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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073477
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/10 20060101AFI20230518BHJP
   C08K 5/42 20060101ALI20230518BHJP
   C08K 5/29 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
C08L9/10
C08K5/42
C08K5/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023058903
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】399034220
【氏名又は名称】日本エイアンドエル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】寺西 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 紘平
(57)【要約】
【課題】耐水性に優れる組成物を提供すること
【解決手段】シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位を33質量%以上含有する脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス、架橋剤を含有する組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位を33質量%以上含有する脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス、架橋剤を含有する組成物。
【請求項2】
架橋剤がブロックドイソシアネート化合物を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
乳化剤をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
乳化剤がアルキルスルホコハク酸塩を含有する、請求項3に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
SBR、NBR、MBR等の合成ゴムラテックスやスチレン-アクリル等のアクリル系エマルションは、従来から一般塗料組成物、紙塗工用組成物、各種接着剤組成物に広く利用されている。特に、NBRラテックスは乾燥後のポリマーの耐油性が優れるため、不織布の補強剤、ゴム手袋の原料、フォームラバー原料、ガスケット素材などとして広く利用されているが、このような用途では、水道水や工業用水と接することもあり、耐油性に加えて、耐水性も強く求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来公知の手段では耐水性の改善としてはいまだ不十分であった。本発明の目的は、耐水性に優れる組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は以下を提供する。
[1]シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位を33質量%以上含有する脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス、架橋剤を含有する組成物。
[2]上記架橋剤がブロックドイソシアネート化合物を含有する、[1]に記載の組成物。
[3]乳化剤をさらに含有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]上記乳化剤がアルキルスルホコハク酸塩を含有する、請求項[3]に記載の組成物。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、耐水性に優れる組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本実施形態に係る組成物は、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位を33質量%以上含有する脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス、架橋剤を含有する。
【0007】
脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位、シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位、及び必要に応じて共重合可能なその他単量体に由来する構造単位を有する。
【0008】
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、並びに、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などの単量体が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、1,3-ブタジエンを用いることが好ましい。
【0009】
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロルアクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリルなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを用いることが好ましい。
【0010】
共重合可能なその他単量体としては、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体などの単量体が挙げられる。これらの単量体は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸などのモノカルボン酸単量体、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸などのジカルボン酸単量体並びにこれらの無水物が挙げられる。これらの単量体は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチル-α-メチルスチレン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、スチレンを用いることが好ましい。
【0013】
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート及び2-エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、メチルメタクリレートを用いることが好ましい。
【0014】
