(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007362
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20230111BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20230111BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20230111BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20230111BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/80 E
A63F13/426
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023651
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2021107906の分割
【原出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】村上 春樹
(57)【要約】
【課題】パズル領域おける空間的要素をキャラクタ間のバトルに活用できるゲームプログラムを提供すること。
【解決手段】パズル領域内に、操作可能なプレイヤオブジェクト及び操作不能な敵オブジェクトを含む複数のパズル要素を配置し、プレイヤが前記プレイヤオブジェクトの1つを移動させる操作を行うことにより、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトが所定数以上並ぶオブジェクト群が形成されたとき、前記パズル領域内における前記オブジェクト群と前記敵オブジェクトとの間の位置関係に基づいて、前記敵オブジェクトに攻撃を与えること、をコンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パズル領域内に、操作可能なプレイヤオブジェクト及び操作不能な敵オブジェクトを含む複数のパズル要素を配置し、
プレイヤが前記プレイヤオブジェクトの1つを移動させる操作を行うことにより、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトが所定数以上並ぶオブジェクト群が形成されたとき、前記パズル領域内における前記オブジェクト群と前記敵オブジェクトとの間の位置関係に基づいて、前記敵オブジェクトに攻撃を与えること、
をコンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の携帯端末で実行可能なパズルゲームとして、パズル要素とキャラクタ間のバトル要素とを組み合わせたゲームが知られている。例えば、特許文献1には、ゲーム画面の下部に複数のパズル要素を含むパズル領域を配置し、ゲーム画面の上部に敵キャラクタや味方キャラクタを含むバトル領域を配置したゲームが開示されている。このようなゲームは、パズル領域を操作した結果に応じて、キャラクタ間でバトルが行われる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような従来のパズルゲームは、キャラクタ間のバトルとパズル操作とが別々の領域で行われ、単に、パズル操作の結果がキャラクタ間のバトルの結果に反映されるにすぎなかった。本来、パズルゲームは、パズル領域における空間的要素を楽しむゲームであり、空間的要素をゲーム攻略に活かすことがユーザを惹きつける上で重要である。したがって、従来のパズルゲームには、空間的要素がキャラクタ間のバトルに活かされないという点で改善の余地があった。
【0005】
本発明の一実施形態の課題は、パズル領域における空間的要素をキャラクタ間のバトルに活用できるゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態のゲームプログラムは、パズル領域内に、操作可能なプレイヤオブジェクト及び操作不能な敵オブジェクトを含む複数のパズル要素を配置し、プレイヤが前記プレイヤオブジェクトの1つを移動させる操作を行うことにより、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトが所定数以上並ぶオブジェクト群が形成されたとき、前記パズル領域内における前記オブジェクト群と前記敵オブジェクトとの間の位置関係に基づいて、前記敵オブジェクトに攻撃を与えること、をコンピュータに実行させる。
【0007】
前記プレイヤオブジェクトは、前記プレイヤの操作に応じて能力値が向上するプレイヤキャラクタに関連付けられてもよい。前記敵オブジェクトは、所定の能力値を有する敵キャラクタに関連付けられてもよい。前記ゲームプログラムは、前記敵オブジェクトに攻撃を与える際、前記プレイヤキャラクタの能力値及び/又は前記敵キャラクタの能力値に応じて前記敵キャラクタのダメージを決定すること、を前記コンピュータに実行させてもよい。
【0008】
前記ゲームプログラムは、前記攻撃を与えられた敵オブジェクトが所定の条件を満たしたとき、前記所定の条件を満たした敵オブジェクトを消去するとともに、消去された敵オブジェクトが配置されていた空き領域に他のパズル要素を配置すること、をさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【0009】
前記ゲームプログラムは、前記空き領域に前記他のパズル要素が配置されたことにより、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトが所定数以上並ぶ他のオブジェクト群がさらに形成されたとき、前記他のオブジェクト群と前記敵オブジェクトとの間の位置関係に基づいて、前記敵オブジェクトに攻撃を与えること、をさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【0010】
前記ゲームプログラムは、前記プレイヤの操作に応じて、複数のプレイヤキャラクタで構成されるデッキを構成すること、を前記コンピュータに実行させてもよい。前記ゲームプログラムは、前記デッキを構成する各プレイヤキャラクタの能力値に基づいて、前記デッキに関連付けられたヒットポイントを設定し、前記敵オブジェクトによる攻撃として、所定のタイミングで前記ヒットポイントの値を減じること、をさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【0011】
前記ゲームプログラムは、プレイヤの操作により、前記パズル領域内に前記オブジェクト群が形成されたとき、前記オブジェクト群を消去するとともに、消去されたオブジェクト群が配置されていた空き領域の少なくとも1つに前記オブジェクト群を構成するプレイヤキャラクタに関連付けられた特殊オブジェクトを配置し、前記特殊オブジェクトに対する前記プレイヤの操作に応じて、前記特殊オブジェクトに関連付けられたスキルを発動させること、をさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【0012】
前記ゲームプログラムは、前記パズル領域内において、前記スキルに応じて定まる所定範囲に含まれる前記敵オブジェクトに対して攻撃を与えること、をさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、パズル領域おける空間的要素をキャラクタ間のバトルに活用できるゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態における通信装置のゲーム処理機能を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態におけるサーバのゲーム処理機能を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像を示す図である。
【
図7】プレイヤキャラクタPCとプレイヤオブジェクトPJとの関連付けを説明するための図である。
【
図8】敵キャラクタECと敵オブジェクトEJとの関連付けを説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【
図14】プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトの効果を発揮させたときの一例を示す図である。
【
