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特開2023-73669情報制御装置、情報制御方法及び情報制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073669
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】情報制御装置、情報制御方法及び情報制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230519BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/01 301D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186268
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】519242285
【氏名又は名称】株式会社CREiST
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】川島 良仁
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142GA20
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】電子表示装置の表示内容を、店舗の事情に応じて変更できる情報制御装置を提供する。
【解決手段】店舗11の商品棚13に設けられている電子表示装置16の表示内容を制御するクラウドサーバ19において、表示内容を変更する基になる基準情報を保持する記憶部38と、店舗11の店員52により操作される業務端末15から店舗11の情報を取得する取得部70と、表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を取得部70が取得すると、表示内容を基準情報に基づいて変更する第1変更部72と、第1変更部72が表示内容を変更した後、店舗11の事情で表示内容を更に変更する修正案を含む第2情報を取得部70が取得すると、修正案を承認するか否かを判断する判断部71と、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御する情報制御装置において、
前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する保持部と、
前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する取得部と、
前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を前記取得部が取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第1変更部と、
前記第1変更部が前記表示内容を変更した後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を前記取得部が取得すると、前記希望を承認するか否かを判断する判断部と、
を有する、情報制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報制御装置において、
前記第2情報に含まれる前記店舗の事情は、前記店舗における顧客の特性、前記店舗における商品の販売実績の少なくとも1つを含む、情報制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の情報制御装置において、
前記表示内容を変更する時機は、前記店舗の営業時間外である、情報制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項記載の情報制御装置において、
前記表示内容は、前記商品棚に置かれる商品の商品情報の位置または大きさの少なくとも一方を含む、情報制御装置。
【請求項5】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御する情報制御方法において、
前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する第1ステップと、
前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する第2ステップと、
前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第3ステップと、
前記表示内容が変更された後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を取得すると、前記希望を承認するか否かを判断する第4ステップと、
を有する、情報制御方法。
【請求項6】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御するコンピュータを、
前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する第1手段、
前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する第2手段、
前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第3手段、
前記表示内容が変更された後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を取得すると、前記希望を承認するか否かを判断する第4手段、
