(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073696
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20230519BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20230519BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20230519BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20230519BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20230519BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20230519BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230519BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20230519BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06Q30/02
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186312
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】518312264
【氏名又は名称】株式会社PATRA
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】海鋒 健太
(72)【発明者】
【氏名】大塚 あ宇ら
(72)【発明者】
【氏名】葛巻 大樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】利用者及び出品者にとってより便利な電子商取引用のサーバ装置等を提供する。
【解決手段】実施の形態にかかるサーバ装置は、店舗又は他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から店舗又は他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、来訪者を識別する来訪者識別子とを、来訪者端末装置から受信する商品情報受信部と、商品情報受信部により受信された来訪者識別子と商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶する来訪者情報作成部と、店舗に来訪した来訪者の来訪者識別子を、店舗に設置された店舗端末装置から受信する来訪者識別子受信部と、来訪者情報から、店舗端末装置より受信した来訪者識別子に対応付けられた商品情報に基づいて来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、店舗端末装置に送信する応対支援情報作成部とを含む。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信する商品情報受信部と、
前記商品情報受信部により受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶する来訪者情報作成部と、
前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信する来訪者識別子受信部と、
前記来訪者情報から、前記店舗端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗端末装置に送信する応対支援情報作成部と、
を含むサーバ装置。
【請求項2】
前記店舗端末装置は、前記来訪者に応対する応対者により所持され前記応対支援情報を受信する応対者端末装置を含む、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記応対支援情報は、売れ行きに基づいて前記来訪者に薦められうると判断されたお薦め前記商品を示すレコメンド情報、前記来訪者により過去に購入された前記商品の履歴を示す履歴情報、前記来訪者により過去に情報提供媒体から前記商品情報が読み取られた前記商品の情報、現在の売れ行き商品に関する情報の少なくともいずれか一つを含む、
請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記店舗端末装置は、当該サーバ装置から受信した前記応対支援情報を表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記来訪者情報は、前記来訪者が前記店舗又は前記他の店舗に来訪した時間を示す時間情報、前記来訪者が過去に購入した前記商品の数量、前記来訪者が過去に購入した前記商品の前記商品情報の少なくともいずれか一つをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
所定の期間中に、前記店舗又は前記他の店舗において購入された商品の統計情報、前記店舗又は前記他の店舗に来訪した前記来訪者の属性に関する統計情報、前記店舗又は前記他の店舗において前記商品情報提供媒体が読み取られた商品の統計情報、前記店舗又は前記他の店舗における前記商品の将来の売れ行きに関する傾向予測情報の少なくともいずれか一つを前記来訪者情報に基づいて作成し、前記店舗端末装置に送信するダッシュボード情報作成部、
をさらに含む請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記商品は、前記来訪者が試着可能な衣類である、
請求項1~6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信し、
受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶し、
前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信し、
前記来訪者情報から、前記店舗端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗端末装置に送信する、
処理をサーバ装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
サーバ装置のコンピュータに所定の指示命令を実行させることによりなされる方法であって、
店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信し、
受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶し、
前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信し、
前記来訪者情報から、前記店端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗用端末装置に送信する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引のためのサーバ装置、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子商取引による商品の販売が盛んに行われている。例えば、特許文献1は、商取引において商取引を注文する方法を開示する。しかしながら、特許文献1の電子証取式においては、商品の注文から購入に至るすべての処理がインターネットを通じてオンライン上で行われるため、購入者は実際に商品を手に取って確認することができなかった。他方で、その商品を販売する販売者は、購入者に対して適切なタイミングで商品に関する情報を提供する等の柔軟な対応が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施の形態は、上記背景からなされ、利用者及び出品者にとってより便利なサーバ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のために、実施の形態にかかるサーバ装置は、店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信する商品情報受信部と、前記商品情報受信部により受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶する来訪者情報作成部と、前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信する来訪者識別子受信部と、
前記来訪者情報から、前記店舗端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗端末装置に送信する応対支援情報作成部とを含む。
【0006】
また、実施の形態にかかるプログラムは、店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信し、前記商品情報受信部により受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶し、前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信し、前記来訪者情報から、前記店舗端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗端末装置に送信する処理をサーバ装置のコンピュータに実行させる。
【0007】
