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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073925
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】アーティスト支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20230519BHJP
【FI】
G06Q30/02 372
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186705
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 芳弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アーティストに関連する商品の販売を促進し、アーティストの経済的な支援を図るアーティスト支援システムを提供する。
【解決手段】アーティスト支援システムにおいて、ユーザが登録したアカウントを使用して、ユーザをログインさせることを可能とするログイン処理、アーティスト毎に、少なくとも1つの商品に対して、配当権の数を算出する算出処理及びユーザが購入した商品に対応するアーティストの配当権の数をユーザのアカウントに付与する配当権付与処理を備える。報酬付与処理は、ユーザのアカウントに付与されたアーティストの総配当権数に基づき、アーティストに対応する商品またはサービスに関する抽選権、サービス、商品の少なくとも何れか1つの報酬を付与するものであって、報酬付与により、ユーザのアカウントに付与された配当権の数を減少させない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログイン処理と、算出処理と、配当権付与処理と、報酬付与処理と、を実行可能なアーティスト支援システムであって、
ログイン処理は、ユーザが登録したアカウントを使用して、ユーザをログインさせることを可能とし、
算出処理は、アーティスト毎に、少なくとも1つの商品に対して、配当権の数を算出し、
配当権付与処理は、ユーザが購入した商品に対応するアーティストの配当権の数をユーザのアカウントに付与し、
報酬付与処理は、ユーザのアカウントに付与されたアーティストの総配当権数に基づき、アーティストに対応する商品またはサービスに関する抽選権、サービス、商品の少なくとも何れか1つの報酬を付与するものであって、報酬付与により、ユーザのアカウントに付与された配当権の数を減少させない
アーティスト支援システム。
【請求項2】
配当権付与処理は、
ログインしたユーザが購入したアーティストに関する商品に付与されたコード情報を取得する第1処理と、
第1処理によって取得されたコード情報に対応する算出処理において算出されたアーティストの配当権の数をユーザのアカウントに付与する第2処理を含む
請求項1に記載のアーティスト支援システム。
【請求項3】
商品は、通信回線を使用して配信されるコンテンツ、あるいは、現物商品である
請求項1または請求項2に記載のアーティスト支援システム。
【請求項4】
算出処理は、アーティストのデビューからの時間経過に応じて、1つの商品に対して付与する配当権の数を減少させる
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のアーティスト支援システム。
【請求項5】
第2処理は、取得処理においてコード情報を取得した時点における配当権の数、もしくは、ユーザがアーティストに関する商品を購入した時点における配当権の数を付与する
請求項2から請求項4の何れか1項に記載のアーティスト支援システム。
【請求項6】
配当権付与処理は、ユーザが購入した商品に対応する第1アーティストの配当権に加え、第1アーティストに関連する第2アーティストの配当権を付与する
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のアーティスト支援システム。
【請求項7】
配当権付与処理で付与されるアーティスト毎の総配当権数には上限が設けられている
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のアーティスト支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミュージシャン等、各種アーティストを支援するアーティスト支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミュージシャンは、CD等の媒体で自己の音楽を販売することが一般的であった。人気が出たミュージシャンは、媒体の売上が多くなることで、その印税を受領することができ、更なる音楽活動のための資金とすることが可能となった。現在では、インターネットを使用した音楽配信が一般的となり、配信により音楽を購入することが可能となっている。さらに、サブスクリプションサービスによる音楽聴取が広く人気を集めている。このようなサブスクリプションサービスでは、ユーザは毎月、一定額を支払うことで、サブスクリプションサービスに登録されている音楽を聴取することが可能である。
【0003】
