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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073896
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】抗力付与装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/04 20060101AFI20230519BHJP
   F16F 9/14 20060101ALI20230519BHJP
   F16H 19/02 20060101ALI20230519BHJP
   F16H 19/06 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
F16H19/04 Z
F16F9/14 A
F16H19/02 D
F16H19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186648
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000236665
【氏名又は名称】不二ラテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 正夫
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 有範
【テーマコード(参考)】
3J062
3J069
【Fターム(参考)】
3J062AA33
3J062AB05
3J062AB13
3J062AC01
3J062AC07
3J062BA22
3J062CA03
3J062CA07
3J062CA15
3J062CA33
3J069AA41
3J069DD47
(57)【要約】
【課題】抗力付与部を共通にしながら直線的なストロークの変更を容易とする抗力付与装置を提供する。
【解決手段】可動側の対象物T又は固定側Fの一方に取り付けられる受動部5と、対象物T又は固定側Fの他方に取り付けられ受動部5に対し相対動作が可能な抗力付与部7とを備え、抗力付与部7は、回転方向に抗力を付与可能であり、相対動作により抗力付与部7に回転方向への入力を行わせ抗力を入力に対抗させる伝達部5、17を備え、伝達部5、17の変更により抗力付与部7の変更を伴わずにストロークの変更ができることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動側の対象物又は固定側の一方に取り付けられる受動部と、
前記対象物又は固定側の他方に取り付けられ前記受動部に対し相対動作が可能な抗力付与部と、
を備え、
前記抗力付与部は、回転方向に抗力を付与可能であり、
前記相対動作により前記抗力付与部に回転方向への入力を行わせ前記抗力を前記入力に対抗させる伝達部を備えた、
抗力付与装置。
【請求項2】
請求項1記載の抗力付与装置であって、
前記受動部は、ラックであり、
前記ラックは、前記受動部としての取り付けが一端側の回転自在な支持又は固定であり、
前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、
前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせるピニオンを備えて前記抗力付与部としての取り付けが固定であり、
前記伝達部は、前記ラック及び前記ラックに噛合うピニオンである、
抗力付与装置。
【請求項3】
請求項2記載の抗力付与装置であって、
前記ピニオンは、前記ラックの相対動作をガイドするガイドローラーを支持し、
前記ガイドローラーは、前記ピニオンに対し前記ラックを挟むように前記ラックに当接し、
前記ラックは、ガイドプレートを固定して備え、
前記ガイドプレートは、前記ピニオンに当接し、
前記ガイドローラー及びガイドプレートにより前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する、
抗力付与装置。
【請求項4】
請求項1記載の抗力付与装置であって、
前記受動部は、ラックであり、
前記ラックは、前記受動部としての取り付けが一端側の回転自在な支持又は固定であり他端側がチューブの一端側から相対動作可能に挿入され、
前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、
前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせるピニオンを備えて前記チューブに支持され、
前記抗力付与部としての取り付けは、前記回転ダンパーを支持した前記チューブの他端側の回転自在な支持又は固定であり、
前記チューブは、前記ピニオンを前記ラックに噛合わせるダンパー用の開口を備え、
前記ピニオンは、前記ダンパー用の開口で前記ラックに噛合い、
前記伝達部は、前記ラック及び前記ラックに噛合うピニオンである、
抗力付与装置。
【請求項5】
請求項4記載の抗力付与装置であって、
前記チューブ側に回転可能に支持されて前記相対動作をガイドするガイドローラーを備え、
前記ガイドローラーは、前記ラックを前記ピニオンに対して挟むように前記ラックに当接し、
