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特開2023-7382情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007382
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20230111BHJP
   C02F 1/52 20230101ALI20230111BHJP
【FI】
C02F1/00 D
C02F1/00 V
C02F1/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050528
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021107776
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】小峰 崇嗣
(72)【発明者】
【氏名】日浦 秀和
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 正
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】福水 圭一郎
【テーマコード(参考)】
4D015
【Fターム(参考)】
4D015BA23
4D015CA14
4D015DC07
4D015DC08
4D015EA01
4D015FA03
4D015FA19
(57)【要約】
【課題】添加する薬品の最適化による効果を具体的に把握する。
【解決手段】凝集槽400に貯留された液体に薬品を添加するポンプ800が薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサ600と、所定の薬品の濃度と、流量計500が測定した凝集槽400へ流入する液体の流量とに基づいて薬品の第1の使用量を算出し、処理単価と第1の使用量とに基づいて第1の処理費用を算出し、流量計500が流量を測定した期間において、センサ600が測定した凝集状態に基づいて制御部200が制御したポンプ800が添加した薬品の第2の使用量を取得し、処理単価と第2の使用量とに基づいて第2の処理費用を算出し、第1の処理費用と第2の処理費用との差額に応じた金額を示す金額情報を出力する情報処理装置100とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽へ流入する液体の流量を測定する流量測定手段と、
前記水槽に貯留された液体に薬品を添加するポンプと、
前記ポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサと、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、前記流量測定手段が測定した流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する使用量算出部と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する第1の費用算出部と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記センサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する制御部と、
前記制御部が制御したポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する使用量取得部と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する第2の費用算出部と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する差額算出部と、
前記差額算出部が算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する出力部とを有する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記薬品は凝集剤であり、
前記センサは、前記ポンプが前記凝集剤を添加した液体に含まれる凝集物の状態を測定する情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の使用量に基づいて、第1の汚泥発生量を算出する第1の発生量算出部と、
前記第2の使用量に基づいて、第2の汚泥発生量を算出する第2の発生量算出部とを有し、
前記第1の費用算出部は、前記処理単価と、前記第1の使用量と、前記第1の汚泥発生量とに基づいて、前記第1の処理費用を算出し、
前記第2の費用算出部は、前記処理単価と、前記第2の使用量と、前記第2の汚泥発生量とに基づいて、前記第2の処理費用を算出する情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の使用量の凝集剤を製造する際に排出されるガスの第1の排出量を算出する第1の排出量算出部と、
前記第2の使用量の凝集剤を製造する際に排出されるガスの第2の排出量を算出する第2の排出量算出部とを有し、
前記第1の費用算出部は、前記処理単価と、前記第1の使用量と、前記第1の排出量とに基づいて、前記第1の処理費用を算出し、
前記第2の費用算出部は、前記処理単価と、前記第2の使用量と、前記第2の排出量とに基づいて、前記第2の処理費用を算出する情報処理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の使用量の凝集剤を用いた処理を行う際に消費される第1の電力量を算出する第1の電力量算出部と、
前記第2の使用量の凝集剤を用いた処理を行う際に消費される第2の電力量を算出する第2の電力量算出部とを有し、
前記第1の費用算出部は、前記処理単価と、前記第1の使用量と、前記第1の電力量とに基づいて、前記第1の処理費用を算出し、
前記第2の費用算出部は、前記処理単価と、前記第2の使用量と、前記第2の電力量とに基づいて、前記第2の処理費用を算出する情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記使用量算出部は、前記流量測定手段が流量の測定を開始してから所定の時間ごとに最大となった前記薬品の添加濃度と、前記流量測定手段が測定した流量とに基づいて、前記第1の使用量を算出する情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記差額算出部が算出した差額に、所定の係数を乗じる係数部を有し、
前記出力部は、前記差額算出部が算出した差額に前記係数部が前記係数を乗じた金額を示す金額情報を出力する情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記係数部は、前記係数を期間に応じて変化させる情報処理システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記出力部は、前記金額情報が示す金額に、あらかじめ設定された金額を加算した金額を示す金額情報を出力する情報処理システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記出力部が出力した金額情報を、該金額情報が示す金額に基づいて費用請求を行う費用請求装置へ送信する送信部を有する情報処理システム。
【請求項11】
あらかじめ設定された薬品の濃度と、流量測定手段が測定した水槽へ流入する液体の流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する使用量算出部と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する第1の費用算出部と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて該ポンプが制御されて添加した前記薬品の第2の使用量を取得する使用量取得部と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する第2の費用算出部と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する差額算出部と、
前記差額算出部が算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する出力部とを有する情報処理装置。
【請求項12】
所定の期間に水槽へ流入する液体の流量を、流量測定手段が測定する処理と、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、前記流量測定手段が測定した流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する処理と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する処理と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する処理と、
