(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073878
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20230519BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
F25D19/00 532A
F25D23/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186615
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】樋山 淳
(72)【発明者】
【氏名】穂高 淳
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102LB02
3L102LE01
3L102MB27
(57)【要約】
【課題】外箱の変形を抑制し且つ板状断熱材による断熱性を高める構成を有する冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10は、内部に貯蔵室が形成される断熱箱体11と、冷媒パイプ38、を備える。断熱箱体11は、断熱箱体11の外面を形成する外箱15と、外箱15の内部に配設された内箱16と、外箱15と内箱16との間に配置された断熱材17と、を有する。断熱材17は、内箱16の外面の近傍に配設された充填断熱材23と、外箱15と内箱16との間に発泡充填された充填断熱材23と、を有する。冷媒パイプ38は、外箱15と充填断熱材23との間に配設される。外箱15を部分的に幅方向外側に向かって突出させることで溝部30が形成される。冷媒パイプ38は溝部30に収納される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に貯蔵室が形成される断熱箱体と、冷媒パイプ、を備え、
前記断熱箱体は、前記断熱箱体の外面を形成する外箱と、前記外箱の内部に配設される内箱と、前記外箱と前記内箱との間に配置される断熱材と、を有し、
前記断熱材は、前記内箱の外面の近傍に配設される板状断熱材と、前記外箱と前記内箱との間に発泡充填される充填断熱材と、を有し、
前記冷媒パイプは、前記外箱と前記板状断熱材との間に配設され、
前記外箱を部分的に幅方向外側に向かって突出させることで溝部が形成され、
前記冷媒パイプは、前記溝部に収納されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記溝部を部分的に開口することで孔部が形成され、
前記孔部を経由して、前記溝部の内部と前記断熱箱体の外部とが連通することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記溝部の内部において、前記冷媒パイプは一方側端部の側に配置され、前記孔部は他方側端部の側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記板状断熱材の外側を向く主面は平坦面であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記溝部は複数が形成されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、断熱材として板状断熱材を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、断熱箱体の内部に貯蔵室を形成し、この貯蔵室の前方開口を断熱扉で開閉可能に閉鎖している。断熱箱体は、鋼板から成る外箱と、外箱の内側に配置される合成樹脂板から成る内箱と、外箱と内箱との間に充填された断熱材とから成る。
【0003】
冷蔵庫の断熱箱体に充填される断熱材としては、一般的に発泡ウレタンが採用される。しかしながら、冷蔵庫の更なる省エネルギ化に対処するためには、発泡ウレタンよりも断熱性が高い断熱材が好ましい。
【0004】
そこで、断熱箱体に内蔵される断熱材として板状断熱材、例えば、真空断熱材が採用される場合がある。真空断熱材はガラスウール等の繊維状無機材料を真空包装したものであり、発泡ウレタンの十数倍以上の断熱効果を有する。係る構成とすることで、真空断熱材により貯蔵室と外部とを良好に断熱でき、冷蔵庫の冷却運転に要するエネルギを低減することができる。係る冷蔵庫は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0005】
図9を参照して、真空断熱材が採用された冷蔵庫100の構成を説明する。
図9は冷蔵庫100を示す水平断面図である。