として機能させる、情報制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品棚の電子表示装置に表示される商品情報の表示態様を制御する、情報制御装置、情報制御方法及び情報制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗の商品棚に、電子棚札(ESL:Electric Shelf Label)、またはタッチパネルサイネージと称される電子表示装置を設け、その電子棚札により、型番、商品名、販売価格等に例示される種々の商品情報を表示させる技術が普及している。このような電子表示装置を有する電子棚札システムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された電子棚札システムは、陳列棚に陳列される商品に関する商品情報を含んだ棚札画像を表示する表示装置と、表示装置とは別に操作される端末であり、画像を表示可能なディスプレイと、オブジェクトの接触位置を検出可能なタッチパネルと、他の装置と通信可能に接続するための通信部とを有するユーザ端末と、前記表示装置に表示されている棚札画像の画像データを記憶する記憶部を有するサーバ装置とを備えている。
【0003】
また、特許文献1に記載されたユーザ端末は、表示装置に表示されている棚札画像を示す画像データを取得する取得手段と、取得された画像データにより示される棚札画像をディスプレイに表示させた状態でタッチパネルによって検出されるオブジェクトの接触位置を示す位置情報をサーバ装置に送信する第1送信手段とを具備する。さらに、サーバ装置は、ユーザ端末から送信されてくる位置情報を受信する受信手段と、受信された位置情報に基づき、ユーザ端末上でのユーザの動作の種別を検出する検出手段と、検出されたユーザの動作の種別に応じて、記憶部に記憶されている画像データにより示される棚札画像を編集する編集手段と、編集後の棚札画像の画像データを、ユーザ端末を介して表示装置に送信する第2送信手段とを具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-109581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、電子表示装置に表示される商品情報の表示態様を、店舗の事情で変更するという点で改善の余地がある、という課題を認識した。
【0006】
本開示は、電子表示装置に表示される商品情報の表示態様を、店舗の事情で変更することの可能な情報制御装置、情報制御方法及び情報制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御する情報制御装置において、前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する保持部と、前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する取得部と、前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を前記取得部が取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第1変更部と、前記第1変更部が前記表示内容を変更した後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を前記取得部が取得すると、前記希望を承認するか否かを判断する判断部と、を有する、情報制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電子表示装置に表示される商品情報の表示態様を、店舗の事情で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報制御装置を含む全体構成の模式図である。
図2】(A)は、店舗に置かれる商品棚の模式的な正面図、(B)は、図2(A)の部分的な拡大図である。
図3】本開示で行われる情報制御方法の一例を示すフローチャートである。
図4】(A)は、3個の商品に対応する小さな商品情報を3つ表示した模式的な正面図、(B)は、3個の商品に対応する大きな商品情報を1つ表示した模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための好適な形態の一例について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本開示の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0011】
(全体構成)
図1は、本実施形態における商品管理システム(情報制御システム)10の構成を示す模式図である。商品管理システム10は、少なくとも1つの店舗11と、店舗11を管理するクラウドサーバ19と、を有する。なお、図1に示す例では、便宜上、本部コンピュータ12が設けられている。店舗11内のデバイス、本部コンピュータ12及びクラウドサーバ19は、ネットワーク20を介して相互に通信可能に接続されている。図1に示す本部コンピュータ12及びクラウドサーバ19は、店舗11の外部に設けられている。本部コンピュータ12は、組織としての本部90により管理及び運営される。
【0012】
店舗11は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等の何れでもよい。店舗11には、複数の商品棚13の他に、接続器14、業務端末15、電子表示装置16、商品センサ17、会計端末(決済端末)18等のデバイスが設けられる。接続器14は、例えば、ハブ、アクセスポイント等により構成されており、接続器14は、店舗11に設けられる各デバイスとの間で相互に通信可能であり、かつ、ネットワーク20に接続されている。ネットワーク20は、無線通信または有線通信のうちの少なくとも一方により構築されている。店舗11は、単数または複数の何れでもよく、便宜上、図1では店舗11が単数示されている。
【0013】
(店舗の構成)
商品棚13は、図2(A)のように、店舗11で販売する商品21を置く(陳列する)ための装置である。商品棚13は、高さ方向に配置された複数の棚63を有する。複数の棚63は、例えば、棚63A,63B,63Cを含む。棚63Bは、棚63Cより上に位置し、かつ、棚63Aより下に位置する。棚63は、略水平に設けられたプレート材であり、それぞれの棚63の上面に商品21が陳列される。商品21には識別記号、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等が付与されている。識別記号は、商品21の商品情報を示している。商品情報は、商品21の名称及び種類、商品21毎の価格、商品21の消費期限(賞味期限)等を含む。