前記制御されたポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する処理と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する処理と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する処理と、
前記算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する処理とを行う情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、流量測定手段が測定した水槽へ流入する液体の流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する手順と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する手順と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する手順と、
前記制御されたポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する手順と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する手順と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する手順と、
前記算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種産業排水や工業用水等を凝集処理する設備において、被処理水に凝集剤等の薬品を添加する場合、凝集剤が添加された被処理水における凝集物の状態を測定し、測定結果に基づいて凝集剤の添加量を調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、凝集物の状態に応じて適した量の凝集剤を添加することができるため、過大な量の凝集剤の添加を避けることができ、経費の削減を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6673390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術においては、どの程度の経費が削減できたかが明確に示されるものではない。そのため、水処理を行うための凝集剤等の薬品を使用する側やシステムを提供する側にもたらす具体的な効果を把握することができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、添加する薬品の最適化による効果を具体的に把握することができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、
水槽へ流入する液体の流量を測定する流量測定手段と、
前記水槽に貯留された液体に薬品を添加するポンプと、
前記ポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサと、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、前記流量測定手段が測定した流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する使用量算出部と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する第1の費用算出部と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記センサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する制御部と、
前記制御部が制御したポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する使用量取得部と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する第2の費用算出部と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する差額算出部と、
前記差額算出部が算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する出力部とを有する。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、流量測定手段が測定した水槽へ流入する液体の流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する使用量算出部と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する第1の費用算出部と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて該ポンプが制御されて添加した前記薬品の第2の使用量を取得する使用量取得部と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する第2の費用算出部と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する差額算出部と、
前記差額算出部が算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する出力部とを有する。
【0008】
また、本発明の情報処理方法は、
所定の期間に水槽へ流入する液体の流量を、流量測定手段が測定する処理と、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、前記流量測定手段が測定した流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する処理と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する処理と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する処理と、
前記制御されたポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する処理と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する処理と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する処理と、
前記算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
あらかじめ設定された薬品の濃度と、流量測定手段が測定した水槽へ流入する液体の流量とに基づいて、前記薬品の第1の使用量を算出する手順と、
あらかじめ設定された処理単価と前記第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する手順と、
前記流量測定手段が前記流量を測定した期間において、前記水槽に貯留された液体に前記薬品を添加するポンプが前記薬品を添加した液体に含まれる対象物の状態を測定するセンサが測定した前記対象物の状態に基づいて、前記ポンプを制御する手順と、
前記制御されたポンプが添加した前記薬品の第2の使用量を取得する手順と、
前記処理単価と前記第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する手順と、
前記第1の処理費用と前記第2の処理費用との差額を算出する手順と、
前記算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、添加する薬品の最適化による効果を具体的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図3図1に示した情報処理システムで使用または算出されるパラメータの一例を示す一覧表である。
図4図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
図6図5に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図7図5に示した費用請求装置に表示されたシステム利用料の請求書の表示画面の一例を示す図である。
図8図5に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。
