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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073720
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】水位検出装置及び薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/24 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
G01F23/24 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186355
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】木谷 圭太
(72)【発明者】
【氏名】葛籠 佑斗
(72)【発明者】
【氏名】川村 理桜
(72)【発明者】
【氏名】安井 亜祐美
(72)【発明者】
【氏名】柳川 英明
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AC00
2F014DA02
2F014GA01
(57)【要約】
【課題】濃度の異なる薬液であっても、水位を検出できる水位検出装置及び薬液注入装置を提供すること。
【解決手段】薬液注入装置1の薬液槽12に貯留された薬液の水位を検出する水位検出装置18、19は、少なくとも二つの電極18bと、二つの電極18bを保持する電極保持器18aと、薬液の濃度に応じた電圧を二つの電極18b間に印加する電装部19と、を備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液槽に貯留された薬液の水位を検出する水位検出装置であって、
少なくとも二つの電極と、
前記二つの電極を保持する電極保持器と、
前記薬液の濃度に応じた電圧を前記二つの電極間に印加する電装部と、
を備える水位検出装置。
【請求項2】
前記電装部が前記電極に印加する電圧Vは、前記薬液槽に貯留される前記薬液の濃度をX%としたときに、
V=10/X
である、請求項1に記載の水位検出装置。
【請求項3】
前記電装部は、前記二つの電極間に印加される電圧と、前記薬液の濃度によって求められる比抵抗と、前記二つの電極間の距離と、検出された前記二つの電極間の電圧より、前記電極の前記薬液への浸漬長さを算出する、請求項1又は請求項2に記載の水位検出装置。
【請求項4】
第一所定時間毎に、又は、水位検出装置電装部にて所定操作がされたときに、前記電装部は、前記電極に前記電圧を印加する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水位検出装置。
【請求項5】
前記電装部は、検出した前記電極の浸漬長さが、予め前記電装部に設定した渇水水位よりも高く、且つ、予め前記電装部に設定した前記薬液の補充を促す補充推奨水位に対応する前記電極の長さに達したときに、外部へ前記補充推奨水位に達したことを報知するとともに、前記第一所定時間よりも短い第二所定時間毎に、前記電極に前記電圧を印加する、請求項4に記載の水位検出装置。
【請求項6】
薬液を貯留する薬液槽と、
前記薬液槽に貯留された前記薬液を配管内に注入するポンプと、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された水位検出装置と、
を備える薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位を検出する水位検出装置及び薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水位を検出装置として、電極式水位検出装置が知られている。また、例えば、既知の長さの電極間に流れる電流値を電圧値に変換して、電極浸漬長さを算出して連続検出方式を実現する一定電圧印加方式の電極式水位検出装置が知られている。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、長手方向が鉛直方向に配される水位検出電極対と、前記水位検出電極対の下端と同じ高さに下端を有し、前記水位検出電極対の長さより短い第1電極対とが、2つの樹脂層の間に封止されてなる水位センサが記述されている。
【0004】
また、これらの電極式水位検出装置は、除菌等に用いられる次亜塩素酸ナトリウムを注入する薬液注入装置に用いることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-3308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、このような薬液注入装置に用いられる次亜塩素酸ナトリウムは、原液濃度として一般的な12%以外に、5%の薬液等も市販されており、さらに、ユーザが希釈して薬液槽に補充するといった状況も考えられる。しかし、水位を検出する液体の導電率が異なると、一定電圧印加方式の電極式水位検出装置では、連続顕出方式を実現できない。
【0007】
