(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073741
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】基板移載装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230519BHJP
B65G 49/07 20060101ALN20230519BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186386
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000134028
【氏名又は名称】株式会社SCREEN SPE テック
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠一
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131CA24
5F131DA42
5F131DA53
5F131DA62
5F131GA03
5F131GA33
5F131GA43
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA15
5F131HA33
5F131JA09
5F131JA12
(57)【要約】
【課題】種々の形状の基板を搬送できる基板移載装置を提供する。
【解決手段】基板Wは、キャリアCとガイド溝31aにより倒れが防止されたまま、プッシャーヘッド65で基板Wの下縁が支持されて第1の高さH31に上昇される。基板Wの下縁が持ち替えられた後も、支持アーム33で下縁を支持されている。したがって、受け渡しの際には、面方向への倒れが防止されたまま基板Wの下縁が支持されているので、基板Wの形状にかかわらず受け渡し時における起立姿勢の倒れ量を略一定にできる。その結果、種々の形状の基板Wを搬送できる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を移載する基板移載装置において、
基板を起立姿勢で収容可能であって、基板の面方向に複数枚の基板を収容可能なキャリアが載置されるテーブルと、
基板が面方向へ倒れることを防止するガイド溝を基板の径方向に備え、前記ガイド溝を前記面方向に複数備えたガイドアームと、
基板の下縁を支持する支持片を備え、前記ガイドアームに案内された基板を前記支持片で支持する支持位置と、前記支持片が前記支持位置から離れた待機位置とに移動可能な支持アームと、
前記キャリアに相当する第1のキャリアと、前記第1のキャリアとは異なる前記キャリアに相当する第2のキャリアとの間において、前記ガイドアーム及び前記支持アームを水平方向に移動する水平移動機構と、
前記キャリアの上方に相当する上方位置と、前記上方位置より前記キャリアの上縁に近い案内位置とにわたって、前記ガイドアームを鉛直方向に昇降する昇降機構と、
基板の下縁を当接支持し、前記キャリアの下方に相当する待機位置と、前記キャリアの上方に相当し、前記案内位置に位置する前記ガイドアームに基板を案内する受渡位置とにわたって、前記キャリアの内部を通って鉛直方向に昇降可能なプッシャーヘッドと、
を備え、
前記ガイドアームを前記第1のキャリアにおける前記案内位置に移動した後、前記第1のキャリア内の基板を前記プッシャーヘッドで突き上げて前記受渡位置に上昇させ、前記支持アームを前記支持位置に移動させるとともに前記プッシャーヘッドを待機位置に移動させて基板の下縁を持ち替えさせ、前記ガイドアーム及び前記支持アームを前記第2のキャリアにおける前記案内位置に移動して、前記第2のキャリアへ基板を受け渡すことを特徴とする基板移載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板移載装置において、
前記プッシャーヘッドは、基板の水平方向における中心位置を挟んだ一方側を支持し、
前記支持アームは、前記中心位置を挟んだ他方側を前記支持片で支持することを特徴とする基板移載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板移載装置において、
前記支持アームは、前記支持位置と前記待機位置とにわたって、基板の外周縁に沿うように前記支持片を揺動することを特徴とする基板移載装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板移載装置において、
前記プッシャーヘッドは、基板の水平方向における中心位置を支持し、
前記支持アームは、二本備えられ、
前記各支持アームは、前記中心位置を挟んだ一方側及び他方側を前記支持片で支持することを特徴とする基板移載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板移載装置において、
