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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073974
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】積層セラミックキャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20230519BHJP
   H01G 4/232 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 201F
H01G4/30 311E
H01G4/30 201C
H01G4/30 516
H01G4/30 513
H01G4/232 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174081
(22)【出願日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0157689
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、テク ジュン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ベオム セオック
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、キュン ミ
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ジン オ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC07
5E001AC09
5E001AC10
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AH03
5E001AH07
5E001AJ03
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC32
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG30
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部電極の導電性及び本体に対する密着性が向上させ、外部電極を薄層化しても、高い容量を有する積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】積層セラミックキャパシタ100は、誘電体層111及び誘電体層を間に挟んで交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含む本体110及び本体の外側に配置され、且つ、第1内部電極と連結される第1外部電極131及び第2内部電極と連結される第2外部電極132を含む。第1外部電極及び第2外部電極は、本体上に配置され、Ni及びCrを含む第1電極層131a、132a、第1電極層上に配置され、Cuを含む第2電極層131b、132b及び第2電極層上に配置されるめっき層131c、132cを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層を間に挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の外側に配置され、且つ前記第1内部電極と連結される第1外部電極及び前記第2内部電極と連結される第2外部電極と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は前記本体上に配置され、Ni及びCrを含む第1電極層、前記第1電極層上に配置され、Cuを含む第2電極層及び前記第2電極層上に配置されるめっき層を含む、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第1電極層におけるCr含量は30~50wt%である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1電極層及び前記第2電極層はスパッタリング層である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記第1電極層の厚さは10~100nmである、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第2電極層の厚さは10~300nmである、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記めっき層は前記第2電極層上に配置され、且つNiを含む第1めっき層及び前記第1めっき層上に配置され、且つSnを含む第2めっき層を含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記第1及び第2めっき層の厚さは1~5μmである、請求項6に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記積層セラミックキャパシタは厚さが70μm以下である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記第1及び第2内部電極の積層方向から見たとき、一辺が(250+n×350)μmの-10%と+10%との間に該当する長さを有し、他辺が(250+m×350)μmの-10%と+10%との間に該当する長さを有し、ここでn及びmは自然数である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記本体は、複数の第1及び第2内部電極を含む容量形成部と、前記容量形成部の上下部に配置されるカバー部とを含み、
