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特開2023-73461資産価値出力装置、情報処理法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073461
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】資産価値出力装置、情報処理法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057040
(22)【出願日】2023-03-31
(62)【分割の表示】P 2019131688の分割
【原出願日】2019-07-17
(31)【優先権主張番号】P 2018136299
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518031170
【氏名又は名称】ウミトロン ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】藤原 謙
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅彦
(57)【要約】
【課題】従来技術においては、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できなかった。
【解決手段】2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付部と、水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得部と、資産価値を出力する資産価値出力部とを具備する資産価値出力装置により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付部と、
前記水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得部と、
前記資産価値を出力する資産価値出力部とを具備し、
前記水中生物群情報は、
飼料コストが飼育のコストに占める割合である飼料コスト比率を有し、
飼育対象の種類を示す2以上の各種類情報に応じた飼料コスト比率が管理されており、
種類情報を取得する種類情報取得手段をさらに具備し、
前記資産価値出力部は、
前記種類情報取得手段が取得した前記種類情報に応じた前記飼料コスト比率を取得し、当該飼料コスト比率を用いて飼育のコストを取得し、当該飼育のコストを用いて前記資産価値を取得する資産価値出力装置。
【請求項2】
前記飼育対象は、魚であり、
前記サイズ情報は、
魚の尾叉長、標準体長、全長、体高、体幅、重量のうちの2以上の情報であり、
前記資産価値取得部は、
前記2以上の情報である前記サイズ情報を用いて前記資産価値を取得する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項3】
前記水中生物群情報受付部は、
給餌器から前記餌情報を受信する請求項1または請求項2記載の資産価値出力装置。
【請求項4】
前記資産価値取得部は、
前記餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の資産価値を取得する、または前記サイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の資産価値を取得する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項5】
前記水中生物群情報は、サイズ情報を含み、
水中生物群から取得された画像を解析し、飼育対象のサイズに関するサイズ情報を取得する画像解析部をさらに具備し、
前記水中生物群情報受付部が受け付ける水中生物群情報は、前記画像解析部が取得したサイズ情報を有する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項6】
前記画像解析部は、
カメラが水中生物群を撮影した1または2以上の画像またはソナーを水中生物群に照射することにより取得された1または2以上の画像から、2以上の飼育対象を検知し、当該2以上の各飼育対象のサイズを取得し、当該2以上のサイズの代表値であるサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段を具備する請求項5記載の資産価値出力装置。
【請求項7】
カメラが水中生物群を撮影した画像またはソナーを水中生物群に照射することにより取得された1または2以上の画像を解析し、飼育対象の種類である種類情報を取得する画像解析部をさらに具備し、
前記水中生物群情報受付部が受け付ける水中生物群情報は、前記画像解析部が取得した種類情報を有する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項8】
前記水中生物群情報は、餌情報とサイズ情報とを有し、
前記資産価値取得部は、
前記餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の第一の資産価値を取得するコストアプローチ手段と、
前記サイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の第二の資産価値を取得するマーケットアプローチ手段とを具備し、
かつ2以上の資産価値を取得し、
前記資産価値出力部は、
前記第一の資産価値と前記第二の資産価値とを含む2以上の資産価値、または前記2以上の資産価値の代表値を出力する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項9】
前記資産価値出力部は、
前記2以上の資産価値を用いて、最大または最小または平均の資産価値を出力する請求項8記載の資産価値出力装置。
【請求項10】
前記水中生物群情報受付部は、
2以上の生簀ごとに水中生物群情報を受け付け、
前記資産価値取得部は、
2以上の生簀ごとに水中生物群の資産価値を取得し、
前記資産価値出力部は、
2以上の生簀ごとに前記資産価値を出力する請求項1記載の資産価値出力装置。
【請求項11】
水中生物群情報受付部、資産価値取得部、および資産価値出力部により実現される情報処理方法であって、
前記水中生物群情報受付部が、2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付ステップと、
前記資産価値取得部が、前記水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得ステップと、
前記資産価値出力部が、前記資産価値を出力する資産価値出力ステップとを具備し、
前記水中生物群情報は、
飼料コストが飼育のコストに占める割合である飼料コスト比率を有し、
飼育対象の種類を示す2以上の各種類情報に応じた飼料コスト比率が管理されており、
種類情報を取得する種類情報取得ステップをさらに具備し、
前記資産価値出力ステップにおいて、
前記種類情報取得ステップで取得された前記種類情報に応じた前記飼料コスト比率を取得し、当該飼料コスト比率を用いて飼育のコストを取得し、当該飼育のコストを用いて前記資産価値を取得する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付部と、
前記水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得部と、
前記資産価値を出力する資産価値出力部として機能させるためのプログラムであって、
前記水中生物群情報は、
飼料コストが飼育のコストに占める割合である飼料コスト比率を有し、
飼育対象の種類を示す2以上の各種類情報に応じた飼料コスト比率が管理されており、
種類情報を取得する種類情報取得手段として、前記コンピュータをさらに機能させ、
前記資産価値出力部は、
前記種類情報取得手段が取得した前記種類情報に応じた前記飼料コスト比率を取得し、当該飼料コスト比率を用いて飼育のコストを取得し、当該飼育のコストを用いて前記資産価値を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2以上の飼育対象である水中生物群の資産価値を算定する資産価値出力装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、畜産物のような日々変化する動産の情報管理および動産評価を支援する動産担保融資支援システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-122884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、地上で飼育されており、飼育対象の数や状況が把握し易い畜産物を対象とした動産評価を支援する。つまり、従来技術においては、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できなかった。
【0005】
また、従来技術においては、個々の動産にICタグまたはバーコードなどの情報記憶識別子を装着し、情報記憶識別子を、読み取り機能付き端末により読み取ることにより、個々の動産を識別、管理する。
【0006】
しかし、従来技術においては、水中生物群に与えた餌に関する餌情報、および水中生物のサイズに関するサイズ情報を取得できないため、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第一の発明の資産価値出力装置は、2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付部と、水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得部と、資産価値を出力する資産価値出力部とを具備する資産価値出力装置
【0008】
かかる構成により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0009】
また、本第二の発明の資産価値出力装置は、第一の発明に対して、資産価値取得部は、餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の資産価値を取得する、またはサイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の資産価値を取得する資産価値出力装置である。
【0010】
かかる構成により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0011】
また、本第三の発明の資産価値出力装置は、第一または第二の発明に対して、水中生物群情報は、サイズ情報を含み、水中生物群から取得された画像を解析し、飼育対象のサイズに関するサイズ情報を取得する画像解析部をさらに具備し、水中生物群情報受付部が受け付ける水中生物群情報は、画像解析部が取得したサイズ情報を有する資産価値出力装置である。
【0012】
かかる構成により、カメラが撮影した画像の解析結果から得られた飼育対象のサイズ情報を用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0013】
また、本第四の発明の資産価値出力装置は、第三の発明に対して、画像解析部は、カメラが水中生物群を撮影した1または2以上の画像から、2以上の飼育対象を検知し、2以上の各飼育対象のサイズを取得し、2以上のサイズの代表値であるサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段を具備する資産価値出力装置である。
【0014】
かかる構成により、カメラが撮影した画像の解析結果から得られた飼育対象のサイズ情報を用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0015】
また、本第五の発明の資産価値出力装置は、第一または第二の発明に対して、カメラが水中生物群を撮影した画像を解析し、飼育対象の種類である種類情報を取得する画像解析部をさらに具備し、水中生物群情報受付部が受け付ける水中生物群情報は、画像解析部が取得した種類情報を有する資産価値出力装置である。
【0016】
かかる構成により、カメラが撮影した画像の解析結果から得られた飼育対象のサイズ情報を用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0017】
また、本第六の発明の資産価値出力装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、水中生物群情報は、餌情報とサイズ情報とを有し、資産価値取得部は、餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の第一の資産価値を取得するコストアプローチ手段と、サイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の第二の資産価値を取得するマーケットアプローチ手段とを具備し、かつ2以上の資産価値を取得し、資産価値出力部は、第一の資産価値と第二の資産価値とを含む2以上の資産価値、または2以上の資産価値の代表値を出力する資産価値出力装置である。
【0018】
かかる構成により、餌情報とサイズ情報とを用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0019】
また、本第七の発明の資産価値出力装置は、第六の発明に対して、資産価値出力部は、2以上の資産価値を用いて、最大または最小または平均の資産価値を出力する資産価値出力装置である。
【0020】
かかる構成により、餌情報とサイズ情報とを用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を適切に出力できる。
【0021】
また、本第八の発明の資産価値出力装置は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、水中生物群情報受付部は、2以上の生簀ごとに水中生物群情報を受け付け、資産価値取得部は、2以上の生簀ごとに水中生物群の資産価値を取得し、資産価値出力部は、2以上の生簀ごとに資産価値を出力する資産価値出力装置である。
【0022】
かかる構成により、生簀ごとに、適切に資産価値を出力できる。
【0023】
また、本第九の発明の保険情報出力装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、資産価値出力装置が出力した資産価値を用いて、保険に関する保険情報を取得する保険情報取得部と、保険情報を出力する保険情報出力部とを具備する保険情報出力装置である。
【0024】
かかる構成により、資産価値を用いて保険情報を取得できる。
【0025】
また、本第十の発明の保険情報出力装置は、第九の発明に対して、水中生物群の飼育者の関する飼育者情報が格納される飼育者情報格納部をさらに具備し、保険情報取得部は、資産価値と飼育者情報とを用いて保険情報を取得する保険情報出力装置である。
【0026】
かかる構成により、資産価値と飼育者情報とを用いて保険情報を取得できる。
【0027】
また、本第十一の発明の保険情報出力装置は、第十の発明に対して、保険情報取得部は、飼育者情報を用いて、飼育者のランクを取得するランク取得手段と、資産価値とランクとを用いて、保険情報を取得する保険情報取得手段とを具備する保険情報出力装置である。
【0028】
かかる構成により、飼育者のランクに基づき、適切な保険情報を取得できる。
【0029】
また、本第十二の発明の保険情報出力装置は、第九または第十の発明に対して、水中生物群に対して保険金が支払われる状態となるリスクを増加させるまたは低減させる要因となる1以上のリスク要因情報が格納されるリスク要因情報格納部をさらに具備し、保険情報取得部は、1以上のリスク要因情報をも用いて保険情報を取得する保険情報出力装置である。
【0030】
かかる構成により、リスク要因に基づき、適切な保険情報を取得できる。
【0031】
また、本第十三の発明の保険情報出力装置は、第十一の発明に対して、1以上のリスク要因情報は、飼育場所の自然に関する自然情報、水中生物群の属性値、周辺環境に関する周辺環境情報、飼育者の作業に関する作業情報、飼育に使用する設備の設備情報のうち1以上の情報を有する保険情報出力装置である。
【0032】
かかる構成により、リスク要因に基づき、適切な保険情報を取得できる。
【0033】
また、本第十四の発明の金融関連情報出力装置は、飼育者を識別する飼育者識別子または生簀を識別する生簀識別子に対応付けて、水中生物群の資産価値が格納される資産価値格納部と、資産価値格納部に格納されている資産価値を用いて、金融に関する金融関連情報を取得する金融関連情報取得部と、金融関連情報を出力する金融関連情報出力部とを具備する金融関連情報出力装置である。
【0034】
かかる構成により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を用いて、例えば、保険情報、融資金額情報等の金融関連情報を取得できる。
【0035】
また、本第十五の発明の金融関連情報出力装置は、第十四の発明に対して、水中生物群の飼育者に関する飼育者情報が格納される飼育者情報格納部をさらに具備し、金融関連情報取得部は、資産価値と飼育者情報とを用いて金融関連情報を取得する金融関連情報出力装置である。
【0036】
かかる構成により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値と飼育者情報とを用いて、例えば、保険情報、融資金額情報等の金融関連情報を取得できる。
【0037】
また、本第十六の発明の金融関連情報出力装置は、第十四または第十五の発明に対して、水中生物群に対して保険金が支払われる状態となるリスクを増加させるまたは低減させる要因となる1以上のリスク要因情報が格納されるリスク要因情報格納部をさらに具備し、金融関連情報取得部は、1以上のリスク要因情報をも用いて保険情報を取得する金融関連情報出力装置である。
【0038】
かかる構成により、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値とリスク要因情報とを用いて、例えば、保険情報、融資金額情報等の金融関連情報を取得できる。
【0039】
また、本第十七の発明の損害額出力装置は、水中生物群の飼育者に関する情報であり、飼育者を識別する飼育者識別子または生簀を識別する生簀識別子、生簀の規模を特定する規模情報を有する1以上の飼育者情報が格納される飼育者情報格納部と、生簀の単位量あたりの損害額を特定する求償単価情報が格納される求償単価格納部と、飼育者識別子または生簀識別子を有する損害額算定指示を受け付ける指示受付部と、損害額算定指示が有する飼育者識別子または生簀識別子と対になる規模情報を飼育者情報格納部から取得する規模取得部と、求償単価情報と規模取得部が取得した規模情報とを用いて、損害額算定指示が有する飼育者識別子により識別される飼育者または生簀識別子により識別される生簀の損害額を取得する損害額取得部と、損害額取得部が取得した損害額を出力する損害額出力部とを具備する損害額出力装置である。
【0040】
かかる構成により、生簀の規模情報と求償単価とを用いて、損害が発生した生簀の損害額を算定できる。
【0041】
また、本第十八の発明の損害額出力装置は、第十七の発明に対して、求償単価格納部には、リスク要因情報に関する条件である要因条件と求償単価情報とを有する1以上の単価管理情報が格納され、1以上のリスク要因情報を受け付けるリスク要因受付部と、リスク要因受付部が受け付けた1以上のリスク要因情報に合致する要因条件と対になる求償単価情報を取得する求償単価取得部とをさらに具備し、求償単価格納部の求償単価格情報は、求償単価取得部が取得した求償単価情報である損害額出力装置である。
【0042】
かかる構成により、求償単価を自動的に取得できる。
【0043】
また、本第十九の発明の損害額出力装置は、第十七または第十八の発明に対して、生簀を撮影して得られた1以上の生簀画像が格納される生簀画像格納部と、1以上の生簀画像を用いて、生簀が存在するか否かを判断する存在判断部とをさらに具備し、存在判断部の判断結果に応じて異なる処理を行う損害額出力装置である。
【0044】
かかる構成により、生簀が存在するか否かを判断できる。
【0045】
また、本第二十の発明の損害額出力装置は、第十七または第十八の発明に対して、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する作業判断部とをさらに具備し、存在判断部の判断結果に応じて異なる処理を行う損害額出力装置である。
【0046】
かかる構成により、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0047】
また、本第二十一の発明の損害額出力装置は、第二十の発明に対して、作業判断部は、生簀を撮影して得られた1以上の生簀画像を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する損害額出力装置である。
【0048】
かかる構成により、1以上の生簀画像を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0049】
また、本第二十二の発明の損害額出力装置は、第二十の発明に対して、飼育者に対応する1以上の位置情報を受信する位置情報受信部をさらに具備し、作業判断部は、1以上の位置情報を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する損害額出力装置である。
【0050】
かかる構成により、飼育者に対応する1以上の位置情報を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0051】
また、本第二十三の発明の損害額出力装置は、第十七から第二十いずれか1つの発明に対して、生簀において損害が発生しているか否かを判断する損害発生判断部をさらに具備し、損害額出力部は、損害が発生していると損害発生判断部が判断した場合のみ、損害額を出力する損害額出力装置である。
【0052】
かかる構成により、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【0053】
また、本第二十四の発明の損害額出力装置は、第二十三の発明に対して、損害発生判断部は、生簀を撮影して得られた1以上の画像を用いて、生簀において損害が発生しているか否かを判断する損害額出力装置である。
【0054】
かかる構成により、1以上の生簀画像を用いて、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【0055】
また、本第二十五の発明の損害額出力装置は、第二十三の発明に対して、環境に関する環境情報を受け付ける環境情報受付部と、損害発生判断部は、環境情報を用いて、生簀において損害が発生しているか否かを判断する損害額出力装置である。
【0056】
かかる構成により、環境情報を用いて、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【発明の効果】
【0057】
本発明による資産価値出力装置によれば、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
図2】同情報システムAのブロック図
図3】同情報システムAを構成する資産価値出力装置1のブロック図
図4】同サイズ情報取得手段1311が取得するサイズ情報の例を示す図
図5】同資産価値出力装置1の動作例について説明するフローチャート
図6】同生簀資産価値取得処理の例について説明するフローチャート
図7】同サイズ情報等取得処理の例について説明するフローチャート
図8】同給餌器2の動作例について説明するフローチャート
図9】同飼育者情報管理表を示す図
図10】同飼料コスト比率管理表を示す図
図11】同対象市場価格管理表を示す図
図12】同給餌情報管理表を示す図
図13】同飼育対象情報管理表を示す図
図14】同出力例を示す図
図15】実施の形態2における情報システムBの概念図
図16】同情報システムBを構成する保険情報出力装置5のブロック図
図17】同保険情報出力装置5の動作について説明するフローチャート
図18】同飼育者情報管理表を示す図
図19】同リスク要因情報管理表を示す図
図20】同資産保険管理表を示す図
図21】同飼育者ランク補正表を示す図
図22】同リスクランク補正表を示す図
図23】実施の形態3における情報システムCの概念図
図24】同情報システムCを構成する金融関連情報出力装置6のブロック図
図25】同金融関連情報出力装置6の動作例について説明するフローチャート
図26】同資産金融関連情報管理表の例を示す図
図27】同飼育者ランク補正表の例を示す図
図28】同リスクランク補正表の例を示す図
図29】実施の形態4における損害額出力装置7のブロック図
図30】同損害額出力装置7の第一の動作例について説明するフローチャート
図31】同損害額出力装置7の第二の動作例について説明するフローチャート
図32】同生簀存在判断処理の例について説明するフローチャート
図33】同作業有無判断処理の例について説明するフローチャート
図34】同損害発生有無判断処理の例について説明するフローチャート
図35】同損害額取得処理の例について説明するフローチャート
図36】同単価管理表の例を示す図
図37】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
図38】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、資産価値出力装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0060】
(実施の形態1)
本実施の形態において、例えば、魚等の水中生物に与えた餌に関する餌情報と魚のサイズ情報のうちの1以上の情報を用いて、水中生物群の資産価値を算定する資産価値出力装置を含む情報システムについて説明する。なお、水中生物は、水中の飼育物であり、例えば、水の中で移動する飼育物である。水中生物は、例えば、魚、たこ、イカ、えび、イルカ等である。また、水中生物は、水の中で移動しない、昆布、海藻等も含むと考えても良い。水中生物は、貝を含むと考えても良い。
【0061】
また、本実施の形態において、カメラまたはソナー等で取得した水中生物の画像から水中生物のサイズ情報を取得し、かかるサイズ情報を用いて、水中生物群の資産価値を算定する資産価値出力装置を含む情報システムについて説明する。
【0062】
また、本実施の形態において、カメラまたはソナー等で取得した水中生物群の画像から水中生物をサンプリングし、サイズ情報の代表値を取得し、当該代表値を用いて、水中生物群の資産価値を算定する資産価値出力装置を含む情報システムについて説明する。
【0063】