前記各支持アームは、前記支持位置と前記待機位置とにわたって、基板の外周縁に沿うように前記支持片を揺動することを特徴とする基板移載装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板移載装置において、
前記昇降機構は、前記案内位置にて、前記ガイドアームと前記キャリアの上縁との間に所定距離だけ間隔を空けていることを特徴とする基板移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を一方のキャリアから他方のキャリアへ移動させる基板移載装置に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、例えば、搬送用キャリアと処理用キャリアとの間で基板を移動させるため、プッシャーユニットと、横行ユニットとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
プッシャーユニットは、搬送用キャリアが載置される移載台の下方及び処理用キャリアが載置される移載台の下方のそれぞれに配備されている。プッシャーユニットは、プッシャーヘッドを備えている。プッシャーヘッドは、基板の下縁のうち、中心とその近くの両側の二点との合計三点を当接して基板を起立姿勢で支持する。横行ユニットは、搬送用キャリアと処理用キャリアとの間を水平方向に移動する。横行ユニットは、基板の整列方向である水平方向に延出された二本の保持柱を備えている。二本の保持柱は、円柱状を呈しており、長手方向に複数個のスリットを形成されている。二本の保持柱は、基板の高さ方向における中央より若干下方にあたる二点の周縁部をスリットで挟持し、基板を当接して支持する。
【0004】
プッシャーユニットは、プッシャーヘッドで搬送用キャリアの上方に基板を突き上げる。横行ユニットの二本の保持柱は、スリットで基板の両側を挟持し、当接して支持する。二本の保持柱は、搬送用キャリアから処理用キャリアに移動する。横行ユニットの二本の保持柱は、処理用キャリアから上昇しているプッシャーヘッドに基板を受け渡す。プッシャーヘッドは、下降して処理用キャリアに基板を収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、基板における下縁の三点を当接支持した状態から、基板の両側の二点を支持する状態に支持箇所が変わる。そのため、基板の形状によっては、プッシャーヘッドによる起立姿勢に種々の倒れ量が生じ得る。そのため、横行ユニットの二本の保持柱で保持する際に基板の破損や落下が生じる恐れがある。このような事態を未然に防止するため、搬送可能な基板の形状を限定している。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、種々の形状の基板を搬送できる基板移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を移載する基板移載装置において、基板を起立姿勢で収容可能であって、基板の面方向に複数枚の基板を収容可能なキャリアが載置されるテーブルと、基板が面方向へ倒れることを防止するガイド溝を基板の径方向に備え、前記ガイド溝を前記面方向に複数備えたガイドアームと、基板の下縁を支持する支持片を備え、前記ガイドアームに案内された基板を前記支持片で支持する支持位置と、前記支持片が前記支持位置から離れた待機位置とに移動可能な支持アームと、前記キャリアに相当する第1のキャリアと、前記第1のキャリアとは異なる前記キャリアに相当する第2のキャリアとの間において、前記ガイドアーム及び前記支持アームを水平方向に移動する水平移動機構と、前記キャリアの上方に相当する上方位置と、前記上方位置より前記キャリアの上縁に近い案内位置とにわたって、前記ガイドアームを鉛直方向に昇降する昇降機構と、基板の下縁を当接支持し、前記キャリアの下方に相当する待機位置と、前記キャリアの上方に相当し、前記案内位置に位置する前記ガイドアームに基板を案内する受渡位置とにわたって、前記キャリアの内部を通って鉛直方向に昇降可能なプッシャーヘッドと、を備え、前記ガイドアームを前記第1のキャリアにおける前記案内位置に移動した後、前記第1のキャリア内の基板を前記プッシャーヘッドで突き上げて前記受渡位置に上昇させ、前記支持アームを前記支持位置に移動させるとともに前記プッシャーヘッドを待機位置に移動させて基板の下縁を持ち替えさせ、前記ガイドアーム及び前記支持アームを前記第2のキャリアにおける前記案内位置に移動して、前記第2のキャリアへ基板を受け渡すことを特徴とするものである。