このようなサブスクリプションサービスでは、ユーザは広く音楽を聴取することが可能となるものの、ミュージシャンに対する報酬は、CD等の媒体販売時と比較して少額となっている。ミュージシャンは、媒体販売に加え、ライブ活動を行うことで、収入拡大の努力を行っているが、現状のコロナ禍では、ライブ活動を行うことは困難な状況となっている。また、グッズ販売も行っているものの、本来の音楽活動とは異なるものである。このような事情により、現状、音楽的な才能を有するミュージシャンが潤沢な資金の元、成長するには困難な状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第01/071585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、アーティストや楽曲に投資を行う投資システムが開示されている。具体的には、サーバ装置は、楽曲データやアーティストに関するデータからなる少なくとも1つの投資対象データを蓄積し、投資クライアント装置は、サーバ装置にアクセスして投資対象データをダウンロードすると共に、将来人気が出ると思われるアーティストや楽曲に対する投資データをサーバ装置に送信する。これにより、利用者は、インターネット等のネットワークを利用して新曲やアーティストに投資することが可能となる。
【0006】
特許文献1に開示される投資システムでは、楽曲やアーティストに対する投資であって、投資する者が必ずしも楽曲、アーティストの愛好家であるとは限らない。また、投資を行った者が、必ずしも当該楽曲、あるいは、アーティストの楽曲を購入するとは限らない。
【0007】
本発明は、前述するように、ミュージシャン等のアーティストについて、その愛好家(ファン)が商品を購入することで、当該アーティストの成長を促すとともに、愛好家自身も支援により、報酬を得ることが出来るシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係るアーティスト支援システムは、以下の構成を採用するものである。
ログイン処理と、算出処理と、配当権付与処理と、報酬付与処理と、を実行可能なアーティスト支援システムであって、
ログイン処理は、ユーザが登録したアカウントを使用して、ユーザをログインさせることを可能とし、
算出処理は、アーティスト毎に、少なくとも1つの商品に対して、配当権の数を算出し、
配当権付与処理は、ユーザが購入した商品に対応するアーティストの配当権の数をユーザのアカウントに付与し、
報酬付与処理は、ユーザのアカウントに付与されたアーティストの総配当権数に基づき、アーティストに対応する商品またはサービスに関する抽選権、サービス、商品の少なくとも何れか1つの報酬を付与するものであって、報酬付与により、ユーザのアカウントに付与された配当権の数を減少させない。
【0009】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
配当権付与処理は、
ログインしたユーザが購入したアーティストに関する商品に付与されたコード情報を取得する第1処理と、
第1処理によって取得されたコード情報に対応する算出処理において算出されたアーティストの配当権の数をユーザのアカウントに付与する第2処理を含む。
【0010】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
商品は、通信回線を使用して配信される、あるいは、販売された媒体を使用し提供されたものである。
【0011】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
算出処理は、アーティストのデビューからの時間経過に応じて、1つの商品に対して付与する配当権の数を減少させる。
【0012】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
第2処理は、取得処理においてコード情報を取得した時点における配当権の数、もしくは、ユーザがアーティストに関する商品を購入した時点における配当権の数を付与する。
【0013】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
配当権付与処理は、ユーザが購入した商品に対応する第1アーティストの配当権に加え、第1アーティストに関連する第2アーティストの配当権を付与する。
【0014】
さらに、本発明に係るアーティスト支援システムにおいて、
配当権付与処理で付与されるアーティスト毎の総配当権数には上限が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るアーティスト支援システムによれば、アーティストに関連する商品の購入に基づき、各種の報酬を得ることのできる配当権を取得することで、商品購入の促進、ひいては、アーティストの経済的な支援を図り、アーティスト活動の更なる活発化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係るシステムの全体構成を示す図
図2】第1実施形態に係る販売処理を示すフロー図
図3】各種実施形態で使用する各種配当管理情報のデータ構成を示す図
図4】配当権数算出のための各種付与係数を示す図
図5】付与配当権数の変動を説明するための表
図6】第1実施形態に係る報酬付与処理を示すフロー図
図7】第1実施形態に係る抽選処理を示すフロー図
図8】第2実施形態に係る販売処理を示すフロー図
図9】第3実施形態に係るシステムの全体構成を示す図