また、実施の形態にかかる方法は、サーバ装置のコンピュータに所定の指示命令を実行させることによりなされる方法であって、店舗又は前記店舗とは異なる他の店舗に展示された商品に付された商品情報提供媒体から前記店舗又は前記他の店舗に来訪した来訪者が所持する来訪者端末装置により読み取られた商品情報と、前記来訪者を識別する来訪者識別子とを、前記来訪者端末装置から受信し、前記商品情報受信部により受信された前記来訪者識別子と前記商品情報とが対応付けられた来訪者情報を作成して記憶し、前記店舗に来訪した前記来訪者の前記来訪者識別子を、前記店舗に設置された店舗端末装置から受信し、前記来訪者情報から、前記店舗端末装置より受信した前記来訪者識別子に対応付けられた前記商品情報に基づいて前記来訪者への応対を支援する応対支援情報を作成し、前記店舗端末装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
実施の形態によれば、利用者及び出品者にとってより便利なサーバ装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかるシステム1の構成を例示する図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した店舗用端末装置2、来訪者端末装置30、応対者端末装置32、情報サーバ装置40、金融サーバ装置42及びサーバ装置5のハードウェアの構成を例示する図である。
【
図4】
図4は、来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを例示する図である。
【
図5】
図5は、店頭に展示されている商品と、商品それぞれに付された情報提供媒体に表示された商品情報コードを例示する図である。
【
図6】
図6は、来訪者端末装置30の商品情報読取部302が
図5に示した商品情報コードから読み取って判別する商品情報を例示する図である。
【
図7】
図7は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された商品画像を例示する第1の図である。
【
図8】
図8は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された商品画像を例示する第2の図である。
【
図9】
図9は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された連絡先要求画像を例示する図である。
【
図10】
図10は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された注文コードを例示する図である。
【
図11】
図11は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示されるURL通知メールを例示する図である。
【
図12】
図12は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示される配送先入力画面を例示する図である。
【
図14】
図14は、
図4に示したように来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを店頭に設置された店舗用端末装置2に接続された読取装置136により読み取る態様を示す図である。
【
図15】
図15は、
図10に示したように来訪者端末装置30に表示された注文コードを店頭に設置された店舗用端末装置2に接続された読取装置136により読み取る態様を示す図である。
【
図17】
図17は、来訪者情報作成部504により作成される来訪者情報を示す図である。
【
図18】
図18は、応対支援情報作成部510により作成される応対支援情報を例示する図である。
【
図19】
図19は、ダッシュボード情報作成部512により作成されるダッシュボード情報を例示する図である。
【
図20】
図20は、
図1に示したシステム1に含まれる各装置の通信シーケンスを示す第1の図である。
【
図21】
図21は、
図1及び
図2に示した応対者端末装置32に表示される応対支援情報を例示する第1の図である。
【
図22】
図22は、
図20に示したS132の処理において、店舗用端末装置2のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図23】
図23は、
図1に示したシステム1に含まれる各装置の通信シーケンスを示す第2の図である。
【
図24】
図24は、
図3に示した来訪者端末装置30のディスプレイに画面に表示されるダッシュボード情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、図面において実質的に同じ構成要素、処理、情報及びデータには同じ符号及び名称が付される。また、複数ありうる構成要素のいずれかを特定せずに示すときには、構成要素の符号の添え字を省略することがある
【0011】
また、図面において構成要素及びデータの数及び種類は例示的に示され、適宜、増減されたり変更されたりしうる。また、各装置の間における通信の順番は例示的に示され、適宜、変更されうる。また、図示の都合上、「装置」等、構成要素及び情報の名称の一部が適宜、省略されることがある。
【0012】
また、図面において、発明の本質的な説明に関係しない構成要素は、適宜、省略されることがある。なお、以下の記載においては、m,nは1以上の整数であり、m=nであっても、m≠nであってもよい。また、iは1~mの整数であり、jは1~nの整数である。
【0013】
1.システム1の構成
図1は、実施の形態にかかるシステム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、システム1は、1つ以上の店舗用端末装置2と、1人以上の来訪者の来訪者端末装置30と、1つ以上の店舗において用いられる応対者端末装置32と、サーバ装置5と、情報サーバ装置40と、金融サーバ装置42とが、インターネット等の通信ネットワーク100に、相互にデータ及び情報を通信可能に接続された構成をとる。なお、「店舗」という用語は、1つの店舗を意味するときと、複数の店舗のグループを意味するときとがある。また、店舗用端末装置2及び応対者端末装置32は、店舗端末装置と総称されることがある。
【0014】
店舗用端末装置2は、1以上の店舗それぞれにおいて、来訪者の識別、商品の注文及びサーバ装置5への商品の発注、来訪者から店舗への現金又はクレジットカード等による代金の支払い、及び店舗独自の来訪者へのサービス等に用いられる。店舗独自のサービスとは、例えば店舗が独自に商品を購入した来訪者にポイント付与すること等である。
【0015】
来訪者端末装置30は、例えば、店舗に来訪する来訪者により所持されるスマートフォン又は携帯用の小型PC等である。来訪者端末装置30は、来訪者識別子の店舗用端末装置2への提示、店舗における商品の選択、選択した商品の注文、購入した商品の代金の店舗への支払い、及びサーバ装置5への商品の配送先の通知等に用いられる。来訪者識別子は、システム1において、来訪者それぞれ一意に識別する。応対者端末装置32もまた、例えば、スマートフォン又は携帯用の小型PC等であって、店舗において来訪者に応対する応対者により所持され、応対者による来訪者への応対を支援する。
【0016】
サーバ装置5、情報サーバ装置40及び金融サーバ装置42は、例えば、デスクトップPC又は大型コンピュータ等である。サーバ装置5は、店舗における来訪者の商品の購入、店舗における商品の販売、商品の配送先の取得、及び商品の配送等を行う。情報サーバ装置40は、天候等、商品の売れ行きを左右する情報をサーバ装置5に提供する。金融サーバ装置42は、利用者の指示に従って、銀行等の金融機関により運営され、来訪者の口座、店舗の口座、及びサーバ装置5の運営者の口座の間で金銭を移動させる。
【0017】
システム1は、これらの構成要素により、店舗における来訪者への商品の販売の支援と、店舗における来訪者による商品の購入の支援とを行う。また、システム1は、来訪者が興味を持った商品及び来訪者が購入した商品の履歴等を示す情報を店舗に提供するサービス、及び購入された商品の配送等を行う。さらに、システム1においては、来訪者が購入した商品の代金は店舗に対して直接に支払われ、店舗は、サーバ装置5の運営者に対して、利益の一部を、サーバ装置5が提供するサービスの利用料として支払う。従って、店舗側では、商品の在庫の所持を最小限とすることができ、かつ訪問者の個人情報の所持を最小限にすることができる。同様に、サーバ装置5の運営者側でも、来訪者の個人情報の所持を最小限にすることができる。
【0018】
なお、本実施形態において、店舗用端末装置2と応対者端末装置32の両方を店舗端末装置として利用している。しかし、これら両方が必ずしも必要ではなく、店舗端末装置としていずれか一方があれば、店舗における商品の販売に差し支えは生じない。
【0019】
また、本実施形態において、商品の一例として衣類が示されている。しかしながら、システム1において扱われる商品は、衣服に限定されず、履物、文具、日用品、スポーツ用品、自転車、及び自動車等、店頭で展示及び販売が可能なあらゆる商品であってよい。このような商品は、ある一つの店舗のみに展示されているわけではなく、当然に他の店舗を含む複数の店舗において展示され、同様に本実施形態にかかるシステム1において販売されうる。
【0020】
図2は、
図1に示した店舗用端末装置2、来訪者端末装置30、応対者端末装置32、情報サーバ装置40、金融サーバ装置42及びサーバ装置5のハードウェアの構成を例示する図である。店舗用端末装置2、来訪者端末装置30、応対者端末装置32、情報サーバ装置40、金融サーバ装置42及びサーバ装置5の間には用途及び規模等の差異はある。しかしながら、
図2に示すように、これらの装置の全てはコンピュータとしての構成要素を備える。つまり、
図2に示すように、これらの装置は、プロセッサ122と、ROM124と、RAM126と、通信インターフェース(通信IF)128と、ユーザインターフェース(UIF)130と、記憶装置132と、外部装置インターフェース(外部装置IF)134とを構成要素として備える。
【0021】