【0009】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、テーブル上の第1のキャリアにおける案内位置にガイドアームを移動した後、第1のキャリア内の基板をプッシャーヘッドで突き上げ、基板を受渡位置に上昇させる。支持アームを支持位置に移動させ、プッシャーヘッドを待機位置に移動させて、基板の下縁を持ち替えさせる。テーブル上の第2のキャリアにおける案内位置にガイドアーム及び支持アームを移動して、第2のキャリアへ基板を受け渡す。基板は、プッシャーヘッドで突き上げられる際には、キャリアとガイドアームのガイド溝により面方向への倒れが防止されたまま、プッシャーヘッドで基板の下縁が支持されて受渡位置に上昇される。基板の下縁が持ち替えられた後も、ガイドアームのガイド溝により面方向への倒れが防止されたまま、支持アームで下縁を支持されている。したがって、受け渡しの際には、面方向への倒れが防止されたまま基板の下縁が支持されているので、基板の形状にかかわらず受け渡し時における起立姿勢の倒れ量を略一定にできる。その結果、種々の形状の基板を搬送できる。
【0010】
また、本発明において、前記プッシャーヘッドは、基板の水平方向における中心位置を挟んだ一方側を支持し、前記支持アームは、前記中心位置を挟んだ他方側を前記支持片で支持することが好ましい(請求項2)。
【0011】
基板の水平方向における中心位置の一方側と他方側との一箇所ずつを、プッシャーヘッドと支持アームとで支持する。したがって、受け渡しの際に基板に当接する箇所を最小限にできる。その結果、基板へのパーティクルの転写等の恐れを最小限にできる。また、支持アームを一つにできるので、軽量化を図れる。
【0012】
また、本発明において、前記支持アームは、前記支持位置と前記待機位置とにわたって、基板の外周縁に沿うように前記支持片を揺動することが好ましい(請求項3)。
【0013】
支持アームの支持片の位置を揺動させるだけですむので、構成を簡単化でき、容易に支持片で基板を支持させることができる。
【0014】
また、本発明において、前記プッシャーヘッドは、基板の水平方向における中心位置を支持し、前記支持アームは、二本備えられ、前記各支持アームは、前記中心位置を挟んだ一方側及び他方側を前記支持片で支持することが好ましい(請求項4)。
【0015】
プッシャーヘッドが支持した両側を各支持アームで支持する。したがって、プッシャーヘッドから各支持アームへの基板の受け渡し時において基板を安定して受け渡すことができる。
【0016】
また、本発明において、前記各支持アームは、前記支持位置と前記待機位置とにわたって、基板の外周縁に沿うように前記支持片を揺動することが好ましい(請求項5)。
【0017】
各支持アームの支持片の位置を揺動させるだけですむので、構成を簡単化でき、容易に各支持片で基板を支持させることができる。
【0018】
また、本発明において、前記昇降機構は、前記案内位置にて、前記ガイドアームと前記キャリアの上縁との間に所定距離だけ間隔を空けていることが好ましい(請求項6)。
【0019】
ガイドアームとキャリアの上縁とに間隔を空けている。したがって、受け渡し時にキャリアの上縁にガイドアームを正確に移動させる必要がなく、移動時における制御を容易にできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る基板移載装置によれば、テーブル上の第1のキャリアにおける案内位置にガイドアームを移動した後、第1のキャリア内の基板をプッシャーヘッドで突き上げ、基板を受渡位置に上昇させる。支持アームを支持位置に移動させ、プッシャーヘッドを待機位置に移動させて、基板の下縁を持ち替えさせる。テーブル上の第2のキャリアにおける案内位置にガイドアーム及び支持アームを移動して、第2のキャリアへ基板を受け渡す。基板は、プッシャーヘッドで突き上げられる際には、キャリアとガイドアームのガイド溝により面方向への倒れが防止されたまま、プッシャーヘッドで基板の下縁が支持されて受渡位置に上昇される。基板の下縁が持ち替えられた後も、ガイドアームのガイド溝により面方向への倒れが防止されたまま、支持アームで下縁を支持されている。したがって、受け渡しの際には、面方向への倒れが防止されたまま基板の下縁が支持されているので、基板の形状にかかわらず受け渡し時における起立姿勢の倒れ量を略一定にできる。その結果、種々の形状の基板を搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【
図3】実施例に係る基板昇降機構及び第2搬送機構の側面図である。
【
図19】基板移載装置の動作説明に供する図である。
【
図21】基板昇降機構及び第2搬送機構の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図2は、実施例に係る基板移載装置の平面図である。
【0023】
<1.全体の概略構成>
【0024】
基板処理装置1は、例えば、基板Wに対して薬液処理や洗浄処理などを行うための装置である。基板処理装置1は、複数枚の基板Wを同時に処理するバッチ式の処理装置である。基板処理装置1は、一枚だけの基板Wを処理することもできる。
【0025】
基板Wは、複数枚(例えば、25枚)が一つのキャリアC内に水平姿勢で積層収納されている。未処理の基板Wを収納したキャリアCは、投入部3に載置される。投入部3は、キャリアCが載置される載置台5を二つ備えている。
【0026】
