(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073531
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】ゴルフ練習装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
A63B69/36 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186048
(22)【出願日】2021-11-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年 1月25日 ゴルフ医科学研究所 令和3年 1月26日 ゴルフ医科学研究所 令和3年 2月23日 ゴルフ医科学研究所 令和3年 2月24日 ゴルフ医科学研究所 令和3年 3月22日 https://www.facebook.com/friends/?profile_id=100003287446215&notif_id=1620875175287923&notif_t=friend_confirmed&ref=notif 令和3年 3月23日 https://www.facebook.com/100002645044571/posts/3679616085469857/?d=n 令和3年 3月24日 https://www.facebook.com/friends/?profile_id=100003287446215&notif_id=1620875175287923&notif_t=friend_confirmed&ref=notif 令和3年 3月26日 https://www.instagram.com/p/CM4jUajAsUc/?utm_medium=copy_link 令和3年 4月5日 https://www.instagram.com/p/CNRw_d5r-TU/?utm_medium=copy_link 令和3年 4月9日 ゴルフ医科学研究所
(71)【出願人】
【識別番号】520447684
【氏名又は名称】吉田 桂子
(71)【出願人】
【識別番号】514176642
【氏名又は名称】永井 道雄
(74)【代理人】
【識別番号】100130029
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 道雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 桂子
(72)【発明者】
【氏名】永井 道雄
(57)【要約】
【課題】クラブヘッドがスイングプレーン上で円弧を描くようにするためにゴルファの体の姿勢や動作を直接的に調整することを可能にするゴルフ練習装置を提供する。
【解決手段】所定の傾斜角度と所定の高さを持つ主回転軸について回転可能になるような回転アームと、これに含まれ、主回転軸から第1の回転半径だけ離間し、主回転軸に沿った方向の所定の位置にある第1部位に取り付けられ、副回転軸について回転可能なコック用可動部と、これに含まれ、第1部位から所定の直線距離離間した位置にある第2部位に取付けられたクラブ保持部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向(Z)に対する所定の傾斜角度(θ2)と所定の水平面(X-Y)内の所定の基準位置(0,0)における所定の高さ(HH)を持つ主回転軸(C0)について回転可能になるように所定の取付部材に取付けられた回転アーム(119)と、
前記回転アーム(119)に含まれる第1部位(P5)であって、前記主回転軸(C0)から第1の回転半径(R1)だけ離間し、且つ、前記主回転軸(C0)に沿った方向における所定の位置にある前記第1部位(P5)に対して取り付けられ、副回転軸(C1)について回転可能なコック用可動部(129)と、
前記コック用可動部(129)に含まれる第2部位(P6)であって、前記第1部位(P5)から所定の直線距離(M)だけ離間した位置にある前記第2部位(P6)に対して取付けられたクラブ保持部(161)と、
を備えた、
ゴルフ練習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフにおいては、クラブヘッドが正しい位置にあるスイングプレーン上で円弧を描くようなスイングが理想とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、支持ロッドと、前記支持ロッド上に、固定弧形軌道と第1調節弧形軌道との二段に分かれたバックスイングの軌跡軌道と、前記バックスイングの軌跡軌道と同一平面上にない第2調節弧形軌道と移動弧形軌道との二段に分かれたダウンスイングの軌跡軌道とを設け、前記バックスイングの軌跡軌道の第1調節弧形軌道の末端と前記ダウンスイングの軌跡軌道の第2調節弧形軌道の末端とを接続するソフトロッドと、前記バックスイングの軌跡軌道の前記固定弧形軌道に接続される自由端を有するフィニッシュ軌跡軌道と、を具備することを特徴とするゴルフスイング練習器具が開示されている。ここで、軌跡軌道は、ゴルフクラブのシャフトの先端付近をガイドするためのものである。
【0005】
しかし、特許文献1のゴルフスイング練習器具においては、ガイドされたゴルフクラブのシャフトの先端付近の軌道を正しくすることができても、それに対応したゴルファの体の姿勢や動作は何通りもあるので、ゴルファの体の姿勢や動作を正しくすることができるとは限らない。
【0006】
そこで、本発明は、クラブヘッドがスイングプレーン上で円弧を描くようにするためにゴルファの体の姿勢や動作を直接的に調整することを可能にするゴルフ練習装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
鉛直方向(Z)に対する所定の傾斜角度(θ2)と所定の水平面(X-Y)内の所定の基準位置(0,0)における所定の高さ(HH)を持つ主回転軸(C0)について回転可能になるように所定の取付部材に取付けられた回転アーム(119)と、
前記回転アーム(119)に含まれる第1部位(P5)であって、前記主回転軸(C0)から第1の回転半径(R1)だけ離間し、且つ、前記主回転軸(C0)に沿った方向における所定の位置にある前記第1部位(P5)に対して取り付けられ、副回転軸(C1)について回転可能なコック用可動部(129)と、
前記コック用可動部(129)に含まれる第2部位(P6)であって、前記第1部位(P5)から所定の直線距離(M)だけ離間した位置にある前記第2部位(P6)に対して取付けられたクラブ保持部(161)と、
を備えた、
ゴルフ練習装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クラブヘッドがスイングプレーン上で円弧を描くようにするためにゴルファの体の姿勢や動作を直接的に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の側面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の平面図である。
【
図2】(a)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第2の側面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第2の平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置がゴルファが利用しているゴルフクラブを保持したときの状態を示す側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置及びこれに取り付けられたゴルフクラブの各部の軌跡の正面視を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置の側面図及びスイングプレーンSPに平行な平面X-ZZを投影面とするクラブヘッドの軌跡についての矢視図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置が所定の鉛直軸について回転する様子を示す平面図である。
【
図7】(a)は、本発明の第1の実施の形態による変形したスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態による変形したスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図8】(a)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に2つのガイド棒を追加した構成を示す第1の側面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に2つのガイド棒を追加した構成を示す第1の平面図である。
【
図9】(a)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に追加する2つのガイド棒が回転する様子を示す平面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に追加する2つのガイド棒がスイングプレーン練習装置が回転しても回転しない様子を示す平面図である。
【
図10】(a)、(b)及び(c)は、本発明の第2の実施の形態による回転アームの形態を示す。
【
図11】(a)は、本発明の第3の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図12】本発明の第3の実施の形態において、圧力センサにより計測された足裏における体重分布を表示装置において示す図である。
【
図13】(a)は、本発明の第3の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に備わる回転抵抗部品の取付位置を示す側面図であり、(b)は、その回転抵抗部品の構成例を示す斜視図である。
【
図14】(a)は、本発明の第4の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第4の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図15】本発明の第4の実施の形態によるスイングプレーン練習装置における回転アームのフォアアームの高さ及び回転半径の調整に係る部分を示す部分拡大側面図である。
【
図16】(a)は、本発明の第5の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第5の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図17】(a)は、本発明の第6の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第6の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図18】(a)は、本発明の第7の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す側面図であり、(b)は、本発明の第7の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す平面図である。
【
図19】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第8の実施の形態によるコック角度・グリップエンド前後位置連動部の構成を示す側面図及び部分展開図である。
【
図20】本発明の第8の実施の形態によるコック角度・グリップエンド前後位置連動部の構成を示す斜視図である。
【
図21】
図19に示すスライドリンクと従動軸を示す斜視図である。
【
図22】本発明の第8の実施の形態によるコック角度・グリップエンド前後位置連動部の構成の一部を示す他の斜視図である。
【
図23】(a)、(b)は、それぞれ、
図19に示す円筒カム及び従動軸を示す側面図及び断面図であり、(c)は、
図19に示す円筒カム及び従動軸の第1態様を示す円柱展開図であり、(d)は、
図19に示す円筒カム及び従動軸の第2態様を示す円柱展開図であり、(e)は、
図19に示す円筒カム及び従動軸の第3態様を示す円柱展開図である。
【
図24】(a)は、本発明の第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に備わるクラッチ、制御部及びコックの中心位置の軌跡を示す図であり、(b)は、クラッチの制御を説明するための図であり、(c)は、クラッチにより制御されたコック角を示す図である。
【
図25】(a)は、本発明の第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に備わるクラッチ、制御部及びコックの中心位置の他の軌跡を示す図であり、(b)は、クラッチの制御を説明するための図であり、(c)は、クラッチにより制御されたコック角を示す他の図である。
【
図26】(a)は、本発明の第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置に備わるクラッチ、制御部及びコックの中心位置の更に他の軌跡を示す図であり、(b)は、クラッチの制御を説明するための図であり、(c)は、クラッチにより制御されたコック角を示す更に他の図である。
【
図27】本発明の第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置においてグリップエンド前後位置が変化しないときの構成と変化したときの構成を比較するための図である。
【
図28】本発明の第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置のコック角度ロック機構を制御する方法を説明するためのフローチャートである。
【
図29】(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
図23(b)に示すカム溝のプロファイルに対応したコック角度対グリップエンド前後方向位置を示すグラフ、スイング角度対コック角度を示すグラフ及びスイング角度対グリップエンド前後方向位置を示すグラフである。
【
図30】(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
図23(c)に示すカム溝のプロファイルに対応したコック角度対グリップエンド前後方向位置を示すグラフ、スイング角度対コック角度を示すグラフ及びスイング角度対グリップエンド前後方向位置を示すグラフである。