【0006】
冷蔵庫100は、外箱101および内箱102を有し、内箱102の内部に貯蔵室107が形成される。外箱101と内箱102との間には、断熱材として発泡断熱材103および板状断熱材104が配置される。板状断熱材104は、外箱101の内面に貼着される。外箱101の内面には、冷媒が流通するパイプ106が配設される。
【0007】
板状断熱材104には溝部105が形成されている。溝部105は、板状断熱材104の幅方向外側面を窪ませた部位である。溝部105にパイプ106が収納されている。係る構成により、パイプ106の幅方向への突出量を抑制し、発泡断熱材103を発泡する工程において、パイプ106に沿って外箱101が変形することを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述した冷蔵庫では、冷蔵庫の断熱性の観点等から改善の余地があった。
【0010】
具体的には、
図9を参照して、パイプ106が配置される部分の板状断熱材104には溝部105が形成されている。溝部105が形成される部分においては、板状断熱材104が薄くなる。このようになると、溝部105が形成される部分の板状断熱材104の断熱性が低下し、貯蔵室107を所定の温度帯に保つためのエネルギが増大する課題があった。また、断熱性を優先し、板状断熱材104の外側を向く主面を平坦面にした場合、パイプ106が外側に突出し、パイプ106の形状に沿って外箱101が湾曲してしまう課題もあった。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外箱の変形を抑制し且つ板状断熱材による断熱性を高める構成を有する冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の冷蔵庫は、内部に貯蔵室が形成される断熱箱体と、冷媒パイプ、を備え、前記断熱箱体は、前記断熱箱体の外面を形成する外箱と、前記外箱の内部に配設される内箱と、前記外箱と前記内箱との間に配置される断熱材と、を有し、前記断熱材は、前記内箱の外面の近傍に配設される板状断熱材と、前記外箱と前記内箱との間に発泡充填される充填断熱材と、を有し、前記冷媒パイプは、前記外箱と前記板状断熱材との間に配設され、前記外箱を部分的に幅方向外側に向かって突出させることで溝部が形成され、前記冷媒パイプは、前記溝部に収納されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部を部分的に開口することで孔部が形成され、前記孔部を経由して、前記溝部の内部と前記断熱箱体の外部とが連通することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部の内部において、前記冷媒パイプは一方側端部の側に配置され、前記孔部は他方側端部の側に配置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の冷蔵庫では、前記板状断熱材の外側を向く主面は平坦面であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部は複数が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の冷蔵庫は、内部に貯蔵室が形成される断熱箱体と、冷媒パイプ、を備え、前記断熱箱体は、前記断熱箱体の外面を形成する外箱と、前記外箱の内部に配設される内箱と、前記外箱と前記内箱との間に配置される断熱材と、を有し、前記断熱材は、前記内箱の外面の近傍に配設される板状断熱材と、前記外箱と前記内箱との間に発泡充填される充填断熱材と、を有し、前記冷媒パイプは、前記外箱と前記板状断熱材との間に配設され、前記外箱を部分的に幅方向外側に向かって突出させることで溝部が形成され、前記冷媒パイプは、前記溝部に収納されることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、冷媒パイプを、外箱に形成した溝部に収納することにより、冷媒パイプの形状に即して外箱が変形することを防止し、冷蔵庫の外観性が低下することを防止できる。
【0018】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部を部分的に開口することで孔部が形成され、前記孔部を経由して、前記溝部の内部と前記断熱箱体の外部とが連通することを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、孔部を経由して溝部の内部と断熱箱体の外部とが連通することにより、冷蔵庫に温度変化が作用した際に、溝部の内部圧力が略一定に保たれ、溝部の変形が抑止される。