基板処理装置1の中央部を挟んだ投入部3の反対側には、払出部7が配備されている。払出部7は、処理済みの基板WをキャリアCに収納してキャリアCごと払い出す。このように機能する払出部7は、投入部3と同様に、キャリアCを載置するための二つの載置台9を備えている。キャリアCは、基板Wを一枚ずつ収容する溝(図示省略)が複数形成されている。
【0027】
投入部3と払出部7に沿う位置には、これらの間を移動可能に構成された第1搬送機構CTCが設けられている。第1搬送機構CTCは、投入部3に載置されたキャリアCを移載台11に搬送する。第1搬送機構CTCは、基板Wが起立姿勢となるようにキャリアCの姿勢を変換して移載台11に搬送する。第1搬送機構CTCは、移載台11から処理済みの基板Wを受け取った後に、基板Wが水平姿勢となるようにして、基板WをキャリアCごと払出部7の載置台9に搬送する。
【0028】
本明細書では、便宜上、投入部3及び払出部7と、第1搬送機構CTCとが並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、第1搬送機構CTCから投入部3及び払出部7に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0029】
移載台11は、幅方向Yに沿って2個のキャリアCを載置できるように構成されている。載置台11は、2個のキャリアCの幅方向Yにおける左方に、1個の処理用キャリアC1を載置できるように構成されている。キャリアCは、主として搬送用に用いられ、処理用キャリアC1は、処理液に耐性を有する材料で構成されている。処理用キャリアC1は、基板WについてキャリアCの2個分の収容能力を備えている。例えば、キャリアCが25枚の基板Wを収容できる場合には、処理用キャリアC1は、50枚の基板Wを収容できる。処理用キャリアC1は、基板Wを一枚ずつ収容する溝(図示省略)が複数形成されている。処理用キャリアC1は、キャリアCより幅方向Yにおける長さが長い。キャリアC及び処理用キャリアC1は、鉛直方向Zにおける上方と下方とが開放されている。キャリアC及び処理用キャリアC1は、前後方向Xにおける両側面にスリット(不図示)が形成されている。スリットは、幅方向Yに所定間隔で形成されている。キャリアC及び処理用キャリアC1は、ほぼ同じ間隔で基板Wを幅方向Yに収容する。
【0030】
移載台11は、2個のキャリアCが載置される位置の下方と、1個の処理用キャリアC1が載置される位置の下方とに基板昇降機構13を備えている。載置台11は、2個のキャリアCが載置される位置の下方におけるそれぞれに基板昇降機構13を備えている。キャリアCと処理用キャリアC1との下方に配備されている基板昇降機構13は、幅方向Yにおける長さが異なるだけで基本的な構成は同じである。したがって、本明細書においては、それぞれを区別せずに同じ構成であるとして説明する。
【0031】
移載台11には、第2搬送機構WTRが配置されている。第2搬送機機構WTRは、移載台11において、幅方向Yに移動可能に構成されている。第2搬送機構WTRは、移載台11上に配置された2個のキャリアCと1個の処理用キャリアC1との間において、それぞれの上方にわたって幅方向Yに移動可能に構成されている。第2搬送機構WTRは、2個のキャリアCと、1個の処理用キャリアC1との上方において、鉛直方向Zに昇降可能に構成されている。
【0032】
移載台11の幅方向Yにおける左方には、第3搬送機構15が配備されている。移載台11の前後方向Xには、複数個の処理部PBが配備されている。ここでは、一例として、5個の処理部PB1~PB5を備えている。各処理部PB1~PB5は、基板Wに対して薬液や純水などの液体による薬液処理や、気体による乾燥処理等を行う。第3搬送機構15は、前後方向Xにおける移載台11と処理部PB1~PB5に沿って移動可能に構成されている。第3搬送機構15は、移載台11における搬送用キャリアC1を各処理部PB1~PB5に搬送する。第3搬送機構15は、各処理部PB1~PB5で処理を終えた処理用キャリアC1を移載台11に搬送する。
【0033】
なお、移載台11が本発明における「テーブル」に相当し、キャリアCが本発明における「第1のキャリア」に相当し、処理用キャリアC1が本発明における「第2のキャリア」に相当する。
【0034】
<2.第2搬送機構WTRの詳細構成>
ここで、
図2及び
図3を参照する。
図2は、実施例に係る第2搬送機構の平面図である。
図3は、実施例に係る基板昇降機構及び第2搬送機構の側面図である。なお、
図3は、
図2において幅方向Yの右方から見た図を示す。
【0035】
第2搬送機構WTRは、基板保持機構21と、昇降移動機構23と、水平移動機構25とを備えている。
【0036】
