(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073457
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】中実組織中に生存細胞を送達するための物品
(51)【国際特許分類】
A61M 31/00 20060101AFI20230518BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
A61M31/00
A61J3/07 E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056375
(22)【出願日】2023-03-30
(62)【分割の表示】P 2021177992の分割
【原出願日】2017-03-09
(31)【優先権主張番号】62/305,878
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511227440
【氏名又は名称】インキューブ ラブズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イムラン, ミル
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ジョエル
(57)【要約】
【課題】生存細胞を、GI壁組織または他の組織部位を含むGI管の中に送達するための物品を提供する。
【解決手段】患者のGI中実組織の中に生存細胞を送達するための物品であって、GI中実組織の中への穿刺のために構成される、シェルであって、組織穿刺端部と、力印加端部と、内部を画定するシェルの壁とを有する、シェルと、シェルの内部の生存細胞の塊と、を備え、生存細胞は、生存細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、窒素または他の不活性ガスで飽和される生存能力持続ゲル中に存在し、シェルは、i)生存細胞の生存能力を外部環境から保護し、ii)嚥下可能カプセル内に含有され、iii)力印加端部に対する力の印加によって、嚥下可能カプセルからGI中実組織の中に送達され、iv)生存細胞をGI中実組織の中に放出するようにGI中実組織内で生分解するような形状および材料を有する、物品を提供する。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のGI中実組織の中に生存細胞を送達するための物品であって、
前記GI中実組織の中への穿刺のために構成され、組織穿刺端部と、力印加端部と、内部を画定するシェルの壁とを有する、シェルと、
前記シェルの内部の生存細胞の塊と、
を備え、
前記生存細胞は、前記生存細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、窒素または他の不活性ガスで飽和される生存能力持続ゲル中に存在し、
前記シェルは、i)前記生存細胞の生存能力を外部環境から保護し、ii)嚥下可能カプセル内に含有され、iii)前記力印加端部に対する力の印加によって、前記嚥下可能カプセルから前記GI中実組織の中に送達され、iv)前記生存細胞を前記GI中実組織の中に放出するように前記GI中実組織内で生分解するような形状および材料を有する、
物品。
【請求項2】
前記GI中実組織は、腸壁組織、小腸壁組織、または腹膜壁組織である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記シェルは、前記シェルの壁の内面の少なくとも一部上に防湿障壁を含み、前記防湿障壁は、前記生存能力持続ゲルからの水分を含む、前記シェル内に画定された前記内部に存在する水分によって前記シェルの分解を緩慢にするか、または防止するように構成される、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記防湿障壁は、前記シェルの壁が生分解するか、または前記防湿障壁が前記シェル壁によって完全に支持されていないとき、身体の組織内の外力から機械的に剪断または分解するように構成される、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記防湿障壁は、コーティングを備える、請求項3に記載の物品。
【請求項6】
前記生存能力持続ゲルは、アルギン酸、ヒドロゲル、タンパク質、グリコサミノグリカン、および多糖類のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記組織穿刺端部と対向する前記シェルの内面上に位置付けられる衝撃吸収構造をさらに備え、前記衝撃吸収構造は、前記物品が前記GI中実組織の中に挿入されるとき、前記生存細胞に対する損傷を最小限にするように、前記力印加端部から付与される力の一部を吸収するように構成される、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記生存能力持続ゲルの粘弾性性質は、前記生存能力持続ゲルが、前記物品が前記中実組織の中に挿入されるとき、前記生存細胞に対する損傷を最小限にするように、前記力印加端部から付与される力の一部を吸収するための衝撃吸収媒体として作用するように選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記粘弾性性質は、200~1,000パスカルの範囲内の貯蔵弾性率を含む、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記シェルは、少なくとも12時間の期間にわたって生分解するように構成される、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記シェルは、生分解性金属を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記生分解性金属は、マグネシウム、鉄、および亜鉛から成る群から選択される、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記シェルは、生分解性ポリマーを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PGLA)、およびマルトースから成る群から選択される、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記シェル壁は、流体および小分子の通過を可能にするが、前記生存細胞および前記生存能力持続ゲルを含有するように定寸される開窓を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記開窓は、0.5mm~5mmの範囲内の幅または0.8μm2~80μm2の範囲内の面積を有する、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記生存細胞は、治療細胞、腸内分泌細胞、胃-腸内分泌細胞、または腸-腸内分泌細胞である、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
前記生存細胞は、膵臓B細胞、L細胞、K細胞、G細胞、I細胞、免疫細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、および造血幹細胞から成る群から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記シェルは、複数の層を備え、前記物品が前記患者の腸管を通して移動する際の加熱に起因する、冷蔵または凍結された細胞の解凍および蘇生を緩慢にする、凍結からの構造的損傷に耐性がある材料からなる、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
前記シェルは、凍結ゲルを生成する際の凍結に応じた前記生存能力持続ゲルの拡張のための余裕を提供するために、前記生存能力持続ゲルを用いて部分的にのみ充填され、前記物品は、前記凍結ゲルの拡張から構造的に損傷しない、請求項1に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年3月9日に出願された“Methods And Articles For Delivering Viable Cells Into Solid Tissue”と題する米国仮特許出願番号第62/305,878号に基づく優先権の利益を主張しており;その全体の内容は、参考として本明細書中に援用される。
【0002】
本出願はまた、“Methods And Articles For Delivering Viable Cells Into Solid Tissue”と題する同時に出願された米国特許出願第________ (代理人書類番号42197-737.202)に関連し、この出願の全体の開示はすべての目的のために本明細書中に援用される。本出願の本開示は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/837,025号(代理人書類番号42197-715.501、今や米国特許番号第8,734,429号)からの開示を援用し、その全体の開示は、すべての目的のために本明細書によって参考として本明細書中に援用される。
【0003】
発明の背景
1.発明の分野
本発明の実施形態は、嚥下可能生存細胞送達デバイスに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、生存細胞を小腸および他の中実組織に送達するための嚥下可能薬剤送達デバイスに関する。
【0004】
種々の疾患の処置のために、近年、新しい生存細胞がますます開発されているが、タンパク質、抗体、およびペプチドを含む多くは、それらが経口投与されることができないため、限定された用途を有する。これは、胃の不快感および出血を含む合併症との不良な経口耐性、胃の中の生存細胞化合物の破壊/分解、ならびに生存細胞の不良な、緩慢な、または一定しない吸収を含む、いくつかの理由に起因する。静脈内および筋肉内送達等の従来の代替生存細胞送達方法は、針刺突からの痛みおよび感染のリスク、滅菌技法の使用の要件、ならびに長い期間にわたって患者内で静脈(IV)ラインを維持することの要件および関連付けられるリスクを含む、いくつかの欠点を有する。埋込可能生存細胞送達ポンプ等の他の生存細胞送達アプローチが採用されているが、これらのアプローチは、デバイスの半恒久的な埋込を要求し、依然として静脈内送達の限定の多くを有し得る。したがって、生存細胞および他の治療剤の送達のための改良された方法の必要性がある。
【0005】
全てが本特許出願の譲受人に譲渡された米国特許第8,721,620号、第8,759,284号、および第8,734,429号が、患者の腸へのタンパク質および他の不安定な生存細胞の送達のために最適化される嚥下可能デバイスを説明している。生存細胞調合物を送達するために非常に効果的であるが、これらのデバイスは、患者に生細胞を送達するために最適化されていない。幹細胞、治療的に有益な作用剤を分泌する細胞、および同等物等の生細胞または生存細胞の患者への送達は、膨大な臨床的利益となる見込みがあるが、効果的な送達装置、材料、およびプロトコルの不足によって妨げられている。
【0006】
これらの理由から、ヒトおよび動物患者への生存細胞の送達のための改良された、かつ代替の装置、材料、ならびにプロトコルを提供することが、望ましいであろう。これらの目的の少なくともいくつかは、本明細書に説明および請求される本発明によって満たされる。
【背景技術】
【0007】
2.背景技術の説明
米国特許第8,721,620号、第8,759,284号、および第8,734,429号が、上記に説明された。また、第US2013/0095081号および第US2010/0215715号も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,721,620号明細書
【特許文献2】米国特許第8,759,284号明細書
【特許文献3】米国特許第8,734,429号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0095081号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0215715号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
本発明の実施形態は、生存細胞を、胃腸管および消化器官中に中実組織の中に送達するための物品、方法、デバイス、およびシステムを提供する。生存細胞は、治療目的および診断目的のうちの一方または両方のために送達されることができる。生存細胞は、典型的には、ヒト患者に送達されるが、また、獣医学目的のために他の哺乳類動物に送達され得る。生存細胞は、膵臓-腸内分泌細胞(pancreatic enteroendocrine cells)、例えば、ベータ細胞;G細胞等の胃-腸内分泌細胞(Gastric enteroendocrine cells);またはL細胞、K細胞、I細胞、N細胞、およびS細胞等の腸-腸内分泌細胞(Intestinal enteroendocrine cells)等、種々の哺乳類細胞タイプを含み得る。それらはまた、例えば、胃腸粘膜細胞(gastro-intestinal mucosal cells)を含む、種々の粘膜細胞を含み得る。送達される生存細胞は、典型的には、インスリンを生産する膵臓ベータ細胞、免疫系のタンパク質を生産する免疫細胞、L細胞、K細胞等のインクレチン生産細胞等、治療的に有益な作用剤を生産する。間葉系幹細胞、造血幹細胞、および同等物等の種々の幹細胞も、含み得る。細胞は、典型的には、通常、生存細胞が腸組織に送達される前に胃腸管を通過する経口送達ルートを介して、患者の腸組織に送達される。本発明の特定の利点は、細胞が、その送達に多くの時間がかかり得、その間に細胞の生存能力がリスクに曝される、腸組織の中への送達に先立って胃腸管を通過する際に、細胞の生存能力が維持され得ることである。
【0010】
第1の側面では、本発明は、中実組織の中に生存細胞を送達するための物品を提供する。本物品は、典型的には、鋭利化、先突、円錐形、または他の従来の組織穿刺先端を有する、中実組織の中への自己穿刺のために構成されるシェルを含む。他の実施形態では、自己穿刺先端は、組織の中への穿刺を強化するために、電気外科手術要素(例えば、およびRFエネルギー給電式要素)を含み得る。生存治療細胞の塊が、生存能力を助長する条件下でシェルの内部に維持される。特定の実施形態では、細胞は、通常、アルギン酸ゲル、タンパク質ゲル、グリコサミノグリカンゲル、炭水化物ゲル、または他の従来のゲル、もしくは哺乳類細胞生存能力を維持するための公知の媒体等、生存能力持続ゲルを含む調製物中に維持される。特定の実施形態では、ゲルは、ゲルにさらなる生存能力持続品質を提供するために、酸素で飽和または部分的に飽和されることができる。これは、ゲルへの細胞の添加の前後に行われ得る。いったん細胞の中に穿刺または別様に配置されると、本物品は、組織内で分解(生分解とも称される)され、生存細胞の塊を組織の中に放出するように構成される。
【0011】
ある実施形態では、本物品のシェルは、少なくとも12時間の期間にわたって生分解されるように構成される、すなわち、シェルは、これが患者の胃腸管または別の場所の中にある最初の12時間中に分解しない。多くの場合、分解のための期間は、4時間~1年の範囲内であり、典型的には、半日~5日であり、具体的実施形態では、1、2、3、4日である。多くの場合、細胞を胃腸管を通した通過から保護し、腸壁または他の場所の中への埋込後に可能な限り迅速に封じ込めからシェルを放出するために必要な限りにわたってだけシェルを維持することが、本発明の目的である。
【0012】
マグネシウム、鉄、および亜鉛等の生分解性金属を含む、種々の具体的材料が、生分解性シェルのために使用され得る。例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PGLA)、ならびにマルトース、スクロース、および同等物等の種々の糖を含む、生分解性ポリマーもまた、有用である。さらに、1つまたはそれを上回る実施形態によると、シェルは、同一または異なる材料の複数の層を備え、これらの層は、異なる速度(例えば、時間 対 日)において分解されるように構成され得る。使用時、そのような実施形態は、例えば、インスリン等の特定の治療物質の迅速な生成が続く細胞の迅速な放出を可能にし、より長い期間の放出を可能にするためのより長い期間の放出が続く。糖尿病または他のグルコース調整障害の処置のために構成される物品の実施形態に関して、これは、疾患または疾患の短い期間およびより長い期間の処置を可能にする。分解速度の変動は、シェルの厚さ、表面積、材料、および材料性質のうちの1つまたはそれを上回るものの選択によって制御されることができる。
【0013】
ある実施形態では、送達物品のシェルは、開窓、例えば、孔、開口、またはそれを通して形成される他の小さい通路を有し得る。開窓は、シェルの内部の内外への流体および小分子の通過を可能にするが、シェルの内部に細胞およびゲルを含有するように構成される。種々の実施形態では、開窓は、本物品内に含有される特定の細胞または複数の細胞の主直径に対する選択されたパーセンテージ(例えば、1、5、10、25、50%等)に合致される選択された直径の直径を有することができる。開窓は、典型的には、約0.1~15μm、より好ましくは、約0.5~5μmの範囲内の幅および/または0.03~700μm2、より好ましくは、約0.8~80μm2の範囲内の面積を有する。シェルが開窓を備えるとき、多くの細胞が、埋め込まれた組織との流体および物質交換を通して生存能力を維持し得、治療的に有用な細胞生産物を同一の開窓を通して組織に放出し得るため、これは、非生分解性材料から形成され得る。しかしながら、通常、開窓を伴っても、生分解性材料から壁を形成することが、好ましい。代替または付加的実施形態では、開窓は、超音波送受信機または他の圧電ベースの音響送受信機等の外部音響送受信機によってピング(ping)されると、固有の音響シグネチャまたはパターンを生産するように構成され得る。さらに、開窓が、本物品の生体浸食に起因して破壊されると、シェルの生体浸食の程度等のピング変化に応答するシェルの音響シグネチャが、判別されることができる。特定の実施形態では、開窓は、いかなる生体浸食も存在しないとき、ならびに25、50、および75%の生体浸食が存在するとき、固有の音響パターンを生産するように構成されることができる。このように、開窓は、本物品が選択された組織部位に細胞を放出するために十分に分解したとき、これをユーザが把握するための使用可能情報を提供する。具体的音響シグネチャは、開窓のサイズおよび間隔によって生産されることができる。本物品の分解の状態に関する情報を提供するための代替または付加的実施形態では、本物品は、本物品の分解パーセントの具体的音響シグネチャを提供するように構成される、音響マーカまたは印を含むことができる。
【0014】
第2の側面では、本発明は、小腸等の腸管および/または膵臓等の消化器官の壁における組織等の中実組織の中に生存細胞を送達するための方法を提供する。本方法は、組織穿刺部材等の物品を患者に投与するステップを含み、本物品は、生存状態における治療細胞の選択された塊または体積を含有する。典型的には、細胞の塊は、本明細書に説明される
