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特開2023-73718コンテキストマッチング関連情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073718
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】コンテキストマッチング関連情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/562 20220101AFI20230519BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20230519BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20230519BHJP
【FI】
H04L67/562
G06Q30/02 398
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186348
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 武弘
(72)【発明者】
【氏名】石塚 晃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】受信側又は送信側のユーザは、通信エリアにおいて、予め設定している状況が成立した場合、ユーザが特別な操作をしないときであっても、受信側又は送信のユーザは、サービス情報を受け取る、又は提供することができる。
【解決手段】通信規格データを含むヘッダー領域と、利用しているデバイスIDとコンテキストデータとを書き込み可能なユーザ領域とからなるパケットをビーコン信号としてブロードキャストするシステムに用いられる。前記ビーコン信号を受信し、受信した前記ユーザ領域のデータが、自器の設定したコンテキストデータと対応関係にある、と言うことを示す検出データを取得した場合、前記コンテキストデータに応じたサービス情報の出力を行う。そして、前記サービス情報の出力部を備える。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、
前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器と、
前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、
ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備え、前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理する第1の処理器を備え、
前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用出力データとして処理する第2の処理器を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ノード通知データは、前記第2の情報処理器に、クーポンを与えるデータである、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コンテキスト判定部は、インターネットを介して前記第1の情報処理器に接続されている、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記コンテキスト判定部は、前記第1の情報処理器に内蔵されている、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記コンテキスト判定部は、前記第1の情報処理器、前記第2の情報処理器から送られてきた前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキスト、さらに他の第3の情報処理器、第4の情報処理器から送られてきた第3のコンテキストと前記第4のコンテキストのマッチング処理を行い、コンテキスト毎に各情報処理器のデバイスIDを分類したテーブルを備える、請求項2又は3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
コンテキスト判定部が第1の情報処理器の第1のコンテキストを登録可能とし、
前記コンテキスト判定部が第2の情報処理器の第2のコンテキストを登録可能とし、
前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器が互いにビーコン通信を行ったときに、
判定部がビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定し、
前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器が前記結果データをノード通知データとして処理し、
前記第2の情報処理器が前記結果データをユーザ通知用出力データとして処理する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録し、エージェントとして動作する情報処理装置であって、
前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している他の情報処理装置が通信エリア内にあるとき、互いにビーコン・パケットを用いたビーコン通信を行い、
前記コンテキスト判定部から得られるコンテキスト関連情報が前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す結果データを得た場合、
前記結果データをノード通知データとして処理することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記ノード通知データは、前記他の情報処理器に、クーポンを与えるデータである、
請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定のコンテキスト判定部は、外部のサーバに設けられている、請求項7記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定のコンテキスト判定部は、自器の内部に設けられている、請求項7記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテキストマッチング関連情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置に関し、さらに受信方法、送信方法、サーバなどにも関連するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユーザが通信システムを利用して何等かのサービス情報を取得するには、例えば次のような方法がある。ユーザは、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)や携帯端末(例えば、スマートフォン(以下スマホと称する))を利用し、ニーズに応じて検索情報やURL(Uniform Resource Locator)を入力する、あるいは、画面上に表示されているコマーシャル画面をクリックし、該当するサーバと通信環境を構築する。すると、サーバからサービス情報が当該PCやスマホに提供される。
【0003】
このように、ユーザが何等かのサービス情報を取得する方法は、ユーザが“ニーズ”に応じてPCやスマホを操作し、サーバを積極的にアクセスし、サーバが提供するサービス情報を取得する方法である。この方法は、ユーザが起点となる方法であるから、以下“ユーザ起点”方式と称することにする。
【0004】
上記の“ユーザ起点”方法でなくてもサービス情報を取得できる特別なケースがある。この特別なケースは、例えば地震などが発生したときに特定の機関(例えば気象庁などの公的な専門機関)が「緊急通知」を一斉に発信するケースである。この方法は、受信者(ユーザ)が特定されることはなく、ユーザがスマホで一斉に受信する。このような情報の提供は、ユーザにとって有意義である。一方では、各種のサービス情報(ユーザの意図しないコマーシャル等)をユーザのスマホやPCに送る通信システムもあり、この通信システムによると、ユーザは興味のないサービス情報まで提供されることが多々ある。
【0005】
上記のように従来の多くのサービス情報提供システムは、“ユーザ起点”方式が基本であり、ユーザの具体的な“ニーズ”或は“リクエスト”に応じて、サービス情報を提供するシステムである。また、“ユーザ起点”方式を採用するシステムは、ユーザが明示的に意識した“ニーズ”或は“リクエスト”を提示した時のみ、サービス情報の提供を行う。このため、従来のサービス情報提供システムは、サービス情報を提供するチャンスの規模が小さいと言える。また、“ユーザ起点”方式ではなく「地震速報」などのサービス情報提供システムは、特別なケースに限られており融通性が狭いと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6715501号公報
【特許文献2】特開2021-64394号公報
【特許文献3】特開2021-111164号公報
【特許文献4】特開2021-119488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで本発明の発明者等は、ユーザの“ニーズ”或は“リクエスト”に呼応するサービス情報をユーザに提供するチャンス、或はユーザがサービス情報を受取るチャンスは、ユーザが“ニーズ”或は“リクエスト”を明示的に意識していないタイミングであっても、多々発生する点に着目した。
【0008】
このタイミングは、周辺で複数のユーザや物の複数の状態の組み合わせが発生した場合であり、ここでは、この複数の状態の組み合わせを“状況”と称することにする。なお状況は、“環境”“雰囲気”“コンテキストスキームルール設定”または単純に“ルール設定”と称してもよい。
【0009】
さらに、“複数の状態”は、サービスの目的に応じて種々の状態がある。状態の代表的な例を示すと、例えば以下のようなものがある。
・複数のユーザの目的の共通性が存在する状態
・特定の物とユーザとが近接した状態
・サービスを受けるユーザと、当該サービスを提供するユーザが近接した状態
・物やユーザが所定の数揃った状態
・その他。
【0010】
そこで、本発明は、“ユーザ起点”方式では無く、状況或は状況ルールを起点とする方法(以下、仮に“状況起点”或は“状況ルール起点”方式と言う)によりサービス情報を提供する、或はサービス情報を受取ることができる、今までにない新しい方法、装置やシステムを工夫することにした。
【0011】
実施形態の第1の局面では、ユーザは、状況ルールを起点として、少なくともサービス情報を受けることができる或はサービス情報を提供することができるコンテキストマッチング関連情報処理システム、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態によれば、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器と、を備える。そして前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。
【0013】
前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理する第1の処理器を備え、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用出力データとして処理する第2の処理器を備える、情報処理システムが提供される。
【0014】
他の実施形態によれば、前記コンテキストは予めコード化されたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係るビーコンデバイスを含む情報処理器が使用する共通フォーマットのアドバタイズメント・パケット(ビーコン・パケット)の構成例を示す図。
図2A図2Aは、実施形態の一構成例を示す図。
図2B図2Bは、実施形態の他の構成例を示す図。
図2C図2Cは、実施形態の一動作例を示すフローチャート。
図2D図2Dは、実施形態の他の構成例を示す図。
図3図3は、図2A図2Bの実施形態に対して、さらに各種の設定機能が付加された実施形態の構成例を示す図。
図4A図4Aは、実施形態で使用されるエージェントの外観構成例を示す図。
図4B図4Bは、実施形態で使用されるエージェントの他の外観構成例を示す図。
図4C図4Cは、実施形態で使用されるエージェントのさらに他の外観構成例を示す図。
図4D図4Dは、エージェントの内部の機能ブロックの例を示す図。
図5A図5Aは、実施形態で使用されるノードの外観構成例を示す図。
図5B図5Bは、実施形態で使用されるノードのさらに他の外観構成例を示す図。
図5C図5Cは、実施形態で使用されるノードのさらに他の外観構成例を示す図。
図5D図5Dは、実施形態で使用されるノードのさらに他の外観構成例を示す図。
図5E図5Eは、実施形態で使用されるノードのさらに他の外観構成例を示す図。
図6A図6Aは、図2A図2Bに示すノードの機能構成の例を示す図。
図6B図6Bは、図2A図2Bに示すノードの機能構成の他の例を示す図。
図6C図6Cは、図2A図2Bに示すノードの機能構成の他の例を示す図。
図6D図6Dは、図2A図2Bに示すノードの機能構成の他の例を示す図。
図7A図7Aは、コンテキストエリア20において、本発明の基本システムが商品販売促進システムのために利用された場合の一実施形態を示す説明図。
図7B図7Bは、コンテキストエリア20において、本発明の基本システムが商品販売促進システムのために利用された場合のシステム動作例を示す説明図。
図8A図8Aは、本発明の基本システムが子供見守りシステムのために利用された場合の一実施形態を示す説明図。
図8B図8Bは、本発明の基本システムが子供見守りシステムのために利用された場合のシステム動作例を示す説明図。
図9A図9Aは、本発明の基本システムが老人見守り及び案内システムのために利用された場合の一実施形態を示す説明図。
図9B図9Bは、本発明の基本システムが老人見守り及び案内システムのために利用された場合のシステム動作例を示す説明図。
図10A図10Aは、本発明の基本システムが出会い検知システムに利用された場合の一実施形態を示す説明図。
図10B図10Bは、本発明の基本システムが出会い検知システムに利用された場合、ユーザがプロローグ情報を設定する場合の手順を示す説明図。
図10C図10Cは、本発明の基本システムが出会い検知システムに利用された場合のシステム動作例を説明図。
図11図11は、本発明の基本システムがビル管理システムに利用された場合の一実施形態を示す説明図。
図12A図12Aは、本発明の基本システムが空間環境検知システムに適用された場合の一実施形態を示す説明図。
図12B図12Bは、図12Aの実施形態に利用されるノードの構成例を示す図。
図13図13は、本発明の基本システムが待ち合わせ検知システム及び又は顧客動線システムに適用された実施形態を示す説明図。
図14図14は、本発明の実施形態で利用されるビーコン・パケットのデータ構成例を示す説明図。
図15図15は、本発明の基本システムが、さらにifLink(登録商標)システムと複合化された実施形態を示す図。
図16図16は、ifLinkシステムの概要を説明するための図。
図17図17は、IF-THENルールの構成例を示す図。
図18図18は、図1に示したフレームタイプ(Flame Type)の構成の一例を示す図。
図19図19は、図18のフレームタイプの設定値の一例を示す図。
図20図20は、実施形態によるスキーマ情報の一例を示す図。
図21図21は、センサ値通知のためのビーコン・パケット内のパラメータ(Parameters)の領域の構成例を示す図。
図22図22は、一実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図23図23は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図24図24は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図25図25は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図26図26は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図27図27は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図28図28は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図29図29は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図30図30は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図31図31は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
図32図32は、他の実施形態の基本構成を取り出して示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。本発明のいくつかの実施形態を説明するが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
【0017】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【0018】
本実施形態では、「情報処理器」と言う用語を用いるが、以下のようなデバイス、ソフトウエア、或は機器をもまた含む。
・半導体チップで構成され、センサ信号の入力部を持ち、センサから入力処理した信号を送信する送信器を含む。
・またセンサ信号の入力部がセンサと直結し、センサから入力処理した信号を送信する送信器を含む。
・センサ信号の入力部がセンサからの無線信号を受信し、センサから入力処理した信号を送信する送受信器を含む。
・外観がハードウエアブロックの構成でありゲートウエイとして構成されており、近距離無線通信を行う機能、ネットワークに接続可能な機能を有する前記ゲートウエイを含む。
・また前記ゲートウエイがエージェントとして動作する場合も当該ゲートウエイを含む。
・外観がスマートフォンであり、シンプルな通知機能、シンプルな受信機能、エージェントとして動作する場合も当該スマートフォンを含む。
・また外観を問わず、上記半導体チップが埋設されたテープ、カード、基板なども含み、さらには、プログラムで動作する装置に、データ処理プログラムとしてインストールされている場合も本願の言う情報処理器である。
<ビーコン信号>
図1を参照して、まず、本実施形態において利用されるビーコン信号について説明する。通信機能を備えた情報処理器は、ビーコン信号として、BLE(ブルートゥース(登録商標)・ロウ・エネルギ(Bluetooth(登録商標) Low Energy)機能で使われるアドバタイジング・パケットを使用する。
【0019】
Bluetooth Low Energyの規格では、通信用のチャンネルとして40チャンネルが確保されており、そのうち3チャンネルが、アドバタイジング・チャンネルとして用いられる。このアドバタイジング・チャンネルは、アドバタイズメント・パケットを送信するためのチャンネルであり、デバイス自器の存在を周囲に伝えるためのデータを送信する。アドバタイジングのインターバル時間は、20m秒から10.24m秒である。アドバタイジングは、設定されている3つのチャンネルのそれぞれで、アドバタイズメント・パケットを搬送するビーコン信号をブロードキャストする。
【0020】
通信機能を備えた情報処理器は、種々のタイプが存在し、サーバとインターネットを介して接続し互いに交信可能なものも含まれる。
【0021】
本実施形態は、「上記のアドバタイズメント・パケットはその一部の領域に、ユーザが任意に使用できる領域を有する」と言う点に着目している。
【0022】
また、情報処理器は、簡素化された構成のビーコンデバイスとして構成されるのみならず、情報処理器は、センサと複合化された複合化チップや複合化装置又はその一部として構成される場合がある。さらに情報処理器は、ビーコンモジュールとしてスマホと複合化された複合化装置や複合化システム又はその一部として構成される場合もある。さらにまた、情報処理器は、ビーコンモジュールとしてエッジコンピュータと複合化された複合化装置や複合号化システム又はその一部として構成される場合もある。
【0023】
本実施形態は、アドバタイズメント・パケットが上記の複合化チップ、複合化装置、あるいは複合化システムに有効に適用できるように、当該アドバタイズメント・パケット(以下ビーコン・パケットと称する)の構成を以下のように設定している。
<ビーコン・パケット>
図1に示すように、上記の情報処理器が使用する共通フォーマットのビーコン・パケット21を示している。ビーコン・パケット21は、32バイトで構成され、ヘッダー領域22が7バイト、ユーザ領域23が25バイトである。ユーザ領域23は、アプリID/サービスID領域24と、通信データ部領域25を含む。ユーザ領域23に記述されるデータが、コンテキストマッチング用の関連データである。サービスID領域24に記述される情報は、その全体若しくは一部がアプリID或はサービスIDと称されてもよい。