ただし、サーバ装置5、情報サーバ装置40及び金融サーバ装置42は読取装置136を必須としない等、各装置から適宜、これらの構成部分の1つ以上が除かれうる。また、来訪者端末装置30又は応対者端末装置32がスマートフォンであるときには、ユーザインターフェース130としてディスプレイの画面と、この画面に設けられたタッチパネルが用いられる等、各装置の用途に応じて、構成要素は適宜、変更されうる。
【0022】
これらの装置において、プロセッサ122は、1つ以上のCPUとその周辺回路を含み、ROM124に記憶され、所定の指示命令を含むプログラムを、RAM126をワーキングメモリとして使用して実行する。通信インターフェース128は、これらの装置と通信ネットワーク100との間を、有線通信回線及び無線通信回線又はこれらのいずれかを介して接続する。
【0023】
ユーザインターフェース130は、キーボード、ディスプレイ及びプリンタ等のユーザインターフェース装置(UI装置)とこれらの装置とを接続する。記憶装置132は、DVD、HDD及びSSD等の記録媒体にデータ及び情報を記憶し、記憶した情報を読み出す。外部装置インターフェース134には、読取装置136が接続される。
【0024】
読取装置136は、例えば、QRコード(登録商標)により情報を提供する情報提供媒体に表示された識別子等の情報を光学的に読み出す。なお、QRコード(登録商標)は、一般には、二次元マトリックス型コード、あるいは単に二次元コード等と呼ばれる。あるいは、読取装置136は、バーコード、RFID、WiFi又はBluetooth(登録商標)等を用いて情報を提供する情報提供媒体等から情報を電磁気的に読み出す。なお、このような読取装置136は、外部装置インターフェース134を介して接続される場合に限らず、各端末装置においてあらかじめ内蔵されたものであってもよい。
【0025】
以下においては、読取装置136が二次元マトリックス型コードから光学的に情報を読み出す場合が具体例として示される。また、以下、商品が衣類である場合が具体例として示される。また、以下、来訪者端末装置30がスマートフォンである場合が具体例として示され、この場合には、ユーザインターフェース130に接続されるディスプレイ、タッチパネル及び読取装置は、これら以外の構成部分と一体に構成される。
【0026】
以下、システム1の各装置の構成を説明する。なお、システム1の各装置の構成要素は、専門のハードウェアにより実現されうる。あるいは、システム1の各装置の構成要素は、
図2に示したROM124等に記憶されたソフトウェアをプロセッサ122が実行することにより実現されうる。また、あるいは、システム1の各装置の構成要素は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されうる。
【0027】
2.来訪者端末装置30の構成
まず、
図3~
図12を参照して、
図1及び
図2に示した来訪者端末装置30の構成を説明する。
図3は、
図1及び
図2に示した来訪者端末装置30の構成を示す図である。
図3に示すように、来訪者端末装置30は、来訪者コード表示部300、商品情報読取部302、注文処理部304、商品情報画像作成部306、商品情報画像作成部308、配送先通知処理部310、電子マネー処理部312、ポイント処理部314及び商品情報送信部316を備える。
【0028】
来訪者端末装置30は、これらの構成要素により、店舗を来訪した来訪者が、店舗に展示されている商品を選んで注文し、サーバ装置5を介して注文した商品の配送を受けるために必要とされる処理を行う。
【0029】
来訪者コード表示部300は、店舗に来訪した来訪者によるユーザインターフェース130に接続されたタッチパネルへの操作に応じて、来訪者識別子から、この来訪者識別子を示す二次元マトリックス型コードの形式の来訪者コード(情報提供媒体)を作成する。
図4は、来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを例示する図である。来訪者コード表示部300は、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイの画面を情報提供媒体として用い、作成した二次元マトリックス型コード(来訪者コード)を、
図4に示すように、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示する。
【0030】
商品情報読取部302は、ユーザインターフェース130に接続されたタッチパネルへの来訪者の操作に応じて、来訪者端末装置30の読取装置136により、来訪者が興味を持った商品に付された商品情報コードを撮影して読み取る。商品情報読取部302は、さらに、読み取った商品情報コードから当該商品の商品情報を判別する。商品が衣服である場合、例えば、店舗の応対者は、来訪者が商品の試着をする際に商品情報を読み取るように誘導する。これに従い、来訪者は、商品である衣服を試着する際に、試着対象となる商品の商品情報コードを読み取る。
【0031】
ここで、
図5は、店頭に展示されている商品と、商品それぞれに付された情報提供媒体に表示された商品情報コードを例示する図である。具体的には、
図5は、実店舗において実際の商品が展示されており、展示された商品に情報提供部材が付されている様子を模式的に示している。
図5によると、来訪者が商品#2に興味を持ち、その商品情報コードを読み取っている場合を示す。このような商品情報コードの読取りは、システム1以外において一般的に行われている買い物における商品の選択操作に対応する。
図5に示すように、店頭に展示されている商品それぞれには、当該商品の商品情報を、二次元マトリックス型コードの形式で示す商品情報コードが表示された商品情報提供媒体が付される。
【0032】
また、
図6は、商品情報読取部302が、
図5に示した商品情報コードから読み取って判別する商品情報を例示する図である。
図6に示すように、商品情報は、商品識別子(商品ID)、当該商品の商品名、当該商品の価格、当該商品の色等を示す種類、当該商品のサイズ、綿又はポリエステル等の当該商品の材質、及び当該商品を製造したメーカー及びブランドの種別等を示す情報を含む。商品識別子は、システム1において当該商品を一意に識別する。
【0033】
商品情報送信部316は、判別された商品情報と、当該商品情報に対応する商品情報コードを撮影した来訪者の来訪者識別子とを対応付けて通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。なお、上記のとおり、商品が衣服の場合、来訪者が試着をするときに、応対者は来訪者に商品コードを読み取るように誘導する。そのため、来訪者により商品情報コードが読み取られたことは、当該来訪者が衣服を試着したことを示すと推定されうる。さらに、商品情報送信部316は、通信インターフェース128を介して、商品情報に含まれる商品識別子により識別される商品の画像や商品に関する様々な情報をサーバ装置5から受信する。
【0034】
商品情報画像作成部306は、識別された商品を示す情報と、商品情報送信部316により受信された商品の画像等の表示情報を、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示する。ここで、
図7及び
図8は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された商品画像を例示する第1及び第2の図である。
図7に示す商品画像は、商品の画像と、商品情報に含まれる商品の商品名、価格、種類(色)、サイズ及び素材等を示す。
【0035】
なお、商品情報画像作成部306は、作成した商品情報、又は商品情報に含まれる画像を、一定の期間、RAM126を利用したキャッシュに記憶する機能を含みうる。来訪者端末装置30を所持する来訪者が、過去と同一又は異なる店舗に来訪し、再度、過去と同一の商品の商品情報コードを読み取ることがある。また、電子商取引用のWEBサイト(ECサイト)やメールマガジン等を介して商品情報コードが同じ商品の情報を表示することがある。この場合には、この来訪者が所持する来訪者端末装置30の商品情報画像作成部306は、キャッシュに記憶された商品情報から、商品情報コードが読み取られた商品の商品情報を再度作成できる。つまり、この場合には、商品情報画像作成部306は、商品情報を作成するために、商品情報送信部316を介してサーバ装置5から商品に関する情報を受信しなくてよい。
【0036】
なお、
図7及び
図8に示す商品画像には商品の画像が含まれるが、来訪者端末装置30はサーバ装置5から、商品の画像自体を受信する必要はない。例えば、来訪者端末装置30はサーバ装置5から、商品の画像の代わりに、URL等の商品の画像へのアクセスのための情報を受信してよい。この場合には、商品情報画像作成部306は、商品の画像の代わりに受信したURLを利用して表示情報を作成できる。また、サーバ装置5から来訪者端末装置30が受信する商品に関する情報は、商品の画像の他に、商品の様々な情報一般を広く含みうる。
【0037】
さらに、
図7に示した商品画像は、「カートに入れる」と記載されたボタンを含み、ユーザインターフェース130を介して来訪者によるボタンに対する操作を検出すると、商品画像に表示された商品がカートに入れられ、
図8に示される画像が表示される。
図8に示される商品画像は、
図7に示された商品画像に加え、「注文手続きに進む」と記載されたボタンと、「他の商品のコードを読み取る」と記載されたボタンとを含む。
【0038】
注文処理部304は、商品を注文する処理を行う。つまり、注文処理部304は、ユーザインターフェース130を介して
図7及び
図8に示した「カートに入れる」と記載されたボタンに対する来訪者の操作を検出すると、商品画像に表示された商品をカートに入れる処理を行う。また、注文処理部304は、ユーザインターフェース130を介して
図8に示した「注文手続きに進む」と記載されたボタンに対する来訪者の操作を検出すると、カートに入れられた商品を注文する処理を行う。また、注文処理部304は、ユーザインターフェース130を介して
図8に示した「他の商品情報コードを読み取る」と記載されたボタンに対する来訪者の操作を検出すると、