細胞および生存能力持続ゲルを備える調製物中に含有される。本物品は、次いで、中実組織の中に穿刺され、本物品の少なくとも一部は、生存状態において組織内に細胞を放出するように生分解する。細胞は、次いで、治療的に有用な作用剤および物質を生産するために利用可能であり、これは、細胞が埋め込まれた組織の中に直接放出されることができる。本方法のある実施形態では、投与するステップは、患者が、本明細書に説明される嚥下可能カプセル内に含有され得る本物品を嚥下することを含み、本物品は、患者の胃腸管を通して、患者の腸の中に通過する。いったん腸内に存在すると、本物品は、バルーンを拡張させるように、混合されることに応じてガスを生産する化学反応物を含有する拡張可能バルーン等の拡張手段と動作可能に結合することによって、腸壁の中に推進される。典型的には、これは、小腸内のより高いpH等の腸内のpH変化に応答して行われ、該pH変化は、腸壁の中への本物品の推進をもたらす化学反応を誘起する。本物品を腸壁の中に穿刺させ、挿入されるように推進力を生成するための他の手段もまた、想定される。例えば、推進力は、電磁力(圧電材料から)、流体静力学的力、またはばね力の使用を通して生成され得る。
【0015】
第3の側面では、本発明は、腸管の壁における組織等の中実組織の中に生存細胞を送達するための方法を提供し、細胞は、(本物品の中に投入されることに先立つことを含む)患者に投与されることに先立って、可逆的仮死状態(suspended state of animation)にされ、それらは、治療効果を生産するように、患者に送達された後に蘇生する。そのような治療効果は、例えば、1つまたはそれを上回る治療化合物(例えば、インスリン、インテグリン等)の細胞生産物を含むことができる。典型的には、これは、患者に本物品を投与することに先立って、本物品内で細胞および/またはそれらを含有するゲルを凍結もしくは冷蔵することによって行われる。冷蔵は、50~33°Fの範囲内の温度で行われ、好ましい範囲は、39~40°Fであり得る。代替または変形例では、細胞および/またはそれらを含有するゲルは、本物品の中に配置されることに先立って凍結または冷蔵され得る。投与に先立って本物品およびその中の細胞を凍結または冷蔵することは、これが、栄養素を供給し、細胞生産物を除去する必要性なく、可逆的仮死状態において長い期間にわたって細胞を保存し得るため、特に有用である。しかしながら、いったん本物品が患者に投与されると、細胞は、短い期間内で解凍および加温され、蘇生した状態になり、細胞プロセスを再開し、胃腸環境からの分解のリスクがあり得る。上記に説明されるように、本物品のシェルは、今や代謝的に活性の細胞が、保護を伴わないと細胞を損傷または死滅させるであろう胃の消化条件に暴露されるであろう患者の胃腸管を通過する際、これを保護するであろう。いったん腸管の中に穿刺されると、本物品は、腸組織の中に埋め込まれ、したがって、生存細胞を放出し、それらは、ここでは、細胞生存能力が維持され得る環境にあり、それらは、それらが生産する有用な治療物質を生成することができる。これらの方法の実施形態は、本発明の物品と関連して上記に議論される、好ましい特性および寸法を有し得る物品を採用する。凍結および冷蔵以外の生存細胞の可逆的仮死状態の他の方法もまた、想定される。これらは、例えば、ゲル中でのある化合物の使用ならびに/または投与に先立つ不活性ガス(例えば、窒素)を用いたゲルの給気および細胞の凍結乾燥(または他の凍結乾燥方法)を含み得る。
【0016】
上記に議論されるように、細胞が経口送達される実施形態に関して、凍結された、冷蔵された、または別様に仮死状態の細胞は、患者の胃腸管を通過し、本物品によって提供される障壁によって胃腸管の条件から保護される。障壁は、本物品が胃腸管を通過する間に損なわれないままであるが、障壁は、腸組織内で経時的に腐食し、細胞および/または治療的に有益な細胞生産物を経時的に放出する。使用時、そのような方法は、細胞の長期貯蔵を可能にし、患者が、細胞を含有する物品を自宅に貯蔵し、数週間から数ヶ月の長い期間にわたってそれらを服用することを可能にする。細胞が凍結または冷蔵される実施形態では、本物品自体が、凍結されるように構成されることができる。特定の実施形態では、これは、本物品の障壁機能を損ない得る、亀裂または他の構造的変形を受けることなく凍結されるように構成されることができる。さらに、物品内部の空間は、凍結に起因するゲルまたは細胞を含有する他の媒体のいずれの拡張も考慮するように、非凍結細胞を含有する物品と比較して増加され得、したがって、本物品ならびに細胞は、凍結中に損傷しない。代替として、物品内部は、凍結中のゲルの拡張に備えるために、部分的にのみ充填され得る。本第2の方法における本物品の使用のこれらの具体的材料および寸法はまた、本発明の物品に関してより詳細に説明される。
【0017】
第4の側面では、本発明は、それによって患者が、所望の治療効果を達成するように、数日、数週間、または数ヶ月の期間にわたって生存細胞を含有する嚥下可能物品レジメンを服用し得る方法を提供する。例えば、患者は、胃、小腸、および大腸を含むGI管における酸生産、粘膜構造、および細胞分化のうちの1つまたはそれを上回るものを改善するように、ある期間にわたって小腸におけるインクレチン生産を再確立するためのL細胞またはK細胞、順に、ある期間にわたって胃または小腸におけるガストリンの生産を再確立するためのグルコース調整またはG細胞の種々の用量を含有する物品レジメンを服用し得る。レジメンは、例えば、より低い維持投与量が続く初期投与量を含む、期間にわたって投与量を変動させることを含み得る。本第2の方法における本物品の使用のこれらの具体的材料および寸法はまた、本発明の物品に関してより詳細に説明される。
【0018】
第5の側面では、本発明は、それによって患者が、生存細胞を含有する嚥下可能物品を服用し、所望の治療効果を生産するホルモンまたは他のペプチド生産細胞等の細胞を用いてGI管の選択された部分に再播種する方法を提供する。例えば、L細胞またはK細胞が、インクレチンを生産し、またはGI細胞が、ガストリンを生産する。具体的実施形態では、細胞は、種々の粘膜細胞を含み、胃、幽門、および十二指腸の粘膜に再播種し、胃、幽門、または十二指腸潰瘍のうちの1つもしくはそれを上回るものを処置することができる。さらに、本物品は、小腸の十二指腸または空腸および胃の幽門領域等、具体的GI器官の具体的部分に再播種するように構成されることができる。本物品は、種々のEUDRAGITコーティング等の本明細書に説明されるpH感受性コーティングならびに胃におけるより酸性度が高いpH(1.5~3.5)および小腸におけるますます酸性度が減るpH(十二指腸において5.5および空腸において6.5~6.8)等、具体的場所における具体的pHに応答して分解する当分野で公知のその他の使用によって、これらの具体的領域の中に細胞を注入するように構成されることができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
患者の固形GI組織の中に生存細胞を送達するための物品であって、
前記GI中実組織の中への穿刺のために構成される、シェルであって、組織穿刺端部と、力印加端部と、内部を画定する壁とを有する、シェルと、
前記シェルの内部の生存細胞の塊と、
を備え、
前記細胞は、生存能力持続ゲル中に存在し、
前記シェルは、i)前記細胞の生存能力を外部環境から保護し、ii)嚥下可能カプセル内に含有され、iii)前記力印加端部に対する力の印加によって、前記カプセルから前記固形GI組織の中に送達され、iv)前記生存細胞を前記固形GI組織の中に放出するように前記中実組織内で生分解するような形状および材料粘稠度を有する、
物品。
(項目2)
前記固形GI組織は、腸壁組織、小腸壁組織、または腹膜壁組織である、項目1に記載の物品。
(項目3)
前記シェルは、前記シェルの壁の内面の少なくとも一部上に防湿障壁を含み、前記防湿障壁は、前記生存能力持続ゲルからの水分を含む、前記内部に存在する水分からの前記シェルの分解を緩慢にするか、または防止するように構成される、項目1に記載の物品。
(項目4)
前記防湿障壁は、前記シェルの壁が生分解するか、または前記防湿障壁が前記シェル壁によって完全に支持されていないとき、身体の組織内の外力から機械的に剪断または分解するように構成される、項目3に記載の物品。
(項目5)
前記防湿障壁は、コーティングを備える、項目3に記載の物品。
(項目6)
前記生存能力持続ゲルは、アルギン酸、ヒドロゲル、タンパク質、グリコサミノグリカン、および多糖類のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の物品。
(項目7)
前記組織穿刺端部と対向する前記シェルの内面上に位置付けられる衝撃吸収構造をさらに備え、前記衝撃吸収構造は、前記物品が前記中実組織の中に挿入されるとき、前記生存細胞に対する損傷を最小限にするように、前記力印加端部から付与される力の一部を吸収するように構成される、項目1に記載の物品。
(項目8)
前記ゲルの粘弾性性質は、前記ゲルが、前記物品が前記中実組織の中に挿入されるとき、前記生存細胞に対する損傷を最小限にするように、前記力印加端部から付与される力の一部を吸収するための衝撃吸収媒体として作用するように選択される、項目1に記載の物品。
(項目9)
前記粘弾性性質は、約200~約1,000パスカルの範囲内の貯蔵弾性率を含む、項目8に記載の物品。
(項目10)
前記シェルは、少なくとも約12時間の期間にわたって生分解するように構成される、項目1に記載の物品。
(項目11)
前記期間は、12時間~5日の範囲内である、項目10に記載の物品。
(項目12)
前記シェルは、生分解性金属を含む、項目1に記載の物品。
(項目13)
前記生分解性金属は、マグネシウム、鉄、および亜鉛から成る群から選択される、項目12に記載の物品。
(項目14)
前記シェルは、生分解性ポリマーを含む、項目1に記載の物品。
(項目15)
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PGLA)、およびマルトースから成る群から選択される、項目14に記載の物品。
(項目16)
前記シェル壁は、開窓を有する、項目1に記載の物品。
(項目17)
前記開窓は、流体および小分子の通過を可能にするが、前記細胞およびゲルを含有するように定寸される、項目16に記載の物品。
(項目18)
前記開窓は、0.5mm~5mmの範囲内の幅または0.8mm2~80mm2の範囲内の面積を有する、項目17に記載の物品。
(項目19)
前記開窓は、超音波撮像されるときに前記物品のための音波発生マーカとして機能するように成形および定寸される、項目17に記載の物品。
(項目20)
前記開窓は、超音波撮像されるときに分解の程度のインジケーションを提供するように構成される、項目19に記載の物品。
(項目21)
前記細胞は、治療細胞、腸内分泌細胞、胃-腸内分泌細胞、または腸-腸内分泌細胞である、項目1に記載の物品。
(項目22)
前記生存細胞は、膵臓B細胞、L細胞、K細胞、G細胞、I細胞、免疫細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、および造血幹細胞から成る群から選択される、項目21に記載の物品。
(項目23)
前記シェルは、前記物品が前記患者の腸管を通して移動する際の加熱に起因する、冷蔵または凍結された細胞の解凍および蘇生を緩慢にするために、断熱性である、項目1に記載の物品。
(項目24)
前記シェルは、凍結からの構造的損傷に耐性がある材料を含む、項目1に記載の物品。(項目25)
前記シェルは、凍結に応じた前記ゲルの拡張のための余裕を提供するために、前記生存能力持続ゲルを用いて部分的にのみ充填され、前記物品は、前記凍結ゲルの拡張から構造的に損傷しない、項目1に記載の物品。
(項目26)
前記シェルの内部の容積は、凍結に応じた前記ゲルの拡張のための余裕を提供するために、前記生存能力持続ゲルを用いて部分的にのみ充填され、前記物品は、前記凍結ゲルの拡張から構造的に損傷しない、項目1に記載の物品。
(項目27)
前記シェルの内部容積は、前記ゲルを用いて約50~91%充填される、項目1に記載の物品。
(項目28)
前記シェルの内部容積は、前記ゲルを用いて約90~91%充填される、項目27に記載の物品。
(項目29)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、酸素で飽和される、項目1に記載の物品。
(項目30)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、窒素または他の不活性ガスで飽和される、項目1に記載の物品。
(項目31)
患者の固形GI組織の中に生存細胞を送達するための物品であって、
前記GI中実組織の中への穿刺のために構成される、シェルであって、組織穿刺端部と、力印加端部と、内部を画定する壁とを有する、シェルと、
前記シェルの内部の生存細胞の塊と、
を備え、
前記細胞は、生存能力持続ゲル中に存在し、
前記シェルは、i)前記細胞の生存能力を外部環境から保護し、ii)嚥下可能カプセル内に含有され、iii)前記力印加端部に対する力の印加によって、前記カプセルから前記固形GI組織の中に送達され、iv)前記生存細胞を前記固形GI組織の中に放出するように前記中実組織内で生分解するような形状および材料粘稠度を有し、
前記ゲルの粘弾性性質は、前記ゲルが、前記物品が前記中実組織の中に挿入されるとき、前記生存細胞に対する損傷を最小限にするように、前記力印加端部から付与される力の一部を吸収するための衝撃吸収媒体として作用するように選択される、
物品。
(項目32)
前記粘弾性性質は、約200~約1,000パスカルの範囲内の貯蔵弾性率を含む、項目31に記載の物品。
(項目33)
患者の固形GI組織の中に生存細胞を送達するための物品であって、
前記GI中実組織の中への穿刺のために構成される、シェルであって、組織穿刺端部と、力印加端部と、内部を画定する壁と、前記シェルの壁の内面上に存在する防湿障壁とを有し、前記防湿障壁は、前記シェルの内部に存在する水分からの前記シェルの分解を緩慢にするか、または防止するように構成される、シェルと、
前記シェルの内部の生存細胞の塊と、
を備え、
前記細胞は、生存能力持続ゲル中に存在し、
前記シェルは、i)前記細胞の生存能力を外部環境から保護し、ii)嚥下可能カプセル内に含有され、iii)前記力印加端部に対する力の印加によって、前記カプセルから前記固形GI組織の中に送達され、iv)前記生存細胞を前記固形GI組織の中に放出するように前記中実組織内で生分解するような形状および材料粘稠度を有し、
前記防湿障壁は、前記シェル壁が生分解する、または前記防湿障壁が前記シェル壁によって完全に支持されていないとき、身体の組織内の外力から機械的に剪断または分解するように構成される、
物品。
(項目34)
患者の中実組織の中に生存細胞を送達するための方法であって、
物品を前記患者に投与するステップであって、前記物品は、生存状態における治療細胞の塊を含有する、ステップと、
前記物品を前記中実組織の中に穿刺させるステップであって、前記物品の少なくとも一部は、生存状態において前記組織内に前記細胞を放出するように生分解する、ステップと、
を含む、方法。
(項目35)
前記中実組織は、GI組織、腸壁組織、小腸壁組織、または腹膜壁組織である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記送達された細胞は、小腸、大腸、または胃の粘膜もしくは内層の一部に再播種する、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記投与するステップは、前記患者が前記物品を嚥下することを含み、前記物品は、前記患者の胃腸管を通して前記患者の腸まで通過する、項目34に記載の方法。
(項目38)
前記物品は、前記腸内の腸壁の中に推進される、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記腸内のpH変化が、前記物品の推進を誘起する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記治療細胞は、前記物品を投与するステップに先立って前記物品内で凍結され、前記細胞は、前記物品を穿刺させるステップに先立って解凍される、項目34に記載の方法。(項目41)
前記シェルは、少なくとも約12時間の期間にわたって生分解する、項目34に記載の方法。
(項目42)
前記期間は、12時間~5日の範囲内である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記シェルは、生分解性ポリマーを含む、項目34に記載の方法。
(項目44)
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PGLA)、およびマルトースから成る群から選択される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記シェルは、開窓を有する壁を備える、項目34に記載の方法。
(項目46)
前記開窓は、流体および小分子の通過を可能にするが、前記細胞を含有するように定寸される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記開窓は、0.5mm~5mmの範囲内の幅または0.8mm2~80mm2の範囲内の面積を有する、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記細胞の少なくとも一部は、前記物品内に留まり、前記開窓から拡散する治療化合物を生産する、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記生存細胞は、治療細胞、腸内分泌細胞、胃-腸内分泌細胞、または腸-腸内分泌細胞である、項目34に記載の方法。
(項目50)
前記生存治療細胞は、膵臓B細胞、L細胞、K細胞、G細胞、I細胞、免疫細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、および造血幹細胞から成る群から選択される、項目49に記載の方法。
(項目51)
いったん組織の中に送達されると、前記細胞は、身体内で治療化合物を生産する、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記治療化合物は、グルコース調整化合物、インスリン、インクレチン、またはガストリンを含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記細胞の少なくとも一部は、前記物品内に留まる一方、前記治療化合物を生産する、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記細胞は、生存能力持続ゲル中に存在する、項目34に記載の方法。
(項目55)
前記生存能力持続ゲルは、アルギン酸、ヒドロゲル、タンパク質、グリコサミノグリカン、および多糖類のうちの少なくとも1つを含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、酸素で飽和される、項目54に記載の方法。