【0024】
ヘッダー領域22は、Bluetooth Low Energyの規格そのものであり、ここでは詳細な説明は省略する。本実施形態では、ユーザが独自に使用できる範囲である、バイト7~バイト31に着目している。
【0025】
バイト7~バイト8(符号24aの領域)には、アプリIDが記述される。このアプリIDの中には、メンバID(Member ID:電子装置のユーザの識別情報)が記述される。メンバID(Member ID:電子装置のユーザの識別情報)は、企業や組織を識別する情報である。このバイト7~バイト8が予約値(reserved)例えば0x0000の場合は、特殊用途での使用を想定しており、通常での利用は禁止される。
【0026】
バイト9~バイト10(符号24bの領域)には、サービスIDが記述される。このサービスIDには、モジュールID(Module ID:非特定アプリケーションの識別情報)が記述される。モジュールID(Module ID)は、企業や組織毎のプログラムモジュールの内部識別情報であり、例えば利用者のスマートフォンに、ある企業や組織の複数の個別アプリがインストールされている場合、これらのデータ構造を識別出来るように個別アプリ毎にモジュールIDを割り当てることができる。
【0027】
バイト11(符号24cの領域)には、フレームタイプ(Frame Type)が記述される。フレームタイプ(Frame Type)は送信種別を示す。フレームタイプ(Frame Type)は、デバイス間で、通信が行われたときに、通信の正確性を上げるためにもので、相手に対して「応答を要求する」或は「応答を要求しない」を示すフラッグとコマンドを含む。コマンドは、例えばセンサ値を通知する、JOBを通知する、JOB結果を通知する、などがある。これにより、相互の通信が確実に実施される。
【0028】
バイト12~バイト31(符号25の領域)は、通信データ部と言われるパラメータ部(Parameters:送信情報)である。パラメータ部は、複数のパラメータを格納する。各パラメータは、TL部とVAL部からなる。TL部は1バイトからなり、TYPEフィールドとLENGTHフィールドからなる。TYPEフィールドは、VAL部内のデータのタイプ(int型、float型、string型がある)が、int型、float型、string型のいずれであるかを区別している(予め設定された16進数で区別している)。LENGTHフィールドは、VAL部のデータのデータ長を示している(予め設定された16進数で示す)。VAL部には、TYPEフィールドで特定されたタイプであり、且つLENGTHフィールドで特定された長さのデータが記述される。
【0029】
上記の記述方式を利用して、例えば以下のような情報が記述される。バイト12~バイト13(符号25aの領域)には、ノードID、バイト14(符号25bの領域)には情報ID,バイト15-16(符号25cの領域)には制御コード、バイト17-31(符号25dの領域)にはデータ部(状態コード、判別用コード、アクション指示)などが記述される。
【0030】
ノードIDとは、このビーコン・パケット21を送信するデバイスの識別データであり、例えば、エージェント、ノード、スマホ、ゲートウエイなどのデバイスを識別する識別データである。
【0031】
情報IDとは、どのような種類の情報が送られているかを示す。種類としては、例えばGPS情報、センサ情報、などがある。
【0032】
制御コードは、例えば新しい状況ルールが登録される場合、或は状況ルールに変更があるとき、などを伝える場合、或はルールそのものを伝える場合に利用される。
【0033】
データ部のデータ(状態コード、判別用コード、アクション指示コードなど)は、コンテキストに対応したスキーマ情報が利用される。つまり、送信側と受信側で予め取り決めた意味をもつコードが用いられる。また、利用するコンテキストマッチングサービスの種類によっては、生のコンテキストデータが用いられる場合も含む。
【0034】
上記のエリアの情報は、一般には属性情報と称される。上記の属性情報は、固定のものではなく限定されるものではない。属性情報は、基本的には、いわゆるコンテキストデータの取り扱いを指示するものである。したがってシステム運用者において、属性情報のフォーマットや内容は種々であり、重要なものは、属性情報がこのエリアに存在することである。
【0035】
なお、上記のパラメータ部のデータには暗号化処理が行われている場合もある。また特別なケースとして、パスワードを用いた圧縮処理が施されている場合もある。パスワードが、第1のユーザの第1のデバイスと、第2のユーザの第2のデバイス間で利用される場合、ユーザはそれぞれのデバイスに予めパスワードを登録することができる。これにより、第1のデバイスと第2のデバイス間のビーコン通信は自動的に解凍されようになっている。
<実施形態の動作概要>
ここで、一実施形態の動作の概要の一例を説明する。
サービス提供者(情報を提供する側)が第1の情報処理器(エージェント)を有するものとする。これに対して、サービス要求者(情報を欲しい人、或は、情報の提供のアシストを受けたい側)が第2の情報処理器(ノード)を有するものとする。
【0036】
今、サービス要求者(店)が第2の情報処理器(以下第1のノード)のデバイスID1と第1のコンテキストデータ(例えばメロンパン売れ残り)をコンテキスト判定部(後述する登録器)に登録したとする。
【0037】
サービス要求者(客)が、第2の情報処理器(以下第2のノード)のデバイスID2と第2のコンテキストデータ(例えばメロンパン好き)をコンテキスト判定部(後述する登録器)に登録したとする。
【0038】
さらに第1の情報処理器(以下エージェント)が、コンテキストデータ「メロンパン値引きクーポン」をコンテキスト判定部(後述する登録器)に登録したとする。なおエージェントと店のノードとは、一体の場合がある。
【0039】
上記の設定により、エージェントは、コンテキスト判定部からの指令に基づいてコンテキストデータ「メロンパン値引きクーポン」の送信準備を行うことができる。
【0040】
コンテキスト判定部は、上記した登録時に、(メロンパン値引き)のキーワード(メロンパン)と(メロンパン好き)のキーワード(メロンパン)とが、マッチング関係にあると判断する。そしてコンテキスト判定部は、コンテキストデータのキーワード(メロンパン)を共通ワードとして、第1のノードのデバイスID1と第2のノードデバイスID2とを同一グループとして管理する。別の言い方をすると、第1のノードと第2のノードとが紐づけされる。また、このとき、エージェントも「メロンパン」を共通ワードとして、第1ノード、第2のノードと紐付けされグループ化される。
【0041】
エージェントは、同一グループのノードのデバイスID1とID2をコンテキスト判定部から受け取ることができる。今、エージェントの通信エリア内に、第1のノード(客が所有している)が浸入し、ブロードキャストを行ったとする。このとき第1のノードは、エージェントではないので、単純に自器のデバイスID2のみをパラメータ部のノードID領域に記述してブロードキャストを行う。
【0042】
このとき、エージェントは、同一グループのデバイスID1とID2をコンテキスト判定部から受け取っているので、通信エリア内に、コンテキストマッチングによりグループ化されたデバイス(第1のノード)が浸入していることを認識することができる。そしてエージェントは、ジョブ或はアクションの1つとして、「メロンパン値引きクーポン」を第1のノードへ自動送信する。「メロンパン値引きクーポン」のデータは、データ部に記述されて送られる。このデータ(つまりコンテキスト)は、コード化(例えばコンテキスト番号化)されたものでもよく、変換処理機能をシステムが所有することで可能である。
【0043】
これにより、第1のノード(客)は、操作やサーチをなんら行うことなく、自動的に「メロンパン値引きクーポン」を取得することができる。
【0044】
上記のように第1のノード(客)は、エージェントが送信してきたパラメータ部25の中に自器のデバイスIDと「メロンパン値引きクーポン」(或は所定のマッチング通知情報)があるために、所定の状況ルール(複数の情報機器間でコンテキストマッチングという状態)が成立していることを検出することができる。
【0045】
一方、第2のノード(店)は、自器が提供しているコンテキスト「メロンパン値引きクーポン」に対応して、エージェントが、「メロンパン値引きクーポン」の送信を行ったことを認識することができる。つまり、第2のノード(店)に対するアシスト(或はCM)が成功したことを認識することができる。これにより、本システムは、マッチング効果をより高める(販売促進の強化を得る)ことができる。
【0046】
一方、エージェントは、受信信号から第1のノードのデバイスID1を検出した時点で、自器の通信エリア内で、所定の状況ルールが発生したことを検知する。つまり、エージェント(第1の情報処理器は、第1のノード(第2の情報処理器)が所定の位置(通信エリア内)と言う状態にあること、第1のノード(第2情報処理器)との関係がコンテキストマッチングの状態であること、自器以外に第1のノード(第2の情報処理器)が存在する状態(複数の情報処理器が存在する状態であること)を判断することができる。
【0047】
このような状況ルールが生じる可能性のあるエリアを本実施形態ではコンテキストエリアと称する。
【0048】
上記の説明で、第1の情報処理器(エージェント)は、自器のデバイスID1と第2の情報処理器(第1のノード、第2のノード)のデバイスID1、ID2をブードキャストすることを説明した。そして、第1の情報処理器(エージェント)は、さらに「所定のマッチング通知情報」(ジョブ或は通知の1つ)として、コンテキストデータ(メロンパン値引きクーポン)を送信した。その他、コメントとして単純に「マッチングしています」や、音声データを送信してもよい。
【0049】
この場合、第2の情報処理器(ノード)は、保存している自器のコンテキストデータ(或はマッチング確認用データ)と、外部から送られてきた「所定のマッチング通知情報」を比較する能力があれば、当該コンテキストデータ(メロンパン値引きクーポン)を表示部で表示することができる。スマホであれば、この比較能力及び表示能力を、ソフトエアを追加することで、十分に備えることができる。
【0050】
上記の説明は、実施形態における簡単な動作例を説明している。しかし本発明の基本システムは、これから説明するように多様な動作を行うことができる。
<情報処理システムの基本構成と機能1>
図2Aは、情報処理システムの実施形態の基本となる構成例を示している。
現実のシステムではコンテキストエリアは多数存在するが、この実施形態では、2つのコンテキストエリア10と20が存在する例を示している。
【0051】
コンテキストエリア10は、エージェント2000と、客が所有するノード4100、店が所有するノード4200がブロードキャストにより相互に通信可能なエリアである。なおエージェント2000は、店が所有するノード4200と一体化されている場合もある。
【0052】
コンテキストエリア20は、エージェント3000と、ノード4300がブロードキャストにより相互に通信可能なエリアである。なおノード4400は、エージェント3000により制御可能なサイネージであり、エージェント3000のデバイスIDと常に一体とに取り扱われる。あるいは、サイネージ4400は、ブロードキャストを行うノードとして設定されてもよい。
【0053】
エージェント2000、3000は、例えばゲートウエイ、スマホ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPCなどで実現される。エージェント2000、3000の設置場所は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、デパート、オフィス、レストラン、工場内、車内、病院内、飛翔体内、道路沿い、など各種の場所が可能である。また、当該設置場所は、照明器具、テレビ、サイネージ、横断歩道の信号機、電柱、街灯などの「物」も対象となる。
【0054】
ノード4100、4200、ノード4300などは、例えば、スマホ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、アクセサリー、腕時計、バンド、などの携帯可能なものが利用される。したがって、これらのノードは、異なるコンテキストエリアに移動することが可能である。ノード4400は、エージェント3000により制御されるサイネージであるが、ビーコン通信を行うデバイスであってもよいことは勿論である。
【0055】
上記のエージェントが移動する車載型であれば、ノードは固定場所へ配置するタイプのものとして利用される。このタイプのノードは、例えば、センサ付きのデバイスであり、橋、道路、ビル、工事現場、ロボットなどに配置される。
【0056】
また、エージェントも、複数のノードも移動するものに搭載、或は装着され、ノードがエージェントのコンテキストエリアに侵入したとき、相互の認識を行うシステムにも利用可能である。
【0057】
エージェント2000と3000は、それぞれコンテキスト判定部1000と相互通信し、データの送受信を行うことができる。コンテキスト判定部1000は、例えばサーバに設置される。なお、コンテキスト判定部1000は、エージェント2000又は3000と一体化されている実施形態もある。
【0058】
コンテキスト判定部1000は、送受信部1100、各種のファイル部(メモリ、制御器を含む)1200、状況マッチング処理部1300を含む。送受信部1100は、エージェント2000、3000と相互通信を行う。コンテキスト判定部1000がサーバとしてクラウドに配置されているときは、コンテキスト判定部1000とエージェント2000及び3000との間は、インターネットを介して接続される。コンテキスト判定部1000が例えばエージェント2000と一体である場合は、コンテキスト判定部1000は、内部配線(半導体基板やフレキシブル基板を含む)或はケーブルにより、エージェントの入出力部と接続される。
【0059】
コンテキスト判定部1000は、ファイル部1200を含む。ファイル部1200は、各種のファイル(データ、ソフトウエア、属性データなど)を格納することができ、また制御器(図示せず)も含む。ソフトウエアの中には、コンテキストマッチング処理、コンテキストグループ分け処理、読出し処理、データ取り込み処理、書き込み処理、出力処理などを行うためのプログラムが含まれ、制御器(図示せず)によりファイル及びそのデータが制御される。
【0060】
コンテキストデータは、エージェント2000、3000、ノード4100-4400などを利用するユーザにより、後で説明する登録システムからコンテキスト判定部1000に登録される。
【0061】
このときの登録行為は、ファイル部1200に対して、例えばノード4100のユーザがコンテキストデータの「メロンパン好き」を登録し、ノード4200のユーザがコンテキストデータの「メロンパン売れ残り」を登録するようなケースである。また、この登録行為により、ファイル部1200は、エージェント2000、3000、ノード4100-4400などのデバイスIDも格納する。
【0062】
今、ファイル部1200に対して、以下のような登録が行われるものとして説明する。ノード4100のユーザ(客)とノード4200のユーザ(店)がそれぞれ「メロンパン好き」と「メロンパン売れ残り」を登録したとする。また、エージェント2000がアクションとして「メロンパン値引きクーポン」を発行するために「メロンパン値引きクーポン」というコンテキストを登録したとする。
【0063】
またノード4300のユーザ(客)が「赤ワイン好き」を登録し、エージェント3000のユーザ(この例では店とする)がアクションとして「赤ワイン広告」をコンテキストとして登録したとする。この場合ノード4400は、例えばサイネージ(店の近くの電子看板)であるとする。
【0064】
すると、ファイル部1200は、コンテキストマッチング処理により、コンテキスト毎にエージェントID、ノードID(以下これらをデバイスIDと総称する)を分類し、コンテキスト(つまりキーワード)毎にデバイスIDグループを形成する。このグループデータは、テーブル1201に格納される。
【0065】
図の例であると、メロンパングループG1は、エージェント2000のデバイスID、ノード4100のデバイスID、ノード4200のデバイスID、デバイスIDグループとして形成される。
【0066】
また赤ワイングループG2は、エージェント3000のデバイスID、ノード4300のデバイスID、そしてノード4400のデバイスIDによるバイスIDグループとして形成されている。ノード4400のデバイスIDは、店としてのエージェント3000が関連デバイス(サイネージ)として、コンテキスト判定部1000に登録することが望ましい。
【0067】
これらのグループデータは、テーブル1201としてファイル部1200に格納される。このテーブル1201は、例えば、更新プログラムにより、数分毎に更新処理される。または、登録されているコンテキスト内容に応じて、1日に1回乃至数回の割合で更新処理される(この更新処理回数は別途システム管理者により変更可能である)。新しい登録データは、更新が行われるまでの間は、図示しないバッファメモリに仮保存されている。
【0068】
上記のように、各ユーザによって登録された各コンテキストデータは、それぞれ所定のエージェントに紐づけされた(属する)コンテキストであり、また所定のノードに紐づけされた(属する)コンテキストであると言える。
【0069】
さらに、コンテキスト判定部1000がサーバに設けられている場合、エージェント2000に関連するグループデータは、予めエージェント2000に送信され、そこのメモリに格納されていてもよい(この点は図2Bにて説明する)。同様に、エージェント3000に関連するグループデータも、予めエージェント3000に送信され、そこのメモリに格納されていてもよい(この点も図2Bにて説明する)。
【0070】
また、コンテキストエリア10内の特に店のノード4200とエージェント2000とは、密接な関係にあり、店のノード4200で得られる商品の販売数、販売価格などの情報は、常に対応するエージェント2000にジョブとして通知される。同様に、コンテキストエリア20内の特に店のノード(サイネージ)4400とエージェント(店)3000も、密接な関係にあり、エージェント(店)3000は、店のノード(サイネージ)4400の表示を直接制御可能としてもよい。勿論、エージェント3000とノード4400がブロードキャストによる通信を行うことで、エージェント3000から「広告実施」の指令が、ノード4400に与えられてもよい。
【0071】
このシステム動作により、コンテキストエリア30内に、ノード4300が浸入すると、ノード(サイネージ)4400には、「赤ワインあり」などの広告宣伝が表示される。
【0072】
上記のようにエージェント2000は、サーバ或はコンテキスト判定部1000へジョブデータを送信するが、その他、エリア内のノード4100に対して、値引きクーポンを送信する。またエージェント3000は、ノード(サイネージ)4400に適切なタイミングで、特定の客へ広告宣伝を行うことができる。
【0073】
これらのアクションは、エージェント2000による値引きクーポン送信の事実、エージェント3000によるサイネージの広告宣伝の事実は、サーバやコンテキスト判定部1000に対するジョブデータ送信の対象となる。
<「メロンパン値引きクーポン」の登録に対するシステム対応>
「メロンパン値引きクーポン」がコンテキスト判定部1000に登録された場合、ファイル部1200の値引きクーポン処理用のプログラムが起動する。他の商品の「値引きクーポン」がコンテキスト判定部1000に登録された場合も同様にクーポン処理用のプログラムが起動する。
【0074】
クーポン処理用のプログラムは、例えば「値引きクーポン」をキーワードとして起動する。そして、何処のエージェントから送信されてきた「値引きクーポン」なのかを判定し、発信元のエージェントを特定する。次に、該プログラムは、発信元のエージェントに対して、当該「値引きクーポン」に設定されている属性情報(値引き値或は値引き率、発行期限(開始年月日時間から終了年月日時間)を付加して、発信元のエージェントに送信する。
【0075】
前記「値引きクーポン」に設定されている属性情報(値引き値或は値引き率、発行期限(開始年月日時間から終了年月日時間)は、発信元のエージェント(販売店)(具体的にはエージェントを操作するユーザ)が設定する場合と、値引き対象となる商品の「卸売り店」(具体的にはコンテキスト判定部1000を操作可能な特別なユーザ、或はシステム管理者)が設定する場合がある。システム管理者は、卸売り店からの指示に基づいて、上記の属性情報を設定する。また「値引きクーポン」の発行条件(属性情報)が、コンテキストエリア内のコンテキストマッチング関係にあるノードの数に応じて決められてもよい。つまり、ノード数が、N(設定数)以上のときは、「値引きクーポン」が発行されるのである。
【0076】
<コンテキストエリア10に関連するシステム動作例>
