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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073866
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】トラック用スタンション
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/20 20060101AFI20230519BHJP
   E04G 1/24 20060101ALI20230519BHJP
   E06C 1/39 20060101ALI20230519BHJP
   E04G 1/34 20060101ALI20230519BHJP
   E04G 5/14 20060101ALI20230519BHJP
   A62B 35/00 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
E06C1/20
E04G1/24 301A
E06C1/39 A
E04G1/34 A
E04G5/14 301G
A62B35/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186599
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】595099317
【氏名又は名称】株式会社トーテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】浅井 克則
【テーマコード(参考)】
2E003
2E044
2E184
【Fターム(参考)】
2E003CA01
2E044AA06
2E044BA06
2E044BB09
2E044BC03
2E044BC09
2E044CA01
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA01
2E044DB01
2E044DC01
2E044EC04
2E044EE13
2E184KA04
2E184KA11
2E184LA03
(57)【要約】
【課題】使用時にはトラックの車輪に容易に固定して使用可能であり、なおかつ、荷台への昇降機能としての梯子を一体に有し、未使用時には、装置を構成する部品が分散することなく、一体にコンパクトに折り畳め、収納場所を大きく確保する必要がないトラック用スタンションを提供すること。
【解決手段】地面や床面などの設置面に載置する基台と、上部に作業者が足をとどめておくための天板を有する支持枠と、下部側が上部側よりも枠から離間するように下部側は傾斜した状態で基台に固定・支持する階段枠と、階段枠に対して少なくとも一方側の側面部分に取付けた手摺と、を備えたトラック用スタンションであって、支持枠は基台に折畳可能な状態で基台に立設され、階段枠は下端部が基台から取外可能な状態に取り付けられ、手摺は階段枠に折畳可能な状態で取り付けられ、基台はトラックの車輪を前後で挟み付けて基台を固定させるために一対の支持脚を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面や床面などの設置面に載置する基台と、
上部に作業者が足をとどめておくための天板を有する支持枠と、
前記下部側が前記上部側よりも前記枠から離間するように、前記下部側は傾斜した状態で前記基台に固定・支持する階段枠と、
前記階段枠に対して少なくとも一方側の側面部分に取付けた手摺と、
を備えた作業用スタンションであって、
前記支持枠は、前記基台に折り畳可能な状態で前記基台に立設され、
前記階段枠は、下端部が前記基台から取外し可能な状態に取り付けられ、
前記手摺は、前記階段枠に折り畳み可能な状態で取り付けられ、
前記基台は、トラックの車輪を前後で挟み付けて前記基台を固定させるために一対の支持脚を備えている、
ことを特徴とするトラック用スタンション。
【請求項2】
前記支持脚は、トラックの車輪の大きさに合わせ、少なくともいずれか一方が、他方との間の間隔を変更可能となるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のトラック用スタンション。
【請求項3】
前記支持枠は、
前記基台の一端部側に立設する下部支持枠と、
前記下部支持枠の上端部に一体に設けられ、前記下部支持枠に対して180度折り返すことで折り畳み可能な上部支持枠と、
を備えている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトラック用スタンション。
【請求項4】
前記基台及び前記階段枠は、互いに前記下部支持枠に対して閉じ合わせるように折り込むことで一体に折り畳み可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のトラック用スタンション。
【請求項5】
前記手摺は、前記階段枠に対して折り畳み可能な下部手摺と、前記上部支持枠に対して折り畳み可能な上部手摺と、で構成されているとともに、
前記下部手摺及び上部手摺は、接合具で取外し可能に接合されている
請求項3又は4に記載のトラック用スタンション。
【請求項6】
前記下部支持枠は、この下部側において、前記階段枠と対面する表面側とは反対の裏面側に一対のキャスタを備えるとともに、