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β-ヒドロキシエチルアクリレート、β-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ-(エチレングリコール)マレエート、ジ-(エチレングリコール)イタコネート、2-ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2-ヒドロキシエチル)マレエート及び2-ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド及びN,N-ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
さらに、上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体を使用することができる。
【0017】
脂肪族共役ジエン系単量体に由来する構造単位の含有量は、共重合体中に、45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましい。また、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、耐水性、寸法安定性、防滑性のバランスをより向上させることができる。
【0018】
シアン化ビニル系単量体に由来する構造単位の含有量は、共重合体中に、33質量%以上であり、34質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、耐水性、防滑性のバランスの向上を図ることができる。
【0019】
脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスは、例えば、共重合体を構成する単量体成分を乳化重合することにより得られる。乳化重合の反応系には、単量体成分以外に、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤などを配合することができる。各種成分の添加方法については特に制限するものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード法の何れでも採用することができる。また、バッチ重合、セミバッチ重合、シード重合などを用いることができる。
【0020】
乳化剤(界面活性剤)としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、及びアルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
連鎖移動剤としては、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、t-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α-ベンジルオキシスチレン、α-ベンジルオキシアクリロニトリル、α-ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2-エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α-メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
【0022】
また、共重合体の分子量及び架橋構造を制御する目的で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素;ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4-メチルシクロヘキセン、1-メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を配合することができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、シクロヘキセン、トルエンを用いることが好ましい。
【0023】
さらに、必要に応じて、反応系に、電解質、酸素補足剤、キレート剤、分散剤、消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、種類及び使用量ともに適宜適量使用することができる。
【0024】
脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスのトルエンに対する不溶分は100質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。また、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが好ましい。上記範囲とすることにより、耐水性、寸法安定性、防滑性のバランスをより向上させることができる。トルエンに対する不溶分は、例えば、連鎖移動剤の量を変えることで調整することができる。トルエンに対する不溶分は実施例に記載の方法で測定することができる。
【0025】
脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスのガラス転移温度(Tg)は-35℃以上であることが好ましく、-30℃以上であることがより好ましく、-25℃以上であることがさらに好ましい。また、15℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがよりに好ましく、-15℃以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、耐水性、寸法安定性、防滑性のバランスをより向上させることができる。ガラス転移温度は実施例に記載の方法で測定することができる。
【0026】
さらに、必要に応じて、脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスに、分散剤、防腐剤、老化防止剤、印刷適性向上剤、界面活性剤、粘度調整剤などの機能性添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、種類及び使用量ともに適宜適量使用することができる。
【0027】
架橋剤としては、エポキシ化合物、メラミン樹脂、エチレン尿素化合物、ブロックドイソシアネート化合物、エチレンイミン、カルボジイミド、オキサゾリン化合物、アルコキシシラン化合物、ジルコニウム塩化合物、酸化亜鉛、尿素樹脂、硫黄、過酸化物などが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。耐水性、寸法安定性、経時安定性のバランスをより向上できることから、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート化合物、酸化亜鉛、硫黄、尿素樹脂を使用することが好ましく、ブロックドイソシアネート化合物を使用することがより好ましい。
【0028】
架橋剤の含有量は、脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス100重量部(固形分)に対して、1質量部(固形分)以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましい。また、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、耐水性の向上を図ることができる。