【0019】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部の内部において、前記冷媒パイプは一方側端部の側に配置され、前記孔部は他方側端部の側に配置されることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、溝部の内部において、冷媒パイプと孔部とを離間して配置でき、冷媒パイプの固定に用いる接着テープが孔部を塞いでしまうことを防止できる。
【0020】
また、本発明の冷蔵庫では、前記板状断熱材の外側を向く主面は平坦面であることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、板状断熱材の外側を向く主面が平坦面であることにより、板状断熱材の全域に渡り、断熱材の厚さを充分に確保でき、板状断熱材による断熱効果を向上させることができる。
【0021】
また、本発明の冷蔵庫では、前記溝部は複数が形成されることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、複数の溝部が形成されることにより、蛇行形成される冷媒パイプの大部分を、溝部に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側方断面図である。
【
図3A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の外箱を示す斜視図である。
【
図3B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の外箱を別の角度から示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の外箱側面板、冷媒パイプおよび側面板状断熱材を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を部分的に示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の製造方法を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の製造方法を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、上下方向は冷蔵庫10の高さ方向を示し、左右方向は冷蔵庫10の幅方向を示し、前後方向は冷蔵庫10の奥行方向を示している。また、同一の部材には同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0024】
図1は、冷蔵庫10を示す斜視図である。冷蔵庫10は、断熱箱体11の内部に、貯蔵室としての冷蔵室12および冷凍室13が形成される。冷蔵室12の前面開口は断熱扉34で閉鎖され、冷凍室13の前面開口は断熱扉35で閉鎖される。断熱扉34および断熱扉35は、例えば右方側の端部が、断熱箱体11に介して回転可能に接続された回転式の扉である。断熱扉34および断熱扉35としては、引出式の扉が採用されても良い。
【0025】
断熱箱体11の左方側面には溝部30が形成されている。溝部30の具体的構成は、
図3A等を参照して後述する。ここでは図示しないが、溝部30は、断熱箱体11の右方側面にも形成される。
【0026】
図2は、冷蔵庫10を示す側方断面図である。
図2に示すように、冷凍室13の後方には冷却室27が区画形成され、冷却室27には蒸発器26が収納される。また、断熱箱体11の最下部後方には機械室14が区画形成されており、機械室14には圧縮機29が収納される。蒸発器26および圧縮機29は、図示しない膨張手段および凝縮器と接続され、蒸気圧縮冷凍サイクルを形成している。ここで、冷凍サイクルを構成する各構成機器は、後述する冷媒パイプ38により相互に接続される。後述する冷媒パイプ38は、冷凍サイクルで用いられる冷媒が流通する。また、冷蔵室12と冷凍室13とは、断熱区画壁33により区画されている。断熱区画壁33は、断熱箱体11と同様の断熱構造を有している。
【0027】
冷却室27の上部には送風機28が配設されている。送風機28は、蒸発器26が冷却した冷却室27の内部の空気を、冷蔵室12および冷凍室13に送風する。冷蔵室12への風路には、ダンパ19が介装される。ここでは図示しない制御装置は、冷蔵室の庫内温度を検知し、ダンパ19の開閉を制御する。これにより、冷蔵室12への冷気の流量を調整し、冷蔵室12の庫内温度を一定に保つ。従って、冷蔵室12は冷蔵温度帯域に冷却され、冷凍室13は冷凍温度帯域に冷却される。また、冷蔵室12および冷凍室13を冷却した冷気は、冷却室27に帰還する。
