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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073701
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】カーテンウォール
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20230519BHJP
   E04B 1/684 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
E04B2/96
E04B1/684 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186319
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 豊
(72)【発明者】
【氏名】城戸 博樹
【テーマコード(参考)】
2E001
2E002
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001FA04
2E001GA67
2E002NB02
2E002NC04
2E002PA01
2E002QA08
2E002QB04
2E002QC05
2E002RB01
2E002SA02
2E002UB04
(57)【要約】
【課題】止水性を確保しつつ、ユニット間の縦目地の幅寸法を小さくできるユニット式のカーテンウォールを提供する。
【解決手段】カーテンウォールユニット10A、10Bは、左右方向に対向する第1縦枠40、第2縦枠50を備える。第1縦枠40は、第1本体部41、第1室外突出片42、第1室内突出片43を備え、第2縦枠50は、第2本体部51、レインバリアを有する第2室外突出片52、ウィンドバリアを有する第2室内突出片53を備える。上枠20A、20Bの第2縦枠50側の端部は、第2本体部51の上面を覆う室外側上面被覆部221A、221Bと、室外側上面被覆部221A、221Bよりも第1本体部41側に突出されて、第2室外突出片52および第2室内突出片53の上面間を覆う室内側上面被覆部222A、222Bとを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向および上下方向にカーテンウォールユニットを並べて設置して構成されるカーテンウォールであって、
前記カーテンウォールユニットは、上枠、下枠、第1縦枠および第2縦枠を有する枠体を備えて構成され、
左右に配置される2つのカーテンウォールユニットの一方のカーテンウォールユニットの第1縦枠と、他方のカーテンウォールユニットの第2縦枠とは左右方向に対向して配置され、
前記第1縦枠は、見込み方向に沿った第1本体部と、前記第1本体部の見込み面から前記第2縦枠側に突出する第1室外突出片および第1室内突出片とを備え、
前記第2縦枠は、見込み方向に沿った第2本体部と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室外突出片の室外側に配置される第2室外突出片と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室内突出片の室内側に配置される第2室内突出片とを備え、
前記第2室外突出片には、前記第1室外突出片に当接するタイト材が取り付けられ、
前記第2室内突出片には、前記第2室内突出片に当接するタイト材が取り付けられ、
前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の突出寸法は、前記第1本体部および前記第2本体部間の間隔寸法の半分以上の寸法とされ、
前記他方のカーテンウォールユニットの上枠の前記第2縦枠側の端部は、
少なくとも前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の上面間を覆う室内側上面被覆部と、
前記室内側上面被覆部の室外側に設けられて前記第2本体部の上面を覆う室外側上面被覆部と、を備え、
前記室内側上面被覆部は、前記室外側上面被覆部よりも前記第1本体部側に突出されている
ことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項2】
請求項1に記載のカーテンウォールにおいて、
前記他方のカーテンウォールユニットの上枠は、上枠本体部と、前記上枠本体部の上面から突出する室外突条および室内突条とを備え、
前記室外突条および前記室内突条には、前記上枠の上方に配置される他のカーテンウォールユニットの下枠に当接するタイト材がそれぞれ取り付けられ、
前記室外突条および前記室内突条の前記第2縦枠側の端縁位置は、前記室内側上面被覆部の端縁位置と一致する
ことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカーテンウォールにおいて、
前記一方のカーテンウォールユニットの上枠の前記第1縦枠側の端部は、
前記室外側上面被覆部の端面に対向する室外側上面被覆部と、
前記室内側上面被覆部の端面に対向する室内側上面被覆部とを備え、
前記第1縦枠および前記第2縦枠間の目地の左右方向の中心軸から前記各室外側上面被覆部の端面までの寸法は同一である
ことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のカーテンウォールにおいて、
