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特開2023-73765コンピュータプログラム、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073765
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20230519BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186431
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】517168211
【氏名又は名称】株式会社Splink
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】青山 裕紀
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】医師の利便性を向上させることができるコンピュータプログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】コンピュータプログラムは、コンピュータに、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
医用画像を含む医用データを取得し、
取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、
前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する、
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
コンピュータに、
前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連する複数のガイドラインを選択するための選択情報を表示し、
前記選択情報で選択されたガイドラインを表示する、
処理を実行させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
コンピュータに、
前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインの閲覧順序を案内する案内情報を表示する、
処理を実行させる請求項1又は請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、
表示したガイドラインに対する第2操作を受け付けた場合、前記ガイドラインを特定する特定情報と前記異常部とを関連付けて記録する、
処理を実行させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
コメントを記入する記入欄を表示し、
前記記入欄に記入されたコメント、前記異常部及び前記異常部に関連するガイドラインを特定する特定情報を関連付けて記録する、
処理を実行させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
表示したガイドラインを別のガイドラインに訂正する操作を受け付け、
前記異常部に関連するガイドラインを訂正されたガイドラインに変更する、
処理を実行させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
表示したガイドラインの閲覧回数を記録し、
前記異常部に関連するガイドラインを表示する際に、前記閲覧回数を表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
表示したガイドラインに対する評価を収集し、
収集した評価に基づいて前記異常部に関連する複数のガイドライン毎の評価値を算出し、
前記異常部に関連するガイドラインを前記評価値に基づいて選択し、
選択したガイドラインを表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
前記異常部に関連するキーワードを抽出し、
前記異常部に関連するガイドラインに含まれる前記キーワードを特定の表示態様で表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記第1操作を受け付けた複数の異常部に関連するガイドラインを表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記第1操作を受け付けた順序に基づいて前記複数の異常部に関連するガイドラインを重み付けし、
重み付けに応じて前記ガイドラインを表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
前記異常部と特定されていない部分に対する第1操作を受け付けた場合、前記部分に関連するガイドラインを表示する、
処理を実行させる請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
医用画像を含む医用データを取得する取得部と、
取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示する第1表示部と、
前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する第2表示部と
を備える、
情報処理装置。
【請求項14】
医用画像を含む医用データを取得し、
取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、