前記カバー部に配置される複数のダミー電極を含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記本体の側面をカバーし、前記本体において前記第1及び第2内部電極の積層方向を基準にして互いに対向する第1面及び第2面のうち第1面にのみ延びる、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項12】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は前記本体の第1及び第2面に延びる、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項13】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記本体において前記第1及び第2内部電極の積層方向を基準にして互いに対向する第1面及び第2面のうち第1面にのみ配置され、前記第1外部電極は、前記本体の内部に貫通配置された第1連結電極により連結され、前記第2外部電極は、前記本体の内部に貫通配置された第2連結電極により連結された、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項14】
前記第1連結電極は第1内部電極と連結され、且つ第2内部電極と絶縁され、前記第2連結電極は第2内部電極と連結され、且つ第1内部電極と絶縁された、請求項13に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタ又はサーミスタなどのセラミック材料を使用する電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、本体の内部に形成された内部電極及び上記内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設置された外部電極とを備える。
【0003】
セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタは小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの移動通信装置の部品として広く使用されている。
【0004】
最近では、電子製品の小型化及び多機能化に伴い、チップ部品も小型化及び高機能化する傾向にあるため、積層セラミックキャパシタもサイズが小さく、容量の大きい高容量製品が求められている。
【0005】
よって、積層セラミックキャパシタの厚さを薄くするための研究が続けられており、このために積層セラミックキャパシタの外部電極の厚さを減少させようとする努力が続いている。特に、厚さが70μm以下の超薄膜の積層セラミックキャパシタの場合、積層セラミックキャパシタ全体の体積に対してセラミック本体が占める体積を増加させて容量を最大化するために外部電極の厚さを薄層化する必要性が台頭している。
【0006】
ただし、既存のディッピング(Dipping)工程によって形成された外部電極の厚さを減少させることには限界があり、厚さを減らすために外部電極を薄層化することによる様々な問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは、厚さの薄い積層セラミックキャパシタの外部電極を薄層化して高い容量を有する積層セラミックキャパシタを提供することである。
【0008】
本発明の目的の他の一つは、外部電極の導電性及び本体に対する密着性が向上した積層セラミックキャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、誘電体層及び上記誘電体層を間に挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含む本体、及び上記本体の外側に配置され、且つ上記第1内部電極と連結される第1外部電極及び上記第2内部電極と連結される第2外部電極を含み、上記第1及び第2外部電極は上記本体上に配置され、Ni及びCrを含む第1電極層、上記第1電極層上に配置され、Cuを含む第2電極層及び上記第2電極層上に配置されるめっき層を含む積層セラミックキャパシタを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一効果として、厚さの薄い積層セラミックキャパシタの容量を向上させることができ、外部電極の導電性及び本体に対する密着性が向上した積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図2図1のI-I'線に沿った断面図である。
図3】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの断面図である。
図4】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの平面図である。
図5】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの断面図である。
図6】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図7図6のII-II'線に沿った断面図である。
図8】本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図9図8のIII-III'線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0014】
図面において、第1方向は積層方向又は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの外観を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のI-I'線に沿った断面図である。
【0016】
本発明の一実施形態は、誘電体層111及び上記誘電体層を間に挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む本体110、及び上記本体の外側に配置され、且つ上記第1内部電極と連結される第1外部電極131及び上記第2内部電極と連結される第2外部電極132を含み、上記第1及び第2外部電極は上記本体上に配置され、Ni及びCrを含む第1電極層131a、132a、上記第1電極層上に配置され、Cuを含む第2電極層131b、132b及び上記第2電極層上に配置されるめっき層131c、132cを含む積層セラミックキャパシタ100を提供する。
