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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073869
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20230519BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20230519BHJP
   B65G 69/18 20060101ALN20230519BHJP
【FI】
B65G43/00 D
B65G65/40 C
B65G69/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186605
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】岸 博司
【テーマコード(参考)】
3F027
3F075
3F078
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027CA07
3F027DA01
3F027EA01
3F027FA15
3F075AA08
3F075BA10
3F075CB12
3F075CB13
3F075CD13
3F078AA08
3F078BA11
3F078EA07
(57)【要約】
【課題】投入配管から搬送手段へと粉粒体を投下する際に発生する粉塵を適切に集塵しつつ、当該集塵にかかるコスト上昇を抑えることができる搬送システムを提供する。
【解決手段】搬送システム1は、粉粒体Fを流下させながら案内するとともに下流端に形成された投入口5aから投入空間Sへと投入する投入配管5と、粉粒体Fを投入空間Sにおいて受けるとともに周回移動しながら下流側へと順次搬送する無端状ベルト3を有するベルトコンベヤ2と、投入口5aから投入空間Sへと投入される粉粒体Fの粉粒体投入量を調整可能なシャッタ7とを備える。制御コントローラ9は、投入口5aから投入されて投入空間Sに一時滞留する粉粒体Fが常時投入口5aから離間しない状態が維持されるようシャッタ7による粉粒体投入量の調整制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を流下させながら案内するとともに下流端に形成された投入口から投入空間へと投入する投入配管と、
前記粉粒体を前記投入空間において受けるとともに周回移動しながら下流側へと順次搬送する無端状ベルトを備え、当該無端状ベルトの周回移動速度を調整することにより前記投入空間から下流側へと移動させる前記粉粒体の粉粒体移動量を調整可能な搬送手段と、
前記投入口から前記投入空間へと投入される前記粉粒体の粉粒体投入量を調整可能な投入量調整手段と、
前記搬送手段と前記投入量調整手段とに接続され、前記投入口から投入されて前記投入空間に一時滞留する前記粉粒体が常時前記投入口から離間しない状態が維持されるよう前記搬送手段による前記粉粒体移動量の調整制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の調整制御の少なくとも一方を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記搬送手段における前記粉粒体の実搬送量を検知可能な搬送量検知部を備え、
前記制御手段は、前記搬送量検知部に接続され、当該搬送量検知部で検知される前記粉粒体の実搬送量が多いときは、そうでないときよりも前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の搬送システムにおいて、
前記投入配管内の前記粉粒体の残量を検知可能な残量検知部を備え、
前記制御手段は、前記残量検知部に接続され、前記投入配管内の前記粉粒体の残量が少ないときは、そうでないときよりも前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送システムにおいて、
前記残量検知部は、第1レベルセンサと当該第1レベルセンサよりも前記投入配管における前記投入口側に配設された第2レベルセンサとを含み、
前記制御手段は、前記第2レベルセンサよりも残量が少ない状態を検知したときは、前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行い、前記第1レベルセンサよりも残量が多い状態を検知したときには、前記搬送手段による前記粉粒体移動量の増加制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の増加制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物などの粉粒体を搬送可能な搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベルトコンベヤ等の搬送手段を用いて粉粒体を搬送する搬送システムが知られている。例えば、特許文献1に開示されている搬送システムは、周回移動する無端状ベルトを有するベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤの側方に配設された集塵装置とを備え、該集塵装置は、無端状ベルトの周回移動動作により搬送する粉粒体を貯留ビンや貯留タンクへと投入する際に生じる粉塵を回収するようになっている。
【0003】
