【0018】
本明細書において用いられる技術および科学的用語は、特に定義されない限り、本発明の技術分野に属する当業者が通常理解する意味合いと同じである。本明細書において用いられる用語は、具体的な実施例を記述する目的のみであり、本発明を制限することを意図していない。
【0019】
本発明の一実施例は、具体的には以下のステップを含む平面印刷アンテナ100の製造方法を提供する。
【0020】
ステップS11では、図1に示すように、対向して配置された第1表面11および第2表面12を有する基板1が用意される。
【0021】
本実施形態では、基板1の材質は絶縁樹脂である。具体的には、基板1の材質は、ポリフェニレンエーテル(Polyphenylene Oxide,PPO)、ポリイミド(polyimide, PI)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate, PET)、及びポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate, PEN)等の樹脂から選ばれる1種であってよい。
【0022】
本実施形態では、基板1の材質は、PI又はPETであることが好ましい。PI又はPETを基材として採用することで、アンテナの製造コストを低減できる。
【0023】
ステップS12では、図2及び図3に示すように、フレーム71と、フレーム71の内側に設けられた中空の連結枠72と、連結枠72のフレーム71から遠い側に設けられたスクリーン73とを含む複合ヘテロメッシュ7を用意する。スクリーン73には、印刷パターン74が設けられている。連結枠72の硬度は、スクリーン73の硬度よりも小さい。
【0024】
本実施形態では、連結枠72の材質は高分子ポリマーであってもよい。スクリーン73の材質は金属であってもよい。
【0025】
ステップS13では、図4に示すように、第1表面11に複合ヘテロメッシュ7をセットし、第1表面11に印刷パターン74を平面印刷により印刷して、放射金属層2を形成する。放射金属層2は、第1金属領域21と、第1金属領域21と電気的に接続された第2金属領域22と、第1金属領域21と電気的に接続されたフィードイン端子24と、を含む。基板1における第1金属領域21と第2金属領域22との間の領域には、折り曲げ領域23が形成されている。平面印刷の方法で放射線金属層2を形成することは、従来のFPCやPCBプロセスと比較して、プロセスを簡略化し、材料を節約し、より環境にやさしい。そして、平面印刷は、低温プロセスであるので、全体の製造コストがより安い。
【0026】
上記の複合ヘテロメッシュ7によれば、放射金属層2を速やかに印刷することができる。しかも、複合ヘテロメッシュ7における連結枠72とスクリーン73が異質材であり、連結枠72の硬度がスクリーン73の硬度より小さく、連結枠72が一定の反発性を有する高分子ポリマーを用いることにより、印刷時にスクリーン73と基板1の第1表面11との精密な貼り合わせを保つことができる。また、複合ヘテロメッシュ7の間接的な印刷抵抗力が低く、印刷の精細度および精準度を向上させるとともに、複合ヘテロメッシュ7の耐久性を向上させることができる。また、一部のスクリーン73に代えて連結枠72を採用することにより、コストダウンを図ることができる。複合ヘテロメッシュ7を用いて平面印刷により放射金属層2を印刷することは、プロセスを簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0027】
本実施形態では、放射金属層2は、導電ペーストを平面印刷した後、硬化させることにより得られる。
【0028】
本実施形態では、放射金属層2は、基板1の第1表面11に、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電ペーストを用いて平面印刷により形成される。
【0029】
本実施形態では、放射金属層2の厚さは、異なるニーズに応じて、異なる層数の導電ペーストを印刷することにより調整されることができる。
【0030】
本実施形態では、基板1および印刷導電ペーストの材料特性に応じて、印刷された導電ペーストを焼付硬化により硬化する。
【0031】
本実施形態では、硬化温度は70℃~250℃である。
【0032】
本実施形態では、フィードイン端子24の一部又は全部が第2金属領域22に位置している。
【0033】
ステップS14では、図4及び図5に示すように、折り曲げ領域23に、折れ線4を形成する複数の折線穴3を形成する。
【0034】
本実施形態では、折線穴3をレーザー穴あけの方法によって形成する。
【0035】
本実施形態では、折線穴3を形成する前に、硬化した製品を先にカット成型して余分な部分を切除し、その後、レーザー穴あけによって折り曲げ領域23に複数の折線穴3を打ち出すことができる。ここで、折線穴3は、基板1を貫通するように、折り曲げ領域23(つまり非金属領域)に位置している。
【0036】
本実施形態では、折線穴3は、丸孔、矩形孔、またはその他の形状の孔であってもよい。本実施形態は、丸孔であることが好ましい。
【0037】
本実施形態では、折線穴3の孔径は0.05~0.5mmである。折線穴3の孔径はあまり大きくならず、孔径があまり大きいと、最終的に形成される平面印刷アンテナ100の全体強度に影響するが、孔径もあまり小さくできず、孔径があまり小さいと、折り曲げ易さの要求に到達せず、折り曲げ領域23の折り曲げ性に影響する。
【0038】
ステップS15では、図6に示すように、給電線5を設け、この給電線5を、固定部6を介してフィードイン端子24に固定して電気的に接続する。
【0039】
本実施形態では、給電線5は高周波給電線である。給電線5の一端は、放射金属層2のフィードイン端子24に接続され、給電線5の他端には無線周波コネクタ51が設けられ、無線周波コネクタ51を介して無線通信モジュールに接続され、無線周波数信号の伝送の目的を実現している。