(項目57)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、窒素または他の不活性ガスで飽和される、項目54に記載の方法。
(項目58)
患者の腸組織の中に生存細胞を経口送達するための方法であって、
生存治療細胞の塊を含有する組織穿刺物品を含有する、薬物送達デバイスを嚥下するステップであって、前記物品は、前記胃腸管を通過し、前記物品は、損なわれず、前記細胞は、生存したままである、ステップと、
前記腸内の条件に応答して、前記薬物送達デバイスから前記物品を放出するステップであって、前記物品は、前記物品に対する推進力の印加によって前記腸組織の中に穿刺され、前記細胞または前記細胞によって生産された物質を前記腸組織の中に放出する、ステップと、
を含む、方法。
(項目59)
前記腸組織は、腸壁組織、小腸壁組織、または腹膜壁組織である、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記送達された細胞は、小腸、大腸、または胃の粘膜もしくは内層の一部に再播種する、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記条件は、pHまたは前記小腸内のpHである、項目58に記載の方法。
(項目62)
前記小腸内のpHは、約7.1を上回る、項目59に記載の方法。
(項目63)
前記推進力は、拡張可能部材の拡張を用いて印加される、項目58に記載の方法。
(項目64)
前記拡張可能部材は、前記小腸または前記腸管内の他の場所におけるpHに応答して誘起される化学反応によって拡張される、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記細胞は、前記患者によって摂取されることに先立って、仮死蘇生可能状態にある、項目58に記載の方法。
(項目66)
前記細胞は、前記嚥下可能デバイスの摂取後に蘇生される、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記細胞は、前記患者の体温によって蘇生される、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記細胞は、温度、血液供給、または酸素供給のうちの少なくとも1つを含む、前記腸組織内の条件によって蘇生される、項目66に記載の方法。
(項目69)
前記細胞は、前記患者によって嚥下されることに先立って、凍結される、項目65に記載の方法。
(項目70)
前記細胞は、それらが前記胃腸管を通過するにつれて、少なくとも部分的に解凍される、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記細胞は、前記物品によって提供される障壁によって、前記胃腸管の条件から保護される、項目58に記載の方法。
(項目72)
前記障壁は、前記物品が前記胃腸管を通過し、前記腸組織内で生分解する間、損なわれないままである、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記障壁は、少なくとも約12時間の期間にわたって生分解するように構成される、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記期間は、約1~5日の範囲内である、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記シェルは、生分解性ポリマーを含む、項目72に記載の方法。
(項目76)
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PGLA)、およびマルトースから成る群から選択される、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記シェルは、開窓を有する壁を備える、項目58に記載の方法。
(項目78)
前記開窓は、流体および小分子の通過を可能にするが、前記細胞およびゲルを含有するように構成され、前記シェルの少なくとも一部は、残りの前記シェルと比較して緩慢な生分解の速度を有する開窓を含む、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記開窓は、約0.5μm~5μmの範囲内の幅または0.8μm2~80μm2の範囲内の面積を有する、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記細胞の少なくとも一部は、前記物品内に留まり、前記開窓から拡散する治療化合物を生産する、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記開窓は、超音波撮像を使用して、前記身体内の前記シェルの位置特定を可能にするための音波発生マーカとして構成され、前記方法はさらに、前記開窓を使用して前記シェルを位置特定するために、前記患者の身体を超音波撮像するステップを含む、項目77に記載の方法。
(項目82)
前記開窓は、前記シェルの生分解の程度のインジケーションを提供するように構成され、前記方法はさらに、前記シェルの生分解の程度を確認するために、前記患者の身体を超音波撮像するステップを含む、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記細胞は、生存能力持続ゲル中に存在する、項目58に記載の方法。
(項目84)
前記生存能力持続ゲルは、アルギン酸、タンパク質、グリコサミノグリカン、および多糖類のうちの少なくとも1つを含む、項目83に記載の方法。
(項目85)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、酸素で飽和される、項目83に記載の方法。
(項目86)
前記生存能力持続ゲルは、前記細胞の生存能力を保存するために、少なくとも部分的に、窒素または他の不活性ガスで飽和される、項目83に記載の方法。
(項目87)
前記生存細胞は、治療細胞、腸内分泌細胞、胃-腸内分泌細胞、または腸-腸内分泌細胞である、項目58に記載の方法。
(項目88)
前記生存細胞は、膵臓B細胞、L細胞、K細胞、G細胞、I細胞、免疫細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、および造血幹細胞から成る群から選択される、項目87に記載の方法。
(項目89)
いったん腸組織の中に送達されると、前記細胞は、前記身体内に放出される治療化合物を生産する、項目58に記載の方法。
(項目90)
前記治療化合物は、グルコース調整化合物、インスリン、インクレチン、またはガストリンを含む、項目51に記載の方法。
(項目91)
前記細胞の少なくとも一部は、前記物品内に留まる一方、前記治療化合物を生産する、項目51に記載の方法。
(項目92)
患者の腸組織の中に生存細胞を経口送達するための方法であって、
仮死蘇生可能状態において生存治療細胞の塊を含有する組織穿刺物品を含有する、薬物送達デバイスを嚥下するステップであって、前記物品は、前記胃腸管を通過し、前記物品は、損なわれず、前記細胞は、生存したままである、ステップと、
前記腸内の条件に応答して、前記薬物送達デバイスから前記物品を放出するステップであって、前記物品は、前記腸組織の中に穿刺し、前記細胞または前記細胞によって生産された物質を前記腸組織の中に放出し、前記細胞は、前記患者の身体における条件によって蘇生される、ステップと、
を含む、方法。
【0019】
本発明のこれらおよび他の実施形態ならびに側面のさらなる詳細が、添付される図面を参照して下記により完全に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、嚥下可能生存細胞送達デバイスの実施形態を示す側面図である。
【
図1B】
図1Bは、嚥下可能生存細胞送達デバイスを含むシステムの実施形態を示す側面図である。
【
図1C】
図1Cは、嚥下可能生存細胞送達デバイスと使用説明書のセットとを含む、キットの実施形態を示す側面図である。
【
図1D】
図1Dは、生存細胞リザーバを含む、嚥下可能生存細胞送達デバイスの実施形態を示す側面図である。
【
図1E】
図1Eは、GI管内のデバイスの通過および生存細胞を送達するための本デバイスの動作を含む、嚥下可能生存細胞送達デバイスの実施形態の使用を図示する、側面図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、pH感受性生分解性コーティングを用いてコーティングされたキャップおよび本体を含む、嚥下可能生存細胞送達デバイスのためのカプセルの実施形態を図示する、側面図であり、
図2Aは、非組立状態におけるカプセルを示し、
図2Bは、組立状態におけるカプセルを示す。
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、展開バルーン、アライナバルーンと、送達バルーンと、仕分けられた接続管とを含有する、折り畳まれない多重バルーンアセンブリの実施形態を図示し、
図3Aは、展開バルーンの単一ドーム構成のためのアセンブリの実施形態を示し、
図3Bは、展開バルーンの二重ドーム構成のためのアセンブリの実施形態を示す。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、展開バルーン、アライナバルーンと、送達バルーンと、仕分けられた接続管とを含有する、折り畳まれない多重バルーンアセンブリの実施形態を図示し、
図3Aは、展開バルーンの単一ドーム構成のためのアセンブリの実施形態を示し、
図3Bは、展開バルーンの二重ドーム構成のためのアセンブリの実施形態を示す。
【
図3C】
図3Cは、アライナバルーンを含む、本明細書に説明されるバルーンの1つまたはそれを上回る実施形態のために使用され得る、入れ子バルーン構成の実施形態を図示する、斜視図である。
【
図4A】
図4A-4Cは、多重コンパートメント展開バルーンの実施形態を図示する、側面図であり、
図4Aは、分離弁が閉鎖されている、非膨張状態におけるバルーンを示し、
図4Bは、弁が開放され、化学反応物の混合を伴うバルーンを示し、
図4Cは、膨張状態におけるバルーンを示す。
【
図4B】
図4A-4Cは、多重コンパートメント展開バルーンの実施形態を図示する、側面図であり、
図4Aは、分離弁が閉鎖されている、非膨張状態におけるバルーンを示し、
図4Bは、弁が開放され、化学反応物の混合を伴うバルーンを示し、
図4Cは、膨張状態におけるバルーンを示す。
【
図4C】
図4A-4Cは、多重コンパートメント展開バルーンの実施形態を図示する、側面図であり、
図4Aは、分離弁が閉鎖されている、非膨張状態におけるバルーンを示し、
図4Bは、弁が開放され、化学反応物の混合を伴うバルーンを示し、
図4Cは、膨張状態におけるバルーンを示す。
【
図5A】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5B】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5C】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5D】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5E】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5F】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図5G】
図5A-5Gは、複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を図示する、側面図であり、各図における折り畳み構成は、展開バルーンの単一および二重ドーム構成の両方に適用されるが、
図5Cは、二重ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Dは、二重ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、
図5Eは、単一ドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、
図5Fおよび5Gは、単一ドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図である。
【
図6】
図6Aおよび6Bは、送達アセンブリが取り付けられている、最終折り畳み多重バルーンアセンブリの実施形態を図示する、直交図である。
【
図7】
図7Aおよび7Bは、カプセルの中に挿入される最終折り畳み多重バルーンアセンブリの実施形態を図示する、直交透明図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の原理に従って構築される、組織穿刺物品の実施形態の断面図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の原理に従って構築される、組織穿刺物品の代替実施形態の断面図である。
【
図8C】
図8Cは、本物品の内面上に防湿障壁を含む、本発明の原理に従って構築される、組織穿刺物品のまた別の代替実施形態の断面図である。
【
図8D】
図8Dは、生存細胞に対して付与される力を低減させるように構成される、本物品の内部における衝撃吸収構造および/または衝撃吸収ゲルを含む、本発明の原理に従って構築される、組織穿刺物品のまた別の代替実施形態の断面図である。
【
図9】
図9は、構成要素の仕分け図と、送達アセンブリの実施形態を組み立てるために使用されるステップとを提供する。
【
図10A】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10B】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10C】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10D】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10E】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10F】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10G】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10H】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図10I】
図10A-10Iは、生存治療細胞を腸壁に送達するための嚥下可能デバイスの動作の方法を図示する、仕分け図を提供する。
【
図11】
図11Aは、GI管内でカプセルの制御された分解を生産するように位置付けられた生分解性継ぎ目を有するカプセルを含む、嚥下可能生存細胞送達デバイスの実施形態を示す。
図11Bは、GI管内でより小さい断片に分解された後の
図11Aの実施形態を示す。
【
図12A】
図12A-Bは、ピストン-シリンダアセンブリを有する、カプセルの実施形態を示す。
【
図12B】
図12A-Bは、ピストン-シリンダアセンブリを有する、カプセルの実施形態を示す。
【
図12C】
図12Cは、ピストン-シリンダアセンブリのアレイを有する、送達機構の実施形態を示す。
【
図12D】
図12Dは、ピストン-シリンダアセンブリおよび収縮弁を有する、カプセルの実施形態を示す。
【
図13A】
図13Aは、送達バルーンおよび送達コンパートメントを有する、送達機構の実施形態を示す。
【
図13B】
図13Bは、穿通針がバルーンを穿通する穿通圧力を含む、バルーン膨張圧力曲線を描写する。
【
図14】
図14は、カプセルの生分解を加速するように細孔および/または穿孔を含む、生分解性継ぎ目を有するカプセルの実施形態を示す。
【
図15】
図15A-15Bは、拡張可能バルーンの膨張によるカプセルの断裂のために、半径方向または側方パターンにおいて配列される断裂可能継ぎ目を有する、カプセルの実施形態を示し、
図15Aは、膨張に先立つカプセルを示し、
図15Bは、バルーンの膨張によって断片に分解されたカプセルを示す。
【
図16】
図16は、拡張可能バルーンの膨張によって断裂され得る、継ぎ目によって継合される別個の部分から製作される、バルーン断裂可能カプセルの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の実施形態は、生存細胞を身体内の種々の場所に、特に、腸壁組織の中に送達するためのデバイス、調製物、システム、および方法を提供する。多くの実施形態では、細胞は、それらが胃腸管を通して、腸管または他の場所内の選択された部位まで通過する間、細胞の生存率を維持するように構成される嚥下可能デバイスによって送達される。本明細書で使用されるように、「GI管」は、食道、胃、小腸、大腸、および肛門を指す一方、「腸管」は、小腸および大腸を指す。本発明の種々の実施形態は、腸管ならびにGI管全体の中への生存細胞の送達のために構成および配列されることができる。また、多くの実施形態では、送達される細胞は、治療細胞を含み、時として、そのように称される。しかしながら、本発明の実施形態は、治療細胞のみに限定されない。特に、送達される細胞はまた、診断目的のために使用される細胞を含み得ることを理解されたい。また、種々の実施形態では、調製物100という用語は、生存治療細胞を含む生存細胞101を含む調製物を説明するために使用される。調製物100は、時として、「生存細胞調製物」、「細胞調製物」、またはただ「調製物」100と称され、3つは全て、同義である。さらに、生存細胞101に加えて、種々の実施形態では、調製物100は、本明細書に説明され、当分野で公知の1つまたはそれを上回る薬物もしくは他の治療剤、診断剤、および種々の賦形剤を含み得る。特定の実施形態では、調製物100はまた、本明細書に説明されるような生存能力保存ゲル49を含む。
【0022】
ここで
図1-9を参照すると、胃腸(GI)管内の送達部位DSへの生存細胞101を含む調製物100の送達のためのデバイス10の実施形態が、嚥下され、腸管を通過するように定寸されるカプセル20と、展開物品30と、生存治療細胞101を含む細胞調製物100を含有する1つまたはそれを上回る組織穿刺物品40(シェル40とも称される)と、展開可能アライナ60と、送達機構70とを備える。これは、生存細胞101の送達のためのデバイスの一実施形態にすぎず、アライナバルーン60を伴わないデバイスを含む、本明細書に説明される他の実施形態も、等しく適用可能であることを理解されたい。
【0023】
展開可能アライナ60は、カプセル内に位置付けられ、カプセルを小腸等の腸と整合させるように構成される。典型的には、これは、カプセルの長手方向軸を腸の長手方向軸と整合させることを伴うであろうが、しかしながら、他の整合もまた、想定される。送達機構70は、腸壁の中に生存治療細胞101を含有する細胞調製物100を送達するために構成され、典型的には、拡張可能部材等の送達物品72を含む。展開部材30は、アライナ60または送達機構70のうちの少なくとも1つを展開するために構成される。本明細書にさらに説明されるように、カプセル壁の全てまたは一部は、GI管内の液体がデバイス10による生存細胞101の送達を誘起することを可能にするように、それらの液体との接触によって分解可能である。本明細書で使用されるように、用語「GI管」は、食道、胃、小腸、大腸、および肛門を指す一方、「腸管」は、小腸および大腸を指す。本発明の種々の実施形態は、腸管ならびにGI管全体の両方の中への生存治療細胞101を備える調製物100の送達のために構成および配列されることができる。種々の筋肉内部位を含む、さらに他の送達部位もまた、考慮される。
