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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073629
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】高さ調節機能付き椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/00 20060101AFI20230519BHJP
   A47C 3/38 20060101ALI20230519BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230519BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A47C3/38
A47C7/62 A
A61H1/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186198
(22)【出願日】2021-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】519205534
【氏名又は名称】東 史
(72)【発明者】
【氏名】東 史
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
4C046
【Fターム(参考)】
3B084JA10
3B084JB02
3B095CA03
4C046AA29
4C046BB07
4C046CC04
(57)【要約】
【課題】
骨盤トレーニングをする際、使用者の条件に合わせて行える様に持ち運びが便利で安全性、安定性を保持しながらトレーニングの座台になる高さ調節可能な椅子を提供する。
【解決手段】
本発明の高さ調節可能な椅子は、椅子本体と、椅子の高さを調節するための高さ調整具と、上部が解放された収納箱とを備え、高さ調節具は複数のブロックを有し、椅子本体は収納箱内にほぼ横ずれしない状態で収納可能に構成され、収納箱の底面と椅子本体の間にブロックを設置するかしないかの第1の選択および収納箱の底面と椅子本体の間にブロックの内のどのブロックを設置するかの第2の選択の内の少なくとも1つの選択により高さ調整を可能にした。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子本体と、上記椅子本体の高さを調節するための高さ調整具と、
上部が解放された収納箱とを備え、上記高さ調節具は複数のブロックを有し、
上記椅子本体は上記収納箱内にほぼ横ずれしない状態で収納可能に構成され、
上記収納箱の底面と上記椅子本体の間に上記ブロックを設置するかしないかの第1の選択および上記収納箱の底面と上記椅子本体の間に上記ブロックの内のどのブロックを設置するかの第2の選択の内の少なくとも1つの選択により高さ調整を可能にしたことを特徴とする椅子。
【請求項2】
椅子本体を収納箱の底面に直接設置した状態で上記ブロックがすべて上記収納箱内に収納可能に構成されている請求項1記載の椅子。
【請求項3】
収納箱に底面は4角形に構成され、上記椅子本体の底部の4つの角部は上記収納箱の底部の4隅に位置するように上記収納箱に設置できるように構成されている請求項2記載の椅子。
【請求項4】
椅子本体は4本の脚部を備え、上記椅子本体を上記収納箱内に上記椅子本体を設置したとき上記脚部の底面が上記収納箱の底部の4隅に位置するように構成されている請求項3記載の椅子。
【請求項5】
収納箱の側壁は全てのブッロクを設置して椅子本体の高さ調節をした場合にブロック上面の高さと同じかそれ以上の高さの有する請求項1記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した座面を維持しながら、高さ調節を可能にするトレーニングの台になる椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高さ調節の可能な椅子はたくさん存在するが、調節が便利な油圧式シリンダーの椅子では通常の座るだけの使用では十分な安全性があるが、本発明の目的の骨盤を前後左右に揺らすトレーニングの台にするには安定性や安全性に問題があった。(特許文献1)
【0003】
高さ調節が可能で安定性安全性のある骨盤トレーニング器具は、高額で大型であるために使用できる場所が限られていた。(非特許文献1)
【0004】
