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特開2023-7395化合物、前記化合物を含む酸発生剤、フォトレジスト、及び前記フォトレジストを使用した電子デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007395
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】化合物、前記化合物を含む酸発生剤、フォトレジスト、及び前記フォトレジストを使用した電子デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/18 20060101AFI20230111BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20230111BHJP
   C07D 311/16 20060101ALI20230111BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230111BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C07D311/18 CSP
C09K3/00 K
C07D311/16
G03F7/004 503A
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022068343
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000106139
【氏名又は名称】サンアプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 智幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 友治
(72)【発明者】
【氏名】梶原 拓人
(72)【発明者】
【氏名】木津 智仁
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H197CA05
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
2H225AF81P
2H225AH04
2H225AJ04
2H225AJ48
2H225AN39P
2H225CA21
2H225CB06
2H225CC03
2H225CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】i線の照射により分解してスルホン酸を発生する酸発生能を有する化合物であって、レジスト層を厚膜化した場合にも、レジスト層全体において良好な酸発生能を維持できる新規の化合物を提供する。
【解決手段】本発明の化合物は、下記式(1)で表される。式中、R1、R2は置換基を有していても良い炭化水素基を示す。R3は水素原子又はOR13又はR13を示し、R4は水素原子又はR14を示し、前記R1 3及びR1 4は置換基を有していても良い炭化水素基である。但し、R3とR4が同時に水素原子を示す場合は除く。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物。
【化1】
(式中、R1、R2は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。R3は水素原子又はOR13又はR13を示し、前記R13は置換基を有していても良い炭化水素基である。R4は水素原子又はR14を示し、前記R14は置換基を有していても良い炭化水素基である。但し、R3とR4が同時に水素原子を示す場合は除く)
【請求項2】
i線のモル吸光係数が100~5000(L/mol・cm)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
25℃における、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートへの溶解度が5重量%以上である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の化合物を含む酸発生剤。
【請求項5】
i線用酸発生剤である、請求項4に記載の酸発生剤。
【請求項6】
請求項4に記載の酸発生剤と感光性樹脂を含むフォトレジスト。
【請求項7】
15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成するために用いられる厚膜用フォトレジストである、請求項6に記載のフォトレジスト。
【請求項8】
請求項6に記載のフォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項6に記載のフォトレジストを塗布・乾燥して、15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成し、形成された厚膜フォトレジスト層に、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の化合物、前記化合物を含む酸発生剤、前記化合物を含むフォトレジスト、及び前記フォトレジストを使用した電子デバイスの製造方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体の製造に代表される微細加工の分野では、露光光を、用途に応じて選択して用いたフォトリソグラフィーが行われている。そして、微細なパターンを精度良く加工することが求められる場合には、前記露光光としてi線(365nm)が使用される。
【0003】
フォトリソグラフィーに用いるレジスト材料は、光照射により分解して酸を発生する酸発生剤と、酸により現像液への溶解性が変化する感光性樹脂とを含む。
【0004】
特許文献1には、下記式(x)で表される化合物(以後、「化合物X」と称する場合がある)を含有する酸発生剤が記載されている。
【化2】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/072049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記化合物Xは、i線のモル吸光係数が極めて高い。そのため、化合物Xを含有するレジスト層を厚膜化すると、表面部においてi線のほとんどが吸収されてしまい、深層部まで到達するi線はほんのわずかとなる。そのため、深層部では化合物Xの酸発生能が著しく低下することが問題であった。
【0007】
従って、本発明の目的は、i線の照射により分解してスルホン酸を発生する酸発生能を有する化合物であって、レジスト層を厚膜化した場合にも、レジスト層全体において良好な酸発生能を維持できる新規の化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、i線の照射により分解してスルホン酸を発生する酸発生能を有する化合物であって、溶剤溶解性に優れ、レジスト層を厚膜化した場合にも、レジスト層全体において良好な酸発生能を維持できる新規の化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の新規化合物を含む酸発生剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記酸発生剤を含むフォトレジストを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記フォトレジストを使用した電子デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表される化合物(以後、「化合物(1)」と称する場合がある)は、i線に対して感光性を有し、i線を照射することで、容易に分解して強酸であるスルホン酸を発生すること(つまり、酸発生能に優れること)、i線のモル吸光係数が高すぎず適度であるため、化合物(1)を含むレジスト層を厚膜化しても、深層部にまでi線を透過させることができ、レジスト層全体において酸発生能を良好に発揮することができること、溶剤溶解性に優れるため、前記化合物を使用すれば経時安定性に優れたフォトレジストを調製できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される化合物を提供する。