基板保持機構21は、ヘッド部27と、取付基部29と、一対のガイドアーム31と、一対の支持アーム33とを備えている。ヘッド部27は、前後方向Xのうち前方に昇降移動機構23が配置されている。ヘッド部27は、幅方向Yの右方に取付基部29が取り付けられている。取付基部29は、幅方向Yの右方に一対のガイドアーム31の基部が取り付けられている。各ガイドアーム31は、細長い棒状を呈する。一対のガイドアーム31は、互いに対向する部分に、ガイド溝31aが形成されている。ガイド溝31aは、基板Wが面方向に倒れることを防止する。本実施例では、ガイド溝31aは、基板Wが幅方向Yに倒れることを防止する。ガイド溝31aは、幅方向Yにおける幅が基板Wの厚みよりやや大きく形成されている。一対のガイドアーム31は、前後方向Xにおけるガイド溝31a同士の間隔が、基板Wの直径より若干大きく設定されている。一対のガイドアーム31は、取付基部29に固定されており、ヘッド部27に対して移動しない。
【0037】
各支持アーム33は、アーム本体35と、支持片37とを備えている。アーム本体35は、一端側が回転軸P1周りに回転可能に取り付けられている。回転軸P1は、幅方向Yに向いている。アーム本体35は、他端側に支持片37が取り付けられている。支持片337は、基板Wの下縁を当接して支持する。各支持アーム33は、
図3中に実線で示した待機位置と、
図3中に二点鎖線で示した支持位置とにわたって他端側が移動する。
【0038】
待機位置及び支持位置では、支持片37が、一対のガイドアーム31に対して基板Wが案内された状態における基板Wの外周縁に位置する。支持位置は、一対のガイドアーム31に対して基板Wが案内された状態における基板Wの下縁を当接して支持する位置である。待機位置は、支持位置から前後方向Xに離れた位置である。待機位置は、支持位置から鉛直方向Zの上方に離れた位置である。具体的には、各支持アーム33は、ヘッド部27に内蔵されたアクチュエータ39によって回転軸P1周りに支持片37が揺動される。アクチュエータ39としては、例えば、エアシリンダやモータなどを採用できる。各支持アーム33は、アクチュエータ39によって揺動され、各支持片37が待機位置と支持位置とにわたって揺動移動される。各支持アーム33の支持片37までの距離は、基板Wの半径より若干長い。したがって、支持片37は、基板Wの外周縁に沿って待機位置と支持位置とにわたって揺動される。
【0039】
ヘッド部27は、昇降移動機構23によって鉛直方向Zに昇降移動される。昇降移動機構23は、移載台11の標準高さH1Sを基準として鉛直方向Zに基板保持機構21を昇降移動する。昇降移動機構23は、フレーム41と、リニアガイド43と、支柱45と、アクチュエータ47とを備えている。フレーム41は、鉛直方向Zに立設されている。フレーム41は、鉛直方向Zに位置が固定されている。フレーム41は、リニアガイド43を介して支柱45と連結されている。支柱45は、頂部がヘッド部27に取り付けられている。アクチュエータ47は、支柱45をフレーム41に沿って鉛直方向Zに昇降移動する。したがって、基板保持機構21を鉛直方向Zに昇降移動する。基板保持機構21は、アクチュエータ47により、少なくとも3箇所の高さ位置に昇降移動される。一つ目の位置は、
図3に実線でヘッド部27を示した標準高さH2Sである。二つ目の位置は、標準高さH2Sより低く、
図3に二点鎖線でヘッド部27を示した第1の高さH21である。三つ目の高さ位置は、第1の高さH21よりさらに低い第2の高さH22である。これらの標準高さH2Sと、第1の高さH21と、第2の高さH22とは、ヘッド部27の上面の位置である。
【0040】
なお、標準高さH2Sが本発明における「上方位置」に相当し、第1の高さH21が本発明における「案内位置」に相当する。昇降移動機構23が本発明における「昇降機構」に相当する。
【0041】
水平移動機構25は、フレーム49と、リニアガイド51と、移動フレーム53と、アクチュエータ55とを備えている。フレーム49は、幅方向Yに沿って延出され、移載台11の下方に固定されている。フレーム49は、上部にリニアガイド51が取り付けられている。リニアガイド51の上部には、移動フレーム53が取り付けられている。移動フレーム53は、アクチュエータ55により幅方向Yに移動される。移動フレーム53は、図示しないフレームにより昇降移動機構23と連結されている。したがって、アクチュエータ55の駆動により、基板保持機構21のガイドアーム33は、
図1に示すように、移載台11の上方において、2個のキャリアCの上方にあたる第1の移載位置TP1と、処理用キャリアC1の上方にあたる第2の移載位置TP2との間を移動される。
【0042】
<3.基板昇降機構13の詳細構成>
基板昇降機構13は、移載台11の下方に配備されている。詳細には、載置台11における各キャリアC及び処理用キャリアC1の下方にそれぞれ基板昇降機構13が配備されている。処理用キャリアC1は、キャリアCの二倍の基板Wを収容可能であるので、幅方向Yにおける長さが長い。この長さが異なるだけであるので、ここでは、幅方向Yから見た側面図だけで説明し、単に基板昇降機構13として説明する。
【0043】