【0017】
まず、図1図2を参照すると、積層セラミックキャパシタ100は、誘電体層111及びこれを間に挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む本体110と、本体110の外側に配置され、且つ第1内部電極121と連結される第1外部電極131及び第2内部電極122と連結される第2外部電極132を含む。
【0018】
本体110は、複数の誘電体層111が積層された形態であり、複数のグリーンシートを積層した後、焼結して得られる。このような焼結工程によって、複数の誘電体層111は一体化した形態を有することができる。本体110は形状において特に限定はないが、実質的に六面体形状であってよい。
【0019】
すなわち、本体110は、上記内部電極の配置による厚さの差及び角部の研磨により、完全な六面体形状ではないが、実質的に六面体に近い形状を有することができる。
【0020】
本体110に含まれた誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料を含むことができるが、十分な静電容量が得られる限り、当技術分野において知られている他の物質も使用可能である。
【0021】
誘電体層111には、主成分であるこのようなセラミック材料と共に、必要な場合、添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤及び分散剤などをさらに含むことができるが、このうち添加剤として内部電極121、122に添加されたものと同じ物質を含むことができ、このような添加剤の濃度は、均一な焼結特性を確保するために局部的に適切に調節される。
【0022】
本体110の内側には、誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む。また、第1内部電極121は、本体110の側面に露出することができ、第2内部電極122は、上記本体110の側面と対向する他面に露出することができる。これにより、第1及び第2内部電極121、122はそれぞれ第1及び第2外部電極131、132と電気的に連結され、駆動時に互いに異なる極性を有することができる。
【0023】
第1及び第2内部電極121、122は、セラミックグリーンシートの一面に所定の厚さで導電性金属を含むペーストを印刷した後、これを焼結することで得られる。
【0024】
第1及び第2内部電極121、122をなす導電性金属は、Ni、Cu、Pd、Ag及びPt、並びにこれらの合金等が例として挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
以下では、図2を参照して第1及び第2外部電極131、132の構造について詳細に説明する。図2を参照すると、第1及び第2外部電極131、132は、本体110の外側に配置され、それぞれ第1及び第2内部電極121、122と連結され、本体110上に配置され、Ni及びCrを含む第1電極層131a、132a、上記第1電極層上に配置され、Cuを含む第2電極層131b、132b及び上記第2電極層上に配置されるめっき層131c、132cを含むことができる。
【0026】
第1電極層131a、132aは、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)を含むことができる。Ni-Cr合金の場合、Crの含量が増加するほど熱膨張係数(Thermal expansion coefficient、CTE)が減少する傾向があり、これによりNi-Cr合金の熱膨張係数と本体110に含まれた上記セラミック材料の熱膨張係数の整合性(CTE matching)が向上することができる。すなわち、第1電極層131a、132aに含まれたNi-Cr合金の熱膨張係数は、単一のNi金属に比べて本体110に含まれたセラミック材料の熱膨張係数に近似した値を有することができる。
【0027】
外部電極に含まれる金属と本体に含まれるセラミック材料間の熱膨張係数が整合しない場合、外部電極と本体に作用する熱変形率(Thermal strain)の差により相互間の密着性が低下する可能性がある。これに対し、本発明の実施形態による積層セラミックキャパシタ100の場合、第1電極層131a、132aに含まれたNi-Cr合金の熱膨張係数が本体110に含まれたセラミック材料の熱膨張係数に近似した値を有することができる。すなわち、相互間の整合性が向上することができる。
【0028】
よって、第1電極層131a、132aと本体110との間の密着性が向上することができる。これにより、外部電極131、132の厚さを薄く形成しても本体110との密着性が保持されることができる。
【0029】
特に、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100の場合、積層セラミックキャパシタ100の体積に対する本体110の体積を増加させて容量を最大化するためには、外部電極131、132の厚さを薄く形成して薄層化しなければならない。これにより、本体110と外部電極131、132との間の密着性が低下する可能性がある。
【0030】
一方、本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132aがNi及びCrを含むことにより、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100において容量を最大化するために外部電極131、132を薄層化しても、本体110と外部電極131、132との間の密着性が保持されることができる。また、Ni-Cr合金の場合、CrがNiの拡散を抑制するだけでなく、酸素の拡散を妨げることによって第1電極層131a、132aが酸化することを防止することができる。すなわち、耐食性及び耐酸化性に優れる。
【0031】