前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、X線CT(Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置などを含む各種検査装置(モダリティ)で得られた画像データに対して所要の画像解析処理を行って、脳や脳以外の部位の様々な異常部を画像表示し、あるいは定量・数値化して医師による診断を支援する技術が進展している。
【0003】
一方で、様々な疾患の診断目的で各種の疾患診療ガイドラインや画像診断ガイドラインが発行され、医師による診断に役立てられている。特許文献1には、診療ガイドラインを分析して取り出された複数の文章に推奨タグと非推奨タグを割り当て、推奨タグが割り当てられた文章を用いて、コンピュータにて解釈可能なモデルに変換する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-12681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医師が異常部を診断する際には、当該異常部がガイドライン上、どういう扱いになっているのかを知る必要がある。しかし、従来は、ガイドラインの頁をめくり適切な個所を探す作業や、コンピュータ上でガイドラインを検索する作業が必要となり、医師に余計な労力を強いてきた。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、医師の利便性を向上させることができるコンピュータプログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、コンピュータプログラムは、コンピュータに、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所要のガイドラインを提供して医師の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成の第1例を示す図である。
図2】情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図3】脳に関連する異常部の一例を示す図である。
図4】脳以外の部位に関連する異常部の一例を示す図である。
図5】医用画像の解析結果の一例を示す図である。
図6】ガイドラインの表示の第1例を示す図である。
図7】ガイドラインの選定方法の第1例を示す図である。
図8】ガイドラインの表示態様の一例を示す図である。
図9】ガイドラインの表示の第2例を示す図である。
図10】ガイドラインの表示の第3例を示す図である。
図11】ガイドラインの表示の第4例を示す図である。
図12】履歴情報の一例を示す図である。
図13】ガイドラインの選定方法の第2例を示す図である。
図14】ガイドラインの表示の第5例を示す図である。
図15】本実施形態の情報処理システムの構成の第2例を示す図である。
図16】ガイドラインDBの構成の一例を示す図である。
図17】情報処理装置の処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の情報処理システムの構成の第1例を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置100を備える。情報処理装置100には、通信ネットワーク1を介して、クライアント装置60、ウェブサーバ200が接続されている。クライアント装置60は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成することができ、ウェブブラウザ61、画像ビューワ等がインストールされている。ウェブサーバ200は、ガイドラインページ210を保有している。クライアント装置60には、画像サーバ50が接続されている。画像サーバ50は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置10、PET(Positron Emission Tomography)装置20、CT(Computed Tomography)装置30、検査装置40から画像データや検査データを含む医用データを受信し、データベースに保存する。クライアント装置60は、画像サーバ50から医用データを取得し、取得した医用データを情報処理装置100へ送信する。情報処理装置100は、医用データを解析することにより異常部を特定し、特定した異常部に関連するガイドライン等の所要の情報をクライアント装置60に送信することができる。クライアント装置60は、異常部に関連するガイドラインを表示することができる。
【0011】
図2は情報処理装置100の構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、コンピュータで構成することができ、情報処理装置100全体を制御する制御部101、通信部102、メモリ103、解析部104、表示制御部105、記憶部106、及びガイドライン提供部109を備える。記憶部106は、コンピュータプログラム107、及び履歴情報108を記憶する。
【0012】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等で構成することができる。制御部101は、コンピュータプログラム107で定められた処理を実行することができる。すなわち、制御部101による処理は、コンピュータプログラム107による処理でもある。
【0013】
