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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073699
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】方向変換部材、および減圧弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20230519BHJP
   F16K 17/196 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
F16K17/30 B
F16K17/196
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186316
(22)【出願日】2021-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】391001169
【氏名又は名称】櫻護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏
(72)【発明者】
【氏名】仲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】石川 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】金子 貴志
(72)【発明者】
【氏名】戸城 賢三
(72)【発明者】
【氏名】玉田 和之
(72)【発明者】
【氏名】荒井 匠
(72)【発明者】
【氏名】竹内 克敏
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 公男
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 純一
(72)【発明者】
【氏名】関谷 翔太
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA09
3H060BB03
3H060DA15
3H060DA17
3H060DC05
3H060DD02
3H060DD12
3H060DD17
3H060DE04
3H060DF04
3H060HH03
3H060HH25
3H060HH26
(57)【要約】
【課題】 流体の動圧を効率的に利用するための方向変換部材、および減圧弁を提供する。
【解決手段】 本発明の一態様に係る減圧弁は、外周面に設けられた開口を有する第1管体と、前記開口を介して前記第1管体と接続された第2管体と、を有する本体と、前記第1管体の軸に沿って流れる流体の動圧が作用する受圧面と前記受圧面よりも上流側において前記軸に沿って設けられた方向変換部材とを有し、前記軸に沿って移動可能に前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備えている。前記方向変換部材は、前記軸に沿って設けられ前記受圧面に向けて流体が流れる流路と、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間と、を有し、前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、前記弁体は前記軸に沿って移動し、前記複数の隙間は前記流路と前記第2管体の内部とを連通する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に設けられた開口を有する第1管体と、前記開口を介して前記第1管体と接続された第2管体と、を有する本体と、
前記第1管体の軸に沿って流れる流体の動圧が作用する受圧面と前記受圧面よりも上流側において前記軸に沿って設けられた方向変換部材とを有し、前記軸に沿って移動可能に前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備え、
前記方向変換部材は、前記軸に沿って設けられ前記受圧面に向けて流体が流れる流路と、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間と、を有し、
前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、
前記弁体は前記軸に沿って移動し、前記複数の隙間は前記流路と前記第2管体の内部とを連通する、
減圧弁。
【請求項2】
前記方向変換部材は、板状に形成され、前記軸に沿う軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第1部材を有し、
前記複数の第1部材は、前記軸方向に形成された第1貫通孔をそれぞれ有し、
前記流路は、前記第1貫通孔により形成され、
前記複数の隙間は、前記複数の第1部材の間に形成された複数の第1隙間を有している、
請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有し、
前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、
前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、
前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して直交している、
請求項2に記載の減圧弁。
【請求項4】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有し、
前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、
前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、
前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して傾斜している、
請求項2に記載の減圧弁。
【請求項5】
前記方向変換部材は、前記軸方向に間隔を置いて並べられ、前記受圧面と前記複数の第1部材との間に設けられた複数の第2部材をさらに有し、
前記複数の第2部材は、前記軸方向に形成された第2貫通孔をそれぞれ有し、
前記流路は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とにより形成され、
前記複数の隙間は、前記複数の第2部材の間に形成された複数の第2隙間をさらに有し、
前記複数の第2部材の前記軸方向の長さは、前記複数の第1部材の前記軸方向の長さよりも長い、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項6】
前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第2隙間は、前記流路と前記第2管体の内部とを連通している、
請求項5に記載の減圧弁。
【請求項7】
前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第1隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重ならず、前記複数の第2隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重なっている、
請求項6に記載の減圧弁。
【請求項8】
前記弁体は、前記方向変換部材を挟む一対のガイドをさらに有し、
前記軸と直交する方向において、前記一対のガイドは、前記方向変換部材よりも大きい、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項9】
第1連通部をさらに備え、
前記弁体は、前記第1管体の内部を前記受圧面側の第1部分と前記第1部分と反対側の第2部分とに隔て、
第1連通部は、前記第1部分と前記第2部分とを接続する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項10】
前記第2部分と前記第2管体の内部とを接続する第2連通部をさらに備える、
請求項9に記載の減圧弁。
【請求項11】
被検出部と前記被検出部を検出する検出部とを有し、前記第1管体の内部における前記弁体の位置を検出するための検出ユニットをさらに備え、
前記検出部は、前記第1管体の外部に設けられ、
前記被検出部は、前記弁体に設けられている、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項12】
前記弁体に対して前記動圧が作用する方向と反対方向から前記弁体を付勢する付勢部材をさらに備える、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項13】
軸に沿って延びる流路を囲う筒状に形成され、
前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間を有し、
前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、
前記流路を流れる流体は、前記複数の隙間を介して前記軸と交差する方向に流れる、
方向変換部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向変換部材、および減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体の流れを利用する種々の製品が知られている。このような製品は、流体の流れ(特に、動圧)を動力として利用する。例えば、特許文献1には、第1管体と第1管体に設けられた開口を介して第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、第1管体の内部に設けられ第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面を有する弁体と、を備えた減圧弁が開示されている。当該減圧弁において、弁体は受圧面に作用する動圧により管体の内部を移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6926295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された減圧弁を踏まえても、流体の動圧の利用に関しては未だに改善の余地がある。例えば、減圧弁の開度により、開口を通過する流体の流れの方向が異なるため、流体の動圧を効率的に利用することができない場合がある。そのため、流体の動圧を効率的に利用することが要望されている。
【0005】
本発明の目的の一つは、流体の動圧を効率的に利用するための方向変換部材、および減圧弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る減圧弁は、外周面に設けられた開口を有する第1管体と、前記開口を介して前記第1管体と接続された第2管体と、を有する本体と、前記第1管体の軸に沿って流れる流体の動圧が作用する受圧面と前記受圧面よりも上流側において前記軸に沿って設けられた方向変換部材とを有し、前記軸に沿って移動可能に前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備えている。
【0007】
前記方向変換部材は、前記軸に沿って設けられ前記受圧面に向けて流体が流れる流路と、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間と、を有し、前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、前記弁体は前記軸に沿って移動し、前記複数の隙間は前記流路と前記第2管体の内部とを連通する。
【0008】
前記方向変換部材は、板状に形成され、前記軸に沿う軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第1部材を有してもよい。前記複数の第1部材は、前記軸方向に形成された第1貫通孔をそれぞれ有してもよい。前記流路は、前記第1貫通孔により形成され、前記複数の隙間は、前記複数の第1部材の間に形成された複数の第1隙間を有してもよい。
【0009】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有してもよい。前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して直交してもよい。
【0010】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有してもよい。前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して傾斜してもよい。
【0011】
前記方向変換部材は、前記軸方向に間隔を置いて並べられ、前記受圧面と前記複数の第1部材との間に設けられた複数の第2部材をさらに有してもよい。前記複数の第2部材は、前記軸方向に形成された第2貫通孔をそれぞれ有してもよい。
【0012】
前記流路は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とにより形成され、前記複数の隙間は、前記複数の第2部材の間に形成された複数の第2隙間をさらに有してもよい。前記複数の第2部材の前記軸方向の長さは、前記複数の第1部材の前記軸方向の長さよりも長くてもよい。
【0013】
前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第2隙間は、前記流路と前記第2管体の内部とを連通してもよい。前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第1隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重ならず、前記複数の第2隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重なってもよい。
【0014】