【0014】
商品棚13に置く商品21の種類、商品21のそれぞれの個数、商品棚13に商品21を置く位置等は、クラウドサーバ19から店舗11のデバイスへ送信される棚割り情報、または、店舗11の事情、例えば、店舗11の立地条件、店舗11における顧客53の特性、店舗11における商品21の人気度及び販売状況、季節、天候、店舗11の営業時間中における時間帯、等の各種条件に基づいて、決定または変更することができる。
【0015】
業務端末15は、店舗11の店員52、つまり、商品管理者により操作及び利用されるコンピュータである。店舗11で利用される業務端末15の数は、単数または複数の何れでもよい。クラウドサーバ19から業務端末15及び電子表示装置16に対して、商品21の棚割り情報が送信される。商品21の棚割り情報は、各棚63に陳列する商品21の名称及び種類、商品21毎の販売価格、商品21毎の個数、各棚63における各商品21の位置、各棚63における商品21同士の位置関係等を含む。店員52は、棚割り情報に基づいて、商品棚13の各棚63に陳列する商品21の種類及び個数、商品棚13の棚63に陳列する商品21の入れ替え、商品棚13の棚63における商品21毎の陳列位置の決定及び変更等の作業を行う。
【0016】
店員52は、業務端末15を携帯し、かつ、店舗11内で立ち止まる(停止)こと、及び店舗11で歩行(移動)することが可能である。業務端末15は、図1に示すように、制御部25、記憶部26、表示部27、操作ボタン28及び通信部29を有する。制御部25は、入力ポート、出力ポート、演算処理装置、タイマー等を有する。記憶部26には、制御部25が行う各種の判断、処理、制御等に用いられるプログラム、データ等が記憶されている。通信部29は、クラウドサーバ19、電子表示装置16、会計端末18に対して通信可能に接続されている。
【0017】
店員52が操作ボタン28を操作することにより、業務端末15の起動及び停止、業務端末15で行う処理の選択及び変更、電子表示装置16の表示部33の表示態様を変更する時機であることを示す変更信号の出力等を行うことができる。なお、業務端末15は、表示部27及び操作ボタン28とがタッチパネルで統合されていてもよい。
【0018】
業務端末15は、図2(B)に示す電子表示装置16の表示部33に表示される商品情報64を変更する時機を示す変更信号を出力できる。また、店員52が業務端末15を操作することにより、顧客53へ販売された商品21の名称及び個数、販売された商品21個々の価格、店舗11における売り上げの管理、商品棚13に置く商品21の選択及び管理、商品21の消費期限(賞味期限)の管理、商品棚13に置かれる商品21の入れ替え時機及び補充の時機の管理等を行うことができる。また、店舗11内のデバイスで得られた情報及びデータを含む信号は、接続器14及びネットワーク20を経由してクラウドサーバ19または本部コンピュータ12へ送信される。
【0019】
電子表示装置16は、商品棚13の各棚63の正面にそれぞれ設けられている。各棚63の正面は、店舗11に来る顧客53から目視し易い位置を意味する。電子表示装置16は、表示部33、検出部30、制御部31、記憶部32、通信部34等を有する。制御部31は、入力ポート、出力ポート、演算処理装置、タイマー等を有する。記憶部32には、制御部31が行う各種の判断、処理、制御等に用いられるプログラム、情報、データ等が記憶される。電子表示装置16と、クラウドサーバ19との間で、相互に通信が可能である。
【0020】
図2(B)のように、表示部33及び検出部30は、略水平方向(左右方向)に沿って帯形状(横長形状)に延ばされている。表示部33は、例えば、液晶ディスプレイ、または電気泳動素子等を有する電子ペーパ型のディスプレイである。また、検出部30は、例えば、投影型静電容量方式(自己容量方式、相互容量方式)、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、光学方式等、のうちの何れかの方式を利用したタッチパネルである。また、検出部30は、表示部33の表面に重ねて設けられる。検出部30の表面は平坦であり、検出部30の表面に店員52の指が接触し、かつ、検出部30の表面に沿って動作された場合に、検出部30は、その指の動作の種類を検出して信号を出力する。なお、表示部33及び検出部30の具体的な構成及び機能は、特開2019-109581号公報等に記載されているように、公知のものである。
【0021】
表示部33には、その棚63に陳列されている商品21の商品情報64が表示される。商品情報64は、商品21の名称及び種類、商品21毎の価格、商品21の消費期限(賞味期限)等を含む。これらの商品情報64は、文字及び識別記号により表示される。識別記号は、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等を含む。また、棚63に陳列される商品21の種類毎に、異なる商品情報64(64A,64B)が別々に表示される。図2(B)に示す商品21は、飲料を収容したペットボトルの商品21Aと、飲料を収容したアルミ缶の商品21Bとが、棚63Aに陳列されている。そして、商品21Aの前には商品情報64Aが表示され、商品21Bの前には商品情報64Bが表示されている。
【0022】
電子表示装置16の表示部33に商品情報64A,64Bを表示する場合、商品情報64Aと商品情報64Bとが、左右方向に並べて表示される。商品情報64Aと商品情報64Bとの間に距離がある表示態様、または、商品情報64Aと商品情報64Bとの間に距離がない表示態様の何れでもよい。なお、商品情報64Aと商品情報64Bとは、重ならずに表示される。店員52は表示部33に指でタッチすることにより、商品情報64の内容を変更でき、かつ、商品情報64の位置及びサイズを変更できる。
【0023】
