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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073779
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】エンジンの制御装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20230519BHJP
   F02D 41/30 20060101ALI20230519BHJP
   F02D 41/22 20060101ALI20230519BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20230519BHJP
   F02D 41/14 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
F02D45/00 345
F02D41/30
F02D41/22
F02D43/00 310A
F02D41/14
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186450
(22)【出願日】2021-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 康二
(72)【発明者】
【氏名】長島 義文
(72)【発明者】
【氏名】黒木 俊介
【テーマコード(参考)】
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G301HA04
3G301HA11
3G301HA22
3G301HA24
3G301JB09
3G301MA11
3G301NC02
3G301PA01Z
3G301PA17Z
3G384AA06
3G384AA14
3G384AA16
3G384BA13
3G384DA42
3G384DA47
3G384EA19
3G384EA24
3G384FA01Z
3G384FA14Z
3G384FA26Z
3G384FA37Z
3G384FA56Z
(57)【要約】
【課題】燃料供給システムの故障診断を正常に作動させることが可能なエンジンの制御装置および車両を提供する。
【解決手段】エンジンの制御装置は、燃料として液化天然ガスをエンジンに供給可能な燃料供給システムを備えるエンジンの制御装置において、実際の燃料供給量と目標燃料供給量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて燃料供給システムをフィードバック制御する制御部と、液化天然ガスのメタン価を取得する取得部と、取得されたメタン価に基づいてフィードバック補正値を修正する修正部と、修正されたフィードバック補正値に基づいて、燃料供給システムの故障診断を行う故障診断部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料として液化天然ガスをエンジンに供給可能な燃料供給システムを備えるエンジンの制御装置において、
実際の燃料供給量と目標燃料供給量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて前記燃料供給システムをフィードバック制御する制御部と、
前記液化天然ガスのメタン価を取得する取得部と、
取得された前記メタン価に基づいて前記フィードバック補正値を修正する修正部と、
修正された前記フィードバック補正値に基づいて、前記燃料供給システムの故障診断を行う故障診断部と、
を備える、エンジンの制御装置。
【請求項2】
エンジン回転数およびエンジン負荷により区分された複数のブロックのそれぞれに前記フィードバック補正値が対応付けられた制御マップをさらに備え、
前記故障診断部は、前記修正されたフィードバック補正値と基準値との差分を前記ブロック毎に算出し、前記差分が閾値を超えるブロック数が所定数以上である場合、前記燃料供給システムの故障であると診断する、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエンジンの制御装置を備えた車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エンジンの制御装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液化天然ガス(Liquefied natural Gas:LNG)を燃料として使用するLNG車が知られている。LNG車には、LNGを貯留するためのタンクが搭載されている。タンクに貯留されたLNGは、燃料供給システムによってエンジンに供給され、エンジンで燃焼されて消費される。
【0003】
特許文献1には、目標燃料供給量と実際の燃料供給量との偏差に基づいて、フィ-ドバック補正値を算出し、算出したフィ-ドバック補正値に基づいて燃料供給システムをフィ-ドバック制御する制御部を備えたエンジンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-068360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、LNG燃料(以下、燃料)は、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の成分を有している。車載されたLNGタンク内の燃料が低温で維持されない場合、燃料の各成分の沸点が互いに異なるため、沸点の低いメタンから気化し大気に放出される。これにより、エンジンに供給される燃料が重質化する。
【0006】