また、次亜塩素酸ナトリウム等の気化性液体の場合、電気分解により発生した気泡が、電極に付着して、電極表面積が変化することにより、電極間に流れる電流値が変動するといった不具合があり、水位を検出する必要があるときに、電圧を印加する必要があった。さらに、正電圧のみを印加する簡素な検出回路とするためにも、電圧印加する機会を低減することが必要である。
【0008】
例えば、従来の薬液注入ポンプの運転を制御する薬液槽の水位検知装置は、リ-ドスイッチを使用したフロートスイッチ式が一般的であるが、近年は、ポンプ制御部に通信機能を備え、保守作業者が携帯する通信機器に、薬液槽の水位情報や渇水警報を送信する機能が求められるようになってきた。しかし、フロ-トスイッチ式は、安価な定点水位でのON/OFF信号を検出するタイプが主流であり、多点出力可能なタイプであっても、磁石が内蔵された複数のフロートとストッパからなる複雑な構造となり、高価なものとならざるを得なかった。
【0009】
そこで本発明は、濃度の異なる薬液であっても、水位を検出できる水位検出装置及び薬液注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、水位検出装置は、薬液槽に貯留された薬液の水位を検出する水位検出装置であって、少なくとも二つの電極と、前記二つの電極を保持する電極保持器と、前記薬液の濃度に応じた電圧を前記二つの電極間に印加する電装部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、濃度の異なる薬液であっても、水位を検出できる水位検出装置及び薬液注入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る薬液注入装置を用いた水処理装置の構成を模式的に示す説明図。
図2】同薬液注入装置の構成を一部断面で示す正面図。
図3】同薬液注入装置の電装箱の構成を示すブロック図。
図4】薬液の異なる水位を検出したときの各データの一例を示す説明図。
図5図4と異なる濃度の薬液の異なる水位を検出したときの各データの一例を示す説明図。
図6】同薬液注入装置の制御の一例を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1及び薬液注入装置1を用いた水処理装置100について、図1乃至図6を用いて以下説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る水処理装置100の構成を模式的に示す説明図である。図2は、水処理装置100に用いられる薬液注入装置1の構成を一部断面で示す正面図である。図3は、薬液注入装置1の電装箱19の構成を示すブロック図である。図4は、薬液の異なる水位を検出したときの各データの一例を示す説明図であり、図5は、図4と異なる濃度の薬液の異なる水位を検出したときの各データの一例を示す説明図である。図6は、薬液注入装置1の制御の一例を示す流れ図である。なお、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示す。
【0015】
図1に示すように、水処理装置100は、薬液注入装置1と、薬液注入装置1に水を供給する給水装置2と、を備える。水処理装置100は、井戸等の給水源101から給水装置2によって給水先へと原水を給水するとともに、薬液注入装置1によって原水に薬液を注入して原水を処理する装置である。なお、給水先としては、井戸水の除鉄除マンガンを行う濾過装置、井戸水を貯留する水槽、シャワー等の給水栓等、用途により種々設定される。本実施形態において、水処理装置100は、濾過装置3を有し、殺菌、及び、除鉄・除マンガン等の処理を原水に行う例を用いて説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、薬液注入装置1は、架台11と、薬液槽12と、配管ユニット13と、薬液注入器14と、連結管15と、圧力センサ16と、流量センサ17と、電装箱19と、を備える。薬液注入装置1は、一次側が給水装置2に、二次側が濾過装置3に接続される。薬液注入装置1は、例えば、気泡性液体としての次亜塩素酸ナトリウムを、連結管15内を流れる水に所定の量だけ注入し、給水装置2から給水された水を除菌するとともに、含有する鉄やマンガンを析出する。
【0017】
架台11は、薬液槽12、薬液注入器14、連結管15及び電装箱19を支持する。架台11は、例えば、薬液槽12を薬液注入器14よりも高い位置で支持する。具体例として、図2に示すように、架台11は、設置面に載置させる脚部11aと、第1ベース11bと、壁部11cと、第2ベース11dと、を備えている。例えば、脚部11a、第1ベース11b、壁部11c及び第2ベース11dは、一体に形成される。
【0018】
脚部11aは、薬液注入装置1の設置面に載置される。第1ベース11bは、脚部11a上に一体に設けられる。第1ベース11bの上面に連結管15を載置し、固定可能に形成されている。
【0019】
壁部11cは、例えば、第1ベース11bの奥行き方向で第1ベース11bの上部に設けられる。壁部11cは、例えば、第1ベース11bから上方に延び、第2ベース11dと連続する方形の枠体状又は板状に形成される。
【0020】