前記上部支持枠には、この上部支持枠の上端に着脱可能な延長支柱を備え、かつ、
前記延長支柱は、前記上部支持枠から取外した後、前記下部支持枠に掛け止めて一体に収めることが可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のトラック用スタンション。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの車両の荷台などの高所で貨物の荷積みや荷降ろし作業を行う作業者の落下事故を防止することができるトラック用スタンションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックの荷台において貨物の荷積みや荷降ろし作業を行う作業者は、荷台から足を踏み外したり、足を滑らせたり又は積載している貨物に足を取られたりして荷台から転落する事故が発生するおそれがある。特に大型トラックの荷台に積載した貨物上での作業を行う場合は、作業者は地上から2m以上の高さの高所作業を強いられることになる。
【0003】
そこで、荷台からの転落事故を未然に防止するために、トラックの荷台の側壁板(アオリ)に、親綱架設装置を2個設置し、親綱架設装置の支柱上部の綱取付部材に親綱を略水平に張り渡し、作業者の命綱を親綱に係止した状態で、トラックの荷台上での積載物の積下ろし作業を行う親綱架設装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、トラックの車輪が乗せられる基台と、基台上に垂直に取り付けられた支柱とを備え、支柱は、トラックの荷台より高い長さを有し、支柱上部の親綱取り付け環に、親綱を略水平に張り渡して取り付けるトラック用親綱張設具が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-61192号
【特許文献2】特開2015-70980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の親綱架設装置は、トラックの荷台の側壁板に着脱するという手間がかかる。また、特許文献2のトラック用親綱張設具は、基台の上部にトラックの車輪を正確に載置しなければならない。
【0007】
さらに、特許文献1及び特許文献2では、トラックの荷台に作業者が昇降するための昇降機能は有しておらず、作業者はトラックの荷台に昇降するために、別途梯子や階段等の昇降装置が必要となる。また、未使用時には、取りはずした部品が分散しないようにまとめて保管する必要がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、使用時にはトラックの車輪に容易に固定して使用可能であり、なおかつ、荷台への昇降機能としての梯子を一体に有し、未使用時には、装置を構成する部品が分散することなく、一体にコンパクトに折り畳め、収納場所を大きく確保する必要がないトラック用スタンションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るトラック用スタンションは、地面や床面などの設置面に載置する基台と、
上部に作業者が足をとどめておくための天板を有する支持枠と、前記下部側が前記上部側よりも前記枠から離間するように、前記下部側は傾斜した状態で前記基台に固定・支持する階段枠と、前記階段枠に対して少なくとも一方側の側面部分に取付けた手摺と、を備えた作業用スタンションであって、前記支持枠は、前記基台に折り畳可能な状態で前記基台に立設され、前記階段枠は、下端部が前記基台から取外し可能な状態に取り付けられ、前記手摺は、前記階段枠に折り畳み可能な状態で取り付けられ、前記基台は、トラックの車輪を前後で挟み付けて前記基台を固定させるために一対の支持脚を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
これにより、普段使用しないときの収納場所を大きく確保する必要がなく、また、運搬時にもコンパクトにまとめて搬送することができるようになる。また、使用時には、トラックの車輪等を利用して容易に安定した固定が可能である。さらに、荷台への昇降機能としての梯子を構成する階段枠を備えており、昇り降りが容易でかつ安全に行える。
【0011】
また、本発明に係るトラック用スタンションは、前記支持脚は、トラックの車輪の大きさに合わせ、少なくともいずれか一方が、他方との間の間隔を変更可能となるように構成されているものである。
【0012】
従って、このような構成により、車輪のサイズが異なるトラックであっても、車輪に容易、かつ、確実に固定することができるようになる。
【0013】
また、本発明に係るトラック用スタンションは、前記支持枠は、前記基台の一端部側に立設する下部支持枠と、前記下部支持枠の上端部に一体に設けられ、前記下部支持枠に対して180度折り返すことで折り畳み可能な上部支持枠と、を備えているものである。
【0014】
従って、このような構成により、背高構造のスタンションであっても、折返して半分の高さ(長さ)に畳めるので、その半分の高さのものと略同じような大きさにまとめることができ、便宜である。
【0015】
また、本発明に係るトラック用スタンションは、前記基台及び前記階段枠は、互いに前記下部支持枠に対して閉じ合わせるように折り込むことで一体に折り畳み可能に構成されているものである。
【0016】