基板昇降機構13は、フレーム57と、立設フレーム59と、リニアガイド61と、アクチュエータ63と、プッシャーヘッド65とを備えている。フレーム57は、移載台11の下方に固定されている。立設フレーム59は、フレーム57にて鉛直方向Zに立設されて取り付けられている。リニアガイド61は、立設フレーム59における鉛直方向Zに取り付けられている。プッシャーヘッド65は、リニアガイド61を介して立設フレーム59に取り付けられている。
【0044】
プッシャーヘッド65は、基台部67と、支持片69とを備えている。基台部67は、幅方向Yに長軸を有する。基台部67は、下部がリニアガイド61に連結されている。支持片69は、基台部67の上面に立設されている。支持片69は、幅方向Yに長軸を有する。支持片69は、基板Wの下縁を当接支持する。支持片69は、複数個の支持溝71が形成されている。複数個の支持溝71は、幅方向Yに所定の間隔で形成されている。各支持溝71は、その底面において、基板Wの下方にあたる外周縁に当接して、基板Wを起立姿勢となるように支持する。
【0045】
プッシャーヘッド65は、アクチュエータ63により鉛直方向Zにおける位置が移動される。具体的には、
図3において実線で示した標準高さH3Sと、
図3において二点鎖線で示した第1の高さH31とにわたって鉛直方向Zに移動される。
【0046】
なお、標準高さH3Sが本発明における「待機位置」に相当し、第1の高さH31が本発明における「受渡位置」に相当する。
【0047】
<4.移載台11の構成>
移載台11は、キャリアC及び処理用キャリアC1が載置される箇所が昇降可能に構成されている。移載台11は、側板73と、昇降台75とを備えている。側板73は、鉛直方向Zに立設され、固定されている。昇降台75は、中央部に開口が形成されている。プッシャーヘッド65の支持片69は、昇降台75の開口を通してキャリアC及び処理用キャリアC1に収容されている基板Wを支持する。昇降台75は、図示しないアクチュエータにより、鉛直方向Zに昇降移動される。その昇降位置は、標準高さH1Sと、第1の高さH11と、第2の高さH12と、第3の高さH13である。標準高さH1Sは、移載台11が移動フレーム53の上端とほぼ同じ高さとなる高さである。第1の高さH11は、標準高さH1Sより下方の高さである。第2の高さH12は、第1の高さH11より低い高さである。第3の高さH13は、第1の高さH11より上方の高さである。移動台11は、昇降することにより、キャリアC及び処理用キャリアC1の高さ位置を変える。
【0048】
上述した移載台11と、第2搬送機構WTRと、基板昇降機構13とが基板移載装置TRを構成する。
【0049】
<5.基板Wの移載動作>
ここで、
図4~
図20を参照して、基板移載装置TRによる基板Wの移載動作について説明する。なお、
図4~
図20は、基板の移載動作の説明に供する図である。
【0050】
図4を参照する。移載台11は、標準高さH1Sに位置している。第2搬送機構WTRは、第2の移載位置TP2に位置しているので、
図4には描かれていない。基板昇降機構13は、プッシャーヘッド65が標準高さH3Sに位置するようにアクチュエータ63が操作されている。
【0051】
図5を参照する。第1搬送機構CTCは、投入部3から基板Wが収容されたキャリアCを移載台11における第1の移載位置PT1に搬送する。詳細には、第1搬送機構CTCは、基板Wが起立姿勢となるようにキャリアCの姿勢を変換して移載台11に載置する。
【0052】
図6を参照する。移載台11は、標準高さH1Sから第1の高さH11に下降する。第2搬送機構WTRは、ヘッド部27が標準高さH2Sとなるようにアクチュエータ47が操作されている。標準高さH2Sとされた第2搬送機構WTRは、第2の移載位置TP2から第1の移載位置TP1に移動する。このとき、支持アーム33は、支持片37が待機位置となるようにアクチュエータ39が操作されている。第2搬送機構WTRは、標準高さH2Sで第1の移載位置TP1に移動することにより、移載台11上のキャリアCとの干渉を防止する。
【0053】
移載台11が第1の高さH11に下降するので、第2の搬送機構WTRを低い標準高さH2Sで第1の移載位置TPに移動させることができる。したがって、基板移載装置TRの高さを抑制でき、これに伴い基板処理装置1の高さも抑制できる。
【0054】
図7を参照する。アクチュエータ47を操作して、第2搬送機構WTRのヘッド部27を第1の高さH21に下降させる。このとき、ガイドアーム33の下面とキャリアCの上縁との間には、空間があいている。換言すると、ガイドアーム33とキャリアCとは当接していない。ガイドアーム33とキャリアCの上縁とに間隔を空けているので、受け渡し時にキャリアCの上縁に当接するようにガイドアーム33を正確に移動させる必要がなく、移動時における制御を容易にできる。また、図示省略しているが、平面視において、ガイドアーム33の各ガイド溝31aと、キャリアCの溝とがほぼ重なる位置関係となっている。
【0055】
