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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073982
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】バルブプレート
(51)【国際特許分類】
   F16K 51/02 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
F16K51/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175727
(22)【出願日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】10 2021 129 883.0
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】弁理士法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マティアス シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト リッチャー
(72)【発明者】
【氏名】マリオ モーザー
(72)【発明者】
【氏名】アレン フラニク
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール ベック
【テーマコード(参考)】
3H066
【Fターム(参考)】
3H066AA03
3H066BA38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】真空バルブの閉状態における弾性シール部材の圧縮の均一性が改善された、有利なバルブプレートを提供する。
【解決手段】バルブプレートは、エラストマー材料からなるシール部材2が前側に取り付けられるプレート部1と、バルブプレートをバルブロッドに固定するためのスロットによりプレート部から間隔をあけて設けられた縦方向に延在している連結部5と、を備えている。プレート部1の後側を上方から臨んだ場合、連結部5の幅方向4への延在部分は、連結部5の対向する第1側端面5aおよび第2側端面5bによって画定されている。連結部5の第1側端面5aの縦延在部分の中央部分には、連結部5をバルブロッドの端部に連結するための連結機構5cが形成されている。連結部5は、第2側端面5bに連続した延在部分が、第1側端面5aに連続した延在部分と比較して強く補強されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブプレートであって、
エラストマー材料からなるシール部材(2)が前側に取り付けられ、縦方向(3)に対して垂直な幅方向(4)の延在部分よりも当該縦方向(3)の延在部分が大きいプレート部(1)と、
前記バルブプレートを少なくとも1つのバルブロッド(8)に固定するための縦方向に延在している連結部(5)と、を備え、
前記連結部(5)が、前記縦方向(3)について相互に間隔をあけて配置された2つの端部において、前記プレート部(1)の前側とは反対側にある後側に連結され、
当該2つの端部の間の領域で、前記プレート部(1)および前記連結部(5)の間に存在するスロット(6)が前記プレート部(1)から離間して形成され、
前記プレート部(1)の背面視において、前記連結部(5)が、前記幅方向(4)について対向する前記連結部(5)の第1側端面(5a)および第2側端面(5b)により画定され、
前記連結部(5)の前記第1側端面(5a)の縦中央部分に、前記連結部(5)の前記第1側端面(5a)から突出するバルブロッド(8)の端部に対して前記連結部(5)を連結するための連結機構(5c)が前記連結部(5)に形成され、
前記連結部(5)が、前記第2側端面(5b)に対して前記幅方向(4)に連続している延在部分において、前記第1側端面(5a)に対して前記幅方向(4)に連続している延在部分と比較して強く補強されている
バルブプレート。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブプレートにおいて、
前記連結部(5)が、前記第2側端面(5b)に対して前記幅方向(4)に連続している延在部分において、前記第1側端面(5a)に対して前記幅方向(4)に連続している延在部分よりも厚い
バルブプレート。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバルブプレートにおいて、
前記連結部(5)のそれぞれの端部から前記連結部(5)の縦中央部分にかけて、前記連結部(5)の板状の連結アーム(5e、5f)のそれぞれが延在している
バルブプレート。
【請求項4】
請求項3に記載のバルブプレートにおいて、
前記連結部(5)の前記第2側端面(5b)に対して前記幅方向(4)に連続している延在部分において、前記連結アーム(5e、5f)から前記バルブプレートの前記プレート部(1)に向かって補強ウェブ(5g)が突出している
バルブプレート。
【請求項5】