【0024】
組織穿刺物品40を含むデバイス10は、生存細胞101を含む液体、半液体、または固体形態の調製物100もしくは3つ全ての組み合わせの送達のために構成されることができる。いかなる形態であっても、物品40は、望ましくは、本物品が、(送達に先立つ患者GI管内の環境を含む)外部環境から細胞101の生存能力を保護し、デバイス10/カプセル20内に配置され、デバイス10から腸壁(小腸または大腸)、腹膜壁、またはGI管内の他の壁もしくは組織部位の中に前進され、次いで、生存細胞101または他の治療剤を放出するように腸壁内で分解(例えば、生分解)することを可能にするサイズ、形状、および材料粘稠度を有する。これらの機能を実施するための物品40の材料粘稠度は、以下の、体液(例えば、腸流体)中で物品40を構成する材料成分の硬度、多孔度、および可溶性のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。材料粘稠度は、本物品の以下の性質および/または特性、すなわち、i)本物品を作製するために使用される圧縮力、ii)当分野で公知の1つまたはそれを上回る医薬品崩壊剤の使用、iii)他の医薬品賦形剤の使用、iv)本物品内の粒子サイズおよび粒子分布(例えば、微粉化粒子の使用)、ならびにv)当分野で公知の微粉化および他の粒子形成方法の使用のうちの1つまたはそれを上回るものの選択および使用によって達成されることができる。
【0025】
典型的には、デバイス10および/または調製物100は、調製物100の一部として単一タイプの細胞101を送達するように構成される。しかしながら、いくつかの実施形態では、デバイス10および/または調製物100は、単一または複数の細胞調製物100の中に混合され得る、第1、第2、または第3の細胞タイプを含む複数の細胞タイプ101の送達のために構成されることができる。複数の細胞タイプを有する実施形態に関して、各細胞タイプ101は、カプセル20内の別個の組織穿刺部材40内、または別個のコンパートメントもしくはリザーバ27内に含有されることができる。別の実施形態では、
図1bの実施形態に示されるように、細胞タイプ101を含有する細胞調製物100の第1の投与量102が、穿刺部材40の中に詰め込まれることができ、(同一物または異なる細胞101を含有する)細胞調製物100の第2の投与量103が、カプセルの表面25上にコーティングされることができる。調製物102および103の2つの投与量における細胞タイプ101は、同一であるか、または異なり得る。このように、同一または異なる細胞のバイモーダル薬物動態放出が、達成されることができる。
【0026】
1つまたはそれを上回る実施形態では、小腸の壁または腸管もしくはGI管内の他の場所の中への生存治療細胞101の送達のためのシステム11は、デバイス10と、選択された疾患、症状、または複数の症状の処置のための1つまたはそれを上回る生存治療細胞タイプ101を含む調製物100を含有する物品40とを備え得る。いくつかの実施形態では、本システムは、
図1Bの実施形態に示されるように、デバイス10と通信するための本明細書に説明されるハンドヘルドデバイス13を含み得る。多くの実施形態では、システム11はまた、
図1Cの実施形態に示されるように、包装12内に包装される、システム11と使用説明書のセット15とを含む、キット14として構成され得る。説明書は、食事の摂取等の1つまたはそれを上回る事象もしくは血糖、コレステロール等の生理学的測定に対してデバイス10を服用するときを患者に示すことができる。そのような実施形態では、キット14は、処置される症状(例えば、インターフェロン処置コースによる癌の処置、乾癬等の自己免疫疾患の処置、免疫抑制剤による多発性硬化症または関節炎)に応じて、選択された投与期間、例えば、1日、1週間、または数週間にわたる生存治療細胞101のレジメンを含有する、複数のデバイス10を含むことができる。
【0027】
種々の実施形態によると、カプセル20は、嚥下され、腸管を通過するように定寸される。サイズはまた、送達されるべき生存細胞の量、ならびに患者の体重および成人対小児の適用に応じて、調節されることができる。典型的には、カプセルは、ビタミンと同様の湾曲端を伴う管状形状を有する。これらおよび関連実施形態では、カプセル長20Lは、0.5~2インチの範囲内であり、直径20Dは、0.1~0.5インチの範囲内であり、他の寸法も、想定され得る。カプセル20は、内部空間または容積24vを画定する外面25および内面24を有する、カプセル壁21wを含む。いくつかの実施形態では、カプセル壁21wは、組織穿刺物品40の外向き前進のために定寸される、1つまたはそれを上回る開口26を含むことができる。デバイス10の他の構成要素(例えば、拡張可能部材等)に加えて、内部容積は、1つまたはそれを上回るコンパートメントまたはリザーバ27を含むことができる。
【0028】
カプセルは、医薬分野において公知の種々の生分解性ゼラチン材料から製作されることができるが、また、(酸等に起因して)胃内での分解からキャップを保護し、次いで、続けて、小腸または腸管の他の面積内で見出されるより高いpHにおいて分解するように構成される、種々の腸溶性コーティング20cを含むことができる。種々の実施形態では、カプセル20は、そのうちの1つまたはそれを上回るものが生分解性であり得る、複数の部分から形成されることができる。多くの実施形態では、カプセル20は、本体部分20p’’(本明細書では、本体20p’’)およびキャップ部分20p’(本明細書では、キャップ20p’)等の2つの部分20pから形成されることができ、キャップは、例えば、本体の上方または下方に摺動させることによって、本体上に嵌合する(他の配列もまた、想定される)。キャップ20p’等の1つの部分は、第1のpH(例えば、pH5.5)を上回ると分解するように構成される、第1のコーティング20c’を含むことができ、本体20p’’等の第2の部分は、第2のより高いpH(例えば、6.5)を上回ると分解するように構成される、第2のコーティング20c’’を含むことができる。カプセル20の内面24および外面25の両方は、カプセルのいずれの部分も、これが選択されたpHを有する流体に接触するまで、実質的に保存されるように、コーティング20c’および20c’’を用いてコーティングされる。本体20p’’の場合に関して、これは、バルーン72を本体部分の内側に保ち、バルーン30が拡張するまで展開されないように、本体20p’’の構造完全性が維持されることを可能にする。コーティング20c’および20c’’は、EUDRAGITという商標でEvonik Industriesによって製造されるもの等、種々のメタクリル酸およびアクリル酸エチル系コーティングを含むことができる。カプセル20のこれらおよび他の二重コーティング構成は、カプセル20の一方の部分内における機構が、カプセルの他方の部分におけるものの前に作動されることを可能にする。これは、腸流体が、最初に、それらの部分に進入し、より低いpHコーティングが分解し、したがって、そのような流体に応答する誘因(例えば、分解可能弁)を作動させるという事実に起因する。使用時、カプセル20のためのそのような二重コーティング実施形態は、小腸内の特定の場所(またはGI管内の他の場所)への標的生存細胞送達ならびに送達プロセスにおける改良された信頼性を提供する。これは、アライナ60等の特定の構成要素の展開が、小腸の上側面積(例えば、十二指腸)において開始し、カプセルが、生存細胞の(例えば、腸壁の中への)最適送達のために、腸内で整合されることを可能にし、かつカプセルが、依然として小腸または他の選択された場所にある間、他の構成要素の展開/作動が、腸壁の中への生存細胞送達を達成するために十分な時間を提供するように構成され得るという事実に起因する。
【0029】
上記に議論されるように、カプセル20の1つまたはそれを上回る部分は、種々の生分解性ポリマーを含む、当分野で公知の種々の生体適合性ポリマーから製作されることができ、これは、好ましい実施形態では、セルロース、ゼラチン材料、PGLA(ポリ乳酸-グリコール酸共重合体)を含むことができる。他の好適な生分解性材料は、本明細書に説明される種々の腸溶性材料、ならびにラクチド、グリコリド、乳酸、グリコール酸、パラジオキサノン、カプロラクトン、炭酸トリメチレン、カプロラクトン、それらのブレンドおよびコポリマーを含む。
【0030】
生分解性腸溶性材料を含む、カプセル20に対する生分解性材料の使用は、カプセルが全体的または部分的に分解することを可能にし、生存細胞送達の前、その間、またはその後にGI系を通した通過を促進する。本明細書でさらに詳細に説明されるように、種々の実施形態では、カプセル20は、より容易に腸管を通過させられる、より小さい断片23に制御可能に分解するように、生分解性材料の継ぎ目22を含むことができる。
【0031】
種々の実施形態では、カプセルの壁20wは、GI管内の液体、例えば、小腸内の液体との接触によって分解可能である。好ましい実施形態では、カプセル壁は、胃を通した通過中、損なわれないままであるが、次いで、小腸内で分解されるように構成される。1つまたはそれを上回る実施形態では、これは、小腸内で見出されるより高いpHにおいてのみ分解し、カプセルが小腸に到達する前に(その時点で、生存細胞送達プロセスが、本明細書に説明されるように、コーティングの分解によって開始される)、下層カプセル壁を胃内での分解から保護する役割を果たす、カプセル壁20w上の外側コーティングまたは層20cの使用によって達成されることができる。使用時、そのようなコーティングは、小腸等の腸管の選択された部分における治療剤の標的送達を可能にする。
【0032】
種々の実施形態では、カプセル20は、蛍光透視法、超音波、MRI等の1つまたはそれを上回る医療撮像モダリティを使用して、本デバイスの位置特定のための種々の放射線不透過性、音波発生、または他の材料を含むことができる。具体的実施形態では、カプセルの全てまたは一部は、
図1aおよび1bの実施形態に示されるように、放射線不透過性/音波発生マーカ20mを含むことができる。放射線不透過性マーカ20mのための好適な材料は、硫酸バリウム、化合物、二酸化チタン、およびそれらの化合物を含む。使用時、そのような材料は、GI管内のデバイス10の位置特定ならびにその展開状態をもたらす(例えば、固有のマーカが、キャップ20p’上に、別のものが、本体20p’’上に位置付けられ、展開バルーン30(下記に議論される)が膨張したが、送達バルーン72が膨張していないかどうかの判定を可能にすることができる)。それらはまた、GI管を通した本デバイスの通過時間の判定を可能にするために使用されることができる。そのような情報は、特定の患者のために生存細胞の投与量を用量設定し、かつ糖尿病の処置のために服用されるインスリンの場合、患者が食事の摂取等の事象後の特定の生存細胞を服用すべきときに関する情報を提供するために使用されることができる。マーカ20mはまた、カプセル20上に位置付けられ、医師が、カプセルが損なわれていないか、または破壊されているかどうかを判定することを可能にすることができる。
【0033】
本明細書にさらに議論されるように、多くの実施形態では、展開部材30、送達部材72、または展開可能アライナ60のうちの1つもしくはそれを上回るものは、カプセル20内に嵌合するように成形および定寸される、拡張可能バルーンに対応し得る。故に、議論を容易にするために、展開部材30、送達部材72、および展開可能アライナ60は、ここでは、バルーン30、60、および72と称されるが、しかしながら、種々の拡張可能デバイスを含む、他のデバイスもまた、これらの要素のために検討され、例えば、種々の形状記憶デバイス(例えば、形状記憶生分解性ポリマー螺旋から作製される拡張可能バスケット)、拡張可能圧電デバイス、および/またはカプセル20の内部容積24vに対応する拡張形状およびサイズを有する化学的に拡張可能なデバイスを含み得ることを理解されたい。
【0034】
バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものは、医療デバイス分野において公知の種々のポリマーを含むことができる。好ましい実施形態では、そのようなポリマーは、低密度PE(LDPE)、線状低密度PE(LLDPE)、中程度密度PE(MDPE)および高密度PE(HDPE)、ならびに当分野で公知の他の形態のポリエチレンに対応し得る、1つまたはそれを上回るタイプのポリエチレン(PE)を含むことができる。ポリエチレンを使用する1つまたはそれを上回る実施形態では、材料は、当分野で公知のポリマー照射方法を使用して、架橋結合され得る。特定の実施形態では、放射線ベースの架橋結合が、バルーン材料の伸展性を減少させることによって、バルーンの膨張された直径および形状を制御するように使用され得る。量または照射は、架橋結合の特定の量を達成し、順に、所与のバルーンのための伸展性の特定の量を生産するために選択され得、例えば、増加された照射は、より剛性があり、より少ない伸展性のバルーン材料を生産するために使用されることができる。他の好適なポリマーは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコーン、およびポリウレタンを含むことができる。種々の実施形態では、バルーン30、60、および72はまた、医師が、バルーンの位置および物理的状態(例えば、非膨張、膨張、または穿通)を確認することを可能にするために、硫酸バリウム等の当分野で公知の種々の放射線不透過性材料を含み得る。バルーン30、60、および72は、カプセル20の内部容積24vにほぼ対応する形状およびサイズを有するように、バルーンカテーテル分野において公知の種々のバルーン吹送方法(例えば、型吹送、自由吹送等)を使用して製作されることができる。種々の実施形態では、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものならびに種々の接続特徴(例えば、接続管)は、単一金型から形成される、一体型構造を有することができる。そのような一体型構造を採用する実施形態は、より少ない継手がデバイス10の1つまたはそれを上回る構成要素間に作製されなければならないため、改良された製造可能性および信頼性の利点を提供する。
【0035】
バルーン30、60、および72のための好適な形状は、テーパ状または湾曲端部分を有する、種々の円筒形形状を含む(そのような形状の実施例は、ホットドッグを含む)。いくつかの実施形態では、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものの膨張されたサイズ(例えば、直径)は、(例えば、フープ応力に起因する)膨張の力からカプセルを分離させるように、カプセル20より大きくあり得る。他の関連実施形態では、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものの膨張されたサイズは、膨張されると、i)カプセル20が、蠕動収縮を誘引し、カプセルの周囲で小腸の収縮を引き起こすように、小腸の壁との十分な接触を有し、および/またはii)小腸の襞が消えるようなものであり得る。これらの結果は両方とも、カプセルおよび/または送達バルーン72の選択された面積にわたって組織穿刺物品40を送達するように、カプセル/バルーン表面と腸壁との間の改良された接触を可能にする。望ましくは、バルーン30、60、および72の壁は、薄く、0.005~0.0001インチの範囲内、より好ましくは、0.005~0.0001の範囲内の壁厚さを有することができる(具体的実施形態では、0.004、0.003、0.002、0.001、および0.0005である)。加えて、種々の実施形態では、バルーン30、60、または72のうちの1つもしくはそれを上回るものは、
図3Cの実施形態に示されるように、膨張チャンバ60ICおよび延在指部60EFを有する、入れ子バルーン構成を有することができる。膨張チャンバ60ICを接続する、接続管類63は、ガス68の通過のみを可能にするために狭くあり得る一方、バルーン30の2つの半体を結合する接続管類36は、水の通過を可能にするためにより大きくあり得る。
【0036】
上記に示されるように、アライナ60は、典型的には、拡張可能バルーンを備え、議論を容易にするために、ここでは、アライナバルーン60またはバルーン60と称される。バルーン60は、上記に説明される材料および方法を使用して製作されることができる。これは、非拡張および拡張状態(展開状態とも称される)を有する。その拡張または展開状態では、バルーン60は、カプセル20に対して小腸SIの蠕動収縮によって付与される力が、小腸SIの長手方向軸LAIと平行方式でカプセル20の長手方向軸20LAを整合させる役割を果たすように、カプセル20の長さに延在する。これは、順に、腸壁IWの表面と垂直方式で組織穿刺物品40のシャフトを整合させ、腸壁IWの中への組織穿刺物品40の穿刺を強化および最適化する役割を果たす。小腸内でカプセル20を整合させる役割を果たすことに加えて、アライナ60はまた、送達バルーンおよび/または機構がカプセルによって妨げられないように、送達バルーン72の膨張に先立って、送達機構70をカプセル20から押し出すように構成される。使用時、アライナ60のこの押し出し機能は、カプセルの特定の部分(例えば、送達機構を覆うもの)が、生存細胞送達が起こり得る前に、分解されるのを待機する必要が必ずしもないため、治療剤の送達のための信頼性を改良する。
【0037】
バルーン60は、バルーン60および30を結合するための管63と、バルーン60およびバルーン72を結合するための管64とを含み得る、ポリマー管または他の流体結合具62を用いて、バルーン30および72を含む、デバイス10の1つまたはそれを上回る構成要素に流体的に結合され得る。管63は、バルーン60が、バルーン30からの圧力(例えば、バルーン30内の化学反応物の混合物から生成される圧力)によって拡張/膨張されることが可能であり、そして/または別様に、バルーン30と60との間の液体の通過が、バルーン30および60のうちの一方または両方の膨張のためのガス生成化学反応を開始することを可能にするように構成される。管64は、バルーン60によるバルーン72の膨張を可能にするように、バルーン60を72に接続する。多くの実施形態では、管64は、バルーン60によるバルーン72の膨張を制御するように、選択された圧力において開放するように構成される、制御弁55を含むか、またはそれに結合される。管64は、したがって、弁に接続する近位部分64pと、弁から生じる遠位部分64dとを備え得る。典型的には、近位および遠位部分64pおよび64dは、下記に説明されるように、弁筐体58に接続される。
【0038】