ところで、上述の如き搬送システムの場合、上流工程から送られてくる粉粒体が投入配管を介してベルトコンベヤへと投下されるが、粉粒体が投入配管の投入口から落下してベルトコンベヤの無端状ベルトに接触する際において粉塵が発生するおそれがある。
【0004】
これを回避するために、上述の如き集塵装置により粉塵を回収することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平02-013395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、例えば、ベルトコンベヤが数十台も設置されるような大規模な施設の場合には、集塵装置の数が多くなり、集塵にかかるコスト上昇が問題となってしまう。一方、集塵にかかるコスト上昇を抑える目的で集塵装置の数を少なくしてしまうと、粉塵が適切に集塵されなくなってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、投入配管から搬送手段へと粉粒体を投下する際に発生する粉塵の量を抑えることで、集塵装置の数を減らすことが可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、投入配管の投入口下方の投入空間に一時滞留する粉粒体の量を最適化するようにしたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、粉粒体を搬送する搬送システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、粉粒体を流下させながら案内するとともに下流端に形成された投入口から投入空間へと投入する投入配管と、前記粉粒体を前記投入空間において受けるとともに周回移動しながら下流側へと順次搬送する無端状ベルトを備え、当該無端状ベルトの周回移動速度を調整することにより前記投入空間から下流側へと移動させる前記粉粒体の粉粒体移動量を調整可能な搬送手段と、前記投入口から前記投入空間へと投入される前記粉粒体の粉粒体投入量を調整可能な投入量調整手段と、前記搬送手段と前記投入量調整手段とに接続され、前記投入口から投入されて前記投入空間に一時滞留する前記粉粒体が常時前記投入口から離間しない状態が維持されるよう前記搬送手段による前記粉粒体移動量の調整制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の調整制御の少なくとも一方を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記搬送手段における前記粉粒体の実搬送量を検知可能な搬送量検知部を備え、前記制御手段は、前記搬送量検知部に接続され、当該搬送量検知部で検知される前記粉粒体の実搬送量が多いときは、そうでないときよりも前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記投入配管内の前記粉粒体の残量を検知可能な残量検知部を備え、前記制御手段は、前記残量検知部に接続され、前記投入配管内の前記粉粒体の残量が少ないときは、そうでないときよりも前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第3の発明において、前記残量検知部は、第1レベルセンサと当該第1レベルセンサよりも前記投入配管における前記投入口側に配設された第2レベルセンサとを含み、前記制御手段は、前記第2レベルセンサよりも残量が少ない状態を検知したときは、前記搬送手段による前記粉粒体移動量の減少制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の減少制御の少なくとも一方を行い、前記第1レベルセンサよりも残量が多い状態を検知したときには、前記搬送手段による前記粉粒体移動量の増加制御及び前記投入量調整手段による前記粉粒体投入量の増加制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、搬送手段によって粉粒体を搬送する際、投入空間に一時的に滞留する粉粒体が投入配管の投入口から途切れなくなる。これにより、投入配管の投入口から粉粒体が投入空間へと移動する際、当該投入空間に既に移動して存在する粉粒体が緩衝となるため、投入空間において粉塵が発生するのを抑制することができる。したがって、投入配管から搬送手段へと粉粒体を投下する際に発生する粉塵量を抑えることができるようになり、集塵装置の数を減らすことが可能となるので、集塵にかかるコスト上昇を抑えることができる。また、集塵装置の数を減らしたとしても、投入空間において発生する粉塵量自体が抑えられるようになるため、集塵装置の集塵能力が不足する事態を回避、つまり、投入空間において発生する粉塵を適切に集塵することが可能となる。
【0015】
第2の発明では、例えば、粒径が比較的小さな粉粒体が投入配管に導入されることで、実搬送量が過剰になってしまう状態であっても、当該状態を搬送量検知部によって検知し、投入量調整手段によって投入空間に投入される粉粒体の粉粒体投入量が少なくなるか、或いは、搬送手段によって投入空間から移動する粉粒体の粉粒体移動量が少なくなる。したがって、投入配管内に粉粒体が充填された状態が維持されるようになるため、一時的に投入配管内の粉粒体が無くなって投入配管から粉粒体が投下されず、投入空間に粉粒体を一時滞留させることができない事態が発生するのを回避することができる。
【0016】