図5に示したように、商品に付された商品情報コードを読み取る処理を行う。
【0039】
また、注文処理部304は、「注文手続きに進む」と記載されたボタンへの操作を検出すると、連絡先要求画像をユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示する。ここで、
図9は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された連絡先要求画像を例示する図である。連絡先要求画像に対してユーザインターフェース130に接続されたタッチパネルを介して、来訪者による氏名及び携帯電話番号の入力を受け付け、さらに「レジで支払う」と記載されたボタンの操作を検出する。この「レジ」は、店舗用端末装置2又は店舗に設置されたキャッシュレジスタ等を意味する。ただし、連絡先要求画像により要求される連絡先は、携帯電話番号に限らず、電子メールアドレス等であってもよい。
【0040】
このように、注文処理部304は、以上の操作を検出して、注文情報を作成し、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。注文情報は、来訪者が商品情報コードを読み取った商品のうち、来訪者が注文した1つ以上の商品の商品情報、購入する当該商品の数量、当該来訪者の来訪者識別子、来訪者の氏名及び携帯電話番号等を含む。
【0041】
注文処理部304は、注文情報の送信に応じてサーバ装置5から通信インターフェース128を介して注文コードの画像を受信し、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイの画面に表示する。
【0042】
図10は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された注文コード(注文情報提供媒体)を例示する図である。注文コードは、サーバ装置5により注文が受け付けられた1つ以上の商品の商品情報と、購入する当該商品の数量とを、二次元マトリックス型コードの形式で、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに示す。来訪者は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された注文コードを店舗用端末装置2に提示して読み取らせることにより、興味を持った商品の注文を完了し、購入できる。
【0043】
配送先通知処理部310は、通信インターフェース128を介して、サーバ装置5から
図11に示す携帯電話番号に基づいて、例えばSMSを利用して送信されたURL通知メールを受信する。配送先通知処理部310は、受信したURL通知メールを、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示する。
【0044】
図11に示すように、URL通知メールには、来訪者が注文を確定させた商品の配送先の入力に用いられるURLが含まれる。なお、
図9に示した連絡先要求画像において、来訪者のメールアドレスの入力が促され、これに応じて来訪者が電子メールアドレスを入力したときには、電子メールによりこのURLが来訪者に通知される。
【0045】
図12は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示される配送先入力画面を例示する図である。来訪者端末装置30のユーザインターフェース130を介して、URL通知メールに含まれるURLに対する来訪者の操作入力が検出される。すると、配送先通知処理部310は、当該URLにアクセスして配送先の入力を来訪者に要求する配送先入力画面の表示情報をサーバ装置5から受信し、表示する。なお、配送先入力画面は、例えば、来訪者端末装置30において実行されるブラウザ等のアプリを利用して表示されうる。このような、配送先入力画面は、サーバ装置5から店舗用端末装置2に対する配送先入力要求として用いられ、
図12に示すように、配送先入力画面には、注文を確定させた商品の配送先の入力を来訪者に促す表示を含む。
【0046】
そして、配送先通知処理部310は、ユーザインターフェース130を介して、例えば、受取人の氏名及び読み仮名、郵便番号、配送先の都道府県、市町村、所番地、建物の名称及び部屋番号及び配送先の電話番号のうち、配送に必要な事項に対する来訪者の入力を受け付ける。配送先通知処理部310は、配送先入力画面に含まれる「送信」と記載されたボタンに対する来訪者の操作を、ユーザインターフェース130に接続されたタッチパネルを介して受け付けると、配送先の入力を完了する。
【0047】
配送先通知処理部310は、配送先入力画面に対する来訪者の操作に応じて、入力された配送先を示す情報と、当該来訪者の来訪者識別子とを対応付けて配送先情報を作成する。配送先通知処理部310は、作成した配送先情報を、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。なお、システム1において、配送先通知処理部310は、配送先情報を、店舗用端末装置2を介することなく、通信ネットワーク100のみを介してサーバ装置5に送信する。したがって、店舗用端末装置2において、来訪者の個人情報である配送先情報を所持することはない。
【0048】
図3に示した電子マネー処理部312は、来訪者が注文を確定させて購入する商品の代金を電子マネーで支払うための処理を行う。ポイント処理部314は、店舗がサーバ装置5によらず、独自に商品を購入した来訪者に対して行うポイントサービス等を、来訪者が受けるための処理を行う。
【0049】
3.店舗用端末装置2の構成
以下、
図13~
図15を参照して、
図1及び
図2に示した店舗用端末装置2の構成を説明する。
図13は、
図1及び
図2に示した店舗用端末装置2の構成を示す図である。
図13に示すように、店舗用端末装置2は、来訪者コード読取部200、来訪者識別子送信部202、注文コード読取部204、注文情報送信部206、商品管理部208、商品画像データベース210、キャッシュレジスタ部212、ポイント処理部216及び支払処理部218を備える。
【0050】
店舗用端末装置2は、これらの構成要素により、店舗に展示された商品を来訪者に販売して代金を受け、サーバ装置5を介して販売した商品を配送する指示を送信する。このように、店舗用端末装置2は、当該店舗において管理する来訪者の個人情報と、店舗における商品の在庫とを最小限とすることを可能にする。なお、本実施形態では、店舗用端末装置2及び応対者端末装置32を含めて、店舗端末装置と称することもある。
【0051】
来訪者コード読取部200は、読取装置136を制御して、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された来訪者コードを読み取らせる。
図14は、
図4に示す来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを、店頭に設置された店舗用端末装置2に接続された読取装置136により読み取る態様を示す図である。
図14に示すように、店舗に来訪した来訪者が、来訪者端末装置30を操作してそのディスプレイに来訪者コードを表示させると、来訪者コード読取部200によって当該来訪者コードが読み取られる。
【0052】
さらに、来訪者コード読取部200は、読み取られた来訪者コードから来訪者識別子を判別する。来訪者識別子送信部202は、判別された来訪者識別子を、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。
【0053】
注文コード読取部204は、読取装置136を制御して、来訪者端末装置30のディスプレイに表示された注文コードを読み取らせる。
図15は、
図10に示したように来訪者端末装置30に表示された注文コードを、店頭に設置された店舗用端末装置2に接続された読取装置136により読み取る態様を示す図である。
図15に示すように、店舗に来訪した来訪者が、来訪者端末装置30を操作してそのディスプレイに注文コードを表示させると、注文コード読取部204によって当該注文コードが読み取られる。
【0054】
なお、来訪者が店舗に来訪したときには、来訪者識別子は、例えば、キャッシュレジスタ等として機能する店舗用端末装置2や応対者端末装置32の読取装置136、店舗用端末装置2に接続されて店舗の入り口に設置された読取装置136等で読み取られる。一方、注文コードは、通常はキャッシュレジスタとして機能する店舗用端末装置2の読取装置136により読み取られる。つまり、本実施形態の処理において各種コードや識別子が読取装置136によって読み取られるが、この読み取りは全て同じ装置で読み取られる必要はなく、処理毎にそれぞれ異なる装置の読取装置136で読み取られてもよい。
【0055】
さらに、注文コード読取部204は、読み取られた注文コードから、注文が受け付けられた1つ以上の商品の商品情報と、購入する当該商品の数量とを判別する。注文情報送信部206は、注文した来訪者の来訪者識別子と、注文が受け付けられた1つ以上の商品の商品情報と、購入する当該商品の数量とを対応付け、読取情報として通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。
【0056】
商品管理部208は、サーバ装置5に、店舗において販売された商品の履歴を示すダッシュボード情報の送信を、通信インターフェース128を介して要求する。また、商品管理部208は、この要求に応じてサーバ装置5が送信したダッシュボード情報を、ユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示し、さらに、商品画像データベース210に記憶する。
【0057】
キャッシュレジスタ部212は、来訪者が注文を確定させて購入した商品の代金を現金で受け取るための処理を行う。電子マネー処理部214は、来訪者が注文を確定させて購入した商品の代金を電子マネーで受け取るための処理を行う。支払処理部218は、通信インターフェース128を介してサーバ装置5から受けたシステム1の利用料の請求に応じて、金融サーバ装置42等を介して請求された利用料をサーバ装置5の運営者に支払うための処理を行う。