図10図9に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図11図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の情報処理システムの第4の実施の形態を示す図である。
図13図12に示した情報処理装置の内部構成の一例を示す図である。
図14図12に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図15】本発明の情報処理システムの第1の適用例を示す図である。
図16】本発明の情報処理システムの第2の適用例を示す図である。
図17】本発明の情報処理システムの第3の適用例を示す図である。
図18】本発明の情報処理システムのサービス利用料金を決定するために参照される対応付け情報の一例を示す図である。
図19】本発明の情報処理システムのサービス利用料金を決定するために参照される対応付け情報の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、「契約」という表現を用いるが、この「契約」は、本情報処理システムを供給する側と利用する側との間におけるシステム利用の契約という意味である。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図1に示すように、情報処理装置100と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700と、ポンプ800とを有する。
【0014】
制御部200は、センサ600が測定した凝集槽400に貯留されている水や、汚泥を含む液体等(以下、液体と称する。)の状態に基づいて、PLC(Programmable Logic Controller)等を用いてポンプ800からの凝集剤等の薬品の注入量を制御(算出)する。具体的には制御部200は、流量計500が流量を測定した期間において測定された流量(単位時間の流量)に対して、その期間にセンサ600が測定した凝集状態に基づいて、どの程度の量の凝集剤が必要であるかを算出し、算出した量の凝集剤を凝集剤タンク700から凝集槽400へ供給するようにポンプ800を制御する。この算出方法は特に限定せず、例えば、特開2021-047039号公報や特開2021-053544号公報に開示されている方法であっても良い。
【0015】
原水槽300は、処理対象の液体(以下、被処理水と称する)を貯留する水槽(貯留槽)である。被処理水は、懸濁物質や不溶化しようとする物質を含む液体であれば特に限定しない。原水槽300に貯留されている被処理水は、ポンプ(不図示)を用いて凝集槽400へ供給される。
【0016】
凝集槽400は、原水槽300から供給された液体と、凝集剤タンク700からポンプ800を用いて供給される凝集剤等の薬品とを反応させるための水槽(貯留槽)である。凝集槽400は、所定の容量を持つ。凝集槽400には、凝集槽400内の液質を測定するpH計やフッ素濃度計、濁度計等の分光式の計器が設けられていても良い。また、凝集槽400に、塩酸(HCl)または水酸化ナトリウム(NaOH)が注入されても良い。
【0017】
流量計500は、原水槽300から凝集槽400へ流入する液体の流量を測定する流量測定手段である。流量計500は、あらかじめ設定された期間の単位流量を測定する。そのため、流量計500は所定のタイミングでリセットされ、設定された単位期間が経過した時に流量計500が示す値が単位流量となる。また、流量計500は、瞬時の流量を測定し、測定した瞬時の流量と運転した時間とを乗算した値を流量として出力するものであっても良い。
【0018】
センサ600は、例えば、ポンプ800が凝集剤等の薬品を添加した、凝集槽400に貯留されている液体に含まれる対象物である凝集物の状態(以下、凝集状態と称する)を測定する凝集センサである。センサ600は、凝集槽400に貯留された処理水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔で撮像するカメラ等の画像センサであっても良い。センサ600として画像センサを用いる場合、センサ600は、カラーセンサや、モノクロセンサ、赤外線センサであっても良い。ここで、このあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔とは、例えば、動画のように被写体を撮像した各フレームを取得する(画像メモリに取り込む)極めて短い周期のことであっても良いし、動画における各フレームの取得周期に限らず、凝集槽400に貯留された液体の様子をリアルタイムに取得することができる時間間隔である。センサ600は、凝集槽400に貯留された液体の画像を安定して撮像できる位置に設置される。例えば、センサ600は、振動の発生の少ない場所や、安定している液面の画像を撮像できる場所に設置されることが好ましい。凝集槽400に貯留された液体の液面の光の乱反射により撮像が阻害される場合、センサ600と凝集槽400との間に偏光フィルターを設置することが望ましい。偏光フィルターは、例えば、センサ600のレンズに取り付けるタイプのものであっても良い。センサ600がカメラである場合、可視光カメラまたは近赤外カメラまたは赤外カメラである。また、センサ600がカメラである場合、センサ600が取得した画像が暗くなってしまう環境では、光源を用いて明るさを調整しても良い。光源は、白色LED(Light Emitting Diode)であっても良いし、赤外光源であっても良い。光源として赤外光源を用いる場合は、センサ600は赤外対応の撮像手段が好ましい。センサ600が近赤外カメラまたは赤外カメラである場合、可視光カメラでは捉えられないフロックを撮像することができる。
【0019】
なお、センサ600は、上述したような凝集剤等の薬品が添加された、凝集槽に貯留されている液体に含まれる凝集物の凝集状態や液質(これらを含めて対象物と称する)を測定するものであれば良い。例えば、凝集剤を添加することで凝集槽に貯留されている液体の色度を除去する処理を行う場合、センサ600はその液体の色度を測定するセンサであっても良い。また、凝集剤を添加することで凝集槽に貯留されている液体に含まれるTOC(Total Organic Carbon:全有機炭素)を除去する処理を行う場合、センサ600はその液体のTOCを測定するTOC計であっても良い。また、薬品として次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を添加することで凝集槽に貯留されている液体に含まれるアンモニアを除去する処理を行う場合、センサ600はその液体に含まれるアンモニアを測定するアンモニアセンサであっても良い。また、還元剤や酸素を用いて凝集槽に貯留されている液体に含まれる過酸化水素(H22)を除去する処理を行う場合、センサ600はその液体に含まれる過酸化水素の濃度を測定する過酸化水素センサであっても良い。また、薬品として水酸化カルシウムや塩化カルシウム等のカルシウムを添加することで凝集槽に貯留されている液体に含まれるフッ素を除去する処理を行う場合、センサ600はその液体に含まれるフッ素の濃度を測定するフッ素センサであっても良い。
【0020】
凝集剤タンク700は、水処理を行うための薬品、例えば凝集剤を収納する容器である。凝集剤タンク700に収納される凝集剤は、凝集槽400内に貯留されている被処理水に添加されることで被処理水に含まれる不純物を凝集させて被処理水が所望の液質に処理されるための物質である。凝集剤タンク700に収納される凝集剤は、例えば、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の無機凝集剤である。
【0021】
ポンプ800は、凝集槽400に貯留された被処理水に凝集剤タンク700に収納されている凝集剤を添加する添加装置である。ポンプ800は、制御部200から送信されてくる制御信号に基づいて、凝集剤を添加する。
【0022】
流量計510は、ポンプ800から凝集槽400へ供給される凝集剤の量(流量)を測定する流量測定手段である。流量計510は、あらかじめ設定された期間の凝集剤の単位流量を測定するものであっても良い。その場合、流量計510は所定のタイミングでリセットされ、設定された単位期間が経過した時に流量計510が示す値が単位流量となる。また、流量計510は、瞬時の流量を測定し、測定した瞬時の流量と運転した時間とを乗算した値を流量として出力するものであっても良い。
【0023】
液位計520は、凝集剤タンク700からポンプ800へ供給される凝集剤の液位を測定するレベル測定器である。具体的には、液位計520は、凝集剤タンク700の凝集剤の液面の表面の高さを測定する。
【0024】