【0029】
組成物に乳化剤をさらに含有することが好ましく、乳化剤としては、脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスの乳化重合に使用できる乳化剤として例示のものと同様のものが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。フロス形成性をより向上できることから、アニオン性界面活性剤を使用することが好ましく、スルホン酸塩系アニオン性界面活性剤を使用することがより好ましく、アルキルスルホコハク酸塩を使用することがさらに好ましい。
【0030】
乳化剤の含有量は、脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス100重量部(固形分)に対して、1質量部(固形分)以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましい。また、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、フロス形成性をより向上させることができる。
【0031】
さらに、必要に応じて、組成物に、老化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、pH調整剤、増粘剤、浸透剤、起泡剤、消泡剤、着色顔料、香料など公知の添加剤を配合しても良い。また、ブリスター防止の機能を有しているポリオルガノシロキサンや澱粉などを配合しても良い。これらの添加剤は、種類及び使用量ともに適宜適量使用することができる。
【0032】
本実施形態に係る組成物は、耐油性に加えて耐水性に優れることから、特にこれらの特性が要求される用途に有用であり、例えば、背景技術に記載の用途に有用である。また、その他の、例えば、紙塗工用、不織布などの繊維結合用、カーペットのバッキング用、電池用(例えば電極、セパレータ、耐熱保護層など)、塗料用、粘接着剤用としても有用である。
【0033】
本実施形態に係る組成物を塗布、含侵、固着する場合、従来公知の装置や方法を使用することができ、また組成物を発泡や増粘させて使用することができる。乾燥する場合、従来公知の装置や方法を使用することができる。
【実施例0034】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特段の断りが無い限り、%や部は質量を基準とする。
【0035】
<脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスのトルエンに対する不溶分の測定>
温度85℃の雰囲気にて5時間乾燥させることで共重合体ラテックスのフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを約1g秤量しXgとする。これを400mlのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させる。その後、これを秤量済みの300メッシュのステンレス金網で濾過し、その後トルエンを蒸発乾燥させ、その乾燥後重量からメッシュ重量を減じて、試料の乾燥後重量を秤量しYgとする。
トルエンに対する不溶分(質量%)=Y/X×100
【0036】
<脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックスのガラス転移温度(Tg)の測定>
共重合体ラテックスをガラス板上に流延し70℃で4時間乾燥してフィルムを作製し、このフィルムをアルミパンに詰め、示差走査熱量計(DSC6200:セイコーインスツルメンツ社製)にセットする。あらかじめ、予想されるTgより約50℃低い温度まで装置を冷却した後、加熱速度10℃/minで昇温し、DSC曲線を描かせる。
【0037】
本発明におけるガラス転移温度とは、DSC測定チャートの微分曲線において、(a)ピークがひとつの場合にはそのピークトップの温度のことを、(b)ピークがふたつ以上の場合には、面積の一番大きなもののピークトップの温度のことを、(c)ピークトップを持つが形状がブロードの場合には、そのピークトップの温度のことを、(d)ピークトップを持たないブロード(台形)状の場合には、その中心部分の温度のことを、(e)ピークが2つ以上あり、そのうち面積の一番大きな部分の形状が(c)、(d)に該当する場合には、それぞれ(c)、(d)の基準にもとづいて得られる温度のことを指す。
【0038】
<脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス>
A-1:高ニトリルタイプ(アクリロニトリルの含有量:36~42質量%) 変性NBR(日本エイアンドエル(株)製 NA-25) トルエンに対する不溶分:85質量%、ガラス転移温度:-20℃
A―2:中ニトリルタイプ(アクリロニトリルの含有量:25~30質量%) 変性NBR(日本エイアンドエル(株)製 NA-106) トルエンに対する不溶分:45質量%、ガラス転移温度:-35℃
【0039】
<架橋剤>
B-1:ブロックドイソシアネート化合物(アイカ工業(株)製 XC-910)
B-2:エポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製 デナコールEX521)
B-3:硫黄/酸化亜鉛/尿素=1/1.5/0.6(質量比)の混合物
【0040】
<組成物の作製>
表1に示す配合処方に従って、脂肪族共役ジエン系共重合体ラテックス100重量部、架橋剤5重量部と、乳化剤としてN-牛脂アルキルスルホサクシナメート(ライオン(株)製 リパールNTD)6重量部、無機充填剤として水酸化アルミニウム50重量部を配合し、所定量の増粘剤、水を用いて固形55%に調整し、組成物Aを得た。また、表1に示す配合処方に変更した以外は、組成物Aと同様にして、組成物B~Eを得た。
【0041】
<耐水性の評価>
各組成物をガラス板に2mmのクリアランスで均一になるようアプリケートし、温度23℃-湿度50%で24時間乾燥させて得られたフィルムを3cm×3cmにカットし、水道水24、48、72時間浸漬前後のフィルムの重量から吸水率を測定した。評価結果はA、B、C、Dの4段階で評価した。結果を表1に示す。
(優) A > B > C > D (劣)
【0042】
<寸法安定性の評価>
各組成物をガラス板に2mmのクリアランスで均一になるようアプリケートし、温度23℃-湿度50%で24時間乾燥させて得られたフィルムに5cm×5cmの正方形を記載し、水道水に24、48、72時間浸漬させた後の正方形の大きさの変化率を測定した。評価結果はA、B、C、Dの4段階で評価した。結果を表1に示す。
(優) A > B > C > D (劣)
【0043】
<防滑性の評価>
各組成物をハンドミキサーにて2倍に発泡させ、コットン製のさらし布上にコーティングバーを用いてクリアランス2mmで塗布した後、130℃設定の乾燥機で30分乾燥させて得られた発泡体の面を下にしてテフロン(登録商標)板上に密着させ、防滑性を官能的に評価した。評価結果はA、B、C、Dの4段階で評価した。結果を表1に示す。
(優) A > B > C > D (劣)
【0044】
【表1】