第3の発明では、例えば、投入配管へと導入される粉粒体の量が一時的に減少して投入配管内に残留する粉粒体が少なくなると、当該状態を残量検知部によって確実に検知し、投入量調整手段によって投入空間に投入される粉粒体の粉粒体投入量が少なくなるか、或いは、搬送手段によって投入空間から移動する粉粒体の粉粒体移動量が少なくなる。したがって、投入配管内に粉粒体が充填された状態が維持されるようになるため、一時的に投入配管内の粉粒体が無くなって投入配管から粉粒体が投下されず、投入空間に粉粒体を一時滞留させることができない事態が発生するのを確実に回避することができる。
【0017】
第4の発明では、投入配管内の粉粒体の残量が比較的少ない、つまり、第2レベルセンサを下回る量しか投入配管内に粉粒体が残っていない状態であっても、当該状態を第2レベルセンサによって確実に検知し、投入量調整手段によって投入空間に投入される粉粒体の粉粒体投入量が少なくなるか、或いは、搬送手段によって投入空間から移動する粉粒体の粉粒体移動量が少なくなる。したがって、投入配管内に粉粒体が充填された状態が維持できるため、一時的に投入配管内の粉粒体が無くなることで投入配管から粉粒体が投下されず、投入空間に粉粒体を一時滞留させることができない事態を回避できる。また、投入配管内の粉粒体の残量が比較的多い、つまり、第1レベルセンサを上回る量の粉粒体が投入配管内に存在する状態では、当該状態を第1レベルセンサによって確実に検知し、投入量調整手段によって投入空間に投入される粉粒体の粉粒体投入量が多くなるか、或いは、搬送手段によって投入空間から移動する粉粒体の粉粒体移動量が多くなる。したがって、投入配管内の粉粒体の残量が適切な量で維持されるようになるので、投入配管内の粉粒体の残量が過剰となって、投入配管の上流側の配管等において詰まりが生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係る搬送システムの全体構成を示す図である。
図2】粉粒体投入量制御部の制御処理を示すフローチャートである。
図3】(a)はシャッタが閉じ側の開度とされている状態、(b)はシャッタが開き側の開度とされている状態、を示す図である。
図4】本発明の実施形態2に係る搬送システムの全体構成を示す図である。
図5】粉粒体移動量制御部の制御処理を示すフローチャートである。
図6】(a)はシャッタが閉じ側の開度とされている状態、(b)はシャッタが開き側の開度とされている状態、を示す図である。
図7】変形例に係る搬送システムの全体構成を示す図である。
図8】変形例に係る搬送システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0020】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について、図1~3を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態1に係る搬送システム1を示す。該搬送システム1は、上流工程から搬入される粉粒体F(例えば、米(籾、玄米、白米)や小麦、豆類等の穀物)を下流工程に向けて搬送するベルトコンベヤ2(搬送手段)を備えている。
【0022】
該ベルトコンベヤ2(搬送手段)は、一対の駆動プーリ2a及びテールプーリ2bと、複数のキャリアローラ2cからなる上側ローラ列20aと、複数のリターンローラ2dからなる下側ローラ列20bと、無端状ベルト3と、プーリ駆動モータ4と、を備えている。
【0023】
駆動プーリ2aは、ベルトコンベヤ2における搬送方向下流端に配設されるとともに、駆動ベルト4aを介してプーリ駆動モータ4により回転駆動可能に構成されている。
【0024】
テールプーリ2bは、ベルトコンベヤ2における搬送方向上流端に配設されている。
【0025】
無端状ベルト3は、駆動プーリ2a及びテールプーリ2bに巻き掛けられており、プーリ駆動モータ4による駆動プーリ2aの回転駆動により、駆動プーリ2a及びテールプーリ2bの周りを周回移動するように構成されている。
【0026】
上側ローラ列20aは、ベルトコンベヤ2の搬送方向に沿って並設された複数のキャリアローラ2cで構成され、ベルトコンベヤ2の搬送方向と直交する水平方向に一対設けられている。両上側ローラ列20aは、ベルトコンベヤ2の搬送方向に見て略V字状となるように傾斜配置されていて、周回移動する無端状ベルト3におけるテールプーリ2bから駆動プーリ2aに亘って延びる搬送側領域3aを下方に凸となるように湾曲した状態で下方から支持している。
【0027】
下側ローラ列20bは、ベルトコンベヤ2の搬送方向に沿って並設された複数のリターンローラ2dで構成され、周回移動する無端状ベルト3における駆動プーリ2aからテールプーリ2bに亘って延びるリターン側領域3bを下方から支持している。
【0028】
ベルトコンベヤ2の搬送方向上流側上方には、筒中心線が上下に延びる姿勢の投入配管5と、該投入配管5の下方に配設されたスカート6及びシャッタ7と、が配設されている。
【0029】
投入配管5は、図示しない上端の開口部分から導入された粉粒体Fを流下させながら下流端に設けられた投入口5aまで案内するよう構成されている。
【0030】
投入配管5の投入口5aと無端状ベルト3との間は、投入口5aから粉粒体Fを投入可能な投入空間Sになっている。そして、投入口5aから投入空間Sへ投入された粉粒体Fは、投入口5aと略対向配置された無端状ベルト3の上面において受け止められて投入空間Sに一時滞留した後、無端状ベルト3の周回動作により投入空間Sから搬送方向の下流側へ順次移動されるようになっている。