また、本実施の形態において、コストアプローチ、マーケットアプローチを含む2以上のアルゴリズムで資産価値を算定する資産価値出力装置を含む情報システムについて説明する。なお、コストアプローチとは、飼育にかかった費用に基づいて資産価値を算定する方法である。また、マーケットアプローチとは、市場での水中生物の価値に基づいて資産価値を算定する方法である。
【0064】
さらに、本実施の形態において、1または2以上の各生簀ごとに資産価値を算定する資産価値出力装置を含む情報システムについて説明する。
【0065】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、資産価値出力装置1、1または2以上の給餌器2、1または2以上のユーザ端末3、および1または2以上のカメラ4を備える。
【0066】
資産価値出力装置1は、水中生物群の資産価値を出力する装置である。資産価値出力装置1は、通常、1以上の給餌器2、1以上のユーザ端末3、および1以上のカメラ4と通信可能な装置である。資産価値出力装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等のサーバ装置である。ただし、資産価値出力装置1は、スタンドアロンの装置でも良い。
【0067】
給餌器2は、水中生物群に餌を与える装置である。給餌器2は、例えば、資産価値出力装置1に後述する餌情報を送信する装置である。
【0068】
ユーザ端末3は、ユーザが使用する端末である。ユーザとは、例えば、魚等の水中生物の飼育者、飼育者が所属する組織の他の職員、飼育者に融資する融資担当者等であり、その役割は問わない。なお、他の職員の職種は問わない。端末は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末、据え置き型のPC等であり、その所在やタイプは問わない。なお、飼育は、養殖と言っても良い。飼育者は、養殖者と言っても良い。
【0069】
カメラ4は、水中生物群を撮影し、画像を取得する。画像は、動画が好適であるが、静止画でも良い。カメラ4は、通信機能を有し、資産価値出力装置1、または/およびユーザ端末3に画像を送信することは好適である。また、カメラ4には、生簀識別子が格納されており、画像と共に生簀識別子を送信することは好適である。また、カメラ4には、カメラ識別子が格納されており、画像と共にカメラ識別子を送信することは好適である。かかる場合、カメラ識別子は、生簀を識別する情報にもなることは好適である。
【0070】
カメラ4が画像等を送信するタイミングは問わない。カメラ4は、例えば、常時、画像等を送信しても良い。ただし、送信の要求が受信された場合のみ、画像等を送信しても良い。かかる場合、カメラ4は、送信の要求等の受信機能を有する。
【0071】
また、カメラ4は、生簀ごとに1または2以上設置されていることは好適である。また、カメラ4は、水中に設置されていることは好適であるが、生簀の上から撮影できる位置に設置されるなど、水中以外の場所に設置されていても良い。生簀は、魚等の水中生物を飼育する施設である。カメラ4の種類は問わないが、360度カメラ、広域のカメラ、ステレオカメラが好適である。カメラ4は、距離カメラでも良い。なお、ステレオカメラは、2つ以上のカメラを同期させたカメラシステムである。つまり、ステレオカメラは、対象物を複数の異なる方向から同時に撮影することにより、その奥行き方向の情報も記録できるようにしたカメラである。また、カメラ4に代えて、ソナー(超音波機器)を用いて、画像を取得しても良い。かかるソナーは、例えば、イメージングソナーであり、公知技術(例えば、インターネットURL「http://www.kwk.co.jp/marine/products/sonar.html」参照)である。
【0072】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。図3は、情報システムAを構成する資産価値出力装置1のブロック図である。
【0073】
資産価値出力装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、飼育者情報格納部111を備える。受付部12は、水中生物群情報受付部121を備える。処理部13は、画像解析部131、および資産価値取得部132を備える。画像解析部131は、サイズ情報取得手段1311、および種類情報取得手段1312を備える。資産価値取得部132は、コストアプローチ手段1321、およびマーケットアプローチ手段1322を備える。出力部14は、資産価値出力部141を備える。
【0074】
給餌器2は、給餌格納部21、給餌処理部22、給餌送信部23、および給餌受信部24を備える。
【0075】
ユーザ端末3は、ユーザ格納部31、ユーザ受付部32、ユーザ処理部33、ユーザ送信部34、ユーザ受信部35、およびユーザ出力部36を備える。
【0076】
資産価値出力装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、飼育者情報、後述する各種の演算式、後述する各種の対応表等である。
【0077】
演算式は、例えば、後述する飼料効率を算出する演算式、後述する無摂餌量削減率を算出する演算式、後述する実際増肉係数を算出する演算式、後述する飼料コストを算出する演算式、後述する市場価値を算出する演算式等である。
【0078】
対応表は、例えば、後述する飼料コスト比率管理表、後述する対象市場価格管理表、後述する給餌情報管理表、サイズ情報(例えば、尾叉長、全長、体高)と重量との対応表である。
【0079】
飼育者情報格納部111には、1または2以上の飼育者情報が格納される。飼育者情報は、水中生物群の飼育者の関する情報である。
【0080】
飼育者情報は、例えば、飼育者識別子、生簀識別子を有する。飼育者識別子は、飼育者を識別する情報である。飼育者識別子は、例えば、ID、飼育者名、電話番号、メールアドレス、飼育者が使用するユーザ端末3のIPアドレス等である。生簀識別子は、飼育者識別子で識別される飼育者の生簀を識別する情報である。生簀識別子は、例えば、IDである。生簀識別子は、飼育者識別子を有している、と考えても良い。
【0081】
飼育者情報は、例えば、飼育者の飼育対象の種類を示す種類情報を有する。種類情報は、例えば、まぐろ、鯛、カキ、ワカメ等である。
【0082】
飼育者情報は、例えば、飼育者が飼育対象に与えている餌に関する餌情報を有する。餌情報の詳細については後述する。
【0083】
飼育者情報は、例えば、生簀識別子に対応付けて、生簀に関する生簀情報を有しても良い。生簀情報は、例えば、生簀に投入した稚魚の数、生簀の位置または領域を示す位置情報、生簀で死んだ魚の数を示す死魚数である。
【0084】
受付部12は、各種の指示や情報等を受け付ける。各種の指示や情報等とは、例えば、後述する水中生物群情報、餌情報、資産価値出力指示、画像等である。資産価値出力指示とは、資産価値の出力を促す指示である。資産価値出力指示は、通常、飼育者識別子を有する。
【0085】
受付部12は、例えば、給餌器2から餌情報等を受信する。餌情報等は、例えば、餌情報と生簀識別子である。餌情報等は、例えば、飼育者識別子を有する。ここでの餌情報は、例えば、与えた餌の重量、摂取したと推定される餌の重量、摂取されなかったと推定される餌の重量、給餌時間、一定期間(例えば、1日、1か月、1年)での給餌回数、餌を与えたことを示す情報、餌を与えた時刻に関する時刻情報(例えば、10時45分、朝、昼など)である。
【0086】
なお、摂取したと推定される餌の重量、摂取されなかったと推定される餌の重量は、例えば、後述する画像解析部131により取得されても良い。
【0087】
受付部12は、例えば、カメラ4から画像を受信する。受付部12は、画像と共に、生簀識別子を受信することは好適である。受付部12は、画像と共に、飼育者識別子を受信しても良い。なお、受付部12が受信する画像は、2以上の画像を有する動画であることは好適であるが、静止画でも良い。
【0088】
ここで、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介した外部の装置からの受信である。また、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスからユーザにより入力されても良いし、後述する画像処理等の処理により取得しても良い。また、受け付けとは、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である、と考えても良い。
【0089】
水中生物群情報受付部121は、水中生物群情報を受け付ける。水中生物群情報受付部121は、2以上の生簀ごとに水中生物群情報を受け付けることは好適である。水中生物群情報受付部121は、例えば、生簀を識別する生簀識別子と水中生物群情報とを対応付けて受け付ける。水中生物群情報受付部121は、例えば、格納部11の水中生物群情報を読み出す。
【0090】
水中生物群情報受付部121は、水中生物群情報を構成する一部の情報を受信し、一部の情報を格納部11から読み出すなど、2種類以上の異なる手段により水中生物群情報を取得しても良い。
【0091】
水中生物群情報は、飼育対象の水中生物群に関する情報である。水中生物群は、2以上の水中生物の集合である。
【0092】
水中生物群情報は、餌情報、サイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む。水中生物群情報は、餌情報とサイズ情報とを有することは好適である。水中生物群情報は、種苗ロットの仕入先に関する仕入先情報、遺伝情報(DNA)、品種により種苗の安全性をランク化した場合のランクを有することは好適である。
【0093】
水中生物群情報受付部121は、例えば、給餌器2が送信した餌情報を受信し、サイズ情報取得手段1311が取得したサイズ情報を受け付ける。
【0094】
餌情報は、2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する情報である。餌情報は、例えば、一回または一定期間(毎日、毎月、毎年)における給餌重量、単位時間当たりの給餌重量(g/秒、g/分、g/時)、一回当たり給餌時間、一定期間(例えば、1日、1か月、1年)での給餌回数、給餌タイミングに関するタイミング情報などである。タイミング情報は、例えば、朝に給餌するか否かを示す情報、昼に給餌するか否かを示す情報、晩に給餌するか否かを示す情報などである。餌情報は、例えば、給餌器2から受信される、または給餌器2から受信した外部の装置(図示しない)から受信される。
【0095】
餌情報は、例えば、餌の種類を示す餌種類情報、餌の内容物を示す餌内容物情報、餌の物性を示す餌物性情報のいずれか1以上を有しても良い。餌種類情報は、例えば、EP(沈没式、浮体式)、DP、MP、生餌(魚種)などのうちのいずれかを示す情報である。餌種類情報は、例えば、餌の安全性のレベルを示す情報でも良い。
【0096】
また、餌内容物情報は、例えば、魚粉量である。また、餌内容物情報は、例えば、代替プロテイン(微細藻類、単細胞、甲殻類、大豆などなど)の有無または量、アミノ酸の有無または量、ビタミンの有無または量、ミネラルの有無または量などである。
【0097】
また、餌物性情報は、餌のサイズ、餌の粘性、餌の色、餌の硬度などのうちの1以上を示す情報である。
【0098】
また、餌情報は、重量あたり飼料価格、飼料効率を有しても良い。飼料効率とは、飼料を与える場合の効率に関する情報であり、例えば、演算式「飼料効率(%)=100×増えた体重(湿重)/食べた餌の量(乾重)」により算出され得る。また、飼料効率は、例えば、演算式「実際飼料効率(%)=100×増えた体重(湿重)/給餌した飼料重量(乾重)」により算出され得る。なお、飼料効率を算出する演算式は、他の演算式でも良い。
【0099】
また、餌情報は、例えば、餌の種類を示す餌種類情報、餌の内容物を示す餌内容物情報、餌の物性を示す餌物性情報、重量あたり飼料価格のうちの1以上の情報を有する。
【0100】
サイズ情報は、飼育対象のサイズに関する情報である。サイズ情報は、例えば、魚の尾叉長、標準体長、全長、体高、体幅、重量のうちの1または2以上の情報である。サイズ情報は、例えば、サイズ情報取得手段1311の画像処理により取得される。なお、全長とは、体の最前端から尾鰭の後端までの長さである。また、尾叉長とは、上顎の先端から尾鰭が二叉する中央部の凹みの外縁までの長さである。また、標準体長とは、上顎の先端から尾鰭基底までの長さである。また、体高とは、体の背縁から腹縁までの垂直方向の長さである。また、体幅とは、左右の胸鰭の付け根の間の長さである。
【0101】
水中生物群情報は、例えば、飼料コスト比率、摂餌量率、無摂餌量、無摂餌量削減率、市場価格、増肉係数、実際増肉係数、飼料効率、種類情報、対象ランクを有する。なお、飼料コスト比率は、飼料コストが全体の飼育のコストに占める割合である。また、摂餌量率は、給餌した餌に対する摂取された餌の量の割合に関する情報であり、演算式「摂餌量率=摂餌量/給餌量」により算出される。無摂餌量は、給餌した餌に対する摂取されなかった餌の量の割合に関する情報であり、演算式「無摂餌量=給餌量 - 無摂餌量」により算出される。また、無摂餌量削減率は、異なる2時点での無摂餌量の比率に関する情報であり、演算式「無摂餌量削減率=無摂餌量A/無摂餌量B(A,Bは異なる2時点を表す)」により算出される。市場価格は、飼育対象の市場での価値である。市場価格は、通常、単位重量あたりの価格である。なお、増肉係数とは、単位重量分(例えば、1kg)成長するのに必要な餌の量(例えば、kg)であり、演算式「増肉係数=食べた餌の量(乾重)/増えた体重(湿重)」または演算式「実際増肉係数=給餌した飼料重量(乾重)/増えた体重(湿重)」により算出できる。なお、増肉係数および実際増肉係数は、小さいほど、より少ない量の餌で成長することを意味する。
【0102】
対象ランクとは、飼育対象の健康状態に関するランクである。対象ランクは、例えば、魚の色、オプティカルフロー、行動時間、積算移動距離、行動パターンを用いて取得され得る。対象ランクは、例えば、行動時間が長いほど、または積算移動距離が長いほど、高い数値となる。
【0103】
なお、魚の色を用いてランクを取得する方法は、例えば、以下である。例えば、画像に含まれる魚の領域の複数の画素値(RGBの値等)を利用する。つまり、魚の領域の複数の画素値の代表値(平均値、中央値など)を取得し、当該代表値が病気を示す情報であるか否かの閾値(格納部11に格納されている)を参照し、閾値より大きい場合(例えば、黄色味が強い場合)、病気であると判断され、低いランクが取得される。
【0104】
また、オプティカルフロー(運動量)を用いてランクを取得する方法は、例えば、以下である。例えば、通常遊泳時の運動量であると判断される閾値が格納部11に格納されており、オプティカルフローにより運動量の情報を取得し、当該運動量の情報が閾値以下または閾値より小さい場合に病気であると判断され、低いランクが取得される。
【0105】
同様に、行動時間、積算移動距離についても、通常遊泳時の遊泳行動から取得される単位時間(例えば、1日あたり)の累積値の閾値が格納部11に格納されており、取得された値(行動時間、積算移動距離)が、かかる累積値の閾値以下または閾値未満である場合に病気であると判断され、低いランクが取得される。
【0106】
また、行動パターンについて、通常遊泳時の遊泳行動から取得される行動パターンの情報が格納部11に格納されており、取得された行動パターンの情報が格納されている行動パターンの情報との類似度が閾値以下または閾値未満である場合に病気であると判断され、低いランクが取得される。
【0107】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、画像解析部131、資産価値取得部132が行う処理である。
【0108】
画像解析部131は、水中生物群から取得された画像を解析し、飼育対象のサイズに関するサイズ情報を取得する。
【0109】
画像解析部131は、例えば、カメラが水中生物群を撮影した1または2以上の各画像を解析し、飼育対象のサイズに関するサイズ情報を取得する。かかる画像は、カメラ4が送信し、受付部12が受信した画像であることは好適である。但し、画像は、図示しないソナーにより取得された画像でも良い。また、画像は、ユーザにより入力された画像でも良い。画像解析部131がサイズ情報を取得する処理の詳細は、サイズ情報取得手段1311の説明において述べる。
【0110】
画像解析部131は、水中生物群から取得された画像を解析し、飼育対象の種類である種類情報を取得する。
【0111】
画像解析部131は、例えば、カメラが水中生物群を撮影した1または2以上の各画像を解析し、飼育対象の種類である種類情報を取得する。但し、画像は、図示しないソナーにより取得された画像でも良い。また、画像は、ユーザにより入力された画像でも良い。画像解析部131が種類情報を取得する処理の詳細は、種類情報取得手段1312の説明において述べる。
【0112】
画像解析部131は、水中生物群から取得された1または2以上の各画像を解析し、飼育対象の水中生物の数を取得しても良い。なお、画像は、例えば、カメラ4、または図示しないソナーにより取得された画像である。また、ソナーにより水中生物の数を取得する技術は公知技術である(インターネットURL「http://www.suikei.co.jp/養殖マグロ:「養殖マグロ、「音響カーテン」通過させ尾数正しく算出」参照)。
【0113】
画像解析部131は、例えば、カメラ4が水中生物群を撮影した1または2以上の各画像を解析し、飼育対象の水中生物の数を取得しても良い。
【0114】
画像解析部131は、例えば、画像から水中生物を認識し、当該認識した水中生物の数を算出する。なお、画像の中のオブジェクトを認識する技術、および画像の中のオブジェクトの数を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。なお、かかる画像は、360度カメラで取得した画像であることは好適である。また、画像解析部131は、2以上の各画像の中の水中生物の数を取得し、例えば、最大数を水中生物の数とすることは好適である。
【0115】
画像解析部131は、例えば、画像を解析し、生簀の底に沈んでいる水中生物の数を取得しても良い。かかる水中生物の数は、例えば、死魚数である。
【0116】
サイズ情報取得手段1311は、水中生物群から取得された1または2以上の画像から、2以上の飼育対象を検知し、2以上の各飼育対象のサイズを取得する。
【0117】
サイズ情報取得手段1311は、2以上の各飼育対象のサイズの代表値であるサイズ情報を取得することは好適である。ここで、代表値とは、例えば、平均値、中央値である。ただし、代表値は、最大値等でも良い。
【0118】
サイズ情報取得手段1311は、例えば、1または2以上の各画像から水中生物を検知し、当該検知した水中生物の幅、高さ、奥行きの情報のうちの1または2以上を取得する。サイズ情報取得手段1311は、水中生物が正面を向いていることを検知した場合の画像を採用することは好適である。画像から特定のオブジェクトを検知する技術は公知の画像認識技術であるので、ここでの説明は省略する。また、画像内のオブジェクトのサイズを取得する技術は公知技術であるので、ここでの説明は省略する。なお、サイズ情報取得手段1311は、例えば、図4に示すように、魚の尾叉長、全長、体高、体幅を、画像から取得する。そして、サイズ情報取得手段1311は、取得したサイズ情報のうちの1または2以上の情報を用いて、重量を取得する。サイズ情報取得手段1311は、例えば、尾叉長、体高、体幅をパラメータとする増加関数の演算式により、重量を算出する。なお、かかる演算式は、格納部11に格納されている。サイズ情報取得手段1311は、例えば、距離画像またはステレオカメラを用いて、オブジェクトの各箇所のサイズを取得する。
【0119】
種類情報取得手段1312は、水中生物群から取得された画像を解析し、飼育対象の種類である種類情報を取得する。なお、飼育対象とは、ここでは水中生物である。なお、画像の取得方法は、上述したように、カメラ4を使用して取得する方法、ソナーにより取得する方法、ユーザから受け付ける方法等、問わない。
【0120】
種類情報取得手段1312は、例えば、機械学習のアルゴリズムにより、種類情報を取得する。つまり、種類情報取得手段1312は、例えば、各種類情報に対応する1または2以上の画像を学習させ、学習器を構築し、当該学習器を格納部11に蓄積しておく。なお、機械学習において、学習器を構成するためには、例えば、機械学習の関数(例えば、fasttext、TinySVM、各種のrandomForest関数等)に、入力となる情報群(画像、または画像から取得される素性を要素とするベクトルと出力させたい種類情報とを引数として与えると学習器が得られる。
【0121】
そして、種類情報取得手段1312は、1または2以上の各画像から水中生物を検知し、当該検知した飼育物の領域を切り出し、機械学習のアルゴリズムにより、切り出した部分画像を学習器に適用し、種類情報を取得する。なお、機械学習のアルゴリズムは、深層学習、SVM、決定木、ランダムフォレスト等であり、問わないことは言うまでもない。また、機械学習において、機械学習の関数(例えば、fasttext、TinySVM、各種のrandomForest関数等)に、切り出した部分画像または当該部分画像から取得される素性を要素とするベクトル、および学習器を引数として与えると種類情報が得られる。
【0122】
SVMのアルゴリズムを採用する場合、種類情報取得手段1312は、各種類情報に対応する1または2以上の画像からベクトルを構成し、種類情報ごとに正例のベクトルと負例のベクトルとを学習させ、種類情報ごとに学習器を構築し、当該学習器を格納部11に蓄積しておく。なお、例えば、種類情報ごとに、当該種類情報に対応する画像から正例のベクトルを構成し、他の種類情報に対応する画像から負例のベクトルを構成する。そして、種類情報取得手段1312は、1または2以上の各画像から水中生物を検知し、当該検知した飼育物の領域を切り出し、切り出した部分画像を、各種類情報ごとの学習器に適用し、スコアを取得する。そして、種類情報取得手段1312は、スコアが最大の学習器に対応する種類情報を取得する。
【0123】
種類情報取得手段1312は、例えば、対応表を用いて種類情報を取得する。つまり、種類情報取得手段1312は、例えば、種類情報と学習情報との対である2以上の対応情報を有する対応表を格納部11に格納しておく。なお、学習情報は、対応する種類情報の種類の飼育対象の画像をベクトル化した情報である。そして、種類情報取得手段1312は、1または2以上の各画像から水中生物を検知し、当該検知した飼育物の領域を切り出し、切り出した部分画像をベクトル化し、当該ベクトルに最も近似する学習情報(ベクトル)と対になる種類情報を取得する。
【0124】
資産価値取得部132は、水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する。つまり、資産価値取得部132は、餌情報、飼育対象のサイズ情報のうちの1または2以上の情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する。なお、かかる水中生物群情報は、水中生物群情報受付部121が受け付けた情報である。
【0125】
資産価値取得部132は、餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の資産価値を取得することは好適である。餌の量に関する情報は、例えば、一回または一定期間(毎日、毎月、毎年)での給餌重量、時間当たり給餌重量(g/秒、g/分、g/時)、一回当たり給餌時間、一定期間(日、月、年)での給餌回数のうちの1以上の情報である。
【0126】
資産価値取得部132は、サイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の資産価値を取得する。
【0127】
資産価値取得部132は、2以上の生簀ごとに水中生物群の資産価値を取得することは好適である。
【0128】
ここで、資産価値とは、通常、金額であるが、ランクなどでも良い。ランクは、資産のランクであり、例えば、5段階、10段階、100段階等、そのクラス数は問わない。
【0129】
資産価値取得部132は、後述するコストアプローチ手段1321が取得した第一の資産価値、後述するマーケットアプローチ手段1322が取得した第二の資産価値のうちの1以上の情報を用いて、資産価値を取得することは好適である。
【0130】
資産価値取得部132は、例えば、第一の資産価値、第二の資産価値を含む2以上の資産価値から最大または最小または平均の資産価値を取得しても良い。かかる最大の資産価値は、出力対象の資産価値である。資産価値取得部132は、例えば、第一の資産価値、第二の資産価値を含む2以上の資産価値を統計処理した結果の資産価値を取得しても良い。
【0131】
コストアプローチ手段1321は、餌情報が餌の量に関する情報であり、多い餌の量に関する情報であるほど高い値の第一の資産価値を取得する。コストアプローチ手段1321は、サイズ情報をも用いて第一の資産価値を取得しても良い。コストアプローチ手段1321は、通常、サイズ情報が大きいサイズを示す情報である場合に、高い値の第一の資産価値を取得する。
【0132】
コストアプローチ手段1321は、例えば、以下の(1)から(3)のいずれかの演算式により、水中生物の育成に必要な飼料コストを算出する。なお、すべての演算式は、例えば、格納部11に格納されている、とする。
(1)飼料コスト=水中生物の重量×増肉係数または実際増肉係数×単位重量あたり飼料価格
(2)飼料コスト= 総給餌量×単位重量あたり飼料価格
(3)飼料コスト= 時間あたり給餌重量×一回あたり給餌時間×給餌回数×単位重量あたり飼料価格
【0133】
なお、単位重量あたり飼料価格、単位重量あたり飼料価格、単位重量あたり飼料価格等は、予め格納部11に格納されている、とする。また、水中生物の重量は、サイズ情報から取得された値である。
【0134】
また、例えば、1尾当たり育成総コストは、演算式「1尾当たり育成総コスト=1尾あたり資産価値=飼料コスト/飼料コスト比率」により算出する。なお、飼料コスト比率は、飼料コストが全体の飼育のコストに占める割合であり、例えば、予め格納部11に格納されている、とする。飼料コスト比率は、例えば、0.7、0.6等である。
【0135】
また、例えば、1生簀当たり育成総コストは、演算式「1生簀当たり育成総コスト=1生簀あたり資産価値=1尾あたり育成総コスト×生簀内尾数」により算出する。なお、1生簀当たり育成総コストは、1生簀当たりの第一の資産価値である。また、生簀内尾数は、上述したように、画像解析部131が取得しても良いし、生簀識別子または飼育者識別子に対応付けて予め格納部11に格納されていても良い。生簀内尾数は、例えば、「予め格納されている稚魚数-死魚数」により算出されても良い。
【0136】
さらに、1事業者の動産の資産価値(例えば、養殖魚資産と言う。)は、演算式「1事業者の動産の資産価値=各生簀あたり育成総コストの総和」により算出する。なお、1事業者の動産の資産価値は、1事業者当たりの第一の資産価値である。つまり、コストアプローチ手段1321は、一の飼育者の飼育者識別子と対になる1以上の各生簀識別子に対応する育成総コストを加算し、1事業者当たりの第一の資産価値を算出する。