前記第1本体部および前記第2本体部には、前記枠体内に保持される面材の左右の端縁を保持する面材保持枠材が固定されている
ことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項5】
請求項4に記載のカーテンウォールにおいて、
前記第1本体部および前記第2本体部は、見込み方向に沿って直線状に形成された板状部材で構成され、
前記板状部材の内周面はフラットな平面とされている
ことを特徴とするカーテンウォール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁面を構成するカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
工場生産されたユニットを、上下方向及び左右方向に並べて建物躯体に取り付け、隣接するユニットの横枠同士、縦枠同士を凹凸嵌合によって気密に接合するユニット式のカーテンウォールが知られている(特許文献1参照)。
このカーテンウォールでは、左右に配置される2つのユニットにおいて、対向配置される左右の縦枠のうち、一方の縦枠が受け側(雌側)、他方の縦枠が差し込み側(雄側)とされ、受け側の縦枠には先端にタイト材を備えた一対の受け入れ張り出しフィンが形成され、差し込み側の縦枠には一対の差し込み張り出しフィンが形成されている。また、左右の縦枠に対して上枠は横通しで取り付けられている。
このようなカーテンウォールでは、上枠の左右両端の小口断面形状が対称となるように、左右の縦枠の平断面形状もほぼ対称となるように形成されている。すなわち、差し込み張り出しフィンの基端側は、見込み方向の位置および左右方向の突出寸法が受け入れ張り出しフィンと同一となるように構成され、差し込み張り出しフィンの先端側がクランク状に形成されて受け入れ張り出しフィン間に配置されるように構成されている。したがって、ユニットの左右方向における受け入れ張り出しフィンの先端位置、つまりタイト材の配置位置は、左右の縦枠間の目地中心位置よりも受け側の縦枠側に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-303703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カーテンウォールでは、地震や強風時の層間変位追従性が求められ、一方の縦枠のフィンの先端と、他方の縦枠との間には、ユニットが左右に変位した際に互いに当接しないように隙間を確保する必要がある。このため、縦枠間の目地を小さくすることが難しかった。
【0005】
本発明の目的は、止水性を確保しつつ、ユニット間の縦目地の幅寸法を小さくできるユニット式のカーテンウォールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカーテンウォールは、左右方向および上下方向にカーテンウォールユニットを並べて設置して構成されるカーテンウォールであって、前記カーテンウォールユニットは、上枠、下枠、第1縦枠および第2縦枠を有する枠体を備えて構成され、左右に配置される2つのカーテンウォールユニットの一方のカーテンウォールユニットの第1縦枠と、他方のカーテンウォールユニットの第2縦枠とは左右方向に対向して配置され、前記第1縦枠は、見込み方向に沿った第1本体部と、前記第1本体部の見込み面から前記第2縦枠側に突出する第1室外突出片および第1室内突出片とを備え、前記第2縦枠は、見込み方向に沿った第2本体部と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室外突出片の室外側に配置される第2室外突出片と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室内突出片の室内側に配置される第2室内突出片とを備え、前記第2室外突出片には、前記第1室外突出片に当接するタイト材が取り付けられ、前記第2室内突出片には、前記第2室内突出片に当接するタイト材が取り付けられ、前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の突出寸法は、前記第1本体部および前記第2本体部間の間隔寸法の半分以上の寸法とされ、前記他方のカーテンウォールユニットの上枠の前記第2縦枠側の端部は、少なくとも前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の上面間を覆う室内側上面被覆部と、前記室内側上面被覆部の室外側に設けられて前記第2本体部の上面を覆う室外側上面被覆部と、を備え、前記室内側上面被覆部は、前記室外側上面被覆部よりも前記第1本体部側に突出されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のカーテンウォールによれば、他方のカーテンウォールユニットの上枠の第2縦枠側の端部に設けた室内側上面被覆部によって、第2室外突出片および第2室内突出片の上面間を覆うため、第2室外突出片および第2室内突出片に設けた各タイト材が露出しないので止水性を向上できる。
また、第2室外突出片および第2室内突出片の突出寸法を、第1本体部および第2本体部間の間隔寸法の半分以上の寸法に設定しているので、各タイト材を目地の幅方向中心位置に設けることができ、層間変位用の隙間を確保しつつ、ユニット間の縦目地の幅寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るカーテンウォールを示す外観図である。
図2図1のA-A線に沿った平断面図である。
