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  • 特開-シート状製品 図1
  • 特開-シート状製品 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073853
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】シート状製品
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20230519BHJP
   A47G 27/02 20060101ALI20230519BHJP
   A47K 17/02 20060101ALI20230519BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
B32B27/00 M
A47G27/02 102
A47K17/02 Z
B32B27/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186573
(22)【出願日】2021-11-16
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】506352913
【氏名又は名称】カネヨシ商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】谷田 光雄
(72)【発明者】
【氏名】宮川 英泰
【テーマコード(参考)】
2D037
3B120
4F100
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037BA23
2D037BA24
2D037EB01
3B120AA09
3B120AA19
3B120AB05
3B120AC10
3B120BA04
3B120CA01
3B120EA01
3B120EA02
3B120EB21
4F100AJ05A
4F100AK01B
4F100AK04B
4F100AK25C
4F100AK41A
4F100AK62B
4F100CB05C
4F100DC13A
4F100DC13B
4F100DC13C
4F100DC13D
4F100DG15A
4F100GB71
4F100JA13A
4F100JK06
4F100JL14D
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】被貼付箇所との密着性(乃至は粘着性)に優れていながらも、取外し(引き剥がし)が容易であり、薄くかつ吸水性にも優れ、使い捨て可能で取扱性の良いシート状製品を提供する。
【解決手段】不織布層と、前記不織布層の一方の面に積層された樹脂層と、前記樹脂層の、前記不織布層とは反対側の面に積層された粘着剤層と、で構成されていることを特徴とするシート状製品。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布層と、
前記不織布層の一方の面に積層された樹脂層と、
前記樹脂層の、前記不織布層とは反対側の面に積層された粘着剤層と、
で構成されていることを特徴とするシート状製品。
【請求項2】
前記不織布がレーヨン30~70質量%及びポリエステル70~30質量%(合計100質量%)で構成されていること、
を特徴とする請求項1に記載のシート状製品。
【請求項3】
前記不織布が80~100g/mの目付を有すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のシート状製品。
【請求項4】
前記樹脂層がポリエチレンで構成されていること、
を特徴とする請求項1~3のうちのいずれかに記載のシート状製品。
【請求項5】
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤で構成されていること、
を特徴とする請求項1~4のうちのいずれかに記載のシート状製品。
【請求項6】
厚みが0.8~1.2mmであること、
を特徴とする請求項1~5のうちのいずれかに記載のシート状製品。
【請求項7】
更に、前記粘着剤層の、前記樹脂層とは反対側の面に積層された離型紙を有すること、
を特徴とする請求項1~6のうちのいずれかに記載のシート状製品。
【請求項8】
前記離型紙又は前記シート状製品全体が切れ目を有すること、
を特徴とする請求項1~7のうちのいずれかに記載のシート状製品。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単に貼付及び剥離を繰り返し行うことのできるシート状製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ、洗面台、並びにキッチンのシンク及びコンロ前等といった糞尿、水及び油等の汚物が飛散する箇所には、布製や合成樹脂製のキッチンマットやトイレマット等のマットが使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1(実用新案登録第3191205号明細書)においては、「少なくとも裏面層、発泡層、印刷層、及び表面層を積層してなる合成樹脂製のキッチンマット」が提案されている。
【0004】
この特許文献1のキッチンマットによれば、「平面形状が概略長方形であり、4つのコーナー部のうち、一方の長辺に隣り合う2つのコーナー部が丸みを帯びた曲線形状からなり、他方の長辺と隣り合う2つのコーナー部が80~100°の角度を有すること」から、キチンマットの長辺と該厨房設備との間に隙間を生じず、長期間使用しても周縁部が次第に反り返らず安全性が高いとされている。