前記ラックに固定されたガイドプレートを備え、
前記ガイドプレートは、前記ピニオンに当接し、
前記ガイドローラー及びガイドプレートにより前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する、
抗力付与装置。
【請求項6】
請求項4記載の抗力付与装置であって、
前記ラックは、前記チューブに対する相対動作可能な方向に沿った長孔を備え、
前記チューブは、ガイドローラーを支持し、
前記ガイドローラーは、前記長孔に嵌合して前記ラックの相対動作をガイドし前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する、
抗力付与装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の抗力付与装置であって、
前記チューブは、前記電動モーターを支持し且つモーター用の開口を備え、
前記電動モーターは、回転連動用のピニオンを備え、
前記ピニオンは、前記モーター用の開口で前記ラックに噛合う、
抗力付与装置。
【請求項8】
請求項1記載の抗力付与装置であって、
前記受動部は、結合部であり、
前記結合部は、前記受動部としての取り付けが、回転自在な支持又は固定であり、
前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、
前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせる入力スプロケットを備え、
前記入力スプロケットは、前記結合部を中間部に支持したチェーンに噛合い、
前記伝達部は、前記入力スプロケット及びチェーンを備えると共に前記チェーンに噛合うアイドラ―スプロケット及びプレートを備え、
前記プレートは、前記回転ダンパーを一側に取り付け他側に前記アイドラ―スプロケットを回転自在に支持し、
前記抗力付与部としての取り付けを、前記プレートの一側又は他側の回転自在な支持又は固定若しくは前記プレートの一側及び他側の固定とした、
抗力付与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器等の可動側と設置面等の固定側との振動伝達を抑制する場合等に供する抗力付与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の抗力付与装置としては、例えば特許文献1に記載のサスペンションがある。このサスペンションは、洗濯機のドラムを有する可動側としての水槽を固定側としての台板に支持し、洗濯機の運転時の振動を低減する。
【0003】
具体的に、特許文献1のサスペンションは、磁気粘性流体を用いた直動ダンパーであり、台板に固定された固定側部材であるシリンダと、水槽に固定された可動側部材であるシャフトと、シャフトの周囲に保持された磁気粘性流体を含侵させた摩擦部材とを有している。
【0004】
このサスペンションは、シャフトの外周の摩擦力を変化させ、減衰力を調整することで水槽の振幅を減衰させることができる。
【0005】
しかし、かかるサスペンションは、直動ダンパーを用いており、ストロークの変更には抗力付与部である直動ダンパー自体の変更を必要とし、直動ダンパーの種類が増大するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5127667号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、ストロークの変更には抗力付与部自体の変更を必要とし、抗力付与部の種類が増大する点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、抗力付与部を共通にしながらストロークの変更を可能とするために、可動側の対象物又は固定側の一方に取り付けられる受動部と、前記対象物又は固定側の他方に取り付けられ前記受動部に対し相対動作が可能な抗力付与部とを備え、前記抗力付与部は、回転方向に抗力を付与可能であり、前記相対動作により前記抗力付与部に回転方向への入力を行わせ前記抗力を前記入力に対抗させる伝達部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記構成であるから、伝達部の変更により抗力付与部の変更を伴わずにストロークの変更ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係り、抗力付与装置をテーブルの制振装置として適用した一部透視の平面図である。
図2】実施例1に係り、抗力付与装置をテーブルの制振装置として適用した一部透視の要部の拡大平面図である。
図3】実施例1に係り、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。
図4】実施例1に係り、図3のIV-IV線矢視断面図である。
図5】実施例2に係り、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。
図6】実施例2に係り、図5のVI-VI線矢視断面図である。
図7】実施例2に係り、図5のVII-VII線矢視断面図である。