【化1】
(式中、R1、R2は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。R3は水素原子又はOR13又はR13を示し、前記R13は置換基を有していても良い炭化水素基である。R4は水素原子又はR14を示し、前記R14は置換基を有していても良い炭化水素基である。但し、R3とR4が同時に水素原子を示す場合は除く)
【0010】
本発明は、また、i線のモル吸光係数が100~5000(L/mol・cm)である前記化合物を提供する。
【0011】
本発明は、また、25℃における、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートへの溶解度が5重量%以上である前記化合物を提供する。
【0012】
本発明は、また、前記化合物を含む酸発生剤を提供する。
【0013】
本発明は、また、i線用酸発生剤である前記酸発生剤を提供する。
【0014】
本発明は、また、前記酸発生剤と感光性樹脂を含むフォトレジストを提供する。
【0015】
本発明は、また、15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成するために用いられる厚膜用フォトレジストである前記フォトレジストを提供する。
【0016】
本発明は、また、前記フォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法を提供する。
【0017】
本発明は、また、前記フォトレジストを塗布・乾燥して、15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成し、形成された厚膜フォトレジスト層に、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
化合物(1)は、i線に対する感光性を有し、i線を照射することで、容易に分解して強酸であるスルホン酸を発生する。そして、化合物(1)を含むフォトレジスト層は、厚くても、その深層部にまでi線を到達させることができ、フォトレジスト層全体において、化合物(1)は良好に酸発生能を発揮することができる。そのため、化合物(1)は、厚膜化フォトレジスト層を形成するためのフォトレジスト(すなわち、厚膜用フォトレジスト)の酸発生剤として使用することが好ましい。
さらに、化合物(1)は、溶剤溶解性に優れる。そのため、化合物(1)を使用すれば、経時で酸発生剤が析出することによる感度の低下を抑制することができ、保存安定性に優れたフォトレジストが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[化合物(1)]
本発明の化合物(1)は、下記式(1)で表される化合物である。
【化3】
(式中、R1、R2は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。R3は水素原子又はOR13又はR13を示し、前記R13は置換基を有していても良い炭化水素基である。R4は水素原子又はR14を示し、前記R14は置換基を有していても良い炭化水素基である。但し、R3とR4が同時に水素原子を示す場合は除く)
【0020】
前記化合物(1)には、下記式(1a)~(1e)で表される化合物が含まれる。下記式中のR1、R2、R13、R14は前記に同じである。
【化4】
【0021】
前記化合物(1)としては、溶剤溶解性及び酸発生能に優れる点で、上記式(1a)(1b)(1c)で表される化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0022】
前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基が含まれる。
【0023】
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~20(=C1-20)の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1~20(好ましくは1~10、特に好ましくは1~3)程度のアルキル基;ビニル基、アリル基、1-ブテニル基等の炭素数2~20(好ましくは2~10、特に好ましくは2~3)程度のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2~20(好ましくは2~10、特に好ましくは2~3)程度のアルキニル基等を挙げることができる。
【0024】
脂環式炭化水素基としては、C3-20脂環式炭化水素基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の3~20員(好ましくは3~15員、特に好ましくは5~8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等の3~20員(好ましくは3~15員、特に好ましくは5~8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン-1-イル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン-3-イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
【0025】
芳香族炭化水素基としては、C6-14(特に、C6-10)芳香族炭化水素基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0026】
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル置換アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル置換C1-4アルキル基等)等が含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基等)、アルキル置換アリール基(例えば、1~4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)等が含まれる。
【0027】
上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、オキソ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等]を有していてもよい。
【0028】
1の炭化水素基の炭素数は、例えば1~20である。前記炭素数の下限値は、光分解で発生するスルホン酸の、フォトレジスト中での移動度が抑制されることで、フォトリソグラフィーの解像度を高める効果が得られる観点から、好ましくは5、特に好ましくは7である。前記炭素数の上限値は、好ましくは18、特に好ましくは15である。
【0029】
また、R1が脂環或いは芳香環構造を有する嵩高い基である場合、光分解で発生するスルホン酸の、フォトレジスト中での移動度が抑制される。そのため、フォトリソグラフィーの解像度を高める効果が得られる。