【0137】
マーケットアプローチ手段1322は、サイズ情報が大きいサイズを示す情報であるほど高い値の第二の資産価値を取得する。マーケットアプローチ手段1322は、重量が大きいほど高い値の第二の資産価値を取得する。
【0138】
なお、マーケットアプローチ手段1322は、餌情報をも用いても良い。サイズ情報は、例えば、サイズ情報取得手段1311が取得した情報であるが、水中生物群情報受付部121が受け付けた水中生物群情報に含まれていても良い。
【0139】
マーケットアプローチ手段1322は、例えば、1尾当たり市場価値を演算式「1尾当たり市場価値=1尾あたり資産価値= 飼育対象の重量×市場価格」により算出する。なお、単位重量あたりの市場価格は、予め格納部11に格納されている、とする。
【0140】
また、マーケットアプローチ手段1322は、例えば、1生簀当たり市場価値を演算式「1生簀当たり市場価値=1生簀あたり資産価値=1尾あたり市場価値×生簀内尾数」により算出する。なお、1生簀当たり市場価値は、1生簀当たりの第二の資産価値である。
【0141】
さらに、マーケットアプローチ手段1322は、例えば、1事業者の動産価値を演算式「1事業者の動産価値=各生簀あたり市場価値の総和」により算出する。なお、1事業者の動産価値は、1事業者当たりの第二の資産価値である。つまり、マーケットアプローチ手段1322は、一の飼育者の飼育者識別子と対になる1以上の各生簀識別子に対応する市場価値を加算し、1事業者当たりの第二の資産価値を算出する。
【0142】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、資産価値、第一の資産価値、第二の資産価値である。ここで、出力とは、通常、外部の装置への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である、と考えても良い。
【0143】
資産価値出力部141は、資産価値取得部132が取得した資産価値を出力する。資産価値出力部141は、第一の資産価値と第二の資産価値とを含む2以上の資産価値、または2以上の資産価値の代表値を出力しても良い。
【0144】
資産価値出力部141は、例えば、第一の資産価値と第二の資産価値とを含む2以上の資産価値のうち、最大または最小または平均の資産価値を出力する。
【0145】
資産価値出力部141は、2以上の生簀ごとに資産価値を出力することは好適である。
【0146】
給餌器2を構成する給餌格納部21には、例えば、生簀識別子、機器識別子、種類情報、給餌量情報、タイミング情報などが格納される。格納される種類情報は、例えば、給餌器2が設けられた生簀で飼育されている飼育対象(例えば、魚)の種類を示す。給餌量情報とは、予め設定されている給餌量を示す情報である。タイミング情報とは、予め設定されている給餌タイミングに関す情報である。タイミング情報は、例えば、前述した残存量情報を取得するタイミングと同じでよい。なお、予め設定される情報(給餌量を示す情報、給餌タイミングに関す情報等)は、任意に設定可能であることは言うまでもない。また、給餌器2は、任意のタイミングでマニュアル操作によって給餌を行うことが可能であることは好適である。
【0147】
給餌処理部22は、各種の処理を行う。給餌処理部22は、タイミング情報が示すタイミングになった場合に、給餌のための処理を行う。給餌のための処理とは、例えば、給餌器2の餌を行う口を開け、給餌量情報が示す給餌量の餌が出された後に当該口を閉じる処理である。給餌のための処理とは、例えば、給餌量情報が示す給餌量の餌を、餌が確保されている容器(図示しない)から取り出し、生簀に投入する処理である。その他、給餌のための処理は問わない。
【0148】
給餌処理部22は、例えば、残存量センサを用いて、残存量情報を取得する。給餌処理部22は、例えば、給餌量を取得する。また、給餌処理部22は、例えば、環境センサを用いて、環境情報を取得する。
【0149】
残存量情報とは、餌の残存量に関する情報である。残存量とは、給餌器2に残っている餌の量である。残存量に関する情報とは、例えば、残存量であるが、使用量でもよい。使用量とは、給餌器2から生簀に投入された餌の量である。使用量は、例えば、予め決められた量から残存量を減算した結果である。予め決められた量とは、例えば、給餌器2が有する容器に収納可能な餌の量(以下、容量と記す場合がある)である。また、給餌器2が餌の重量を計測可能である場合、残存量は重量により取得されても良い。
【0150】
また、環境情報とは、環境に関する情報である。環境とは、通常、魚等の飼育対象が飼育されている環境である。環境は、例えば、生簀内の環境であるが、生簀が設置されている場所の環境でもよい。生簀が設置されている場所とは、前述したように、例えば、海洋、湖沼、河川等の水中、または陸上の溜池などであるが、海洋等が存在する地域の環境でもよい。または、環境は、かかる局所的な環境に限らず、地球全体の環境も含むと考えてもよい。
【0151】
環境情報は、例えば、水温、塩分濃度、溶存酸素量、透明度、流速などの値であるが、環境センサで検知し得る物理量や化学成分等であれば、その種類は問わない。また、環境情報は、例えば、現時点での値でもよいし、予め決められた期間の平均値でもよい。期間とは、例えば、一年間、3カ月間等であるが、その長短は問わない。また、期間とは、例えば、現時点までの期間(例えば、直近3カ月、当年等)であるが、過去の一定期間(例えば、先月までの3カ月間、前年等)でもよい。さらに、環境情報は、例えば、後述する1以上のパラメータの1つであってもよい。
【0152】
給餌送信部23は、各種の情報を送信する。各種の情報とは、例えば、給餌処理部22が取得した残存量情報、使用した餌の量を示す給餌量情報、給餌処理部22が取得した環境情報などである。給餌送信部23は、取得された残存量等の情報を、通常、資産価値出力装置1に送信するが、例えば、ユーザ端末3など、他の装置に送信してもよい。また、給餌送信部23は、例えば、給餌格納部21に格納されている生簀識別子、機器識別子、種類情報、タイミング情報と共に、残存量情報、給餌量情報、環境情報等を送信しても良い。
【0153】
給餌受信部24は、例えば、ユーザ端末3から各種の指示を受信する。各種の指示とは、例えば、残存量情報または環境情報などの送信指示である。
【0154】
ユーザ端末3を構成するユーザ格納部31には、例えば、ユーザ識別子、端末識別子などの情報が格納される。ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、住所・氏名、携帯電話番号、メールアドレスなどであるが、IDでもよく、ユーザを識別し得る情報であれば何でもよい。端末識別子とは、ユーザ端末3を識別する情報である。端末識別子は、例えば、IPアドレスであるが、IDでもよいし、ユーザ識別子と兼用でもよく、ユーザ端末3を識別し得る情報であれば何でもよい。
【0155】
ユーザ受付部32は、ユーザから指示や情報等を受け付ける。指示や情報等とは、例えば、資産価値出力指示、後述する保険情報出力指示である。
【0156】
ユーザ受付部32は、指示や情報等を、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどの入力デバイスを介して受け付けるが、他の装置から受信してもよい。
【0157】
ユーザ処理部33は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、ユーザ受信部35が各種の情報を出力する情報の構造にすること、ユーザ受付部32が受け付けた指示や情報等を送信する情報の構造にすること等である。
【0158】
ユーザ送信部34は、指示や情報等を資産価値出力装置1に送信する。指示や情報等とは、例えば、資産価値出力指示である。また、ユーザ送信部34は、後述する保険情報出力装置5に送信する。指示や情報等とは、例えば、保険情報出力指示である。
【0159】
ユーザ受信部35は、例えば、資産価値出力装置1から各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、資産価値である。また、ユーザ受信部35は、例えば、後述する保険情報出力装置5から各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、後述する保険情報である。
【0160】
ユーザ出力部36は、例えば、ユーザ受信部35が受信した各種の情報を出力する。なお、ユーザ出力部36による出力は、通常、ディスプレイ等の出力デバイスを介した出力であるが、例えば、記録媒体への蓄積でも、他の機能や他のプログラムへの処理結果の引渡しでもよいし、他の装置への送信でも構わない。
【0161】
格納部11、飼育者情報格納部111、給餌格納部21、およびユーザ格納部31は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0162】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0163】
受付部12、水中生物群情報受付部121、給餌受信部24、およびユーザ受信部35は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0164】
処理部13、画像解析部131、サイズ情報取得手段1311、種類情報取得手段1312、資産価値取得部132、コストアプローチ手段1321、マーケットアプローチ手段1322、給餌処理部22、およびユーザ処理部33は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0165】
出力部14、資産価値出力部141、給餌送信部23、およびユーザ送信部34は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0166】
ユーザ受付部32は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0167】
ユーザ出力部36は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。ユーザ出力部36は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0168】
次に、情報システムAの動作について説明する。まず、資産価値出力装置1の動作例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0169】
(ステップS501)受付部12は、資産価値出力指示を受け付けたか否かを判断する。資産価値出力指示を受け付けた場合はステップS502に行き、資産価値出力指示を受け付けなかった場合はステップS509に行く。なお、ここで、受付部12は、例えば、資産価値出力指示をユーザ端末3から受信する。また、資産価値出力指示は、水中生物群情報の一部または全部を有しても良い。
【0170】
(ステップS502)処理部13は、資産価値出力指示が有する飼育者識別子を取得する。
【0171】
(ステップS503)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
【0172】
(ステップS504)処理部13は、ステップS502で取得した飼育者識別子と対になるi番目の生簀識別子が飼育者情報格納部111に存在するか否かを判断する。i番目の生簀識別子が存在する場合はステップS505に行き、i番目の生簀識別子が存在しない場合はステップS507に行く。
【0173】
(ステップS505)処理部13は、i番目の生簀識別子で識別される生簀で飼育されている水中生物群の資産価値を取得する。かかる生簀資産価値取得処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0174】
(ステップS506)処理部13は、カウンタiに1を1、インクリメントする。ステップS504に戻る。
【0175】
(ステップS507)資産価値取得部132は、1または2以上の生簀の資産価値から、ステップS502で取得した飼育者識別子で識別される飼育者が飼育している水中生物群の資産価値を取得する。資産価値取得部132は、通常、生簀の資産価値の合計を飼育者が飼育している水中生物群の資産価値として取得する。
【0176】
(ステップS508)資産価値出力部141は、ステップS507で取得された資産価値を出力する。ステップS501に戻る。資産価値出力部141は、ステップS505で取得した1以上の生簀単位での資産価値を出力しても良い。なお、ここで、出力とは、例えば、資産価値出力指示を送信してきたユーザ端末3への資産価値の送信である。
【0177】
(ステップS509)受付部12は、画像等をカメラ4から受信したか否かを判断する。画像等を受信した場合はステップS510に行き、受信しなかった場合はステップS511に行く。なお、画像等は、例えば、画像と生簀識別子である。画像等は、例えば、画像と生簀識別子と飼育者識別子である。画像等は、例えば、当該画像を撮影したカメラ4を識別するカメラ識別子を有しても良い。
【0178】
(ステップS510)処理部13は、ステップS509で受信された画像を、対応する生簀識別子に対応付けて、格納部11に蓄積する。ステップS501に戻る。
【0179】
(ステップS511)受付部12は、餌情報等を給餌器2から受信したか否かを判断する。餌情報等を受信した場合はステップS512に行き、受信しなかった場合はステップS501に戻る。なお、餌情報等は、例えば、餌情報と生簀識別子である。餌情報等は、例えば、餌情報と生簀識別子と飼育者識別子である。餌情報は、例えば、与えた餌の重量、給餌時間、餌を与えた時刻に関する時刻情報のうちの1以上の情報を有する。
【0180】
(ステップS512)処理部13は、生簀識別子に対応付けて、餌情報を格納部11に蓄積する。ステップS501に戻る。
【0181】
なお、図5のフローチャートにおいて、処理部13は、蓄積された餌情報(例えば、与えた餌の重量、給餌時間、餌を与えた時刻に関する時刻情報)の集合を用いて、一回における給餌重量の平均値を算出する処理、一定期間(毎日、毎月、毎年)における給餌重量である総合給餌重量を算出する処理、累積給餌時間を算出する処理、タイミング情報を取得する処理、飼料効率を算出する処理、無摂餌量削減率を算出する処理、実際増肉係数を算出する処理のうちの1以上の処理を行っても良い。なお、かかる処理のタイミングは問わない。処理部13は、例えば、予め決められた時刻になった時、または資産価値出力指示が受け付けられた時に、かかる処理を行う。
【0182】
また、図5のフローチャートにおいて、一の生簀のみの資産価値を取得し、出力する処理を行っても良い。
【0183】
さらに、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0184】
次に、ステップS505の生簀資産価値取得処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0185】
(ステップS601)処理部13は、資産価値の取得の対象である生簀の生簀識別子を取得する。
【0186】
(ステップS602)画像解析部131は、ステップS601で取得された生簀識別子と対になる1以上の画像であり、条件に合致する画像を格納部11から取得する。なお、条件は、例えば、画像に対応する時刻情報(撮影時刻を示す情報)が予め決められた条件を満たすほど最近であることである。また、条件は、例えば、給餌の時間帯ではないことである。なお、画像解析部131は、現在、カメラ4から受信された画像であり、ステップS601で取得された生簀識別子に対応付いている1以上の画像を取得しても良い。
【0187】
(ステップS603)サイズ情報取得手段1311は、ステップS602で取得された1以上の画像を用いて、飼育対象のサイズ情報等を取得する処理を行う。サイズ情報等取得処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、ステップS601で取得された生簀識別子で識別される生簀の中の飼育対象の尾数である生簀内尾数をも取得する。
【0188】
(ステップS604)種類情報取得手段1312は、ステップS602で取得された1以上の画像を用いて、飼育対象の水中生物の種類を取得する。なお、種類情報取得手段1312は、格納部11に格納されている種類情報であり、生簀識別子または飼育者識別子と対になる種類情報を取得しても良い。
【0189】
(ステップS605)処理部13は、ステップS603で取得されたサイズ情報を用いて、重量を取得する。処理部13は、ステップS604で取得された種類情報をも用いて重量を取得することは好適である。処理部13は、例えば、ステップS604で取得された種類情報に対応する重量算出の演算式を格納部11から読み出し、当該演算式に1または2以上のサイズ情報を代入し、演算式を実行することにより重量を算出する。なお、演算式は、例えば、取得されたサイズ情報(例えば、尾叉長、全長、体高)をパラメータとする増加関数である。また、処理部13は、例えば、ステップS604で取得された種類情報に対応する対応表(重量取得のための表)から、取得されたサイズ情報に該当するサイズ情報の範囲と対になる重量を、対応表から取得する。なお、かかる場合、対応表は、サイズの範囲を示す情報と重量とを対に有する2以上の対応情報を有する表である。なお、ここで取得される重量は、例えば、生簀内の水中生物の平均的な重量である。
【0190】
(ステップS606)資産価値取得部132は、生簀識別子に対応する餌情報を取得する。
【0191】
(ステップS607)コストアプローチ手段1321は、取得した餌情報を用いて、飼料コストを算出する。また、コストアプローチ手段1321は、例えば、飼料コスト、生簀内尾数を用いて、当該生簀の育成総コストである当該生簀の第一の資産価値を算出する。
【0192】
(ステップS608)マーケットアプローチ手段1322は、例えば、ステップS605で取得された重量、単位重量あたりの市場価値、生簀内尾数を用いて、当該生簀の第二の資産価値を算出する。
【0193】
(ステップS609)資産価値取得部132は、第一の資産価値、第二の資産価値を用いて、当該生簀の資産価値を取得する。上位処理にリターンする。
【0194】
次に、ステップS603のサイズ情報等取得処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0195】
(ステップS701)サイズ情報取得手段1311は、1または2以上の各画像から、飼育対象の水中生物のオブジェクト認識を行う。
【0196】
(ステップS702)サイズ情報取得手段1311は、カウンタiに1を代入する。
【0197】
(ステップS703)サイズ情報取得手段1311は、ステップS701で認識したオブジェクトの中に、i番目のオブジェクトが存在するか否かを判断する。i番目のオブジェクトが存在する場合はステップS704に行き、i番目のオブジェクトが存在しない場合はステップS707に行く。
【0198】
(ステップS704)サイズ情報取得手段1311は、画像の中のi番目のオブジェクトの形状が条件に合致するか否かを判断する。条件に合致する場合はステップS705に行き、条件に合致しない場合はステップS706に行く。なお、形状が条件に合致する場合とは、例えば、画像内のオブジェクトの形状が飼育対象の正面の形状であること、または画像内のオブジェクトの形状が飼育対象の前面の形状であることである。その他、形状が条件に合致する場合とは、例えば、画像内のオブジェクトの形状が飼育対象の上面の形状であることである。また、かかる判断は、予め飼育対象の各面の形状を学習させておき、機械学習(深層学習、ランダムフォレスト等)により可能である。
【0199】
(ステップS705)サイズ情報取得手段1311は、画像の中のi番目のオブジェクトの1または2以上のサイズ情報を取得し、図示しないバッファに蓄積する。なお、かかるサイズ情報は、例えば、魚の尾叉長、全長、体高、体幅のうちの1以上の情報である。また、1以上のサイズ情報は、どこのサイズかを識別可能なように蓄積される。どこのサイズかを識別可能なように蓄積されることは、例えば、サイズの場所を識別する属性名(例えば、尾叉長、全長、体高、体幅)に対応付けて、サイズ情報が蓄積される。
【0200】
(ステップS706)サイズ情報取得手段1311は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS703に戻る。
【0201】
(ステップS707)サイズ情報取得手段1311は、1または2以上のオブジェクトのサイズ情報を用いて、サイズの種類(例えば、尾叉長、全長、体高、体幅)ごとに、サイズの代表値(例えば、平均値、中央値など)を取得する。
【0202】
(ステップS708)サイズ情報取得手段1311は、飼育対象の数を取得する。上位処理にリターンする。
【0203】
次に、給餌器2の動作例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0204】
(ステップS801)給餌処理部22は、給餌格納部21のタイミング情報を用いて、給餌のタイミングであるか否かを判断する。給餌のタイミングである場合はステップS802に行き、給餌のタイミングでない場合はステップS806に行く。
【0205】
(ステップS802)給餌処理部22は、給餌のための処理を行う。なお、ここで、例えば、給餌が完了するまで、ウェイトする。
【0206】
(ステップS803)給餌処理部22は、給餌量情報、残存量情報を取得する。また、給餌処理部22は、生簀識別子、機器識別子、種類情報を給餌格納部21から取得する。さらに、給餌処理部22は、図示しない時計から時刻情報を取得する。
【0207】
(ステップS804)給餌処理部22は、ステップS803で取得した情報から送信する情報を構成する。なお、送信する情報は、例えば、給餌量情報、残存量情報、生簀識別子、機器識別子、種類情報、時刻情報のうちの1または2以上の情報を含む。
【0208】
(ステップS805)給餌送信部23は、ステップS804で構成された情報を資産価値出力装置1に送信する。ステップS801に戻る。
【0209】
(ステップS806)給餌処理部22は、環境情報を取得するタイミングであるか否かを判断する。環境情報を取得するタイミングであればステップS807に行き、環境情報を取得するタイミングでなければステップS808に行く。なお、環境情報を取得するタイミングは、例えば、常時、一定時間間隔(例えば、10分ごと、1時間ごと等)、指示を受け付けた場合等であり、タイミングは問わない。
【0210】
(ステップS807)給餌処理部22は、環境センサを用いて、環境情報を取得する。そして、給餌処理部22は、当該環境情報を給餌格納部21に蓄積する。なお、かかる場合、給餌処理部22は、図示しない時計から時刻情報を取得し、当該時刻情報に対応付けて境情報を蓄積することは好適である。
【0211】
(ステップS808)給餌送信部23は、環境情報等を送信するタイミングであるか否かを判断する。環境情報等を送信するタイミングであればステップS809に行き、環境情報等を送信するタイミングでなければステップS801に戻る。なお、環境情報等を送信するタイミングは問わない。環境情報を送信するタイミングは、例えば、常時、一定時間間隔(例えば、10分ごと、1時間ごと等)、指示を受け付けた場合等である。
【0212】
(ステップS809)給餌処理部22は、給餌格納部21の環境情報を取得する。また、給餌処理部22は、給餌格納部21の生簀識別子または機器識別子を取得する。そして、給餌処理部22は、環境情報と生簀識別子、または環境情報と機器識別子を用いて送信する情報を構成する。
【0213】
(ステップS810)給餌送信部23は、ステップS809で構成された情報を送信する。なお、情報の送信先は、例えば、資産価値出力装置1、またはユーザ端末3である。ステップS801に戻る。
【0214】
次に、ユーザ端末3の動作について説明する。まず、ユーザ受付部32は、ユーザから指示や情報等を受け付ける。次に、ユーザ処理部33は、ユーザ受付部32が受け付けた指示や情報等を送信する情報の構造にする。次に、ユーザ送信部34は、構成された情報を資産価値出力装置1に送信する。かかる構成された情報は、例えば、資産価値出力指示である。
【0215】
なお、ユーザ送信部34は、構成された情報を給餌器2に送信しても良い。かかる構成された情報は、例えば、環境情報の取得指示である。
【0216】
次に、ユーザ受信部35は、資産価値出力装置1または給餌器2から、送信した指示に対応する情報を受信する。なお、かかる情報は、例えば、資産価値、環境情報である。そして、ユーザ処理部33は、ユーザ受信部35が各種の情報を出力する情報の構造にする。次に、ユーザ出力部36は、かかる構成された情報を出力する。
【0217】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作について説明する。情報システムAの概念図は図1である。本具体例において、飼育対象は魚であり、情報システムAにおいて、養殖している魚の生簀ごとの資産価値、および飼育者ごとの資産価値を算出する場合について説明する。
【0218】
今、資産価値出力装置1の格納部11の飼育者情報格納部111には、図9に示す構造を有する飼育者情報管理表が格納されている。飼育者情報管理表には、「飼育者識別子」「生簀識別子」「種類情報」「飼料価格」「稚魚数」「位置情報」「死魚数」を有するレコードが、2以上、格納されている。「種類情報」は、対応する生簀識別子で識別される生簀で飼育されている水中生物の」種類である。「種類情報」は、例えば、種類情報取得手段1312が、カメラ4から受信された画像に対して画像認識し、取得した情報である。「種類情報」は、ユーザが入力し、ユーザ端末3から受信された情報でも良い。「飼料価格」は、飼育に使用する飼料の単位量あたり価格であり、例えば、ユーザが入力し、ユーザ端末3から受信された情報である。「稚魚数」は、生簀に最初に入れられた稚魚の数である。「稚魚数」は、例えば、ユーザが入力し、ユーザ端末3から受信された情報である。「位置情報」は、生簀の位置を示す情報であり、ここでは生簀の領域を示す矩形領域であり、矩形の2点(例えば、左上の地点、右下の地点)の(緯度,経度)の情報である。「死魚数」は、飼育中に死んだ魚の数である。「死魚数」は、例えば、画像解析部131が、受信された生簀の中の画像から底に沈んでいる飼育対象を認識し、認識した飼育対象の数を取得し、得た情報である。ただし、「死魚数」は、ユーザが入力し、ユーザ端末3から受信された情報でも良い。
【0219】
また、格納部11には、図10に示す飼料コスト比率管理表が格納されている。飼料コスト比率管理表は、飼育対象の種類に応じた飼料コスト比率を管理する表である。飼料コスト比率管理表は、「ID」「種類情報」「飼料コスト比率」を有するレコードを1以上格納している。なお、「ID」はレコードを識別する情報である。