図8】実施例3に係り、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。
図9】実施例3に係り、図8のIX-IX線矢視断面図である。
図10】実施例4に係り、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。
図11】実施例5に係り、抗力付与装置を示す平面図である。
図12】実施例6に係り、抗力付与装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、抗力付与部を共通にしながらストロークの変更を可能とするという目的を以下のように実現した。
【0012】
可動側の対象物又は固定側の一方に取り付けられる受動部と、前記対象物又は固定側の他方に取り付けられ前記受動部に対し相対動作が可能な抗力付与部とを備え、前記抗力付与部は、回転方向に抗力を付与可能であり、前記相対動作により前記抗力付与部に回転方向への入力を行わせ前記抗力を前記入力に対抗させる伝達部を備えて実現した。
【0013】
前記抗力付与装置は、制振装置として実現するが、制動装置、衝撃吸収装置などとして実現することもできる。
【0014】
前記受動部は、ラックであり、前記ラックは、前記受動部としての取り付けが一端側の回転自在な支持又は固定であり、前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせるピニオンを備えて前記抗力付与部としての取り付けが固定であり、前記伝達部は、前記ラック及び前記ラックに噛合うピニオンである態様で実現できる。
【0015】
前記ラックは、直線的なラックで実現するが、弧状のラックで実現することも可能である。
【0016】
前記ピニオンは、歯先円直径と径の異なる同心円の当接部を有し、前記ラックの相対動作をガイドするガイドローラーを支持し、前記ガイドローラーは、前記ピニオンに対し前記ラックを挟むように前記ラックに当接し、前記ラックは、ガイドプレートを固定して備え、前記ガイドプレートは、前記ピニオンの当接部に当接し、前記ガイドローラー及びガイドプレートにより前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する態様で実現できる。
【0017】
前記受動部は、ラックであり、前記ラックは、前記受動部としての取り付けが一端側の回転自在な支持又は固定であり他端側がチューブの一端側から相対動作可能に挿入され、前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせるピニオンを備えて前記チューブに支持され、前記抗力付与部としての取り付けは、前記回転ダンパーを支持した前記チューブの他端側の回転自在な支持又は固定であり、前記チューブは、前記ピニオンを前記ラックに噛合わせるダンパー用の開口を備え、前記ピニオンは、前記ダンパー用の開口で前記ラックに噛合い、前記伝達部は、前記ラック及び前記ラックに噛合うピニオンである態様で実現できる。
【0018】
前記チューブ側に回転可能に支持されて前記相対動作をガイドするガイドローラーを備え、前記ガイドローラーは、前記ラックを前記ピニオンに対して挟むように前記ラックに当接し、前記ラックに固定されたガイドプレートを備え、前記ガイドプレートは、前記ピニオンに当接し、前記ガイドローラー及びガイドプレートにより前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する態様で実現できる。
【0019】
前記ラックは、前記チューブに対する相対動作可能な方向に沿った長孔を備え、前記チューブは、ガイドローラーを支持し、前記ガイドローラーは、前記長孔に嵌合して前記ラックの相対動作をガイドし前記ラック及びピニオン間のバックラッシュを設定する態様で実現できる。
【0020】
前記チューブは、前記電動モーターを支持し且つモーター用の開口を備え、前記電動モーターは、回転連動用のピニオンを備え、前記ピニオンは、前記モーター用の開口で前記ラックに噛合う態様で実現できる。
【0021】
なお、前記受動部は、対象物の動作を受けて連動するものであればよく、ボールねじのナット、タイミングベルトに係合して直線動作する駒等で実現することもできる。
【0022】
前記抗力付与部は、動作を受けた受動部に対し相対動作により回転方向への入力を行わせ抗力を入力に対抗させることが可能で有ればよい。回転ダンパーとしては、油圧等の液圧式の他、ビスカスカップリング、電磁力で押し付けを制御する摩擦制御式ダンパー等を用いることができる。
【0023】
前記伝達部は、前記相対動作により前記抗力付与部に回転方向への入力を行わせ前記抗力を前記入力に対抗させることができればよく、ラック及びピニオンの組み合わせに限らず、ボールねじとナット、タイミングベルトとこれに噛合う駒の組み合わせ筒でも実現できる。
【0024】
前記受動部は、結合部であり、前記結合部は、前記受動部としての取り付けが、回転自在な支持又は固定であり、前記抗力付与部は、回転ダンパーであり、前記回転ダンパーは、回転方向への入力を行なわせる入力スプロケットを備え、前記入力スプロケットは、前記結合部を中間部に支持したチェーンに噛合い、前記伝達部は、前記入力スプロケット及びチェーンを備えると共に前記チェーンに噛合うアイドラ―スプロケット及びプレートを備え、前記プレートは、前記回転ダンパーを一側に取り付け他側に前記アイドラ―スプロケットを回転自在に支持し、前記抗力付与部としての取り付けを、前記プレートの一側又は他側の回転自在な支持又は固定若しくは前記プレートの一側及び他側の固定とした態様でも実現できる。