図15】プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトの効果を発揮させたときの一例を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【
図17】プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトのスキルを発動させたときの一例を示す図である。
【
図18】プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトのスキルを発動させたときの一例を示す図である。
【
図19】本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるゲームプログラム(具体的には、パズルゲームの画像制御のためのプログラム)について説明する。但し、本発明は、多くの異なる態様で実施することが可能である。すなわち、本発明は、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されない。本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様の機能を有する部分には、同一の符号または同一の符号の後にアルファベットを付した符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
本明細書および特許請求の範囲において、各用語は、次のように定義される。
【0017】
「ゲーム画像」は、ディスプレイに表示されるゲームの進行状況を表す画像である。パズルゲームの場合、ディスプレイには、複数のパズル要素が配置されたパズル領域を含むゲーム画像が表示される。ゲームプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という)は、ゲーム画像の一部にタッチ操作を行うことによりゲーム操作を行うことができる。
【0018】
「パズル領域」とは、ゲーム画像における複数のパズル要素が配置された領域である。プレイヤが、パズル領域に配置されたパズル要素を操作してパズル要素の配置を変更したり、パズル領域内でイベント(スキルの発動や敵キャラクタへの攻撃など)を発生させたりすることによりパズルゲームが進行する。
【0019】
「パズル要素」とは、パズルを構成する個々のピースとして機能するオブジェクト(具体的には、ゲーム画像に含まれる操作対象または処理対象の画像)を指す。パズル要素には、プレイヤが操作可能な「操作オブジェクト」とプレイヤが操作不能な「非操作オブジェクト」が含まれる。操作オブジェクトは、「プレイヤオブジェクト」、「特殊オブジェクト」などが含まれ得る。非操作オブジェクトには、プレイヤの攻撃対象となる「敵オブジェクト」、パズル要素の移動を妨げる「妨害オブジェクト」などが含まれ得る。
【0020】
「タッチ操作」とは、ユーザが、タッチパネル等に対し、指又はスタイラスペン等(以下、「指示物」という)を接触させて行う操作を指す。「タップ操作」とは、指示物の接触の開始から解除までが短いタッチ操作を指す。「長押し操作」とは、指示物の接触の開始から解除までがタップ操作よりも長いタッチ操作を指す。「スライド操作」とは、指示物の接触状態を維持したまま接触点を移動させる操作(接触点の座標変化を伴う操作)を指す。スライド操作のうち、指示物の接触時間が長い操作は、スワイプ操作と呼ぶ場合がある。また、スライド操作のうち、指示物の接触時間が短い操作は、フリック操作と呼ばれる場合もある。
【0021】
「プログラム」とは、プロセッサ及びメモリを備えたコンピュータにおいてプロセッサより実行される命令又は命令群を指す。「コンピュータ」は、プログラムの実行主体を指す総称である。例えば、サーバ(またはクライアント)によりプログラムが実行される場合、「コンピュータ」は、サーバ(またはクライアント)を指す。また、サーバとクライアントとの間の分散処理により「プログラム」が実行される場合、「コンピュータ」は、サーバおよびクライアントの両方を含む。この場合、「プログラム」は、「サーバで実行されるプログラム」および「クライアントで実行されるプログラム」を含む。「プログラム」が、複数のサーバ間で分散処理される場合も同様に、「コンピュータ」は、複数のサーバを含み、「プログラム」は、各サーバで実行される各プログラムを含む。
【0022】
<第1実施形態>
[通信システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態における通信システム1000の構成を示すブロック図である。通信システム1000は、通信装置100およびサーバ500を有する。通信装置100およびサーバ500は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。通信システム1000は、クライアントである通信装置100とサーバ500とで構成されるクライアントサーバシステムである。
【0023】
通信装置100は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。通信装置100は、ネットワークNWに接続することにより、サーバ500または他の通信装置と通信を行うことができる。通信装置100は、ゲームプログラムをインストールすることが可能である。通信装置100にインストールされたゲームプログラムを実行することにより、ユーザの操作に応じてパズル領域内のプレイヤオブジェクトを操作可能なパズルゲームが提供される。
【0024】
ゲームプログラムは、サーバ500からネットワークNWを介して通信装置100にダウンロードされる。ただし、ゲームプログラムは、予め通信装置100にインストールされていてもよい。さらに、ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置100は、記録媒体を読み取る装置を備えた情報処理装置であればよい。
【0025】
ゲームプログラムの実行は、通信装置100が実行する場合、サーバ500が実行する場合、および通信装置100とサーバ500とで役割を分担して実行する場合(いわゆる分散処理を行う場合)のいずれの態様も採り得る。
【0026】
サーバ500は、通信装置100に対して、ゲームプログラムを提供したり各種のサービスを提供したりする情報処理装置である。各種のサービスには、例えば、通信装置100においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。ゲームプログラムは、サーバ500に含まれる記憶装置、サーバ500が読み出し可能な記録媒体、またはサーバ500がネットワークNWを介して接続可能なデータベースに記録される。
図1において、サーバ500は、単一の情報処理装置として図示されているが、複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0027】
[通信装置の構成]
図2は、本発明の一実施形態における通信装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態の通信装置100は、制御部101、記憶部102、表示部103、操作部104、センサ部105、撮像部106、位置検出部107、通信部108、音入出力部109、および報知部110を含む。ただし、通信装置100は、これらの要素をすべて含むものに限定されない。
【0028】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置100において実現させる。通信装置100の各要素から出力される信号は、通信装置100において実現される各種機能によって使用される。
【0029】
記憶部102は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部102は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部102に格納される。
【0030】
表示部103は、制御部101の制御に応じて、各種の表示画像(例えば、ゲーム画像等)を表示する表示領域を有する。表示部103は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示装置である。
【0031】