図10】第3実施形態に係る販売処理を示すフロー図
図11】変形例に係る購入証明情報の管理を説明するための表
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。アーティスト支援システムは、インターネットに接続された販売・管理サーバ11を有して構成されている。本実施形態の販売・管理サーバ11は、音楽コンテンツ等アーティストに関連した商品の販売を行う販売機能、及び、商品としての音楽コンテンツを購入したユーザに対して配当権の付与を行う管理機能を備えている。
【0018】
また、アーティスト支援システムの外部構成としては、販売・管理サーバ11と各種情報を共有可能なレーベル(サーバ)12、音楽コンテンツを購入するユーザが所持するパソコン21、携帯端末22を有する。パソコン21は、ルータ23を介して、インターネットに通信接続されている。そして、携帯端末22は、基地局13等を介してインターネットに通信接続することが可能である。これら、パソコン21、携帯端末22は、インターネットを介して、販売・管理サーバ11と通信を行うことが可能である。
【0019】
第1実施形態では、パソコン21、携帯端末22を使用してユーザが通信回線を使用して配信される音楽コンテンツを購入することで配当権を取得する形態について説明を行う。ユーザが使用するパソコン21、携帯端末22を、端末装置と称することとする。
【0020】
図2は、本実施形態に係る販売処理を示すフロー図である。ここでは、携帯端末22を使用して音楽コンテンツを購入する形態について説明する。パソコン21を使用して購入する場合も同様である。まず、ユーザは、携帯端末22を使用して販売・管理サーバ11にログインする(S201)。ユーザは、予め、販売・管理サーバ11についてのアカウントを取得していることが前提である。
【0021】
販売・管理サーバ11は、ログインに対するログイン処理(S101)を行い、認証がOKの場合(S101:Yes)、ユーザによる音楽コンテンツの購入を可能にする。なお、認証が出来なかった場合(S101:No)には、携帯端末22に対してエラー通知を行う。携帯端末22は、販売・管理サーバ11が提供する販売サイト(S102)に対し、商品購入指示(S202)、決済指示(S203)を行うことで、音楽コンテンツの購入を行う。購入された音楽コンテンツは、販売・管理サーバ11から送信され(S103)、携帯端末22で受信する(S204)ことで、携帯端末22による音楽聴取が可能となる。
【0022】
本実施形態では、このような音楽コンテンツの販売時において、購入した音楽コンテンツに対応するアーティストの配当権を付与することとしている。販売・管理サーバ11では、購入された音楽コンテンツに対する配当権付与処理を実行する(S104)。配当権付与処理(S104)では、購入された音楽コンテンツに対するアーティストの配当権数を確認し、購入したユーザのアカウントに対して付与する。そして、購入したユーザの携帯端末22に対して、付与された配当権数を通知する(S105)。携帯端末22では、付与された配当権数を確認することが可能となる(S205)。
【0023】
図3は、各種実施形態で使用する各種配当管理情報のデータ構成を示す図である。図3(A)は、商品管理情報のデータ構成を示す図である。本実施形態の商品管理情報は、音楽コンテンツ、映像コンテンツ、画像コンテンツ、及び公演チケットなどの商品(本例では、音楽コンテンツ)を示す商品ID、商品に対応するアーティストを示すアーティストID、発売日、価格、売上数、付与配当権数を有して構成される。発売日は商品が発売された年月日である。売上数は、発売日から現在に至るまで、商品が販売された数を示す。付与配当権数は、当該商品を購入した場合、ユーザに付与される配当権の数である。この付与配当権数は、販売・管理サーバ11で実行される算出処理で算出される。算出処理では、商品の売上数等、各種情報に基づき、この付与配当権数を算出する。算出のタイミングは、配当権を付与する時、日毎、週毎に行う他、商品売り上げ毎に行う等、各種形態を採用することが可能である。
【0024】
図3(B)は、アーティスト情報のデータ構成を示す図である。アーティスト情報としては、アーティストを示すアーティストID、アーティストのデビュー年月日、配当済み数、配当権上限数を含んで構成されている。デビュー年月日は、アーティストがデビュー(例えば、初めて音楽コンテンツを発売した年月日)であって、商品毎の付与配当権数の算出に使用することも可能である。配当済み数は、商品の販売に伴い、ユーザに付与された付与配当権数の総数である。配当権上限数は、当該アーティストにおいて、付与可能な付与配当権数の総数である。配当済み数が配当権上限数に達するまで、商品の購入毎に配当権がユーザに付与されることになる。
【0025】
図3(C)は、ユーザ保有情報のデータ構成を示す図である。ユーザ保有情報としては、ユーザを示すユーザID、アーティスト毎情報を含んで構成されている。本実施形態では、配当権は、アーティスト毎に管理されるため、図3(C)に示されるアーティスト毎情報Aは、アーティストAに関する情報であって、アーティストID_A、保有配当権数、抽選権情報を含んで構成されている。保有配当権数は、ユーザIDに該当するユーザが保有している配当権の数である。この保有配当権数に基づき、ユーザに対する報酬が決定されることになる。本実施形態では、報酬の1つとして、アーティストに関する抽選権をユーザに付与することとしている。なお、報酬としては、抽選権のみならず、アーティストのライブ、コンサート等のチケット、あるいは、グッズなどの物品、各種サービス等、各種形態を採用することが可能である。