【
図31】本発明の第10及び第11の実施の形態によるスイングプレーン練習装置の構成を示す概念図である。
【
図32】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第11の実施の形態によるスイングプレーン練習装置の構成を示す側面図及び調整部材の平面図である。
【
図33】本発明の第11の実施の形態によるスイングプレーン練習装置の各部の寸法の制御に関連した部分の機能ブロック図である。
【
図34】(a)は、本発明の第12の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の側面図であり、(b)は、本発明の第11の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の平面図である。
【
図35】(a)は、本発明の第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の側面図であり、(b)は、本発明の第12の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の平面図である。
【
図36】(a)は、本発明の第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第2の側面図であり、(b)は、本発明の第12の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第2の平面図である。
【
図37】(a)は、本発明の第14の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の側面図であり、(b)は、本発明の第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す第1の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態によるゴルフ練習装置は、スイングプレーン練習装置である。
【0012】
図1(a)、
図1(b)、
図2(a)及び
図2(b)を参照すると、本発明の第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101は、台座111、メインフレーム113、サブフレーム115、回転軸取付部材117、回転アーム119、コック用可動部129およびクラブ保持部161を備える。
【0013】
台座111は、水平な載置面に載置され、スイングプレーン練習装置101全体を支える。
メインフレーム113は、台座111から鉛直方向に伸び、高さH11を有する。高さH11は、調整可能である。但し、メインフレーム113は、台座111から鉛直でない方向に伸びていてもよい。
【0014】
メインフレーム113の高さH11を調整可能にするためには、例えば、メインフレーム113を固定部と固定部に対してスライドするスライド部の二部構成にして、固定部に対するスライド部のスライドを補助する駆動部(図示せず。)を設けてもよい。例えば、前進/後退/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部によるスライド部のスライド方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、高さH11を調整することができる。スライド部は、マニュアルでスライドできるようにしてもよい。同様な駆動部とスイッチにより駆動する他の部分についても同様である。
【0015】
サブフレーム115は、メインフレーム113の頂部から斜め上方に伸び、長さJ及び鉛直方向に対する傾斜角度θ0を有する。長さJ及び傾斜角度θ0は調整可能である。
【0016】
サブフレーム115の長さJを調整可能にするためには、メインフレーム113と同様に、例えば、サブフレーム115を固定部と固定部に対してスライドするスライド部の二部構成にして、固定部に対するスライド部のスライドを補助する駆動部(図示せず。)を設けてもよい。例えば、前進/後退/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部によるスライド部のスライド方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、長さJを調整することができる。
【0017】
サブフレーム115の鉛直方向に対する傾斜角度θ0を調整可能にするためには、例えば、メインフレーム113に対してサブフレーム115を回転可能に接続し、更に、駆動部(図示せず。)により駆動されるウォーム・ギアにより回転角度を調整するようにしてもよい。例えば、上昇/下降/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部によるサブフレーム115の傾斜角度の増減方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、傾斜角度θ0を調整することができる。
【0018】
回転軸取付部材117は、メインフレーム113とサブフレーム115との接合部から距離Jだけ離れた位置においてサブフレーム115の延在方向に対して垂直になり、且つ、XY平面に対する投影がサブフレーム115と重なるように配置されている。
【0019】
基準位置O((x、y、z)=(0、0、0))から上方に伸びた鉛直線に対して主回転軸C0が交わる点の高さHHを定義することができる。これを用いて、回転軸取付部材117は、水平面XYにおける基準位置O((x、y)=(0、0))において所定の高さHHを持つという。
【0020】
高さH11及び長さJの少なくとも一方を調整することにより高さHHを調整することが可能である。ここで、主回転軸C0は、スイングプレーンの回転軸と一致させるべきものである。以下では、両方の軸が一致していることを前提として説明をする。
【0021】
鉛直方向に対する回転軸取付部材117の中心軸の傾斜角度θ2はπ/2-θ0である。また、この傾斜角度θ2は、スイングプレーンの傾斜角度に等しい。
【0022】
回転アーム119は、回転軸取付部材117に対して主回転軸C0について回転可能に取り付けられている。
【0023】
回転アーム119は、半径方向に伸延するアッパアーム121及び軸方向に伸延するフォアアーム125を有する。アッパアーム121及びフォアアーム125は、これらが連接することにより直交L字棒状の形状を構成する。
【0024】
アッパアーム121には、回転アーム119が回転軸取付部材117に対して回転可能に取り付けられるようにするための軸受け123が設けられている。
【0025】
フォアアーム125は、主回転軸C0に対して水平である。
【0026】
主回転軸C0からフォアアーム125側の端部P4までの距離を調整することにより、主回転軸C0からフォアアーム125(端部P4、P5を含む)までの距離R1を調整することができる。
【0027】
コック用可動部129は、回転アーム119のフォアアーム125の所定の部位(位置P5)に対して副回転軸C1について回転可能に取り付けられている。所定の部位の位置P5は、主回転軸C0から回転半径R1だけ離間し、且つ、主回転軸C0に沿った方向における所定の座標を持つ。主回転軸C0に沿った方向における所定の部位の位置P5の所定の座標とは、
図2を参照すると、サブフレーム115から距離U1だけ離れた座標である。この座標は、フォアアーム125の長さを調整することにより調整することが可能である。
【0028】
フォアアーム125の長さを調整可能にするためには、例えば、フォアアーム125を固定部と固定部に対してスライドするスライド部の二部構成にして、固定部に対するスライド部のスライドを補助する駆動部(図示せず。)を設けてもよい。例えば、伸張/縮退/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部によるスライド部のスライド方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、距離U1を調整することができる。
【0029】
コック用可動部129が副回転軸C1について回転可能になるために、回転機構127がフォアアーム125に設けられている。
【0030】
副回転軸C1は、コックの回転軸に一致させるべきものである。
【0031】
副回転軸C1は、主回転軸C0と平行である。但し、その限りではなく、副回転軸C1は、主回転軸C0に対して傾斜していてもよい。
【0032】
クラブ保持部161は、コック用可動部129における位置P5から距離Mだけ離れた位置P6においてゴルフクラブ201のグリップ207又はシャフト203のグリップ207に近い部分を保持する。クラブ保持部161により、コック用可動部129に対してゴルフクラブ201が連結される。
【0033】
図2を参照すると、フォアアーム125に対するコック用可動部129の角度はα1であり、コック用可動部129に対するゴルフクラブ201のシャフト203の角度はα2である。角度α1及び角度α2は、調整可能である。
【0034】
角度α2が上限角度α2max以下の範囲で調整可能にコック用可動部129に対してクラブ保持部161が取付けられるようにしてもよい。
【0035】
角度α1は、使用前に調整してから固定しておく。上限角度α2maxも、使用前に調整してから固定しておく。
【0036】
位置P6の副回転軸C1についての回転半径はR2である。この回転半径R2は、距離Mと角度α1により決まる。
【0037】
上述したように、ゴルフクラブ201のグリップ207又はシャフト203のグリップ207に近い部分がクラブ保持部161により保持される。このときのゴルフクラブ201のライ角はφである。
【0038】
なお、
図1(b)、
図2(b)において、サブフレーム115はX軸方向においてセンターにあるが、アッパアーム121、フォアアーム125、コック用可動部129及びゴルフクラブ201は、同一直線上にはなく、X軸方向にシフトしながら並んでいる。しかし、これは説明のための並びであり、実際には、アッパアーム121、フォアアーム125、コック用可動部129及びゴルフクラブ201はサブフレーム115と同一直線上に並んでいる。他の同様な図面においても同様である。
【0039】
図3を参照すると、基本姿勢で構えたゴルファGPが握っているゴルフクラブ201をスイングプレーン練習装置101のクラブ保持部161が保持し、主回転軸C0がスイングプレーンSPの回転軸に一致し、副回転軸C1がコックの回転軸に一致し、スイングプレーンSPの回転軸がコックの回転軸と平行である場合の各部の寸法や角度は次のようになる。
【0040】
P0:コックの中心位置
P1:ゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置
P2:クラブヘッドの中心位置
S:位置P0から位置P2までの距離(「シャフト長さ」ということもある。)
A:位置P0から位置P1までの距離(「アーム長さ」ということもある。)
φ:クラブのライ角
θ2:スイングプレーンSPの傾斜角度
K4:スイングプレーンSPの主回転軸C0に沿ったスイングプレーンSPから位置P0までの距離
R1: 主回転軸C0についての位置P0の回転半径
H1:位置P2から位置P0までの高さ
H2:位置P0から位置P1までの高さ
H3:地面から位置P2までの高さ
H4:地面から位置P1までの高さ
【0041】
図4を参照すると、楕円弧303は、コックなしでクラブヘッド205がスイングプレーンSPを円弧状に一周するときのクラブヘッド205の中心位置P2の軌跡の正面視(XZ平面への投影。以下同様。)を示す。
【0042】
また、楕円弧305は、コックの中心位置P0の円弧状の軌跡の正面視を示す。
【0043】
更に、楕円弧307は、スイング角度がゼロ度であるときのクラブ保持部161の位置P6(
図1参照)の軌跡の正面視を示す。
【0044】
更に、楕円弧309は、スイング角度が約45度であるときのクラブ保持部161の位置P6(
図1参照)の軌跡の正面視を示す。
【0045】
更に、楕円弧311は、アッパアーム121とフォアアーム125が接続される位置P4の軌跡の正面視を示す。
【0046】
図5は、スイングプレーン練習装置の側面図及びスイングプレーンSPに平行な平面X-ZZを投影面とするクラブヘッド205の軌跡についての矢視図を示す。
【0047】
図5を参照すると、真円弧403は、コックなしでクラブヘッド205がスイングプレーンSPを一周するときのクラブヘッド205の中心位置P2の軌跡の斜視を示す。
【0048】
また、真円弧405は、コックの中心位置P0の軌跡の斜視を示す。
【0049】
更に、真円弧407は、スイング角度がゼロ度であるときにコック角をゼロ度から360度まで連続的に変えたときのクラブヘッド205の中心位置P2の斜視を示す。
【0050】
更に、真円弧409は、スイング角度が約45度であるときにコック角をゼロ度から360度まで連続的に変えたときのクラブヘッド205の中心位置P2の斜視を示す。
【0051】
位置P2Aは、スイング角度がゼロ度であり、コック角もゼロ度であるときのクラブヘッド205の中心位置を示す。
【0052】
位置P2Bは、スイング角度が約45度であり、コック角がゼロ度であるときのクラブヘッド205の中心位置を示す。
【0053】
位置P2Cは、スイング角度が約45度であり、コック角が約30度であるときのクラブヘッド205の中心位置を示す。
【0054】
従って、スイングプレーン練習装置101によれば、スイングプレーンおよびコック角の調整を取り入れた練習をすることができる。
【0055】
図6に示すように、所定の鉛直軸C11についてスイングプレーン練習装置101を回転させる機構を設けてもよい。
図6においては、3つの回転角度(ゼロ度、δ及び-δ)を持つ姿勢を示している。
【0056】
特に、所定の鉛直軸C11としてコックの中心位置P0を通るような鉛直軸を選択することにより、スイングプレーン練習装置101を回転させても、コックの中心位置P0が変動しない。
【0057】
例えば、回転ステージ又はスラスト・ベアリングを利用することにより、所定の鉛直軸C11についてスイングプレーン練習装置101の全体を回転させることができる。ウォーム・ギアを利用することによっても、所定の鉛直軸C11についてスイングプレーン練習装置101の側面図を回転させることができる。
【0058】