弁55は、弁筐体58のチャンバ58c内に配置される(代替として、これは、管類64内に直接配置され得る)材料57の三角形または他の形状区分56を備え得る。区分57は、管64および/または弁チャンバ58cを通したガスの通過を可能にするように、選択された圧力において、機械的に分解(例えば、断裂、剪断、剥離等)するように構成される。弁55のための好適な材料57は、選択可能なシール力/バースト圧力を有する、みつろうまたは他の形態のろうおよび医療分野において公知の種々の接着剤を含むことができる。弁接手58は、(
図3Bの実施形態に示されるように)典型的には、チャンバ58cの壁をともにシールするか、または別様にチャンバを通した流体の通過を閉塞するように、材料57の区分56が配置される、薄い円筒形コンパートメント(生分解性材料から作製される)を備える。弁55の放出圧力は、区分56のサイズおよび形状のうちの1つまたはそれを上回るものの選択ならびに材料57の選択(例えば、接着剤強度、剪断強度等の性質に関して)を通して制御されることができる。使用時、制御弁55は、バルーン60が、バルーン72が膨張される前に、完全または別様に実質的に、膨張されるように、バルーン60および72の順序付けられた膨張を可能にする。これは、順に、組織穿刺物品40の展開がカプセル20によって閉塞されないように、バルーン72が膨張する前に、バルーン60が、バルーン72を送達機構70の残りとともにカプセル20から(典型的には、本体部分20p’から)押し出すことを可能にする。使用時、そのようなアプローチは、腸壁IWの中への本物品の前進が、カプセル壁20wによって妨げられないため、所望の穿刺深さを達成し、かつカプセル20内に含有されるより多数の穿刺物品40を送達する観点の両方において、腸壁IWの中への組織穿刺物品40の穿刺の信頼性を改良する。
【0039】
上記に議論されるように、アライナバルーン60の膨張された長さ60lは、カプセル20が腸の蠕動収縮から小腸の側方軸と整合された状態になるために十分である。アライナ60のための好適な膨張された長さ60lは、アライナ60の膨張前のカプセル20の長さ20lの約1/2~2倍の範囲を含むことができる。アライナバルーン60のための好適な形状は、ホットドッグ様形状等の種々の伸長形状を含むことができる。具体的実施形態では、バルーン60は、第1の区分60’と、第2の区分60’’とを含むことができ、第1の区分60’の拡張は、送達機構70をカプセル20から(典型的には、第2の区分60’’から)前進させるように構成され、送達バルーン72を膨張させるために使用される。これらおよび関連実施形態では、第1の区分および第2の区分60’および60’’は、伸縮自在式膨張を有するように構成されることができ、第1の区分60’は、最初に、膨張し、機構70をカプセルから(典型的には、本体部分20p’から)押し出し、第2の区分60’’は、膨張し、送達部材72を膨張させる。これは、第1の区分60’が最初に膨張し(そのより小さい容積のため)、第2の区分60’’が、第1の区分60’が実質的に膨張されるまで膨張しないように、第2の区分60’’よりも小さい直径および容積を有するように第1の区分60’を構成することによって達成されることができる。一実施形態では、これは、最小圧力が区分60’内で到達するまで、区分60’’の中へのガスの通過を可能にしない、区分60’および60’’を接続する制御弁55(上記に説明される)の使用によって促進されることができる。いくつかの実施形態では、アライナバルーンは、展開バルーンからの水または他の液体との混合に応じて反応する、化学反応物を含有することができる。
【0040】
多くの実施形態では、展開部材30は、展開バルーン30として公知の拡張可能バルーンを備える。種々の実施形態では、展開バルーン30は、ガスの使用、例えば、化学物質からのガス69の生成によって、アライナバルーン60の展開/拡張を促進するように構成される。ガスは、酸66(例えば、クエン酸)および塩基66(例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、および同等物)等の固体化学反応物65の反応によって生成され得、これは、次いで、水または他の水性液体68と混合される。反応物の量は、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものの中に選択された圧力を生産するための化学量論的方法を使用して選定される。反応物65および液体は、バルーン30および60内に別個に貯蔵され、次いで、小腸内のpH条件等の誘起事象に応答して、ともにもたらされることができる。反応物65および液体68は、いずれかのバルーン内に貯蔵されることができるが、しかしながら、好ましい実施形態では、液体68は、バルーン30内に貯蔵され、反応物65は、バルーン60内に貯蔵される。液体68の通過を可能にし、反応および/または結果として生じるガス69を開始するために、バルーン30は、典型的には、下記に説明される分解可能弁50等の分離手段50もまた含む、コネクタ管63を用いて、アライナバルーン60に結合され得る。バルーン30が液体を含有する実施形態に関して、管63は、バルーン30からバルーン60への十分な水の通過を可能にし、所望の量のガスを膨張バルーン60ならびに膨張バルーン72に生産するために十分な直径を有する。また、バルーン30が液体を含有するとき、バルーン30および管63の一方または両方は、i)暴露されたバルーン30上の小腸の蠕動収縮によってバルーン30に印加される圧縮力、およびii)毛細管作用による管63を通した液体の吸い上げのうちの1つまたはそれを上回るものによって、バルーン60への液体の通過を可能にするように構成される。
【0041】
管63は、典型的には、弁が分解するまで、バルーン30の内容物(例えば、水58)をバルーン60のもの(例えば、反応物65)から分離する、分解可能分離弁または他の分離手段50を含む。弁50は、弁が、消化管内の種々の液体とともに、水への暴露に応じて開放するように、液体の水によって分解可能である、マルトース等の材料から製作されることができる。これはまた、メタクリル酸塩系コーティング等、腸流体中に見出されるより高いpHに応答して分解可能である材料から作製され得る。弁は、望ましくは、キャップ20p’が分解すると、弁50がカプセルに進入する腸流体に暴露されるように、バルーン30の上方に突出するか、そして/または別様に十分に暴露される、管63上の場所に位置付けられる。種々の実施形態では、弁50は、いったんキャップ20p’が分解すると、これが腸流体への明白な暴露を有するように、(
図6Aおよび6Bの実施形態に示されるように)バルーン30の表面に位置するか、またはさらにその上方に突出するように位置付けられることができる。本発明の種々の実施形態は、分離弁50のためのいくつかの構造、例えば、梁様構造(弁は、管63および/または接続区分36に圧接する梁を備える)、またはカラータイプ構造(弁は、管63および/または接続区分36にわたって位置するカラーを備える)を提供する。さらに他の弁構造もまた、想定される。
【0042】
バルーン30は、展開および非展開状態を有する。展開状態では、展開バルーン30は、カプセルの端部の形状に対応する、ドーム形状30dを有することができる。球状、管形状等、展開されたバルーン30のための他の形状30sもまた、想定される。反応物65は、典型的には、少なくとも2つの反応物66および67、例えば、約1:2の比率を有し得る、クエン酸等の酸および炭酸水素ナトリウム等の塩基を含む。他の酸、例えば、酢酸、および塩基、例えば、水酸化ナトリウムを含む、他の反応物65もまた、想定される。弁または他の分離手段50が開放すると、反応物は、液体中で混合し、二酸化炭素等のガスを生産し、これは、アライナバルーン60または他の拡張可能部材を拡張させる。
【0043】
図3Bに示される代替実施形態では、展開バルーン30は、実際には、管36または他の接続手段36(例えば、接続区分)によって接続される第1および第2のバルーン30’および30’’を備えることができる。接続管36は、典型的には、上記に説明されるような液体および/または小腸内で見出される塩基性pH(例えば、5.5または6.5)等の特定のpHを有する液体によって分解可能である、分離弁50を含む。2つのバルーン30’および30’’は、それぞれ、半ドーム形状30hsを有し、それらが、拡張状態にあるとき、カプセルの端部部分の中に嵌合することを可能にすることができる。弁が分解されると、2つの成分が混合し、ガスを形成し、これが、一方または両方のバルーン30’および30’’、順に、アライナバルーン60を膨張させるように、一方のバルーンは、化学反応物65(例えば、炭酸水素ナトリウム、クエン酸等)を、他方は、液体水68を含有することができる。
【0044】
また別の代替実施形態では、バルーン30は、複数のコンパートメント30cを有するように形成または別様に構築される、多重コンパートメントバルーン30mcを備えることができる。典型的には、コンパートメント30cは、
図4Aの実施形態に示されるように、分離弁50または他の分離手段50によって分離される、少なくとも第1および第2のコンパートメント34および35を含む。多くの実施形態では、コンパートメント34および35は、分離弁50が、典型的には、配置される場所である、それらの間に、少なくとも小接続区分36を有する。液体68、典型的には、水は、
図4Aの実施形態に示されるように、第1のコンパートメント34内に配置され、1つまたはそれを上回る反応物65は、第2のコンパートメント35内に配置されることができる(典型的には、固体であるが、液体もまた、使用され得る)。弁50が開放すると(例えば、小腸内の流体によって引き起こされる分解から)、液体68は、コンパートメント35に進入し(逆もまた同様である、またはその両方)、反応物65は、液体と混合し、二酸化炭素等のガス69を生産し、これは、バルーン30を拡張させ、これは、順に、バルーン60および72のうちの1つまたはそれを上回るものを拡張させるために使用されることができる。
【0045】
反応物65は、典型的には、少なくとも第1および第2の反応物66および67、例えば、クエン酸等の酸および炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム等の塩基を含む。本明細書に議論されるように、種々の実施形態では、それらは、バルーン30(コンパートメント34および35または半体30’および30’’を含む)およびバルーン60のうちの1つまたはそれを上回るもの中に配置され得る。不活性ガス副産物を生産する、酸および塩基の他の組み合わせを含む、付加的反応物もまた、想定される。クエン酸およびナトリウムまたは炭酸塩を使用する実施形態に関して、2つの反応物間の比率(クエン酸対炭酸水素カリウム)は、約1:1~約1:4の範囲内であり、具体的比率は、約1:3であり得る。望ましくは、固体反応物65は、吸着水を殆どまたは全く有していない。故に、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム等の反応物のうちの1つまたはそれを上回るものは、バルーン30内に配置される前に、(例えば、減圧乾燥によって)事前乾燥されることができる。他の酸、例えば、酢酸および塩基を含む、他の反応物65もまた、想定される。反応物の組み合わせを含む、特定の反応物65の量は、特定の化学反応ならびにバルーンの膨張体積および理想気体の法則に関する公知の化学量論方程式(例えば、PV=nRT)を使用して、特定の圧力を生産するように選択することができる。特定の実施形態では、反応物の量は、i)腸壁の中への特定の穿刺深さを達成する、ii)バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るもののための特定の直径を生産する、およびiii)腸壁IWに対して選択された量の力を付与するように、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るもののための選択された圧力を生産するように選択されることができる。特定の実施形態では、反応物(例えば、クエン酸および炭酸水素カリウム)の量および比率は、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るもの中で10~15psiの範囲内の圧力を達成するように選択されることができるが、より小さいおよびより大きい圧力も、想定される。再び、これらの圧力を達成するための反応物の量および比率は、公知の化学量論的方程式を使用して判定されることができる。
【0046】
ガス69を生産するために化学反応物65を使用する、本発明の種々の実施形態では、化学反応物は、単独で、または展開バルーン30と組み合わせて、アライナバルーン60および送達バルーン72を含む送達機構70のうちの一方または両方を展開するための展開エンジン80を備えることができる。展開エンジン80はまた、2つの展開バルーン30および30’’(
図3Bに示されるような二重ドーム構成)、または
図4Aに示されるような多重コンパートメントバルーン30mcを使用する実施形態を含み得る。拡張可能圧電材料(電圧の印加によって拡張する)、ばね、ならびに他の形状記憶材料および種々の熱的に拡張可能な材料の使用等、他の形態の展開エンジン80もまた、本発明の種々の実施形態によって想定される。
【0047】
拡張可能バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものはまた、典型的には、膨張後、バルーンを収縮させる役割を果たす、収縮弁59を含む。収縮弁59は、特定のバルーン内のガスの逃散のための開口部またはチャネルを作成するように、小腸内の流体および/またはバルーンのコンパートメントのうちの1つの中の液体への暴露に応じて分解するように構成される、生分解性材料を含むことができる。望ましくは、収縮弁59は、弁50よりも緩慢な速度で分解し、収縮弁が分解する前に、バルーン、30、60、および72の膨張のために十分な時間を可能にするように構成される。コンパートメント化されたバルーン30の種々の実施形態では、収縮弁59は、
図4Aの実施形態に示されるように、バルーンの端部部分31上に位置付けられる分解可能区分39に対応することができる。このおよび関連実施形態では、分解可能区分39が、液体への暴露から分解すると、バルーン壁32は、断裂または別様に分離し、急速な収縮の高保証を提供する。複数の分解可能区分39は、バルーン壁32内の種々の場所に配置されることができる。
【0048】
バルーン72の種々の実施形態では、収縮弁59は、
図3Bの実施形態に示されるように、送達バルーン72の端部72e(アライナバルーンに結合される端部に対向する)に取り付けられる管弁73に対応することができる。管弁73は、小腸内の流体等の流体への暴露に応じて分解する、マルトース等の材料73mを用いて、選択された場所73lで閉塞される管腔を有する、中空管73tを備える。管73t内の閉塞材料73mの場所73lは、送達バルーン72が、閉塞材料が溶解し、弁73を開放する前に、膨張し、組織穿刺物品40を腸壁IWの中に送達するために十分な時間を提供するように選択される。典型的には、これは、管73tの端部73eに近接するであろうが、液体が、これが材料73mに到達する前に、管管腔の中に吸い上げさせる時間を可能にするために十分ではない。1つまたはそれを上回る実施形態によると、いったん収縮弁73が開放すると、これは、多くの実施形態では、全ての3つが流体的に接続される(アライナバルーンは、送達バルーン72に流体的に接続され、展開バルーン30は、アライナバルーン60に流体的に接続される)ため、送達バルーン72だけではなく、また、アライナバルーン60および展開バルーン30も収縮させる役割を果たす。収縮弁73の開口は、収縮弁が小腸内の液体への良好な暴露を有するように、アライナバルーン60の膨張によって、カプセル20から押進される、送達バルーン72の端部72e上にこれを配置することによって促進されることができる。類似する管収縮弁73もまた、アライナバルーン62および展開バルーン30のうちの一方または両方の上に位置付けられることができる。これらの後者2つの場合では、管弁内の閉塞材料は、送達バルーン72の膨張および腸壁の中への組織穿刺物品40の前進のために十分な時間を可能にするために、ある期間にわたって分解するように構成されることができる。
【0049】
加えて、保証された収縮のためのさらなるバックアップとして、1つまたはそれを上回る穿通要素82(
図2Aに示される)が、バルーン(例えば、バルーン30、60、72)が完全に膨張すると、これが穿通要素82に接触し、それによって穿通されるように、カプセルの内側表面24に取り付けられることができる。穿通要素82は、先突先端を有する、表面24からの短突出部を備えることができる。バルーン収縮のための手段の別の代替または付加的実施形態では、組織穿刺物品40のうちの1つまたはそれを上回るものは、バルーン72の壁72wに直接結合され、それらが脱離すると、バルーンから離れ、そのプロセスにおいてバルーン壁を断裂させるように構成されることができる。
【0050】
本明細書に請求される発明を具体的に参照すると、組織穿刺物品(TPA)40および40’が、
図8Aおよび8Bに図示される。第1の例示的TPA40(
図8A)は、組織穿刺遠位先端44と、近位基部45とを有する、シェル42を含む。組織穿刺遠位先端44は、図示されるように、推進力が(矢印48によって示されるように)先端に向かう方向において近位基部45に印加されると、組織の中に穿刺し得る先突先端を伴う、略円錐形構造を備え得る。随意に、結合構造47が、基部の端部表面上に提供され、TPAを本明細書に説明される推進カプセルと係合させる。シェルは、成形、機械製作、浸漬鋳造、および当分野で公知の他のポリマー製作方法のうちの1つまたはそれを上回るものによって製作されることができる。さらに、具体的実施形態によると、下記に説明される開窓を有する実施形態を含むシェルが、当分野で公知の種々の3D印刷方法を使用して製作されることができる。3D印刷の使用は、低減された汚染、製作時間、およびコストとともに、TPAの寸法の増加された正確度および精度の利益を提供する。
【0051】
図8Aの実施形態では、シェルまたは障壁42は、典型的には、本願で先に記載される例示的期間内に、腸組織環境等の組織環境において経時的に生分解する、略不浸透性の壁46を有する。種々の実施形態によると、生分解性シェル42は、マグネシウム、鉄、亜鉛、もしくは同等物等の生分解性金属から、またはポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、もしくは同等物等の生分解性ポリマーから形成され得る。全ての場合において、生分解性シェルは、本物品がGI管または他の場所における標的組織部位に埋め込まれるまで、送達される生存細胞を保護するためにシェルが損なわれないままであるように、(例えば、構造完全性の観点から)十分な耐久性を有する。患者への導入から、シェルが生存細胞を暴露および/または放出するために十分に腐食するまでにかかる時間は、シェルの特定の材料および構造を含む、種々の要因に基づいて選択されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、生分解時間は、以下のi)シェル材料選択(例えば、特定の生分解性ポリマー)、ii)シェル壁厚さ、iii)シェルにわたって犠牲層を提供するためのシェル表面上の封入ピットもしくは他の腐食開始部位、または同等物のうちの1つもしくはそれを上回るものの選択によってプログラムまたは別様に制御されることができる。