以下に、図1に示した情報処理装置100が具備する構成要素について説明する。図2は、図1に示した情報処理装置100の内部構成の一例を示す図である。図1に示した情報処理装置100は図2に示すように、使用量算出部110と、使用量取得部120と、発生量算出部130,140と、費用算出部150,160と、差額算出部170と、出力部180と、係数部190とを有する。なお、図2には、図1に示した情報処理装置100が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。
【0025】
使用量算出部110は、あらかじめ設定された凝集剤の添加濃度と、流量計500が測定した流量とに基づいて、凝集剤の第1の使用量を算出する。具体的には、使用量算出部110は、あらかじめ設定された凝集剤の添加濃度と、流量計500が測定した流量とを乗算して、乗算した値を凝集剤の第1の使用量として算出する。ここで、あらかじめ設定された凝集剤の添加濃度は、契約時に設定された値であっても良い。また、あらかじめ設定された凝集剤の添加濃度は、流量計500が流量の測定を開始してから所定の時間(例えば、24時間)ごとに最大となった凝集剤の添加濃度があらかじめ設定された値であっても良い。この場合の添加濃度は、流量計510が測定した凝集剤の量と、そのときに流量計500が測定した流量とに基づいて算出される。具体的には、流量計510が測定した凝集剤の量を流量計500が測定した流量で除算した値が添加濃度となる。また、所定の時間は、外部から設定、変更可能な時間である。添加濃度の単位は例えば[mg/l]である。流量計500が測定した流量は、あらかじめ設定された期間の単位流量である。その単位は、例えば[m3/月]である。また、流量計500が測定した流量は、上述したような瞬時流量であっても良い。その場合、測定した瞬時流量と運転時間とを乗算した値を用いて、使用量算出部110は第1の使用量を算出する。
【0026】
発生量算出部130は、使用量算出部110が算出した第1の使用量に基づいて、第1の汚泥発生量を算出する第1の発生量算出部である。この汚泥は、凝集剤が添加されることで凝集槽400に貯留している被処理水中の凝集されたフロック等の凝集物である。具体的には、発生量算出部130は、使用量算出部110が算出した第1の使用量と、契約時にあらかじめ設定された凝集剤SS(浮遊物質)換算係数とを乗算して、乗算した値を、契約時にあらかじめ設定されたSS汚泥換算係数で除算した値を第1の汚泥発生量として算出する。
【0027】
費用算出部150は、あらかじめ設定された処理単価と使用量算出部110が算出した第1の使用量とに基づいて、第1の処理費用を算出する第1の費用算出部である。さらに、費用算出部150は、処理単価と、使用量算出部110が算出した第1の使用量と、発生量算出部130が算出した第1の汚泥発生量とに基づいて、第1の処理費用を算出する。具体的には、費用算出部150は、あらかじめ設定された凝集剤の単価と使用量算出部110が算出した第1の使用量と乗算し、あらかじめ設定された汚泥処理にかかる単価と発生量算出部130が算出した第1の汚泥発生量と乗算し、乗算の結果の2つの値を加算した値を第1の処理費用として算出する。凝集剤の単価は、契約時に設定された値であって、単位は例えば[円/kg]である。汚泥処理にかかる単価は、契約時に設定された値であって、単位は例えば[円/kg]である。
【0028】
使用量取得部120は、流量計500が流量を測定した期間において、ポンプ800が凝集剤タンク700から凝集槽400へ添加した凝集剤の第2の使用量を取得する。例えば、使用量取得部120は、流量計500が流量を測定した期間において、流量計510が測定した、ポンプ800が凝集剤タンク700から凝集槽400へ添加した凝集剤の第2の使用量を取得する。使用量取得部120が取得する第2の使用量は、例えば、流量計510が瞬時流量を測定するものである場合、流量計510が測定した瞬時流量と、運転時間である流量計500が流量を測定した期間とを乗算した値とする。または、使用量取得部120は、流量計500が流量を測定した期間において、液位計520が測定した値を取得し、取得した値に基づいて、ポンプ800が凝集剤タンク700から凝集槽400へ添加した凝集剤の第2の使用量を算出して取得する。また、制御部200が制御(算出)した、ポンプ800からの凝集剤等の薬品の注入量が、流量計500が流量を測定した期間にポンプ800からの凝集剤の注入量である場合、その注入量の値を第2の使用量として取得するものであっても良い。このように、使用量取得部120は、流量計500が流量を測定した期間において、使用された凝集剤の量を取得する。
【0029】
発生量算出部140は、使用量取得部120が取得した第2の使用量に基づいて、第2の汚泥発生量を算出する第2の発生量算出部である。この汚泥は、凝集剤が添加されることで凝集槽400に貯留している被処理水中の凝集されたフロック等の凝集物である。具体的には、発生量算出部140は、使用量取得部120が取得した第2の使用量と、契約時にあらかじめ設定された凝集剤SS(浮遊物質)換算係数とを乗算して、乗算した値を、契約時にあらかじめ設定されたSS汚泥換算係数で除算した値を第2の汚泥発生量として算出する。
【0030】
費用算出部160は、あらかじめ設定された処理単価と使用量取得部120が取得した第2の使用量とに基づいて、第2の処理費用を算出する第2の費用算出部である。さらに、費用算出部160は、処理単価と、使用量取得部120が取得した第2の使用量と、発生量算出部140が算出した第2の汚泥発生量とに基づいて、第2の処理費用を算出する。具体的には、費用算出部160は、あらかじめ設定された凝集剤の単価と使用量取得部120が取得した第2の使用量と乗算し、あらかじめ設定された汚泥処理にかかる単価と発生量算出部140が算出した第2の汚泥発生量と乗算し、乗算の結果の2つの値を加算した値を第2の処理費用として算出する。凝集剤の単価および汚泥処理にかかる単価は、費用算出部150が第1の処理費用を算出する際に用いるものと同じものである。
【0031】
差額算出部170は、費用算出部150が算出した第1の処理費用と費用算出部160が算出した第2の処理費用との差額を算出する。
【0032】
係数部190は、差額算出部170が算出した差額に、所定の係数を乗じる。この係数は、契約時にその契約ごとにあらかじめ設定された値である。係数は、例えば、契約している期間に応じて変更するものであっても良いし、利用する側が契約しているシステムの数に応じて変更するものであっても良い。また、係数は、本システムを導入(設置)する場所に応じて変更するものであっても良い。なお、係数は、例えば、1未満の数値である。
【0033】
出力部180は、差額算出部170が算出した差額に応じた金額を示す金額情報を出力する。このとき、出力部180は、差額算出部170が算出した差額に係数部190が係数を乗じた金額を示す金額情報を出力する。また、出力部180は、金額情報が示す金額に、あらかじめ設定された金額(以下、基本料金と称する)を加算した金額を示す金額情報を出力するものであっても良い。この基本料金は、本システムを利用する利用者が定期的に支払うシステム利用料金に含まれる定額の料金である。基本料金の金額は、システムや、利用者、利用時期に応じて設定されていても良く、システムを利用する契約(例えば、契約月)ごとに設定される。なお、出力部180は、差額算出部170が算出した差額に応じた金額を示す金額情報だけではなく、差額算出部170が算出した差額や、費用算出部150,160が算出した金額を示す情報を出力しても良い。出力部180が行う金額情報の出力方法は、所定のディスプレイへの金額情報の画面表示であっても良いし、スピーカからの音声出力や、印刷、他の装置への送信であっても良く、限定しない。
【0034】
図3は、図1に示した情報処理システムで使用または算出されるパラメータの一例を示す一覧表である。図3に示した一覧表は、本システムを提供する側によって作成され、利用する側へ提示されるものであっても良い。図3に示すように、それぞれの項目と数値と単位とが対応付けられている。
【0035】
「カレンダー機能」は、契約の年月日を示す。「カレンダー機能」は、この一覧表を作成する装置(以下、作成装置と称する)に外部からの操作に基づいて入力されるものである。
【0036】
「流量積算値」は、所定の期間、流量計500が測定した流量を示す。「流量積算値」は、流量計500が測定した流量を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0037】
「設計無機凝集剤注入濃度」は、上述した契約時にあらかじめ設定された凝集剤の添加濃度を示す。「設計無機凝集剤注入濃度」は、作成装置に外部からの操作に基づいて入力されるものである。
【0038】
「設計無機凝集剤使用量」は、使用量算出部110が算出した第1の使用量を示す。「設計無機凝集剤使用量」は、使用量算出部110が算出した第1の使用量を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0039】
