(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073929
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】屋外コンセント
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20230519BHJP
E05B 37/02 20060101ALI20230519BHJP
H01R 13/447 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
H01R13/64
E05B37/02 Z
H01R13/447
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186710
(22)【出願日】2021-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521503167
【氏名又は名称】株式会社Foreground
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】岡本 竜哉
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB21
5E021FC38
5E021HC31
5E021KA05
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF02
5E087LL22
5E087MM09
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】 盗電を防止でき、鍵の紛失による使用不能という事態を回避できる屋外コンセントを提供する。
【課題を解決するための手段】 屋外コンセント1のケース体2内に設けられて、外部からダイヤル回転操作によりロック・アンロックが可能な回転ダイヤル式キー20を備え、回転ダイヤル式キー20は、キーがアンロックのときは第1の姿勢状態に復帰しており、キーがロック状態になると、第2の姿勢状態に移動する可動部材21を含み、第2の姿勢状態に移動した可動部材21の先端の邪魔部42は、前側のメスコンタクト10、11の先端と前側の差し込み口3、4の間の隙間に、メスコンタクト10、11に非接触かつオスコンタクトの差し込みを邪魔する位置に変位し、第1の姿勢状態に復帰した可動部材21の先端の邪魔部42は、オスコンタクトとメスコンタクト10、11の接触を邪魔しない位置に変位する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からプラグのオスコンタクトを差し込む差し込み口と、差し込み口から差し込まれたオスコンタクトと接触し、電源供給するメスコンタクトとがケース体内に設けられるとともに、差し込み口とメスコンタクトの先端の間に隙間の空いた屋外コンセントであって、
ケース体内に設けられて、外部からダイヤル回転操作によりロック・アンロックが可能な回転ダイヤル式キーを備え、
回転ダイヤル式キーは、キーがアンロックのときは第1の姿勢状態に復帰しており、キーがロックすると、第2の姿勢状態に移動する可動部材を含み、
第2の姿勢状態に移動した可動部材の先端部は、メスコンタクトの先端と差し込み口の間の隙間に、メスコンタクトに非接触かつオスコンタクトの差し込みを邪魔する位置に変位し、第1の姿勢状態に復帰した可動部材の先端部は、オスコンタクトとメスコンタクトの接触を邪魔しない位置に変位するようにしたこと、
を特徴とする屋外コンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋外コンセントに係り、とくに施錠を行える屋外コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗に設置された屋外コンセントでは、無断でスマートフォンなどの充電に使用されてしまうことがあった。この対策として、従来から南京錠で施錠可能とした屋外コンセントがあった。
けれども、南京錠による盗電防止対策は鍵の管理が面倒であり、鍵を紛失したとき、屋外コンセントを使用出来なくなってしまう不便があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、盗電を防止でき、鍵の紛失による使用不能という事態を回避できる屋外コンセントを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、