特許文献1に記載のエンジンにおいて、フィードバック補正値と基準値との差分に基づいて燃料供給システムの故障診断が行われる場合、燃料の重質化によって実際の燃料供給量が変動し、これにより、フィードバック補正値と基準値との差分が変動するため、燃料供給システムの故障診断を正常に作動させることができないおそれがあるという問題がある。
【0007】
本開示の目的は、燃料供給システムの故障診断を正常に作動させることが可能なエンジンの制御装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本開示におけるエンジンの制御装置は、
燃料として液化天然ガスをエンジンに供給可能な燃料供給システムを備えるエンジンの制御装置において、
実際の燃料供給量と目標燃料供給量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて前記燃料供給システムをフィードバック制御する制御部と、
前記液化天然ガスのメタン価を取得する取得部と、
取得された前記メタン価に基づいて前記フィードバック補正値を修正する修正部と、
修正された前記フィードバック補正値に基づいて、前記燃料供給システムの故障診断を行う故障診断部と、
を備える。
【0009】
本開示における車両は、上記エンジンの制御装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、燃料供給システムの故障診断を正常に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態における内燃機関システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】エンジンの制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】制御マップの一例を示す図である。
図4】エンジンの制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における内燃機関システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、内燃機関システム100は、LNGエンジン10(以下、エンジン)を備える。エンジン10のシリンダブロック11には、気筒11c毎にピストン12が設けられている。ピストン12は、クランク軸13にコンロッド14を介して連結される。ピストン12は、クランク軸13の回転に応じて上下動する。シリンダブロック11上のシリンダヘッド15には、気筒11c毎に点火プラグ16が設けられている。
【0014】
また、内燃機関システム100は、吸気を過給するターボチャージャ60(過給器)と、排気側から排ガスの一部を取り出し、吸気側へ戻すEGR(Exhaust Gas Recirculation)と呼ばれる排気再循環装置70とを備える。なお、吸気側へ戻される排ガスを、EGRガスという。
【0015】
ターボチャージャ60は、排気で駆動されるタービン61と、タービン61の駆動力で駆動され吸気を圧縮するコンプレッサ62とを備える。コンプレッサ62とインテークマニホールド25との間の吸気管23には、吸気を冷却するインタークーラ63が設けられる。バイパス通路23aには、バイパス通路23aの吸気量を調整する吸気調整スロットルバルブ23bが設けられている。
【0016】
排気再循環装置70は、エンジン10の排気側と吸気側とを接続する排気再循環通路71と、排気再循環通路71に設けられ、EGRガスを冷却する排気再循環クーラ72と、排気再循環通路71に設けられ、排気再循環量を調整するための排気再循環バルブ73とを備える。
【0017】
エンジン10への吸気は、エアクリーナ22から吸気管23又はバイパス通路23aを通過する。吸気管23を通過した吸気は、コンプレッサ62で圧縮され、インタークーラ63で冷却される。吸気管23又はバイパス通路23aを通過した吸気は、排気再循環通路71からのEGRガスと共に、インテークマニホールド25に流入し、気筒11c毎に設けられたフューエルインジェクタ36からの液化天然ガス(LNG)をLNG気化器33で気化した燃料と混合されて気筒11c内に導入され、点火プラグ16により発火燃焼される。
【0018】
エンジン10の吸気側には、吸気スロットルバルブ24の開度を検出するスロットル開度センサ41と、吸気の圧力を検出する吸気圧力センサ42、43と、吸気の温度を検出する吸気温度センサ44,45とが設けられている。これらセンサ41、42、43、44、45の検出値は、制御装置50(エンジンコントロールユニット)に入力される。また、エアクリーナ22から吸入される吸入空気量を検出するエアフローセンサ47が設けられている。エアフローセンサ47の検出値は、制御装置50に入力される。
【0019】
気筒11cからの排気は、排気弁18を介してエキゾーストマニホールド27に排気された後、一部が排気再循環通路71に流入し、残りの一部がタービン61を介して、排気管28に供給される。排気は、排気管28から三元触媒29に供給され、三元触媒29で、CO、非メタン炭化水素(non-methane hydrocarbon:NMHC)、NOxが除去され、消音器29aを通して大気に排気される。
【0020】
排気管28には、エキゾーストマニホールド27から排気された排ガスの酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ46(ランダムセンサ)が配置される。空燃比センサ46の検出値が制御装置50に入力される。
【0021】
LNGは、燃料供給システム20によってエンジン10に供給され、エンジン10の燃料として用いられる。燃料供給システム20は、LNGタンク31、LNG圧力調整器32、LNG気化器33、LNGレギュレータ34、LNG供給経路35、及びフューエルインジェクタ36等を有する。