「実績無機凝集剤使用量」は、使用量取得部120が取得した第2の使用量を示す。「実績無機凝集剤使用量」は、使用量取得部120が取得した第2の使用量を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0040】
「無機凝集剤SS換算係数」および「SS汚泥換算係数」は、上述した発生量算出部130が第1の汚泥発生量を算出する際および発生量算出部140が第2の汚泥発生量を算出する際に用いる、あらかじめ設定された係数である。「無機凝集剤SS換算係数」および「SS汚泥換算係数」は、作成装置に外部からの操作に基づいて入力されるものである。
【0041】
「設計汚泥発生量」は、発生量算出部130が算出した第1の発生量を示す。「設計汚泥発生量」は、発生量算出部130が算出した第1の発生量を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0042】
「実績汚泥発生量」は、発生量算出部140が算出した第2の発生量を示す。「設計汚泥発生量」は、発生量算出部140が算出した第2の発生量を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0043】
「無機凝集剤単価」および「汚泥処理単価」は、上述した費用算出部150が第1の処理費用を算出する際および費用算出部160が第2の処理費用を算出する際に用いる、あらかじめ設定された係数である。「無機凝集剤単価」および「汚泥処理単価」は、作成装置に外部からの操作に基づいて入力されるものである。
【0044】
「設計処理費用」は、費用算出部150が算出した第1の処理費用を示す。「設計処理費用」は、費用算出部150が算出した第1の処理費用を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0045】
「実績処理費用」は、費用算出部160が算出した第2の処理費用を示す。「実績処理費用」は、費用算出部160が算出した第2の処理費用を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0046】
「請求料金換算係数」は、係数部190が、差額算出部170が算出した差額に乗じる係数である。「請求料金換算係数」は、作成装置に外部からの操作に基づいて入力されるものである。
【0047】
「請求従量料金」は、差額算出部170が算出した差額に係数部190が係数を乗じた金額を示す。このとき、差額算出部170が算出した差額が、第1の処理費用よりも第2の処理費用の方が多いものである場合は、「請求従量料金」は「0」となる。「請求従量料金」は、差額算出部170が算出した差額に係数部190が係数を乗じた金額を示す数値が作成装置へ送信されて入力されるものである。
【0048】
「請求基本料金」は、上述したあらかじめ設定される基本料金である。「請求基本料金」は、作成装置に外部からの操作に基づいて入力されるものである。なお、「請求基本料金」はなくても良い。
【0049】
「請求料金(システム利用料)」は、「請求従量料金」と「請求基本料金」とを加算した金額である。
【0050】
以下に、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図4は、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0051】
流量計500が、所定の期間に原水槽300から凝集槽400へ流入する液体の流量を測定する(ステップS1)。使用量算出部110が、あらかじめ設定された凝集剤の濃度と、流量計500が測定した流量とに基づいて、凝集剤の第1の使用量を算出する(ステップS2)。また、発生量算出部130が、ステップS2にて算出された第1の使用量に基づいて、第1の汚泥発生量を算出する(ステッS3)。すると、費用算出部150が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS2にて算出された第1の使用量と、ステップS3にて算出された第1の汚泥発生量とに基づいて、第1の処理費用を算出する(ステップS4)。
【0052】
使用量取得部120が、流量計500が流量を測定した期間において、流量計510が測定した、ポンプ800を用いて凝集剤タンク700から添加される凝集剤の第2の使用量を取得する(ステップS5)。また、発生量算出部140が、ステップS5にて取得された第2の使用量に基づいて、第2の汚泥発生量を算出する(ステッS6)。すると、費用算出部160が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS5にて取得された第2の使用量と、ステップS6にて算出された第2の汚泥発生量とに基づいて、第2の処理費用を算出する(ステップS7)。
【0053】
続いて、差額算出部170が、ステップS4にて算出された第1の処理費用と、ステップS7にて算出された第2の処理費用との差額を算出する(ステップS8)。すると、係数部190が、ステップS8にて算出された差額に、あらかじめ設定された係数を乗じる(ステップS9)。続いて、出力部180が、ステップS9にて算出された金額を出力する(ステップS10)。このとき、出力部180は、ステップS9にて算出された金額にあらかじめ設定された基本料金を加算して出力するものであっても良い。
【0054】
このように、本形態においては、あらかじめ設定された濃度を満たす凝集剤を添加した場合と、凝集槽に貯留された液体の凝集物の凝集状態を測定し、測定された凝集状態に基づいて算出した使用量の凝集剤を添加した場合とで、それぞれの凝集剤の使用量に応じた処理費用の差額に応じた請求費用の金額を示す金額情報を出力する。そのため、添加する凝集剤の最適化による効果を具体的に把握することができる。
(第2の実施の形態)
【0055】
図5は、本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図5に示すように、情報処理装置101と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700と、ポンプ800と、費用請求装置900とを有する。制御部200、原水槽300、凝集槽400、流量計500,510、液位計520、センサ600、凝集剤タンク700およびポンプ800は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0056】
図6は、図5に示した情報処理装置101の内部構成の一例を示す図である。図5に示した情報処理装置101は図6に示すように、使用量算出部110と、使用量取得部120と、発生量算出部130,140と、費用算出部150,160と、差額算出部170と、出力部180と、係数部190と、送信部210とを有する。なお、図6には、図5に示した情報処理装置101が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。使用量算出部110、使用量取得部120、発生量算出部130,140、費用算出部150,160、差額算出部170、出力部180および係数部190は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0057】
送信部210は、出力部180が出力した金額情報を、金額情報が示す金額に基づいて費用請求を行う費用請求装置900へ送信する。送信部210から金額情報を送信のタイミングは、あらかじめ設定されたタイミングであっても良いし、定期的なタイミングであっても良い。また、送信部210は、費用請求装置900から金額情報の送信の要求を受け付けたときに、対応する金額情報を費用請求装置900へ送信しても良い。送信部210が費用請求装置900へ送信する金額情報は、少なくとも情報処理装置101と費用請求装置900との双方で、システムを利用した金額が認識できる情報であれば良い。
【0058】
費用請求装置900は、情報処理装置101から送信されてきた金額情報を用いて費用請求処理を行う装置である。費用請求装置900は、情報処理装置101と無線回線や有線回線を介して通信可能に接続されている。費用請求装置900と情報処理装置101とは、直接接続されていても良いし、一般的な通信ネットワークを介して接続されていても良い。また、費用請求装置900が、システムを提供する側に設けられているものであっても良いし、システムを利用する側に設けられているものであっても良いし、システムを提供する側とシステムを利用する側とに分割して設けられているものであっても良い。
【0059】
図7は、図5に示した費用請求装置900に表示されたシステム利用料の請求書の表示画面の一例を示す図である。図5に示した費用請求装置900に情報を表示する表示部(ディスプレイ)が具備されている場合、その表示部に図7に示すような表示画面が表示される。例えば、図7に示すように、利用した月のシステムの利用料金の金額が表示され、費用の支払い方法が表示される。表示される利用料金は、情報処理装置101から送信されてきた金額情報が示す金額であっても良いし、その金額に所定の手数料を加算した金額であっても良い。また、表示される利用料金は、情報処理装置101から送信されてきた金額情報が示す金額から所定の割引が適用された金額であっても良い。