【0030】
さらに、R1が鎖状炭化水素基である場合は、有機溶剤への溶解性が特に優れる傾向がある。
【0031】
2としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基(直鎖状又は分岐鎖状アルキル基)が特に好ましい。また、R2の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~5、特に好ましくは1~3である。
【0032】
13としては、なかでも脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が特に好ましい。
【0033】
13における炭素数は、例えば1~12である。R13の炭素数の上限値は、溶剤溶解性及び酸発生能に特に優れる点で、好ましくは10、より好ましくは8、更に最も好ましくは7、特に好ましくは6、最も好ましくは5、とりわけ好ましくは3である。
【0034】
14としては、なかでも脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が更に好ましく、分岐鎖状アルキル基が特に好ましい。
【0035】
14における炭素数は、例えば1~12である。R14の炭素数の下限値は、なかでも、酸発生能に特に優れる点で、好ましくは2である。また、R14の炭素数の上限値は、溶剤溶解性を高める観点から、好ましくは10、更に好ましくは8、特に好ましくは7、最も好ましくは6、とりわけ好ましくは5である。
【0036】
前記化合物(1)は、クマリン環の6位及び/又は8位に前記基を有するが、クマリン環の他の位置にも置換基(例えば、C1-12アルキル基、C1-12アルコキシ基等)を有していても良い。
【0037】
前記化合物(1)は、i線に対して高い感光性を有し、i線のモル吸光係数は例えば100~5000(L/mol・cm)である。i線のモル吸光係数の下限値は、より優れた酸発生能を示す点で、好ましくは300(L/mol・cm)、特に好ましくは350(L/mol・cm)、最も好ましくは400(L/mol・cm)、とりわけ好ましくは450(L/mol・cm)である。また、前記モル吸光係数の上限値は、厚膜化レジスト層をフォトリソグラフィーに付して、得られるパターン形状の解像度を向上する点で、好ましくは4000(L/mol・cm)、より好ましくは3500(L/mol・cm)、更に好ましくは3000(L/mol・cm)、特に好ましくは2000(L/mol・cm)、最も好ましくは1000(L/mol・cm)、とりわけ好ましくは800(L/mol・cm)である。
【0038】
また、前記化合物(1)は有機溶剤への溶解性に優れ、25℃における、有機溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)への溶解度は、例えば5重量%以上(例えば、5~50重量%)、好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上である。
【0039】
前記有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等の鎖状又は環状エステル;;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテルモノエステル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノン等のケトンが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
前記有機溶剤としては、なかでも、ケトン、鎖状エステル、及びグリコールモノエーテルモノエステルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0041】
前記化合物(1)は上記特性を有するため、酸発生剤(例えば、光酸発生剤、非イオン系酸発生剤、又は非イオン系光酸発生剤)として好適に使用することができる。
【0042】
[化合物(1)の製造方法]
前記化合物(1)は、例えば、下記反応[I][II]を経て製造することができる。下記式中、R1、R2、R3、R4は前記に同じである。Xは同一又は異なってハロゲン原子を示す。
【化5】
【0043】
[I]
反応[I]は、式(2)で表される化合物(以後、「化合物(2)」と称する場合がある)と式(3)で表される化合物(以後、「化合物(3)」と称する場合がある)を反応させて、式(4)で表される化合物(以後、「化合物(4)」と称する場合がある)を得る反応である。
【0044】
化合物(3)の使用量は、化合物(2)1モルに対して、例えば0.5~5モル、好ましくは1~3モルである。
【0045】
化合物(2)は、溶剤に溶解してから反応系に添加することが好ましく、前記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素などを使用することができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0046】
また、化合物(3)も、溶剤に溶解してから反応系に添加することが好ましく、前記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素などを使用することができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
反応温度は、例えば0~60℃程度である。反応時間は、例えば0.5~5時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
【0048】
前記反応が進行すると、反応系内に塩酸が生成する。そのため、前記反応系内に脱塩酸剤として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基性化合物を添加しても良い。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0049】
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
【0050】
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0051】
[II]
反応[II]は、化合物(4)と式(5)で表される化合物(以後、「化合物(5)」と称する場合がある)を反応させて、化合物(1)を得る反応である。
【0052】
化合物(5)の使用量は、化合物(4)1モルに対して、例えば0.5~5モル、好ましくは1~3モルである。
【0053】
前記反応が進行すると、反応系内に塩酸が生成する。そのため、前記反応系内に脱塩酸剤として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基性化合物を添加しても良い。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0054】
化合物(4)と化合物(5)の反応は溶剤の存在下で行うことができる。前記溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素を使用することができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0055】
前記溶剤の使用量としては、化合物(4)と化合物(5)の総量に対して、例えば50~300重量%程度である。
【0056】
反応温度は、例えば30~70℃程度である。反応時間は、例えば1~12時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