壁部11cは、例えば、中央に薬液注入器14が固定される。例えば、壁部11cは、ボルトや螺子等の締結部材によって、薬液注入器14を固定可能に形成される。
【0021】
第2ベース11dは、壁部11cの上端縁に設けられ、その上面に、薬液槽12を固定可能に形成される。
【0022】
第1ベース11b及び第2ベース11dは、壁部11cにより連続し、第2ベース11dは、その上面が、第1ベース11bの上面よりも上方に配置される。また、第2ベース11dの上面は、壁部11cに設けられる薬液注入器14よりも上方に位置する。
【0023】
薬液槽12は、樹脂材料で形成され、その内部に所定の量の薬液を貯留可能に形成されている。薬液槽12は、第2ベース11dの上面に固定される。薬液槽12は、その底部12aの一部に配管ユニット13が接続される。薬液槽12は、上部に薬液を内部に供給する供給口12bと、供給口12bを覆う蓋体12cと、を備える。
【0024】
配管ユニット13は、薬液槽12及び薬液注入器14を流体的に接続する。配管ユニット13は、薬液槽12内から薬液注入器14への薬液の流路を形成する。具体例として、図2に示すように、配管ユニット13は、接続配管21と、排気チューブ22と、連結配管23と、開閉弁24と、を備えている。
【0025】
接続配管21は、一端側が薬液槽12と接続されるとともに、他端側が2方向に分岐して、排気チューブ22及び連結配管23に接続される。具体的には、接続配管21は、L字形状に曲折して形成されたベンド管である。接続配管21は、薬液槽12に接続される一端側に、螺子部31と、フランジ32と、ナット33と、を備える。また、接続配管21は、その他端側に、上方及び下方の二方向に分岐する上方分岐部34及び下方分岐部35を備える。また、接続配管21は、その曲折部に、開閉弁24の取付部36が形成される。
【0026】
螺子部31は、接続配管21の一端に形成される。螺子部31は、接続配管21の一端の外面に形成された雄螺子である。螺子部31は、薬液槽12の底部12aに形成された孔から、薬液槽12内に挿通される。フランジ32は、螺子部31を該底部12aの孔に挿通した際に、薬液槽12の底部12aの下面に当接する。また、フランジ32は、薬液槽12の底部12aの下面との当接面に、パッキンを取り付け可能に形成される。
【0027】
ナット33は、螺子部31と螺合する。ナット33が薬液槽12内で螺子部31と締結することで、フランジ32及びナット33が薬液槽12の底部12aに固定される。
【0028】
排気チューブ22は、その一端が上方分岐部34に接続された透明又は薬液が視認可能なチューブである。排気チューブ22の他端は、大気開放となるように開口する。排気チューブ22は、例えば、排気チューブ22内の薬液の水位を視認可能に形成される水位計を構成する。
【0029】
具体例として、排気チューブ22は、上方分岐部34から上方に向って薬液槽12の外面に沿って、薬液槽12に固定される。また、排気チューブ22は、内部に設けられた、薬液に浮遊する浮遊球38と、排気チューブ22の薬液又は薬液に浮遊する浮遊球38から薬液槽12内の薬液の容量を視認可能とする水位スケール39を有する。例えば、水位スケール39は、防水性を有するシール等により形成され、薬液槽12の外面に貼り付けられる目盛、排気チューブ22に印刷された目盛、又は、薬液槽12に印刷又は凹凸により形成された目盛等である。
【0030】
連結配管23は、その一端が下方分岐部35に接続されるとともに、その他端が薬液注入器14に接続される。連結配管23は、可撓性を有する。例えば、連結配管23は可撓性を有し、薬液に耐性を有する樹脂チューブ等により形成される。
【0031】
開閉弁24は、接続配管21の上方分岐部34及び下方分岐部35の一次側の曲折部に設けられた取付部36に設けられる。開閉弁24は、接続配管21の管路を手動により開閉可能に形成される。
【0032】
薬液注入器14は、薬液を一定量圧送し、連結管15に注入可能な容積ポンプ41と、容積ポンプ41及び連結管15を接続するとともに、連結管15内に注入した薬液及び井戸水の逆流を防止可能に形成された薬液注入部42と、を備える。
【0033】
容積ポンプ41は、薬液を注入する薬液注入ポンプである。容積ポンプ41は、例えば、ダイヤフラムポンプが用いられる。例えば、容積ポンプ41は、ポンプケーシング41aと、ポンプケーシング41a内に設けられたダイヤフラムと、ダイヤフラムを駆動するモータであるDCソレノイドと、を備える。容積ポンプ41は、ポンプケーシング41aに設けられた、薬液の吸込口41b及び吐出口41cを備える。
【0034】
吸込口41bは、ポンプケーシング41aの下部に設けられる。吸込口41bは、連結配管23に接続される。吐出口41cは、ポンプケーシング41aの上部に設けられる。吐出口41cは、薬液注入部42に接続される。吐出口41cは、例えば、分岐管により構成され、分岐する一方が薬液注入部42に接続され、分岐する他方にプラグ41dが設けられる。
【0035】
このような容積ポンプ41は、壁部11cに固定され、薬液槽12の底部12aの上面よりも下方に配置される。容積ポンプ41は、モータであるソレノイドが壁部11c内部に位置して配置される。なお、容積ポンプ41は、壁部11cに、締結部材により固定される。
【0036】