図3図1のB-B線に沿った縦断面図である。
図4図1のC-C線に沿った縦断面図である。
図5】カーテンウォールユニットの上枠および下枠を示す縦断面図である。
図6】カーテンウォールユニットの上枠および下枠を示す縦断面図である。
図7】カーテンウォールユニットの第1縦枠および第2縦枠を示す平断面図である。
図8】カーテンウォールの要部を示す分解斜視図である。
図9】カーテンウォールの要部を示す平面図である。
図10】カーテンウォールの要部を示す斜視図である。
図11】変形例のカーテンウォールの要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のカーテンウォール1は、ビル等の建物2の外壁面を構成する。建物2は、図2から図4にも示すように、柱3と、柱3間に固定された梁4と、梁4で支持される床スラブ5とを備えている。床スラブ5の下部には吊り天井6が設置され、床スラブ5の上部には床7が設置されている。カーテンウォール1は、図1に示すように、2種類のカーテンウォールユニット10A、10Bが上下左右に交互に並設されて構成されており、建物2の屋内外を仕切っている。
以下の説明において、カーテンウォール1の左右方向をX軸方向とし、カーテンウォール1の屋内外方向(見込み方向)をY軸方向とし、鉛直方向(上下方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
カーテンウォールユニット10Aは、図1および図3に示すように、アルミ押出形材によって形成された上枠20A、下枠30A、左右の第1縦枠40、第2縦枠50を有した枠体11Aと、第1縦枠40および第2縦枠50の内周面にそれぞれ取り付けられた面材保持枠材60と、パネル70とを備えている。
カーテンウォールユニット10Bは、図1および図4に示すように、アルミ押出形材によって形成された上枠20B、下枠30B、左右の第1縦枠40、第2縦枠50を有した枠体11Bと、第1縦枠40および第2縦枠50の内周面にそれぞれ取り付けられた面材保持枠材60と、パネル70とを備えている。
パネル70は、図5から図7にも示すように、複層ガラスパネルによって構成され、パネル70の上端縁および下端縁は、上枠20A、20Bおよび下枠30A、30Bに保持され、パネル70の左右の両端縁は、面材保持枠材60に保持されている。
【0011】
本実施形態のカーテンウォール1で構成される外壁面は、図3および図4に示すように、全体として上階に向かうにしたがって外側に傾斜されている。さらに、建物2のファサードは、パネル70が出入り方向に屈折したデザインとされている。
本実施形態では、上枠20Aは、見込み寸法が第1縦枠40、第2縦枠50に比べて約半分程度と小さく、上枠20Bは、見込み寸法が各縦枠40、50と略同等とされている。また、下枠30Aは、見込み寸法が各縦枠40、50と略同等とされ、下枠30Bは、見込み寸法が各縦枠40、50の約半分とされている。
このため、図3に示すように、カーテンウォールユニット10Aでは、上枠20Aの見込み寸法に比べて下枠30Aの見込み寸法が大きく、パネル70の鉛直方向に対する傾斜角度は、第1縦枠40、第2縦枠50の室外面の傾斜角度に比べて小さくされている。
また、図4に示すように、カーテンウォールユニット10Bでは、上枠20Bの見込み寸法に比べて下枠30Bの見込み寸法が小さく、パネル70の鉛直方向に対する傾斜角度は、第1縦枠40、第2縦枠50の室外面の傾斜角度に比べて大きくされている。
このため、図2の平断面図に示すように、左右方向においては、カーテンウォールユニット10Aのパネル70の上端側は、カーテンウォールユニット10Bのパネル70の上端側よりも屋内側に位置する。一方、カーテンウォールユニット10Aのパネル70の下端側は、カーテンウォールユニット10Bのパネル70の下端側よりも屋外側に位置する。
したがって、建物2のファサードは、上下方向および左右方向において、パネル70が同一平面上には配置されておらず、出入り方向つまり見込み方向に屈折したデザインとなっている。
なお、カーテンウォールユニット10A,10Bの建物躯体への固定構造は、各縦枠40、50の上端側を、ファスナー8やブラケット9などを介して梁4に固定する一般的な固定構造であるため説明を省略する。
【0012】
[上枠]
次に、カーテンウォールユニット10A、10Bの上枠20A、20Bについて、図5および図6を参照して説明する。
カーテンウォールユニット10Aの上枠20Aは、図5に示すように、上枠本体部21Aと、上枠本体部21Aから突出する室外突条22Aおよび室内突条23Aと、上枠本体部21Aから室外側に延出された延出片24Aと、延出片24Aの室外側端部から下方に延出されたパネル保持片25Aとを備えている。
上枠本体部21Aは、上面211A、下面212A、室外面213A、室内面214Aによって中空状に形成されている。下面212Aの室内側には段部が形成され、この段部には、上枠本体部21Aにネジ留めされる断面L字状の金具81によって、耐火ボード80が保持されている。
上枠本体部21Aの中空部内には、複数のビスホールが形成されている。これらのビスホールの左右の端面は、第1縦枠40および第2縦枠50の側面に当接され、上枠20Aは、第1縦枠40、第2縦枠50からビスホールに螺合されるネジで第1縦枠40、第2縦枠50に連結されている。
室外面213Aおよびパネル保持片25Aには、それぞれグレイジングガスケット216、217が固定され、これらのグレイジングガスケット216、217間に複層ガラスであるパネル70が保持されている。なお、室外面213Aおよびパネル保持片25Aは、カーテンウォールユニット10Aに配置されるパネル70の傾斜角度に合わせて、鉛直方向に対して傾斜されている。