【0031】
スカート6は、下方に開口する水平方向に幅広な断面U字状をなしており、上面中央部に設けられた孔部6aが投入配管5の投入口5aに接続されるとともに、投入空間Sの上方領域を覆うように配設されている。
【0032】
シャッタ7は、投入空間Sにおける投入配管5の投入口5aと無端状ベルト3との間に配設されたカットゲート式シャッタであり、開度調整モータ7c(例えば、ステッピングモータ)で駆動されることによって、シャッタ7の開度調整及び開度保持が可能となっている。
【0033】
シャッタ7は、略観音開き状に上下に回動する一対の第1扉部7a及び第2扉部7bを有しており、当該第1扉部7a及び第2扉部7bの回動位置を調整することにより、シャッタ7の開度が調整されるようになっている。そして、投入配管5の投入口5aから投入空間Sへの粉粒体Fの粉粒体投入量の調整は、シャッタ7の開度を調整することにより行われるようになっていて、シャッタ7の開度を小さくすることにより、投入空間Sへの粉粒体Fの粉粒体投入量が減少する一方、シャッタ7の開度を大きくすることにより、投入空間Sへの粉粒体Fの投入量が増加するようになっている。
【0034】
また、搬送システム1は、無端状ベルト3により搬送される粉粒体Fの実搬送量RFを検知可能な搬送量センサ8と、該搬送量センサ8に接続された制御コントローラ9(制御手段)とを備えている。
【0035】
搬送量センサ8は、無端状ベルト3の搬送側領域3aにおいて投入空間Sから搬送方向下流側に離間した位置に配設され、検知した実搬送量RF(例えば、質量流量)を制御コントローラ9に送信するように構成されている。
【0036】
制御コントローラ9は、粉粒体投入量制御部9aを備えており、図示しないプロセッサにより所定の処理を実行するように構成されている。
【0037】
粉粒体投入量制御部9aは、搬送量センサ8が検知した実搬送量RFに基づいて所定の処理を実行することにより、開度調整モータ7cを制御するように構成されている。
【0038】
次に、制御コントローラ9における粉粒体投入量制御部9aの処理について、図2を用いて説明する。
【0039】
ステップS1では、シャッタ7の開度を最小開度にセットし、ステップS2に進む。
【0040】
ステップS2では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが最小値以上であるか否かを判断する。本実施形態1では、最小値が10.0t/hに設定されている。
【0041】
ステップS2の判断がYesの場合、すなわち、実搬送量RFが最小値以上である場合には、ステップS3に進む一方、ステップS2の判断がNoの場合、すなわち、実搬送量RFが最小値未満である場合、ステップS12に進む。ステップS12では、ステップS12でのカウント回数が所定回数を超えるまで(ステップS12の判断がNoの場合)は、ステップS2に戻ってステップS2の判断を繰り返し行う。ステップS12でのカウント回数が所定回数を超えてもステップS2での実搬送量RFが最小値以上とならない場合(ステップS12の判断がYesの場合)は、粉粒体Fが上流工程から投入配管5に流れてきていない等の前工程の問題が考えられるため、ステップS10へ進みエラー表示の対応を行う。
【0042】
ステップS3では、シャッタ7の開度を開方向に調整し、ステップS4へ進む。つまり、開度調整モータ7cに対してシャッタ7が開くよう駆動指令した後、ステップS4へ進む。該ステップS3において、シャッタ7の開度が開方向に調整されることにより、投入配管5の投入口5aから投入空間Sに投入される粉粒体Fの粉粒体投入量が増加する。
【0043】
ステップS4では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定値に到達したか否かを判断する。本実施形態1では、設定値が29.0t/hに設定されている。
【0044】
ステップS4の判断がYesの場合、すなわち、実搬送量RFが設定値に到達している場合、ステップS5に進む。
【0045】
一方、ステップS4の判断がNoの場合、すなわち、実搬送量RFが設定値に到達していない場合、ステップS13に進む。ステップS13では、ステップS13でのカウント回数が所定回数を超えるまで(ステップS13の判断がNoの場合)は、ステップS3に戻ってステップS3の処理及びステップS4の判断を繰り返し行う。ステップS13でのカウント回数が所定回数を超えてもステップS4での実搬送量RFが設定値に到達しない場合(ステップS13がYesの場合)は、シャッタ7が開いていない、或いは、シャッタ7の開度が不十分等の問題が考えられるため、ステップS10へ進みエラー表示の対応を行う。
【0046】
ステップS5では、シャッタ7の開度を保持する、すなわち、開度調整モータ7cに対してシャッタ7の開き方向への駆動を停止、及び、現在の開度を保持するように指令した後、ステップS6へ進む。
【0047】
ステップS6では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定上限値以上であるか否かを判断する。本実施形態1では、設定上限値が30.0t/hに設定されている。
【0048】
ステップS6の判断がYesの場合、すなわち、実搬送量RFが設定上限値以上の場合、ステップS7へ進む一方、ステップS6の判断がNoの場合、すなわち、実搬送量RFが設定上限値未満の場合、ステップS14へ進む。
【0049】
