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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073862
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20230519BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20230519BHJP
   H01H 13/06 20060101ALI20230519BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20230519BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
F24C15/00 S
H01H13/02 A
H01H13/06 A
H01H9/16 A
F24C15/00 U
F24C7/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186588
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 真徳
(72)【発明者】
【氏名】澤 将太
【テーマコード(参考)】
3L086
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA11
3L086BB14
3L086DA08
5G052AA07
5G052AA23
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA09
5G052JB05
5G052JC04
5G206AS38H
5G206AS38N
5G206AS44H
5G206AS44N
5G206DS02H
5G206GS14
5G206HS24
5G206HU12
5G206HU64
5G206HW33
5G206KS12
5G206NS05
5G206QS02
5G206RS04
5G206RS14
5G206RS24
5G206RS32
5G206RS37
(57)【要約】
【課題】清掃性の高い調理器を提供する。
【解決手段】本発明の調理器は、複数のメニュー選択用ボタンB1~B6と、文字シート10と、メニュー選択用ボタンB1~B6に対応する複数の発光体12と、を備え、メニュー選択用ボタンB1~B6は、押動操作される透明板13と、発光体12の光を拡散する拡散板14と、を有し、透明板13は発光体12からの光の少なくとも一部を透過し、文字シート10が複数のメニュー選択用ボタンB1~B6の透明板13を被覆する構成としている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押動操作ボタンと、
シート体と、
前記押動操作ボタンに対応する複数の発光体と、を備え、
前記押動操作ボタンは、押動操作される押圧部と、前記発光体の光を拡散する拡散部と、を有し、
前記押圧部は前記発光体からの光の少なくとも一部を透過し、
前記シート体が前記複数の押動操作ボタンの前記押圧部を被覆することを特徴とする調理器。
【請求項2】
前記複数の押動操作ボタンを取付けるホルダーを備え、
前記拡散部が前記ホルダーの色と異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記拡散部が白色であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理器。
【請求項4】
前記押圧部の押動操作によりオン/オフを切替える複数のスイッチを備え、
前記スイッチは前記押圧部と一対を成し、
前記複数の押動操作ボタンのうち少なくとも1つは、前記押圧部に対する前記スイッチの配設される位置が、他の前記押動操作ボタンと異なることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の調理器。
【請求項5】
前記複数の押動操作ボタンはそれぞれ接続部により前記ホルダーに接続され、
前記接続部が前記押動操作ボタンに対して配設される位置は、すべての前記押動操作ボタンにおいて同一であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光部を有する押動操作ボタンを備えた調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の調理器として、例えば引用文献1では、ドアにおける透視窓以外の部分に、調理用スイッチを操作する複数の操作キーを設け、これらの操作キーの操作ボタンを透明材で形成し、かつ該操作ボタンの内側に発光源を設置したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2527686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、操作キーの操作ボタンを押圧動作時などに上下に可動させる構成上、操作ボタンと、これらの操作ボタンが取付けられたドアとは別体にする必要があり、操作ボタンとドアとの間に溝が形成され、また凹凸が生じていた。さらに複数の操作キーを並べて設けているため、この調理器の使用中に操作キーの操作などにより扉の前面部が汚れ、これらの溝にゴミや汚れなどが入り込むと、これらのゴミや汚れを容易に除去することができず、調理器のお手入れが手間であった。