操作部104は、ユーザの操作に応じた信号(例えば、命令または情報を示す信号)を制御部101に出力する操作装置である。操作部104は、表示部103の表面に配置されたタッチセンサである。操作部104は、表示部103と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの操作に応じた命令または情報は、ユーザの指又はスタイラスペン等の指示物で操作部104に接触することによって通信装置100へ入力される。ただし、操作部104は、通信装置100の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
【0032】
センサ部105は、通信装置100の動き、通信装置100の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。本実施形態のセンサ部105は、例えば、加速度センサである。制御部101は、センサ部105の出力信号に基づいて、通信装置100の動き(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。ただし、センサ部105は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0033】
撮像部106は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置(カメラ)である。通信装置100は、撮像部106から出力された撮像信号に基づいて画像ファイル(静止画ファイルおよび動画ファイルを含む)を生成する。撮像部106は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナーとしても機能する。
【0034】
位置検出部107は、位置情報に基づいて通信装置100の位置を検出する。本実施形態の位置検出部107は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置100の位置を検出する。
【0035】
通信部108は、制御部101の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ500など、他の通信装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部108は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
【0036】
音入出力部109は、音の入力及び出力を行う。例えば、音の入力は、音入出力部109のマイクにより行われる。音の出力は、音入出力部109のスピーカにより行われる。音入出力部109は、他の通信装置との通話のほか、外部音の収集またはゲーム進行に伴う音声または効果音等の出力に用いることもできる。
【0037】
報知部110は、ユーザに対し、視覚的、聴覚的または触覚的方法により通信装置100の状態を報知する。具体的には、報知部110は、ユーザに対して光、音または振動を用いて通信装置100の状態を報知する。例えば、報知部110は、ランプを点滅させたり筐体全体を振動させたりすることにより、外部装置との通信の有無をユーザに報知することができる。筐体全体の振動は、報知部110のバイブレータにより行われる。また、報知部110は、ゲーム進行に伴うイベントの発生をユーザに報知することも可能である。例えば、報知部110は、パズル領域に配置されたパズル要素が所定の条件を満たしたことをユーザに光、音または振動を用いて報知することができる。
【0038】
[サーバの構成]
図3は、本発明の一実施形態におけるサーバ500の構成を示すブロック図である。本実施形態のサーバ500は、制御部501、記憶部502および通信部503を含む。
【0039】
制御部501は、CPUなどの演算処理回路(制御装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部501は、記憶部502に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能をサーバ500において実現させる。サーバ500の各要素から出力される信号は、サーバ500において実現される各種機能によって使用される。
【0040】
記憶部502は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部502は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部502に格納される。また、記憶部502は、ネットワークNWを介して他の装置(例えば、通信装置100)から受信した各種情報を格納する。
【0041】
通信部503は、制御部501の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置100、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどが例示できる。
【0042】
[通信装置のゲーム処理機能]
通信装置100で実行されるゲーム処理機能について説明する。ゲーム処理機能は、通信装置100の制御部101がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム処理機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態における通信装置100のゲーム処理機能10を示すブロック図である。ゲーム処理機能10は、ゲーム操作取得部11、設定データ受信部12、ゲームデータ記憶部13、ゲーム処理実行部14、ステータスデータ送信部15、表示データ生成部16、及び、表示データ出力部17を含む。ただし、
図4に示すゲーム処理機能10は、一例に過ぎず、一部の機能が省略されたり他の機能が追加されたりしていてもよい。
【0044】
ゲーム操作取得部11は、ユーザによって操作部104に入力された操作のうち、ゲーム操作を取得する。ゲーム操作は、ゲームに関する操作であって、例えば、後述するパズル要素(具体的には、プレイヤオブジェクト)の移動、デッキ編成時のキャラクタ選択の指示等を含む。ゲーム操作は、操作部104に対するタッチ操作により行われる。
【0045】
設定データ受信部12は、サーバ500から通信部108を介して設定データを受信する。設定データは、ゲーム進行に関する様々な設定パラメータ等を含むデータであり、サーバ500において生成される。設定データには、ゲーム制御に関する制御データが含まれていてもよい。
【0046】
ゲームデータ記憶部13は、設定データ受信部12によって受信された設定データを記憶したり、ゲーム画像を表示するために必要なデータ(例えば、画像データ等)を記憶したりする。ゲームデータ記憶部13は、後述するステータスデータを記憶してもよい。
【0047】
ゲーム処理実行部14は、ゲーム操作取得部11によって取得されたゲーム操作および設定データ受信部12によって受信された設定データに基づいて、ゲームの進行を制御するための処理(ゲーム進行処理)を実行する。ゲーム進行処理は、例えば、後述するパズル領域内に配置された複数のパズル要素の移動に伴う各種イベントの処理(パズル要素の再配置を含む)、各種イベントの処理に応じたステータスデータを生成するための処理、及び、ゲーム進行の状況に応じたゲーム画像を制御するための処理を含む。ステータスデータは、ゲーム進行の状態(各パズル要素の配置、敵キャラクタの有無、プレイヤのヒットポイント残りなど)を表すデータである。ゲーム処理実行部14は、任意のタイミングでステータスデータを生成することができる。ゲーム進行処理の詳細な具体例については後述する。
【0048】
ステータスデータ送信部15は、通信部108を介して、ゲーム処理実行部14によって生成されたステータスデータをサーバ500に送信する。ステータスデータ送信部15は、例えば、ゲーム終了時、イベント発生時など任意のタイミングでステータスデータを送信することができる。
【0049】
表示データ生成部16は、ゲーム処理実行部14において制御されるゲームの進行に応じたゲーム画像を表示部103に表示するための表示データを生成する。表示データは、背景画像及びパズル要素等のオブジェクト画像を含む。
【0050】
表示データ出力部17は、表示データ生成部16において生成された表示データを表示部103に出力する。表示データ出力部17は、例えば、表示画像の出力タイミングを制御する信号、表示部103の各ドライバ回路を制御する信号などを生成する。
【0051】
[サーバのゲーム処理機能]