【0060】
以下に、図5に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図8は、図5に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。ステップS21~S30の処理それぞれは、図4に示したフローチャートを用いて説明したステップS1~10の処理それぞれと同じである。
【0061】
ステップS30の処理が行われた後、送信部210は、出力部180が出力した金額情報を費用請求装置900へ送信する。費用請求装置900は、システムの利用料金の金額を算出する(ステップS31)。ここで算出される金額は、上述したような、送信部210から送信されてきた金額情報が示す金額であっても良いし、所定の手数料を加算した金額であっても良いし、所定の割引を適用した金額であっても良く、システム利用の運用に応じたもので良い。すると、費用請求装置900は、システム利用料の費用請求処理を行う(ステップS32)。
【0062】
このように、本形態においては、あらかじめ設定された濃度を満たす凝集剤を添加した場合と、凝集槽に貯留された液体の凝集物の凝集状態を測定し、測定された凝集状態に基づいて算出した使用量の凝集剤を添加した場合とで、それぞれの凝集剤の使用量に応じた処理費用の差額に応じた請求費用の金額を示す金額情報を出力する。そのため、添加する凝集剤の最適化による効果を具体的に把握することができる。さらに、出力した金額情報を、その金額情報を用いて費用請求処理を行う費用請求装置へ送信し、費用請求装置がシステムを利用した側へのシステム利用料金の費用請求処理を行う。そのため、システムの利用料金の請求を容易に行うことができる。
(第3の実施の形態)
【0063】
図9は、本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図9に示すように、情報処理装置102と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700と、ポンプ800とを有する。制御部200、原水槽300、凝集槽400、流量計500,510、液位計520、センサ600、凝集剤タンク700およびポンプ800は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0064】
図10は、図9に示した情報処理装置102の内部構成の一例を示す図である。図9に示した情報処理装置102は図10に示すように、使用量算出部110と、使用量取得部120と、発生量算出部130,140と、排出量算出部115,116と、費用算出部152,162と、差額算出部170と、出力部180と、係数部190とを有する。なお、図10には、図9に示した情報処理装置102が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。使用量算出部110、使用量取得部120、発生量算出部130,140、差額算出部170、出力部180および係数部190は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0065】
排出量算出部115は、使用量算出部110が算出した第1の使用量に基づいて、例えば、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの排出量(第1のガス排出量)を算出する第1の排出量算出部である。排出量算出部115が算出する排出量は、使用量算出部110が算出した第1の使用量の凝集剤を製造する際に排出される温室効果ガスの排出量である。この算出方法は、凝集剤の種類および製造量と、温室効果ガスの排出量とがあらかじめ対応付けられた情報から検索する方法でも良いし、所定のアルゴリズムを用いて算出する方法でも良く、特に規定しない。
【0066】
排出量算出部116は、使用量取得部120が取得した第2の使用量に基づいて、例えば、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの排出量(第2のガス排出量)を算出する第2の排出量算出部である。排出量算出部116が算出する排出量は、使用量取得部120が取得した第2の使用量の凝集剤を製造する際に排出される温室効果ガスの排出量である。この算出方法は、凝集剤の種類および製造量と、温室効果ガスの排出量とがあらかじめ対応付けられた情報から検索する方法でも良いし、所定のアルゴリズムを用いて算出する方法でも良く、特に規定しない。
【0067】
費用算出部152は、第1の実施の形態における費用算出部150が具備する機能に加えて、排出量算出部115が算出した第1のガス排出量を処理するための費用を算出する。具体的には、費用算出部152は、あらかじめ設定された所定の単位の温室効果ガスの処理にかかる単価と排出量算出部115が算出した第1のガス排出量とを乗算して費用を算出する。費用算出部152は、算出した凝集剤の第1の使用量に応じた費用と、第1の汚泥発生量に応じた費用と、第1のガス排出量に応じた費用とを加算して、第1の処理費用を算出する。なお、排出されたガスの処理にかかる単価は、契約時に設定された値であって、単位は例えば[円/l]である。
【0068】
費用算出部162は、第1の実施の形態における費用算出部160が具備する機能に加えて、排出量算出部116が算出した第2のガス排出量を処理するための費用を算出する。具体的には、費用算出部162は、あらかじめ設定された所定の単位の温室効果ガスの処理にかかる単価と排出量算出部116が算出した第2のガス排出量とを乗算して費用を算出する。費用算出部162は、算出した凝集剤の第2の使用量に応じた費用と、第2の汚泥発生量に応じた費用と、第2のガス排出量に応じた費用とを加算して、第2の処理費用を算出する。なお、排出されたガスの処理にかかる単価は、費用算出部152が第1の処理費用を算出する際に用いるものと同じものである。
【0069】
以下に、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図11は、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0070】
ステップS41~S43の処理のそれぞれは、図4に示したフローチャートを用いて説明したステップS1~3の処理それぞれと同じである。排出量算出部115は、使用量算出部110が算出した第1の使用量に基づいて、第1のガス排出量を算出する(ステップS44)。すると、費用算出部152が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS42にて算出された第1の使用量と、ステップS43にて算出された第1の汚泥発生量と、ステップS44にて算出された第1の排出量とに基づいて、第1の処理費用を算出する(ステップS45)。
【0071】
ステップS46~S47の処理のそれぞれは、図4に示したフローチャートを用いて説明したステップS5~6の処理それぞれと同じである。排出量算出部116は、使用量取得部120が取得した第2の使用量に基づいて、第2のガス排出量を算出する(ステップS48)。すると、費用算出部162が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS46にて取得した第2の使用量と、ステップS47にて算出された第2の汚泥発生量と、ステップS48にて算出された第2の排出量とに基づいて、第2の処理費用を算出する(ステップS49)。
【0072】
続いて、差額算出部170が、ステップS45にて算出された第1の処理費用と、ステップS49にて算出された第2の処理費用との差額を算出する(ステップS50)。すると、係数部190が、ステップS50にて算出された差額に、あらかじめ設定された係数を乗じる(ステップS51)。続いて、出力部180が、ステップS51にて算出された金額を出力する(ステップS52)。このとき、出力部180は、ステップS51にて算出された金額にあらかじめ設定された基本料金を加算して出力するものであっても良い。
【0073】
なお、差額算出部170は、第1の使用量と第2の使用量との差分、第1の汚泥発生量と第2の汚泥発生量との差分および第1のガス排出量と第2のガス排出量との差分それぞれに応じた差額を算出しても良い。
【0074】