次にコンテキストエリア10に関連するシステム動作例を説明する。ここでは、コンテキスト判定部1000がサーバに配置され、ファイル部1200のテーブル1201が利用される例を説明する。
【0077】
今、コンテキストエリア10のエージェント2000のコンテキストは、「メロンパン値引きクーポン」であり、このコンテキストがファイル部1200に登録されている場合を説明する。
【0078】
<コンテキストエリア10におけるエージェント2000の状況検知モード>
今、コンテキストエリア10において、エージェント2000、ノード4100、4200の間のブロードキャストが行われたとする(このときの動作モードは、エージェントによる状況検知モードである)。エージェント2000は、自器のデバイスIDと共にノード4100と4200の少なくともデバイスIDをコンテキスト判定部1000のファイル部1200宛てに送信する(このことは、状況通知201と称される)。
【0079】
すると、コンテキスト判定部1000の状況マッチング処理部1300は、ファイル部1200のデータファイル(テーブル1201)を参照する、そして、送られてきた複数のデバイスIDをデバイスIDグループの中から探し出す。今のコンテキストエリア10の状況(シチュエーション)であると、エージェント2000と、ノード4100、ノード4200がメロンパングループG1に属することが判定される。またエージェント3000、ノード4300が、赤ワイングループG2に属することが判定される。図の例では、さらに、ノード4400のデバイスIDが、エージェント3000の配下にあるサイネージとして、エージェント3000のデバイスIDと一体化されている。
【0080】
上記した判定に基づいて、ファイル部1200は、エージェント2000に対して、メロンパングループに属するデバイスID(つまりエージェント2000のデバイスIDと、ノード4100、4200のデバイスID)を通知する(このことは状況ルールの成立、つまりマッチング通知202と称される)。
【0081】
<コンテキストエリア10におけるエージェント2000のノードに対するマッチング報告モード>
次に上記のマッチング通知202(状況ルール成立通知と称してもよい)が行われた後、コンテキストエリア10において、エージェント2000、ノード4100、4200の間でブロードキャストが行われたとする(この動作は、エージェント2000によるマッチング報告モードである)。
【0082】
エージェント2000は、データ処理部の機能に基づき、マッチング通知情報(自器のデバイスIDとノード4100のデバイスID)を保持しているので、この情報を図1で説明したパラメータ部に記述してブロードキャストを実行する。すると、ノード4100は、受信したアドバタイズメント・パケットのパラメータ部から、自器のデバイスIDと、エージェント2000のデバイスIDと「コンテキストマッチング関連情報」を検出することができる。
【0083】
これによりノード4100は、そのデータ処理部の機能に基づき、何等かの反応をし、ユーザの注意を引き付けることができる。例えば、エージェント2000から、「メロンパン値引きクーポン」を自動的に受取ることができる。よって広告効果を一層高めることが可能となる。また販売促進を行うことができる。
【0084】
ノード4100のその他の反応としては、光の点滅、音声による通知音出力、振動、或は文字表示による通知でもよい。この通知方法は、ノード4100の種類や性能に応じて様々な形態をとることができる。アクセサリータイプの簡易型であれば、点滅或は音声通知、振動通知が可能である。
【0085】
またスマホタイプであれば、データ処理部の機能に基づき、さらに加えて文字表示、画像表示などが可能である。例えば、エージェント2000が、パラメータ部に「メロンパン値引き」と言うコンテキストを記述し送信していた場合、ノード4100のユーザは、「メロンパン値引き」の文字表示を見る、或は音声出力を聞く、さらにはメロン画像を見ることが可能となる。勿論、先に説明したように、「メロンパン値引きクーポン」を受取ることができる。
【0086】
またノードがコンテキストの比較機能を有する場合、エージェント2000は、所定のマッチング通知情報を送信してもよい。所定のマッチング通知情報は、例えば「メロンパン値引き」等である。これによりノード4100を所有するユーザは、少なくとも「メロンパン」に関して、サービスを提供するユーザが近くに存在することを容易に認識することが可能である。
【0087】
一方、エージェント2000は、通信エリア内に「メロンパン好き」のユーザ(ノード4100等)が何名いるかを「状況通知」と「マッチング通知」が実行されるごとに把握することができる。エージェント2000は、この把握により「メロンパン好き」なユーザの人数と、メロンパンの販売量とのデータを収集し、人数と販売量との相関を計算することが可能となる。さらにこのことは、ダイレクト広告が実現したことであり、所定のサーバへそのジョブ情報を通知する。ジョブ情報とは、エージェントが収集したデータ及び又は先の人数と販売量との相関(比率等)の計算結果である。
【0088】
エージェント2000は、通信エリア内のノードをカウントする場合、店としてのノード4200のデバイスIDもカウントするカウントプログラムを備える。しかし、エージェント2000は、管理管轄であるノード4200(店)のデバイスIDを予め保持している。このために、エージェント2000のカウントプログラムは、ノード4200(店)のデバイスIDを差し引いてカウントし、実質的な「客」のノード数をカウントするように構成されている。
【0089】
<コンテキストエリア20に関連するシステム動作例>
次にコンテキストエリア2に関連するシステム動作例を説明する。
【0090】
今、コンテキストエリア20のエージェント3000のコンテキストは、「赤ワイン販売」であり、このコンテキストがファイル部1200に登録されている場合を説明する。
【0091】
コンテキストエリア20の場合、客が所有するノード4300が「赤ワイン好き」をファイル部1200に登録しているものとする。また、店が所有するエージェント3000が、「赤ワイン販売」をファイル部1200に登録しているものとする。またエージェント3000は、関連デバイスとしてノード(サイネージ)4400をファイル部1200に登録しているものとする。
【0092】
この場合、赤ワイングループG2に、エージェント3000、ノード4300のデバイスID,ノード4400のデバイスIDが分類されている。
【0093】
<コンテキストエリア20のエージェント3000の状況検知モード>
今、コンテキストエリア20において、エージェント3000、ノード4300の間でブロードキャストが行われたとする(このときの動作はエージェントによる状況検知モードである)。エージェント3000は、自器のデバイスIDと共にノード4300の少なくともデバイスIDをコンテキスト判定部1000のファイル部1200宛てに送信する(このことは、状況通知301と称される)。
【0094】
すると、コンテキスト判定部1000の状況マッチング処理部1300は、ファイル部1200のテーブル1201を参照し、送られてきた複数のデバイスIDをデバイスIDグループの中から探し出す。今の状況(シチュエーション)であると、エージェント3000と、ノード4300が、赤ワイングループG2に属することが判定される(状況ルールの判定)。
【0095】
この判定に基づいて、ファイル部1200は、エージェント3000に対して、赤ワイングループG2に属する複数のデバイスID(エージェント3000のデバイスIDと、ノード4300のデバイスID)を赤ワイングループとして通知する(このことはマッチング通知302と称される)。
【0096】
<エージェント3000によるノードに対するマッチング報告モード>
上記のマッチング通知302が行われた後、コンテキストエリア20において、エージェント3000、ノード4300の間でブロードキャストが行われる(この動作は、エージェント3000によるマッチング報告モードである)。
【0097】
エージェント3000は、マッチング通知情報(自器のデバイスIDとノード4300のデバイスID)を保持しており、この情報を図1で説明したパラメータ部に記述してブロードキャストを実行する。すると、ノード4300は、受信したアドバタイズメント・パケットのパラメータ部から、自器のデバイスIDと、エージェント3000のデバイスIDを検出することができる。これにより、ノード4300は、何等かの反応をし、ユーザの注意を引き付けることができる。この注意の引き付け方法も、さきのノード4400を説明したときの方法と同様な方法である。
【0098】
さらにこの場合、エージェント3000は、オートマチックアクションとして、ノード(サイネージ)4400に対して、「赤ワイン販売」を表示するように通知する。これにより、ノード4300を所有する客は、近くのサイネージをみて、「赤ワインを販売する店」が近くにあることを高い確率で認識することができる。これにより広告効果を一層高めることが可能となる。また販売促進を行うことができる。
【0099】
なお、エージェント3000が、「メロンパンの販売」もしており、さらに他のノード(図示せず)が「メロンパン好き」というコンテキストを登録している場合は、さらに第2のマッチング通知情報を処理する。このような場合、これら複数のマッチング通知情報を、同時あるいは時間差を以てブロードキャストすることができる。
【0100】
その他、エージェント3000は、ジョブ情報として、コンテキスト判定部1000のファイル部1200、或は、別途指定されている指定サーバへ「赤ワインの宣伝広告」を行ったことをジョブとして通知する。ここで、コンテキスト判定部1000或は指定サーバに登録されている「赤ワイン販売業者」の課金テーブルの課金データを、更新して課金処理を行ってもよい。このときの課金は、ダイレクトコマーシャル成功報酬である。
【0101】
<マッチング通知情報の先行配備>
上記の説明では、コンテキスト判定部1000がサーバに設けられており、コンテキスト判定部1000がテーブル1201(コンテキスト別に、エージェントID及びノードIDをグループ分けしたテーブル)を有することを説明した。そしてエージェントは、状況通知201、301を行い、コンテキスト判定部1000からマッチング通知202、302を受取るものとして説明した。
【0102】
しかし、エージェント2000、3000に対するマッチング通知202、302の情報は、各エージェント2000、3000にそれぞれ先行して配備されてもよい。この方式であると、サーバ(コンテキスト判定部)の負担を軽減できるとともに、エージェントによるノードに対するマッチング報告及び値引きクーポンの送信が素早くなる。
【0103】
図2Bは、エージェントに、関連するマッチング通知情報を先行配備する実施形態を示している。図2Aと同一部分には、同一符号を付して、重複した説明は省略する。この実施形態は、エージェント2000、3000、ノード4100、4200、4300が、それぞれ自器のデバイスIDと、コンテキストをコンテキスト判定部1000のファイル部1200に登録した後の処理に特徴を備える。
【0104】
コンテキスト判定部1000のファイル部1200は、先に説明したように、テーブル1201を作成する。コンテキストマッチング処理を行い、コンテキスト(キーワード)毎にエージェント及びノードのデバイスIDを分類する。
【0105】
状況マッチング処理部1300は、エージェントから状況通知201、301がコンテキスト判定部1000に送られてきたときに、その返信動作として、エージェント2000やエージェント3000に、マッチング通知202、203を行う、ことを先に説明した。
【0106】
しかし、状況マッチング処理部1300は、テーブル1201の更新処理が実行された後、エージェント2000、3000に対して、マッチング通知を先行して行ってもよい。即ち、
エージェント2000に対しては、エージェント2000が登録したコンテキストのグループに属するノードのデバイスIDと、エージェント2000のデバイスIDを含むサブテーブル2001を先行配備する。図の例であると、メロンパングループG1に属するデバイスID(4100のID、4200のID、2000のID)である。
【0107】
またエージェント3000に対しては、エージェント3000が登録しているコンテキストのグループに属するノードのデバイスIDと、エージェント3000のデバイスIDを含むサブテーブル3001を先行配備する。図の例であると、赤ワイングループG2に属するデバイスIDであって、ノード4300のID,4400のIDとエージェント3000のIDである。
【0108】
上記のようにテーブル2001が、エージェント2000に先行配備(或は先行手配)され、テーブル3001がエージェント3000に先行配備(或は先行手配)される。この状態において、ブロードキャストが行われた場合、各エージェント2000、3000は、即座にマッチング報告を行うことができるとともに「値引きクーポン」をすぐに送信することが可能である。またエージェント3000は、サイネージであるノード4400にすぐに広告宣伝を行わせることができる。
【0109】
つまり、エージェント2000の動作を説明すると、次のようになる。エージェント2000は、ブロードキャストを行うときに、自動的にメロンパングループG1のノードのデバイスIDと自器のデバイスIDとを、図1で説明したパラメータ部に記述してブロードキャストを実行する。すると、この場合は、ノード4100がコンテキストエリア20に存在するので、このノード4100が何等かの反応を得ることができる。またノード4100は、自器のデバイスIDをブロードキャストする。
【0110】
するとエージェント2000は、ノード4100がコンテキストエリアに存在することを認識するので、即座に、「メロンパン値引きクーポン」をノード4100向けに送信することができる。
【0111】
ここで、もしノード4100の利用者(つまり客)が、モード4200(つまり店)でクーポンを使って、メロンパンを購入したとする。この販売情報(ジョブ情報或は報告情報)は、ノード4200からエージェント2000に送信される。またエージェント200は、販売情報をコンテキスト判定部1000、或はメロンパンの卸売業者、或は製造会社のサーバへ送信する。メロンパンの卸売業者、或は、製造会社は、販売状況に応じて、値引きクーポンの発行部数、発行期限、発行時間帯などの調整をコンテキスト判定部1000やサーバの運営者或はシステム管理者に依頼することができる。よって、本システムでは、クーポンの発行が、商品販売数、時間帯、日時に応じて、即座に実施可能或は変更である。
【0112】
エージェント3000は、ブロードキャストを行うときに、自動的に赤ワイングループG2のノードのデバイスIDと自器のデバイスIDとを、図1で説明したパラメータ部に記述してブロードキャストを実行する。すると、この場合は、ノード4300がコンテキストエリア20に存在するので、このノード4300が何等かの反応をする。またノード4300は、自器のデバイスIDをブロードキャストする。
【0113】
するとエージェント3000は、ノード4300がコンテキストエリアに存在することを認識するので、即座に、「赤ワインあり」のメッセージをノード(サイネージ)4400向けに送信することができる。これにより、ノード(サイネージ)4400においては、すぐに「赤ワイン販売」の音声出力あるいは表示が得られる。
【0114】
なお、コンテキストエリア10から、「赤ワイン好き」を登録しているノード(図示せず)がコンテキストエリア20に移動してきたときは、当該ノードは、エージェント3000からのサービスを即座に受けることができる。
【0115】
上記のように、エージェント2000や3000は、コンテキストエリア内で検知したノードに対して、オートマチックアクションとしてコンテキストマッチングする各ノードに「値引きクーポン」を送信するために、CM効果が高く、直接的でCM効率がよい。
【0116】
図2Cは、エージェント2000、ノード4100、ノード4501、ノード4503が、同時に通信エリア(コンテキストエリア)に存在し、ブロードキャストを行った場合の、動作の一例を示すフローチャートである。
【0117】
ここで、エージェント2000は、「メロンパン値引きクーポン」を所有し、発行可能であるとする。またエージェント2000は、例えば「桃の販売」をコンテキスト判定部1000に登録しているものとする。
【0118】
そして、ノード4100は、「メロンパン好き」をコンテキスト判定部1000に登録しているものとする。ノード4501は、クーポン対象とは異なる「桃が好物」をコンテキスト判定部1000に登録しているものとする。さらにノード4502は、「ハンバーガー大好き」をコンテキスト判定部1000に登録しているものとする。
【0119】
いま、エージェント2000、ノード4100、ノード4501、ノード4503が、同時に通信エリア(コンテキストエリア)で、ブロードキャストを行ったとする(S01)。エージェント2000は、受信したデバイスID(ノード4100、4501、4503の各デバイスID)をチェックし、コンテキストマッチング関係にあるデバイスIDを特定する(S02)。
【0120】
そしてエージェント2000は、ノード4100のデバイスIDが、「メロンパングループG1」であることを判定し、さらに、当該デバイスID(ノード4100)は、クーポン配布対象であることを判定する。そこで、エージェント2000は、ノード4100のデバイスIDとクーポンデータ「メロンパン値引きクーポン」をペアとしたデータを、図1で示したパラメータ部に記述して送信する。具体的には、ノード4100のデバイスIDと「メロンパン値引きクーポン」をデータ部に記述して送信する(S03)。これにより、ノード4100は、「メロンパン値引きクーポン」を取得することができる(S05)。
【0121】
また、エージェント2000は、ノード4501のデバイスIDが、「桃のループGX」であることを判定する。この場合は、エージェント2000は、ノード4501に対して、ノード4501のデバイスIDと「桃の販売」をペアとしたデータを、図1で示したデータ部に記述して送信する。これにより、ノード4501は、「桃の販売」という「コンテキストマッチング関連情報」を取得することができる(S06)。
【0122】
さらにまた、エージェント2000は、ノード4502のデバイスIDが、サービス対象ではないことを判定する。この場合、ノード4502に関するデータは、図1で示したパラメータ部に記述することはない。このため、ノード4502は、エージェント2000から、何ら「コンテキストマッチング関連情報」を取得することはない(S07)。そして、ブロードキャスト(S01)に基づく処理が終了する(S11)。
【0123】
上記したように本実施形態は、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器(エージェント)と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器(ノード4100)と、を備える。
【0124】
そして前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、
ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備えることを特徴とする。この実施形態は情報処理システム又は本システムに係る方法、又は本システムに係る装置、又は本システムに係る処理プログラムにも及ぶ。
【0125】
図2A図2Bのシステムでは、エージェント2000は、コンテキストマッチング状態にあるノードを検出した後、当該ノードに対してさらに次のブロードキャストにおいて、クーポンなどを自動配信した。したがって本システムは、商流の可能性の高い人に、正確に適切な営業を実行すると言える。上記の例であると、「メロンパン好き」と言う消費者に対して確実に「メロンパン値引きクーポン」と言うサービスを提供できることになる。さらに加えて、営業効果が強化される。
【0126】
しかし、上記の「値引きクーポン」は、エージェントに限らず、サーバからノードに送信されてもよい。つまり、サーバは、複数のエージェントの状態(例えばコンテキストマッチングが実現した数)を把握することができる。したがって「値引きクーポン」の発行をサーバが管理することで、サーバは、「値引きクーポン」の全体の発行数、或は各エージェントに対する割り当てを管理できる。
【0127】
上記したように値引きクーポンのノード向けの送信方法は、エージェントがブロードキャストで送信する方法であるが、さらにサーバがインターネットなどのネットワークを介して、エージェント若しくはノードに送信する方法も可能である。
【0128】
図2Dは、サーバ7Aがインターネットなどのネットワークを介して、エージェント若しくはノードに送信する方法の一例を示している。
【0129】
サーバ7Aは、コンテキスト判定部1000、アプリケーションインターフェース(API)7A1、販売実績管理器7A2、クーポン管理器7A3を有する。API7A1は、コンテキスト判定部1000と販売実績管理部7A2とのインタフェースとして機能している。
【0130】