【0013】
室外突条22Aの上端室内面にはタイト材であるレインバリア26が取り付けられ、室内突条23Aの上端室外面にはタイト材であるウィンドバリア27が取り付けられている。
また、上面211A、室外突条22A、室内突条23Aで区画される溝部には、端部部材28が取り付けられている。端部部材28は、断面略コ字状とされた短尺のアルミ押出形材であり、前記溝部の左右両端部にそれぞれ1つずつ配置され、上面211Aにネジ止めされている。
【0014】
カーテンウォールユニット10Bの上枠20Bは、図6に示すように、上枠本体部21Bと、上枠本体部21Bから突出する室外突条22Bおよび室内突条23Bと、上枠本体部21Bから室外側に延出された延出片24Bと、延出片24Bの室外側端部から下方に延出されたパネル保持片25Bとを備えている。
上枠本体部21Bは、上面211B、下面212B、室外面213B、室内面214B、2つの仕切片215Bによって3つの中空部を備える形状とされている。下面212Bの室内側には、上枠20Bと同じく段部が形成され、金具81によって耐火ボード80が保持されている。
上枠本体部21Bの中空部内には、複数のビスホールが形成されている。これらのビスホールの左右の端面は、第1縦枠40および第2縦枠50の側面に当接され、上枠20Bは、第1縦枠40、第2縦枠50からビスホールに螺合されるネジで第1縦枠40、第2縦枠50に連結されている。
室外面213Bおよびパネル保持片25Bには、パネル70を保持するグレイジングガスケット216、217が取り付けられている。なお、室外面213Bおよびパネル保持片25Bは、カーテンウォールユニット10Bに配置されるパネル70の傾斜角度に合わせて、鉛直方向に対して傾斜されている。
【0015】
室外突条22Bおよび室内突条23Bには、レインバリア26、ウィンドバリア27が取り付けられている。また、上面211B、室外突条22B、室内突条23Bで区画される溝部の左右両端部には、端部部材28が取り付けられている。
【0016】
[下枠]
次に、カーテンウォールユニット10A、10Bの下枠30A、30Bについて、図5および図6を参照して説明する。
下枠30Aは、図6に示すように、下枠本体31Aと、押縁32と、換気装置35とを備えている。
下枠本体31Aは、複数の中空部を備えて形成され、この中空部内に形成されたビスホールに第1縦枠40、第2縦枠50からネジを螺合することで、第1縦枠40、第2縦枠50の側面に固定されている。
また、下枠本体31Aは、上枠20Bの室外突条22B、室内突条23B間に挿入される中空状の挿入部311Aを備える。挿入部311Aは、レインバリア26、ウィンドバリア27が当接される当接面を有し、これにより下枠30Aおよび上枠20B間の止水性が確保されている。
【0017】
押縁32は、下枠本体31Aの室外側端部に着脱可能に取り付けられている。押縁32にはグレイジングガスケット217が取り付けられ、下枠本体31Aの室外面には内部スペーサー218が取り付けられ、グレイジングガスケット216および内部スペーサー218でパネル70を保持している。また、内部スペーサー218の上面側にはシーリング材219が充填され、パネル70と下枠本体31Aとの間をシールしている。
【0018】
換気装置35は、下枠本体31Aに開閉可能に取り付けられた換気蓋351を備える。下枠30Aには、換気用の開口352、353が形成されている。そして、換気蓋351を開くと、図6に示す経路355を介して、外気を室内側に導入でき、換気蓋351を閉めると、前記経路355が塞がれて、外気導入を遮断することができる。
【0019】
下枠30Bは、図5に示すように、下枠本体31Bと、押縁32とを備えている。なお、下枠30Bは、下枠30Aに比べて見込み寸法が小さいため、換気装置は設けられていない。
下枠本体31Bは、2つの中空部を備えて形成され、この中空部内に形成されたビスホールに第1縦枠40、第2縦枠50からネジを螺合することで、第1縦枠40、第2縦枠50の側面に固定されている。
また、下枠本体31Bは、上枠20Aの室外突条22A、室内突条23A間に挿入される中空状の挿入部311Bを備える。挿入部311Bは、レインバリア26、ウィンドバリア27に当接し、これにより下枠30Bおよび上枠20A間の止水性が確保されている。
【0020】
押縁32は、下枠本体31Bの室外側端部に着脱可能に取り付けられている。押縁32にはグレイジングガスケット217が取り付けられ、下枠本体31Bの室外面には内部スペーサー218が取り付けられ、グレイジングガスケット217および内部スペーサー218でパネル70を保持している。また、内部スペーサー218の上面側にはシーリング材219が充填され、パネル70と下枠本体31Bとの間をシールしている。
【0021】
[第1縦枠]
第1縦枠40は、図7および図8に示すように、カーテンウォールユニット10A、10Bで同一の構成であり、見込み方向に沿った第1本体部41と、第1本体部41の外周面411から第2縦枠50側に突出する第1室外突出片42および第1室内突出片43とを備える。
第1本体部41は、見込み方向(Y軸方向)に沿って直線状に形成された板状部材で構成され、第1本体部41の内周面412はフラットな平面とされている。なお、外周面411および内周面412は、第1本体部41の見込み方向に沿った面であり、外周面411は左右方向に配置される他のカーテンウォールユニット10A、10Bとの目地に沿った面であり、内周面412は枠体11A、11Bの内側つまりパネル70が配置される側の面である。第2縦枠50においても同一である。