従って、このような構成により、背高構造のスタンションに適用した階段枠を設けた構造のもの対して、折り畳み可能な階段枠を設けることができる。
【0017】
また、本発明に係るトラック用スタンションは、前記手摺は、前記階段枠に対して折り畳み可能な下部手摺と、前記上部支持枠に対して折り畳み可能な上部手摺と、で構成されているとともに、前記下部手摺及び上部手摺は、接合具で取外し可能に接合されているものである。
【0018】
従って、このような構成により、背高構造のスタンションに適用した階段枠を設けた構造のもの対しても、折り畳み可能な手摺を設けることができる。
【0019】
また、本発明に係るトラック用スタンションは、前記下部支持枠は、この下部側において、前記階段枠と対面する表面側とは反対の裏面側に一対のキャスタを備えるとともに、前記上部支持枠には、この上部支持枠の上端に着脱可能な延長支柱を備え、かつ、前記延長支柱は、前記上部支持枠から取外した後、前記下部支持枠に掛け止めて一体に収めることが可能に構成されているものである。
【0020】
従って、キャスタを利用することで、折り畳んだ後の運搬が極めて容易であるとともに、大きな力を要することないので、運搬作業性の良好で、使い勝手のよいスタンションを実現できる。また、延長支柱を取り外した後、下部支持枠に掛け止めることができるので、分散して紛失する虞がなく、便宜である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、地面や床面などの設置面に載置する基台と、
上部に作業者が足をとどめておくための天板を有する支持枠と、前記下部側が前記上部側よりも前記枠から離間するように、前記下部側は傾斜した状態で前記基台に固定・支持する階段枠と、前記階段枠に対して少なくとも一方側の側面部分に取付けた手摺と、を備えた作業用スタンションであって、前記支持枠は、前記基台に折り畳可能な状態で前記基台に立設され、前記階段枠は、下端部が前記基台から取外し可能な状態に取り付けられ、前記手摺は、前記階段枠に折り畳み可能な状態で取り付けられ、前記基台は、トラックの車輪を前後で挟み付けて前記基台を固定させるために一対の支持脚を備えていることを特徴としている。
【0022】
従って、本発明によれば、普段使用しないときの収納場所を大きく確保する必要がなく、また、運搬時にもコンパクトにまとめて搬送することができるトラック用スタンションが提供できるので、トラックの荷台などにコンパクトに収納しておいて、必要時にどこでも移動して設置することが可能になる。
【0023】
しかも、本発明によれば、設置対象となるトラックに対して、その車輪を利用して確りと基台を固定保持することができるので、作業者が乗降りする時に揺動することがない。また、乗り降りの際などに作業者がこのスタンションの階段枠などに全体重をかけても倒れて怪我をするといった虞もなく、安全性の高いスタンションが提供できる。
【0024】
さらに、本発明によれば、荷台への昇降機能としての梯子となる階段枠を一体に有しており、昇り降りが容易でかつ安全に行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係るトラック用スタンションを示す斜視図である。
図2】(A)及び(B)は本発明の実施形態に係るトラック用スタンションを示す側面図及び背面図である。
図3】同トラック用スタンションを用いた安全架台としての使用態様を示す説明図である。
図4】同トラック用スタンションの分解斜視図である。
図5】(A)及び(B)は同トラック用スタンションの回動動作の様子を説明する斜視図である。
図6】(A)及び(B)は、下部支持枠の折返しのために用いる連結手段を示す正面図及び側面図である。
図7】(A)乃至(C)は、同トラック用スタンションの下部支持枠に対して上部支持枠を180度折り返すときの折曲手段での動きを説明する説明図である。
図8】本発明のトラック用スタンションの解体作業の手順を示すものであって、(A)は延長支柱を取外した状態、(B)はそれを下部支持枠に固定させたときの状態を示す背面図である。
図9】本発明のトラック用スタンションの折畳み作業の手順を示すものであって、(A)は上部手摺を折り返す前の状態、(B)は上部手摺を折り返した後の状態を示す説明図である。
図10】本発明のトラック用スタンションの折畳み作業の手順を示すものであって、下部手摺も折畳んだときの状態を示す説明図である。
図11】本発明のトラック用スタンションの折畳み作業の手順を示すものであって、(A)は上部支持体を折り返す前の状態を示す側面図、(B)は背面図である。
図12】は、本発明のトラック用スタンションの折畳み作業を示すものであって、下部支持枠に対して上部支持枠を180度回転させて下部支持枠に折り重ねたときの状態を示す側面図である。
図13】本発明のトラック用スタンションの折畳み作業の手順の後半を示すものであって、図12の状態からこのトラック用スタンションを背面方向に90度押し倒した後、基台を下部支持枠の上に折り畳んだときの状態を示す側面図である。