販売実績管理器7A2は、コンテキスト判定部1000から、API7A1を介して、複数のエージェント2000、3000からのJOB情報(商品の販売数、販売量、売上データなど)を受取り、販売実績を把握し、クーポンの発行数、クーポンを配布すべきエージェント、配布時間帯などの属性データ(図1で示した制御コード、データ部の記述内容に対応する)を決定する。この決定に応じて、クーポン管理器7A3は、API7A1、コンテキスト判定部1000を介して、例えばノード4100にクーポンを送信することができる。勿論、この場合、サーバ7Aは、各エージェント或はノードのデバイスID、メールアドレスなどを把握している。各エージェント、或は、ノードは、自器のコンテキスト(メロンパン好き)をコンテキスト判定部1000に登録するときに、デバイスIDやメールアドレス等を登録している。この登録データがAPIを介して間接的にクーポン管理器7A2により利用される。
【0131】
サーバ7Aは、クーポン管理器7A3によりクーポンの発行を許可するエージェントが決まった場合、このエージェントに対して「値引きクーポン」を予め直接ネットワークを介して送信してもよい。またコンテキスト判定部1000がコンテキストマッチングを判断した際に、対応するノードに対して、直接「値引きクーポン」をネットワークを介して送信してもよい。
【0132】
<基本システムを円滑に稼働させるための設定システム>
上記したように、本システムは、「サービス情報を提供する側のユーザ」から、「サービス情報を欲しい側のユーザ」に対して、状況のルール成立を起点として、適切にサービス情報を提供する。この仕組みを多様に実現するために、さらに次のような設定システムが本システムに導入されることで一層の価値を発揮する。
【0133】
図3は、基本システムを円滑に稼働させるための各種の設定システムを示している。
なお以後の図においても先に説明した図のブロックと同一部分は、先に説明した図の符号と同じ符号を付して重複した説明は省略する。
<コンテキストスキーム及びルール設定システム>
上記した「状況のルール」を設定するためには、コンテキストスキーム及びルール設定部5000が利用される。コンテキストスキーム及びルール設定部5000は、例えば本システムを利用して、情報サービスの形態(種類など)を考案するルール設定者5500と、ユーザ(事業主、サービス運営者、或はサービス仕掛人等)により主として活用される。
【0134】
ルール設定者5500は、ユーザ(事業主、サービス運営者、自治体或はサービス仕掛人等)と相談しながら、「情報を提供する側」及び「情報を欲しい側」のユーザが「情報を提供する」、「情報を受取る」ための仕組みを設計する。仕組みは、情報処理手順と称してもよい。
【0135】
上記の事業主、サービス運営者、自治体、或サービス仕掛人等としては、各種商品の販売店、或は子供を持つ親(Parent-Teacher Association (PTA))、或は地方自治体などの公的機関、或は学校の同窓会の委員、或は企業などである、またルール設定者5500自身であってもよい。
【0136】
・販売店は、商品の販売を促進したいと考える、商品としては、食品、雑貨、衣料品、工業製品、部品、住宅などの各種の販売商品、証券、不動産なども含む、
・また子供を持つ親は、子供の通学の安全をチェックしたいと考える、
・また公的機関は、老人の行動範囲などをチェックしたいと考える、
・また学校の同窓会の委員は、同窓会のメンバを探したいと考える、
・またビルの管理者は、ビルの省電力化を図りたいと考える、
・さらに、大規模のスーパーマーケットの管理者、イベント会場の運営者などは、顧客を効率的に誘導するために、顧客の動線設定を行いたいと考える。
【0137】
これらのサービスは、例えば、「売れ残り商品の販売サービス」或は「商品販売促進サービス」、「子供の見守りサービス」、「老人の見守りサービス」、「出会い検知サービス」、「ビルの省電力管理サービス」、「顧客の動線設定サービス」、「待ち合わせサービス」、「趣味・クラブ・同窓会などのマッチング情報提供サービス」と称される。
【0138】
ルール設定者5500は、上記したような各サービスに好適であってユーザが利用しやすい「ルール実行プログラム」とプログラムが処理するための情報を入力する「情報入力テンプレート」を設計する。
【0139】
ルールの設定内容は、本システムを利用するユーザによって異なるし、ルールの設定内容に応じてルール設定者も異なる場合がある。例えば「商品販売促進サービス」は、店舗によって販売促進方法(ルール設定状況を構築する要素)が異なるかもしれないし、また、取り扱う商品(日常品、貴金属、乗用車など)によって販売促進方法(ルール設定状況を構築する要素)が異なるかもしれない。
【0140】
理解を容易にするために、「売れ残り商品の販売サービス」の利用例について説明する。
「売れ残り商品の販売サービス」の仕組みは、ルール設定者5500によりコンテキストスキーム及びルール設定部5000で設計される。「売れ残り商品の販売サービス」を運営するためには、「ルール実行プログラム」と「情報入力用のテンプレート」とが必要である。
【0141】
状況の設定を依頼するユーザつまりルール設定者5500は、例えばコンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパートの経営者、さらにまた、PTA(Parent-Teacher Association)、或は地方自治体などの公的機関、或は学校の同窓会の委員、或は企業などである。
【0142】
ルール設定者5500は、自身のエージェントを用意する。複数のノードは、来店する顧客、見守りが必要な子供、老人など、不特定多数である。
【0143】
ルール設定者5500は、複数のノードとエージェント間にどのような状態(配置関係或は位置関係、ノードとエージェントの相互の検知方法、検出内容)を予定しているのかを設計する。例えば先のエージェント2000は、その通信エリア(コンテキストエリア)10を設定できること、この通信エリアでノードを検知可能とすること、などを設計する。ノードを検知可能とするために、どのようなコンテキストのマッチングを予定しているのかも取り決めを行う。先の例では、コンテキストが「メロンパン売れ残り」であり、「キーワードを「メロンパン」とするなどである。
【0144】
しかし、スーパーマーケット、デパートでは商品数が多数になる。また、高額な貴金属の販売店、車の販売店などでは、来店者の入場制限が必要な場合がる。このような状況において、ユーザにマッチング通知をどのように行うかなどの方法を工夫する必要がある。
【0145】
そのために、商品名をテンプレートに入力するための工夫(例えば商品名をデータベースから自動取り込みする、マニュアルで入力するなど)の、話し合いや取り決めが行われる。またコンテキスト判定部1000からエージェントに対してマッチング通知を行う場合、通知条件を設定可能とするなどの取り決めが行われる。通知条件とは、例えば、通知頻度、所定の通知先は排除するなどである。勿論、先に説明したように「値引きクーポン」の発行指示どのような場合に行うか、発行指示をどのような日時で行うか、その変更修正を可能とするか、などの取り決めを行う。
【0146】
上記したように、コンテキストスキーム及びルール設定部5000では、ユーザ(エージェント所有者)の業種に精通しているルール設定者が、ルール実行プログラムと情報入力用のテンプレートを作成する。そして、ユーザは、希望するテンプレートを選択し、必要な設定データを入力できるように、システムが設計される。
【0147】
そのために、ルール設定者は、テンプレート内にサービス情報(コンテキスト)に付帯する属性情報(図1で説明した制御コード、データ部などである)を入力する欄を設計してもよい。
【0148】
属性情報としては、さらにコンテキスト「メロンパン売れ残り」の広告時間帯、コンテキストの有効期間、などの情報がある。またデータ部の長さ(コンテキストの長さ)、言語の種類などの指定情報がある。さらにコンテキスト判定部は、コンテキストの分類処理以外に、各種の目的で活用されてもよい。この場合、その目的を指定する情報が属性情報に追加される。例えばコンテキストが、パスワードにより暗号化されているか否かを示す情報がある。さらにまた、後述するシステム管理者9500に委託する事項を入力する欄を属性情報に設けてもよい。委託する事項としては、例えば広告(マッチング関連情報)の送信頻度などである。
【0149】
コンテキストスキーム及びルール設定部5000で作成された、「ルール実行プログラム」と「情報入力テンプレート」は、ルール設定データ501として、データファイル部1200に格納される。また、ルール設定データ501は、ルール設定データ502として、予めエージェント2000に送信されていてもよい。
【0150】
上記したように本実施形態では、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器とを備える。前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。
【0151】
そして前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える。さらに前記コンテキスト判定部に接続可能であって、前記マッチング関係となるルールを設定することでユーザサービス形態を設計するためのルール設定システムであって、前記ルールを設定する要素として、少なくともコンテキスト、デバイスIDの入力部を用意している、ルール設定部を備える。
【0152】
<情報登録システム6000>
上記したように各種のテンプレートがコンテキストスキーム及びルール設定部5000において作成される。情報登録システム6000は、ルール設定者が設計したテンプレートやソフトウエアを利用して種々のデータを登録するためのシステムである。この情報登録システム6000は、「情報を欲しい側」のユーザ6500が、具体的なコンテキストデータや自身の情報処理器のデバイスIDを先の入力情報テンプレートを用いて入力するのに利用される。
【0153】
「情報を欲しい側のユーザ」は、情報(プロファイル情報或はプロフ情報と称してもよい)を登録する。先の例であると、ノード4100のユーザが「メロンパン好き」を登録することである。また、ノード4300のユーザが「赤ワイン好き」を登録することである。またノード4200のユーザが「メロンパン売れ残り」を登録することである。これらの情報は、プロフ情報601としてデータファイル部1200に登録される。
【0154】
また情報登録システム6000は、自動マーケティング運営者のために以下のように利用されてもよい。
【0155】
先のコンテキストエリア10において、「メロンパン」に関するコンテキストマッチングが成立した場合、エージェント2000は、ジョブ情報をコンテキスト判定部1000に通知する。また、ジョブ情報には、「所定の状況」が成立した後、一定時間内に販売されたメロンパンの販売数も含まれる。
【0156】
そこで、自動マーケティング運営者もまた、エージェント2000と同様に「メロンパン好き」というノード数をカウントできる「調査エージェント」をコンテキスト判定部1000に用意する。そして、この「調査エージェント」は、多数のコンビニのエージェントから、メロンパン卸売り業者に通知されるメロンパン販売数のデータを受信する。そして、当日或は数日間の平均販売数や、時間帯に応じて、自動マーケティング運営者(「調査エージェント」)は、各コンビニに対して、メロンパンの値引き率の通知、或は「メロンパン値引きクーポン」の発行指示、発行数を通知することも可能である。
【0157】
なお自動マーケティング運営者とメロンパン卸売り業者は同じであってもよい。このように「調査エージェント」は、メロンパンの販売状況に応じて、各コンビニのエージェントに対して、クーポンの発行指示を行うことが可能である。
【0158】
或は、「調査エージェント」は、コンビニの特別な商品(例えば弁当、生鮮食品など)に対する値引き率を時間帯に応じて可変するように指示を出すことも可能である。このような指示は、さらにエージェントを介してコンビニの店頭や店内に配置されているサイネージ制御システムに入力されてもよい。
【0159】
プロフ情報601には、「サービス情報を欲しい側のユーザ」が使用する情報処理器のデバイスIDが含まれる。そしてテンプレートに記述されるプロフ情報には、欲しい情報に関わるコンテキストが含まれる。コンテキストとしては、例えば、先の「メロンパン好き」、「赤ワイン好き」などである。
【0160】
さらにプロフ情報601の属性情報として、「サービス情報を欲しているユーザ(情報処理器)」からの登録情報であることを示す属性情報が付属する。尚、属性情報としては種々の属性情報があるので、それぞれ属性情報の種類に応じて、ヘッダーとして予め取り決められたコードや記号が存在する(スキーマ情報とも称される)。
【0161】
また属性情報として、条件のデータ、マッチング制限データ等があってもよい。条件のデータとしては、コンテキストの有効期間などがある。
【0162】
マッチング制限データとしては、本情報処理器と他の情報処理器間で、コンテキストマッチングが成立したとしても、特別な状態が存在した場合は、マッチングを不成立として取り扱うデータである。例えば、マッチング制限データは、所定のデバイスID(特にエージェント)、或は所定のライバル店などの名称がコンテキストに付随していた場合、データファイル部1200のグループ分けプログラムが、マッチング不成立として判断することができるデータである。
【0163】
例えば先の図2A図2Bの例であれば、エージェント2000、3000がライバル店であったとする。このような場合、エージェント2000と3000の店が、コンテキストデータをファイル部1200に登録する場合、ライバル店の情報を登録してもよい。
【0164】
エージェント2000と3000の店が、同じ商品(例えばメロンパン)を取り扱っていた場合、メロンパングループG1にエージェント2000と3000のデバイスIDが存在することになる。この場合、ライバル店の情報がコンテキストデータに含まれると、コンテキスト判定部1000は、メロンパングループG1を、エージェント2000用のメロンパングループG1-1と、エージェント3000用のメロンパングループG1-2に分けて管理する。
【0165】
そして、コンテキスト判定部1000が、エージェント2000にマッチング通知を行うときは、メロンパングループG1-1に含まれるデバイスIDを送信し、エージェント3000にマッチング通知を行うときは、メロンパングループG1-2に含まれるデバイスIDを送信する。
【0166】
これにより、1つのグループ内のデバイスIDを1つのエージェントに送信する場合、他のエージェントのデバイスIDが同居しないようにグループ内のデバイスIDを送信する。これにより、各エージェントは不要な処理工程を無くすることができる。
【0167】
なお、本システムが図2Bで説明したように、予めエージェント2000に対してテーブル2001を先行配備する場合も同様である。
【0168】
上記したように本実施形態は、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器とを備える。前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。
【0169】
前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、また、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える。
【0170】
さらに、前記マッチング関係の具体的判断要素となる、前記第1の情報処理器、前記第2の情報処理器のそれぞれのデバイスID、それぞれのコンテキストデータ、を含むプロフィール情報を事前設定するためのプロフィール情報入力システムを、前記コンテキスト判定部に対して接続可能である。
【0171】
<提供情報入力システム7000>
提供情報入力システム7000は、「サービス情報を提供する側のユーザ」が、テンプレートを利用して、「提供情報」をコンテキスト判定部1000に入力するためのシステムである。この提供情報入力システム7000における入力用プログラムやテンプレートも、状況を設定したルール設定者が作成している。
【0172】
情報を提供する側のユーザ7500が本システムのコンテキスト判定部1000に入力する入力情報としては、「情報を提供する側のユーザ」が使用している情報提供用情報処理器(エージェント或はノード)のデバイスIDと、少なくともコンテキストがある。コンテキストとしては、例えば先のエージェント2000が「メロンパン値引きクーポン」を登録することである。またノード4200のユーザが「メロンパン売れ残り」を登録することである。またエージェント3000が、サイネージ用の広告データ(例えば赤ワインあり)を登録することである。
【0173】
また、この入力情報には、情報を提供する側のユーザ7500からの情報であることがコンテキスト判定部1000で判断できるように、属性情報(予め取り決められたコード)が付属してもよい。
【0174】
情報提供用情報処理器の属性情報には、マッチング制限データが付帯してもよい。情報提供用情報処理器との間でコンテキストマッチングが成立する第3の情報処理器が存在したとする。しかしながら、第3の情報処理器の属性情報の内容によっては、マッチング不成立として最終判定する(サービス情報を提供しない)ほうが好ましい場合がある。例えば、提供する情報が「アルコール類の値引き販売」であった場合、第3の情報処理器のユーザの属性情報に14歳以下、或は20歳以下の年齢データが記述され、コンテキストとして「消毒用アルコール」が記述されているような場合がある。このような場合は、コンテキスト判定部1000の状況マッチング処理部1300は、第3の情報処理器と情報提供用情報処理器とのマッチングは不成立として判定する。
【0175】
また属性情報としては、「提供情報」の送信先のエージェントを特定する場合、或は逆に「提供情報」を送信しないエージェントを特定する場合などに利用される。例えば、図2A図2Bの例では、エージェント2000が「メロンパン値引きクーポン」を登録するとき、属性情報の中に「提供情報」を送信しないエージェントとして「エージェント3000」を特定することがある。属性情報の記述方法は例えばエージェント3000の名称、電話番号、住所などが利用されてもよい。
【0176】
なお状況を提供する側のユーザとしては、先に説明したルール設定者5500自身もなり得る場合がある。
【0177】
上記したように本実施形態によると、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器とを備える。そして前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。
【0178】
前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える。
【0179】
さらに、前記コンテキスト判定部に接続可能であって、前記マッチング関係となる情報処理器に対して与える前記結果データは、相手に提供すべきコンテキスト内容のデータであることを事前入力するための提供情報入力システムを有する。
【0180】
<一般ユーザ入力システム4500>
一般ユーザ入力システム4500は、エージェントやゲートウエイが設定している状況により、検知、或は非検知されるノードを所有するユーザが利用するシステムである。このユーザ入力システム4500において使用される入力用プログラムやテンプレートも、状況を設定したルール設定者が作成する。
【0181】
ユーザ入力システム4500は、先に説明したノード4100、4200、4300が、それぞれデバイスIDとともに、例えば、先の「メロンパン好き」、「メロンパン売れ残り」、「赤ワイン好き」「赤ワイン販売、メロンパン販売」などのコンテキストをファイル部1200に登録するためのシステムである。ユーザ入力システム4500は、一般利用者が、いつでもコンテキストデータの登録を行えるように設計されている。また、必要に応じて、コンテキストデータの削除を行うことも可能である。
【0182】
このユーザ入力システム4500を利用するユーザは、テンプレートを利用して、ルール設定者が構築している、情報登録システム6000を介してコンテキストを入力する、または、先の提供情報入力システム7000を介してコンテキストを入力するユーザである。入力情報としては、ユーザが利用する情報処理器のデバイスIDとコンテキストがある。さらに各種の属性情報が入力されてもよい。
【0183】
<マッチング通知を行う場合の送信管理>
さらに本システムには、システム管理者9500により、マッチング通知202、203や状況通知が行われる場合の送信管理システム9000が設けられている。送信管理システム9000は、送受信部1100を制御する。送受信部1100は、マッチング通知202、203を行う場合、送信管理システム9000の制御に基づき、アクション送信が実行される。アクション送信とは、例えば送信動作の排他的制御、送信動作の重複排除、優先度による送信、送信頻度の管理に基づく送信のことである。
【0184】
排他的制御について:
送受信部1100が、多数のエージェントやゲートウエイにマッチング通知を行う場合、基本的には、順番を設定して均等な頻度でマッチング通知を行う仕組みである。しかし、エージェントやゲートウエイによって、「時間帯」や「日」によって、マッチング通知を頻繁に欲しいものと、さほど頻繁でなくてもよいものが存在する。このような場合、マッチング通知が頻繁でなくてもよいエージェントやゲートウエイに対するマッチング通知を排他的に制御するというものである。例えば、店が定休日の場合は、マッチング通知は不要である場合がある。また午後のみ営業する店は、午前中のマッチング通知は、不要若しくは最小数の設定でよい。そこで、各エージェント若しくはルール設定者は、システム管理者9500と話し合いにより、上記の排他的制御に関する内容を取り決めする。
【0185】
重複排除による制御について:
例えば同じコンテキストエリアに、同様なエージェントが複数(例えば2つ)存在することがある。すると、2つのエージェントからコンテキスト判定部1000には、同じノードのデバイスIDが2か所から通知される。そして、コンテキスト判定部1000は、同じノードのデバイスIDを、2つのエージェントに送信することになる。このような場合は、同じノードのデバイスIDを、2つのエージェントに時間をおいて交互に送信して、重複送信を避ける制御が重複排除による制御である。
【0186】
優先度による制御について:
例えば、複数のエージェントがコンテキスト判定部1000に接続されている場合、エージェントにより、規模が異なる場合がある。またエージェントにより、サービス内容の違いや規模の違いある、例えば救急病院のエージェント(或はゲートウエイ)、公的機関のエージェント(或はゲートウエイ)、スーパーマーケットのエージェント、コンビニのエージェントなどがある。またシーズンによって、活動が忙しく(ビジーに)なるエージェントや、活動が暇(フリー)となるエージェントがある。このような場合、マッチング通知が即時性を要するエージェントや忙しいエージェントに対して優先的に送信されるようになっている。
【0187】
送信頻度管理による制御について:
コンテキスト判定部1000は、基本的には、順番を設定して均等な頻度で、各エージェント(又はゲートウエイ)にマッチング通知を行う仕組みである。このために一定の期間内での、各エージェント(又はゲートウエイ)へのマッチング通知回数が均等となるように、調整する。
【0188】
上記したように実施形態によると、コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器とを備える。前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備える。
【0189】
前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える。
【0190】
さらに、前記コンテキスト判定部に接続可能であって、前記コンテキスト関連情報の送り方として、送信頻度、排他的制御、重複排除のいずれかを行う送信管理情報を前記コンテキスト判定部に入力する送信管理システムを有する。
<エージェントとして利用される機器の例>
図4A図4B図4Cは、エージェントとして利用される情報処理器の外観を示し、図4Dは、当該情報処理器の内部機能ブロックを示している。しかし必ずしもここで例示されるものに限定されるものではない。
【0191】
図4Aは、スマホがエージェント2000或は3000として利用される例である。このスマホは、ビーコン通信部231と、電話回線やインターネットに接続するための基地局接続部232を有する。図4Bは、パーソナルコンピュータ(PC)がエージェント2000或は3000として利用される例である。このPCは、ビーコン通信部233と、インターネットに接続するためのネットワーク接続部234を備える。図4Cは、エージェント2000或は3000として専用に作成された情報処理器である。この情報処理器は、ビーコン通信部235と、ネットワーク接続部236を備える。
【0192】
図4Dは、上記のエージェント2000或は3000に必要な機能ブロックを示している。これらは、ノード4100-4300として利用されてもよいことは勿論である。またサイネージに組み込まれてもよいことは勿論である。
【0193】
機能ブロックは、送受信部2300と、ビーコン通信処理器2301と、無線又はネットワーク通信処理器2302を備える。ビーコン通信が行われるときはビーコン通信処理器2301とデータ処理器2304がスイッチ2303により接続され、無線通信或はネットワーク通信が行われるときは、無線又はネットワーク通信処理器2302とデータ処理器2304がスイッチ2303により接続される。
【0194】
状況データのメモリ2305は、図2Bで説明したテーブル2001やテーブル3001のデータや、各種の属性データを格納する。したがって、ビーコン通信が行われるときは、データ処理器2304は、メモリ2305のデータを読み出して、アドバタイズメント・パケットのパラメータ部に送信データとして記述する。制御部2306は、上記の送受信部2300、ビーコン通信処理器2301、無線又はネットワーク通信処理器2302、スイッチ2303、データ処理器2304及びメモリ2305を総合的に制御する。したがって制御部2306は、動作モードに応じて、各種アプリケーションを選択的に利用する。また表示器2307、電源2308もまた装備されている。
【0195】
上記した、状況データのメモリ2305は、書き換え可能な領域を有するメモリ(RAM)と、予めコンテキストマッチング用の読出し専用メモリ(ROM)を含んでもよい。ROMとしては、ノード2000、3000の利用価値を高めるために、各種のコンテキストデータを記述した専用メモリであり、着脱可能であってもよい。例えば、コンビニやデパートで使用される販売商品は多数であり、予め商品名やコンテキストが記述されたメモリが利用されてもよい。後述するノードの状況データのメモリにあっても上記と同様なことが言える。
【0196】
<ノードとして利用される機器の他の例>
図5A図5B図5C図5D図5Eは、ノードとして利用される機器(情報処理器)の例を外観形状で示している。しかし必ずしもここで例示するもの限定されるわけではない。
【0197】
図5Aは、スマホ4510の例であり、ビーコン通信部4511と、電話回線やインターネットに接続するための基地局接続部4512を有する。図5Bは、腕時計4520が利用された例であり、この腕時計4520にビーコン通信部4521が内蔵されている。図5Cは、ペンダント4530が利用された例であり、このペンダント4530にビーコン通信部4531が内蔵されている。図5Dは、腕輪4540が利用された例であり、この腕輪4540にビーコン通信部4541が装着されている。図5Eは、めがね4550が利用された例であり、このメガネ4550にビーコン通信部4551が装着されている。
【0198】
<ノードの機能の例>
図6A図6B図6C図6Dは、ノード(又はエージェントとしても利用可能)の各種の機能ブロックの例を示している。これらの情報処理器は、コンテキスト判定部1000に登録する際、エージェントとして登録することも可能である。
【0199】
以下、簡単にノードとして説明する。ノードの機能ブロックは、シンプルなものから複雑なものまで各種のタイプが利用される。図6Aのノード4A00の機能ブロックは、スマホと同様な機能ブロックであり、また図4Dで説明したエージェントと同様な構成である。即ち、
送受信部4A10と、ビーコン通信処理器4A11と、無線又はネットワーク通信処理器4A12を備える。スイッチ4A13は、データ処理器4A14を、ビーコン通信処理器4A11と無線又はネットワーク通信処理器4A12に対して動作モード(ビーコン通信モード又は無線通信或はネットワーク通信モード)に応じて選択的に接続する。
【0200】
状況データのメモリ4A15は、自器のデバイスID、自器で設定しているコンテキスト、属性データなどを格納する。データ処理器4A14は、メモリ4A15のデータを読み出して、アドバタイズメント・パケットのパラメータ部に該データを記述することができる。制御部4A16は、送受信部4A10、ビーコン通信処理器4A11、無線又はネットワーク通信処理器4A12、スイッチ4A13、データ処理器4A14及びメモリ4A15を総合的に制御する。したがって制御部4A16は、動作モードに応じて、各種アプリケーションを選択的に利用する。また表示器4A07、電源4A08もまた装備されている。
【0201】
このノード4A00は、アプリケーションを追加することで、自律的にコンテキストマッチング処理及び状況マッチング処理を実行することが可能となる。このため図2A図2Bで説明したコンテキスト判定部1000の機能と同様な機能を小規模で持つことができる。
【0202】
図6Bのノード4B00の機能ブロックは、図6Aのノード4A00から状況データのメモリ4A15、表示器4A07が除かれたものであり、他の機能ブロックは、ノード4A00と同じである。このノード4B00は、専用の中継器として利用することが可能である。例えばビーコン通信で取得したデータ(例えばデバイスID)をインターネット経由でサーバ或はエージェントに送信する機器として利用可能である。また逆にインターネット経由で取得したデータを、ビーコン通信により、近辺の通信エリアに存在する他のノード或はエージェントに通知することが可能である。
【0203】
図6Cのノード4C00の機能ブロックは、図6Aのノード4A00から状況データのメモリ4A15、表示器4A07、無線又はネットワーク通信処理器4A12が除かれ、センサ4A09が付加されたものであり、他の機能ブロックは、ノード4A00と同じである。このノード4C00は、ビーコン通信だけを行うものであり、例えばセンサ4A09の検知信号レベルを通知する場合に利用可能である。センサの種類としては、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、臭気センサ、ジャイロ、高度センサ、GPS、気圧センサ、圧力センサ、水漏れセンサ、粉塵検出センサ、CO2センサ、人感センサ、イメージセンサなどがある。センサは、これらに限定されるものではない。
【0204】
図6Dのノード4D00の機能ブロックは、図6Aのノード4A00から表示器4A07、無線又はネットワーク通信処理器4A12が除かれ、他の機能ブロックは、ノード4A00と同じである。このノード4D00は、ビーコン通信を行ったとき、簡単なコンテキストマッチング処理を行うことが可能である。その結果は、表示器4A15によりユーザに通知することが可能である。コンテキストマッチング処理を大規模で行う事は困難であるが、簡単なキーワードに関して処理することは可能である。このノード4D00表示器もLEDの点滅など簡単な表示を行う場合に有効である。
【0205】
上記した各種ノードにおいても音声出力機能が設けられてもよことは勿論である。
【0206】
<コンビニ、スーパーマーケット、デパート、各種店舗でのシステム利用例>
図7Aは、コンビニエンスストア3Aが、商品の販売促進システムに本発明の実施形態を適用した例を示している。コンビニエンスストア3Aのオーナは、エージェント3000を導入している。エージェント3000は、コンテキストエリア20を有する。エージェント3000は、コンビニ3Aのノードとしても利用される。そして、コンテキスト判定部1000に「赤ワイン販売」「メロンパン販売」を登録している。
【0207】
顧客3Bは、ノード4A00を有し、コンテキストとして「赤ワイン好き」を登録している。また顧客3Cは、ノード4D00を有し、コンテキストとして「メロンパン好き」を登録している。
【0208】
図7Bは、販売促進システムの動作例を時間Tの経過に沿って示している。顧客3B、3Cがコンテキストエリア20内に侵入し、ブロードキャストが行われたとする(SA1)。すると、エージェント3000、ノード4A00、ノード4D00は、コンテキストマッチング状態となり、それぞれコンテキストマッチング状態を検知する。これにより、顧客3Bと顧客3Cは、それぞれ自身が興味を持つ商品が、近くで販売されていることを認識できる(SA2、SA3)。つまり顧客3Bは、近くに「赤ワインの販売」を行っている店があることを認識し、顧客3Cは、近くに「メロンパンの販売」を行っている店があることを認識する。
【0209】
一方、エージェント3000は、ブロードキャストを実行したきに、ノード4A00、ノード4D00のデバイスIDを取得する。これによりエージェント3000は、販売促進を行っている商品に興味をもつ顧客3B、3Cに対して、直接的に広告を行ったことを認識できる(SA4)。そして、エージェント3000は、取得したデバイスIDをカウントし、デバイス数を認識する(SA5)。このカウントを行う場合は、所定時間以内で既に受信しているデバイスIDの数は除外する。これは重複してデバイスIDがカウントされるのを避けるためである。さらにエージェント3000は、カウントしたデバイスIDの数をサービス運営者のサーバ5Aへ送信する。
【0210】
サービス運営者のサーバ5Aは、「広告成立」の報酬として、エージェント3000に対する課金用のデータファイルを更新する(SA6)。
【0211】
また、エージェント3000は、ノード4D00のユーザが「メロンパンが好き」であることを認識するとともに、エージェント3000が「赤ワイン値引きクーポン」を発行できることを認識している場合がある。この場合、「メロンパン値引きクーポン」を、ノード4D00向けに送信する(SA7)。これにより、ノード4Dは、値引きクーポンを取得することができる(SA8)。
【0212】
また、エージェント3000は、ノード4A00が「赤ワイン好き」であることを認識する。ここで、近くにサイネージがある場合は、サイネージに向けて「赤ワイン販売」などの広告を行うことができる(SA9,SA10)。
【0213】
<見守りサービス1>
図8Aは、サービス運営者(例えば地域自治体、或はParent-Teacher Association (PTA
)或は警備会社)が、見守りサービスシステムに本発明の実施形態を適用した例を示している。子供6Aの通学見守りサービスシステムを例に説明する。
【0214】
子供6A1は、スマホ4510を有する。子供6A1の通学路の途中の例えば横断歩道の信号機6B1に、この場合、エージェント4B00が配置されている。このエージェント4B00は、子供6A1のスマホ4510が通信エリア内にある時、ブロードキャストにより、スマホ4510のデバイスIDを取得する。エージェント4B00は,取得したデバイスIDを、サービス運営者のサーバ7Aにネットワークを介して送信する。
【0215】
サーバ7Aは、見守り利用者のためにデータ保存用のテーブル7A10を有し、このテーブル7A10に各利用者6A1,6A2,6A3・・・の通過位置データ6T1,6T2,6T3・・・をそれぞれ記録する。通過位置データは、例えば信号機6B1の所在地(番地、町名など)と利用者(図の場合は利用者6A1)が通過した日時データを含む。信号機6B1の所在地は、信号機6B1に設置されているエージェント4B00がファイル部に登録されるときに、エージェント4B00のデバイスIDとともに同時に登録されている。
【0216】
サーバ7Aの利用者6A1のデータをチェックできるユーザは、予めサービス運営者と契約を行っている例えば両親6C1、6D1である。両親6C1、6D1は、子供6A1の通過位置がいつもと違うような場合、スマホ4511を利用して直接子供6A1のスマホ4510に電話をかけて、状況を確認することができる。
【0217】
またサーバ7Aには、利用者の通過位置がいつもと違うような場合、或は、利用者の通過時間がいつもと大きくずれているような場合、両親6C1、6D1のスマホ4511へ通知するサービスアプリが設けられていてもよい。
【0218】
図8Bは、上記した見守りシステムの一部の動作例を時間Tの経過に沿って示している。子供6A1が信号機6B1の近くを通るとき、スマホ4510とエージェント4B00との間でブロードキャストが行われる(SB1)。エージェント6B1は、予め登録されているスマホ4510のデバイスIDを検知する。そしてエージェント6B1は、サーバ7Aに対して、スマホ4510のデバイスIDと、信号機6B1の番号或は住所などの通過位置のデータを送信する(SB3)。サーバ7Aは、テーブル7A10の利用者6A1(子供)のデータ記録部6T1に、通過位置データを記録する(SB4)。
【0219】
両親6C1,6D1は、任意の時間にスマホ4511を使用し、サーバ7Aをアクセスし、通過位置データ6T1を確認することができる(SB5)。また、サーバ7Aは、通過位置データ6T1のチェックプログラムを有し、受け取った通過位置がいつもと違う位置のときは、両親6C1,6D1のスマホ4511に警告通知を行う(SB6,SB7)。
【0220】
これにより両親6C1,6D1は、スマホ4511を使用して子供6A1のスマホ4510を呼び出し、状況報告を求めることが可能である(SB9)。
【0221】
<見守りサービス2>
図9Aは、サービス運営者(地域自治体)が、老人見守り及び案内システムを本発明の実施形態として実現した場合の例を示している。図9Bは、老人見守り及び案内システムの動作例を時間Tの経過に沿って示している。図9A図9Bを参照して説明する。
【0222】
老人6Eのための散歩道6Hの途中には、上りの階段6F、下りの階段6Gがある。そこで、地域自治体は、老人6Eが、上りの階段6Fと、下りの階段6Gに近づいたとき、老人6Eのスマホを制御し音声により注意を呼び掛けることを実現している。
【0223】
老人6Eの散歩道6Hには、さらに電柱2A01、2A02、2A03がある。電柱2A01、2A02、2A03には、それぞれエージェント2A11、2A12、2A13が配備されている。図では1つのエージェントの構成例を代表で示している。エージェント2A11、2A12、2A13は地域自治体が配備する。なおこのエージェント2A11、2A12、2A13は、街中では外観が看板やサイネージ、或は道路標識であってもよい。
【0224】
サーバ7Aは、ファイル部に案内システムのためのデータベース(テーブル)7A13を備える。テーブル7A13は、地域自治体が登録したエージェント2A11、2A12、2A13のデバイスIDを同一グループで管理している。そして、老人6Eのスマホ4515のデバイスIDは、地域自治体が登録したエージェント2A11、2A12、2A13のデバイスIDと同じグループに登録されている。この登録も地域自治体が行う。
【0225】
今、老人6Eが、上り階段6Fに差し掛かったとする。するとエージェント2A11と老人6Eのスマホ4515が同じコンテキストエリアに入る。エージェント2A11とスマホ4515のブロードキャストにより、エージェント2A11は、スマホ4515(老人6E)を認識する(図9BのSC1)。また、エージェント2A11は、次のブロードキャストにより、スマホ4515に向けてメッセージ音声の出力制御を行う(図9BのSC2)。メッセージ音声は、例えば、「上り階段があります、十分気をつけてください、お手伝いが欲しい場合は、スマホの♯のボタンを押してください」である。
【0226】
またエージェント2A11は、サーバ7Aに、スマホ4515がエージェント2A11の位置を通過したという通過位置データを送信し、サーバ7Aは通過位置データを記録部に記録する(図9BのSC3、SC5)。この時の処理方法は、図8Aで説明した方法と同じである。
【0227】
次に、老人6Eが移動し、エージェント2A12に近くに到着したとする。エージェント2A12とスマホ4515のブロードキャストにより、エージェント2A12は、スマホ4515(老人6E)を認識する(図9BのSC6)。エージェント2A11は、サーバ7Aに、スマホ4515がエージェント2A12の位置を通過したという通過位置データを送信し、サーバ7Aは通過位置データを記録部に記録する(図9BのSC7、SC8)。
【0228】
さらに老人6Eが移動し、下り階段6Gに差し掛かったとする。するとエージェント2A13と老人6Eのスマホ4515が同じコンテキストエリアに入る。エージェント2A13とスマホ4515のブロードキャストにより、エージェント2A13は、スマホ4515(老人6E)を認識する(図9BのSC9)。また、エージェント2A13は、次のブロードキャストにより、スマホ4515に向けてメッセージ音声の出力制御を行う(図9BのSC10)。メッセージ音声は、例えば、「下り階段があります、十分気をつけてください、お手伝いが欲しい場合は、スマホの♯のボタンを押してください」である。エージェント2A11,2A12,2A13の構成は、図4Dで示したエージェント2000と同じであり、さらにスピーカ2301を有し、このエージェント2A11、2A12、2A13が案内音声を出力してもよい。
【0229】
またエージェント2A13は、サーバ7Aに、スマホ4515がエージェント2A13の位置を通過したという通過位置データを送信し、サーバ7Aは通過位置データを記録部に記録する(図9BのSC11、SC13)。
【0230】
上記のシステムは老人の見守り及び散歩の誘導を行うことができる。サーバ7Aに記録された通過位置データは、自治体或は家族がスマホからアクセスしてチェックすることが可能である。この見守り及び案内システムは、老人或はその家族が自治体にシステム利用届を行うことで利用可能である。
【0231】
上記のシステムは、道案内システムとしても転用することが容易である。スマホ4515(老人6E)が、エージェント2A11、2A12、2A13に差し掛かるごとに、老人6Eに対して次の目印や方角を音声で教える方法が可能である。
<出会い系サービス>