外部からプラグのオスコンタクトを差し込む差し込み口と、差し込み口から差し込まれたオスコンタクトと接触し、電源供給するメスコンタクトとがケース体内に設けられるとともに、差し込み口とメスコンタクトの先端の間に隙間の空いた屋外コンセントであって、
ケース体内に設けられて、外部からダイヤル回転操作によりロック・アンロックが可能な回転ダイヤル式キーを備え、
回転ダイヤル式キーは、キーがアンロックのときは第1の姿勢状態に復帰しており、キーがロックすると、第2の姿勢状態に移動する可動部材を含み、
第2の姿勢状態に移動した可動部材の先端部は、メスコンタクトの先端と差し込み口の間の隙間に、メスコンタクトに非接触かつオスコンタクトの差し込みを邪魔する位置に変位し、第1の姿勢状態に復帰した可動部材の先端部は、オスコンタクトとメスコンタクトの接触を邪魔しない位置に変位するようにしたこと、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、回転ダイヤル式のキーの操作でロック、アンロックが可能となり、鍵を使用しなくても屋外コンセントの盗電対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例に係る屋外コンセントの一部破断及び省略した正面図である。
【
図3】
図3(1)は
図1中のカム部材の正面図、(2)は側面図である。
【
図6】
図6は、
図1のVI-VI’線に沿った一部省略した断面図を用いた回転ダイヤルキーの作用説明図である。
【
図7】
図7は、
図1のVII-VII’線に沿った一部省略した断面図を用いた回転ダイヤルキーの作用説明図である。
【
図8】
図8は、本発明の変形例に係る屋外コンセントの一部破断及び省略した正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例0009】
図1乃至
図5を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の実施例に係る屋外コンセントの一部破断及び省略した正面図、
図2は
図1の一部破断及び省略した側面図、
図3(1)は
図1中のカム部材の正面図、(2)は側面図、
図4は
図1中のダイヤルリングの側面図、
図5は
図1中の可動部材の正面図である。
図1乃至
図5において、1は施錠機能付の左右に2つのコンセント口を有する屋外コンセントであり、この内、2はケース本体、3と4は、ケース本体2の下部の壁5に下向きに形成された左右2組の差し込み口である。差し込み口3は屋外コンセント1の前後方向に一対設けられており、差し込み口4は、屋外コンセント1の前後方向に一対設けられている。左側の一対の差し込み口3には、外部からプラグ6の前後一対のオスコンタクト7を上方へ差し込むことができ、右側の一対の差し込み口4には、外部からプラグ8の前後一対のオスコンタクト9を上方へ差し込むことができる。
【0010】
ケース本体2の内部の下部左側には、左側の前後一対の差し込み口3に対向するようにして、前後一対のメスコンタクト10が固定されており、ケース本体2の内部の下部右側には、右側の前後一対の差し込み口4に対向するようにして、前後一対のメスコンタクト11が固定されている。一対のメスコンタクト10の下側先端と一対の差し込み口3の間と、一対のメスコンタクト11の下側先端と一対の差し込み口4の間には、各々、隙間S1、S2が空いており、隙間S1、S2に干渉する物体が無いとき、外部から一対の差し込み口3に一対のオスコンタクト7を差し込むことで一対のメスコンタクト10と接触させ、給電させることができ、外部から差し込み口4にオスコンタクト9を差し込むとメスコンタクト11と接触させ、給電させることができるようになっている。
【0011】
この実施例の屋外コンセント1には、ケース本体2の内部に盗電を防止するための盗電防止構造が付設されている。具体的には、ケース本体2の内部の前側に、外部からダイヤル回転操作によりロック・アンロックが可能な回転ダイヤル式キー20が装着されている。回転ダイヤル式キー20は、キーがアンロックのときは第1の姿勢状態に移動して復帰しており、キーがロック状態になると、第2の姿勢状態に移動する可動部材21を含み、第2の姿勢状態に移動した可動部材21の先端部(後述する邪魔部42)は、前側の左右のメスコンタクト10、11の先端と差し込み口3、4の間の隙間S1、S2の中へ、メスコンタクト10、11の先端に非接触でかつ前側の差し込み口3、4を壁5の上側から塞ぎ、オスコンタクト7、9の差し込みを邪魔する位置に変位し、第1の姿勢状態に復帰した可動部材21の先端部(後述する邪魔部42)は、オスコンタクト7、9とメスコンタクト10、11の接触を邪魔しない退避位置に変位するようになっている。