第2電極層131b、132bは、第1電極層131a、132a上に配置され、銅(Cu)を含むことができる。第2電極層131b、132bがCuを含む場合、Cuの高い電気伝導率によって外部電極131、132の導電性が向上することができる。また、Cuの高い熱伝導率によって積層セラミックキャパシタ100の内部で発生する熱を効果的に放出することができ、熱的安定性を確保することができる。
【0032】
したがって、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100において容量を最大化するために外部電極131、132を薄層化しても外部電極131、132の電気伝導性が保持されることができる。
【0033】
第2電極層131b、132b上にはめっき層131c、132cが配置されることができる。めっき層131c、132cは、実装特性を向上させる役割を果たすことができる。めっき層131c、132cの種類は特に限定されず、例えば、めっき層131c、132cはNi、Sn、Pd、Cu及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であってよい。
【0034】
本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132a内のCr含量は30~50wt%であってよい。Cr含量が30wt%未満の場合、第1電極層131a、132aに含まれたNi-Cr合金の熱膨張係数と本体110に含まれたセラミック材料の熱膨張係数の整合性が低下する可能性がある。 Cr含量が50wt%超過の場合、靭性(toughness)及び加工性が過度に低下する可能性がある。
【0035】
第1電極層131a、132a内のCr含量が上記範囲を満たす場合、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100において容量を最大化するために外部電極131、132を薄層化することができる。
【0036】
本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132a及び第2電極層131b、132bはスパッタリング層であってよい。すなわち、上記第1及び第2電極層は、スパッタリング(Sputtering)工法により形成されたスパッタリング層であってよい。
【0037】
上記第1電極層131a、132a及び第2電極層131b、132bはスパッタリング工法により形成されたスパッタリング層であるため、従来の導電性ペーストを用いたディッピング(Dipping)工法に比べてより精密に形成されることができる。また、従来のディッピング工法により形成された外部電極131、132よりも緻密度が高いため、耐湿信頼性が向上することができる。
【0038】
また、上記第1電極層131a、132a及び第2電極層131b、132bを薄く形成することができるため、第1及び第2外部電極131、132の厚さを減少させて積層セラミックキャパシタ100の体積全体に対して容量に寄与する本体110の体積が増加するため、積層セラミックキャパシタ100の容量を最大化することができる。
【0039】
特に、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100の容量を最大化するために外部電極131、132を薄層化しても、上記外部電極を精密に形成することができ、緻密度及び耐湿信頼性に優れた外部電極131、132を形成することができる。
【0040】
本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132aの厚さは10~100nmであってよい。第1電極層131a、132aの厚さが10nm未満の場合、第1電極層131a、132aと本体110との間の密着力及び耐湿信頼性が低下する可能性がある。
【0041】
第1電極層131a、132aの厚さが100nm超過の場合、外部電極131、132の厚さが増加し、積層セラミックキャパシタ100の体積全体に対して容量に寄与する本体110の体積が減少し、これにより積層セラミックキャパシタ100の容量が低下する可能性がある。
【0042】
一方、上記第1電極層の厚さは、多数の領域で測定された値のうち最大値を意味することができ、これとは異なり、多数の値を平均した値であってもよい。
【0043】
本発明の一実施形態によると、第2電極層131b、132bの厚さは10~300nmであってよい。第2電極層131b、132bの厚さが10nm未満の場合、外部電極131、132の導電性及び熱安定性が低下する可能性がある。
【0044】
第2電極層131b、132bの厚さが300nm超過の場合、外部電極131、132の厚さが増加し、キャパシタ100の体積全体に対して容量に寄与する本体110の体積が減少し、これにより積層セラミックキャパシタ100の容量が低下する可能性がある。一方、上記第2電極層の厚さは、多数の領域で測定された値のうち最大値を意味することができ、これとは異なり、多数の値を平均した値であってもよい。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100の断面図である。図3を参照すると、めっき層131c、132cは、上記第2電極層上に配置され、且つニッケル(Ni)を含む第1めっき層131c1、132c1及び上記第1めっき層上に配置され、且つ錫(Sn)を含む第2めっき層131c2、132c2を含むことができる。
【0046】
第1めっき層131c1、132c1はNiを含み、これにより積層セラミックキャパシタ100を基板等に実装する場合、半田として使用される金属が外部電極131、132の内部にマイグレーション(Migration)されることを防止することができる。第2めっき層131c2、132c2はSnを含み、これにより積層セラミックキャパシタ100の実装特性を向上させることができる。
【0047】
本発明の一実施形態によると、第1めっき層131c1、132c1及び第2めっき層131c2、132c2の厚さは1~5μmであってよい。半田として使用される金属のマイグレーション防止及び積層セラミックキャパシタ100の実装特性の向上のために1μm以上であってよく、外部電極131、132の厚さを減少させて積層セラミックキャパシタ100の容量を最大化するために5μm以下であってよい。一方、上記第1及び第2めっき層の厚さは、多数の領域で測定された値のうち最大値を意味することができ、これとは異なり、多数の値を平均した値であってもよい。