【0005】
また、例えば特許文献2(特開平10-052384号公報)においては、「所定厚さで吸水性がある安価なシート材からなり、便器の手前周囲の床面に敷設したとき便器下部の形状に合わせて嵌合可能な形状の切欠部を具備することを特徴とするトイレ用フロアシート。」が提案されており、材質としては紙が挙げられている。
【0006】
この特許文献2のトイレ用フロアシートによれば、便器の外部へと飛び出す糞尿等を表面にて受けることができ、トイレの床面を汚すことがなく、また、安価で使い捨てに適しており、洗濯する必要がないとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3191205号明細書
【特許文献2】特開平10-052384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の上記キッチンマット及び上記トイレ用フロアシートでは、床との密着性が十分とは言えず、また、上記キッチンマットではある程度の厚みがあることから掃除機がけ作業の邪魔になり、上記トイレ用フロアシートでは吸水性に劣るという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、床等の被貼付箇所との密着性(乃至は粘着性)に優れていながらも、取外し(引き剥がし)が容易であり、薄くかつ吸水性にも優れ、使い捨て可能で取扱性の良いシート状製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記のようにトイレ、洗面台、並びにキッチンのシンク及びコンロ前等といった糞尿、水及び油等の汚物が飛散する被貼付箇所に対して、使い勝手の良いシート状製品について検討していたところ、シート状製品の構造並びにこれを構成する不織布、樹脂層及び粘着剤層が最終的に得られるシート状製品の性能に大きく影響するという問題に直面した。
【0011】
そして、本発明者は、不織布を構成する繊維の材料、混合割合及び目付、中間層を構成する樹脂層の材料、並びに、粘着剤層を構成する材料を含む全体構造に着目し、これらを最適化すれば、被貼付箇所との密着性(乃至は粘着性)、取外性(剥離性)、薄さ、吸水性、廃棄性及び取扱性に優れるシート状製品が実現できるのではないかと考え、鋭意実験を繰返し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、
不織布層と、
前記不織布層の一方の面に積層された樹脂層と、
前記樹脂層の、前記不織布層とは反対側の面に積層された粘着剤層と、
で構成されていることを特徴とするシート状製品、
を提供するものである。
【0013】
上記本発明のシート状製品においては、
前記不織布がレーヨン30~70質量%及びポリエステル70~30質量%(合計100質量%)で構成されていること、
が好ましい。
【0014】
また、上記本発明のシート状製品においては、
前記不織布が80~100g/mの目付を有すること、
が好ましい。
【0015】
更に、上記本発明のシート状製品においては、
前記樹脂層がポリエチレンで構成されていること、
が好ましい。
【0016】
更にまた、上記本発明のシート状製品においては、
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤で構成されていること、
が好ましい。
【0017】
上記のような構成を有する本発明のシート状製品(離型紙を除く。)は、
厚みを0.8~1.2mmとすることができる。
【0018】
また、上記のような構成を有する本発明のシート状製品は、
前記粘着剤層の、前記樹脂層とは反対側の面に積層された離型紙と、
を有することが好ましい。
【0019】
また、上記のような構成を有する本発明のシート状製品は、
前記離型紙又は全体に切れ目を有すること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0020】
上記のような構成を有することにより、本発明のシート状製品は、トイレ、洗面台、並びにキッチンの台、壁面、シンク及びコンロ前等といった糞尿、水及び油等の汚物が飛散する被貼付箇所との密着性(乃至は粘着性)に優れていながらも、取外し(引き剥がし)が容易であり、薄くかつ吸水性にも優れ、使い捨て可能で取扱性も優れている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るシート状製品の構造を示す概略縦断面図である。
図2図1に示すシート状製品1のうちの離型紙8の表面において、法線方向からみた場合に、一つの辺の両側から対向する片の中心部に向けて直線状の切り目の様子を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の代表的な実施形態に係るシート状製品について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解を容易にするために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0023】
(1)シート状製品1について
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るシート状製品1を模式的に示す概略縦断面図である。本実施形態のシート状製品1は、不織布層2と、前記不織布層2の一方の面に積層された樹脂層4と、前記樹脂層4の、前記不織布層2とは反対側の面に積層された粘着剤層6と、前記粘着剤層の、前記樹脂層とは反対側の面に積層され離型紙8と、で構成されている。ここでは、シート状製品1は、その主面に対して法線方向からみた場合に、略正方形状(矩形状)の形状を有するものとする。