サーバ500で実行されるゲーム処理機能について説明する。ゲーム処理機能は、サーバ500の制御部501がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム処理機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態におけるサーバ500のゲーム処理機能50を示すブロック図である。ゲーム処理機能50は、ステータスデータ受信部51、ゲームデータ記憶部52、ゲーム処理実行部53、及び、設定データ送信部54を含む。ただし、
図5に示すゲーム処理機能50は、一例に過ぎず、一部の機能が省略されたり他の機能が追加されたりしていてもよい。
【0053】
ステータスデータ受信部51は、通信装置100から通信部503を介してステータスデータを受信する。ステータスデータには、送信元の通信装置100を識別するための識別データが含まれていてもよい。
【0054】
ゲームデータ記憶部52は、ステータスデータ受信部51によって受信されたステータスデータを記憶したり、ゲーム処理実行部53によって生成された設定データを記憶したりする。ステータスデータ及び設定データは、対応する通信装置100に関連付けられて記憶される。
【0055】
ゲーム処理実行部53は、ステータスデータ受信部51によって受信されたステータスデータに基づいて、ゲームの進行状況を管理するための処理(ゲーム管理処理)を実行する。ゲーム管理処理は、例えば、各通信装置100に関連付けられたステータスデータを管理するための処理、各ゲームの進行状況に応じた設定データを生成するための処理、及び、各通信装置100のゲームへのログイン処理を含む。ゲーム管理処理は、各通信装置100の間におけるゲーム進行を同期させるための処理を含んでもよい。また、ゲーム処理実行部53は、この例に限らず、ゲーム管理処理に加えて、前述したゲーム進行処理の少なくとも一部を実行することも可能である。
【0056】
設定データは、ゲーム進行の状態に応じた各パラメータを設定するためのデータである。例えば、設定データは、関連する通信装置100の識別データ、次のゲームステージの進行及び制御に関するパラメータ、更新されたプレイヤキャラクタ又は敵キャラクタの設定に関するパラメータなどを含む。ゲーム処理実行部53は、ステータスデータを受信したことに応じて、当該ステータスデータに対応する通信装置100に関連付けられた設定データを生成することができる。
【0057】
設定データ送信部54は、通信部503を介して、ゲーム処理実行部53によって生成された設定データを、対応する通信装置100に送信する。設定データ送信部54は、例えば、イベント発生時、次のゲームステージへの移行時などのタイミングで設定データを送信することができる。設定データ送信部54は、設定データに加えて、現時点におけるステータスデータを通信装置100に送信してもよい。
【0058】
[ゲーム画像の構成]
以下に説明するゲーム画像GIは、
図2に示した通信装置100の制御部101(具体的には、制御部101が備えるプロセッサ)が、記憶部102から読み出したゲームプログラムを実行することにより表示部103に表示される。ただし、
図3に示したサーバ500の制御部501(具体的には、制御部501が備えるプロセッサ)が、記憶部502に記憶されたゲームプログラムを実行して、通信装置100の表示部103にゲーム画像GIを表示する構成としてもよい。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、
図6は、ゲームプログラム実行中のパズルゲームの一場面を表している。通信装置100は、スマートフォン等の携帯端末である。ゲーム画像GIは、通信装置100の表示部103に表示されている。なお、図示は省略するが、表示部103とほぼ同じ領域に操作部104としてタッチセンサが配置される。
【0060】
図6に示すゲーム画像GIは、背景領域BA及びパズル領域PAを含む。背景領域BAは、例えば、森、平野、山岳地帯などのバトルフィールドを表す背景画像が表示される。さらに、本実施形態では、背景領域BAには、後述するスキルオブジェクトの生成の可否を示すスキルメータSM、プレイヤのヒットポイントの値を示すゲージPHG、パズル領域PA内の敵キャラクタの残数を示すインジケータEN、ゲーム設定を調整するためのインタフェースGC、及び、ゲームアイテムを使用するためのインタフェースGUが配置される。ただし、背景領域BAに配置可能な画像は、この例に限られるものではない。
【0061】
パズル領域PAは、パズルゲームの操作を行うための領域であり、複数のパズル要素が配置される。
図6に示す例では、複数のパズル要素として、プレイヤオブジェクトPJ、敵オブジェクトEJ、並びに、妨害オブジェクトIJが配置されている。パズル領域PAには、上から下に向けて仮想の重力場が設定されている。そのため、パズル領域PAに配置された各パズル要素は、下方に空き領域が存在すると、空き領域を埋めるように下方に移動する。このとき、各パズル要素は、重力に引かれて自然落下するように下方に移動する。パズル要素が下方に移動することによりパズル領域PAの上方に空き領域が形成されると、パズル領域PAの上方側の領域外から新たなパズル要素が追加される。ただし、仮想の重力場を設定する例に限らず、パズル領域PAは、単に、空き領域を検知した場合に、その空き領域を埋めるように上から下に向かってパズル要素が移動するように制御されていてもよい。
【0062】
図6に示す例では、プレイヤオブジェクトPJには、ハッチングによって区別される4種類のプレイヤオブジェクトPJ1~PJ4が含まれる。4種類のプレイヤオブジェクトPJ1~PJ4は、それぞれ4種類のプレイヤキャラクタPC1~PC4に関連付けられている。プレイヤキャラクタPC1~PC4は、パズルゲームを開始するに当たり、あらかじめプレイヤによって選択される。本実施形態では、プレイヤが選択した複数のプレイヤキャラクタPCによって編成されたキャラクタ群を「デッキ」又は「パーティ」と呼ぶ。パズル領域PAに配置されるプレイヤオブジェクトPJの種類の数は、デッキを構成する複数のプレイヤキャラクタPCの数に一致する。
【0063】
図7は、プレイヤキャラクタPCとプレイヤオブジェクトPJとの関連付けを説明するための図である。
図7に示すように、プレイヤキャラクタPC1とプレイヤオブジェクトPJ1とは1対1に対応している。プレイヤキャラクタPCには、個々に能力値(能力パラメータ)が設定されている。本実施形態では、説明の便宜上、複数種類のプレイヤオブジェクトPJをハッチングで区別しているが、これに限られるものではない。例えば、各プレイヤオブジェクトPJは、関連付けられたプレイヤキャラクタPCの外見や特徴を反映させた画像を用いることにより、他のプレイヤオブジェクトPJと容易に区別できるようにすることも可能である。
【0064】
図7において、「AAA」は、プレイヤキャラクタPC1の名前である。「Lv」は、プレイヤキャラクタPC1のレベルの値であり、経験値を示すゲージEGが最大値に達するたびに1だけ上昇する。経験値は、あらかじめ設定された規則に従い、プレイヤの操作に伴うゲーム進行に応じて蓄積されると共に、ゲーム終了時にゲージEGに反映される。ただし、この例に限らず、経験値は、ゲーム進行中にリアルタイムにゲージEGに反映されてもよい。プレイヤキャラクタPCのレベルの値が上昇すると、「こうげき」や「HP」といった各パラメータも上昇する。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤの操作に応じて能力値が向上する。
【0065】
「こうげき」は、プレイヤキャラクタPC1の攻撃力を示すパラメータであり、敵キャラクタECを攻撃する際のダメージに影響する。「HP」は、プレイヤキャラクタPC1のヒットポイントを示すパラメータであり、
図6に示したプレイヤのヒットポイントを示すインジケータHPの最大値に影響する。プレイヤのヒットポイントは、デッキに関連付けられ、デッキを構成する各プレイヤキャラクタの能力値に基づいて設定される。
【0066】
「スキル」は、プレイヤキャラクタPC1の発動するスキルであり、スキル名(ここでは「ライトニング」)などが表示される。スキルには、プレイヤオブジェクトPJ1を操作してスキルを発動させた際に影響を受けるパズル要素の範囲又は数が設定されている。スキルの数は、1つに限らず、複数であってもよいし、レベルの値に応じて増えてもよい。また、