図7に示すように、メインフレーム113の上端にサブフレーム台133を設置し、このサブフレーム台133にサブフレーム115を取り付けるようにしてもよい。これにより、サブフレーム115及びこれに連結されている各部(回転軸取付部材117、回転アーム119、コック用可動部129及び前記クラブ保持部161)を水平方向(X方向及びY方向の少なくとも一方を含む方向)にシフトさせることが可能になる。例えば、サブフレーム台133にXY方向にステージを移動させることが可能なリニアガイドを備えさせ、ステージ側にサブフレーム115を連結させればよい。
【0059】
例えば、サブフレーム115をY軸方向にシフトさせることにより、ゴルファの足先からボール(スイングプレーンSP上の最下点のクラブヘッド205の中心位置P2)までの距離を調整することが可能になる。また、例えば、サブフレーム115をX軸方向にシフトさせることにより、スイングプレーンSPの最下点の位置をゴルファの左右方向に沿って調整することが可能になる。
【0060】
図8に示すように、2つのガイド棒135を床や地面に配置してもよい。つまり、スイングプレーンSP上に軌跡を持ったクラブヘッド205の軌跡の最下点付近の領域213を挟んでX方向の両側に2つのガイド棒135を床や地面に配置してもよい。
【0061】
また、
図9(a)に示すように、2つのガイド棒135を通過する中心線がスイングプレーンSPの最下点付近の領域213を貫くZ軸を中心としてXY平面において回転できるような2つのガイド棒135を設けてもよい。
【0062】
更に、
図9(b)に示すように、スイングプレーン練習装置101が鉛直軸について回転しても、2つのガイド棒135の位置が変わらないようにしてもよい。
図9(b)では、2つのガイド棒135はX軸に沿った方向を向いている。しかし、2つのガイド棒135はX軸の方向からずれた方向を向いていてもよい。そして、2つのガイド棒135がX軸の方向からずれた方向を向いている場合においても、同様に、スイングプレーン練習装置101が鉛直軸について回転しても、2つのガイド棒135の位置が変わらないようにしてもよい。
【0063】
スイングプレーンSP上に軌跡を持ったクラブヘッド205が通過する最下点付近(領域213)に設けた仮想的な垂直軸を支点として回転可能であり、且つ、2つのガイド棒135を搭載した台車(台車)を用いてもよい。これにより、ガイド棒135を
図9(a)に示すように領域213を回転軸として回転させることができる。そして、これが、軸C11を回転中心として回転するスイングプレーン練習装置101から独立して回転できるようにすればよい。例えば、リング状のスラスト・ベアリングを、仮想的な支点について回転可能な台車のために利用することができる。
【0064】
なお、メインフレーム113、サブフレーム115、回転アーム119、コック用可動部129の各々の材料として、角材を用いてもよいし、丸材を用いてもよい。
【0065】
また、各部の長さの調整のためには、ギア(ラック・アンド・ピニオン、ウォーム・ギア、ボールねじ、回転ギアの組合せなど)、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、リンク機構などを用いてよい。各部の角度の調整のためにも、ギア(ラック・アンド・ピニオン、ウォーム・ギア、ボールねじ、回転ギアの組合せなど)、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、リンク機構などを用いてよい。
【0066】
次に、各部の調整についての説明をする。
【0067】
図3などに示す位置P0は、既に説明した通り、スイング角度がゼロ度であるときのコックの中心点である。
【0068】
また、位置P1は、ゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置である。このような位置としては、
図3に示すように、ゴルファの肩が選択されることが多いが、ゴルファの首、ゴルファの上半身の何れかの位置を選択してもよい。
【0069】
図3に示すように、ゴルファの体の数値とクラブの数値を用いて、クラブヘッドの中心位置P2からコックの中心位置P0までの高さH1及びコックの中心位置P0からゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1までの高さH2を表すと次のようになる。
【0070】
H1
=S・cos(π/2-φ) ・・・ (1)
H2
=A・cos(γ-φ-π/2) ・・・ (2)
ここで、
S:コックの中心位置P0からクラブヘッドの中心位置P2までの距離
A:コックの中心位置P0からゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1までの距離
φ:クラブのライ角
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
である。
【0071】
また、
図2に示すように、スイングプレーン練習装置の数値を用いて、位置P2から位置P0までの高さH1及び位置P0から位置P1までの高さH2を表すと次のようになる。
【0072】
H1
=H11´+(J-R1)・cos(π-θ1)
-K1・cos(θ1-π/2)
=H11´+(J-R1)・cos(π-θ1)
-U1・cos(θ1-π/2)
-M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)
-M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)
・・・ (3)
H2
=R1・cos(-π/2+γ-φ)/cos(3π/2-θ1-γ+φ)
・・・ (4)
H11´=H11-H3
ここで、
H11:メインフレームの長さ(高さ)
H3:地面から位置P2までの高さ
U1:スイングプレーンの軸に沿ったサブフレームから位置P5までの距離
J:サブフレームの長さ
R1:主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径
K1:スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ
M:コック用可動部における位置P5から位置P6までの長さ
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
θ1 =θ2+π/2=π-θ0
α1:フォアアームとコック用可動部がなす角度
α2:ゴルフクラブとコック用可動部がなす角度
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
φ:クラブのライ角
である。
【0073】
従って、式(1)から式(4)を用いてスイングプレーン練習装置のパラメータを調整することにより、スイングプレーン練習装置をゴルファの体の数値とクラブの数値に適合させることができる。
【0074】
<<調整方法1>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及びメインフレームの長さ(高さ)H11を調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0075】
R1
=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
H11´
=S・cos(π/2-φ)-(J-R1)・cos(π-θ1)
+U1・cos(θ1-π/2)
+M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)
+M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)
H11=H11´+H3
=S・cos(π/2-φ)-(J-R1)・cos(π-θ1)
+U1・cos(θ1-π/2)
+M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)
+M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)
+H3
なお、
θ1=θ1+π/2
である。これは、以下の何れの調整においても同様である。
【0076】
<<調整方法2>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及びサブフレームの長さJを調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0077】
R1
=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
J
=(S・cos(π/2-φ)+R1・cos(π-θ1)+U1・cos(θ1-π/2)+M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)+M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)-H11´)/cos(π-θ1)
=(S・cos(π/2-φ)+R1・cos(π-θ1)+U1・cos(θ1-π/2)+M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)+M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)-H11+H3)/cos(π-θ1)
【0078】
<<調整方法3>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及び距離U1を調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0079】
R1=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
U1
=(-S・cos(π/2-φ)+(J-R1)・cos(π-θ1)-M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)-M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)+H11´)/cos(θ1-π/2)
=(-S・cos(π/2-φ)+(J-R1)・cos(π-θ1)-M・cos(π-α1)・cos(θ1-π/2)-M・sin(π-α1)・cos(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)+H11-H3)/cos(θ1-π/2)
上記の調整方法1から調整方法3の何れを用いた場合であっても、調整によりコックの中心位置P0のY座標は変化する。
図2を参照すると、メインフレーム113からコックの中心位置P0までの距離Y10を、下式により表すことができる。
【0080】
Y10=
=(J-R1)・sin(π-θ1)
-K1・sin(θ1-π/2)
=(J-R1)・sin(π-θ1)
-U1・sin(θ1-π/2)
-M・cos(π-α1)・sin(θ1-π/2)
-M・sin(π-α1)・sin(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)
・・・ (5)
【0081】
ここで、
図7に示すようなサブフレーム台133によりサブフレーム115全体及びサブフレーム115に取り付けられている各部をY方向にスライドして調整する機能を用いて、基準位置Oからサブフレーム115の下端のY座標までの距離Y11を調整することにより、基準位置Oからコックの中心位置P0までの距離Y0を一定に保つことができる。つまり、基準位置Oからメインフレーム113までの距離をY11、メインフレーム113からサブフレーム115の下端までのオフセット距離をΔY、オフセット距離ΔYをゼロとした場合のメインフレーム113からコックの中心位置P0までの距離をY10とした場合、基準位置Oからコックの中心位置P0までの距離Y0は、
Y0=Y11+Y10+ΔY
である。調整方法1から調整方法3による調整によりY10がΔY´だけ変動したならば、サブフレーム115の下端部をY方向にスライドしてΔY(=-ΔY´)を発生させてキャンセルすることにより、距離Y0を一定に保つことができる。
【0082】
また、メインフレーム113のY座標であるY11を直接的に変えることによっても同様に距離Y0を一定に保つことができる。
【0083】
また、上記の調整方法1から調整方法3の何れを用いた場合であっても、調整によりクラブヘッドの中心位置P2のY座標は変化する。また、コックの中心位置P0からクラブヘッドの中心位置P2までのY軸に沿った距離YSも変化する。
【0084】
距離YSは、下式により表すことができる。
YS=S・cosφ
従って、メインフレーム113からクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y12を、下式により表すことができる。
【0085】
Y12=
=(J-R1)・sin(π-θ1)
+K1・sin(θ1-π/2)
-S・cosφ
=(J-R1)・sin(π-θ1)
+U1・sin(θ1-π/2)
+M・cos(π-α1)・sin(θ1-π/2)
+M・sin(π-α1)・sin(θ1-π/2)/tan(α1+α2-π)
-S・cosφ
・・・ (6)
ここで、
図7に示すようなサブフレーム台133によりサブフレーム115全体及びサブフレーム115に取り付けられている各部をY方向にスライドして調整する機能を用いて、基準位置Oからサブフレーム115の下端のY座標までの距離Y11を調整することにより、基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y2を一定に保つことができる。つまり、基準位置Oからメインフレーム113までの距離をY11、メインフレーム113からサブフレーム115の下端までのオフセット距離をΔY、オフセット距離ΔYをゼロとした場合のメインフレーム113からクラブヘッドの中心位置P2までの距離をY12とした場合、基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y2は、
Y2=Y11+Y12+ΔY
である。調整方法1から調整方法3の何れかによる調整によりY12(調整前)がY12(調整後)に変化し、これによりY12がΔY´(=Y12(調整後)-Y12(調整前))だけ変動したならば、サブフレーム115の下端部をY方向にスライドしてΔY(=-ΔY´)を発生させてキャンセルすることにより、距離Y2を一定に保つことができる。
【0086】
また、メインフレーム113のY座標であるY11を直接的に変えることによっても同様に距離Y0を一定に保つことができる。
【0087】
<<調整方法4>>