電子表示装置16は、業務端末15またはクラウドサーバ19から送信される制御信号に基づいて、表示部33を制御することができる。さらに、電子表示装置16は、業務端末15またはクラウドサーバ19から制御信号が送信されなくても、単独で表示部33を制御することもできる。電子表示装置16に電力を供給する電源22が設けられている。電源22は、交流電源または直流電源の何れでもよい。電子表示装置16を構成する各要素は、電源22から電力が供給されて起動及び機能し、かつ、電力が遮断されると停止する。表示部33は、電源22から電力が供給されて点灯及び点滅し、電力の供給が停止されると消灯する。
【0024】
また、店舗11内における天井には、店舗11内における人の位置情報、例えば、店員52の位置情報、及び顧客53の位置情報を検出して信号を出力する位置検出センサ50が複数設けられている。位置検出センサ50は、例えば、商品棚13同士の間の真上、商品棚13から外れた位置の真上等に設けられている。位置検出センサ50は、レーザー距離センサ等を含む。位置検出センサ50から出力される信号は、業務端末15及びクラウドサーバ19へそれぞれ入力される。
【0025】
業務端末15及びクラウドサーバ19は、位置検出センサ50の信号、及び予め記憶されている店舗11内の地図に基づいて、店舗11内における人の位置情報、具体的には、商品棚13列に対する店員52及び顧客53の位置、店舗11内における店員52及び顧客53の移動軌跡、動線を判断可能である。
【0026】
さらに、店舗11内における天井、会計カウンター等には、図1に示す人情報検出センサ51が設けられている。人情報検出センサ51は、AI(Artificial Intelligence)カメラ51A、タッチ式の端末認証装置51B、受信機51C等を含む。AIカメラ51Aは、AIアルゴリズムを搭載したカメラであり、人の映像を撮影して信号を出力する。人の映像は、顔の映像、服装の映像等を含む。
【0027】
業務端末15、電子表示装置16及びクラウドサーバ19は、AIカメラ51Aから出力される信号を処理して、人の性別、人の服装等を判断できる。端末認証装置51Bは、店員52が所持する業務端末15、顧客53が所持する顧客端末54から出力される信号を受信して、業務端末15、電子表示装置16及びクラウドサーバ19へ送信することができる。顧客53が所持する顧客端末54から出力される信号には、年齢、性別、店舗11における会員番号等が含まれる。
【0028】
顧客端末54は、制御部、通信部、記憶部等を有するコンピュータであり、顧客端末54は、スマートフォン、タブレット端末などを含む。顧客端末54の記憶部には、顧客53の情報、例えば、年齢、性別、店舗11における会員番号等が記憶されている。業務端末15、電子表示装置16及びクラウドサーバ19は、人情報検出センサ51から出力される信号を処理して、人の情報、例えば、店員52か顧客53か、顧客53が店舗11の会員であるか否か、店舗11における顧客53の会員番号、性別、年齢、購買履歴等を判断可能である。上記の構成により、業務端末15、電子表示装置16及びクラウドサーバ19は、店員52か顧客53かを判断し、かつ、店舗11内における店員52及び顧客53の位置、及び移動軌跡を判断することができる。
【0029】
商品センサ17は、商品棚13に設けられており、商品棚13に置かれている商品21が所定数以下であるか否かを検出して信号を出力する機能を有する。また、商品センサ17は、商品21の種類を検出して信号を出力する機能を有する。商品センサ17から出力される信号は、業務端末15、クラウドサーバ19、電子表示装置16へ送信される。商品センサ17は、商品21に接触して信号を出力する接触型センサ、及び商品21に接触せずに信号を出力する非接触型センサを有する。接触型センサとしては、例えば、商品21の重量を検出して信号を出力する重量センサを搭載したスマートマットを用いることが可能である。非接触型センサとしては、例えば、赤外線カメラ、超音波センサ、光電センサ等を用いることが可能である。
【0030】
会計端末18は、店舗11内の会計コーナーに設けられており、会計端末18は、店員52により操作される。会計端末18は、店舗11で顧客53に対して商品21を販売した場合に決済を行い、かつ、販売された商品21の名称、商品21の個数、商品21の価格を検出し、かつ、検出結果に応じた信号を出力する。会計端末18は、商品21に付与されている識別記号を読み取る読み取り装置、読み取り装置で読み取った情報を処理する制御部、制御部に接続された記憶部及び通信部、等を有する。記憶部には、制御部で行う処理、判断、制御等に用いられるプログラム、データ等が記憶されている。会計端末18の通信部から出力される信号は、業務端末15、電子表示装置16及びクラウドサーバ19へ送ることが可能である。なお、会計端末18は、店員52の操作が不要な無人型の端末、または顧客端末54であってもよい。
【0031】
(クラウドサーバの説明)
クラウドサーバ19は、業務端末15、電子表示装置16、会計端末18等を管理・制御するとともに、店舗11における売り上げの管理、顧客へ販売された商品21の名称、商品21毎の個数の管理、倉庫またはストック部に保管する商品21の管理、商品棚13に置く商品21の選択及び管理、商品21の消費期限(賞味期限)の管理、商品棚13に置かれる商品21の入れ替え時機及び補充の時機の管理等を行う機能を有するコンピュータである。
【0032】
クラウドサーバ19は、制御部35、通信部36、記憶部38を有する。制御部35は、取得部70、判断部71、第1変更部72及び第2変更部73を有し、かつ、入力ポート、出力ポート、演算処理装置、タイマー等を有する。取得部70は、通信部36に入力される信号に含まれる情報及びデータ、記憶部38に記憶されている情報及びデータを取得する機能を有する。判断部71は、電子表示装置16の表示内容を店舗11の事情で変更する希望を承認するか否かを判断する機能を有する。第1変更部72は、電子表示装置16の表示内容を、基準情報に基づいて変更する機能を有する。基準情報は、後述する。第2変更部73は、電子表示装置16の表示内容を、店舗11の事情に基づいて変更する機能を有する。
【0033】
記憶部38には、制御部35が行う各種の判断、処理、制御等に用いられるプログラム、データ等が記憶されている。制御部35は、記憶部38及び通信部36に接続されており、制御部35は、記憶部38に記憶されているプログラム、データ、入力される信号等に基づいて、各種の判断、処理、制御等を行う。また、記憶部38は、各店舗11における顧客53の会員番号、性別、年齢、購買履歴等の情報を記憶しており、その情報を含む信号は、クラウドサーバ19からネットワーク20を介して業務端末15へ送信される。