【0012】
回転ダイヤル式キー20の内、22はケース本体2の内部の前壁23に装着された断面略コ字状で左右端部がフランジ状に形成された支持プレート、24は支持プレート22に固定された軸であり、左右方向に水平に配設されている。軸24には、同形の3つのカム部材25、26、27と、圧縮コイルバネ28が軸方向に左から一列に嵌挿されている。3つのカム部材25、26、27は圧縮コイルバネ28により、常時、支持プレート22の左側の折り曲げ壁29寄りに付勢されている。
【0013】
図3(1)、(2)に示す如く、カム部材25は、右端部に中径のカム部30を有し、カム部30から左方に小径の雄歯車部31が延設されてなる。カム部30には、カム部30の右端から雄歯車部31の左端まで貫通した軸孔32が形成されており、軸孔32に軸24を挿通自在になっている。カム部25の外周の一か所に、半径方向に凹んだ凹部33が設けられている。この凹部33には、可動部材21に形成された後述する凸部が係脱自在に係合可能になっている。他のカム部材26、27もカム部材25と同一に構成されており、各々、カム部30、雄歯車部31、軸孔32、凹部33を有している。
【0014】
3つのカム部材25、26、27の雄歯車部31には各々、別個に
図4に示す大径のダイヤルリング34、35、36が嵌合されている。各ダイヤルリング34、35、36には雄歯車部31と歯合する雌歯車部37が設けられている。ダイヤルリング34、35、36は前部がケース本体2の前壁23に形成された開口38から外部に露出しており、外部からユーザが指で回転操作可能になっている。各ダイヤルリング34、35、36の外周面には、周方向に沿って0から9までの数字(図示せず)が順に並べて刻印されている。ダイヤルリング34、35、36を個別に回転することでカム部材25、26、27を個別に独立して回転させることができる。
【0015】
回転ダイヤル式キー20に設けられた可動部材21は、
図5に示す如く、支持プレート22に嵌装された方形の基部40と、基部40の下側中央から支持プレート22の外側下方へ細長くケース本体2の下部の壁5近くまで延設された延設部41と、延設部41の下端からL字状に後方へ折り曲げられるとともに左右に前側の差し込み口3の左端と差し込み口4の右端まで長く延設れた板状の邪魔部42とからなる。
【0016】
基部40は、支持プレート22の左右の折り曲げ壁29、50の間で軸24よりも底壁51の近くに嵌装されている。基部40の上端の左右の角部は左右の側方に突出した軸部52、53となっており、折り曲げ壁28、50の上端に形成された角溝形の軸受け部54に嵌合されて回動自在に軸支されている。基部40のダイヤルリング34、35、36と対向する箇所にはダイヤルリング34、35、36の後部を個別に遊嵌する開口56、57、58が穿設されている。また、開口56、57、58の各右隣には、カム部材24、25、26の各カム部30に対向する箇所に前方に凸な凸部59、60、61が形成されている。これらの凸部59、60、61は、3つのカム部29の3つの凹部32に個別に係脱自在に係合可能になっている。支持プレート22の底壁51と基部40の間には、左右2つの圧縮コイルバネ62、63が介装されており、可動部材21が常時前方へ付勢されている。
【0017】
3つのカム部30の3つの凹部33 は、カム部材24、25、26の個別の回転により、周方向に個別に位置を変化させることができる。3つの凹部33のいずれか一つでも、凸部59、60、61に係合していないとき、凸部59、60、61の少なくとも一つが対応するカム部30の外周により後方へ押圧されて可動部材21は軸部52、53を中心に後方へ回動し、第2の姿勢状態に移動する。この際、邪魔部42は、左右の前側のメスコンタクト10、11の先端と前側の差し込み口3、4の間の隙間S1、S2の中へ、メスコンタクト10、11の先端に非接触でかつ前側の差し込み口3、4を壁5の上側から塞ぎ、オスコンタクト7、9の差し込みを邪魔する位置に変位するようになっている。
【0018】
これと異なり、3つのカム部30の3つの凹部32の全てに凸部59、60、61が係合すると、可動部材21は圧縮コイルバネ62、63に付勢されて軸部52、53を中心に前方へ回動し、第1の姿勢状態に移動して復帰する。第1の姿勢状態に復帰した可動部材21の先端の邪魔部42は、左右の前側の差し込み口3、4から前方へ外れ、オスコンタクト6、8とメスコンタクト10、11の接触を邪魔しない退避位置に変位するようになっている。