請求項4に記載のバルブプレートにおいて、
前記補強ウェブ(5g)が前記第2側端面(5b)に直接的に配置されている
バルブプレート。
【請求項6】
請求項4または5に記載のバルブプレートにおいて、
前記補強ウェブ(5g)が、前記プレート部(1)の前側に対して垂直な平面に存在している
バルブプレート。
【請求項7】
請求項3~6のうちいずれか1項に記載のバルブプレートにおいて、
板状の前記連結アーム(5e、5f)のそれぞれが、前記プレート部(1)の前側に対して20°以下の角度をなす平面に存在し、当該平面が、前記連結部(5)のそれぞれの端部から前記連結部(5)の縦方向の中心部にかけて、前記プレート部(1)の前側から離間している
バルブプレート。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1項に記載のバルブプレートにおいて、
前記連結機構(5c)が、前記バルブロッドの端部を受け入れるための連結部(5)の凹部を有している
バルブプレート。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか1項に記載のバルブプレートにおいて、
前記プレート部(1)が、前記プレート部(1)の前側と反対側にある後側において、前記連結部(5)の両端部が連結される前記縦方向(3)に延在している補強リブ(1a)を有している
バルブプレート。
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項に記載のバルブプレートにおいて、
前記バルブプレートがバルブシートに押し付けられた際、前記バルブプレートの前記プレート部(1)の角度を前記バルブシートに適合させることを可能にするために、前記バルブプレートの前記連結部(5)がプ前記レート部(1)に対してねじ曲がり可能である
バルブプレート。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか1項に記載のバルブプレートを有する真空バルブにおいて、
前記真空バルブを開閉するためのバルブ駆動機構(13、14)によって変位可能な前記真空バルブのバルブロッド(8)により前記バルブプレートが支持されている
真空バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブプレートに関する。バルブプレートは、エラストマー材料からなるシール部材が前側に取り付けられ、縦方向に対して垂直な幅方向の延在部分よりも当該縦方向の延在部分が大きいプレート部と、前記バルブプレートを少なくとも1つのバルブロッドに固定するための縦方向に延在している連結部と、を備えている。前記連結部が、前記縦方向について相互に間隔をあけて配置された2つの端部において、前記プレート部の前側とは反対側にある後側に連結されている。当該2つの端部の間の領域で、前記プレート部および前記連結部の間に存在するスロットが前記プレート部から離間して形成されている。前記プレート部の背面視において、前記連結部が、前記幅方向について対向する前記連結部の第1側端面および第2側端面により画定されている。前記連結部の前記第1側端面の縦中央部分に、前記連結部の前記第1側端面から突出するバルブロッドの端部に対して前記連結部を連結するための連結機構が前記連結部に形成されている。
【背景技術】
【0002】
バルブロッドに対して取り付けられ、当該バルブロッドがそれに対して垂直に延在している軸線を中心に揺動可能なジョイントまたは関節機構を有するバルブプレートが知られている。真空バルブの閉状態において、構造上の公差および弾性変形、特にバルブロッドのわずかなたわみが補正されることにより、バルブプレートの前側に配置されたシール部材のより均一な圧縮を達成することができる。しかし、真空バルブの真空領域における関節機構を介した連結は、表面が相互に変位する際にパーティクルが発生するため、望ましくない。
【0003】
前記のようなタイプのバルブプレートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。バルブプレートのプレート部がその前側にエラストマー材料からなるシール部材を備え、プレート部の後側において縦方向に延在している連結部が配置され、その両端部がプレート部に対して連結されている。両端部の間には、連結部がプレート部から間隔をおいて配置され、連結部の縦中央部には、当該連結部をバルブロッドの端部に連結するための連結機構が設けられており、バルブロッドの端部が連結部の凹部に挿入されてそこに螺合されている。バルブプレートのバルブロッドに対する一定の揺動は、連結部のねじれ(ひねり)の形態の弾性変形によって可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開公報 US2011/0108750A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述のタイプのバルブプレートにおいて、真空バルブの閉状態における弾性シール部材の圧縮の均一性が改善された、有利なバルブプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するバルブプレートによって達成される。