【0220】
また、格納部11には、図11に示す対象市場価格管理表が格納されている。対象市場価格管理表は、飼育対象の単位重量当たりの市場価格を管理する表である。対象市場価格管理表は、「ID」「種類情報」「単位重量当たりの市場価格」を有するレコードを1以上格納している。なお、「ID」はレコードを識別する情報である。なお、単位重量は、例えば、1kg、または100gであるが、問わない。「市場価格」は、ここでは、例えば、円である。
【0221】
また、格納部11には、図12に示す構造を有する給餌情報管理表が格納されている。給餌情報管理表は、給餌に関する情報を管理する表である。給餌情報管理表には、「ID」「飼育者識別子」「生簀識別子」「時刻情報」「給餌量情報」「摂餌量情報」「残存量情報」「給餌時間」を有するレコードが、2以上、格納され得る。給餌情報管理表の各レコードの「時刻情報」「給餌量情報」「残存量情報」「給餌時間」は、例えば、給餌が行われた場合に、給餌器2から受信される餌情報に基づく。
【0222】
なお、「摂餌量情報」は、例えば、以下のように取得される。つまり、画像解析部131が、給餌開始から直後の画像を画像解析し、飼育対象が餌を摂取しない時間を画像解析により取得し、または餌の摂取後の画像を解析し、底に存在する餌の量を取得し、かかる餌を摂取しない時間、底に存在する餌の量のいずれか1以上を演算式に代入し、演算することにより、摂取されなかった餌の量を算出し、給餌量情報が示す給餌量から摂取されなかった餌の量を減算し、摂餌量情報を得る。なお、かかる演算式は、餌を摂取しない時間、底に存在する餌の量をパラメータとする増加関数である。また、摂餌量情報は、例えば、ユーザ端末3から受信される給餌量に対する摂餌量の割合を用いて、「摂餌量情報=給餌量情報×割合」により算出されても良い。
【0223】
また、「給餌時間」は、カメラ4から受信された動画(2以上の静止画の集合)から、画像解析部131が給餌の開始時点および給餌の終了時点を自動的に検知し、処理部13が、開始時点から終了時点までの時間を取得しても良い。かかる場合、処理部13は、例えば、画像に対応付いている時刻情報を用いても良いし、画像に対応付いているフィールド識別子とフレームレートとを用いて時刻情報を用いても良い。
【0224】
また、格納部11には、魚の各種類情報に対応付けて、重量を算出する演算式である重量算出演算式が格納されている、とする。また、重量算出演算式は、尾叉長、体高、体幅をパラメータとする増加関数である、とする。なお、重量算出演算式は、種類情報に応じて異なることは好適であるが、2以上の種類情報に対応する演算式が同じでも良い。
【0225】
さらに、格納部11には、図13に示す構造を有する飼育対象情報管理表が格納されている。飼育対象情報管理表は、生簀ごとに飼育対象に関する情報が格納される表である。飼育対象情報管理表には、「飼育者識別子」「生簀識別子」「サイズ情報」「重量」「総給餌量」「総摂餌量」「尾数」を有するレコードが、2以上、格納され得る。「サイズ情報」は、「尾叉長」「全長」「体高」「体幅」を有する。図13に示す飼育対象情報管理表は、2018年6月末時点での各生簀の状況である。また、「サイズ情報」の各属性値は、その生簀における魚の平均のサイズである、とする。
【0226】
また、「サイズ情報」の各属性値は、例えば、サイズ情報取得手段1311が、生簀ごとに、2018年6月30日に送信された画像を画像解析し、上述したアルゴリズムにより、取得した値である、とする。また、「重量」は、処理部13が、生簀識別子に対応する種類情報を図9の管理表から取得し、当該種類情報と対になる重量算出演算式を格納部11から取得し、当該重量算出演算式に、尾叉長、体高、体幅を代入し、実行することにより得て、蓄積した値である。
【0227】
「総給餌量」は、処理部13が、図12の給餌情報管理表から、生簀識別子に対応するレコードを取得し、当該レコードが有する給餌量情報を加算することにより取得し、蓄積した値である。
【0228】
「総摂餌量」は、処理部13が、図12の給餌情報管理表から、生簀識別子に対応するレコードを取得し、当該レコードが有する摂餌量情報を加算することにより取得し、蓄積した値である。
【0229】
「尾数」は、処理部13が、図9の飼育者情報管理表から、生簀識別子に対応するレコードを取得し、当該レコードの「稚魚数」から「死魚数」を減算することにより取得し、蓄積した値である。また、「尾数」は、ソナーや画像を用いて取得されても良いことは言うまでもない。つまり、「尾数」の取得方法は問わない。
【0230】
かかる状況において、飼育者「b01」は、ユーザ端末3に資産価値出力指示を入力した、とする。すると、ユーザ受付部32は、ユーザから資産価値出力指示を受け付ける。そして、ユーザ処理部33は、ユーザ格納部31の飼育者識別子「b01」を読み出し、飼育者識別子「b01」を有する資産価値出力指示を構成する。次に、ユーザ送信部34は、かかる資産価値出力指示を資産価値出力装置1に送信する。
【0231】
次に、資産価値出力装置1の受付部12は、資産価値出力指示を受信する。次に、処理部13は、受信された資産価値出力指示が有する飼育者識別子「b01」を取得する。
【0232】
次に、処理部13は、飼育者識別子「b01」と対になる1番目の生簀識別子「c01」で識別される生簀で飼育されている水中生物群の資産価値を、以下のように算出する。
【0233】
つまり、まず、コストアプローチ手段1321は、生簀識別子「c01」と対になるサイズ情報、重量、総給餌量、総摂餌量を図13の管理表から読み出す。
【0234】
次に、コストアプローチ手段1321は、格納部11に格納されている前月の重量(図示しないが、W01とする)と今月の重量W11との差「W11-W01」を算出する。次に、コストアプローチ手段1321は、総給餌量「TF11」と「W11-W01」とを用いて、実際増肉係数「実際増肉係数=TF11/(W11-W01)」を算出する。なお、実際増肉係数は、予め与えられている情報(増肉係数)でも良いことは言うまでもない。また、重量の差は、1ヶ月の間での差であるとは限らず、予め決められた期間(例えば、数日、1週間など)の2時点における重量の差で良いことは言うまでもない。
【0235】
そして、コストアプローチ手段1321は、以下の(1)~(3)のいずれか1以上の飼料コスト演算式により、飼料コストを算出する。
(1)飼料コスト=水中生物の重量×増肉係数または実際増肉係数×単位重量あたり飼料価格
(2)飼料コスト=総給餌量×単位重量あたり飼料価格
(3)飼料コスト=時間あたり給餌重量×一回あたり給餌時間×給餌回数×単位重量あたり飼料価格
【0236】
なお、コストアプローチ手段1321は、2以上の飼料コスト演算式により、飼料コストを算出した場合、2以上の飼料コストの代表値(例えば、最大値、中間値、平均値など)を、取得し、1尾当たり育成総コストの算出に使用する飼料コストとしても良い。
【0237】
そして、コストアプローチ手段1321は、生簀識別子「c01」と対になる種類情報「k01」を図9の管理表から取得し、当該種類情報「k01」と対になる飼料コスト比率「0.8」を図10の管理表から読み出し、飼料コスト比率「0.8」と算出した飼料コストとを、格納部11の1尾当たり育成総コスト算出演算式「1尾当たり育成総コスト=1尾あたり資産価値=飼料コスト/飼料コスト比率」に代入し、当該演算を実行する。次に、コストアプローチ手段1321は、格納部11の1生簀あたり資産価値算出演算式「1生簀あたり資産価値=1尾あたり育成総コスト×生簀内尾数」に、「1尾当たり育成総コスト」と、生簀内尾数「350」とを代入し、演算し、本生簀の資産価値を算出する。なお、生簀内尾数「350」は、コストアプローチ手段1321が、生簀識別子「c01」と対になる尾数「350」を図13の管理表から取得した情報である。
【0238】
以上により、生簀識別子「c01」で識別される生簀の第一の資産価値が算出された。
【0239】
次に、コストアプローチ手段1321は、飼育者「b01」と対になる2番目の生簀識別子「c02」で識別される生簀で飼育されている水中生物群の第一の資産価値を、生簀識別子「c01」の生簀と同様に算出する。
【0240】
次に、マーケットアプローチ手段1322は、飼育者識別子「b01」と対になる1番目の生簀識別子「c01」と対になる重量「W11」を図13の管理表から取得する。この重量「W11」は、1尾あたりの平均重量である。また、マーケットアプローチ手段1322は、生簀識別子「c01」と対になる種類情報「k01」を図9の管理表から取得する。次に、マーケットアプローチ手段1322は、種類情報「k01」と対になる単位重量当たりの市場価値「100」を図11の管理表から取得する。次に、マーケットアプローチ手段1322は、格納部11の1尾あたり資産価値の演算式「1尾あたり資産価値=飼育対象の重量×市場価格」に、重量「W11」と単位重量当たりの市場価値「100」とを代入し、1尾あたり資産価値を算出する。次に、マーケットアプローチ手段1322は、格納部11の1生簀当たり資産価値演算式「1生簀あたり資産価値=1尾あたり市場価値×生簀内尾数」に、算出した1尾あたり資産価値と、生簀内尾数「350」とを代入し、演算を行い、生簀識別子「c01」で識別される生簀の資産価値を算出する。
【0241】
以上により、生簀識別子「c01」で識別される生簀の第二の資産価値が算出された。
【0242】
次に、マーケットアプローチ手段1322は、飼育者「b01」と対になる2番目の生簀識別子「c02」で識別される生簀で飼育されている水中生物群の第二の資産価値を、生簀識別子「c01」の生簀と同様に算出する。
【0243】
次に、資産価値取得部132は、生簀識別子「c01」に対応付けて、第一の資産価値と第二の資産価値の代表値(例えば、最大値、最小値、平均値など)を取得する。
【0244】
また、資産価値取得部132は、生簀識別子「c02」に対応付けて、第一の資産価値と第二の資産価値の代表値(例えば、最大値、最小値、平均値など)を取得する。
【0245】
次に、資産価値取得部132は、生簀識別子「c01」に対応する代表値と生簀識別子「c02」に対応する代表値とを加算し、飼育者識別子「b01」に対応付ける。
【0246】
次に、資産価値出力部141は、取得された資産価値を、ユーザ端末3に送信する。なお、ここで送信される資産価値は、例えば、生簀識別子「c01」で識別される生簀の水中生物群の資産価値、生簀識別子「c02」で識別される生簀の水中生物群の資産価値、および飼育者「b01」で識別される飼育者が飼育している水中生物群の資産価値である。
【0247】
次に、飼育者「b01」のユーザ端末3のユーザ受信部35は、上述した3つの資産価値等を受信する。そして、ユーザ処理部33は、受信された資産価値等から出力する情報を構成する。次に、ユーザ出力部36は、構成された情報を出力する。なお、かかる出力例は、図14である。
【0248】
以上、本実施の形態によれば、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0249】
また、本実施の形態によれば、カメラが撮影した画像の解析結果から得られた飼育対象のサイズ情報を用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0250】
また、本実施の形態によれば、餌情報とサイズ情報とを用いて、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できる。
【0251】
また、本実施の形態によれば、生簀ごとに、適切に資産価値を出力できる。
【0252】
また、本実施の形態によれば、水中に設置された画像から得られたサイズ情報を用いて、資産価値を容易に取得できる。
【0253】
さらに、本実施の形態によれば、給餌器2から自動的に受信された餌情報を用いて、資産価値を容易に取得できる。
【0254】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における資産価値出力装置1を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、2以上の飼育対象である水中生物群に与えた餌に関する餌情報、飼育対象のサイズに関するサイズ情報のうちの1または2以上の情報を含む水中生物群情報を受け付ける水中生物群情報受付部と、前記水中生物群情報を用いて、水中生物群の資産価値を取得する資産価値取得部と、前記資産価値を出力する資産価値出力部として機能させるためのプログラムである。
【0255】
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1で算出された資産価値を用いて、保険情報を取得する保険情報出力装置を含む情報システムについて説明する。
【0256】
図15は、本実施の形態における情報システムBの概念図である。情報システムBは、資産価値出力装置1、1または2以上の給餌器2、1または2以上のユーザ端末3、1または2以上のカメラ4、および保険情報出力装置5を備える。
【0257】
図16は、本実施の形態における情報システムBを構成する保険情報出力装置5のブロック図である。
【0258】
保険情報出力装置5は、保険情報格納部51、保険情報受付部52、保険情報取得部53、および保険情報出力部54を備える。保険情報格納部51は、飼育者情報格納部511、およびリスク要因情報格納部512を備える。保険情報取得部53は、ランク取得手段531、および保険情報取得手段532を備える。
【0259】
保険情報出力装置5を構成する保険情報格納部51には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、飼育者情報、後述するリスク要因情報、後述する各種の演算式である。
【0260】
飼育者情報格納部511は、1または2以上の飼育者情報が格納される。飼育者情報は、水中生物群の飼育者の関する情報である。
【0261】
飼育者情報は、飼育者識別子と対応付いていることは好適である。飼育者情報は、例えば、氏名、連絡先情報、飼育者の生簀数、売上高、生産高、取引銀行を特定する銀行情報のうちの1以上の情報を有する。飼育者情報は、例えば、飼育者の過去実績情報を有する。過去実績情報は、飼育者の過去の飼育に関する実績の情報である。過去実績情報は、例えば、当該飼育者の過去の平均的な歩留まり、1以上の事故歴情報のうちの1以上の情報を有する。事故歴情報は、過去の飼育に関する事故についての情報であり、例えば、発生時期、事故内容、被害額の情報のうちの1以上の情報を有する。なお、連絡先情報は、連絡先を示す情報であり、例えば、メールアドレス、電話番号、IPアドレス、住所等である。飼育者情報は、例えば、システム導入情報、システム利用情報を有する。システム導入情報は、飼育を安全または/および効率的に行うためのシステムの導入に関する情報である。なお、銀行情報が予め格納されている銀行を識別する情報(例えば、都銀の名称)である場合、事業者の規模や与信が閾値以上であることは判断する情報として利用される。例えば、銀行情報が予め格納されている銀行を識別する情報(例えば、都銀の名称)である場合、飼育者のランクを上位に設定可能である。
【0262】
飼育者情報は、例えば、水質サンプリングの結果に関する情報、生簀の点検頻度に関する情報、養殖設備の点検頻度に関する情報、死魚の点検頻度に関する情報、船の仕様に関する情報、船の活用方法に関する情報(例えば、船に設置された温度計のデータ)、特定の機材(例えば、船上給餌機等)の有無に関する情報、生簀の仕様に関する情報、生簀ネットの仕様に関する情報、生簀または生簀ネットの洗浄頻度に関する情報、生簀または生簀ネットのライフタイムに関する情報、生簀または生簀ネットの保証の有無に関する情報、飼育対象の種類を識別する種類情報、水入れ日に関する情報、水入れ時の飼育対象の大きさ、飼育対象の生産期間、種苗提供元を特定する情報、現在の飼育対象の大きさ、飼育対象の出荷時の大きさ、飼育者の管理資料の有無に関する情報、責任者に関する情報、担当者に関する情報、餌代の支払いに関する情報(支払頻度、支払った日等)、過去の保険請求情報、財務情報、魚価情報、生産効率(FCR、SGR)に関する情報等を含んでも良い。なお、管理資料は、例えば、体測の記録、重量測定の記録、匹数の記録、給餌記録、健康状態の記録、投薬記録、水質記録、寄生虫処置記録、病気記録、プランクトン/藻類の発生記録等が記載された資料である。
【0263】
システムとは、例えば、飼育者の生簀の監視システムであり、例えば、資産価値出力装置1から情報を取得するシステム、生簀に設置されたカメラ4から画像を受信するシステム等である。システムは、給餌器2でも良い。ただし、システムは、カメラ4に代えて、またはカメラに加えて、ソナー、各種センサ等を用いても良い。
【0264】
システム導入情報は、例えば、システム導入率「全システム導入数/全生簀数」、システムを導入しているか否かを示す情報である。
【0265】
システム利用情報は、例えば、モニタリング回数、給餌状況の確認回数、管理アプリ起動数である。モニタリング回数とは、飼育者のユーザ端末3を用いて、カメラ4から画像を受信した回数である。この回数は、単位期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月など)の回数であることは好適である。給餌状況の確認回数は、ユーザ端末3が資産価値出力装置1にアクセスし、図12の管理表から当該ユーザのレコードを受信する操作を行った回数である。管理アプリ起動数は、ユーザ端末3が資産価値出力装置1にアクセスするアプリを起動した回数、またはアプリを起動し、資産価値出力装置1にアクセスした回数である。なお、飼育者のユーザ端末3は、資産価値出力装置1にアクセスし、資産価値出力装置1から当該ユーザの給餌情報等の情報を得ることができる、とする。
【0266】
リスク要因情報格納部512は、1または2以上のリスク要因情報が格納される。リスク要因情報とは、水中生物群に対して保険金が支払われる状態となるリスクを増加させるまたはリスクを低減させる要因となる情報である。リスク要因情報は、例えば、飼育者識別子、または生簀識別子に対応付けて格納されている。なお、リスク要因情報は、人手によりリスク要因情報格納部512に蓄積されても良いし、図示しない外部のサーバ等から受信する等しても良い。つまり、リスク要因情報格納部512のリスク要因情報が蓄積されるまでのルートは問わないことは言うまでもない。
【0267】
リスク要因情報は、例えば、自然情報、水中生物群の属性値、周辺環境情報、作業情報、設備情報である。リスク要因情報は、例えば、生簀情報、給餌した餌の量に対する摂取された餌の量を示す摂餌量率(摂餌量/給餌量)、システム内における他ユーザとの交流の状況を示す交流情報である。
【0268】
自然情報は、飼育場所の自然に関する情報である。飼育場所は、例えば、生簀、生簀が存在する領域または地域である。自然情報は、例えば、日照・日長、降雨量、天候情報のうちの1以上の情報である。
【0269】
なお、日照・日長が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、降雨量が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、天候情報は、天候に関する情報であり、例えば、単位期間(例えば、1年)における暴風、またはハリケーン、または津波等の平均災害発生数である。平均災害発生数が多いほどリスクが増える。
【0270】
水中生物群の属性値は、飼育対象の病気に関する情報である。水中生物群の属性値に応じたリスクがある、と判断される。
【0271】
周辺環境情報は、周辺環境に関する情報である。周辺環境情報は、例えば、海水温、海中酸素濃度(DO)、海中の塩分濃度、海中のORPの濃度、海中のNH の濃度、海中のNO の濃度、海中のNO の濃度、海中のCa の濃度、海中のMg の濃度、海中のKの濃度、海中のCaの濃度、海中のMgの濃度、海中の有害性のプランクトン濃度、海中のクロロフィル濃度、潮流速度、海中の濁度、海中の透明度、海中の珪藻の量、赤潮情報である。
【0272】
周辺環境情報は、例えば、風速に関する風速情報、潮に関する潮情報、台風に関する台風情報、地震に関する地震情報、水温に関する水温情報、気温に関する気温情報、水質に関する水質情報、地形に関する地形情報、海や池や湖等の養殖の環境の色に関する色情報のうちのいずれか1以上を含んでも良い。
【0273】
風速情報は、例えば、平均風速、最大風速、平均風速、最小風速、風向に関する情報、吹送距離である。例えば、平均風速、最大風速、平均風速、最小風速の値が大きいほど、リスクが増加する。また、例えば、平均風速、最大風速、平均風速、最小風速の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0274】
潮情報は、例えば、最大波高、最大潮流速度、平均潮流速度、最小潮流速度、潮流方向に関する情報である。例えば、最大波高、最大潮流速度、平均潮流速度、最小潮流速度の値が大きいほど、リスクが増加する。また、例えば、最大波高、最大潮流速度、平均潮流速度、最小潮流速度の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0275】
台風情報は、例えば、台風発生頻度、台風時の最大風速、最大波高、台風の進行方向に関する情報、台風の発生日時または季節を特定する情報である。例えば、台風発生頻度、台風時の最大風速、最大波高の値が大きいほど、リスクが増加する。また、例えば、台風発生頻度、台風時の最大風速、最大波高の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0276】
地震情報は、例えば、過去の予め決められた期間(例えば、30年間、50年間)の近隣での地震の発生件数である。例えば、発生件数が多いほど、リスクが増加する。また、例えば、発生件数が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0277】
水温情報は、例えば、最大水温、平均水温、最小水温、夏季最高水温、冬季最低水温である。例えば、最大水温、平均水温、最小水温、夏季最高水温、冬季最低水温の値が大きいほど、リスクが増加する。また、例えば、最大水温、平均水温、最小水温、夏季最高水温、冬季最低水温の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0278】
気温情報は、例えば、最大気温、平均気温、最小気温、夏季最高気温、冬季最低気温である。例えば、最大気温、平均気温、最小気温、夏季最高気温、冬季最低気温の値が大きいほど、リスクが増加する。また、例えば、平均気温、最小気温、夏季最高気温、冬季最低気温の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0279】
水質情報は、水質に関する種々のデータである。例えば、水質情報の値が閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0280】
地形情報は、例えば、湾の形状に関する情報、地質に関する情報、池の形態に関する情報である。例えば、地形情報が、閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0281】
色情報は、例えば、池や海等の色を特定する情報、色から推定される養殖実施有無を示す情報である。色情報が、閾値を超えている程度が大きいほど、リスクが増加する。
【0282】
なお、海水温が予め決められた範囲以外となるとリスクが増加する。また、海中酸素濃度(DO)が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、塩分濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、ORPの濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、NH の濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、NO の濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、NO の濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、Ca の濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、Mg の濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、Kの濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、Caの濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、Mgの濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、クロロフィル濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、有害性のプランクトン濃度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、潮流速度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、濁度、透明度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、珪藻の量が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。また、赤潮情報は、単位期間(例えば、1年、3年)における赤潮発生回数である。赤潮発生回数が多いほどリスクが増える。
【0283】
作業情報は、飼育者の作業に関する情報である。作業情報は、例えば、生簀作業回数である。生簀作業回数が多ければ、リスクが増加する。
【0284】
設備情報は、飼育に使用する設備に関する情報である。設備情報は、例えば、システム導入情報、システム利用情報である。
【0285】
システム導入情報は、例えば、システム導入率、システムを導入しているか否かを示す情報である。システム導入率が大きいほど、システムを導入しているほど、リスクが減る。
【0286】
システム利用情報は、例えば、生簀の監視システムによるモニタリング回数、モニタリング頻度、給餌状況の確認回数、生簀の監視システムに含まれるユーザ端末3に格納されている管理アプリの起動回数または起動頻度である。なお、モニタリングは、例えば、カメラ4から受信された画像のモニタリング、給餌器2から受信されたセンサの値のモニタリング、給餌器2から受信された衛星データのモニタリングなどである。また、システム利用情報は、例えば、給餌器2を用いた自動給餌の回数または頻度である。
【0287】