【0057】
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
【0058】
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0059】
尚、化合物(2)は、例えば下記反応[III][IV]を経て製造することができる。下記式中、R3、R4は前記に同じである。Xはハロゲン原子を示す。
【化6】
【0060】
[III]
反応[III]は、式(6)で表される化合物(以後、「化合物(6)」と称する場合がある)と式(7)で表される化合物(以後、「化合物(7)」と称する場合がある)を反応させて、式(8)で表される化合物(以後、「化合物(8)」と称する場合がある)を得る反応である。
【0061】
化合物(7)の使用量は、化合物(6)1モルに対して、例えば0.5~3モル、好ましくは0.5~2モルである。
【0062】
化合物(6)と化合物(7)の反応は溶剤の存在下で行うことができる。前記溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコールなどを使用することができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0063】
反応温度は、例えば50~120℃程度である。反応時間は、例えば0.5~5時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
【0064】
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
【0065】
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0066】
[IV]
反応[IV]は、化合物(8)をハロゲン化して、化合物(2)を得る反応である。
【0067】
ハロゲン化には、ハロゲン化剤を使用することができる。前記ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル等を使用することができる。
【0068】
ハロゲン化剤の使用量は、化合物(8)1モルに対して、例えば1~5モルである。
【0069】
反応温度は、例えば50~120℃程度である。反応時間は、例えば0.5~5時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
【0070】
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
【0071】
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0072】
[酸発生剤]
本発明の酸発生剤は、前記化合物(1)を少なくとも含有する。前記酸発生剤は、前記化合物(1)の1種を単独で含有していても良いし、2種以上を組み合わせて含有していても良い。また、前記酸発生剤は、前記化合物(1)以外の成分を含有していても良いが、前記酸発生剤に含まれる、光照射により分解して酸を発生する全ての化合物に対する前記化合物(1)の占める割合が、例えば50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上、とりわけ好ましくは95重量%以上である。すなわち、前記化合物(1)以外の酸発生剤を含んでいても良いが、他の酸発生剤の含有量は、光照射により分解して酸を発生する全ての化合物に対して、例えば50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下、とりわけ好ましくは5重量%以下である。
【0073】
また、前記酸発生剤は、i線に対して高い感光性を有し、i線のモル吸光係数は、例えば100~5000(L/mol・cm)である。i線のモル吸光係数の下限値は、より優れた酸発生能を示す点で、好ましくは300(L/mol・cm)、特に好ましくは350(L/mol・cm)、最も好ましくは400(L/mol・cm)、とりわけ好ましくは450(L/mol・cm)である。また、前記モル吸光係数の上限値は、厚膜化フォトレジスト層をフォトリソグラフィー処理に付して、得られるパターン形状の解像度を向上する点で、好ましくは4000(L/mol・cm)、より好ましくは3500(L/mol・cm)、更に好ましくは3000(L/mol・cm)、特に好ましくは2000(L/mol・cm)、最も好ましくは1000(L/mol・cm)、とりわけ好ましくは800(L/mol・cm)である。
【0074】
更にまた、前記酸発生剤は有機溶剤への溶解性に優れ、25℃において、有機溶剤100重量部に溶解する、前記酸発生剤量は、例えば5重量部以上、好ましくは10重量部以上、特に好ましくは15重量部以上、最も好ましくは20重量部以上である。尚、前記有機溶剤としては、化合物(1)が溶解性を示す有機溶剤と同様の例が挙げられる。
【0075】
前記酸発生剤は、i線を照射すると、容易に分解して強酸であるスルホン酸(R1-SO3H)を発生する。
【0076】
前記酸発生剤は前記特性を有するため、フォトレジスト用酸発生剤として好適に使用することができる。
【0077】
[フォトレジスト]
本発明のフォトレジストは、前記酸発生剤(若しくは、前記化合物(1))と感光性樹脂を含む。
【0078】
前記酸発生剤(若しくは、前記化合物(1))の含有量は、感光性樹脂全量に対して、例えば0.001~20重量%、好ましくは0.01~15重量%、特に好ましくは0.05~7重量%である。
【0079】
前記酸発生剤(若しくは、前記化合物(1))の含有量が0.001重量%以上であればi線に対して優れた感光性を発揮することができる。また、前記含有量が20重量%以下であれば、フォトレジストの解像度を向上する効果が得られる。
【0080】
前記感光性樹脂には、光照射により溶解性が減少する(或いは、未露光部が除去される)ネガ型感光性樹脂(QN)と、光照射により溶解性が増大する(或いは、露光部が選択的に除去される)ポジ型感光性樹脂(QP)が含まれる。これらは、用途に応じて選択して使用することができる。
【0081】
ネガ型感光性樹脂(若しくは、ネガ型化学増幅樹脂;QN)は、例えば、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)と架橋剤(QN2)を、それぞれ1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有する組成物である。
【0082】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)は、フェノール性水酸基を含有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール-キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール-キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール性水酸基を含有するポリイミド、フェノール性水酸基を含有するポリアミック酸、フェノール-ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。
【0083】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)は、成分の一部にフェノール性低分子化合物を含有していても良い。
【0084】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)の、GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、例えば2000~20000である。