【実施例0025】
[制震装置]
図1は、抗力付与装置をテーブルの制振装置として適用した平面図である。図2は、抗力付与装置をテーブルの制振装置として適用した要部の拡大平面図である。
【0026】
図1図2のように、実施例1では、抗力付与装置1の一側が固定側である床F側等に回転自在に支持され、抗力付与装置1の他側が可動側である対象物のテーブルTに結合されている。なお、可動側及び固定側は、相対的な概念であり、固定側は、可動側の動きを制限するための相手側を意味し、固定側も絶対的には動く場合があり得る。
【0027】
前記テーブルTは、例えば平面視で正方形形状であり、床Fに対し車輪などで平面方向の全てに自在に動くように設置されている。抗力付与装置1は、テーブルTの四隅に取付けられている。テーブルTの各辺部には、四隅側にコイルスプリング3の一端が取り付けられている。各コイルスプリング3の他端は、テーブルTの各辺部に直交するように床F側等に結合されている。
【0028】
したがって、地震時等の振動入力によりテーブルTにはコイルスプリング3と抗力付与装置1を介して所定の制動が伝達される。このときコイルスプリング3、抗力付与装置1の特性により両社が共働しテーブルTの振動を入力より小さくする。一般の抗力付与装置1は特性が決まっているので、一定範囲の入力にのみテーブルTの振動を低減できる。一方本実施例の抗力付与装置1は入力に応じ適した抗力を発生するよう制御するため、より広い入力範囲で高い振動低減効果を有する。
【0029】
[抗力付与装置]
図3は、抗力付与装置の一部透視の平面図である。図4は、抗力付与装置の要部拡大断面図である。
【0030】
図3図4のように、前記抗力付与装置1は、受動部5と、抗力付与部7と、伝達部9とを備えている。
【0031】
前記受動部5は、長尺のラックで構成されている。ラック5は、可動側の対象物又は固定側の一方、実施例1では床F側にラック5の一端側のボス部5aが回転自在に取り付けられている。このラック5のボス部5aの支持により、前記ラック5は、前記受動部としての取り付けが一端側の回転自在な支持となっている。この支持状態でラック5は、他端側5bが、テーブルTの対角線方向に沿って配置されている。
【0032】
前記抗力付与部7は、前記対象物又は固定側の他方であるテーブルTに取り付けられ前記ラック5に対し相対動作が可能となっている。抗力付与部7は、回転方向に抗力を付与可能である回転ダンパーで構成されている。
【0033】
前記回転ダンパー7の抗力付与部としての取り付けは、テーブルTに対するビス15による固定である。つまり、ビス15は、ハウジング16をテーブルTに固定し、ハウジング16に回転ダンパー7がビス19で固定されたものである。
【0034】
前記回転ダンパー7は、例えば油圧式が用いられている。回転ダンパー7は、回転方向への入力を行なわせるピニオン17を備えている。ピニオン17は、軸心部のボス部17aが回転ダンパー7への入力軸8に一体回転可能に固定されている。ピニオン17は、噛合い歯の厚み方向の上下に周面での当接部17bを備えている。このピニオン17は、前記ラック5に噛合っている。
【0035】
前記ピニオン17は、前記ラック5の相対動作をガイドするガイドローラー21を支持している。ガイドローラー21は、2個備えられている。二股アーム23の各先端23aにそれぞれ回転自在に支持されている。二股アーム23の各先端23aには、支持軸25が取り付けられている。支持軸25は、下端に平頭25aを備えている。支持軸25の上端は、二股アーム23の各先端23aを貫通し、ナット27の螺合により二股アーム23の各先端23aに締結固定されている。この支持軸25に前記ガイドローラー21が回転自在に支持されている。
【0036】
前記二股アーム23の基端23bは、前記入力軸8の段付きの先端部8a及びピニオン17のボス部17a外周に嵌合している。二股アーム23の基端23bは、入力軸8の先端部8aに螺合するナット29により軸方向の抜け止めが行われている。二股アーム23は、入力軸8及びピニオン17に対して回転自在となっている。
【0037】
こうして、2個のガイドローラー21は、回転ダンパー7の軸心部を境としてラック5の長手方向で対称に配置されている。
【0038】
前記ガイドローラー21は、前記ピニオン17に対し前記ラック5を挟むように前記ラック5に当接している。この当接は、ピニオン17が前記のように二股アーム23の先端23aに支持された状態でラック5の背部に当接している。
【0039】
前記ラック5は、上下のガイドプレート31を固定して備えている。ガイドプレート31は、ラック5の長手方向に沿って配置され、スポット溶接などにより取り付けられている。ラック5は、上下のガイドプレート31によって断面H型をなし、強度向上が図られている。前記ガイドプレート31は、前記ピニオン17の当接部17bに縁部が当接している。
【0040】
前記ガイドローラー21及びガイドプレート31により前記ラック5及びピニオン17間のバックラッシュが設定されている。