【0026】
人気を集めているアーティストのライブ、コンサートのチケットは入手し難いことがある。このようなチケット入手のための抽選権を、報酬としてユーザに付与することで、商品(この場合、音楽コンテンツ)購入のモチベーションアップを図るものである。抽選権に基づく抽選処理については、後で詳しく説明を行う。
【0027】
図4は、算出処理によって配当権数を算出するための各種付与係数を示す図である。図3(A)で説明した付与配当権数は、販売・管理サーバ11において、適宜タイミングで実行される算出処理で算出される。図4には、この付与配当権数を算出するために使用される各種付与係数の変動が示されている。
【0028】
図4(A)は、アーティストの総売上数に応じて変動させた場合の図である。この例では、アーティストの総売上数が増加する毎に付与係数を減少させている。したがって、アーティストの人気が上がり、アーティストに関する商品の売り上げが増加するに連れて、1商品毎に付与される配当権数は減少することになる。
【0029】
図4(B)は、商品発売日からの経過日数に応じて変動させた場合の図である。この例では、商品の発売日からの経過に伴い付与係数は減少する。したがって、商品発売後、早期に購入したユーザほど、多くの配当権数を受領することが可能となる。
【0030】
図4(C)は、アーティストデビューからの日数に応じて変動させた場合の図である。この例では、アーティストデビューからの日数経過に伴い付与係数は減少する。したがって、デビューから日数経過していないアーティストの商品を購入する程、付与される配当権数は多くなる。
【0031】
図4(D)は、アーティストについて、各商品(あるいは、全商品)の売上上昇率に応じて変動させた場合の図である。この例では、各商品(あるいは、全商品)の売上上昇率に伴って付与係数は減少させている。したがって、各商品(あるいは、全商品)の売上上昇率が大きくなるほど、付与される配当権数は減少する。一方、各商品(あるいは、全商品)の売上上昇率が低迷した場合、付与される配当権数は多くなる。
【0032】
以上4つの付与係数変動の形態について説明したが、販売・管理サーバ11で実行される算出処理では、これら4つの何れかの付与係数、あるいは、複数の付与係数を使用することで、商品管理情報に含まれる付与配当権数が算出される。したがって、ユーザは、人気が出る前に早期に応援、すなわち、アーティストの商品を購入することで、より多くの配当権を受領することが可能となっている。
【0033】
図5は、付与配当権数の変動を説明するための表である。販売・管理サーバ11で実行される算出処理では、商品毎に管理される付与配当権数を、図4の各種形態の付与係数を使用して算出することになる。図5は、その1例であって、図5(A)は、2021年10月23日における4商品の付与配当権数に関する表である。そして、図5(B)は、1ヶ月後の2021年11月23日における4商品の付与配当権数に関する表である。
【0034】
表中、何れの商品も発売日を2021年10月21日としている。また、商品ID「1」~「3」の商品は、その価格を1,000円に統一している。また、商品ID「4」については、価格を5,000円に設定している。また、アーティストA~Cのデビュー時期は、略同時期、2021年10月23日までの総売上数も同等と想定している。
【0035】
図5(A)は、発売から2日後の時点であって、商品「1」~「3」の売上は、10枚以内である。そのため、付与配当権数は何れも1となっている。一方、商品ID「4」については、価格が5,000円と高額のため、購入した際、得られる付与配当権数は5倍となっている。
【0036】
図5(B)にみられるように、1ヶ月後の時点において、商品ID「2」は、20,0000枚の大きな売上数を上げている。そのため、算出処理では、商品ID「2」を購入して得られる配当権数を0.1に減少させている。一方、商品ID「1」は、商品ID「2」程ではないものの、3,0000枚と、ある程度の売上数となっている。そのため、算出処理では、商品ID「1」を購入して得られる配当権数を0.8と、僅かに減少させている。
【0037】
一方、商品ID「3」は、500枚の売上数であって、それほど大きな売上数となっていない。ここでは、売上数の上昇率に関する付与係数が貢献することで、付与配当権数は、1から1.2に増えている。このように、人気が無い商品については、その付与配当権数を増加させることで、商品購入のモチベーションアップを図っている。また、商品ID「4」についても、同様、売上数が芳しくないため、その付与配当権数を5から6に増加させている。
【0038】
図6は、本実施形態に係る報酬付与処理を示すフロー図である。報酬付与処理は、アーティスト毎に実行され、当該アーティストの配当権を保有するユーザに報酬を付与する処理である。本実施形態では、報酬として抽選権を付与することとしている。
【0039】
報酬付与処理では、アーティスト毎に報酬付与タイミングの監視を行う(S301)。タイミングとしては、イベント開催時、1年に1回、四半期に1回、毎月とする等、適宜期間とすることが可能である。あるアーティストの報酬付与タイミングが到来した場合(S301:Yes)、当該アーティストの配当権を保有するユーザIDが抽出される(S302)。