前記弁体は、前記方向変換部材を挟む一対のガイドをさらに有してもよい。前記軸と直交する方向において、前記一対のガイドは、前記方向変換部材よりも大きくてもよい。前記減圧弁は、第1連通部をさらに備えてもよい。前記弁体は、前記第1管体の内部を前記受圧面側の第1部分と前記第1部分と反対側の第2部分とに隔て、第1連通部は、前記第1部分と前記第2部分とを接続してもよい。
【0015】
前記減圧弁は、前記第2部分と前記第2管体の内部とを接続する第2連通部をさらに備えてもよい。前記減圧弁は、被検出部と前記被検出部を検出する検出部とを有し、前記第1管体の内部における前記弁体の位置を検出するための検出ユニットをさらに備えてもよい。
【0016】
前記検出部は、前記第1管体の外部に設けられ、前記被検出部は、前記弁体に設けられてもよい。前記減圧弁は、前記弁体に対して前記動圧が作用する方向と反対方向から前記弁体を付勢する付勢部材をさらに備えてもよい。
【0017】
本発明の一態様に係る方向変換部材は、軸に沿って延びる流路を囲う筒状に形成され、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間を有し、前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、前記流路を流れる流体は、前記複数の隙間を介して前記軸と交差する方向に流れる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、流体の動圧を効率的に利用するための方向変換部材、および減圧弁を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1実施形態に係る減圧弁の概略的な平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
図3図3は、図2に示す弁体の概略的な部分断面図である。
図4図4は、図2に示す弁体の概略的な正面図である。
図5図5は、図2におけるV部を示す概略的な拡大図である。
図6図6は、図5における開口を第2管体の端部側から見た図である。
図7図7は、第1実施形態に係る減圧弁の弁体の動きを説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態に係る減圧弁の弁体の動きを説明するための図である。
図9図9は、図8における開口を第2管体の端部側から見た図である。
図10図10は、第1実施形態に係る減圧弁の弁体の動きを説明するための図である。
図11図11は、図10における開口を第2管体の端部側から見た図である。
図12図12は、第2実施形態に係る減圧弁が備える弁体の概略的な部分断面図である。
図13図13は、図12に示す弁体の概略的な正面図である。
図14図14は、第3実施形態に係る減圧弁が備える弁体の概略的な部分断面図である。
図15図15は、第4実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
図16図16は、図15におけるXVI部を示す概略的な拡大図である。
図17図17は、図15に示す弁体の概略的な部分断面図である。
図18図18は、図16における開口を第2管体の端部側から見た図である。
図19図19は、第4実施形態に係る減圧弁の弁体の動きを説明するための図である。
図20図20は、図19における開口を第2管体の端部側から見た図である。
図21図21は、第5実施形態に係る減圧弁が備える弁体の概略的な部分断面図である。
図22図22は、第6実施形態に係る減圧弁が備える弁体の概略的な部分断面図である。
図23図23は、連通部の変形例を示す減圧弁の概略的な断面図である。
図24図24は、ガイドの変形例を示すガイドの概略的な断面図である。
図25図25は、ガイドの他の変形例を示すガイドの概略的な断面図である。
図26図26は、ガイドの他の変形例を示すガイドの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のいくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各実施形態においては、減圧弁の一例として流体のうち真水や海水などの液体が流れる流路に設けられる減圧弁および当該減圧弁が備える弁体が有する方向変換部材を開示する。減圧弁は、例えば地面などの設置面に設置される。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る減圧弁1の概略的な平面図である。図2は、第1実施形態に係る減圧弁1の概略的な部分断面図である。図3は、図2に示す弁体30の概略的な部分断面図である。図4は、図2に示す弁体30の概略的な正面図である。図2および図3は、一例として減圧弁1に流体が供給される前である。図1および図2に示す矢印は、流体の流れの方向を示している。
【0022】
図1および図2に示すように、減圧弁1は、本体10と、弁体30と、付勢機構50と、連通部61,62と、検出ユニット80と、を備えている。本体10は、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料で形成されている。
【0023】
本体10は、第1管体11と、第2管体12と、を有している。本体10は、第1管体11と第2管体12とが一体で形成されてもよいし、別部材からなる集合体として形成されてもよい。
【0024】
第1管体11は軸AX1を中心とする円筒状に形成され、第2管体12は軸AX2を中心とする円筒状に形成されている。軸AX1は、軸AX2と交差している。図2に示す例において、軸AX1は、軸AX2と直交している。
【0025】
ここで、図2に示すように、軸AX1に沿う平行な方向を軸方向Dxと定義とする。軸AX1を中心として軸AX1から離れる方向を半径方向Drと定義する。半径方向Drは軸AX1と直交する方向であり、軸AX2に沿う平行な方向が含まれる。さらに、軸AX1を中心とする周方向θを定義する。
【0026】
第1管体11は、軸方向Dxにおいて、端部11aと、端部11aと反対側の端部11bと、を有している。第1管体11は、外周面11cと、内周面11dと、を有している。外周面11cおよび内周面11dは、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0027】
図2に示す例において、端部11a,11b側の内周面11dは、それぞれねじ加工されている。外周面11cには、開口13が設けられている。開口13は、第1管体11を半径方向Drに外周面11cと内周面11dとを貫通している。
【0028】
第2管体12は、開口13を介して第1管体11と接続されている。第2管体12は、開口13と接続された端部と反対側の端部12aを有している。第2管体12の外周面および内周面は、半径方向Drに一様な径で延びている。図2に示す例において、端部12a側の内周面は、ねじ加工されている。
【0029】
端部11a,12aには、接続具が設けられてもよい。接続具は、例えば雌雄の区別のない同一の構造を有し、各接続具に対して着脱自在に接続することができる。減圧弁1は、例えば接続具を介してホースなどと接続することができる。
【0030】
第1管体11の内部110は、第2管体12の内部120と開口13を介して連通されている。第1管体11の内径ID11は、例えば第2管体12の内径ID12とおおよそ等しい。内径ID11,ID12は、例えば20mm~400mmである。
【0031】
開口13は、接続される第2管体12の内径に対応している。開口13の面積は、例えば第2管体12の流路面積とおおよそ等しい。ここで、面積とは、半径方向Drにおいて端部12a側から見たときの面積のことを意味する。流路面積とは、流体の流路である第1管体11の内部110や第2管体12の内部120における流体の流れの方向と直交する断面積である。
【0032】
第1管体11の内部110を流れる流体の流れの方向は、主に軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ向かう方向である。第2管体12の内部120を流れる流体の流れの方向は、半径方向Drにおいて、主に開口13側から端部12a側へ向かう方向である。
【0033】
流入口である端部11aから流入した流体は、第1管体11の内部110から第2管体12の内部120を通過し、流出口である端部12aから外部へ流出する。第1管体11において、端部11aは上流側に位置し、端部11bは下流側に位置している。
【0034】
次に、弁体30について、説明する。弁体30は、開口13の一部を塞ぐことで減圧弁1の開度を調整する。弁体30は、軸方向Dxにおいて軸AX1に沿って移動可能に第1管体11の内部110に設けられている。
【0035】
弁体30は、第1管体11の軸AX1と同軸上に配置されている。以下、弁体30の中心軸を「軸AX1」と呼ぶ。図2および図3に示すように、弁体30は、受圧面311を有する受圧部材31と、方向変換部材40と、一対のガイド71,72と、を有している。弁体30には、被検出部81が設けられている。
【0036】
受圧部材31は、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料、樹脂材料などで形成されている。受圧部材31は、軸AX1を中心とする円板状に形成されている。受圧部材31は、受圧面311と、取付孔31aと、を有している。
【0037】
受圧面311には、第1管体11の内部110を軸AX1に沿って流れる流体の動圧が作用する。図2に示すように、受圧面311は、端部11a側を向いている。受圧面311は軸AX1と交差し、一例として受圧面311は軸AX1と直交している。
【0038】
図2に示すように、弁体30は、軸方向Dxにおいて、第1管体11の内部110を受圧面311側の第1部分111と、第1部分111と反対側の第2部分112と、に隔てている。
【0039】
取付孔31aは、受圧部材31を後述のガイドに取り付けるために使用する。取付孔31aは、軸AX1に沿って形成されている。受圧部材31は、軸方向Dxに一様な外径を有する外周面をさらに有している。外周面は、第1管体11の内周面11dと対向している。
【0040】
図2に示すように、方向変換部材40は、受圧面311よりも上流側である端部11a側において、軸AX1に沿って設けられている。方向変換部材40は、第1管体11の内部110において、第1部分111に位置している。
【0041】
図3に示すように、方向変換部材40は、複数の第1部材41と、複数の第2部材42と、を有している。複数の第1部材41および複数の第2部材42は、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料、樹脂材料などで形成されている。
【0042】
複数の第2部材42は、軸方向Dxにおいて受圧面311と複数の第1部材41との間に設けられている。複数の第1部材41、複数の第2部材42、および受圧部材31は、端部11a側からこの順で並んでいる。他の観点からは、複数の第1部材41は、複数の第2部材42よりも上流側に位置している。
【0043】
複数の第1部材41は、軸方向Dxに間隔を置いて並べられている。複数の第1部材41の間には、例えば図示しないスペーサなどが設けられている。複数の第1部材41は、例えば軸方向Dxに等間隔で並んでいる。複数の第1部材41を構成する第1部材41は、例えば板状に形成されている。図3に示す例において、第1部材41は、軸AX1を中心とする円板状に形成されている。
【0044】
第1部材41は、軸方向Dxにおいて受圧面311側に位置する面411(第1面)と、面411と反対側の面412(第2面)と、軸方向Dxに形成された貫通孔413(第1貫通孔)と、を有している。
【0045】
貫通孔413は、軸方向Dxから見た平面形状が円形状である。貫通孔413は、面411と面412とを貫通している。第1部材41の外周面および内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0046】
面411は、面412と平行な面である。面411,412は、軸AX1と交差し、一例として軸AX1に対して直交している。他の観点からは、面411,412は、受圧面311と平行な面である。複数の第1部材41は、面411と、隣り合う他の第1部材41の面412とが対向して並べられている。
【0047】
複数の第1部材41には、他の第1部材41よりも軸方向Dxの長さが長い第1部材41A,41Bが含まれてもよい。図3に示す例において、第1部材41Aは最も受圧面311側に位置し、第1部材41Bは第1部材41Aと反対側に位置している。第1部材41Aは、例えば第1部材41Bよりも軸方向Dxの長さが長い。第1部材41Aは、第1部材41Bよりも軸方向Dxの長さが短くてもよいし、等しくてもよい。
【0048】
複数の第2部材42は、軸方向Dxに間隔を置いて並べられている。複数の第2部材42の間には、例えば図示しないスペーサなどが設けられている。複数の第2部材42は、例えば軸方向Dxに等間隔で並んでいる。図3に示す例において、複数の第2部材42を構成する第2部材42は、軸AX1を中心とする円筒状に形成されている。
【0049】
第2部材42は、軸方向Dxにおいて受圧面311側に位置する面421と、面421と反対側の面422と、軸方向Dxに形成された貫通孔423(第2貫通孔)と、を有している。貫通孔423は、軸方向Dxから見た平面形状が円形状である。貫通孔423は、面421と面422とを貫通している。第2部材42の外周面および内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0050】
面421は、面422と平行な面である。面421,422は、軸AX1と交差し、一例として軸AX1に対して直交している。他の観点からは、面421,422は、受圧面311と平行な面である。複数の第2部材42は、面421と、隣り合う他の第2部材42の面422とが対向して並べられている。
【0051】
複数の第2部材42のうち、最も受圧面311側に位置する第2部材42Aは、受圧面311から間隔を置いて設けられている。複数の第2部材42のうち、最も複数の第1部材41側に位置する第2部材42Bは、第1部材41Aと接している。