【0041】
前記伝達部9は、前記回転ダンパー7及びラック5間の相対動作により前記回転ダンパー7に回転方向への入力を行わせ、回転ダンパー7の抗力をピニオン17からの入力に対抗させるものである。伝達部9は、前記ラック5及び前記ラック5に噛合うピニオン17で構成されている。
【0042】
前記ラック5に対しピニオン17が相対動作するとラック5との噛合いにおいてピニオン17が回転入力を受ける。
【0043】
[制振装置の動作及び作用効果]
地震などによりテーブルTが床F側に対して動作すると、コイルスプリング3及び抗力付与装置1が伸縮及び揺動する。
【0044】
同時に回転ダンパー7がテーブルTと共に動作する。回転ダンパー7の動作により回転ダンパー7がラック5に対し相対動作を行う。
【0045】
この相対動作において、テーブルTの動作方向へ回転ダンパー7のピニオン17を介してラック5が押されるとラック5は、ボス部5aを中心に床F側に対して回転し、テーブルTの動作を許容する。
【0046】
同時に回転ダンパー7は、ラック5に沿った相対動作を含み、ピニオン17がラック5との噛合いにおいて回転する。このピニオン17の回転は、入力軸8に入力され、回転ダンパー7の抗力が入力軸8に働き、回転入力に対抗する。
【0047】
このため、テーブルTの動きを円滑にダンピングすることができる。
【0048】
前記ラック5とピニオン17との噛合いにおいては、ガイドローラー21がラック5の背部に当接し、ラック5に固定されたガイドプレート31がピニオン17の当接部17bに当接するからラック5及びピニオン17間のバックラッシュが保持され、ラック5とピニオン17との噛合いを円滑に行わせることができる。
【0049】
かかる抗力付与装置1においては、メイン部材の回転ダンパー7を変更することなく、ラック5の変更によりストロークを自由に変更することができる。したがって、ストロークの変更があっても回転ダンパー7の種類の変更はないか、抑制することができる。
【0050】
前記効力付与部7として電磁力等により締結制御を行わせる摩擦制御式ダンパーを使用した場合、電気的なコントローラーと組み合わせることで、自由な特性を得ることができるため、より広い入力振動に対応可能となる。
【0051】
高度なシール等が不要となり、信頼性が高く、安価に製造することもできる。
【実施例0052】
図5は、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。図6は、図5のVI-VI線矢視断面図である。図7は、図5のVII-VII線矢視断面図である。なお、本実施例2においても基本的な構成は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成に同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0053】
図5図6のように、本実施例2においても、抗力付与装置1の受動部5は、ラックであり、伝達部9は、前記ラック5及び前記ラック5に噛合うピニオン17である。また、抗力付与部7は、回転ダンパーである。回転ダンパー7は、回転方向への入力を行なわせる前記ピニオン17を備えている。
【0054】
一方、本実施例2のピニオン17は、回転ダンパー7の入力軸8に圧入して取り付けられ、キー32で回り止めが行われている。
【0055】
前記ラック5は、前記受動部としての取り付けがボス部5aのテーブルTへの回転自在な支持である。ラック5の他端側5bがチューブ33の一端側33aの開口から相対動作可能に挿入されている。チューブ33は、例えば、建築用の角チューブ等が利用されている。
【0056】
前記回転ダンパー7は、前記チューブ33に支持されている。回転ダンパー7の抗力付与部としての取り付けは、回転ダンパー7を支持したチューブ33の他端側のボス部33bの床F側への回転自在な支持である。
【0057】
前記チューブ33は長手方向の中間部にダンパー用の開口33cを備えている。前記ピニオン17は、開口33cから前記ラック5に噛合わせている。
【0058】
前記チューブ33は長手方向の中間部には、ダンパー取り付け用のブラケット35が固定して取り付けられている。前記回転ダンパー7は、ブラケット35にボルト36及びナット37により固定されている。
【0059】
前記チューブ33には、前記回転ダンパー7の反対側にガイドローラー21を備えている。ガイドローラー21は、チューブ33側に回転可能に支持されてラック5に対する回転ダンパー7の相対動作をガイドするものである。
【0060】
前記ガイドローラー21は、チューブ33に固定されたアーム38に回転自在に支持されている。チューブ33は、ガイドローラー21の対応箇所に開口33dを備えている。ガイドローラー21は、前記ラック5を前記ピニオン17に対して挟むように前記開口33dから前記ラック5の背部に当接している。ガイドローラー21のラック5に当接する位置は、ラック5の長手方向で前記回転ダンパー7に対して僅かにボス部33b側にずれている。
【0061】
前記ラック5は、実施例1同様に上下のガイドプレート31を備えている。ガイドプレート31は、チューブ33内に配置され、チューブ33に沿ってラック5と共に動作する。ガイドプレート31は、実施例1同様に前記ピニオン17の当接部17bに当接し、ガイドローラー21及びガイドプレート31によりラック5及びピニオン17間のバックラッシュを設定する。