図7に示した例に限らず、他の能力値が設定されていてもよい。例えば、敵キャラクタECから攻撃を受ける際のダメージに影響する能力値として「ぼうぎょ」を設定したり、攻撃力が通常よりもアップする確率を示す「クリティカル率」を設定したりすることも可能である。
【0067】
個々のプレイヤオブジェクトPJ1~PJ4を区別する必要がないときは、単に、プレイヤオブジェクトPJと呼ぶ。プレイヤは、プレイヤオブジェクトPJをタッチ操作により操作することによりパズルゲームを進行させる。なお、ここでは4種類のプレイヤオブジェクトPJ1~PJ4を例示したが、プレイヤオブジェクトPJの種類は、この数に限定されるものではない。
【0068】
パズル領域PA内に配置されたプレイヤオブジェクトPJ1~PJ4に対し、タッチ操作(例えば、タップ操作)が行われた場合に、タッチ操作がなされたプレイヤオブジェクトPJに関連付けられたプレイヤキャラクタPCの能力値等をゲーム画像GIに重畳表示(例えば、ポップアップ表示)させてもよい。その際、発動可能なスキルと共に、スキル発動による効果(パズル要素の消去範囲など)が表示されてもよい。
【0069】
図6に示す例では、敵オブジェクトEJには、ハッチングによって区別される2種類の敵オブジェクトEJ1及びEJ2が含まれる。2種類の敵オブジェクトEJ1及びEJ2は、それぞれ異なる敵キャラクタEC1及びEC2に関連付けられている。敵キャラクタEC1及びEC2は、パズルゲームのステージごとにあらかじめ設定されている。敵オブジェクトEJには、プレイヤに対して攻撃を行うまでのターン数AN、及び、敵キャラクタECのヒットポイントの値を示すゲージEHGが併せて表示される。敵オブジェクトEJは、敵キャラクタECのヒットポイントの値を示すゲージEHGがゼロになると消去される。また、プレイヤに対して攻撃を行うまでのターン数ANがゼロになると、プレイヤに対して攻撃を与える(すなわち、プレイヤのヒットポイントの値を示すゲージPHGの値が減少する。)。
【0070】
本実施形態において、敵オブジェクトEJは、自発的には移動せず、下方に空き領域が形成されたときのみ移動する(落下する)パズル要素として配置される、又は、下方に空き領域が形成されても移動しない(移動せずに、同じ位置に固定される)。ただし、この例に限らず、敵オブジェクトEJは、自発的に移動するパズル要素として配置されてもよい。この場合、移動先のプレイヤオブジェクトPJは消去され、移動元には、空き領域が形成されるか、他のプレイヤオブジェクトPJが再配置される。また、この例に限らず、移動先のプレイヤオブジェクトPJは消去されずに敵オブジェクトEJによって隠され、敵オブジェクトEJが再び移動したら現れるようにしてもよい。このとき、敵オブジェクトEJによって隠されたプレイヤオブジェクトPJは、パズル要素として機能させなくてもよい。例えば、隠されたプレイヤオブジェクトPJを含めて同種のプレイヤオブジェクトPJが並んだとしても、後述するオブジェクト群OGを形成しないように設定することも可能である。また、本実施形態では、プレイヤオブジェクトPJと同じサイズの敵オブジェクトEJを配置する例を示したが、この例に限らず、例えば、プレイヤオブジェクトPJの複数分の領域を使って1つの敵オブジェクトEJを配置してもよい。
【0071】
図8は、敵キャラクタECと敵オブジェクトEJとの関連付けを説明するための図である。
図8に示すように、敵キャラクタEC1と敵オブジェクトEJ1とは1対1に対応している。前述のプレイヤオブジェクトPJと同様に、各敵オブジェクトEJは、関連付けられた敵キャラクタECの外見や特徴を反映させた画像を用いてもよい。敵キャラクタECは、所定の能力値を有する。
図8において、「GG」は、敵キャラクタEC1の名前である。「こうげき」は、敵キャラクタEC1の攻撃力を示すパラメータであり、プレイヤを攻撃する際のダメージ(すなわち、プレイヤのヒットポイントの減少)に影響する。「HP」は、敵キャラクタEC1のヒットポイントを示すパラメータであり、プレイヤから攻撃を受けた際におけるダメージに影響する。
【0072】
個々の敵オブジェクトEJ1及びEJ2を区別する必要がないときは、単に、敵オブジェクトEJと呼ぶ。プレイヤは、敵オブジェクトEJを操作することはできない。後述するように、敵オブジェクトEJは、所定のタイミングでプレイヤに攻撃を与え、プレイヤのヒットポイントを減少させる。なお、ここでは2種類の敵オブジェクトEJ1及びEJ2を例示したが、敵オブジェクトEJの種類は、この数に限定されるものではない。
【0073】
パズル領域PA内に配置された敵オブジェクトEJ1及びEJ2に対し、タッチ操作(例えば、タップ操作)が行われた場合に、タッチ操作がなされた敵オブジェクトEJに関連付けられた敵キャラクタECの能力値等をゲーム画像GIに重畳表示(例えば、ポップアップ表示)させてもよい。
【0074】
妨害オブジェクトIJは、プレイヤオブジェクトPJ又は敵オブジェクトEJの移動を妨げるパズル要素として機能する。ここでは1種類の妨害オブジェクトIJのみを例示したが、複数種類の妨害オブジェクトIJが配置されてもよい。また、妨害オブジェクトEJは、同じ位置に固定されていてもよいし、他の位置へ移動可能としてもよい。ただし、プレイヤは、妨害オブジェクトIJを操作することはできない。
【0075】
[ゲーム進行の概略]
次に、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行することによりプレイヤに提供されるパズルゲームの進行の概要について説明する。
【0076】
図9は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。具体的には、
図9は、複数のパズル要素の一部の配置を変更することにより、複数のパズル要素の一部を消去する過程を示している。
【0077】
まず、「1.配置変更」に示すように、プレイヤのタッチ操作(あるパズル要素を隣接するパズル要素に向けてドラッグ又はフリックする操作)により隣接する2つのパズル要素の位置が入れ替えられる。
図9に示す例では、プレイヤオブジェクトPJ1の位置とプレイヤオブジェクトPJ2の位置とを入れ替える操作が行われた様子を示している。
【0078】
パズル要素の入れ替えは、特定の条件を満たした場合に限り実行することができる。特定の条件には、プレイヤオブジェクトPJの入れ替え後に、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトPJが所定数以上並ぶオブジェクト群OGが形成されるという条件が含まれる。「所定の共通性」は、例えば、同じプレイヤキャラクタPCに関連付けられていること、又は、同じ属性を有することであってもよい。「所定数」は、例えば、3つ以上とすることができる。「オブジェクト群」は、複数のプレイヤオブジェクトで構成される一群のオブジェクトの集合である。なお、上記特定の条件を満たさない場合、パズル要素の位置の入れ替えは実行されない。この場合、プレイヤのタッチ操作に応じて入れ替え対象の2つのパズル要素を途中まで移動させ、元の位置に戻す演出表示が行われてもよい。
【0079】
図9に示す例では、操作対象のプレイヤオブジェクトPJ1の位置とプレイヤオブジェクトPJ2の位置とが入れ替わることにより、プレイヤオブジェクトPJ1が縦方向に3つ並ぶため、前述の特定の条件を満たす。したがって、操作対象のプレイヤオブジェクトPJ1の位置と隣接するプレイヤオブジェクトPJ2の位置とが入れ替わり、縦に3つ並んだプレイヤオブジェクトPJ1で構成されるオブジェクト群OG1が形成される。
【0080】
パズル要素の配置変更により前述のオブジェクト群OG1が形成されると、「2.消去」に示すように、形成されたオブジェクト群OG1が消去される。オブジェクト群OG1が消去されると、オブジェクト群OG1に対応する位置には空き領域が形成される。形成された空き領域に対しては、「3.再配置」に示すように、上方に位置するパズル要素が空き領域を埋めるように落下(移動)してパズル要素の再配置が実行される。
図9に示す例では、1つのプレイヤオブジェクトPJ1及び2つのプレイヤオブジェクトPJ2が再配置される様子が示されている。図示は省略するが、上方のパズル要素が落下することにより形成された空き領域には、さらに上方に位置するパズル要素が落下する。このように、連鎖的にパズル要素が落下することにより、パズル領域PAの空き領域が埋められる。
【0081】