【0052】
図3に示す例において、第2部材42Bは、他の第2部材42よりも軸方向Dxの長さが短い。第2部材42Bは、他の第2部材42よりも軸方向Dxの長さが長くてもよいし、等しくてもよい。
【0053】
方向変換部材40は、複数の第1隙間C41と、複数の第2隙間C42と、流路C43と、をさらに有している。他の観点からは、方向変換部材40は、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42で構成される複数の隙間を有している。複数の隙間は、軸方向Dxに並んでいる。
【0054】
複数の第1隙間C41は、複数の第1部材41の間に形成されている。より具体的には、第1隙間C41は、面411と面412との間に位置している。複数の第2隙間C42は、複数の第2部材42の間に形成されている。
【0055】
より具体的には、第2隙間C42は、面421と面422との間に位置している。さらに、第2隙間C42は、受圧面311と第2部材42Aの面421との間にも形成されている。
【0056】
第1隙間C41および第2隙間C42は、周方向θに延びている。図2および図3に示す例において、第1隙間C41および第2隙間C42は、周方向θの全体にわたり形成されている。
【0057】
流路C43は、第1部分111の流体が受圧面311に向けて流れる流路である。流路C43は、第1部分111に位置している。流路C43は、軸AX1に沿って延びている。流路C43は、軸方向Dxに並ぶ貫通孔413,423により形成されている。複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42は、流路C43の周りに設けられている。
【0058】
他の観点からは、方向変換部材40は、複数の第1部材41および複数の第2部材42により、流路C43を囲う筒状に形成されている。流路C43の流体は、軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ流れる。
【0059】
流路C43を流れる流体は、第1隙間C41および第2隙間C42を流れることで流れの方向が変換される。第1隙間C41および第2隙間C42の流体の流れの方向を矢印A1,A2でそれぞれ示す。流体は、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42に沿って半径方向Drに向けて流れる。
【0060】
次に、第1隙間C41、第2隙間C42、および流路C43について図3を用いて説明する。第1部材41において、内径を内径ID41とし、外径を外径OD41とし、外径OD41と内径ID41との差を長さL41とし、軸方向Dxの長さを長さW41とする。
【0061】
第1隙間C41において、第1隙間C41の軸方向Dxの長さを長さW41aとする。長さW41aは、第1部材41同士の間隔と等しい。長さL41は、第1隙間C41の半径方向Drの長さに相当する。
【0062】
第2部材42において、内径を内径ID42とし、外径を外径OD42とし、外径OD42と内径ID42との差を長さL42とし、軸方向Dxの長さを長さW42とする。第2隙間C42において、第2隙間C42の軸方向Dxの長さを長さW42aとする。長さW42aは、第2部材42同士の間隔と等しい。長さL42は、第2隙間C42の半径方向Drの長さに相当する。
【0063】
外径OD41は、外径OD42とおおよそ等しい。内径ID41は、流路C43の外径に相当する。また、外径OD41,OD42は、受圧部材31の外径とおおよそ等しい。外径OD41は、外径OD42と異なってもよい。内径ID41は、内径ID42と異なってもよい。
【0064】
長さW42は長さW41と異なり、長さW42aは長さW41aと異なっている。一例として、長さW42は長さW41よりも長い(W42>W42)。一例として、長さW42aは、長さW41aよりも短い(W42a<W41a)。
【0065】
内径ID41,ID42は、内径ID11よりも小さい(ID11>ID41,ID42)。例えば、流路C43の流路面積が第1管体11の内部110の流路面積の40%~60%になるように、内径ID41,ID42は設定される。
【0066】
より好ましくは、流路C43の流路面積は、第1管体11の内部110の流路面積の45~55%である。このような範囲において流路C43の流路面積を設定することで、減圧弁1の減圧効果を適切に発揮することができる。
【0067】
第1隙間C41および第2隙間C42において、長さL41,L42は、長さW41a,W42aの4倍以上であることが好ましい。より好ましくは、長さL41,L42は、長さW41a,W42aの5倍以上である。
【0068】
このように第1隙間C41および第2隙間C42を形成することで、方向変換部材40は、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42が形成された方向と同じ方向に流体を流すことができる。より具体的には、方向変換部材40は、流路C43から面411,412,421,422に沿って流体を流すことができる。
【0069】
次に、一対のガイド71,72について、説明する。一対のガイド71,72は、第1管体11の内部110における軸方向Dxの弁体30の移動を補助する。図3に示すように、一対のガイド71,72は、軸方向Dxにおいて、受圧部材31および方向変換部材40を挟んでいる。他の観点からは、一対のガイド71,72は、弁体30の両端に設けられている。
【0070】
一対のガイド71,72は、例えばポリアセタール樹脂(POM)などの樹脂材料でそれぞれ形成されている。ガイド71は第1部材41Bに接続され、ガイド72は受圧部材31に接続されている。
【0071】
ガイド71は、軸AX1を中心とする円筒状に形成されている。ガイド71は、軸方向Dxにおいて、面711と、面711と反対側の面712と、を有している。面711は、端部11a側を向いている。面712は、第1部材41Bの面412と接している。
【0072】
面711は、面712と平行な面である。面711,712は、軸AX1と交差し、一例として軸AX1に対して直交している。ガイド71の外周面および内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。第1部分111を流れる流体は、ガイド71の内部を介して流路C43へ流れる。他の観点からは、ガイド71の内部は、流路C43の一端と接続されている。
【0073】
ガイド72は、軸AX1を中心とする円柱状に形成されている。ガイド72は、軸方向Dxにおいて、面721と、面721と反対側の面722と、を有している。面721は、端部11a側を向いている。面721は、受圧部材31と接している。面721は、面722と平行な面である。面721,722は、軸AX1と交差し、一例として軸AX1に対して直交している。
【0074】
ガイド72は、装着部723を面721側に有するとともに、装着部723よりも外径が大きい拡径部724を面722側に有している。ガイド72は、面722から面721に向けて凹む凹部725をさらに有している。装着部723の外周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。拡径部724の外周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0075】
装着部723の外周面には、被検出部81が設けられている。受圧部材31は、装着部723からの被検出部81の脱落を防止している。被検出部81は、軸AX1を中心とする円筒状に形成されている。被検出部81は、一例として永久磁石である。被検出部81は、円筒状でなくても、例えば複数の永久磁石が装着部723の外周面に配置されてもよい。
【0076】
拡径部724の外周面には、周方向θに形成され、軸AX1に向けて凹む溝が形成されている。当該溝には、OリングRが装着されている。OリングRは、例えば樹脂材料で形成されている。OリングRの一部は、拡径部724の外周面よりも周方向θに沿って突出している。OリングRは、例えば第1管体11の内周面11dと接している。
【0077】
図2に示すように、凹部725には、後述の付勢部材が設けられている。凹部725は、軸方向Dxにおいて面722側から見た平面形状が円形状である。凹部725は、面726を有している。図2に示すように、面726は、端部11b側を向いている。凹部725の内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0078】
ガイド71において、内径を内径ID71とし、外径を外径OD71とする。ガイド72において、拡径部724の外径を外径OD72とする。外径OD71は、外径OD72とおおよそ等しい。
【0079】
外径OD71,OD72は内径ID11よりも小さく、外径OD41,OD42よりも大きい(ID11>OD71,OD72>OD41,OD42)。他の観点からは、半径方向Drにおいて、一対のガイド71,72は、方向変換部材40よりも大きい。
【0080】
半径方向Drにおいて、内周面11dと一対のガイド71,72との間には隙間が形成され、内周面11dと受圧部材31および方向変換部材40との間には隙間が形成されている。弁体30は、軸方向Dxに移動可能であるとともに、周方向θに回転可能である。第1管体11の内部110において、一対のガイド71,72の外周面が内周面11dにそれぞれ接した場合、受圧部材31および方向変換部材40は内周面11dとは接しない。
【0081】
半径方向Drにおいて、内周面11dと一対のガイド71,72との間に形成される隙間の間隔は、内周面11dと受圧部材31および方向変換部材40との間に形成される隙間の間隔よりも小さい。
【0082】
ガイド71、複数の第1部材41、および複数の第2部材42は、複数(例えば、4つ)の固定部材30aにより受圧部材31に固定されている。例えば、固定部材30aは、図4に示す、ガイド71に設けられた取付孔71aに形成されたねじに固定されている。
【0083】
複数の第1部材41、複数の第2部材42、および受圧部材31には、軸方向Dxにおいて取付孔71aに対応する位置に図示しない取付孔がそれぞれ形成されている。固定部材30aは、一例として、ボルトである。受圧部材31は、取付孔31aを介してボルトなどの図示しない固定部材によりガイド72と接続されている。
【0084】
次に、付勢機構50について、説明する。図2に示すように、付勢機構50は、付勢部材51と、ベース52と、閉止部材53と、スペーサ54と、を備えている。
【0085】
付勢部材51は、弁体30の受圧面311に対して動圧が作用する方向と反対方向から弁体30を付勢する。より具体的には、付勢部材51は、軸方向Dxの端部11b側から端部11a側へ面726を付勢する。
【0086】
付勢部材51は、軸方向Dxに沿って第2部分112に設けられており、軸方向Dxに変形する。付勢部材51は、例えばコイルばねである。付勢部材51は、コイルばね以外にもゴムなどの弾性体でもよい。
【0087】
付勢部材51は、軸方向Dxにおいて、面726と接する一端511と、一端511と反対側の他端512と、を有している。一端511および他端512は、一例として、コイルばねの座巻に相当する。
【0088】
ベース52は、軸AX1を中心とする円柱状に形成されている。ベース52は、軸方向Dxにおいて、面521と、面521と反対側の面522と、を有している。図2に示すように、面521は、端部11a側を向いている。ベース52の外周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0089】
ベース52は、面521から面522に向けて凹む凹部523をさらに有している。図2に示すように、凹部523には、付勢部材51が設けられている。凹部523は、軸方向Dxにおいて面521側から見た平面形状が円形状である。
【0090】
凹部523は、面524を有している。図2に示すように、面524は、面726と対向している。凹部523の内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。面524は、付勢部材51の他端512と接している。図2に示すように、付勢部材51は、軸方向Dxにおいて、面726と面524との間に位置している。
【0091】
閉止部材53は、第1管体11の端部11bを閉止している。閉止部材53は、周方向θに回動自在に端部11bに設けられ、端部11bから着脱することができる。閉止部材53は、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料で形成されている。閉止部材53は、軸AX1を中心とする円柱状に形成されている。閉止部材53は、外周面にねじを有している。
【0092】
当該ねじは、端部11b側の内周面11dに加工されたねじに対応する形状である。閉止部材53と内周面11dとの間は、Oリングなどの図示しないシール部材により外部に流体が流出しないようにシールされている。
【0093】
ベース52と閉止部材53との間には、スペーサ54が設けられている。スペーサ54は、軸方向Dxにおけるベース52の面524の位置を調整している。スペーサ54は、一例として、金属材料で形成された複数の平座金で構成される。複数の平座金は、例えば円形状である。
【0094】
スペーサ54の軸方向Dxの長さを長くすると、ベース52は軸方向Dxの端部11b側から端部11a側へ移動する。一方、スペーサ54の軸方向Dxの長さを短くすると、ベース52は軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する。
【0095】
他の観点からは、スペーサ54によりベース52の位置を調整することで、付勢部材51の変形量を調整している。付勢部材51がコイルばねの場合には、変形量は自由長さと圧縮後の長さとの差に相当する。
【0096】
ベース52が軸方向Dxの端部11b側から端部11a側へ移動すると、付勢部材51の変形量は増大する。スペーサ54の軸方向Dxの長さを調整することで、減圧弁1に流体が供給される前における付勢部材51の付勢力を決めることができる。
【0097】