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つの連結部が、第2側端面に対して幅方向に連続または隣接している延在部分において、第1側端面に対して幅方向に連続または隣接している延在部分と比較して強く補強されている(補強度が高い)。第2側端面は、幅方向について第1側端面の反対側にあり、連結部をバルブロッドの端部に連結するための連結機構は、第1側端面の縦延在部分の中央部分に形成されている。バルブロッドに対して連結された状態では、バルブロッドは、連結部の第1側端面において連結部から突出する。第2側端面の領域において連結部が補強されていることにより、真空バルブの閉状態における少なくとも1つのバルブロッドのたわみによるシール部材の圧縮の非均一性を低減することができる。
【0008】
連結部が、第1側端面に対して幅方向に連続している延在部分よりも、第2側端面に対して幅方向に連続している延在部分において厚く形成されていることにより、当該連結部が補強されていることが好ましい。
【0009】
本発明の有利な実施形態では、少なくとも1つの連結部は、連結部の端部のそれぞれから連結部の縦方向の中心部まで延在している板状の連結アームを備えている。補強機構を構成するために、好ましくは、補強ウェブが、好ましくは連結アームの第2側端面に対して幅方向に連続している延在部分において、バルブプレートのプレート部分に向かって連結アームから突出し、補強ウェブが連結部の第2側端面に直接的に配置されていることが特に好ましい。
【0010】
本発明のさらなる利点および詳細は、添付図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るバルブプレートの第1実施形態を一の方向から臨んだ斜視図。
図2】本発明に係るバルブプレートの第1実施形態を他の方向から臨んだ斜視図。
図3】バルブプレートの正面図。
図4】バルブプレートの背面図。
図5】縦方向に延在している一方の幅狭側面の側面図。
図6】縦方向に延在している他方の幅狭側面の側面図。
図7図5のA-A線に沿ったバルブプレートの断面図。
図8図5のB-B線に沿ったバルブプレートの断面図。
図9】横に切断されたバルブプレートを一の方向から臨んだ立体図。
図10】横に切断されたバルブプレートを一の方向から臨んだ立体図。
図11図1図10の本発明に係るバルブプレートを有する真空バルブの簡略図。
図12図11のC-C線に沿った開状態における真空バルブの断面図。
図13図11のD-D線に沿った開状態における真空バルブの断面図。
図14】中心位置における図12と同様の断面図。
図15】閉状態における真空バルブの図12と同様の断面図。
図16】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図1の対応図。
図17】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図2の対応図。
図18】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図3の対応図。
図19】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図4の対応図。
図20】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図5の対応図。
図21】本発明に係るバルブプレートの第2実施形態の図6の対応図。
図22図11の対応図。
図23】第2実施形態に係る図22のE-E線に沿ったバルブプレートの断面図。
図24】第2実施形態に係る図22のF-F線に沿ったバルブプレートの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るバルブプレートの第1実施形態が図1図10に示されている。バルブプレートはプレート部1を有し、その前側または前側面には、好ましくは平坦または実質的に平坦に形成された、エラストマー材料からなる環状のシール部材2が取り付けられている。例えば、シール部材2は、プレート部1に加硫接着されていてもよい。溝にO-リングが設けられていてもよい。
【0013】
プレート部1は、幅bよりも大きい、好ましくは2倍以上の長さaを有している。プレート部1は、縦方向3または長手方向の縦延在部分またはサイズが、縦方向3に対して垂直な幅方向4または横方向における幅延在部分またはサイズよりも大きく、好ましくは2倍以上大きい。
【0014】
プレート部1の厚さは、幅bよりも実質的に小さく、好ましくは半分以下である。
【0015】
プレート部1の前側を上方から臨んだ場合、前述のように本実施形態におけるプレート部1は、好ましくは角が丸みを帯びた矩形状の輪郭を有している。
【0016】
縦方向に延在している連結部5は、バルブプレートをバルブロッドに連結する役割を担っている。連結部5は、幅方向4よりも縦方向3に大きく延在している。好ましくは、連結部5の縦方向3の延在部分またはサイズは、幅方向4の延在部分またはサイズに対して2倍以上である。