図10Aは、出会い検知システムに本発明の実施形態が適用された場合のイメージ例を示す説明図である。図10Bは、出会い系検知システムにデバイスIDを登録する場合の手順を示す説明図である。また図10Cは、腕時計4520とペンダント4530とが同一のコンテキストエリアに位置し、ブロードキャストを行った場合の動作説明図である。
【0232】
図10Aにおいて、腕時計4520にノード4A00が内蔵され、またペンダント4530にノード4D00が内蔵されている。ノード4A00とノード4D00の構成は、図6A図6Dで説明した通りである。
【0233】
このノード4A00とノード4D00は、ブロードキャストにより、受信したコンテキストと自身のコンテキストとを比較する機能を備えている。状況データメモリ4A15内には、自身のコンテキストを記憶している。このコンテキストをキャッチ用コンテキストと称する。このキャッチ用コンテキストは、1種類のみならず複数であってもよい。例えば、AAA学校卒業、趣味スキー、趣味テニスなど比較的短いキャッチ用コンテキストが望ましい。またこれらの要件には、論理AND(同時成立)と論理OR(いずれかが成立)を設定することが可能である。
【0234】
ノード4A00とノード4D00は、ブロードキャストにより、互いのコンテキストを受信すると、受信コンテキストと自身のキャッチ用コンテキストを比較することができる。この比較は、データ処理器4A14が制御部4A16の制御のもとで実行する。そして、受信コンテキストとキャッチ用コンテキストとが一致した場合、何等かの表示或は音声出力が、腕時計4520、ペンダント4530から得られる。
【0235】
上記のノード4A00とノード4D00に対して、ユーザがキャッチ用コンテキストを登録する場合は、以下のように手続きをおこなう。まず、ユーザは、スマホ或はパーソナルコンピュータを用いて所定のサーバをアクセスする。またユーザは、スマホ或はパーソナルコンピュータを自身のノード4A00或はノード4D00を近距離無線通信により相互通信可能状態に設定する。
【0236】
そして、図10Bに示すように、所定のサーバからスマホ或はパーソナルコンピュータに登録用のソフトウエアをダウンロードする。つまりスマホ或はパーソナルコンピュータが、出会い系サービステンプレートを読み出し、登録用ソフトウエアを展開することができる。このとき、ノードは、スマホ或はパーソナルコンピュータと近距離無線により、リンクし、相互通信可能となっている。スマホ或はパーソナルコンピュータによりアクセスされたサーバには、これから出会い系サービスのユーザが情報を入力することが設定され、サーバは、出会い系サービステンプレートの管理を開始する(SE0,SE1)。
【0237】
ユーザは、テンプレートの空欄に対して、使用するノード4A00或はノード4D00のデバイスIDと、出会いマッチング用(或はキャッチ用)のコンテキストデータを入力し登録する(SE2、SE3)。このとき、複数(例えば2つ)のコンテキストデータが入力された場合、「いずれか一方が成立すればよい」、「または両方の成立が必要」、という論理条件の属性入力欄があってもよい。また、コンテキストに対して属性情報として、排他的条件データが付加されてもよい(SE4)。さらには、コンテキストデータの期限制限データが同じく属性情報として付加されてもよい。期限制限データとしては、例えばマッチングを受け付ける期間や時間が指定されてもよいし、終了日時が指定されてもよい(SE5)。ユーザは、入力データを確認し(SE6)操作を終了する。するとテンプレートに入力したデータ(コンテキストデータ及び属性データ)が、サーバに登録されるとともに、直接的にユーザが操作したスマホ或はパーソナルコンピュータから無線により腕時計4520或はペンダント4530に送信され、ノード4A00或は4D00のメモリ4A15に記録される。
【0238】
従って、ノード4A00或は4D00の制御部4A16は、スマホ或はパーソナルコンピュータとリンクして相互に通信するアプリケーションを備えている。このアプリケーションが対応する通信は、近距離無線通信、ビーコン通信などいずれでもよい。
【0239】
次に、腕時計4520のノード4A00と、ペンダント4530のノード4D00とが、同一のコンテキストエリアの同時に遭遇したとする。すると
図10Cに示すように、ノード4A00と、ノード4D00とがブロードキャストし(SF0)、お互いを検知することになる(SF1、SF11)。そしてお互いは、保持しているコンテキストデータと、受信したコンテキストデータとを比較し、マッチングが成立しているかどうかを判定する。
【0240】
しかし、ノード4A00とノード4D00は、それぞれ受信したコンテキストデータに、マッチング排他データが含まれているかどうかを判定する(SF2、SF12)。受信したコンテキストデータに、マッチング排他データが含まれている場合は、以後の処理・受信を一定期間中止する。しかし、受信したコンテキストデータに、マッチング排他データが含まれていない場合は、ユーザに表示又は音声による通知を行う(SF3、SF13)。
【0241】
上記の出会い系サービスは、例えば「同窓会の委員が同窓会のメンバと遭遇したい」、あるいは「ある趣味を持つ人が、同じ趣味を持つ人と遭遇したい」、など各種の利用方法が可能である。
【0242】
また特別なケースとして、パスワードを用いた圧縮処理が施されている場合もある。パスワードが、第1のユーザの第1のデバイスと、第2のユーザの第2のデバイス間で利用される場合、ユーザはそれぞれのデバイスに予めパスワードを登録することができる。これにより、第1のデバイスと第2のデバイス間の通信による受信データは、それぞれのデバイスにおいて自動的に解凍される。
【0243】
図11は、ビル管理システムに本発明に係る実施形態が導入された例を示す。8Aは例えば1階(1F)から4階(4F)までの会社のビルを示している。社員は、2階から4階までは、エレベータ8A1を利用していくことができる。受付カウンタ8A2には、エージェント3000が配置されており、このエージェント3000は、会社員に割り当てられたスマホ4581(社員カードでもよい)のIDをコンテキスト判定部に記憶しているものとする。
【0244】
今、社員6Hが出勤し、受付カウンタ8A2において、自分のスマホ4581を受取り、電源をオンしたとする。社員6Hは、3Fの部門に在籍するものとする。
【0245】
すると、スマホ4581とエージェント3000がビーコン信号をブロードキャストする。エージェント3000は、社員6Hが出勤したものと判定し、社員6Hが在籍する部門の照明3LD1~3LD6をオン制御する。また、空調装置3AC1,3AC2に制御信号を送り、空調動作をスタートさせる。一方、スマホ4581は、その表示器の画面に、社員名、行き先の階3Fを表示する。
【0246】
社員がエレベータ8A1に乗ると、エレベータ8A1は、エージェント3000から通知を受けたエレベータ制御装置8A3により制御され、3Fまで移動して停止する。
【0247】
上記の説明は、受付カウンタ8A2にエージェント3000が配置されているとしたが、エレベータ3000内に配置されていてもよい。
【0248】
なお、社員が帰宅するときは、スマホ4581の電源をオフし、受付カウンタ8A2の所定の位置に返却する。これにより、社員の出退勤が、エージェント3000によりチェック可能となっている。つまりエージェント3000は、スマホ4518の電源のオン、オフの時間管理を行うことができるからである。
【0249】
上記のビル管理システムであると、必要個所の照明や空調装置の電源オンオフを行うので無駄な消費電力の消費を抑制できる。また、社員の出退勤の管理が可能である。
【0250】
図12Aは、空間環境検知システムに本発明の実施形態が適用された例を示す説明図である。
【0251】
例えばCo2を検知するセンサ4A09を有するノード4C00が使用された例である。このノード4C00は、例えば、バス11A内、電車12A内、オフィス13A、飛行機14A内、バー15A内、病室16A内、レストラン17A内などがある。
【0252】
スマホ4519を有するユーザが、バス11A内、電車12A内、オフィス13A、飛行機14A内、バー15A内、病室16A内、レストラン17A内などに侵入した場合、ノード4C00とスマホ4519間でブロードキャストを行う。この通信により、ユーザは、ノード4C00から各環境のCo2の状態報告(サービス情報)を受けることができる。つまり、スマホ4519は、ノード4C00からCo2検知信号を受け取ることができる。Co2検知信号が、基準値以下であれば、スマホ4519は表示部に例えば「充分な換気が保たれています」などの表示を行う。しかし、Co2検知信号が、基準値に満たない場合は、スマホ4519は表示部に「換気を行ってください」などの表示を行う。
【0253】
上記はCo2センサを有するノードの使用例を示したが、使用する環境と目的に応じて、各種のセンサが利用される。センサの種類としては、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、臭気センサ、ジャイロ、高度センサ、GPS、気圧センサ、圧力センサ、水漏れセンサ、粉塵検出センサがあるが、これらに限定されるものではない。
【0254】
図12Bは、ノード4C00の他の構成例を示している。このノード4C00は、複数のセンサ4AS1、4AS2、4AS3の検出値を受取ることができる。センサ4AS1、4AS2、4AS3の検出値の受け取り方法は、無線、或は有線のいずれでもよい。無線方式のセンサの場合、車内や機内に予め装備されているセンサが利用される。
【0255】
センサ4AS1、4AS2、4AS3の種類は、ノード4C00の使用環境に応じて、各種のセンサが選択的に使用される。
【0256】
このようなセンサをもつノード4C00は、車内や機内の位置(GPS)と、温度、気圧などを同時に取得し、スマホ1519に通知することが可能である。
【0257】
図13は、イベント会場、ショッピングモールの入り口などでの待ち合わせ用システム、グループ点検システム、顧客動線システム等に本発明の実施形態が用いられた例を示す説明図である。観客は、会場の入り口付近で待ち合わせを行う事が多い。また、団体旅行客は、グループの点検を行うこともある。また個人では会場が広いために独自に予約席まで行くのに大変苦労する。
【0258】
20Aは、各種のイベントが行われるイベント会場である。待ち合わせ用システムは、例えば同じ趣味を持つ人、同じファンクラブの会員の人、などが利用可能である。
【0259】
待ち合わせにより、友人、ファンクラブ、同窓生などを見つけるには、例えば図10A図10B図10Cで説明したような方法で、実現することが可能である。
【0260】
またイベント会場20Aの正面入り口付近には、案内ロボット21Aが配置される。この案内ロボット21Aは、エージェント3000を内蔵しており、ビーコン通信部235と、ネットワーク通信部236を備える。
【0261】
また案内ロボット21Aのネットワーク通信部236は、基地局22Aを介して所定のサーバ23Aと通信が可能である。
【0262】
サーバ23Aは、送受信部23A1、制御部23A2、イベント会場の少なくとも予約データファイル23A3を有する。予約データファイル23A3は、スマホ4510、4511、4515を所有する各ユーザの予約データを記録しているものとする。予約データは、例えばユーザのスマホのデバイスID、スマホの電話番号、予約席データ、予約日、ユーザの年齢などが含まれていてもよい。
【0263】
今、各ユーザがロボット21Aに近づくと、各ユーザが所有するスマホ4510、4511、4515と、ロボット21Aに内蔵されているエージェント3000との間でブロードキャストが実行される。
【0264】
すると、エージェント3000は、各スマホ4510、4511、4515のデバイスIDを、サーバ23Aにネットワークを介して送信する。
【0265】
ここで、サーバ23Aは、各スマホ4510、4511、4515のイベント会場20Aの予約データを有するものとする。このために、サーバ23Aは、予約データからスマホ4510、4511、4515の電話番号と、予約日、予約席データを検出する。
【0266】
またサーバ23Aは、予約席データを検出した場合、イベント会場入り口(ロボット21Aの位置)から、当該予約席までの案内プログラムを起動する。この案内プログラムには、必ず、トイレ位置の案内が含まれるが、さらにお土産販売店の案内も含まれてよい。
【0267】
上記案内プログラムによる案内音声と動線情報(例えば画面による道案内情報)は、それぞれ個別回線で、それぞれのスマホ4510、4511、4515に、サーバ23Aから基地局22Aを介して送信される。このシステムにより、顧客は不安なく予約席まで行くことができる。
【0268】
上記の例は、イベント会場20Aの顧客動線システムを説明したが、イベント会場20Aだけでなく、大型ショッピングモール、デパート、空港、などにも本実施形態が適用可能であることは勿論である。この実施形態の場合、予約席の代わりに、買いたい商品のコンテキスト、出口番号、入り口番号などがサーバに設定される。
【0269】
さらにまた、本システムが、待ち合わせシステムとして利用された場合、次のような配慮がなされている。今、コンテキストデータとして、「絵画鑑賞」、属性情報として「日付」「待ち合わせ」「グループ人数」などが登録されているものとする。
【0270】
このような場合、1つのグループの複数のユーザが、ロボット周辺(コンテキストエリア)に集合する時間は、ぞれぞれ、ずれている。そこで、エージェント3000は、到着したノードと通信を行った場合、コンテキストデータ「絵画鑑賞」の他に属性情報に少なくとも「待ち合わせ」と言う目的記述があるかどうかを判定する。当該ノードが「待ち合わせ」という属性情報を有する場合、エージェント300は、同じコンテキストマッチング関連にあるユーザがすでに到着しているかどうかを判定する。また新たに到着したユーザのデバイスIDをグループ用メモリに記述する。そして、新たに到着したユーザのノードに対しては、現在の集合人数(実際にはノード数)をブロードキャストで返信する。
【0271】
図14は、ビーコン・パケットのユーザ領域を利用する場合の他の例である。
【0272】
ユーザ領域23には、図1で説明したように、バイト7~バイト8には、メンバID(Member ID:電子装置のユーザの識別情報)が記述される。バイト9~バイト10には、モジュールID(非特定アプリケーションの識別情報)が記述される。バイト11には、フレームタイプ(Frame Type)が記述される。フレームタイプ(Frame Type)は送信種別を示す、ことを説明した。
【0273】
さらにバイト12~バイト31は、パラメータ部(Parameters:送信情報)である。パラメータ部は、複数のパラメータを格納する。各パラメータは、TL部とVAL部からなる。TL部は1バイトからなり、TYPEフィールドとLENGTHフィールドからなる。TYPEフィールドは、VAL部内のデータのタイプ(int型、float型、string型がある)が、int型、float型、string型のいずれであるかを区別していることを説明した。
【0274】
図14は、上記のパラメータ部に記述されるパラメータ(データと称してもよい)の他の例を示すが、このようなフォーマットに限定されるものではない。パラメータ部のデータ領域は、ヘッダー領域b、情報ID記述領域c、制御コード記述領域d、デバイスID記述領域e、データ記述領域f、を含む。
【0275】
ヘッダー領域bには、ヘッダー領域bには、パラメータ部の特定のコードが割り当てられている。次に続く情報ID記述領域cには、どのような種類(特にデータ部のデータの種類)の情報が送られているかを示す識別データが記述される。種類としては、例えばGPS情報、センサ情報、などがある。さらに、ファイルシステムのように、各種データの記述領域の割り当てバイト数の情報が存在してもよい。
【0276】
ノードIDの記述領域eには、このビーコン・パケット21を送信するデバイスの識別データであり、例えば、エージェント、ノード、スマホ、ゲートウエイなどのデバイスを識別する識別データである。
【0277】
制御コードの領域dには、例えば新しい状況ルールが登録される場合、或は状況ルールに変更があるとき、などを伝える場合、或はルールそのものを伝える場合に利用される。また、制御コードには、
データ記述領域eには、コンテキストに対応したスキーマ情報が利用される。つまり、送信側と受信側で予め取り決めた意味をもつコードが用いられる。また、利用するコンテキストマッチングサービスの種類によっては、生のコンテキストデータが用いられる場合も含む。
【0278】
上記のエリアの情報は、一般には属性情報と称される。上記の属性情報は、固定のものではなく限定されるものではない。属性情報は、基本的には、いわゆるコンテキストデータの取り扱いを指示するものである。したがってシステム運用者において、属性情報のフォーマットや内容は種々であり、重要なものは、属性情報がこのエリアに存在することである。
【0279】
制御コードの領域dは、利用期間記述領域を含んでもよい。利用期間記述領域は、本サービスを利用可能な利用期間(年月日、曜日、時間帯)が記述される。この利用期間情報は、システムや利用者により必要に応じて書き換えが可能である。例えば、販売促進システム(図7A図7Bで説明)の利用者と本システム運営者との契約が満了となった場合は、システムにより利用期間が自動的に削除される場合がある。また販売促進システムの活用されたために、販売商品が完売となると、利用者は、登録システムから、テンプレートを利用して利用期間を削除することができる。また出会い検知システム(図10Aで説明)においても利用者は、出会い検知が実現した場合、登録システムから、テンプレートを利用して利用期間を削除することができる。
【0280】
さらにまた、エージェントが利用される環境によっては、「時間帯」や「日」によって、マッチング通知を頻繁に欲しいものと、さほど頻繁でなくてもよいものが存在する。この場合、マッチング通知が頻繁でなくてもよいエージェントに対するマッチング通知を時間帯に応じて、自動的に制御するための情報領域として、利用期間記述領域d2を利用できる。
【0281】
従って、利用期間を示すデータにも、利用形態を示す識別データが含まれていてもよい。コンテキスト判定部1000は、この識別データを認識したうえで、利用期間(年月日、曜日、時間帯)の活用形態を決めて、エージェントの制御を実行するように設定されている。
【0282】
制御コードの領域dは、データの送信を排除又は否定すべきデバイスIDを記述する領域d3を含む。この領域d3は、エージェント2000と3000が、それぞれブロードキャストする毎に、送信するデバイスIDの間引きを行う場合に利用される。
【0283】
例えば、2つのエージェントのコンテキストエリアが重なるような場合、1つのノードが2つのエージェントからマッチング報告を受けることがある。
【0284】
例えばもし、図2Aのコンテキストエリア10と20が重なった場合、ノード4100、4400「メロンパン好きのグループ」は、2つのエージェント2000と3000から、「メロンパン値引き」というマッチング報告を受けることになる。そこで、このような場合、コンテキスト判定部1000は、エージェント2000と3000が、ブロードキャストする毎に、送信されるデバイスID(4100、4400)が間引きされるように制御することができる。例えばこの例では、ブロードキャストの2回に1回の割合で、4100、4400のデバイスIDの送信が否定される。例えば、領域d3には、否定すべきデバイスIDとブロードキャスト毎の頻度(この例では例えば1/2)が記述される。3つのコンテキストエリアが重なっている場合は、頻度1/3が記述される。
【0285】
この頻度の指定は、コンテキスト判定部1000からの通知に基づいて、エージェント2000と3000が自らの制御のもとで行うように、エージェント内の送信データ処理プログラムが設定されている(重複排除の実行が可能)。
【0286】
また上記の処理が実現するためには、コンテキスト判定部1000は、コンテキストエリア10と20が重なっていることを検出する必要がある。この検出は、以下のように行われる。即ち、エージェント2000が状況通知したときは、その通知するデータの中にエージェント3000のデバイスIDが含まれており、さらにエージェント3000が状況通知したときは、その通知するデータの中にエージェント2000のデバイスIDが含まれている。このような場合は、コンテキスト判定部1000は、コンテキストエリア10と20が重なっていると判断する。そしてコンテキスト判定部1000は、上記した領域d3に頻度が設定されるように、各エージェント2000、3000を制御する。
【0287】
さらに、制御コードの領域dは、マッチング処理で不採用とするコンテキストデータの記述領域を含む。記述領域には、例えば明らかに公序良俗に反するような用語が記述される。
【0288】
さらに、制御コードの領域dは、続きの送信データが有るか否かを示すフラッグの記述領域を備える。例えば、この記述領域には、「終わり」又は「続く」が記述される。上記したように、本システムにおける1回のビーコン通信では、パラメータ部で送信できるデータ量には、限りがある。そこで、1回(今回)のビーコン通信で送信されるデータ容量に対して、送信すべきすべてデータの容量がオーバーするような場合、記述領域d5に「続く」が記述される。そして次回のビーコン通信でも続きのデータが送られる。