図14】本発明のトラック用スタンションの折畳み作業の完了した状態を示すものであって、(A)はその側面図、(B)はその反対側の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、地面や床面などの設置面に載置する基台と、上部に作業者が足をとどめておくための天板を有する支持枠と、前記下部側が前記上部側よりも前記枠から離間するように、前記下部側は傾斜した状態で前記基台に固定・支持する階段枠と、前記階段枠に対して少なくとも一方側の側面部分に取付けた手摺と、を備えた作業用スタンションであって、前記支持枠は、前記基台に折り畳可能な状態で前記基台に立設され、前記階段枠は、下端部が前記基台から取外し可能な状態に取り付けられ、前記手摺は、前記階段枠に折り畳み可能な状態で取り付けられ、前記基台は、トラックの車輪を前後で挟み付けて前記基台を固定させるために一対の支持脚を備えているものである。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
<実施形態>
図1は、本発明の好適な実施形態に係るトラック用スタンション1を示す斜視図、図2(A)及び(B)はその側面図及び正面図、図3はトラック用スタンション1をトラックTRに対して1対設置して作業者がトラックTRの荷台Lの上で荷物LAなどの積載或いは荷下ろしを行うときの状態を示す説明図である。
【0028】
本実施形態のトラック用スタンション1は、図1に示すように、基台2と、支持枠の一方を構成を構成する下部支持枠3と、トラックTRの荷台Lへの昇降手段である梯子として機能する階段枠4と、支持枠の他方を構成する上部支持枠5と、手摺6と、延長支柱7と、を備えている。
【0029】
(構成の説明)
[基台の構成]
基台2は、地面などの設置面に載置するものである。本実施形態の基台2では、図1及び図4に示すように、平面視で略ロ字形の基台フレーム21と、外部に向けて略ハの字形に拡開した配置で基台フレーム21に取り付けた一対の支持脚22と、を備えている。
【0030】
基台フレーム21は、正面板21A,21B及び側面板21C,21Dからなり、この基台フレーム21の一方の側面板21Cの部分には支持脚22A,22Bが設けられている。
【0031】
正面板21A及び正面板21Bは、それぞれ、平板状のものから構成されている。正面板21Aは、側面板21C及び側面板21Dの階段枠4に近い端部寄りの部分(以下、これを「前部」とよぶことがある)において、後述する縦板部に一体に固着されている。
一方、正面板21Bは、側面板21C及び側面板21Dの下部支持枠3に近い端部寄りの部分(以下、これを「奥部」とよぶことがある)において、後述する縦板部に一体に固着されている。
【0032】
一方、側面板21C及び側面板21Dは、何れも、縦板部及び横板部からなる断面略L形状を有しており、それぞれ単独でも、地面や床面に対して自立状態で起立できるような構成となっているが、上述の正面板21A及び正面板21Bをこれらの間に取付けているので、平面方向に広がりを有する分、地面や床面に対して一層安定状態を維持することができる。
【0033】
この一対の支持脚22A,22Bのうちの一方の支持脚22Aは、側面板21Aと一体に形成されている。他方の支持脚22Bは、ボルトとナットとで側面板21Cに対し一体に固定されており、取外しが可能な状態となっている。支持脚22A及び支持脚22Bは、前述したように、互いに外方に向けて拡開するような形状に設けられているので、トラック用スタンション1の安定性が向上し、前後方向及び左右方向の揺れを抑えることが可能となる。なお、支持脚22Aについても、側面板21Cに対してボルトとナットで螺着するようにしてもよい。
【0034】
本実施形態の支持脚22Aは、縦板部221A及び横板部222Aからなる断面略L字型の形状を有しており、特に横板部222Aの形状を拡大させることで、より一層、トラック用スタンション1の安定性が向上し、前後方向及び左右方向の揺れを抑えることが可能となる。
【0035】
一方、支持脚22Bも、同様に、縦板部221B及び横板部222Bからなる断面略L字型の形状を有しており、横板部222Bの形状を拡大させることで、より一層、トラック用スタンション1の安定性が向上する。
【0036】
また、特に、本実施形態の支持脚22Bは、図4に示すように、側面板21C及び縦板部221Bには長孔SLTが形成されている。従って、これらをボルト413及びナット414で組み付ける際に、側面板21Cに対して縦板部221Bの取付け位置を調整することで、支持脚22A及び支持脚22Bの間隔をトラックの車輪サイズに応じて自在に調整することができる。
【0037】
即ち、このような支持脚間の間隔を調整することで、図3に示すように、これらの支持脚間で挟持するトラックTRなどの車輪Tの各種のサイズに対応可能となっている。本実施形態では、例えば、本実施形態のトラック用スタンション1を確りと安定的に固定保持するため、車輪T1及びT3をそれぞれこれらの支持脚22A及び支持脚22Bで挟み込むことで、車輪に一体に固定させることができるようになっている。
【0038】
[下部支持枠の構成]
下部支持枠3は、基台2の奥部側の端面に直立状態で固定させて立設させるものであって、完全に折り畳んだ状態のときには、例えば図14に示すように、後述するキャスタ33を付設してあることで、収納した状態での移動が容易に行えるようになっている。
【0039】
本実施形態の下部支持枠3は、平面視で略H型のフレーム31と、このフレーム31の下部に左右一対取付ける固定板32と、これらの固定板32に螺着して取付けたキャスタ33と、フレーム31の上部に設けた折り畳み自在の天板34と、取りはずした延長支柱7を固定支持するクランプ35及びリング部36と、を備えている。
【0040】