図9には示していないが、「3.再配置」の過程において、空き領域を他のパズル要素で埋めることにより新たに消去対象のオブジェクト群OGが形成された場合(すなわち、新たに所定の共通性を有する複数のプレイヤオブジェクトPJが所定数以上並んだ場合)、新たに形成されたオブジェクト群OGも消去される。このように連続的にオブジェクト群OGを消去する処理を「連鎖」と呼ぶ。連鎖によるオブジェクト群OGの消去が実行されると、空き領域を埋めるようにパズル要素の再配置が継続的に実行される。連鎖は、消去対象のオブジェクト群OGが形成されなくなるまで実行される。
【0082】
本実施形態では、前述の「1.配置変更」から「3.再配置」に至るまでの一連の過程を「ターン」と呼ぶ。換言すれば、ターンとは、ゲーム進行の単位である。本実施形態では、隣接するプレイヤオブジェクトPJの位置の入れ替えを行うことによりターンが開始され、形成されたオブジェクト群を消去し、複数のプレイヤオブジェクトPJの再配置が完了した時点で1回のターンが終了する。なお、前述の連鎖が発生した場合は、連鎖が終了して再配置が完了した時点でターンが終了する。
【0083】
図10及び
図11は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。具体的には、
図10及び
図11は、複数のパズル要素の一部の配置を変更することにより、複数のパズル要素の一部を消去すると共に、敵キャラクタに攻撃を与える過程を示している。
【0084】
図10に示す例では、前述の
図9の説明と同様に、まずプレイヤのタッチ操作により隣接する2つのパズル要素の位置が入れ替えられる。
図10に示す例では、縦方向に隣接するプレイヤオブジェクトPJ2の位置とプレイヤオブジェクトPJ3の位置とを入れ替える操作が行われた様子を示している。
【0085】
図10に示す例では、操作対象のプレイヤオブジェクトPJ2の位置とプレイヤオブジェクトPJ3の位置とが入れ替わることにより、プレイヤオブジェクトPJ3が横方向に3つ並ぶため、前述の特定の条件を満たす。すなわち、横方向に3つ並んだプレイヤオブジェクトPJ3で構成されるオブジェクト群OG3が形成される。
【0086】
パズル要素の配置変更により前述のオブジェクト群OG3が形成されると、「2.消去」に示すように、形成されたオブジェクト群OG3が消去される。ここで、
図10に示す例では、消去対象のオブジェクト群OG3の下には、オブジェクト群OG3に隣接して2つの敵オブジェクトEJ2が配置されている。この場合、オブジェクト群OG3が消去されると共に、隣接する敵オブジェクトEJ2にダメージが与えられる。つまり、パズル領域PA内における消去対象のオブジェクト群OGと敵オブジェクトEJとの間の空間的な位置関係に基づいて、プレイヤは敵オブジェクトEJに対して攻撃を与えることができる。敵オブジェクトEJ2にダメージを与える際、所定の演出表示を行ってもよい。
【0087】
本実施形態では、敵オブジェクトEJに与えられるダメージは、敵オブジェクトEJに関連付けられた敵キャラクタECの能力値と、オブジェクト群OGを構成するプレイヤオブジェクトPJに関連付けられたプレイヤキャラクタPCの能力値とに基づいて決定される。すなわち、
図10に示す例において、オブジェクト群OG3の消去に伴い敵オブジェクトEJ2に与えられるダメージは、敵オブジェクトEJ2に関連付けられた敵キャラクタEC2の能力値と、プレイヤオブジェクトPJ3に関連付けられたプレイヤキャラクタPC3の能力値とに基づいて決定される。なお、敵キャラクタECに防御力が設定されていない場合は、攻撃側のプレイヤキャラクタPCの攻撃力のみに基づいてダメージが決定されてもよい。
【0088】
敵オブジェクトEJ2に関連付けられた敵キャラクタEC2は、決定されたダメージに応じて、ヒットポイントが減少する。ヒットポイントの減少に伴い、ヒットポイントを示すゲージEHGがゼロになれば、敵オブジェクトEJ2は消去される。他方、ヒットポイントの減少によりゲージEHGがゼロにならなかった場合は、残存したヒットポイントをゲージEHGに反映させる。
図10に示す例では、オブジェクト群OG3が消去されることにより、敵オブジェクトEJ2に関連付けられた敵キャラクタEC2のヒットポイントがほぼ半減されたことを示している。
【0089】
その後、オブジェクト群OG3の消去に伴って形成された空き領域に対し、「3.再配置」に示すように、上方に位置するパズル要素が落下(移動)してパズル要素の再配置が実行される。パズル要素の再配置が完了すると、ターンが終了する。前述のとおり、敵オブジェクトEJ1及びEJ2には、プレイヤに対して攻撃を行うまでのターン数ANが重ねて表示されている。したがって、ターンを開始した「1.配置変更」の時点に比べて、ターンが終了した「3.再配置」の時点では、ターン数ANが1だけ減少する。
【0090】
続いて、
図10に示すターンの次に実行されるターンについて、
図11を用いて説明する。
図11に示す例では、「1.配置変更」において、横に隣接するプレイヤオブジェクトPJ1の位置とプレイヤオブジェクトPJ2の位置とを入れ替える操作が行われる。
図11に示す例では、操作対象のプレイヤオブジェクトPJ1の位置とプレイヤオブジェクトPJ2の位置とが入れ替わることにより、プレイヤオブジェクトPJ2が縦に3つ並ぶため、前述の特定の条件を満たす。すなわち、縦方向に3つ並んだプレイヤオブジェクトPJ2で構成されるオブジェクト群OG2が形成される。
【0091】
パズル要素の配置変更により前述のオブジェクト群OG2が形成されると、「2.消去」に示すように、形成されたオブジェクト群OG2が消去される。
図11に示す例では、消去対象のオブジェクト群OG2が縦方向に並ぶ2つの敵オブジェクトEJ2に隣接して配置されている。この場合、オブジェクト群OG2が消去されると共に、隣接する敵オブジェクトEJ2にダメージが与えられる。
【0092】
図11に示す例の場合、
図10に示すターンですでにヒットポイントが半減された敵キャラクタEJ2は、
図11に示すターンの攻撃により、ヒットポイントがゼロになる。そのため、ヒットポイントがゼロになった敵オブジェクトEJ2は消去される。このように、攻撃を与えられた敵オブジェクトEJは、所定の条件を満たしたとき消去される。他方、消去された敵オブジェクトEJ2の下方に位置する敵オブジェクトEJ2は、ゲージEHGの残りヒットポイントが減少する。なお、本実施形態では、所定の条件としてヒットポイントがゼロになった場合を例示したが、この例に限られるものではない。
【0093】
その後、オブジェクト群OG2の消去に伴ってパズル要素の再配置が実行される。
図11に示す例では、消去された敵オブジェクトEJ2によって形成された空き領域が、上方から落下したプレイヤオブジェクトPJ1によって埋められる。パズル要素の再配置が完了すると、ターンが終了する。ターンが終了すると、
図10に示した状態に比べて、ターン数ANが1だけ減少する。
図11に示す例では、ターン数が1だけ減少したことに伴い、残存する3つの敵オブジェクトEJ2のターン数ANがゼロになっている。したがって、敵オブジェクトEJ2によるプレイヤへの攻撃が行われる。
【0094】
図12は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、
図12は、
図11に示したパズル要素の再配置が完了した直後のゲーム画像GIを示している。前述のように、
図12に示す例では、残存する3つの敵オブジェクトEJ2のターン数ANがゼロになっているため、敵オブジェクトEJ2によるプレイヤへの攻撃が行われる。
【0095】
敵オブジェクトEJ2による攻撃は、プレイヤに関連付けられたヒットポイントを減じるというイベントを発生させることを意味する。本実施形態では、プレイヤに与えられるダメージは、プレイヤが構成したデッキに関連付けられた能力値と、敵オブジェクトEJに関連付けられた敵キャラクタECの能力値とに基づいて決定される。すなわち、
図12に示す例において、プレイヤに与えられるダメージは、プレイヤキャラクタPC1~PC4で編成されるデッキに関連付けられた能力値と、敵オブジェクトEJ2に関連付けられた敵キャラクタEC2の能力値とに基づいて決定される。なお、プレイヤキャラクタPCに防御力が設定されていない場合は、攻撃側の敵キャラクタECの攻撃力のみに基づいてダメージが決定されてもよい。
【0096】
デッキに関連付けられた能力値は、デッキを編成する各プレイヤキャラクタPC1~PC4のそれぞれの能力値に応じて決定される。例えば、デッキに関連付けられたヒットポイント(すなわち、プレイヤに関連付けられたヒットポイント)は、各プレイヤキャラクタPC1~PC4のヒットポイントの値の合計値であってもよい。また、プレイヤの攻撃耐性は、各プレイヤキャラクタPC1~PC4の防御に関する能力値(例えば、防御力を示すパラメータ)に基づいて、所定の規則により導出された値であってもよい。