通信部102は、例えば、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介してクライアント装置60、及びウェブサーバ200との間の通信機能を有する。通信部102は、クライアント装置60から医用画像を含む医用データを取得(受信)することができる。
【0014】
メモリ103は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成することができる。コンピュータプログラム107をメモリ103に展開して、制御部101がコンピュータプログラム107を実行することができる。
【0015】
解析部104は、取得した医用データに対して所要の解析処理を行って異常部を特定することができる。なお、解析部104は、それぞれの疾患に対応する複数の個別の解析部を組み合わせて構成してもよい。異常部の詳細は後述する。
【0016】
ガイドライン提供部109は、解析部104で特定した異常部に関連するガイドラインのウェブページを表示するためのURL(Uniform Resource Locator)を特定する。ガイドライン提供部109は、異常部に関連するガイドラインだけでなく、ガイドラインを提供する際の補助的な情報を提供してもよい。
【0017】
表示制御部105は、解析部104で特定した異常部を可視化した表示用画像を生成する。表示制御部105は、クライアント装置60の表示画面に所要の情報を表示するための表示制御を行うことができる。
【0018】
記憶部106は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、コンピュータプログラム107、履歴情報108の他に所要の情報を記憶してもよい。履歴情報の詳細は後述する。
【0019】
次に、異常部について説明する。異常部は、MRI画像、PET画像、SPECT画像X線画像、超音波画像などを含む医用画像を解析して、例えば、Zスコア、SUVR(Standardized Uptake Value Ratio)、センチロイド、特定部位における出血の個数、サイズ、異常部の位置、数又は形状などの指標が一定の条件を満たす部位とすることができる。MRI画像は、例えば、T1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像、FLAIR(Fluid-Attenuated Inversion Recovery)画像、拡散強調画像、MRA(Magnetic Resonance Angiography)画像、T2(T2スター)強調画像、SWI(Susceptibility-Weighted Imaging)画像、QSM(Quantitative Susceptibility Mapping)画像、及びR2画像などを含む。PET画像は、静脈注射等により、放射性薬剤を被験者の体内に投与し、体内において当該薬剤から放出される放射線を撮像することにより、画像が生成される。薬剤を用いた画像によれば、体内の各部位の形態のみならず、体内に投与された薬剤がどのように分布するか、または当該薬剤と反応する体内の物質の集積の様子などを医師に把握させることができるので、疾病の診断精度の向上に寄与しうる。例えば、通称ピッツバーグ化合物BをPET用放射性薬剤(トレーサー)として用いてPET画像を撮像し、撮像されたPET画像を基に脳内のアミロイドβ蛋白の蓄積度合いを測定することにより、アルツハイマー型認知症の鑑別診断又は早期診断に役立たせることができる。また、SPECT画像についても、薬剤の種類によって、脳血管障害や認知症に対する脳血流検査など様々な部位の検査が可能である。
【0020】
図3は脳に関連する異常部の一例を示す図である。図3に示す各図は、表示制御部105によって生成された表示用画像である。
【0021】
図3Aは、患者(被験者)の脳断面画像のうちの一枚のスライス画像を表示している。ROI(関心領域)としての海馬に異常部としての脳萎縮部位が可視化されている。また、異常部の定量・数値化データとして、Zスコアがカラー表示されている。図3Aでは、Zスコアの数値を図示していないが、Zスコアの数値を表示してもよい。
【0022】
MRI画像を例とすると、脳形態標準化処理をした正常症例のMRI画像から、それぞれのボクセルごとに平均値と標準偏差を計算して平均画像と標準偏差画像を作成したデータ(正常標準脳)の値と、被験者の画像データ(処理画像)の値とをZスコアを算出する以下の式に代入することによって作成する。
z=(M(x,y,z)-I(x,y,z))/SD(x,y,z)
M、SDは正常標準脳の平均画像と標準偏差画像を表し、Iは処理画像を表す。Zスコアマップを用いることによって、処理画像が正常標準脳と比較して、どの部位でどのような変化が起きているかを定量的に分析することができる。例えば、Zスコアマップが正の値になるボクセルは正常標準脳と比較して萎縮がある領域を示し、さらに値が大きいほど統計的に乖離が大きいと解釈することができる。例えばZスコア「2」であれば平均値から標準偏差の2倍を超えたものということになり約5%の危険率で統計学的有意差があると評価される。領域内の萎縮の評価を定量的に行うためには、関心領域において、それぞれM、SDとIとを算出し、全ての正のZスコアの平均等を求めればよい。
【0023】
図3Bは、患者の脳の左外側面の3D画像を表示している。異常部として、前頭葉(左)に脳萎縮部位が可視化されている。なお、図示していないが、右外側面を同時に表示してもよい。また、異常部の定量・数値化データとして、Zスコアがカラー表示されている。図3Bでは、Zスコアの数値を図示していないが、Zスコアの数値を表示してもよい。
【0024】