【0052】
本発明の実施形態は、生存条件における種々の細胞をヒト患者または他の哺乳類動物に経口送達するために有用である。生存細胞は、治療目的および診断目的の両方のために使用されるものを含むことができる。例えば、細胞は、インスリンもしくは種々のインクレチン等の治療剤を生産するもの、選択された細胞に分化する幹細胞、またはGI管内の1つまたはそれを上回る場所における粘膜等の選択された組織部位に播種もしくは再播種するための細胞を含むことができる。本発明の実施形態は、生存膵臓ベータ細胞または他の膵臓-腸内分泌細胞を患者の消化器官または腸組織に送達するために特に有用であり、したがって、細胞は、糖尿病または他のグルコース制御症状の処置のためのインスリンを生産することができる。そのような膵臓-腸内分泌細胞は、膵臓に、またはいくつかの場合では、小腸に送達されることができ、細胞は、播種され、小腸から血流の中にインスリンを放出するように腸壁の中に組み込まれた状態になる。
【0053】
しかしながら、本発明の実施形態は、ベータ細胞の送達に限定されず、むしろ、種々の症状の処置ならびに診断目的のために、種々の他の生存細胞塊を患者に送達するために使用されることができる。送達されるべき他の例示的生存細胞は、限定ではないが、具体的には、間葉系幹細胞および造血幹細胞を含む、ヒトおよび他の幹細胞;G細胞等の胃-腸内分泌細胞;またはL細胞、K細胞、I細胞、N細胞、およびS細胞等の腸-腸内分泌細胞を含む。それらはまた、胃または小腸の粘膜内層に再播種する目的のための胃-腸粘膜細胞を含む、種々の粘膜細胞;ならびにT細胞、B細胞、およびキラー細胞等のリンパ球を含む免疫系のものを含む、分化した細胞;ならびに好中球、好酸球、および単球等の顆粒球、ならびに同等物を含み得る。
【0054】
他の実施形態では、本発明は、それによって患者が、生存細胞を含有する嚥下可能物品を服用し、治療効果を生産するホルモンまたは他のペプチド生産細胞等の細胞を用いてGI管の選択された部分に再播種する方法を提供する。例えば、1つまたはそれを上回る実施形態によると、本発明は、それによって小腸またはGI管内の他の場所が、インクレチンを生産するためのL細胞もしくはK細胞またはガストリンを生産するためのG細胞を用いて再播種される方法を提供する。具体的実施形態では、細胞は、種々の粘膜細胞を含み、胃、幽門、および十二指腸の粘膜に再播種し、例えば、胃、幽門、もしくは十二指腸潰瘍または癌もしくはその化学療法的処置に起因するそのような細胞の喪失のうちの1つまたはそれを上回るものを処置することができる。さらに、本物品は、小腸の十二指腸または空腸、および胃の幽門領域等、具体的GI器官の具体的部分に再播種するように構成されることができる。本物品は、種々のEUDRAGITコーティング等の本明細書に説明されるpH感受性コーティングならびに胃におけるより酸性度が高いpH(1.5~3.5)および小腸における酸性度がより低いpH(十二指腸において5.5および空腸において6.5~6.8)等、具体的場所における具体的pHに応答して分解する当分野で公知のその他の使用によって、これらの具体的領域の中に細胞を注入するように構成されることができる。
【0055】
1つまたはそれを上回る実施形態によると、送達されるべき細胞は、望ましくは、生存能力持続ゲル49中に懸下されるTPAの保護された内部に懸濁される。そのようなゲルは、当分野で周知であり、医療および特許文献に説明されている。好適なゲルは、典型的には、ゲルの合計重量の約4~約20重量%、通常、約5~10重量%に及ぶ重量パーセントにおけるゼラチンを含み得る(類似する体積パーセントもまた、考慮され得る)。種々の実施形態では、ゼラチンは、細胞生存能力を促進する濃度におけるコラーゲン、フィブリン、フィブリノーゲン、アルブミン、およびケラチン、ならびに/または他のグルタミン/リジンリッチペプチドのうちの1つまたはそれを上回るものと置換されるか、もしくはそれを用いて補充され得る。種々の実施形態では、ゲル49は、シェルの中に注入され得る、プレキャストゲルであり得る(例えば、シェルが完全に形成される前に定位置に投入される)か、またはビーズもしくはミセルとして提供され得る。ゲルは、典型的には、ヒドロゲルであり、多くの実施形態では、使用に先立ってシェル内で凍結または冷蔵され得る。ヒドロゲルは、通常、ゲルによって支持されている細胞によって経時的に消費されるであろうが、そのような消費は、凍結によって一時停止されるか、および/または細胞を冷蔵温度(例えば、33~45°Fであるが、他の温度範囲もまた、想定される)において維持することによって低減されるであろう。
【0056】
他の実施形態では、ゲルは、ゲルと混合される架橋剤を伴うタンパク質ベースのヒドロゲルに対応し得る。また、特定の実施形態では、ゲルは、シェル内への充填に先立って、または充填後、(ガスで部分的または完全に飽和されることによって)酸素を含有し、ゲルの生存能力持続性質をさらに強化し得る。他の実施形態では、ゲルは、使用に先立って細胞の保存を強化するように、窒素または他の不活性ガスを含有し得る。関連実施形態では、ゲルは、酸素および窒素または他の不活性ガスの両方を含有することができる。そのようなガスの特定の飽和量は、生存細胞を含有する嚥下可能カプセルの意図される貯蔵寿命および貯蔵条件(例えば、カプセル10またはTPA40が、室温において貯蔵されるか、室温を下回って冷蔵されるか、または凍結されるかどうか)のうちの1つまたはそれを上回るものに基づいて選択されることができる。種々の実施形態によると、ゲル中の酸素の飽和レベルは、約5~100%に及び得る(具体的実施形態では、10、20、25、30、45、50、60、70、80、90、および95%である)。ゲル中の窒素または他の不活性ガスに関する飽和レベルも、類似する値を有することができる。
【0057】
特定の実施形態によると、ヒドロゲルは、フィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲン、アルブミン、インボルクリン、またはゼラチンと反応性であるトランスグルタミナーゼに対応し得る。タンパク質ゲルが、限定ではないが、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、およびケラチン硫酸等のグリコサミノグリカン(GAG)またはプロテオグリカンと組み合わせられることができる。タンパク質ゲルはまた、限定ではないが、デンプン、セルロース、メチルセルロース、アルギン酸、アガロース、キチンまたはキトサン、グリコーゲン、キサンタンガム、デキストラン、ウェランガム、ゲランガム、デュータンガム、およびプルラン等の多糖類と組み合わせられることができる。タンパク質ゲルはまた、限定ではないが、レシチン等の脂肪性物質と組み合わせられることができる。タンパク質ゲルはまた、限定ではないが、PEG等の合成ポリマーと組み合わせられることができる。これが行われ得る方法のさらなる説明に関して、例えば、米国特許公開第2010/0215715号(その全開示が、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0058】
本明細書に議論されるように、多くの実施形態では、本発明は、胃腸管におけるもの等の患者の中実組織の中への生存細胞の送達のための方法を提供し、細胞は、本物品の中に投入されることに先立つことを含め、患者に投与されることに先立って、可逆的仮死状態(suspended state of animation)にされ、それらは、所望の治療効果を生産するように、患者に送達された後に蘇生する。そのような治療効果は、例えば、1つまたはそれを上回る治療化合物(例えば、インスリン、インテグリン等)を生産することを含むことができる。仮死状態はまた、細胞代謝およびプロセスが有意に緩慢にされる、緩慢な細胞活性状態を含む。典型的には、細胞は、仮死状態または緩慢な活性状態にされ、これは、患者に本物品を投与することに先立って、本物品内で細胞および/またはそれらを含有するゲルを凍結もしくは冷蔵することによって行われる。冷蔵は、50~33°Fの範囲内の温度で行われ、好ましい範囲は、39~40°Fであり得る。代替または変形例では、細胞および/またはそれらを含有するゲルは、本物品の中に配置されることに先立って凍結または冷蔵され得る。投与に先立って本物品およびその中の細胞を凍結することは、これが、栄養素を供給し、細胞生産物を除去する必要性なく、可逆的仮死状態において長い期間にわたって細胞を保存し得るため、特に有用である。類似する結果が、細胞を冷蔵することによっても同様に達成されることができる。しかしながら、いったん本物品が患者に投与されると、細胞は、短い期間内で解凍および加温され、蘇生した状態になり、細胞プロセスを再開する。ある細胞に関して、細胞の蘇生は、細胞に応じて、細胞が種々の治療副産物(例えば、インスリン、インクレチン、ガストリン等)の生産を再開することをもたらす。細胞および特定のタイプの仮死状態プロセス(凍結、冷蔵、凍結乾燥等)に応じて、蘇生は、細胞に栄養素をもたらし、廃棄生産物を運び去る血液供給へのアクセスをそれらに提供するように、小腸の壁等の患者の組織の中への細胞の挿入によってさらに促進されることができる、またはそれによって最初に起こり得る。凍結および冷蔵以外の生存細胞の可逆的仮死状態を生産する他の方法もまた、想定される。これらは、例えば、ゲル中のある化合物の使用ならびに/または投与に先立つ不活性ガス(例えば、窒素)を用いたゲルの飽和および細胞の凍結乾燥(または他の凍結乾燥方法)を含み得る。凍結乾燥または他の凍結乾燥方法の場合では、蘇生は、患者の中実組織の中への(例えば、小腸の壁または腸管内の他の場所等の中への)、またはそれと接触させられる細胞の挿入によって引き起こされることができ、そこで、細胞は、加温され、患者腸流体によって再水和され、患者の血液供給に暴露され、細胞に栄養素をもたらし、廃棄生産物(例えば、CO2等)を運び去る。本発明の実施形態は、例えば、幹細胞、間葉系幹細胞、L細胞、K細胞、G細胞、ベータ細胞、および同等物を含む、可逆的仮死状態にされるように凍結乾燥され得るいくつかの異なる細胞タイプを想定する。幹細胞および他の細胞タイプの凍結乾燥に関する方法論の具体的説明が、Zhang, et alによる「Preliminary study on the freeze-drying of human bone marrow-derived mesenchymal stem cells」(J Zhejiang Univ Sci B. 2010 Nov;11(11):889-894)(あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)と題された文書に見出され得る。いったん細胞が可逆的仮死状態に保たれると、それらは、本明細書に説明される組織穿刺物品の種々の実施形態によって封入されることによって、経口送達中にその状態に保たれ得る。本物品は、細胞を種々の体液、特に、細胞を溶解もしくは別様に損傷させるか、またはそれらがその意図される標的組織部位に(例えば、小腸の壁の中に)送達され得る前にそれらをその仮死状態から覚醒させ得る、胃腸管内のものから保護するように構成されることができる。いったん本物品が標的組織部位の中に挿入されると、これは、細胞を蘇生させ、それらをその仮死状態から覚醒させる体液(例えば、血液、腸流体等)と細胞を接触させるように、本明細書に説明されるように生分解するように構成されることができる。凍結または冷蔵された細胞の場合では、本物品はまた、経口送達中を含め、ある程度の断熱を提供し、解凍および/または再加温からの細胞の望ましくない蘇生を防止する、もしくは緩慢にするように構成されることができる。代替または付加的実施形態では、本物品は、分解または別様に破壊され、(例えば、超音波または他の音響エネルギーのためのRF電極もしくは圧電結晶を使用して)RFまたは音響エネルギー等のエネルギーの外部送達(例えば、身体の外側)によって細胞のその積載容量を放出するように構成されることができる。このように、患者または医療提供者は、要求に応じて、意図される送達部位に細胞を放出することができる。
【0059】
経口送達される凍結または別様に仮死状態の細胞に関して、いったん細胞が(例えば、患者の体熱によって)蘇生されると、それらは、経口送達中に胃腸環境からの分解のリスクがあり得る。故に、本明細書に説明されるシェルの種々の実施形態は、ここでは代謝的に活性の細胞が、保護を伴わないと細胞を迅速に死滅させるであろう胃の消化条件に暴露されるであろう患者の胃腸管を通過する際、これを保護するように構成されることができる。いったん腸管の中に穿刺されると、本物品は、腸組織の中に埋め込まれ、したがって、生存細胞を放出し、それらは、ここでは、細胞生存能力が維持され得る環境にあり、それらは、それらが生産する有用な治療物質を生成することができる。これらの方法の実施形態は、本発明の物品と関連して上記に議論される、好ましい特性および寸法を有し得る物品を採用する。
【0060】
図8Bは、シェルまたは障壁42’および組織穿刺遠位先端44”を含む、TPA40’の代替実施形態を図示する。TPA40と対照的に、TPA40’は、流体および分子(生存細胞101によって生産されるもの等)の組織実施形態との交換を可能にするように定寸されるが、シェルの内部で細胞および支持ゲル49’を保定ならびに保護する、開窓47’、すなわち、小さい孔または開口を有するシェル壁46’を有する。シェル42’がそのような開窓47’を有するとき、細胞は、開窓を通して中に拡散する酸素および栄養素を周辺組織から受容し、開窓を通した外への拡散によって組織の中に治療的に有用な代謝物および他の細胞生産物(例えば、インスリン、インテグリン、ガストリン等)を放出し得るため、必ずしも、シェル壁46’が、完全またはさらには部分的に生分解性であることが必要なわけではない。しかしながら、通常、開窓付き壁であっても、選択された期間(例えば、数日、数週間、数ヶ月等)にわたって生分解性であることが、好ましい。開窓は、例えば、当分野で公知の溶媒方法(例えば、溶媒溶解)、レーザ削孔、および3D印刷方法を含む、ポリマーおよび他の材料科学分野で公知の種々の方法によって生産されることができる。
【0061】
種々の実施形態では、開窓47’は、本物品内に含有される特定の細胞または複数の細胞の大径もしくは他の主要寸法に相関する直径を有することができる。特定の実施形態では、開窓直径は、主要細胞寸法の選択されたパーセンテージ(例えば、1、5、10、20、50%等)に合致されることができる。開窓47’は、典型的には、約0.1~15μm、より好ましくは、約0.5~5μmの範囲内の幅および/または0.03~707μm2、より好ましくは、約0.79~79μm2の範囲内の面積を有する。いくつかの実施形態によると、シェルが開窓を備えるとき、多くの細胞が、埋め込まれた組織との流体および物質交換を通して生存能力を維持し得、治療的に有用な細胞生産物を同一の開窓を通して組織に放出し得るため、これは、非生分解性材料から形成され得る。しかしながら、通常、開窓を伴っても、生分解性材料からシェル壁46’を形成することが、好ましい。代替または付加的実施形態では、開窓は、超音波送受信機または他の圧電ベースの音響送受信機等の外部音響送受信機によってピングされると、固有の音響シグネチャまたはパターンを生産し、したがって、超音波によって、または他の音響撮像モダリティもしくは感知モダリティによって撮像されるとき、マーカ47m(例えば、音波発生マーカ)として機能するように構成され得る。さらに、開窓が、本物品の生体浸食に起因して破壊されると、シェルの生体浸食の程度等の音響ピング変化に応答するシェルの音響シグネチャが、判別されることができる。特定の実施形態では、開窓は、いかなる生体浸食も存在しないとき、ならびに25、50、および75%等の生体浸食が存在するとき、固有の音響パターンを生産し、したがって、シェルの分解の程度の印47iを提供するように構成されることができる。このように、開窓は、本物品/シェルが選択された組織部位に細胞を放出するために十分に分解したとき、これをユーザが把握するための実行可能情報を提供する。具体的音響シグネチャは、具体的音響反射パターンを生産するような開窓のサイズおよび間隔によって生産されることができる。具体的実施形態では、これは、開窓直径または間隔のうちの一方または両方を、開窓をピングするために使用される特定の音響信号の波長に相関させることによって達成されることができる。本物品の分解の状態に関する情報を提供するための代替または付加的実施形態では、本物品は、本物品の分解パーセントの具体的音響シグネチャを提供するように構成される、他の音響マーカ47m’または印47i’を含むことができる。
【0062】
ここで
図8cを参照すると、40’’として示される(他の共通要素番号は、記載を容易にするために
図8Aと同一のままである)TPAの別の実施形態では、TPAは、シェル42の内面46is上に防湿障壁42bを含むことができる。防湿障壁は、ゲル49からを含む、調製物100からのいずれの水分からのシェル42およびシェル壁46の分解を緩慢にするか、または防止するように構成される。使用時、障壁42bは、そのような分解を防止することによって、シェル42およびTPA40”の貯蔵寿命を改良する役割を果たす。いったんシェル壁42が外側から分解し、したがって、障壁42bが壁46によってもはや完全に機械的に支持されないと、障壁は、身体内の組織から(例えば、蠕動収縮、呼吸、血流器官移動等から)コーティングに対して付与される力に起因して、剪断するか、または別様に機械的に破損するように構成される。これは、障壁のための材料およびその厚さの選定を通して達成されることができ、例えば、障壁42bの厚さは、約0.01~0.001インチに及び得る。より薄いコーティングは、体内の力から、および/または(例えば、シェルの断片が剥がれるときの)シェル42の分解からもたらされる力からの剪断をより受けやすい。好ましい実施形態では、障壁42bは、当分野で公知の種々の水不浸透性ポリマーコーティングを含む、コーティング42bcを含む。コーティング42bcは、当分野で公知の種々の噴霧、浸漬コーティング、およびプラズマ堆積方法を使用して付与され得る。一実施形態では、コーティング42bcは、医療材料分野で公知のブチルゴムを含み得る。
【0063】
ここで
図8dを参照すると、TPAをTPA40”’として示す(全ての他の要素番号は、同一のままである)TPAの別の実施形態では、物品40は、シェル壁46の底部内面46bis上に位置付けられる衝撃吸収構造47sを含むことができる(底面は、遠位先端44から対向する端部にある)。衝撃吸収構造47sは、当分野で公知の種々の生分解性エラストマを含み得、推進力が底面に付与され、物品40を組織の中に推進するとき、細胞101を含む調製物100に底面45から付与される力を吸収し、低減させるように構成される。付与される力は、望ましくは、調製物100中の細胞101へのいずれの損傷または傷害も低減または防止するように十分に低減される。種々の実施形態では、衝撃吸収材47sは、調製物100の細胞101に伝達される力を、0.2ポンドを下回る、より好ましくは、0.1ポンドを下回る、さらにより好ましくは、0.05ポンドを下回るまで低減させるように構成されることができる。そのような力低減は、衝撃吸収材47sの厚さおよびデュロメータの選択によって取得されることができる。関連実施形態では、ゲル49の粘弾性性質は、ゲルが、上記に説明されるような物品推進から細胞101に付与される前述の力を低減させるための衝撃吸収媒体49sとして作用するように選択されることができる。力低減を達成するために選択され得るゲルの好適な粘弾性性質は、粘性および貯蔵弾性率(G)のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。特定の実施形態では、ゲルの粘性は、水のものの約1~20倍に及び得、貯蔵弾性率は、約200~1,000パスカル(ある範囲の変形にわたる)、より好ましくは、約200~800パスカル、さらにより好ましくは、約200~600パスカルに及び得る。