【0062】
前記チューブ33の一端側33aには、補助ガイドローラー39が幅方向の両側に備えられている。補助ガイドローラー39は、チューブ33に固定されたアーム41の両側にそれぞれボルト43により回転自在に支持されている。ボルト43は、ナット45によりアーム41に固定されている。
【0063】
前記チューブ33は、補助ガイドローラー39の対応箇所に開口33eを備えている。補助ガイドローラー39は、前記ラック5を両側から挟むように前記開口33eから前記ラック5の両側に当接するか僅かな隙間で対向している。補助ガイドローラー39の一方は、前記ラック5の背部に当接又は対向し、補助ガイドローラー39の他方は、前記ラック5の歯先に当接又は対向している。
【0064】
前記補助ガイドローラー39には、厚み方向の上下に当接部39aが形成されている。前記ガイドプレート31は、前記補助ガイドローラー39の当接部39aに縁部が当接している。この当接により補助ガイドローラー39のラック5に対する当接又は隙間を持った対向が適切に設定されている。
【0065】
したがって、前記ラック5は、ガイドローラー21及び補助ガイドローラー39によりチューブ33に対して3点支持となり、チューブ33に対するラック5の相対動作をピニオン17とラック5との間のバックラッシュを適正に維持しつつ安定して行わせることができる。
【0066】
本実施例2の効力付与装置1も実施例1の図1と同様に配置される。本実施例2では、ラック5のボス部5aがテーブルTに支持され、チューブ33のボス部33bが床F側に支持されている。
【0067】
振動入力時に前記ラック5がテーブルTと共に動作するとラック5及びチューブ33が長手方向に相対動作を行う。
【0068】
この相対動作において、ピニオン17がラック5との噛合いにおいて回転する。このピニオン17の回転は、入力軸8に入力され、回転ダンパー7の抗力が入力軸8に働き、回転入力に対抗する。
【0069】
このため、テーブルTの動きを円滑にダンピングすることができる。
【0070】
前記ラック5とピニオン17との噛合いにおいては、ガイドローラー21がラック5の背部に当接し、ラック5に固定されたガイドプレート31がピニオン17の当接部17bに当接するからラック5及びピニオン17間のバックラッシュが保持され、補助ガイドローラー39がこれを補助するから、ラック5とピニオン17との噛合いを円滑に行わせることができる。
【0071】
他の作用効果は、実施例1と同様である。
【実施例0072】
図8は、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。図9は、図8のIX-IX線矢視断面図である。なお、本実施例3において、基本的な構成は、実施例2と同様であり、同一又は対応する構成に同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0073】
図8図9のように、本実施例3においても、抗力付与装置1の受動部5は、ラックであり、伝達部9は、前記ラック5及び前記ラック5に噛合うピニオン17である。また、抗力付与部7は、回転ダンパーである。回転ダンパー7は、回転方向への入力を行なわせる前記ピニオン17を備えている。
【0074】
一方、本実施例3のピニオン17は、回転ダンパー7の入力軸8に嵌合して取り付けられ、ナット29により締結固定され、キー32で回り止めが行われている。
【0075】
前記ラック5及びラック5に取り付けられたガイドプレート31は、チューブ33に対する相対動作可能な方向に沿った2本の長孔47、補助長孔49を直線的に備えている。一方の長孔47の形成は、ラック5の他端側5bから回転ダンパー7の軸心をボス部5a側へ僅かに超えた範囲としている。なお、この範囲は、回転ダンパー7に対するラック5のストローク範囲を決めるものであり、ラック5がチューブ33に全体的に挿入されている状態で説明している。他方の補助長孔49の形成は、チューブ33の一端側33aから長孔47に対して僅かな間隔を置いた位置までの範囲としている。
【0076】
前記ラック5のボス部5aは、ラック5の本体に対して別体に形成され、結合舌部5aaを備えている。結合舌部5aaは、チューブ33の一端側33aから突出したラック5の本体の先端5cにビス51により一体的に締結されている。
【0077】
前記チューブ33は、ガイドローラー53を支持している。ガイドローラー53は、前記長孔47に嵌合して前記ラック5の相対動作をガイドし前記ラック5及びピニオン17間のバックラッシュを設定する。ガイドローラー53は、断面H型で中空に形成され、ローラー部53aの上下に円板部53bを備えている。ガイドローラー53は、チューブ33を貫通するボルト43に回転自在に嵌合し、ローラー部53aがラック5及びガイドプレート31の長孔47に回転可能に嵌合している。ボルト43は、ナット45により締結されている。上下の円板部53bは、ラック5側の上下のガイドプレート31及びチューブ33の上下の内面間に配置され、相対回転可能となっている。上下の円板部53bの存在によりラック5の移動に際してチューブ33に対する傾き、ひいてはピニオン17に対する傾きを規制しつつ円滑に移動させることができる。