調整方法4は、与えられたスイングプレーンに適合するようにメインフレームとサブフレームがなす角度θ1、アッパアームの長さR1、メインフレームの高さH11及びサブフレームの長さJを調整する方法である。
【0088】
(1)スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さK1はあらかじめ定めておく。
【0089】
(2)スイングプレーンの傾斜角度θ2及び主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1に基づいて、
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
R1:主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径
を決める。
【0090】
ここで、
θ1=θ2+π/2
である。
【0091】
また、主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1を下式に基づいて求めてもよい。
【0092】
R1=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
ここで、
A:コックの中心位置P0からゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1までの距離
φ:クラブのライ角
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
である。
【0093】
(3)ゴルフヘッドの中心位置P2の座標(Y2,H3)、ゴルフシャフトの長さS及びライ角φに基づいて、コックの中心位置P0の座標(P0Y、P0Z)を求める。
【0094】
ここで、
P0Y=Y2+S・cosφ
P0Z=H1+H3=S・sinφ+H3
である。
【0095】
(4)上記(1)から(3)で求まっている数値に基づいて、サブフレームと主回転軸C0の交点CP1(
図2参照)の座標(CP1Y、CP1Z)を求める。
【0096】
ここで、
CP1Y
=Y0+R1・cosθ2-K1・cos(θ2-π/2)
CP1Z
=H1+H3+R1・sinθ2+K1・sin(θ2-π/2)
である。
【0097】
(5)上記(1)から(4)で求まっている数値に基づいて、メインフレームとサブフレームの交点CP2(
図2参照)の座標(CP2Y、CP2Z)を求める。
【0098】
ここで、傾斜角度θ2を持つ直線が、交点CP1及び交点CP2を通ることを用いて、交点CP2の座標(CP2Y、CP2Z)を求めることができる。
【0099】
CP2Y=0
CP2Z=CP1Z-CP1Y・tan(θ2)
(6)上記(5)で求めた交点CP2の座標(高さ)に基づいてメインフレームの高さH11を求める。
【0100】
H11
=H1+H3+R1・sinθ2+K1・sin(θ2-π/2)
-J・cosθ0
=S・sinφ+H3+R1・sinθ2+K1・sin(θ2-π/2)
-J・cosθ0
=S・sinφ+H3+R1・sinθ2+K1・sin(θ2-π/2)
-J・cos(π/2-θ2) ・・・(7)
(7)上記(4)及び上記(5)でそれぞれ求めた交点CP1の座標及び交点CPX2の座標に基づいてサブフレームの長さJを求める。
【0101】
J=(Y0+R1・cosθ2-K1・cos(θ2-π/2))/cos(θ2) ・・・(8)
上記(6)及び(7)において、
R1=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ) ・・・(9)
A:コックの中心位置P0からゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1までの距離
φ:クラブのライ角
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
である。
【0102】
なお、コックの中心位置P0(Y0、H3+H1)の座標を他の方法により求めてもよいし、予め与えられたものとしてもよい。
【0103】
従って、この調整方法4によれば、
S:位置P0から位置P2までの距離
A:位置P0から位置P1までの距離
K1:スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ
H3:地面から位置P2までの高さ
Y0:基準位置Oからコックの中心位置P0までのY方向の距離
θ2:スイングプレーンSPの傾斜角度
φ:クラブのライ角
γ:アームシャフト角
に基づいて、
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
R1:アッパアームの長さ
H11:メインフレームの高さ
J:サブフレームの長さ
を調整することになる。
【0104】
<<調整方法4S>>
調整方法4にあるK1(スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ)については、既に説明したように、下式が成立している。
K1
=U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π) ・・・(10)
式(7)、式(8)に式(10)を代入することにより、
S:位置P0から位置P2までの距離
A:位置P0から位置P1までの距離
U1:サブフレームから位置P5までの距離
M:位置P5から位置P6までの距離
α1:フォアアームに対するコック用可動部の角度
α2:コック用可動部に対するゴルフクラブのシャフトの角度
H3:地面から位置P2までの高さ
Y0:基準位置Oからコックの中心位置P0までの距離
θ2:スイングプレーンSPの傾斜角度
φ:クラブのライ角
γ:アームシャフト角
に基づいて、
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
R1:アッパアームの長さ
H11:メインフレームの高さ
J:サブフレームの長さ
を調整するための下式を得ることができる。
【0105】
H11
=S・sinφ
+H3
+R1・sinθ2
+(U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π))
・sin(θ2-π/2)-J・cos(π/2-θ2) ・・・(7´)
(7)上記(4)及び上記(5)でそれぞれ求めた交点CP1の座標及び交点CPX2の座標に基づいてサブフレームの長さJを求める。
【0106】
J
=(Y0+R1・cosθ2-(U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π))
・cos(θ2-π/2))/cos(θ2) ・・・(8´)
上記(6)及び(7)において、
R1=A・cos(γ-φ-π/2)
・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ) ・・・(9)
A:コックの中心位置P0からゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1までの距離
φ:クラブのライ角
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
【0107】
<<調整方法5>>
調整方法4においては、
H11=S・sinφ+H3
+R1・sinθ2
+K1・sin(θ2-π/2)
-J・cos(π/2-θ2)
J=(Y0+R1・cosθ2
-K1・cos(θ2-π/2))/cos(θ2)
R1=A・cos(γ-φ-π/2)
・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
によりメインフレームの長さ(高さ)H11、サブフレームの長さJ及び主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1を求める。
【0108】
ここで、
図2を参照すると、Y0は、基準位置Oからコックの中心位置P0までのY方向の距離である。ここで、
図2及び
図3から明らかなようにコックの中心位置Y0を基準位置Oからヘッドの中心位置P2までのY方向の距離Y2、ライ角φ及び位置P0から位置P2までの距離Sを用いて、下式により表すことができる。
Y0=Y2+S・cosφ
この式を
J=(Y0+R1・cosθ2-K1・cos(θ2-π/2))/cos(θ2) ・・・(8)
に代入することにより、
J=(Y2+S・cosφ+R1・cosθ2-K1・cos(θ2-π/2))/cos(θ2) ・・・(8B)
を得ることができる。なお、
H11=S・sinφ+H3+R1・sinθ2+K1・sin(θ2-π/2)-J・cos(π/2-θ2) ・・・(7)
R1=A・cos(γ-φ-π/2)・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ) ・・・(9)
はそのまま利用する。
【0109】
調整方法4は、コックのY方向の中心位置Y0をサブフレームの長さJを求めるための直接の入力変数とするものであり、調整方法5は、コックのY方向の中心位置Y0の代わりに、クラブヘッドのY方向の中心位置Y2、位置P0から位置P2までの距離S及びライ角φをサブフレームの長さJを求めるための直接の入力変数とするものである。
【0110】
従って、この調整方法4によれば、
S:位置P0から位置P2までの距離
A:位置P0から位置P1までの距離
K1:スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ
H3:地面から位置P2までの高さ
Y2:基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までのY方向の距離
θ2:スイングプレーンSPの傾斜角度
φ:クラブのライ角
γ:アームシャフト角
に基づいて、
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
R1:アッパアームの長さ
H11:メインフレームの高さ
J:サブフレームの長さ
を調整することになる。
【0111】
<<調整方法5S>>
調整方法5にあるK1(スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ)については、既に説明したように、下式が成立している。
K1
=U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π) ・・・(10)
式(7)、式(8B)に式(10)を代入することにより、
S:位置P0から位置P2までの距離
A:位置P0から位置P1までの距離
U1:サブフレームから位置P5までの距離
M:位置P5から位置P6までの距離
α1:フォアアームに対するコック用可動部の角度
α2:コック用可動部に対するゴルフクラブのシャフトの角度
H3:地面から位置P2までの高さ
Y2:基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までのY方向の距離
θ2:スイングプレーンSPの傾斜角度
φ:クラブのライ角
γ:アームシャフト角
に基づいて、
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
R1:アッパアームの長さ
H11:メインフレームの高さ
J:サブフレームの長さ
を調整するための下式を得ることができる。
H11
=S・sinφ
+H3
+R1・sinθ2
+(U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π))・sin(θ2-π/2)
-J・cos(π/2-θ2) ・・・(7´)
J
=(Y2+S・cosφ+R1・cosθ2
-(U1+M・cos(π-α1)
+M・sin(π-α1)/tan(α1+α2-π))
・cos(θ2-π/2))/cos(θ2) ・・・(8B´)
【0112】
<<調整方法6>>
図7に示す構成のゴルフ練習装置においてサブフレーム台133に対するサブフレーム115の取付位置について、Y方向の位置に関するオフセット調整を調整方法4に追加することにより、調整方法5と同様な結果を得る。
【0113】
つまり、距離Y0不変の条件の下で調整前後において距離YSが変化したならば、オフセット調整により距離Y2が変わらないように調整する。オフセット調整後には、距離Y0は変化する。つまり、調整前後の基準位置Oから位置P2までのY方向の距離Y2をそれぞれ距離Y2A、Y2Bとすれば、
Y2A=Y0-YSA
Y2B=Y0-YSB
ここで、
YSA、YSBは、調整前後の距離YS
として表すことができる。つまり、
YSA=S・cosφA
YSB=S・cosφB
ここで、
cosφAは、調整前のライ角
cosφBは、調整後のライ角
である。従って、
調整前後の距離Yの差分ΔYは、
ΔY
=Y2B-Y2A
=YSA-YSB
=S・(cosφA-cosφB)
となる。この差分ΔYを上述した
Y0=Y11+Y10+ΔY
において利用する。
【0114】
<<調整方法6S>>
図7に示す構成のゴルフ練習装置においてサブフレーム台133に対するサブフレーム115の取付位置について、Y方向の位置に関するオフセット調整を調整方法4Sに追加することにより、調整方法5Sと同様な結果を得る。説明は調整方法6についての説明と重複するので省略する。
【0115】
<<調整方法7>>
図7に示す構成のゴルフ練習装置においてサブフレーム台133に対するサブフレーム115の取付位置について、Y方向の位置に関するオフセット調整を調整方法5に追加することにより、調整方法4と同様な結果を得る。
つまり、距離Y2不変の条件の下で調整前後において距離YSが変化したならば、オフセット調整により距離Y0が変わらないように調整する。オフセット調整後には、距離Y2は変化する。
【0116】
つまり、調整前後の基準位置Oから位置P0までのY方向の距離Y0をそれぞれ距離Y0A、Y0Bとすれば、
Y0A=Y2+YSA
Y0B=Y2+YSB
ここで、
YSA、YSBは、調整前後の距離YS
として表すことができる。つまり、
YSA=S・cosφA
YSB=S・cosφB
ここで、
cosφAは、調整前のライ角
cosφBは、調整後のライ角
である。従って、
調整前後の距離Yの差分ΔYは、
ΔY
=Y0B-Y0A
=YSB-YSA
=S・(cosφB-cosφA)
となる。この差分ΔYを上述した
Y0=Y11+Y10+ΔY
において利用する。
【0117】
<<調整方法7S>>
図7に示す構成のゴルフ練習装置においてサブフレーム台133に対するサブフレーム115の取付位置について、Y方向の位置に関するオフセット調整を調整方法5Sに追加することにより、調整方法4Sと同様な結果を得る。説明は調整方法7についての説明と重複するので省略する。