【0019】
次に、
図6、
図7を参照して上記した実施例の作用を説明する。
予め、回転ダイヤル式キー20は、3つのダイヤルリング34、35、36の一番手前の数字が左から、例えば「1」、「5」、「9」のとき、キーがアンロックとなるように設定されており、3つのカム部材24、25、26の3つの凹部33がいずれも可動部材21の凸部59、60、61に係合し、可動部材21が圧縮コイルバネ62、63に付勢されて、軸部52、53を中心に前方に回動した第1の姿勢状態に移動しており、下端の邪魔部42がオスコンタクト7、9とメスコンタクト10、11の接触を邪魔しない退避位置に変位しているものとする(
図6参照)。
この状態でユーザが、
図1の下部に示す如く、外部からプラグ6( 8) の一対のオスコンタクト7( 9) を差し込み口3( 4) から差し込むと、一対のメスコンタクト10( 11) と接触させて、給電させることができる。
【0020】
屋外コンセント1の使用後、ユーザが開口38から露出しているダイヤルリング34、35、36を個別に回し、例えば、一番左を「1」以外、真ん中を「5」以外、一番右を「9」以外の数字に変える。すると、ダイヤルリング34、35、36と個別に嵌合しているカム部材25、26、27が個別に回転し、3つのカム部30の凹部33が凸部59、60、61から外れ、3つのカム部24、25、26の外周が圧縮コイルバネ62、63に抗して凸部59、60、61を後方へ押圧する。すると、可動部材21が軸部52、53を中心に後方に回動した第2の姿勢状態に移動し、キーがロックし、下端の邪魔部42が左右の前側のメスコンタクト10、11の先端と左右の前側の差し込み口3、4の間の隙間S1、S2の中へ、メスコンタクト10、11の先端に非接触でかつ前側の差し込み口3、4を壁5の上側から塞ぎ、オスコンタクト7、9の差し込みを邪魔する位置に変位する(
図7参照)。
この結果、第3者が盗電をしようとして、外部からプラグ6( 8) の一対のオスコンタクト7( 9) を一対の差し込み口3( 4) から差し込もうとしても、前側のオスコンタクト7(9)が邪魔部42に当接して干渉されるため、一対のオスコンタクト7( 9) は一対のメスコンタクト10( 11) と接触できず、給電不能となる。
【0021】
その後、ユーザが再び屋外コンセント1を使用したい場合、開口34から露出しているダイヤルリング34、35、36を個別に回し、左から「1」、「5」、「9」の数字列に揃える。すると、ダイヤルリング34、35、36と個別に嵌合しているカム部材25、26、27が個別に回転し、各カム部30の3つの凹部33が個別に凸部59、60、61に係合し、可動部材21が圧縮コイルバネ62、63に付勢されて、軸部52、53を中心に前方に回動した第1の姿勢状態に移動してアンロックするので、下端の邪魔部42がオスコンタクト7、9とメスコンタクト10、11の接触を邪魔しない退避位置に変位する。
従って、外部からプラグ6( 8) の一対のオスコンタクト7( 9) を一対の差し込み口3( 4) から差し込むと、一対のメスコンタクト10( 11) と接触させて給電させることができる。
【0022】
この実施例によれば、回転ダイヤル式キー20の操作でロック、アンロックが可能となり、鍵を使用しなくても屋外コンセント1の盗電対策が可能となる。
【0023】
なお、上記した実施例では左側のコンセント口を成す一対の差し込み口3と一対のメスコンタクト10をともに前後に併設し、右側のコンセント口を成す一対の差し込み口4と一対のメスコンタクト11をともに前後に併設する場合を例に挙げて説明したが、本発明は何らこれに限定されず、例えば
図8、
図9に示す如く、左側のコンセント口を成す一対の差し込み口3と一対のメスコンタクト10をともに左右に併設し、右側のコンセント口を成す一対の差し込み口4と一対のメスコンタクト11をともに左右に併設するようしても良い。
この
図8、
図9の場合、回転ダイヤル式キー20Aがロックし、可動部材21Aが第2の姿勢状態に移動したとき、邪魔部42Aの左半分は左のコンセント口用の左右一対のメスコンタクト10と左右一対の差し込み口3の間の隙間S1’の中へ、一対のメスコンタクト10の先端に非接触でかつ一対の差し込み口3を壁5の上側から塞ぎ、一対のオスコンタクト7の差し込みを邪魔する位置に変位し、邪魔部42Aの右半分は右のコンセント口用の左右一対のメスコンタクト11と左右一対の差し込み口4の間の隙間S2’の中へ、一対のメスコンタクト11の先端に非接触でかつ一対の差し込み口4を壁5の上側から塞ぎ、一対のオスコンタクト9の差し込みを邪魔する位置に変位する。