図3Cは、患者のPET画像を表示している。異常部として、大脳皮質の中でアミロイドβが蓄積された部位が可視化されている。異常部の定量・数値化データとして、SUVR値がカラー表示されている。PET画像は、例えば、脳内のアミロイドβ、タウ蛋白又はαシヌクレインの分布を可視化した分布情報(例えば、ボクセル毎のSUVR値)を含む。SUVRは、関心領域としての大脳灰白質の4つの部位(前頭前野、前後帯状皮質、頭頂葉、及び外側側頭葉)のSUV(Standardized Uptake Value:アミロイドβ蛋白の集積度)の合算を、特定の参照領域のSUVで除算することにより求めることができる。アミロイドβ、タウ蛋白又はαシヌクレインの集積度(SUV)は、例えば、所要部位を構成する各ボクセルの輝度を示す値が所定の閾値以上であるボクセルの数をカウントすることにより求めることができる。所要部位の総ボクセル数に対するカウント値の比率により集積(例えば、OO%等)が算出できる。ボクセル毎のSUVRは、あるボクセルのSUVを参照領域におけるSUVの平均値で除算した値である。部位毎のSUVRは、ある部位のSUVを参照領域におけるSUVの平均値で除算した値である。
【0025】
図3Dは、患者の脳断面画像のうちの一枚のスライス画像を表示している。異常部としての脳腫瘍が可視化されている。図3は一例であって、異常部は図3の例に限定されるものではない。また、図3は異常部を模式的に図示したものであり、実際の画像とは異なる場合がある。
【0026】
図4は脳以外の部位に関連する異常部の一例を示す図である。図4に示す各図は、表示制御部105によって生成された表示用画像である。図4Aは、患者の腹部QSM(Quantitative Susceptibility Mapping)画像を表示したものであり、異常部として肝硬変、肝細胞がんが可視化されている。図4Bは、患者の造影CT画像を表示したものであり、異常部として直腸がんが可視化されている。図4Cは、患者のFDG(フルオロデオキシグルコース)-PET/CT画像を表示したものであり、異常部として胃がんが可視化されている。図4は一例であって、異常部は図4の例に限定されるものではない。また、図4は異常部を模式的に図示したものであり、実際の画像とは異なる場合がある。
【0027】
次に、クライアント装置60での表示例について説明する。
【0028】
図5は医用画像の解析結果の一例を示す図である。図5Aは、画像入力画面300を示す。画像入力画面300において、医師は、選択画面301で患者の医用画像を選択すると、選択された医用画像302が表示される。医師は、「アップロード」アイコン303を操作すると、医用画像302が情報処理装置100へ送信される。
【0029】
情報処理装置100は、当該医用画像302を受信する。解析部104は、受信した医用画像に対して所要の解析処理を行って異常部を特定する。表示制御部105は、解析部104で特定した異常部を可視化した表示用画像を生成し、生成した表示用画像をクライアント装置60へ送信する。
【0030】
図5Bは、解析結果画面400を示す。解析結果画面400において、医用画像領域402には、異常部406が可視化された医用画像が表示される。患者情報領域401には、患者に関する属性情報として、患者ID(氏名を含めてもよい)、生年月日、性別、医用画像のアップロードした年月日、医用画像の撮影日などの情報が表示される。図示していないが、投薬日、投薬回数、治療薬などの情報を表示してもよい。データ領域403には、「数値表示」アイコン404、「部位名称」アイコン405が表示される。「数値表示」アイコン404を操作することにより、異常部406に関連する定量・数値データを表示することができる。「部位名称」アイコン405を操作することにより、異常部406に関する部位の名称などを表示することができる。
【0031】
次に、ガイドラインの表示例について説明する。ガイドラインは、例えば、日本神経学会診療ガイドラインに含まれる認知症疾患診療ガイドラインなどの各種ガイドライン、日本放射線腫瘍学会公認ガイドラインに含まれる各種ガイドライン、日本医学放射線学会のガイドラインに含まれる画像診断ガイドラインなどの各種ガイドラインなど、公開されているガイドラインを含む。なお、本明細書では、ガイドラインに記載されている文献等もガイドラインに含むものとする。
【0032】
図6はガイドラインの表示の第1例を示す図である。図6Aに示すように、解析結果画面400の異常部406に対して第1操作(例えば、カーソル407を異常部406に移動させる操作、異常部406をタップする操作など)を行うことにより、図6Bに示すようなガイドライン表示画面410を表示することができる。ガイドライン表示画面410は、解析結果画面400から切り替えて表示してもよく、あるいは解析結果画面400の一部に重畳して表示してもよい。ガイドライン表示画面410には、異常部406に関連するガイドライン411が表示される。ガイドライン411は、例えば、要旨、推奨、解説・エビデンス、文献等の項目に分けて情報が記載されているが、項目の構成は、図6の例に限定されない。なお、図示していないが、異常部406として特定されていない他の部分に対して、同様の第1操作を行うことにより、当該部分に関連するガイドラインを表示してもよい。
【0033】
上述のように、制御部101は、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、表示した異常部に対する第1操作を受け付けた場合、当該異常部に関連するガイドラインを表示することができる。
【0034】