薬液注入部42は、連結配管42aと、連結配管42aの一方の端部側に設けられた第1逆止弁42bと、第1逆止弁42bに設けられ、連結管15と連通するノズル42cと、ノズル42cに設けられた第2逆止弁42dと、を備える。連結配管42aは、例えば、連結配管23と同様に、可撓性を有する樹脂チューブ等により形成されている。
【0037】
第1逆止弁42bは、ノズル42c側から容積ポンプ41への液体の流れを規制する。即ち、第1逆止弁42bは、ノズル42c側から容積ポンプ41へ液体が逆流することを防止する。第1逆止弁42bは、例えば、ボール及びスプリングを有する。第1逆止弁42bは、ボールがスプリングによって一次側に向かって付勢することで、管路を閉じ、そして、容積ポンプ41から薬液が供給されたときに、薬液の圧力によってスプリングに抗ってボールが移動することで管路を開く。
【0038】
ノズル42cは、容積ポンプ41から第1逆止弁42bを通過して供給された薬液を連結管15に注入する。
【0039】
第2逆止弁42dは、連結管15からノズル42cへの液体の流れを規制する。即ち、第2逆止弁42dは、連結管15内を流れる液体がノズル42cに逆流することを防止する。第2逆止弁42dは、例えば、弾性変形する樹脂材料で有底筒状に形成され、ノズル42cの先端と対向する先端に十字状の切れ込みが形成される。第2逆止弁42dは、容積ポンプ41から薬液が供給されたときに、薬液の圧力によって先端が膨張して十字状の切れ込みが広がり、開口することで、薬液を連結管15へ供給する。
【0040】
連結管15は、一次側が給水装置2に接続され、二次側が濾過装置3に接続される配管である。連結管15は、例えば、二次側の端部に、薬液注入部42が接続される取付部15aを有する。また、連結管15は、取付部15aよりも一次側に、圧力センサ16及び流量センサ17が設けられる。
【0041】
圧力センサ16は、例えば、電装箱19に信号線により接続される。圧力センサ16は、連結管15内の流体の圧力に対応する電気信号を電装箱19に出力する。
【0042】
流量センサ17は、例えば、電装箱19に信号線により接続される。流量センサ17は、羽根車式の流量センサである。流量センサ17は、検出した流量に対応する信号を電装箱19に送信する。具体例として、流量センサ17は、例えば、連結管15内の流体の流れにより回転する回転翼、磁石及び磁石の磁力を検出して電気信号を出力する発信部を有し、この回転翼の回転に伴って検出した磁力に基づいて、流量に対応する電気信号を出力する。
【0043】
水位検出センサ18は、電極保持器18aと、電極保持器18aに保持される少なくとも二つの電極18bと、を備える。水位検出センサ18は、電装部である電装箱19に信号線等を介して電気的に接続される。水位検出センサ18は、電装部である電装箱19により、二つの電極18b間に電圧が印加されることで、水位に基づく信号を電装箱19に出力する。即ち、水位検出センサ18及び電装箱19は、薬液槽12内の薬液の水位を検出する水位検出装置を構成する。
【0044】
電極保持器18aは、二つの電極18bを保持した状態で、薬液槽12の天井部に固定される。
【0045】
二つの電極18bは、例えば、一方が他方よりも短く設定される。なお、二つの電極18bは、同じ長さに設定されていてもよい。二つの電極18bは、所定の距離、本実施形態においては、1.6cm離間し、そして、長さが3cm異なり、電極保持器18aに保持される。
【0046】
例えば、電極保持器18aが薬液槽12の天井部に固定された状態で、短い電極18bの下端は、渇水水位と同じ位置となる長さであり、長い電極18bは、渇水水位よりも低位置であって、且つ、薬液槽12の底部12aよりも高い位置である長さに設定される。なお、渇水水位は、容積ポンプ41よりも高い位置、より好ましくは、容積ポンプ41の吸込口41bよりも高い位置に設定される。
【0047】
電装箱19は、例えば、容積ポンプ41を駆動制御し、容積ポンプ41から連結管15に注入される薬液量を制御する。また、電装箱19は、薬液槽12内の薬液の水位を検出する。
【0048】
図3に示すように、電装箱19は、例えば、通信部51と、入力部52と、インターフェース53と、表示部54と、記憶部55と、直流電圧駆動回路56と、駆動部57と、制御部58と、を備える。
【0049】
通信部51は、制御部58により制御される。通信部51は、USB等の有線通信技術や、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetooth Low Energyの規格(BLE規格))、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術及びsigfox(登録商標)等の専用無線通信技術等を含む遠距離無線通信技術等の無線通信技術を用いて、通信端末と通信可能な任意の通信インターフェースである。ここで、通信端末とは、薬液注入装置1とは別の、外部に設けられた通信機器である。
【0050】
通信部51は、例えば、薬液注入装置1の出荷時やメンテナンス時等に、検査用の通信端末と通信して、薬液注入装置1の機能パラメータ、内部パラメータ、外部パラメータ等の各種パラメータとしてのデータ、容積ポンプ41を駆動制御や薬液の水位の算出を行うための各種プログラム、及び、これらデータやプログラムを変更する変更指示を受信し、記憶部55や制御部58に送信する。