【0005】
そこで本発明は、清掃性の高い調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の調理器は、複数の押動操作ボタンと、シート体と、前記押動操作ボタンに対応する複数の発光体と、を備え、前記押動操作ボタンは、押動操作される押圧部と、前記発光体の光を拡散する拡散部と、を有し、前記押圧部は前記発光体からの光の少なくとも一部を透過し、前記シート体が前記複数の押動操作ボタンの前記押圧部を被覆することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の押動操作ボタンが並べて配置された場所でも、フラットで溝が形成されないために汚れなどを容易に拭き取ることができ、簡単にお手入れをすることができるため、清掃性の高い調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態における調理器の外観斜視図である。
図2】同上、操作パネル部の正面図である。
図3】同上、操作パネル部の分解斜視図である。
図4】同上、(A)操作パネル部のメニュー選択領域の斜視図、(B)(A)のA-A断面図、(C)(A)のB-B断面図である。
図5】同上、文字シートを取外した操作パネル部のメニュー選択領域の正面図である。
図6図5における領域Cを示す図である。
図7】同上、(A)メニュー選択領域におけるホルダー部の正面図、(B)操作パネルPC板を取付けたホルダー部の正面図である。
図8】同上、文字シートの正面図である。
図9】本発明の一実施形態の変形例における、カバーの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1図8は、本発明をオーブンレンジに適用した一実施形態を示している。それぞれの図面において、本体1の扉3が設けられた前面に向かう方向を「前」方向、本体1の背面に向かう方向を「後」方向、本体1の左面に向かう方向を「左」方向、本体1の右面に向かう方向を「右」方向、本体1の天面に向かう方向を「上」方向、本体1の底面に向かう方向を「下」方向として説明する。図1は、オーブンレンジの全体構成を示しており、1は略矩形箱状に構成され、前面が開口した本体、2は本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。本実施形態のオーブンレンジは、扉2により本体1の開口を開閉する構成となっている。扉2の上部には、縦開きの扉2を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉2の右部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。
【0011】
図2は操作パネル部5の正面図、図3は操作パネル部5の分解斜視図を示している。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段7が配設される。操作パネル部5の後側には、表示手段6や操作手段7などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板8が配置され、操作パネル部5は、扉2の前面を形成する前側カバー9の右部に形成されたホルダー部9Aと、ホルダー部9Aの表面の略全体を被覆する1枚の文字シート10と、パネルPC板8と、により主に構成されている。
【0012】
表示手段6は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などで表示する、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)やTFT(Thin-Film-Transistor:薄膜トランジスタ)液晶、有機EL(Electro Luminescence:エレクトロ ルミネッセンス)などで構成された、平板状の表示器である。本実施形態の表示手段6は、ユーザがオーブンレンジの正面側に位置したときに見やすいように、扉2の一側である右側の上方寄りに、操作手段7よりも高い位置に配設される。
【0013】