【0097】
敵オブジェクトEJ2による攻撃は、各敵オブジェクトEJ2による攻撃の合算であってもよい。すなわち、
図12に示す例では、1つの敵オブジェクトEJ2の攻撃によるダメージを3倍したダメージがプレイヤに与えられる。ただし、この例に限られるものではなく、敵オブジェクトEJ2の数に応じて指数関数的にダメージを増加させるなど、任意の規則に従ってダメージを導出することができる。また、敵オブジェクトEJ2は、プレイヤへの攻撃に限らず、例えば、他の敵オブジェクトEJのヒットポイントを回復させたり他の敵オブジェクトEJを補助したりしてもよい。
【0098】
プレイヤのヒットポイントを示すゲージPHGは、敵オブジェクトEJ2に関連付けられた敵キャラクタEC2の能力値に基づいて決定されたダメージに応じて減じられたヒットポイントを反映する。
図12に示す例では、3つの敵オブジェクトEJ2による攻撃を受け、
図6に示したゲーム画像GIに比べてヒットポイントが減少している。図示は省略するが、攻撃の際、敵オブジェクトEJ2からゲージPHGに向けて攻撃が行われたことを示す演出表示が行われてもよい。
【0099】
ヒットポイントの減少に伴い、プレイヤのヒットポイントを示すゲージPHGがゼロになると、そのゲームステージが終了する。他方、ヒットポイントの減少によりゲージPHGがゼロにならなかった場合は、残存したヒットポイントをゲージPHGに反映させてゲーム進行を続行する。
【0100】
以上のとおり、本実施形態では、パズル領域PA内に、パズル要素として、操作可能なプレイヤオブジェクトPJと操作不能な敵オブジェクトEJとが配置される。そして、プレイヤの動作によりプレイヤオブジェクトを移動させ、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトが所定数以上並ぶオブジェクト群を形成すると、パズル領域PA内におけるオブジェクト群OGと敵オブジェクトEJとの間の位置関係に基づいて、敵オブジェクトEJに攻撃を与えることができる。また、プレイヤの動作によりプレイヤオブジェクトを移動させた場合に限らず、前述の連鎖によりオブジェクト群OGが消去される際、当該オブジェクト群OGと敵オブジェクトEJとの間の位置関係に基づいて、敵オブジェクトEJに攻撃を与えてもよい。以上のように、本実施形態によれば、パズル領域PAにおける空間的要素をキャラクタ間のバトルに活用することができる。
【0101】
他方、敵オブジェクトEJは、所定のタイミング(例えば、敵オブジェクトEJが攻撃を行うまでのターン数ANがゼロになったタイミング)でプレイヤに対して攻撃を与えることができる。このとき、敵オブジェクトEJによる攻撃は、パズル領域PA外に作用する。具体的には、敵オブジェクトEJ2による攻撃は、プレイヤに関連付けられたヒットポイントを減じるというイベントを発生させる。ただし、この例に限らず、敵オブジェクトEJによる攻撃を直接的にプレイヤオブジェクトPJに作用させる(例えば、1以上のプレイヤオブジェクトPJを消去する)ことも可能である。
【0102】
<第2実施形態>
本実施形態では、消去対象のオブジェクト群OGが所定の条件を満たしたとき、特殊オブジェクトを配置する例について説明する。本実施形態において、特殊オブジェクトとは、プレイヤの操作により特殊な効果を発揮することが可能なオブジェクトである。本実施形態の説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0103】
図13は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。具体的には、
図13は、複数のパズル要素の一部の配置を変更することにより、複数のパズル要素の一部を消去する過程を示している。
【0104】
図13に示す例では、「1.配置変更」に示すように、プレイヤのタッチ操作により隣接するプレイヤオブジェクトPJ2の位置とプレイヤオブジェクトPJ3の位置とを入れ替える操作が行われる。これにより、「2.消去」に示すように、プレイヤオブジェクトPJ3が縦方向に4つ並ぶため、前述の特定の条件を満たす。したがって、操作対象のプレイヤオブジェクトPJ2の位置と隣接するプレイヤオブジェクトPJ3の位置とが入れ替わり、縦方向に4つ並んだプレイヤオブジェクトPJ3で構成されるオブジェクト群OG3が形成される。
【0105】
本実施形態では、特定の条件として、特殊オブジェクトの生成条件が設定されている。具体的には、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトPJが4つ以上並ぶオブジェクト群OGが形成された場合に、特殊オブジェクトが生成される。特殊オブジェクトの生成条件は、一方向にパズル要素が並んだ場合に限らず、特定の配列(例えば、L字配列や十字配列)で並んだ場合を含んでもよい。
【0106】
図13に示す例では、同一のプレイヤキャラクタPC3に関連付けられたプレイヤオブジェクトPJ3が縦方向に4つ並んだため、特殊オブジェクトとして、縦消去オブジェクトSJ1が生成される。縦消去オブジェクトSJ1は、オブジェクト群OG3の消去された空き領域に生成され、「3.再配置」によって下方の空き領域に落下する。
【0107】
特殊オブジェクトSJは、プレイヤのタッチ操作に応じて特殊な効果を発揮する。特殊オブジェクトSJが発揮する効果は、オブジェクト群OGが形成された方向、オブジェクト群OGを構成するプレイヤオブジェクトPJに関連付けられたプレイヤキャラクタPCの能力値などに応じて決定される。本実施形態では、特殊オブジェクトSJが攻撃系の効果(プレイヤオブジェクトPJを消去したり敵オブジェクトEJを攻撃したりする効果)を発揮する例を示すが、この例に限らず、特殊オブジェクトSJは、回復系の効果(プレイヤのヒットポイントを回復する効果など)や補助系の効果(一定期間、各プレイヤキャラクタPCの能力値を上昇させるなど)を有していてもよい。
【0108】
図14は、プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトの効果を発揮させたときの一例を示す図である。
図14に示す例は、縦消去オブジェクトSJ1に対してプレイヤがタッチ操作(具体的には、タップ操作)を行ったときの様子を示している。
図14に示すように、縦消去オブジェクトSJ1が位置する列のプレイヤオブジェクトPJがすべて消去される。ただし、この例に限らず、縦消去オブジェクトSJ1の効果は、列全体ではなく、縦消去オブジェクトSJ1の位置から上下に所定数のプレイヤオブジェクトPJまでに制限してもよい。
【0109】
また、
図13では、縦方向にオブジェクト群OGが形成される例を示したが、同一のプレイヤキャラクタPCに関連付けられたプレイヤオブジェクトPJが横方向に4つ並んだ場合、特殊オブジェクトとして、横消去オブジェクトSJ2を生成してもよい。
【0110】
図15は、プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトの効果を発揮させたときの一例を示す図である。
図15に示す例は、横消去オブジェクトSJ2に対してプレイヤがタッチ操作(具体的には、タップ操作)を行ったときの様子を示している。
図15に示すように、横消去オブジェクトSJ2が位置する行のプレイヤオブジェクトPJがすべて消去される。この場合においても、縦消去オブジェクトSJ1と同様に、横消去オブジェクトSJ2の効果は、行全体ではなく、横消去オブジェクトSJ2の位置から左右に所定数のプレイヤオブジェクトPJまでに制限してもよい。
【0111】
さらに、前述の特殊オブジェクトの生成条件として、プレイヤキャラクタPCに関連付けられたスキルを発動可能なスキルオブジェクトKJの生成条件を加えてもよい。例えば、スキルオブジェクトKJの生成条件は、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトPJが5つ並ぶオブジェクト群OGが形成された場合に、スキルオブジェクトKJが生成されるように設定されてもよい。
【0112】
図16は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。具体的には、
図16は、複数のパズル要素の一部の配置を変更することにより、複数のパズル要素の一部を消去する過程を示している。