ステップS7では、シャッタ7の開度を閉方向に調整し、ステップS8へ進む。つまり、開度調整モータ7cに対してシャッタ7を閉じるよう駆動指令した後、ステップS8へ進む。該ステップS7において、シャッタ7の開度が閉方向に調整されることにより、投入配管5の投入口5aから投入空間Sに投入される粉粒体Fの粉粒体投入量が減少する。
【0050】
ステップS8では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定値に到達したか否かを判断する。
【0051】
ステップS8の判断がYesの場合、ステップS5に進み、シャッタ7の開度を保持する。つまり、ステップS5において、開度調整モータ7cに対してシャッタ7の閉じ方向への駆動を停止、かつ、現在の開度を保持するように指令した後、ステップS6へ進み、該ステップS6以降の処理を行う。
【0052】
一方、ステップS8の判断がNoの場合、すなわち、実搬送量RFが設定値に到達していない場合、ステップS9へ進む。ステップS9では、ステップS9でのカウント回数が所定回数を超えるまで(ステップS9の判断がNoの場合)は、ステップS7に戻ってステップS7の処理及びステップS8の判断を繰り返し行う。ステップS9でのカウント回数が所定回数を超えてもステップS8での実搬送量RFが設定値に到達しない場合(ステップS9の判断がYesの場合)は、シャッタ7が閉じていない等の問題が考えられるため、ステップS10へ進みエラー表示の対応を行う。
【0053】
ステップS10では、図示しないディスプレイにエラー表示をした後、ステップS11へ進む。
【0054】
ステップS11では、ベルトコンベヤ2及びシャッタ7の動作を停止した後、エンドに進み、処理を終了する。
【0055】
一方、ステップS14(ステップS6の判断がNoの場合)では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定下限値以下であるか否かを判断する。本実施形態1では、設定下限値が28.5t/hに設定されている。
【0056】
ステップS14の判断がYesの場合、ステップS3に進み、シャッタ7の開度を開方向に調整した後、ステップS4へ進む。つまり、開度調整モータ7cに対してシャッタ7を開くよう駆動指令した後、ステップS4以降の処理を実行する。ステップS3において、シャッタ7の開度が開方向に調整されることにより、投入配管5の投入口5aから投入空間Sに投入される粉粒体Fの粉粒体投入量が増加する。
【0057】
ステップS14の判断がNoの場合、ステップS5に進み、シャッタ7の開度の保持を継続し、ステップS5以降の処理を実行する。
【0058】
次に、図3を用いて、搬送システム1における粉粒体投入量制御部9aの処理に係る作用について説明する。
【0059】
図2のステップS6において搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定上限値以上、つまり、実搬送量RFが比較的多い状況であると判断された場合、図3(a)に示すように、ステップS7においてシャッタ7の開度が閉方向に調整される。これにより、投入配管5の投入口5aから投入空間Sに投入される粉粒体Fが減少するため、投入配管5内に粉粒体Fが充填された状態、つまり、投入空間Sに一時滞留する粉粒体Fが常時投入口5aから離間しない状態が維持されるようになる。
【0060】
また、図2のステップS14において搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが設定下限値以下、つまり、実搬送量RFが比較的少ない状況であると判断された場合、図3(b)に示すように、ステップS3においてシャッタ7の開度が開方向に調整される。これにより、投入配管5の投入口5aから投入空間Sに投入される粉粒体Fの粉粒体投入量が増加するため、投入配管5内の粉粒体Fの残量が過剰になりにくくなる。
【0061】
以上のことから、実施形態1によれば、ベルトコンベヤ2によって粉粒体Fを搬送する際、投入空間Sに一時的に滞留する粉粒体Fが投入配管5の投入口5aから途切れなくなる。これにより、投入配管5の投入口5aから粉粒体Fが投入空間Sへと移動する際、当該投入空間Sに既に移動して存在する粉粒体Fが緩衝となるため、投入空間Sにおいて粉塵が発生するのを抑制することができる。したがって、投入配管5からベルトコンベヤ2の無端状ベルト3へと粉粒体Fを投下する際に発生する粉塵量を抑えることができるようになり、集塵装置の小型化、或いは、その数を減らすことが可能となるので、集塵にかかるコスト上昇を抑えることができる。また、集塵装置の小型化等を行ったとしても、投入空間Sにおいて発生する粉塵量自体が抑えられるようになるため、集塵装置の集塵能力が不足する事態を回避、つまり、投入空間Sにおいて発生する粉塵を適切に集塵することが可能となる。
【0062】
また、例えば、粒径が比較的小さな粉粒体Fが投入配管5に導入されることで、実搬送量RFが過剰になってしまう状態であっても、当該状態を搬送量センサ8によって検知し、シャッタ7によって投入空間Sに投入される粉粒体Fの粉粒体投入量が少なくなる。したがって、投入配管5内に粉粒体Fが充填された状態が維持されるようになるため、一時的に投入配管5内の粉粒体Fが無くなって投入配管5から粉粒体Fが投下されず、投入空間Sに粉粒体Fを一時滞留させることができない事態が発生するのを回避することができる。
【0063】
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2について、図4図6を用いて説明する。