【0289】
上記のようにパラメータ部にファイルシステム領域c、属性データ記述領域dを設けることにより、多様で充実したビーコン通信を実現できる。
【0290】
さらにまた、制御コードの領域dの中に、パスワード「使用」、「不使用」の記述領域を設けてもよい。パスワードは、ビーコン通信を行う特定の利用者(例えば6C1と6D1)が予め取り決めるパスワードである。利用者6C1と6D1は、共通のパスワードを、例えばスマホタイプのノードのデータ処理器のメモリに予め登録する。そして、利用者6C1と6D1がパスワード「使用或はON」をメニュー画面で設定すると、自動的にパスワード有無の記述領域d6に、パスワード「使用」の記号が記述される。このようにすると、利用者6C1と6D1のみがビーコン通信で相互の情報を交換することができるようになる。つまり、ビーコン通信で取得したパラメータが、パスワードにより圧縮されているときは、互いのノードは、パスワードを使用して、デバイスIDやコンテキストで他を解凍する。しかし、利用者6C1と6D1がパスワード「不使用或はOFF」をメニュー画面で設定すると、通常のビーコン通信で、コンテキストマッチング処理が可能となる。この場合は、先に説明した実施形態と同様な動作を得ることができる。
【0291】
図15は、本システムの情報処理器が、さらにifLink(登録商標)システムと複合化された実施形態を示している。情報処理器はエージェント又はノードでもよく、ここではエージェント3000として説明する。
【0292】
一方、発明者等は、IoT(Internet of Things)システムに対してifLink(登録商標)システムを結合する場合、スマホを活用する方法をすでに開発している。そこで、今回は、発明者等は、スマホタイプのエージェント3000が、さらにifLinkシステムと復号化した新しいシステムを開発した。
【0293】
図15に示すエージェント3000は、ifLinkアプリ3201と、IBI(ifLink Beacon Interface)マイクロサービス3202を搭載している。IBIマイクロサービス3202は、マイクロサービスに基づいて、ifLinkアプリ3201と、先の各実施例で説明した各種の情報処理器との橋渡しを行うことができる。したがって、IBIマクロサービス3202は、ビーコン信号のフォーマットで送られてくるデータを読み取ることができ、ifLinkアプリ3201で使用されるデータに変換するスキーマ情報を備える。また逆に、IBIマクロサービス3202は、スキーマ情報により、ifLinkアプリ3201で使用されるデータを、ビーコン信号のフォーマットのデータに変換することもできる。
【0294】
図に示す例は、センサ一体型のノード4C11が、IBIを介してエージェント3000に接続され、また、スマホタイプのノード4C12が、IBIを介してエッジコンピュータ3000に接続される例を示している。
【0295】
ノード4C11は、例えばCOが規定値以下の場合と、規定値より多く検出した場合とで、それぞれ異なる電文をサービス情報として、エージェント3000に送信する。COが規定値以下の場合は、例えば「換気が充分に保たれています」と言う電文(サービス情報)であり、規定値より多く検出した場合は、例えば「COが多くなっています、今すぐ、換気を行ってください」のような電文(サービス情報)である。これらの電文は、ノード4C11のメモリにパケット用データとして記述されている。
【0296】
しかし電文としては、上記の電文に限らず、予め取り決めた記号或は符号であってもよい。そして、この記号や符号が、ifLinkアプリ3201で解釈できるようにしてもよい。このような方式であると、ビーコン信号のデータ量が少なくてよく、また、エージェント3000を使用しているユーザの使用言語に合わせてifLinkアプリ3201の応答言語(文字出力、或は音声出力)を設定できる。
【0297】
スマホタイプのノード4C12は、例えばIBIライブラリを有し、スマホの独自の言語を、IBIマイクロサービス3202が理解できるタイプの言語に変換して送るように構成される。この場合、この変換に利用されるデータは、スキーマ情報と称される。このように、スマホタイプのノード4C12は、は、一般のスマホに対して、IBIライブラリとして機能するアプリケーションを、所定のサーバからダウンロードして取得し、容易に設定することができる。
【0298】
<ifLinkシステムの概要>
図16は、ifLinkシステムの概要を説明するための図である。このifLinkシステムと、上記したブロードキャストシステムと、さらにユニキャストシステムを組み合わせ利用することで、多種の機能を実現することができる。
【0299】
ifLinkシステムにおいては、IF-THENルールが利用される。IF-THENルールとは、若しIF=Aと言う条件が満たされるとTHEN=Bというアクションが発動されるというように、「条件アイテム」に対応する「約束アイテム」或は「取り決めアイテム」を設定したルールである。
【0300】
<サーバ17内の概要>
各種のIF-THENルールは、例えばサーバ17のデータ部1703に格納されている。各種のIF-THENルールは、ルールマネージャ1702により管理されている。ルールマネージャ1702は、IF-THENルールの製作者、ルールの販売、貸出、その値段など管理し、また新しいルールの受付、古いルールの処分等も管理している。
【0301】
ルール課金管理部1704は、IF-THENルールを使用したユーザを管理し、当該ユーザに対するルール使用料などを発行することもできる。またユーザがIF-THENルールを使用する期間などを管理することもできる。
【0302】
<エージェント(又はノード)3000内の概要>
エージェント3000が、スマホタイプの場合、スマホアプリ3106を有する。また、表示制御部3107、操作制御部3108を有する。操作制御部3108は、表示部と一体型のタッチパネルが利用されることが多い。
【0303】
さらに、ここでは、ifLinkアプリ3201がエージェント3000に搭載され、全体を統括制御する。ifLinkアプリ3201は、さらにIF-THENエンジン3100を含む。
【0304】
システム制御部3105は、スマホアプリ3201、表示制御部3107、操作制御部3108、ifLinkアプリ3201、IF-THENルール格納部3100等を統括しており、各部の制御タイミング、動作タイミングの調整・制御などを行う。
【0305】
エージェント3000は、ネットワークNETWに接続された送信部3001及び受信部3002を備える。ifLinkアプリ301は、送信部3101を介してサーバ17をアクセスして、所望のIF-THENルールを要求することができる。IF-THENルールには、例えば名称(利用可能な設備名、システム名などの識別名)が付加されており、カタログなどで紹介されている。ユーザは、所望の識別名を、入力画面に入力することで、受信部3102を介して、所望のIF-TENルールをダウンロードすることができる。
【0306】
IF-THENルールは、ルール管理部及び制御部3207を介して、IF-THENルール格納部3109に格納される。IF-THENルールは、単一のものもあるが、複数のルールが集合したIF-THENルールセットが多い。
【0307】
複数のIF-THENルールセットは、ルールセットIDにより識別されている。同一のルールセットがサーバ17から取り寄せられた場合、後から追加されたルールが有効となるように、ルール管理及び制御部3207により調整されている。ルールが更新されたことは、表示制御部3107を介してユーザに通知される。
【0308】
ルール管理及び制御部3207は、IFモニタ3206がIBIマイクロサービス3202から最初の「条件」を受け取ると、当該「条件」をルール管理部及び制御部3207に与える。すると、ルール管理部及び制御部3207は、当該「条件」を最初に含むルールセットをIF-THENルール格納部3109から、読出し、THEN実行管理部3208にセットする。
【0309】
THEN実行管理部3208は、セットされたルールセットの最初の「条件=IF」を既に受け取っている。したがって、THEN実行管理部3208は、この「条件=IF」に対応した「発動=THEN」のためのコマンドをJOB制御部3209に与える。JOB制御部3209は、当該コマンドを、IBIマイクロサービス3202に与える。IBIマイクロサービス3202は、コマンドに対応した「検出データ」を、IBI対応している外部機器に対して、ビーコン信号で送信する。
【0310】
これにより、1つのJOBが実行されるわけであり、その情報は、ログ出力部3210、送信部3101を通じて、ルールマネージャ1702及び又はルール課金管理部1704へ送信される。
【0311】
上記の「検出データ」は、ビーコン送受信部3103を介して、例えばノード4C12などに送信される。ビーコン送受信部3103は、先の送受信部3101、3102と一体となっていてもかまわない。
【0312】

上記のエージェント3000は、IBIマイクロサービス3202のみならず、種々の個別機器とも相互通信が可能なように、個別機器用マイクロサービス(MS)3204、Web用マイクロサービス(MS)3205も備える。
【0313】
このため、先のJOB制御部3208は、コマンドを送信する際、そのコマンドにマイクロサービス指定用のコードを付加する。つまり、IBIマイクロサービス3202、或は個別機器用マイクロサービス(MS)3204、或はWeb用マイクロサービス(MS)3205が、選択的に指定されることで、送受信先の切り替えが可能である。
【0314】
このように構成した場合、ビーコン信号によりブロードキャストで入手したIFの応答であるTEHNの実行コマンドを、個別機器用MS311、或はWeb用MSに接続された機器に反映させることが可能となる。個別機器用MS3204への外部からの指令は、ユニキャストにより与えられることになる。
【0315】
上記とは逆に、個別機器用MS3204、或はWeb用MS3205を介して取得したIFの応答であるTEHNの実行コマンドを、IBIマイクロサービス3202に接続された機器に反映させることも可能である。
【0316】
<IF-TENルールの構成例>
図17は、IF-THENルールの構成例を示す図である。ルールセットの基本的な考え方を説明するためにその一例としての構成例である。例えばルールセット6010は、4つのルール1からルール4を有するものとする。
図においては、IFデバイスは、IF1,IF2,IF3・・・・のようにデバイスを区別して示し、THENデバイスは、THEN1、THEN2、THEN3、・・・のようにデバイスを区別して示す。
【0317】
ルール1は、IFデバイスのIF1とTHENデバイスのTHEN1とを連携させており、IFデバイスIF1の条件(以下「条件」は、動作条件、検出条件等を意味する)が満たされるとTHENデバイスTHEN1が発動(以下「発動」は、応答、或は起動、或は停止、等を意味する)するルールである、
ルール2は、IFデバイスのIF2とIFデバイスのIF3の条件が同時に満たされると、THENデバイスTHEN2が発動するルールである、
ルール3は、IFデバイスIF4の条件が満たされると、THENデバイスTHEN3とTHENデバイスTHEN4が発動するルールである、
ルール4は、IFデバイスのIF5とIFデバイスのIF6の条件が同時に満たされると、THENデバイスのTHEN5とTHENデバイスのTHEN6が発動するルールである。
【0318】
ここでルールセットの全体属性情報6011としては、ルールセットの概要(文字による記述可)、ルールセット識別データ、ルールセット名称(文字による記述可)が存在する。この場合さらに、このルールセットに対応するマイクロサービスの情報(識別データ)が存在してもよい。つまり、全体属性情報によりルールセットのルールを外部のデバイスに反映するために用意されているマイクロサービスが特定されていてもよい。
またルールセット優先順位情報、ルールセット有効無効設定情報、ルールセット利用環境情報が存在してもよい。
【0319】
ルールセット優先順位情報は、他のルールセットが競合するような場合、その優先順位を決める情報であり、競合相手となる他のルールセット識別データとともに記述されていてもよい。ルールセット有効無効設定情報は、本ルールセットが機能すべきか否かを設定する情報である。したがって期間情報と合わせることで、ルールセットの有効期間や無効期間を設定することもできる。さらにルールセット利用環境情報があってもよい、この情報は例えばこのルールセットが採用されるための所定の条件(環境条件)を記述した情報である。例えば、天気が晴れの場合、あるいは特別の施設の中で使用されている場合などである。環境条件は、ルールセットを記憶する例えばエッジコンピュータによって自動的に記述されてもよい。さらに、施設、利用者、課題、GPS状報などの特定の利用環境の属性情報が記述されてもよい。この利用環境の属性情報も、当該ルールセットを記憶するエッジコンピュータにより自動的に記述されてもよいし、エッジコンピュータを有するユーザがエッジコンピュータの外部から記述してもよい。
【0320】
個別のルール6012(ルール1、2、3、・・・)の属性情報としては、ルール名称(文字による記述可)、ルール識別データが存在する。この属性情報にも、ルール優先順位情報、ルール有効無効設定情報が存在してもよい。またルールセット利用環境情報と同様に、ルール毎の独自のルール使用環境情報が存在してもよい。この場合は、ルール使用環境情報は、ルールセット利用環境情報の下位概念を規定することになる。
【0321】
さらに個別のIFデバイス6013(IF1-IF6)の属性情報としては、IFデバイス名(センサ名或はサービス名でもよい)(文字記述可)、IFデバイスのシリアル番号、IFデバイスの概要(文字による記述可)、条件などが存在する。条件としては、IFデバイスの動作状態(検知)の範囲、閾値、抑止時間、個別パラメータなどが設定可能である。
【0322】
動作状態(検知の)範囲とは、例えば温度センサであれば20度から25度の範囲を検知した場合に検知出力を送信する、閾値とは、例えば、30度以上を検出した場合に検知出力を送信する、抑止時間とは、検知した時点から何秒後に検知出力を送信するか、などを決める情報である。このような属性情報により、同じIFデバイスからの検知出力であっても、この検知出力が異なる値(値の範囲や値の閾値において異なる値)の場合、それぞれの値の範囲や値の閾値に応じて異なるTHENデバイスを指定することも実現可能である。また、同自THENデバイスであってもIFデバイスから入力するそれぞれの異なる値に応じて、この同じTHENデバイスに異なる制御命令を発動させることも実現可能である。
【0323】
上記のIFデバイスは、基本的には先にアクションを生じる先行要素であり、少なくともセンサ名、シリアル番号などの先行要素識別情報を含む属性情報を有する。
【0324】
また個別のTHENデバイスの属性情報6014としては、THENデバイス名(センサ名或はサービス名でもよい)(文字による記述可)、THENデバイスのシリアル番号、THENデバイスの概要(文字による記述可)、条件などが存在する。
【0325】
条件としては、THENデバイスの抑止時間、センサ名、制御対象、個別パラメータなどが設定可能である。
抑止時間とは、IFデバイスからの検出通知があった時点から何秒後に応答を開始するか、或は他のTHENデバイス(或は他のIFデバイス)の動作環境が整っているかどうかを判定するための待ち時間などを決める情報である。
センサ名(或はifparamとも称される)は、対応する先行要素としてのIFデバイスの名称や番号などであり、対応IFデバイスと確実にリンクさせることができる情報である。
制御対象は、THENデバイスの中でもさらに、指定したい部位やスイッチなど指す。制御対象が記述されていると、THENデバイスの例えば単純な電源のオンオフ制御ではなく、電源オン状態において、さらに電流や電圧を制御対象としたい場合に有効である。
【0326】
個別パラメータは、具体的な制御情報を発生するための情報である。例えば、動作範囲を設定する具体的な情報(例えばドローン制御であればその高さを制限する情報)がある。
上記の属性情報にも、外部のデバイスに向けてコマンドを出力するマイクロサービスを特定するデータが記述されることが好ましい。これにより、このエッジコンピュータ(例えば300)が、不用意に他のエリアなどのデバイスを制御するようなことが防止される。つまり、マイクロサービスは、自器で管轄すべきIFデバイスとTHENデバイスを特定できるので、他のマイクロサービスの管轄のIFデバイスやTHENデバイスに応答したり制御したりすることがない。
【0327】
上記のTHENデバイスは、基本的には先の先行アクションに連携して後行アクションを実行する後行要素であり、少なくともデバイス名、シリアル番号などの後行要素識別情報を含む属性情報を有する。
【0328】
さらに、属性情報としては「イベント関連情報」が記述されていてもよい。イベント関連情報とは、例えばこのTHENデバイスが動作したときに、この動作が他のIFデバイスに影響を与えるような場合、そのIFデバイスのデバイス名とかシリアル番号、或は概要などを記述する欄である。またどのような影響を与えるかを概要として文字列により記述できるようにしてもよい。たとえば、THENデバイスが特定の音を発するようなデバイスであると、本来関係ない音センサとしてのIFデバイスに影響を与えることがある。またTHENデバイスが、光を出力するようなデバイスであると、光センサとしてのIFデバイスに影響を与える場合がある。このようなケースが事前にわかると、利用者は、THENデバイス或はIFデバイスを他のセンサに交換することを考慮することができる。イベント関連情報は、ルールセットを例えば販売提供するメーカが予め記述するが、ユーザ自器がエッジコンピュータにおいて、意識的に記述できるようにしてもよい。これによりルールセットの多様な使い方が可能となる。
【0329】
なお、各属性情報には識別用の属性識別情報(ヘッダと称してもよい)が設けられている。ルール実行プログラムは、属性識別情報を読み取り、属性の種類、属性情報の有り無し、を判定できる。ルール実行プログラムは、属性情報が記述されていると判断した場合は、その属性内容を確認しチェックすることが可能であり、属性情報が記述されていないと判断した場合は、属性情報のチェックをスルーする。
【0330】
属性識別情報が無い場合は、ルール実行プログラムは、属性記述記号(例えば、deviceserial=, id=,など)の順に応じて順次、属性情報の内容判断を行う。内容を決めていない属性情報の場合は、属性情報の例えばヘッダーや属性記述記号の次の所定のデータ領域に例えば0000が記述される。この場合は、当該属性情報の判定や処理は無視される。
【0331】
上記の属性情報には、さらに、先のルールセット使用環境情報として、ルールセットが使用される空間を示す(或は推奨する)情報(ルールセットが採用されるシーン情報)、ルールセットを使用するユーザ情報、ルールセットに関係するテーマなどの情報が記述されてもよい。また、これらのシーン情報、ユーザ情報、テーマなどの情報は、IFデバイスの属性情報内、THENデバイスの属性情報内に選択的に記述されていてもよい。
【0332】
<ビーコン信号の利用方法のさらなる説明>
図18は、図1に示したフレームタイプ(Flame Type)の構成の一例を示す。フレームタイプを利用すると、ビーコン信号を利用した相互通信をより高度な内容とすることが可能となる。したがって、フレームタイプ(Flame Type)を利用すると、重要な内容のコンテキストデータの送受信を行う場合に有効である。
【0333】
フレームタイプは、1バイトからなり、要求/応答を示すREQ/RESフラグ、コマンドに対する応答が必要か否かを示すREPLYフラグ及び実際のコマンド(COMMAND)からなる。
【0334】
例えばセンサ値送信の場合、「要求」は、スマホタイプの情報処理器500のスマホアプリ(個別アプリと称してもよい)からIBIマイクロサービス302へセンサ値を送信することであり、「応答」は、IBIマイクロサービス302からスマホアプリへ「センサ値を受信しました」と送信することである。
ビット7はREQ/RESフラグのフィールドであり、送信種別が要求の場合、フラグは0とされ、送信種別が応答の場合、フラグは1とされる。
ビット6はREPLYフラグのフィールドであり、応答が不要な場合、フラグは0とさ れ、応答が必要な場合、フラグは1とされる。
ビット5~ビット0のコマンドは、1:デバイス登録(未使用)、2:デバイス登録結 果(未使用)、3:センサ値通知、4:ジョブ通知、5:ジョブ結果通知である。
【0335】
図19は、図18のフレームタイプの設定値の一例を示す。例えば、センサ値応答(応答不要)のフレームタイプは、0x03である。センサ値応答(応答要)のフレームタイプは、0x43である。センサ値通知の例は、センサとしてのスマホアプリ(個別アプリ)からIBIマイクロサービス302へのセンサ値の送信である。
【0336】
センサ値応答のフレームタイプの設定値は、0xC3である。センサ値応答の例は、センサ値通知(応答要)の場合、IBIマイクロサービス302からセンサとしてのスマホアプリへ「センサ値を受信しました」という応答の送信である。
【0337】