これにより、医師は、異常部が可視化された画像を見て、異常部に対して所定の第1操作をするだけで、当該異常部に関連するガイドラインが表示されるので、ガイドラインの頁をめくり適切な個所を探す作業や、コンピュータ上でガイドラインを検索する作業が不要となり、医師の利便性を向上させることができる。特に、経験の少ない医師にとっては、知識力の向上を図ることができる。また、ある程度経験のある医師に対しては、生産性の向上を図ることができる。
【0035】
評価表示領域412には、表示されたガイドライン411についての評価値が表示される。すなわち、制御部101は、ガイドラインを表示する際に、当該ガイドラインについての評価を表示してもよい。これにより、医師は、表示されたガイドラインの妥当性を評価することができる。
【0036】
閲覧回数表示領域413には、表示されたガイドライン411の過去の閲覧回数が表示される。すなわち、制御部101は、表示したガイドラインの閲覧回数を表示の都度、履歴情報108に記録しておき、異常部に関連するガイドラインを表示する際に、当該ガイドラインの閲覧回数を表示してもよい。これにより、医師は、表示されたガイドライン411が、過去にどの程度閲覧されているかを把握することができ、表示されたガイドライン411が有用であることを容易に把握できる。
【0037】
なお、図示していないが、ガイドライン内の用語の詳細や、引用された文献などを選択操作することにより、用語や文献の詳細を表示するようにしてもよい。
【0038】
図7はガイドラインの選定方法の第1例を示す図である。制御部101は、解析部104が特定した異常部に関連するキーワードを抽出する。例えば、異常部が前頭葉の脳萎縮であり、Zスコアの値から萎縮が見られる場合には、キーワードとして、「脳」、「前頭葉」、「脳萎縮」、「Zスコア」などのキーワードを抽出できる。図7に示すように、キーワードとして、W1、W2、W3を抽出したとする。また、特定した異常部に関連するガイドラインとして、ガイドラインA~Fが予め関連付けられていたとする。制御部101は、ガイドラインA~Fごとに、ガイドライン内の文章を探索して、キーワードW1、W2、W3それぞれの出現数を計数し、出現数の合計を算出する。制御部101は、ガイドラインA~Fの中でキーワードの出現数の合計が最も大きいガイドライン(図7の例では、ガイドラインC)を、異常部に関連するガイドラインとして選定することができる。なお、制御部101は、出現数の合計が所定の閾値以上であるガイドライン、あるいは出現数の合計の上位から所定数のガイドラインを選定してもよい。
【0039】
図8はガイドラインの表示態様の一例を示す図である。図8の例では、ガイドラインの文章内のキーワード(図8の例では、「T1強調画像、「大脳皮質」、「VBM解析」、「Zスコア」、「アミロイドβ」、「タウ」」が、ハイライト表示(図8の例では、枠で囲まれている)されている。このように、制御部101は、異常部に関連するキーワードを抽出し、当該異常部に関連するガイドラインに含まれるキーワードを特定の表示態様で表示してもよい。これにより、医師は、表示されたガイドラインの文章中で、異常部と特に関連する箇所を容易に見つけることができる。
【0040】
図9はガイドラインの表示の第2例を示す図である。図9Aに示すように、解析結果画面400の異常部406に対して第1操作(例えば、カーソル407を異常部406に移動させる操作、異常部406をタップする操作など)を行うことにより、図9Bに示すようなガイドライン表示画面420を表示することができる。ガイドライン表示画面420には、選択情報421が表示される。選択情報421は、異常部に関連する複数のガイドラインを選択可能に表示する。図9Bの例では、ガイドラインA、B、…が選択可能に表示されている。選択情報421において、ガイドラインBを選択すると、ガイドライン422が表示される。なお、図示していないが、異常部406として特定されていない他の部分に対して、同様の第1操作を行うことにより、当該部分に関連する複数のガイドラインを選択可能に表示してもよい。
【0041】
上述のように、制御部101は、異常部に対する第1操作を受け付けた場合、当該異常部に関連する複数のガイドラインを選択するための選択情報を表示し、選択情報で選択されたガイドラインを表示してもよい。特定された異常部に関連するガイドラインが複数存在する場合、当該複数のガイドラインを全て同時に表示してもよいが、煩雑となる。そこで、医師に対して、異常部に関連する複数のガイドラインの中から所要のガイドラインを選択させて表示することにより、医師が必要とするガイドラインだけを表示させることができる。
【0042】
図10はガイドラインの表示の第3例を示す図である。図10Aに示すように、解析結果画面400の異常部406に対して第1操作(例えば、カーソル407を異常部406に移動させる操作、異常部406をタップする操作など)を行うことにより、図10Bに示すようなガイドライン表示画面430を表示することができる。ガイドライン表示画面430には、案内情報431が表示される。案内情報431は、異常部に関連するガイドラインの閲覧順序(参照順序)を推奨する情報である。図10Bの例では、1~3の3つの順番でガイドラインを参照する旨が表示されている。医師は、第1番目の案内「最初にガイドラインA1を参照してください」に従って、「A1参照」アイコンを操作すると、ガイドライン432が表示される。医師は、ガイドラインA1を参照した後、次に、どのガイドラインを見ればよいかが直ちに分からない場合でも、第2番目の案内「次に、ガイドラインA2を参照してください」に従って、「A2参照」アイコンを操作すれば、次に参照すべきガイドラインA2を簡単に表示させることができる。同様に、第3番目の案内「最後に、ガイドラインA3を参照してください」に従って、「A3参照」アイコンを操作すれば、最後に参照すべきガイドラインA3を簡単に表示させることができる。ガイドラインの参照順位は、ガイドラインの過去の参照履歴を収集して、異常部毎に最も参照順位の頻度が高いものを選定して案内情報として提供してもよく、予め経験豊富な専門医により決定された参照順位を用いてもよい。なお、図示していないが、異常部406として特定されていない他の部分に対して、同様の第1操作を行うことにより、当該部分に関連するガイドラインの閲覧順序(参照順序)を推奨する情報を表示してもよい。