フレーム31は、左右一対設けた断面略丸型の縦棒31Aと、これらの縦棒31Aの間をつなぐために左右の縦棒31A間の上部及び下部に設けた横板31Bと、を備えている。
【0041】
左右一対の縦棒31Aは、図4に示すように、それぞれ、断面略L字型の取付片311を下端部側に溶着などで固設させている。そして、この左右一対の縦棒31Aは、この取付片311に設けたねじ孔と、基台2側の側面板21C及び側面板21Dに設けたねじ孔との間を、ボルト312とナット313で多少遊びを持たせた状態に締め付けることで、側面板21C及び側面板21Dに対してボルト312を枢軸にして回動可能な状態に取付けられている。別言すれば、側面板21Cが一部を構成している基台2は、この縦棒31Aが一部を構成している下部支持枠3に向けて90度折曲させることで、基台2及び下部支持枠3は、フルフラットなコンパクトな状態にまとめあげることが可能となっている。
【0042】
固定板32は、左右一対のものからなり、それぞれ、プレート状のものから構成されており、各縦棒31Aと、横板31Bと、正面板21Aとの3体に対して固定されている。本実施形態の固定板32は、略五角形の金属製のプレート板から構成されており、このうちの2辺が横棒31A及び横板31Bにそれぞれ溶着されているとともに、他の一辺部分が正面板21Aに螺着されることで、基台2及び下部支持枠3に対して3辺が確りと固定されている。
【0043】
この固定板32は、それぞれ、階段枠4と正対する表面部分とは反対側の裏面部分に、車輪33Aを回転自在に備えたキャスタ33のブラケット33Bを螺着させている。本実施形態のキャスタ33は、縦棒31Aの配設(Z)方向に対して平行なZ方向に沿って車輪33Aが回転する平付けプレートタイプのものを使用している。
【0044】
なお、この固定板32に取付けるキャスタ33としては、特に、この走行方向が固定している固定車タイプに限定されるものではなく、走行方向が旋回する自在車等であってもよいが、トラック用スタンション1の全体をコンパクトに折り畳んだ状態で移動させる際の使い勝手や移動時の安定性、安全性などを考慮すると、固定車タイプの方が好ましい。
【0045】
天板34は、作業者がトラックTRなどの荷台Rへの荷物LAなどの積載あるいは荷下ろしなどを行う際の作業台となるものであり、或いはトラックTRなどの荷台Rへ乗降りする際のステップとなるものである。
【0046】
本実施形態の天板34は、地面や床面などに対して水平面(XY面)を維持するために、各縦棒31Aに固定された支持アーム34Aを介して支持されているとともに、さらに、階段枠4を介して基台フレーム21に固定されており、実質的に4つの角隅部分を確りと固定支持することにより、作業者の体重を確りと支える構成となっている。
【0047】
クランプ35は、上部側の横板31Bに溶着させたブラケット35Aなどに螺着されており、横断面が略C字形のものから構成されている。本実施形態のクランプ35は、断面略円形状の延長支柱7を確実に固定保持することができるような適宜材料、例えば多少の押し込み力で内側に入り込んで包持させ、同時に摩擦力などで滑落するのを防止することができるとともに、ある程度の引張力で抜き出すことができるような可撓性を有する材料などで形成されている。
【0048】
リング部36は、適宜の材用によって、延長支柱7が挿入可能な内径を有するリング状に形成されており、下部側の横板31Bに対して水平面(XY)方向に突出させた状態で一体に設けられている。
【0049】
[階段枠の構成]
階段枠4は、上端部側を下部支持枠3の天板34に着脱可能に取り付けるとともに、上部側よりも下部側が下部支持枠3から離間するように、下部側は下部支持枠3に対して傾斜した状態で基台2の前部側の端部に対して回動可能な状態で固定・支持するように構成されている。
【0050】
本実施形態の階段枠4は、上端部を下部支持枠3に対して折り畳可能な状態に取り付けている一方、下端部が上端部よりもフレーム31から離間するような状態で基台2に回動可能な状態で取り付けている。
【0051】
即ち、この階段枠4は、左右一対の縦枠41と、縦枠41に対して一定間隔を保持して複数個所に設けたこれらの縦枠41どうしを連結させる横枠42とを備えている。
【0052】
このうち、縦枠41は、この上端部と下部支持枠3側の天板34の前部角隅部との間をボルト411及びナット412で止付けているが、ボルトとナットとの締め付け状態に遊びを設けることで、回動状態(折り畳可能な状態)を確保しながら螺着させている。
【0053】
また、縦枠41は、この下端部と基台2側の側面板21Cとの間も、ボルト413及びナット414で止付けているが、ボルト413とナット414との締め付け状態に遊びを設けることで、階段枠4の下部側が基台2に対して回動状態(折り畳可能な状態)を確保させた状態で螺着させている。
【0054】
このような構成により、基台2、下部支持枠3、天板34、及び階段枠4は、パントグラフのような構成をなしているが、通常の使用状態のときには、基台2がしっかりと地面や床面に固定されており、かつ、基台2に対して下部支持枠3はキャスタ33によって後傾するのを阻止しているので、これら4体はこの形状を安定した状態で保持することができるようになっている。従って、天板34も、安定した状態で水平状態を保持することができるようになっている。
【0055】
[上部支持枠の構成]