【0040】
本実施形態では、固定部6の材質は導電性接着剤又は半田であってよい。給電線5の無線周波コネクタ51から遠ざけた一端を、導電性接着剤又は低温半田によりフィードイン端子24に固定してもよい。低温プロセスによって放射金属層2に給電線5を固定することは、プロセスの難しさが低く、エネルギー消費が低く、コストダウンに有利であり、従来の高温溶接プロセスによって給電線5の性能に影響を与えることはない。
【0041】
本実施形態では、給電線5を溶接した後に放射金属層2の縁を切り抜き、余分な部分を除去してもよい。
【0042】
ステップS16では、図6に示すように、第2金属領域22を折り曲げ領域23に沿って折り曲げて、平面印刷アンテナ100を得る。
【0043】
図5に合せて、図6図7を参照して、パッケージ過程を説明する。パッケージングする場合、平面印刷アンテナ100は、第1金属領域21と第2金属領域22を実際の必要に応じてマザーボード(図示せず)の異なる搭載面に貼り付けることができる。例えば、図6に示すように、平面印刷アンテナ100は、1つの第1金属領域21と2つの第2金属領域22を備え、平面印刷アンテナ100をマザーボードの縁に設けている。マザーボードは、上面、下面および側面を含む。この場合、第1金属領域21をマザーボードの側面に貼り付け、2つの第2金属領域22をマザーボードの上面および下面にそれぞれ貼り付けることができる。具体的には、第1金属領域21と第2金属領域22は、マザーボードと貼り合わせる際に、絶縁された乾式または湿式コロイド(例えば、PET両面テープ、PI両面テープ、UVゴムまたは粘着剤など)を用いることができ、貼り合わせが簡単であり、効率が高い。放射金属層2における第1金属領域21および第2金属領域22は、主として信号を放射する役目を果たし、複数の第2金属領域22を設けることで放射面積を大きくでき、さらに、本実施形態の折り畳み方式によってアンテナをパッケージングすることにより、放射面積を大きくしつつ、多すぎるパッケージ空間を占用しなく、パッケージ構造全体の小型化に有利である。
【0044】
本実施形態は、フレキシブルな基板1上に平面印刷により放射金属層2を形成するもので、プロセスが簡単であり、成形期間が短く、効率が良く、コストが低く、低温プロセスの消費エネルギーが低く、環境に優しい。また、平面印刷の幅に制限がなく、複数の放射金属層2を同時に印刷して複数の平面印刷アンテナ100を製作でき、効率が良い。折線穴3の設計は、平面印刷アンテナ100の折り曲げに有利であり、かつ放射金属層2の信号伝送に影響せず、折り曲げ領域23の金属層の反り、放射金属層2と基板1との分離などの不良を低減できる。上記の設計は、平面印刷アンテナ100の放射面積を増大させることができ、しかもマザ一ボード8のスペースを過剰に占用することがなく、パッケージ製品全体の軽薄短小化に寄与する。
【0045】
図5図6および図7に示すように、本実施形態に係る平面印刷アンテナ100は、基板1と、放射金属層2と、複数の折線穴3と、給電線5とを備える。基板1は、対向して配置された第1表面11および第2表面12を有する。放射金属層2は、第1表面11に設けられ、且つ第1金属領域21と、第1金属領域21と電気的に接続された少なくとも1つの第2金属領域22と、を含む。一方の第2金属領域22には、フィードイン端子24が設けられている。基板1における第1金属領域21と第2金属領域22の間の領域には、折り曲げ領域23が形成されている。折り曲げ領域23には、折れ線4を形成する複数の折線穴3が設けられている。第1金属領域21は、折れ線4に沿って第1金属領域21に対して折り曲げ可能である。給電線5とフィードイン端子24とは、固定部6により固定されて電気的に接続されている。
【0046】
本願の実施形態では、折線穴3の孔径は、0.05~0.5mmである。
【0047】
本願の実施形態では、基板1の材質は、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのうちの1つである。
【0048】
本願の実施形態では、固定部6の材質は、導電性接着剤又は半田ボールを含む。
【0049】
図8および図9は、平面印刷アンテナ100の信号検出の結果を示している。本実施形態の平面印刷アンテナ100を用いて得られる電圧定在波比(VSWR)は、帯域幅が狭く、アンテナゲインと中心周波数とがともによく、アンテナの使用ニーズに応えることができる。
【0050】
以上のように、本発明は、フレキシブルな基板において複合へテロメッシュを用いて平面印刷により放射金属層を形成し、プロセスが簡単で、成形サイクルが短く、効率が高く、コストが低く、環境に優しく、かつ平面印刷の幅に制限がなく、複数の放射金属層を同時に印刷して複数の平面印刷アンテナを製造することができ、効率の高い平面印刷アンテナを提供する。複合ヘテロメッシュは、印刷精度が高い。折線穴を作製することは、平面印刷アンテナの折り曲げに有利であるとともに、放射金属層の信号伝送に影響せず、折り曲げ領域の金属層の反り、放射金属層と基板との分離などの不良を低減できる。上記の設計は、平面印刷アンテナの放射面積を大きくでき、マザ一ボードのスペースをあまり多く占用することもなく、パッケージ製品全体の軽薄短小化に有利である。
【符号の説明】
【0051】
100 平面印刷アンテナ
1 基板
11 第1表面
12 第2表面
2 放射金属層
21 第1金属領域
22 第2金属領域
23 折り曲げ領域
24 フィードイン端子
3 折線穴
4 折れ線
5 給電線
51 無線周波コネクタ
6 固定部
7 複合ヘテロメッシュ
71 フレーム
72 連結枠
73 スクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9