【0043】
上述のように、制御部101は、異常部に対する第1操作を受け付けた場合、当該異常部に関連するガイドラインの閲覧順序を案内する案内情報を表示してもよい。これにより、医師は、特定された異常部に関連するガイドラインを漏れなく参照することができるとともに、適切な順序でガイドラインを見ることができる。
【0044】
図11はガイドラインの表示の第4例を示す図である。ガイドライン表示画面440には、特定された異常部に関連するガイドラインが表示されている。医師によっては、表示されているガイドライン以外に、自分でガイドラインを検索した場合もある。このような場合、「ガイドライン検索」アイコン441を操作することにより、例えば、ウェブサーバ200上のガイドラインページ210のガイドライン一覧を表示し、ガイドラインを検索することができる。
【0045】
「ガイドライン訂正」アイコン442は、表示されたガイドラインを、「ガイドライン検索」アイコン441で検索したガイドラインに訂正する操作を受け付ける。すなわち、制御部101は、表示したガイドラインを別のガイドラインに訂正する操作を受け付け、特定された異常部に関連するガイドラインを訂正されたガイドラインに変更してもよい。これにより、表示されたガイドラインが適切なものではない場合でも適切なガイドラインに訂正することが可能となる。
【0046】
「記録」アイコン444は、表示されたガイドライン、又は訂正されたガイドラインを異常部に関連付けて履歴情報108に記録することができる。すなわち、制御部101は、表示したガイドライン又は訂正されたガイドラインに対する第2操作(例えば、「記録」アイコン444の操作など)を受け付けた場合、当該ガイドラインを特定する特定情報(例えば、ガイドラインを参照するURLなど)と異常部とを関連付けて記録してもよい。これにより、異常部とガイドラインとを関連付けた情報を収集することができる。
【0047】
医師は、「コメント入力」アイコン443を操作することにより、コメント入力欄を表示させ、コメント入力欄にコメントを入力することができる。入力されたコメントは履歴情報108に記録される。
【0048】
医師は、「評価」アイコン445を操作することにより、表示されたガイドラインに対して、「非常に役に立った」、「ある程度役に立った」、「参考になった」、「余り役に立たなかった」、「全く役に立たなかった」等の評価を示す評価値を入力することができる。評価値は、例えば、5段階でもよく、0~100%の数値でもよい。制御部101は、表示したガイドラインに対応付けて、入力された評価値を履歴情報108に記録することができる。これにより、経験の少ない医師だけでなく、経験が豊富な専門医から見て、表示されたガイドラインの妥当性を評価することができ、適切なガイドラインを表示することが可能となる。
【0049】
図12は履歴情報108の一例を示す図である。履歴情報108は、患者毎に記録することができる。履歴情報108は、撮影日(検査日を含めてもよい)、撮影された医用画像、バイタル、検査データ、表示したガイドライン、表示したガイドラインに対する評価、入力されたコメント、訂正後のガイドラインが対応付けられている。例えば、撮影日がOO年OO月OO日には、医用画像G1(又はG1を特定するためのURLなど)、バイタルデータV1、検査データT1、表示したガイドラインA1、評価70%、コメントC1、訂正後のガイドラインB1が対応付けられてる。他の撮影日も同様である。
【0050】
このように、制御部101は、コメントを記入する記入欄を表示し、記入欄に記入されたコメント、異常部及び異常部に関連するガイドラインを特定する特定情報を関連付けて記録してもよい。これにより、医師は、過去の診断時の状況をいつでも把握することができ、患者の疾患の経緯や治療の効果などを確認することができる。
【0051】
図13はガイドラインの選定方法の第2例を示す図である。制御部101は、図12に示したように、表示したガイドラインに対する評価を収集することができる。制御部101は、収集した評価に基づいて異常部に関連する複数のガイドライン毎の評価値を算出し、異常部に関連するガイドラインを評価値に基づいて選択し、選択したガイドラインを表示してもよい。
【0052】
図13に示すように、特定された異常部に関連するガイドラインとして、ガイドラインA1、B1、C1が存在するとする。ガイドラインA1について収集された評価値の統計値(例えば、平均値、中央値、最頻値など)が70%であるとし、ガイドラインB1について収集された評価値の統計値が85%であるとし、ガイドラインC1について収集された評価値の統計値が80%であるとする。この場合、評価値の統計値が最も大きいガイドラインB1を選定することができる。これにより、評価の高いガイドラインを優先的に選定して表示することができ、より有用なガイドラインを提供できる。
【0053】