操作手段7は、メニュー選択領域A1内に上下左右に並べて配置されるメニュー選択用ボタンB1~B6と、メニュー選択領域A1の下に上下に並べて配置される「あたためスタート」のボタンB7および「とりけし」のボタンB8と、により構成される。メニュー選択領域A1内のメニュー選択用ボタンB1~B6は、調理メニューを選択する際に選択操作されるものであり、これらのメニュー選択用のボタンB1~B6は押動操作ボタンで構成され、押動操作することによりそのメニュー選択用のボタンが選択される。具体的に調理メニューの選択の説明をすると、例えば「レンジ」のメニュー選択用ボタンB1を押動操作するとレンジ加熱が選択され、図2に示されるように、表示手段6にレンジ加熱用の設定である調理時間やレンジの出力ワット数が表示される。このとき、「レンジ」のメニュー選択用ボタンB1をさらに押動操作するたびに、レンジの出力ワット数の表示が変更されるため、ユーザは「レンジ」のメニュー選択用ボタンB1の操作により、所望のレンジの出力ワット数に設定する。なお他のメニュー選択用ボタンである、「オーブン」のメニュー選択用ボタンB2、「スチーム」のメニュー選択用ボタンB3、「のみもの」のメニュー選択用ボタンB4、「解凍」のメニュー選択用ボタンB5および「ゆで野菜」のメニュー選択用ボタンB6も、同様の操作をすることにより、対応する調理メニューの選択をすることができる。
【0014】
「あたためスタート」のボタンB7は、押圧部B7-1と、押圧部B7-1の周囲に回転可能に配設される回転部B7-2と、により構成される。押圧部B7-1は、現在、表示手段6に表示された設定で調理を開始するときに押動操作されるものであり、例えば図2の場合に押圧部B7-1を押動操作すると、本体1が、出力ワット数が「1000W」、調理時間が「6分00秒」の設定で「レンジ加熱」する。また回転部B7-2は、レンジ加熱時の調理時間や、オーブン加熱時の設定温度など、調理時間や設定温度などを設定するときに操作されるものであり、例えば図2に示されるレンジ加熱時の調理時間を設定するときは、時計回り方向に回転部B7-2を回転操作させると、表示手段6の調理時間の表示が増加するように表示され、その一方で反時計回り方向に回転部B7-2を回転操作させると、表示手段6の調理時間の表示が減少するように表示される。また本実施形態では、表示手段6に複数の調理メニューが表示されているときに、回転部B7-2を回転操作させて調理メニューを選択できるようにも構成される。
【0015】
「とりけし」のボタンB8は、途中で調理を中止するときや、設定やボタン操作を間違えたときに押動操作されるものであり、例えば加熱調理中に「とりけし」のボタンB8を押動操作すると、現在進行している加熱調理を中止し、調理や設定などが行なわれていない切状態になる。
【0016】
図4(A)は、メニュー選択領域A1の斜視図、図4(B)は図4(A)のA-A断面図、図4(C)は図4(A)のB-B断面図を示している。これらの図面を参照して、メニュー選択領域A1の構成を説明すると、12は、それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6の背後に配置されるように操作パネルPC板に設けられた、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光体であり、本実施形態のメニュー選択領域A1ではメニュー選択用ボタンB1~B6にそれぞれ対応して、6つ設けられている。そのため、それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6を独立して点灯/消灯させることができ、例えば選択されたメニュー選択用ボタンに対応した発光体12のみを点灯させ、他のメニュー選択用ボタンに対応した発光体12を消灯させることなどをすることにより、メニュー選択用ボタンB1~B6の操作時に、メニュー選択用ボタンB1~B6の動作をユーザに分かりやすくしている。なお発光体12としてLED以外の光源を採用してもよく、また発光体12の光の色も特に限定されない。
【0017】
それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6は、それぞれが前面視で矩形状を有する前面が平坦な押動操作ボタンであり、それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6は、透明板13、拡散板14、保持部15およびスイッチ16と、を備えて構成され、透明板13、拡散板14および保持部15は、それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6で同形状のものであり、またスイッチ16は、メニュー選択用ボタンB1~B6で同一のものである。そのため本実施形態のメニュー選択用ボタンB1~B6は、同一構成のメニュー選択用ボタンが複数である6つ存在し、それぞれが独立して形成され、6つのメニュー選択用ボタンが上下2段、左右3列に平行に並べて配置される。そして文字シート10が、それぞれのメニュー選択用ボタンB1~B6の透明板13の表面を全て被覆している。なお本発明では、メニュー選択用ボタンB1~B6の数や形状は、前述のものに限定されない。