付勢部材51の一端511は凹部725に位置し、他端512は凹部523に位置している。半径方向Drにおいて、一端511は面726に対してずれにくく、他端512は面524に対してずれにくい。付勢部材51の中心軸は、軸AX1に対して傾きにくい。
【0098】
ベース52の外径は、ガイド72の外径OD72とおおよそ等しい。付勢部材51の軸は、軸AX1に対してより傾きにくい。付勢部材51は、面726を安定して付勢することができる。
【0099】
平座金をスペーサ54として用いることで、ベース52の位置の調整が行いやすい。閉止部材53は、第1管体11に着脱自在に設けられているため、端部11bを通じてスペーサ54の調整,交換が行いやすい。
【0100】
次に、連通部61(第1連通部)について、説明する。連通部61は、第1部分111と第2部分112とを接続している。図2に示す例において、連通部61は、第1管体11の外部に設けられている。
【0101】
連通部61を構成する各部材は、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料で形成されている。連通部61は、管部611,612と、バルブ613と、を備えている。バルブ613は、連通部61の流量を調整する。
【0102】
第1管体11には、外周面11cに接続孔61a,61bが形成されている。接続孔61aは、第1管体11の外部と第1部分111とを接続する。接続孔61bは、第1管体11の外部と第2部分112とを接続する。
【0103】
管部611は接続孔61aに接続され、管部612は接続孔61bに接続されている。バルブ613は、管部611と管部612との間に設けられている。管部611,612は、鋼管、エルボなどの管継手、およびユニオンなどにより構成されている。バルブ613は、一例としてニードル弁である。
【0104】
一例として、連通部61の内径は、第1管体11の内径ID11の4分の1以下である。より好ましくは、連通部61の内径は、第1管体11の内径ID11の5分の1以下である。
【0105】
連通部61は、バルブ613を開けることで、第1部分111と第2部分112とを連通する。第1部分111の流体は、接続孔61a、管部611、バルブ613、管部612、接続孔61bの順に第2管体12の内部120へ流れる。
【0106】
減圧弁1に流体が供給されている状態を想定する。減圧弁1に供給された流体は、第1部分111から方向変換部材40を通じて、第2管体12の内部120へ流れる。第1部分111の流体の一部は、連通部61を通じて、第2部分112へ流入する。減圧弁1に流体が供給されると、第1部分111、第2部分112、第2管体12の内部120、および連通部61は流体で満たされる。
【0107】
この場合、弁体30に対して、端部11a側からは第1部分111の流体の動圧と静圧が作用し、端部11b側からは第2部分112の流体の静圧と付勢部材51の付勢力が作用している。第2部分112には連通部61を通じて第1部分111の流体が流れているため、第2部分112の流体の静圧は第1部分111の流体の静圧とおおよそ等しい。
【0108】
第1部分111および第2部分112の流体の静圧は軸方向Dxにおいて双方向から弁体30に作用しているため、静圧は、軸方向Dxの弁体30の移動に影響をほとんど与えない。他の観点からは、第1部分111および第2部分112の流体の静圧は、連通部61によりキャンセルされている。
【0109】
そのため、弁体30は主に第1部分111を流れる流体の動圧により軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動し、付勢部材51の付勢力により軸方向Dxの端部11b側から端部11a側へ移動する。
【0110】
例えば、減圧弁1を流れる流量が増加し第1部分111の流体の動圧が増加すると、弁体30は付勢部材51の付勢力に抗して軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する。
【0111】
次に、連通部62(第2連通部)について、説明する。連通部62は、第2部分112と第2管体12の内部120とを接続している。連通部62は、本体10の外部に設けられている。
【0112】
連通部62を構成する各部材は、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料で形成されている。連通部62は、管部621,622と、バルブ623と、を備えている。バルブ623は、連通部62の流量を調整する。
【0113】
第1管体11には外周面11cに接続孔62aが形成され、第2管体12の外周面には接続孔62bが形成されている。接続孔62aは、第1管体11の外部と第2部分112とを接続する。接続孔62bは、第2管体12の外部と内部120とを接続する。図2に示す例において、接続孔62aは、接続孔61bと対向して設けられている。
【0114】
管部621は接続孔62aに接続され、管部622は接続孔62bに接続されている。バルブ623は、管部621と管部622との間に設けられている。管部621,622は、鋼管、エルボなどの管継手、およびユニオンなどにより構成されている。バルブ623は、一例としてニードル弁である。
【0115】
一例として、連通部62の内径は、第1管体11の内径ID11および第2管体12の内径ID12の4分の1以下である。より好ましくは、連通部62の内径は、第1管体11の内径ID11および第2管体12の内径ID12の5分の1以下である。
【0116】
連通部62は、バルブ623を開けることで、第2部分112と第2管体12の内部120とを連通する。第2部分112の流体は、接続孔62a、管部621、バルブ623、管部622、接続孔62bの順に第2管体12の内部120へ流れる。
【0117】
図1に示すように、第1管体11には、排出孔63が設けられている。排出孔63は、第1管体11の外部と第2部分112とを接続する。第2部分112の液体や気体などの流体は、排出孔63から本体10の外部へ排出される。
【0118】
例えば、連通部61を通じて第1部分111から第2部分112へ液体が流入する場合、第2部分112の気体を排出孔63から外部に排出することで第2部分112を液体で満たすことができる。排出孔63を設置面と反対側(上方側)の外周面11cに設けることで、気体は排出孔63から効率的に排出される。
【0119】
排出孔63は、例えば軸方向Dxにおいて接続孔61b,62aと同じ位置に設けられている。図1に示すように、排出孔63には、排出孔63を閉止するためのバルブ631が設けられている。バルブ631は、一例としてボール弁である。排出孔63には、例えばプラグや逆止弁などが設けられてもよい。
【0120】
次に、検出ユニット80について、説明する。検出ユニット80は、第1管体11の内部110における弁体30の位置を検出する。検出ユニット80は、被検出部81と、被検出部81を検出する検出部82と、を有している。被検出部81については、図3を用いて説明した通りである。
【0121】
検出部82は、第1管体11の外部に設けられている。検出部82は、例えば軸方向Dxに並ぶ、複数のセンサ821により構成されている。複数のセンサ821には、例えば図示しないケーブルがそれぞれ接続されている。
【0122】
複数のセンサ821は、例えば磁気センサである。磁気センサは、接近する永久磁石を検出する。複数のセンサ821を軸方向Dxに並べることで、センサ821に接近した永久磁石の位置から、被検出部81が設けられた弁体30の位置を確認することができる。
【0123】
弁体30の位置からは、例えば、減圧弁1の開度を把握することができる。複数のセンサ821が表示灯をそれぞれ有することで、弁体30の位置を視覚的に確認できるようにしてもよい。
【0124】
第1管体11には、ストッパ91が設けられている。ストッパ91は、減圧弁1に流体が供給される前における軸方向Dxの弁体30の位置を決める。ストッパ91は、軸方向Dxにおいて、端部11aと開口13との間に設けられている。ストッパ91は、例えば第1管体11に着脱自在に設けられている。
【0125】
ストッパ91は、例えば金属材料で形成されている。ストッパ91は、例えば複数(例えば、4つ)の止めねじで構成されている。複数の止めねじは、周方向θに均等に配置されている。ストッパ91を構成する止めねじは、例えば3つ以下であってもよいし、5つ以上でもよい。
【0126】
ストッパ91は、軸AX1に向けて内周面11dよりも突出した突出部91aを有している。弁体30が突出部91aと接触することで、弁体30の移動が制限される。図2に示す例においては、ガイド71が突出部91aに接し、ガイド72が付勢部材51に付勢されている。
【0127】
ガイド71の面711は、突出部91aと対向している。ガイド71がストッパ91に接触することで、軸方向Dxの端部11b側から端部11a側への弁体30の移動が制限されている。
【0128】
図5は、図2におけるV部を示す概略的な拡大図である。図6は、図5における開口13を第2管体12の端部12a側から見た図である。図5および図6は、減圧弁1に流体が供給される前の弁体30と開口13との位置を示している。
【0129】
図6においては、図中左方が端部11a側であり、図中右方が端部11b側である。図6以降では、開口13のうち弁体30により塞がれている部分にドットを付す場合がある。
【0130】
開口13は、軸方向Dxにおいて、端部11a側の一端13aと、端部11b側の他端13bと、を有している。図5に示す例において、受圧部材31の受圧面311は、半径方向Drにおいて、他端13bと重なるように第1管体11の内部110に位置している。
【0131】
弁体30の方向変換部材40は、半径方向Drに開口13と重なっている。より具体的には、複数の第2部材42は開口13と重なり、複数の第1部材41は開口13と重なっていない。
【0132】
他の観点からは、第1管体11に流体が供給される前において、複数の第1隙間C41は半径方向Drに開口13と重ならず、複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13と重なっている。第1管体11に流体が供給される前において、複数の第2隙間C42は、流路C43と第2管体12の内部120とを連通している。方向変換部材40は、開口13の一部を塞ぎ、開口13の全体を塞いでいない。
【0133】
この状態で減圧弁1に流体が供給されると、第1部分111の流体は、方向変換部材40の流路C43を通過し、複数の第2隙間C42から第2管体12の内部120へ流入する。動圧は、軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ弁体30に作用する。動圧は、弁体30の受圧面311、方向変換部材40などに作用する。
【0134】
流路C43を流れる流量が少ない場合、弁体30に作用する動圧は小さい。弁体30に作用する動圧がガイド72の面726に作用する付勢部材51の付勢力より小さい場合、弁体30は軸方向Dxに移動しない。
【0135】
開口13には、方向変換部材40により、塞がれていない部分と、塞がれている部分とが形成される。図5に示す弁体30の位置においては、開口13と複数の第2部材42とが半径方向Drに重なる部分において塞がれている部分が形成され、開口13と複数の第2隙間C42とが半径方向Drに重なる部分において塞がれていない部分が形成されている。
【0136】
流体が流路C43から塞がれていない部分を通過する際の抵抗などの圧力損失によって、流体は減圧される。第2管体12の内部120の流体の圧力は、流路C43を流れる流体の圧力より小さくなる。流路C43の流体と第2管体12の内部120の流体の間には、差圧が発生する。
【0137】
開口13のうち、方向変換部材40により塞がれていない部分の面積を「面積O」とし、方向変換部材40により塞がれている部分の面積を「面積NO」とする。面積NOは図6に示すドットを付した部分に相当し、面積Oは図6に示すドットを付した部分以外の部分に相当する。
【0138】
面積O,NOは、軸方向Dxの弁体30の位置により変化する。より具体的には、面積Oは弁体30が端部11b側へ移動すると拡大し、弁体30が端部11a側へ移動すると縮小する。
【0139】
流体が供給される前において、面積Oは、例えば開口13の全面積の20分の1~10分の1である。流体が供給される前における面積Oは、減圧弁1に供給される流量や必要な圧力損失などにより適宜変更される。例えば第2部材42の長さW42および第2隙間C42の長さW42aにより、流体が供給される前における面積Oを設定することができる。
【0140】
図7および図8は、第1実施形態に係る減圧弁1の弁体30の動きを説明するための図である。図9は、図8における開口13を第2管体12の端部12a側から見た図である。図7および図8は、弁体30が流体の流れの方向(軸方向Dxの端部11a側から端部11b側)へ図5よりも移動した状態を示している。
【0141】
図7に示すように、図5に示した状態から減圧弁1に供給される流量が増加すると、弁体30に作用する動圧が増加し、弁体30が付勢部材51の付勢力に抗して軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する。
【0142】
図7に示す例においては、複数の第1部材41および複数の第2部材42は、半径方向Drに開口13とそれぞれ重なっている。他の観点からは、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13とそれぞれ重なっている。
【0143】
図7に示す弁体30の位置においては、開口13と複数の第1部材41および複数の第2部材42とが半径方向Drに重なる部分において塞がれている部分が形成され、開口13と複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42とが半径方向Drに重なる部分において塞がれていない部分が形成されている。
【0144】
複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42は、流路C43と第2管体の内部120とを連通している。図7に示す弁体30の位置における面積Oは、図5に示す弁体30の位置における面積Oよりも拡大している。