【0040】
そして、抽出されたユーザIDに付与され保有するアーティストの総配当権数の抽出が行われる(S303)。抽出した総配当権数に基づき、抽選権数が算出される(S304)。例えば、総配当権数が10のユーザに対しては、1の抽選権数が付与されることになる。算出された抽選権数は、ユーザIDのユーザのパソコン21、携帯端末22等に通知される(S305)。なお、通信による通知のみならず、郵送による通知であってもよい。当該アーティストの全ての保有ユーザについて、抽選権の算出、通知が完了する(S306:Yes)ことで、報酬付与処理が完了する。
【0041】
なお、通常、販売促進におけるポイント等では、報酬と引き換えにポイントが減少することになるが、本実施形態では、報酬である抽選権を付与した場合であっても、ユーザが保有する配当権は減少しない点において異なっている。そのため、古くからアーティストの商品を購入することで、アーティストを支援してきたユーザを優遇することが可能となっている。
【0042】
付与された抽選権は、各ユーザのユーザ保有情報で管理される。図3(C)で説明したようにユーザ保有情報には、アーティスト毎に設けられたアーティスト毎情報が含まれている。アーティスト毎情報には、抽選権情報が設けられており、各抽選権情報には、抽選権毎に抽選権ID、保有抽選権数、有効期限が含まれている。ユーザは、有効期限内に保有している抽選権を行使することで、抽選権に対応するチケットに応募することが可能となる。なお、応募完了後は、応募数に応じて保有抽選権数が減少することになる。
【0043】
図7は、本実施形態に係る抽選処理を示すフロー図である。抽選権を受領したユーザは、抽選権を行使する抽選処理に応募することが可能となる。ここでは、携帯端末22を使用した抽選処理について説明する。まず、ユーザは、自己のアカウントにログインを行う(S231)。販売・管理サーバ11は、ログインに対するログイン処理(S121)を行い、認証がOKの場合(S121:Yes)、ユーザによる抽選サイト(S122)の利用が可能となる。ユーザは抽選サイトにアクセス(S232)することで、保有する抽選権を行使することが可能となる。対象となる品(この例では、チケット)を指定する(S233)ことで抽選に対する応募が完了する。携帯端末22は、抽選サイトから応募結果を受信する(S234)。
【0044】
図3(D)は、応募完了後、販売・管理サーバ11で記憶管理するユーザ応募情報のデータ構成である。ユーザ応募情報は、応募したユーザを示すユーザID、応募品ID、応募口数、抽選状況を含んで構成されている。抽選は、このユーザ応募情報を使用して管理される。
【0045】
応募した抽選について抽選日が到来した場合(S123:Yes)、販売・管理サーバ11は、抽選処理を実行する(S124)。本例では、チケットの購入可否に関する抽選が行われる。抽選処理に当選した場合(S125:YES)、当選したユーザに対しては、当選結果通知が行われる(S126)。ユーザは、当選結果を確認(S235)し、チケットの購入が可能となる。一方、落選した場合(S125:No)、携帯端末22には落選通知が送信される。
【0046】
当選したユーザは、購入指示を行うことで、対象となるチケットの購入を指示する(S236)。本実施形態では、有料のチケットとなっており、チケット購入に伴い、クレジットカード等を使用した決済指示が必要となる(S237)。決販売管理サイト(S127)では、決済が完了すると、購入されたチケットを携帯端末22に送信する(S128)。携帯端末22では、チケットが受信(S238)され、対象となるコンサート、ライブへの入場に使用可能となる。
【0047】
このように本実施形態では、アーティストに関する商品(本実施形態では、音楽コンテンツ)を購入することで、購入したユーザは、アーティスト毎の配当権を取得する。報酬付与処理では、取得した配当権に基づいて、報酬(本実施形態では、コンサート、ライブ等の入場チケットの抽選券)が付与されることになり、アーティストに関する商品購入へのモチベーションアップに繋がることになる。配当権は、古くから、あるいは、人気が出る前からアーティストの商品を購入することで、支援を行ったユーザほど、多く貰うことができるため、デビュー仕立てのアーティスト、あるいは、まだ人気が出ていないアーティストを、ユーザ自身が発掘する良い機会となる。
【0048】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る販売処理を示すフロー図である。第1実施形態では、図2を用いて販売・管理サーバ11と携帯端末22間での販売処理を説明した。この第1実施形態では、販売処理を行う時点において、販売・管理サーバ11において、商品(音楽コンテンツ)を購入した際に付与する付与配当権数を、予め算出処理で算出している。
【0049】
ところで、付与配当権数は、商品の売上数等によって変更することが考えられる。予め付与配当権数を算出した場合、売上がまだ見込めない中で算出する必要がある。本実施形態では、売上が確定した上で、付与配当権数を算出することが可能となり、正確な売上等、付与配当権数の算出に必要な各種情報を使用し、付与配当権数を適切に算出することとしている。
【0050】