【0118】
<<調整方法1Bから3B>>
調整方法1から調整方法6は、
図1などに示す構成を前提としたものである。つまり、回転アーム(119)に対して第1部位(P5)においてコック用可動部(129)が接続され、コック用可動部(129)の第2部位(P6)にあるクラブ保持部(161)によりゴルフクラブ(201)が保持される形態を前提としたものである。
【0119】
しかし、ゴルフクラブ201を同様に動作させることができる他の構成もある。そこで、第1部位から第2部位までの長さM、角度α1、角度α2を用いずにコックの中心位置P0に関する変数を用いるように上記の調整方法1から調整方法7までにおける式を変形する。
式(3)及び式(4)を、下式のように書き直すことができる。
H1
=H11´+(J-R1)・cos(π-θ1)
-K1・cos(θ1-π/2)
・・・ (23)
H2
=R1・cos(-π/2+γ-φ)/cos(3π/2-θ1-γ+φ)
・・・ (24)
H11´=H11-H3
ここで、
H11:メインフレームの長さ(高さ)
H3:地面から位置P2までの高さ
J:サブフレームの長さ
R1:主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径
K1:スイングプレーンの主回転軸C0の方向に沿ったサブフレームからコックの中心位置P0までの長さ
θ1:メインフレームとサブフレームがなす角度
θ1 =θ2+π/2=π-θ0
γ:コックの中心位置P0とクラブヘッドの中心位置P2を結んだ直線とコックの中心位置P0とゴルファにおいてスイングプレーンSPの主回転軸C0が通る位置P1を結んだ直線のなす角度(アームシャフト角)
φ:クラブのライ角
である。
【0120】
従って、式(1)、(2)、(23)及び(24)を用いてスイングプレーン練習装置のパラメータを調整することにより、スイングプレーン練習装置をゴルファの体の数値とクラブの数値に適合させることができる。
【0121】
<<調整方法1B>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及びメインフレームの長さ(高さ)H11を調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0122】
R1
=A・cos(γ-φ-π/2)
・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
H11´
=S・cos(π/2-φ)
-(J-R1)・cos(π-θ1)
+K1・cos(θ1-π/2)
H11=H11´+H3
=S・cos(π/2-φ)
-(J-R1)・cos(π-θ1)
+K1・cos(θ1-π/2)
+H3
【0123】
<<調整方法2B>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及びサブフレームの長さJを調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0124】
R1
=A・cos(γ-φ-π/2)
・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
J
=(-H11´+S・cos(π/2-φ)
+R1・cos(π-θ1)
+K1・cos(θ1-π/2))/cos(π-θ1)
=(-H11+H3+S・cos(π/2-φ)
+R1・cos(π-θ1)
+K1・cos(θ1-π/2))/cos(π-θ1)
【0125】
<<調整方法3B>>
主回転軸C0についてのコックの中心位置P0の回転半径R1及び距離K1を調整することにより、高さH1及び高さH2を調整する場合、下式を用いればよい。
【0126】
R1
=A・cos(γ-φ-π/2)
・cos(3π/2-θ1-γ+φ)/cos(-π/2+γ-φ)
K1
=(H11´-S・cos(π/2-φ)
+(J-R1)・cos(π-θ1))/cos(θ1-π/2)
=(H11-H3-S・cos(π/2-φ)
+(J-R1)・cos(π-θ1))/cos(θ1-π/2)
上記の調整方法1Bから調整方法3Bの何れを用いた場合であっても、調整によりコックの中心位置P0のY座標は変化する。
図2を参照すると、メインフレーム113からコックの中心位置P0までの距離Y10を、下式により表すことができる。
【0127】
Y10=
=(J-R1)・sin(π-θ1)
-K1・sin(θ1-π/2)
(15)
ここで、
図7に示すようなサブフレーム台133によりサブフレーム115全体及びサブフレーム115に取り付けられている各部をY方向にスライドして調整する機能を用いて、基準位置Oからサブフレーム115の下端のY座標までの距離Y11を調整することにより、基準位置Oからコックの中心位置P0までの距離Y0を一定に保つことができる。つまり、基準位置Oからメインフレーム113までの距離をY11、メインフレーム113からサブフレーム115の下端までのオフセット距離をΔY、オフセット距離ΔYをゼロとした場合のメインフレーム113からコックの中心位置P0までの距離をY10とした場合、基準位置Oからコックの中心位置P0までの距離Y0は、
Y0=Y11+Y10+ΔY
である。調整方法1Bから調整方法3Bによる調整によりY10がΔY´だけ変動したならば、サブフレーム115の下端部をY方向にスライドしてΔY(=-ΔY´)を発生させてキャンセルすることにより、距離Y0を一定に保つことができる。
【0128】
また、メインフレーム113のY座標であるY11を直接的に変えることによっても同様に距離Y0を一定に保つことができる。
【0129】
また、上記の調整方法1Bから調整方法3Bの何れを用いた場合であっても、調整によりクラブヘッドの中心位置P2のY座標は変化する。また、コックの中心位置P0からクラブヘッドの中心位置P2までのY軸に沿った距離YSも変化する。
【0130】
距離YSは、下式により表すことができる。
YS=S・cosφ
従って、メインフレーム113からクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y12を、下式により表すことができる。
【0131】
Y12=
=(J-R1)・sin(π-θ1)
+K1・sin(θ1-π/2)
-S・cosφ ・・・ (6B)
【0132】
ここで、
図7に示すようなサブフレーム台133によりサブフレーム115全体及びサブフレーム115に取り付けられている各部をY方向にスライドして調整する機能を用いて、基準位置Oからサブフレーム115の下端のY座標までの距離Y11を調整することにより、基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y2を一定に保つことができる。つまり、基準位置Oからメインフレーム113までの距離をY11、メインフレーム113からサブフレーム115の下端までのオフセット距離をΔY、オフセット距離ΔYをゼロとした場合のメインフレーム113からクラブヘッドの中心位置P2までの距離をY12とした場合、基準位置Oからクラブヘッドの中心位置P2までの距離Y2は、
Y2=Y11+Y12+ΔY
である。調整方法1Bから調整方法3Bの何れかによる調整によりY12(調整前)がY12(調整後)に変化し、これによりY12がΔY´´(=Y12(調整後)-Y12(調整前))だけ変動したならば、サブフレーム115の下端部をY方向にスライドしてΔY(=-ΔY´)を発生させてキャンセルすることにより、距離Y2を一定に保つことができる。
【0133】
また、メインフレーム113のY座標であるY11を直接的に変えることによっても同様に距離Y0を一定に保つことができる。
【0134】
なお、上記の実施の形態では、メインフレーム113及びサブフレーム115として柱状の構造物を用いている。しかし、柱状の構造物以外の構造物を用いてもよい。
【0135】
[第2の実施の形態]
図10(a)、
図10(b)に示すように、アッパアーム121を2本設けてもよい。そして、2本のアッパアーム121の間に筋交い123を入れてもよい。こうすることにより、アッパアーム121及びフォアアーム125のコックの中心位置P0が描く円弧が安定する。
【0136】
図10(c)に示すように、回転アーム119を2本のJの字状にしてもよい。位置が安定した交点PCがコックの中心位置P0に来ることになるのでコックの中心位置P0が安定する。従って、中心位置P0が描く円弧が安定する。
【0137】
[第3の実施の形態]
図11に示すように、圧力分布を計測できる圧力センサ137をグリップ207を握ってスタンツを構えたゴルファの両足401,401が乗るような位置に設置してもよい。これにより、例えば、足裏における荷重分布を計測することができる。
【0138】
そして、足裏における荷重分布を示す図(
図12参照)を後述する表示装置143に表示してもよい。ゴルファは、表示装置143に表示されている足裏における荷重分布を示す図(
図12参照)を参照して、荷重分布が正しくなるように姿勢を調整することができるようになる。例えば、荷重が最大である色が赤であるならば、赤の領域が足裏の中央付近に留まるように姿勢を調整することができる。
【0139】
また、
図11に示すように、レーザポインタ139から出射したレーザ光LBが主回転軸C0を通り、ゴルファの体の前面において主回転軸C0が貫く位置P11を体の前から照射するようにレーザポインタ139を配置してもよい。
【0140】
更に、
図11に示すように、YZ方向においてはβ1の視野角を持ち、XY方向においてはβ2の視野角を持つようにカメラ141をゴルファGPの前方に置いてもよい。これにより、ゴルファGPがスイングをしているときにカメラ141がゴルファGPとゴルフクラブ201の全体を撮影することができる。
【0141】
更に、
図11に示すように、カメラ141で撮影した動画や静止画を表示することが可能な表示装置143を配置してもよい。表示装置143として、タブレット型コンピュータを利用するならば、タブレット型コンピュータを据え付けるための据付台を設けてもよい。
【0142】
ゴルファGPを体の前方から映す鏡、体の後方から映す鏡、打球方向の反対側から映す鏡、頭上から映す鏡を設けてもよい。
【0143】
図示しないが、台座111を埋めるだけの高さを持つ足台を設けても良い。これにより、ゴルファGPの足やゴルフクラブ201が台座111に干渉することを避けることができる。
【0144】
回転アーム119の回転に対して抵抗力を付加してもよい。例えば、スイング角度に依存せずに一定の抵抗力が回転に対して与えられるようにしてもよい。
【0145】
回転アーム119の回転に対してスイング角がゼロ度になる方向に付勢するバネ力を付加してもよい。例えば、スイング角度が大きくなるに従って大きくなるようなバネ力が回転に対して与えられるようにしてもよい。
【0146】
図13に示すように、回転抵抗部品145を取付けてもよい。回転抵抗部品145は、軸受け123(固定側)に固定された部品147と主回転軸C0(回転側)と共に回転する部品149とを備え、両者の摺動面151において発生する負荷トルクT1=k1・F・ω(ここで、k1:比例係数、F:抗力、ω:角速度)をFにより調整する。例えば、部品149の主軸方向における位置を固定し、部品147の主軸方向における位置をネジ(図示せず。)などにより調整できるようにしておく。そして、部品147の主軸方向における位置をネジにより調整することにより抗力Fを調整する。
【0147】
こうすることにより、スイングに伴う回転アーム119の回転に対抗する負荷トルクT1=k1・F・ωを調整することができる。
【0148】
また、バネ力を利用して、回転アーム119の所定の基準回転角度ψ0(例えば、スイング角度がゼロ度となる角度)を基準として、現在の回転角度ψと基準回転角度ψ0との差分ψ―ψ0に比例した負荷トルクT2=k2・(ψ―ψ0)(ここで、k1:比例係数、ψ:回転角度、ψ0:基準回転角度)が生じるようにしてもよい。ここで、比例係数k1を調整可能にしてもよい。
【0149】
ところで、ゴルファは、スイングプレーン練習装置101を用いてゴルフスイングの練習をするときに、コックの中心位置P0がスイングプレーン練習装置101の構成により決まる軌跡通りの軌跡又はそれに近い軌跡を描くようにスイングの調整をする。
【0150】
しかし、上達度によりコックの中心位置P0は軌跡通りの軌跡を描くとは限らない。
【0151】
そこで、例えば、下記の手段により、ゴルファが実際にスイングさせようとしているクラブ201の姿勢や位置により定まるクラブ保持部161の位置(位置A)と、ゴルフスイング練習装置101により規制されるクラブ保持部161の位置(位置B)との関係が所定の条件を満たすならば(例えば、ゴルファが実際にスイングさせようとしているクラブ201の姿勢や位置により定まるクラブ保持部161の位置が、ゴルフスイング練習装置101により規制されるクラブ保持部161の位置から所定距離以上離れているならば)、それを、ゴルファに知らせるようにしてもよい。
【0152】
回転アーム119に取付けた歪み計により回転アーム119の歪みを検出する。アッパアーム121及びフォアアーム125の何れか一方又は双方に歪み計を取付ける。歪みが所定量以上ならば、位置Aと位置Bとの間に閾値以上の変位があることを示していることになる。
【0153】
フォアアーム125の位置P4(
図2参照)と位置P5(
図2参照)に取付けた2つの加速度センサにより検出された位置又は速度の差分信号を用いることにより、位置P4の位置P5との差分の時間的な変化を検出し、これによりフォアアーム125の正しい向きからの傾きを検出する。フォアアーム125の傾きと正しい傾きとの差分が閾値以上ならば、位置Aと位置Bとの間に閾値以上の変位があることを示していることになる。
【0154】
振動検出器153をサブフレーム115の主回転軸C0付近の位置に取付ける。例えば、振動検出器153が検出する振動の振幅が閾値以上ならば、位置Aと位置Bとの間に閾値以上の変位があることを示していることになる。
【0155】
位置Aと位置Bとの間に閾値以上の変位があるならば、ブザー(図示せず。本発明の「出力手段」の一例)を鳴動させるような制御部を備えてもよい。ブザーは、スイングプレーン練習装置101に組み込まれていてもよいし、スイングプレーン練習装置101とは別個に設けられていてもよい。
【0156】
歪み計により計測された歪み、加速度センサにより検出された位置又は速度の差分信号、振動検出器153により検出された振動の振幅を示すグラフを表示装置(本発明の「出力手段」の一例)143に示してもよい。