このように、本形態においては、あらかじめ設定された濃度を満たす凝集剤を添加した場合と、凝集槽に貯留された液体の凝集物の凝集状態を測定し、測定された凝集状態に基づいて算出した使用量の凝集剤を添加した場合とで、それぞれの凝集剤の使用量に応じた処理費用の差額に応じた請求費用の金額を示す金額情報を出力する。そのため、添加する凝集剤の最適化による効果を具体的に把握することができる。さらに、その金額情報に、それぞれの使用量に応じた温室効果ガスの排出量の差額も用いる。これにより、最適化による効果を他の観点からも具体的に把握することができる。なお、本形態における情報処理装置102が、発生量算出部130,140を具備しないものでも良い。つまり、費用算出部152が、使用量算出部110が算出した第1の使用量と、排出量算出部115が算出した第1の排出量とに基づいて、第1の処理費用を算出し、費用算出部162が、使用量取得部120が取得した第2の使用量と、排出量算出部116が算出した第2の排出量とに基づいて、第2の処理費用を算出するものでも良い。
(第4の実施の形態)
【0075】
図12は、本発明の情報処理システムの第4の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図12に示すように、情報処理装置103と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700と、ポンプ800とを有する。制御部200、原水槽300、凝集槽400、流量計500,510、液位計520、センサ600、凝集剤タンク700およびポンプ800は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0076】
図13は、図12に示した情報処理装置103の内部構成の一例を示す図である。図12に示した情報処理装置103は図13に示すように、使用量算出部110と、使用量取得部120と、発生量算出部130,140と、電力量算出部117,118と、費用算出部153,163と、差額算出部170と、出力部180と、係数部190とを有する。なお、図13には、図12に示した情報処理装置103が有する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示している。使用量算出部110、使用量取得部120、発生量算出部130,140、差額算出部170、出力部180および係数部190は、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0077】
電力量算出部117は、使用量算出部110が算出した第1の使用量の凝集剤を用いて液体を処理するために消費される電力量(第1の電力量)を算出する第1の電力量算出部である。この算出方法は、凝集剤の種類および処理システムの構造や処理の内容と、電力量とがあらかじめ対応付けられた情報から検索する方法でも良いし、所定のアルゴリズムを用いて算出する方法でも良く、特に規定しない。
【0078】
電力量算出部118は、使用量取得部120が取得した第2の使用量の凝集剤を用いて液体を処理するために消費される電力量(第2の電力量)を算出する第2の電力量算出部である。この算出方法は、凝集剤の種類および処理システムの構造や処理の内容と、電力量とがあらかじめ対応付けられた情報から検索する方法でも良いし、所定のアルゴリズムを用いて算出する方法でも良く、特に規定しない。
【0079】
費用算出部153は、第1の実施の形態における費用算出部150が具備する機能に加えて、電力量算出部117が算出した第1の電力量の電気を取得(購入または発電等)するための費用を算出する。具体的には、費用算出部153は、あらかじめ設定された所定の単位の電気の取得(購入または発電等)にかかる単価と電力量算出部117が算出した第1の電力量とを乗算して費用を算出する。費用算出部153は、算出した凝集剤の第1の使用量に応じた費用と、第1の汚泥発生量に応じた費用と、第1の電力量に応じた費用とを加算して、第1の処理費用を算出する。なお、電力量の単価は、契約時に設定された値であって、単位は例えば[円/kWh]である。
【0080】
費用算出部163は、第1の実施の形態における費用算出部160が具備する機能に加えて、電力量算出部118が算出した第2の電力量の電気を取得(購入または発電等)するための費用を算出する。具体的には、費用算出部163は、あらかじめ設定された所定の単位の電気の取得(購入または発電等)にかかる単価と電力量算出部118が算出した第2の電力量とを乗算して費用を算出する。費用算出部163は、算出した凝集剤の第2の使用量に応じた費用と、第2の汚泥発生量に応じた費用と、第2の電力量に応じた費用とを加算して、第2の処理費用を算出する。なお、電力量の単価は、費用算出部153が第1の処理費用を算出する際に用いるものと同じものである。
【0081】
以下に、図12に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図14は、図12に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0082】
ステップS61~S63の処理のそれぞれは、図4に示したフローチャートを用いて説明したステップS1~3の処理それぞれと同じである。電力量算出部117は、使用量算出部110が算出した第1の使用量に基づいて、第1の電力量を算出する(ステップS64)。すると、費用算出部153が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS62にて算出された第1の使用量と、ステップS63にて算出された第1の汚泥発生量と、ステップS64にて算出された第1の電力量とに基づいて、第1の処理費用を算出する(ステップS65)。
【0083】
ステップS66~S67の処理のそれぞれは、図4に示したフローチャートを用いて説明したステップS5~6の処理それぞれと同じである。電力量算出部118は、使用量取得部120が取得した第2の使用量に基づいて、第2の電力量を算出する(ステップS68)。すると、費用算出部163が、あらかじめ設定された処理単価と、ステップS66にて取得した第2の使用量と、ステップS67にて算出された第2の汚泥発生量と、ステップS68にて算出された第2の電力量とに基づいて、第2の処理費用を算出する(ステップS69)。
【0084】
続いて、差額算出部170が、ステップS65にて算出された第1の処理費用と、ステップS69にて算出された第2の処理費用との差額を算出する(ステップS70)。すると、係数部190が、ステップS70にて算出された差額に、あらかじめ設定された係数を乗じる(ステップS71)。続いて、出力部180が、ステップS71にて算出された金額を出力する(ステップS72)。このとき、出力部180は、ステップS71にて算出された金額にあらかじめ設定された基本料金を加算して出力するものであっても良い。
【0085】
なお、差額算出部170は、第1の使用量と第2の使用量との差分、第1の汚泥発生量と第2の汚泥発生量との差分および第1の電力量と第2の電力量との差分それぞれに応じた差額を算出しても良い。
【0086】
このように、本形態においては、あらかじめ設定された濃度を満たす凝集剤を添加した場合と、凝集槽に貯留された液体の凝集物の凝集状態を測定し、測定された凝集状態に基づいて算出した使用量の凝集剤を添加した場合とで、それぞれの凝集剤の使用量に応じた処理費用の差額に応じた請求費用の金額を示す金額情報を出力する。そのため、添加する凝集剤の最適化による効果を具体的に把握することができる。さらに、その金額情報に、それぞれの使用量に応じた電力量の差額も用いる。これにより、最適化による効果を他の観点からも具体的に把握することができる。なお、本形態における情報処理装置103が、発生量算出部130,140を具備しないものでも良い。つまり、費用算出部153が、使用量算出部110が算出した第1の使用量と、電力量算出部117が算出した第1の電力量とに基づいて、第1の処理費用を算出し、費用算出部163が、使用量取得部120が取得した第2の使用量と、電力量算出部118が算出した第2の電力量とに基づいて、第2の処理費用を算出するものでも良い。
【0087】
なお、第3の実施の形態においてはガスの排出量を用いて、また、第4の実施の形態においては消費される電力量を用いて金額を算出したが、本発明はこれに限らない。例えば、各水槽やポンプのメンテナンスにかかる費用(保守費用)等を用いても良い。
(適用例1)
【0088】
図15は、本発明の情報処理システムの第1の適用例を示す図である。図15は水処理システムの一例を示し、その水処理システムに本発明の情報処理システムが適用されている。図15に示した水処理システムは、図1に示した情報処理装置100と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700と、ポンプ800とに加えて、凝集槽410と、固液分離装置420と、凝集剤タンク710と、ポンプ810とを有する。
【0089】
凝集槽410は、凝集槽400にて処理された液体と、凝集剤タンク710からポンプ810を用いて供給される凝集剤とを反応させるための水槽(貯留槽)である。凝集槽410は、所定の容量を持つ。
【0090】