図2では、冷気の流れを矢印で示している。蒸発器26の下方には、蒸発器26の着霜を熔融するための除霜ヒータ20が配設される。
【0028】
断熱箱体11は、冷蔵庫10の外形を形成する鋼板から成る外箱15と、外箱15の内側に形成された箱形の合成樹脂板から成る内箱16と、外箱15と内箱16との間に配設された断熱材17と、から構成される。
【0029】
断熱材17は、外箱15の内側面に接着される後面板状断熱材25と、外箱15と内箱16との間の空間に充填される充填断熱材23と、を有する。後面板状断熱材25は、ガラス等の繊維の集合体を袋に収納し、その袋の内部を真空状態にしたものである。充填断熱材23は、例えば発泡ウレタンが採用される。断熱効果が極めて大きい後面板状断熱材25を、断熱材17の一部に採用することで、冷蔵室12および冷凍室13と外部雰囲気とを良好に断熱でき、冷蔵庫10の消費電力を低減できる。ここで、後面板状断熱材25は、真空断熱材とも称される。
【0030】
図3Aおよび
図3Bは、前述した冷蔵庫10の外箱15を示す斜視図である。
図3Aは、外箱15を前側右方から見た場合の斜視図である。
図3Bは、外箱15を前側左方から見た場合の斜視図である。
【0031】
外箱15は、厚みが0.5mm程度の薄い鋼板を曲折加工して成り、外箱後面板151(
図2参照)と、外箱後面板151の左右方向端部から前方に向かって伸びる外箱側面板152と、外箱後面板151の上方端部から前方に向かって伸びる外箱上面板153と、を有する。
【0032】
溝部30は、外箱側面板152を部分的に幅方向外側に向かって突出させることで形成されている。溝部30は、右側の外箱側面板152および左側の外箱側面板152の両方に形成される。溝部30には、後述する冷媒パイプ38が収納される。具体的には、溝部30は、前方から、溝部301、溝部302および溝部303を有する。溝部301、溝部302および溝部303は、略等間隔に離間して配置され、上下方向に沿って略直線状に伸びる。
【0033】
溝部30を部分的に開口することで孔部32が形成されている。具体的には、溝部301を開口することで孔部321が形成され、溝部302を開口することで孔部322が形成され、溝部303を開口することで孔部323が形成されている。孔部321により、溝部301の内部空間と外部とが連通する。孔部322により溝部302の内部と外部とが連通する。孔部323により、溝部303の内部と外部とが連通する。孔部321、孔部322および孔部323は、略円形の開口部である。ここでは、溝部301等に一つの孔部321が形成されているが、溝部301等に複数の孔部321を形成することもできる。
【0034】
図4は、外箱側面板152、冷媒パイプ38および側面板状断熱材22を示す分解斜視図である。冷媒パイプ38は、外箱側面板152と側面板状断熱材22との間に配置されている。実際の冷蔵庫10では、外箱側面板152の左側面に、冷媒パイプ38および側面板状断熱材22が貼着され、冷媒パイプ38の大部分は溝部30に収納される。
【0035】
冷媒パイプ38は、一部が蛇行して形成され、鉄あるいは銅などの金属から成り、前述した冷凍サイクルで用いられる高温冷媒が流通する配管である。冷媒パイプ38は、縦方向延在部384、横方向延在部385、縦方向延在部383、横方向延在部386および縦方向延在部382を有する。縦方向延在部384、縦方向延在部383および縦方向延在部382は、上下方向に沿って略直線状に伸びる部位である。横方向延在部385および横方向延在部386は、前後方向に沿って略直線状に伸びる部位である。
【0036】
冷媒パイプ38の縦方向延在部384、縦方向延在部383および縦方向延在部382は、夫々、溝部301、溝部302および溝部303に収納される。
【0037】
図5は、冷蔵庫10の側面板状断熱材22、外箱側面板152および冷媒パイプ38の構成を示す断面図である。
【0038】
前述したように、外箱側面板152を外側に向かって矩形状に突出させることで、溝部303、溝部302および溝部301が形成されている。溝部303には縦方向延在部382が収納され、溝部302には縦方向延在部383が収納され、溝部301には縦方向延在部384が収納されている。係る構成により、外箱側面板152の面積を大きくすることができ、縦方向延在部382、縦方向延在部383および縦方向延在部384の内部を流通する高温冷媒を効果的に冷却できる。
【0039】