商品の販売については、図2の販売処理であり、同じ符号(S101~S103、S201~S204)の処理については割愛する。商品販売後、販売・管理サーバ11では、付与配当権数の算出タイミングの到来を待つ(S131)。算出処理は、例えば、1日1回、定期的に行うことが考えられる。この他、週1回とする、あるいは、1時間に1回とする等、各種形態を採用することが可能である。
【0051】
算出タイミングが到来した場合(S131:Yes)、販売・管理サーバ11では、商品毎に付与配当権数を算出する。その際、算出処理には、現時点におけるアーティストの総売上数、アーティストの各商品(あるいは、アーティストの全商品)の売上上昇率を使用することが可能となる。
【0052】
そして、前回の算出処理終了時から、今回の算出処理時までの期間に購入を行ったユーザに対して、今回、行った算出処理(S132)で算出した付与配当権数を付与する(S133)。そして、購入したユーザの携帯端末22に対して、付与された配当権数を通知する(S134)。携帯端末22では、付与された配当権数を確認することが可能となる(S205)。
【0053】
このように、第2実施形態では、商品の販売後、算出処理(S133)を実行することで、適切な付与配当権数を使用することが可能となる。特に、アーティスト毎に、配当上限数が設けられている場合、付与可能な配当権数も限られるため、急な売上上昇した場合であっても、配当上限数を超えることなく、配当権を付与することが可能となる。
【0054】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。図9の場合、アーティスト支援システムは、少なくとも管理サーバ112を有して構成される。図1で説明した第1実施形態のシステムでは、音楽コンテンツの販売を行う販売機能、及び、音楽コンテンツを購入したユーザに対して配当権の付与を行う管理機能を備えた販売・管理サーバ11を使用するものであった。
【0055】
第3実施形態では、販売機能を実行する販売サーバ111と、配当権を管理する配当権機能を実行する管理サーバ112が分かれた形態となっている。また、販売サーバ111、管理サーバ112間は、インターネットを介して互いに通信を行うことが可能である。また、レーベル(サーバ)12は、販売サーバ111、管理サーバ112と各種情報を共有することが可能である。なお、レーベル(サーバ)12は、インターネットを介して、販売サーバ111、管理サーバ112と通信可能としてもよいし、他の各種手段で情報を共有することとしてもよい。
【0056】
図10は、第3実施形態に係る販売処理を示すフロー図である。図9のシステム構成では、販売機能と管理機能が分かれているため、配当権を付与するため、購入証明情報(「コード情報」に相当)を使用している。購入証明情報は、商品購入後、ユーザに通知される情報であって、販売した個々の商品毎に異なる情報である。
【0057】
図3(E)は、この購入証明情報を含む商品購入関連情報のデータ構成例を記載したものである。商品購入関連情報は、商品を販売する毎に形成される情報であって、図9のシステム構成では、販売サーバ111によって形成される情報である。この商品購入関連情報には、購入された商品を示す商品ID、購入日、そして、購入証明情報が含まれている。購入証明情報は、商品購入関連情報毎に異なる情報であり、この購入証明情報を参照することで、商品購入関連情報を特定し、商品ID、購入日を特定することが可能である。
【0058】
販売サーバ111は、ユーザによる商品購入完了後、商品購入関連情報を記憶する。そして、商品購入関連情報を管理サーバ112に送信し(S135)、購入証明情報を購入したユーザの携帯端末22に送信する(S136)。管理サーバ112では、商品購入関連情報を受信(S220)し、それを記憶管理する。一方、携帯端末22を使用するユーザは、購入証明情報を受信する(S211)。購入証明情報としては、複数桁の数字、英文字、あるいは、組み合わせなど適宜形態が採用される。
【0059】
ユーザは、この購入証明情報を取得後、管理サーバ112にログインを行う(S212)。なお、本実施形態では、販売サーバ111、管理サーバ112は、異なるアカウントであって、それぞれ異なるユーザID、パスワードを必要としている。管理サーバ112は、ログインに基づき、ログイン処理(S221)を実行し、認証がOKの場合(S221:Yes)、ログインしたユーザについての購入証明情報の送信を可能とする。ユーザは、販売サーバ111から受信した購入証明情報を、管理サーバ112が提供する入力フォームに入力(送信)する(S213)。
【0060】
管理サーバ112では、購入証明情報を受信(S222)した後、当該購入証明情報が有効か否かを確認する(S223)。購入証明情報の確認は、既に使用済み、すなわち、配当権を付与済みの購入証明情報か否かによって、その有効性を確認している。なお、本実施形態では、販売サーバ111から予め受信した商品購入関連情報を使用して判定することも可能である。例えば、商品購入関連情報に含まれる商品IDを参照することで、同一の商品について、二重に配当権を付与することがないようにすることが考えられる。このようにすることで、例えば、握手券等、商品に付随するサービスを目的として複数、商品を購入することを排除することが可能となる。
【0061】