ジョブ通知(応答不要)のフレームタイプの設定値は、0x04である。ジョブ通知(応答要)のフレームタイプは、0x44である。ジョブ通知の例は、IBIマイクロサービス302からTHENモジュールとしてのスマホアプリへ「〇〇動作をして下さい」という指示の送信である。
【0338】
ジョブ結果通知のフレームタイプは、0xC4である。ジョブ結果通知の例は、THENモジュールとしてのスマホアプリからIBIマイクロサービス302へ「〇〇動作をし ました」という応答の送信である。
<スキーマ情報例>
図20は、実施形態によるスキーマ情報の一例を示す。まず、この情報には、IBIが対応できるデバイス名が記述される。この例では、例えばデバイス名SampleDevie1とデバイス名SampleDevie2が記述されている。
【0339】
デバイス名SampleDevie1は、例えば第1のスマートフォンに対応し、デバイス名SampleDevie2は、例えば第2のスマートフォンに対応することを意味する。各デバイス名に続いてスキーマ情報が記述される。
【0340】
プロパティ(property)として、デバイス名(devicename)、デバイスシリアル番号(deviceserial)、タイムスタンプ、メンバID(me mberid)、モジュールID(moduleid)、パラメータ1(param1)~パラメータ4(param4)が記述されている。デバイス名SampleDevie1は、
図21は、センサ値通知のためのビーコン・パケット内のパラメータ(Parameters)の一例を示す。ただしここでは、コンテキストデータの基本的な送信パターンを説明する。
【0341】
例えば、センサ値通知時のパラメータ(コンテキストデータと称してよい)は、パラメータ1~パラメータ4がこの順にビーコン・パケットに格納される。この例では、バイト12の0x20は、最初のパラメータ(param1)がint型、1バイトであることを示し、バイト13がその値(0)を示す。バイト14の0x43が、次のパラメータ(param2)がfloat型、4バイトであることを示し、バイト15~バイト18がその値(1.2)を示す。この例では、個別アプリ34は2つのセンサ、例えば温度センサと湿度センサ、を備え、センサ値はparam1とparam2に格納され、param1は温度、param2は湿度を示す。パラメータの数は4に限定されず、送信したいデータ次第で、数は可変である。
【0342】
上記の各種の情報処理器において、電源供給システムが用意されていてもよい。スマホタイプの場合は、既に充電器が存在する。しかし、簡易型の情報処理器であると、電源電圧が低下した場合、電源確保を行う必要がある。そのために、ソーラ型発電器、圧電型発電器、振動型発電器などの付属品が電源部に追加されていてもよい。またユーザ領域のデータについては、暗号処理或はパスワードを伴うデータ圧縮処理が施されてもよい。
【0343】
上記したように各実施形態及びその組み合わせによる実施形態においては、種々の発明が含まれる。
【0344】
図22から図32は、それぞれが実施形態における基本構成を示すものであり、特有の工夫がなされた部分を取り出して示している。今まで説明した構成要素と同一部分には同一符号を付して重複した説明は省略する。ここでエージェント2000、3000を第1の情報処理器、ノード4100-4400を第2の情報処理器とする。すると、
図22では、コンテキスト判定部1000に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器2000、3000と、前記コンテキスト判定部1000に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器4100-4400と、を備える。前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行う、そして、ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備え、前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、
前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える、ことを特徴とする 情報処理システムが提供される。
【0345】
図23は、さらに別の実施形態としての基本構成を示す。この実施形態は、コンテキスト判定部1000A、1000Bが、それぞれエージェント2000、3000内に配置されている例である。コンテキスト判定部1000A、1000Bは、サーバ7AとネットワークNTWを介して接続されており、それぞれが必要なソフトウエア、などをダウンロードして使用することができる。ユーザはプロフ情報を登録するときは、登録するコンテキスト判定部(又はエージェント)を指定することも可能である。
【0346】
図24は、さらに別の実施形態としての基本構成を示す。この実施形態は、コンテキスト判定部1000A、1000Bが、それぞれエージェント2000、3000内に配置され、コンテキスト判定部1000Cがエージェントの外部(例えばサーバ)に配置されている例である。
【0347】
この場合は、図2Bで説明した利用方法が可能である。また、エージェントが取り扱うデータ量の規模に応じて、外部のコンテキスト判定部1000Cと、エージェント内のコンテキスト判定部1000A又は1000Bとを使い分けることも可能である。例えば、販売品目が少ない商店は、エージェント内のコンテキスト判定部1000A、1000Bを利用し、販売商品が大量となるショッピングモールは、外部のコンテキスト判定部1000Cを利用するのである。
【0348】
図25は、さらに別の実施形態としての基本構成を示すものであり、特有の工夫がなされた部分を取り出して示している。図22の実施形態に加えて、ルール設定者(状況のルール設定を行う側(人、事業者等))5500が、システムをアクセス可能としたものである。ルール設定者5500は、コンテキストスキーム及びルール設定システム5000を操作する。コンテキストスキーム及びルール設定システム5000は、コンテキスト判定部1000に接続可能であり、マッチング関係となる状況のルールを設定することでユーザサービス形態を設計及び設定する。サービス形態としては、先に説明した見守りサービス、販売促進サービスなどである。コンテキストスキーム及びルール設定部5000は、状況ルールを設定する要素として、少なくともコンテキスト、デバイスIDの入力部を用意する。この例は、状況のルール設定が、エージェント外部のコンテキスト判定部1000を介して、各エージェント2000、3000に対して実施される。
【0349】
図26は、図25のタイプに比べて、状況のルール設定が、エージェント内の状況ルール設定部において直接実施される例である。しかし、状況のルール設定のための情報は、サーバ7A経由により、各エージェント2000、3000に送られてもよい。
【0350】
図27は、図22の実施形態に加えて、実際に利用者がプロフィール情報を入力する情報登録システム6000が追加され、前記コンテキスト判定部1000に接続可能とした例を示している。即ち、ここでは、前記マッチング関係の具体的判断要素となる、前記第1の情報処理器、前記第2の情報処理器のそれぞれのデバイスID,それぞれのコンテキストデータ、を含むプロフィール情報を事前設定することが可能となる。
【0351】
図28は、図22の実施形態に加えて、プロフィール情報を入力する情報登録システム6000が、直接エージェント内のコンテキスト判定部1000A或は1000Bに接続された例である。この場合も、プロフィール情報は、サーバ7A経由により、各エージェント2000、3000に送られてもよい。
【0352】
図29は、図22の実施形態に加えて、提供情報入力システム7000が前記コンテキスト判定部1000に接続可能された例である。この提供情報入力システム7000は、前記マッチング関係となる情報処理器に対して与える結果データ(相手に提供すべきコンテキスト内容のデータ)を、事前入力する入力システムである。例えば、「メロンパン値引き」などの情報がある。
【0353】
図30は、図22の実施形態に加えて、提供情報を入力する提供情報入力システム7000が、直接エージェント内のコンテキスト判定部1000A或は1000Bに接続された例である。この場合も、提供情報は、サーバ7A経由により、各エージェント2000、3000に送られてもよい。
【0354】
図31は、図22の実施形態に加えて、送信管理システム9000A,9000Bが前記コンテキスト判定部1000に接続された例を示している。送信管理システム9000A,9000Bは、前記コンテキスト関連情報の送り方として、送信頻度、排他的制御、重複排除のいずれかを行うもので、各エージェント2000,3000の送信形態を制御することができる。特に、エージェント2000,3000のコンテキストエリアが一部重なっているような場合は有効である。図の例では、例えばノード4200とノード4300には、両方のエージェント2000,3000から「赤ワイン値引き」と言う情報が報告される。このような場合、エージェント2000,3000のJOB情報には、互いに広告実績数の中に余分な広告が1つ加算されていることになる。このことは、例えば、ルール設定者(或はシステム運営者)が、広告成立のための課金をエージェント2000,3000に対して実施する場合、過分の課金を行うことになる。
【0355】
そこで、送信管理システム9000A,9000Bは、ノード4200とノード4300が両方のエージェント2000,3000のJOB情報に含まれるときは、例えば次のような対策を行う。例えば、課金を1/2にする、或は、エージェント2000,3000のビーコン送信頻度を低減して均等に振り分ける。
【0356】
図32は、図22の実施形態に加えて、提供情報を入力する提供情報入力システム7000が、直接エージェント内のコンテキスト判定部1000A或は1000Bに接続された例である。
【0357】
送信管理システム9000A,9000Bは、エージェント2000,3000の送信出力パワーの制御を可能としてもよい。例えば、特定のエージェントに対して、月日や、時間帯に応じて送信電力の出力パワーをいつもより強化する制御が行われてもよい。この制御は、例えば自動マーケティング運営者が、予めシステム管理者に依頼しておくことで、可能となる。送信電力の出力パワーを制御した場合、コンテキストエリアの範囲を拡大或は縮小可能である。このため特に販売促進を行う場合は、有効となる。また送信管理システム9000A,9000Bの運営者は、エージェント管理者に対する課金を行うことも可能となる。
【0358】
<上記した実施形態は、種々の発明を含む、以下各発明の基本的な構成をまとめる>
A1]登録システム(少なくとも情報登録システム6000を含む)は、複数の情報処理器(エージェント2000、3000、ノード4100-4400)のそれぞれが少なくともニーズ又はリクエストしている内容を示すコンテキストを登録部(コンテキスト判定部1000)に登録し、
送受信システム(送受信部1100、エージェント2000、3000の送受信部)は、前記登録システムと情報交換を行うものであって、前記複数の情報処理器が互いに同一の通信環境に同時に存在するときに前記複数の情報処理器を認識し、前記登録システムが前記複数の情報処理器の間で前記コンテキストがマッチング関係にあると判定している場合、前記マッチング関係であることを示す情報を前記複数の情報処理器に送信する、コンテキストマッチング関連情報処理システム又は情報処理装置。
【0359】
A2]さらにまた上記のコンテキストマッチング関連情報処理システム又は上記情報処理装置は、コンテキストマッチングを実行するサーバ、又はエージェント、などを含むことができる。また、情報処理装置は、前記登録システムの一部または全体を含む場合もある。また、上記の複数の情報処理器のタイプとしては、センサを有するタイプ、センサが接続されるタイプ、表示器、音声出力器を有するものもある。
<受信側(エージェント又はノード)のシリーズ>
B1]通信規格データを含むヘッダー領域(22)と、利用しているデバイスIDとコンテキストデータとを書き込み可能なユーザ領域(23)とからなるパケットをビーコン信号としてブロードキャストするシステムに用いられるものであり、
前記ビーコン信号を受信し、受信した前記ユーザ領域のデータが、自器の設定したコンテキストデータと対応関係にある、と言うことを示す検出データを取得した場合、前記コンテキストデータに応じたサービス情報の出力を行う装置(2000、3000)であり、
前記ビーコン信号の受信部(2300、2301)と、前記検出データを得る検出部(2304)と、前記検出データが得られた場合、前記コンテキストデータに応じた前記サービス情報の出力を行う出力部(2307)を備える、サービス情報の受信装置が提供される。
【0360】
B2] 前記受信した前記ユーザ領域のデータが、前記自器の設定したコンテキストデータと前記対応関係にある、と言うことを示す前記検出データは、外部のコンテキストマッチングノード(マッチング判定が高度である)1000から取得した検出データである、B1に記載のサービス情報の受信装置が提供される。
【0361】
B3] 前記受信した前記ユーザ領域のデータが、前記自器の設定したコンテキストデータと前記対応関係にある、と言うことを示す前記検出データは、前記自器の制御部(自器がマッチングファームウェアを持つエージェントやPC、2304,2305,2306)の処理により得られた検出データである、B1に記載のサービス情報の受信装置が提供される。
【0362】
B4] 前記受信した前記ユーザ領域のデータが、前記自器の設定したコンテキストデータと前記対応関係にある、と言うことを示す前記検出データは、前記自器の制御部が取り換え可能なメモリのデータを前記自器の設定したコンテキストデータとして用いることで得られた検出データである(自器のコンテキストデータを交換可能メモリ(2305)に入れておき、受信したコンテキストデータと比較することができる:各種のジャンルのデータのメモリチップを取り換え可能)、B1に記載のサービス情報の受信装置が提供される。
【0363】
<送信部、受信部を有する・・メロンパン、赤ワインの例で、コンビニ側のエージェントの構成>
C1]通信規格データを含むヘッダー領域と、利用しているデバイスIDとコンテキストデータとを書き込み可能なユーザ領域とからなるパケットをビーコン信号としてブロードキャストするシステムに用いられるものであり、
自器のビーコン信号を送信する送信部と、他器のビーコン信号を受信する受信部と、前記他器のビーコン信号を受信し、受信した前記他器のユーザ領域のデータが、自器の設定したコンテキストデータと対応関係にある、と言うことを示す検出データである場合、前記自器の設定したコンテキストデータに応じたサービス情報を前記他器において出力させるためのデータを、前記送信部を介して送信(通知)する制御部と、を備える、サービス情報の送信及び受信装置が提供される。
【0364】
C2] 前記受信した前記他器のユーザ領域のデータが、前記自器の設定したコンテキストデータと前記対応関係にある、と言うことを示す前記検出データは、外部のコンテキストマッチングノード(マッチング判定が高度なノード:サーバ)から取得した検出データである、請求項C1に記載のサービス情報の送信装置が提供される。
【0365】
C3] 前記サービス情報を前記他器において出力させるための前記データは、前記自器のビーコン信号のユーザ領域に前記サービス情報の内容を記述したデータ(例えば:メロンパン値引き、或はクーポン)である、請求項C1に記載のサービス情報の送信装置が提供される。
【0366】
C4] 前記受信した前記他器のユーザ領域のデータが、前記自器の設定したコンテキストデータと前記対応関係にある、と言うことを示す前記検出データは、前記自器の制御部(自器がマッチングファームウェアを持つエージェントやPCの場合)の処理により得られた検出データである、請求項C1に記載のサービス情報の送信装置が提供される。
<送受信システムとしての内容>
D1] 通信規格データを含むヘッダー領域と、利用しているデバイスIDとコンテキストデータとを書き込み可能なユーザ領域とからなるパケットをビーコン信号としてブロードキャストするシステムに用いられるものであり、
送信装置が、自器のビーコン信号を送信する送信部と、他器のビーコン信号を受信する受信部と、前記他器のビーコン信号を受信し、受信した前記他器のユーザ領域のデータが、自器の設定したコンテキストデータと対応関係にある、と言うことを示す検出データを取得した場合、前記自器の設定したコンテキストデータが示すサービスに応じた動作を前記他器に行わせるためのデータを、前記送信部を介して送信する制御部と、
を備え、
前記他器としての受信装置が、前記送信装置からのビーコン信号を受信し、前記サービスを得るための前記データを検出する装置であり、前記ビーコン信号の受信部と、
前記データを得る検出部と、前記データが得られた場合、自器のコンテキストデータが示す前記サービスに応じた出力を行う出力部を備える、サービス情報の送信及び受信システムが提供される。
【0367】
<ifLinkシステムとの連携>
E1] 条件としてのIFデータと前記条件に呼応するためのTHENデータを含み、前記IFデータが与えられたとき、前記THENデータを得るためのルールセットが定義されており、前記ルールセットが設定されるIF-THENエンジンと、
特定された「JOB」を指示するコマンドが与えられるIBIマイクロサービス及び個別機器用マイクロサービスを含む複数のマイクロサービスと、を備え、
前記IBIマイクロサービスは、ビーコン送受信部に接続されており、
前記ビーコン送受信部は、通信規格データを含むヘッダー領域と、利用しているデバイスIDとコンテキストデータとを書き込み可能なユーザ領域とからなるパケットをビーコン信号としてブロードキャストする送受信部であり、ビーコン信号のブロードキャストと、前記個別機器用マイクロサービスを利用するユニットキャストを利用可能にした送信および受信装置が提供される。
【0368】
<基本システム>
F1) コンテキスト判定部に第1のコンテキストを登録している第1の情報処理器と、前記コンテキスト判定部に第2のコンテキストを登録している第2の情報処理器と、前記第1の情報処理器と前記第2の情報処理理器とは、互いにビーコン通信を行い、
ビーコン・パケットに含まれるコンテキスト関連情報を判定する判定部を備え、前記判定の結果データが前記第1のコンテキストと前記第2のコンテキストとがマッチング関係であることを示す場合、
前記第1の情報処理器は前記結果データをノード通知データとして処理するデータ処理器を備え、
前記第2の情報処理器は前記結果データをユーザ通知用(表示又は音声又は振動)出力データとして処理するデータ処理器を備える、ことを特徴とする情報処理システムが提供される。
【0369】
F2)上記F1)に加えて、さらに、前記コンテキスト判定部に接続可能であり、
前記マッチング関係となる状況を設定することでユーザサービス形態を設計するための状況設定システムであって、
前記状況を設定する要素として、少なくともコンテキスト、デバイスIDの入力部を用意している、状況設定システムを備える、ことを特徴とする情報処理システムが提供される。
【0370】
F3)上記F1)に加えて、さらに、前記コンテキスト判定部に対して、
前記マッチング関係の具体的判断要素となる、前記第1の情報処理器、前記第2の情報処理器のそれぞれのデバイスID,それぞれのコンテキストデータ、を含むプロフィール情報を事前設定するためのプロフィール情報入力システムを接続可能である、ことを特徴とする 情報処理システムが提供される。
【0371】
F4)上記F1)に加えて、さらに、前記コンテキスト判定部に接続可能であり、
前記マッチング関係となる情報処理器に対して与える前記結果データは、相手に提供すべきコンテキスト内容のデータであることを事前入力するための提供情報入力システムを有する、
ことを特徴とする 情報処理システムが提供される。
【0372】
F5)上記F1)に加えて、さらに、前記コンテキスト判定部に接続可能であり、前記コンテキスト関連情報の送り方として、送信頻度、排他的制御、重複排除のいずれかを行う送信管理情報を前記コンテキスト判定部に入力する送信管理システムを有する、ことを特徴とする 情報処理システムが提供される。
【0373】
また上記の装置は、カテゴリーとして、送信方法、受信方法、送受信方法としても特徴を備えるものである。
【符号の説明】
【0374】
10、20・・・コンテキストエリア、21・・・ビーコン・パケット、23・・・ユーザ領域、1000・・・コンテキスト判定部、1100・・・送受信部、1200・・・ファイル部、
1201・・・テーブル、1300・・・状況マッチング処理部、2000、3000・・・エージェント、2001、3001・・・サブテーブル、4200、4300、4400・・・ノード、
5000・・・状況設定システム、5500・・・ルール設定者、
6000・・・情報登録システム、6500・・・情報を欲しい側のユーザ、7000・・・提供情報入力システム、7500・・・情報を提供する側のユーザ、9000・・・送信管理システム、9500・・・システム管理者。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32