縦方向延在部382は、アルミテープ等の接着手段により、溝部303の内部に固定されている。このようにすることで、溝部303の内面の所定箇所に縦方向延在部382を密着させることができ、縦方向延在部382の内部を流通する高温冷媒を効果的に冷却できる。係る事項は、縦方向延在部383および縦方向延在部384に関しても同様である。
【0040】
溝部303の内部において、縦方向延在部382は後方端部に配置され、孔部323は前方端部に形成されている。このようにすることで、溝部303の内部において、縦方向延在部382と孔部323とを離間することができ、縦方向延在部382の接着に用いる接着テープにより孔部323が閉塞されることを防止できる。係る事項は、溝部302および溝部301に関しても同様である。
【0041】
図6から
図8に基づいて、更に前述した各図も参照しつつ、前述した冷蔵庫10の製造方法を説明する。
図6は、外箱15を示す斜視図である。
図7は、冷媒パイプ38が組み込まれた外箱15を示す斜視図である。
図8は側面板状断熱材22が固定された外箱15を示す斜視図である。
【0042】
先ず、
図6の斜視図を参照して、外箱15を準備する。前述したように外箱15は、所定形状に曲折加工された金属板から成り、外箱上面板153および外箱側面板152を有する。また、
図2に示した内箱16等は別途に用意されている。更に、外箱側面板152には、溝部301、溝部302および溝部303が形成されている。
【0043】
次に、
図7を参照して、外箱側面板152に冷媒パイプ38を組み込む。外箱側面板152への冷媒パイプ38の固定は、例えば、冷媒パイプ38の複数箇所を接着テープなどにより接着することで行われる。
図5に示したように、縦方向延在部382、縦方向延在部383および縦方向延在部384は、溝部301、溝部302および溝部303の端部に寄せて固定される。
【0044】
次に、
図8を参照して、側面板状断熱材22を外箱側面板152に貼着する。前述したように、外箱側面板152の内面には接着材が塗布されている。よって、側面板状断熱材22を、外箱側面板152の幅方向内面の所定位置に取り付ければ、外箱側面板152を容易に固定することができる。また、外箱15の外箱上面板153の下面には、上面板状断熱材24が貼着される。
【0045】
上記工程が終了したら、外箱15に、
図2に示した内箱16および外箱後面板151を嵌め込み、充填断熱材23を充填する。充填工程が終了したら、
図2等に示した各構成機器を断熱箱体11に取り付けることで冷蔵庫10が製造される。
【0046】
本実施形態によれば、以下に記載する主要な効果を奏することができる。
【0047】
図4を参照して、冷媒パイプ38を、外箱15の外箱側面板152に形成した溝部30に収納することにより、冷媒パイプ38の形状に即して外箱15が変形することを防止し、冷蔵庫10の外観性が低下することを防止できる。更には、外箱側面板152の面積を増大させ、外箱側面板152を介して冷媒パイプ38の内部を流通する高温冷媒を効果的に冷却できる。
【0048】
図5を参照して、孔部323を経由して溝部303の内部と外部とが連通することにより、冷蔵庫10に温度変化が作用した際に、溝部303の内部圧力が略一定に保たれ、溝部30の変形が抑止される。
【0049】
図5を参照して、溝部303の内部において、縦方向延在部382と孔部323とを離間して配置でき、縦方向延在部382の固定に用いる接着テープが孔部32を塞いでしまうことを防止できる。
【0050】
図5を参照して、側面板状断熱材22の外側を向く主面が平坦面であることにより、側面板状断熱材22の全域に渡り、側面板状断熱材22の厚さを充分に確保でき、側面板状断熱材22による断熱効果を向上させることができる。
【0051】
図3Aを参照して、複数の溝部30が形成されることにより、蛇行して形成される冷媒パイプ38の大部分を、溝部30に収納することができる。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
15 外箱
151 外箱後面板
152 外箱側面板
153 外箱上面板
16 内箱
17 断熱材
19 ダンパ
20 除霜ヒータ
22 側面板状断熱材
23 充填断熱材
24 上面板状断熱材
25 後面板状断熱材
26 蒸発器
27 冷却室
28 送風機
29 圧縮機
30 溝部
301 溝部
302 溝部
303 溝部
32 孔部
321 孔部
322 孔部
323 孔部
33 断熱区画壁
34 断熱扉
35 断熱扉
38 冷媒パイプ
382 縦方向延在部
383 縦方向延在部
384 縦方向延在部
385 横方向延在部
386 横方向延在部
100 冷蔵庫
101 外箱
102 内箱
103 発泡断熱材
104 板状断熱材
105 溝部
106 パイプ
107 貯蔵室