購入証明情報が有効でない場合(S223:No)、例えば、販売サーバ111から受信した商品購入関連情報に含まれていない購入証明情報である場合、ユーザの携帯端末22に対して無効通知を行う。一方、有効であった場合(S223:Yes)、配当権付与処理を実行する。図3(E)で説明したように、商品購入関連情報には、購入証明情報と商品IDが対応付けられている。したがって、購入証明情報をキーとして購入した商品を特定することが可能となる。また、管理サーバ112では、算出処理を実行することで、商品に対する付与配当権数を記憶管理しており、特定した商品に対する付与配当権数を判断することが可能である。配当権付与処理(S224)では、このように、取得した購入証明情報に基づき、ユーザに付与配当権数を付与する。付与された付与配当権数は、ユーザ保有情報において該当するアーティストの保有配当権数に合算され、記憶管理される。
【0062】
そして、配当権付与処理(S224)後、付与された付与配当権数等、配当権数に関する通知(S225)を携帯端末22に行う。携帯端末22では、受信した配当権数に関する情報を受信し、ユーザは、配当権数を確認することが可能となる(S214)。
【0063】
以上、第3実施形態では、販売サーバ111と、管理サーバ112が異なる場合を想定している。このような形態では、販売サーバ111は複数、存在することも可能である。また、音楽コンテンツ等のコンテンツ配信のみならず、店舗販売あるいはネット販売される現物商品(例えば、アーティストに関するCD、DVD、各種グッズ)についても、商品の購入後に配当権を取得できる様、予め店頭販売の商品に購入証明情報を付与しておくこととしてもよい。ユーザは購入した商品の購入証明情報を管理サーバ112に送信することで、配信の場合と同様、配当権を取得することが可能となる。現物商品に対する購入証明情報の付与形態としては、商品に貼付された2重のシールであって、1枚、シールを剥がすことで、購入したユーザが購入証明情報を確認できる形態等が考えられる。
【0064】
なお、第3実施形態についても、第2実施形態と同様、購入の確定後、算出処理を行うこととしてもよい。第2実施形態では、管理サーバ112は、販売サーバ111から商品購入関連情報を受信しており、この商品購入関連情報に基づき、商品の売り上げ等を管理することが可能となる。管理サーバ112は、商品の売り上げ等、各種情報を参照し、商品毎の付与配当権数を定期的に算出する算出処理を実行し、商品毎の付与配当権数を、日時に対応付けて記憶しておく。そして、商品購入関連情報に含まれる購入日に基づき、購入日に対応する付与配当権数をユーザに付与する。
【0065】
このようにすることで、販売タイミングと、管理サーバ112に対する購入証明情報が異なったとしても、販売タイミングでの付与配当権数をユーザに付与することが可能となる。なお、配当権付与処理(S224)では、商品の購入日を使用せず、購入証明情報を管理サーバ112が受信した時点における付与配当権数をユーザに付与することとしてもよい。
【0066】
また、商品購入関連情報には、購入したユーザのユーザID(販売サーバ111のユーザID)を含めておいてもよい。例えば、販売サーバ111のユーザIDと、管理サーバ112のユーザIDが紐付けされている、あるいは、同じユーザIDを使用している場合、販売サーバ111から管理サーバ112に対して、商品購入関連情報を送信するだけで、管理サーバ112におけるユーザIDのユーザに対し、配当権を付与することが可能となる。したがって、ユーザが管理サーバ112に対して購入証明情報を送信する必要はない。
【0067】
また、第3変形例では、販売サーバ111が管理サーバ112に対して、商品の購入日を通知するため、商品購入関連情報を送信する構成を採用している。この他、販売サーバ111が管理サーバ112に対して、商品の購入日を通知する構成としては、以下の構成を採用することが可能である。
【0068】
・購入証明情報に購入日を埋め込む形態。
ユーザの携帯端末22に通知される購入証明情報に購入日を埋め込んでおくことが考えられる。この場合、ユーザの携帯端末22から、購入証明情報を管理サーバ112に送信するだけで、管理サーバ112は、購入証明情報に基づいて購入日を判定し、購入日時点の配当権を付与することが可能となる。
【0069】
・購入したコンテンツに購入日を埋め込む形態。
ユーザが購入したコンテンツに購入日を埋め込んでおくことが考えられる。この場合、ユーザが管理サーバ112にアクセスし、コンテンツを再生する等の行為を行った場合、携帯端末22は、コンテンツに含まれる購入日を管理サーバ112に送信する。あるいは、コンテンツとコンテンツに含まれる購入日とをユーザ保持情報のユーザIDに関連付けて記憶することによって、管理サーバ112は、ユーザIDを用いてログインS121をした際に、購入日を取得することが可能である。したがって、管理サーバ112は、受信した購入日を判定し、購入日時点の配当権を付与することが可能となる。
【0070】
・携帯端末22で購入日を管理する形態。
携帯端末22でコンテンツを購入した時点を購入日として、携帯端末22で管理してもよい。例えば、図8の販売処理において、携帯端末22から販売サーバ22に対して、決済指示を行った(S203)日時を購入日とすることが考えられる。その際、携帯端末22は、決済指示を行った(S203)日時を購入日として、購入したコンテンツに関連付けて記憶しておく。そして、携帯端末22は、管理サーバ112にアクセスした際、購入証明情報と共に、購入証明情報のコンテンツに対応する購入日を送信する。管理サーバ112では、受信した購入証明情報と購入日に基づいて、購入日時点の配当権を付与することが可能となる。なお、購入日としては、携帯端末22で決済指示(S203)を行った日時ではなく、例えば、携帯端末22でコンテンツを受信(S204)した日時であってもよい。