【0051】
入力部52は、ユーザ入力を受け付けるための入力インターフェースである。入力部52は、例えば、ボタンを含む操作パネルである。なお、入力部52は、タッチパネル、キーボード、マウス、等のユーザ入力を受け付ける装置である。入力部52は、薬液槽12に供給した薬液の濃度を入力できる。
【0052】
インターフェース53は、圧力センサ16、流量センサ17及び水位検出センサ18が接続される。また、インターフェース53は、他の機器を電気的に接続できる。即ち、インターフェース53は、各種機器が電気的に接続される端子又は回路である。
【0053】
表示部54は、例えば、セグメントディスプレイ、液晶ディスプレイ若しくは有機ELディスプレイなどの表示デバイス、又は、LED(Light Emitting Diode)等を用いた点灯部等を有している。本実施形態の図2においては、表示部54は、三桁のセグメントディスプレイ及び複数のLEDを有するインフォメーションパネルにより形成される。
【0054】
記憶部55は、データの読出及び書込が可能な記憶媒体である。記憶部55は、所謂メモリやストレージを含む。例えば、記憶部55は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read only memory)、RAM(Random Access Memory)又はNAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。また、記憶部55は、フラッシュメモリを搭載したSSD(Solid State Drive)を含む。なお、記憶部55は、これらに限定されず、種々の記憶媒体を用いることができる。本実施形態において、図3に示すように、記憶部55は、例えば、EEPROM55a及びRAM55bを有する。
【0055】
記憶部55は、制御部58によって使用される機能パラメータ、内部パラメータ、外部パラメータ等の各種パラメータとしてのデータ、容積ポンプ41の制御及び薬液の水位の算出に用いる各種データやプログラム等を格納する。
【0056】
ここで、薬液の水位の算出に用いる各種データは、例えば、出荷時に記憶されるか、又は、水位検出センサ18の設置時に入力部52により入力される二つの電極18bの距離d(cm)、電極18bの半周nD/2(cm)、分圧抵抗R1(Ω)、電極18bの表面積より定まるセル定数、薬液の濃度X(%)に対する導電率等のデータである。なお、薬液の濃度Xは、薬液槽12に充填した薬液に基づいて入力部52により入力される。
【0057】
また、薬液の水位検出に用いるプログラムとしては、電極浸漬長さLを算出するための以下の演算式(1)乃至(9)が記憶される。
【0058】
例えば、電極間距離をd(cm)、薬液接液面積をA(cm)、電極半周をnD/2(cm)、薬液濃度をX(%)、電極浸漬長さをL(cm)、比抵抗をr(Ω・cm)、電気抵抗をRc(Ω)、二つの電極18bに印加する電圧をV(V)、水導通時電流をI(mA)、分圧抵抗をR1(Ω)、水導通時電極間電圧をVe(V)、水導通時検出電圧をVr(V)としたときに、演算式(1)乃至(9)は、
A=πD/2×L (1)
Vr=V×R1/(r×d/(πd/2×I)+R1) (2)
Vr=V×R1/(r×d/A+R1) (3)
r=100000/((6666/12)×X) (4)
Rc=r×d/A (5)
V=10/X (6)
I=V/(Rc+R1)×1000 (7)
Ve=V×Rc/(Rc+R1) (8)
Vr=V×R1/(Rc+R1) (9)
となる。
【0059】
また、記憶部55は、例えば、容積ポンプ41の運転データ、及び、渇水水位よりも高い水位であって、且つ、薬液の補充を推奨する水位である補充推奨水位L1が記憶される。なお、説明の便宜上、渇水水位をL2として以下説明する。
【0060】
直流電圧駆動回路56は、典型的な、水位検出センサ18の二つの電極18b間に電圧Vを印加する回路である。直流電圧駆動回路56が印加する電圧Vは、上述した演算式(6)に基づいて、薬液の濃度X(%)から算出され、設定される。
【0061】
駆動部57は、信号線を介して容積ポンプ41のモータであるDCソレノイド及び制御部58に電気的に接続される。駆動部57は、出力周波数を可変させることで、DCソレノイドの単位時間当たりのストローク数を制御する。
【0062】
制御部58は、プロセッサである。制御部58は、例えば、マイコンである。なお、制御部58は、マイコンに限定されず、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、DSC(Digital Signal Controller)又はその他の汎用または専用のプロセッサ等であってもよい。また、制御部58は、通信部51等にプロセッサを含むモジュールを用いる場合には、当該モジュールであってもよい。
【0063】