小型の骨盤トレーニング器具はたくさんあるが床で行うもので、高さ調節を可能にする台になるものがなく、股関節や膝関節に問題がある人の使用が難しかった。(非特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平10-506170号広報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】オージー技研株式会社「クロスコアリンクBB8700」[令和3年10月21日検索],インターネット https://www.og-wellness.jp/product/rehabilitation
【非特許文献2】「ぶらぶら骨盤運動」[令和3年10月10日検索],インターネットhttps://www.amazon.co.jp/%E3%81%B6%E3%82%89%E3%81%B6%E3%82%89%E9%AA%A8%E7%9B%A4%E9%81%8B%E5%8B%95-%E4%B8%8B%E3%81%A3%E8%85%B9%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%97-%E5%BA%A7%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%86%E3%82%89%E3%82%86%E3%82%89-%E4%BC%B8%E3%81%B3%E3%81%A6%E6%B0%97%E6%8C%81%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%84-%E8%83%8C%E4%B8%AD%E3%81%8C%E4%BC%B8%E3%81%B3%E3%82%8B/dp/B07T1DCQT5/ref=sr_1_72?adgrpid=122897173607&dchild=1&hvadid=536045944935&hvdev=c&hvqmt=e&hvtargid=kwd-655218957492&hydadcr=27486_14464587&jp-ad-ap=0&keywords=%E4%BD%93%E6%84%9F%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA&qid=1628649556&sr=8-72
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
骨盤トレーニングを股関節や膝関節に問題のある使用者にあう適切な高さで行いたいときに、図11に示した高さ調節が可能な油圧式シリンダーの椅子では、高さ調節は容易だがトレーニングで重心が前後左右に移り負荷のかかる座面の位置が常に変わることで、トレーニング中に高さがズレる危険性や横に振られて転倒するなど安定性に欠けることから使用の対象とならなかった。本発明は、骨盤トレーニングが座面に与える負荷に動じない安定性と安全性を維持しつつ高さ調節可能なトレーニング台になる椅子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の高さ調節可能な椅子は、椅子本体と、椅子の高さを調節するための高さ調整具と、上部が解放された収納箱とを備え、高さ調節具は複数のブロックを有し、椅子本体は収納箱内にほぼ横ずれしない状態で収納可能に構成され、収納箱の底面と椅子本体の間にブロックを設置するかしないかの第一の選択および収納箱の底面と椅子本体の間にブロックの内のどのブロックを設置するかの第2の選択の内の少なくとも一つの選択により高さ調整を可能にした。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高さ調節可能な椅子は、骨盤トレーニングの座台として使用しても安定性と安全性を保ちながら体に合った高さ調節を可能にするとともに、高さ調節具を収納箱内側に収納することで持ち運びを便利にして、移動や長時間の運動が難しい状態の人にも使用する場所の選択肢を広げトレーニングができる機会の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の高さ調節可能な椅子の斜視図である。
図2】(A)本発明の高さ調節可能な椅子の本体の正面図である。
図2】(B)本発明の高さ調節可能な椅子の収納箱の斜視図である。
図3】本発明の高さ調節可能な椅子の正面図で収納箱内部を示した図である。
図4】本発明の高さ調節可能な椅子のブロックの断面図である。
図5】本発明の高さ調節可能な椅子の収納箱の上面図である。
図6】本発明の高さ調節可能な椅子を使用したトレーニングのイメージ図である。
図7】本発明の高さ調節可能な椅子の他の実施形態のブロックの断面図である。
図8】本発明の高さ調節可能な椅子の他の実施形態の上面図である。
図9】(A)本発明の高さ調節可能な椅子の他の実施形態のブロックの斜視図である。