【0157】
[第4の実施の形態]
図14(a)、
図14(b)及び
図15を参照すると、第4の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Bは、第1の実施の形態によりスイングプレーン練習装置101と比較すると、メインフレーム113及びサブフレーム115の代わりに、メインフレーム431が備えられている点が大きく異なる。また、棒材を組み合わせた台座111が平板状の111Bに置き換わっていることが大きく異なる。
【0158】
メインフレーム431は、位置B0において位置B0について回転可能に台座111に据え付けられている。
【0159】
メインフレーム431の傾斜角度θ0が定まると、スイングプレーンの傾斜角度θ2は、θ2=π/2-θ0の関係により定まる。
【0160】
メインフレーム431と台座111の間に支持部材433を挟むことにより、メインフレーム431は、この傾斜角度θ0を維持している。
図14(b)に示すように、支持部材433は、2つ備わり、これにより、メインフレーム113が±X方向に揺動することを防止している。
【0161】
支持部材433を台座111Bに据え付ける位置B1を±Y方向に移動したり、支持部材433によりメインフレーム431を支持する位置B2をメインフレーム431の長軸方向(±W方向)に移動したり、支持部材433の長さを調整したりすることにより、メインフレーム431の傾斜角度θ0を調整することができる。
【0162】
また、
図15に示すように、メインフレーム431の長軸方向(±W方向)に沿ってスライド可能な調整部材435がメインフレーム431に取り付けられている。そして、調整部材435を介してメインフレーム431の下端からメインフレーム431の長軸方向に沿った距離W1の位置に回転軸取付部材117が取り付けられている。回転軸取付部材117には、軸受け123を介して、回転軸部材441が主回転軸C0について回転可能に取り付けられている。スライド方向(±W)は高さ方向(±Z)に成分を有するので、これにより、回転軸取付部材117の高さ(従って、回転アーム119の各部の高さ)を調整することができる。
【0163】
更に、第1の実施の形態と同様に、主回転軸C0からアッパアーム121のフォアアーム125側の端部P4までの距離を調整することにより、主回転軸C0からフォアアーム125(端部P4、P5を含む)までの距離を調整することができる。
【0164】
例えば、回転軸部材441に回転軸部材441と共に回転する調整部材439を取り付け、調整部材439の内部に貫通穴を設ける。ここで、貫通穴の軸が主回転軸C0が交差するようにし、また、貫通穴の軸が主回転軸C0に直交するようにする。調整部材439内部に設けられた貫通穴を貫通するアッパアーム121の位置を貫通穴の軸に沿った方向に調整することにより、主回転軸C0からフォアアーム125(端部P4、P5を含む)までの距離を調整することができる。
【0165】
調整部材435がメインフレーム431の長軸に沿ってスライドするように駆動する駆動部(図示せず)を設けてもよい。例えば、前進/後退/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部による調整部材435の駆動方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、距離W1を調整することができ、従って、回転軸取付部材117の高さ(従って、回転アーム119の各部の高さ)を調整することができる。
【0166】
アッパアーム121が調整部材439に設けられた穴の軸に沿ってスライドするように駆動する駆動部(図示せず)を設けてもよい。例えば、前進/後退/OFFスイッチ(図示せず)により駆動部によるアッパアーム121の駆動方向と駆動/停止を切り替えるようにしてもよい。こうすれば、スイッチにより、回転半径R1を調整することができ、従って、例えば、位置P5の回転半径R1を調整することができる。
【0167】
これは、第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101などの他の実施の形態によるスイングプレーン練習装置にも適用することができる。
【0168】
メインフレーム431の傾斜角度θ0は、上述したように調整することができる。例えば、マニュアルで位置B2を調整することにより、メインフレーム431の傾斜角度θ0を調整することができる。
【0169】
[第5の実施の形態]
図16を参照すると、第5の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Cは、第4の実施の形態によりスイングプレーン練習装置101と比較すると、メインフレーム113、サブフレーム115及び台座111Bが削除されている。
【0170】
例えば、室内にある梁455に取付部材用台座453が固着される。取付部材用台座453には、取付部材用軸451が据え付けられる。そして、取付部材用軸451に軸受け123を介して回転軸部材441が主回転軸C0について回転可能に取付けられる。室内の床501の上でゴルファはゴルフスイングの練習をする。
【0171】
取付部材用台座453に対する取付部材用軸451の取付位置と取付角度を調整することにより、スイングプレーンSPの傾斜角度θ0及び回転アーム119の高さを調整することができる。
【0172】
[第6の実施の形態]
図17を参照すると、第6の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Dは、第5の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Cと比較すると、取付部材用台座453が垂直支柱457に置き換わっている点が異なる。
【0173】
その代わりに、例えば、室内の床501と梁459の下面の間に垂直支柱457を挿入する。垂直支柱457は、長さが調整可能であり、室内の床501から梁459の下面までの間の距離に合うように、長さが調整される。
【0174】
垂直支柱457には、取付部材用軸451が据え付けられる。そして、取付部材用軸451に軸受け123を介して回転軸部材441が主回転軸C0について回転可能に取付けられる。室内の床501の上でゴルファはゴルフスイングの練習をする。
【0175】
垂直支柱457に対する取付部材用軸451の取付位置と取付角度を調整することにより、スイングプレーンSPの傾斜角度θ0及び回転アーム119の高さを調整することができる。
【0176】
[第7の実施の形態]
図18を参照すると、第7の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Eは、第5の実施の形態によるスイングプレーン練習装置101Cと比較すると、取付部材用台座453が水平支柱461に置き換わっている点が異なる。
【0177】
例えば、室内の2つの柱463の間に水平支柱461を挿入する。水平支柱461は、長さが調整可能であり、2つの柱463の間の距離に合うように、長さが調整される。
【0178】
水平支柱461には、取付部材用軸451が据え付けられる。そして、取付部材用軸451に軸受け123を介して回転軸部材441が主回転軸C0について回転可能に取付けられる。室内の床501の上でゴルファはゴルフスイングの練習をする。
【0179】
水平支柱461に対する取付部材用軸451の取付位置と取付角度を調整することにより、スイングプレーンSPの傾斜角度θ0及び回転アーム119の高さを調整することができる。
【0180】
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置のコック角度・グリップエンド前後位置連動部の構成及び動作について
図19から
図22を参照して説明する。
【0181】
フォアアーム125の基礎部125aに固定された一対の固定板146及び一対の圧縮性のスプリング144に挟まれるようにして円筒カム143がフォアアーム125に取り付けられている。円筒カム143は、フォアアーム125の長手方向に沿って一対のスプリング144によるバネ力をフォアアーム125の長手方向の両側から受けながらも或る程度フォアアーム125の長手方向に移動することが可能である。しかし、円筒カム143は、フォアアーム125に対して他の動きはしない。特に、基礎部125aの外周部と円筒カム143の内周部が向かい合う部分に設けられたピン(図示せず)及び溝(図示せず)により円筒カム143がフォアアーム125の軸について回転しないようになっている。
【0182】
円筒カム143にはカム溝145が設けられている(
図19(b)、
図20参照)。
フォアアーム125に設けられた回転機構127によりフォアアーム125の基礎部125aに対して先端部125bは、フォアアーム125の軸について回転することが可能である。
【0183】
フォアアーム125の先端部125bには、一対のガイドステイ174を介してリンクガイド173が固着されている。また、リンクガイド173には、スライドリンク171がフォアアーム125の軸方向にスライド可能に挿入されている。スライドリンク171のアッパアーム121側の部分には、従動軸141が固着されている(
図21参照)。従動軸141は、円筒カム143に設けられたカム溝145に挿入されている。
【0184】
カム溝145は、例えば、円筒カム143の円周方向に対して斜めに設けられている(
図19(b)、
図20参照)。従って、矢印RYYで示すように基礎部125aに対して先端部125bが回転すると、スライドリンク171は、矢印SYで示すようにフォアアーム125の長手方向に沿ってスライドする。
図19においては、スライドリンクの2つの位置を実線及び破線で示しており、それぞれに対して、符号171及び171´を付している。
【0185】
スライドリンク171のアッパアーム121から離れた側の先端には、サブリンク175を介してコック用可動部129が連結されている。なお、スライドリンク171とサブリンク175は、回転機構153により連結されており、サブリンク175とコック用可動部129は、回転機構155により連結されている。
【0186】
従って、スライドリンク171がフォアアーム125の長手方向に沿ってスライドすると、コック用可動部129は取付位置P5を中心にして揺動する。
図19においては、コック用可動部の2つの位置を実線及び破線で示しており、それぞれに対して、符号129及び129´を付している。なお、サブリンク175の2つの位置も実線及び破線で示しており、それぞれに対して、符号175及び175´を付している。
【0187】
従って、矢印RYYで示すように基礎部125aに対して先端部125bが回転すると、矢印RXで示すようにコック用可動部129は取付位置P5を中心にして揺動する。
【0188】
コック用可動部129の先端には、クラブ保持部161が取り付けられている。そして、クラブ保持部161はゴルフクラブのグリップ207又はシャフト203のグリップ207に近い部分を保持する。
【0189】
従って、矢印RYYで示すように基礎部125aに対して先端部125bが回転すると、ゴルフクラブ201のグリップエンド付近の部分は、フォアアーム125の長手方向又は長手方向に近い方向に沿って揺動する。
【0190】
図19は、クラブヘッド205が常にスイングプレーンSPに存在していてグリップエンド付近の部分が揺動する場合のクラブ保持部、シャフト及びヘッドの2つの位置及び向きを示しており、それぞれに対して、符号161、203、P2及び符号161´、203´及びP2´を付している。
【0191】
図23(a)及び
図23(b)は、円筒カムの側面図及び断面図を示す。
図23(c)は、円筒カム143のカム溝145及び従動軸141の第1態様を示す。
【0192】
第1態様においては、コック角ζがゼロ度よりも大きい範囲においては、カム溝145は傾斜を持った直線のプロファイルを有する。また、従動軸141の断面形状は円形である。従って、コック角ζがゼロ度から所定の角度ζ1まで増加するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は直線状に-YY方向に移動する。反対に、コック角ζが所定の角度ζ1からゼロ度まで戻るときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は直線状に+YY方向に移動する。
【0193】
コック角ζがゼロ度よりも小さい範囲においては、カム溝145は傾斜を持たない直線のプロファイルを有する。従って、コック角ζがゼロ度から減少するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は変化しない。
【0194】
図23(d)は、円筒カム143のカム溝145及び従動軸141の第2態様を示す。
第2態様においては、コック角ζがゼロ度よりも大きい範囲においては、カム溝145は傾斜を持った直線のプロファイルを有する部分と傾斜していないプロファイルを有する部分を持ち、これらは、コック角ζがζ1である位置において相互に連結している。また、従動軸141の断面形状三角形である。従って、コック角ζがゼロ度から所定の角度ζ1まで増加するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は直線状に減少する。反対に、コック角ζが所定の角度ζ1からゼロ度まで戻るときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置はそのまま維持される。
【0195】
コック角ζがゼロ度よりも小さい範囲においては、カム溝145は傾斜を持たない直線のプロファイルを有する。この部分は、コック角ζがゼロ度よりも大きい範囲における傾斜していないプロファイルを有する部分と連結している。従って、コック角ζがゼロ度から減少するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は変化しない。
【0196】
図23(d)は、円筒カム143のカム溝145及び従動軸141の第3態様を示す。
第3態様においては、コック角ζがゼロ度よりも大きい範囲においては、カム溝145は傾斜を持った曲線のプロファイルを有する。また、従動軸141の断面形状は円形である。従って、コック角ζがゼロ度から所定の角度ζ1まで増加するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は曲線状に-YY方向に移動する。反対に、コック角ζが所定の角度ζ1からゼロ度まで戻るときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は曲線状に+YY方向に移動する。