なお、モニタリング回数が多いほどリスクは減り、管理アプリの起動回数または起動頻度が大きいほどリスクは減り、自動給餌の回数または頻度が大きいほどリスクは減る。また、遊泳・給餌行動解析に基づく給餌の適正化、各モニタリングによる無駄餌の削減、または遊泳・給餌行動解析に基づく無駄餌の削減を検知した場合には、リスクが減る。
【0288】
生簀情報は、生簀に関する情報である。生簀情報は、例えば、尾数、密度、水深である。尾数は、生簀内の飼育対象の数である。密度は生簀内の飼育対象の密度である。密度が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。水深が予め決められた適正範囲以外となるとリスクが増加する。
【0289】
飼育者情報は、1または2以上の生簀識別子を有しても良い。また、生簀識別子に対応付けて、資産価値が格納されていても良い。なお、かかる資産価値は、例えば、生簀の資産価値であり、資産価値出力装置1が取得した資産価値である。ただし、かかる資産価値は、例えば、ユーザが入力した情報でも良い。また、飼育者情報は、飼育者識別子に対応する資産価値を有しても良い。かかる資産価値も、資産価値出力装置1が取得した資産価値である。また、飼育者情報は、実施の形態1で説明した飼育者情報が有する情報を有しても良い。
【0290】
保険情報受付部52は、指示や情報等を受け付ける。指示や情報等とは、例えば、保険情報出力指示である。保険情報出力指示は、保険情報の出力を促す指示である。保険情報出力指示は、例えば、飼育者識別子、生簀識別子、または飼育者識別子と生簀識別子を有する。
【0291】
保険情報受付部52は、例えば、衛星受信機を有する。なお、衛星受信機を有することは、衛星受信機が保険情報出力装置5に内蔵されていることでも、外付けされていることでもよい。保険情報受付部52は、例えば、衛星受信機を用いて情報を取得した図示しない装置から、以下の情報を受信しても良い。
【0292】
衛星受信機とは、人工衛星からの情報を受信する機器またはモジュールである。人工衛星とは、例えば、気象衛星等の地球観測衛星であるが、放送衛星や通信衛星などでもよく、その種類は問わない。気象衛星とは、気象観測を行う人工衛星である。気象観測とは、例えば、雲の観測、水蒸気の観測、雨や風の観測、気温や海水温の観測などである。気象衛星は、各種観測機器を備えており、各種観測機器を用いて気象観測を行い、気象情報を取得する。各種観測機器とは、例えば、可視光を用いたカメラ、赤外線カメラ、マイクロ波散乱計等であるが、その種類は問わない。こうして取得された気象情報は、例えば、当該気象衛星自身によって、または放送衛星や通信衛星を介して、地上に送信(放送も含む)される。
【0293】
地球観測衛星とは、地球を観測する人工衛星である。観測とは、例えば、上述した気象観測であるが、地球の表面(例えば、地表や海面等)の撮影でもよい。地球観測衛星は、例えば、電波、赤外線、可視光といった各種の波長の電磁波を用いて、地球表面の撮影を行い、各種の波長による画像情報を取得する。取得された画像情報もまた、例えば、当該地球観測衛星自身によって又は放送衛星等を介して地上に送信される。
【0294】
保険情報取得部53は、資産価値出力装置1が出力した資産価値を用いて、保険情報を取得する。保険情報取得部53は、資産価値と飼育者情報とを用いて保険情報を取得することは好適である。保険情報取得部53は、1以上のリスク要因情報をも用いて保険情報を取得することは好適である。保険情報取得部53は、資産価値と飼育者情報と1以上のリスク要因情報とを用いて保険情報を取得することはさらに好適である。
【0295】
なお、保険情報とは、保険に関する情報である。保険情報は、例えば、保険料率、保険金額、保険料などである。なお、保険料率とは、保険における単価であり、例えば、保険金額の固定料(例えば、1000円)あたりの保険料である。保険金額とは、被保険者が受け取る金額である。保険料とは、保険会社に支払う金額である。
【0296】
保険情報取得部53は、例えば、資産価値をパラメータとする増加関数により、保険料率を算出する。なお、かかる増加関数は、保険情報格納部51に格納されている。また、保険情報取得部53は、例えば、資産価値をパラメータとする増加関数により、保険金額を算出する。また、保険情報取得部53は、例えば、資産価値をパラメータとする増加関数により、保険料を算出する。
【0297】
また、例えば、保険情報格納部51に、資産価値の幅と保険情報(保険料率、保険金額、保険料など)との対応を示す対応表が格納されており、保険情報取得部53は、使用する資産価値に対応する保険情報を対応表から取得しても良い。
【0298】
保険情報取得部53は、例えば、1以上のリスク要因情報を用いて保険情報を取得する
場合には、上記の「リスクが高くなる」としたパラメータの値を使用する場合、「リスクが低くなる」としたパラメータの値を使用する場合と比較して、高い保険料率を取得する。
【0299】
ランク取得手段531は、飼育者情報を用いて、飼育者のランクである飼育者ランクを取得する。なお、飼育者ランクは、5段階でも、10段階でも、100段階でも良い。なお、飼育者情報は、元々、飼育者ランクを有しても良い。かかる場合、ランク取得手段531は、不要である。そして、かかる場合、飼育者ランクは、例えば、人手により入力される。
【0300】
ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた飼育者の生簀数、売上高、生産高が大きいほど、高い飼育者ランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた飼育者の生簀数、売上高、生産高のうちの1以上をパラメータとする増加関数により、飼育者ランクを取得する。また、保険情報格納部51に、飼育者の生簀数、売上高、生産高を用いた条件と、飼育者ランクとの対応を示した2以上の対応情報を有する対応表が格納されており、ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた飼育者の生簀数、売上高、生産高のうちの1以上の情報に合致する条件と対になる飼育者ランクを対応表から取得する。
【0301】
また、ランク取得手段531は、例えば、当該飼育者の過去の平均的な歩留まりが高い値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた歩留まりをパラメータとする増加関数により、飼育者ランクを取得する。また、保険情報格納部51に歩留まりを用いた条件と、飼育者ランクとの対応を示した2以上の対応情報を有する対応表が格納されており、ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた歩留まりに合致する条件と対になる飼育者ランクを対応表から取得する。
【0302】
また、ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた事故歴情報が示す事故の回数、被害額の総額が大きいほど、低い飼育者ランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、事故の回数、被害額の総額のうちの1以上をパラメータとする減少関数により、飼育者ランクを取得する。また、保険情報格納部51に事故の回数、被害額の総額のうちの1以上を用いた条件と、飼育者ランクとの対応を示した2以上の対応情報を有する対応表が格納されており、ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた事故の回数、被害額の総額のうちの1以上の情報に合致する条件と対になる飼育者ランクを対応表から取得する。
【0303】
ランク取得手段531は、例えば、生簀の点検頻度に関する情報、養殖設備の点検頻度に関する情報、死魚の点検頻度に関する情報のいずれか1以上の頻度に関する情報が大きい値であれば、高い飼育者ランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、生簀の点検頻度に関する情報、養殖設備の点検頻度に関する情報、死魚の点検頻度に関する情報のうちの1以上をパラメータとする増加関数により、飼育者ランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、生簀の点検頻度に関する情報、養殖設備の点検頻度に関する情報、死魚の点検頻度に関する情報のうちの1以上を用いた条件と、飼育者ランクとの対応を示した2以上の対応情報を有する対応表が格納されており、ランク取得手段531は、例えば、受け付けられた生簀の点検頻度に関する情報等のうちの1以上の情報に合致する条件と対になる飼育者ランクを対応表から取得する。
【0304】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育者情報が有する特定の機材の有無に関する情報が「有り」である場合に、「無し」である場合と比較して、高い飼育者ランクを取得する。
【0305】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育者情報に対応付けられて、船に設置された温度計のデータが格納されていれば、格納されていない場合と比較して、高い飼育者ランクを取得する。
【0306】
また、生簀ネットを識別するネット識別子と価格またはランクとの対応を示す2以上の対応情報を有する対応表が格納部11に格納されており、ランク取得手段531は、例えば、飼育者情報が有する生簀ネットのネット識別子と対になる価格またはランクが高いほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0307】
また、ランク取得手段531は、例えば、生簀または生簀ネットの洗浄頻度に関する情報が大きい値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0308】
また、ランク取得手段531は、例えば、生簀または生簀ネットのライフタイムに関する情報が交換頻度が大きい(ライフタイムが短い)ことを示す情報であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0309】
また、ランク取得手段531は、例えば、生簀または生簀ネットの保証の有無に関する情報が「有り」である場合、「無し」である場合より、高い飼育者ランクを取得する。
【0310】
また、種類情報と歩留まりを特定する情報との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表が格納部11に格納されており、ランク取得手段531は、例えば、種類情報と対になる歩留まりを特定する情報を対応表から取得し、当該歩留まりを特定する情報が良い歩留まりを示す場合ほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0311】
また、ランク取得手段531は、例えば、水入れ時の飼育対象の大きさが、大きい値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0312】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育対象の生産期間が短いほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0313】
また、種苗提供元を特定する情報と提供元のランクまたは歩留まりとの対応を示す2以上の対応情報を有する対応表が格納部11に格納されており、ランク取得手段531は、例えば、種苗提供元を特定する情報と対になる提供元のランクまたは歩留まりを取得し、当該情報が高い値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0314】
また、ランク取得手段531は、例えば、現在の飼育対象の大きさ、飼育対象の出荷時の大きさが大きい値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0315】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育者の管理資料の有無に関する情報が「有り」の場合、「無し」の場合より、高い飼育者ランクを取得する。
【0316】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育者の管理資料に対する記録頻度が高いほど、高い飼育者ランクを取得する。なお、かかる場合、飼育者の管理資料に対する記録が、飼育者情報に含まれる。
【0317】
また、ランク取得手段531は、例えば、飼育者情報が、責任者に関する情報または担当者に関する情報を含む場合、含まない場合と比較して、高い飼育者ランクを取得する。
【0318】
また、ランク取得手段531は、例えば、餌代の支払いに関する情報が、支払いタームが短いことを示す場合、長いことを示す場合より、高い飼育者ランクを取得する。
【0319】
また、ランク取得手段531は、例えば、過去の保険請求情報が示す保険求償が少ないほど、また保険請求の回数または頻度が少ないほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0320】
また、ランク取得手段531は、例えば、財務情報が示す財務状況が健全であると判断できる場合、不健全である場合と比較して、高い飼育者ランクを取得する。
【0321】
また、ランク取得手段531は、例えば、魚価情報が示す価格が高いほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0322】
また、ランク取得手段531は、例えば、生産効率が示す値が、効率が良いことを示す値であるほど、高い飼育者ランクを取得する。
【0323】
ランク取得手段531は、リスクのランクであるリスクランクを取得しても良い。ランク取得手段531は、リスク要因情報格納部512の1以上のリスク要因情報を用いて、リスクランクを取得する。ランク取得手段531は、例えば、1以上のリスク要因情報をリスクランク算出の演算式に代入し、演算を行い、リスクランクを取得する。また、保険情報格納部51に1以上のリスク要因情報を用いた条件とリスクランクとの対応を示した2以上の対応情報を有する対応表が格納されており、ランク取得手段531は、例えば、1以上のリスク要因情報に合致する条件と対になるリスクランクを対応表から取得する。
【0324】
なお、リスクランク算出の演算式は、例えば、上記のリスク要因情報について、適正範囲に対して外れている度合を示す値をパラメータとする増加関数である。また、リスクランク算出の演算式は、例えば、生簀作業回数をパラメータとする増加関数である。また、リスクランク算出の演算式は、例えば、システム導入率をパラメータとする減少関数である。また、リスクランク算出の演算式は、例えば、システム利用情報(モニタリング回数、モニタリング頻度、給餌状況の確認回数などのうちの1以上の情報)をパラメータとする減少関数である。つまり、システムの利用が活発であればリスクは減る。
【0325】
保険情報取得手段532は、資産価値とランクとを用いて、保険情報を取得する。保険情報取得手段532は、例えば、飼育者ランクとリスクランクのうちの1以上のランクを用いて保険情報を取得する。
【0326】
保険情報取得手段532は、例えば、資産価値が大きいほど、高い保険料を取得する。
【0327】
保険情報取得手段532は、例えば、飼育者ランクが高いほど、低い保険料率を取得する。
【0328】
保険情報取得手段532は、例えば、リスクランクが高いほど、高い保険料率を取得する。
【0329】
保険情報取得手段532は、例えば、資産価値を用いて標準的な保険情報を取得し、標準的な保険情報に対して、飼育者ランクとリスクランクのうちの1以上のランクを用いて補正した保険情報を取得する。なお、保険情報取得手段532の保険情報の取得アルゴリズムは問わない。
【0330】
保険情報出力部54は、保険情報取得部53が取得した保険情報を出力する。ここで、出力とは、例えば、ユーザ端末3への送信である。ただし、出力とは、表示でも良い。
【0331】
保険情報格納部51、飼育者情報格納部511、およびリスク要因情報格納部512は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0332】
保険情報格納部51等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が保険情報格納部51等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が保険情報格納部51等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が保険情報格納部51等で記憶されるようになってもよい。
【0333】
保険情報取得部53、ランク取得手段531、および保険情報取得手段532は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。保険情報取得部53等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0334】
保険情報出力部54は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0335】
次に、保険情報出力装置5の動作について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0336】
(ステップS1701)保険情報受付部52は、保険情報出力指示を受け付けたか否かを判断する。保険情報出力指示を受け付けた場合はステップS1702に行き、保険情報出力指示を受け付けなかった場合はステップS1708に行く。
【0337】
(ステップS1702)保険情報取得部53は、ステップS1701で受け付けられた保険情報出力指示が有する生簀識別子を取得する。
【0338】
(ステップS1703)保険情報取得部53は、ステップS1702で取得された生簀識別子と対になる資産価値を保険情報格納部51から取得する。
【0339】
(ステップS1704)ランク取得手段531は、生簀識別子と対になる飼育者識別子に対応する飼育者情報を飼育者情報格納部511から取得する。そして、ランク取得手段531は、飼育者情報を用いて、飼育者ランクを取得する。なお、飼育者ランクの取得アルゴリズムの例は上述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0340】
(ステップS1705)ランク取得手段531は、生簀識別子と対になる飼育者識別子に対応するリスク要因情報をリスク要因情報格納部512から取得する。そして、ランク取得手段531は、リスク要因情報を用いて、リスクランクを取得する。なお、リスクランクの取得アルゴリズムの例は上述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0341】
(ステップS1706)保険情報取得手段532は、ステップS1703で取得した資産価値、ステップS1704で取得した飼育者ランク、ステップS1705で取得したリスクランクを用いて、保険情報を取得する。
【0342】
(ステップS1707)保険情報出力部54は、ステップS1706で取得された保険情報を出力する。ステップS1701に戻る。
【0343】
(ステップS1708)保険情報受付部52は、情報を受け付けたか否かを判断する。情報を受け付けた場合はステップS1709に行き、情報を受け付けなかった場合はステップS1701に戻る。なお、情報とは、例えば、飼育者情報、リスク要因情報である。保険情報受付部52は、生簀識別子、または飼育者識別子に対応付けられた情報を受け付ける。
【0344】
(ステップS1709)図示しない蓄積手段は、ステップS1708で受信された情報を保険情報格納部51に蓄積する。ステップS1701に戻る。なお、ステップS1708で受信された情報は、通常、生簀識別子、または飼育者識別子に対応付けられて蓄積される。
【0345】
以下、本実施の形態における情報システムBの具体的な動作について説明する。情報システムBの概念図は図15である。
【0346】
今、飼育者情報格納部511には、図18に示す構造を有する飼育者情報管理表が格納されている。飼育者情報管理表には、「飼育者識別子」「飼育者ランク」「生簀識別子」「資産価値」「リスクランク」「売上高」「平均歩留まり」「事故回数」「被害総額」「システム導入率」「システム利用情報」を有するレコードが、2以上、格納されている。「システム利用情報」は、「モニタリング回数」「アプリ起動回数」を有する。「飼育者ランク」は、ランク取得手段531により、飼育者ごとに、上述したアルゴリズムで算出された値である。「資産価値」は、実施の形態1で説明した資産価値出力装置1が蓄積した情報である。「リスクランク」は、生簀ごとに、上述したアルゴリズムで算出された値である。「売上高」は、ユーザ(例えば、飼育者)により入力され、ユーザ端末3から受信された情報である。「平均歩留まり」は、過去に入力された稚魚数と、過去に自動取得または入力された死魚数とから算出された値である。「事故回数」「被害総額」はユーザ(例えば、飼育者)により入力され、ユーザ端末3から受信された情報である。「システム導入率」は、ユーザ(例えば、保険情報出力装置5の管理者)により入力され、ユーザ端末3から受信された情報である。「モニタリング回数」「アプリ起動回数」は、資産価値出力装置1が取得した情報である。なお、図18のV1~V3、S1、S2、Y1、Y2、R1、R2等は、通常、具体的な数値である、とする。
【0347】
また、リスク要因情報格納部512には、図19に示す構造を有するリスク要因情報管理表が格納されている。リスク要因情報管理表には、「飼育者識別子」「生簀識別子」「自然情報」「周辺情報」「作業情報」「設備情報」を有するレコードが、2以上、格納されている。「自然情報」は、ここでは、例えば、「日照時間」「降雨量」を有する。「自然情報」は、例えば、生簀識別子で識別される生簀の位置情報をキーとして、図示しないサーバ装置(自然情報を管理するサーバであり、例えば、気象庁のサーバである。)から取得した情報である。「周辺情報」は、ここでは、例えば、「海水温」「透明度」を有する。「周辺情報」は、例えば、保険情報受付部52が取得し、蓄積した情報である。なお、図19の「周辺情報」は、保険情報受付部52は受信した周辺情報の中から、図示しない処理部が、生簀識別子と対になる位置情報に対応する周辺情報を取得し、蓄積したものである。「作業情報」は「生簀作業回数」を有する。「生簀作業回数」は、ここでは、飼育者の1日あたりの生簀に対する作業回数である。「生簀作業回数」は、資産価値出力装置1の画像解析部131が、受信された生簀の画像から、人が生簀に居た1日あたりの回数を、各日について取得し、単位期間(例えば、1ヶ月、1年など)の平均を算出した情報である、また、「設備情報」は、ここでは「システム導入率」を有する。「設備情報」は、例えば、ユーザ(例えば、保険情報出力装置5の管理者)により入力され、ユーザ端末3から受信された情報である。なお、図19のr1~r4、st1~st4、tr1~tr4、R1、R2等は、通常、具体的な数値である、とする。
【0348】
また、保険情報格納部51には、図20に示す資産保険管理表が格納されている。資産保険管理表は、所有する資産価値(V)に対する標準の保険情報(保険料率、保険金額、保険料)を決定するための対応表である。なお、図20のx~x、a~a、b~b、c~c等には、通常、具体的な数値または数値を取得する算出式が格納されている。
【0349】
また、保険情報格納部51には、図21に示す飼育者ランク補正表が格納されている。飼育者ランク補正表は、飼育者ランクに応じて、図20を用いて取得された標準値を補正するための表である。図21では、飼育者ランクに応じて、補正情報に対応する数値分、標準値が増減する。
【0350】
また、保険情報格納部51には、図22に示すリスクランク補正表が格納されている。リスクランク補正表は、リスクランクに応じて、図20を用いて取得された標準値を補正するための表である。図22では、リスクランクに応じて、補正情報に対応する数値分、標準値が増減する。
【0351】
かかる状況において、ユーザ(例えば、飼育者、または保険会社の社員)が、ユーザ端末3に、生簀識別子「c02」を有する保険情報出力指示を入力した、とする。すると、ユーザ端末3のユーザ受付部32は保険情報出力指示を受け付ける。そして、ユーザ処理部33は、生簀識別子「c02」を有する指示であり、送信する構造の保険情報出力指示を構成する。次に、ユーザ送信部34は、当該保険情報出力指示を保険情報出力装置5に送信する。
【0352】
次に、保険情報出力装置5の保険情報受付部52は、保険情報出力指示を受信する。次に、保険情報取得部53は、当該保険情報出力指示が有する生簀識別子「c02」を取得する。
【0353】
次に、保険情報取得部53は、生簀識別子「c02」と対になる資産価値「V2」を図18の管理表から取得する。
【0354】
次に、ランク取得手段531は、生簀識別子「c02」と対になる飼育者識別子「b01」に対応する飼育者ランク「4」を図18の管理表から取得する。
【0355】
また、ランク取得手段531は、生簀識別子「c02」と対になるリスクランク「1」を取得する。
【0356】
次に、保険情報取得手段532は、資産価値「V2」を図20の管理表に適用し、「ID=3」のレコードに対応する、と判断した、とする。そして、保険情報取得手段532は、資産価値「V2」に対応する標準の保険情報(保険料率「a」、保険金額「b」、保険料「c」)を図20の管理表から取得する。
【0357】
次に、保険情報取得手段532は、飼育者ランク「4」に対応する補正情報(保険料率「+4%」、保険金額「+5%」、保険料「-3%」)を図21の管理表から取得する。
【0358】
また、保険情報取得手段532は、リスクランク「1」に対応する補正情報(保険料率「+10%」、保険金額「+20%」、保険料「-5%」)を図22の管理表から取得する。
【0359】
次に、保険情報取得手段532は、標準の保険情報(保険料率「a」、保険金額「b」、保険料「c」)と、飼育者ランク「4」に対応する補正情報(保険料率「+4%」、保険金額「+5%」、保険料「-3%」)と、リスクランク「1」に対応する補正情報(保険料率「+10%」、保険金額「+20%」、保険料「-5%」)とを用いて、保険情報(保険料率「a+14%」、保険金額「b×1.25」、保険料「c×0.9」)を算出する。
【0360】
次に、保険情報出力部54は、取得された保険情報を、保険情報出力指示を送信してきたユーザ端末3に送信する。
【0361】
次に、ユーザ受信部35は、保険情報を受信する。そして、ユーザ処理部33は、受信された保険情報を出力するデータ構造にする。次に、ユーザ出力部36は、かかる保険情報を表示する。
【0362】
以上、本実施の形態によれば、資産価値を用いて、適切な保険情報を取得できる。
【0363】
また、本実施の形態によれば、資産価値と飼育者情報とを用いて保険情報を取得できる。
【0364】
また、本実施の形態によれば、飼育者のランクに基づき、適切な保険情報を取得できる。
【0365】