【0022】
LNGタンク31は、車両に搭載され、LNGを液体状態に維持するように低温下で貯蔵する。LNG供給経路35には、LNG圧力調整器32、LNG気化器33、及びLNGレギュレータ34が配置されている。LNGタンク31から導かれたLNGとLNG圧力調整器32で調圧された気体状態の燃料を混合し、LNG気化器33で気化される。気化された燃料は、LNGレギュレータ34にて一定の圧力に減圧され、フューエルインジェクタ36にてエンジン10のインテークマニホールド25に供給される。供給された燃料は、インテークマニホールド25に流入した吸気と混合されて各気筒11c内に導入され、点火プラグ16により発火燃焼される。以下の説明において、「燃料」という場合は、気化された後のLNGを言い、気化される前のLNGを言わない。
【0023】
LNG供給経路35には、LNGタンク31から気筒11cへと供給される燃料のメタン価を検出するメタン価センサ48が配置されている。メタン価センサ48の検出値は、制御装置50に入力される。
【0024】
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備えている。制御装置50のCPUは、ROMに記憶された所定のプログラムをRAMに展開して、各種機能を実行する。
【0025】
図2は、エンジン10の制御装置50の構成を示す構成ブロック図である。制御装置50は、各種機能として取得部51、修正部52、制御部53、及び故障診断部54を有する。
【0026】
取得部51は、空燃比センサ46の検出値を取得する。また、取得部51は、エアフローセンサ47の検出値(吸入空気量)を取得する。また、取得部51は、メタン価センサ48から燃料のメタン価を取得する。
【0027】
制御部53は、空燃比センサ46の検出値、及びエアフローセンサ47の検出値(吸入空気量)に基づいて、フューエルインジェクタ36から噴射された実際の燃料噴射量を算出する。制御部53は、実際の燃料噴射量と目標燃料噴射量との偏差に基づいてフィードバック補正値をブロック毎に算出する。なお、ブロックの詳細については後述する。「燃料噴射量」に1ストローク当たりの燃料噴射時間(ms)が用いられる。1ストローク当たりの燃料噴射時間は、エンジン10の吸気量とインジェクター係数から計算された燃料量に基づいて求められる。エンジン10の吸気量は、例えば、吸気圧力センサ43により検出される吸気圧力、吸気温度センサ45により検出される吸気温度、大気圧センサー(図示せず)により検出される気圧、および、クランクアングルセンサー(図示せず)から検出されるエンジン回転数に基づいて求められる。
【0028】
図3は、制御マップ55の一例を示す図である。図3に示す制御マップ55は、制御装置50のEEPROMに記憶され、エンジン回転数およびエンジン負荷により区分けされた複数のブロックのそれぞれにフィードバック補正値が対応付けられたマップである。制御マップ55はエンジン回転数によりm個のブロックに区分けされ、かつ、エンジン負荷によりn個のブロックに区分けされる。つまり、制御マップ55は、エンジン回転数およびエンジン負荷により(m×n)個のブロックに区分けされる。なお、m、nのそれぞれは2以上の整数であって、互いに同じでもよく、異なっていてもよい。エンジン負荷は、インテークマニホールド圧力に基づいて求められる。インテークマニホールド圧力は、吸気圧力センサ42、43により検出される。なお、エンジン負荷はこれに限らず、例えば、クランク軸の回転変動の度合いを検出するトルクセンサの検出値に基づいて求められてもよい。
【0029】
制御部53は、フィードバック補正値に基づいて燃料供給システム20を制御する。具体的には、制御部53は、フューエルインジェクタ36を制御する。
【0030】
ところで、燃料の重質化による実際の燃料供給量の変動分とフィードバック補正値とが相関関係にあるため、燃料の重質化によって実際の燃料供給量が変動し、これにより、フィードバック補正値が変動する。また、実際の燃料供給量の変動分と燃料のメタン価とが相関関係にあるため、燃料のメタン価とフィードバック補正値との関係を表す関係式を求めることが可能となる。また、燃料のメタン価とフィードバック補正値との関係を、実験やシミュレーションにより求めることが可能となり、実験等により求められた関係をテーブルとして制御装置50のEEPROMに記憶しておくことが可能となる。
【0031】
修正部52は、関係式またはテーブルを参照して、燃料のメタン価に基づいてフィードバック補正値をブロック毎に修正する。これにより、フィードバック補正値が燃料の重質化の影響を受けない数値となる。なお、燃料のメタン価は、前述するようにメタン価センサ48により検出される。
【0032】
故障診断部54は、修正部52により修正されたフィードバック補正値と基準値との差分をブロック毎に算出する。なお、基準値は、実験やシミュレーションの結果に基づいてある程度の許容幅を見込んで設定される。故障診断部54は、差分が閾値を超えるブロック数が所定数以上である場合、燃料供給システム20の故障であると診断する。ここで、燃料供給システム20の故障とは、燃料供給システム20を構成する部品(例えば、LNGタンク31、LNG圧力調整器32、LNG気化器33、LNGレギュレータ34、LNG供給経路35、及びフューエルインジェクタ36等)、燃料供給システム20を制御する制御装置50、制御装置50に検出値を出力するセンサの中のいずれか一つ以上の故障を言う。
【0033】