【0197】
コック角ζがゼロ度よりも小さい範囲においては、カム溝145は傾斜を持たない直線のプロファイルを有する。従って、コック角ζがゼロ度から減少するときには、従動軸141のフォアアーム125の長手方向の位置は変化しない。
【0198】
図24(a)を参照すると、第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置は、クラッチ603、クラッチ604、これらを制御する制御部605を備える。また、第8の実施の形態によるスイングプレーン練習装置は、更に、回転角度検出部601を備える。
【0199】
クラッチ603は、例えば電磁式のクラッチであり、フォアアームの基礎部125aに対する回転部125bの回転を許可したり禁止したりする。
【0200】
クラッチ604は、例えば電磁式のクラッチであり、回転アーム119の主回転軸C0についての回転を許可したり禁止したりする。
【0201】
回転角度検出部601は、回転アーム119の主回転軸C0についての回転角度ηを検出する。
制御部605は、例えば、次に説明するように、回転角度ηなどに基づいてクラッチ603を制御する。
【0202】
図24(b)に示すように、ゴルファがスイング角度ηをゼロ度にして構えてからテイクバックによりスイング角度ηをη1まで変化させる期間においては、クラッチ603を接続することによりコック角ζをゼロ度に維持する。この期間においては、
図24(a)に示すように、コックの中心位置P0は、点P0から点P0aまでの直線PATH1を通るようにしてスイングプレーンSPに対して平行に上昇する。
【0203】
ゴルファがテイクバックを更に続けることによりスイング角度ηがη1を超えたならばクラッチ603を切り離す。そうすることによりゴルファは、コック角ζを徐々に増加させることができる。この期間においては、
図24(a)に示すように、コック角ηの増加に伴ってコックの中心位置P0は、点P0aから点P0bまでの直線PATH2を通るようにしてスイングプレーンSPに近づきつつ上昇する。
【0204】
ゴルファがテイクバックを切り返してダウンスイングをする期間においては、
図25(c)に示すように、コック角ζは徐々にゼロに近づく。
【0205】
第1態様による円筒カム143のカム溝145及び従動軸141を用いている場合には、
図25(a)に示すように、コックの中心位置P0は、点P0bから点P0までの直線PATH3を通るようにしてスイングプレーンSPから離れつつ下降する。
【0206】
第2態様による円筒カム143のカム溝145及び従動軸141を用いている場合には、
図26(a)に示すように、コックの中心位置P0は、点P0bから点P0cまでの直線PATH4を通るようにしてスイングプレーンSPに乗ったまま下降する。
【0207】
なお、
図25(c)及び
図26(c)に示すように、ゴルファがインパクト後にフォロースルーを続け、スイング角度ηがマイナス方向に変化するのに伴い、コック角もマイナス方向に変化する。
【0208】
図24に示す直線折れ線C0-XXVIIA-XXVIIBに沿った断面図を
図27に示す。
図27を参照すると、フォアアーム125に対するコック用可動部129の角度がα1からα1´に変化することにより、コックの中心位置がスイングプレーンSPから離れたP0からスイングプレーンSP上のP0´に移動することがわかる。
【0209】
次に、制御部605が基礎部125aに対する先端部125bの回転を禁止又は許可する方法を
図28を参照して説明する。
まず、現在のスイング角度ηを検出する(ステップS621)。
【0210】
現在のスイング角度ηが所定の範囲に入っていないならば(ステップS623でNO)、先端部125bの回転(コック角ζの変化)を許可する(ステップS631)。
【0211】
現在のスイング角度ηが所定の範囲にあるならば(ステップS623でYES)、現在のスイング角度ηの変化方向を検出する(ステップS625)。例えば、現在のスイング角度と前回の制御ループにおけるステップS621において検出したスイング角度の差分がゼロ度よりも大きいか否かによりスイング角度ηの変化方向を検出することができる。
【0212】
次に、現在のスイング角度ηが所定の範囲にあっても現在のスイング角度ηの変化方向がテイクバック方向でないならば(ステップS627でNO)、先端部125bの回転(コック角ζの変化)を許可する(ステップS631)。
【0213】
現在のスイング角度ηが所定の範囲にあり且つ現在のスイング角度ηの変化方向がテイクバック方向であるならば(ステップS627でYES)、先端部125bの回転(コック角ζの変化)を禁止する(ステップS629)。
【0214】
次に、コック角度・グリップエンド前後位置連動部の動作及びフォアアームの基礎部125aに対する回転部125bの回転の制御による動作の連携について説明する。
第1態様による円筒カム143のカム溝145及び従動軸141を用いている場合には、
図29(a)に示すように、コック角ζがゼロ度から増加するのに伴い、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くまで短くなる(f1=>f2)。
次に、コック角ζがゼロまで減少するのに伴い、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は最初の長さまで長くなる(f2=>f3)。
次に、コック角ζがマイナス方向に変化しても、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は最初の長さに維持される(f3=>f4)。
【0215】
図29(b)を参照すると、テイクバックによりスイング角度ηが所定の角度まで増加するまでの間は、コック角ζは、ゼロのまま維持される(f1=>f1´)。
更にテイクバックを続け、スイング角度ηが増加すると、コック角ζは増加する(f1´=>f2)。
ダウンスイングの間は、スイング角度ηの減少に伴いコック角ζがゼロまで減少する(f2=>f3)。
フォロースルーによりスイング角度ηがマイナス方向に変化するのに伴いコック角ζもマイナス方向に変化する(f3=>f4)。
【0216】
図29(a)に示す動作及び
図29(b)に示す動作を合わせると
図29(c)に示す動作が生じる。
つまり、テイクバックによりスイング角度ηが所定の角度まで増加するまでの間は、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は所定値をもったまま維持される(f1=>f1´)。
更にテイクバックを続け、スイング角度ηが増加すると、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くまで減少する(f1´=>f2)。
ダウンスイングの間は、スイング角度ηの減少に伴いスイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は最初の所定値まで増加する(f2=>f3)。
フォロースルーによりスイング角度ηがマイナス方向に変化しても、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は最初の所定値を維持する(f3=>f4)。
【0217】
次に、第2態様による円筒カム143のカム溝145及び従動軸141を用いている場合には、
図30(a)に示すように、コック角ζがゼロ度から増加するのに伴い、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くまで短くなる(f1=>f2)。
次に、コック角ζがゼロまで減少しても、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くに維持される(f2=>f3)。
次に、コック角ζがマイナス方向に変化しても、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くに維持される(f3=>f4)。
【0218】
図30(b)を参照すると、テイクバックによりスイング角度ηが所定の角度まで増加するまでの間は、コック角ζは、ゼロのまま維持される(f1=>f1´)。
更にテイクバックを続け、スイング角度ηが増加すると、コック角ζは増加する(f1´=>f2)。
ダウンスイングの間は、スイング角度ηの減少に伴いコック角ζがゼロまで減少する(f2=>f3)。
フォロースルーによりスイング角度ηがマイナス方向に変化するのに伴いコック角ζもマイナス方向に変化する(f3=>f4)。
【0219】
図30(a)に示す動作及び
図30(b)に示す動作を合わせると
図30(c)に示す動作が生じる。
つまり、テイクバックによりスイング角度ηが所定の角度まで増加するまでの間は、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離は所定値をもったまま維持される(f1=>f1´)。
更にテイクバックを続け、スイング角度ηが増加すると、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くまで減少する(f1´=>f2)。
ダウンスイングの間は、スイング角度ηが減少してもスイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くに維持される(f2=>f3)。
フォロースルーによりスイング角度ηがマイナス方向に変化しても、スイングプレーンSPからコックの中心位置P0までの距離はゼロ近くに維持される(f3=>f4)。
【0220】
[第9の実施の形態]
第8の実施の形態で説明した構成において、回転アーム119のスイング角度ηがゼロであるときに、クラッチ604により回転アーム119の回転を禁止し、この状態において、クラッチ603を切り離し、先端部bが自由に回転することを許可する。
これによりゴルファが、スイングの初動に関する練習や手首の切り返しに関する練習をすることが可能になる。
【0221】
[第10の実施の形態]
第10の実施の形態は、
図1などに示すような第1の実施の形態の構成において、コックの中心位置P0又はスイングプレーンSPの傾斜角度θ2の微調整をするものである。
【0222】
図31を参照して説明すると、本実施の形態における微調整としては、
(微調整#1)コックの中心位置P0の水平方向に沿った微調整(コックの中心位置P0のY軸方向に沿った微調整)
(微調整#2)コックの中心位置P0の鉛直方向に沿った微調整(コックの中心位置P0のZ軸方向に沿った微調整)
(微調整#3)コックの中心位置P0のスイングプレーンSPに平行なプレーンSP´内部における上下方向に沿った微調整(コックの中心位置P0のZZ軸方向に沿った調整)
(微調整#4)コックの中心位置P0のスイングプレーンSPの主回転軸C0に平行な方向に沿った微調整(コックの中心位置P0のYY軸方向に沿った調整)
(微調整#5)スイングプレーンSPの傾斜角度θ2の微調整(コックの中心位置P0は不変)
がある。
【0223】
微調整#1においては、コックの中心位置P0は、水平方向に移動するが垂直方向には移動しない。また、スイングプレーンSPの角度θ2は変化しない。
微調整#2においては、コックの中心位置P0は、垂直方向に移動するが水平方向には移動しない。また、スイングプレーンSPの角度θ2は変化しない。
微調整#3においては、コックの中心位置P0は、スイングプレーンSPに平行なプレーンSP´の内部において上下方向に移動する。また、スイングプレーンSPの角度θ2は変化しない。なお、コックの中心位置P0は、水平方向及び垂直方向の双方において変化する(後上方又は前下方に移動する)。
微調整#4においては、コックの中心位置P0は、スイングプレーSPの主回転軸C0に平行な方向に沿って移動する。また、スイングプレーンSPの角度θ2は変化しない。なお、コックの中心位置P0は、水平方向及び垂直方向の双方において変化する(前上方又は後下方に移動する)。
微調整#5においては、スイングプレーンSPの角度θ2が変化するが、コックの中心位置P0は変化しない。
【0224】
微調整をするときの各部の調整量を下記の通り表す。
メインフレームの長さH11の調整量:ΔH11
サブフレームの長さJの調整量:ΔJ
メインフレームとサブフレームがなす角度θ1の調整量:Δθ1
【0225】
微調整#1において、コックの中心位置P0を調整量(移動量)ΔYだけ水平方向(Y軸方向)に移動させるためには、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1に対して、それぞれ、
ΔJ=ΔY/sin(π-θ1)
ΔH11=-ΔY/tan(π-θ1)
により与えられる量の調整をすればよい。
【0226】
微調整#2において、コックの中心位置P0を微調整量(移動量)ΔZだけ垂直方向(Z軸方向)に移動させるためには、メインフレームの長さHH1に対して、
ΔH11=ΔZ
により与えられる量の調整をすればよい。
【0227】
微調整#3において、プレーンSP´の内部においてコックの中心位置P0を微調整量(移動量)ΔZZだけスイングプレーンSPに平行な方向(後上方又は前下方;ZZ軸方向)に移動させるためには、サブフレームの長さJに対して、
ΔJ=ΔZZ
により与えられる量の調整をすればよい。メインフレームの長さHH1は調整しない。
【0228】
また、微調整#3において、コックの中心位置P0のY座標がΔYだけ変化するように、プレーンSP´の内部においてコックの中心位置P0を移動させるためには、サブフレームの長さJに対して、
ΔJ=ΔY/sin(π-θ1)
により与えられる量の調整をすればよい。このとき、メインフレームの長さHH1は調整しない。
【0229】
更に、微調整#3において、コックの中心位置P0のZ座標がΔZだけ変化するように、プレーンSP´の内部においてコックの中心位置P0を移動させるためには、サブフレームの長さJ対して、
ΔJ=ΔZ/cos(π-θ1)
により与えられる量の調整をすればよい。このとき、メインフレームの長さHH1は調整しない。
【0230】
微調整#4において、スイングプレーンの主回転軸C0に平行な方向(YY軸方向)に沿ってコックの中心位置P0を微調整量(移動量)ΔYYだけ移動させるためには、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1に対して、それぞれ、
ΔJ=ΔYY/tan(π-θ1)
ΔH11=-ΔYY/sin(π-θ1)
により与えられる量の調整をすればよい。
【0231】