【0145】
そのため、流体が塞がれていない部分を通過する際の圧力損失は、図5および図6に示した場合における圧力損失よりも小さくなる。流体が減圧弁1を通過した際の減圧効果は、図5および図6に示した場合よりも低くなる。
【0146】
図8に示すように、図7に示した状態から減圧弁1に供給される流量が増加すると、弁体30に作用する動圧が増加し、弁体30が付勢部材51の付勢力に抗して軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へさらに移動する。例えば、減圧弁1に供給される流量が最大になると、弁体30は図8に示す位置まで移動する。
【0147】
図8および図9に示す例においては、複数の第1部材41および複数の第2部材42は、半径方向Drに開口13とそれぞれ重なっている。他の観点からは、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13とそれぞれ重なっている。
【0148】
図8に示す弁体30の位置においては、開口13と複数の第1部材41は、すべて開口13と重なっている。他の観点からは、開口13に重なる第1隙間C41の数は、開口13に重なる第2隙間C42よりも多い。軸方向Dxにおいて、開口13と第1隙間C41とが重なる範囲は、開口13と第2隙間C42とが重なる範囲よりも大きい。
【0149】
図8に示す弁体30の位置における面積Oは、図7に示す弁体30の位置における面積Oよりも拡大している。この場合、面積Oは最も大きい。そのため、流体が塞がれていない部分を通過する際の圧力損失は、図7に示した場合における圧力損失よりも小さくなる。流体が減圧弁1を通過した際の減圧効果は、図7に示した場合よりもさらに低くなる。
【0150】
減圧弁1に供給される流量が減少すると、弁体30に作用する動圧が減少し、弁体30が付勢部材51の付勢力により軸方向Dxの端部11b側から端部11a側へ移動する。弁体30が端部11a側に移動することで、面積Oは縮小する。
【0151】
すなわち、減圧弁1は流量が少ないときに高く、流量が増加すると低くなる減圧効果を発揮する。複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42は、軸方向Dxの弁体30の位置に応じて、流路C43と第2管体の内部120とを連通している。減圧弁1は、供給される流量が増加すると端部12aから流出する流量は増加し、減圧弁1に供給される流量が減少すれば端部12aから流出する流量は減少する。
【0152】
図5,7,8に示したように、弁体30が軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する際に、上述の連通部62のバルブ623を開くと、弁体30の移動に合わせて、第2部分112の流体は、連通部62を介して第2管体12の内部120へ流れる。そのため、弁体30は、端部11a側から端部11b側へ移動しやすくなる。
【0153】
図8に示す例において、流量が最大の場合において、ガイド71は、軸方向Dxにおいて端部11aと開口13との間に位置している。そのため、軸方向Dxの弁体30の移動は、流量に関わらず一対のガイド71,72により安定して行われる。
【0154】
図5,7,8に示したように、弁体30が軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する際に、検出部82は、被検出部81の近傍のセンサ821が被検出部81の位置をそれぞれ検出する。弁体30の移動に伴い、被検出部81を検出するセンサ821が軸方向Dxに切り替わることで、軸方向Dxの弁体30の移動を把握することができる。
【0155】
図10は、第1実施形態に係る減圧弁1の弁体30の動きを説明するための図である。図11は、図10における開口13を第2管体12の端部12a側から見た図である。
【0156】
減圧弁1に供給される流量が同じであっても、流量の増加時と減少時とでは、軸方向Dxの弁体30の位置が異なる場合がある。流量の増加時と減少時とで同じ流量に対する弁体30の位置が異なると、面積Oが異なり圧力損失のヒステリシスが生じる場合がある。
【0157】
図10は、一例として、減圧弁1に供給される流量の減少時の流量Fにおける弁体30の位置を示している。減圧弁1に供給される流量の増加時の流量Fにおける弁体30の位置は、例えば図5に示した位置である。
【0158】
図10に示す例において、弁体30は、図5に示した位置よりも軸方向Dxにおいて端部11b側に位置している。図10および図11に示すように、複数の第2部材42は半径方向Drに開口13と重なり、複数の第1部材41は半径方向Drに開口13と重なっていない。他の観点からは、複数の第1隙間C41は半径方向Drに開口13と重ならず、複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13と重なっている。
【0159】
方向変換部材40は、複数の第2部材42が開口13と重なり複数の第1部材41が開口13と重ならない範囲において、面積Oが等しくなるように設定されている。複数の第2部材42が開口13と重なり複数の第1部材41が開口13と重ならない範囲は、複数の第2隙間C42が開口13と重なり、複数の第1隙間C41が重ならない範囲でもよい。
【0160】
図6に示すように、開口13には、4つの第2部材42と、4つの第2隙間C42とが半径方向Drに重なっている。他の観点からは、開口13は、第2部材42および第2隙間C42により複数(例えば、4つ)に分割されている。
【0161】
方向変換部材40において、複数の第2隙間C42は、開口13の大きさに対応する範囲において、軸方向Dxに等間隔で設けられている。図6および図11に示すように、複数の第2部材42が開口13と重なり複数の第1部材41が開口13と重ならない範囲において、第2隙間C42は、開口13と軸方向Dxに等間隔に重なっている。
【0162】
複数の第2部材42が開口13と重なり複数の第1部材41が開口13と重ならない範囲において、弁体30の位置が異なっても、面積Oをおおよそ等しくすることができる。図6図11を比較すると、面積Oはおおよそ等しく、面積NOはおおよそ等しい。
【0163】
そのため、流量の増加時と減少時において同じ流量に対する弁体30の位置が異なる場合であっても、圧力損失のヒステリシスが生じにくく、同じ流量に対する減圧弁1の減圧効果をおおよそ等しくすることができる。
【0164】
第2部材42の長さW42と第2隙間C42の長さW42aとの割合は、開口13の全面積と減圧弁1に流体が供給される前における面積Oとの割合と等しくなるように設定されている。
【0165】
例えば、減圧弁1に流体が供給される前における面積Oを開口13の全面積の10分の1にする場合、第2隙間C42の長さW42aは、第2隙間C42の長さW42aと第2部材42の長さW42との合計の長さの10分の1である。
【0166】
第2部材42の長さW42を小さくし、第2隙間C42をより多く設けることで、方向変換部材40は、複数の第2部材42が開口13と重なり複数の第1部材41が開口13と重ならない範囲における面積Oを精度よく設定することができる。
【0167】
以上のように構成された第1実施形態の減圧弁1は、方向変換部材40を有している。図5および図6に示すように、方向変換部材40は、流路C43と第2管体12の内部120とを連通している。より具体的には、複数の第2隙間C42は、流路C43と第2管体12の内部120とを連通している。
【0168】
そのため、減圧弁1に流体が供給されると、弁体30が移動する前においても、第1部分111から流路C43を介して第2管体12の内部120へ流体が流れる。例えば、減圧弁1に供給される一次側の流体の圧力が一定であり流量が変動する場合、減圧弁1に流体が供給されると、弁体30には、流路C43の流体の動圧が作用する。
【0169】
流路C43の流量が増加すると、弁体30に作用する動圧は増加する。弁体30に作用する動圧の増加に伴い、弁体30は付勢部材51の付勢力に抗して、軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する。
【0170】
図7乃至図9を用いて説明した通り、弁体30が軸方向Dxにおいて端部11b側へ移動すると、面積Oが拡大する。これにより、流体が塞がれていない部分を通過する際の圧力損失は小さくなり、流体が減圧弁1を通過した際の減圧効果は低くなる。
【0171】
弁体30の設けられた方向変換部材40は、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42を有している。複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42から第2管体12の内部へ流体が流れると、流体の流れの方向が変換される。
【0172】
流路C43の流体は、第1部分111から軸方向Dxに沿って流れる。方向変換部材40は、複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42により流体の流れの方向を変換している。
【0173】
この際、複数の第1部材41および複数の第2部材42には、流体の動圧が作用している。流体の流れの方向が変化する際には、流体の軸方向Dxの運動量が変化する。流体の軸方向Dxの運動量が変化することにより、弁体30に作用する動圧の大きさが変化する。
【0174】
方向変換部材40は、軸方向Dxに複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42を有するため、軸方向Dxの弁体30の位置に関わらず、第2管体12の内部120へ向けて流れの方向を変換することができる。方向変換部材40により流れの方向を変換することで、流れの方向が不統一なことによるロスを少なくし、動圧を弁体30の移動のための動力として効率的に利用することができる。
【0175】
複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42を通過する流体は、面411,412,421,422に沿って流れる。他の観点は、方向変換部材40は、面411,412,421,422により流体の流れを整流する。
【0176】
同じ流量であっても、弁体30に作用する動圧の大きさは、軸AX1に対する面411,412,421,422の角度により異なる。そのため、軸AX1に対する面411,412,421,422の角度が軸方向Dxの弁体30の移動に影響する。
【0177】
第1実施形態においては、第1隙間C41は軸AX1に対して直交する面411と面412との間に形成され、第2隙間C42は軸AX1に対して直交する面421と面422との間に形成されている。
【0178】
複数の第1隙間C41および複数の第2隙間C42における流体の流れの方向は、半径方向Dr(軸AX1に対して、90度)である。複数の第1隙間C41および第2隙間C42を流れる流体は、軸方向Dxの運動量を有していない。
【0179】
他の観点からは、方向変換部材40は、複数の第1隙間C41および第2隙間C42により流路C43の流体を軸方向Dxの運動量が0にして、第2管体12の内部120へ流すことができる。方向変換部材40により、流体の動圧を軸方向Dxの端部11a側から端部11b側への弁体30の移動のための動力として効率的に利用することができる。
【0180】
方向変換部材40を有する弁体30を備える減圧弁1であれば、流量に対する弁体30の応答性が向上するため、弁体30の移動を調整し、減圧弁1の減圧効果をより確実に発揮することができる。
【0181】
方向変換部材40において、複数の第2部材42は、受圧面311と複数の第1部材41との間に設けられている。図10および図11を用いて説明した通り、複数の第2部材42を設けることにより、流量の増加時と減少時において同じ流量に対する弁体30の位置が異なる場合であっても、圧力損失のヒステリシスが生じにくく、減圧弁1の流量に応じた減圧効果を確実に発揮することができる。
【0182】
弁体30は、一対のガイド71,72を有している。図3を用いて説明した通り、半径方向Drにおいて、一対のガイド71,72は、方向変換部材40よりも大きい。そのため、弁体30が軸方向Dxに移動する際において、弁体30の軸は、第1管体11の軸AX1に対して傾きにくい。
【0183】
他の観点からは、弁体30の軸は、第1管体11の軸AX1に対して傾斜しにくい。弁体30の軸は、第1管体11の軸AX1に対してほぼ平行な状態で第1管体11の内部110を軸方向Dxに移動することができる。一対のガイド71,72により、弁体30の摺動性は向上する。
【0184】
減圧弁1には、連通部61が設けられている。減圧弁1が連通部61を備えることで、第1部分111の流体の静圧は、軸方向Dxの弁体30の移動に影響をほとんど与えない。弁体30は、主に第1部分111の流体の動圧により軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する。
【0185】
そのため、第1部分111の流体の動圧に対して付勢部材51の付勢力を調整することで、第1部分111と第2管体12の内部120との間には大きな差圧が発生する。第1部分111の流体の動圧に対して付勢部材51の付勢力を設定するため、付勢部材51の付勢力は、連通部61を設けない場合と比較して小さくできる。
【0186】
さらに、軸方向Dxの弁体30の移動は、第1部分111を流れる流体の動圧に対して付勢部材51の付勢力により調整することができるため、連通部61を設けない場合と比較して、弁体30の調整が行いやすい。
【0187】
連通部61はバルブ613を有するため、バルブ613により連通部61の流量を調整することで、弁体30に作用する動圧の影響を調整することができる。さらに、ガイド72の外周面にOリングRを設けることで、第1管体11の内部110において第1部分111と第2部分112との間の流体の流れを制限し、流量に対する減圧効果を向上させることができる。
【0188】