【0048】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100の厚さは70μm以下であってよい。このとき、積層セラミックキャパシタ100の厚さとは、第1方向又は内部電極の積層方向で測定した長さを意味することができる。
【0049】
上述したように、第1電極層131a、132a及び第2電極層131b、132bは、本体110との密着性に優れ、電気伝導性に優れるため、外部電極を容易に薄層化することができる。これにより、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100の体積全体に対して容量に寄与する本体110の体積を増加させることができ、超薄膜及び高容量の積層セラミックキャパシタ100を実現することができる。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100の平面図である。図4を参照すると、第1及び第2内部電極121、122の積層方向から見たとき、一辺の長さA1が(250+n×350)μmの-10%と+10%との間に該当する値を有し、他辺の長さA2が(250+m×350)μmの-10%と+10%との間に該当する値を有し、ここでn及びmは自然数であってよい。
【0051】
例えば、n及びmが1の場合、積層型キャパシタ100は600μm×600μmの大きさを有する。ただし、誤差範囲を考慮して、一辺の長さA1は(250+n×350)μmの-10%と+10%との間に該当する値を有することができ、他辺の長さA2は(250+m×350)μmの-10%と+10%との間に該当する値を有することができる。
【0052】
ここで、一辺及び他辺の長さA1、A2が350μmの倍数に大きくなるようにしたのは、実装時の半田ボールなどのピッチ値を考慮したものである。一方、積層型キャパシタ100の一辺及び他辺の長さA1、A2は、多数の領域で測定された値のうち最大値を意味することができ、これとは異なり、多数の値を平均した値であってもよい。
【0053】
図5は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100の断面図である。図5を参照すると、本体110は、複数の第1及び第2内部電極121、122を含む容量形成部と、上記容量形成部の上下部に配置されるカバー部112、113とを含み、上記カバー部に配置される複数のダミー電極123、124を含むことができる。
【0054】
ダミー電極123、124は、導電性金属を含むペーストを印刷して形成されることができる。導電性金属は、Ni、Cu、Pd、Ag及びPt、並びにこれらの合金からなることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、工程効率を考慮して複数の内部電極121、122を形成するペーストと同じペーストを印刷しても構わない。
【0055】
上部カバー部112に配置された第1ダミー電極123は、容量形成部に配置された第1内部電極121と同じ方向に積層された電極からなることができ、第1内部電極121が露出する本体110の側面に同様に露出して第1外部電極131の第1電極層131aと接続されることができる。
【0056】
下部カバー部113に配置された第2ダミー電極124は、容量形成部に配置された第2内部電極122と同じ方向に積層された電極からなることができ、上記第1内部電極121が露出する本体110の側面と対向し、第2内部電極122が露出する本体110の他面に同様に露出して第2外部電極132の第1電極層132aと接続されることができる。
【0057】
厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100は、脆性が大きく機械的強度が低いため、積層セラミックキャパシタの測定、選別及びテーピング工程上における破損及び実装過程における破損の可能性を増大させる。これに対し、本発明の一実施形態に基づき、上部及び下部カバー部112、113にダミー電極123、124が配置される場合、積層セラミックキャパシタ100の剛性が増加することができ、本体110の内部の金属比率が高くなって機械的強度が増加することにより、クラックの発生頻度が減少できる。したがって、厚さが70μm以下の積層セラミックキャパシタ100の低い機械的強度を改善することができる。
【0058】
上下部カバー部112、113に配置されたダミー電極123、124の積層数は、積層セラミックキャパシタ100の機械的強度を改善するために、それぞれ1層以上であってよい。例えば、上部カバー部112にダミー電極123が1層配置されてよく、下部カバー部113にダミー電極124が1層配置されてよい。
【0059】
ダミー電極123、124の積層数の上限値は、積層セラミックキャパシタ100の厚さ、カバー部112、113の厚さ及びダミー電極123、124の厚さなどによって異なるが、積層セラミックキャパシタ100の厚さを過度に増加させないために、それぞれ5層以下であってよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
一方、図5では、上下部カバー部112、113の両方にダミー電極123、124が配置されることを示したが、これに限定されるものではなく、上部カバー部112にのみダミー電極123が配置されるか、下部カバー部113にのみダミー電極124が配置されてよいことは言うまでもない。
【0061】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2外部電極131、132は本体110の側面をカバーし、本体110において第1及び第2内部電極121、122の積層方向を基準にして互いに対向する第1面S1及び第2面S2のうち第1面にのみ延びることができる。
【0062】