【0064】
図4は、本発明の実施形態2に係る搬送システム11を示す。図4において、実施形態1と共通する部分の説明は省略し、該実施形態1と相違する部分のみ説明する。
【0065】
実施形態2では、インバータ14と、第1レベルセンサ15と、第2レベルセンサ16と、粉粒体移動量制御部9bと、スプリングユニット17(図6参照)と、が備えられている点が実施形態1と相違する。
【0066】
インバータ14は、制御コントローラ9及びプーリ駆動モータ4と接続されており、制御コントローラ9の指令に基づきプーリ駆動モータ4を駆動制御するように構成されている。すなわち、インバータ14からプーリ駆動モータ4に供給される電力の周波数を高くすることにより、プーリ駆動モータ4の回転数を増速する、或いは、上記周波数を低くすることにより、プーリ駆動モータ4の回転数を減速することが可能となっている。なお、実施形態2では、インバータ14は、プーリ駆動モータ4に供給する電力の周波数を、40~60Hzの範囲における任意の値に変更可能に構成されている。
【0067】
第1レベルセンサ15及び第2レベルセンサ16は、投入配管5内の粉粒体Fの残量を検知可能なセンサであり、検知した投入配管5内の粉粒体Fの残量を制御コントローラ9に送信するように構成されている。
【0068】
第1レベルセンサ15は、投入配管5における第2レベルセンサ16よりも上方側、つまり、上流側に配設されており、投入配管5内の粉粒体Fの残量が過剰となり、投入配管5の上流側の配管等において詰まりが生じてしまう状態を検知できるよう構成されている。
【0069】
一方、第2レベルセンサ16は、投入配管5における第1レベルセンサ15よりも下方側、つまり、下流側に配置されており、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的少なく、一時的に投入配管5内の粉粒体Fの残量がなくなるおそれがある状態を検知できるように構成されている。
【0070】
制御コントローラ9に備えられている粉粒体移動量制御部9bは、第1レベルセンサ15及び第2レベルセンサ16が検知した投入配管5内の粉粒体Fの残量に基づいて所定の処理を実行することにより、インバータ14を介してプーリ駆動モータ4の回転数を制御可能に構成されている。
【0071】
スプリングユニット17は、図6に示すように、第1扉部7a及び第2扉部7bを閉方向にそれぞれ付勢する第1スプリング17a及び第2スプリング17bを備えている。
【0072】
第1スプリング17a及び第2スプリング17bは、投入配管5内の粉粒体Fの残量に応じて、第1扉部7a及び第2扉部7bの開度が可変となるように構成されている。つまり、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的多い場合は、該粉粒体Fの重量によって第1スプリング17a及び第2スプリング17bが縮むように弾性変形し、第1扉部7a及び第2扉部7bの開度が大きくなる一方、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的少ない場合は、第1スプリング17a及び第2スプリング17bが伸びるように弾性変形し、第1扉部7a及び第2扉部7bの開度が小さくなるようになっている。
【0073】
次に、制御コントローラ9における粉粒体移動量制御部9bの処理について、図5を用いて説明する。
【0074】
ステップS21では、投入配管5内の粉粒体Fの残量が第2レベルセンサ16以上か否かを判断する。
【0075】
ステップS21の判断がYesの場合、ステップ22へ進む一方、ステップS21の判断がNoの場合は、ステップS24へ進む。
【0076】
ステップS24(ステップS21の判断がNoの場合)では、搬送速度を減速させた後、ステップS26に進む。つまり、ステップS24では、制御コントローラ9がインバータ14に対して、プーリ駆動モータ4へ供給する電力の周波数を低くするように指令する。これにより、プーリ駆動モータ4の回転数が減速するようになるので、該プーリ駆動モータ4に駆動ベルト4aを介して駆動されているベルトコンベヤ2の駆動プーリ2aの回転数が低下し、駆動プーリ2aに巻き掛けられている無端状ベルト3の搬送速度(周回移動速度)が減速する。これにより、投入空間Sからベルトコンベヤ2の搬送方向の下流側へと移動する粉粒体Fの粉粒体移動量が減少する。
【0077】
ステップS26では、ステップS26でのカウント回数が所定回数を超えるまで(ステップS26の判断がNoの場合)は、S21に戻ってステップS21の判断及びステップS24の処理を繰り返し行う。ステップS26でのカウント回数が所定回数を超えてもステップS21で投入配管5内の粉粒体Fの残量が第2レベルセンサ16以上とならない場合(ステップS26の判断がYesの場合)は、粉粒体Fが上流工程から投入配管5に流れてきていない等の前工程の問題が考えられるため、ステップS27へ進みエラー表示の対応を行う。
【0078】
ステップS27では、図示しないディスプレイにエラー表示をした後、ステップS28へ進む。
【0079】
ステップS28では、ベルトコンベヤ2及びシャッタ7の動作を停止した後、エンドに進み、処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS22(ステップS21の判断がYesの場合)では、投入配管5内の粉粒体Fの残量が第1レベルセンサ15以上か否かを判断する。
【0081】