上部支持枠5は、図1に示すように、左右一対からなる下部支持枠3の縦棒31Aの上端部に、後述する折曲手段8で折り畳可能に接合させた、左右一対の上部縦棒51Aと、この左右の上部縦棒51Aの間をつなぐ上部横板51Bとを有する。下部支持枠3と上部支持枠5との具体的な接合については、本実施形態では、図7に示すように、下部支持枠3の縦棒31Aの上端部に開口した接合孔31Cに上部支持枠5の下端部に設けた接合突起51Cを挿入・嵌合させることで一体に結合させている。
【0056】
上部縦棒51A及び上部横板51Bは、下部支持枠3の下部縦棒31A及び下部横板31Bと同様の構成のものを用いているので、その説明は省略する。
【0057】
折曲手段8は、図6に示すように、下部支持枠3に対して上部支持枠5を外側に向けて180度折り返すことを可能とするためのものであって、本実施形態では、下部支持枠3側に設けた長尺状のガイド部材81と、このガイド部材81のスライド孔81Aに係合するスライド兼回動軸82を軸装する、上部支持枠5に設けたブラケット83と、ガイド部材81に設けられたロック孔81B及びブラケット83側の一端側に設けたロック孔83Aと、普段、トラック用スタンション1を使用しているときにはブラケット83側の一端側に設けたロック孔83A及びガイド部材81側のロック孔81Bに同時に挿入させておくことで、下部支持枠3に対して上部支持枠5を一体に固定保持しておくロックバー84と、このロックバー84の先端側をロック孔83A及びロック孔81Bに挿入した状態を維持するためにロックバー84の基端側に設けた引張ばね85と、ガイド部材81の先端側の上面に形成した半円形状の突部81Cに設けたガイドピン86と、を備えている。
【0058】
このような構成の折曲手段8によれば、例えば図11及び図12に示すように、下部支持枠3に対して上部支持枠5を180度折り返して、下部支持枠3の背面に上部支持枠5を重ね合わせることができる。以下、この折返し作業について、図6及び図7を参照しながら、具体的に説明する。
1)ロックバー84をロック孔81B及びロック孔83Aから引き抜く。
2)これにより、上部支持枠5がフリーの状態になるので、上部支持枠5を持ち上げて引き上げるようしてに上方に移動させる。或いは、上部支持枠5をやや斜めに倒しながらブラケット83の外端面(図6では左端面)の上部がガイドピン86に衝突しないような姿勢で、斜め上方に持ち上げる。このようにして、ブラケット83がガイドピン86に衝突しないように、これを避けながらガイドピン86を通過させる。
3)その後、手で抱えていた上部支持枠5をさらに回動させていく。この際、ブラケット83はスライド兼回動軸82を回動中心として、かつ、ガイドピン86を回動支点として下方へ向けて回動させる。
4)このような手順で、上部支持枠5を180度回動させて逆様の状態とすると、ブラケット83の下部側の基部がロックピン86に上から係止した状態で固定保持される。
なお、以上のような動きについて、折曲手段8を基準として観察すると、図7に示すような動作が行われる。
【0059】
[手摺の構成]
手摺6は、階段枠4及び上部支持枠5に対して、左右両側部のうち少なくとも一方側の側部に折り畳可能に取付けた構成となっているが、本実施形態では、図1に示すように、正面視で階段枠4及び上部支持枠5に対して左側にのみ設置されている。
【0060】
本実施形態の手摺6は、下部手摺6Aと上部手摺6Bとから構成されている。このうち、下部手摺6Aは、階段枠4の左側の縦枠41に対して、その外側面の2か所に回動可能な状態で設けた支脚61と、この支脚61を介して回動可能な状態で取り付けた本体62と、で構成されている。
【0061】
1)下部手摺
本実施形態の下部手摺6Aは、上述したように、支脚61を介して本体62を階段枠4の左側の縦枠41の外側面に取付けるものである。本実施形態の支脚61は、左側の縦枠41の外側面の上部及び下部に設けた、上部が開放された断面略コ字型を有するソケット状の受け具63(図5参照)によって回動可能に設けられているが、支脚61の回動角度は一定範囲に規制されている。
【0062】
即ち、支脚61は、図1において時計回りの方向には、図10に示す状態のところまで(但し、同図では、反時計回りに回動させてほぼ最上部より若干左寄りのところまで)、回動させることを許容するようになっている。これにより、折り畳みの状態にすることができる。
【0063】
逆に、使用状態とするには、図10の折り畳み状態から図9の使用状態となるところまで、反時計回りに回動させることを許容するようになっている。これにより、本体62を縦枠41と平行な状態に傾斜させることができ、これが使用時での姿勢配置となる。
【0064】
さらに具体的に説明すると、手摺6の使用時には、下部手摺6Aが時計回りの方向には回動できない安定した状態とするように、図5に示す受け具63のストップ面63Aの下端で上から回動阻止となるように受け止める。このような構成にすることで、支脚61がこれ以上の下方への回動を阻止するようになっている。これにより、図9に示す状態で安定的に支脚61を保持することで、手摺6を用いて階段枠4の昇り降りが安全に行えるようになっている。
【0065】
一方、手摺6を使用しないときには、図1に示すように、上下一対の支脚61と本体62からなるパントグラフ的な機能を利用して、本体62を斜め上方に押し上げることで、階段枠4の縦枠41の外側面に沿わせるところまで、換言すれば、支脚61の移動動作が図5に示す受け具63のストップ面63Aでの内壁面に接触するところまで許容されており、手摺6の下部手摺6Aを容易に折り畳むことができるようになっている。