制御部58は、記憶部55に記憶(格納)された各種データ及びプログラムに基づいて、容積ポンプ41を駆動制御する。制御部58は、例えば、薬液の濃度Xに基づいて、電極18b間に印加する電圧Vを算出するとともに、直流電圧駆動回路56を制御して、電極18b間に電圧Vを印加する。ここで、制御部58は、薬液の濃度X、すなわち薬液の導電率に反比例した電圧Vを電極18b間に印加する。
【0064】
これにより、例えば、図4に示すように、薬液の濃度Xが12%であれば、印加電圧Vは0.83Vとなり、図5に示すように、薬液の濃度Xが1%であれば、印加電圧Vは10Vとなる。
【0065】
また、制御部58は、演算式(1)乃至(9)に基づいて、電極18bが薬液に浸漬する長さである電極浸漬長さLを求め、この電極浸漬長さLから薬液槽12内の薬液の水位を求める。ここで、薬液槽12内の薬液の水位は、電極18bの下端から薬液槽12の底部12aまでの長さと電極浸漬長さLの合算値である。
【0066】
具体的には、制御部58は、電極間距離dと、セル定数と、薬液の導電率より算出された単位長さあたりの電極間抵抗である比抵抗rと、印加電圧Vと、検出された電極18b間の電圧である水導通時検出電圧Vrより、電極18bの浸漬長さLを算出する。
【0067】
即ち、制御部58は、上述した演算式(1)乃至(9)から、図4及び図5に示すように、水導通時検出電圧Vrより、電極18bの浸漬長さLを算出し、電極の浸漬長さLより、薬液槽12の水位を算出する。また、制御部58は、検出した薬液槽12の水位(検出水位)を表示部54に表示する。
【0068】
なお、図4は、薬液の濃度Xが12%の場合において、電極浸漬長さLが30.0cm及び1.0cmの時の各データを示しており、図5は、薬液の濃度Xが1%の場合において、電極浸漬長さLが30.0cm及び1.0cmの時の各データを示す。
【0069】
また、制御部58は、第一所定時間t1毎に電極18bに電圧Vを印加し、薬液の水位を検出する。ここで、第一所定時間t1は、例えば1時間であり、予め入力部52により入力され、記憶部55に記憶される。なお、第一所定時間t1は、容積ポンプ41による薬液消費量(注入量)に基づいて設定される。ここで、容積ポンプ41による薬液消費量は、例えば、処理されて受水槽等の水槽に貯水される飲用水に比べて非常に少ないため、頻繁に薬液の水位を検出する必要はない。このため、電極18bに電圧Vを印加する時間を1時間といったように間隔を長くすることで、薬液である次亜塩素酸ナトリウムの電気分解による気泡の発生と電極18bへの気泡の付着を抑制することができる。
【0070】
また、例えば、制御部58は、入力部52により所定の操作がなされた場合に、電極18bに電圧Vを印加する。これは、例えば、薬液が渇水していないが、容積ポンプ41が停止している状態で薬液が追加補充された時等において用いられる機能である。即ち、最新の水位データを取得し、表示させたい場合であって、入力部52の例えば水位表示ボタンが押された場合に、制御部58は、入力部52が操作されたときに1回のみ、電極18bに電圧Vを印加して、水位検出する。
【0071】
また、制御部58は、検出した薬液の水位(検出水位)が補充推奨水位L1であるか否かを判定し、検出水位が補充推奨水位L1より小さく、且つ、渇水水位L2でない場合には、例えば、薬液補充推奨の情報を外部に報知する。
【0072】
具体例として、制御部58は、表示部54を制御して薬液補充推奨の情報を表示する処理及び/又は通信部51を制御して外部の通信端末等に薬液補充推奨である情報を外部信号として出力する処理を行う。また、制御部58は、第二所定時間t2毎に電極18bに電圧Vを印加する。ここで、第二所定時間t2は、第一所定時間t1よりも短い時間、例えば15分であり、予め入力部52により入力され、記憶部55に記憶される。
【0073】
なお、第二所定時間t2は、設定された補充推奨水位L1に基づいて設定される。また、容積ポンプ41による薬液消費量は、処理され、例えば受水槽等の水槽に貯水される飲用水に比べて非常に少ないが、薬液槽12の薬液の水位が渇水水位L2に近づいているため、第二所定時間t2は、薬液補充推奨の情報を報知する好適な間隔に基づいて設定される。
【0074】
また、薬液の液面が二つの電極18bのうち短い電極18bより下方まで減ると、検出電圧は0Vとなり、制御部58は、薬液の水位が渇水水位L2、即ち渇水と判定する。制御部58は、薬液の渇水を検出すると、薬液の補充に備えて、第一所定時間t1及び第二所定時間t2より短く設定された第三所定時間t3毎に、電極18bに電圧Vを印加する。ここで、第三所定時間t3は、例えば1分であり、予め入力部52により入力され、記憶部55に記憶される。なお、渇水時には、薬液が補充されるまで、電圧Vを高頻度で電極18bに印加しても、二つの電極18b間に電流が流れることはないため、電気分解による気泡発生の虞がないため、第三所定時間t3は、第一所定時間t1及び第二所定時間t2よりも短く設定される。
【0075】
図1に示すように、給水装置2は、例えば、給水源101としての井戸に設置され、井戸水を揚水可能に形成される。給水装置2は、例えば、給水ポンプ111と、給水ポンプ111に接続され、給水源101に配置される吸込管112と、給水ポンプ111及び連結管15に接続される吐出管113と、吐出管113に設けられた検出センサ114と、吐出管113に設けられた圧力タンク115と、制御盤119と、を備える。