【0058】
4.サーバ装置5の構成
以下、
図16~
図19を参照して、
図1及び
図2に示したサーバ装置5の構成を説明する。
図16は、
図1及び
図2に示したサーバ装置5の構成を示す図である。
図16に示すように、サーバ装置5は、来訪者識別子受信部500、商品情報受信部502、来訪者情報作成部504、来訪者情報データベース506、情報収集部508、応対支援情報作成部510、ダッシュボード情報作成部512、配送先情報収集部514、配送処理部516、在庫管理部518、在庫データベース520、注文コード作成部522、注文受付部524、購入履歴情報記憶部526、注文情報提供媒体作成部528、商品画像送信部530及び支払処理部532を備える。
【0059】
サーバ装置5は、これらの構成要素により、来訪者のクレジットカード情報等を必要とせず、最低限の個人情報を用いて店舗が来訪者に販売した商品を店舗の代わりに配送先に届ける。また、サーバ装置5は、店舗にとって有益な情報を提供する。これらを各店舗に代わって行うことにより、各店舗における売り上げの一部を収益として受領する。
【0060】
来訪者識別子受信部500は、
図4及び
図14を参照して説明したように、来訪者識別子を店舗用端末装置2の来訪者識別子送信部202から通信インターフェース128を介して受信する。商品情報受信部502は、来訪者の来訪者識別子と対応付けられた商品情報を来訪者端末装置30の商品情報送信部316から通信インターフェース128を介して受信する。
【0061】
来訪者情報作成部504は、来訪者識別子受信部500から入力された来訪者識別子と、来訪者の来訪者識別子と対応付けられた商品情報と、注文された商品の商品情報と注文された商品の数量とを処理し、
図17に示す来訪者情報を作成する。来訪者情報作成部504は、来訪者情報を作成するたびに、来訪者情報データベース506に記憶させる。
【0062】
ここで、
図17は、来訪者情報作成部504により作成される来訪者情報を示す図である。
図17に示すように、来訪者情報は、来訪者識別子と、店舗識別子と、商品情報と、来訪者が店舗を来訪した時間を示す来訪時間情報と、購入情報と、購入された商品の数量情報とを含む。「来訪者識別子」は、店舗の応対の対象となる来訪者を識別する。このような来訪者識別子は、来訪者が事前にシステム1にかかるサービスに登録するか、店舗に来訪することによって生成される。来訪者識別子は、任意の文字列、コード、来訪者のニックネーム、来訪者の名前等、来訪者を識別可能なものであればいずれでもよい。
【0063】
「店舗識別子」は、当該来訪者が過去に来訪した店舗を識別する。このような店舗識別子は、店舗ごとに付与された情報であり、システム1に新たな店舗が登録されるごとに生成される。店舗識別子は、店舗名、住所、コード等のいずれであってもよい。「時間情報」は、来訪者が店舗識別子により識別される店舗に来訪した時間を示す。この来訪した時間は、来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを店舗用端末装置2又は応対者端末装置32で読み取った時間を用いることが可能である。なお、これは時間情報の一例であって、例えば商品情報提供媒体を読み取った時間や来訪者や応対者によって入力された時間等であってもよい。
【0064】
「商品情報」は、商品情報コードから読み取られた商品の商品識別子、当該商品の商品名、当該商品の価格、当該商品の色等を示す種類、当該商品のサイズ、綿又はポリエステル等の当該商品の材質、及び当該商品を製造したメーカー及びブランド等の種別等を示す情報を含む。これらの情報は、来訪者端末装置30が商品情報提供媒体を読み取り、読み取った商品情報をサーバ装置5に送信することによって蓄積される。
【0065】
「購入情報」は、商品情報コードが読み取られた商品に関して来訪者が実際に当該店舗において購入したか否かを示す情報である。「数量情報」は、来訪者が当該商品を実際に購入した数量を示す情報である。 このような来訪者情報は、各来訪者が、当該店舗又は他の店舗に来店するごとに新たに生成され、来訪者情報データベース506に都度蓄積される。なお、上述のように、「店舗」という用語は、1つの店舗又は複数の店舗を意味するので、店舗識別子もまた、1つの店舗を識別するときと、複数の店舗のグループを識別するときとがある。
【0066】
なお、ここでは特に図示していないが、来訪者情報には、各来訪者識別子に対応付けて、当該来訪者の属性情報を記憶する。このような属性情報としては、各来訪者があらかじめシステム1にかかるサービスに登録する際に入力した性別、住所、年齢、趣味や趣向、職業、体型、サイズ等が記憶される。これらの情報は、例えば来訪者が店舗に来訪したときに店舗に設置された撮像装置で来訪者を撮像することによって推測されてもよい。
【0067】
情報収集部508は、通信インターフェース128を介して情報サーバ装置40と通信し、商品とその売れ行き、及び品揃え等を左右する情報を収集する。例えば、情報収集部508は、商品が衣類であるときには、短期的な天気予報の情報、長期的な天気予報の情報、及び他の店舗の来訪者情報等を示す情報を収集する。
【0068】
応対支援情報作成部510は、情報収集部508が収集した情報と、来訪者情報データベース506から読み出した来訪者情報とを処理し、応対支援情報を作成し、店舗用端末装置2及び応対者端末装置32に送信する。応対支援情報は、店舗において来訪者と応対する応対者に、例えば、当該来訪者に推奨すべき商品等を示唆することにより、応対者を支援する情報である。
【0069】
ここで、
図18は、応対支援情報作成部510により作成される応対支援情報を例示する図である。
図18に示すように、応対支援情報は、当該店舗を来訪している来訪者ごとに作成される。応対支援情報は、来訪者識別子、当該来訪者識別子により特定される来訪者の過去の店舗来訪履歴・商品読取履歴・購入履歴を示す情報、レコメンド情報、及び現在の売れ行き商品に関する情報を含む。つまり、応対支援情報は、現在店舗に来訪している来訪者の来訪者識別子と、この来訪者が過去に購入した商品とを対応付けた購入履歴情報を有する。
【0070】
当該来訪者識別子により特定される来訪者の過去の店舗来訪履歴・商品読取履歴・購入履歴を示す情報は、一例としては、店舗識別子、時間情報、商品情報、購入情報及び数量情報を含む。これらの情報は、来訪者情報データベース506に来訪者が各店舗に来訪するごとに蓄積される来訪者情報を参照することにより生成される。つまり、「店舗識別子」は、当該来訪者が過去に来訪した店舗を識別する。「時間情報」は、来訪者が店舗識別子により識別される店舗に来訪した時間を示す。「商品情報」は、来訪者が時間情報に示された時間に店舗に来訪したときに、商品情報コードから読み取られた商品情報を示す。
【0071】
レコメンド情報は、来訪者情報として記憶された属性情報に基づいて、他の来訪者の来訪者情報を参照することにより生成される。例えば、来訪者と同じ世代で同じ性別の他の来訪者を属性情報に基づいて特定し、そのような他の来訪者が最も多く購入した商品、及び試着したと推定されうる衣服(商品)の商品情報がレコメンド情報として記憶される。
【0072】
なお、サーバ装置5は、商品を電子商取引により取引する機能、つまりECサイトを介して商品を展示したり、販売したりする機能を含みうる。このような電子商取引がなされる場合において、レコメンド情報は、店舗を来訪した来訪者が、いわゆる「お気に入り」に登録した商品を示す情報、電子商取引を利用して過去に購入した商品、及び電子商取引のWebサイトにおける商品の売れ行き等を示す情報を含みうる。また、レコメンド情報は、来訪者が来訪した店舗、及び来訪者が来訪した店舗以外の店舗、及び電子商取引のWebサイトを介した売れ行きが良好であり、来訪者に薦められうると判断された商品を示すいわゆる「お薦め商品」を示す情報を含みうる。
【0073】
レコメンド情報は、例えば、さらに、来訪者が電子商取引用のWebサイトに入力した来訪者の身長及び体重等、来訪者の体型に関する情報に基づいて作成されてもよい。また、レコメンド情報は、さらに、来訪者の体型に関する情報に基づいて特定される情報に基づいて作成されてもよい。また、レコメンド情報は、さらに、情報収集部508により通信ネットワーク100を介して情報サーバ装置40から収集された短期的及び長期的な天気予報の情報に基づいて作成されてもよい。以上述べたように、応対支援情報作成部510が電子商取引用のWebサイトからオンラインで得られた情報を含むレコメンド情報、及び来訪者の体型などに基づいて作成されたレコメンド情報が用いられうる。これにより、オンラインで得られた情報、及び来訪者の体型などに基づいて作成された情報が、店舗におけるオフラインでの来訪者への応対に利用されうる。
【0074】
また、複数の訪問者が、同時に、又は、短時間、例えば、1~2秒の間に連続して同じ店舗を訪れ、これら複数の訪問者の来訪者識別子が店舗用端末装置2の読取装置136により読み取られることがある。このように、同時または短時間の間に連続して店舗を来訪した複数の来訪者の間には、友人関係あるいは家族関係等の何らかの関係があると推定されうる。例えば、このように何らかの関係があると推定された複数の来訪者うちの一人のレコメンド情報は、何らかの関係があると推定された他の来訪者のレコメンド情報を含んでよい。
【0075】
また、レコメンド情報は、来訪者の体型など上述した情報の他に、さらに、来訪者が店舗に来訪した時間、及び来訪したときの天候を示す情報に基づいて作成されてよい。また、レコメンド情報は、さらに、来訪者が来訪した店舗の情報、例えば、来訪者が、同じ系列の店舗のいずれの支店を来訪したかを示す情報に基づいて作成されてよい。いずれの支店でどのような商品が購入されたか等を示す情報からは、いずれの地域でどのような商品が流行しているかが判断されうるからである。また、レコメンド情報は、どのような商品が流行しているかを具体的に示す情報に基づいて作成されてよい。また、レコメンド情報は、商品コードが読み込まれたが購入されなかった商品、つまり、商品が衣服の場合には、ある来訪者により過去において商品コードが読み込まれて試着された可能性があるが、この来訪者によって購入されなかった商品を示す情報に基づいて作成されてよい。以上述べたように、レコメンド情報は、商品自体に関する情報を示す他に、来訪者の体型や天候などの商品以外に関する様々な情報に基づいて作成されうる。