また、微調整#4において、コックの中心位置P0のY座標がΔYだけ変化するように、コックの中心位置P0をスイングプレーンの主回転軸C0に平行な方向(YY軸方向)に沿って移動させるためには、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1に対して、それぞれ、
ΔJ=ΔY/sin(π-θ1)
ΔH11=ΔY/(sin(π-θ1)・cos(π-θ1))
により与えられる量の調整をすればよい。
【0232】
更に、微調整#4において、コックの中心位置P0のZ座標がΔZだけ変化するように、コックの中心位置P0をスイングプレーンの主回転軸C0に平行な方向(YY軸方向)に沿って移動させるためには、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1に対して、それぞれ、
ΔJ=ΔZ/(sin(π-θ1)・sin(π-θ1))
ΔH11=ΔZ・cos(π-θ1)/(sin(π-θ1)・sin(π-θ1))
により与えられる量の調整をすればよい。
【0233】
微調整#5において、コックの中心位置P0を変えないままスイングプレーンの傾斜角度θ2をΔθだけ変化させるためには、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1に対して、それぞれ、
ΔJ=((J-R1)・cos(π-θ)
+K1・cos(θ-π/2)/sin(π-θ))・Δθ
ΔH11=(-(J-R1)・sin(π-θ)
-K1・sin(θ-π/2)
-((J-R1)・cos(π-θ)
+K1・cos(θ1-π/2))・tanθ)・Δθ
により与えられる量の調整をすればよい。
【0234】
[第11の実施の形態]
第11の実施の形態は、第1の実施の形態などにおける制御をするための具体的構成に関するものである。
【0235】
図31に示すように、メインフレーム115の高さH11の調整に関しては、メインフレーム長検出部641及びメインフレーム長調整部643を備える。サブフレーム115の長さJの調整に関しては、サブフレーム長検出部645及びサブフレーム長調整部647を備える。メインフレームとサブフレームのなす角度θ1の調整に関しては、メインフレーム・サブフレーム間角度検出部649及びメインフレーム・サブフレーム間調整部651を備える。コック中心位置P0の回転半径の調整に関しては、回転半径検出部653及び回転半径調整部655を備える。サブフレーム115からコック中心位置P0までの位置の調整に関しては、サブフレーム・コック中心位置間距離検出部657及びサブフレーム・コック中心位置間距離調整部659を備える。
【0236】
図32(a)及び
図32(b)は、これらの検出部及び調整部の具体的な構成の一例を示すものである。
図32(a)を参照すると、メインフレーム113は、メインベース113a、メインシリンダ113b、メインシリンダブロック113c、メインロッド113e及び取付部113fを備える。
【0237】
サブフレーム115は、サブベース115a、サブシリンダ115b、サブシリンダブロック115c、サブロッド115e、サポートロッド115f、回転アームマウントブロック115g及び取付部115hを備える。
メインロッド113eとサブベース115aは、ヒンジ114により回転可能に接続されている。
【0238】
メインシリンダ113bに対してメインシリンダブロック113cは、長手方向にスライド可能に嵌合している。また、メインシリンダブロック113cには、メインフレーム長検出部641に相当する測距器が取り付けられている。この測距器はレーザビームLB1によりメインベース113aまでの距離を測定することが可能である。この距離に各部の寸法に基づいたオフセット値を加算することによりメインフレーム長を算出することができる。
【0239】
メインシリンダブロック113cは、メインフレーム長調整部643に相当するモータ及び複数のギアの組113dにより長手方向に移動することが可能である。
【0240】
ヒンジ114の付近には、メインフレーム・サブフレーム間角度検出部649が取り付けられている。
メインシリンダブロック113cとサブベース115aは、取付部113f、115g及びメインフレーム・サブフレーム間角調整部651に相当する油圧シリンダにより連結されている。油圧シリンダの長さを調整することによりメインフレーム・サブフレーム間角度を調整することができる。
【0241】
サブシリンダ115bに対してサブシリンダブロック115cは、長手方向にスライド可能に嵌合している。また、サブシリンダブロック115cには、サブフレーム長検出部645に相当する測距器が取り付けられている。この測距器はレーザビームLB2によりサブベース115aまでの距離を測定することが可能である。この距離に各部の寸法に基づいたオフセット値を加算することによりサブフレーム長を算出することができる。
【0242】
サブシリンダブロック115cは、サブフレーム長調整部647に相当するモータ及び複数のギアの組115dにより長手方向に移動することが可能である。
回転アームマウントブロック115gに対して回転軸取付部材117が主回転軸C0に沿った方向にスライド可能に嵌合されている。
回転軸取付部材117には、一対の軸受け123を介して回転軸部材441が回転可能に通されている。
回転軸部材441の前方先端には、調整部材439が取り付けられている。調整部材439は、調整部材本体439aとボス439bを備え、回転部材441の前方先端部はボスを貫通する。
【0243】
サブフレーム・コック中心位置間距離検出部657に相当する測距器がサブロッド115eに取り付けられている。この測距器はレーザビームLB4により調整部材本体439aまでの距離を測定することが可能である。この距離に各部の寸法に基づいたオフセット値を加算することによりサブフレーム・コック中心位置間距離を算出することができる。
【0244】
回転軸取付部材117は、サブフレーム・コック中心位置間距離調整部659に相当するモータ及び複数のギアの組により主回転軸に沿った方向に移動することが可能である。
【0245】
図32(b)を参照すると、調整部材本体439aには、アッパアーム121が長手方向にスライド可能に通されている。
アッパアーム121には、回転半径検出部653に相当する測距器が取り付けられている。この測距器は、レーザビームLB4により調整部材本体439aに固着している参照部材653までの距離を測定することが可能である。この距離に各部の寸法に基づいたオフセット値を加算することによりコック中心位置の回転半径を算出することができる。
アッパアーム121は、回転半径調整部655に相当するモータ及び複数のギアにより半径方向に移動することが可能である。
なお、各所にあるモータ及び複数のギアの組の代わりに油圧装置を調整部として用いてもよい。
【0246】
図33は、スイングプレーン練習装置の各部の寸法の制御に関連した部分の機能ブロック図である。
制御部605は、アーム長さA、シャフト長さS、アームシャフト角γ、ライ角φ、スイングプレーン傾斜角度θ2、フォアアーム・コック用可動部間角度α1、シャフト・コック用可動部間角度α2を入力し、少なくともこれらの一部を利用して、メインフレーム長HH1、サブフレーム長J、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径r1及びサブフレーム・コック中心位置間距離K1のうちの少なくとも一部を調整する。
【0247】
なお、アーム長さA、シャフト長さS、アームシャフト角γ、ライ角φ、スイングプレーン傾斜角度θ2、フォアアーム・コック用可動部間角度α1、シャフト・コック用可動部間角度α2のうちの一部は相互依存している。制御部605は、その相互依存した関係に基づいて、これらのうちの一部の数値から他の一部の数値を算出してもよい。その場合、制御部605は、当該他の一部の数値を入力する必要はない。
【0248】
制御部605は、メインフレーム長HH1、サブフレーム長J、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径R1及びサブフレーム・コック中心位置間距離K1のうちの調整の対象となるものに対応した検出部及び調整部を利用する。
【0249】
なお、調整の対象となるものは調整方法により異なる。例えば、上述した調整方法1では、調整の対象となるものは、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径R1及びメインフレーム長HH1であるが、調整方法2では、調整の対象となるものは、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径R1及びサブフレーム長Jである。また、調整方法3Bでは、調整の対象となるものは、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径R1及びサブフレーム・コック中心位置間距離K1である。更に、調整方法4では、調整の対象となるものは、メインフレーム・サブフレーム間角度θ1、回転半径R1、メインフレーム長HH1及びサブフレーム長Jである。
【0250】
メインフレーム長を調整する場合には、メインフレーム長検出部641及びメインフレーム長調整部643を利用する。制御部605は、メインフレーム長検出部641により検出されたメインフレーム長が目的となる値となるようにメインフレーム長調整部643を動作させる。ここで、目的となる値とは、調整方法により算出された値である。
以下同様に、サブフレーム長を調整する場合には、サブフレーム長検出部645及びサブフレーム長調整部647を利用する。
メインフレーム・サブフレーム間角度を調整する場合には、メインフレーム・サブフレーム間角度検出部649及びメインフレーム・サブフレーム間角度調整部651を利用する。
回転半径を調整する場合には、回転半径検出部653及び回転半径調整部655を利用する。
サブフレーム・コック中心位置間距離を調整する場合にはサブフレーム・コック中心位置間距離検出部657及びサブフレーム・コック中心位置間距離調整部659を利用する。
【0251】
図33に示すコンソール675は、第10の実施の形態による微調整をするためにゴルファなどの利用者が利用するものである。符号675-1から675-10で示すものは、ボタンである。
例えば、利用者は、微調整#1をするためには、コンソール675にあるボタン675-3又は675-4を押す。それに応じて、サブフレームの長さJ及びメインフレームの長さHH1を調整するために、制御部605は、メインフレーム長検出部641、メインフレーム長調整部643、サブフレーム長検出部645及びサブフレーム長調整部647を用いる。他の微調整の場合も同様である。
【0252】
[第12の実施の形態]
図34に示すような第12の実施の形態によるスイングプレーン練習装置は、第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置と比較すると、フォアアーム125の先端部及びこの周辺部が異なる。
フォアアーム125は、コック中心位置P0を維持したまま、副回転軸C1が主回転軸C0に対して傾斜を持つように変形している。より詳細には、フォアアーム125は、スイング角度ηがゼロ度であるときに、コック中心位置P0を維持したまま、副回転軸C1が主回転軸C0よりも水平に近くなるように変形している。
なお、補強板124は、アッパアーム121に対するフォアアーム125の角度が外力により容易に変化することを防止するために設けられている。
【0253】
[第13の実施の形態]
図35に示すような第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置は、第1の実施の形態によるスイングプレーン練習装置と比較すると、サブフレーム115の傾斜が異なり、これに伴い主回転軸C0の延伸方向、回転アーム119の姿勢などが異なる。
【0254】
具体的には、第1の実施の形態においては、サブフレーム115は、YZ平面において鉛直方向に対してθ0だけ傾斜しているが、XZ平面においては鉛直方向に対して傾斜していない。また、主回転軸C0は、YZ平面において鉛直方向に対してθ2だけ傾斜しているが、XZ平面において鉛直方向に対して傾斜しておらず、XY平面においてY軸に対して傾斜していない。
【0255】
これに対して、
図35に示すように、第13の実施形態においては、サブフレーム115は、YZ平面において鉛直方向に対してθ0だけ傾斜しているのみならず、XZ平面において鉛直方向に対してε1だけ傾斜している。また、これに伴い、主回転軸C0は、YZ平面において鉛直方向に対してθ2だけ傾斜し、XZ平面において鉛直方向に対してε1だけ傾斜し、XY平面においてY軸に対してε2だけ傾斜している。
【0256】
図36も第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置を示す。
図35においては、Y軸方向からみたときに回転アーム119がサブフレーム115と重なっているが(
図35(c)参照)、
図36においては、Z軸方向からみたときに回転アーム119が主回転軸C0と重なっている(
図36(b)参照)。
第13の実施の形態によるスイングプレーン練習装置によれば、
図35(b)に示すように、コック中心位置P0が描く軌跡P0PATHがインサイドアウトになる。
【0257】
[第14の実施の形態]
図37に示すような第14の実施の形態によるスイングプレーン練習装置は、フレームとして第1フレーム113C、第2フレーム115C及び第3フレーム117Cを備える。
水平方向を基準とした第1フレーム113Cの傾斜角度θ11、第1フレーム113Cの傾斜方向を基準とした第2フレーム115Cの傾斜角度θ12及び第2フレーム115Cの傾斜方向を基準とした第3フレーム117Cの傾斜角度θ13を調整することができる。
これらの3つの角度θ11、θ12、θ13を適切な値に設定することにより、所定の規準位置における主回転軸C0の高さHH、主回転軸C0の傾斜角度θ2、コック中心位置の前後方向座標Y0の調整をすることができる。
【符号の説明】
【0258】
101 スイングプレーン練習装置
111 台座
113 メインフレーム
115 サブフレーム
117 回転軸部材
119 回転アーム
129 コック用可動部
171 スライドリンク
173 リンクガイド
174 ガイドステイ
175 サブリンク
141 従動軸
143 円筒カム
144 スプリング
145 カム溝
146 固定板
153 振動検出器
161 クラブ保持部
133 サブフレーム台
201 ゴルフクラブ
203 シャフト
205 ヘッド
207 グリップ
135 ガイド棒
137 圧力センサ
139 レーザポインタ
141 カメラ
143 表示装置
C0 回転軸
C1 副回転軸