【0076】
給水ポンプ111は、例えばポンプ及びモータを有する。図1に示す例では、給水ポンプ111は陸上ポンプの例を示すが、給水ポンプ111は、井戸水中に設置される水中ポンプであってもよい。
【0077】
吸込管112は、例えば、給水ポンプ111から給水源101へ水が逆流することを防止する逆止弁112aを有する。
【0078】
検出センサ114は、例えば、流量センサ114aと、圧力センサ114bと、を備える。
【0079】
流量センサ114aは、例えば、フロートスイッチである。流量センサ114aは、信号線を介して制御盤119に接続され、検出した流量の信号を制御盤119に出力する。流量センサ114aは、例えば、定点流量でONとOFFのみを検知する。流量センサ114aは、例えば、吐出管113内の流量が給水ポンプ111の停止流量であることを検出し、信号を制御盤119に出力可能に形成される。
【0080】
圧力センサ114bは、吐出管113内の圧力を検出可能に形成される。圧力センサ114bは、信号線を介して制御盤119に接続され、検出した圧力の信号を制御盤119に出力する。圧力センサ114bは、少なくとも、吐出管113内の圧力が給水ポンプ111の起動圧力であることを検出し、信号を制御盤119に出力可能に形成される。
【0081】
制御盤119は、給水ポンプ111のモータを駆動制御する。制御盤119は、吐出管113内の圧力が起動圧力となると、給水ポンプ111を起動し、吐出管113内の流量が停止流量となると、給水ポンプ111を停止する。
【0082】
制御盤119は、例えば、通信部と、入力部と、インターフェースと、表示部と、記憶部と、駆動部と、制御部と、を備える。なお、これら通信部、入力部、インターフェース、表示部、記憶部、駆動部及び制御部は、上述した電装箱19の通信部51、入力部52、インターフェース53、表示部54、記憶部55、駆動部57及び制御部58と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0083】
記憶部は、給水ポンプ111の起動圧力及び停止流量が記憶される。また、記憶部は、制御部によって使用される機能パラメータ、内部パラメータ、外部パラメータ等の各種パラメータとしてのデータ、給水ポンプ111の制御に用いる各種データやプログラム等を格納する。制御部は、記憶部に記憶された各種データ及びプログラム等に基づいて給水ポンプ111を制御する。制御部は、圧力センサ114bで検出した圧力が、記憶部に記憶された起動圧力を超えたときに、給水ポンプ111を起動し、流量センサ114aで停止流量を検出すると、給水ポンプ111を停止する。
【0084】
濾過装置3は、例えば、給水源101の原水に薬液注入装置1で薬液を注入した処理水に含まれる鉄及びマンガンを除去するとともに、処理中に存在する砂等の固形物を除去する。濾過装置3は、槽本体211と、濾過材212と、吸込管213と、集水管214と、を備える。また、濾過装置3は、逆洗、洗浄等が可能に、ポンプ装置、開閉弁、貯水槽、配管等が適宜設けられる構成であってもよい。
【0085】
槽本体211は、濾過材212を収容する。濾過材212が収容された槽本体211は、濾過材212の上方に吸込管213が配置される空間を形成する。また、槽本体211は、集水管214が下端に接続される。
【0086】
濾過材212は、例えば、薬液が注入された原水から鉄を除去する。また、濾過材212は、薬液が注入された原水からマンガンを除去する。また、濾過材212は、原水に含まれる固形物を除去する。
【0087】
吸込管213は、連結管15に接続される。集水管214は、一端が槽本体211内に設けられ、他端が、給水先に接続される。ここで、給水先は、例えば、貯水槽や給水栓等である。集水管214の槽本体211内の端部には、例えば、フィルタが設けられる。
【0088】
次に、このように構成された水処理装置100の薬液注入装置1の制御方法の一例を、図6に示す流れ図を用いて説明する。
【0089】
先ず、薬液注入装置1の電装箱19に電源が投入されると、電装箱19の電源がONとなり(ステップST1)、スタンバイ状態となる。制御部58は、薬液槽12に充填された薬液の濃度X(%)が設定されているか否かを判定する(ステップST2)。薬液の濃度X(%)が設定されていない場合(ステップST2のNO)には、作業者が入力部52を操作して薬液槽12の薬液の濃度が入力されるまで、制御部58は待機する。なお、このとき、制御部58は、表示部54を制御し、及び/又は、通信部51を制御して、薬液の濃度入力を外部に報知してもよい。
【0090】
薬液の濃度X(%)が設定されている場合(ステップST2のYES)には、制御部58は、電極18bに電圧Vを印加し、薬液の水位を検出し(ステップST3)、検出水位が補充推奨水位L1よりも高いか否かを判定する(ステップST4)。検出水位が補充推奨水位L1よりも高い場合(ステップST4のYES)には、制御部58は、表示部54を制御して、表示部54に検出水位を表示し(ステップST5)、第一所定時間t1が経過する(ステップST6のYES)と、ステップST2に戻る。
【0091】