【0066】
下部手摺6Aの本体62には、図4に示すように、上端部に上部手摺6Bの後述する接合具6Dと一体に固定可能な接合用のノブ6Cが取り付けてある。このノブ6Cは、後述する上部手摺6Bの接合具6Dに対してねじ止めすることで、接合具6Dと一体的に接合可能となるように構成されており、折り畳み時にはこのノブ6Cを操作して接合具6Dから分離することができるようになっている。
2)上部手摺
本実施形態の上部手摺6Bは、同様に、支脚64と本体65とで構成されている。
【0067】
このうち、支脚64は、上部支持枠5の上部縦棒51Aに対して、折り畳み可能な状態で取り付けられている。即ち、この上部手摺6Bの支脚64は、上部支持枠5の縦棒51Aの上部側及び中央部側に設けた略四角筒状の取付具6Eによって起伏可能になっている。
【0068】
この取付具6Eは、筒状略四面体構造からなる4つの側面のうち、上下側の側面に支脚64が螺着されて一体に固定されているが、この上下一対の側面部分が、支脚64を水平面(XY面)方向に沿い一定角度の範囲で回動自在の状態に支持するような構造となっている。
【0069】
本実施形態の取付具6Eは、図4に示すように、この正面視において、上下左右の4側面のうち特に右側面部分が大きく切り欠いており、他の3面については右側面よりも手前側に突出している。このような構成により、上下側の側面で固定されている支脚64は、図1において、上部支持枠5に向けて折り畳めるようになっているが、使用には90度だけ水平方向に開いた状態まで回動させることで、縦棒51Aに対して直立状態で起立させることができるようになっている。
【0070】
さらに、このような構造の2本の支脚64には、これに差し渡すように本体65が確りと固定され一体化されている。この本体65は、下部側が図1に示すように、手前側に向けて折曲した形状となっており、その下端部には接合具6Dが取り付けられている。
【0071】
接合具6Dは、前述したように、使用時には下部手摺6Aと上部手摺6Bを一体に接合するとともに、収納運搬などの際にはこれら双方を分離させたのち、下部手摺6Aは上方へ押し込んで下部支持枠3の縦棒41の外面に沿わせる。一方、上部手摺6Bは、内側へ折り曲げることで、上部支持枠5の方へ沿わせて一体化させるようにすることで、上部支持枠5と重合(又は上部支持枠5に上から積層)可能になっている。
【0072】
本実施形態の接合具6Dは、図4に示すように、断面略コ字型を有する角筒形状に形成されたものを使用しており、上部手摺6Bの下端部に付設されている。即ち、この接合具6Dは、上下両端面が開口されているとともに、4側面のうちの一面が開口した形状を有している。
【0073】
この接合具6Dにより、上部手摺6Bに対して下部手摺6Aを接合一体化させ、手摺として使用する際には、例えば、上部支持枠5に対して上部手摺6Bが折り畳まれた状態から開いて起立させ、この開き動作後に、下部手摺6Aを階段枠4に沿って折り畳まれた状態から手前側に引き起こすことで、この動作に伴って下部手摺6Aの上端部を接合具6Dの内側下半分に挿入させて嵌合させる。即ち、下部手摺6Aを手前に向けて90度回動させて引き起こすと、上部手摺6Bの下端に設けた接合部6Dが開口状態で待ち構えているので、この開口部分へ下部手摺6Aの本体62の上端部が進入してきて接合具6Dの奥部まで入り込むこととなる。その結果、下部手摺6Aの本体62の上端部が接合部6Dの内面に突き当たり、接合具6Dにぴったりと嵌まり込むので、このままノブ6Cを用いて螺着することができる。
【0074】
このように、本実施形態の接合具6Dは、使用しない場合には、上部手摺6Bの本体65と一体となって取り付いているものであって、使用する際には下部手摺6Aの本体が挿入・嵌合されることで、上部手摺6Bと下部手摺6Aとが一体化される。なお、この接合具は、使用しないときには下部手摺側に取付いているものでもよい。
【0075】
なお、この下部手摺6Aの上部手摺6Bとの一体化の際には、ノブ6Cの先端側を下部手摺6Aに設けた図示外の貫通孔に挿通させ、その貫通孔から突出するノブ6Cの先端側の雄ねじ部分を接合具6Dのネジ孔に螺合させればよい。
【0076】
[延長支柱]
延長支柱7は、例えば図3に示すような使用の際に、連結手段9を用いて、上部支持枠5に対してその上側に接合一体化させるものであり、前述した下部支持枠3と上部支持枠5との接合と同様の構成のもので一体に接合させている。即ち、本実施形態の連結手段9は、延長支柱7側の挿通孔7Aと、上部支持枠5側の接合穴51Dと、ノブ71と、を備えている。
【0077】
このような構成により、本実施形態では、図4において、上部支持枠5の一部を構成する一対の各上部縦棒51Aのそれぞれの上端面に形成した接合穴51Dに対して、延長支柱7の下端側の接合突起7Cを挿入させた後、ノブ71の先端側を上部縦棒51Aの外側から挿通孔7Aに差し込んで捻じ込んでいくことで、上部支持枠5に対して延長支柱7を確りと固定させ接合させることができる。
【0078】
具体的には、上部支持枠5には上端側の外面に、雌ネジを切った固定部材51Eを溶接などで一体に固設させてある。従って、上部支持枠5の接合穴51Dに延長支柱7の接合突起7Cを挿入・嵌合させたのち、ノブ71の先端側の雄ネジ部分を固定部材51Eの雌ネジに螺合させるようにねじ込んでいき、このノブ71の延長支柱7の下端部分に設けた挿通孔7Aまで達するようにねじ込ませるようになっている。このようにして、延長支柱7を上部支持枠5にしっかりと固定することができる。