図9】(B)本発明の高さ調節可能な椅子の他の実施形態の収納箱の上面図である。
図10】本発明の高さ調節可能な椅子本体の他の実施形態の正面図である。
図11】油圧式シリンダーの椅子を使用したトレーニングのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の高さ調節可能な椅子の斜視図である。図1に示すように、本発明の高さ調節可能な椅子は椅子本体100と後述する高さ調節具と収納箱200で構成される。図2(A)は、椅子本体100の正面図で、図2(B)は収納箱200の斜視図である。図1図2(A)に示すように、椅子本体100は単体でも通常より安定感のある椅子として使用でき、座面1は4角形で4つ角に4角柱の脚部2a、2b、2c、2dと脚のズレや横揺れをなくすため脚部2の下方に双方をつなぐ補強部3a、3b、3c、3dを備えている。図2(B)に示すように、収納箱200は上部が解放された箱型で底板6と側壁4a、4b、4c、4dを備えていて、内部に椅子本体100と高さ調節具を設置することができる。側壁4は、中央上部に使用場所や収納場所への移動を容易にするための持ち手5を備えている。持ち手5は、向き合う側壁4の2面、または4面全てに備えることも可能である。
【0012】
図3(A)と図3(B)は、本発明の高さ調節可能な椅子の正面図で説明のために側壁4aを除いた状態で収納箱200の内部を示している。図3(A)に示すのは、高さ調節具としてのブロック7を使わずに収納箱200の底板6に椅子本体100を直接設置した状態を示している。その時、高さ調節具としてのブロック7は収納箱200内部の4本の脚部2の間の空間に収納されている。高さ調節具は、同じ形状で大きさの同じである第1セットを構成する4つのブロック7aと第2セットを構成する4つのブロック7bと第3セットを構成する4つのブロック7cで構成される。ブロック7は、椅子本体100の脚部2と同数の4個を1セットとして3セットで構成されている。ブロック7は、その上下面が脚部2の底面と同じ大きさの正方形の直方体である。それぞれ高さに設定したブロック7a、ブロック7b、ブロック7cはセット単位で高さ調節に使用でき、何セット使用するかで多くの選択肢の中から設定する高さを選ぶことを可能にする。図3(A)に示すように、全てのブロック7は収納箱200に収納可能である。図3(B)に示すのは、高さ調節具の第1セットのブロック7aと第2セットのブロック7bと第3セットのブロック7cの全てを重ねてその上に椅子本体100を設置した状態である。ブロック7を高さ調節に使用する時に収納箱200の側壁4は、2面が作るコーナーがガイドとして機能するとともに、椅子としての安定性の維持できる。収納箱200は、その内側スペースに椅子本体100の脚部2がスムーズでかつグラつきなく収まる大きさに設定されている。側壁4の高さは、ブロック7a、7b、7cを全て積んだブロックの天面の高さよりも高く設定されている。すなわち、椅子の脚部2が横ズレを起こそうとしても収納箱200に当たって動かない。
【0013】
高さ調節のためにブロック7を収納箱200のコーナーに設置する際に、ブロック7a、7b、7cの選択を間違いなくできるように、本実施形態のブロック7は微妙な高さの違いを避けブロック7bとブロック7cをあえて同じ大きさにし、目視で高さの違いがはっきりと大きいブロック7aとの3セットで構成した。それぞれの高さを、ブロック7aは5センチ、ブロック7b、7cは3センチとして、ブロック7を使わない時と、ブロック7aまたはブロック7b、7cの中の1セットを使う2段階と、ブロック7aとブロック7bまたはブロック7bとブロック7c の2セットを使う2段階とブロック7の3セット全てを使う時の合計6段階の設定を可能にした。本実施形態では、ブロック7b、7cの2セットを同じ大きさにしたが色やマークを付けて識別しやすくすれば、微妙な高さ違いでも高さ設定の変更作業で迷いや間違いを無くすことが可能である。
【0014】
図4は、高さ調節具であるのブロック7aとブロック7bの断面図である。図4に示すように、座面1から圧がかかるだけでズレたり外れたりしないように、ブロック7aは平面位置を保持する保持構造となる円形の凹部9aを上部中央に、円形の凸部8aを下部中央に備えている。ブロック7bとブロック7cも同様に凹部9と凸部8を備えている。凹部9は、凸部8が簡単に入って外せる大きさと深さで高さ調節の作業を速やかにする。凹部9と凸部8がはまり合うことで高さ調節具を使用する時にブロック7の位置設定を確実にして、骨盤トレーニングに使用する際に前後左右に重心が移動して座面にかかる負荷が変化してもズレたり外れたりする心配のない安定性を可能にする。