【0078】
本実施例3では、長孔47に嵌合するガイドローラー53が、ラック5及びピニオン17間のバックラッシュを設定するため、ガイドプレート31は、ピニオン17に当接するのではなく、ラック5と共に長孔47においてガイドローラー53に当接して前記バックラッシュを設定する。
【0079】
前記チューブ33の一端側33aには、補助ガイドローラー55が備えられている。補助ガイドローラー55は、補助長孔49に嵌合している。補助ガイドローラー55は、ガイドローラー53と同様の断面H型で中空に形成され、ローラー部55aの上下に円板部55bを備え、ナットで締結されたボルト57に相対回転可能に嵌合している。補助ガイドローラー55によるチューブ33に対するラック5のガイド機能はガイドローラー53と同様である。
【0080】
したがって、前記ラック5は、ガイドローラー53が長孔47に嵌合し、補助ガイドローラー55が補助長孔49に嵌合することで、チューブ33に対するラック5の相対動作を安定して行わせることができる。
【0081】
本実施例3の効力付与装置1も実施例1の図1と同様に配置され、実施例2同様にラック5のボス部5aがテーブルTに支持され、チューブ33のボス部33bが床F側に支持されている。
【0082】
前記ラック5がテーブルTと共に動作するとラック5及びチューブ33が長手方向に相対動作を行う。
【0083】
この相対動作において、ピニオン17がラック5との噛合いにおいて回転する。このピニオン17の回転は、入力軸8に入力され、回転ダンパー7の抗力が入力軸8に働き、回転入力に対抗する。
【0084】
このため、テーブルTの動きを円滑にダンピングすることができる。
【0085】
前記ラック5とピニオン17との噛合いにおいては、ガイドローラー21が長孔47に嵌合するからラック5及びピニオン17間のバックラッシュが保持され、補助ガイドローラー55がこれを補助するから、ラック5とピニオン17との噛合いを円滑に行わせることができる。
【0086】
他の作用効果は、実施例2と同様である。
【実施例0087】
図10は、抗力付与装置を示す一部透視の平面図である。なお、本実施例4において、基本的な構成は、実施例2と同様であり、同一又は対応する構成に同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0088】
本実施例4は、実施例2の構造に電動モーター59を追加支持した。電動モーター59は、回転連動用のピニオン61を備えている。チューブ33には、モーター取付ブラケット63が固定されている。モーター取付ブラケット63に電動モーター59がボルト65及びナット67により締結固定されている。
【0089】
前記チューブ33は、前記電動モーター59に対応した位置にモーター用の開口69を備えている。前記ピニオン61は、前記モーター用の開口69で前記ラック5に噛合っている。
【0090】
本実施例4では、長周期の振動入力によりテーブルTが移動して元の位置からずれたとき、電動モーター59の駆動によりラック5のチューブ33に対する位置を戻すことでテーブルTを元位置に戻すことができる。
【0091】
また、電動モーター59は、ラック5からピニオン61への入力により回転されるときは、通電が無くても電気的に抵抗力を発揮するため、回転ダンパー7によるダンピングの補助となる。
【0092】
なお、電動モーター59は、回転ダンパー7周囲に固定し、電動モーター59のピニオン61を回転ダンパー7のピニオン17に噛合わせる構成などにすることもできる。また、ラック5の背部にも歯を形成し、ラック5の両側に電動モーター59を配置してピニオン61をラック5の両側に噛合わせることもできる。電動モーター59を減速ギヤを備えたギヤードモーターで構成することもできる。
【0093】
他の作用効果は、実施例2と同様である。
【実施例0094】
図11は、抗力付与装置を示す平面図である。なお、実施例1と対応する構成部分には同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0095】
本実施例5の抗力付与装置1は、伝達部をチェーン及びスプロケット等で構成した。
【0096】
図11のように、本実施例5においても、抗力付与装置1の受動部5、抗力付与部7、伝達部9を備えている。抗力付与部7は、回転ダンパーである。
【0097】
前記受動部5は、結合部であり、結合部5は、ピボット5cとピボット5cを備えた結合ブラケット5dとからなっている。結合部5は、ピボット5cがテーブルTに回転自在に支持され、結合ブラケット5dがチェーン71の掛け回し方向の中間部に結合支持されている。つまり、結合部5は、前記受動部としての取り付けが、テーブルTに対する回転自在な支持となっている。
【0098】
前記回転ダンパー7は、回転方向への入力を行なわせる入力スプロケット73を備えている。入力スプロケット73は、前記結合部5を中間部に支持したチェーン71に噛合っている。
【0099】