第1縦枠40の外周面411の室外端部および室内端部には、第2縦枠50側に突出する室外突片44、室内突片45が形成され、室外突片44の室内側にはジョイント保持片46、47が形成されている。
【0022】
[第2縦枠]
第2縦枠50は、図7に示すように、カーテンウォールユニット10A、10Bで同一の構成であり、見込み方向に沿った第2本体部51と、第2本体部51の外周面511から第1縦枠40側に突出する第2室外突出片52および第2室内突出片53とを備える。
第2本体部51は、見込み方向(Y軸方向)に沿って直線状に形成された板状部材で構成され、第2本体部51の内周面512はフラットな平面とされている。
第2縦枠50の外周面511の室外端部および室内端部には、第1縦枠40側に突出する室外突片54、室内突片55が形成され、室外突片54の室内側にはジョイント保持片56、57が形成されている。
【0023】
第2室外突出片52の先端室内側にはタイト材であるレインバリア521が取り付けられ、第2室内突出片53の先端室外側にはタイト材であるウィンドバリア531が取り付けられている。
本実施形態では、第2室外突出片52および第2室内突出片53のX軸方向の突出寸法L1は、第1本体部41および第2本体部51間の寸法、つまり第1縦枠40および第2縦枠50間の目地の幅寸法L(X軸方向の寸法)の半分以上とされている。具体的には、レインバリア521、ウィンドバリア531の左右方向(X軸方向)の位置が、目地の中心線CL上となるように第2室外突出片52、第2室内突出片53の突出寸法が設定されている。
第1縦枠40の第1室外突出片42、第1室内突出片43は、平面視でX軸方向に沿って直線状に形成され、その突出寸法L2はL/2より長くされ、本実施形態ではL1よりも長くされている。このため、L>L2>L1>L/2とされている。
第1室外突出片42、第1室内突出片43は、第2室外突出片52および第2室内突出片53の間に挿入され、レインバリア521、ウィンドバリア531に当接している。これにより、カーテンウォール1は、レインバリア521およびウィンドバリア531間に外気圧と等圧の空間を有するオープンジョイント工法のカーテンウォールである。
【0024】
第1縦枠40および第2縦枠50間の目地部分において、室外突片44、54とジョイント保持片46、56との間は、ゴンドラガイドを案内するレール部分として利用される。また、ジョイント保持片46、47、56、57間には、カーテンウォールユニット10A、10Bをジョイントするジョイント材が取り付けられる。
【0025】
なお、図5および図8に示すように、上枠20Aの延出片24Aは、上枠20Aの上面211Aよりも高さ位置が低くされ、上枠20Bの上面211Bに対しても高さ位置が低くされている。このため、図8にも示すように、上枠20Aが取り付けられる第2縦枠50、第1縦枠40の上端面は、延出片24Aに対応する位置が一段低くされている。
【0026】
[面材保持枠材]
第1縦枠40、第2縦枠50の内周面412、512には、パネル70の左右の端縁を保持する面材保持枠材60が固定されている。
カーテンウォールユニット10Aでは、面材保持枠材60は、図3に示すように、上枠20Aおよび下枠30A間に保持されるパネル70の左右の端縁を保持するため、上端側が下端側よりも室外側となるように傾斜配置されている。具体的には、面材保持枠材60の上端側のY軸方向の位置は、図5に示すように、上枠20Aのパネル保持片25A、室外面213Aに対応する位置とされている。面材保持枠材60の下端側のY軸方向の位置は、図6に示すように、下枠本体31Aの室外面および押縁32に対応する位置とされている。
カーテンウォールユニット10Bでは、面材保持枠材60は、図4に示すように、上枠20Bおよび下枠30B間に保持されるパネル70の左右の端縁を保持するため、上端側が下端側よりも室内側となるように傾斜配置されている。具体的には、面材保持枠材60の上端側のY軸方向の位置は、図6に示すように、上枠20Bのパネル保持片25B、室外面213Bに対応する位置とされている。面材保持枠材60の下端側のY軸方向の位置は、図5に示すように、下枠本体31Bの室外面および押縁32に対応する位置とされている。
【0027】
面材保持枠材60は、図7に示すように、枠本体61と、押縁62とを備えている。なお、図7は、カーテンウォールユニット10A、10Bの上端部に近い位置の平断面図であるため、カーテンウォールユニット10Aでは、面材保持枠材60およびパネル70は、第1本体部41、第2本体部51の見込み方向中間位置、具体的には第1室外突出片42や第2室外突出片52に近い位置に配置されている。また、カーテンウォールユニット10Bでは、面材保持枠材60およびパネル70は、第1本体部41、第2本体部51の先端部側に配置されている。この点で、カーテンウォールユニット10A、10Bの下端部に近い位置の平断面図である図2と相違する。
枠本体61は、第1本体部41、第2本体部51に六角ボルトおよびネジで固定される固定片611と、固定片611の室内側に連続して形成される中空状の保持片部612とを備えた断面略L字状の長尺部材である。
押縁62は、固定片611に着脱自在に取り付けられた断面略L字状の長尺部材である。押縁62にはグレイジングガスケット63が取り付けられ、保持片部612には内部スペーサー64が取り付けられている。パネル70は、グレイジングガスケット63および内部スペーサー64間に保持されている。また、内部スペーサー64の内側にはシーリング材65が充填されている。