【0085】
架橋剤(QN2)は、酸発生剤から発生した酸により、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)を架橋し得る化合物であればよく、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、オキセタン化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物及びカルボキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0086】
架橋剤(QN2)の含有量は、精度良くパターンを形成する観点から、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)中の全酸性官能基に対して、例えば10~40モル%である。
【0087】
ポジ型感光性樹脂(若しくは、ポジ型化学増幅樹脂;QP)としては、保護基として酸解離性基が導入されたアルカリ可溶性樹脂(保護基導入樹脂;QP1)が挙げられる。
【0088】
保護基導入樹脂(QP1)は、アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基(例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニル基等)の水素原子の一部或いは全部が酸解離性基で置換された樹脂である。
【0089】
保護基導入樹脂(QP1)自体はアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂であり、酸発生剤から発生した酸によって酸解離性基が解離すると、アルカリ現像液に易溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂が生成する。
【0090】
アルカリ可溶性樹脂は、例えばHLB値が4~19(好ましくは5~18、特に好ましくは6~17)の樹脂である。
【0091】
アルカリ可溶性樹脂には、フェノール性水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、及びスルホン酸基含有樹脂が含まれる。
【0092】
フェノール性水酸基含有樹脂としては、上記フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)と同様の樹脂が例示される。
【0093】
カルボキシル基含有樹脂としては、カルボキシル基を有するポリマーでああれば特に制限はなく、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)のホモポリマーや、カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)と疎水基含有ビニルモノマー(Bb)とのホモポリマーが挙げられる。
【0094】
カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)としては、例えば、(メタ)アクリル酸である。
【0095】
疎水基含有ビニルモノマー(Bb)としては、C1-20アルキル(メタ)アクリレート、脂環基含有(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル(Bb1)、及びスチレン骨格を有する炭化水素モノマーやビニルナフタレン等の芳香族炭化水素モノマー(Bb2)等が挙げられる。
【0096】
スルホン酸基含有樹脂としては、スルホン酸基を有するポリマーであれば特に制限はなく、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニルモノマー(Bc)と、必要により疎水基含有ビニルモノマー(Bb)とをビニル重合することで得られる。
【0097】
保護基導入樹脂(QP1)が有する酸解離性基としては、例えば、メトキシメチル基、ベンジル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基等の1-置換メチル基;1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基等の1-置換エチル基;tert-ブチル基等の1-分岐アルキル基;トリメチルシリル基等のシリル基;トリメチルゲルミル基等のゲルミル基;tert-ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アシル基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等の環式酸解離性基等が挙げられる。これらは1種を単独で含有していても良いし、2種以上を組み合わせて含有していても良い。
【0098】
保護基導入樹脂(QP1)における酸解離性基の導入率{保護基導入樹脂(QP1)中の保護されていない酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合}は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10~100%、さらに好ましくは15~100%である。
【0099】
保護基導入樹脂(QP1)の、GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、例えば1000~150000、好ましくは3000~100000である。
【0100】
本発明のフォトレジストは、例えば、前記酸発生剤(若しくは、前記化合物(1))を有機溶剤に溶解し、これを感光性樹脂と混合することにより調製することができる。
【0101】
前記フォトレジストは、前記酸発生剤(若しくは、前記化合物(1))と感光性樹脂以外にも必要に応じて他の成分を1種又は2種以上含有することができる。他の成分としては、例えば、有機溶剤、顔料、染料、光増感剤、分散剤、界面活性剤、充填剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤等が挙げられる。
【0102】
前記有機溶剤としては、前記感光性樹脂を溶解させることができ、フォトレジストに良好な塗布性を付与することができる溶剤であれば良いが、なかでも、沸点が200℃以下のものを使用することが、フォトレジストを塗布後、容易に乾燥させることができる点で好ましい。このような有機溶剤としては、トルエン等の芳香族炭化水素;エタノール、メタノール等のアルコール;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテルモノエステルなどが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0103】
前記フォトレジストは、i線の適度なモル吸光係数を有する化合物(1)を含有する。そのため、フォトレジスト層を厚膜化しても(例えば15μm以上、好ましくは20μm以上にまで厚膜化しても)、レジスト層の深層部にまでi線を到達させることができ、フォトリソグラフィーにより、高い解像度のパターン形状を有するエッチングマスクを精度良く形成することができる。従って、前記フォトレジストは、厚膜フォトレジスト層(層厚みは、例えば15μm以上)を形成するために用いられる厚膜用フォトレジストとして好適に使用することができる。
【0104】
[電子デバイスの製造方法]
本発明の電子デバイスの製造方法は、前記フォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む。
【0105】