【0064】
生存細胞が凍結される本発明の実施形態に関して、TPA40は、そのような凍結を適応させるように修正されることができる。例えば、ゲル49を含有する細胞のためのTPA内の内部空間内の空間は、障壁または壁46’の障壁機能を妨害する亀裂等の構造的損傷を含む、TPAへの損傷を伴わずに凍結されたゲルの拡張に備えるように増加されることができる。いずれのアプローチでも、ゲル49を用いた充填後のTPAの内部の容積空隙の量は、約5~約90%に及び、具体的実施形態では、7.5、10、20、30、40、50、および75%であり得る。好ましい実施形態では、TPA40の内部の容積空隙の量は、約9~約10%に及ぶ、凍結に応じた水の体積拡張の量に対応し得る。
【0065】
また、障壁または壁46’を含むTPAは、壁46’の障壁機能を損ない得る、亀裂、ひび割れ等の凍結からの構造的損傷に耐性がある材料から製作されることができる。そのような耐性材料は、ポリマーおよび生物医学材料分野で公知の種々の低温耐性生体適合性ポリマーを含み得る。
【0066】
送達機構70の説明が、提供される。典型的には、機構は、
図6Aおよび6Bの実施形態に示されるように、送達バルーン72に取り付けられる(組織穿刺物品40を含有する)送達アセンブリ78を含むであろう。送達バルーンの膨張は、組織穿刺物品40を壁の中に挿入するように、送達アセンブリ72をカプセルから腸壁IWの中に外向きに係合させるための機械的力を提供する。種々の実施形態では、送達バルーン72は、関節型アコーディオン様本体72bによって接続される2つの比較的に平坦な面72fを伴う伸長形状を有することができる。平坦面72fは、バルーン72の拡張に応じて、組織穿刺物品(TPA)40を腸壁の中に挿入するように、腸壁(IW)に圧接するように構成されることができる。TPM40(それ自体であるか、または下記に説明される送達アセンブリ78の一部としてのいずれか)は、バルーン70の片面または両面72f上に位置付けられ、腸壁の対向する側上に生存細胞含有TPA40の挿入を可能にすることができる。バルーン72の面72fは、各面上にいくつかの生存細胞含有TPA40の配置を可能にするために十分な表面積を有し得る。
【0067】
ここで
図9を参照すると、送達アセンブリ78のアセンブリの説明が、ここで、提供される。第1のステップ300では、1つまたはそれを上回る組織穿刺物品40は、支持プラットフォーム75(プラットフォーム75としても把握される)に対応し得る、生分解性前進構造75に離脱可能に結合されることができる。好ましい実施形態では、プラットフォーム75は、ステップ300に示されるように、部材40の挿入のための1つまたはそれを上回る開口部74を含む。開口部74は、バルーン72の拡張に先立って、腸壁の中へのそれらの穿刺に応じて、プラットフォームからのその取外しを可能にしながら、プラットフォーム75内への部材40の挿入および保定を可能にするように定寸される。支持プラットフォーム75は、次いで、ステップ301に示されるように、運搬構造76内に位置付けられることができる。運搬構造76は、空洞または開口部76cを画定する、側壁76sおよび底壁76bを有する、ウェル構造76に対応し得る。プラットフォーム75は、望ましくは、接着剤または当分野で公知の他の継合方法を使用して、底壁76bの内側表面に取り付けられる。ウェル構造76は、種々のポリマー材料を含むことができ、ポリマー処理分野で公知の減圧形成技法を使用して形成され得る。多くの実施形態では、開口部76oは、ステップ302に示されるように、保護フィルム77を用いて被覆されることができる。保護フィルム77は、下記に説明されるように、依然として、組織穿刺物品40がフィルムを穿刺することを可能にしながら、組織穿刺物品40を湿度および酸化から保護するための障壁として機能するように選択された性質を有する。フィルム77は、望ましくは、小腸内で生分解性であるか、そして/または消化管を通して不活性に通過するように構成される、種々の水および/または酸素不浸透性ポリマーを含むことができる。これはまた、所与の物質、例えば、酸素、水蒸気等に対して不浸透性であるように選択された特定の層を伴う、多層構造を有し得る。使用時、保護フィルム77を採用する実施形態は、組織穿刺物品40内の治療剤101の貯蔵寿命、ひいては、デバイス10の貯蔵寿命を増加させる役割を果たす。集合的に、組織穿刺物品40に取り付けられた支持プラットフォーム75、ウェル構造76、およびフィルム77は、送達アセンブリ78
を構成することができる。組織穿刺物品40または他の生存細胞送達手段内に含有される1つまたはそれを上回る生存細胞もしくは治療剤101を有する、送達アセンブリ78は、事前製造され、貯蔵され、続けて、後でデバイス10の製造のために使用されることができる。アセンブリ78の貯蔵寿命はさらに、窒素等の不活性ガスを用いてシールされたアセンブリ78の空洞76cを充填することによって強化されることができる。
【0068】
再び
図6Aおよび6Bを参照すると、アセンブリ78は、バルーン72の片面または両面72f上に位置付けられることができる。好ましい実施形態では、アセンブリ78は、バルーン72の拡張に応じて、腸壁IWの対向する側に実質的に等しい力の分布を提供するように、(
図6Aに示されるように)両面72f上に位置付けられる。アセンブリ78は、接着剤またはポリマー分野で公知の他の継合方法を使用して、面72fに取り付けられ得る。バルーン72の拡張に応じて、TPA40は、フィルム77を通して穿刺し、腸壁IWに進入し、バルーン72の収縮に応じて、それらがプラットフォーム75から離脱されるように、保定要素43および/または組織穿刺の他の保定特徴(例えば、反転テーパ状シャフト44t)によってそこに保定される。
【0069】
種々の実施形態では、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものは、折り畳み、巻き上げ、または他の所望の構成においてカプセル20の内側に詰め込まれ、カプセルの内部容積24v内の空間を節約することができる。折り畳みは、事前形成された襞または医療バルーン分野で公知の他の折り畳み特徴または方法を使用して行われることができる。特定の実施形態では、バルーン30、60、および72は、選択された配向に折り畳まれ、以下のi)空間の節約、ii)特定の膨張されたバルーンの所望の配向の生産、およびiii)バルーン膨張の所望のシーケンスの促進のうちの1つまたはそれを上回るものを達成することができる。
図5A-5Fに示される実施形態は、折り畳み方法および種々の折り畳み配列の実施形態を図示する。しかしながら、本折り畳み配列および結果として生じるバルーン配向は、例示であり、その他もまた、使用され得ることを理解されたい。本および関連実施形態では、折り畳みは、手動で、自動化された機械によって、またはその両方の組み合わせによって行われることができる。また、多くの実施形態では、折り畳みは、
図3Aおよび3Bの実施形態に示されるように、バルーン30、60、70を備える、単一多重バルーンアセンブリ7(本明細書では、アセンブリ7)と、弁チャンバ58と、仕分け接続管類62とを使用することによって促進されることができる。
図3Aは、バルーン30のための単一ドーム構造を有する、アセンブリ7の実施形態を示す一方、
図3Bは、バルーン30のための二重バルーン/ドーム構成を有する、アセンブリ7の実施形態を示す。アセンブリ7は、種々の減圧形成およびポリマー処理分野で公知の他の関連方法を使用して、所望の形状に減圧形成される、薄いポリマーフィルムを使用して製作されることができる。好適なポリマーフィルムは、約0.003~約0.010インチの範囲内(具体的実施形態では、0.005インチ)の厚さを有するポリエチレンフィルムを含む。好ましい実施形態では、アセンブリは、アセンブリの1つまたはそれを上回る構成要素(例えば、バルーン30、60等)を継合する必要性を排除するように、一体型構造を有するように製作される。しかしながら、また、アセンブリ7が、複数の部分(例えば、半体)または構成要素(例えば、バルーン)から製作され、これが、次いで、ポリマー/医療デバイス分野で公知の種々の継合方法を使用して継合されることも想定される。
【0070】
ここで
図5A-5F、6A-B、および7A-7Bを参照すると、第1の折り畳みステップ210では、バルーン60は、弁接手58上に折り重ねられ、バルーン72は、そのプロセスにおいて、弁接手58の対向する側に反転される(
図5A参照)。次いで、ステップ211では、バルーン72は、バルーン60および弁58の折り畳み組み合わせに対して直角に折り畳まれる(
図5B参照)。次いで、バルーン30の二重ドーム実施形態のためのステップ212では、バルーン30の2つの半体30’および30’’は、相互の上に折り畳まれ、弁50を暴露させる(
図5C参照、バルーン30の単一ドーム実施形態については、それ自体の上に折り重ねられる(
図5E参照)))。最終折り畳みステップ213が、行われ得、それによって、折り畳みバルーン30は、弁接手58およびバルーン60の対向する側に180o折り重ねられ、
図5Eに示される二重ドーム構成のための最終折り畳みアセンブリ8ならびに
図5Eおよび5Fに示される単一ドーム構成のための最終折り畳みアセンブリ8’をもたらす。1つまたはそれを上回る送達アセンブリ78が、次いで、ステップ214において、アセンブリ8に取り付けられ(典型的には、バルーン72の面72fに1つずつの2つ)、次いでカプセル20の中に挿入され(
図6Aおよび6Bの実施形態に示される)最終アセンブリ9をもたらす。挿入ステップ215後、アセンブリ9が挿入された最終の組み立てられたバージョンのデバイス10は、
図7Aおよび7Bに示される。
【0071】
ここで
図10A-10Iを参照すると、生存治療細胞101を小腸または大腸の壁等のGI管内の部位に送達するためのデバイス10を使用する方法の説明が、提供される。ステップおよびその順序は、例示であり、他のステップおよび順序もまた、想定されることを理解されたい。デバイス10が小腸SIに進入した後、キャップコーティング20c’は、上側小腸内の塩基性pHによって分解され、
図10Bにおけるステップ400に示されるように、キャップ20p’の分解を引き起こす。弁50は、次いで、小腸内の流体に暴露され、
図10Cにおけるステップ401に示されるように、弁を分解させ始める。次いで、ステップ402では、
図10Dに示されるように、バルーン30は、(ガス69の生成に起因して)拡張する。次いで、ステップ403において、バルーン60の区分60’が、
図10Eに示されるように、拡張し始め、アセンブリ78をカプセル本体から押し出し始める。次いで、ステップ404では、バルーン60の区分60’および60’’が、
図10Fに示されるように、完全に膨張した状態になり、アセンブリ78をカプセル本体から完全に押し出し、カプセル側軸20ALを小腸の側軸LAIと整合させる役割を果たすように、カプセル長20lに延在する。本時間の間、弁55は、(バルーンが完全に膨張し、ガス69の行き場がなくなるという事実に起因して)バルーン60内の増加された圧力から破損し始める。次いで、ステップ405では、弁55は、
図10Gに示されるように、完全に開放し、バルーン72を膨張させ、これは、次いで、ここではで完全に暴露されている(本体20p’’から完全に押し出された)アセンブリ78を腸壁IWの中に半径方向外向きに押動する。次いで、ステップ406において、バルーン72は、
図10Hに示されるように、継続して拡張し、ここで、組織穿刺物品を腸壁IWの中に前進させる。次いで、ステップ407では、バルーン72は、(バルーン60および30とともに)収縮し、引き戻され、組織穿刺物品を腸壁内IWに保定させたまま残す。また、カプセルの本体部分20p”は、デバイス10の他の生分解性部分とともに、(コーティング20c’’の分解に起因して)完全に分解される。分解されないいずれの部分も、消化からの蠕動収縮によって、小腸を通して遠位に運搬され、最終的に、排出される。
【0072】
再び
図1Bを参照すると、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものの膨張(および、細胞調製物100の展開)のためのpH感受性分解可能コーティングおよび弁の使用の代替または補充として、種々の実施形態では、バルーンは、pHセンサ98または小腸内のカプセルの存在を検出する他の化学センサ等のセンサ97に応答して拡張されることができる。センサ97は、次いで、本明細書に説明されるように、信号を隔離弁50の制御可能実施形態または制御可能隔離弁50に結合される電子コントローラ29cに送信し、開放させ、したがって、バルーン30を拡張させることができる。pHセンサ98の実施形態は、電極ベースのセンサを含むことができるか、またはこれは、小腸内の選択されたpHまたは他の化学条件への暴露に応じて、収縮または拡張する、ポリマー等の機械的ベースのセンサであり得る。関連実施形態では、拡張可能/収縮可能pHセンサ98はまた、バルーン30と60および/またはコンパートメント34と35との間のチャネルを開放するように、コネクタ63および/または36を中心として拡張または収縮するようにセンサを構成することによる、隔離弁50自体を含むことができる。
【0073】
デバイス10が小腸(またはGI管内の他の場所)内にあるとき、これを検出するための別の実施形態によると、センサ97は、腸管内の特定の場所内でカプセル120が受けている蠕動収縮の数を検出するための歪みゲージ等の圧力/力センサを備えることができる(そのような実施形態では、カプセル20は、望ましくは、蠕動収縮中に小腸によって把持されるように定寸される)。GI管内の異なる場所は、異なる数の蠕動収縮を有する。例えば、小腸は、毎分12から9回の間の収縮を有し、頻度は腸の長さの下方で減少する。したがって、1つまたはそれを上回る実施形態によると、蠕動収縮の数の検出は、カプセル20が小腸内にあるかどうかだけではなく、腸内の相対的場所も同様に判定するために使用することができる。使用時、これらの実施形態および関連実施形態は、小腸内の特定の場所における生存治療細胞101および/または細胞調製物100の放出を可能にする。
【0074】
依然として
図1Bを参照すると、(例えば、pH感受性コーティングおよび/またはセンサを使用する)デバイス10による送達の内部起動の代替または補充として、いくつかの実施形態では、ユーザは、外部から信号を送信し、バルーン30、60、および72のうちの1つまたはそれを上回るものを拡張させ、生存治療細胞101を腸壁に送達し得る。信号は、RF、磁気、または当分野で公知の他の無線信号伝達手段を用いて送信され得る。種々の実施形態では、外部起動は、制御可能隔離弁50、例えば、RF制御小型ソレノイド弁または他の電気機械的制御弁(図示せず)の使用によって達成されることができる。他の実施形態では、制御可能隔離弁50は、磁気的に制御された小型リードスイッチ(図示せず)等の小型磁気弁に対応し得る。そのような電気機械的または磁気ベースの弁は、MEMSおよび他のマイクロ製造方法を使用して製作されることができる。これらの実施形態および関連実施形態では、ユーザは、デバイス10からの受信信号17を送信するように、
図1Bの実施形態に示されるように、ハンドヘルド通信デバイス13(例えば、携帯電話等のハンドヘルドRFデバイス)を使用することができる。そのような実施形態では、嚥下可能デバイスは、RF送受信機チップまたは他の同様の通信デバイス/回路等の送信機28を含み得る。ハンドヘルドデバイス13は、信号伝達手段だけではなく、また、デバイス10が小腸またはGI管内の他の場所内にあるとき、これをユーザに通知するための手段も含み得る。後者の実施形態は、(例えば、センサから入力を信号伝達することによって)本デバイスが小腸または他の場所内にあるとき、これを検出し、ユーザに伝えるように信号伝達するため、送信機28に結合される論理リソース29(例えば、プロセッサ29)の使用を通して実装されることができる。論理リソース29は、プロセスの1つまたはそれを上回る側面を制御するための(ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかにおける)コントローラ29cを含み得る。同一のハンドヘルドデバイスはまた、バルーン30ならびにバルーン52および60が拡張され、選択された細胞調製物100および生存治療細胞101が送達されたとき、(例えば、プロセッサ29および送信機28を使用して)、ユーザにアラートするように構成されることができる。このように、ユーザは、細胞調製物100が送達されたことの確認を提供される。これは、ユーザが、他の適切な治療剤を服用し、かつ他の関連する決定(例えば、糖尿病に関して、食事をとるべきかどうか、およびどの食物を食べるべきか)を行うことを可能にする。ハンドヘルドデバイスはまた、信号を嚥下可能デバイス10に送信し、隔離弁50をオーバライドし、したがって、生存治療細胞101の送達を防止、遅延、または加速させるように構成されることができる。使用時、そのような実施形態は、ユーザが、他の症状および/または患者行動(例えば、食事をとること、眠りに就くことを決定すること、運動等)に基づいて、生存治療細胞の送達を防止、遅延、または加速するように介入することを可能にする。ユーザはまた、カプセルを嚥下した後、選択された期間において、バルーン30または拡張可能部材30を外部から拡張させ得る。期間は、食物がユーザのGI管を通して小腸等の管内の特定の場所に移動する典型的な通過時間または通過時間の範囲に相関し得る。
【0075】
ここで
図11A-11Bおよび16を参照すると、種々の実施形態では、カプセル20は、
図11Aおよび11Bの実施形態に示されるように、制御可能に分解し、選択可能サイズおよび形状のカプセル断片23を生産し、GI管を通した通過を促進する、生分解性材料を含む継ぎ目22を含むことができる。継ぎ目22はまた、
図16の実施形態に示されるように、生分解を加速するように、継ぎ目の中への流体の進入のための細孔または他の開口部22pを含むことができる。継ぎ目22の生分解を加速するための他の手段は、継ぎ目に事前応力をかけること、および/または継ぎ目に分解核形成部位を組み込むことを含むことができる。
【0076】
ここで