【0018】
透明板13は、メニュー選択用ボタンB1~B6の前面部に配置されて押動操作される押圧部としての機能を有しており、透光性を有する樹脂で形成され、本実施形態では透明な樹脂で形成されている。そのため発光体12からの光は、透明板13と、文字シート10の後述する印刷部D1~D6およびD8と、を透過して、メニュー選択用ボタンB1~B6の外に放射される。透明板13は、前面および後面が平坦な略逆四角錐台形状を有する透明板本体13aと、透明板本体13aの前部外周に設けられるフランジ部13bとを有しており、フランジ部13bを拡散板14の後述する拡散板本体14cの出光部14bに設置することにより透明板13が拡散板14に保持される構成となっている。
【0019】
拡散板14は、発光体12から放射された光を透明板13に導く導光空間を形成するものであり、この拡散板14は略逆四角錐台形状を有して、発光体12側の開口した入光部14aから発光体12側の開口した出光部14bに向けて徐々に内周および外周が拡大する拡散板本体14cと、拡散板本体14cの出光部14b外周に設けられるフランジ部14dとを有しており、フランジ部14dを保持部15に設置することにより拡散板14を保持部15に保持する構成となっている。そのため拡散板14は、入光部14aから入って出光部14b側に照射された光がそのまま出光部14b側に導かれ、入光部14aから入って拡散板本体14cの側方に照射された光が拡散板本体14c内面で反射、拡散されて出光部14b側に導かれる。また透明板13を保持部15に設置したとき、透明板13が拡散板本体14cおよびフランジ部14dにちょうど嵌入されるように、拡散板本体14cおよびフランジ部14dの内面が透明板13の側部の外形と略同一形状に形成され、また透明板13を保持部15に設置したときにフランジ部14dの前端が透明板本体13aの前面と面一になるように形成される。したがって拡散板14は、透明板13の位置決め部としての機能を有している。
【0020】
本実施形態の拡散板14の色は白色であり、発光体12から照射された光の反射効率や拡散効率を上げると共に、この光が拡散板14で反射することにより、拡散板14自体の色がこの光の色に影響を及ぼすことを抑制している。なお本発明はこれに限定されることはなく、少なくとも拡散板14の拡散板本体14cの内面が白色であればよい。または拡散板14の色は黒以外の明るい色であればよく、例えば発光体12からの光が、例えば赤色の場合は拡散板14に赤系統の色を採用するなど、発光体12からの光に合わせて拡散板14の色を選択してもよい。
【0021】
保持部15は、拡散板14を所定の位置に弾力的に保持するものである。本実施形態の保持部15は、拡散板14の出光部14bの外周と略同一形状の孔15aと、四角枠状の保持部本体15bとを有して形成されており、拡散板本体14cを孔15aに挿通させて、フランジ部14dを保持部本体15bに設置することにより拡散板14が保持部15に保持される構成となっている。したがって保持部15は、拡散板14の位置決め部としての機能を有しており、本実施形態では、上下2段、左右3列に平行に並べて配置された矩形状であるメニュー選択用ボタンB1~B6の、上段のメニュー選択用ボタンB1~B3の上辺および下辺、下段のメニュー選択用ボタンB4~B6の上辺および下辺がそれぞれ略一直線になるように配置され、また左列のメニュー選択用ボタンB1およびB4、中列のメニュー選択用ボタンB2およびB5、右列のメニュー選択用ボタンB3およびB6の左辺および右辺がそれぞれ略一直線になるように配置される。
【0022】
図5は文字シート10を取外したメニュー選択領域A1の正面図、図6図5における領域Cを示している。これらの図を参照して説明すると、ホルダー部9Aと保持部15とは、腕部17により接続されており、この腕部17は、例えばプラスチック樹脂などの弾性的な材料により形成されて、ホルダー部9Aに対して保持部15を弾力的に保持している。そのため、透明板13が押動操作されて、腕部17が弾性的に変化し、押動操作されたメニュー選択用ボタンB1~B6、すなわち透明板13、拡散板14および保持部15が後方に移動しても、押動操作が解除されると、腕部17が元の形状に弾性的に戻り、透明板13、拡散板14および保持部15が元の位置に保持される。したがって、腕部17が接続されるホルダー部9Aは、押動操作ボタンであるメニュー選択用ボタンB1~B6を取付けるホルダーとしての機能も有している。なお本実施形態のホルダー部9Aは拡散板14の色と異なる色としてもよく、拡散板14とホルダー部9Aとを別体にして拡散板14をホルダー部9Aに取付ける構成にすることにより、ホルダー部9Aの色を気にせずに拡散板14を作成することができ、前述のように拡散板14の色を白色にすることで発光体12から照射された光の反射効率や拡散効率を上げると共に、この光の拡散板14での反射により拡散板14自体の色がこの光の色に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0023】