【0028】
[上枠および縦枠の接合部の納まり]
上枠20A、20Bは、第1縦枠40、第2縦枠50の内周面412、512の上端部部に固定され、上枠20A、20Bの上面211A、211Bおよび延出片24A、24Bの左右両端は第1縦枠40、第2縦枠50の上端を覆うように延長されている。
すなわち、図9に示すように、上枠20A、20Bの第2縦枠50側の端部は、第2室外突出片52よりも室外側に配置されて第2本体部51の上面を覆う室外側上面被覆部221A、221Bと、第2室外突出片52および第2室内突出片53の上面間を覆う室内側上面被覆部222A、222Bとを備える。このため、室内側上面被覆部222A、222Bは、室外側上面被覆部221A、221Bよりも第1本体部41側に突出して形成されている。
したがって、室内側上面被覆部222A、222Bは、少なくとも第2室外突出片52および第2室内突出片53の上面間を被覆し、室外側上面被覆部221A、221Bは、室内側上面被覆部222A、222Bの室外側に設けられて第2本体部51の上面を被覆する。そして、室内側上面被覆部222A、222Bは、室外側上面被覆部221A、221Bよりも第1本体部41側に突出されている。
なお、上枠20A、20Bにおいて、室内側上面被覆部222A、222Bの突出寸法(X軸方向の寸法)と、見込み寸法(Y軸方向の寸法)は同一であるが、室外側上面被覆部221A、221Bの見込み寸法は上枠20A、20Bの見込み寸法に対応するため相違する。すなわち、室外側上面被覆部221Bは、第2縦枠50の室外側端部近くの位置まで設けられている。一方、室外側上面被覆部221Aは、第2縦枠50の見込み方向の中間位置まで設けられている。このため、室外側上面被覆部221Aの室外側では、第2本体部51の上面は露出している。
【0029】
上枠20A、20Bの第1縦枠40側の端部は、室外側上面被覆部221A、221Bに対向する位置に設けられて第1縦枠40の第1本体部41の上面を覆う室外側上面被覆部231A、231Bと、室内側上面被覆部222A、222Bに対向する位置に設けられて第1本体部41の上面を覆う室内側上面被覆部232A、232Bとを備える。
なお、本実施形態では、室内側上面被覆部232A、232Bは、室外側上面被覆部231A、231Bよりも僅かに室内側上面被覆部222A、222B側に突出し、第1室外突出片42、第1室内突出片43の基端部分を被覆している。
なお、室内側上面被覆部232A、232Bの突出寸法および見込み寸法は互いに同一であり、見込み寸法は室内側上面被覆部222A、222Bとも同一である。
また、室外側上面被覆部231Bは、室外側上面被覆部221Bと同じく、第1縦枠40の室外側端部近くの位置まで設けられている。一方、室外側上面被覆部231Aは、第1縦枠40の見込み方向の中間位置まで設けられ、室外側上面被覆部231Aの室外側では、第1本体部41の上面は露出している。
【0030】
以上のとおり、上枠20A、上枠20Bは、上面211A、211Bおよび延出片24A、24B以外は、第1縦枠40、第2縦枠50の側面に当接されてネジ留めされているが、上面211A、211Bおよび延出片24A、24Bの左右の端部、つまり室外側上面被覆部221A、221B、231A、231Bと、室内側上面被覆部222A、222B、232A、232Bとは、第1縦枠40、第2縦枠50の上面を覆うように延出されている。
また、室外側上面被覆部221A、221B、231A、231Bの小口は、第1本体部41、第2本体部51の外周面411、外周面511と揃っており、第1縦枠40および第2縦枠50間の目地の左右方向(X軸方向)の中心線CLから等距離に設けられている。
【0031】
[キャッチパン]
第1縦枠40および第2縦枠50間の目地部分には、図10に示すように、目地を塞ぐキャッチパンが配置されている。キャッチパンは、シリコンスポンジなどで構成され、上枠20A、20Bの室外突条22A、22B、室内突条23A、23Bの第1縦枠40側の端部に配置されるキャッチパン91と、室外突条22A、22B、室内突条23A、23Bの第2縦枠50側の端部に配置されるキャッチパン92と、キャッチパン91の室外側に配置されるキャッチパン93と、キャッチパン92の室外側に配置されるキャッチパン94とを備える。これらの各キャッチパン91~94によって、第1縦枠40、第2縦枠50の上端部間および上枠20A,20Bの室外突条22A、22B、室内突条23A、23Bの小口間の目地が塞がれる。これにより、第1縦枠40および第2縦枠50に設けられたレインバリア521、ウィンドバリア531と、上枠20A、20Bに設けられたレインバリア26、ウィンドバリア27とは、キャッチパン91、92を介して連続するタイトラインを構成する。
なお、キャッチパン93、94の室外側には、上下のカーテンウォールユニット10A、10Bを連結するジョイントスリーブ95がジョイント保持片46、47、56、57間に配置されている。
【0032】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、各カーテンウォールユニット10A、10Bの上枠20A、20Bに、第2縦枠50の第2室外突出片52および第2室内突出片53の上面間を覆う室内側上面被覆部222A、222Bを設けたので、第2室外突出片52および第2室内突出片53に取り付けたレインバリア521およびウィンドバリア531の上端面は、室内側上面被覆部222A、222Bで覆われて外部に露出しないので、止水性能および外観意匠性を向上できる。