【0113】
図16に示す例では、「1.配置変更」に示すように、プレイヤのタッチ操作により隣接するプレイヤオブジェクトPJ2の位置とプレイヤオブジェクトPJ3の位置とを入れ替える操作が行われる。これにより、「2.消去」に示すように、プレイヤオブジェクトPJ2が横方向に5つ並ぶため、横方向に5つ並んだプレイヤオブジェクトPJ2で構成されるオブジェクト群OG2が形成される。
【0114】
このとき、前述のスキルオブジェクトKJの生成条件を満たすため、特殊オブジェクトとして、スキルオブジェクトKJ2が生成される。スキルオブジェクトKJ2は、プレイヤオブジェクトPJ2が5つ並んだオブジェクト群OG2に起因して生成されるため、プレイヤキャラクタPC2に関連付けられたスキル(
図7参照)を発動可能である。スキルオブジェクトKJ2は、オブジェクト群OG2の消去された空き領域に生成される。オブジェクト群OG2の消去によって形成された空き領域には、「3.再配置」によって上方のプレイヤオブジェクトPJが落下する。
【0115】
図17は、プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトのスキルを発動させたときの一例を示す図である。
図17に示す例は、スキルオブジェクトKJ2に対してプレイヤがタッチ操作(具体的には、タップ操作)を行ったときの様子を示している。
図17に示すように、スキルオブジェクトKJ2のスキルが発動すると、そのスキルに応じた特殊な効果を発揮する。具体的には、スキルオブジェクトKJ2のスキルが発動すると、スキルオブジェクトKJ2が位置する行及び列のプレイヤオブジェクトPJがすべて消去される。ただし、この例に限らず、スキルオブジェクトKJ2が発動するスキルの効果(例えば、スキルを発動させた際に影響を受けるパズル要素の範囲又は数)は、スキルオブジェクトKJ2の位置から上下左右に所定数のプレイヤオブジェクトPJまでに制限してもよい。
【0116】
また、
図16では、プレイヤオブジェクトPJ2によってオブジェクト群OGが形成される例を示したが、他のプレイヤオブジェクトPJで構成されるオブジェクト群OGが形成された場合、それぞれプレイヤオブジェクトPJに関連付けられたプレイヤキャラクタPCに応じて異なる効果を発揮する。例えば、オブジェクト群OGがプレイヤオブジェクトPJ1によって形成された場合、スキルオブジェクトKJ1のスキルは、プレイヤキャラクタPC1の能力値に応じて決定される。
【0117】
図18は、プレイヤのタッチ操作により特殊オブジェクトのスキルを発動させたときの一例を示す図である。
図18に示す例は、スキルオブジェクトKJ1に対してプレイヤがタッチ操作(具体的には、タップ操作)を行ったときの様子を示している。
図18に示すように、スキルオブジェクトKJ1のスキルが発動すると、スキルオブジェクトKJ1を中心として12個のプレイヤオブジェクトPJが消去される。このように、スキルオブジェクトKJが発動するスキルは、関連付けられたプレイヤキャラクタPCの能力値に応じて異なる。
【0118】
なお、
図16では、スキルオブジェクトKJの生成条件として、所定の共通性を有するプレイヤオブジェクトPJが5つ並ぶオブジェクト群OGが形成された場合について説明したが、この例に限られるものではない。例えば、プレイヤオブジェクトPJを消去する際の連鎖の連続発生数や、消去したプレイヤオブジェクトPJの累積数などに応じて、パズル領域PA内のプレイヤオブジェクトPJがランダムにスキルオブジェクトKJに変化してもよい。この場合、
図6に示したスキルメータSMの内部に、連鎖の連続発生数などに応じてエネルギーがチャージされ、スキルメータSMが満杯になったとき、パズル領域PA内のいずれかのプレイヤオブジェクトPJがスキルオブジェクトKJに変化する。スキルオブジェクトKJに変化するプレイヤオブジェクトPJは、ランダムに選択される場合に限らず、所定の優先順位に基づいて選択されてもよい。
【0119】
図17及び
図18では、スキルオブジェクトKJのスキルを単体で発動させる例について説明したが、スキルオブジェクトKJは、他のスキルオブジェクトKJと組み合わせることにより合体スキルを発動させることも可能である。
【0120】
図19は、本発明の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム進行の一例を示す図である。具体的には、
図19は、隣接する2つのスキルオブジェクトKJを相互に作用させて合体スキルを発動させる過程を示している。
【0121】
図19に示す例では、パズル領域PA内に、特殊オブジェクトとして、スキルオブジェクトKJ2が2つ配置されている。具体的には、2つのスキルオブジェクトKJ2が、縦方向に隣接して並んでいる。このとき、「1.合体操作」に示すように、プレイヤが一方のスキルオブジェクトKJ2を他方のスキルオブジェクトKJ2に向かって移動させるタッチ操作(ドラッグ操作又はフリック操作)を行うと、2つのスキルオブジェクトKJ2が相互に作用して合体スキルを発動する。
【0122】
本実施形態では、2つのスキルオブジェクトKJ2を合体させることにより、「2.スキル発動」で示すように、行方向に2行、列方向に3列のプレイヤオブジェクトPJが消去される。すなわち、
図17に示したスキルオブジェクトKJ2のスキルを単体で発動させたときに比べて、
図19に示す例では、プレイヤオブジェクトPJを消去する範囲や数が増加している。このように、本実施形態では、2つのスキルオブジェクトKJを組み合わせる操作に応じて合体スキルを発動させ、単体でスキルを発動させたときに比べてプレイヤオブジェクトPJの消去範囲を拡大させることができる。
【0123】
前述の合体スキルは、スキルオブジェクトKJの組み合わせによって発揮する効果が異なる。例えば、
図19では、2つのスキルオブジェクトKJ2を組み合わせた例を示したが、2つのスキルオブジェクトKJ1を組みわせた場合は、
図19に示す例とは異なる合体スキルが発動されるように設定されてもよい。また、同じスキルオブジェクトKJ同士の組み合わせに限らず、異種のスキルオブジェクトKJを組み合わせた場合の合体スキルを設定することも可能である。さらに、スキルオブジェクトKJと前述の他の特殊オブジェクトSJ(縦消去オブジェクトや横消去オブジェクト)とを組みわせた合体スキルを設定することも可能である。
【0124】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態では、パズルゲームを進行するに当たり、ゲーム進行処理を通信装置100の制御部101が実行する例について説明した。しかしながら、この例に限らず、ゲーム進行処理は、サーバ500の制御部501が実行してもよい。この場合、プレイヤによるゲーム操作の取得とゲーム画像GIの表示制御の実行とを通信装置100の制御部101が担い、それ以外の他のゲーム進行処理をサーバ500の制御部501が担う構成としてもよい。
【0125】
また、他の例として、ゲーム進行処理を通信装置100およびサーバ500の間の分散処理として実行することも可能である。
【0126】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態(変形例を含む)を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0127】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0128】
10…ゲーム処理機能、11…ゲーム操作取得部、12…設定データ受信部、13…ゲームデータ記憶部、14…ゲーム処理実行部、15…ステータスデータ送信部、16…表示データ生成部、17…表示データ出力部、50…ゲーム処理機能、51…ステータスデータ受信部、52…ゲームデータ記憶部、53…ゲーム処理実行部、54…設定データ送信部、100…通信装置、101…制御部、102…記憶部、103…表示部、104…操作部、105…センサ部、106…撮像部、107…位置検出部、108…通信部、109…音入出力部、110…報知部、500…サーバ、501…制御部、502…記憶部、503…通信部、1000…通信システム、NW…ネットワーク、GI…ゲーム画像、PA…パズル領域、BA…背景領域、PJ…プレイヤオブジェクト、EJ…敵オブジェクト、IJ…妨害オブジェクト、PC…プレイヤキャラクタ、EC…敵キャラクタ、OG…オブジェクト群、SJ…特殊オブジェクト、KJ…スキルオブジェクト