さらに、本実施の形態によれば、リスク要因に基づき、適切な保険情報を取得できる。
【0366】
なお、本実施の形態において、保険情報出力装置5は、資産価値出力装置1を内部に有しても良い。かかる場合、保険情報出力装置5は、格納部11、受付部12、処理部13、出力部14を備える。格納部11は、飼育者情報格納部511、リスク要因情報格納部512を備える。受付部12は、水中生物群情報受付部121、保険情報受付部52を備える。処理部13は、画像解析部131、資産価値取得部132、保険情報取得部53を備える。画像解析部131は、サイズ情報取得手段1311、種類情報取得手段1312を備える。資産価値取得部132は、コストアプローチ手段1321、マーケットアプローチ手段1322を備える。出力部14は、資産価値出力部141、保険情報出力部54を備える。保険情報取得部53は、ランク取得手段531、保険情報取得手段532を備える。
【0367】
また、本実施の形態において、主に、保険情報出力装置5は、実施の形態1で算出された資産価値を用いて保険情報を取得する場合について説明した。しかし、保険情報出力装置5は、人手で入力された等の資産価値を用いて保険情報を取得しても良いことは言うまでもない。
【0368】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における保険情報出力装置5を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、例えば、コンピュータを、資産価値出力装置1が出力した資産価値を用いて、保険に関する保険情報を取得する保険情報取得部と、前記保険情報を出力する保険情報出力部として機能させるためのプログラムである。
【0369】
(実施の形態3)
本実施の形態において、飼育対象である水中生物群の資産価値を用いて、金融関連情報を取得し、出力する金融関連情報出力装置を具備する情報システムについて説明する。なお、金融関連情報は、例えば、保険情報、後述する融資金額情報、後述する投資金額情報、後述する信用情報である。なお、信用情報は、上述した飼育者ランクと同じ情報でも良い。
【0370】
なお、金融関連情報が保険情報である場合、金融関連情報出力装置は上述した保険情報出力装置5である。
【0371】
また、本実施の形態において、飼育者ランクをも用いて、金融関連情報を取得し、出力する金融関連情報出力装置を具備する情報システムについて説明する。
【0372】
さらに、本実施の形態において、リスク要因情報をも用いて、金融関連情報を取得し、出力する金融関連情報出力装置を具備する情報システムについて説明する。
【0373】
図23は、本実施の形態における情報システムCの概念図である。情報システムCは、資産価値出力装置1、1または2以上の給餌器2、1または2以上のユーザ端末3、1または2以上のカメラ4、および金融関連情報出力装置6を備える。
【0374】
図24は、本実施の形態における情報システムCを構成する金融関連情報出力装置6のブロック図である。
【0375】
金融関連情報出力装置6は、格納部61、受付部62、処理部63、および出力部64を備える。
【0376】
格納部61は、飼育者情報格納部511、リスク要因情報格納部512、および資産価値格納部611を備える。処理部63は、金融関連情報取得部631を備える。金融関連情報取得部631は、ランク取得手段531、保険情報取得手段532、融資情報取得手段6311、および投資情報取得手段6312を備える。出力部64は、金融関連情報出力部641を備える。
【0377】
金融関連情報出力装置6を構成する格納部61には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、飼育者情報、リスク要因情報、資産価値、後述する各種の演算式である。
【0378】
資産価値格納部611には、1または2以上の資産価値が格納される。資産価値格納部611には、通常、飼育者識別子、生簀識別子のうちの1以上の識別子に対応付けて、資産価値が格納される。なお、資産価値格納部611の資産価値は、資産価値出力装置1で取得された資産価値であることは好適であるが、ユーザが入力した資産価値、他の装置で取得された資産価値等でも良い。また、資産価値は、ここでは、水中生物群の資産価値である。
【0379】
受付部62は、各種の指示や情報等を受け付ける。ここで、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介した外部の装置からの受信である。また、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスからユーザにより入力されても良いし、後述する画像処理等の処理により取得しても良い。また、受け付けとは、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である、と考えても良い。
【0380】
処理部63は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、金融関連情報取得部631、ランク取得手段531、保険情報取得手段532、融資情報取得手段6311、投資情報取得手段6312が行う処理である。
【0381】
金融関連情報取得部631は、資産価値格納部611に格納されている資産価値を用いて、金融関連情報を取得する。ここで、金融関連情報とは、金融に関する情報である。金融関連情報は、例えば、上述した保険情報、融資情報、投資情報である。融資情報は、融資に関する情報である。融資情報は、例えば、融資金額、融資の条件に関する情報(例えば、融資期間など)である。投資情報とは、投資に関する情報である。投資情報は、投資金額、投資の条件に関する情報である。
【0382】
金融関連情報取得部631は、資産価値と飼育者情報とを用いて金融関連情報を取得することは好適である。
【0383】
金融関連情報取得部631は、1以上のリスク要因情報をも用いて保険情報を取得することは好適である。
【0384】
融資情報取得手段6311は、資産価値を用いて、融資情報を取得する。融資情報取得手段6311は、資産価値とランクとを用いて、融資情報を取得することは好適である。融資情報取得手段6311は、例えば、飼育者ランクとリスクランクのうちの1以上のランクを用いて融資情報を取得する。
【0385】
融資情報取得手段6311は、例えば、資産価値が大きいほど、高い融資金額を取得する。融資情報取得手段6311は、例えば、資産価値をパラメータとして、融資金額を出力する演算式に、資産価値格納部611の資産価値を代入し、当該演算式を実行し、融資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、資産価値をパラメータとする増加関数である。また、融資情報取得手段6311は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、資産価値の幅と融資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、資産価値格納部611の資産価値に対応する融資金額を対応表から取得する。
【0386】
融資情報取得手段6311は、例えば、飼育者ランクが高いほど、高い融資金額を取得する。融資情報取得手段6311は、例えば、飼育者ランクをパラメータとして、融資金額を出力する演算式に、飼育者ランクを代入し、当該演算式を実行し、融資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、飼育者ランクをパラメータとする増加関数である。また、融資情報取得手段6311は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、飼育者ランクと融資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、飼育者ランクに対応する融資金額を対応表から取得する。
【0387】
融資情報取得手段6311は、例えば、リスクランクが高いほど、低い融資金額を取得する。融資情報取得手段6311は、例えば、リスクランクをパラメータとして、融資金額を出力する演算式に、リスクランクを代入し、当該演算式を実行し、融資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、リスクランクをパラメータとする減少関数である。また、融資情報取得手段6311は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、リスクランクと融資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、リスクランクに対応する融資金額を対応表から取得する。なお、融資は、クラウドファンディングなどの小口投融資を含んでも良いことは言うまでもない。
【0388】
なお、融資情報取得手段6311の融資情報の取得アルゴリズムは問わない。
【0389】
投資情報取得手段6312は、資産価値を用いて、投資情報を取得する。投資情報取得手段6312は、資産価値とランクとを用いて、投資情報を取得することは好適である。投資情報取得手段6312は、例えば、飼育者ランクとリスクランクのうちの1以上のランクを用いて投資情報を取得する。
【0390】
投資情報取得手段6312は、例えば、資産価値が大きいほど、高い投資金額を取得する。投資情報取得手段6312は、例えば、資産価値をパラメータとして、投資金額を出力する演算式に、資産価値格納部611の資産価値を代入し、当該演算式を実行し、投資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、資産価値をパラメータとする増加関数である。また、投資情報取得手段6312は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、資産価値の幅と投資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、資産価値格納部611の資産価値に対応する投資金額を対応表から取得する。
【0391】
投資情報取得手段6312は、例えば、飼育者ランクが高いほど、高い投資金額を取得する。投資情報取得手段6312は、例えば、飼育者ランクをパラメータとして、投資金額を出力する演算式に、飼育者ランクを代入し、当該演算式を実行し、投資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、飼育者ランクをパラメータとする増加関数である。また、投資情報取得手段6312は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、飼育者ランクと投資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、飼育者ランクに対応する投資金額を対応表から取得する。
【0392】
投資情報取得手段6312は、例えば、リスクランクが高いほど、低い投資金額を取得する。投資情報取得手段6312は、例えば、リスクランクをパラメータとして、投資金額を出力する演算式に、リスクランクを代入し、当該演算式を実行し、投資金額を算出する。かかる場合、当該演算式は、リスクランクをパラメータとする減少関数である。また、投資情報取得手段6312は、例えば、格納部61に格納されている対応表であり、リスクランクと投資金額との対応を示す2以上の対応情報を有する対応表を参照し、リスクランクに対応する投資金額を対応表から取得する。
【0393】
なお、投資情報取得手段6312の投資情報の取得アルゴリズムは問わない。
【0394】
出力部64は、各種の情報を出力する。ここで、出力とは、例えば、ユーザ端末3への送信である。ただし、出力とは、表示でも良い。
【0395】
金融関連情報出力部641は、金融関連情報取得部631が取得した金融関連情報を出力する。
【0396】
格納部61、および資産価値格納部611は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0397】
格納部61等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部61等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部61等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部61等で記憶されるようになってもよい。
【0398】
受付部62は、例えば、無線または有線の通信手段により実現される。
【0399】
処理部63、金融関連情報取得部631融資情報取得手段6311、および投資情報取得手段6312は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部63等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0400】
出力部64、および金融関連情報出力部641は、例えば、無線または有線の通信手段により実現される。
【0401】
次に、情報システムCを構成する金融関連情報出力装置6の動作例について、図25のフローチャートを用いて説明する。
【0402】
(ステップS2501)受付部62は、金融関連情報出力指示を受け付けたか否かを判断する。金融関連情報出力指示を受け付けた場合はステップS2502に行き、金融関連情報出力指示を受け付けなかった場合はステップS2508に行く。
【0403】
(ステップS2502)金融関連情報取得部631は、ステップS2501で受け付けられた金融関連情報出力指示が有する生簀識別子を取得する。
【0404】
(ステップS2503)金融関連情報取得部631は、ステップS2502で取得された生簀識別子と対になる資産価値を資産価値格納部611から取得する。
【0405】
(ステップS2504)ランク取得手段531は、生簀識別子と対になる飼育者識別子に対応する飼育者情報を飼育者情報格納部511から取得する。そして、ランク取得手段531は、飼育者情報を用いて、飼育者ランクを取得する。なお、飼育者ランクの取得アルゴリズムの例は上述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0406】
(ステップS2505)ランク取得手段531は、生簀識別子と対になる飼育者識別子に対応するリスク要因情報をリスク要因情報格納部512から取得する。そして、ランク取得手段531は、リスク要因情報を用いて、リスクランクを取得する。なお、リスクランクの取得アルゴリズムの例は上述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0407】
(ステップS2506)金融関連情報取得部631は、ステップS2503で取得した資産価値、ステップS2504で取得した飼育者ランク、ステップS2505で取得したリスクランクを用いて、金融関連情報を取得する。
【0408】
なお、金融関連情報が保険情報である場合、保険情報取得手段532が、資産価値と飼育者ランクとリスクランクとを用いて、保険情報を取得する。また、金融関連情報が融資情報である場合、融資情報取得手段6311が、資産価値と飼育者ランクとリスクランクとを用いて、融資情報を取得する。また、金融関連情報が投資情報である場合、投資情報取得手段6312が、資産価値と飼育者ランクとリスクランクとを用いて、投資情報を取得する。
【0409】
また、ここで、金融関連情報取得部631は、2種類以上の金融関連情報(例えば、、融資情報と投資情報)を取得しても良い。
【0410】
(ステップS2507)金融関連情報出力部54は、ステップS2506で取得された1種類以上の金融関連情報を出力する。ステップS2501に戻る。
【0411】
(ステップS2508)受付部62は、情報を受け付けたか否かを判断する。情報を受け付けた場合はステップS2509に行き、情報を受け付けなかった場合はステップS2501に戻る。なお、情報とは、例えば、飼育者情報、リスク要因情報である。受付部62は、生簀識別子、または飼育者識別子に対応付けられた情報を受け付ける。
【0412】
(ステップS2509)図示しない蓄積手段は、ステップS2508で受信された情報を格納部61に蓄積する。ステップS2501に戻る。なお、ステップS2508で受信された情報は、通常、生簀識別子、または飼育者識別子に対応付けられて蓄積される。
【0413】
なお、図25のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0414】
以下、本実施の形態における情報システムCの具体的な動作について説明する。情報システムBの概念図は図23である。なお、保険情報を取得する処理については、実施の形態2で説明したので、ここでは、融資金額情報、投資金額情報の取得処理について説明する。
【0415】
今、飼育者情報格納部511には、図18に示す構造を有する飼育者情報管理表が格納されている、とする。
【0416】
また、リスク要因情報格納部512には、図19に示す構造を有するリスク要因情報管理表が格納されている、とする。
【0417】
また、格納部61には、図26に示す資産金融関連情報管理表が格納されている。資産金融関連情報管理表は、所有する資産価値(V)に対する標準の金融関連情報(融資金額、投資金額)を決定するための対応表である。なお、図24のx~x、d~d、e~e等には、通常、具体的な数値または数値を取得する算出式が格納されている。なお、融資金額は融資情報の例であり、投資金額は投資情報の例である。
【0418】
また、格納部61には、図27に示す飼育者ランク補正表が格納されている。飼育者ランク補正表は、飼育者ランクに応じて、図26を用いて取得された標準値を補正するための表である。図27では、飼育者ランクに応じて、補正情報に対応する数値分、標準値が増減する。
【0419】
また、格納部61には、図228示すリスクランク補正表が格納されている。リスクランク補正表は、リスクランクに応じて、図26を用いて取得された標準値を補正するための表である。図28では、リスクランクに応じて、補正情報に対応する数値分、標準値が増減する。
【0420】
かかる状況において、ユーザ(例えば、飼育者、または金融関係会社の社員)が、ユーザ端末3に、飼育者識別子「b01」を有する金融関連情報出力指示を入力した、とする。すると、ユーザ端末3のユーザ受付部32は金融関連情報出力指示を受け付ける。そして、ユーザ処理部33は、飼育者識別子「b01」を有する指示であり、送信する構造の金融関連情報出力指示を構成する。次に、ユーザ送信部34は、当該金融関連情報出力指示を金融関連情報出力装置6に送信する。
【0421】
次に、金融関連情報出力装置6の受付部62は、金融関連情報出力指示を受信する。次に、金融関連情報取得部631は、当該保険情報出力指示が有する飼育者識別子「b01」を取得する。
【0422】
次に、金融関連情報取得部631は、飼育者識別子「b01」と対になる資産価値「V1」「V2」を図18の管理表から取得する。そして、金融関連情報取得部631は、2つの資産価値を加算し、「V1+V2」を得る。
【0423】
次に、ランク取得手段531は、飼育者識別子「b01」に対応する飼育者ランク「4」を図18の管理表から取得する。
【0424】
また、ランク取得手段531は、飼育者識別子「b01」と対になるリスクランク「3」「1」を取得する。また、ランク取得手段531は、2つのリスクランク「3」「1」の代表値(ここでは、例えば、平均値)である「2」を取得する。つまり、ランク取得手段531は、複数のリスクランクを用いて、代表値を取得する。また、ここでは、代表値は平均値であるが、最大値、最小値、中間値等でも良い。
【0425】
次に、融資情報取得手段6311は、資産価値「V1+V2」を図26の管理表に適用し、例えば、「ID=3」のレコードに対応する、と判断した、とする。そして、融資情報取得手段6311は、資産価値「V1+V2」に対応する標準の融資金額「d」を図26の管理表から取得する。
【0426】
次に、融資情報取得手段6311は、飼育者ランク「4」に対応する補正情報「+5%」を図27の管理表から取得する。
【0427】
また、融資情報取得手段6311は、リスクランク「2」に対応する補正情報「+5%」を図28の管理表から取得する。
【0428】
次に、融資情報取得手段6311は、飼育者ランク「4」に対応する補正情報「+5%」とリスクランク「2」に対応する補正情報「+5%」とから「+10%」を算出し、当該「+10%」と標準の融資金額「d」とを用いて、融資金額「d×1.1」を算出する。
【0429】
次に、投資情報取得手段6312は、資産価値「V1+V2」を図26の管理表に適用し、例えば、「ID=3」のレコードに対応する、と判断した、とする。そして、投資情報取得手段6312は、資産価値「V1+V2」に対応する標準の投資金額「e」を図26の管理表から取得する。
【0430】
次に、投資情報取得手段6312、飼育者ランク「4」に対応する補正情報「+10%」を図27の管理表から取得する。
【0431】
また、投資情報取得手段6312は、リスクランク「2」に対応する補正情報「+10」を図28の管理表から取得する。
【0432】
次に、投資情報取得手段6312は、飼育者ランク「4」に対応する補正情報「+10%」とリスクランク「2」に対応する補正情報「+10%」とから「+20%」を算出し、当該「+20%」と標準の投資金額「e」とを用いて、融資金額「d×1.2」を算出する。
【0433】
次に、金融関連情報出力部641は、算出された融資金額、投資金額を、金融関連情報出力指示を送信してきたユーザ端末3に送信する。
【0434】
次に、ユーザ端末3のユーザ受信部35は、融資金額、投資金額を受信する。そして、ユーザ処理部33は、受信された融資金額、投資金額を出力するデータ構造にする。次に、ユーザ出力部36は、かかる融資金額、投資金額を表示する。
【0435】
以上、本実施の形態によれば、資産価値を用いて、適切な金融関連情報を取得できる。
【0436】
また、本実施の形態によれば、資産価値と飼育者情報とを用いて金融関連情報を取得できる。
【0437】
また、本実施の形態によれば、飼育者のランクに基づき、適切な金融関連情報を取得できる。
【0438】
さらに、本実施の形態によれば、リスク要因に基づき、適切な金融関連情報を取得できる。
【0439】
なお、本実施の形態において、金融関連情報出力装置6は、資産価値出力装置1を内部に有しても良い。
【0440】
さらに、本実施の形態における金融関連情報出力装置6を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、飼育者を識別する飼育者識別子または生簀を識別する生簀識別子に対応付けて、水中生物群の資産価値が格納される資産価値格納部にアクセス可能なコンピュータを、前記資産価値格納部に格納されている資産価値を用いて、金融に関する金融関連情報を取得する金融関連情報取得部と、前記金融関連情報を出力する金融関連情報出力部として機能させるためのプログラムである。
【0441】
(実施の形態4)
本実施の形態において、保険対象の生簀であり、損害が生じた生簀等を特定する識別子を受け付け、当該識別子を用いて取得した情報(例えば、生簀の規模を特定する規模情報)を格納部から取得し、当該情報に基づいて損害額を算定する損害額出力装置を具備する情報システムについて説明する。
【0442】
また、本実施の形態において、損害額を決定する場合の基礎的な情報である求償単価を自動的に取得する損害額出力装置を具備する情報システムについて説明する。
【0443】
また、本実施の形態において、生簀を撮影して得られた1以上の画像を用いて、生簀の有無の判定を行う生簀存在判断処理を行う損害額出力装置を具備する情報システムについて説明する。
【0444】
また、本実施の形態において、飼育者のオペレーションの有無の判断を行う作業有無判断処理を行う損害額出力装置を具備する情報システムについて説明する。なお、作業有無判断処理について、生簀を撮影して得られた1以上の画像を用いる場合、飼育者または船と共に移動する移動体の位置情報を用いる場合について説明する。
【0445】
さらに、本実施の形態において、損害発生の有無の判断を行う損害発生有無判断処理を行う損害額出力装置を具備する情報システムについて説明する。なお、損害発生有無判断処理について、生簀を撮影して得られた1以上の画像を用いる場合、例えば、降水量、気温等の環境情報を用いる場合について説明する。
【0446】
本実施の形態における情報システムDの概念図は、図23と比較して、符号6が符号7に変わっただけである。情報システムDは、資産価値出力装置1、1または2以上の給餌器2、1または2以上のユーザ端末3、1または2以上のカメラ4、および損害額出力装置7を備える。
【0447】
情報システムDを構成する損害額出力装置7のブロック図は、図29である。損害額出力装置7は、格納部71、受付部72、処理部73、出力部74を備える。
【0448】
格納部71は、飼育者情報格納部511、求償単価格納部711、および生簀画像格納部712を備える。
【0449】
受付部72は、リスク要因受付部721、指示受付部722、位置情報受信部723、および環境情報受付部74を備える。
【0450】
処理部73は、存在判断部731、作業判断部732、損害発生判断部733、規模取得部734、求償単価取得部735、および損害額取得部736を備える。
【0451】
出力部74は、存在判断結果出力部741、作業判断結果出力部742、損害発生判断結果出力部743、および損害額出力部744を備える。
【0452】
損害額出力装置7を構成する格納部71には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、飼育者情報、後述する単価管理情報、後述する求償単価格、後述する生簀画像、1種類以上の環境情報である。環境情報は、環境に関する情報である。環境情報は、例えば、水温、気温、降水量等である。環境情報は、例えば、図示しないサーバから取得された情報である。格納部71の環境情報は、その環境情報が発生した日時に対応付いていることは好適である。
【0453】
飼育者情報格納部511には、水中生物群の飼育者に関する情報であり、飼育者識別子生簀識別子、規模情報を有する1以上の飼育者情報が格納される。ここで、規模情報とは、生簀の規模を特定する情報である。規模情報は、例えば、生簀で飼われている水中生物の匹数、生簀の面積、生簀の体積のうち、1以上の情報である。
【0454】
求償単価格納部711には、1または2以上の求償単価情報が格納される。求償単価格納部711には、求償単価情報を有する1または2以上の単価管理情報が格納されていても良い。単価管理情報は、リスク要因情報に関する条件である要因条件と求償単価情報とを有する。求償単価格納部711には、例えば、リスクレベルと要因条件と求償単価情報とを有する2以上の単価管理情報が格納される。また、求償単価格納部711に、飼育対象の種類である種類情報、地域を識別する地域識別子、または飼育者ランクのうちの1以上の情報に対応付けて、2以上の単価管理情報の集合が格納されていることは好適である。求償単価情報とは、求償単価を特定する情報である。求償単価は、生簀の単位量あたりの損害額である。生簀の単位量とは、例えば、生簀の中の水中生物の単位匹数(例えば、1匹あたり、100匹あたり等)、単位面積(例えば、1m、100m等)、または単位体積(例えば、1m、50m等)である。また、要因条件は、例えば、環境情報の幅を特定する情報である。