その上、第2室外突出片52および第2室内突出片53の突出寸法L1を、第1本体部41および第2本体部51間の間隔寸法Lの半分以上の寸法、つまりL1>L/2としているので、レインバリア521、ウィンドバリア531を、第1本体部41および第2本体部51間の目地の中心線上に配置できる。このため、レインバリア521、ウィンドバリア531を、目地の中心線に対して第2本体部51側の位置に設ける従来の構造に比べて、第1本体部41および第2本体部51間の寸法つまり目地の幅寸法Lを小さくすることができる。さらに、第1本体部41、第2本体部51は、見込み方向に沿った平板状に形成されているので、左右のカーテンウォールユニット10A、10Bの連結部の見付け寸法を小さくできる。したがって、オープンジョイント方式のカーテンウォールにおいて小さい見付け寸法の縦目地を実現でき、外観意匠性を向上できる。
【0033】
上枠20A,20Bは、上枠本体部21A、21Bの上面から突出し、レインバリア26、ウィンドバリア27が取り付けられた室外突条22A、22Bおよび室内突条23A、23Bを備え、室外突条22A、22Bおよび室内突条23Aの第2縦枠50側の端縁位置を室内側上面被覆部222A、222Bの端縁位置と一致させているので、キャッチパン91、92を設けることで、縦枠40、50と上枠20A、20Bの各レインバリア521、26、ウィンドバリア531、27をそれぞれ連続させることができ、簡単な構造で止水性を確保できる。
【0034】
第1縦枠40および第2縦枠50間の目地の左右方向の中心線CLから室外側上面被覆部221A、221Bの端面までの寸法と、中心線CLから室外側上面被覆部231A、231Bまでの寸法とは同一であるため、縦目地の外観意匠性を向上できる。
【0035】
第1本体部41および第2本体部51と別体の面材保持枠材60を設けたので、第1縦枠40および第2縦枠50に対する面材保持枠材60の位置や配置角度を自由に設定できる。これにより、パネル70の出入り位置や傾斜角度を自由に設定でき、様々な意匠を実現できる。
【0036】
第1本体部41、第2本体部51を、見込み方向に沿って直線状に形成された板状部材で構成しているので、第1縦枠40および第2縦枠50の見付け寸法を小さくでき、左右の縦枠40,50の連結部分をスリムな見付けにでき、外観意匠性を向上できる。
【0037】
[変形例]
本発明は、前記実施形態の構成に限定されない。例えば、カーテンウォールユニットとしては、図11に示すように、第1縦枠40C、第2縦枠50Cの室外側端部に面材保持枠材60が取り付けられ、上枠20C、面材保持枠材60、図示略の下枠で保持されるパネル70が鉛直面に沿って、かつ、見込み位置が揃って配置されたカーテンウォールユニット10Cを用いてもよい。
また、図11に示す上枠20Cのように、第2縦枠50C側の端部は、室内側上面被覆部222Cが室外側上面被覆部221Cよりも第1縦枠40側に突出し、第1縦枠40C側の端部は、室内側上面被覆部222Cに対向する室内側上面被覆部232Cが室外側上面被覆部221Cに対向する室外側上面被覆部231Cよりも第2縦枠50C側に突出する構成としてもよい。これにより、第2縦枠50Cの第2本体部51Cの上面を被覆する室外側上面被覆部221Cと、第1縦枠40Cの第1本体部41Cの上面を被覆する室外側上面被覆部231Cとの間の目地部分の幅寸法に対し、室内側上面被覆部222Cおよび室内側上面被覆部232C間の目地部分の幅寸法を小さくでき、外観意匠性および止水性を向上できる。
【0038】
前記実施形態では、上枠20A、20Bの第1縦枠40側の端縁は、室内側上面被覆部232A、232Bが室外側上面被覆部231A、231Bよりも僅かに突出しているが、上枠20A、20Bの第1縦枠40側の端縁の小口を見込み方向に沿って直線状に切断して構成してもよい。
前記実施形態では、室内側上面被覆部222A、222Bは、第2室外突出片52から室内側に設けられていたが、これに限らない。例えば、室内側上面被覆部222A、222Bの室側端縁を、第2室外突出片52よりも室外側まで延長してもよい。
【0039】
さらに、カーテンウォールユニットとしては、第1縦枠40、第2縦枠50と別体の面材保持枠材60を備えるものに限らず、第1縦枠40、第2縦枠50に面材保持部が一体に形成されたものでもよい。
【0040】
[本発明のまとめ]
本発明は、左右方向および上下方向にカーテンウォールユニットを並べて設置して構成されるカーテンウォールであって、前記カーテンウォールユニットは、上枠、下枠、第1縦枠および第2縦枠を有する枠体を備えて構成され、左右に配置される2つのカーテンウォールユニットの一方のカーテンウォールユニットの第1縦枠と、他方のカーテンウォールユニットの第2縦枠とは左右方向に対向して配置され、前記第1縦枠は、見込み方向に沿った第1本体部と、前記第1本体部の見込み面から前記第2縦枠側に突出する第1室外突出片および第1室内突出片とを備え、前記第2縦枠は、見込み方向に沿った第2本体部と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室外突出片の室外側に配置される第2室外突出片と、前記第2本体部の見込み面から前記第1縦枠側に突出して前記第1室内突出片の室内側に配置される第2室内突出片とを備え、前記第2室外突出片には、前記第1室外突出片に当接するタイト材が取り付けられ、前記第2室内突出片には、前記第2室内突出片に当接するタイト材が取り付けられ、前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の突出寸法は、前記第1本体部および前記第2本体部間の間隔寸法の半分以上の寸法とされ、前記他方のカーテンウォールユニットの上枠の前記第2縦枠側の端部は、少なくとも前記第2室外突出片および前記第2室内突出片の上面間を覆う室内側上面被覆部と、前記室内側上面被覆部の室外側に設けられて前記第2本体部の上面を覆う室外側上面被覆部と、を備え、前記室内側上面被覆部は、前記室外側上面被覆部よりも前記第1本体部側に突出されていることを特徴とする。