減圧弁1には、連通部62が設けられている。例えば、弁体30が軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動する際に、第2部分112の流体が連通部61を通じて第1部分111に流れるだけでなく、バルブ623を開くと連通部62を通じて第2管体12の内部120へ流すことができる。
【0189】
連通部62を通じて第2管体12の内部120に流体が流れることで、弁体30が軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動しやすくなる。他の観点からは、減圧弁1の供給される流量が同じ場合、バルブ623を開くことで減圧弁1の開度は増加する。つまり、バルブ623により軸方向Dxの弁体30の移動を調整することで、減圧弁1の開度を調整することができる。
【0190】
弁体30の移動を付勢部材51の付勢力だけでなくバルブ623により調整することで、減圧弁1の開度の調整がより行いやすくなる。減圧弁1は、検出ユニット80を備えている。検出部82により弁体30の位置を減圧弁1の外部から検出することで、減圧弁1の開度の確認を行うことができる。
【0191】
第1実施形態によれば、流体の動圧を効率的に利用するための方向変換部材40、および減圧弁1を提供することができる。減圧弁1は、電気的制御を使用しないため構造がシンプルであり、使用方法も簡便である。減圧弁1は、本体10の交換などにより構造を大きく変更することなく使用現場に適した減圧効果を発揮できる。
【0192】
減圧弁1は、方向変換部材40によって流体が供給される前における面積Oを変更することで、減圧弁1の減圧効果を変更することができる。例えば、流体が供給される前における面積Oを小さくすることで、低流量時における圧力損失をより大きくすることができる。
【0193】
例えば、流体が供給される前における面積Oを小さくすることで低流量時における圧力損失を大きく設定し、流量の増加時と減少時における圧力損失のヒステリシスを生じさせてもよい。流体が供給される前における面積Oの大きさにより、減圧弁1は、流量の増加時における圧力損失の大きさを調整することができる。
【0194】
流量の増加時と減少時における圧力損失のヒステリシスは、軸方向Dxにおける複数の第1部材41および複数の第2部材42が設けられる範囲によって調整することができる。減圧弁1は、方向変換部材40の複数の第1部材41および複数の第2部材42によって減圧弁1に生じる圧力損失を調整し、減圧弁1に生じる圧力損失のヒステリシスを利用することもできる。以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な作用が得られる。
【0195】
次に、他の実施形態および変形例について説明する。なお、以下に述べる他の実施形態および変形例において、上述した第1実施形態と同様の構成要素には、第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0196】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る減圧弁1が備える弁体30の概略的な部分断面図である。図13は、図12に示す弁体30の概略的な正面図である。第2実施形態の減圧弁1は、方向変換部材40が第1実施形態と相違する。
【0197】
図12に示すように、弁体30は、受圧部材31、方向変換部材40、および一対のガイド71,72を有している。弁体30には、被検出部81が設けられている。方向変換部材40は、複数の第1部材41と、複数の第2部材42と、を有している。
【0198】
複数の第1部材41は、軸方向Dxに間隔を置いて並べられている。複数の第1部材41は、例えば3Dプリンタなどを用いた3次元造形により一体に形成されている。複数の第1部材41の間には、例えば図13に示す複数のスペーサS1がそれぞれ形成されている。複数のスペーサS1は、例えば4つであるが、3つ以下であってもよいし、5つ以上でもよい。
【0199】
複数のスペーサS1は、周方向θにおいて、均等に設けられている。スペーサS1は、半径方向Drにおいて、軸AX1から外部に向かうに従い周方向θの長さが長くなっている。このような形状であれば、スペーサS1の強度を確保した上で、第1隙間C41を通過する流体の流れを妨げにくい。
【0200】
第1部材41は、例えば板状に形成されている。図12に示す例において、第1部材41は、軸AX1を中心とする円錐台状に形成されている。第1部材41は、軸方向Dxにおいて受圧面311側に位置する面411と、面411と反対側の面412と、軸方向Dxに形成された貫通孔413と、を有している。
【0201】
面411は、面412と平行な面である。面411,412は、軸AX1に対して傾斜している。面411,412は、受圧面311と交差する方向に延びている。より具体的には、面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い、軸AX1から遠ざかるように傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて、受圧面311に向かう従い径が大きくなっている。
【0202】
半径方向Drと平行な面に対する面411,412の角度θ41は、0~90度の範囲において、流量および付勢部材51の付勢力などにより適宜変更される。角度θ41は、一例として、arctan(1/5)(≒11.3度)である。他の観点からは、長さL41と第1隙間C41の長さW41aとの比は、5:1である。
【0203】
他の例としては、角度θ41は、arctan(1/4)(≒14度)である。他の観点からは、長さL41と第1隙間C41の長さW41aとの比は、4:1ある。上述のような角度θ41をそれぞれ設定した場合には、半径方向Drの一方側から複数の第1部材41を見ると、軸AX1を挟んだ半径方向Drの他方側を見通すことができない。
【0204】
複数の第1部材41は、面411と、隣り合う他の第1部材41の面412とが対向して並べられている。複数の第1部材41には、他の第1部材41と形状の異なる第1部材41A,41Bが含まれてもよい。第1部材41A,41Bは、軸方向Dxにおいて複数の第1部材41の両端に位置している。
【0205】
第1部材41Aは、面412と、面412と反対側の面414と、を有している。面414は、軸AX1に直交する面であり、第2部材42Bと接している。第1部材41Bは、面411と、面411と反対側の面415と、を有している。面415は、軸AX1に直交する面であり、ガイド71の面712と接している。
【0206】
方向変換部材40は、複数の第1隙間C41と、複数の第2隙間C42と、流路C43と、を有している。複数の第1隙間C41および第2隙間C42は、軸方向Dxに並んでいる。複数の第1隙間C41は、複数の第1部材41の間に形成されている。より具体的には、第1隙間C41は、面411と面412との間に位置している。
【0207】
図12に示す例において、長さW42は長さW41と異なり、長さW42aは長さW41aと異なっている。一例として、長さW42は長さW41よりも長い。一例として、長さW42aは、長さW41aよりも短い。
【0208】
第2実施形態においては、ガイド71は、固定部材30bにより第1部材41Bに固定されている。例えば、固定部材30bは、図13に示す取付孔71aに挿入されている。複数の第1部材41および複数の第2部材42は、複数の固定部材30cにより受圧部材31に固定されている。
【0209】
第2実施形態の減圧弁1の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第2実施形態の減圧弁1であれば、面411,412は、軸AX1と交差している。より具体的には、面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い軸AX1から遠ざかるように傾斜している。
【0210】
このような場合、複数の第1隙間C41の流体の流れの方向は、矢印A1で示すように、軸方向Dxに対して傾斜した方向である。複数の第1隙間C41の流れの方向は、矢印A2で示す、複数の第2隙間C42の流れの方向とは異なっている。複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxの運動量を有している。
【0211】
より具体的には、複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxにおいてガイド71側からガイド72側に向かう方向の運動量を有している。当該方向は、第1管体11の内部110において、端部11a側から端部11b側に向かう方向に相当する。
【0212】
このような場合、第1管体11の内部110において、弁体30に作用する動圧の大きさは、第1実施形態と比較して小さくなる。そのため、第1実施形態と比較して、弁体30は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、端部11b側から端部11a側へ移動しやすく、端部11a側から端部11b側へ移動しにくくなる。第1実施形態と比較して、減圧弁1の開度に応じて、弁体30に作用する動圧は変化している。弁体30の位置に応じて、軸方向Dxの弁体30の移動速度は異なる。
【0213】
第2実施形態においては、第1実施形態と比較して、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、同じ流量に対して弁体30を軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動させにくく、減圧弁1の開度は減少する。すなわち、同じ流量に対して、減圧弁1は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、減圧効果を小さくすることができる。
【0214】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図14は、第3実施形態に係る減圧弁1が備える弁体30の概略的な部分断面図である。第3実施形態の減圧弁1は、方向変換部材40が第2実施形態と相違する。
【0215】
図14に示すように、面411,412は、軸AX1に対して傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い、軸AX1に近づくように傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて、受圧面311に向かう従い径が小さくなっている。他の観点からは、面411,412は、第2実施形態とは反対向きに軸AX1に対して傾斜している。
【0216】
半径方向Drと平行な面に対する面411,412の角度θ42は、0~90度の範囲において、流量および付勢部材51の付勢力などにより適宜変更される。角度θ42は、一例として、arctan(1/5)(≒11.3度)である。
【0217】
他の例としては、角度θ42は、arctan(1/4)(≒14度)である。上述のような角度θ42をそれぞれ設定した場合には、半径方向Drの一方側から複数の第1部材41を見ると、軸AX1を挟んだ半径方向Drの他方側を見通すことができない。
【0218】
複数の第1部材41には、他の第1部材41と形状の異なる第1部材41A,41Bが含まれてもよい。第1部材41A,41Bは、軸方向Dxにおいて複数の第1部材41の両端に位置している。
【0219】
第1部材41Aは、面412と、面412と反対側の面414と、を有している。面414は、軸AX1に直交する面であり、第2部材42Bと接している。第1部材41Bは、面411と、面411と反対側の面415と、を有している。面415は、軸AX1に直交する面であり、ガイド71の面712と接している。
【0220】
図14に示す例において、長さW42は長さW41と異なり、長さW42aは長さW41aと異なっている。一例として、長さW42は長さW41よりも長い。一例として、長さW42aは、長さW41aよりも短い。
【0221】
第3実施形態の減圧弁1の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。第3実施形態の減圧弁1であれば、面411,412は、軸AX1と交差している。より具体的には、面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い軸AX1に近づくように傾斜している。
【0222】
このような場合、複数の第1隙間C41の流体の流れの方向は、矢印A1で示すように、軸方向Dxに対して傾斜した方向である。複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxの運動量を有している。
【0223】
より具体的には、複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxにおいてガイド72側からガイド71側に向かう方向の運動量を有している。当該方向は、第1管体11の内部110において、端部11b側から端部11a側に向かう方向に相当する。
【0224】
このような場合、第1管体11の内部110において、弁体30に作用する動圧の大きさは、第1実施形態と比較して大きくなる。そのため、第1実施形態と比較して、弁体30は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、端部11a側から端部11b側へ移動しやすく、端部11b側から端部11a側へ移動しにくくなる。
【0225】
第3実施形態においては、第1実施形態と比較して、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、同じ流量に対して弁体30を軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動させやすく、減圧弁1の開度は増加する。すなわち、同じ流量に対して、減圧弁1は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、減圧効果を大きくすることができる。
【0226】