前記フォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程は、好ましくは、下記工程1~3を経て基板上にエッチングマスクを形成する工程である。
【0106】
工程1:前記フォトレジストを使用して、基板上にフォトレジスト層を形成する工程
工程2:前記フォトレジスト層にパターン形状の光照射を行う工程
工程3:アルカリ現像を行う工程
【0107】
本発明の方法では、i線の適度なモル吸光係数を有する化合物(1)を含有するフォトレジストを使用するため、フォトレジスト層を厚膜化(例えば15μm以上、好ましくは20μm以上である。尚、厚みの上限値は、例えば50μm、好ましくは30μmである)しても、高い解像度のパターン形状を有するエッチングマスクを精度良く形成することができる。
【0108】
従って、前記電子デバイスの製造方法は、前記フォトレジストを塗布・乾燥して、15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成し、形成された厚膜フォトレジスト層に、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む方法であってもよい。
【0109】
(工程1)
本工程は、エッチングする基板上に、前記フォトレジスト層を形成する工程である。前記フォトレジスト層は、前記フォトレジストを、スピンコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷等公知の方法を用いて基板に塗布後、乾燥させることで形成することができる。
【0110】
(工程2)
本工程は、工程1を経て得られたフォトレジスト層に、パターンを有するフォトマスクを介して光照射する等の方法で、パターン形状の光照射を行う工程である。光照射に用いる光線としては、前記化合物(1)を分解して、酸を発生させることができれば特に制限はないが、i線を使用することが好ましい。
【0111】
光照射後は、60~200℃の温度で、0.1~120分程度加熱することが、露光部と未露光部のアルカリ現像液への溶解性の差異を高めることができる点で好ましい。
【0112】
(工程3)
本工程は、工程2を経たフォトレジスト層を、アルカリ現像処理に付す工程である。
【0113】
アルカリ現像処理に使用するアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム及びテトラメチルアンモニウム塩水溶液等が挙げられる。
【0114】
前記アルカリ現像液には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン等を添加しても良い。
【0115】
アルカリ現像処理は、前記フォトレジスト層に、ディップ方式、シャワー方式、スプレー方式等の方法により前記アルカリ現像液を塗布することで行われる。
【0116】
アルカリ現像液の温度は、例えば25~40℃である。また、アルカリ現像時間は、レジストの厚さに応じて適宜決定されるが、例えば1~5分程度である。
【0117】
工程3を経て、基板上にエッチングマスクを形成することができる。このようにして得られたエッチングマスクを利用して基板をエッチングすれば、高精度の電子デバイスを製造することができる。
【0118】
前記電子デバイスには、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示デバイス;タッチパネル等の入力デバイス;発光デバイス;センサーデバイス;光スキャナー、光スイッチ、加速度センサー、圧力センサー、ジャイロスコープ、マイクロ流路、インクジェットヘッド等等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等が含まれる。
【0119】
以上、本発明の各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、適宜、構成の付加、省略、置換、及び変更が可能である。また、本発明は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
【実施例0120】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0121】
実施例1
2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(東京化成工業(株)製)14.7g(0.097mol)を水に投入し、撹拌しながら、メルドラム酸15.3g(0.1.6mol)を加えた。還流しながら100℃で2時間撹拌した後、室温に戻して、固体を回収した。これを水とメタノールの混合溶媒で洗浄することで、8-メトキシクマリン-3-カルボン酸13.8g(0.063mol)を得た。
8-メトキシクマリン-3-カルボン酸13.8g(0.063mol)を、塩化チオニル(100mL)中に溶解し、80℃で2時間撹拌した。その後、80℃で減圧にして塩化チオニルと、系中で発生した塩酸を留去して、8-メトキシクマリン-3-カルボン酸クロリド15.0g(0.063mol)を得た。
【0122】
N-メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩7.8g(0.094mol)をメタノール(50mL)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、水酸化カリウムの10%メタノール溶液60gを滴下して加えた。さらに、8-メトキシクマリン-3-カルボン酸クロリド15.0g(0.063mol)をTHF(35mL)に溶解させたものを加え、1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、さらに1時間撹拌した後、エバポレーターで反応溶液を留去した。残渣を酢酸エチルと飽和食塩水で抽出し、有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して、白色固体を回収した。
【0123】
得られた固体7.8gと、1-オクタンスルホニルクロリド7.0g(0.033mol)をクロロホルム(50mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、トリエチルアミン3.5g(0.034mol)を滴下投入した。50℃で8時間撹拌後、この反応液をクロロホルム-水で抽出した後、有機層を減圧除去し溶剤を除去することで褐色油状物を得た。さらにメタノールで再結晶を行うことで、下記式(1-1)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(1)]10.0g(0.023mol)を得た。
【0124】
【化7】
【0125】
実施例2
ジメチルスルホキシドに水素化ナトリウムの60%流動パラフィン分散液9.1g(0.377mol)を投入して撹拌し、窒素置換した。2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド12.5g(0.091mol)を加え、さらに1-ブロモブタン14.9g(0.109mol)を滴下して室温で撹拌した。6時間後反応液を冷水に投入し、塩酸を加えた後ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して白色固体を回収することにより、2-ヒドロキシ-3-ブトキシベンズアルデヒド15.8g(0.081mol)を得た。
【0126】