【0034】
制御部35は、通信部36に接続されており、通信部36は、ネットワーク20を介して、店舗11の各デバイス及び本部コンピュータ12に対して通信可能に接続されている。クラウドサーバ19は、店舗11に設けられる各デバイスを制御、管理、監視するコンピュータであり、クラウドサーバ19から出力される制御信号は、店舗11に設けられる各デバイスへ入力される。また、店舗11の各デバイスで得られた情報、データを含む信号は、ネットワーク20を介してクラウドサーバ19へ入力される。
【0035】
(本部コンピュータの説明)
本部コンピュータ12は、クラウドサーバ19及び店舗11に設けられた各デバイスを統合するシステムを構築する。本部コンピュータ12は、制御部60、記憶部61、通信部62を有する。制御部60は、入力ポート、出力ポート、演算処理装置等を有する。記憶部61には、制御部60が行う各種の判断、処理、制御等に用いられるプログラム、データ等が記憶されている。制御部60は、記憶部61及び通信部62に接続されており、記憶部61に記憶されているプログラム、データ、及び通信部62から入力される信号等に基づいて、各種の判断、処理、制御等を行う。
【0036】
制御部60は、通信部62に接続されており、通信部62はネットワーク20を介して、クラウドサーバ19及び店舗11の各デバイスへ通信可能に接続されている。本部コンピュータ12は、ネットワーク20を介して入力される信号を処理して、各店舗11の販売時点情報管理を行う機能を有する。販売時点情報管理は、各店舗11で販売される商品21の商品名、商品価格、商品21が売れた時間帯、売り上げ、商品21の在庫管理等を含む。
【0037】
そして、本部コンピュータ12は、店舗11で営業時間外に行われる電子表示装置16の表示内容の変更に用いる基準情報を、販売時点情報管理、及び予め記憶部61に記憶されているデータ、情報等に基づいて生成する。本部コンピュータ12で生成された基準情報は、本部コンピュータ12からクラウドサーバ19へ送信される。基準情報は、棚割り情報、商品情報及び商品情報の表示態様を含む。
【0038】
(店舗の稼働概要)
本開示における商品管理システム10の稼働概要を説明する。クラウドサーバ19は、商品棚13の各棚63に置かれる商品21の名称、商品21の個数、各棚63における商品21の位置、商品21の消費期限(賞味期限)等の情報を含む信号を、店舗11の各デバイスへ送信している。電子表示装置16は、クラウドサーバ19から送信される情報に基づいて、表示部33に商品情報64を表示している。
【0039】
店舗11に来た顧客53は、商品21を棚63から取り、会計コーナーへ行く。会計コーナーでは、会計端末18で商品21の決済が行われ、商品21の購入が完了する。会計端末18は、顧客53へ販売した商品21の名称、商品21の個数、商品21の価格等の情報を含む信号を、業務端末15及びクラウドサーバ19へ送信する。このため、業務端末15及びクラウドサーバ19は、商品棚13の各棚63に置かれている商品21それぞれの個数(残数)、商品21毎の価格、各棚63に置かれている商品21それぞれの消費期限(賞味期限)を、それぞれリアルタイムで判断可能である。
【0040】
また、本部コンピュータ12は、ネットワーク20を介して入力される信号を処理して、各店舗11の販売時点情報管理を行う機能を有する。販売時点情報管理は、各店舗11で販売される商品21の商品名、商品21の価格、商品21が売れた時間帯、売り上げ、商品21の在庫管理等を含む。
【0041】
(電子表示装置の表示を変更する制御例)
電子表示装置16の表示を変更する情報制御方法の一例を、図3のフローチャートを参照して説明する。本部コンピュータ12は、販売時点情報管理を行うことにより、ステップS10において、商品棚13の棚割り情報及び商品情報64の表示態様等を決定し、決定した内容に応じた指示信号を生成する。指示信号には、商品棚13に陳列される商品21の棚割りに関する情報、つまり、各棚63における棚割り情報の他、各棚63の表示部33に表示する商品情報64の表示態様等が含まれる。商品21の棚割り情報は、各棚63に陳列する商品21の名称及び種類、商品21毎の販売価格、商品21毎の個数、各棚63における各商品21の位置、各棚63における商品21同士の位置関係等を含む。商品情報64の表示態様は、商品情報64の個々の大きさ(サイズ)、表示部33に対する商品情報64の位置、商品情報64同士の位置(レイアウト)関係、商品情報64の有無、商品情報64の表示色、表示部33の点灯、点滅、消灯等を含む。
【0042】
本部コンピュータ12は、ステップS11において指示信号をクラウドサーバ19へ送信し、クラウドサーバ19は、受信した指示信号に含まれる棚割り情報等を記憶部38に保持、つまり、記憶する。クラウドサーバ19は、ステップS12において、店舗11の営業時間外であるか否かを判断する。クラウドサーバ19は、ステップS12でYesと判断すると、電子表示装置16の表示内容を変更する時機であることを示す変更信号を、業務端末15から受信したか否かを、ステップS13で判断する。電子表示装置16の表示内容は、電子表示装置16の商品情報64、及び電子表示装置16の表示態様を含む。
【0043】
クラウドサーバ19は、ステップS13でYesと判断すると、クラウドサーバ19は、記憶部38に記憶されている基準情報に基づいて、電子表示装置16の表示部33で表示する商品情報64の内容を変更する信号、表示部33の棚割り情報を変更する信号等を、ステップS14で業務端末15及び電子表示装置16へ送信する。このため、電子表示装置16は、クラウドサーバ19から指示された情報に応じて、表示内容を変更する処理を、ステップS14で行う。
【0044】
ステップS14が行われた後、店員52は、ステップS15において、業務端末15または電子表示装置16の少なくとも一方により、クラウドサーバ19から指示された電子表示装置16の表示内容を確認する。さらに、店員52は、ステップS16において、電子表示装置16にタッチして表示内容を修正し、かつ、業務端末15を操作して、クラウドサーバ19を経由させて本部90(具体的には、本部コンピュータ12)へ修正案の承認を打診する。電子表示装置16の表示内容の修正案は、店舗11の事情に応じて策定される。