第2実施形態および第3実施形態において説明したように、方向変換部材40は、複数の第1部材41の軸AX1に対する角度に応じて、方向変換部材40が設けられた弁体30に作用する動圧の大きさを増加させたり、減少させたりすることができる。
【0227】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図15は、第4実施形態に係る減圧弁1の概略的な部分断面図である。図16は、図15におけるXVI部を示す概略的な拡大図である。図17は、図15に示す弁体30の概略的な部分断面図である。図18は、図16における開口13を第2管体12の端部12a側から見た図である。
【0228】
第4実施形態の減圧弁1は、本体10および弁体30が上述の各実施形態と相違する。図15に示すように、減圧弁1は、本体10、弁体30、付勢機構50、連通部61,62、および検出ユニット80を備えている。
【0229】
図18に示すように、外周面11cに設けられた開口13は、長方形状である。図18に示す例において、開口13は正方形である。第2管体12は、例えば開口13の形状に合わせ、断面形状が長方形状の管である。第1管体11は、第2管体12と同様に、断面形状が長方形状の管でもよい。
【0230】
図17に示すように、弁体30は、受圧部材31、方向変換部材40、および一対のガイド71,72を有している。弁体30には、被検出部81が設けられている。方向変換部材40は、複数の第1部材41と、複数の第2部材42と、第3部材43と、を有している。第4実施形態において、第2部材42は、第1部材41と同様の形状を有している。
【0231】
第3部材43は、第1部材41および第2部材42と同種の金属材料で形成されている。第3部材43は、軸方向Dxにおいて複数の第1部材41と複数の第2部材42との間に設けられている。複数の第1部材41、第3部材43、複数の第2部材42、および受圧部材31は、端部11a側からこの順で並んでいる。
【0232】
第3部材43は、軸AX1を中心とする円筒状に形成されている。第3部材43は、軸方向Dxにおいて受圧面311側に位置する面431と、面431と反対側の面432と、軸方向Dxに形成された貫通孔433と、を有している。
【0233】
貫通孔433は、軸方向Dxから見た平面形状が円形状である。貫通孔433は、面431と面432とを貫通している。面431は、面432と平行な面である。面431,432は、軸AX1と交差し、一例として軸AX1に対して直交している。他の観点からは、面431,432は、受圧面311と平行な面である。第3部材43の外周面および内周面は、軸方向Dxに一様な径で延びている。
【0234】
第3部材43は、面431が第2部材42と間隔を置くように位置している。面432は、第1部材41Aの面411と接している。面431と第2部材42の面422との間に形成される隙間は、第2隙間C42に含まれる。流路C43は、軸方向Dxに並ぶ貫通孔413,433,423,により軸AX1に沿って延びるように形成されている。
【0235】
第3部材43の軸方向Dxの長さW43は、第1部材41の軸方向Dxの長さW41および第2部材42の軸方向Dxの長さW42よりも長い(W43>W41,W42)。第3部材43の外径OD43は、第1部材41の外径OD41および第2部材42の外径OD42とおおよそ等しい。
【0236】
第3部材43の内径ID43は、第1部材41の内径ID41および第2部材42の内径ID42とおおよそ等しい。長さW42aは、例えば長さW41aとおおよそ等しい。長さW42aは、長さW41aと異なってもよい。
【0237】
弁体30は軸方向Dxの長さが上述の各実施形態とおおよそ等しい。上述の各実施形態と比較して、方向変換部材40の軸方向Dxの長さは短く、ガイド71,72の軸方向Dxの長さは長い。
【0238】
例えば、拡径部724の軸方向Dxの長さは長くなっている。それに伴い、凹部725の長さは、長くなっている。図15および図16に示すように、凹部725には、付勢部材51の軸方向Dxの長さを調整するためのスペーサ55がさらに設けられてもよい。
【0239】
スペーサ55は、例えばガイド71,72と同種の樹脂材料で形成されている。スペーサ55は、軸AX1を中心とする円柱状に形成されている。付勢部材51は、スペーサ55を介して面726を付勢している。
【0240】
図16および図18に示す例において、弁体30は、半径方向Drにおいて、開口13と重なっている。第3部材43の面431は、半径方向Drにおいて、一端13aと重なるように第1管体11の内部110に位置している。
【0241】
半径方向Drにおいて、開口13は、複数の第2部材42、受圧部材31、およびガイド72と重なり、複数の第1部材41および第3部材43とは重なっていない。他の観点からは、第1管体11に流体が供給される前において、複数の第1隙間C41は半径方向Drに開口13と重ならず、複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13と重なっている。
【0242】
第1管体11に流体が供給される前において、複数の第2隙間C42は、流路C43と第2管体12の内部120とを連通している。開口13には、弁体30により、塞がれていない部分と、塞がれている部分とが形成されている。
【0243】
開口13の一部は、方向変換部材40、受圧部材31、およびガイド72により塞がれている。この状態で減圧弁1に流体が供給されると、第1部分111の流体は、方向変換部材40の流路C43を通過し、複数の第2隙間C42から第2管体12の内部120へ流入する。
【0244】
図19は、第4実施形態に係る減圧弁1の弁体30の動きを説明するための図である。図20は、図19における開口13を第2管体の端部12a側から見た図である。
【0245】
図10および図11を用いて説明した通り、減圧弁1に供給される流量が同じであっても、減圧弁1に供給される流量の増加時と減少時では、弁体30の軸方向Dxにおける位置が異なる場合がある。
【0246】
図19は、一例として、減圧弁1に供給される流量の減少時の流量Fにおける弁体30の位置を示している。減圧弁1に供給される流量の増加時の流量Fにおける弁体30の位置は、例えば、図16に示した位置である。
【0247】
図19に示す例において、弁体30は、図16に示した位置よりも軸方向Dxにおいて端部11b側に位置している。複数の第2部材42および第3部材43は半径方向Drに開口13と重なり、複数の第1部材41は半径方向Drに開口13と重なっていない。他の観点からは、複数の第1隙間C41は半径方向Drに開口13と重ならず、複数の第2隙間C42は半径方向Drに開口13と重なっている。
【0248】
図18においては、3つの第2部材42と4つの第2隙間C42とが半径方向Drに開口13と重なり、図20においては、3つの第2部材42と4つの第2隙間C42と第3部材43とが半径方向Drに開口13と重なっている。
【0249】
図20に示すように、第3部材43は複数の第1部材41と複数の第2部材42との間に設けられているため、流量Fにおける流量の増加時と減少時における弁体30の位置の軸方向Dxにおける差に対応する範囲で第3部材43が半径方向Drに開口13と重なっている。図20においては、第3部材43が開口13の塞がれている部分を形成している。
【0250】
開口13は、長方形状である。図18および図20に破線で示すように開口13が円形状の場合と異なり、軸方向Dxにおける第2隙間C42の位置に関わらず、開口13と第2隙間C42の各々とが重なる面積は変わらない。
【0251】
複数の第2部材42と第3部材43とが半径方向Drに開口13と重なる範囲において、流量の減少時における流量Fでの面積Oは、流量の増加時における流量Fの面積Oと等しくなる。
【0252】
すなわち、開口13を長方形状に形成し、方向変換部材40に第3部材43を設けることで、複数の第2部材42と第3部材43とが開口13と重なる範囲において、面積Oを等しくすることができる。流量に対する弁体30の位置に応じて、第3部材43の長さW43は適宜変更される。
【0253】
流量の増加時と減少時において同じ流量に対する弁体30の位置が異なる場合であっても、圧力損失のヒステリシスが生じにくく、同じ流量に対する減圧弁1の減圧効果を確実に発揮することができる。
【0254】
第4実施形態の減圧弁1の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0255】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。図21は、第5実施形態に係る減圧弁1が備える弁体30の概略的な部分断面図である。第5実施形態の減圧弁1は、方向変換部材40が第4実施形態と相違する。
【0256】
図21に示すように、方向変換部材40が有する複数の第1部材41は、図12を用いて説明した複数の第1部材41と同様の形状である。より具体的には、面411,412は、軸AX1に対して傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い、軸AX1から遠ざかるように傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて、受圧面311に向かう従い径が大きくなっている。
【0257】
第5実施形態の減圧弁1の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。第5実施形態の減圧弁1において、複数の第1隙間C41の流体の流れの方向は、矢印A1で示すように、軸方向Dxに対して傾斜した方向である。複数の第1隙間C41の流れの方向は、矢印A2で示す、複数の第2隙間C42の流れの方向とは異なっている。
【0258】
複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxにおいてガイド71側からガイド72側に向かう方向の運動量を有している。当該方向は、第1管体11の内部110において、端部11a側から端部11b側に向かう方向に相当する。
【0259】
このような場合、第1管体11の内部110において、弁体30に作用する動圧の大きさは、第4実施形態と比較して小さくなる。そのため、第4実施形態と比較して、弁体30は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、端部11b側から端部11a側へ移動しやすく、端部11a側から端部11b側へ移動しにくくなる。
【0260】
第5実施形態においては、第4実施形態と比較して、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、同じ流量に対して弁体30を軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動させにくく、減圧弁1の開度は減少する。すなわち、同じ流量に対して、減圧弁1は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、減圧効果を小さくすることができる。
【0261】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。図22は、第6実施形態に係る減圧弁1が備える弁体30の概略的な部分断面図である。第6実施形態の減圧弁1は、方向変換部材40が第5実施形態と相違する。
【0262】
図22に示すように、方向変換部材40が有する複数の第1部材41は、図14を用いて説明した複数の第1部材41と同様の形状である。より具体的には、面411,412は、軸AX1に対して傾斜している。
【0263】
面411,412は、軸方向Dxにおいて受圧面311に向かうに従い、軸AX1に近づくように傾斜している。面411,412は、軸方向Dxにおいて、受圧面311に向かう従い径が小さくなっている。他の観点からは、面411,412は、第5実施形態とは反対向きに軸AX1に対して傾斜している。
【0264】
第6実施形態の減圧弁1の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。第6実施形態の減圧弁1において、複数の第1隙間C41の流体の流れの方向は、矢印A1で示すように、軸方向Dxに対して傾斜した方向である。
【0265】
複数の第1隙間C41を流れる流体は、軸方向Dxにおいてガイド72側からガイド71側に向かう方向の運動量を有している。当該方向は、第1管体11の内部110において、端部11b側から端部11a側に向かう方向に相当する。
【0266】
このような場合、第1管体11の内部110において、弁体30に作用する動圧の大きさは、第4実施形態と比較して大きくなる。そのため、第4実施形態と比較して、弁体30は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、端部11a側から端部11b側へ移動しやすく、端部11b側から端部11a側へ移動しにくくなる。
【0267】
第6実施形態においては、第4実施形態と比較して、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、同じ流量に対して弁体30を軸方向Dxの端部11a側から端部11b側へ移動させやすく、減圧弁1の開度は増加する。すなわち、同じ流量に対して、減圧弁1は、複数の第1部材41が開口13と半径方向Drに重なる範囲において、減圧効果を大きくすることができる。
【0268】
以上の通り、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を各実施形態で開示した構成に限定するものではない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能である。これらの実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0269】
上述の各実施形態に係る減圧弁1の構成は、それぞれ一例にすぎない。まず、連通部61について、以下に変形例を示す。図23は、連通部61の変形例を示す減圧弁1の概略的な断面図である。
【0270】