【0076】
ダッシュボード情報作成部512は、来訪者情報データベース506から読み出した来訪者情報を処理し、ダッシュボード情報を作成し、店舗用端末装置2及び応対者端末装置32の少なくともいずれかに送信する。
【0077】
ここで、
図19は、ダッシュボード情報作成部512により作成されるダッシュボード情報を例示する図である。このようなダッシュボード情報は、参照する者の所望に応じて、来訪者情報データベース506に来訪者ごとに蓄積された来訪者情報に基づいて集計される情報である。ダッシュボード情報には、一例として、所定の期間における売れ行き情報、所定の期間における来訪情報、所定の期間における試着情報、これらの情報から予測される将来の傾向予測情報等が、店舗識別子に対応付けて含まれる。また、他の例としては、ダッシュボード情報には、これらの情報が、当該店舗及び他の店舗を含む店舗グループを示す店舗グループ識別子に対応付けて含まれる。
【0078】
「所定の期間における売れ行き情報」は、来訪者情報の購入情報や数量情報等を参照することにより集計される情報で、当該期間中に来訪者及び他の来訪者らによって購入された商品の統計値を示す情報である。なお、この統計値は、数量に基づくものであってもよいし、売上金額に基づくものであってもよい。
【0079】
「所定の期間における来訪情報」は、来訪者情報の属性情報等を参照することにより集計される情報で、当該期間中に来訪した来訪者の性別、年齢層、住所、趣味や趣向ごとに統計した情報である。「所定の期間における試着情報」は、来訪者情報の商品情報等を参照することにより集計される情報で、当該期間中に商品コードが読み取られた商品(つまり、購入されたか否かにかかわらず試着されたと推定される商品)の統計値を示す情報である。
【0080】
「将来の傾向予測情報」は、所定の期間における売れ行き情報、来訪情報、試着情報等から、同時期における将来の売れ行き傾向、来訪者の繁忙状況、試着傾向等を予測した情報である。このような将来の傾向予測情報は、単に過去の同時期の情報と同様の傾向であると予測してもよいし、情報収集部508で収集された短期・長期的な天候等の情報をさらに加味して予測してもよいし、過去の情報を教師データとして生成された学習済みモデルを利用して予測してもよい。
【0081】
なお、ダッシュボード情報において、所定の期間は、「分」、「時」、「日」、「曜日」、「月」、「季節」、「年」等、任意の単位や期間を参照する者の所望に応じて自由に設定することが可能である。
【0082】
在庫管理部518は、商品の在庫を管理し、商品の在庫を示す情報と商品に関する情報とを、在庫データベース520に記憶する。また、在庫管理部518は、配送処理部516によって商品の配送が行われると、在庫データベース520に記憶された商品の在庫を示す情報を更新する。
【0083】
注文コード作成部522は、来訪者端末装置30のから通信インターフェース128を介して、注文情報を受信する。注文コード作成部522は、在庫データベース520を検索し、注文情報が示す来訪者が購入しようとする数量の商品が在庫にあるか否かを判断する。注文コード作成部522は、来訪者が購入しようとする数量の商品が在庫にあるときには、
図10に示した注文コードの画像を作成して、通信インターフェース128を介して来訪者端末装置30に送信し、商品とその数量を注文受付部524に通知する。注文コード作成部522は、来訪者が購入しようとする数量の商品が在庫にないときには、その旨を示す画像を作成し、来訪者端末装置30に送信する。
【0084】
注文受付部524は、注文コード作成部522から注文された数量の商品の在庫がある旨が通知され、かつ、店舗用端末装置2から読取情報を受信すると、配送先情報収集部514を制御し、商品の配送先の情報を収集させる。
【0085】
配送先情報収集部514は、注文受付部524の制御に応じて、注文コード作成部522から
図11に示したURL通知メールを、SMSを利用して来訪者端末装置30に通信インターフェース128を介して送信する。URL通知メールで来訪者端末装置30に通知したURLに来訪者がアクセスすると、配送先情報収集部514は、
図12に示した配送先入力画面を来訪者端末装置30に通信インターフェース128を介して送信する。配送先情報収集部514は、通信インターフェース128を介して来訪者端末装置30から配送先情報を受信し、配送処理部516に出力する。
【0086】
なお、システム1において、配送先情報収集部514は、配送先を示す情報を、通信ネットワーク100のみを介し、店舗用端末装置2を介さない経路で、直接に来訪者端末装置30から受信する。このように、配送先を示す情報を、店舗用端末装置2を介さない経路で、来訪者端末装置30からサーバ装置5に送信し、サーバ装置5が受信する。これにより、店舗用端末装置2に、個人情報としての配送先を示す情報が知らされることはなく、また、店舗用端末装置2は、個人情報としての配送先を示す情報を管理しなくて済む。
【0087】
配送処理部516は、来訪者が購入した数量の商品を配送先に配送するための処理を行う。つまり、配送処理部516は、サーバ装置5の指示に従って作業を行う作業者に、来訪者が購入した商品、数量及び配送先を表示する等の処理を行う。
【0088】
注文情報提供媒体作成部528は、
図10に示した注文コードとして用いられる注文情報提供媒体を作成する。
【0089】
商品画像送信部530は、在庫データベース520から在庫がある商品に関する情報を読み出して、通信インターフェース128を介して来訪者端末装置30に送信する。送信された商品に関する情報は、
図7及び
図8に示した商品画像の作成に利用される。
【0090】
支払処理部532は、金融サーバ装置42を利用して、システム1における店舗からサーバ装置5が提供するサービスの利用料金を受け取るための処理を行う。
【0091】
5.通信シーケンス
以下、
図20を参照して、
図1等に示したシステム1の各装置間の通信シーケンスを説明する。
図20は、
図1に示したシステム1に含まれる各装置間の通信シーケンスを示す第1の図である。
【0092】
ステップS100において、
図3に示した来訪者端末装置30の来訪者コード表示部300は、
図4に示したように、来訪者識別子から来訪者コードを作成する。作成された来訪者コードは、情報提供媒体として、来訪者コード表示部300によって来訪者端末装置30のユーザインターフェース130に接続されたディスプレイに表示される。
【0093】
ステップS102において、
図13に示した店舗用端末装置2の来訪者コード読取部200は、来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを、
図14に示したように読取装置136を用いて読み取る。なお、S102の処理において点線で示すように、来訪者コードは、応対者端末装置32の読取装置136により読み取られてよい。
【0094】
ステップS104において、店舗用端末装置2の来訪者識別子送信部202は、来訪者コードから判別された来訪者識別子を、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。なお、S104に点線で示すように、応対者端末装置32が来訪者コードを読み取ったときには、応対者端末装置32が、サーバ装置5の来訪者識別子受信部500に通信インターフェース128を介して来訪者識別子を送信する。
【0095】
ステップS106において、サーバ装置5の情報収集部508は、情報サーバ装置40から商品の売れ行き、品揃え等を左右する情報を、通信インターフェース128を介して収集する。このような情報の一例としては、短期的な天気予報の情報、長期的な天気予報の情報、他の店舗の来訪者情報等が含まれる。
【0096】
ステップS108において、サーバ装置5の来訪者情報作成部504は、
図18に示した応対支援情報を作成する。応対支援情報の作成には、情報収集部508が収集した情報と、来訪者情報データベース506から読み出した来訪者情報等が用いられる。
【0097】
ステップS110において、来訪者情報作成部504は、作成した応対支援情報を、通信インターフェース128を介して応対者端末装置32に送信する。なお、S110においては点線で示すように、応対支援情報は店舗用端末装置2に送信されてもよい。
【0098】
ここで、
図21は、
図1及び
図2に示した応対者端末装置32に表示される応対支援情報を例示する第1の図である。ステップS112において、応対者端末装置32は、通信インターフェース128を介して応対支援情報を受信し、
図21に示すように表示する。応対者は、応対支援情報を参照しつつ、来訪者の好みに合いそうな商品を薦める等の応対を行う。
【0099】
図20に示すステップS114において、来訪者は、
図2に示した来訪者端末装置30の読取装置136を用いて、
図5に示したように情報提供媒体に表示された商品情報コードを読み取り、商品情報を識別する。
【0100】
ステップS116において、
図3に示した来訪者端末装置30の商品情報送信部316は、通信インターフェース128を介して、サーバ装置5の商品情報受信部502に商品情報コードを読み取ることで識別された商品情報を、来訪者識別子と共に送信する。サーバ装置5では、これらの情報を商品情報受信部502で受信すると、来訪者情報作成部504において来訪者情報データベース506に受信した情報を蓄積する。
【0101】
ステップS120において、サーバ装置5は、来訪者端末装置30の商品情報送信部316に、通信インターフェース128を介して、商品情報に含まれる商品識別子により識別される商品に関する情報を送信する。