図12A-12Cを参照すると、嚥下可能生存細胞送達デバイス10の他の実施形態では、デバイス10は、1つまたはそれを上回る針もしくは他の組織穿刺物品(TPA)40を腸壁の中に送達するための1つまたはそれを上回るピストンシリンダアセンブリ(PCA)250を含み得る。したがって、これらおよび関連実施形態では、ピストンシリンダアセンブリ(PCA)は、送達機構70を備える。典型的には、ピストンシリンダアセンブリ(PCA)250は、実質的に、バルーン260等のバルーンの内側に位置付けられる。しかしながら、それらは、部分的またはさらに完全に、バルーン260または本明細書に説明される他のバルーンの外側に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、バルーン260は、複数の部分を備える。
図12Aに示されるように、バルーン260は、2つの部分を備え、第1の部分は、第1のコンパートメント265を備え、第2の部分は、第2のコンパートメント266を備え、解放弁アセンブリ290によって分離される。一方の部分は、炭酸水素カリウム等の固体反応物810を含有し、他方の部分は、固体反応物と反応し、CO2等のガス299を生産する、クエン酸等の液体反応物811を含有する。弁アセンブリ290は、バルーン260の2つの部分265と266との間にシールを挟持および維持する、溶解可能ピンチ弁292上に位置付けられる、Oリング270を備える。溶解可能弁は、小腸内の流体との接触に応じて溶解する、マルトースまたは他の材料から製作される。それが起こると、バルーンの一方の部分からの流体は、他方の中の反応物と混合し、ガス299を生成し、バルーン260を膨張させる。
【0077】
典型的には、PCA250は、固体反応物を含有するバルーン260の部分/コンパートメント(第2のコンパートメント266)内に位置付けられ、適宜定寸される。1つまたはそれを上回る寸法実施形態では、バルーンは、約12~16mmの垂直高さを有し、好ましい実施形態は、14mmであり得る一方、バルーン260の内径は、18~22mmの範囲内であり、好ましい実施形態は、20mmであり得る。他の寸法もまた、想定される。種々の実施形態では、PCA250の全てまたは一部は、マルトースまたはメチルセルロース等の溶解可能材料であり得る材料から製作される。これはまた、GI管内で不活性である、ABSおよび他のポリマーから製作されることができる。具体的実施形態では、ピストンの外側上部部分は、シリコーンから作製されることができ、これは、ABSから作製され得る、台座構造等の内側構造上に搭載される。
【0078】
図12Aに示されるように、膨張していないとき、PCA250は、バルーン260内で(バルーンの長さ軸に対して)側方方向に(水平に)位置付けられるが、バルーン260が膨張されると、PCA250は、
図12Bに示されるように、垂直位置にそれ自体を再配向させる。本再配向は、いったんバルーン260が膨張されると、配置/形状変化によって、ならびにPCA250に対して力を付与し、これを垂直配向に付勢するように構成され得る(すなわち、継手は、PCA250が垂直位置にあるときに作製され、次いで、PCAは、水平位置に置かれる)、バルーン壁261にPCA250を取り付ける接着剤または他の継手269を用いて、達成されることができる。継手269は、シリコーンを含む、当分野で公知の種々の弾性材料から成り得る。PCAは、シリンダ251(ピストンシリンダとしても把握される)の内側に位置付けられる、ピストン252およびピストンロッド253を備える。針またはTPA40は、ピストンシリンダと連続する、針管腔230内のピストンロッド253の上方に位置する。針管腔はまた、箔またはポリマーフィルムを含み得る、被覆231(本明細書では、針管腔被覆)を含むことができる。ピストンとピストンロッドとの間の直径の比率は、表面積の減少から所望の圧力集中効果(例えば、2:1、3:1等)をもたらすように選択されることができる。Oリング271は、ピストン252とピストンシリンダ251との間に位置付けられ、ピストン252とピストンシリンダ251の壁との間にシールを維持する。また、圧力感受性解放部235が、所望の圧力(圧力閾値とも称される)がバルーン260の内側に蓄積するまで(例えば、5psi~20psi、より好ましくは、8~10psi)、シリンダ251の内側に位置付けられ、ピストン252を定位置に保つ。解放部235は、タブ、ラッチ、またはOリングに対応し得る。使用時、本解放部は、針40を所望の深さまで小腸の壁(IW)の中に駆動するために、バルーン内に十分な圧力が存在することを確実にする役割を果たす。
【0079】
バルーン260の2つの部分(265および266)を分離する弁が溶解し、バルーンが膨張し始めると、PCA250は、上記に記載されるように、それ自体を水平から垂直配向に再配向する。次いで、バルーン260内の圧力が、解放タブの解放圧力を超えると、ピストンロッドは、針(または、他のTPA)に対して前進し、針40を針管腔230から小腸の壁の中に押進する。いったん針が針管腔を通して腸壁の中に通過すると、バルーン260は、次いで、ここでは開放している針管腔を介して収縮する。針展開後、PCA250は、溶解するか、またはGI管を通して害を及ぼすことなく通過するかのいずれである。
【0080】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達機構70は、
図12Cに示されるように、複数の針40(または、他のTPA)の送達のために構成され得る、PCAのアレイ350(複数の針PCA)を備えることができる。これらおよび関連実施形態では、PCAは、一方の端部において、中心管腔358を介して複数の針管腔330に、他方において、バルーン359に結合される、共通膨張マニホールド357を含むことができる。複数の針PCA350の種々の実施形態は、2~6本またはそれを上回る針を送達するように構成されることができる。各針は、同一または異なる生存細胞もしくは他の治療剤を含有し得る。
【0081】
上記に記載されるように、送達バルーン260の収縮は、いったん針が組織の中に送達されると、バルーン収縮のためのいかなる付加的手段も必要とせずに、針管腔を通して起こる。
【0082】
ここで
図12Dを参照すると、代替実施形態では、送達バルーン260はまた、針管腔230に加えて、収縮のためのバックアップまたは二次手段としての役割を果たす、別個の収縮弁アセンブリ280を含み得る。
図12Dに示されるように、収縮弁アセンブリは、送達バルーン260の開放端を挟持する、溶解可能ピンチ弁281にわたって位置付けられるOリング272を備える。弁は、解放弁としてマルトースまたは他の類似する材料から作製される、溶解可能本体部分と、メチルセルロース等の外側コーティングとを含む。外側コーティング283は、解放弁が作動された後、10分またはそれよりも長い期間(好ましくは、20分)にわたって収縮弁が作動されないように、解放弁アセンブリ内の溶解可能弁より溶解するのに実質的により長い時間がかかるように構成される。これは、針が腸壁の中に十分に前進した後、収縮弁が作動されないことを確実にするためである。
【0083】
ここで
図13A-13Bを参照すると、嚥下可能デバイスの1つまたはそれを上回る実施形態では、送達バルーン460は、針がバルーンから腸壁の中に前進される圧力を制御し、かつバルーンが穿通により収縮することを確実にするように構成される、アセンブリを含むことができる。アセンブリは、1つまたはそれを上回るTPA(本明細書では、生存細胞針とも称される)40が取り付けられる、下側部分463と、1つまたはそれを上回る穿通針(穿刺部材)450が取り付けられる、上側部分464とを含むことができる。上側部分は、TPAがアセンブリから腸壁の中に前進されるための開口430または開口部を含み得る。上側部分464および下側部分463は、側壁465によって継合され得る。側壁465は、部分464および463が合体することを可能にするように圧潰可能であり得る。側壁465は、バルーン460が膨張していない間、上側部分464および下側463を離れるように保つために十分な剛性を有し得る。しかしながら、側壁465は、バルーン圧力下で圧潰する。側壁は、側壁が、バルーン460が膨張するまで、バルーンに共形化するように、脆弱接着剤470を用いて、バルーン460に弱く接合され得る。バルーン460の膨張に応じて、側壁465は、バルーン460から分離する。下側部分463もまた、バルーンに接合され得るが、より強力な接着剤469を用いると、アセンブリ全体は、
図13Aに示されるように、バルーンと腸壁IWとの間に位置付けられる。
【0084】
送達バルーン460の膨張に応じて、穿通針450は、送達バルーンを破裂させるために、送達アセンブリの下側部分463および送達バルーン460を穿刺および穿通するように構成される。好ましくは、TPA針40は、穿通針450が下側部分463およびバルーン460と接触する前に、TPA針40が、すでに、アセンブリからさらに腸壁の中への途中にあるように、穿通針の長さ450lよりも十分に長い長さ401を有する。1つまたはそれを上回る実施形態によると、TPA針は、穿通針よりも25~300%長く、具体的実施形態では、50、75、100、150、200、および250%である。
【0085】
1つまたはそれを上回る実施形態によると、下側部分463は、所望の圧力に到達するまで(例えば、4~20psi、より好ましくは、8~12psi)、穿通針が穿刺することを可能にしない材料から製作される。これは、ひいては、所望の圧力に到達するまで、TPA針が、腸壁の中に完全に前進されないように防ぐ。いったん穿通針450が下側部分463を穿刺すると、それらは、同時に、膨張されたバルーン460を穿通し、収縮を確実にしながら、TPA針40が、完全に前進されることを可能にする。これらおよび関連実施形態は、TPA針40の圧力を制御し、かつバルーンが収縮することを確実にするという両方の利益を提供する。
【0086】
図13Bは、バルーン膨張圧力(BIP)702と、穿通針圧力(PNP)701、すなわち、時間が進行するにつれて、穿通針を前進させ、バルーン460および下側部分463を穿刺するために使用される圧力を示す。PNPは、穿通針が下側部分463を穿刺し始めるにつれて上昇し、ピークに達する。いったん下側部分463およびバルーン460の穿刺が完了すると、PNPは、ゼロまで降下する。TPA針40が、腸壁の中に完全に挿入された後、バルーン460の内側のガスは、開口430から逃散することが可能であり、BIPは、バルーン460が収縮するにつれて、ゼロまで降下する。種々の実施形態では、アセンブリ全体が、当分野で公知の種々の生分解性または不活性ポリマーから製作されることができる。下側部分463が穿刺される圧力は、下側部分463のための厚さおよび材料のうちの1つまたはそれを上回るものによって制御されることができる。種々の実施形態では、下側部分463は、当分野で公知の種々の不活性(ABS)および/または生分解性ポリマーフィルム(例えば、メチルセルロース)を含む、ポリマーフィルムから製作されることができる。
【0087】
1つまたはそれを上回る実施形態によると、TPA針または他の組織穿刺物品40は、メチルセルロースポリマーから製作されることができる。そのようなメチルセルロースポリマーは、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびその種々のポリマーを含むことができる。マルトース系TPA針と比較したTPA針(または他の組織穿刺物品)の製作のためのそのようなメチルセルロースポリマーの使用の利点は、貯蔵中、湿度に対して殆どまたは全く感受性がないこと、低減された壁厚さ、同一の生存細胞積載容量を伴うより小さい針サイズ、ならびに研削、先鋭化、サンディング、および他の関連するプロセス等の処理を含む、製作後の針を処理する能力を含む。1つまたはそれを上回る実施形態では、メチルセルロース系TPA針は、0.05~0.15mmsの範囲内の壁厚さを有し、具体的実施形態では、0.1mmsであり得る。また、1つまたはそれを上回る実施形態では、メチルセルロース系TPA針は、同一サイズのマルトース系TPA針が運搬可能であるものと比較して、25~150%またはそれを上回る生存細胞を運搬し得る。1.5mmの外径を有するTPA針の具体的実施形態では、メチルセルロース針は、マルトース系針と比較して、100%またはそれを上回る生存細胞を運搬することができる。
【0088】
ここで
図15A-15Bおよび16を参照すると、多くの実施形態では、継ぎ目22はまた、バルーン30または他の拡張可能部材30の膨張によって、カプセル20がより小さい断片に分解されることを可能にするように構成および配列されることができる。特定の実施形態では、継ぎ目22は、その外周に沿ってカプセルを半分または他の部分断片に分解させるように、半径方向パターン22rpを有することを含む、カプセルの半径方向外周21に対して配向されることができる。継ぎ目22はまた、カプセルを長手方向の断片に分解させるように、カプセルの側方アクセス20laに対して長手方向に配向され得る。
【0089】
バルーン膨張(または他の拡張可能部材30の拡張)によってカプセル20を解体するための代替または付加的アプローチとして、カプセル20は、
図16の実施形態に示されるように、(接着接合部として機能する)継ぎ目22によって形成される接合部22jにおいて継合される、2つまたはそれを上回る別個の継合可能断片23j(例えば、半径方向半体)から製作されることができる。代替として、継合可能断片23jは、単に、スナップ嵌合または圧入等の機械的嵌合によって継合され得る。
【0090】
継ぎ目22のための好適な材料は、PGLA、グリコール酸等の本明細書に説明される1つまたはそれを上回る生分解性材料を含むことができる。継ぎ目22は、成形、熱溶解接合等のポリマー分野で公知の種々の継合方法を使用して、カプセル20に取り付けられることができる。加えて、また、生分解性材料から製作されるカプセル20の実施形態に関して、継ぎ目22のより高速の生分解は、以下、i)より高速で生分解する材料から継ぎ目を製作すること、ii)継ぎ目に事前応力を与えること、またはiii)継ぎ目を穿孔することのうちの1つもしくはそれを上回るものによって達成されることができる。GI管内で嚥下可能デバイスの制御された分解を生産するために生分解性継ぎ目22を使用する概念はまた、GI管を通した通過を促進し、そのようなデバイスがGI管内で膠着した状態になる可能性を低減させるように、嚥下可能カメラ(または他の嚥下可能撮像デバイス)等の他の嚥下可能デバイスに適用されることができる。故に、生分解性継ぎ目22の実施形態は、嚥下可能撮像および他の嚥下可能デバイスのために適合されることができる。
【0091】
さらに他の実施形態では、継ぎ目22は、外部から、または内視鏡で(または他の低侵襲性方法)投与された超音波を使用して、カプセルがより小さい断片に分解されることを可能にする、超音波エネルギー、例えば、高周波数超音波(HIFU)の吸収によって容易に分解される、材料から構築される、および/または構造を有することができる。
【0092】
本発明の別の側面は、嚥下可能生存細胞送達デバイス10の1つまたはそれを上回る実施形態を使用して、GI管の壁の中への生存細胞101および他の治療剤を送達するための方法を提供する。そのような方法の例示的実施形態が、ここで、説明されるであろう。生存細胞送達の説明される実施形態は、小腸SI内で起こる。しかしながら、これは、例示であり、本発明の実施形態は、胃および大腸を含むGI管内のいくつかの場所に生存細胞を送達するために使用され得ることを理解されたい。議論を容易にするために、嚥下可能生存細胞送達デバイス10は、時として、本明細書ではカプセルと称されるであろう。上記に説明されるように、種々の実施形態では、デバイス10は、デバイス10および使用説明書のセット15を含む、シールされた包装12内にキット14として包装され得る。患者がハンドヘルドデバイス13を使用している場合、患者は、手動で、または説明書15もしくは包装12上に位置するバーコード18(または他の識別印18)を介してのいずれかで、デバイス13にデータを入力するように命令され得る。バーコードが使用される場合、患者は、デバイス13上のバーコードリーダ19を使用してバーコードを走査するであろう。包装12を開封し、説明書15を読み、任意の要求されるデータを入力した後、患者は、嚥下可能生存細胞送達デバイス10の実施形態を嚥下する。生存細胞に応じて、患者は、食事(食前、食中、または食後)または血糖測定等の生理学的測定と併せて、デバイス10を服用し得る。カプセル10は、GI管を通過するように定寸され、
図1Eの実施形態に示されるように、蠕動活動を通して、患者の胃Sを通して小腸SIの中に進行する。いったんカプセル10が小腸内に入ると、コーティング20c’および20c’’は、本発明の1つまたはそれを上回る実施形態に従って、小腸内の塩基性pH(または小腸に特有の他の化学または物理的条件)によって分解され、バルーン30、60、および72を拡張させるか、または小腸SIの壁の中に生存治療細胞101を送達する。
【0093】
生存細胞送達後、デバイス10は、次いで、大腸LIを含む腸管を通過し、最終的に、排出される。断裂可能カプセルを有する実施形態に関して、カプセルは、バルーン30の膨張によって、より小さい断片に即時に分解され得る。生分解性継ぎ目22または他の生分解性部分を有するカプセル20の実施形態に関して、カプセルは、腸管を通した通過およびそれからの排出を促進するために、腸管内でより小さい断片に分解される。生分解性組織穿刺針/部材40を有する特定の実施形態では、針が腸壁内で膠着した場合、針は、生分解し、壁からカプセル20を解放する。
【0094】
センサ97を含むデバイス10の実施形態に関して、バルーン30または他の拡張可能部材30の拡張は、隔離弁50および/または隔離弁50に結合されるプロセッサ29/コントローラ29cの制御可能実施形態に信号を送信するセンサによってもたらされることができる。外部作動能力を含むデバイス10の実施形態に関して、ユーザは、カプセルを嚥下した後の選択された期間においてバルーン30(ならびにバルーン52および60)を外部から拡張し得る。期間は、食物がユーザのGI管を通して小腸等の管内の特定の場所に移動する典型的な通過時間(例えば、30分)または通過時間の範囲(例えば、10分~2時間)に相関することができる。
【0095】
本発明の種々の実施形態の前述の説明は、例証および説明を目的として提示された。本発明を開示される精密な形態に限定することは、意図されない。多くの修正、変形例、および改善が、当業者に明白となる。例えば、本デバイスの実施形態は、種々の小児および新生児用途、ならびに種々の獣医学用途のために定寸および別様に適合されることができる。また、当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に説明される具体的デバイスおよび方法の多数の均等物を認識する、または確認することが可能である。そのような均等物は、本発明の範囲内であると見なされ、下記の添付される請求項によって網羅される。
【0096】
一実施形態からの要素、特性、または行為は、本発明の範囲内の多数の付加的実施形態を形成するために、他の実施形態からの1つまたはそれを上回る要素、特性、もしくは行為と容易に組み替えられるか、またはそれを用いて代用されることができる。さらに、他の要素と組み合わせられるものとして示される、または説明される要素は、種々の実施形態では、独立要素として存在することができる。したがって、本発明の範囲は、説明される実施形態の詳細に限定されず、代わりに、添付される請求項によってのみ限定される。