また図5および図6に示されるように、腕部17は、メニュー選択用ボタンB1~B6のそれぞれの保持部15の保持部本体15bの下部中央に接続されており、これら6つの腕部17の形状も略同一に形成されている。そのため、腕部17がメニュー選択用ボタンB1~B6に対して配設される位置は、全てのメニュー選択用ボタンB1~B6において同一であり、メニュー選択用ボタンB1~B6の押圧時に必要な力を共通させることができ、すべてのメニュー選択用ボタンB1~B6において、腕部17とスイッチ16との距離や、透明板13、拡散板14、保持部15の形状や、スイッチ16を同一にすることにより、これらのメニュー選択用ボタンB1~B6で共通の押し感が得られるようにしている。なお腕部17を形成する材料は、保持部15やホルダー部9Aと同一のものであってもよく、またホルダー部9A、保持部15および腕部17を一体的に形成してもよい。
【0024】
スイッチ16は操作パネルPC板8に搭載されており、前述のようにすべてのメニュー選択用ボタンB1~B6のスイッチ16が同一のもので、メニュー選択用ボタンB1~B6の押動操作によりオン/オフを切替えるように構成される。本実施形態のスイッチ16は、例えばタクトスイッチ(登録商標)などの、プッシュ操作時のみONするモーメンタリー式のタクタイルスイッチを採用しており、メニュー選択用ボタンB1~B6が押圧されると、透明板13ごと拡散板14および保持部15が後方に移動し、保持部15の保持部本体15bの後部がスイッチ16のプッシュ板16aを押し込むことによりスイッチ16がオンになり、押動操作が解除されて透明板13、拡散板14および保持部15が元の位置に戻ると、スイッチ16のプッシュ板16aの位置も元に戻ることによりスイッチ16がオフになる。そして前述のように、透明板13、拡散板14、保持部15およびスイッチ16でメニュー選択用ボタンB1~B6が主に構成されるため、スイッチ16は透明板13と一対を成している。なお本発明はこれに限定されず、スイッチ16にタクタイルスイッチ以外のスイッチを使用してもよい。
【0025】
図7(A)はメニュー選択領域A1におけるホルダー部9Aの正面図、図7(B)は操作パネルPC板8を取付けたホルダー部9Aの正面図を示している。これらの図を参照して説明すると、操作パネルPC板8において、それぞれのスイッチ16は発光体12の側方に配設され、ホルダー部9Aに操作パネルPC板8を取付けたときに、スイッチ16のプッシュ板16aの位置が保持部15の保持部本体15bの後方になるように設計されている。ここで、保持部本体15bと腕部17とが接続されている保持部本体15bの下部中央近傍は、前述の押動操作時に前後の移動がほとんどないため、スイッチ16のプッシュ板16aの位置がこの下部中央近傍にある場合、保持部本体15bの後部がスイッチ16のプッシュ板16aを押し込むことが困難である。したがって本実施形態では、腕部17と接続されている箇所である保持部本体15bの下部中央近傍の後方にはスイッチ16を配設しないように設計されている。
【0026】
またメニュー選択用ボタンB1,B2,B4およびB5のスイッチ16は発光体12の右側に配設される一方で、メニュー選択用ボタンB3およびB6のスイッチ16は発光体12の左側に配設されている。そのため、スイッチ16の位置を操作パネルPC板8の中央側に寄せて配置することができ、スイッチ16同士を近い距離で配設し、すなわち操作パネルPC板8におけるスイッチ16の配置スペースを少なくして配線の長さを減少させることができる。
【0027】
なお本実施形態では、保持部本体15bは左右対称の形状であり、保持部本体15bにおいて保持部本体15bの腕部17と接続されている箇所からスイッチ16のプッシュ板16aと接触する箇所までの長さが略同一になるように設計されている。したがって本実施形態では、これらの長さが略同一であれば、複数のメニュー選択用ボタンB1~B6の保持部15に対するスイッチ16の配設される位置、すなわち保持部15に位置決めされた透明板13に対するスイッチ16の配設される位置が異なってもよく、例えば本実施形態では、メニュー選択用ボタンB1,B2,B4およびB5のものと、メニュー選択用ボタンB3およびB6のものとで異なっている一方で、保持部本体15bの腕部17と接続されている箇所からスイッチ16のプッシュ板16aと接触する箇所までの長さがすべてのメニュー選択用ボタンB1~B6で略同一であるため、これらのメニュー選択用ボタンB1~B6で共通の押し感が得られ、かつ前述のように、スイッチ16の位置を操作パネルPC板8の中央側に寄せて配置することができ、スイッチ16を操作パネルPC板8に配置する際の配置の自由度を高くすることができ、すなわち操作パネルPC板8の配置性を向上させることができる。