【0017】
連結部5は、縦方向3に離間したその両端部においてのみ、プレート部1の前側とは反対側の後側に連結されている。本実施形態では、プレート部1の後側には、プレート部1が比較的厚く、かつ、縦方向3に延在している部分において、縦方向3に延在した補強リブ1aが形成されている。補強リブ1aは、プレート部1の後側に段差状の高さを形成している。連結部5の両端部は、補強リブ1aの領域においてプレート部1に連結されている。
【0018】
補強リブ1aが省略されてもよく、プレート部1が、少なくとも後側が実質的に平坦に形成されていてもよい。必要であれば、プレート部1が少しだけ厚く形成されていてもよい。
【0019】
連結部5の両端部の間にある領域において、当該連結部5はプレート部1から間隔をあけて存在し、これによりプレート部1と連結部5との間にスロット6が形成されている。
【0020】
特に、連結部5は、その縦延在部分が縦方向3と平行に延在し、プレート部1の幅方向4の延在部分の中心領域において延在している。
【0021】
本実施形態では、プレート部1および連結部5が一体的に形成され、バルブプレートの金属製の基体を構成している。これに代えて、プレート部1および連結部5が複数の部品により構成され、当該複数の部品を固定する連結要素が設けられていてもよい。例えば、連結部5が別個の部品として構成され、その両端部がプレート部1に対して溶接されていてもよい。また、連結部5の両端部がプレート部1に対してネジ止めされていてもよい。
【0022】
プレート部1の後側の上面図(=バルブプレートの背面側の上面図)において、連結部5は、幅方向4について相互に対向している第1側端面5aおよび第2側端面5bにより画定されている(図4参照)。第1側端面5aの縦延在部分の中心領域において、連結部5には連結機構5cが形成されている。これは、バルブロッドの先端部分に連結する役割を担う。このため、連結機構5cは幅方向4に配向している。本実施形態では、連結機構5cは、第1側端面5aに位置する連結部5の幅狭の側面(=周縁面)における凹部の形態で構成されている。この凹部にバルブロッド8の先端部分が挿入される。図4において、連結部5に連結されたバルブロッドの一部が破線で示されている。凹部の底部には、第2側端面5bに位置する連結部5の幅狭の側面(=周縁面)まで続く穴5dが設けられている。この穴5dを通じて、バルブロッドの端部におけるネジ山に締結用ネジ7(図4では破線で表示されている。)が螺合されうる。そして、バルブプレートに連結されたバルブロッド8は、図4に示されているように、第1側端面5aにおいて連結部5から突出している。
【0023】
連結部5は、その端部のそれぞれから縦中央部まで延在している2つの板状の連結アーム5e、5fを有し、連結機構5cが形成されている凹部を介して相互に連結され、本実施形態では一体的に形成されている。したがって、連結アーム5e、5fの厚さは、その長さおよびその幅よりも実質的に小さい。
【0024】
本実施形態では、板状の連結アーム5e、5fは、平面15に延在しているプレート部1の前側と20°以下の角度をなす平面16、17に延在している。連結アーム5e、5fは、連結部5の端部のそれぞれから連結部5の縦中央部にかけてプレート部1の前側から離間している(図5参照)。
【0025】
連結部5は、板状の連結アーム5e、5fからプレート部1に向かって突出する補強ウェブ5gをさらに有している。補強ウェブ5gは、連結部5の第2側端面5bに連続している延在部分に配置されている。横断面において(図8図9および図10参照)、補強ウェブ5gは、連結アーム5e、5fに対して垂直である。連結部5は、第2側端面5bに対して幅方向4に連続している延在部分が、第1側端面5aに対して幅方向4に連続している延在部分と比較して、補強ウェブ5gにより補強されている。連結部5の幅方向4の延在部分のうち、第2側端面5bに連続しているその半分の領域、本実施形態では、第2側端面5bに直接的に当該補強部材が配置されている。
【0026】
本実施形態では、補強ウェブ5gは、プレート部1の前側が存在する平面15に対して垂直な平面に存在する。
【0027】
変形実施形態において、第2側端面5bに連続している延在部分における連結部5の補強は、異なる方法で、特に当該領域における連結部5の比較的大きな厚さによって実現されていてもよい。例えば、連結アーム5e、5fは、その縦方向に延在している段差を有し、それによって、連結アーム5e、5fは、第1側端面5aに連続している延在部分と比較して、第2側端面5bに連続している延在部分において厚くなるように形成されていてもよい。
【0028】
本発明に係るバルブプレートを有する真空バルブが簡略化され、部分的に模式化された構成が図11図15に示されている。バルブプレートは、固定ネジ7によってバルブロッド8に対して固定または締結されている。バルブプレートおよびこれに隣接または連続しているバルブロッド8の部分が、バルブハウジング9の内部空間に配置されている。真空バルブの開状態において、バルブプレートはバルブ開口部10を開放し、ひいてはバルブ開口部10およびこれの反対側にある開口部11との間で延在しているバルブハウジング9の内部通路を開放する(図12参照)。 真空バルブの閉状態において、バルブ開口部10はバルブプレートによって閉じられ封止される(図15参照)。