【0079】
また、この延長支柱7を接合させる上部支持枠5の上部外面には、延長支柱7を使用しないときに、延長支持7を上部支持枠5から取外して下部支持枠3に一体に固定・保持しておく際に、下部支持枠3に仮止めされた延長支柱7が支部支持枠3から脱落して紛失等するのを防止するため、上部支持枠5の上端部側に設けたロックピン52及びスナップピン53を用いている。
【0080】
即ち、この延長支柱7は、クランプ35及びリング部36によって上部支持枠5から取り外した後に下部支持枠3に仮止めした後、上部支持枠5を180度折り返した後で、上述したロックピン52を挿通孔7Aに挿通させてから、スナップピン53で抜け止めさせれば、万一、延長支柱7が下部支持枠3から抜け落ちても、このロックピン52及びスナップピン53で縛り付けた状態であるので、紛失防止を図ることができる。
【0081】
(折り畳み・分解方法)
以上説明したように、本実施形態に係るトラック用スタンション1は、以下のようにして、折り畳むことができる。
1)図1において、連結手段9を用いて、上部支持枠5から延長支柱7を取外す。このため、固定部材51からノブ71を緩めて取り外す。これにより、図4に示すように、延長支柱7が分離できる。その後、図8(B)に示すように、分離した延長支柱7を下部支持枠3のクランプ35及びリング部36によって、下部支持枠3に抱持させる。
2)その後、図9に示すように、上部手摺6Bを下部手摺6Aとの接続状態から解放させた後、図10に示すように、上部手摺6Bを上部支持枠5に向けて折りたたむとともに、下部手摺6Aを上方に回動させて階段枠4の縦枠41に沿わせる。
3)次に、図11及び図12に示すように、下部支持枠3に対して上部支持枠5を折りたたむ。
4)その後、図13に示すように、基台2を90度起こして起立させることで、下部支持枠3が90度倒れた状態となるので、起立状態にあったこの支部支持枠3側が水平配置の状態に変化して地面などに当接する。即ち、本実施形態では、車輪33Aと上部手摺6Bなどとが地面などに当接する状態となる。
5)次に、図13に示す基台2側のボルト312を回動中止として基台2をR1の方向に回動させ、下部支持枠3の上に折り畳む。
6)このようにして下部支持枠3の上に既に折り畳まれている基台2の上に、ボルト411を回動中心として、(下部手摺6Aを一体に折り畳んであった)階段枠4を、さらに折り畳んで重ね合わせることで、図14に示すように、コンパクトにまとめることができる。即ち、下から上に向かって順に、上部手摺6B、上部支持枠5、延長支柱7、下部支持枠3、基台2、階段枠4、下部手摺6Aのものを、都合7層に積層した状態でまとめ上げることができる。
【0082】
従って、本実施形態によれば、このような作業段階1)から6)の手順を踏むことで、換言すれば、簡単な作業を経て、トラック用スタンション1をコンパクトに折り畳むことができる。
(具体的な使用態様)
【0083】
次に、図3を参照しながら、本発明のトラック用スタンションの使用態様について、具体的に説明する。
本実施形態で使用するトラック用スタンションを用いた安全架台100については、既に説明した第1の実施形態のトラック用スタンション1をそのまま複数台使用するので、トラック用スタンション1についての詳細な説明は省略する。
【0084】
本実施形態トラック用スタンションでは、2台のものを使用しており、これらの安全架台100では、双方のトラック用スタンション1の延長支柱7の中間部に複数個所(ここでは2箇所)設けたフック部7Bどうしに安全ロープ10を確りと繋ぎ止めている。なお、これらトラック用スタンション1は、TRの前後のタイヤT1,T3に夫々、基台2の支持脚22A,22Bの各縦板部221A,221Bとの間で挟みつけている。
【0085】
安全ロープ10には、作業者12の着衣の一部と安全ロープ10との間に命綱11をかけ渡している。この命綱11は、安全ロープ10に対して緩く取り付けてあり、安全ロープ10の一端側から他端側まで命綱11で繋がれた状態のまま、トラックTRの荷台Rの上で自由に移動することができる。
【0086】
従って、本実施形態によれば、安全かつ迅速に安全架台100を構築することができる。なお、本実施形態では2台のトラック用スタンション1を用いて、トラックTRの荷台Rの片側のみでの荷作業を行うような構成であるが、この安全架台の構成としては、トラック用スタンション1を3台以上組み合わせて安全架台を構築することも可能である。
【0087】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。即ち、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0088】
1 トラック用スタンション
2 基台
22、22A、22B 支持脚
3 下部支持枠(支持枠)
33 キャスタ
4 階段枠
5 上部支持枠(支持枠)
6 手摺
6A 下部手摺
6B 上部手摺
6D 接合具
7 延長支柱
8 折曲手段
9 連結手段
10 安全ロープ
11 命綱
100 安全架台
R 荷台
T1,T3 タイヤ
TR トラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14