検出水位が補充推奨水位L1以下である場合(ステップST4のYES)には、制御部58は、検出水位が補充推奨水位L1以下であって、且つ、渇水水位L2より高いか否かを判定する(ステップST7)。即ち、制御部58は、水導通時検出電圧Vrが0Vであるか否かを判定する。検出水位が補充推奨水位L1以下であって、且つ、渇水水位L2より高い場合(ステップST7のYES)には、制御部58は、表示部54を制御して、表示部54に検出水位を表示し(ステップST8)、表示部54及び/又は通信部51を制御して、外部に薬液補充推奨の情報を出力する(ステップST9)。そして、制御部58は、第二所定時間t2が経過する(ステップST10のYES)と、ステップST2に戻る。
【0092】
検出水位が補充推奨水位L1以下であって、且つ、渇水水位L2以下である場合(ステップST7のNO)、即ち、水導通時検出電圧Vrが0Vであると、制御部58は、渇水と判定し、表示部54を制御して、表示部54に渇水である情報を表示し、容積ポンプ41を停止する(ステップST11)。そして、制御部58は、表示部54及び/又は通信部51を制御して、外部に渇水の情報を出力する(ステップST12)。そして、制御部58は、第三所定時間t3が経過する(ステップST13のYES)と、ステップST2に戻る。そして、制御部58は、これらのステップを、薬液注入装置1の電源がOFFとなるまで繰り返し行う。
【0093】
このように構成された水位検出装置、薬液注入装置1及び水処理装置100によれば、薬液の濃度を入力部52で入力し、この薬液の濃度(導電率)に反比例した電圧を電極18bに印加することで、濃度が異なる薬液であっても、薬液槽12内の薬液の水位を検出することができる。
【0094】
また、制御部58は、所定の時間(第一所定時間t1)毎、又は、入力部52に所定の操作がなされた場合に、電極18bに電圧Vを印加して薬液の水位を検出する。このため、薬液が次亜塩素酸ナトリウム等の気化性液体であっても、薬液の水位を検出するために電流が流れる時間を極力少なくすることで、薬液中に気泡が発生すること、及び、薬液中に発生した気泡が電極18bに付着することを防止できる。
【0095】
また、制御部58は、薬液の水位が補充推奨水位L1又は渇水水位L2となったときに、通信部51及び/又は表示部54によって該情報を外部に報知できることから、薬液注入装置1が設置された場所から離れた場所で、薬液の補充等を把握することができる。
【0096】
上述したように本発明の一実施形態に係る水位検出装置、薬液注入装置1及び水処理装置100によれば、濃度の異なる薬液であっても、水位を検出できる。
【0097】
なお、本発明は上述した構成に限定されない。例えば、上述した例では、薬液注入装置1は、圧力センサ16及び流量センサ17を有し、圧力センサ16及び流量センサ17の検出した圧力及び流量によって制御部58が容積ポンプ41を制御する構成を説明したがこれに限定されない。
【0098】
例えば、薬液注入装置1は、圧力センサ16及び/又は流量センサ17を有さない構成とし、電装箱19及び制御盤119を、信号線による有線、又は、通信部51による無線通信により、情報の送受信が可能とし、制御盤119から送信された給水装置2の流量センサ114a及び圧力センサ114bで検出した流量及び圧力に基づいて、容積ポンプ41の制御を行う構成としてもよい。なお、この場合には、流量センサ114aは、例えば、流量センサ17と同様の羽根車式の流量センサが用いられる。
【0099】
また、上述した例では、容積ポンプ41の例として、ダイヤフラムポンプの例を説明したがこれに限定されず、容積ポンプ41は、プランジャポンプであってもよく、また、他のポンプであってもよい。
【0100】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0101】
1…薬液注入装置、2…給水装置、3…濾過装置、100…水処理装置、11…架台、11a…脚部、11b…第1ベース、11c…壁部、11d…第2ベース、12…薬液槽、12a…底部、12b…供給口、12c…蓋体、13…配管ユニット、14…薬液注入器、15…連結管、15a…取付部、16…圧力センサ、17…流量センサ、18…水位検出センサ(水位検出装置)、18a…電極保持器、18b…電極、19…電装箱(電装部、水位検出装置)、21…接続配管、22…排気チューブ、23…連結配管、24…開閉弁、31…螺子部、32…フランジ、33…ナット、34…上方分岐部、35…下方分岐部、36…取付部、38…浮遊球、39…水位スケール、41…容積ポンプ、41a…ポンプケーシング、41b…吸込口、41c…吐出口、41d…プラグ、42…薬液注入部、42a…連結配管、42b…第1逆止弁、42c…ノズル、42d…第2逆止弁、51…通信部、52…入力部、53…インターフェース、54…表示部、55…記憶部、55a…EEPROM、55b…RAM、56…直流電圧駆動回路、57…駆動部、58…制御部、101…給水源、111…給水ポンプ、112…吸込管、112a…逆止弁、113…吐出管、114…検出センサ、114a…流量センサ、114b…圧力センサ、115…圧力タンク、119…制御盤、211…槽本体、212…濾過材、213…吸込管、214…集水管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6