【0102】
ステップS122において、来訪者端末装置30の商品情報画像作成部306は、
図7及び
図8に示したように、来訪者端末装置30のディスプレイに商品画像を表示する。
【0103】
ステップS124において、来訪者が興味を持った商品の選択を終えて、
図8に示した商品画像の「注文手続きに進む」と記載されたボタンに対する操作を行うと、来訪者端末装置30は、ユーザインターフェース130を介してこの操作を検出する。この検出が行われると、来訪者端末装置30の注文処理部304は、
図9に示した連絡先要求画像をディスプレイに表示し、来訪者による連絡先(例えば、来訪者の氏名及び携帯電話番号)の入力を受け付ける。そして、注文処理部304は、注文情報、すなわち来訪者の来訪者識別子と、来訪者が選択した商品の商品情報、購入する当該商品の数量、来訪者の氏名及び携帯電話番号等を、通信インターフェース128を介して、サーバ装置5の注文コード作成部522に送信する。
【0104】
ステップS126において、サーバ装置5の注文コード作成部522は、注文コードを作成する。
【0105】
ステップS128において、注文コード作成部522は、来訪者端末装置30の注文処理部304に、作成した注文コードを、通信インターフェース128を介して送信する。
【0106】
ステップS130において、注文処理部304は、注文コード作成部522から通信インターフェース128を介して送信されてきた注文コードを、通信インターフェース128を介して受信し、来訪者端末装置30のディスプレイに、
図10に示したように表示する。
【0107】
ステップS132において、店舗用端末装置2の注文コード読取部204は、読取装置136を制御し、
図15に示したように来訪者端末装置30のディスプレイに表示された注文コードを読み取らせる。ここで、
図22は、
図20に示したS132の処理において、店舗用端末装置2のディスプレイに表示される画像を例示する図である。注文コード読取部204は、
図22に示す画像をディスプレイに表示し、例えば、ユーザインターフェース130を介して、店舗の応対者又は来訪者による「注文を確定」と記載されたボタンへの操作を検出すると、S134以降の処理が行われる。
【0108】
ステップS134において、注文コード読取部204は、読み取られた注文コードから読取情報を作成し、サーバ装置5の注文受付部524に通信インターフェース128を介して送信する。
【0109】
ステップS140において、配送先情報収集部514は、
図11に示したURL通知画像を来訪者端末装置30の注文処理部304に、通信インターフェース128を介して送信する。
【0110】
ステップS142において、来訪者端末装置30の配送先通知処理部310は、来訪者端末装置30のディスプレイに表示したURL通知画面に含まれるURLへの来訪者による操作を検出する。配送先通知処理部210はさらに、通信インターフェース128を介して当該URLで指定されるサイトへアクセスする。すると、ステップS144において、配送先情報収集部514は、
図12に示した配送先入力画面を来訪者端末装置30の配送先通知処理部310に、通信インターフェース128を介して送信する。ステップS146において、配送先通知処理部310は、配送先入力画面を、通信インターフェース128を介して受信して、来訪者端末装置30のディスプレイに表示し、配送先を示す情報の入力を来訪者に要求する。
【0111】
ステップS146において、来訪者端末装置30の配送先通知処理部310は、ユーザインターフェース130を介して配送先入力画面に対して商品の配送先を示す情報(配送先情報)が入力されたことを検出する。
【0112】
そして、ステップS148において、
図12に示した配送先入力画面に含まれる「送信」と記載されたボタンへの来訪者の操作を検出すると、配送先通知処理部310は、入力された配送先をサーバ装置5の配送先情報収集部514に送信する。
【0113】
ステップS150において、配送処理部516は、来訪者が購入した商品の明細を示す情報と、商品の代金を示す情報を、店舗用端末装置2のキャッシュレジスタ部212に、通信インターフェース128を介して送信する。
【0114】
ステップS152において、店舗用端末装置2のキャッシュレジスタ部212は、来訪者に対して、来訪者が購入した商品の代金を受け取るための処理を行う。なお、点線で示すように、来訪者が電子マネー又はクレジットカード等を使用して商品の代金を支払うときには、電子マネー処理部214等と金融サーバ装置42との間で通信が行われることがある。
【0115】
ステップS154において、店舗において、支払われた代金の登録、及び店舗が独自に商品を購入した来訪者に対するポイント付与等のサービスが行われることも可能である。
【0116】
ステップS156において、サーバ装置5の配送処理部516は、来訪者が購入した商品を配送先に配送する準備を行う。
【0117】
ステップS158において、サーバ装置5から来訪者へ、来訪者が購入した商品の発送が行われる。以上により、来訪者が店舗に来訪して商品の購入をし、商品の発送を行うまでの一連の処理を終了する。
【0118】
図23は、
図1に示したシステム1に含まれる各装置の通信シーケンスを示す第2の図である。具体的には、当該通信シーケンスは、ダッシュボード情報の表示にかかる処理、及びシステム1にかかるサービスの店舗の利用料金の支払いにかかる処理の通信シーケンスを示す。
【0119】
図23に示すステップS180において、
図1及び
図16等に示したサーバ装置5から
図1及び
図13等に示した店舗用端末装置2へのダッシュボード情報の送信処理が開始される。店舗用端末装置2の商品管理部208は、サーバ装置5のダッシュボード情報作成部512に、通信インターフェース128を介して、
図19に示したダッシュボード情報を要求する。
【0120】
ステップS182において、サーバ装置5のダッシュボード情報作成部512は、ダッシュボード情報の送信を要求した店舗用端末装置2が設置されている店舗のダッシュボード情報を作成し、通信インターフェース128を介して店舗用端末装置2の商品管理部208に送信する。
【0121】
図24は、
図3に示した店舗用端末装置2のディスプレイに画面に表示されるダッシュボード情報を例示する図である。商品管理部208は、ダッシュボード情報作成部512からダッシュボード情報を、通信インターフェース128を介して受信し、
図24に示すように表示する。
【0122】
図23に示すステップS190の処理において、システム1における店舗からサーバ装置5が提供するサービスの利用料を受け取るための処理が開始される。ステップS190において、サーバ装置5の支払処理部532は、店舗用端末装置2の支払処理部218に、利用料を請求する。
【0123】
ステップS192において、支払処理部218は、金融サーバ装置42のサーバ装置5の運営者の口座に利用料を支払う。
【0124】
ステップS194において、支払処理部532と金融サーバ装置42との間で、店舗の口座から運営者の口座に金銭を移動させる決済処理が行われる。
【0125】
6.来訪者端末装置30の処理フロー
以下、フローチャート等を参照して来訪者端末装置30の処理を説明する。
図25及び
図26は、
図1~
図3に示した来訪者端末装置30の処理を示す第1及び第2のフローチャートである。
図25に示すステップS200において、来訪者コード表示部300は、来訪者が、店舗において、
図4に示した来訪者コードを、来訪者端末装置30のディスプレイに表示させる操作を行ったか否かを判断する。来訪者端末装置30は、来訪者が来訪者コードを表示させる操作を行ったとき(Y)にはS202の処理に進み、操作を行わなかったときにはS200の処理に留まる。
【0126】
ステップS202において、来訪者コード表示部300は、
図4に示したようにディスプレイに来訪者コードを表示し、
図14に示したように、店舗用端末装置2に接続された読取装置136に、表示した来訪者コードを読み取らせる。
【0127】
ステップS204において、商品情報読取部302は、来訪者の操作に応じて、
図5に示したように、商品に取り付けられた情報表示媒体に表示された商品情報コードを読み取ったか否かを判断する。来訪者端末装置30は、商品情報読取部302が商品情報コードを読み取ったとき(Y)にはS206の処理に進み、読み取らなかったとき(N)にはS204の処理に留まる。
【0128】
ステップS206において、商品情報読取部302は、商品情報コードを処理し、
図6に示した商品情報を識別する。商品情報送信部316は、識別された商品情報を、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。
【0129】
ステップS208において、商品情報読取部302は、店舗用端末装置2の商品管理部208から商品に関する情報を、通信インターフェース128を介して受信して、
図7及び
図8に示した商品画像を作成し、来訪者端末装置30のディスプレイに表示する。
【0130】
ステップS210において、注文処理部304は、来訪者により、
図7に示した商品画像に含まれる「カートに入れる」と記載されたボタンが操作されたか否かを判断する。来訪者端末装置30は、「カートに入れる」と記載されたボタンが操作されたとき(Y)にはS212の処理に進み、操作されなかったとき(N)にはS214の処理に進む。
【0131】
ステップS212において、注文処理部304は、商品画像に含まれる商品をカートに入れる処理を行う。
【0132】
ステップS214において、注文処理部304は、来訪者が、
図8に示した「注文手続に進む」と記載されたボタンが操作されたか否かを判断する。来訪者端末装置30は、「注文手続に進む」と記載されたボタンが操作されたとき(Y)には、
図26に示すS216の処理に進み、操作されなかったとき(N)にはS204の処理に戻る。
【0133】
ステップS216において、注文処理部304は、連絡先要求画面を表示する。ステップS218において、注文処理部304は、来訪者が入力した氏名及び電話番号(連絡先)等を含む注文情報を、通信インターフェース128を介してサーバ装置5に送信する。