【0455】
生簀画像格納部712には、生簀を撮影して得られた1以上の生簀画像が格納される。1以上の生簀画像は、例えば、カメラ4が撮影した画像である。1以上の各生簀画像には、通常、生簀識別子に対応付いている。1以上の各生簀画像には、位置情報が対応付いていても良い。1以上の各生簀画は、どの生簀の画像であるかを特定できる情報に対応付いていれば良い。また、1以上の生簀画像は、例えば、カメラ4、図示しない人工衛星、図示しない航空機、または図示しないドローン等が撮影した画像であり、カメラ4、人工衛星等から受信された画像である。なお、1以上の生簀画像のフォーマット等は問わない、ことは言うまでもない。
【0456】
受付部72は、各種の指示や情報等を受け付ける。各種の指示や情報等は、例えば、リスク要因情報、後述する損害額算定指示、後述する位置情報である。
【0457】
ここで、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介した外部の装置からの受信である。また、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスからユーザにより入力されても良いし、後述する画像処理等の処理により取得しても良い。また、受け付けとは、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である、と考えても良い。
【0458】
リスク要因受付部721は、1以上のリスク要因情報を受け付ける。リスク要因受付部721は、例えば、外部の図示しない装置またはユーザ端末3から1以上のリスク要因情報を受信する。リスク要因受付部721は、リスク要因情報と共に、位置情報または生簀識別子を受け付けることは好適である。
【0459】
指示受付部722は、飼育者識別子または生簀識別子を有する損害額算定指示を受け付ける。損害額算定指示は、損害額の算定の指示である。指示受付部722は、例えば、ユーザ端末3から損害額算定指示を受信する。
【0460】
位置情報受信部723は、飼育者に対応する1以上の位置情報を受信する。飼育者に対応する1以上の位置情報とは、例えば、飼育者の携帯端末の位置を特定する位置情報、船に設置された端末の位置を特定する位置情報、ユーザ端末3の位置を特定する位置情報である。位置情報受信部723は、例えば、GPS受信機である。位置情報は、通常、(緯度,経度)であるが、他のデータ構造等でも良い。
【0461】
環境情報受付部74は、1または2以上の環境情報を受け付ける。環境情報受付部74は、例えば、図示しないサーバ(例えば、気象庁のサーバ)から1以上の環境情報を受信する。また、環境情報受付部74は、例えば、ユーザからの入力である1以上の環境情報を受け付ける。
【0462】
処理部73は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、存在判断部731、作業判断部732、損害発生判断部733、規模取得部734、求償単価取得部735、損害額取得部736が行う処理である。
【0463】
また、処理部73は、リスク要因受付部721が受け付けた1以上のリスク要因情報を格納部71に蓄積する。また、処理部73は、位置情報受信部723が受信した1以上の位置情報を、飼育者識別子、生簀識別子、端末識別子等のうちの1以上の識別子に対応付けて、格納部71に蓄積する。また、処理部73は、環境情報受付部74が受け付けた1以上の環境情報を、日時、位置情報、地域識別子等のうちの1以上の情報に対応付けて、格納部71に蓄積する。
【0464】
存在判断部731は、1以上の生簀画像を用いて、生簀が存在するか否かを判断する。なお、かかる処理を生簀存在判断処理という。
【0465】
存在判断部731は、例えば、以下のように動作する。つまり、存在判断部731は、指示受付部722が受け付けた損害額算定指示等の指示に含まれる生簀識別子を取得する。次に、存在判断部731は、当該生簀識別子と対になる1以上の生簀画像を生簀画像格納部712から取得する。次に、存在判断部731は、取得した1以上の各生簀画像を用いて、当該画像内に生簀が存在するか否かを判断する。
【0466】
なお、海面または湖面生簀であることの判定方法は、例えば、(a)同一形状、サイズの正円形もしくは正方形の生簀が複数台隣接して存在していること、(b)船などの他の漂流物と比較し、日単位や時間単位での生簀の移動がないことを判定すること等がある。
【0467】
また、陸上のえび養殖池であることの判定方法は、(a)正方形、もしくは長方形などの池が隣接して存在すること、(b)高密度でえびを養殖するために必要なエアレーション機材の有無を判定すること、(c)エアレーションによって池面に発生する渦状の流れ場の有無を判定すること等がある。
【0468】
上記の判断を存在判断部731が行う方法は、例えば、以下の3種類の方法がある。
(1)機械学習による方法
【0469】
存在判断部731は、生簀の1以上の画像を1以上の正例画像、生簀ではない1以上の画像を1以上の負例画像として、機械学習のアルゴリズムにより学習し、学習器を構成する。そして、存在判断部731は、取得した1以上の各生簀画像と学習器とを機械学習のアルゴリズムを用いて、生簀の画像か生簀の画像でないかを分類する。そして、存在判断部731は、分類結果が予め決められた条件を満たすほど生簀の画像が多い(例えば、生簀の画像が閾値の割合以上、生簀の画像の枚数が閾値以上)と判断した場合に、生簀が存在すると判断する。一方、存在判断部731は、分類結果が予め決められた条件を満たすほど生簀でない画像が多い(例えば、生簀ではない画像が閾値の割合以上、生簀ではない画像の枚数が閾値以上)と判断した場合に、生簀が存在すると判断する。
【0470】
なお、機械学習のアルゴリズムは、例えば、深層学習、SVM、決定木、ランダムフォレスト等であり、問わないことは言うまでもない。
【0471】
また、機械学習において、機械学習の関数(例えば、fasttext、TinySVM、各種のrandomForest関数等)に、1以上の正例画像と1以上の負例画像と、または1以上の各正例画像から取得される素性を要素とするベクトルと1以上の負例画像とから取得される素性を要素とするベクトルを与えると、正例画像か負例画像かを分類する学習器が構成される。
【0472】
また、機械学習において、機械学習の関数(例えば、fasttext、TinySVM、各種のrandomForest関数等)に、取得した1以上の各生簀画像または当該各生簀画像から取得される素性を要素とするベクトル、および学習器を引数として与えると分類結果(生簀の画像か生簀の画像でないかを示す情報)が得られる。なお、かかる処理は、機械学習を用いた分類処理であり、上述した種類情報取得手段1312が使用する機械学習の分類処理と同様である。
(2)オブジェクト認識による方法
【0473】
存在判断部731は、取得した1以上の各生簀画像に対してオブジェクト認識処理を行い、1以上のオブジェクトを検知する。なお、オブジェクト認識処理は公知技術である。そして、存在判断部731は、各オブジェクトの形状、サイズ(画像上のサイズ)、オブジェクトの画像内での位置を示す配置情報を取得する。そして、存在判断部731は、生簀画像から取得したオブジェクトの情報が予め決められた条件を満たす場合に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。なお、かかる条件は、格納部71に格納されている、とする。
【0474】
例えば、生簀が、海面または湖面生簀である場合、存在判断部731は、例えば、生簀画像からから取得したオブジェクトの情報が、概ね同一の形状、概ね正円形もしくは正方形の形状、概ね同一のサイズのオブジェクトが複数、隣接して配置されていると判断できる場合、当該生簀画像の中には、生簀が存在している、と判断する。そして、存在判断部731は、取得した1以上の各生簀画像が、予め決められた条件を満たすほど多く(例えば、1以上の各生簀画像の全部、閾値以上の割合、閾値以上の数、1以上等)、生簀が存在している、と判断した場合に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。
【0475】
また、例えば、生簀が、海面または湖面生簀である場合、存在判断部731は、例えば、同じカメラ4から異なる時刻に取得された2以上の各生簀画像から1以上のオブジェクトを認識し、当該1以上の各オブジェクトの属性値(例えば、形状、サイズ、配置)が、生簀画像間で一致するまたは概ね一致するまたは類似度が閾値以上である場合等に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。
【0476】
また、例えば、生簀が、陸上のえび養殖池である場合、存在判断部731は、例えば、生簀画像からから取得したオブジェクトの情報が、概ね正方形もしくは長方形の形状、概ね同一のサイズのオブジェクトが複数、隣接して配置されていると判断できる場合、当該生簀画像の中には、生簀が存在している、と判断する。そして、存在判断部731は、取得した1以上の各生簀画像が、予め決められた条件を満たすほど多く(例えば、1以上の各生簀画像の全部、閾値以上の割合、閾値以上の数、1以上等)、生簀が存在している、と判断した場合に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。
【0477】
また、例えば、生簀が、陸上のえび養殖池である場合、存在判断部731は、例えば、生簀画像から取得したオブジェクトのいずれかの属性値の集合(属性値ベクトル)が、エアレーション機材のオブジェクトの属性値の集合(属性値ベクトル)と予め決められた条件を満たすほど類似する場合に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。なお、かかる場合、エアレーション機材のオブジェクトの属性値ベクトルは格納部71に格納されている、とする。
【0478】
また、例えば、生簀が、陸上のえび養殖池である場合、存在判断部731は、例えば、生簀画像から取得したオブジェクトのいずれかの属性値ベクトルが、エアレーション機材によって池面に発生する渦状の流れ場の画像から取得される属性値ベクトルと予め決められた条件を満たすほど類似する場合に、生簀識別子で識別される生簀が、実際に存在している、と判断する。なお、かかる場合、エアレーション機材によって池面に発生する渦状の流れ場の画像から取得される属性値ベクトルは格納部71に格納されている、とする。
(3)画像の類似度を用いる方法
【0479】
例えば、生簀の1以上の画像である1以上の正例画像から取得されたベクトルの平均値である正例ベクトル、および生簀ではない1以上の負例画像から取得されたベクトルの平均値である負例ベクトルが格納部71に格納されている、とする。そして、存在判断部731は、取得された1以上の各生簀画像からベクトルを取得し、当該ベクトルと正例ベクトルとの距離、当該ベクトルと負例ベクトルとの距離を算出し、2つの距離を比較し、距離が短い方が正例ベクトルであれば当該生簀画像には生簀が存在すると判断し、距離が長い方が正例ベクトルであれば当該生簀画像には生簀が存在しないと判断する。
【0480】
または、例えば、生簀の1以上の画像である1以上の正例画像から取得されたベクトルの平均値である正例ベクトルが格納部71に格納されている、とする。そして、存在判断部731は、取得された1以上の各生簀画像からベクトルを取得し、当該ベクトルと正例ベクトルとの距離を算出し、当該距離が予め決められた条件を満たすほど短い(閾値以下または閾値未満等)の場合には当該生簀画像には生簀が存在すると判断し、予め決められた条件を満たすほど短くない場合には当該生簀画像には生簀が存在しないと判断する。
【0481】
作業判断部732は、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する。なお、かかる処理を作業有無判断処理という。
【0482】
作業判断部732は、例えば、生簀を撮影して得られた1以上の生簀画像を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する。生簀画像を用いた作業有無判断処理の4つの例について、以下に説明する。
(1)作業判断部732は、例えば、1以上の各生簀画像をオブジェクト認識し、一部の時間帯の生簀画像に船であるオブジェクトが存在し、他の時間帯の生簀画像に船であるオブジェクトが存在しないと判断した場合、飼育者が生簀に対して作業を行っている、と判断し、判断結果(例えば、作業を行っていることを示す「1」)を取得する。また、作業判断部732は、例えば、1以上の各生簀画像をオブジェクト認識し、いずれの時間帯の生簀画像にも船であるオブジェクトが存在しないと判断した場合、飼育者が生簀に対して作業を行っていない、と判断し、判断結果(例えば、作業を行っていないことを示す「0」)を取得する。なお、生簀画像に船が存在するか否かの判断は、画像のオブジェクト認識技術により可能であるので、詳細な説明は省略する。
(2)作業判断部732は、例えば、1以上の各生簀画像をオブジェクト認識し、生簀画像に自動給餌器2等の予め決められた設備が存在すると判断した場合に、飼育者が生簀に対して作業を行っている、と判断し、に自動給餌器2等の予め決められた設備が存在しないと判断した場合に、飼育者が生簀に対して作業を行っていない、と判断する。なお、自動給餌器2等の予め決められた設備が存在するか否かの判断は、画像のオブジェクト認識技術により可能である。
(3)作業判断部732は、例えば、1以上の各生簀画像の各画素の平均値を取得する。そして、平均値が養殖中の養殖領域の値と比較して、予め決められた条件を満たすほど類似する場合は、飼育者が生簀に対して作業を行っている、と判断する。また、平均値が養殖休止中の養殖領域の値と比較して、予め決められた条件を満たすほど類似する場合は、飼育者が生簀に対して作業を行っていない、と判断する。なお、例えば、陸上のエビ養殖池の場合は、エビ養殖の池表面色の特徴として、養殖休止中は青、養殖中は緑または茶色に変色するため、当該池の色から、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
(4)作業判断部732は、例えば、養殖中の1以上の生簀画像である1以上の正例画像、および養殖休止中の生簀画像である1以上の負例画像を使用して、機械学習のアルゴリズムにより、学習器を構成する。そして、例えば、作業判断部732は、例えば、1以上の各生簀画像を、学習器を用いて、機械学習のアルゴリズムにより分類し、正例画像か負例画像かを判断する。なお、機械学習のアルゴリズムについては上述した。
【0483】
作業判断部732は、例えば、1以上の位置情報を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断する。位置情報を用いた作業有無判断処理の2つの例について、以下に説明する。
(1)作業判断部732は、例えば、ユーザ端末3のGPS受信機から取得され、ユーザ端末から送信された1以上の位置情報であり、位置情報受信部723が受信した1以上の位置情報を取得する。そして、作業判断部732は、生簀識別子と対になる位置情報を飼育者情報格納部511から取得する。そして、位置情報受信部723が受信した1以上の各位置情報と生簀識別子と対になる位置情報との距離を算出し、1以上の距離を取得する。そして、作業判断部732は、例えば、1以上の距離のうち、1以上の距離が予め決められた条件を満たすほど小さいと判断した場合、飼育者が生簀に居る時間帯があり、飼育者が生簀に対して作業を行っていると判断する。
(2)作業判断部732は、例えば、生簀に設置された図示しない端末から送信された2以上の位置情報であり、位置情報受信部723が受信した2以上の位置情報を取得する。そして、作業判断部732は、かかる2以上の位置情報から、生簀が移動したか否かを判断する。生簀が移動していないと判断した場合は、作業判断部732は、飼育者が生簀に対して作業を行っていると判断する。生簀が移動したと判断した場合は、作業判断部732は、飼育者が生簀に対して作業を行っていないと判断する。
【0484】
なお、作業判断部732は、例えば、2以上の各位置情報(x,y)の距離を算出し、最大距離が閾値以内または閾値より小さいか否かにより、生簀が移動していないか否かを判断する。つまり、最大距離が閾値以内または閾値より小さい場合は、生簀は移動していないと判断し、飼育者が生簀に対して作業を行っていることを示す情報を取得し、最大距離が閾値以上または閾値より大きい場合は、生簀は移動していると判断し、飼育者が生簀に対して作業を行っていないことを示す情報を取得する。
【0485】
損害発生判断部733は、生簀において損害が発生しているか否かを判断する。なお、かかる処理を損害発生有無判断処理という。
【0486】
損害発生判断部733は、生簀を撮影して得られた1以上の画像を用いて、生簀において損害が発生しているか否かを判断する。
【0487】
例えば、損害発生判断部733は、例えば、概ね同一時刻における一の日の生簀画像と、他の日の生簀画像との類似度を算出し、当該類似度が予め決められた条件を満たすほど低い(類似度が閾値以下、または閾値未満)場合、損害が発生していると判断する。例えば、台風により生簀が破壊された場合の生簀画像と正常時の生簀画像との類似度は低い。なお、かかる判断の際に、損害発生判断部733は、例えば、概ね同一時刻、概ね同一の天気の一の日の生簀画像と他の日の生簀画像とを用いることは好適である。
【0488】
損害発生判断部733は、環境情報を用いて、生簀において損害が発生しているか否かを判断する。
【0489】
損害発生判断部733は、例えば、対象となる所定期間の1以上の環境情報が、求償単価格納部711に格納されているリスク要因情報に関する条件である要因条件に合致するか否かを判断し、合致する場合には生簀において損害が発生していないと判断し、合致しない場合には生簀において損害が発生していると判断する。
【0490】
損害発生判断部733は、例えば、1または2以上の時間的に連続する環境情報が予め格納されている適正値の範囲であるか否かを判断し、当該1以上のすべての環境情報が適正値の範囲でないと判断した場合、生簀において損害が発生していることを示す判断結果を取得する。なお、1または2以上の時間的に連続する環境情報は、予め決められた時間(例えば、10時間、24時間等)の2以上の環境情報であることは好適である。
【0491】
規模取得部734は、損害額算定指示が有する飼育者識別子または生簀識別子と対になる規模情報を飼育者情報格納部511から取得する。
【0492】
求償単価取得部735は、リスク要因受付部721が受け付けた1以上のリスク要因情報に合致する要因条件と対になる求償単価情報を取得する。
【0493】
損害額取得部736は、求償単価情報と規模取得部734が取得した規模情報とを用いて、損害額算定指示が有する飼育者識別子により識別される飼育者または生簀識別子により識別される生簀の損害額を取得する。
【0494】
損害額取得部736は、例えば、演算式「損害額=求償単価情報×規模情報」により、損害額を算出する。
【0495】
出力部74は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、各種の判断結果、損害額等である。ここで、出力とは、例えば、ユーザ端末3等の端末への送信である。ただし、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどでも良い。また、出力部74が出力する損害額、判断結果は如何様に使用されても良い。出力部74が出力する損害額、判断結果は、例えば、クラウドファンディングなどの小口投融資のための情報として使用されても良い。また、出力部74が出力する損害額、判断結果は、例えば、空き生簀のシェアリングサービスのため、各種のレポートの作成、養殖活用における仕入れ販売支援等に使用されても良い。なお、レポートは、例えば、養殖活用における環境負荷の評価レポートである。
【0496】
存在判断結果出力部741は、存在判断部731が取得した判断結果を出力する。なお、かかる判断結果は、生簀が存在するか否かを示す情報である。
【0497】
作業判断結果出力部742は、作業判断部732が取得した判断結果を出力する。なお、かかる判断結果は、飼育者が作業を行ったか否かを示す情報である。
【0498】
損害発生判断結果出力部743は、損害発生判断部733が取得した判断結果を出力する。なお、かかる判断結果は、損害が発生したか否かを示す情報である。
【0499】
損害額出力部744は、損害額取得部736が取得した損害額を出力する。
【0500】
損害額出力部744は、損害が発生していると損害発生判断部733が判断した場合のみ、損害額を出力することは好適である。
【0501】
格納部71、単価管理情報管理部712、求償単価格納部711、および生簀画像格納部712は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0502】
格納部71等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部71等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部71等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部71等で記憶されるようになってもよい。
【0503】
受付部72、リスク要因受付部721、指示受付部722、および位置情報受信部723は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0504】
処理部73、存在判断部731、作業判断部732、損害発生判断部733、規模取得部734、求償単価取得部735、および損害額取得部736は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部73等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0505】
出力部74、存在判断結果出力部741、作業判断結果出力部742、損害発生判断結果出力部743、および損害額出力部744は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。ただし、出力部74等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現されても良い。
【0506】
次に、情報システムDを構成する損害額出力装置7の第一の動作例について、図30のフローチャートを用いて説明する。第一の動作例は、損害額算定指示の受け付けに応じて、損害額を算定し、出力する場合の動作例である。
【0507】
(ステップS3001)指示受付部722は、損害額算定指示を受け付けたか否かを判断する。損害額算定指示を受け付けた場合はステップS3002に行き、損害額算定指示を受け付けなかった場合はステップS3017に行く。
【0508】
(ステップS3002)処理部73は、ステップS3001で受け付けられた損害額算定指示が有する生簀識別子を取得する。なお、処理部73は、ステップS3001で受け付けられた損害額算定指示が有する飼育者識別子と対になる生簀識別子を飼育者情報格納部511から取得しても良い。
【0509】
(ステップS3003)存在判断部731は、ステップS3002で取得された生簀識別子で識別される生簀が存在するか否かを判断する生簀存在判断処理を行う。生簀存在判断処理の例について、図32のフローチャートを用いて説明する。
【0510】
(ステップS3004)処理部73は、ステップS3003での判断結果が「生簀が存在する」であるか否かを判断する。「生簀が存在する」との判断である場合はステップS3005に行き、「生簀が存在しない」との判断である場合はステップS3011に行く。
【0511】
(ステップS3005)作業判断部732は、ステップS3002で取得された生簀識別子で識別される生簀で、飼育者が飼育作業を行っていたか否かを判断する作業有無判断処理を行う。作業有無判断処理の例について、図33のフローチャートを用いて説明する。
【0512】
(ステップS3006)処理部73は、ステップS3005での判断結果が「作業を行っている」であるか否かを判断する。「作業を行っている」との判断である場合はステップS3007行き、「作業を行っていない」との判断である場合はステップS3013に行く。
【0513】
(ステップS3007)損害発生判断部733は、ステップS3002で取得された生簀識別子で識別される生簀で、損害が発生したか否かを判断する損害発生有無判断処理を行う。損害発生有無判断処理の例について、図34のフローチャートを用いて説明する。
【0514】
(ステップS3008)処理部73は、ステップS3007での判断結果が「損害が発生した」であるか否かを判断する。「損害が発生した」との判断である場合はステップS3009き、「損害が発生していない」との判断である場合はステップS3015に行く。
【0515】
(ステップS3009)損害額取得部736は、ステップS3002で取得された生簀識別子で識別される生簀で発生した損害の損害額を取得する。かかる損害額取得処理の例について、図35のフローチャートを用いて説明する。
【0516】
(ステップS3010)出力部74は、取得された損害額等を出力する。ステップS3001に戻る。なお、損害額等とは、損害額だけでも良いし、損害額に加えて、存在判断結、作業判断結果、損害発生判断結果のうちの1以上を含んでも良い。
【0517】
(ステップS3011)処理部73は、生簀が存在しない旨のエラーメッセージを取得する。
【0518】
(ステップS3012)出力部74は、ステップS3011で取得されたエラーメッセージを出力する。
【0519】
(ステップS3013)処理部73は、作業を行っていない旨のエラーメッセージを取得する。
【0520】
(ステップS3014)出力部74は、ステップS3011で取得されたエラーメッセージを出力する。
【0521】
(ステップS3015)処理部73は、損害が発生していない旨のエラーメッセージを取得する。
【0522】
(ステップS3016)出力部74は、ステップS3011で取得されたエラーメッセージを出力する。
【0523】
(ステップS3017)位置情報受信部723は、位置情報等を受信したか否かを判断する。位置情報等を受信した場合はステップS3018に行き、位置情報等を受信しなかった場合はステップS3001に戻る。なお、位置情報等とは、1以上の位置情報と、飼育者識別子、生簀識別子、飼育者のユーザ端末3の端末識別子等のうちの1以上の識別子である。