【0071】
以上、第1~第3実施形態について説明したが、各種実施形態のアーティスト支援システムによれば、アーティストに関連する商品の購入に基づき、各種の報酬を得ることのできる配当権を取得することで、商品購入の促進、ひいては、アーティストの経済的な支援を図り、アーティスト活動の更なる活発化を図ることが可能となる。以下に、アーティスト支援システムの変形例を説明する。
【0072】
<第1変形例>
ユーザに付与された配当権は、取引可能としてもよい。例えば、第1実施形態の販売・管理サーバ11、あるいは、管理サーバ112に取引機能を設ける、あるいは、取引機能を有する取引サーバを設けることで、ユーザ間で配当権の取引を行うこととしてもよい。配当権の取引は、オークション形式にする等、お金による支払いで行うことが可能である。この他、配当権の交換であってもよい。この場合、アーティスト毎に交換レートを設けることで、人気に応じた配当権の交換を行うことが可能となる。また、報酬の1つである抽選権についても、配当権と同様、取引を行うこととしてもよい。
【0073】
<第2変形例>
アーティストの楽曲提供等を行うレーベル、あるいは、アーティストに対して、配当権を付与することとしてもよい。例えば、デビュー時等に、レーベル、あるいは、アーティスト自身に配当権を付与することで、例えば、第1変形例のように、取引可能になった場合、保有する配当権を取引市場で販売することで、利益を得ることが可能となる。また、人気が配当権の高額化に繋がることになるため、アーティスト活動のモチベーションアップにも貢献できることになる。
【0074】
<第3変形例>
第1~第3実施形態では、音楽活動を行うミュージシャンについて説明したが、アーティストとしては、ミュージシャン以外に、作家、絵描き、映画監督など、作品(商品)を作る者であれば、本発明に係るアーティスト支援システムを適用することが可能である。
【0075】
<第4変形例>
第1~第3実施形態では、音楽コンテンツを作った(あるいは、歌唱する)ミュージシャンについて、当該ミュージシャンの配当権をユーザに付与するものであった。このような形態のみならず、第1アーティスト(例えば、ミュージシャン)の商品を購入した場合、第2アーティストの配当権を付与することとしてもよい。例えば、第1アーティストがデビューしたてであって、第2アーティストが既に人気を得ている場合、第2アーティストの配当権を目的として、第1アーティストの商品に消費者(ユーザ)の目を向けさせることが可能となる。また、第2アーティストは複数のアーティストであっても良い。
【0076】
<第5変形例>
図4では、各種付与係数の実施形態について説明を行った。付与係数は、図4で説明した形態に限られるものではなく、下記に記載する形態を使用することも可能である。
・アーティストについて、販売商品の種類が多い場合は、付与係数を低くする。この場合、販売商品種類が増えるにしたがって、付与係数は低くなる。
・第1変形例で説明したように、配当権の取引が行われる場合、配当権の価値(販売価格等)の変動に基づき、付与係数を決定することとしてもよい。例えば、配当権の価値(販売価格等)が高騰した場合、人気度合いが高いものとして、付与係数は小さく設定される。なお、配当権によって抽選権が提供される場合、同様に、抽選権の価値(販売価格等)の変動に基づいて、付与係数を決定してもよい。
・各ユーザが購入した商品の購入数に応じて付与係数を変化させることとしてもよい。例えば、あるユーザについて、アーティストの商品の購入数が増えるに連れ、当該アーティストの配当権についての付与率を高くすることが考えられる。なお、購入数のみならず、購入率に応じて変化させてもよい。購入率としては、アーティストの全商品に対する購入した商品の数でもよいし、アーティストが販売するシリーズ商品毎の購入率であってもよい。
【0077】
<第6変形例>
第3実施形態では、図10の販売処理のフロー図に示されるように、販売サーバ111と管理サーバ112が通信回線を使用して連携して処理を行うことを説明した。販売サーバ111と管理サーバ112は、通信回線を使用して連携するものではなくてもよい。
【0078】
図11は、変形例に係る購入証明情報の管理を説明するための表である。この表は、あるアーティストAの商品Aについて、購入証明情報とそのロット番号(販売時期を示す情報)の関係を示したものである。購入証明情報は、11桁の数字とアルファベットの組み合わせで構成されている。購入証明情報の上5桁は、各ロット番号で共通となっている。また、購入証明情報の下6桁は、商品毎に異なる情報(数字とアルファベットの組み合わせ)となっている。
【0079】
このような商品購入情報に関する規則を管理サーバ112で記憶しておくことで、管理サーバ112は、商品の購入時期をロット番号で判断することが可能である。そのため、第3実施形態のように、商品購入関連情報を販売サーバ111から受信する必要がない。
【符号の説明】
【0080】
11 :販売・管理サーバ
111:販売サーバ
112:管理サーバ
13 :基地局
21 :パソコン
22 :携帯端末
23 :ルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11