【0134】
ステップS220において、注文処理部304は、サーバ装置5から、
図10に示した注文コードを、通信インターフェース128を介して受信したか否かを判断する。来訪者端末装置30は、注文コードが受信されたとき(Y)にはS226の処理に進み、受信されなかったとき(N)にはS224の処理に留まる。
【0135】
ステップS222において、注文処理部304は、来訪者端末装置30のディスプレイに受信した注文コードを表示する。表示された注文コードは、店舗用端末装置2により読み取られ、来訪者による商品の注文及び購入が確定する。
【0136】
ステップS224において、配送先通知処理部310は、
図11に示したSMSを利用したURL通知メールを、通信インターフェース128を介して受信したか否かを判断する。来訪者端末装置30は、URL通知メールを受信したとき(Y)にはS222の処理に進み、受信しなかったとき(N)にはS220の処理に留まる。
【0137】
ステップS226において、配送先通知処理部310は、来訪者により、
図12に示した配送先入力画面に対する来訪者による配送先の入力を受け入れる。
【0138】
ステップS228において、来訪者が、店舗に対して購入した商品の代金を支払い、店舗は支払われた代金を受け取る。
【0139】
7.店舗用端末装置2の処理フロー
以下、フローチャートを参照して店舗用端末装置2の処理を説明する。
図27は、
図1、
図2及び
図13に示した店舗用端末装置2の処理を示すフローチャートである。
図27に示すステップS240において、来訪者コード読取部200は、来訪者端末装置30に表示された来訪者コードを読み取ったか否かを判断する。店舗用端末装置2は、来訪者コード読取部200が来訪者コードを読み取ったとき(Y)にはS242の処理に進み、読み取らなかったとき(N)にはS240の処理に留まる。
【0140】
来訪者コード読取部200は、読み取った来訪者コードから来訪者識別子を判別し、来訪者識別子送信部202は、判別された来訪者識別子をサーバ装置5に送信する。
【0141】
ステップS244において、注文コード読取部204は、来訪者端末装置30に表示された注文コードを読み取ったか否かを判断する。店舗用端末装置2は、注文コード読取部204が注文コードを読み取ったとき(Y)にはS248の処理に進み、読み取らなかったとき(N)にはS244の処理に留まる。
【0142】
ステップS248において、注文情報送信部206は、読み取られた注文コードをサーバ装置5に送信する。
【0143】
ステップS250において、商品管理部208は、サーバ装置5に、通信インターフェース128を介して、
図19に示したダッシュボード情報を要求する。
【0144】
ステップS252において、商品管理部208は、サーバ装置5からダッシュボード情報を受信したか否かを判断する。店舗用端末装置2は、ダッシュボード情報を受信したとき(Y)にはS252の処理に進み、受信しなかったときにはS250の処理に留まる、
【0145】
ステップS254において、商品管理部208は、
図24に示したように、受信したダッシュボード情報をディスプレイに表示し、商品画像データベース210に記憶する。
【0146】
以上、
図27においては、応対者端末装置32が受信する応対支援情報に関する処理は説明されていない。また、店舗用端末装置2は、任意のタイミングでダッシュボード情報をサーバ装置5から受信すればよいので、S250~S254の処理は省略されうる。
【0147】
8.サーバ装置5の処理フロー
以下、サーバ装置5の処理を、フローチャートを参照して説明する。
図28は、
図1、
図2及び
図16に示したサーバ装置5の処理を示すフローチャートである。なお、
図28に示すフローチャートにおいては、来訪者情報及びダッシュボード情報に関する処理と、店舗用端末装置2とサーバ装置5との間の利用料の支払いに関する処理は省略されている。
【0148】
図28に示すステップS280において、商品情報受信部502は、店舗用端末装置2から通信インターフェース128を介して来訪者識別子と対応付けられた商品情報を受信したか否かを判断する。サーバ装置5は、商品情報受信部502が商品情報を受信したとき(Y)にはS282の処理に進み、受信しなかったとき(N)にはS280の処理に留まる。
【0149】
ステップS282において、注文コード作成部522は、S280の処理が行われてから、予め決められた時間が経過するまでに、店舗用端末装置2から通信インターフェース128を介して注文情報を受信したか否かを判断する。サーバ装置5は、注文コード作成部522が注文情報を受信したとき(Y)にはS284の処理に進み、受信しなかったとき(N)には処理を終了する。
【0150】
ステップS284において、注文情報提供媒体作成部528は、
図10に示した注文コードを作成し、通信インターフェース128を介して来訪者端末装置30に送信する。
【0151】
ステップS292において、配送先情報収集部514は、
図11に示したURL通知メールを、SMSを利用して店舗用端末装置2に通信インターフェース128を介して送信する。
【0152】
ステップS294において、配送先情報収集部514は、S292の処理において送信されたURL通知メールで通知されたURLに来訪者がアクセスしたか否かを判断する。サーバ装置5は、来訪者が通知されたURLにアクセスしたとき(Y)にはS296の処理に進み、アクセスしなかったとき(N)にはS294の処理に留まる。
【0153】
ステップS296において、配送先情報収集部514は、
図12に示した配送先入力画面を作成し、通信インターフェース128を介して来訪者端末装置30に送信する。
【0154】
ステップS298において、配送先情報収集部514は、来訪者端末装置30から配送先を受信したか否かを判断する。サーバ装置5は、配送先情報収集部514が配送先を受信したとき(Y)にはS300の処理に進み、受信しなかったとき(N)にはS298の処理に留まる。
【0155】
ステップS300において、配送処理部516は、来訪者が注文し、購入した商品を、配送先に配送するための処理を行う。
【0156】
9.変形例
上記においては、システム1が取り扱う商品が衣服である場合について説明がなされたが、商品は衣服に限定されず、例えば、食品、家電製品、家具、書籍、文具、及び家庭用医薬品等、適法な商取引の対象となりうる動産及び不動産を含みうる。また、
図3等に示した各装置の構成、
図18等に示した各情報の構造は例示であり、各情報の構造は適宜、変更されてよい。また、
図20等に示した通信シーケンス及び
図25等に示したフローチャートは例示であって、システム1における処理の順番及び各装置の機能分担等は適宜、変更されうる。
【0157】
本開示にかかる処理及び手順は、実施形態において明示的に説明された装置よってだけでなく、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせにより実現されうる。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理及び手順をコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置及びサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0158】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、及び/又は、モジュールによって実行されると説明された処理及び手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリ及び記憶装置に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。さらに、本明細書において説明された複数のソフトウェア及びハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、又は、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0159】
本発明の実施の形態が説明されたが、この実施の形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更されうる。これら実施の形態やその変形は、本発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0160】
1 システム、2 店舗用端末装置、5 サーバ装置、100 通信ネットワーク、120 バス、122 プロセッサ、124 ROM、126 RAM、128 通信インターフェース、130 ユーザインターフェース、132 記憶装置、134 外部装置インターフェース、136 読取装置、200 来訪者コード読取部、202 来訪者識別子送信部、204 注文コード読取部、206 注文情報送信部、208 商品管理部、210 商品画像データベース、212 キャッシュレジスタ部、214 電子マネー処理部、216 ポイント処理部、218 支払処理部、30 来訪者端末装置、32 応対者端末装置、300 来訪者コード表示部、302 商品情報読取部、304 注文処理部、306 商品情報画像作成部、308 商品情報画像作成部、310 配送先通知処理部、312 電子マネー処理部、314 ポイント処理部、316 商品情報送信部、40 情報サーバ装置、42 金融サーバ装置、5 サーバ装置、500 来訪者識別子受信部、502 商品情報受信部、504 来訪者情報作成部、506 来訪者情報データベース、508 情報収集部、510 応対支援情報作成部、512 ダッシュボード情報作成部、514 配送先情報収集部、516 配送処理部、518 在庫管理部、520 在庫データベース、522 注文コード作成部、524 注文受付部、528 注文情報提供媒体作成部、530 商品画像送信部、532 支払処理部