【0045】
店舗11の事情は、店舗11の立地条件、店舗11における顧客53の特性、店舗11の営業時間内における顧客53の総人数、店舗11における商品21の販売実績等を含む。例えば店舗11の立地条件に応じて、商品21の販売実績は異なるため、商品21の販売価格及び表示部33の表示態様の修正案を、店舗11の立地条件に応じて策定可能である。また、店舗11における顧客53の特性は、各店舗11毎に異なる。顧客53の特性は、顧客53の年齢層、性別等を含む。そして、店舗11における顧客53の特性が異なれば、商品21の販売実績は異なる。このため、商品21の販売価格及び表示部33の表示態様の修正案を、店舗11の顧客53の特性に応じて策定可能である。さらに、店舗11における商品21の販売実績等は、各店舗11の営業時間内における顧客53の総人数に応じて異なる。このため、商品21の販売価格及び表示部33の表示態様の修正案を、店舗11の営業時間内における顧客53の総人数等に応じて策定可能である。
【0046】
本部コンピュータ12は、ステップS16で修正案を取得すると、ステップS17において、修正案を承認するか否かを判断する。例えば、棚63の所定位置に置く商品21を、種類が異なる別の商品21に変更する修正案である場合、修正案の商品21が、期間中のキャンペーンで広告の対象となっている商品21群との乖離がないという第1条件、かつ、修正案の商品21が販売可能な状態であるという第2条件が共に成立すると、ステップS17でYesと判断される。商品21が販売可能な状態とは、その商品21が販売終了になっていない、その商品21の在庫がある等を意味する。これに対して、第1条件または第2条件の少なくとも1つが不成立であると、ステップS17でNoと判断される。
【0047】
また、商品情報64の個々の位置またはサイズを変更する修正案である場合、修正案が、“本部90が特定の意図を持って設定した商品情報64の表示位置”と乖離していないという第3条件、“実際の商品21のサイズに対し、修正案の商品情報64の表示サイズが乖離していない”という第4条件が共に成立すると、ステップS17でYesと判断される。特定の意図を持って設定した商品情報64の表示位置は、例えば、商品21の売れ筋順位に並べた商品情報64の表示位置を意味する。“実際の商品21のサイズに対し、修正案の商品情報64の表示サイズが乖離していない”は、例えば、実際の商品21のサイズ(横方向の幅)と、修正案の商品情報64の表示サイズとの差が、所定範囲内であること、つまり、サイズオーバーが無く、サイズ不足が無い、を意味する。
【0048】
さらに、次のような場合は、本部90の承認は不要であり、ステップS17で一律にYesと判断される。例えば、店舗11において、商品21の在庫ステータスを変更する場合である。具体的には、店舗11側で商品21の在庫切れを検知している場合は、その商品21の商品情報64として“入荷待ち”、“在庫限り”、“売り切れ”等の修正案を表示することである。また、商品情報64に表示する商品21の販促メッセージを変更する場合も、本部90の承認は不要であり、ステップS17で一律にYesと判断される。商品情報64に表示する販促メッセージとしては、店舗11側で判断できる“店長のおススメ”、“価格は店員にお問い合わせください”等がある。なお、本部90の承認が不要であり、ステップS17で一律にYesと判断されるケースは、本部90の承認不要のワークフローが起票されて、自動承認されたとみなす。ここで、ステップS17で自動承認された履歴は、本部コンピュータ12の記憶部61に残る。上記の修正案は、店員52が電子表示装置16の表示部33を指でタッチ、または、業務端末15の表示部27をタップし、事前に用意された選択肢から任意に選択する。
【0049】
本部コンピュータ12は、ステップS17でYesと判断すると、ステップS18で修正案を確定し、かつ、修正案を承認したことを、クラウドサーバ19を介して業務端末15へ送信し、図3の制御を終了する。また、本部コンピュータ12は、ステップS17でNoと判断すると、ステップS19に進み、打診された修正案を承認しないことを業務端末15へ送信し、かつ、電子表示装置16の表示内容を、修正前の表示内容に戻す指令を電子表示装置16へ送り、図3の制御例を終了する。なお、ステップS12またはステップS13の何れかでNoと判断されると、ステップS14の処理を行うことなく、図3の制御を終了する。このように、図3の制御が行われると、電子表示装置16の表示内容を店舗11の事情で変更することができる。
【0050】
また、ステップS14において、クラウドサーバ19は、商品情報64の表示態様を変更する電子表示装置16を点灯または点滅させ、商品情報64の表示態様を変更しない電子表示装置16は、消灯させることもできる。このようにすると、電子表示装置16が消費する電力を低減できる。また、店員52は、点灯または点滅している電子表示装置16と、消灯されている電子表示装置16とを、容易に目視で区別でき、作業性が向上する。
【0051】
さらに、商品センサ17の信号は、クラウドサーバ19へ送られている。このため、クラウドサーバ19は、各棚63毎に、それぞれの商品21の個数を判断することができる。したがって、クラウドサーバ19は、商品21が補充されて個数が所定個数以上になった棚63に設けられている電子表示装置16を消灯させる信号を、電子表示装置16へ送信できる。このようにすると、電子表示装置16が消費する電力を低減できる。
【0052】
クラウドサーバ19が、ステップS12でNoと判断した場合、または、ステップS13でNoと判断した場合、クラウドサーバ19はステップS14の処理を行うことなく、図3の制御例を終了する。なお、図3の制御例において、クラウドサーバ19は、ステップS12,S13の判断を同時に行ってもよい。さらに、クラウドサーバ19は、ステップS11に次いでステップS13の判断を行い、ステップS13でYesと判断した場合に、ステップS12の判断を行ってもよい。この場合、クラウドサーバ19は、ステップS12でYesと判断するとステップS14へ進む。また、ステップS17の判断は、クラウドサーバ19が行ってもよい。