前記伝達部9は、前記入力スプロケット73及びチェーン71を備えると共に前記チェーン71に噛合うアイドラ―スプロケット75及びプレート77を備えている。プレート77の一端部77aには、前記回転ダンパー7が、ボルト36、ナット37により固定されている。プレート77の他端部77bには、アイドラ―スプロケット75が回転自在に支持されている。このアイドラ―スプロケット75と前記入力スプロケット73との間に前記チェーン71が巻き回されている。アイドラ―スプロケット75は、プレート77とアイドラ―回転軸76との間にチェーンテンショナー78が設けられている。チェーンテンショナー78の調整によりアイドラ―回転軸76を入力スプロケット73側に対して接近離反調整することでチェーン71のテンション調節ができる。
【0100】
かかる抗力付与装置1は、プレート77の一端部77aが、回転ダンパー7の入力軸8と同心の回転軸で床F側に回転自在に支持され、ピボット5cが、対象物であるテーブルT側等に結合されている。
【0101】
地震などによりテーブルTが床F側に対して動作すると、実施例1の図1と同様にコイルスプリング3がテーブルTの振動を吸収する。
【0102】
同時に結合部5がピボット5cにおいてテーブルTと共に動作する。結合部5の動作により回転ダンパー7が結合部5に対し相対動作を行う。
【0103】
この相対動作において、テーブルTのチェーン71に沿った方向への動作反力によりチェーン71が駆動され、回転ダンパー7の入力スプロケット73及びアイドラ―スプロケット75のプレート77上での回転によりチェーン71が走行動作を行う。
【0104】
このチェーン71の走行動作により入力スプロケット73が回転し、この回転が入力軸8に入力され、回転ダンパー7の抗力が入力軸8に働き、回転入力に対抗する。
【0105】
このため、テーブルTの動きを円滑にダンピングすることができる。
【0106】
同時に、テーブルTのチェーン71に交差する方向への動作反力に対しては、プレート77が一端部77aにおいて回転ダンパー7の入力軸8と同心の回転軸で床F側に対し回転し、テーブルTの動作を許容する。
【0107】
本実施例5は、実施例1のラック5と本実施例5のチェーン71との対応において他の作用効果は、実施例1と同様である。
【実施例0108】
図12は、抗力付与装置を示す平面図である。なお、基本的な構成は実施例5と同様であり、同一又は対応する構成部分には同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0109】
本実施例6の抗力付与装置1は、実施例5と同様に伝達部をチェーン及びスプロケット等で構成した。
【0110】
一方本実施例の抗力付与装置1は、プレート77の床Fに対する支持位置を変更した。本実施例6のプレート77は、他端部77bがピボット79により床Fに回転自在に結合されている。ピボット5c、79間を結ぶ力の作用線は、チェーン71の走行方向に沿って設定されている。回転ダンパー7側のプレート77の一端部77aは、実施例5と異なり、ピボット79で床F側に支持された他端部77bに対して揺動する構成となっている。
【0111】
したがって、地震などによりテーブルTが床F側に対して動作すると、実施例1の図1と同様にコイルスプリング3がテーブルTの振動を吸収する。
【0112】
同時に結合部5がピボット5cにおいてテーブルTと共にプレート71に対して動作する。この結合部5の動作によりプレート71に支持された回転ダンパー7が結合部5に対し相対動作を行うことになる。
【0113】
この相対動作において、テーブルTのチェーン71に沿った方向への動作反力によりチェーン71が駆動され、回転ダンパー7の入力スプロケット73及びアイドラ―スプロケット75のプレート77上での回転によりチェーン71が走行動作を行う。このとき、ピボット5c、79間を結ぶ力の作用線が、チェーン71の走行方向に沿って設定されているため、ピボット5cの相対動作によるチェーン71の走行駆動を円滑に行わせることができる。
【0114】
このチェーン71の走行動作により入力スプロケット73が回転し、この回転が入力軸8に入力され、回転ダンパー7の抗力が入力軸8に働き、回転入力に対抗する。
【0115】
このため、テーブルTの動きを円滑にダンピングすることができる。
【0116】
同時に、テーブルTのチェーン71に交差する方向への動作反力に対しては、プレート77が他端部77aのピボット79において床F側に対し回転し、テーブルTの動作を許容する。
【0117】
他の作用効果は実施例5と同様である。
【符号の説明】
【0118】
1 抗力付与装置
T テーブル
F 床
5 受動部(ラック、結合部)
5a ボス部(一端側)
5b 他端側
7 回転ダンパー(抗力付与部)
8 入力軸
9 伝達部(ラック、ピニオン)
17 ピニオン
17b 当接部
21 ガイドローラー
31 ガイドプレート
33 チューブ
33a 一端側
33b ボス部(他端側)
33c 開口
33d 開口
33e 開口
39 補助ガイドローラー
39a 当接部
41 アーム
47 長孔
49 補助長孔
53 ガイドローラー
55 補助ガイドローラー
69 モーター用の開口
71 チェーン
73 入力スプロケット
75 アイドラ―スプロケット
77 プレート
77a 一端部
77b 他端部
79 ピボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12