図8を参照する。アクチュエータ63を操作して、プッシャーヘッド65を標準高さH3Sから第1の高さH31に上昇させる。この動作により、キャリアC内の全ての基板Wは、プッシャーヘッド65の支持片69により、第1の高さH21に位置しているヘッド部27に向かって突き上げられる。すると、各基板Wは、下縁が支持片69によって当接支持された状態で、上方へ移動される。各基板Wは、面方向への倒れがガイドアーム31のガイド溝31aで防止されながら、下縁が当接支持された起立姿勢のまま上昇される。換言すると、各基板Wは、キャリアCに収容された姿勢と同じ姿勢のままで鉛直方向Zの高さ位置だけが変更される。
【0056】
図9を参照する。移載台11を高さ位置H12へ下降させる。この動作により、プッシャーヘッド65により突き上げられ、ガイドアーム31に案内されている各基板Wは、全体がキャリアCから露出する。
【0057】
図10を参照する。アクチュエータ39を操作して、支持アーム33を待機位置から支持位置に揺動させる。これにより、各基板Wは、プッシャーヘッド65の支持片69と、支持アーム33の支持片37とにより、三箇所で下縁が当接支持される。
【0058】
図11を参照する。アクチュエータ63を操作して、プッシャーヘッド65を標準高さH3Sへ下降させる。これにより、各基板Wは、二本の支持アーム33の二つの支持片37で下縁の二箇所を当接支持された状態となる。換言すると、プッシャーヘッド65から支持アーム33への各基板Wの持ち替えを行う。
【0059】
移載台11には2個のキャリアCが載置されているので、2個目のキャリアCについて上記同様の動作により、各基板Wをガイドアーム31及び支持アーム33で支持する。なお、2個のキャリアC同士が幅方向Yに離間しているので、第2搬送機構WTRは、幅方向Yへの距離を調節して2個目のキャリアCの各基板Wと、既に第2搬送機構WTRが保持している各基板Wとの間隔を同じにする。この動作については、発明の理解を容易にするために詳細な説明を省略する。
【0060】
図12を参照する。移載台11のうち、第2搬送機構WTRにおける第2の移載位置TP2には、処理用キャリアC1が配置されている。移載台11は、標準高さH1Sに位置している。プッシャーヘッド65は、標準高さH3Sに位置している。
【0061】
図13を参照する。移載台11は、第2の高さH12に下降される。
【0062】
図14を参照する。水平移動機構25のアクチュエータ55を操作して、第2搬送機構WTRを第2の移載位置TP2に移動する。このとき、第2搬送機構WTRは、ヘッド部27が第1の高さH21である。第2搬送機構WTRは、各基板Wをガイドアーム31及び各支持アーム33で支持している。
【0063】
図15を参照する。基板昇降機構13のアクチュエータ63を操作して、プッシャーヘッド65を第1の高さH31に上昇させる。これにより、ガイドアーム31及び各支持アーム33で支持されている各基板Wの下縁が、プッシャーヘッド65の支持片69によって当接支持される。
【0064】
図16を参照する。アクチュエータ39を操作して、第2搬送機構WTRの支持アーム33を待機位置に揺動させる。これにより、各基板Wは、下縁をプッシャーヘッド65の支持片69だけで支持される。各基板Wは、面方向への倒れをガイドアーム31のガイド溝31aで防止されている。
【0065】
図17を参照する。移載台11を第2の高さH12から第3の高さH13に上昇させる。
【0066】
図18を参照する。第2移動機構WTRのアクチュエータ47を操作して、ヘッド部27を第1の高さH21から第2の高さH22まで下降させる。このとき、各基板Wは、ガイドアーム31のガイド溝31aによって面方向への倒れが防止された状態で、ヘッド部27から上方へ上縁が突出する。
【0067】
図19を参照する。基板昇降機構13のアクチュエータ63を操作して、プッシャーヘッド65を標準高さH3Sへ下降させる。これにより、各基板Wは、ガイドアーム31のガイド溝31aで面方向への倒れが防止された状態で、処理用カセットC1へ収容される。
【0068】
図20を参照する。昇降移動機構23のアクチュエータ47を操作して、第2搬送機構WTRのヘッド部27が標準高さH2Sへ上昇される。これにより、各基板Wの両端縁がガイドアーム31のガイド溝31aから離れるとともに、側面視にて各基板Wの上縁がガイドアーム31より下方に位置する。
【0069】
上述した基板移載装置TRの一連の動作により、2個のキャリアCから1個の処理用キャリアC1へ複数枚の基板Wが移載される。この後、第3搬送機構15が複数枚の基板Wを処理用キャリアC1ごと各処理部PB1~PB5へ搬送して、所定の処理を行わせる。処理を終えた各基板Wは、処理用キャリアC1ごと第3の搬送機構15により移載台11へ搬送される。その後は、上述した移載台11の移載動作とは逆の動作により、1個の処理用キャリアC1から2個のキャリアCへ各基板Wを移載する。最終的には、各基板Wは、キャリアCごと払出部7へ搬送される。
【0070】