【0053】
このように、クラウドサーバ19が、図3のステップS12,S13で共にYesと判断すると、電子表示装置16の表示部33の表示状態が、ステップS14において、本部コンピュータ12から指示されたものに変更される。また、ステップS16及びステップS17を経てステップS18に進んだ場合は、電子表示装置16の表示内容が、店舗11の事情に沿ったものに変更される。そして、ステップS14またはステップS18の何れであっても、店舗11の営業時間外に、電子表示装置16の表示部33の表示内容が変更される。顧客53は、店舗11の営業時間内に店舗11内に居り、顧客53は、店舗11の営業時間外に店舗11内に居ない。このため、営業時間内に店舗11内に居る顧客53が違和感を覚えることを抑制できる。
【0054】
店員52は、商品棚13の各棚63における棚割りが、本部コンピュータ12の指示に沿ったもの、または、店舗11の事情に沿ったものになるように、個数が所定数以下である商品21の補充、賞味期限(消費期限)までの日数が所定数以下である商品21の入れ替え、季節限定キャンペーンによる商品21の入れ替え等の作業を行うことができる。さらに、クラウドサーバ19は、賞味期限(消費期限)までの日数が所定日数以下である商品21について、定価よりも低い特売価格を商品情報64として表示するように、ステップS14の処理を行うこともできる
【0055】
電子表示装置16の表示内容の変更は、商品情報64の個々の大きさの変更、棚63の左右方向における商品情報64の個々の位置の変更、棚63の左右方向における商品情報64同士の位置の変更、商品情報64を表示する棚63の位置の変更、等を含む。商品情報64の位置の変更、商品情報64の大きさの変更は、販売実績に応じた売れ筋商品の販促強化等を目的として行われる。売れ筋商品が顧客53から見易い位置になるように、商品情報64を表示する棚63の高さ等が設定され、かつ、商品情報64の大きさが変更される。
【0056】
販売実績は、販売された商品21の個数単独、商品21の売上高単独の他、営業時間内における顧客53の総人数に対する商品21の販売比率、顧客53の総人数に対する商品21の売上高等に基づいて、判断可能である。営業時間内における顧客53の総人数は、人情報検出センサ51の信号を、クラウドサーバ19が処理して判断する。さらに、顧客53に人気がある商品21が陳列されている商品棚13であるか否かに基づいて、クラウドサーバ19は、ステップS14において、商品情報64の位置、大きさ、棚63の位置等を変更することもできる。顧客53に人気がある商品21が陳列されている商品棚13であるか否かは、位置検出センサ50の信号を、クラウドサーバ19で処理して判断可能である。
【0057】
また、図2のように、高さが異なる棚63A,63B,63Cのそれぞれについて、電子表示装置16で表示する商品情報64を変更することもできる。また、特定商品のキャンペーン期間中、1つの棚63の前面から奥行き方向に複数並べられる商品21を1列として、図4(A)のように3列の商品21Aを並べるように、商品情報64Aを左右方向に3つ並べて表示すること、または、図4(B)のように、商品情報64Aを1つ表示すること、等を行える。図4(B)に示す商品情報64Aの左右方向の大きさは、図4(A)に示す商品情報64Aの左右方向の大きさを超えている。
【0058】
(変更例)
図3の制御例の一部を、次のように変更することも可能である。クラウドサーバ19は、ステップS11に次いで、棚割り情報等を含む指示信号を店舗11内の各デバイス、特に、業務端末15及び電子表示装置16へ送信してもよい。そして、業務端末15及び電子表示装置16は、クラウドサーバ19から指示信号に含まれる棚割り情報等を、それぞれ記憶する。その後、業務端末15がステップS12,S13の判断を行う。そして、電子表示装置16は、業務端末15から操作ボタン28が操作されたことを示す信号を受信すると、ステップS14の処理を行う。
【0059】
また、電子表示装置16が、ステップS12の判断を行い、顧客53が指で表示部33を操作したか否かを、電子表示装置16がステップS13で判断してもよい。表示部33に指が接触したか否かは、検出部30の信号から判断可能である。また、指の動作の種類も、検出部30の信号から判断可能である。
【0060】
そして、電子表示装置16は、ステップS13でYesと判断すると、ステップS14において、表示部33における商品情報64の表示態様を、指の動作の種類に応じて変更する処理を行う。つまり、電子表示装置16は、ステップS14において、クラウドサーバ19からの指示が無く、かつ、業務端末15が操作されていなくても、表示部33の表示を変更できる。なお、電子表示装置16がステップS14で行った表示部33の表示態様の変更は、電子表示装置16からクラウドサーバ19へ送信される。さらにまた、ステップS16では、電子表示装置16の表示内容を修正することなく、修正案の打診のみを行ってもよい。この場合、ステップS17でYesと判断されてステップS18に進むと、電子表示装置16の表示内容が、承認された表示内容に変更される。
【0061】
図3のステップS14では、商品情報64の表示色を、販売実績、キャンペーンの有無、特売価格の有無等に応じて変更してもよい。さらに、図3のステップS14では、商品21が陳列されない位置に対応する商品情報64を非表示とする。さらにまた、業務端末15は、営業時間外になると、操作ボタン28が操作されなくても、電子表示装置16の表示部33の表示態様を変更する変更信号を出力するように、タイマーが設定されていてもよい。タイマーの設定は、店員52が業務端末15を操作して行う。
【0062】
(補足説明)
本実施形態で開示された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。電子表示装置16は、電子表示装置の一例である。クラウドサーバ19は、情報制御装置及びコンピュータの一例である。取得部70は、取得部の一例であり、記憶部38は、保持部の一例である。判断部71は、判断部の一例であり、第1変更部72は、第1変更部の一例であり、第2変更部73は、第2変更部の一例である。本部コンピュータ12から送られる、棚割り情報、商品情報、商品情報の表示態様は、クラウドサーバ19の記憶部38が保持する基準情報の一例である。店舗11における顧客53の特性、店舗11における商品21の販売実績の少なくとも1つは、“店舗の事情”の一例である。