図14はガイドラインの表示の第5例を示す図である。図14Aに示すように、解析結果画面400には、複数の異常部406a、406b、406cが表示されている。なお、異常部の数は3個に限定されない。異常部406a、406b、406cに対して第1操作(例えば、カーソル407を異常部406a、406b、406cに移動させる操作、異常部406a、406b、406cをタップする操作など)を行うことにより、図14Bに示すようなガイドライン表示画面450を表示することができる。
【0054】
ガイドライン表示画面450には、3つのガイドラインA11、A12、B11が表示されている。図14Bでは、ガイドラインA12の先頭に空白が挿入され、ガイドラインA11の位置よりも右側にずれている。また、ガイドラインB11の先頭にさらに空白が挿入され、ガイドラインA12の位置よりも右側にずれている。ガイドラインA11、A12、B11の表示位置を、このように配置することにより、医師は、ガイドラインA11、A12、B11の順番に閲覧しやすくなる。これにより、ガイドラインを重み付けして表示することができる。なお、配置を変える構成に代えて、ガイドラインの表示領域のサイズ、ガイドラインの文字サイズなどを変えてもよい。
【0055】
図14Aでは、異常部406a、406b、406cの順に操作する例を図示しているが、操作の順番は図14Aの例に限定されるものではない。例えば、医師が重要と思う順番や、関心度の高い順番で操作してもよい。なお、図示していないが、異常部406a、406b、406cとして特定されていない他の複数の部分に対して、同様の第1操作を行うことにより、当該部分に関連するガイドラインを重み付けして表示してもよい。
【0056】
上述のように、制御部101は、異常部が複数存在し、複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、第1操作を受け付けた複数の異常部に関連するガイドラインを表示してもよい。また、制御部101は、異常部が複数存在し、複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、第1操作を受け付けた順序に基づいて複数の異常部に関連するガイドラインを重み付けし、重み付けに応じてガイドラインを表示してもよい。これにより、医師は、ガイドラインの重要度合いを直感的に把握することができる。
【0057】
図15は本実施形態の情報処理システムの構成の第2例を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置としてのクライアント装置60を備える。図1に例示した第1例との違いは、情報処理装置100の機能がクライアント装置60に組み込まれている点、及びクライアント装置60が、インターネットなどの通信ネットワーク1に接続されていない点、クライアント装置60には、ガイドラインDB70が接続されている点などである。
【0058】
図1に例示した第1例では、クライアント装置60が通信ネットワーク1に接続され、ウェブサーバ200にアクセスすることができるので、クライアント装置60は、ガイドラインのウェブページからガイドラインを表示させることができる。第2例では、クライアント装置60が通信ネットワーク1に接続されていないので、クライアント装置60は、ガイドラインDB70にアクセスしてガイドラインを表示する。クライアント装置60は、情報処理装置100と同様に、制御部101、解析部104、表示制御部105、記憶部106、コンピュータプログラム107、履歴情報108、及びガイドライン提供部109を備える。
【0059】
図16はガイドラインDB70の構成の一例を示す図である。ガイドラインDB70は、例えば、部位、異常部、ガイドライン、及び文献情報などの各欄で構成することができる。ガイドラインは、閲覧又は参照する際の優先度を示す推奨順位に分類してもよい。図16の例では、第1推奨、第2推奨、第3推奨の3つに分類している。例えば、部位が脳部(脳)であり、異常部がX1である場合、ガイドラインA1、A2、A3が推奨順位に応じて適宜表示される。医師の操作によって、ガイドラインで引用されている文献情報d11を表示することができる。他の部位や異常部についても同様である。
【0060】
クライアント装置60は、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、表示した異常部に対する第1操作を受け付けた場合、当該異常部に関連するガイドラインを表示することができる。
【0061】
これにより、医師は、異常部が可視化された画像を見て、異常部に対して所定の第1操作をするだけで、当該異常部に関連するガイドラインが表示されるので、ガイドラインの頁をめくり適切な個所を探す作業や、コンピュータ上でガイドラインを検索する作業が不要となり、医師の利便性を向上させることができる。
【0062】
図17は情報処理装置の処理手順の一例を示す図である。情報処理装置は、第1例の情報処理装置100、及び第2例のクライアント装置60を含む。以下では、便宜上、処理の主体を制御部101として説明する。制御部101は、医用画像を含む医用データを取得し(S11)、解析処理によって異常部を特定する(S12)。異常部は、例えば、図3及び図4で例示したものを含む。制御部101は、特定した異常部を表示する(S13)。異常部の表示は、例えば、図5で例示したものを含む。
【0063】
制御部101は、所定の操作があるか否かを判定し(S14)、所定の操作がない場合(S14でNO)、ステップS14の処理を続ける。所定の操作がある場合(S14でYES)、制御部101は、所定の操作に応じてガイドラインを表示する(S15)。ガイドラインの表示は、例えば、図6図9図10図14で例示したものを含む。
【0064】