ステップS22の判断がYesの場合、ステップS23に進む一方、ステップS22の判断がNoの場合、ステップS25へ進む。
【0082】
ステップS23(ステップS22の判断がYesの場合)では、搬送速度を増速させた後、ステップS29に進む。つまり、ステップS23では、制御コントローラ9がインバータ14に対して、プーリ駆動モータ4へ供給する電力の周波数を高めるように指令する。これにより、プーリ駆動モータ4の回転数が増速するようになるので、該プーリ駆動モータ4に駆動ベルト4aを介して駆動されているベルトコンベヤ2の駆動プーリ2aの回転数が増加し、駆動プーリ2aに巻き掛けられている無端状ベルト3の搬送速度が増速する。これにより、投入空間Sからベルトコンベヤ2の搬送方向の下流側へと移動する粉粒体Fの粉粒体移動量が増加する。
【0083】
ステップS29では、ステップS29でのカウント回数が所定回数を超えるまで(ステップS29の判断がNoの場合)は、ステップS22に戻ってステップS22の判断及びステップS23の処理を繰り返し行う。ステップS29でのカウント回数が所定回数を超えてもステップS22で投入配管5内の粉粒体Fの残量が第1レベルセンサ16以上とならない場合(ステップS29の判断がYesの場合)は、スプリングユニット17の故障等により粉粒体Fがベルトコンベヤ2に落ちてこない等の問題が考えられるため、ステップS27へ進みエラー表示の対応を行う。
【0084】
ステップS25(ステップS22の判断がNoの場合)では、搬送速度が維持された後、エンドに進む。つまり、ステップS25では、制御コントローラ9がインバータ14に対して、プーリ駆動モータ4へ供給する電力の周波数を維持するように指令する。これにより、プーリ駆動モータ4の回転数が維持されるようになるので、該プーリ駆動モータ4に駆動ベルト4aを介して駆動されているベルトコンベヤ2の駆動プーリ2aの回転数が維持され、駆動プーリ2aに巻き掛けられている無端状ベルト3の搬送速度が維持される。これにより、投入空間Sからベルトコンベヤ2の搬送方向の下流側へと移動する粉粒体Fの粉粒体移動量が維持される。なお、エンドに進んだ後、所定時間経過後(例えば、0.01秒後)に図5に示す処理をステップS21からスタートする。
【0085】
次に、図6を用いて、搬送システム11の粉粒体移動量制御部9bの処理及びスプリングユニット17に係る作用について説明する。
【0086】
図5のステップS21において第2レベルセンサ16未満の残量、つまり、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的少ないと判断された場合、無端状ベルト3の搬送速度が減速される。これにより、ベルトコンベヤ2における無端状ベルト3の周回移動による投入空間Sからの粉粒体移動量が少なくなる。また、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的少なくなった際には、図6(a)に示すように、第1スプリング17a及び第2スプリング17bの付勢力によってシャッタ7が閉じ側に付勢されるようになるので、投入配管5における投入口5aから投入空間Sへの粉粒体Fの粉粒体投入量が減少する。したがって、投入配管5内に粉粒体Fが充填された状態、つまり、投入空間Sに一時滞留する粉粒体Fが投入口5aから離間しない状態が維持されるようになる。
【0087】
図5のステップS23において第1レベルセンサ15以上の残量、つまり、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的多いと判断された場合、無端状ベルト3の搬送速度が増速される。これにより、ベルトコンベヤ2の無端状ベルト3によって投入空間Sからの粉粒体移動量が多くなる。また、投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的多くなった際には、図6(b)に示すように、投入配管5内の粉粒体Fの重量によって、第1スプリング17a及び第2スプリング17bがシャッタ7を開くように弾性変形するようになるので、投入配管5の投入口5aから投入空間Sへの粉粒体Fの粉粒体投入量が増加する。したがって、投入配管5内の粉粒体Fの残量が適切な量で維持されるようになる。
【0088】
以上のことから、実施形態2によれば、例えば、投入配管5へと導入される粉粒体Fの量が一時的に減少し、第2レベルセンサ16を下回る量しか投入配管5内に粉粒体Fが残っていない状態であっても、当該状態を第2レベルセンサ16によって確実に検知し、ベルトコンベヤ2によって投入空間Sから移動する粉粒体Fの粉粒体移動量が少なくなる。したがって、投入配管5内に粉粒体Fが充填された状態が維持されるようになるため、一時的に投入配管5内の粉粒体Fが無くなって投入配管5から粉粒体Fが投下されず、投入空間Sに粉粒体Fを一時滞留させることができない事態が発生するのを確実に回避することができる。
【0089】