本実施形態によれば、各カーテンウォールユニットの上枠に、第2縦枠の第2室外突出片および第2室内突出片の上面間を覆う室内側上面被覆部を設けたので、第2室外突出片および第2室内突出片に取り付けた各タイト材の上端面は、室内側上面被覆部で覆われて外部に露出しないので、止水性能および外観意匠性を向上できる。
その上、第2室外突出片および第2室内突出片の突出寸法を、第1本体部および第2本体部間の間隔寸法の半分以上の寸法としているので、各タイト材を、第1本体部および第2本体部間の目地の中心線上に配置できる。このため、各タイト材を、目地の中心線に対して第2本体部側の位置に設ける従来の構造に比べて、第1本体部および第2本体部間の寸法つまり目地の幅寸法を小さくすることができる。さらに、第1本体部、第2本体部は、見込み方向に沿った平板状に形成できるので、左右のカーテンウォールユニットの連結部の見付け寸法を小さくできる。したがって、オープンジョイント方式のカーテンウォールにおいて小さい見付け寸法の縦目地を実現できる。
【0041】
本発明のカーテンウォールにおいて、前記他方のカーテンウォールユニットの上枠は、上枠本体部と、前記上枠本体部の上面から突出する室外突条および室内突条とを備え、前記室外突条および前記室内突条には、前記上枠の上方に配置される他のカーテンウォールユニットの下枠に当接するタイト材がそれぞれ取り付けられ、前記室外突条および前記室内突条の前記第2縦枠側の端縁位置は、前記室内側上面被覆部の端縁位置と一致することが好ましい。
上枠は、上枠本体部の上面から突出し、タイト材が取り付けられた室外突条および室内突条を備え、室外突条および室内突条の第2縦枠側の端縁位置を室内側上面被覆部の端縁位置と一致させているので、キャッチパンを設けることで、縦枠と上枠の各タイト材をそれぞれ連続させることができ、簡単な構造で止水性を確保できる。
【0042】
本発明のカーテンウォールにおいて、前記一方のカーテンウォールユニットの上枠の前記第1縦枠側の端部は、前記室外側上面被覆部の端面に対向する室外側上面被覆部と、前記室内側上面被覆部の端面に対向する室内側上面被覆部とを備え、前記第1縦枠および前記第2縦枠間の目地の左右方向の中心軸から前記各室外側上面被覆部の端面までの寸法は同一であることが好ましい。
このような構成によれば、第1縦枠および第2縦枠間の目地の左右方向の中心線から各室外側上面被覆部の端面までの寸法が同一であるため、縦目地の外観意匠性を向上できる。
【0043】
本発明のカーテンウォールにおいて、前記第1本体部および前記第2本体部には、前記枠体内に保持される面材の左右の端縁を保持する面材保持枠材が固定されていることが好ましい。
第1本体部および第2本体部と別体の面材保持枠材を設けたので、第1縦枠および第2縦枠に対する面材保持枠材の位置や配置角度を自由に設定できるので、面材の出入り位置や傾斜角度を自由に設定でき、様々な意匠を実現できる。
【0044】
本発明のカーテンウォールにおいて、前記第1本体部および前記第2本体部は、見込み方向に沿って直線状に形成された板状部材で構成され、前記板状部材の内周面はフラットな平面とされていることが好ましい。
第1本体部、第2本体部が見込み方向に沿って直線状に形成された板状部材で構成しているので、第1縦枠および第2縦枠の見付け寸法を小さくでき、左右の縦枠の連結部分をスリムな見付けにでき、外観意匠性を向上できる。
【符号の説明】
【0045】
1…カーテンウォール、10A…カーテンウォールユニット、10B…カーテンウォールユニット、10C…カーテンウォールユニット、11A…枠体、11B…枠体、20A…上枠、20B…上枠、20C…上枠、21A…上枠本体部、21B…上枠本体部、22A…室外突条、22B…室外突条、23A…室内突条、23B…室内突条、26…レインバリア、27…ウィンドバリア、30A…下枠、30B…下枠、40…第1縦枠、40C…第1縦枠、41…第1本体部、41C…第1本体部、42…第1室外突出片、43…第1室内突出片、50…第2縦枠、50C…第2縦枠、51…第2本体部、51C…第2本体部、52…第2室外突出片、53…第2室内突出片、60…面材保持枠材、61…枠本体、62…押縁、70…パネル、91…キャッチパン、92…キャッチパン、93…キャッチパン、94…キャッチパン、221A…室外側上面被覆部、221B…室外側上面被覆部、221C…室外側上面被覆部、222A…室内側上面被覆部、222B…室内側上面被覆部、222C…室内側上面被覆部、231A…室外側上面被覆部、231B…室外側上面被覆部、231C…室外側上面被覆部、232A…室内側上面被覆部、232B…室内側上面被覆部、232C…室内側上面被覆部、411…外周面、412…内周面、511…外周面、512…内周面、521…レインバリア、531…ウィンドバリア。
図1
図2
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図11