制御部101は、表示したガイドラインに対する所定の操作があるか否かを判定し(S16)、所定の操作がある場合(S16でYES)、操作に応じた処理を実行し(S17)、後述のステップS18の処理を行う。操作に応じた処理は、例えば、図11で例示したものを含む。
【0065】
所定の操作がない場合(S16でNO)、制御部101は、処理を終了するか否かを判定し(S18)、処理を終了しない場合(S18でNO)、ステップS16以降の処理を続け、処理を終了する場合(S18でYES)、処理を終了する。
【0066】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0067】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連する複数のガイドラインを選択するための選択情報を表示し、前記選択情報で選択されたガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0068】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインの閲覧順序を案内する案内情報を表示する、処理を実行させる。
【0069】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、表示したガイドラインに対する第2操作を受け付けた場合、前記ガイドラインを特定する特定情報と前記異常部とを関連付けて記録する、処理を実行させる。
【0070】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、コメントを記入する記入欄を表示し、前記記入欄に記入されたコメント、前記異常部及び前記異常部に関連するガイドラインを特定する特定情報を関連付けて記録する、処理を実行させる。
【0071】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、表示したガイドラインを別のガイドラインに訂正する操作を受け付け、前記異常部に関連するガイドラインを訂正されたガイドラインに変更する、処理を実行させる。
【0072】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、表示したガイドラインの閲覧回数を記録し、前記異常部に関連するガイドラインを表示する際に、前記閲覧回数を表示する、処理を実行させる。
【0073】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、表示したガイドラインに対する評価を収集し、収集した評価に基づいて前記異常部に関連する複数のガイドライン毎の評価値を算出し、前記異常部に関連するガイドラインを前記評価値に基づいて選択し、選択したガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0074】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記異常部に関連するキーワードを抽出し、前記異常部に関連するガイドラインに含まれる前記キーワードを特定の表示態様で表示する、処理を実行させる。
【0075】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記第1操作を受け付けた複数の異常部に関連するガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0076】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記第1操作を受け付けた順序に基づいて前記複数の異常部に関連するガイドラインを重み付けし、重み付けに応じて前記ガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0077】
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記異常部と特定されていない部分に対する第1操作を受け付けた場合、前記部分に関連するガイドラインを表示する、処理を実行させる。
【0078】
本実施形態の情報処理装置は、医用画像を含む医用データを取得する取得部と、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示する第1表示部と、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する第2表示部とを備える。
【0079】
本実施形態の情報処理方法は、医用画像を含む医用データを取得し、取得した医用データに対する解析処理によって特定した異常部を表示し、前記異常部に対する第1操作を受け付けた場合、前記異常部に関連するガイドラインを表示する。
【符号の説明】
【0080】
1 通信ネットワーク
10 MRI装置
20 PET装置
30 CT装置
40 検査装置
50 画像サーバ
60 クライアント装置
61 ウェブブラウザ
70 ガイドラインDB
100 情報処理装置
101 制御部
102 通信部
103 メモリ
104 解析部
105 表示制御部
106 記憶部
107 コンピュータプログラム
108 履歴情報
109 ガイドライン提供部
200 ウェブサーバ
210 ガイドラインページ
図1
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図5
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