【0024】
[不織布層2]
本実施形態のシート状製品1は、レーヨン繊維及びポリエステル繊維で構成された不織布層2を有しており、本発明の効果をより確実に得らえるために、不織布層2はレーヨン30~70質量%及びポリエステル70~30質量%(合計100質量%)で構成されていることが好ましく、更には、レーヨン45~55質量%及びポリエステル55~40質量%(合計100質量%)で構成されていることが特に好ましい。
【0025】
また、図示しないが、表面に対する法線方向からみた場合に、一定のピッチ(間隔)で並列して規則的に凹部及び凸部が網目状に並んでいてもよい。例えば、縦のみに並列していても、横のみに並列していてもよいし、縦及び横のいずれにも並列して交差しつつ、縦及び横でピッチが異なっていてもよい。
【0026】
凹部の深さは、不織布層2の吸水性、風合い、肌触り、強度、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)等の観点から、重要な要素である。凹部の深さは、本発明の効果が十分に得られ、また十分な量の水分を不織布層2に含浸させることができるという観点から、0.3~0.7mmであるのが好ましく、0.5~0.7mmであるのが更に好ましい。凹部4の縦及び横のそれぞれにおけるピッチは0.1~1.0cmであればよいが、0.3~0.7cmであるのが好ましい。縦及び横それぞれで深さ及びピッチが異なっていてもよい。
【0027】
なお、不織布層2の目付や厚さは、凹部の深さとの関係で、吸水性、十分な風合い、肌触り及び強度その他の本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定すればよいが、本実施形態の不織布層2においては、目付が70~110g/mであるのが好ましく、更には80~100g/mであるのが好ましい。
【0028】
不織布の目付けは以下のように測定すればよい。まず、不織布を所定の大きさに裁断し、これを測定片とする。電子天秤(メーカー問わず)に、この測定片を載置する。この状態での重量を測定し、その重量を面積で割ることにより、目付(g/m)とすることができる。
【0029】
なお、上記のレーヨン繊維及びポリエステル繊維の繊度については、特に制限はなく本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定すればよいが、例えば1.0~2.0デニールであればよい。
【0030】
デニールは以下のように測定すればよい。例えば、20℃、相対湿度65質量%雰囲気下で繊維の試料を無緊張かつ無荷重で直線状に静置し24時間放置し放縮させ、その後、試料を900mmの長さで切断したものを10本合わせて秤量し、9000mあたりの重量に換算し、その値をデニールとすることができる。
【0031】
繊度が1.0デニール未満のレーヨン繊維及びポリエステル繊維の場合、繊維が細すぎ、繊維間の隙間を十分には確保できず、十分な量の水分を不織布層2に含浸させることができないため、優れた風合い、肌触り、及び爽快な冷涼感・使用感を味わうことができるシート状製品1が得られにくい。
【0032】
また、繊度が2.0デニールを超えるレーヨン繊維及びポリエステル繊維の場合、繊維が太すぎ、繊維間の隙間が大きくなる傾向にあり、不織布層2がごわつき、また、不織布層2に含浸される水分の量が多すぎて、シート状製品1が膨らんでしまい、風合い、肌触り、冷涼感及び使用感に劣る。
【0033】
さらには、不織布層2は、1.2~1.7デニールのレーヨン繊維及びポリエステル繊維で構成されるのが好ましい。この範囲であれば、より確実に、十分な量の水分を不織布層2に含浸させることができ、また、不織布層2がごわつくことなく、また、不織布層2に含浸される水分の量が適度で、風合い、肌触り、冷涼感及び使用感に優れた立体型布地1が得られる。
【0034】
また、不織布層2の目付けが70g/m未満の場合、本発明の効果が十分に得られない。繊維どうしの緻密な重なりの程度が低く、この繊維で構成された不織布層2の地合い(形態保持性)が低下するので、好ましくない。他方、不織布層2の目付けが110g/mを超える場合、本発明の効果が十分に得られない。また、繊維どうしが三次元的に十分に交絡せず、全体としての一体性に劣る傾向にあるため、好ましくない。
【0035】
さらには、不織布層2の目付けは80~100g/m(特に90g/m)であるのが好ましい。この範囲であれば、繊維どうしの緻密な重なりの程度が高く、不織布層2の地合い(形態保持性)も高い。また、繊維どうしが三次元的に十分に交絡しており、全体としての一体性に優れる。
【0036】
[樹脂層4]
次に、本実施形態のシート状製品1においては、図1に示すように、不織布層2の一方の面に積層された樹脂層4が含まれている。本実施形態の樹脂層4は、液不透過性を有し、不織布層2に保持された水分等が粘着剤層6及び被貼付箇所側に浸透したり漏れたりしないようにする機能を有するものである。
【0037】
したがって、このような樹脂層4としては、種々の樹脂層を用いることができるが、なかでも、本発明の効果を損なわない観点から、液不透過性とほどよい透湿性を兼ね備えるポリエチレン製のラミネートフィルムを用いるのが好ましい。
【0038】
ポリエチレン製のラミネートフィルムとしては、既にフィルム状の形態を有するものを、不織布層2に積層して熱融着させても接着剤で接着してもよい。また、ポリエチレンをエクストルーダーにより不織布層2にコーティングして、ラミネートフィルムを形成するとともに積層してもよい。