【0015】
図5(A)は、本発明の収納箱200の上面図である。図5(A)は、底板6の上面を示していて、図5(B)は、ブロック7aを収納箱200のコーナーに配置するとともにブロック7b及び7cを収納箱200の中央部に配置した状態を示している。底板6は、上述の保持構造としてブロック7a、7b、7cの凸部8が入る穴10aを4隅に備え、高さ調節に使用しないブロック7a、7b、7cの収納を可能にする場所の位置決めのための凸部8が入る穴10bを備えている。全ての穴10は凸部8が容易に入って外せる大きさである。本発明の椅子は、収納箱200の側壁4の2面をガイドとして、底板6の穴10aにブロック7を固定することで位置決めが容易になるとともに、横ズレを起こさないので速やかでかつ椅子としての安全性を高いレベルで維持した高さ調節を可能にする。歩行の介助が必要な人への骨盤トレーニングの提供を想定した時に、介助者には高さ調節の変更は速やかで失敗のない作業が求められるが、本発明の椅子はブロック7を高さ調節に使用するときと、逆に収納位置に戻す作業を速やかにし、なおかつ安定性、安全性を損なわない椅子の提供を可能にする。底板6の大きさは、側壁4のつくる枠と同じか、もしくは更に安定性を持たせるために椅子を使用する人が着座する際の邪魔にならない程度に広くすることも可能で、厚みは椅子本体100とブロック7を収納して持ち運びに耐える厚さにするのが望ましい。本発明の素材は、強度と軽さに考慮した木材が望ましいが、樹脂で作ることも可能である。
【0016】
図6は、本発明の高さ調節可能な椅子を使用した骨盤トレーニングのイメージ図である。図6に示すように、座面1の上に非特許文献2のような骨盤トレーニング器具300を座面1の上にのせて、手すり400やテーブルなどにつかまって病室や自宅でも容易に大腰筋や腸腰筋を鍛える骨盤トレーニングを可能にする。高さ調節できることで、股関節や膝関節が曲げにくいなどの体の状態に合わせた使用と、身長に合わせた使用を可能にする。また、座面1に座布団を載せたりクッションカバーを被せたりすることで通常の椅子として使用することも可能である。
【0017】
図7は、本発明の他の実施形態のブロック7aとブロック7bの断面図である。図8に示すようにブロック7の凸部8と凹部9は上下が反対でも使用可能で、この時、図5で示した収納箱20の底板6の穴10の位置に円形の凸部を設け、椅子本体10の脚部2の底面中央にブロック7の凸部8とはまり合う凹部を設けることで同様の安定性安全性で高さ調節可能な椅子になる。
【0018】
図8は、本発明の他の実施形態の上面図である。ブロック7は側壁4の内側2面に点で接する円柱形のブロック11でも使用状態の変更を速やかに位置決めできて安全性と安定性も可能にできる。
【0019】
図9(A)は、本発明の他の実施形態のブロック12の斜視図である。図9(B)は、ブロック12を収納箱200内に設置した状態を示す。使用している収納箱200の上面図である。ブロック12は、図5(B)に示した底板6の四隅の同じ高さのブロック7のうちの隣り合う2つを1つにつなぐことで、ブロック7を2つ移動する2回の作業を1回にして使用状態の変更をより速やかにするものである。ブロック12は元のブロック7を底板6の角に配置した2つをつないだ大きさで、脚部2の底面と接触しない中央部分を片手で摘みやすい厚みを残して扱いやすく両サイドからカーブで削ぎ取り軽量化に配慮した形状である。図10(A)に示すように、図10(B)における手前側の補強部3と向かい側の補強部3は収納時のブロック12と干渉しないように上部側にずらして設けられている。図10(B)に示すように、図10(A)で示した以外の補強部3は下部側に設けることができる。
【符号の説明】
【0020】
100 椅子本体
200 収納箱
1 座面
2 脚部
2a 脚部
2b 脚部
2c 脚部
2d 脚部
3 補強部
3a 補強部
3b 補強部
3c 補強部
3d 補強部
4 側壁
4a 側壁
4b 側壁
4c 側壁
4d 側壁
5 持ち手
6 底板
7 ブロック
7a ブロック
7b ブロック
7c ブロック
8 凹部
8a 凹部
8b 凹部
9 凸部
9a 凸部
9b 凸部
10 穴
10a 穴
10b 穴
11 ブロック
12 ブロック
12a ブロック
12b ブロック
13 凹部 又は 凸部
300 骨盤トレーニング器具
400 手すり
500 油圧シリンダーの椅子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
収納箱の側壁は全てのブロックを設置して椅子本体の高さ調節をした場合にブロック上面の高さと同じかそれ以上の高さの有する請求項1記載の椅子。