すなわち、第1外部電極131は、第1内部電極121が露出する側面をカバーし、第1内部電極121と電気的に連結され、第2外部電極132は第2内部電極122が露出する側面をカバーして、第2内部電極122と電気的に連結されることができる。外部電極131、132が第1面S1にのみ延びることにより、70μm以下の厚さを有する積層セラミックキャパシタ100において本体110が占める体積を向上させ、容量を最大化することができる。
【0063】
一方、図6及び図7を参照すると、第1外部電極231及び第2外部電極232は第1面及び第2面S1、S2に延びることができる。外部電極231、232が第1面及び第2面に延びることにより、本体210との密着性が向上することができ、耐湿信頼性が向上することができる。
【0064】
外部電極231、232がスパッタリング層である第1電極層231a、232a及び第2電極層231b、232b、第2電極層231b、232b上に形成されためっき層231c、232cを含むため、外部電極231、232の厚さを薄く形成して薄層化することができる。これにより、70μm以下の厚さを有する超薄膜の積層セラミックキャパシタ200において本体210が占める体積を増加させ、容量を最大化することができる。なお、誘電体層211、第1内部電極221、第2内部電極222については、それぞれ誘電体層111、第1内部電極121、第2内部電極122と同様の構成である。
【0065】
図8は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図であり、図9は、図8のIII-III'線に沿った断面図である。
【0066】
図8及び図9を参照すると、第1及び第2外部電極331、332は、本体310において第1及び第2内部電極321、322の積層方向を基準にして互いに対向する第1面S1及び第2面S2のうち第1面S1にのみ配置され、第1外部電極331は、上記本体の内部に貫通配置された第1連結電極341により連結され、第2外部電極332は、上記本体の内部に貫通配置された第2連結電極342により連結されることができる。
【0067】
すなわち、第1外部電極331は、本体310の第1面S1に配置され、本体310の内部に貫通配置された第1連結電極341により連結されることができ、第2外部電極332は、本体310の第1面S1に配置され、本体310の内部に貫通配置された第2連結電極341により連結されることができる。また、第1及び第2外部電極331、332は互いに離隔して配置されることができる。
【0068】
第1連結電極341は第1内部電極321と連結され、且つ第2内部電極322と絶縁され、第2連結電極342は第2内部電極322と連結され、且つ第1内部電極321と絶縁されることができる。
【0069】
これにより、第1外部電極331は第1連結電極341により連結され、第1連結電極341は第1内部電極321と連結され、且つ第2内部電極322と絶縁されるため、第1外部電極331は第1内部電極321と電気的に連結されることができる。また、第2外部電極332は第2連結電極342により連結され、第2連結電極342は第2内部電極322と連結され、且つ第1内部電極321と絶縁されるため、第2外部電極332は第2内部電極322と電気的に連結されることができる。
【0070】
一方、第1及び第2内部電極321、322は、本体310の一面及び上記一面と対向する他面に露出せず、これにより第1及び第2連結電極341、342を介して本体310の第1面S1に配置された第1及び第2外部電極331、332とそれぞれ連結されることができる。
【0071】
第1及び第2連結電極341、342は、本体310と第1及び第2内部電極321、322にホールを形成し、これに導電性物質を充填して形成することができ、このような導電性物質は導電性ペーストを塗布したり、めっき等の方法を用いることができる。この場合、セラミック本体310のホールは、セラミックグリーンシートにレーザー工法又はパンチング等により形成されるか、焼成後の積層体にホール加工して得られることができる。
【0072】
図8及び図9によると、第1及び第2連結電極341、342が本体310の第2面S2を介して露出しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内部電極321、322が配置されない上部のカバー領域によって第1及び第2連結電極341、342の端部がカバーされることもできる。
【0073】
第1及び第2内部電極321、322を、第1及び第2連結電極341、342により第1及び第2外部電極331、332とそれぞれ連結させることによって、誘電体層311を間に挟んで第1及び第2内部電極321、322が互いに重なる面積を最大化することができる。これにより、厚さが70μm以下の超薄膜積層セラミックキャパシタ300の容量を最大化することができる。
【0074】
また、第1及び第2連結電極341、342を介して同じ種類の内部電極321、322が互いに電気的に連結されるため、厚さが70μm以下の超薄膜積層セラミックキャパシタ300の場合でも内部電極321、322の連結性を向上させることができる。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0076】
100、200、300:積層セラミックキャパシタ
110、210、310:本体
111、211、311:誘電体層
112:上部カバー部
113:下部カバー部
121、221、321:第1内部電極
122、222、322:第2内部電極
131、231、331:第1外部電極
132、232、332:第2外部電極
131a、231a、331a、132a、232a、332a:第1電極層
131b、231b、331b、132b、232b、332b:第2電極層
131c、231c、331c、132c、232c、332c:めっき層
131c1、132c1:第1めっき層
131c2、132c2:第2めっき層
123:第1ダミー電極
124:第2ダミー電極
341:第1連結電極
342:第2連結電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9