【0524】
(ステップS3018)処理部73は、ステップS3017で受信された位置情報等を格納部71に蓄積する。ステップS3001に戻る。
【0525】
なお、図30のフローチャートにおいて、生簀存在判断処理、作業有無判断処理、および損害発生有無判断処理を行った。しかし、かかる3つの判断処理はオプションであり、必須ではない。
【0526】
また、図30のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0527】
次に、損害額出力装置7の第二の動作例について、図31のフローチャートを用いて説明する。図31のフローチャートにおいて、図30のフローチャートと同一のステップについて、その説明を省略する。なお、第二の動作例は、リスク要因情報等の受け付けに応じて、損害を受けた生簀を特定し、損害額を算定し、出力する場合の動作例である。
【0528】
(ステップS3101)リスク要因受付部721は、リスク要因情報等を受け付けたか否かを判断する。リスク要因情報等を受け付けた場合はステップS3102に行き、リスク要因情報等を受け付けなかった場合はステップS3017に行く。なお、リスク要因情報等とは、例えば、1以上のリスク要因情報と、位置情報または生簀識別子である。また、リスク要因情報等とは、例えば、1以上のリスク要因情報である。受け付けられたリスク要因情報等が、位置情報または生簀識別子等の生簀を特定する情報を含むことは好適である。
【0529】
(ステップS3102)処理部73は、カウンタiに1を代入する。
【0530】
(ステップS3103)処理部73は、i番目の生簀識別子が飼育者情報格納部511に存在するか否かを判断する。i番目の生簀識別子が存在する場合はステップS3104に行き、存在しない場合はステップS3101に戻る。なお、受け付けられたリスク要因情報等が位置情報または生簀識別子等の生簀を特定する情報を含む場合、i番目の生簀識別子は、生簀を特定する情報により特定される生簀の中のi番目の生簀の生簀識別子である。
【0531】
(ステップS3104)処理部73は、i番目の生簀識別子を取得する。ステップS303に行く。なお、ここで取得される生簀識別子は、一つの場合を想定しているが、2以上の生簀識別子が取得された場合、ステップS3003からS3010、およびS3011からS3016が生簀識別子の数だけ繰り返される。
【0532】
(ステップS3105)処理部73は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS3103に戻る。
【0533】
なお、図31のフローチャートにおいて、生簀存在判断処理、作業有無判断処理、および損害発生有無判断処理を行った。しかし、かかる3つの判断処理はオプションであり、必須ではない。
【0534】
また、図31のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0535】
次に、ステップS3003の生簀存在判断処理の例について、図32のフローチャートを用いて説明する。
【0536】
(ステップS3201)存在判断部731は、着目している生簀識別子と対になる1以上の生簀画像を生簀画像格納部712から取得する。着目している生簀識別子と対になる1以上の生簀画像とは、例えば、着目している生簀識別子と対になる位置情報と予め決められた条件を満たすほど近い位置の位置情報と対になる1以上の生簀画像でも良い。
【0537】
(ステップS3202)存在判断部731は、カウンタiに1を代入する。
【0538】
(ステップS3203)存在判断部731は、ステップS3201で取得した生簀画像の中で、i番目の生簀画像が存在するか否かを判断する。i番目の生簀画像が存在する場合はステップS3204に行き、i番目の生簀画像が存在しない場合はステップS3206に行く。
【0539】
(ステップS3204)存在判断部731は、i番目の生簀画像を用いて、上述した方法を用いて、着目している生簀識別子で識別される生簀が存在するか否かを判断する。存在判断部731は、ここでの判断結果を、例えば、格納部71に一時的に蓄積する。なお、一の生簀画像から生簀が存在するか否かを判断する方法については上述した。
【0540】
(ステップS3205)存在判断部731は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS3103に戻る。
【0541】
(ステップS3206)存在判断部731は、ステップS3204で蓄積された1以上の判断結果を用いて、生簀が存在するか否かについての判断結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0542】
なお、存在判断部731は、例えば、予め決められた割合以上の判断結果が「生簀が存在する」との判断結果である場合に、最終的な判断結果を「生簀が存在する」とし、予め決められた割合未満の判断結果が「生簀が存在する」との判断結果である場合に、最終的な判断結果を「生簀が存在しない」とする。存在判断部731は、例えば、多い方の判断結果を最終的な判断結果として取得する(多数決)。
【0543】
次に、ステップS3005の作業有無判断処理の例について、図33のフローチャートを用いて説明する。
【0544】
(ステップS3301)作業判断部732は、生簀画像を使用して作業有無判断処理を行うか否かを判断する。生簀画像を使用する場合はステップS3302に行き、生簀画像を使用しない場合はステップS3308に行く。なお、生簀画像を使用するか否かは予め決められていても良いし、着目する生簀識別子と対になる生簀画像が生簀画像格納部712に格納されているかを判断することにより、生簀画像を使用するか否かを判断しても良い。
【0545】
(ステップS3302)作業判断部732は、着目する生簀識別子と対になる1以上の生簀画像が生簀画像格納部712から取得する。
【0546】
(ステップS3303)作業判断部732は、カウンタiに1を代入する。
【0547】
(ステップS3304)作業判断部732は、ステップS3302で取得した生簀画像の中で、i番目の生簀画像が存在するか否かを判断する。i番目の生簀画像が存在する場合はステップS3305に行き、i番目の生簀画像が存在しない場合はステップS3307に行く。
【0548】
(ステップS3305)作業判断部732は、i番目の生簀画像を用いて、上述した方法により、作業の有無の判断を行い、判断結果を格納部71に一時蓄積する。なお、一の生簀画像から作業の有無の判断を行う処理については上述した。
【0549】
(ステップS3306)作業判断部732は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS3103に戻る。
【0550】
(ステップS3307)作業判断部732は、ステップS3305で蓄積された1以上の判断結果を用いて、最終的な判断結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0551】
なお、存在判断部731は、例えば、予め決められた割合以上の判断結果が「作業あり」との判断結果である場合に、最終的な判断結果を「作業あり」とし、予め決められた割合未満の判断結果が「作業あり」との判断結果である場合に、最終的な判断結果を「作業なし」とする。存在判断部731は、例えば、多い方の判断結果を最終的な判断結果として取得する(多数決)。
【0552】
(ステップS3308)作業判断部732は、位置情報を使用して作業有無判断処理を行うか否かを判断する。位置情報を使用する場合はステップS3309に行き、位置情報を使用しない場合はステップS3316に行く。なお、生簀画像を使用しない場合は、通常、位置情報を使用して、作業判断部732は、作業有無判断処理を行う。
【0553】
なお、位置情報を使用するか否かは予め決められていても良いし、着目する生簀識別子、または着目する生簀識別子と対になる飼育者識別子、または着目する生簀識別子と対になる端末識別子等と対になる位置情報が格納部71に格納されているかを判断することにより、位置情報を使用するか否かを判断しても良い。
【0554】
(ステップS3309)作業判断部732は、着目する生簀識別子と対になる位置情報を飼育者情報格納部511から取得する。なお、この位置情報は、当該生簀識別子で識別される生簀の位置を特定する情報である。
【0555】
(ステップS3310)作業判断部732は、ステップS3309で取得された位置情報が示す位置と、予め決められた条件を満たすほど近い位置の1以上の位置情報を格納部71から取得する。なお、ここで取得された1以上の位置情報は、飼育者の端末から送信された位置情報である。
【0556】
(ステップS3311)作業判断部732は、ステップS3310で取得された1以上の位置情報が条件を満たすか否かを判断する。条件を満たす場合はステップS3312に行き、条件を満たさない場合はステップS3316に行く。
【0557】
(ステップS3312)作業判断部732は、着目する生簀識別子と対になる2以上の位置情報であり、生簀に配置されている端末から異なる時刻において送信された2以上の位置情報を格納部71から取得する。そして、作業判断部732は、当該2以上の位置情報を用いて、2以上の位置情報の間の距離を算出する。
【0558】
(ステップS3313)作業判断部732は、ステップS3312で算出した距離を用いて、生簀が移動していないか否かを判断する。生簀が移動していないとの判断の場合はステップS3314に行き、移動しているとの判断の場合はステップS3315に行く。
【0559】
(ステップS3314)作業判断部732は、「作業あり」との判断結果を得る。上位処理にリターンする。
【0560】
(ステップS3315)作業判断部732は、「作業なし」との判断結果を得る。上位処理にリターンする。
【0561】
(ステップS3316)作業判断部732は、「作業なし」との判断結果を得る。上位処理にリターンする。
【0562】
なお、図33のフローチャートにおいて、ステップS3309~ステップS33011、S3316の処理、ステップS3312~ステップS3315の処理のうち、いずれかの処理のみを行っても良い。
【0563】
次に、ステップS3007の損害発生有無判断処理の例について、図34のフローチャートを用いて説明する。
【0564】
(ステップS3401)損害発生判断部733は、着目する生簀識別子と対になる位置情報を飼育者情報格納部511から取得する。
【0565】
(ステップS3402)損害発生判断部733は、カウンタiに1を代入する。
【0566】
(ステップS3403)損害発生判断部733は、評価すべきi番目の環境情報(例えば、水温、気温、降水量等)が存在するか否かを判断する。i番目の環境情報が存在する場合はステップS3404に行き、i番目の環境情報が存在しない場合はステップS3409に行く。
【0567】
(ステップS3404)損害発生判断部733は、ステップS3401で取得した位置情報が示す位置が含まれる領域の所定期間のi番目の環境情報を格納部71または図示しないサーバ(例えば、気象庁のサーバ)から取得する。
【0568】
(ステップS3405)損害発生判断部733は、ステップS3404で取得した所定期間のi番目の環境情報の集合は、適正範囲であるか否かを、求償単価格納部711に格納されているリスク要因情報に関する条件である要因条件を用いて判断する。適正範囲であればステップS3408に行き、適正範囲でなければステップS3406に行く。
【0569】
(ステップS3406)損害発生判断部733は、「損害あり」との判断結果を得て、格納部71に一時蓄積する。
【0570】
(ステップS3407)損害発生判断部733は、ステップS3404で取得した所定期間のi番目の環境情報の集合に対応するリスクレベルを、求償単価格納部711に格納されているリスク要因情報に関する条件である要因条件を用いて取得する。そして、損害発生判断部733は、当該リスクレベルとi番目の環境情報の識別子(例えば、水温であることを示す情報、気温であることを示す情報、降水量であることを示す情報)とを対応付けて格納部71に一時蓄積する。
【0571】
(ステップS3408)損害発生判断部733は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS3403に戻る。
【0572】
(ステップS3409)損害発生判断部733は、ステップS3407で「損害あり」との判断結果が1回でも蓄積された場合はステップS3410に行き、一度も蓄積されていない場合はステップS3411に行く。
【0573】
(ステップS3410)損害発生判断部733は、判断結果「損害あり」を得る。上位処理にリターンする。
【0574】
(ステップS3411)損害発生判断部733は、判断結果「損害なし」を得る。上位処理にリターンする。
【0575】
なお、図34のフローチャートにおいて、ステップS3407の処理は損害額の取得のための処理であり、損害額を取得しない場合は不要である。
【0576】
次に、ステップS3009の損害額取得処理の例について、図35のフローチャートを用いて説明する。
【0577】
(ステップS3501)求償単価取得部735は、ステップS3407で一時蓄積されたリスクレベルのうち、最大のリスクレベルを取得する。そして、求償単価取得部735は、当該最大のリスクレベルと対になる求償単価情報を求償単価格納部711から取得する。
【0578】
(ステップS3502)規模取得部734は、着目する生簀識別子と対になる規模情報を飼育者情報格納部511から取得する。
【0579】
(ステップS3503)損害額取得部736は、ステップS3501で取得された求償単価情報と、ステップS3502で取得された規模情報とを用いて、損害額を取得する。上位処理にリターンする。なお、損害額取得部736は、例えば、格納部71の演算式「損害額=求償単価情報×規模情報」を実行し、損害額を算定する。
【0580】
なお、図35のフローチャートのステップS3501において、最大のリスクレベルと対になる求償単価情報を取得したが、最小のリスクレベルと対になる求償単価情報、または中央値のリスクレベルと対になる求償単価情報等を取得しても良い。つまり、求償単価取得部735は、ステップS3407で一時蓄積されたリスクレベルが複数の場合、代表値のリスクレベルと対になる求償単価情報を取得することは好適である。
【0581】
以下、本実施の形態における情報システムDを構成する損害額出力装置7の具体的な動作について説明する。
【0582】
今、損害額出力装置7の求償単価格納部711には、図36に示す単価管理表が格納されている、とする。単価管理表は、要因条件と求償単価情報とを有する2以上の単価管理情報が格納される。ここでの要因条件は、例えば、「水温」に関する条件、「降水量」に関する条件等である。また、単価管理表では、規模情報ごとの求償単価情報が管理されている。
【0583】
図36において、例えば、水温「16-20℃」の場合は適正値であり、損害は発生していないと推定できるために、求償単価情報は「-」(無し、または0)となっている。また、図36において、例えば、水温「6-10℃」の状態が予め決められた所定時間以上継続した場合であり、規模情報が「50匹まで」または「体積10mまで」である生簀に対して、求償単価情報は「600円」である。また、図36において、例えば、水温「30℃より高い」状態が予め決められた所定時間以上継続した場合であり、規模情報が「50匹まで」または「体積10mまで」である生簀に対して、求償単価情報は「800円」である。なお、図36において、「・・・」の属性値は、適切な値が格納されている、とする。
【0584】
また、求償単価格納部711には、飼育対象の種類である種類情報、地域を識別する地域識別子、または飼育者ランクのうちの1以上の情報に対応付けて、2以上の単価管理表が格納されていても良い。ここで、例えば、図36の単価管理表は、種類情報「A1」、地域識別子「B1」、飼育者ランク「4」の単価管理表である、とする。
【0585】
また、飼育者情報格納部511には、図18の飼育者情報管理表が格納されている、とする。
【0586】
また、生簀画像格納部712には、生簀識別子に対応付けられた多数の生簀画像が格納されている、とする。また、生簀画像には、時刻情報も対応付けられている、とする。
【0587】
さらに、格納部71には、飼育者識別子または/および生簀識別子に対応付けられた位置情報が多数格納されている、とする。また、位置情報には、時刻情報も対応付けられている、とする。
【0588】
かかる状況において、ユーザは、ユーザ端末3に対して、生簀識別子「c01」を有する損害額算定指示を入力した、とする。すると、ユーザ端末3は、当該損害額算定指示を受け付け、送信する損害額算定指示を構成し、当該損害額算定指示を損害額出力装置7に送信する。
【0589】
次に、損害額出力装置7の指示受付部722は、生簀識別子「c01」を有する損害額算定指示をユーザ端末3から受信する。そして、処理部73は、受信された損害額算定指示が有する生簀識別子「c01」を取得する。
【0590】
次に、存在判断部731は、上述したアルゴリズムにより、生簀存在判断処理を行う。そして、ここでは、生簀識別子「c01」で識別される生簀が存在している、と判断されたとする。
【0591】
また、作業判断部732は、上述したアルゴリズムにより、作業有無判断処理を行う。そして、ここでは、生簀識別子「c01」に対応する飼育者識別子「b01」で識別される飼育者が作業を行っていた、と判断されたとする。
【0592】
さらに、損害発生判断部733は、上述したアルゴリズムにより、生簀識別子「c01」で識別される生簀で、損害が発生したか否かを判断する損害発生有無判断処理を行う。詳細には、損害発生判断部733は、例えば、以下のように、損害発生有無判断処理を行う。
【0593】
まず、損害発生判断部733は、生簀識別子「c01」と対になる位置情報を飼育者情報管理表から取得する。
【0594】
次に、損害発生判断部733は、生簀識別子「c01」と対になる位置情報に対応する地域識別子「B1」を対応表から取得する。なお、地域識別子と位置の範囲を示す対応表は、格納部71に格納されている、とする。
【0595】
次に、損害発生判断部733は、地域識別子「B1」と対になる水温の情報であり、所定期間の水温の情報を、図示しない環境情報を格納しているサーバから取得する。
【0596】
次に、損害発生判断部733は、地域識別子「B1」と対になる図36に示す単価管理表から、取得した所定期間の水温の情報が適正値の範囲(ここでは、「16-20℃」)であるか否かを判断する。ここで、損害発生判断部733は、所定期間の水温の情報において、予め決められた一定期間以上、「11-15℃」の水温であったことを検知した、とする。そして、損害発生判断部733は、「損害あり」との判断結果を得る。
【0597】
また、損害発生判断部733は、「11-15℃」に対応するリスクレベルを、格納部71に一時蓄積する。
【0598】
次に、損害額取得部736は、生簀識別子「c01」で識別される生簀で発生した損害の損害額を、例えば、以下のように取得する。
【0599】
つまり、まず、規模取得部734は、生簀識別子「c01」と対になる規模情報(例えば、30匹)を飼育者情報管理表から取得する。
【0600】
次に、損害発生判断部733は、「11-15℃」に対応するリスクレベルと対になる求償単価情報「200円」を図36の単価管理表から取得する。
【0601】
次に、損害額取得部736は、取得された求償単価情報「200円」と、取得された規模情報「30匹」とを乗算し、損害額「6000円」を得る。そして、損害額出力部744は、ユーザ端末3に損害額「6000円」を送信する。
【0602】
また、存在判断結果出力部741は、生簀識別子「c01」で識別される生簀が存在していたことを示す情報を処理部73に渡す。また、作業判断結果出力部742は、生簀識別子「c01」に対応する飼育者識別子「b01」で識別される飼育者が作業を行っていたことを示す情報を処理部73に渡す。また、損害発生判断結果出力部743は、生簀識別子「c01」で識別される生簀に存在が発生したことを示す情報、および「11-15℃」に対応するリスクレベルを処理部73に渡す。また、損害額出力部744は、損害額「6000円」を処理部73に渡す。
【0603】
次に、処理部73は、渡された情報を含むレポートを構成する。なお、レポートには、例えば、飼育者識別子「b01」、生簀識別子「c01」、「11-15℃」に対応するリスクレベル、損害額「6000円」等が含まれる。
【0604】
次に、出力部74は、処理部73が構成したレポートをユーザ端末3に送信する。
【0605】
そして、ユーザ端末3は、損害額「6000円」を受信し、出力する。また、ユーザ端末3は、レポートを受信し、出力する。
【0606】
以上、本実施の形態によれば、生簀の規模情報と求償単価とを用いて、損害が発生した生簀の損害額を算定できる。
【0607】
また、本実施の形態によれば、求償単価を自動的に取得できる。
【0608】
また、本実施の形態によれば、生簀が存在するか否かを判断できる。
【0609】
また、本実施の形態によれば、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0610】
また、本実施の形態によれば、1以上の生簀画像を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0611】
また、本実施の形態によれば、飼育者に対応する1以上の位置情報を用いて、飼育者が生簀に対して作業を行っているか否かを判断できる。
【0612】
また、本実施の形態によれば、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【0613】
また、本実施の形態によれば、1以上の生簀画像を用いて、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【0614】
さらに、本実施の形態によれば、環境情報を用いて、生簀に損害が発生しているか否かを判断できる。
【0615】
なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、水中生物群の飼育者に関する情報であり、飼育者を識別する飼育者識別子または生簀を識別する生簀識別子、生簀の規模を特定する規模情報を有する1以上の飼育者情報が格納される飼育者情報格納部と、生簀の単位量あたりの損害額を特定する求償単価情報が格納される求償単価格納部とにアクセス可能なコンピュータを、飼育者識別子または生簀識別子を有する損害額算定指示を受け付ける指示受付部と、前記損害額算定指示が有する飼育者識別子または生簀識別子と対になる規模情報を前記飼育者情報格納部から取得する規模取得部と、前記求償単価情報と前記規模取得部が取得した規模情報とを用いて、前記損害額算定指示が有する飼育者識別子により識別される飼育者または生簀識別子により識別される生簀の損害額を取得する損害額取得部と、前記損害額取得部が取得した損害額を出力する損害額出力部として機能させるためのプログラムである。
【0616】
また、図37は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の資産価値出力装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図37は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図38は、システム300のブロック図である。なお、図37図38は、エンゲージメントシステムを実現するコンピュータの外観等を示す図である。
【0617】
図37において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0618】
図38において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0619】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の資産価値出力装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0620】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の資産価値出力装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0621】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0622】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0623】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0624】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0625】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0626】
以上のように、本発明にかかる資産価値出力装置は、2以上の飼育対象の水中生物群の資産価値を容易に取得できるという効果を有し、資産価値出力装置等として有用である。
【符号の説明】
【0627】
1 資産価値出力装置
2 給餌器
3 ユーザ端末
4 カメラ
5 保険情報出力装置
6 金融関連情報出力装置
7 損害額出力装置
11、61、71 格納部
12、62、72 受付部
13、63、73 処理部
14、64、74 出力部
21 給餌格納部
22 給餌処理部
23 給餌送信部
24 給餌受信部
31 ユーザ格納部
32 ユーザ受付部
33 ユーザ処理部
34 ユーザ送信部
35 ユーザ受信部
36 ユーザ出力部
51 保険情報格納部
52 保険情報受付部
53 保険情報取得部
54 保険情報出力部
111、511 飼育者情報格納部
121 水中生物群情報受付部
131 画像解析部
132 資産価値取得部
141 資産価値出力部
512 リスク要因情報格納部
531 ランク取得手段
532 保険情報取得手段
611 資産価値格納部
631 金融関連情報取得部
641 金融関連情報出力部
711 求償単価格納部
712 単価管理情報管理部
712 生簀画像格納部
721 リスク要因受付部
722 指示受付部
723 位置情報受信部
731 存在判断部
732 作業判断部
733 損害発生判断部
734 規模取得部
735 求償単価取得部
736 損害額取得部
741 存在判断結果出力部
742 作業判断結果出力部
743 損害発生判断結果出力部
744 損害額出力部
1311 サイズ情報取得手段
1312 種類情報取得手段
1321 コストアプローチ手段
1322 マーケットアプローチ手段
6311 融資情報取得手段
6312 投資情報取得手段
図1
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