凝集剤タンク710は、凝集剤を収納する容器である。凝集剤タンク710に収納される凝集剤は、凝集槽410内に貯留されている被処理水に添加されることで被処理水に含まれる不純物を凝集させて被処理水が所望の液質に処理されるための物質である。凝集剤タンク710に収納される凝集剤は、例えば、高分子凝集剤(ポリマー)である。
【0091】
ポンプ810は、凝集槽410に貯留された被処理水に凝集剤タンク710に収納されている凝集剤を添加する添加装置である。
【0092】
固液分離装置420は、凝集槽410にて処理された液体が流入し、流入した液体を固体(汚泥)と液体(処理水)とに分離して、それぞれを排出する装置である。
【0093】
なお、センサ600が凝集槽410に貯留された被処理水に含まれる凝集物の凝集状態を測定し、制御部200は流量計500が流量を測定した期間において、センサ600が測定した凝集状態に基づいて、ポンプ810が凝集剤タンク710から凝集槽410へ添加する凝集剤の使用量を算出し、算出した使用量を示す値に基づいて、ポンプ810に対して凝集剤タンク710からの凝集剤の添加を制御するものであっても良い。ポンプ810から凝集槽410へ凝集剤を添加する量を測定する流量計(不図示)を設け、この流量計が測定した凝集剤の量を上述した第2の使用量として用いて上述した処理と同様の処理を行うものであっても良い。
(適用例2)
【0094】
図16は、本発明の情報処理システムの第2の適用例を示す図である。図16は水処理システムの一例を示し、その水処理システムに本発明の情報処理システムが適用されている。図16に示した水処理システムは、図15に示した情報処理装置100と、制御部200と、原水槽300と、凝集槽400,410と、固液分離装置420と、流量計500,510と、液位計520と、センサ600と、凝集剤タンク700,710と、ポンプ800,810とに加えて、凝結剤タンク720と、ポンプ820とを有する。
【0095】
凝結剤タンク720は、凝結剤を収納する容器である。凝結剤タンク720に収納される凝結剤は、凝集槽400内に貯留されている被処理水に添加されることで被処理水に含まれる不純物を凝結させて被処理水が所望の液質に処理されるための物質である。凝結剤タンク720に収納される凝結剤は、例えば、有機凝結剤である。
【0096】
ポンプ820は、凝集槽400に貯留された被処理水に凝結剤タンク720に収納されている凝結剤を添加する添加装置である。ポンプ820が凝結剤タンク720から凝集槽400へ添加する凝結剤の量は、制御部200から送信されてくる制御信号に基づいて制御されるものであっても良い。この場合、制御部200は、流量計500が流量を測定した期間において、センサ600が測定した凝集状態に基づいて、ポンプ820が凝結剤タンク720から凝集槽400へ添加する凝結剤の使用量を算出し、算出した使用量を示す値に基づいて、ポンプ820に対して凝結剤タンク720からの凝結剤の添加を制御する。ポンプ820から凝集槽400へ凝結剤を添加する量を測定する流量計(不図示)を設け、この流量計が測定した凝結剤の量を上述した第2の使用量として用いて上述した処理と同様の処理を行うものであっても良い。
(適用例3)
【0097】
図17は、本発明の情報処理システムの第3の適用例を示す図である。図17は水処理システムの一例を示し、その水処理システムに本発明の情報処理システムが適用されている。図17に示した水処理システムは、図15に示した原水槽300から液体が供給される凝集槽410と、固液分離装置420とを有する。凝集槽410および固液分離装置420それぞれは、図15に示したものとそれぞれ同じものである。
【0098】
汚泥槽430は、固液分離装置420が分離した固体(汚泥)が供給され、貯留される。ポンプ830は、制御部200からの指示に基づいて、凝集剤タンク730から凝集剤を汚泥槽430に貯留された汚泥に添加する。脱水機440は、汚泥槽430で処理された汚泥に脱水をかけて、ろ液と脱水汚泥とに分離させて排出する。なお、汚泥槽430と脱水機440とが一体化されていても良い。脱水機440は、スクリュープレス型や多重円盤型など多くの種類があるが、特に限定しない。凝集剤タンク730内の凝集剤は、カチオン高分子凝集剤やアニオン高分子凝集剤である。センサ600は汚泥槽430に貯留された被処理水に含まれる凝集物の凝集状態を測定して制御部200へ通知する。制御部200は、流量計500が流量を測定した期間において、センサ600が測定した凝集状態に基づいて、ポンプ830が凝集剤タンク730から汚泥槽430へ添加する凝集剤の使用量を算出し、算出した使用量を示す値に基づいて、、ポンプ830に対して凝集剤タンク730からの凝集剤の添加を制御する。制御部200は、さらに、流量計500が流量を測定した期間において、センサ600が測定した凝集状態に基づいて、脱水機440の動作状態(例えば、回転数)を制御しても良い。例えば、制御部200が脱水機440の回転数を制御する場合、回転数に応じた脱水機440の消費電力が、第4の実施の形態にて説明した電力量として算出される。
(利用料金の例)
【0099】
本発明の情報処理システムを利用する場合、その利用に応じた金額設定が必須となる。その金額は、凝集槽に一定の量の凝集剤が添加される場合と比較して、凝集層内の凝集状態に応じて添加する凝集量を制御した場合の結果を考慮して決定される。
【0100】
図18は、本発明の情報処理システムのサービス利用料金を決定するために参照される対応付け情報の一例を示す図である。図18に示すように、凝集槽に一定の量の凝集剤が添加される場合(テスト前)の無機凝集剤添加量、高分子凝集剤添加量および有機凝結剤添加量と、凝集センサを用いて添加量を制御した場合(テスト1-1結果、テスト1-2結果)の無機凝集剤添加量、高分子凝集剤添加量および有機凝結剤添加量とが対応付けられてデータベース(不図示)に記憶されている。テスト前とテスト1-1結果との比較およびテスト前とテスト1-2結果との比較に基づいて、それぞれの添加量についての削減コスト(A)および追加コスト(B)が算出されて記憶される。サービス利用料(C)は、料金換算係数(α)を用いて、C=α×A+Bとなることが記憶されている。追加コストがなければB=0となる。料金換算係数(α)は、上述した係数部190が算出に用いた係数である。
【0101】
図19は、本発明の情報処理システムのサービス利用料金を決定するために参照される対応付け情報の他の例を示す図である。図19に示すように、凝集槽に一定の量の凝集剤が添加される場合(テスト前)の無機凝集剤添加量および高分子凝集剤添加量と、凝集センサを用いて添加量を制御した場合(テスト2-1結果)の無機凝集剤添加量および高分子凝集剤添加量とが対応付けられてデータベース(不図示)に記憶されている。テスト前とテスト2-1結果との比較に基づいて、それぞれの添加量についての削減コスト(A)および追加コスト(B)が算出されて記憶される。サービス利用料(C)は、料金換算係数(α)を用いて、C=α×A+Bとなることが記憶されている。追加コストがなければB=0となる。料金換算係数(α)は、上述した係数部190が算出に用いた係数である。
【0102】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。また、各実施の形態を組み合わせたものであっても良い。
【0103】
上述した情報処理装置100,101が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を情報処理装置100,101にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置100,101に読み込ませ、実行するものであっても良い。情報処理装置100,101にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、情報処理装置100,101に内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報処理装置100,101に設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0104】
100,101,102,103 情報処理装置
110 使用量算出部
115,116 排出量算出部
117,118 電力量算出部
120 使用量取得部
130,140 発生量算出部
150,152,153,160,162,163 費用算出部
170 差額算出部
180 出力部
190 係数部
200 制御部
210 送信部
300 原水槽
400,410 凝集槽
420 固液分離装置
430 汚泥槽
440 脱水機
500,510 流量計
520 液位計
600 センサ
700,710,730 凝集剤タンク
720 凝結剤タンク
800,810,820,830 ポンプ
900 費用請求装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19