【0028】
図8は、文字シート10の正面図を示している。従来、操作キー同士を隣接させて距離を近くすると、操作ボタンとドアとの間の凹凸のため、操作キー同士の間にゴミや汚れなどが入り込んだ場合に、これらのゴミや汚れを容易に除去することができず、そのため操作キー同士をある程度離して配設する必要があり、設計に制限がかかってしまい、汎用性を高くすることができなかった。そこで本実施形態では、文字シート10で、表示手段6と「あたためスタート」のボタンB7との場所以外の、ホルダー部9Aの表面全体を1枚で被覆している。また文字シート10は、白抜き文字が印刷される印刷部D1,D2,D3,D4,D5,D6およびD8や、後方から照射されたLEDの光を透過するLED光透過窓21を有している。したがって、文字シート10をホルダー部9Aに被覆することで操作パネル部5の表面全体の被覆をほぼ完了することができるため、操作パネル部5の部品点数を減少させて組立てを簡易化することができ、すなわち操作パネル部5の組立性を向上させることができる。また複数のメニュー選択用ボタンB1~B6が並べて配置されたメニュー選択領域A1の表面もフラットで溝が形成されないために汚れなどを容易に拭き取ることができ、簡単にお手入れをすることができ、清掃性が高いオーブンレンジにすることができる。
【0029】
印刷部D1~D6およびD8は、文字シート10におけるメニュー選択領域A1のメニュー選択用ボタンB1~B6や「とりけし」のボタンB8の位置に対応して設けられており、文字シート10がホルダー部9Aの表面を被覆したときに、メニュー選択用ボタンB1の表面に「レンジ」の印刷部D1が、メニュー選択用ボタンB2の表面に「オーブン」の印刷部D2が、メニュー選択用ボタンB3の表面に「スチーム」の印刷部D3が、メニュー選択用ボタンB4の表面に「のみもの」の印刷部D4が、メニュー選択用ボタンB5の表面に「解凍」の印刷部D5が、メニュー選択用ボタンB6の表面に「ゆで野菜」の印刷部D6が、「とりけし」のボタンB8の表面に「とりけし」の印刷部D8が、それぞれ配置され、「とりけし」のボタンB8後方のLED(図示せず)の前方にLED光透過窓21が配置されるように構成される。
【0030】
文字シート10では、例えば透明板13を透過した発光体12からの光やLEDからの光など、光が後方から照射されると、印刷部D1~D6およびD8やLED光透過窓21はその光の少なくとも一部を透過する一方で、その他の場所はその光を遮断する。そのためメニュー選択用ボタンB1~B6や「とりけし」のボタンB8で、これらの光により白抜き文字の印刷部D1~D6およびD8を光らせるように表示してユーザーフレンドリーにすることができ、例えば強調したいメニュー選択用ボタンB1~B6や「とりけし」のボタンB8の印刷部D1~D6およびD8を光らせるように表示し、他のボタンを消灯状態にすることにより、ユーザに見せたいボタンだけを強調することができる。ここで文字シート10の色は、表示手段6の消灯状態における色である暗転時の画面の色や、メニュー選択用ボタンB1~B6および「とりけし」のボタンB8の消灯状態における色と略同一の色(例えば、黒色)にすることが好ましく、表示手段6やボタンB1~B6およびB8の消灯状態のときは表示手段6の画面や印刷部D1~D8の表示の視認を難しくして、文字シート10との境目が存在しないような外観にし、操作パネル部5の外観をシンプルにすることができる。
【0031】
以上のように本実施形態の調理器としてのオーブンレンジでは、複数の押動操作ボタンとしてのメニュー選択用ボタンB1~B6と、シート体としての文字シート10と、メニュー選択用ボタンB1~B6に対応する複数の発光体12と、を備え、メニュー選択用ボタンB1~B6は、押動操作される押圧部としての透明板13と、発光体12の光を拡散する拡散部としての拡散板14と、を有し、透明板13は発光体12からの光の少なくとも一部を透過し、文字シート10が複数のメニュー選択用ボタンB1~B6の透明板13を被覆する構成としている。
【0032】
この場合、複数のメニュー選択用ボタンB1~B6が並べて配置されたメニュー選択領域A1の場所でも、フラットで溝が形成されないために汚れなどを容易に拭き取ることができ、簡単にお手入れをすることができるため清掃性があるオーブンレンジにすることができる。
【0033】
また本実施形態のオーブンレンジでは、メニュー選択用ボタンB1~B6を取付けるホルダーとしてのカバー9を備え、拡散板14がホルダー部9Aの色と異なる色である構成としており、拡散板14とホルダー部9Aとを別体にすることにより、ホルダー部9Aの色を気にせずに拡散板14を作成することができる。
【0034】