図23に示す例において、連通部61は、第1管体11の内部に設けられている。連通部61は、軸AX1に沿って弁体30に形成されている。連通部61は、受圧部材31に形成された貫通孔とガイド72に形成された貫通孔とにより構成されている。連通部61が弁体30に形成されることで、連通部61は弁体30とともに軸方向Dxを移動する。
【0271】
次に、ガイド71について、以下に変形例を示す。図24乃至図26は、ガイド71の変形例を示すガイド71の概略的な断面図である。図24乃至図26においては、面712側に方向変換部材40が設けられる。
【0272】
図24に示すように、ガイド71の内周面713は、軸方向Dxにおいて面712側に向かうに従い内径が大きくなるように、中心軸に向けて凸である湾曲した形状でもよい。図25に示すように、ガイド71の内周面713は、軸方向Dxにおいて面712側に向かうに従い内径が大きくなるテーパ状に形成されてもよい。
【0273】
図26に示すように、ガイド71の内周面713は、内径の異なる複数(例えば、2つ)の部分を有するように形成されてもよい。例えば、内周面713のうち、流路C43の径と等しい内周面713aと、内周面713aよりも径の大きい内周面713bと、を有している。内周面713aは、面712側に設けられている。
【0274】
図24乃至図26を用いて説明したガイド71の形状であれば、流体がガイド71を通過する際の圧力損失を小さくすることができる。これらの変形例は、上述の各実施形態に適用することができる。
【0275】
なお、第1管体11の内径ID11が第2管体12の内径ID12と等しい場合について説明したが、第1管体11の内径ID11は第2管体12の内径ID12と異なってもよい。第1管体11が複数(例えば、2つ)の開口を有し、各開口に第2管体12が接続されてもよい。
【0276】
なお、第1隙間C41および第2隙間C42は、例えば周方向θにおいて少なくとも開口13を含む範囲に形成されてもよい。この場合、弁体30は、周方向θの回転が制限されていることが好ましい。なお、第2部材42の軸方向Dxの長さW42は第1部材41の軸方向Dxの長さW41よりも短くてもよいし、等しくてもよい。なお、第2隙間C42の軸方向Dxの長さW42aは、第1隙間C41の軸方向Dxの長さW41aよりも長くてもよいし、等しくてもよい。
【0277】
なお、複数の第1隙間C41の軸方向Dxの長さW41aはそれぞれ異なってもよいし、複数の第2隙間C42の軸方向Dxの長さW42aはそれぞれ異なってもよい。例えば、流量が少ない場合に開口13と半径方向Drに重なる範囲において長さを小さくし、流量が多い場合に開口13と半径方向Drに重なる範囲において長さを長くしてもよい。
【0278】
なお、半径方向Drと平行な面に対する面411,412の角度θ41,θ42は、軸方向Dxの位置に応じて異なってもよい。面411,412だけでなく、面421,422も軸AX1に対して傾斜してもよい。
【0279】
複数の第1部材41が一体形成されている場合、複数の第1部材を着脱自在とすることで、複数の用途を兼用した減圧弁1を提供することができる。より具体的には、第1部材41A,41Bの軸方向Dxにおける位置を変更することで、面411,412が軸AX1に対して直角な場合と比較して、弁体30に作用する動圧が大きい場合と小さい場合とを兼用することができる。減圧弁1の設置状況などに応じて、適切な減圧効果を発揮する減圧弁1を選択することができる。
【0280】
なお、受圧部材31は、ガイド72と一体で形成されてもよい。他の観点からは、ガイド72が受圧面311を有してもよい。この場合、方向変換部材40は、ガイド72に設けられる。
【0281】
なお、ストッパ91は、複数の止めねじ以外にも、第1管体11の内部に設けられたリングなどでもよい。なお、減圧弁1を構成する部材については金属材料で形成される例を開示したが、樹脂材料で形成されてもよい。
【0282】
各実施形態においては、減圧弁1の一例として真水や海水などの液体が流れる流路に設けられる減圧弁を開示したが、各実施形態に係る減圧弁1と同様の構造は、ガスなどの気体や液体と気体が混ざりあった混相流が流れる流路にも適用できる。
【0283】
減圧弁1は、他種のホース敷設ラインなどに用いられる媒介金具として適用できる。減圧弁1は、例えば海水利用型消防水利システム、自動調圧装置付き消防ポンプ車、石油備蓄基地大容量泡消火システム、原子力施設における代替注水ライン、IOT/AIなどによる自動送水制御ライン、およびその他流体移送自動制御ラインなどに適用できる。
【0284】
方向変換部材40は、一例として減圧弁1の弁体30に設けられる例を開示したが、方向変換部材40と同様の構造は、他の用途にも適用することができる。方向変換部材40を適用することで流体の流れを変換し、方向変換部材40が設けられた対象物に作用する動圧の大きさを変更することができる。
【0285】
方向変換部材40は、流体の動圧を動力として利用する場合、例えば船に設けられた舵、プロペラ、ジェット機エンジン、ロケットエンジンの推進部材などに適用することができる。方向変換部材40は、用途に応じて適宜形状を変更することができる。例えば、方向変換部材40は、流れの方向をから見た平面形状が例えば長方形状でもよい。
【符号の説明】
【0286】
1…減圧弁、10…本体、11…第1管体、12…第2管体、13…開口、120…第2管体12の内部、30…弁体、31…受圧部材、311…受圧面、40…方向変換部材、C41…第1隙間、C42…第2隙間、C43…流路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2022-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に設けられた開口を有する第1管体と、前記開口を介して前記第1管体と接続された第2管体と、を有する本体と、
前記第1管体の軸に沿って流れる流体の動圧が作用する受圧面と前記受圧面よりも上流側において前記軸に沿って設けられた方向変換部材とを有し、前記軸に沿って移動可能に前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備え、
前記方向変換部材は、前記軸に沿って設けられ前記受圧面に向けて流体が流れる流路と、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられた複数の隙間と、を有し、
前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、
前記弁体は前記軸に沿って移動し、前記複数の隙間は前記流路と前記第2管体の内部とを連通する、
減圧弁。
【請求項2】
前記方向変換部材は、板状に形成され、前記軸に沿う軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第1部材を有し、
前記複数の第1部材は、前記軸方向に形成された第1貫通孔をそれぞれ有し、
前記流路は、前記第1貫通孔により形成され、
前記複数の隙間は、前記複数の第1部材の間に形成された複数の第1隙間を有している、
請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有し、
前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、
前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、
前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して直交している、
請求項2に記載の減圧弁。
【請求項4】
前記複数の第1部材は、前記軸方向において前記受圧面側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、をそれぞれ有し、
前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、
前記複数の第1隙間の各々は、前記第1面と前記第2面との間に位置し、
前記第1面および前記第2面は、前記軸に対して傾斜している、
請求項2に記載の減圧弁。
【請求項5】
前記方向変換部材は、前記軸方向に間隔を置いて並べられ、前記受圧面と前記複数の第1部材との間に設けられた複数の第2部材をさらに有し、
前記複数の第2部材は、前記軸方向に形成された第2貫通孔をそれぞれ有し、
前記流路は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とにより形成され、
前記複数の隙間は、前記複数の第2部材の間に形成された複数の第2隙間をさらに有し、
前記複数の第2部材の前記軸方向の長さは、前記複数の第1部材の前記軸方向の長さよりも長い、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項6】
前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第2隙間は、前記流路と前記第2管体の内部とを連通している、
請求項5に記載の減圧弁。
【請求項7】
前記第1管体に流体が供給される前において、前記複数の第1隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重ならず、前記複数の第2隙間は前記軸と直交する方向に前記開口と重なっている、
請求項6に記載の減圧弁。
【請求項8】
前記弁体は、前記方向変換部材を挟む一対のガイドをさらに有し、
前記軸と直交する方向において、前記一対のガイドは、前記方向変換部材よりも大きい、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項9】
第1連通部をさらに備え、
前記弁体は、前記第1管体の内部を前記受圧面側の第1部分と前記第1部分と反対側の第2部分とに隔て、
第1連通部は、前記第1部分と前記第2部分とを接続する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項10】
前記第2部分と前記第2管体の内部とを接続する第2連通部をさらに備える、
請求項9に記載の減圧弁。
【請求項11】
被検出部と前記被検出部を検出する検出部とを有し、前記第1管体の内部における前記弁体の位置を検出するための検出ユニットをさらに備え、
前記検出部は、前記第1管体の外部に設けられ、
前記被検出部は、前記弁体に設けられている、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項12】
前記弁体に対して前記動圧が作用する方向と反対方向から前記弁体を付勢する付勢部材をさらに備える、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の減圧弁。
【請求項13】
軸に沿う軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第1部材と、前記複数の第1部材と並ぶとともに前記軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第2部材と、を有し、
前記複数の第2部材の前記軸方向の長さは、前記複数の第1部材の前記軸方向の長さと異なり、
前記複数の第1部材は、前記軸方向に形成された第1貫通孔をそれぞれ有し、
前記複数の第2部材は、前記軸方向に形成された第2貫通孔をそれぞれ有し、
前記第1貫通孔および前記第2貫通孔によって、前記軸に沿って延びる流路が形成され、
前記複数の第1部材の間に形成された複数の第1隙間と、前記複数の第2部材の間に形成された複数の第2隙間と、を有する複数の隙間が形成され、
前記複数の隙間は、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられ、
記流路を流れる流体は、前記複数の隙間を介して前記軸と交差する方向に流れる、
方向変換部材。
【請求項14】
軸に沿う軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第1部材と、前記複数の第1部材と並ぶとともに前記軸方向に間隔を置いて並べられた複数の第2部材と、を有し、
前記複数の第1部材は、前記軸方向において一方側に位置する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記軸方向に前記第1面と前記第2面とを貫通する第1貫通孔と、をそれぞれ有し、
前記複数の第2部材は、前記軸方向において一方側に位置する第3面と、前記第3面と反対側の第4面と、前記軸方向に前記第3面と前記第4面とを貫通する第2貫通孔と、をそれぞれ有し、
前記第1面および前記第2面の前記軸に対する角度は、前記第3面および前記第4面の前記軸に対する角度と異なり、
前記複数の第1部材は、前記第1面と前記第2面とが対向して並べられ、
前記複数の第2部材は、前記第3面と前記第4面とが対向して並べられ、
前記第1貫通孔および前記第2貫通孔によって、前記軸に沿って延びる流路が形成され、
前記複数の第1部材の間に形成された複数の第1隙間と、前記複数の第2部材の間に形成された複数の第2隙間と、を有する複数の隙間が形成され、
前記複数の隙間は、前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられ、
前記流路を流れる流体は、前記複数の隙間を介して前記軸と交差する方向に流れる、
方向変換部材。
【請求項15】
軸に沿って延びる流路を囲う筒状に形成され、
前記軸を中心とする周方向に延び前記流路の周りに設けられ、複数の第1隙間と、複数の第2隙間と、を有する複数の隙間を有し、
前記複数の隙間は、前記軸に沿って並び、
前記複数の第1隙間の間隔は、前記複数の第2隙間の間隔と異なり、
前記流路を流れる流体は、前記複数の隙間を介して前記軸と交差する方向に流れる、
方向変換部材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
長さW42は長さW41と異なり、長さW42aは長さW41aと異なっている。一例として、長さW42は長さW41よりも長い(W42>W4)。一例として、長さW42aは、長さW41aよりも短い(W42a<W41a)。