【0039】
樹脂層4の厚みについては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、例えば10~50μmであればよい。
【0040】
[粘着剤層6]
本実施形態のシート状製品1においては、図1に示すように、樹脂層4の、不織布層2とは反対側の面に積層された粘着剤層6が含まれている。この粘着剤層6は、本実施形態のシート状製品1の被貼付箇所との密着性(乃至は粘着性)及び取外性(剥離性・再剥離性)を担保する上で重要な構成要素である。
【0041】
粘着剤層6は、一般的な粘着剤の硬化物により形成されていればよい。粘着剤層6の形成に用いられる粘着剤としては、例えば公知のアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤又はポリエステル系粘着剤等であってもよい。なかでもアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤等が挙げられる。
【0042】
また、この粘着剤層6の厚さは特に限定されないが、例えば5μm以上50μm以下であればよい。粘着剤層6の被貼付箇所に対する粘着力、ボールタック(初期粘着力)及び保持力(凝集力)は、JISZ0237:2000に準拠して、本発明の効果を損なわない範囲で任意に設定されてよいが、目安として下記のとおりであるのが好ましい。
【0043】
(a)粘着力
対ステンレス鋼板 0.5~1.0N/25mm(特に0.7N/25mm)
対ポリエチレン板 0.2~0.6N/25mm(特に0.4N/25mm)
(b)ボールタック(初期粘着力)
No.14~18(特に16)
(c)保持力(凝集力)
1.5~2.5分後落下(スリップ)(特に2分後落下(スリップ))
【0044】
粘着剤層6を製造するためには、まず、市販の溶剤系塗料をトルエンや酢酸エチル等の溶媒により適度な粘度になるように希釈することにより、塗液を調製する。この塗液を樹脂層4の不織布層2とは反対側の面にコーターを用いて薄く塗工し、乾燥後の厚さが例えば0.1μm以上10μm以下程度のコーティング層(=粘着剤層6)を形成すればよい。
【0045】
なお、塗液の塗工に用いるコーターは、ナイフコーター、コンマ型コーター、マイクロバーコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、リバースグラビアコーター、ダイコーター及びカーテンコーター等から適宜選択すればよい。
【0046】
[離型紙8]
本実施形態のシート状製品1は、図1に示すように、粘着剤層6の、樹脂層4とは反対側の面に積層された離型紙8を具備している。
【0047】
離型紙8は、使用時に離型紙8から粘着剤層6、樹脂層4及び不織布層2の積層体を容易に剥がせる構成を有していればよい。例えば、グラシン紙、上質紙、樹脂フィルム等の基材の粘着剤層6側の面上に公知の離型剤層が形成されたものを離型紙8として用いてもよい。
【0048】
(2)シート状製品1の製造方法
本実施形態のシート状製品1を製造するためには、例えば、不織布層2に、ポリエチレン製のラミネートフィルムを積層して熱融着させても接着剤で接着してもよいし、又は、ポリエチレンをエクストルーダーにより不織布層2にコーティングして、ラミネートフィルムを形成するとともに積層してもよい。
【0049】
次に、離型紙8の剥離面に上記のような粘着剤を含む塗液を塗工し、乾燥させることにより粘着剤層6を形成する。続いて、粘着剤層6の離型紙8とは反対側の面に、不織布層2及び樹脂層4の積層体のうちの樹脂層4を貼り合せることにより、本実施形態のシート状製品1を形成することができる。
【0050】
このようにして得られたシート状製品1は、その後、適宜スリッター及び断裁機によって所定のサイズになるように加工してもよい。その後、離型紙8が剥離されたシート状製品1は、例えば、裏面が粘着加工され、表面に印刷層が設けられたラベルの印刷層に貼り付けられてもよい。この場合、シート状製品1を含むラベル積層体(以下、単に「ラベル」と表記する)は、所定の形状になるよう抜き加工されてもよい。このラベルは、玩具等の物品に貼着される。
【0051】
なお、シート状製品1は、全体にミシン目等の切り目を入れて使用時に所定の形状に変更できるようにしてもよい。例えば、便器の手前周囲の床面に敷設したとき便器下部の形状に合わせて嵌合可能な形状の切欠部を有するように、湾曲状の凹部を形成するようなミシン目を形成しておいてもよい。
【0052】
また、離型紙8のみに切り目を設けてもよい。例えば、図2に示すように、略正方形状等の矩形状のシート状製品1のうちの離型紙8の表面において、法線方向からみた場合に、一つの辺の両側から対向する片の中心部に向けて直線状の切り目10を入れてもよい。また、図2における直線状の切り目を波線状の切り目にしてもよい。
【0053】
上記において本発明に係るシート状製品の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、本発明の技術的思想を利用するものは全てその技術的範囲に含まれることは言うまでもない。例えば、不織布層の樹脂層とは反対側の面には、印刷層が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1・・・シート状製品、
2・・・不織布層、
4・・・樹脂層、
6・・・粘着剤層、
8・・・離型紙、
10・・・切り目。

図1
図2