また、例えば、投入配管5へと導入される粉粒体Fの量とベルトコンベヤ2によって投入空間Sから移動する粉粒体Fの粉粒体移動量との差が少なく、第1レベルセンサ15と第2レベルセンサ16との間の量が投入配管5内に存在する状態であっても、当該状態を第1レベルセンサ15及び第2レベルセンサ16によって確実に検知し、ベルトコンベヤ2によって投入空間Sから移動する粉粒体の粉粒体移動量が維持される。これにより、投入配管5内の粉粒体Fの残量が第1レベルセンサ15側及び第2レベルセンサ16側に余裕を持たせた量に維持できる。したがって、例えば、投入配管5へと投入される粉粒体Fの量が急増した際に投入配管5内の粉粒体Fの残量が過剰になってしまう事態、或いは、投入配管5へと投入される粉粒体Fの量が急減した際に一時的に投入配管5内の粉粒体Fが無くなってしまう事態を回避することができる。また、投入配管5内の粉粒体Fの残量が一時的に増加し、第1レベルセンサ15を上回る量の粉粒体Fが投入配管5内に存在する状態であっても、当該状態を第1レベルセンサ15によって確実に検知し、ベルトコンベヤ2によって投入空間Sから移動する粉粒体Fの粉粒体移動量が多くなる。したがって、投入配管5内の粉粒体Fの残量が適切な量で維持されるようになるので、投入配管5内の粉粒体Fの残量が過剰となって、投入配管5の上流側の配管等において詰まりが生じるのを防止することができる。
【0090】
なお、制御コントローラ9について、実施形態1の搬送システム1では粉粒体投入量制御部9aを、実施形態2の搬送システム11では粉粒体移動量制御部9bをそれぞれ備える構成になっているが、図7に示すように、搬送システム21の制御コントローラ9が粉粒体投入量制御部9a及び粉粒体移動量制御部9bを備えるような構成であってもよい。この場合において、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが比較的多いと判断されたとき、及び、第2レベルセンサ16により投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的少ないと判断されたとき、のうち少なくも一方で、粉粒体投入量制御部9aがシャッタ7を閉方向に制御するとともに、粉粒体移動量制御部9bが無端状ベルト3の搬送速度を減速させるようにしてもよい。また、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが比較的少ないと判断されたとき、及び、第1レベルセンサ15により投入配管5内の粉粒体Fの残量が比較的多いと判断されたとき、のうち少なくも一方で、粉粒体投入量制御部9aがシャッタ7を開方向に制御するとともに、粉粒体移動量制御部9bが無端状ベルト3の搬送速度を増速させるようにしてもよい。
【0091】
また、実施形態1では、搬送量センサ8により検知される実搬送量RFが多いときは、そうでないときよりも粉粒体Fの投入量が少なくなるようにシャッタ7の開度を制御していたが、シャッタ7の開度の制御に代えて、ベルトコンベヤ2の無端状ベルト3の搬送速度を制御するようにしてもよい。
【0092】
また、実施形態2では、第1レベルセンサ15及び第2レベルセンサ16により検知される投入配管5内の粉粒体Fの残量が少ないときは、そうでないときよりもベルトコンベヤ2の無端状ベルト3の搬送速度を減速する制御をしていたが、該搬送速度の制御に代えて、シャッタ7の開度を制御するようにしてもよい。
【0093】
また、実施形態1では、投入配管5に集塵装置を備えていないが、図8に示すように、投入配管5の上部を分岐させて設けた分岐配管5bに集塵装置25を備えるようにしてもよい。この場合、投入空間Sに一時滞留する粉粒体Fが投入口5aから離間しない状態が維持されるため、投入口5aから投入空間Sに粉粒体Fを投入する際に発生していた粉塵を抑えることができるので、従来、投入口5a周辺のスカート部6等に設けられている集塵装置を廃止することで、その数を減らすことが可能になるとともに、投入配管5において発生した粉塵等は、分岐配管5bの集塵装置25により適切に集塵することが可能となる。
【0094】
また、実施形態1及び2では、シャッタ7はカットゲート式シャッタとしていたが、投入配管5の投入口5aから投入空間Sへの粉粒体Fの粉粒体投入量を調整できるものであれば、スライドゲート式シャッタでもよく、或いは、ロータリーバルブであってもよい。
【0095】
また、実施形態1及び2では、ステップS9、12、13、26、29において、該ステップの判断回数が所定回数以上か否かを判断していたが、該ステップの初回の判断時から所定時間を経過したか否かを判断するようにしてもよい。
【0096】
また、実施形態2では、プーリ駆動モータ4の回転数がインバータ14の周波数を変更することにより制御されていたが、例えば、プーリ駆動モータ4に供給される電圧を変更するようにしてもよい。
【0097】
また、実施形態2では、投入配管5内の粉粒体Fの残量を検知するために、第1レベルセンサ15及び第2レベルセンサ16を備えていたが、1つのレベルセンサのみ備えるようにしても良く、或いは、3以上のレベルセンサを備えるようにしてもよい。
【0098】
また、実施形態2では、スプリングユニット17でシャッタ7を作動させるようにしているが、ゴム等のスプリング以外の弾性体でシャッタ7を作動させるようにしてもよく、或いは、油等の流体を用いたダンパでシャッタ7を作動させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、穀物などの粉粒体を搬送可能な搬送システムに適している。
【符号の説明】
【0100】
1、11、21 搬送システム
2 ベルトコンベヤ(搬送手段)
3 無端状ベルト
5 投入配管
5a 投入口
9 制御コントローラ(制御手段)
7 シャッタ(投入量調整手段)
8 搬送量センサ(搬送量検知部)
15 第1レベルセンサ(残量検知部)
16 第2レベルセンサ(残量検知部)
F 粉粒体
S 投入空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8