得られた2-ヒドロキシ-3-ブトキシベンズアルデヒド15.8g(0.081mol)を水に投入し、撹拌しながら、メルドラム酸12.9g(0.089mol)を加えた。還流しながら100℃で2時間撹拌した後、室温に戻して、固体を回収した。これを水とメタノールの混合溶媒で洗浄することで、8-ブトキシクマリン-3-カルボン酸13.9g(0.053mol)を得た。
8-ブトキシクマリン-3-カルボン酸13.9g(0.053mol)を、塩化チオニル(100mL)中に溶解し、80℃で2時間撹拌した。その後、80℃で減圧にして塩化チオニルと、系8中で発生した塩酸を留去して、8-ブトキシクマリン-3-カルボン酸クロリド14.8g(0.053mol)を得た。
【0127】
N-メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩6.6g(0.080mol)をメタノール(50mL)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、水酸化カリウムの10%メタノール溶液60gを滴下して加えた。さらに、8-ブトキシクマリン-3-カルボン酸クロリド14.8g(0.053mol)をTHF(35mL)に溶解させたものを加え、1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、さらに1時間撹拌した後、エバポレーターで反応溶液を留去した。残渣を酢酸エチルと飽和食塩水で抽出し、有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して、白色固体を回収した。
【0128】
得られた固体7.7gと、(+)-10-カンファースルホニルクロリド7.0g(0.028mol)をクロロホルム(50mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、トリエチルアミン2.9g(0.029mol)を滴下投入した。50℃で8時間撹拌後、この反応液をクロロホルム-水で抽出した後、有機層を減圧除去し溶剤を除去することで褐色油状物を得た。さらにメタノールで再結晶を行うことで、下記式(1-2)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(2)]10.0g(0.020mol)を得た。
【0129】
【化8】
【0130】
実施例3
アセトニトリルに塩化マグネシウム10.9g(0.115mol)と2-n-プロピルフェノール13.0g(0.095mol)を投入して撹拌し、冷却した。その後、トリエチルアミン24.1g(0.239mol)を加え、60℃に昇温してパラホルムアルデヒドを8.6g(0.286mol)投入して3時間熟成した。反応液を室温に戻してから塩酸を投入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して褐色固体を回収することにより、2-ヒドロキシ-3-n-プロピルベンズアルデヒド14.1g(0.086mol)を得た。
【0131】
得られた2-ヒドロキシ-3-n-プロピルベンズアルデヒド14.1g(0.086mol)を水に投入し、撹拌しながら、メルドラム酸13.6g(0.094mol)を加えた。還流しながら100℃で2時間撹拌した後、室温に戻して、固体を回収した。これを水とメタノールの混合溶媒で洗浄することで、8-n-プロピルクマリン-3-カルボン酸13.0g(0.056mol)を得た。
8-n-プロピルクマリン-3-カルボン酸13.0g(0.056mol)を、塩化チオニル(100mL)中に溶解し、80℃で2時間撹拌した。その後、80℃で減圧にして塩化チオニルと、系中で発生した塩酸を留去して、8-n-プロピルクマリン-3-カルボン酸クロリド14.0g(0.056mol)を得た。
【0132】
N-メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩7.0g(0.084mol)をメタノール(50mL)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、水酸化カリウムの10%メタノール溶液60gを滴下して加えた。さらに、8-n-プロピルクマリン-3-カルボン酸クロリド14.0g(0.056mol)をTHF(35mL)に溶解させたものを加え、1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、さらに1時間撹拌した後、エバポレーターで反応溶液を留去した。残渣を酢酸エチルと飽和食塩水で抽出し、有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して、白色固体を回収した。
【0133】
得られた固体7.3gと、(+)-10-カンファースルホニルクロリド7.4g(0.029mol)をクロロホルム(50mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、トリエチルアミン3.1g(0.031mol)を滴下投入した。50℃で8時間撹拌後、この反応液をクロロホルム-水で抽出した後、有機層を減圧除去し溶剤を除去することで褐色油状物を得た。さらにメタノールで再結晶を行うことで、下記式(1-3)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(3)]10.0g(0.021mol)を得た。
【0134】
【化9】
【0135】
実施例4
(+)-10-カンファースルホニルクロリドに代えて、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド8.4g(0.028mol)を使用した以外は実施例2と同様にして、下記式(1-4)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(4)]11.1g(0.020mol)を得た。
【0136】
【化10】
【0137】
実施例5
N-メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩に代えて、N-エチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩7.8g(0.080mol)を使用した以外は実施例1と同様にして、下記式(1-5)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(5)]10.3g(0.020mol)を得た。
【0138】
【化11】
【0139】
実施例6
アセトニトリルに塩化マグネシウム10.3g(0.108mol)と4-イソプロピルフェノール12.3g(0.090mol)を投入して撹拌し、冷却した。その後、トリエチルアミン22.8g(0.226mol)を加え、60℃に昇温してパラホルムアルデヒドを8.1g(0.271mol)投入して3時間熟成した。反応液を室温に戻してから塩酸を投入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して褐色固体を回収することにより、2-ヒドロキシ-5-イソプロピルベンズアルデヒド13.3g(0.081mol)を得た。
【0140】
得られた2-ヒドロキシ-5-イソプロピルベンズアルデヒド13.3g(0.081mol)を水に投入し、撹拌しながら、メルドラム酸12.9g(0.089mol)を加えた。還流しながら100℃で2時間撹拌した後、室温に戻して、固体を回収した。これを水とメタノールの混合溶媒で洗浄することで、6-イソプロピルクマリン-3-カルボン酸12.2g(0.053mol)を得た。
6-ブトキシクマリン-3-カルボン酸12.2g(0.053mol)を、塩化チオニル(100mL)中に溶解し、80℃で2時間撹拌した。その後、80℃で減圧にして塩化チオニルと、系中で発生した塩酸を留去して、6-イソプロピルクマリン-3-カルボン酸クロリド13.3g(0.053mol)を得た。