【0029】
バルブロッド8は、例えばベローズ12によってバルブハウジング9の内部から封止または遮断された状態で導出されている。真空バルブを開閉するには、真空領域の外部空間に配置されたバルブ駆動機構によってバルブロッド8が駆動される。このため、縦駆動機構13および横駆動機構14が模式的に図示されている。バルブロッド8が、縦駆動機構13により、真空バルブの開状態から、バルブプレートがバルブ開口部10に対向しているものの、そこから離間している中間状態まで、その縦方向に変位する(図14参照)。バルブロッド8、ひいてはバルブプレートが、横駆動機構14により、この中間状態から、バルブロッド8の縦軸線に対して垂直な方向に変位し、この結果、バルブプレートのシール部材2がバルブハウジング9の内側でバルブ開口部10を取り囲むバルブシートに対して押し当てられる。バルブシートは、シール面によって構成されている。
【0030】
本発明に係るバルブプレートを備えている真空バルブは、設計変更されてもよい。例えば、中間状態から真空バルブを閉じるために、バルブロッド8の縦軸線に対して垂直に延在している揺動軸線のまわりにバルブロッド8が揺動されてもよい。
【0031】
連結機構5cおよびそれと協働するバルブロッド8の端部も設計変更されてもよい。連結機構5cおよびバルブロッド8の間に一定形状の回転防止機構が形成されていてもよい。例えば、バルブロッド8が、その縦方向に延在している突起状の櫛歯を持ち、これが連結機構5cを形成する凹部の壁部における対応する溝に係合する。
【0032】
バルブプレートがバルブシートに押し付けられた場合、バルブロッド8に一定のたわみが生じる。バルブシートに対するバルブプレートの角度は、連結部5のたわみによって調整可能である。連結部5のたわみは、特に、連結部5のひねり(=ねじれ)である。第2側端面5bに対して幅方向4に連続している延在部分において連結部5が補強されることにより、そのような補強がなされずに設計された連結部と比較して、バルブ駆動機構の反対側においてバルブプレートに設けられているシール部材2の(長辺部分または長辺脚部の)縦方向への圧縮が増長されうる。このようにして、バルブ駆動機構の反対側にあるシール部材2の縦方向への圧縮が、バルブ駆動機構に近いシール部材2の(長辺部分または長辺脚部の)縦方向への圧縮に適合されうる。
【0033】
バルブプレートの連結部5の補強機構は、連結部5の幅方向4の延在部分のうち、バルブ駆動機構から離間している半分に配置されている。
【0034】
本発明に係るバルブプレートの第2実施形態が図16図21に示されている。以下、第1実施形態との相違点が説明される。その他の点では、第1実施形態の説明が援用されうる。
【0035】
本発明の第2実施形態では、プレート部1の縦延在部分に対して相互に連続または隣接している2つの連結部5が設けられている。本実施形態のバルブプレートは、間隔をあけて配置された2つのバルブロッド8に取り付けられるように構成されている。この場合、2つの連結部5の構成が同じであることが好ましい。第2実施形態では、2つの連結部5のそれぞれは、第1実施形態の単一の連結部5と同様に形成されている。
【0036】
相互に反対側にある2つの連結部5の端部は、プレート部1の縦中央部分において、プレート部1の後面に固定されている。本実施形態における連結部5およびプレート部1は一体的に形成されていることが好ましい。
【0037】
第2実施形態に係るバルブプレートが採用された真空バルブが図22図24に示されている。バルブプレートが取り付けられるバルブロッド8が間隔をおいて2本あることを除けば、第1実施形態の構成に対応している。バルブロッド8のそれぞれは、真空バルブを開閉するために縦方向および縦方向に対して垂直な横方向に変位可能である。本実施形態では、バルブ駆動機構は、この目的のために、バルブロッド8のそれぞれについて、別個の縦駆動機構13および横駆動機構14を有している。また、複数のバルブロッドのための共通の縦駆動機構13および/または共通の横駆動機構14が設けられていてもよい。バルブロッド8の横方向への変位の代わりに、バルブロッド8の縦軸線に対して垂直な軸線まわりにバルブロッドが傾動されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1‥プレート部
1a‥補強リブ
2‥シール部材
3‥縦方向
4‥幅方向
5‥連結部
5a‥第1側端面
5b‥第2側端面
5c‥連結機構
5d‥穴
5e‥連結アーム
5f‥連結アーム
5g‥補強ウェブ
6‥スロット
7‥固定ネジ
8‥バルブロッド
9‥バルブハウジング
10‥バルブ開口部
11‥開口部
12‥ベローズ
13‥縦駆動機構
14‥横駆動機構
15‥平面
16‥平面
17‥平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18
図19
図20
図21
図22
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