また本実施形態の拡散板14は白色であり、発光体12から照射された光の反射効率や拡散効率を上げると共に、この光の拡散板14での反射により拡散板14自体の色がこの光の色に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0035】
また本実施形態のオーブンレンジでは、透明板13を押圧しているときにオン、押圧されていないときにオフとなり、透明板13の押動操作によりオン/オフを切替える複数のスイッチ16を備え、スイッチ16は透明板13と一対を成し、複数のメニュー選択用ボタンB1~B6のうち少なくとも1つであるメニュー選択用ボタンB3およびB6は、透明板13に対するスイッチ16の配設される位置が、他の前記押動操作ボタンであるメニュー選択用ボタンB1,B2,B4およびB5と異なる構成としている。そのため、スイッチ16の位置を操作パネルPC板8の中央側に寄せて配置することができ、操作パネルPC板8の配置性を向上させることができる。
【0036】
また本実施形態のオーブンレンジでは、複数のメニュー選択用ボタンB1~B6が、それぞれ接続部としての腕部17によりカバー9に接続され、腕部17がメニュー選択用ボタンB1~B6に対して配設される位置は、すべてのメニュー選択用ボタンB1~B6において同一である構成としており、メニュー選択用ボタンB1~B6の押圧時に必要な力を共通させることができ、すべてのメニュー選択用ボタンB1~B6で共通の押し感を得ることができる。
【0037】
図9は本実施形態のオーブンレンジの変形例を示している。本変形例では、メニュー選択用ボタンB1~B6ごとに腕部17の位置を変更している。
【0038】
図9は、本変形例のメニュー選択領域A1におけるホルダー部9Aの部分拡大図を示している。同図を参照して説明すると、ホルダー部9Aで左右に3つ並べられたメニュー選択用ボタンB1~B3において、一番左側に配置されるメニュー選択用ボタンB1の保持部15は、腕部17が保持部本体15bの右部中央に接続される。また一番右側に配置されるメニュー選択用ボタンB1の保持部15は、腕部17が保持部本体15bの左部中央に接続され、中央に配置されるメニュー選択用ボタンB2の保持部15は、本実施形態と同様に、腕部17が保持部本体15bの右部中央に接続されている。そのため、メニュー選択用ボタンB1~B3で押し感の変化をつけることができ、例えばオーブンレンジの機種に合わせてメニュー選択用ボタンB1~B3の押し感を変更することができるようにしている。ここで前述のように、腕部17と接続されている保持部本体15bの箇所の後方にはスイッチ16を配設しないように設計されるため、複数のメニュー選択用ボタンB1~B3のそれぞれは、透明板13に対するスイッチ16の配設される位置が、それぞれの他のメニュー選択用ボタンB1~B3と異なる構成となる。そのため保持部本体15bにおいて保持部本体15bの腕部17と接続されている箇所からスイッチ16のプッシュ板16aと接触する箇所までの長さも異なる構成の場合もあり、メニュー選択用ボタンB1~B3の押し感をさらに変更することができる。なお腕部17の位置は、保持部本体15bの上下左右の枠部の他にも、保持部本体15bの四隅の角部に接続してメニュー選択用ボタンB1~B3の押し感を変更するように構成してもよく、または腕部17の幅や厚さなどをメニュー選択用ボタンB1~B6ごとに変更して、メニュー選択用ボタンB1~B6で押し感の変化をつけるように構成してもよい。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態ではオーブンレンジを例にして説明したが、本発明を炊飯器などの他の調理器に適用してもよい。また調理器の仕様が変更になった場合など、メニュー選択用ボタンB1~B6や「とりけし」のボタンB8の印刷部D1~D6およびD8の表示を変更する場合は、文字シート10を交換することにより印刷部D1~D6およびD8のすべてを変更することができ、容易にメニュー選択用ボタンB1~B6や「とりけし」のボタンB8の表面の印刷を変更することができるため、手間を省略することができ、さらに清掃性が高いオーブンレンジにすることができる。そして本実施形態の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。また本実施形態で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、調理器の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【符号の説明】
【0040】
9A ホルダー部(ホルダー)
10 文字シート(シート体)
12 発光体
13 透明板(押圧部)
14 拡散板(拡散部)
16 スイッチ
17 腕部(接続部)
B1,B2,B3,B4,B5,B6 メニュー選択用ボタン(押動操作ボタン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9