【0141】
N-メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩6.6g(0.080mol)をメタノール(50mL)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、水酸化カリウムの10%メタノール溶液60gを滴下して加えた。さらに、6-イソプロピルクマリン-3-カルボン酸クロリド13.3g(0.053mol)をTHF(35mL)に溶解させたものを加え、1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、さらに1時間撹拌した後、エバポレーターで反応溶液を留去した。残渣を酢酸エチルと飽和食塩水で抽出し、有機層を分離した後、エバポレーターで溶媒を留去して、白色固体を回収した。
【0142】
得られた固体6.9gと、(+)-10-カンファースルホニルクロリド7.0g(0.028mol)をクロロホルム(50mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、トリエチルアミン2.9g(0.029mol)を滴下投入した。50℃で8時間撹拌後、この反応液をクロロホルム-水で抽出した後、有機層を減圧除去し溶剤を除去することで褐色油状物を得た。さらにメタノールで再結晶を行うことで、下記式(1-6)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(6)]9.4g(0.020mol)を得た。
【0143】
【化12】
【0144】
比較例1
2-ヒドロキシ-5-ブトキシベンズアルデヒドに代えて、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド17.1g(0.112mol)を使用した以外は実施例1と同様にして、下記式(x)で表される化合物[非イオン系光酸発生剤(7)]11.6g(0.027mol)を得た。
【0145】
【化13】
【0146】
(評価)
実施例及び比較例で得られた非イオン系光酸発生剤について、溶剤溶解性、モル吸光係数、及び酸発生能を以下の方法で評価した。結果を下記表にまとめて示す。
【0147】
<溶剤溶解性>
非イオン系光酸発生剤0.1gを試験管にとり、25℃温調下で有機溶剤を0.2gずつ、前記非イオン光系酸発生剤が完全に溶解するまで加えて、完全に溶解した時の前記非イオン光系酸発生剤の濃度を求めた。前記濃度が高い方が、溶剤溶解性に優れる。尚、前記有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを使用した。
【0148】
<モル吸光係数>
非イオン系光酸発生剤を、アセトニトリルを用いて0.25mmol/Lに希釈し、紫外可視分光光度計(島津製作所社製、UV-2550)を用いて、200~500nmの範囲で1cmのセル長の吸光度を測定した。i線(365nm)のモル吸光係数(L/mol・cm)は、i線(365nm)の吸光度から算出した。
【0149】
<酸発生能>
実施例及び比較例で得られた非イオン系光酸発生剤を用いて、レジスト塗膜を形成し、形成されたレジスト塗膜に露光及び現像処理を行う試験[下記(フォトレジスト調製)(レジスト塗膜調製)(露光)及び(現像)に記載の通り]を、i線露光量を50mJ/cm2から1000mJ/cm2へ段階的に変化させて行い、レジスト塗膜の露光部が完全に現像液に溶解し、残渣が認められなくなる最小の露光量、すなわちレジストパターンを形成するのに必要な最低露光量を求めた。
【0150】
(フォトレジスト調製)
非イオン系光酸発生剤0.2重量部、下記式(Resin-1)で示されるポジ型感光性樹脂100重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を混合して、孔径1μmのメンブレンフィルターを通してろ過し、フォトレジストを調製した。
【0151】
【化14】
【0152】
(レジスト塗膜調製)
得られたフォトレジストを、10cm角のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布した。次いで、25℃で5分間真空乾燥した後、110℃のホットプレート上で5分間乾燥させて、膜厚20μmのレジスト塗膜を形成した。
【0153】
(露光)
このレジスト塗膜に、10mm×10mmのスクエアパターンのマスクと紫外線照射装置(トプコン社製、TME-150RSC)を用いて、i線(波長365nmの光)露光を行った。
【0154】
(現像)
次いで、90℃のホットプレートで3分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に90秒間浸漬することで現像し、直ちに水洗、乾燥を行った。
【0155】
上記方法で求めた最低露光量から、下記基準で酸発生能を評価した。尚、最低露光量が小さいほど、非イオン系光酸発生剤の感度が良好であり、酸発生能が優れていることを示す。
<評価基準>
◎(非常に優れる):最低露光量が200mJ/cm2以下
○(良好):最低露光量が200mJ/cm2より大きく、500mJ/cm2以下
×(不良):最低露光量が500mJ/cm2より大きい
【0156】
【表1】
【0157】
表中の酸発生剤のR1~R5は、それぞれ下記式中のR1~R5である。
【化15】
【0158】
表中の略号を以下に説明する。
【化16】
【0159】
表1より、本発明の酸発生剤(若しくは、化合物(1))は、溶剤溶解性に優れることが分かる。
また、本発明の酸発生剤(若しくは、化合物(1))を含むフォトレジストを使用すれば、厚く成膜した場合にも、i線を照射することで、良好にパターン形成することができることが分かる。
【0160】
以上のまとめとして、本発明の構成及びそのバリエーションを以下に付記する。
[1] 式(1)で表される化合物。
(式中、R1、R2は同一又は異なって、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。R3は水素原子又はOR13又はR13を示し、前記R13は置換基を有していても良い炭化水素基である。R4は水素原子又はR14を示し、前記R14は置換基を有していても良い炭化水素基である。但し、R3とR4が同時に水素原子を示す場合は除く)
[2] i線のモル吸光係数が100~5000(L/mol・cm)である、[1]に記載の化合物。
[3] 25℃における、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートへの溶解度が5重量%以上である、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4] [1]~[3]の何れか1つに記載の化合物を含む酸発生剤。
[5] i線用酸発生剤である、[4]に記載の酸発生剤。
[6] [4]又は[5]に記載の酸発生剤と感光性樹脂を含むフォトレジスト。
[7] 15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成するために用いられる厚膜用フォトレジストである、[6]に記載のフォトレジスト。
[8] [6]又は[7]に記載のフォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法。
[9] [6]又は[7]に記載のフォトレジストを塗布・乾燥して、15μm以上の厚膜フォトレジスト層を形成し、形成された厚膜フォトレジスト層に、フォトリソグラフィーによりパターン形成を行う工程を含む、電子デバイスの製造方法。