本実施例によると、基板Wは、プッシャーヘッド65で突き上げられる際には、キャリアCとガイドアーム31のガイド溝31aにより面方向への倒れが防止されたまま、プッシャーヘッド65で基板Wの下縁が支持されて第1の高さH31(受渡位置)に上昇される。基板Wの下縁が持ち替えられた後も、ガイドアーム31のガイド溝31aにより面方向への倒れが防止されたまま、支持アーム33で下縁を支持されている。したがって、受け渡しの際には、面方向への倒れが防止されたまま基板Wの下縁が支持されているので、基板Wの形状にかかわらず受け渡し時における起立姿勢の倒れ量を略一定にできる。その結果、種々の形状の基板Wを搬送できる。
【0071】
また、プッシャーヘッド65が支持した基板Wの両側を各支持アーム33で支持する。したがって、プッシャーヘッド65から各支持アーム33への基板の受け渡し時において基板Wを安定して受け渡すことができる。さらに、各支持アーム33の支持片37の位置を揺動させるだけですむので、構成を簡単化でき、容易に各支持片37で基板を支持させることができる。
【0072】
<変形例>
図21を参照する。なお、
図21は、基板昇降機構及び第2搬送機構の変形例を示す側面図である。
【0073】
この変形例の構成は、基板Wの中心位置CLを挟んで、基板昇降機構13Aが前後方向Xにおける前方を支持し、保持アーム33aが前後方向Xにおける後方を支持する。つまり、基板昇降機構13Aと保持アーム33aとが一箇所ずつ基板Wの下縁を支持する。なお、これらの支持位置は、逆であってもよい。
【0074】
基板昇降機構13Aは、基台部67に支持片69aを備えている。支持片69aは、基台部67に対して中心位置CLから前後方向Xにおける後方に取り付けられている。支持片69aは、支持溝71aを複数個形成されている。
【0075】
第2の搬送機WTRは、ヘッド部27に一つの支持アーム33aだけを備えている。支持アーム33aは、一つの支持片37aを下端側に備えている。支持アーム33aは、上端側をヘッド部27に取り付けられている。支持アーム33aは、ヘッド部27が備えるアクチュエータ39aにより、基板Wの下縁を支持する支持位置と、支持位置から離れた待機位置とにわたって水平移動される。具体的には、待機位置を
図21に実線で示し、支持位置を
図21に二点鎖線で示す。
【0076】
このような変形例によると、基板Wの水平方向における中心位置CLの一方側と他方側との一箇所ずつを、プッシャーヘッド65aと支持アーム33aとで支持する。したがって、受け渡しの際に基板Wに当接する箇所を最小限にできる。その結果、基板Wへのパーティクルの転写等の恐れを最小限にできる。また、支持アーム33aを一つにできるので、ヘッド部27の軽量化を図ることができる。
【0077】
なお、上記の支持アーム33aをアクチュエータ39aで水平移動するのに代えて、実施例で説明したように揺動する構成としてもよい。
【0078】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0079】
(1)上述した実施例では、2個のキャリアCから1個の処理用キャリアC1への移載を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、このような移載に限定されない。例えば、1個のキャリアCから1個の処理用キャリアC1への移載にも適用できる。また、通常のキャリアCから処理用キャリアC1への移載の他、同種のキャリアであるが別体の異なるキャリアへの移載にも適用できる。
【0080】
(2)上述した実施例では、基板処理装置1が基板移載装置TRの他に、投入部3と、払出部7と、第1搬送機構CTCと、第3搬送機構15と、処理部PBとを備える場合を例にとって説明した。しかしながら、本発明はこのような構成を全て備えている必要はない。
【0081】
(3)上述した実施例では、円形状を呈する基板Wを処理する基板処理装置1を例にとって説明したが、本発明は処理対象の基板Wの形状が矩形状であっても適用できる。
【0082】
(4)上述した実施例では、移載台11が昇降するように構成されている。しかしながら、本発明は、移載台11が昇降することを必須とするものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明は、基板を移動させる処理を行うための基板移載装置に適している。
【符号の説明】
【0084】
1 … 基板処理装置
W … 基板
C … キャリア
CTC … 第1搬送機構
11 … 移載台
WTR … 第2搬送機構
C1 … 処理用キャリア
13 … 基板昇降機構
15 … 第3搬送機構
PB(PB1~PB5) … 処理部
21 … 基板保持機構
23 … 昇降移動機構
25 … 水平移動機構
27 … ヘッド部
31 … ガイドアーム
31a … ガイド溝
33 … 支持アーム
35 … アーム本体
37 … 支持片
P1 … 回転軸
39,47,55,63 … アクチュエータ
65 … プッシャーヘッド
69 … 支持片
TR … 基板移載装置