次に、本開示の実施の形態におけるエンジン10の制御装置50の処理の一例について図4を参照して説明する。図4は、エンジン10の制御装置50の処理の一例を示すフローチャートである。本フローは、エンジン10の始動操作に応じて開始され、開始後において所定時間毎に繰り返される。なお、以下の説明では、制御装置50の各種機能をCPUが実行するものとして説明する。また、フィードバック補正値の算出及び修正のそれぞれは、ブロック毎に行われるが、ここではその説明を省略する。
【0034】
図4に示すように、ステップS100において、CPUは、実際の燃料噴射量を取得する。
【0035】
次に、ステップS110において、CPUは、実際の燃料噴射量と目標燃料噴射量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出する。
【0036】
次に、ステップS120において、CPUは、メタン価センサ48からメタン価を取得する。
【0037】
次に、ステップS130において、CPUは、メタン価でフィードバック補正値を修正する。
【0038】
次に、ステップS140において、CPUは、修正されたフィードバック補正値と基準値との差分を算出する。
【0039】
次に、ステップS150において、CPUは、差分が閾値を超えているか否かについて判定する。差分が閾値を超える場合(ステップS150:YES)、処理はステップS160に遷移する。差分が閾値以下である場合(ステップS150:NO)、図4に示すフローは終了する。
【0040】
ステップS160において、CPUは、燃料供給システム20の故障通知の制御を実行する。
【0041】
上記実施の形態におけるエンジン10の制御装置50では、燃料として液化天然ガスをエンジン10に供給可能な燃料供給システム20を備えるエンジン10の制御装置50において、実際の燃料供給量と目標燃料供給量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて燃料供給システム20をフィードバック制御する制御部53と、液化天然ガスのメタン価を取得する取得部51と、取得されたメタン価に基づいてフィードバック補正値を修正する修正部52と、修正されたフィードバック補正値と基準値との差分を算出し、算出した差分が閾値を超える場合、燃料供給システム20の故障であると診断する故障診断部54と、を備える。
【0042】
上記構成によれば、メタン価でフィードバック補正値を修正することで、燃料の重質化によってフィードバック補正値と基準値との差分が変動しないため、差分に基づいて行われる燃料供給システム20の故障診断を正常に作動させることが可能となる。
【0043】
上記実施の形態におけるエンジン10の制御装置50は、エンジン回転数およびエンジン負荷により区分された複数のブロックのそれぞれにフィードバック補正値が対応付けられた制御マップ55をさらに備え、故障診断部54は、修正されたフィードバック補正値と基準値との差分をブロック毎に算出し、差分が閾値を超えるブロック数が所定数以上である場合、燃料供給システム20の故障であると診断する。これにより、ブロック毎にフィードバック補正値が算出され、また、修正されため、故障診断の精度を上げることが可能となる。
【0044】
なお、上記実施の形態における制御部53は、実際の燃料供給量と目標燃料供給量との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて燃料供給システム20をフィードバック制御したが、本開示はこれに限らない。例えば、制御部53は、実際の空燃比と目標空燃比との偏差に基づいてフィードバック補正値を算出し、算出したフィードバック補正値に基づいて燃料供給システム20をフィードバック制御してもよい。
【0045】
また、上記実施の形態においては、CPUは、修正されたフィードバック補正値と基準値との差分が閾値を超える場合(ステップS150:YES)、燃料供給システム20の故障通知の制御を実行する。例えば、CPUは、差分が閾値を超える場合、差分が閾値を超えた旨の故障情報を車載の表示装置に表示する制御を実行する。また、CPUは、故障情報を車載の情報通信端末からインターネット経由で管理端末に通信する制御を実行してもよい。これにより、故障情報を管理端末からドライバーのパーソナルコンピュータや携帯端末に通知することが可能となる。
【0046】
また、上記実施の形態においては、内燃機関システム100の構成を、燃料を吸入空気と共に気筒11cに供給し、点火プラグ16により点火燃焼させるエンジン10に適用したが、燃料を気筒11c内に直接噴射する直噴エンジンに適用してもよい。
【0047】
また、上記実施の形態におけるエンジン10の制御装置50を、液化天然ガス(LNG)と圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas:CNG)との双方を切り替えて燃料として使用可能なデュアルフューエルエンジンに適用してもよい。
【0048】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示は、燃料供給システムの故障診断を正常に作動させることが要求されるエンジンの制御装置を搭載した車両に好適に利用される。
【符号の説明】
【0050】
10 エンジン
20 燃料供給システム
31 LNGタンク
32 LNG圧力調整器
33 LNG気化器
34 LNGレギュレータ
35 LNG供給経路
36 フューエルインジェクタ
40 温度圧力センサ
41 スロットル開度センサ
42、43 吸気圧力センサ
44、45 吸気温度センサ
46 空燃比センサ
47 エアフローセンサ
48 メタン価センサ
50 制御装置(エンジンコントロールユニット)
51 取得部
52 修正部
53 制御部
54 故障診断部
55 制御マップ
100 内燃機関システム
図1
図2
図3
図4