【0063】
図3のステップS12で判断される店舗11の営業時間外は、“表示内容を変更する時機”の一例である。ステップS13で判断される“電子表示装置16の表示内容を変更する時機であることを示す変更信号”は、第1情報の一例である。ステップS16で“業務端末15から打診される修正案”が、第2情報の一例である。“商品棚13に置かれる商品21の商品情報64の位置または大きさの少なくとも一方”、“表示部33の表示態様”は、“電子表示装置の表示内容”の一例である。図3において、ステップS11は、第1ステップ及び第1手段の一例である。ステップS13でYesと判断されるルーチンが、第2ステップ及び第2手段の一例である。ステップS14は、第3ステップ及び第3手段の一例である。ステップS17は、第4ステップ及び第4手段の一例である。
【0064】
本実施形態においては、情報制御装置の把握態様は複数ある。例えば、クラウドサーバ19を情報制御装置として把握することが可能である。また、クラウドサーバ19及び業務端末15を、情報制御装置として把握することも可能である。さらに、クラウドサーバ19、業務端末15及び電子表示装置16を、商品情報管理装置として把握することも可能である。また、電子表示装置が表示する商品の商品情報を制御するコンピュータは、クラウドサーバ19と把握してもよいし、クラウドサーバ19及び業務端末15と把握してもよい。
【0065】
以上、本実施形態を図面に基づいて説明したが、本実施形態は図面に示されたものに限定されない。例えば、業務端末15は、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。クラウドサーバ19は、サーバ、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等のうちの何れでもよい。さらに、業務端末15の操作ボタン28は、タッチパネルでもよい。クラウドサーバ19及び本部コンピュータ12は、店舗11の内部に設けられていてもよい。また、クラウドサーバ19は、本部コンピュータ12の構成及び機能を兼ねていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
15…業務端末、16…電子表示装置、19…クラウドサーバ、31,35…制御部、32,38…記憶部、33…表示部、70…取得部、71…判断部、72…第1変更部、73…第2変更部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御する情報制御装置において、
前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する保持部と、
前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する取得部と、
前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を前記取得部が取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第1変更部と、
前記第1変更部が前記表示内容を変更した後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を前記取得部が取得すると、前記希望を商品が販売可能な状態である場合に承認する判断部と、
を有
前記第2情報に含まれる前記店舗の事情は、前記店舗における顧客の特性、前記店舗における商品の販売実績の少なくとも1つを含む、
情報制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報制御装置において、
前記表示内容を変更する時機は、前記店舗の営業時間外である、情報制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報制御装置において、
前記表示内容は、前記商品棚に置かれる商品の商品情報の位置または大きさの少なくとも一方を含む、情報制御装置。
【請求項4】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御する情報制御方法において、
保持部が、前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する第1ステップと、
取得部が、前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する第2ステップと、
第1変更部が、前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第3ステップと、
判断部が、前記表示内容が変更された後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を取得すると、前記希望を商品が販売可能な状態である場合に承認す第4ステップと、
を有し、
前記第2情報に含まれる前記店舗の事情は、前記店舗における顧客の特性、前記店舗における商品の販売実績の少なくとも1つを含む、
情報制御方法。
【請求項5】
店舗の商品棚に設けられている電子表示装置の表示内容を制御するコンピュータを、
前記表示内容を変更する基になる基準情報を保持する第1手段、
前記店舗の店員により操作される業務端末から前記店舗の情報を取得する第2手段、
前記表示内容を変更する時機であることを示す第1情報を取得すると、前記表示内容を前記基準情報に基づいて変更する第3手段、
前記表示内容が変更された後、前記店舗の事情で前記表示内容を更に変更する希望を含む第2情報を取得すると、前記希望を商品が販売可能な状態である場合に承認す第4手段、
として機能させ
前記第2情報に含まれる前記店舗の事情は、前記店舗における顧客の特性、前記店舗における商品の販売実績の少なくとも1つを含む、
情報制御プログラム。